1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十日(水曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 森山 欽司君
理事 正示啓次郎君 理事 福永 一臣君
理事 三池 信君 理事 井谷 正吉君
理事 岡本 隆一君
逢澤 寛君 天野 光晴君
稻村左近四郎君 大野 明君
木部 佳昭君 木村 武雄君
佐藤 孝行君 砂原 格君
堀内 一雄君 渡辺 栄一君
金丸 徳重君 久保田鶴松君
實川 清之君 原 茂君
山中日露史君
出席国務大臣
建 設 大 臣 小山 長規君
出席政府委員
建設政務次官 白浜 仁吉君
建 設 技 官
(河川局長) 上田 稔君
委員外の出席者
建設事務官
(河川局次長) 国宗 正義君
専 門 員 熊本 政晴君
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三月九日
委員稻村左近四郎君辞任につき、その補欠とし
て村上勇君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員村上勇君辞任につき、その補欠として稻村
左近四郎君が議長の指名で委員に選任された。
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三月五日
適正単価に基づく公共工事発注に関する請願
(丹羽兵助君紹介)(第一一〇四号)
同(佐々木秀世君紹介)(第一二三二号)
不動産鑑定業に関する特例による営業期限延長
等に関する請願(春日一幸君紹介)(第一一三一
号)
同(田中伊三次君紹介)(第一一三二号)
同(大倉三郎君紹介)(第一一七六号)
同(久野忠治君紹介)(第一一七七号)
同(和爾俊二郎君紹介)(第一一七八号)
同(小川半次君紹介)(第一二三一号)
同(野田卯一君紹介)(第一四〇六号)
三多摩地区内の公営住宅払下げに閲する請願
(鈴木一君紹介)(第一一九四号)
日立足利線の国道編入に関する請願(藤尾正行
君紹介)(第一二〇七号)
主要地方道日立太子線等の舗装に関する請願
(藤尾正行君紹介)(第一二〇八号)
関東ローム地域の道路整備促進に関する請願
(福永健司君紹介)(第一三三五号)
東北自動車道建設促進に関する請願(福永健司
君紹介)(第一三三六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出第四八号)
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/0
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001・森山欽司
○森山委員長 これより会議を開きます。
治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。金丸徳重君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/1
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002・金丸徳重
○金丸(徳)委員 少し迂遠なことからお尋ねいたすのでありますが、予算を拝見いたしますと、建設事業予算の中で、各事業ともに相当の伸びを示しておるようであります。あるものは前年に比べて三割近い伸びを見せておる。少ないものでも二割何分というような伸びを示しておるようでありまして、私は現段階における建設行政が政策の面で重視されておるということで、非常に喜びにたえないのでありますが、しかし予算の金額の面の伸びがそのまま事業の伸びと見るわけにはまいらぬことは、あらためて申し上げるまでもございません。そうした中において、たとえば住宅関係などにおきましては、これはもう、戸数が伸びておる、あるいは床面積が伸びておる、あるいは内容の設備がよくなっておるというようなことで、大体見当がつくのでありますが、事河川関係、治水関係になりますというと、金額の伸びがそのまま治水の伸びといいますか、もっと端的に言いますと、国土の安全度の伸びと見るわけにまいらぬのではないか、こう思うのであります。
そこで、大臣は、実際に国土の安全度という意味において、ことしの予算に盛られておるものはどの程度に実際に伸びておるのか、どうごらんになっておられるのか、しろうとわかりのするように御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/2
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003・小山長規
○小山国務大臣 予算の金額上の伸びは、予算の数字をごらんいただければわかるわけでありますが、その中で、治山、治水費の伸びはどうだろうかということでありますけれども、これは私の考えでは、たとえば住宅にしましても、道路にしましても、用地費が上がったりあるいは建築単価が上がったりしますと、それだけ金額では伸びても、事業量は伸びないわけでありますが、その用地費などの比較なりあるいは工事費の比較におきましても、道路や住宅と比べると、治水事業のほうは、用地なりあるいは建設単価の、いわゆる物価騰貴に災いされる面は比較的少ないのじゃないかというふうな感じであります。
なお、詳細は事務当局から御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/3
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004・上田稔
○上田政府委員 お答え申し上げます。
治水事業につきましては、四十年度におきます国費の伸びで申し上げますと、一九%ということになっておりまして、海岸事業でいきますと、二二%という伸びになっております。ただ、事業費で申しますと、四十年度におきましては、国庫負担率の改正がございまして、その関係で、四十年度は幾ぶん治水関係については伸びが少なくなっておるわけであります。それでいきますと、河川と砂防とは異なっておりますが、平均では一二%の伸びということになっております。
単価で申し上げますと、河川の工事は、大体やっております仕事が、高潮工事を除きますと、いなかのほうが多うございます。したがいまして、そう大きな開きはないわけでございまして、用地費で申しましても、事業費の大体二、三〇%程度でおさまっておる状態であります。したがいまして、用地費が上がりましても、そう大きく影響がないというのが実情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/4
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005・金丸徳重
○金丸(徳)委員 そうしますと、大体金額面の伸びがおよそ事業量の伸びと見て、それほど差しつかえがない、こう解釈してよろしいのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/5
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006・小山長規
○小山国務大臣 いま局長から申し上げましたようなことで、大体金額の伸びと事業量の伸びはそう大きく開かないだろう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/6
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007・金丸徳重
○金丸(徳)委員 そこで、私実は建設省でお出しになっておる「国土建設の現況」というのを拝見いたしまして、明治中期以来戦争前まで、かなり治山治水の仕事が功を奏しておって、災害が急激に減っておるのがよくあらわれておる。それが戦争が始まるや、たちまちにして山の手当てがおくれておる、川の手当てもおろそかになったということからして、災害が急激に伸びております。そして終戦後何年かいたしまして、再び治山治水に力が入ってきたということからいたしまして、このようにはっきりと災害の減少が見えて、私は、国土の安全度というものが、山にあるいは川に金をつぎ込むだけ、はっきりと功を奏している証左をこの図によって受け取ったのであります。
ただ、それならば、ことしの予算は去年よりも伸びている、あるいは去年はおととしよりも伸びているということからいたしまして、このようなカーブを描いても、そのまま国土の安全度といいますか、災害の減少というものが予定できますかどうか。私がお伺いいたしたいのは、そういうことであったのであります。大臣はどうごらんになっておるか。
たとえば、ことしの予算は伸びたというけれども、その伸びた予算は、災害復旧のほうによけいとられてしまった。あるいは治水とは別に——治水の効果もあるでありましょうが、もし、水利用のほうにねらいが多くかかっておった方面に使われておるとしますれば、金は伸びたけれども、国土の安全度は期待できないことになりはしないか、こういう心配を持つのでありますが、これはどういうふうにごらんになっておりましょうか。復旧のほうに相当の金がかかるのではないか。こう思われるものですから、ほんとうに国土の安全を期するための治水予算というものは、どう事業量の上で伸びておりますか。お伺いをいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/7
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008・上田稔
○上田政府委員 ただいまの先生の御質問でございますが、利水のほうにこの治水関係予算を使っているのではないか、こういう御質問ではないかと思うのでありますが、利水の事業に対する費用というものは、実は治水の予算と合併してやるわけでございます。
たとえて申し上げますと、多目的ダムをやる場合に、建設省で盛ります治水関係予算は、その治水に関する面の予算を組むのでございまして、それにあわせて、利水の予算は別に出していただいて、それを合わせて工事を行なうということでございまして、ここにあがっております治水関係予算は、いま申しました多目的ダムの治水の面だけが入っておるわけでございます。したがいまして、この予算は治水の予算である、この伸びは治水の伸びであるというふうにお考えいただいたらいいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/8
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009・金丸徳重
○金丸(徳)委員 そういたしますと、国土の安全度安全度ということばがいいかとうかは別といたしまして、要するに、まくらを高くして寝ることができるような状態というものが——予算面でいいますと、二割以上三割近くも伸びている、こういうふうに受け取れるでありましょうが、大臣、政治家の勘といたしまして、そういうことが言い得ましょうか。予算は伸びているが、どうも災害はふえてくる、ここ両三年来特にふえてきているのじゃないかと思われる節もある。それは、去年もおととしも大台風はなかったかもしれない。しかし、ちょっとした集中豪雨程度で、非常に大きな災害がもたらされた。しかし、それはあらわれただけのことであって、国土全体としましては、危険の度合いがますます進んできておるのじゃないかと思われるのであります。これは私のよけいな心配であればしあわせでありますが、何となしの感じが、そういうことをかねがね感ずるのでありますが、いかがでありましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/9
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010・小山長規
○小山国務大臣 それはおっしゃるとおりだと思います。と申しますのは、計画的に、いままで、もとの十カ年計画の前期五カ年計画ということで、治水事業をやってきたわけでございますが、その間に、いままで思いも及ばないところに住宅団地が建ったり、あるいは工場が建ったりいたします。そして計画のほうは従来の洪水の度合いに応じて、大きい河川——小さい河川もあわせてそうでありますが、やっておるのに、実際は、その中小河川の近所に大団地ができたり、大工場地帯ができたり、そのために思わざる被害を受けるという事態が起こっておるわけであります。そこで、いまおっしゃったような議論になるわけでありますが、それでは、それを根本的に直すにはどうするかといいますると、これはまた非常な大事業でありまして、いまわれわれが想定しております、重要河川を九兆数千億円で守ろうという計画を立てておりますものの、それも現在の日本の財政の力からいいますと、やはり十五年ぐらいかかるだろうというふうにいわれておるわけでありますから、そこで、一体どこを守るのかということを、まず目標を定める、そして最近の洪水の状況その他を見たり、あるいは新しくできた団地だとか工場地帯だとか、人口の稠密しておるところだとか、そういうものを見ながら、そこで新しい河川計画を立てる必要があるというので、こういう治山治水の新五カ年計画を立てよう、こういうことになったわけでありまして、したがって、いまおっしゃったように、あちらこちらに洪水が起こり、被害が起こっているじゃないかとおっしゃることはもっともであると思います。そういう意味では、これは五カ年計画の初年度でありますが、新しい計画のもとに、現在の日本の国情に合った計画を立てて、そしてこれからの治水の万全を期していきたい、こういう趣旨で、今度の五カ年計画をつくり、そしてこの緊急措置法の法律改正をお願いしておる、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/10
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011・金丸徳重
○金丸(徳)委員 国の新しい産業計画、都市計画などに合わせて、非常に緊切なところから手をつけるということが、今度の五カ年計画のねらいのように承ったのでありますが、しかし、そのねらいも、あまり近視眼的に、目先の地域をつけられるというと、せっかくのねらいもやぶにらみになってしまうような心配もあるので、私は、集中豪雨の被害、それからたとえば雨量の統計的にいうと、そう大きくもない台風であるのにかかわらず、被害が大きいというような最近の状況から見ますると問題の拠点といいますか、根元は、案外山の奥にあるのじゃないかというような気がいたすのであります。山を捨てておいたがために、中流の小さな川が荒れていく。その中流の小さな川が荒れてきて下流の大きな川に影響を及ぼし、その付近の都市計画なり工場、団地に大きな障害を及ぼしてくるということは、例枚挙にいとまないと思うのであります。そこで、今度の新五カ年計画が、大臣いまおっしゃいましたように、九兆何千億と計算されるところの、国土の総合的な全般的な安全をねらって、安定をねらっての計画の出発であるとしますならば、そういうところに強く目を置いて計画を立てておかれませんと、ほんとうの安全度の伸びにはならないのではないかと思われるのでありますが、新五カ年計画ではそれらのことについてはどういうふうに進められておりましょうか。私は、実はこの席に農林大臣にもおいでをいただいて、農林省がやっておられるところの治山計画、山腹砂防などについてもお伺いをすればよろしいのでありますが、それは後日また合同審査の機会もあるそうでありますから、そのほうはそれといたしまして、建設大臣としては、治水計画を立てるために、山に対する手当てにどういうふうな関心を持たれ、農林大臣と共同作戦で、そのもとから直す方針を出発なさっておられるか。今度の新五カ年計画については、それはどの程度強くお扱いになっておられるか、承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/11
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012・小山長規
○小山国務大臣 局長からひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/12
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013・上田稔
○上田政府委員 お答え申し上げます。
五カ年計画におきましては、水系を一貫して改修していこうという方針に基づいておるのでございますが、先生がいまおっしゃいましたように、山地に対する部分についてのものがいままで幾ぶんおくれておりますので、これを砂防にある程度重点を置いて、計画をいたしております。たとえて申しますと、五カ年計画では、現在の三十九年度、ことしの予算でございますが、それをベースにいたしますと、治水事業全体では、五カ年計画では一二%の伸び率のものでございますが、砂防に対しましては、一五・三%の伸び率というふうに伸ばしております。四十年度をベースにいたしますと、四十年度砂防に多くつけておりますので、砂防の四十年度をベースにいたしますと、一四・二%になるということになって、いずれも砂防に重点を置いて施策いたしておる、こういうことであります。
なお、治山との関係でございますが、これは砂防とあわせまして、その伸びを考えながら計画を一緒にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/13
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014・金丸徳重
○金丸(徳)委員 ことに砂防につきましては、長い間の問題があることでありますから、十分農林省とも打ち合わせの上で、計画に粗漏がなく進められておるとは思うのでありますが、私は、前期五カ年計画の事業遂行率を見ますると、建設関係におきましては相当程度いっておるようでありますが、農林省が受け持っておる治山関係では、五六%ぐらいの達成率になっておるようでありますね。それはお調べになればわかることでありますが、私が受け取りました報告書によりますと、前期五カ年計画の達成率は五六%である。そうしますと、山の部分が非常に手おくれになっておることが、それだけでもわかる。これは新五カ年計画ですぐ追いつくから、と言われればそれまででありますけれども、はたしてその追いつく体制がありやいなやを心配するのであります。といいますのは、山のほうに——私はこれを本会議でも申し上げたのでありますが、人口が減っておりますし、それから山は顧みられない。ますます荒れほうだいに荒れてきておるときにおきまして、なるほど一部分、部分的には保安林の計画によって、多少治山の実をあげておるところもあるかもしれませんけれども、全体的に見ますと、山の奥はますます荒れ、山腹は荒れ、渓谷は荒れて、非常に下流に大きな影響を及ぼす心配がある。前期五カ年計画が五六%の達成率でありますならば、今度はそれをも追い越して相当に力を入れてもらいませんと、私は建設大臣が治水計画の上でだいぶ力を入れても、何か、権兵衛が種まけばというようなことをいいますが、そういう心配があるのであります。そこで今度の計画をお立てになる場合においては、この点相当に農林省にハッパをかけておかれる必要がある。もしくは共同作戦をとって、治山方面の予算が相当盛り込まれていなければならないと思うのであります。建設大臣は、治水の責任を持たれる立場から、この方面にどういうふうな力をお払いになっておられるか承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/14
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015・小山長規
○小山国務大臣 おっしゃるとおり、治水計画を立ててみましたところで、山が荒れたのではしり抜けになってしまうわけでありますので、この五カ年計画をつくるにあたりましては、別に治山五カ年計画というものができているわけでありますから、治山の五カ年計画も、その際にわれわれのほうで水系一貫の計画を立てますので、たとえば利根川水系なら利根川水系、あるいは淀川水系なら淀川水系の治山計画も一緒になるように、これは国務大臣として、農林大臣と十分打ち合わせをし、そしてわれわれの希望と向こうの計画とが違う場合には、これを積極的に調整していかなければならぬ、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/15
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016・上田稔
○上田政府委員 補足いたします。ただいまの治山事業でございますが、これがいま計画の五、六〇%しかできておらないのではないかという御質問でございましたが、これは、治山のほうは実は前期五カ年計画を立てて施行しております際に、災害が発生いたしまして、その災害が発生したことによって、いままで計画をしておった以外の、災害地に近いところで、どうしても治山をやらなくてはいけないというものが発生いたしましたので、そのほうを一緒に、災害または災害関連とともにやっておかなければ非常にその地方が治まりにくいということで、それを先に施行いたしたわけでございまして、金額にいたしますと、前期五カ年計画どおりの事業費としてはやっておるわけでございます。したがいまして、この長期計画で考えると、いま言ったところはむだな仕事ではございませんで、先行してそこをやった、前に前期五カ年計画で考えておった区域とは違うところをやったわけでございますが、前に考えておった地域で言いますと、五、六〇%の達成率、正確に言うと五八%、それだけしかできておらないということでございまして、治山のほうも、仕事としては進んでおるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/16
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017・金丸徳重
○金丸(徳)委員 仕事としては進んでおるのに違いありませんが、実際に当初の計画から見ますと、足並みが乱れておるわけです。片一方は一〇〇何%にいっておる、片一方は五、六〇%、それはなるほど長期的に考えますればむだではないに違いない。むだではないに違いありませんが、計画の足並みをそろえていくことによって、水系一貫主義をとられたのにも合うわけですから、片一方は甲の地点を、災害を受けたということでしっかりやる。片一方は乙のほうで力が入っておる。この間に連絡がない、一貫性がないために、上は直ったけれども下がだめだ、下はよくなったけれども上がだめだということのために、安全度に片ちんばが出てきて、結局においては、さっき申しましたように、何とはなしに不安感が増しておるのではないかという心配があるから、お伺いをした。私が冒頭に大臣にお伺いいたしましたのは、せっかく予算がついた、予算はなるほど使った、予算を使っただけ、それだけ治水の効果があがっておるかどうかということで、全体的に総括的にお伺いしたがったのはそのことでありますので、この点はどういうふうにごらんになっているか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/17
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018・上田稔
○上田政府委員 実は、治水のほうも同じようなことがある程度はあるわけでありますが、そういうような事実にかんがみまして、今度の新しい五カ年計画におきましては、治水におきましても、治山におきましても、予備費というものを設けていただきまして、そういうような不時の災害または不時のできごとによって、どうしても必要であるというようなものは、この計画の以外に考慮をしていただくということで、ただいま出しております五カ年計画では、それを織り込んでいただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/18
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019・金丸徳重
○金丸(徳)委員 それでは、しつこくお伺いするのですが、こういういろいろの一貫性を欠くような面も出てきております。これは自然災害のためにやむを得ないとはいいながら、出てきておることはお認めになっておるわけであります。それにもかかわらず、治水政策の実績は、予算面にあらわれておるように、二割もしくは三割程度進んでおるとごらんになっておるのでしょうか。私はしろうと考えで、わが国の国土は、もう年々、建設大臣の御苦労によって、どんどん伸びており、よくなっておるのだ、たとえばここにあらわれておるこういうカーブは、下がってきたのだけれども、上がっていく心配はないのだと言い切れるかどうか。お書きになったこの書類を見ましても、最近の状況から言って、たとえば労賃の問題その他の問題からいって、再び災害が増す心配がある、こういうふうなことに受け取られるような書きぶりでありますが、これはこちらのほうが、うそと言っては悪いかもしれませんが、書き過ぎであって、いまお答えになっておるようなことがほんとうなのか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/19
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020・上田稔
○上田政府委員 災害が少なくなっておるのか、ふえておるのかということでございますが、先ほど大臣がお答えになりましたように、将来、想定はんらん面積が三十町歩以上のところは守るということにいたしまして計算いたしますと、必要な工事量というものは約十兆近くあるわけでございます。したがいまして、いままで明治以来、日本の国において非常に治水に力を入れていただいたのでありますけれども、日本の国の国力の点がまだ伸びておらなかったせいもありまして、治水に投資していただいた金を三十八年度の単価にかえて計算をいたしますと、計算の方法はいろいろありまして、計数の問題もありますけれども、それを一つの方法でやってみますと、二兆二千億程度になるわけであります。したがいまして、いままで治水に投資して、できたのが二〇%くらいであった。それで二〇%くらいのところはある程度よくなってきた。しかしながら、そのほかの地区におきましては、まだ二%でございますから、非常に危険性がある。台風はどこに被害を及ぼすかわからぬわけであります。したがって、全体の傾向としては、災害は二〇%ばかり減ってきておるわけでありますが、災害というものは、その年によって、大きいものと小さいものとが大きく変動しながら起こるわけであります。全体としては下がる傾向でございますけれども、年によっては上がるということはあり得る。こういうふうに波打って、こういって、全体としてこう下がっておるわけでございますから、大きいときの年が当たりますと、そのときはまだ二〇%くらいしかできておりませんので、被害はふえる年もあるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/20
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021・森山欽司
○森山委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/21
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022・森山欽司
○森山委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/22
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023・金丸徳重
○金丸(徳)委員 いまのお答えで、これはずいぶんむずかしい計算ですけれども、これから費やすと予定されるものが十兆程度、まあ九兆何千億だそうです。それからいままでに、これも明治政府以来と計算していいんだろうと思うのですが、二兆何千億、二割弱ですね。これだけ費やしたならばだいじょうぶであろうというその程度から見ると、二割弱程度きり費やしてないということであるようです。私は、日本がまだ近代国家にならない前の、封建制あるいは自然国家というような時代においては、国民もがまんをしておった。それから被害の程度も、そういう意味においては少なかったが、こうしてもう近代国家となり、産業も近代化されてき、国民生活も充実されてきた今日においては、やはり自然災害の害というものは、従来から、同じ雨でも同じ風でも、非常に大きくなると思われる。そういうものを考えますと、これから費やすであろうところの、費やさなければならないところの十兆は、相当ハイスピードで工事を進めなければならぬのじゃないか。この点が、私は国の政策面において非常に格差のあるというか、手おくれになっておると思うのです。これはしかし、戦後急激に産業を伸ばさなければならない、ことに輸出産業に力を入れなければならぬという国の当面の必要さからして、やむを得なかったことでありますが、いまや産業もかなりのところへ入ってきたということになりますと、今度はほんとうにもとに返って、土台から直してやるときがきたのじゃないかと思われます。いままで百年近くかかって二兆円きり金をかけておらぬところに、日本の国土は、非常に何となしの心配の種を持っておったわけですから、今度はそれを大急ぎで直さなければならない。この点はもうここで強調するまでもないことだと思うのですが、そういう意味におきましては、今度の五カ年計画というものはあまりにもみじめなものに思われはしないか、依然として、旧態の日本の産業なり日本の国民生活を前提として考えられておったものじゃないかと思うのであります。新しい産業生活、新しい都市生活、新しい国民生活に即応すべき治水計画としては、非常に手おくれなものに思われるのであります。これはどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/23
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024・上田稔
○上田政府委員 ただいま先生から御質問がありましたのは、建設省としては、将来計画といいますか、長期計画というものをどういうふうに考えておるか、そのうちの第一回の五カ年計画というけれども、現在まで、その五カ年計画で、はたして長期計画でいけるのかという御質問でなかったかと思うわけでございますが、建設省といたしましては、ただいま申し上げました、つまり三十町歩以上の想定はんらん面積のあるようなところは、これを築堤で守っていくのだという計画でやりますと、大体積み上げ計算で、約十兆の予算が必要になるわけであります。正確に言うと九兆五千七百億でございますが……。そうしますと、それをもとにいたしまして、重要な水系については、これを十三、四年ぐらいで完成をする、その他の河川については、大体十六年ぐらいで、幹川となるようなところは全部やってしまおう、つまり治水の根幹となるようなものはやってしまおう、それから砂防については、現在荒廃しておる砂防というものは、これを十三、四年で大体完成してしまおう、それから予防砂防、つまり現在こわれそうになっておるけれどもまだこわれてはいない、これは初めから予防しておかなければいけない、こういったような砂防というものを十六年ぐらいで完成してしまおう、地すべり地帯というものは、やはり十三、四年でこれも手当てをしてやっていこう、こういうふうな計画を立てておるわけでございます。しかし現在つけております予算、これが治水で申し上げますと、三十九年度は千二百億ぐらいでございます。来年度は千三百億ぐらいになるわけでございますが、千二百億ぐらいというものを一応ベースに置きまして、現在この千二百億の予算ですべての工事をやります体制が、一応できておるわけでございます。それをもとにして伸びというものを考えて、そしてこの十兆という予算を消化していこう、こういうふうに考えて計画を立てて、それの第一回目の五カ年計画としてやっておりますので、この調子でやっていただきまして、第二回目の五カ年計画を計画どおりにやっていただきますと、そして第三回目というふうにやっていただきますと、大体二十年間くらいいたしますと、国土が、三十町歩以上というようなところが全部守れるという計算になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/24
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025・金丸徳重
○金丸(徳)委員 いまの建設省の基本計画の基礎となった数字というものは、これはたしか伊勢湾台風後大急ぎで集計なさった数字じゃないですか、私がこんなことをお伺いいたしますのは、あの当時といまとはだいぶ事情が違っている。河川関係においてはそうではないかもしれませんけれども、砂防関係におきましては、だいぶ事情が違っていると思います。それはその後集中豪雨というのが頻発しておることも一つであります。もう一つは、山の労力関係が全く違ってきております。あのころ計算しあのころ集計した金とは、いま集計なさるとよほど違うのじゃないですか。それから、あのころ各現地の役所あるいは地方当局を督励なさって、山を調べて工事費を計算なさったのと、今日この状況下において集計なさったものとは、よほど違ってくるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/25
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026・上田稔
○上田政府委員 お答え申し上げます。確かに、すべて工事というものは以前の計画をもとにはいたしておりますが、その積算につきましては、今度の五カ年計画は三十八年度にあらためて計画を立てたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/26
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027・金丸徳重
○金丸(徳)委員 そうしますと、多少、時間的にはいろいろな関係で延びたにいたしましても、もちろん物価の値上がりなどは別といたしまして、そういう事情がない限りは、この金額で足りる、こう考えておられると思うのですが、その点、よほど腹を据えて考え直しておいていただきませんと、せっかく進められても、大事な砂防計画に大きな穴があいて、わが国の治水計画というものは、いつまでたっても十分といえないような状況が出てくるのじゃないかということを心配する。河川関係でいいますと、関係者も目の前で見ておりますし、ことにまた産業計画その他によって、世間の目も財政当局の目も及びますから、比較的建設省のほうで力を抜かれても、世間がこれを許さなくなるということがあるからいいのでありますが、一歩山の奥に入った砂防事業というものは、だれも見てくれない、ただたよるのは、建設省の河川御当局だと思うのです。この当局が非常に甘い考えでおって、この程度の金を用意しておれば、あるいはこの程度の予算がことしつくならば、まずまずだろうなどと言っておりますと、たいへんな手違いを起こすのじゃないかと思うのですが、どうですか。これは私の杞憂であればいいのですけれども、専門家としてごらんになって……。第一、私がこんなことを言ってはいけませんけれども、建設当局の係官が、山の奥まで、年に一度ぐらいごらんになるだけの余裕があるのですか、そういう金はとってあるのですか。山がどうなっているかわからない、十年前、二十年前の地図をたよりに、十年前、二十年前にその地に住んでおった人々の要望を土台にして、やっておられるのではないか。それでは、私は実際の面に合わぬと思うのです。山の状況はだんだん変わってきておる。それに合うような計画を立てておかれぬといけないと思いますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/27
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028・上田稔
○上田政府委員 砂防関係の費用というものは、先生が先ほどおっしゃいましたように、建設省関係と農林省関係と二つに分かれておりまして、合わせますと、大体建設省の砂防の予算の倍ぐらいになるわけでございます。建設省としては、砂防が幾ぶんおくれておるので、これに重点を置いておりますが、あわせまして、工事を進めておるわけでございます。したがいまして、いままでは砂防の予算というものがこの程度のものであった、それから伸びを考えてやっておりますので、急激に伸びましても、またこれはなかなかいろいろな困難が生じてまいりますので、治水と比べてそれよりはよけいに伸ばすという方法で伸ばして、工事を進めて追いつかしていこう、こういうことでつり合いをとらしていこう、こういうふうに考えておるわけであります。
それから第二点の、計画が古いんじゃないか、昔の人が入った二十年も先のものをたよりに計画をしているのじゃないかということでございますが、そういうことでは決してございません。県にはみな砂防課というものもございますし、建設省は直轄の砂防事務所も持っておりますし、また建設省の中には砂防部をつくりまして、砂防部長以下、現地に出張をいたしまして、計画を見たり、また山の中へ入って歩き回っております。したがいまして、そう二十年も先というようなものをもって計画をいたしておるということは絶対にございません。その点は御信頼をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/28
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029・金丸徳重
○金丸(徳)委員 河川局長が絶対にないと言われますから、それを信頼いたすのでありますが、しかし砂防関係はとかくおくれがちである。これは過去の実績がよくこれを証明しておる。河川局長も身をもって体験されておることと思います。そうしてその証拠といってはいけないのですけれども、集中豪雨の被害は、従来にも増して頻発しておるし、程度が高くなっているということも、その方面に手の回りかねておる証拠ではないかと思うものですから、非常にくどくなったのでありますが、申し上げたのであります。私の申し上げるねらいは、砂防関係ということよりも、奥地の広い意味の治水について、これこそ治水のもとであるという意味において、思い切って力を入れておいていただく、それには、この治水五カ年計画の策定などがいい機会ではないかと思うものですから、ここでひとつ法案の改正もさることながら、計画自体において新しい機軸を出しておかれないと、非常に禍根をあとに残す心配ありということを申し上げたかったのであります。
そこで、今度はお尋ねの焦点を変えるのでありますが、私は、わが国土の安全度は、全体的にはなお増すどころか、もしかすると減っておる部分的であるかもしれませんが、減っておる心配があるということを申し上げたい。しかし、直したところは非常によくなっておるわけですからいいのでありますが、その直したところといえども、たとえば上のほうに砂防ダムがりっぱにできた、あるいは山腹砂防が完成された、保安林がりっぱになったということからいたしまして、山は治まりました、川も安全度は増しましたというときにおいても、なお部分的には昔のままの川の状態を持っておるところがありはしないかと思うのです。それは例が適切かどうかわかりませんけれども、天井川というのがそれなんです。あれは、災害が起きた、その災害復旧が完全であればああいう状態ではなかったはずなんです。けれども、流れた土砂を全部さらって、もとの状態に戻すというのは容易でない。いわんや山の奥がまだ荒れる心配があるときは、せっかく下のほうの砂をさらい、石をのけても何にもならねということですから、それは一時的にはそういうことがやむを得なかったかもしれませんけれども、いまや山がおさまった、砂防ダムが何本も入って、もうこれからは土砂が流れを出す心配がないというときになっても、なおかつ中流において、あるいは下流において、天井川をそのままおくということが、私にはわからないのであります。こういうものについての始末は、どういうふうに考えられておるのですか。まさかあれを天然記念物のように、あるいは災害記念碑のように、とっておくつもりではなかろうと思う。すみやかにそれをもとに直す——可能性もありますし、その効果もあるのですから、国といたしましては、災害復旧という責任を持っている立場からいって、これは直さなければならぬと思うのですが、河川局としてはどういう根本方針をもって臨まれておるのであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/29
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030・上田稔
○上田政府委員 ただいま天井川についての御質問がございましたが、この天井川が発生をいたしますのは、確かに先生がおっしゃいましたように、上流の山地が荒れて、そこから土砂が崩壊したやつが出てきて、それが河床にたまって、そしてだんだんとそれが上がっていく、堤防をつくる、またそこへたまって、堤防をつくるということで、結局田面より、あるいはもとの畑地、住宅よりも高くなっていくというのが普通の状態でございますが、いままでにできましたのは、たとえば戦争中に災害復旧というものができなくて、また砂防というものに力が入れられなかったというようなことで、土砂が出てきておったのが、ずっと出てまいったり、またもっと古くは、明治時代、またそれ以前の時代におきまして、山が非常に荒れて、土砂が順次出てきておったのが天井川を形成しておった、というのがいままでの状況でございます。それではいま天井川というものはどういうふうに改修をしておるのかというお尋ねでございますが、これは、実は天井川というのは非常に扱いにくい川でございまして、改修するといたしましても、非常にむずかしいのでございます。それで、これは全部取ってしまえばいいじゃないかという御疑問も出るかと思うのでございますが、全部土砂を取るということになると、非常に多額の金が必要になり、またその土砂の処分ということがこれまたできない。どこかへやはり持っていかなければならない。持っていく先には、そういう土砂をやはり積んで置かなければならないということになりまして、その処分は非常にむずかしいわけでございます。それで、現在では、改修の方針としては、天井川というのは大体盛り土になったようなところに、こういうふうにできておりますから、それでこれを横へ動かすということは非常にむずかしい。したがって、なるべく下げはいたしますけれども、下げて、そして安定勾配というものを考えて、そして漏水のないように改修をいたしていくというような方式をとって改修をいたしておりまして、その土を全部取っていくという方法は、特殊の場合以外は考えておりません。ただ、最近は、だんだんと山が治まってまいりますとともに、河床がだんだんと下がってくるわけです。これに対しては護岸の根入れを深くして、そして下がるのをなるべく助長するような考え方をとっておりますが、場所によっては、農業用水をとっておられるところもありますし、あるいはまた橋梁のピアの根入れの関係もありまして、そう下げられないというところは、床止めを入れてとめておる、こういうような改修方式をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/30
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031・金丸徳重
○金丸(徳)委員 確かに、天井川の対策はむずかしいということはよくわかる。ただ、私はある書物で知ったことでありますけれども、最近全国的に見て、天井川が、ことに中国方面におきまして非常に増大しておる。あるいは中部地方の山岳地帯、四国方面でそういうことも言われておるわけです。これは専門家が広くごらんになっておられますから、私の読んだ本が間違っておるかもしれませんけれども、ただそういう心配もあろうかとちょっと思いますのは、先ほどくどく申し上げたように、山の中がとかく手おくれになっておるから、あるいはそういう心配もある。そこで、もしこの天井川がさらに成長するといいますか、そういう心配があるならば、これこそはもう私は、治水政策の最優先に取り上げて、この対策を練っておきませんと、国土の荒廃といいますか、民主の心配これ以上のものはないように思う。たまたまそういうところが、農業地帯である、人口希薄で、産業も伸びがおそいからということで、手おくれになってもいいと言われてしまえばそれまででありますが、それがまたやがて大きな災害のもとになるわけでありますから、それを直していかなければならない。これにつきましては、根本策を練っておかれて——なるほどたまった土砂を一挙に取り出してしまっても、もとの川の姿にするということはむずかしいかもしれません。しかし、むずかしいかもしれぬけれども、やってやれぬこともありませんし、最初にそういうことをほうっておけば、それが悪循還を来たして、先ほど申しましたようなことになるので、最初にもとの姿になおすということが大切であろう。天井川については、もとの姿に直すことが原則であり、好ましい姿であるというような基本方針を、お立てになれるならばそれをお立てになって、当初の災害において、まずその禍根を残さぬようにやっておかなければいけないと思う。こういうことにつきましては、新五カ年計画では、頻発するそうした中小河川の災害に対してどういう腹づもりで、どういう特別の対策を持っておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/31
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032・上田稔
○上田政府委員 最近発生する災害につきましては、その災害復旧費とともに、災害関連費というものを入れまして、そして徹底的に災害の復旧につとめておるわけでございます。したがいまして、現在では発生をいたしました土砂が下流にそう流れていくということは、いまのところは考えておりません。そしてその災害では、たとえばある地点においてとめまして、その上流においてまた出てくるであろうものは、つまり崩壊いたしまして、その崩壊の非常に大きい場合、またそこに木が生えるまでに欠けてくる、そういう心配もあるわけでありますが、そういうものについては、砂防工事を入れまして治めておる状況であります。そして先生がいまおっしゃいましたように、天井川がだんだんと大きくなり、上がってくるというような場所につきましては、徹底的に砂防工事を進めております。たとえて申し上げますと、淀川におきましては、琵琶湖から出口のところに大戸川という川がありますが、これはやはり明治以降におきまして天井川として発生してきて、だんだん大きくなったわけであります。この上流については徹底的に砂防をやって、現在では上がってくることが一応とまっております。そういうふうに、徹底的に力を入れてやっておるわけであります。六甲山につきましても、これは六甲砂防というものをやりまして、表六甲については一応治まってきておる。したがって、昭和十三年のときにたしか災害を受けたのでありますが、それが三十六年でございましたか、十三年と同じぐらいの雨が降ったのでございますが、ごくわずかな被害しか出なかった。これはやはり非常に徹底的な砂防ができたこと、それから河川のほうも、天井川に対してそれを治めるような工法をとった、そういう効果だと思うのであります。そういうふうに、建設省の計画といたしましては、農林省の治山事業とタイアップいたしまして、そしてそういう治水というものに重点を置いて計画をいたし、施行をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/32
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033・金丸徳重
○金丸(徳)委員 災害のために河床が上昇して、天井川になるような心配のものについては、徹低的に、その禍根を将来に向かってなくなすということで、災害復旧をやられる、そういう方針であられるのですね。ぜひそういう方針をとってもらいたいのでありますが、同時に、この災害復旧は国の責任においてやらなければならぬ。最近ことに激甚災害なんかについては、そういう方針を堅持される、私はそうあるべきだと思うのです。従来は、戦争前なんかは、ことにそうであったのでありますが、まあ天災だからやむを得ないというようなことで、国は力を入れてやるのだけれども、全部国の経費においてもとに戻すというようなことはされなかった。そういうことがいま残っておるところの天井川というような事態に大きく影響しておるのじゃないかと思われるのでありますが、この天井川というようなものの復旧といいますか、これは一種の災害が現にあると見まして、これの復旧などにつきましては、やはり激甚災とまでは言えないかもしれませんが、それは少しずつ積もり積もって、ついにああいうことが起きたわけです。一度に来ればそれは激甚災害だけれども、二十年も三十年も逐次悪盾環を重ねてきたのですから、災害それ自体は激甚ではなかったけれども、結果的に見ると激甚であったという意味におきまして、これが復旧は全部国が負担すべきであると思うのでありますが、この点はどういうふうに考えて、また処理なさるつもりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/33
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034・上田稔
○上田政府委員 非常にむずかしい御質問でございますが、土砂が流出してきて、その土砂を災害復旧として、とっておらなかったその以前の時代の、極端にいえば、徳川時代にこわれたようなものがございます。そういうことになりますと、川というものはすべてそういうことになりますので、現在では、異常天然現象によって流出してきたものについては、特に大きいものは取り除くというふうにいたしまして、河床がにわかに上がって、もう河積がなくなってしまったというものについては、土砂をさらえるというものを災害復旧にはとっておりますが、長年にわたって出てくるものは、やはり改修工事として——ある程度の特異な天然現象のものは、災害としてとっておりますが、それ以外の状態においても、国土というものは、ある程度変化を常にいたしておるわけでございますが、そういう変化のものはやはり改修工事として取り上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/34
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035・金丸徳重
○金丸(徳)委員 改修工事であるがために、現地の者に復旧費の一部を負担させるというようなことになると、私は承服できないのです。といいますのは、その災害は、現地の人々の責任によって起きておるわけではない。天然災害はすべてそうでありましょうが、ことに天井川を形成するような地域における災害というものは、全く上のほう、言ってみますれば、縁もゆかりもないところの、国の責任であるところの、山の手当が不十分のために、その影響を受けて、下流で大きな土砂をかぶってしまう。そして天井川を形成して、その伏流水によって、両岸の田畑、宅地というものは非常な被害を受けている。そういうものの復旧に、現地の者が幾らか負担しなければならぬというのがいかにも気の毒にたえない。そういうことからして、河川の改修が行なわれておる。といいますのは、この沿岸住民は、分担金の負担にたえないがために、まあまあということで、こう薬ばりをしている。そのこう薬ばりのものが、次の災害においてさらに河床が上がってくる。堤防を上げなければならぬということで、悪循環を来たしておるのですから、当初において——いまは方針が変わってきまして、災害復旧は、できる限り国がよけい持つということになっております。そういう方針が当初からとられておるならば、いまのような現象は来たさなかったと思われる。そこで、今度いまあるところのものを改修するにつきましては、もう付近の住民に負担金を出せというような、まことに残酷きわまる要望はなさらぬで、これこそ、国が当初いまのような方針をとっておったりせば直したであろうような態度、方針、国の予算の裏づけにおいてやってもらいたいと思うのでありますが、これはどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/35
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036・上田稔
○上田政府委員 災害復旧につきましても、県災でございますと三分の二が国でありますが、三分の一は県にお願いしておるわけであります。改修工事でありまして、一級水系では、四十年度からは国が四分の三、中小河川について申し上げてみますと、四分の三は今度は国が負担をいたしまして、四分の一を県にお願いしておるということでございまして、河川改修はすべて県の負担をお願いしておるわけでございます。また県工事におきましては、国が何割かを補助するという補助制度をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/36
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037・金丸徳重
○金丸(徳)委員 河川局長、具体的に幾つかの例をあげてお尋ねすれば、もう少し実のある御返事をなさるのだろうと思いますが、具体的な例をあげたりいたしますと、かえって時間的にいってもいけませんから、方針だけをお尋ねするのでありますが、いまのような川の状態というものは、積もり積もった災害の集積であって、これを改修というか復旧というか知りませんけれども、これは国の責任であるはずだ。県といわず、市町村といわず、地元負担というようなことは考えられないで、いまのような方針が昭和の初期においてとられておったならば、あるいはああいう事態は起こらなかったと思うがゆえに、この新五カ年計画において、災害復旧を重点といいますか、先にやらなければならぬ、それからもう一つは、効果の多いところを最優先的にやられるという方針がとられるならば、新五カ年計画における工事を進める大方針としましては、そういうものに先に目をつけて、重点的に行なうべきではないか。このことは、次の委員会できっと問題になるだろうと思うのですが、災害常襲地帯というような特殊地帯についても同じことがいえると思うのです。その災害常襲地帯というようなものがあるのは、下流における手当ての不十分か、上流における手当ての不十分か、いずれにしても、原因はその地帯ではないはずです。こちらのほうの手当てが十分であったらば、そういうことが起こらないというような意味において、こういう地帯については、最優先的に目が向けらるべきではなかろうか。今度の新五カ年計画は、私どもは非常に期待しておるわけであります。ただ残念ながら、金額が非常に減っておる。減ってはおるけれども、先ほどお話を承りますと、事業量は減らないそうであります。金額が減った程度は事業量が伸びておるそうでありますから、そういう意味においては、私は実際期待できると思いますから、その期待する工事を、最も効果のある、いままで最も残酷な扱いを受けておったところに向けてもらいたい、これは要望も兼ねまして、お願いいたしたい。具体的に例をあげて申し上げますと、もっとぴんとくると思うのでありますが、きょうの席では、少し時間的にも制約もありますから、この点は政務次官、ひとついかがですか。政府の大方針として、新五カ年計画の出発年度でありますし、私はやはり決意のほどを国民にお示しになっておくことが大切なことだと思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/37
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038・白浜仁吉
○白浜政府委員 金丸委員の長時間にわたる質疑を通じて、私じっと御意見を拝聴しながら感じたのでありますが、いろいろ御指摘された点につきましては、建設省というよりも、政府全体として、これは非常な責任を感じて努力をしてまいったわけでございます。したがいまして、今回のいろんな予算に対しましても、苦しい財源の中ではございますけれども、政府、与党一体となって努力をした結果が、今日御審議をお願いしているようなことでございます。ところが、過去の実績その他を見まして、非常に予算措置が少なかった。これは時代の流れでやむを得なかったろうと思うのでありますが、いま私どもが、国民の税負担全体のものと見合っての仕事でございますので、先ほど、砂防の関係などもなかなか調査が不十分じゃないか、という御指摘もあったようでございますが、これもまた税負担を考えまして、そうお役人をふやすわけにいかぬというようなこと、こういうふうなことのかみ合わせもありまして、なかなか御要望のように、十二分に御期待に沿うということはむずかしいということは、これは私が申し上げるまでもないことでございます。しかしながら、全体を通じて、御指摘の点などにつきましても、今回の五カ年計画などには、十二分ではございませんが、御意思を体して、もって御審議をお願いしていると、私は考えておるわけであります。したがいまして、今後も御協力をいただきまして、過去のそうした恵まれない方々、あるいは御迷惑をかけられる部分につきましても、できるだけ個々の負担が大きくないようなことで進んでいきたい、当然そうなるべきだ、というふうに考えておるわけでございますので、御了承をお願いしたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/38
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039・金丸徳重
○金丸(徳)委員 ただいまのお答えで、非常に御期待いたすわけであります。大臣と力を合わせられまして、閣内においても、この方面に、特に国の政策がいままでにも増して強く実行されますように、これは特に政務次官のお力添えをお願いいたしたいと思います。
そこで、実は大臣がお出になるのを待って、お尋ねいたしたい点が一つあったのでありますが、大臣のお答えは、次の機会に譲っていただいてけっこうであります。
これは、河川局長に、大体の方針なり、事務当局としての考え方を承るのでありますが、これはきのうの新聞であります。荒川の未利用地をレクリエーション場として利用したいというようなことが、これは総理府でも問題になり、建設省でもこの計画を進めておられるように、新聞は伝えておりますが、これは事実なんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/39
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040・上田稔
○上田政府委員 お答え申し上げます。
荒川の河川敷のうちの高水敷でございますが、これを何か運動場のようなものにできないかということで、それも特定の、たとえば学校とか会社とかいうものではなくて、一般の人たちが自由に入れるようなものができないか、というようなお話がありまして、現在そういうところを探しておるわけでございますが、一部、できたらそういうことを、河川上差しつかえがなければ、これはもちろんけっこうだと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/40
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041・金丸徳重
○金丸(徳)委員 河川改修が済み、上流の治山が完備してきたという状態の川は、できるだけ河川敷の高度の利用ということも考えなければならないと思うのです。私は、その一番の手近でいい例は多摩川だと思うのです。多摩川の上流にはりっぱなダムができてしまって、もはや洪水待ちということなんです。台風でも来なければ、せっかくのダムが満ぱいしなくて困るのだというまでになっている。そういう状況の中からは、もう多摩川は全流域にわたってはんらんの心配などはないと見ていいと思うのですね。それもダムができて一年、二年であるならば、なお様子を見るということもあるかもしれませんけれども、あの計画というものは、戦争前に計画されて、そうしてなるほど完成は三十年であったかもしれませんが、しかし完成後も十年たっておるわけであります。そうしたことからいいますと、河川が安定した後における計画というものは、巨細にわたって、この地域はこの程度に河心を整理するとか、河川敷はこういうふうに利用する、こういうふうに現地の人々に利用させるのだ、国としてこういうふうに利用するのだ、というような計画が、河川当局としてはあってしかるべきだと思うのであります。これは東京都との御相談の必要もあろうと思うのでありますが、そういうことについては、どういうふうに進んでおられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/41
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042・上田稔
○上田政府委員 お答えを申し上げます。
実は、河川につきましては、この河川の高水敷の維持、低水路の維持——低水路の維持はいまもやっておるわけでございますが、高水敷の維持というのが非常に金がかかりまして、実は困っておったわけであります。それで高水敷がいままで一体どういう状態になっておったかといいますと雑草がはえまして、そのひどいところは背たけよりも高い雑草がはえて、そうして人はだれも近寄らない。洪水のときには、その雑草がちょうど夏でございますからも夏草が身たけより高く伸びておるというような状態のところが非常に多うございまして、それで洪水の流下にも非常に妨げがあるというところが多かったわけでございます。それで実はこれを何とかして、洪水の流通にもよく、川が維持できないかということで、非常に苦慮をいたしておりまして、当時河川を管理いたしておりましたものは、その草を近くの人に刈ってくれ、河川愛護団体をつくってやってくれ、というようなことを言って、刈ってもらったりしておったのでございますが、それも非常に不十分で、河川の中を借りてくれる人もあまりありませんし、借りてくれる人は、採草地といいますか、草をとる土地として貸してもらいたいというくらいが関の山であったわけであります。ところが、最近は、非常に人口が都市周辺でふえてまいりますとともに、非常に利用される率が多くなってまいりまして、学校なんかグラウンドに貸してくれというようなことで、特定のグラウンドにお使いになっておったり、また一部にはゴルフ場——これはきれいにしてとにかく芝をはやして維持いたしますから、雑草ははやしませんから、そしてしかもこれを原形を変えないように使いますから、ということで、使ってもらうというようなことにいま変わってまいりまして、非常に利用度がふえてきた。それで、いまそこに新聞に出ております、一般の方々のレクリエーションというものを今度は川の中に求めようじゃないかというお話が出てきたわけでございますが、そういうように、以前にお金をおかけになってある程度きれいにしておられるところがたくさんあるわけでございますから、それをそのまま召し上げてすっとというわけには簡単にはいきませんので、それ以外のところでひとついいところはないかということで、現在さがしておるのでございます。都会の周辺というのは、そういうふうな、なるべく公共の用というものを第一にとって、そしてその次は公共に多数の方々がお使いになるものを第二にとって、そしてしかも第一には、川の流水の流下に阻害のあるようなものは、これは絶対だめだということで、それを考えて開放していきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/42
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043・金丸徳重
○金丸(徳)委員 きょうは時間がたいへん制約がありますからあれですけれども、河川局長、簡単でいいのですから、建設当局としては、そういうふうな、上流における、ダムの建設、あるいは下流における河川の改修というようなことのために、安定した川については、従来の自然河川のままであったならばこれだけの幅が必要であるが、いまは狭くて足りるのだというような川については、それなりの計画、つまり善後措置といいますか、事後措置についての計画があってしかるべきであろうと思うのです。そういうものをお立てになっておられるのか、それはもう国有地として大蔵省に移管されておるのだから、そんなものは建設省の関係するところじゃないのだ、こう言われていたんじゃ困る。多摩川なんかは、まだこれは河川敷でありましょうから、建設省が管理なさっておるか、場所によりますと、河川のつけかえが済んでしまっておる、そして全く廃河川になっておる、ての廃河川になっておるところも、昔のままで、刊年も何年もほうっておかれる。それこそあなたか言われるように、草ぼうぼうで、ただ美観を損し、付近の産業を阻害するという以外には、何の役にも立たないままにほうっておかれておる。そういうのに対しては、これは廃河川だから、大蔵省に移管されたからといってしまうのではなくて、建設省は河川の事後措置まで考えて、付近住民のために最もよき計画をお立てになる、またそれなりの河川計画というものをお進めになるという必要があろうじゃないか、こう思うものですから、一つの例を多摩川にとって申し上げた。たまたま新聞でこれは問題にされて、付近の者がレクリエーションに使う。レクリエーションに使うのもいいでしょう。けれども、レクリエーションというような使い方でなくて、そういう、何といいますか、思いつきであったり、当面の必要だけということでなくて、長期にわたって総合的に見た計画が建設省にないと、ほんとうの河川管理の責任を果たせぬのじゃないか。また付近住民の信頼を博して、治山治水の責任を果たすわけにはいかぬのじゃないか、こう思うのですが、どういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/43
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044・上田稔
○上田政府委員 ただいまお話しの廃川敷の部分でございますが、この部分につきましては、建設省としては、直轄であったものはすみやかに廃川にいたしまして、県に渡すという方針をとっております。いままでの河川法でいきますとちょっと変なことになっておりまして、中小河川で県がおやりになったところが廃川になった部分、これにつきましては大蔵省のほうで、建設省がやって廃川敷になったものは、県が処分できるというようなかっこうになっておりまして、変な形になっておりましたのですが、今度の河川法では、二級河川については県が処分できるようになる、一級河川については建設省が処分していく、というようなことになっていきますから、その点はスムーズに進んでいくのではなかろうか。そして、おっしゃったように、そういう廃川敷のところが草ぼうぼうになるというようなことがないように進めていく考えであります。
それから、現在の高水敷をどういうふうに計画を立てていくかということでありますが、東京とか大阪とか、こういうところは非常に御希望が多いのですが、そのほかのところは、なかなかうまく非常にきれいに維持するように借りてくれる人がございませんので、いまのところは、いたしかたなく、河川管理者が維持をしなければいけない。ところがその費用がなかなかないということでございますが、河川管理者が極力その維持をいたしまして、河川の流下に差しつかえのないようにしていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/44
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045・金丸徳重
○金丸(徳)委員 まだ、私は河川局長のお答えに若干の不満と不安を持つものですが、時間の関係がありますから、これで、次の機会に譲ることといたします。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/45
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046・森山欽司
○森山委員長 この際おはかりいたします。
ただいま議題となっております治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案について、本日、農林水産委員会から、連台審査会開会の申し入れがありました。
この際、これを受諾し、来たる十六口午前十時より農林水産委員会との連合審査会を開会するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/46
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047・森山欽司
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
次会は、来たる十二日金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804149X00719650310/47
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