1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月十日(水曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 吉田 重延君
理事 金子 一平君 理事 原田 憲君
理事 藤井 勝志君 理事 坊 秀男君
理事 山中 貞則君 理事 堀 昌雄君
理事 武藤 山治君
天野 公義君 伊東 正義君
岩動 道行君 奥野 誠亮君
鴨田 宗一君 木村 剛輔君
木村武千代君 齋藤 邦吉君
砂田 重民君 田澤 吉郎君
谷川 和穗君 地崎宇三郎君
西岡 武夫君 濱田 幸雄君
福田 繁芳君 湊 徹郎君
毛利 松平君 渡辺 栄一君
渡辺美智雄君 佐藤觀次郎君
只松 祐治君 平岡忠次郎君
平林 剛君 米内山義一郎君
春日 一幸君 竹本 孫一君
出席政府委員
大蔵政務次官 鍛冶 良作君
大蔵事務官
(大臣官房日本
専売公社監理
官) 半田 剛君
大蔵事務官
(主税局長) 泉 美之松君
食糧庁長官 齋藤 誠君
委員外の出席者
参議院議員 佐野 廣君
日本専売公社総
裁 阪田 泰二君
日本専売公社販
売部長事務代理 斎藤 欣一君
日本専売公社生
産部長 黒田 実君
専 門 員 抜井 光三君
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二月十日
委員小山省二君及び藤枝泉介君辞任につき、そ
の補欠として湊徹郎君及び西岡武夫君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員西岡武夫君及び湊徹郎君辞任につき、その
補欠として藤枝泉介君及び小山省二君が議長の
指名で委員に選任された。
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二月十日
昭和三十九年産米穀についての所得税の臨時特
例に関する法律案(内閣提出第一五号)(参議院
送付)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
昭和三十九年産米穀についての所得税の臨時特
例に関する法律案(内閣提出第一五号)(参議院
送付)
製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律
の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/0
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001・吉田重延
○吉田委員長 これより会議を開きます。
参考人出席要求の件についておはかりいたします。
金融に関する件について、来たる二十四日宇佐美日本銀行総裁に参考人として委員会に出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/1
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002・吉田重延
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/2
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003・吉田重延
○吉田委員長 内閣提出の、製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑を続行いたします。通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/3
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004・平林剛
○平林委員 きょうは同僚の野口委員が質問をする予定でございましたが、私がかわりまして、まず若干の質問をいたしたいと思います。
きょうは、葉たばこの収納価格をきめる法律的根拠並びにこれに関して昨年の十一月十八日に専売公社に提出されました臨時葉たばこ調査会の「葉たばこ価格形成に関する意見」の内容につきまして、若干お尋ねをしてまいりたいと思うのであります。
総裁にまずお尋ねをいたします。葉たばこの収納価格をきめる法律的根拠はどこに置かれておりましょうか.発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/4
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005・阪田泰二
○阪田説明員 公社が葉たばこの収納価格をきめておりまする根拠は、これはたばこ専売法に規定がございまして、具体的に申しますと第五条の規定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/5
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006・平林剛
○平林委員 たばこ専売法第五条、これにはいま総裁がお答えになりましたように、葉たばこ収納価格をきめる規定が掲げられております。特に第五条第三項に書かれてありますことが私がお尋ねいたしました法律の根拠でありまして、これによりますと、葉たばこの収納価格は、「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得せさることを旨として定めなければならない。」と書いてあるわけであります。
そこで、私はこの法律の解釈といいますか、法律の字句について少し総裁に明らかにしておいていただいてから本論に入ってまいりたいと思います。
このたばこ専売法第五条第三項に、「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めなければならない。」ということばの中で、生産費とか物価というのはだれでもすぐわかることでありますが、「その他の経済事情を参酌して、」とございますけれども、この「その他の経済事情」とはどういう事柄を指して言うのか。総裁が葉たばこ収納価格を定めるにあたりまして、根拠法律である解釈をやはり明確にしておきませんと議論が出てくるわけでてございますから、この「その他の経済事情」とは具体的に言えばどういう事柄をさすのか、総裁からひとつ御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/6
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007・阪田泰二
○阪田説明員 「その他の経済事情」と申しますと、ここに書いてありますように、物価、労賃、そのほかの一般の経済事情何でも入ってくるわけであります 葉たばこ価格決定に際して参考として取り入れるものはいろいろなものが入ってくると思います。具体的にその他の内容というものが、この法律の条文を書きます場合にも予定されておったというふうには考えられませんが、しかし実際問題といたしまして、たとえば葉たばこの耕作の事情でありますとか、他の農作物との関係とか、あるいは葉たばこの需給の状況とか、そういうようなここに掲げてございませんいろいろな事情がすべて入ってくるのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/7
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008・平林剛
○平林委員 「その他の経済事情」という解釈は、一般の農業労賃の事情とか、あるいは葉たばこの耕作の事情であるとか、需給の事情であるとか、いろいろの事柄が含まれるという御説明がございまして、私も最近の事情を考えますと、「その他の経済事情」の中には、いまお話しになったものその他が含まれるものと解釈をいたしております。そこで、私はこれらの解釈から発展をして、「葉たばこ価格形成に関する意見」の内容について、総裁に逐次お尋ねしていく予定でございます。
ただ、その前にもう一つ法律上の解釈を聞いておきます。「耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めなければならない。」と書いてありますけれども、前段に掲げた生産費、物価その他の経済事情を参酌して、さらに耕作者に適正な収益を得せしめることを旨としてきめることが法律の含意であります。従来の専売公社が法律第五条に基づきましてきめております収納価格の中には、この適正な収益というのは一体どのくらいの割合で含まれておるでしょうか、つまり毎年毎年葉たばこの収納価格がきめられまして、生産に従事したたばこ耕作者は収納代金によって収入を得ておるわけであります。その得た収入の中には自分の労賃もございましょうし、肥料代もございましょうし、地代もあろうし、その他のものもございましょう。しかし耕作者の大部分は、法律でいえば適正な収益だ、こういうふうに思われるものは大体どのくらいの割合が入っておるというふうに解釈したらいいでしょうか。いや専売公社は毎年の収納価格をきめる際に、どのくらいが適正な収益だということで法律に基づいて考えておられるのでしょうか。収納価格をきめるにあたっての配慮がどういうぐあいになっておりましょうか。少し意地悪の質問かもしれませんけれども、法律にはそう書いてあるのでありますから、総裁にお聞かせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/8
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009・阪田泰二
○阪田説明員 法律には、適正な収益を得せしめるというようなことばが書いてあるわけですが、収益ということばの解釈、これはどういうふうに解すべきかということは、少し問題があると思いますが、私どもが考えておりますのは、農産物の収益といいますと、普通粗収益とか純収益とかいろいろそういう考えがございますが、ここに書いてありますのは、何と申しますか、企業をやっております会社の利潤とか純利益とかそういったような観念ではないというふうに考えております。農作物が生産されまして農家に帰属するいろいろの収入がございますが、そういうものが、たとえば反当たり収入が一体どれくらいになるだろうか、どれくらいの収入が農作物を生産することによって得られるか、あるいは耕作者に帰属します、たとえば自家労賃に相当する分とか自作地地代に相当する部分、あるいは利潤に相当する部分もあると思いますが、そういった部分が相当のものであるか、適正なものであるか、こういったような観点から検討いたすということでいいのじゃないか。収入の何%が収益だといったようなそういう見方はいたしておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/9
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010・平林剛
○平林委員 私はこのたばこ専売法の第五条その他若干の修正に直接携わった者であります。参議院の時代にこのたばこ専売法の改正案を私が議員立法として提出いたしまして、それを契機としてその後たばこ専売法に対する政府案が提出をされ、この第五条第三項の解釈につきましては、私立案者の一人であります。そういう意味から、いま総裁のお答えは必ずしも当時の法律を定めましたときの趣旨とは適合しておりません。確かに耕作者に適正な収益を得せしめるということは、収納価格のうち何%は利益率であるとか、いわゆる一般法人事業におけるような形できめたものではございません。しかし常に耕作者に適正な収益を得せしめることを旨としてきめなさいということは、ある程度生産費や物価その他の経済事情を参酌した上に、こうした部分についても配慮をしながら収納価格をきめなさいということを規定したものでございまして、これは国会の意思でもあり、また国民が認めた考え方でもありますから、私は気持ちとしては、公社の総裁はこのことを基調として収納価格をきめていくということが、法律に従う以上正しい考え方だと思うのでありまして、その点は、何といいますか、そういう配慮、そういう考え方も忘れないできめるという、ある意味では精神的なものかもしれませんけれども、絶えず心がけてもらいたいと考えておるわけでございます。
さて、そこで、法律上の解釈はこの程度にいたしまして、私が問題にしようと思うのは、昨年、三十九年十一月十八日、臨時葉たばこ調査会が提出をした「葉たばこ価格形成に関する意見」というものであります。これが問題であります。総裁お持ちでしょうか。これは総裁の諮問機関が総裁に対して答申をされたのでございますから、たぶんごらんになっておると思うのであります。これを読むと、たいへんなことが書いてある。私がいま特別にたばこ専売法の第五条の解釈を総裁に求めましたけれども、いまあなたのお答えと私の述べたこと、つまり、法律の含意、法律の考え、精神と全く反した意見が出されている。私はこれを一読いたしまして、まことにけしからぬ答申だ、けしからぬ意見だ、こういうものに専売公社の総裁が耳を傾けて、そうしてこれからの葉たばこ収納価格をきめられるということになりますと、これは公社総裁みずから法律に反する行為をなさるということになると思うのでありまして、まことに私は問題がある、そう思いまして、きょうは特に取り上げたわけであります。なぜたいへん問題だ、とんでもない意見だと申しますかというと、その論拠を少し申し述べてみます。
まず、この「葉たばこ価格形成に関する意見」の一〇ページのところに、こういう表現があるのであります。「葉たばこの収納価格は、生産費・需給関係その他の経済事情を参酌し、たばこ耕作者に適正な収益が与えられることを旨として、毎年耕作着手前に決定され、公告されることとなっている。」と書いてある。これはこの臨時葉たばこ調査会に連なる委員が起草いたしまして、そうしてたばこ専売法第五条の要約を書いたのでございましょう。ところが、いま私が読み上げましたように、法律と違うことが書いてある。「葉たばこの収納価格は、生産費・需給関係その他の経済事情を参酌し、」と書いてありまして、まず物価のことを抜かしてある。それから、その他の経済事情の中には、さっき総裁が説明をされましたようなもろもろの要件は入るでしょうけれども、需給関係ということをことさらに書き立てている。いいですか、法律の含意を曲げること、まことにはなはだしい。法律に書いてあることを曲解するか、あるいは自分の都合のいいように書き直しておる。国会でもないくせになまいきですよ、私に言わせれば。葉たばこ収納価格をきめる基準は、国会がきめたのです。ところが、こういうふうにこの連中は書き直している。けしからぬと私は思うのです。これが一つであります。
第二は、同じく一九ページであります。ここも、収納価格のことに触れて記述をしてある。「収納価格は、所要の国内産葉たばこを確保するに必要にして十分な水準で決定することが原則であり、」——何ですか、この表現は。「収納価格は、所要の国内産葉たばこを確保するに必要にして十分な水準で決定することが原則であり、生産費のほか、需給関係その他の経済事情を考慮して、総合的に決定すべきものである。」まことに越権行為だと思う。法律にはこんなこと書いてないです。収納価格は、所要の国内産葉たばこを確保するに必要にして十分な水準で決定することが原則である、こういう表現が原則だと書いてある。この原則で書いたということは、前に若干最近のたばこの事情を分析しておりまして、このごろはたばこの耕作者がたばこの耕作をやりたがる、希望する、非常にたばこの耕作をやりたがっている、採算に合わないようなところでもやりたがっている、こういう事情の分析を受けて書いてある。つまり、こういうときには、それを配慮してきめればいいのだ、それが原則だということを言っているのですよ。国会できめたことを——これもやっぱり国民の一人でしょうが、総裁の委嘱した人ですよ。私はその認識を疑うのです。そして、こういう曲げた解釈で専売公社の総裁をだまかそう、あるいはそういうほうに誘導しようというような魂胆がありありと見える文章でありまして、まことに悪い人たちを委嘱したものだ、私はそう思うのです。これが第二であります。
第三、やはり葉たばこの価格体系について書いてあるのでございまして、二二ページにもこういう文句が生まれてきているのです。「収納価格の決定に当っては、生産費のほか需給関係その他の経済事情が考慮されるべきである」ここでも、先ほど私が指摘いたしました意識的な文章があらわれてまいりまして、専売公社総裁が法律に根拠して収納価格をきめようとするのを洗脳するかのごとき文章があらわれているので、けしからぬ表現だと思うのです。
第四ですが、同じくその意見書の九ページから一〇ページに書いてあることでございまして、要約して私から申し上げますと、つまり「製造たばこの総原価に占める原料費(葉たばこ収納価格および回送保管等の付帯経費を含む)の割合は、三十八年度において約五八%に相当し、直接製造原価のうちでは六六%に達していて、製造原価の高低は原料費によって影響されるところが大きい。したがって、葉たばこの格水準のいかんは、専売事業の経営効率を左右する重要性を持っているといえよう。」まるで専売公社総裁の代弁者のごとき文章を書いておるのですね。この人たちのは、つまり製造原価の高低は原料費によって影響されることが大きいから、専売事業の経営効率を左右する重要性を持っていると考えるので、なるべく低目に考えたらいいのじゃないかということを示唆する文案ですね収益専売を強調しておる、とんでもない表現です。こういうところでも、こんなことはたばこ専売法第五条の収納価格をきめる基準には書いてありませんよ。それをこういう文章をしゃあしゃあとして表現するこれが第四であります。
第五には、一七ページに書いてある「葉たばこ収納価格の基本的方向」という条項でございまして、ここには「葉たばこの収納価格は、農家の耕作希望が公社の葉たばこ需要にほぼ均衡するような価格水準で設定し、」という表現が書いてあるいいですか。この解釈は、農家の耕作希望が公社の葉たばこ需要にほぼ均衡するような価格水準で設定をすると書いてあるのです。つまりたばこの耕作を希望するときは低目でもいいんだよ、耕作を希望する人が少なくなったら少しつり上げて耕作希望が多くなるようにしなさいという示唆を含めて表現をしておるわけであります。こんなことも法律に書いてないのです。あまりにも露骨な誘導的な、しかもかってな、法律に反するような文章が満ち満ちておる意見です。これが臨時葉たばこ調査会という名において、専売公社の総裁に対して答申をしている、私は、専売公社がこういうものにウエートを置いて、そうしてこれからの収納価格をきめるというようなことになりましては、たばこ専売法第五条、これは死んじまう、国会できめた葉たばこ収納価格の価格決定の根拠をゆがめるものである、こう考えまして、たいへんなことだと思いましてきょうは取り上げたのであります。専売公社の総裁は、これからの収納価格をおきめになるときに、どうでしょうか、これからもたばこ専売法第五条に根拠しておきめになる御意思でございましょうか。それともこういうような「葉たばこ価格形成に関する意見」なんぞを頭に入れながらきめようとお考えでしょうか。私は前者を希望いたしますけれども、総裁の御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/10
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011・阪田泰二
○阪田説明員 専売公社が葉たばこの収納価格をきめますにあたりましては、もちろんたばこ専売法第五条、これにのっとりまして所定の手続を踏んで決定をしておるわけであります。また具体的にそれじゃどういう算定方式なりどういう計算でどういう価格をきめるか、こういうことにつきましては、これは法律に基づきまして、まあいろいろ考え方、やり方があるわけでありまして、そういうふうな点につきましては先般臨時葉たばこ調査会ですかに諮問いたしまして、いろいろ先ほど御指摘がありましたような答申をいただいたわけでありますが、答申をいただきました点につきましても、そういうこともいろいろと取り入れまして、本年度の収納価格は決定いたしましたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/11
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012・平林剛
○平林委員 いけませんよ、そんなことは。こんなものの意見を取り入れてやるなんていうことはいけませんよ。これは法律に反するようなことばかり列挙してあるのですから、いけませんよ。総裁、こんなものを取り上げちゃいけません。
専売公社の総裁。一体この委員はどなたですか。委員の名前を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/12
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013・黒田実
○黒田説明員 委員は七名ほど委嘱いたして調査をしていただいたのであります。委員の名前を申し上げます。会長が川野重任氏、東京大学教授。会長代理、福良俊之氏、東京新聞社顧問。委員、大月高氏、農林漁業金融公庫副総裁。委員、小倉武一氏、農林水産技術会議会長。委員、桑原正信氏、京都大学教授。委員、駿河義雄氏、前全国たばこ耕作組合中央会副会長。委員、谷林正敏氏、日本貿易会専務理事。以上七名の方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/13
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014・平林剛
○平林委員 お聞きのとおりです。このうちで駿河義雄なんというのは、前全国たばこ耕作組合中央会副会長で、その前は専売公社の生産部長で、そういう人ですよ。それから谷林正敏という人は、日本貿易会専務理事で、おそらく葉たばこの輸出入をやっているのでしょう。だから葉たばこの輸出入はあとで質問しますけれども、これは、こういう問題を取り扱うにあたってはふさわしくない人です。大月高という人も、これは私は人間的には認めていますけれども、商売柄から言いますと、やはり大蔵省に関係をするお役人の方であります。ほかの大学教授は、これはまあ一応私は敬意を払うことにやぶさかではございません。しかしこのうちのまず半分以上の人は、私は少なくともこんな程度の意見しか出さない人だと初めからわかっている人なんです。しかも国会できめたたばこ専売法をなるべく違うほうに誘導しようという考えを持って、反国家的な、反法律的な意見を出す人です。私はそういう意味では、これは憤慨したんですよ、実をいうと。従来平林はあまり憤慨しないほうですけれども、この「葉たばこ価格形成に関する意見」そのものは憤慨したのです。あまりにも露骨で、あまりにも自分のほうに有利な解釈に持っていこうとする露骨な魂胆、だれが起草したと思いますか。知っている人、ちょっと答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/14
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015・黒田実
○黒田説明員 起草はすべて会長の川野重任氏が起草されたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/15
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016・平林剛
○平林委員 川野さんが起草したのじゃありませんよ。内閣総理大臣の施政方針演説は、大体官房副長官が起草されて総理大臣が手を入れる。最終的にはそれは発表された責任者の意見というふうに見ていいと思いますが、この実際の起草者は違いますよ。あなたは内部事情を知っているのでしょう。川野さんが自分で書いたのじゃないのです。その草案をだれが書いたかと聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/16
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017・黒田実
○黒田説明員 こういうような調査会でございますので、当然事務局があるわけでございます。この草案につきましては、すべて川野会長の指示によりまして事務局で原文をつくって、それに対しまして川野会長が修正し、さらにそれをまた調査会にかけまして各委員の御意見を承り、その御意見のように修正して案ができた、こういうような経過になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/17
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018・平林剛
○平林委員 そこで私は問題だと言うのです。それは川野重任さんは東京大学教授、臨時葉たばこ調査会の会長でございましょう。最終的な文案の責任はこの人が負わなければいかぬです。しかしこの起草にあたって、こういう私が指摘をするような点を草案に盛り込んだ者は別にあるということですよ。しかも各人の意見を聞いてというけれども、先ほどあげた各委員のメンバーを見れば、私が指摘するような法律に従って運営をしてくださいなんという人はいないのですよ。私はそこにこの価格形成は、逆にごく悪い解釈をすれば、たばこ専売法に書かれてあるところの収納価格決定の方式なり考え方なり基本精神というものを、これで曲げていこうという考え方がある。専売公社、そういう考えはいけませんよ。私はこの点は、国会できめたたばこ専売法、これをやはり専売公社が守って専売公社の運営をしてもらいたい、そういう立場で公社に要求します。そして、少なくともこれからの収納価格をきめるにあたりましては、一の葉たばこ価格形成に関する意見はいま申し上げた点で法律には合致しない。しかも間違った方向に誘導する意見で満ち満ちている。こういうものを取り入れてやることは、国会に対する侮辱であるとまでは極言はいたしませんが、少なくともそういう方向をたどることになりますから御注意ください。私に限らず、国会に席を置く者は必ず私と同じ意見を持ってくださると私は思います。もし違うなら法律改正をしなければいけませんよ。現法においては正しくそう書いてあるのですから、それを曲げて運営するような方法は私は許しません。
そこでもう一つ申し上げます。単にいまの法律に対する解釈に相反するものであるだけでなくて、この中に書いてあるいろいろな文面、専売公社、葉たばこ耕作会をめぐる現状についての認識あるいは分析は、これを読んだ人は間違えるような表現にされています。だから私は、これは少なくとも葉たばこに関していろいろな事情のある人は読んじゃいけない意見書だと思う。こんなものをまじめに読めば、みんな間違いますよ。間違った情勢分析と非常にゆがんだ理解のしかたでもって表現していますよ。これを摘指します。
まず第一、これは十ページに書いてある表現であります 「現行の価格算定方式では、最近三カ年の生産費を基礎とし、これを価格決定時点の物価および労賃によってスライドして価格決定の指標となる生産費を算出しているが、」と書いてあるけれども、私たびたび専売公社の葉たばこ収納価格の価格算定方式にお目にかかるわけでありますけれども、専売公社の葉たばこ収納価格の審議会に諮問する諮問案の算定方式でも、あるいは今日まで行なってきた算定方式でも、ここに書いてある表現とは違いますね。現在の専売公社の葉たばこ収納価格の算定基準というのはどういう方式でおやりになっていますか。いま私が読み上げたような表現でやっていますかどうか。やっていないでしょう。そのあべこべですよ。念のために生産部長ひとつお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/18
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019・黒田実
○黒田説明員 ただいま平林委員のお読み上げになりましたものは、三十九年産の価格を決定するまでの方式をさしているわけでございますが、私どもそのとおりに思っているわけでございます。つまり、たとえば三十九年産までのやり方で四十年産の葉たばこ価格を決定するといたしますと、三十九年の十二月にこれをきめるわけでございます。その場合、一番新しい生産費としまして、三十八、七、六と、この過去三年間の生産費をとりまして、その時点におきまして生産費をペイする価格水準を出して、その価格水準を三十九年十二月時点の物価、労賃にスライドする、こういうようなやり方をしていたわけでございます。したがいまして大体ここに書いてあるようなことできめていた、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/19
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020・平林剛
○平林委員 つまり三十八年の前までは、三十八年度までは、最近三カ年の生産費を基礎としてきめていたのではなくて、過去におけるところの平均収納価格を基準にして、それにいろいろなファクターをかけて算定をしておったということでありまして、これをとったのは先回だけであります。だからそういう意味では、ほかの点にはいろいろなことに触れながら、これだけについてはとにかく従来からこういうやり方をとっているかのごとき印象を与える。
第二に申し上げます。第二の点は、これは十一ページ、「農産物価格は、三十五年頃を転機としてその後一般に上昇をしたが、葉たばこにおいても、三十六年産以降三十九年産に至る四カ年間の収納価格の累積引上率は、五二・八%となっている。これに対して、同期間の米の政府買上価格の上昇幅は、四四・二%であり、葉たばこは競合農産物および主要農産物価格に比して、かなり顕著な相対的上昇を示している。」、この期間だけとればこういうことになりますよ。この期間だけとればこういう数字になるかもしれません。しかしこの四カ年間に、葉たばこの収納価格を急速にある程度大幅に引き上げなければならぬ事情は存在したのです。従来の専売公社のたばこ価格決定の方式は、結果的に見て、他の農作物等に比較し、あるいはここに書いてあるように米と比較して低め低めに押えられて、それを取り返すためにこの期間ある程度大幅な上昇をしたにすぎない。そういうことには触れないで、短期間だけのものを書いて、あたかも葉たばこ収納価格はきわめて優遇したかの印象を与えようとしておる。専売公社、資料をお持ちでしょうか。四年間でなく、もう少し長期的に基準を置いてどういう状態になっておるかを示していただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/20
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021・黒田実
○黒田説明員 こまかい数字はちょっといま持ち合わせておりませんが、昭和二十五年あたりをベースにしまして、三十九年現在で米と葉たばこの価格の引き上げ率を比較したことがございますが、そう大きな差はございません。むしろ若干葉たばこのほうが上回っている、こういうような数字が一応出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/21
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022・平林剛
○平林委員 私はこれはまたあとで論及しましょう。
第三の点をあげておきます。つまり事情認識を誤らせるような表現が各所に見られるという指摘をいま私はしているのです。第三は、同じく十一ページから十二ページにこういう表現がある。「また、わが国の葉たばこは、輸入葉たばこに比べて従来一般に割安と思われていたが、三十六年産以降の引き続く値上りのため、最近では、その水準はほとんど輸入着値に等しくなっている。」と書いている。委員の中に葉たばこの輸入を担当する委員が入っているからこういうことをいうのでしょうけれども、外国の葉たばこの輸入の買い入れ価格というのは、国内産葉たばこと比較をいたしましてひとしくなっているのですが、生産部長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/22
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023・黒田実
○黒田説明員 外国の葉たばこと国産の葉たばことはいろいろな点で性質が違いますので、ぴたり比較ということは非常にむずかしいわけでございます。ただローデシアの黄色種とか、あるいはインドとかタイの黄色種とか、比較的日本の黄色種に似た点がございますので、こういうものをかりに日本の国内産葉につけます等級に当てるとどの等級に当たるか、こういうことで二、三の輸入品につきましていろいろと専門の者に鑑定させてみたわけでございます。そういう結果を総合いたしますと、いろいろなでこぼこはございますけれども、まあ大体ここに書いてございますように、向こうのものを輸入しました場合の日本に着きました値段と、こちらの収納価格と申しますか、黄色種ですと、再乾燥しましてたる詰めしたその価格と大体似たようなところになっている、こういうようなことは言えるのじゃないかと思います。しかし、これも先ほど申しましたように各種各様の葉たばこがあるわけでございまして、どちらが安い、高いということをきちっと言えるというような場合ばかりはないわけでございまして、大体の目安と申しますか、そういうようなことで申しますと、ここに書いてあるような状況ではないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/23
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024・平林剛
○平林委員 だめですよ、そんなことは。インド葉なんというのは、これは日本でいえばくず葉みたいなもので、ごく質の悪いもので価格の低いたばこに入れるものですよ。これを国内の松川葉だとかその他のものに比較をしてものを言うたらだめですよ。こういうようなことが随所に出されている。これはこまかく聞いたっていいですよ。葉巻きたばこに使うところの葉っぱが大体キロ当たりどのくらいするか、国内産と比較すれば目をまるくするような耕作者がいますよ。またバージニア葉についても、国内産のいわゆる黄色の優等葉と比べてどのくらいの違いがあるかということを聞けばはあなるほどと考えますよ。そのくらい輸入価格に違いがある。いまあなたはおっしゃったけれども、それぞれの種類によってみな価格は違うかもしれないが、その段階とは格段の違いがありますよ。それをここには最近ではその水準はほとんど輸入着値にひとしくなっているようなことが書いてある。いまあなたはたる詰めまでの経費を入れて計算すればどうのこうのと言ったでしょう。この点についても何なら資料を全部出してもらって比較すればどなたにもわかるのですけれども、間違った表現である。少なくとも誤解を招くような意見になっていることはだれにでもわかります。どうしてもこれが適当だと言うなら、私は資料を比べて、一時間でも二時間でもこれはどうだ、これはどうだとやってもいいのですが、そういうようなことをやるのは本旨じゃございません。ただ公社にもこうした誤った表現でもって意見書を出されていることに注意をしてもらいたい。それからこれからの価格決定にあたってこういうような間違った認識でやられては困るということを専売公社の総裁がはっきり頭に入れてくれれば私の目的は達せられるわけであります。
第四に申し上げます。これは八ページに書いてある。「農家におけるたばこ作経営の収支は、公社の生産費調査結果によると、全体の平均としてはおおむね均衡している。」と書いてある。これもたまげた表現です。専売公社の生産費調査と農家のたばこをつくった経営の収支が権衡しているなどということをよく表現できたと思うのです。最近の葉たばこの収納の価格と専売公社の生産費調査結果との開きがないのかあるのか、ここに「全体の平均としてはおおむね均衡している。」なんて表現をしてありますけれども、適当でない、私は専売公社のほうからその点は明らかにしておいていただきたいと思うのです。どういう割合、結果なっているでしょうか。私はここに資料を持ってきている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/24
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025・黒田実
○黒田説明員 三十八年の葉たばこの収支につきまして若干調査した数字があるので申し上げます。三十八年の十アール当たりの収納代金が全種類平均で九万三千四百八十七円になっておりますこれに対しまして十アール当たりの第二次生産費が九万二千六百五十三円ということになっているわけでございまして、十アール当たりの利潤といたしましてプラス八百三十円というような数字が出ております。毎年毎年の結果につきましては必ずしもプラスばかりではない年もございますが、大体こういうことになっておりますので、一応大体の均衡がとれているのじゃないからこういうようなことに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/25
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026・平林剛
○平林委員 従来はどうだったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/26
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027・黒田実
○黒田説明員 三十七年前の数字はちょっとここに持っておりませんが、もっと早い三十四、五年ごろは若干これより収支が悪かったと思うのでございますけれども、その後年を追うにつれまして、大体収支のほうの、バランスはよくなっている、こういう傾向に全体としてなっていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/27
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028・平林剛
○平林委員 いまお話しのとおり三十三年から三十四年、五年、六年、七年とずっと見ますと、専売公社の生産費調査の結果と実際に収納をいたしました代金との開きは、最高においては二〇%の違いがあった。低いところでも三%、一〇%くらいの開きはもうざらであったわけです。何千円と違っておった。いまおあげになりましたものはとんとんのような印象を与えておりますけれども、これも全体の平均で言っているので、それぞれの葉たばこの種類別にあげてまいりますと、まだまだ開きも出てきておる。私は、それだけでなくて、最近の生産費調査のやり方そのものにも多少問題が出てきているのでないかという感じがするのでございます。いま専売公社がこの生産費調査をおやりになっておる方式は、大体どういう規模でおやりになっておりますか。そしてこの生産費調査の結果は、どういうような形で発表されておりますか。それについてひとつお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/28
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029・黒田実
○黒田説明員 生産費調査は、現在大体全国で千二百戸程度のものをとりまして調査を実施しているわけでございます。大体三十万ちょっとというのが現在のたばこ耕作の農家戸数でございますので、二百六、七十戸に二戸の割合でサンプリングしている、こういうことでございます。これは無作為抽出ということでやっているわけでございます。調査の内容につきましては、耕作者の方に帳簿を備えつけていただきまして、そこへ毎日の労働時間とか投入しました資材等について記帳していただいておりまして、それを月何回か公社の調査員が行きまして調査するわけでございます。結局調査は耕作者の方のお書きになりました帳簿をもとにして数字ができ上がっているわけでございます。これを種類別に全国的に集計いたしたものを本社でまとめているわけでございまして、まとめたものを天体生産費調査の結果として発表しているわけでございます。なお、蛇足でございますが、価格算定に使います場合は、その生産費にさらに地代を入れるとか、あるいは資本利子を加えるとか、租税公課を加えるとか、こういうような加工をして修正したものを使っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/29
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030・平林剛
○平林委員 耕作団体がまとめる生産費調査というようなものはあるのでしょうか。また、あれだけ膨大な機構を持ち、かなり組合費を徴収して人がおりますから、私はそれにはかなり重点を置くように最近言っておるのです。そういう意味では、このたばこ耕作団体のほうの生産費調査というものは、公社はかなり権威があるものと見ておるか、あるいはどういうような判断をなさっておるか。また法律第五条には生産費ということが掲げられておるわけでありまして、収納価格を決定するにあたりましては相当重視せねばならぬ資料だと思うのであります。公社の調査をする要領についてはいまお話がございましたけれども、それにも私はまだ議論すればいろいろ議論の余地はございます。ありますが、一応米の場合と比較しての状況からまあまあと考えております。しかし一方生産者団体でもいろいろな生産費調査というものをやっておるわけでございまして、それについてはどういうお考えを持っておるか、そしてまた価格決定にあたりましてはそういうものはどういうふうに参酌しようとなさっておる心がまえであるか、それをお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/30
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031・黒田実
○黒田説明員 耕作組合側で実施しております生産費調査の中身につきましては、さまでよく私いま承知しておりませんが、大体聞いた話の模様で申し上げますと、これは規模につきましては、耕作組合のほうの調査員の関係もございますので、まあ公社と同じような規模ということはとうていできませんので、ごく小規模にやっておるようでございます。したがいまして、いわゆる統計的処理に基づきましてある程度の精度を期待するという程度のものになっているかどうか、その辺は非常に疑問に思っております。それからまた調査をいたしました結果につきましては、これもはっきりしたことではございませんけれども、従来公社の調査とそう大きく違っていないというような結果が出ていたのではないかというふうに記憶いたしております。私どもとしましては、生産費調査という結果の取り扱いにつきましては、やはりこれがある程度統計的に有意なものでないとぐあいが悪いわけでございますので、公社の場合はそういうようなある程度の信頼度の置けるようなサンプリングのやり方をやっておるわけでございまして、あくまで価格算定に使います生産費というものはそういうようなきちんとした統計的なサンプリングに基づいたものを基礎にして実施する、こいう考えでいるわけでございます。したがいまして、耕作団体で御調査になりました生産費調査の結果に基づいていろんな御意見があるわけでございますが、そういうものにつきましては私ども十分にお聞きしまして参考にしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/31
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032・平林剛
○平林委員 専売公社が調査なさる生産費の調査は大体全国で千二百程度、しかし、これを一県なり耕作産地別に見ますと、ある一つの郡に十名だとか、八名だとか、町によりましては三名だとかいうような結果になるのでございまして、そういう意味では、全く信を置かないというわけでなく、規模としてまあこの程度ということでは了承しますけれども、本来やはり法律に掲げられてあります基礎であるだけにもっと充実した生産費調査というものが必要であると考えておるのであります。とにかく何百億円という収納価格の基礎になるものでございますから、そういう意味では生産費調査というものに対してなお引き続き公社は相当力を入れて、どこからつかれてもこれはだいじょうぶだ、法律に書いてある生産費に基づいていろいろ考えていくというものに対して決してずさんなものでありませんよと言えるような生産費調査をやってもらいたいと思うのであります。これには現在の状況では不足だと思いますので、その充実をはかってもらいたい。第二には、いまお話がありました生産者の側で調査するもの、これもやはり相当参考にするという心がまえがなくてはならぬ。特に全国の耕作者団体も、こういうことをやれば千二百どころじゃないですよ、専売公社と同じ方式でもいいです。そういうやり方をとっていけばそれこそ何千でもできるわけでございますから、そうなればむしろそのほうが信憑性があるという生産費調査になるかもしれぬ。こういうことを考えますと。耕作者団体も生産費調査に力を入れて、そして公社の調査ではこうだが私のほうの調査ではこうだといって議論のできるようなものにならなければいかぬし、そうして初めて法律に掲げてある生産費を基礎にしていろんな問題を考えるというのが合ってくる。国家の支出も何百億円でございますから、その基礎があいまいなものでも困る。もちろん耕作者のほうがかってに我田引水にやるのも適当じゃございませんからそこは判断をしなければなりませんけれども、専売公社自身のほうも内容を充実してしっかりしたものにする。同時に生産者団体のものもこれを一がいに排撃するのでなくして重要な参考資料としてきめていく、これが私は法律の介意であると思うのでありまして、この点については大いに力を入れてもらいたいと思うのでございますけれども、公社総裁の御見解はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/32
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033・阪田泰二
○阪田説明員 生産費調査につきましては公社としてはかなり古い昔からやっておりまして、いろいろ調査の方法、サンプリングのとり方その他にも検討を加えまして改善もいたしておるわけでございます。おっしゃるように収納価格決定の基本的な資料になるものでありますので、今後も十分に調査を充実いたしてやってまいりたいと思います。なお、耕作団体系統のほうで生産費調査をなされるその調査の方法なり結果、とり方、範囲等におきまして、十分信憑性があるといいますか、統計として利用できるというような程度のものができますれば、もちろんそういうものも私どもとしては参考にいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/33
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034・平林剛
○平林委員 たいへんよいお答えをいただきまして、ぜひその方向でやってもらいたいと考えるのであります。
最後に、私、「葉たばこ価格形成に関する意見」に戻りまして、大体こういう意見を出される調査会の会合というのは、この報告書によると二十何回やったのだそうでありますけれども、専売公社の総裁はどういうことを諮問なさったのでしょうか、要するに何か諮問なさったからそれにこたえてこの意見が出されてきたと思うのですけれども、公社の総裁がこの調査会に諮問をした諮問原案というものですか、どういう点をやってもらいたいというようなものがございますか。どういうことを諮問なさったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/34
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035・阪田泰二
○阪田説明員 総裁からこの調査会に諮問いたしました事項は、葉たばこ価格形成に関する基本問題について再議してほしい、こういう趣旨のものであります発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/35
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036・平林剛
○平林委員 何か文書か何かあるのでしょうか。要するに口頭で言われたのでございましょうか。政府は諮問機関をやたらにつくりましてよく諮問をします。それこそいいものもあるし、あまり価値のないものもある。そういう中で、こういう条項について諮問してくださいといって、たいがい個条書きに書いて各委員に渡します。それに基づいて審議会で審議がされて結論になるわけでございますがこの場合には何か文書なんかございますか。文書があったらひとつそれを読み上げてもらいたいのですよ、あまり長いものでなければ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/36
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037・黒田実
○黒田説明員 特にそういう文書はないわけでございまして、この臨時葉たばこ調査会設置につきまして、委員さんに委員をお願いします場合に、ただいま総裁から御答弁がございましたように、この調査会におきまして葉たばこ収納価格の基本的な問題を検討していただくためにこの会を設けるのだという趣旨のためにお願い申し上げまして、そしてその趣旨を第一回の会合の際に総裁からごあいさつで述べていただきまして、それをもって一応諮問と申しますか、そういう趣旨にしたわけでございまして、特に書いた文書というものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/37
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038・平林剛
○平林委員 専売公社の総裁は、かつてたばこ耕作審議会から答申をされた葉たばこの収納価格算定に関するいわゆる生産費及び所得補償方式については、国の農産物価格政策の基本事項に関係するところが多いと認められるので、農政全般を審議するしかるべき機関において根本的に研究されることが望ましい、こういう趣旨の答申を受けて、そうしてこの問題について何らかの結論を出さなければならぬ立場に置かれておったのじゃないですか。私の言わんとするところは、葉たばこの収納価格の決定について、たばこ専売法第五条で規定をする——これがすなわち生産費及び所得補償方式であるとは書いてありませんけれども、これを私どもが立法し、法案を審議する段階におきましては、再生産ということばなんかも初め法律用語に書かれてあって、与党、野党のいろいろの話し合いの結果それは別な表現になりましたけれども、少なくとも生産費所得補償方式に指向する方向でこの法律案をまとめられたということは間違いのない方向なんです。加えてここに生産費所得補償方式に対する答申が出されて、公社は何らかの結論を出しなさいということになっておる。たばこの耕作者は年来生産費所得補償方式の実現を熱望しておる。これによって葉たばこ収納価格が算定せられることを熱望しておる。そしてそれによって生活の安定を欲しておる。こういうことから考えますと、専売公社は何らかのこれに関する結論を出さねばならぬ立場にあるわけでございます。いまお聞きいたしますと、葉たばこ価格形成に関する全般についての諮問をなさったということで、どうも生産費及び所得補償方式についての見解を求めた、こういうようには受け取れないのでございますけれども、しからばこういう問題については今後どういうふうにして結論をお出しになるつもりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/38
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039・阪田泰二
○阪田説明員 先ほど申し上げましたように、この調査会に対しましては、葉たばこの収納価格の形成に関する基本的な問題について審議していただく、こういうことでお願いいたしたわけでありますが、その中には、ただいま御指摘になりました葉たばこ収納価格につきまして、生産費及び所得補償方式をとるかどうかといった問題も当然含まれるというふうに考えております。そういうような意味で諮問いたしましたので、答申によりましても、そういう問題についての結論と申しますか、意見が含まれておる、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/39
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040・平林剛
○平林委員 さてそこで私は、いま総裁がそうおっしゃるならば、まことにこの意見なんというのは、自己撞着、矛盾はなはだしきものであるということを最後に申し上げたいと思います。確かにいま総裁がお答えになりましたように、十八ページにはそう書いてあります。「公社が葉たばこに対して特別の政策的価格を設定することには財政専売を建前とする現状からして、積極的な論拠を見出しがたいという結論に達した」と書いてあります。これは私は生産費及び所得補償方式というのが政策的価格を設定するものであるかどうかは議論の余地があると思うのですけれども、もしこれが生産費及び所得補償方式のことをさすとするならば、これをやる積極的な論拠は見出しがたいという結論に達したというのが答えとなるのでございましょうが、私は生産費及び所得補償方式が政策的価格だとは思いません。だからこれが生産費及び所得補償方式の否定と思いたくないのでありますけれども、先ほどから申し上げましたように、私、不信任を出しておる委員でございますから、あるいはそのことかもしれません。そうするとこれが結論ということに受け取れるのですね。ところが、先ほど申し上げました生産費所得補償方式についてしかるべき機関において根本的に研究されることが望ましいという答申を出した人と、今度のこの結論を出した人とが同じ人なんですよ。そんなばかなことがあるのですか最初の葉たばこ耕作審議会のメンバーの人たちが、葉たばこ収納価格については生産費及び所得補償方式について根本的に研究するように別の機関でやってもらいたいという答申を専売公社に出しておいて、その人たちが今度は積極的な論拠を見出しがたいという結論に達したなんて、自分で発案してしまいには自分で結論を出したような感じになるわけでありますけれども、ここら辺が時間の経過からいってずいぶんかってな落ち込みをしたものだと私は思うのでございます。この点でもどうもこの人たちの真意を察することができない。私があげました十八ページの文句というのは、公社の総裁は、生産費及び所得補償方式の否定、こう御解釈なさっております。したがってそういう意味では、前に出された答申はこれでピリオドが打たれたという御解釈ですか。その辺はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/40
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041・阪田泰二
○阪田説明員 生産費所得補償方式というような名前で呼ばれておりまする算定方式のやり方、これにもいろいろとありますが、政策的価格といったような形の価格になりますような、そういった意味の生産費所得補償方式、そういうものを採用するのは適当でないというふうにこの答申で答申をされておると心得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/41
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042・平林剛
○平林委員 私はこれは認めません。先ほど来指摘をいたしましたように、この葉たばこの価格形成に関する意見というものは、私はきょう質疑の中で論及いたしましたような各論点に立ちまして認めがたい。したがって、もしこれが葉たばこの収納価格決定にあたって生産費及び所得補償方式の問題についての結論として出されたものであるとするならば、なおのこと認めがたい。したがって公社総裁は、このたばこ耕作者の年末の希望であるところの算定方式に対する結論が、これによっては決して解決されないということは頭に入れて引き続き検討する御用意がなければならぬと思います。専売公社の総裁が御用意がなければ、これはやはり全国の葉たばこ耕作者は憤然として立ち上がるでしょう。私は、そういう意味では、きょうの私が述べた意見をひとつ十分お心にとめられまして、葉たばこ価格の今度の決定にあたりまして、引き続き公社総裁が法律に基づいて御検討なり、それに基づいて、決定をされることを、強く希望いたします、その希望を述べまして、私の質問はこれで一応終わっておきたいと思います。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/42
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043・吉田重延
○吉田委員長 この際、本日本付託になりました参議院送付にかかる昭和三十九年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案を、あわせて一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/43
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044・吉田重延
○吉田委員長 本案は参議院において修正の上送付されたものでありますので、まず政府より提案理由の説明を聴取し、引き続き参議院における修正の趣旨について説明を聴取することといたします。鍛冶大蔵政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/44
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045・鍛冶良作
○鍛冶政府委員 ただいま議題となりました昭和三十九年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案について、提案の理由を御説明いたします。
この法律案は、昭和三十九年産の米穀につき、事前売り渡し申し込み制度の円滑な実施に資するため、米穀の生産者が、同年産の米穀を政府に対し事前売り渡し申し込みに基づいて売り渡した場合においては、同年分の所得税について売り渡しの時期に応じ、玄米換算百五十キログラムすなわち一石当たり千七百円ないし千百円を非課税とする措置を講じようとするものであります。これがこの法律案を提出する理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/45
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046・吉田重延
○吉田委員長 参議院議員佐野廣君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/46
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047・佐野廣
○佐野参議院議員 ただいま政府のほうから提案になりました昭和三十九年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案につきまして、参議院におきまして、本日これが修正可決いたした次第でございます。つきましては、この修正の経過並びに結果等につきまして御報告いたしまして、御賛成をいただきたいと存じます。
修正の点は、昭和三十九年産米穀についての所得税の臨時特例措置を、米穀の個人生産者のほか、農業生産法人についても適用することとする、こういうことでございます。修正案は、本日参議院で先ほど可決いたしましたのでボックスのほうに入っておりますそうで、まことに不手ぎわで恐縮でございますが、昭和三十九年度の米作農業生産法人の実態はまだつかめておりません。そこで三十八年度の状況を御報告いたしますと、農業生産法人の制度が三十七年にできまして、三十八年十二月現在で七百五ございますが、この中で米をつくっております生産法人が十五道県、百一ございます。そして黒字の生産法人は五十四ある次第でございます。そこで今年度におきましては、先ほど提案理由の説明のございましたように、個人生産者ばかりでなく、農業生産法人につきましてもこの減税の措置をいたしたいということでございまして、参議院のほうにおきまして、自民、社会、公明、民社、この四党共同提案をもちまして、ただいま朗読いたしましたような修正をいたした次第でございます。これによりまして約百万円の収入減と相なる見込みでございます。
簡単に申し上げましたが、どうか御賛成のほどお願いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/47
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048・吉田重延
○吉田委員長 これにて提案理由の説明、及び参議院における修正の趣旨の説明は終わりました。
────◇─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/48
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049・吉田重延
○吉田委員長 これより両案について質疑を続けます。通告がありますので、順次これを許します。只松祐治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/49
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050・只松祐治
○只松委員 ただいま平林議員から質問いたしました問題に関連いたしまして、若干御質問をいたしたいと存じます。
先ほどの質問の中にもございましたたばこの耕作者関係について団体交付金が八千万円から出ておりますが、これはどういう基準でこういう金額がはじき出されておるか。あるいはその使用方法はどういうふうになっておるか。また使用された後に専売局のほうでどういう監査をされておるか。ひとつ要領よくお知らせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/50
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051・黒田実
○黒田説明員 耕作者団体に対します交付金でございますが、大体耕作団体が公社の仕事の助力的なものを若干やっているわけでございます。これに対しまして交付しているわけでございます。耕作団体から交付金の対象となる事業につきましての事業の実施計画を出してもらいまして、それによりましてそれの経費の一部を交付金として交付しておるわけでございます。交付しましてそれを使いました実績につきましては、公社のほうで監査を実施しまして、適法に使用されたかどうかということを見ているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/51
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052・只松祐治
○只松委員 全く抽象的な話ですが、それじゃ具体的にどういう事例に対してどういう基準でこういう金を出し、どういう監査をしておるか、こういうふうにひとつお答えをいただきたいと思います。いまの答弁くらいなら聞かなくても初めからわかっておるのです。具体例を引いてひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/52
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053・黒田実
○黒田説明員 現在交付金として交付しております項目について申し上げますと、たばこ耕作団体経営にかかわる試験の補助、第二が、たばこ種子の配付、あっせん、第三が、植えつけ検査及び量目査定の事務補助、第四が、収納事務補助、第五が、公社の発する指示、伝達の補助、第六が、防犯宣伝施設の補助、第七が、たばこ耕作組合中央会に対する補助、これだけ、七つになっておるわけでございますが、このうちたばこ種子の配付、あっせん、それから植えつけ検査及び量目査定事務、収納事務の補助のこの三項目につきましては、最近手数料で払っておりまして、交付金は交付しておりません。したがって現在交付金を交付しておりますのは、この三つを除きましたあとの四つの項目に対しまして交付しておるわけでございます。
交付の基準といたしましては、全額ということでなくて、それぞれの事業に対しまして耕作団体が必要とする経費の五〇%ないし六〇%程度のものを補助しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/53
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054・只松祐治
○只松委員 それが実際上耕作団体でどういうふうに使用されておるか。したがって、それはあなたのほうでどう監査されておるか。全体でなければ一つでもいいから事例を出してひとつ教えてください、こう言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/54
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055・黒田実
○黒田説明員 たとえば、たばこの耕作団体経営にかかわる試験の補助というのがございますが、これは全国で大体七つの都道府県に耕作団体の経営にかかわる試験場があるわけです。これが所定の試験計画に基づきまして試験を実施しておるわけでございますが、これに対しましていろいろ経費が要るわけでございます。この経費の一部を補助しておるわけですが、公社といたしましては、その試験が済みましてからその結果がどうなったか、それに対して経費をどういうふうに使ったかということを帳簿等を詳細に調査いたしまして、中身を検討いたしまして、確実にその経営の経費が全部で幾らかかったか、その一部として交付金をどういうふうに使ったかということをあとから検査して確認しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/55
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056・只松祐治
○只松委員 調査、検査は専売局のどこでおやりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/56
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057・黒田実
○黒田説明員 これは耕作団体にいろんな団体がございまして、全国の中央会、その下に府県単位の耕作連合会、その下に地区の組合がございます。したがいまして地区組合につきましては、主として地方局の下にあります支局、出張所——公社の組織が、本社の下に地方局がございまして、地方局の下に支局、出張所があるわけでございます。で、耕作組合の地区の単位組合は、大体支局、出張所の区域をもって区域といたしておりますので、公社の支局、出張所に対応するような姿になっておるわけです。県連はこれは必ずしも地方局と一致しておるわけではございませんが、支所の範囲よりもちょっと大きい、こういうことに相なっております。したがいまして、監査につきましては、大体地区組合の単位では支局、出張所で主として監査をやっておりますし、県連に対しましては地方局で監査をやっております。こういうようなのが大体の原則的な姿になっております。ただ、ただいま申しましたたばこ試験場等の問題につきましては、これは主として地方局で監督をしておる、こういうような姿になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/57
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058・只松祐治
○只松委員 支局、出張所で、係はどういうところでやっておりますか。それからたとえば中央団体の交付金もはっきり聞こえませんでしたが、あるようですが、そういうのはどこでやっておられますか。それから専売局の中ではこの調査、監査はどこで専門にやっておられるか。これだけ相当膨大な金ですが、あとでまた聞きますが、相当出ておるわけですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/58
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059・黒田実
○黒田説明員 中央会の監査は本社の生産部の生産課が所掌いたしております。それから地方局の場合は、地方局の生産部の耕作課が担当いたしております。それから支局、出張所の場合は、支局、出張所の耕作課の担当になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/59
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060・只松祐治
○只松委員 いままでこういうのが全部適法に使われた、こういうのがあって、不適当であったとかあるいは違法行為があったということは、いままで一回もありませんでしたが、ありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/60
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061・黒田実
○黒田説明員 違法行為はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/61
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062・只松祐治
○只松委員 類似のこういうものが、たとえばたばこ販売団体交付金というのが五百三十三万ですか、あります。あるいは販売報償費というのがございます。いまと同じようにこういう費用は、おのずから報償費と団体交付金とは違うと思いますが、この交付される基準あるいは交付方法、これがどう使われているか、たとえば団体交付金などを見ますと五百三十三万円ですか、そうすると一都道府県に直しますと十二、三万円ですか、こういう金がどういう基準でおろされ、あるいはどういうふうに、一県に直すとわずかな金ですが、使われておるか。さらにいえば、こういうわずかな金がどうしても必要であるかどうか、ひとつお聞かせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/62
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063・斎藤欣一
○斎藤説明員 お尋ねのたばこ販売団体交付金の使用の状況でございますが、ただいま生産部長のほうから御説明のありました耕作団体に関する交付金というものと大体同じような点に使われております。公社がやりますことをたばこ販売団体がかわってやります場合、その場合の経費を見てやるということで使われておりますが、中身を例示して申し上げますと、たとえば商品管理簿を作製いたしますとか、公社が指示いたしますことをかわって伝達してもらうとか、あるいはその団体におきまして機関紙を出しますとか、パンフレットを作製いたしますとか、いろいろ団体として企画があるわけであります。その企画に基づきまして、企画を公社のほうに出してもらいまして、それについて査定をいたしてしかるべき金額を交付している、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/63
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064・只松祐治
○只松委員 たばこの業者では、業者独自にやはり大体売り上げの何%か基準をきめて、そこの市あるいは県の組合に公納金といいますか、金を納めているわけですね。それをいま言われたことや、専売公社のほうからいろいろ命令が来たときに使われておる、こういうことを私は聞いております。下からそういうふうに出しているのに上からまたこうやってことさらに、しかも一県にするとわずか十何万円、これを郡市に直していきますと、ほとんどなくなってしまうわけです。ほとんど郡市までいきはしない。大体いったって都道府県だろうと思いますが、こういう金がどうしても必要なものでしょうか。それから塩のほうを見ますと、塩にはあるかどうか。私も全部完全に見ておりませんが、塩にはこういうものはないようですね。金が余っているからたばこのほうだけむだづかい、といっては何だけれども、こういうものを出すが、塩の関係は出さないのか。あるいは専売なりほかの政府の関係機関でこういうものを出しておられるかどうか、そういうことを関連してひとつ答弁してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/64
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065・斎藤欣一
○斎藤説明員 公社の業務方法書、それからたばこ専売法によりますと、公社は小売り人に対してたばこ販売の点につきまして指示をするということができることになっております。指示をいたしました場合に「予算の範囲内で、その指示された事業に要した費用の全部又は一部に相当する金額を、当該団体又は連合体に交付することができる。」ということになっております。この規定に基づきましてやっておるわけであります。おっしゃいましたように、販売の場合はきわめて少額な金額になっておりますが、この規定に基づいてそういうようなことをやっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/65
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066・只松祐治
○只松委員 塩にはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/66
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067・斎藤欣一
○斎藤説明員 塩にもございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/67
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068・只松祐治
○只松委員 何の名目でやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/68
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069・斎藤欣一
○斎藤説明員 ただいま塩の担当者がおりませんので詳しいことは存じませんが、法律の規定を見てみますと、たばこの場合と同じようなことをやっているというようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/69
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070・只松祐治
○只松委員 塩の関係者がおられないそうですからこれ以上お聞きいたしませんが、こういうものがはたして要るかどうか、こういう点も、きょう大臣はいませんが、政務次官、各県にいくとわずかな金でしょう、交付金その他の問題として私ども党のほうでも取り上げているのですが、ひとつ御検討いただきたいと思います。
それから販売報償費というのは、これはだいぶ大きな金になっておりますが、大体小売り店にいっておるようでございますがこの基準、あるいは交付方法、こういうものについてお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/70
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071・斎藤欣一
○斎藤説明員 販売報償費は、報償費という名称からおわかりと思いますが、これの使途といたしましては、一部分小売り屋さんの表彰のために使っております。それからほかの部分はさっき申し上げましたように、小売り屋さんの団体でいろいろな販売のための企画があるわけでございます。たとえて申しますと小売り店の間で陳列のコンクールをいたしますとか、そういったようないろいろな企画がございますが、そういった企画に対しまして公社が適当と思われるものに対して、この報償費の中から一部支出しているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/71
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072・只松祐治
○只松委員 これはことしは九千万円ですが、どういう基準で報償費が支払われているのか。それが小売り店にいっているのかと思うと、号、うでなくて表彰のために使っている、こういうことですが、そういうことですと使用方法なんか、あなた方からいえば交付方法ですが、いま聞くとこれは必ずしも小売り店だけにいっているわけでないですね。だからどういう基準でこういうものが交付され支出されて、そしてどうやって使われているか。もう少し明確に聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/72
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073・斎藤欣一
○斎藤説明員 全体で九千何百万円かの金額でございますが、このうち表彰に使われます金額が約四分の一、二千四百万円、それからそのほかがさつき申し上げました小売り店の団体のいろいろな企画に対しまして交付しているわけでございます。これは御承知のとおり十七の地方局がございまして、原則としてそれに対応するように販売団体の連合会がございます。その連合会の大小の規模に応じまして金額を支出いたしまして、具体的な費用の中身につきましては公社のほうと連合会のほうとで、たばこの販売に役立つような使途において使用するということでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/73
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074・只松祐治
○只松委員 たばこの販売に役立つように使うことはあたりまえのことで、たばこが売れないように使うことはないと思うが、それは当然のことだけれども、いまお聞きしますとなかなか使用目的がはっきりしないようですね。前に聞きましたら県段階の団体にいっておる、こういうことですが、そうすると前の販売団体交付金なんというものは要らないで、一本にしたっていいと思うのです。使用目的がはっきりしない。原則として小売り店についてということになっているのではないですか。どういうことになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/74
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075・斎藤欣一
○斎藤説明員 小売り店及びその組織する団体ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/75
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076・只松祐治
○只松委員 小売り店には現実にいっていますか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/76
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077・斎藤欣一
○斎藤説明員 小売り店に直接には、いっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/77
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078・只松祐治
○只松委員 そうすると、小売店には現実にいっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/78
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079・斎藤欣一
○斎藤説明員 小売店に直接には、いっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/79
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080・只松祐治
○只松委員 そうすると、小売店及び団体にいくということになっておるけれども、実際上はいっておらないということになると、これはその目的からもはずれておるということになりますね。私はきょう関係法令を調べておりません。いまの答弁の中でしか私は受け答えいたしておりませんから、いずれまた関係法令その他を調べましてお聞きいたしますが、こういういろいろの保管等見ましても、専売公社の場合には自分のところで金をたくさん持っているものだから、金の使い方その他非常にずさんな面があるんじゃないか、こういうふうに思われます。きょうは平林君に関連して私、聞いておりますので、そういう点もまたいずれ機会を改めて聞きますが、この次はひとつよく答弁できるように準備をしておいていただきたいと思います。
それからこれも小さなことですが、しかし、たばこは、小さな一価一個が重なって膨大な益金を生むわけでございます。いわゆる一つ一つの小売り店が集まってこれだけの収益を生んでおる。全国にいま小売り店は幾らございますか、ひとつお教えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/80
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081・斎藤欣一
○斎藤説明員 昭和三十九年九月末、去年の九月末でございますが、十七万四千七百四十九店にのぼっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/81
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082・只松祐治
○只松委員 ここの中に、たとえば鉄道弘済会であるとか私鉄とか、こういうものが各駅あたりずっとございますね。これも、聞くところによると許可をとってあるところもあるし、そうじゃなくて、一カ所あれして何か出張販売というような形になっておるところもある、こういうことでございますが、こういう鉄道弘済会あるいは私鉄の類似のものは、一カ所だけの許可で全部随時、たとえば駅が新設されたり何かしたら出していいのか、あるいは駅で、いままでホームで一カ所しか売ってなかったのが、今度二カ所、三カ所、ホームが拡張されたりして階段ができるということになると売り場がふえているわけですが、こういう点は専売公社の許可が要るんですか。弘済会あたりが適当にやっていいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/82
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083・斎藤欣一
○斎藤説明員 そういう必要のございますときは、弘済会なら弘済会から許可申請を出していただきまして、こちらのほうで許可するということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/83
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084・只松祐治
○只松委員 私鉄とか劇場とか、そういうところも同じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/84
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085・斎藤欣一
○斎藤説明員 同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/85
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086・只松祐治
○只松委員 これはただ、実際願い出ればほとんど許可していく、一般の許可基準みたいに非常に厳格なものがあるということじゃなくて、願い出ればすぐ許可する、こういうことですか。たとえば、そういうことだと、駅前にたばこ屋さんがあるとすると、いままで駅で一カ所しか売ってなかったので、駅前で売っておれば五十万売れていた、こうすると、駅で二カ所なり三カ所売るようになって、あるいは改札口が新しくできてそこでもすぐ売るようになる、片一方は非常にめんどうな許可が要る、しかし片一方は届け出だけすればすぐ売れる、こういうことになると、たいへんに不公平な事態も起こるわけなんですけれども、これは届け出だけで許可になっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/86
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087・斎藤欣一
○斎藤説明員 法律上の性質は、新規に開業される場合と同じでございまして、許可でございます。しかしながら、たとえばいまお聞きになりました駅のような場合でございますと、駅自身が、一つの駅の管理者の管理する場所になっております。そこで、たばこの売り場の数を幾つにするかということになりますと、駅が一つの管理者のもとで管理されているという立場から申しますと、一般の場合と違いまして、普通の許可の場合と異なって、容易に許可されると申しますか、比較的許可のおりることは簡単になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/87
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088・只松祐治
○只松委員 実際には、駅で売るということに拒否されたようなことがありますか、あるいはたまにはあるかどうか知らないが、一般の許可基準みたいに相当むずかしく許可するということでなく、ほとんど有名無実と言うとどうか知らないが、届け出れば許可する、事実上届け出制と言ってもいいのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/88
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089・斎藤欣一
○斎藤説明員 実際に許可のおりなかったという例は聞いておりません。もちろん、何でも自由にやるというわけではございませんでして、私たちのほうから見まして、駅の構内でもたばこ売り場を置くところとして不適当なところもある、そういったところでなければ、おっしゃるようにそう制限せず許可しているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/89
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090・只松祐治
○只松委員 いまお聞きしますと、そういう関係の場合にはほとんど無条件に許可されておるわけですし、これでは小さいたばこ屋さんはなかなか容易じゃない。実際新しく営業許可を駅前などで受ける場合には、駅の中なら駅の中にたばこ屋さんがある場合、距離その他から見て、へたに民間に許可すると、駅のほうが便利だからそこでたくさん買っていきますから、よけいに打撃を受ける。専売公社にはいろいろな基準がありますし、きょうは基準について聞く時間もございませんから内容まで聞こうとは思いませんけれども、こういう完全な独占企業の販売の許可その他にはアンバランスのないようにしていかないと、一方だけを非常に取り締まって片一方は野方図にしておる、こういうのはたいへん片手落ちだと思う。
それから、私のところの埼玉あたりには団地がたくさんできて、たとえば松原団地というものは、約七千戸近くある非常に膨大なものです。しかし、団地ですべて権限を持っておりますので、民間の住宅ではございませんから、たばこ屋の新規開業というものはできない。団地の人は非常に不便を感ずる。中でもたばこの営業をしたいという人もありますけれども、許可しない。これは逆の面から見れば、団地関係者だけが特定のところに許可を得て非常に膨大な収益を上げる、こういう形にもなっておる。収益関係から見てもたいへん不公平であるだけでなく、草加団地は、非常に膨大なところに売店は一カ所か二カ所しかない。そこまで買いに行かなければならない。
〔委員長退席、金子(一)委員長代理着席〕
近代的なビルディングが建った場合にはたばこくらいは売っておりますが、民間の大きなアパート、そういうものが密生して建っておるところ、そういうところには専売公社のほうの関係、持ち主との関係、こういうことで販売店がなかなかできない。国民の利益供与をはかるということが専売公社の任務でしょうし、あるいはよけい売るということが皆さん方の任務とするならば、こういうものはもっと住宅公団なんかと話し合ったり、あるいは特設ポストをつくってそういう広大なところには昼間だけでも売るとか、そこに年寄りなんかいると思いますから、そういうものができれば希望者はたくさん出てくると思うちょうどいま駅の乗降客あるいは駅の付近の発展とともに新しい売店ができて、それを皆さん方が無条件に認めておられるように、こういう社会の居住形態の変通、その他こういうものに対応して、やはり販売方法の改善ということも当然に考えていかなければならぬ。そういうことについて、いま研究なりあるいはそういうことをするお考えがあるのかどうか、ひとつ伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/90
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091・斎藤欣一
○斎藤説明員 いま只松委員のおっしゃいましたことは、まさにそのとおりでございます。最近、大きな団地ができますとか大きなビルが建ちまして、結局そこの団地なりビルなりの管理権を持っている人が、そういう意思がございませんとたばこ屋の店が置けないということで、消費者の方に非常に御迷惑をかけるということが問題になっております。したがって、そういう場合に、管理者と私たちの問でいろいろと交渉をいたしましてたばこの店を置いていただくということで、消費者の方に御迷惑をかけないようなことを考えていかなければならないということで、ただいまおっしゃいましたような検討をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/91
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092・只松祐治
○只松委員 そういうところで、住宅公団だけしか許可してないですね。そうでなく、住宅公団の中に純民間、個人にも今後許可する、こういう方針ですか。それともこれは、住宅公団側が何といっても土地から家屋全部持っているから、許可しなければ申請が出せないわけですね。これは事実上できないわけです。こういうことですか。それとも第三の案として、たばこポストを置くなり、あるいはそこの中にはないけれども、ほかのところ、たとえば草加市なら草加市でたばこ屋さんをやっておる人がここに来て、さっき鉄道の場合にとられておるように、委託販売あるいは出張販売というようなことができるということを将来お認めになりますかどうか。ここでずばりお答えできなければ、あとで研究してお答えいただいてもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/92
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093・斎藤欣一
○斎藤説明員 おっしゃいましたように、第一番問題になりますのは、住宅公団なりそこの管理者の承諾が得られるかどうかということが問題でございます。そのほうの承諾さえ得られますれば、その中に住んでおられる個人の方が申請をなさった場合には、条件にかなっておれば、許可するということは一向差しつかえございません。
それから、ただいまちょっとお話がございましたが、出張販売をやりますとか、あるいは自動販売機を活用するとか、いろいろな技術的な方法はあろうかと思います。しかし、すべて管理者の意向にかかっているわけでございます。私たちは、管理者のほうの御承諾を得られるような努力をいたしたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/93
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094・只松祐治
○只松委員 住宅公団の場合は、あるいは業者はできるだけ自分で収益を上げようとする。結論から言うと、自動販売機や何かを置くのは好まないのですよ。しかし、皆さん方たばこを売る人間としては、やはり買われる人の、顧客の利便をはからなければならない、こういうことだと思うのです。もう少しそこらは、公団といえどもほとんど政府管掌下にあるわけですから、そこいらとひとつ連絡して、出張販売ができないなら自動販売機ぐらい置いて、だれか管理者を置いて、そういういろいろな金が出ているのだから、その中から委託管理費ぐらい出してするならば非常に助かると思うのです。たとえば春日部団地とか、いろいろな大きな団地ができておりますが、ほんの一カ所か二カ所しかない。しかもそういうところは、夕方になると店がぱっと締まってしまうのです。夜になると、たばこを吸いたくとも買いに行けない。草加市までわざわざ電車に乗って買いに行く。そういうことがあるわけですから、ひとつそういう御検討をいただくということで、きょうは、飛び入りの質問ですからこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/94
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095・金子一平
○金子(一)委員長代理 佐藤觀次郎君、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/95
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096・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 食糧庁長官に二、三お尋ねしたいと思うのです。
御承知のように、数年前までは米が余ったというような声がありましたが、最近は米が非常に不足しているという声があるのですこの理由を簡単に御説明願いたい。
もう一つ、時間がありませんから、できるだけかいつまんで質問しますが、足らない米に対して需給計画をどのように立てているか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/96
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097・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 最近の米の需給の動向がどういうふうになっておるかということでございますが、大観してまず申し上げますと、これまでの五年間くらいの傾向をとってみますると、大体国内の生産の伸びと消費の伸びとを比較いたしますと、まず均衡状態を得ているというふうに考えられるわけでございます。と申しますのは、一面におきまして、われわれの推測によりますと、一人当たりの米の消費量は三十七年くらいから大体横ばいないし漸減になっておりまして、これは食糧庁で食糧需給表を毎年つくっておりますが、一人当たりの消費量につきましては三十八年、三十九年と下がっておりまして、これは今後、おそらく食生活の変化に応じましてそういう傾向をたどっていくのではなかろうか、こう考えておるわけでございます。したがって、人口増加程度のものは全体量としてはふえておる。人口増加と申しますと、大体〇・九%弱の増加率であります。一方、生産の面について見ますと、大体一・五ないし二%くらいの伸びを示しております。そういう基調からいたしますと、いま申し上げたように、安定した基調となっておるというふうに考えております。
最近の動向といたしまして、御承知のように三十七年産米は非常な豊作でありましたが、三十六年産米は減収をいたしたわけであります。三十八年、三十九年産米と、いずれも三十七年の豊作時に比べますと、三十八年産米は十九万トン、それから三十九年産米は、内地都府県におきましては五万トンくらいの増加になっておりますけれども、北海道が冷害で二十八万トン生産減があるということで、差し引き二十三万トンの減になっておる、こういう状態になっておるわけでございます。したがって、三十七年度まで年々全体量としてふえてきた趨勢が、三十八年、三十九年と若干生産が減って、三十九年産米は、いま申し上げたように、北海道の冷害によって二十三万トン減ってまいっておる。こういう関係で、端境期における需給操作の面におきましては、若干引き締まりの傾向を示してまいったわけでございます。
そこへもってまいりまして、今度は、最近の食管の需給操作関係を見ますると、年々生産量の中で政府の買い上げ比率というものが高まってまいりました。昨年度のごときは、五五%くらいも生産量に対して買い入れ比率が占めておる。これが十年くらい前でありますと、四割をこえるということはたいへんな収穫量を要したわけでございますが、そういう関係、その後におきましてはだんだんその率が高まっておる、こういう状況を示しておる。これは、一つには農家人口が減ってきたというようなこと、あるいは消費量も減ってきた、こういうことで販売量が総体的にふえるという傾向を示してきたと思われるわけでございます。しかし同時に、その結果は、いわば流通米といいますか、売る量も総対的に減ってまいった関係で、売却量につきましても、政府に依存する度合いがだんだん高まってきておる。これにはいま申し上げたように、流通米の減ったこともありましょうし、これは食糧庁の見解になるかもしれませんが、米価が総対的に割り安であるというようなことで、売却量についても、政府から買うほうが量がだんだんふえてくる、こういうことがありまして、そこで、当初の年々の全体としての需要量と比べてみますると、政府に対する売却量というものは若干多目に年々ふえておる、こういう傾向にあるように思われるわけ下、ございます。
そこで、全体としましては、先ほど申し上げたような基調にありますけれども、食管の需給の操作面においては、端境期におきましてそういうふうにだんだん引き締まったような傾向が、去年、ことしというふうにあらわれておるわけでございます。そこで当然、それに対しましては輸入量の増大ということで対処することになるわけでありまして、昨年、三十八年度におきましては、準内地米に該当するものを約二十万トン程度輸入いたしました。ことしの米穀年度におきましては、三十三万トン程度の準内地米の輸入計画を立てておる、こういうことになっておるわけでございます。そういうことで、輸入量と合わせまして需給量の必要量については、これは確保する。内地米はいま申し上げたような状況になっておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/97
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098・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 それと関連しまして、実は私は六年くらい前に東南軍アジアに行ったときには、タイとかビルマという国からいろいろ米の押し売りの話を聞きまして、非常に米が余っておるので、まあ当時向こうの言うには、戦争中に非常に援助したから、余ったからといって買わぬでは困るといって、いろいろ——六人で行ったのですが、そういう話を聞いたのです。実は先月、ちょっとタイのほうに行って来たのですが、そういう傾向がない、そういうことがなかったということと同時に、最近、中共からも米を買おうじゃないかという声があるように聞いておりますが、大体大分けにして、輸入米の国のトン数ですね、それを簡単でいいですから、タイから、ビルマから、あるいはよそからというようなことがありましたら、あらかたでいいですが、お知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/98
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099・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 まず準内地米で言いますと、昨年度でありますと、約九万トンを加州米、それから約十万トンを台湾、それから二万トンをスペイン、これが昨年度の輸入量であります。あと、お尋ねの普通外米でありますが、これはタイから約三万トン、ビルマから三万トンないし四万トン程度だと記憶いたしております。それから砕米を、タイとカンボジアから約八万トンくらい入れておる状況であります。
〔金子(一)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/99
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100・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 いろいろ意見がありますが、やはりこれからは、輸入する量がいまの情勢ではもっとふえるように思うのですが、食糧庁長官の見通しではどういうようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/100
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101・齋藤誠
○齋藤(誠)政府委員 たとえば全体の生産の動向、三十九年中に減ってきておるということを申し上げましたが、三十九年産米は、北海道の冷害というような特殊事情がございましたので、これが通常の平年作以上になって千三百万トン近いということになれば、輸入量につきましても、いま以上にふえるということにはならぬと思いますが、これは作況いかんによることでありましょうが、しかしわれわれとしては、大体いまの輸入量くらいのものは必要になってくるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/101
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102・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 時間がありませんから、食糧庁長官に聞くのはこれくらいにして、泉さんにお尋ねしたいのだが、いま食糧庁長官が言われましたように、米が格安だからよけい食べるようになったという意見ですね。これは一般にいわれているのですが、こうやって毎年、予約減税のために法律をつくらなければならぬわけでありますが、私は不合理ではないかと思うのです。御承知のように、米の価格を政府がきめた以上は、ある程度までの米の予約減税くらいは当然やるべきじゃないかと思うのです。こういうことを毎年大蔵委員会で非常に迫ったときに無理にやるのだが、こんなものはなくしてしまって、米の値段を政府できめる間は、予約減税は当然すべきだという見地に立ってやるべきではないかと思うのですが、泉さんどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/102
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103・泉美之松
○泉政府委員 御意見の点はまことにごもっともでございまして、このように毎年特例法を設けるということにつきましては、いろいろ問題のあることは十分承知いたしておるのでございますが、この法案でもおわかりのように、毎年時期別格差を付する時期が地方によって違ってまいります。その年の作況なり天候のぐあいによりまして、時期がいろいろ変わってまいります。また時期別格差が変わってきたり、本年のように申し込み加算金の額が減るといったようなことがございますものですから、毎年同じ形でない、年々違った姿の法律にならざるを得ない関係でございますので、たいへん恐縮でございますけれども、毎年臨時特例でそういうことをいたしておるのでございます。もし法律で基本法をつくっておいて、そういう内容は政令でやればいいとおっしゃれば、それはまた一つのお考えかもしれませんけれども、やはり租税法定主義のたてまえから申しまして、法律で規定すべきことであろう、かように考えて、毎年特例法をお願いいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/103
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104・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 実は食管の赤字のためにいろいろ問題になるのでありますが、しかし食管の赤は農民に転嫁されるものではなくて、やはりこれは社会政策的にやっておることだと思うのですが、それと同時に、食糧庁長官にいろいろ聞けばわかるのでありますが、農家のいまの経済状態は、手数料その他働く者の賃金が上がってきた関係上、非常に苦しくなってきておると思うのです。しかし、農家全体とすれば、これは御承知のように、一割くらいが租税の対象になっておるわけでございますけれども、おそらく米価の問題は、毎年起きると思うのですが、同じことを毎年繰り返しておる。これは、抜本的にそうするには、やはり税金の面から考えていかなければ農家の経済は立っていかないように思うのです。こういう点で、米はやはり何といっても日本人の主食でございまして、いろいろの点で無理をして相当やっておると思いますが、ただこのままでありますと、やはり農家が米をつくるのをいやがる。私らのほうでも、これは名古屋の近くでありますが、たんぼに働くのはほとんどおじいさんとおばあさんです。青年の者は、ほとんど町へ出て、一日千五百円から二千円になるのですから、たんぼに働きに出ないという現状は、私は何か税のほうでも考えてやる必要があるのじゃないかと思う。こういう点について、泉さんは税金を取るのが本職でありますから、そういうことは考えられないかもしれませんが、予約減税というようなこういう問題は、もう少し抜本的に、ある方法で何とかする必要があるのじゃないかというように思うのですが、この点はどのように考えておられますか。あと武藤さんがやりますから、私はこれぐらいにしておきますが、その点をもう一点だけお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/104
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105・泉美之松
○泉政府委員 お話のように、最近農業生産に従事する青年労働者が減ってまいって、いわゆる三ちゃん農業というようなことになっておる事情はよくわかるのでございますが、これはしかし、単に税金の問題というよりは、やはり農業政策全体の大きな問題であろうと思うのでございます。私、別に農業政策についてそのようなことを申し上げる立場にございませんので申し上げかねるのでございますが、ただ、私ども税の立場から申し上げますと、なるほどこの予約減税ということによりまして、事前売り渡し申し込み制度による集荷の促進がはかられておるということがいわれておりますけれども、この制度がしかれましてからすでに十年も経過いたしておるわけでございまして、はたしてこの減税制度によって集荷が促進されておるのか、それともそれ以外の理由によって集荷が促進されているのか、いろいろ問題のあるところだと思います。
それからまた、このように農民に対して減税を行なう必要性はあるにいたしましても、その場合に、減税の特典を受ける者が農業生産者のうちでごくわずかのものである、もちろん、地方税も含めますれば相当の人数になることは御存じのとおりでございますけれども、農業生産者のうちのごくわずかの者しか特典を受けないというような形でやるのがいいのか、それとも同じ減税額を農民に与えるならば、もっと違った形で農民全体がもっと潤うような姿でやっていくべきか、これはなかなか問題があるところではないかというふうに私は思うのでございます。しかしながら、まだ私どもがそのようなことについて申し上ぐべき立場にございませんので、現在の段階におきましては、このように食糧庁の事前売り渡し申し込み制度による集荷に協力する意味で、このような特例法を出しておるのでございます。しかし、農民の税の負担のあり方という根本的な考え方からすれば、なおいろいろ検討すべき点が、私はあるのではないかというふうに思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/105
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106・吉田重延
○吉田委員長 ただいま議題となっております両案中、参議院送付にかかる昭和三十九年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
─────────────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/106
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107・吉田重延
○吉田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の通告がありませんので、直ちに採決に入ります。
おはかりいたします。
本案を原案のとおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/107
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108・吉田重延
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/108
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109・吉田重延
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
〔報告書は附録に掲載〕
次会は、来たる十二日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X00619650210/109
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