1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十九日(金曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 吉田 重延君
理事 金子 一平君 理事 原田 憲君
理事 藤井 勝志君 理事 坊 秀男君
理事 山中 貞則君 理事 有馬 輝武君
理事 堀 昌雄君 理事 武藤 山治君
天野 公義君 伊東 正義君
岩動 道行君 奥野 誠亮君
鴨田 宗一君 木村 剛輔君
木村武千代君 小山 省二君
砂田 重民君 田澤 吉郎君
谷川 和穗君 登坂重次郎君
西岡 武夫君 濱田 幸雄君
福田 繁芳君 毛利 松平君
渡辺 栄一君 渡辺美智雄君
岡 良一君 佐藤觀次郎君
只松 祐治君 野口 忠夫君
平岡忠次郎君 平林 剛君
藤田 高敏君 米内山義一郎君
横山 利秋君 門司 亮君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
出席政府委員
大蔵政務次官 鍛冶 良作君
大蔵事務官
(主計局次長) 鳩山威一郎君
大蔵事務官
(主税局長) 泉 美之松君
大蔵事務官
(理財局長) 佐竹 浩君
国税庁長官 吉岡 英一君
運輸政務次官 大久保武雄君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計局給与課
長) 秋吉 良雄君
国税庁次長 喜田村健三君
大蔵事務官
(国税庁間税部
長) 松本 茂君
農林事務官
(大臣官房参事
官) 尾中 悟君
自治事務官
(財政局財政課
長) 岡田 純夫君
専 門 員 坂井 光三君
三月十八日
委員西岡武夫君辞任につき、その補欠として和
爾俊二郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員和爾俊二郎君辞任につき、その補欠として
西岡武夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
委員地崎宇三郎君及び春日一幸君辞任につき、
その補欠として登坂重次郎君及び門司亮君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員登坂重次郎君及び門司亮君辞任につき、そ
の補欠として地崎宇三郎君及び春日一幸君が議
長の指名で委員に選任された。
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三月十七日
日本国とアメリカ合衆国との間の二重課税の回
避及び脱税の防止のための条約の実施に伴う所
得税法の特例等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出第三六号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの
間の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び
地方税法の特例等に関する法律案(内閣提出第
三七号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とカナダとの間の条
約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律
案(内閣提出第三八号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
めの日本国政府とフランス共和国政府との間の
条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方
税法の特例等に関する法律案(内閣提出第三九
号)(参議院送付)
昭和四十年度における公共企業体職員等共済組
合法に規定する共済組合が支給する年金の額の
改定に関する法律案(内閣提出第一二三号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する
特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出第五二号)
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出第八〇号)
日本国とアメリカ合衆国との問の二重課税の回
避及び脱税の防止のための条約の実施に伴う所
得税法の特例等に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出第三六号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの
間の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び
地方税法の特例等に関する法律案(内閣提出第
三七号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
脱税の防止のための日本国とカナダとの間の条
約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律
案(内閣提出第三八号)(参議院送付)
所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
めの日本国政府とフランス共和国政府との間の
条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方
税法の特例等に関する法律案(内閣提出第三九
号)(参議院送付)
昭和四十年度における公共企業体職員等共済組
合法に規定する共済組合が支給する年金の額の
改定に関する法律案(内閣提出第一二三号)
交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改
正する法律案(内閣提出第五一号)
昭和四十年度における旧令による共済組合等か
らの年金受給者のための特別措置法等の規定に
よる年金の額の改定に関する法律案(内閣提出
第七九号)
関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第七三号)
所得税法案(内閣提出第八八号)
法人税法案(内閣提出第四九号)
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七八号)
所得税法及び法人税法の施行に伴う関係法令の
整備等に関する法律案(内閣提出第一一二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/0
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001・吉田重延
○吉田委員長 これより会議を開きます。
日本国とアメリカ合衆国との間の二重課税の回避及び脱税の防止のための条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とカナダとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案及び所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とフランス共和国政府との間の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/1
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002・吉田重延
○吉田委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。鍛冶大蔵政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/2
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003・鍛冶良作
○鍛冶政府委員 ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の二重課税の回避及び脱税の防止のための条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律の一部を改正する法律案外三法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
政府は、さきにアメリカ合衆国及びスウェーデンとの間に租税条約を修正補足する議定書に署名し、また、カナダ及びフランス共和国との間の租税条約に署名いたしております。
これらの議定書及び条約の締結の承認方については、別途今国会において御審議を願っているのでありますが、これらの議定書及び条約を国内において、実施するためには、法律により特別の定めを必要とするものがありますので、これにつき所要の立法措置を講ずるため、ここにこの四法律案を提出することとした次第であります。
以下、四法律案のおもな内容について御説明申し上げます。
まず、非居住者または外国法人の取得する配当、利子、工業所有権の使用料等の所得に対する源泉徴収所得税に関する事項であります。わが国の所得税法によりますと、非居住者または外国法人の取得する配当、利子、工業所有権等の使用料につきましては、二〇%の税率により源泉徴収所得税を徴収することになっております。しかるに、このたびの議定書及び租税条約によりますと、第一にアメリカ及びスウェーデンにつきましては、配当は親子会社間のものを除き一五%、親子会社間の配当並びに利子及び使用料等は一〇%をそれぞれこえてはならないとされております。
第二にカナダにつきましては、配当、利子、使用料等は、一五%をこえてはならないとされており、第三に、フランスにつきましては、配当は、一五%、利子及び使用料等につきましては、一〇%をそれぞれこえてはならないとされております。そこで、これらの所得に対する源泉徴収所得税の税率をそれぞれ、その条約上の最高限度である、一五%及び一〇%と定めることとするものであります。
次に、非居住者または外国法人のうち、わが国に支店等を有しているものにつきましては、国内法では、配当、利子及び使用料等の所得と、これら以外の他の所得とを合算して課税するたてまえになっております関係上、配当等につきまして租税条約で定める制限税率をこえて課税されることとなる場合がありますので、その点を考慮して、総合課税の場合の税額につき、租税条約の規定に適合するよう、所要の軽減措置をとることといたしております。
なお、この場合におきまして、スウェーデン及びフランスにつきましては、所得に対する地方税をも租税条約の対象とすることとなっておりますので、総合課税の場合の軽減措置を講ずるにあたっては、法人税割りの住民税をも含めて制限税率をこえることのないよう、所要の措置を講じております。その他、アメリカ等四カ国との租税条約を実施するについて必要な事務取り扱い等につき所要の規定を設けております。
以上、日本国とアメリカ合衆国との間の二重課税の回避及び脱税の防止のための条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律の一部を改正する法律案外三法律案の提案の理由及び内容であります。
何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/3
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004・吉田重延
○吉田委員長 次に、昭和四十年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/4
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005・吉田重延
○吉田委員長 政府より提案理由の説明を求めます。大久保運輸政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/5
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006・大久保武雄
○大久保政府委員 ただいま議題となりました昭和四十年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
この法律案は、昭和三十三年に廃止されました旧国家公務員共済組合法及び現行の公共企業体職員等共済組合法による既裁定の共済年金受給者の年金につきまして、このたび、別途本国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じまして昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案による国家公務員の共済年金の改定と同様に年金額の引き上げを行ないますとともに、所要の整備を行なおうとするものであります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一は、年金額の引き上げであります。
まず、旧国家公務員共済組合法の規定により支給されている年金につきましては、従前と同様に、今回も、恩給法の改正措置にならい、一律二割の年金額の引上げを行なうことといたしております。
また、現行の公共企業体職員等共済組合法の規定により支給されている年金につきましても、今回新たに、恩給法の改正措置に準じ、受給者の退職時の俸給について、昭和三十七年度における旧国家公務員共済組合法による年金の改定と同様の改定が行なわれたと仮定した場合の年金額を二割引き上げ、その額が既裁定年金額を上回るときは、その差額相当額の引き上げを行なうことといたしております。
第二は、今回の改定による増加額の支給の一時停止についてであります。
まず、旧「国家公務員共済組合法」の規定による年金受給者のうち、七十歳未満のものにつきましては、今回の恩給法の改正にならい、受給者の年齢層に応じて、今回の改定による増加額の全部または一部の支給を三年間にわたって停止または制限する措置を講ずることといたしております。
また、現行の公共企業体職員等共済組合法の規定による年金につきましては、現行法施行日前の期間に対応する部分についてだけこれと同様の取り扱いを行ない、現行法施行日以後の期間に対応する部分につきましては、国表公務員の共済年金の改定の場合と同様、支給停止の措置を講じないことといたしております。
第三は、今回の年金額の改定に要する費用の負担についてであります。
旧国家公務員共済組合法の規定による年金額の改定に要する費用は、従前と同様に、全額公共企業体が負担することといたしております。
また、現行の公共企業体職員等共済組合法による年金額の改定に要する費用につきましては、そのうち、現行法施行日前の期間に対応するものにつきましては、全額公共企業体が負担することとし、現行法施行日以後の期間に対応するものにつきましては、公共企業体及び組合員の負担とすることといたしております。
第四は、現行の公共企業体職員等共済組合法の一部改正であります。
現在、職員団体等に専従する組合員に対する長期給付に要する費用のうち、職員団体等は、百分の五十七・五を負担しておりますが、このうち百分の十五に相当する額につきましては、公共企業体が負担することといたしております。
また、今回の恩給法等の一部改正によりまして軍人恩給のために抑留加算がつけられることになりましたが、これに伴う所要の調整措置を講ずることといたしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/6
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007・吉田重延
○吉田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
各案に対する質疑は次会に譲ります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/7
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008・吉田重延
○吉田委員長 国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、所得税法案、法人税法案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、所得税法及び法人税法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案、及び昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
質疑の通告がありますので、これを許します。武藤山治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/8
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009・武藤山治
○武藤委員 私はまず、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について、数点伺っておきたいと存じます。
最初は自治省の担当にお尋ねをいたしますが、今回〇・六%の交付税率の引き上げが行なわれるわけでありますが、地方自治団体の現状にかんがみてこの引き上げをやるというのでありますけれども、府県、市町村と大きく自治体を分けて、現在自治体の現状がどのようになっておるか。特に財政面における状況、これを冒頭にお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/9
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010・岡田純夫
○岡田説明員 御承知のとおり、経済情勢も安定成長期に入ってきておりますし、従来のような法人事業でありますとか、そういう事業収入等も最近はございません。したがいまして、財政構造等から判断いたしまして、たいそうきつくなってきておるということは事実であります。三十八年度の決算を見ましても、一般会計において二百六、七十億の赤字団体の赤字が出ております。赤字の額におきましては、ここ一、二年増加の傾向を見せております。もちろんその原因はいろいろございます。例年の給与改定によります人件費の増でありますとか、あるいは行政水準向上ないし社会福祉施設等の整備のためにどうしても金が、要るといったようなことの問題もございます。それからまた最近の事情といたしましては、一般会計以外におきましても、いわゆる公営企業ないし国民健康保険等を通じまして、それぞれ四十年度以降にかけて解決しなければならない問題が出てきております。全部が赤字とは申しませんけれども、それぞれ従来よりも財政的には困窮してきているというような全般を通じての実情であります。以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/10
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011・武藤山治
○武藤委員 府県と市町村と分けたときに、今日赤字団体になっておる団体は県が幾つ、市町村が幾つ、三十九年のベースでわかればそれを明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/11
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012・岡田純夫
○岡田説明員 三十八年度一般会計と申しますか、普通会計の状態について申し上げます。
まず、三十八年度の状況でございますが、決算は、赤字団体につきましては二百七十二億の赤字でございまして、黒字団体も含めますと三百八十六億の黒字になっております。それから、団体数につきまして、その中で県につきましてまず、赤字県から申し上げますと、赤字県は東京、埼玉、福岡、三重の四県でございまして、その赤字額は五十億でございます。それから、市町村のほうは、赤字団体三百九十七でございまして、その赤字額は二百二十一億ということになっております。全団体を通じて申し上げますと、これは黒字ということになりまして、県は二百四十九億の黒字、それから市町村は百三十七億の黒字ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/12
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013・武藤山治
○武藤委員 いま赤字県というのは東京、福岡、埼玉、三重ですか、東京は私たちの判断では黒字かと思ったら、東京は赤字団体になっていますか。
四十年度ベースでもよろしいし、三十九年度でもよろしいですが、県の段階を先に聞きましょうか、基準財政需要額と基準財政収入額の差額ですね。県が一応申請してくる差額というのは一体どのくらいになりますか。三十九年度はどうか、四十年度の見込みではどうか。基準財政収入と基準財政需要と計算して差額を一応出すわけでしょう。それはどのくらいの差額が出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/13
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014・岡田純夫
○岡田説明員 交付基準額につきましてはいま各資料によって御報告申し上げますけれども、これは地方団体のほうから申請してくるのではございませんで、基準財政需要を自治省のほうで計算いたしまして、かつまた、基準財政収入額も算定いたしまして、その差し引き額を交付いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/14
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015・武藤山治
○武藤委員 そうしますと、いまの制度でいくと、基準財政収入と基準財政需要の差額というものは交付税で完全に補てんをされている。全額その差額は完全にその率で補てんできる。そういう体制になっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/15
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016・岡田純夫
○岡田説明員 基準財政需要額とそれから基準財政収入額を算定いたしまして、基準財政需要でございますから、ここまでは地方団体の標準団体等を基準に置き、それから種々の補正等を加えまして、全団体について算定いたしたもの、それと、基準財政収入額との差額に対応して交付税額を配分することになります。したがいまして、交付税額そのもののほうは、国税三和の四十年度でございますと二九。五%、現行法では二八・九%で算定して、それと、基準財政需要額と基準財政収入額の算定差額にいわば案分して交付するという立場をとっております。したがいまして、これが交付基準額を上回るということは、これは財源の問題でございますからあり得ない。したがいまして、それに案分いたします場合に若干の調整はございます。きわめて微々たるものでございますが、三十九年度で〇・七%くらいでございます。そのくらいのほとんど、いわば交付基準額ほとんどそのまま交付されておるという実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/16
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017・武藤山治
○武藤委員 交付基準額どおりやや交付されていることは了解つくのですが、私がいま聞かんとしているのは、各府県の基準財政需要と収入の差というものをこの二九・五%で全部補てんできるのかどうか。これは案分するのでしょう。案分するのでしょうから、二九・五%というのは、その不足分だけそっくり埋めるだけの基準に達しないのじゃないだろうか、それを尋ねているわけです。その点は完全に需要額と収入額の差額はこの交付税率でそっくり補てんできるのだ、これはどうなんですか。それとも何%くらい……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/17
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018・岡田純夫
○岡田説明員 基準財政需要額と申しましても、要するに毎年度基準に対する考え方というものは変わってまいります。たとえば環境衛生等の問題にいたしましても、従来は衛生関係一本にしておったものを清掃関係を三十九年度から独立いたしますとか、あるいは諸施設なり定員等も毎年是正をかえてきております。ただ、その程度が、やはり全体の日本の国、地方を通ずるところの財政の許容量を頭に置きながらレベルアッブをいたしていかなければならない。したがいまして、急激なと申しますか、理想通りのレベルアップを追求いたしますためには、もちろん十分でないと思います。しかしながら、全般を通じまして、その全般につきましては、一応地方財政計画という姿でもって翌年度の全貌をとらえまして、そういう基盤の上に立って、この程度まではレベルアップをいたしたいという姿でとらえた基準財政需要額ないし基準財政収入額を前提といたします限りは、十分やっていけるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/18
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019・武藤山治
○武藤委員 いや、それは岡田さん、十分やっていけるとかやっていけないとか私どもは判断しているのじゃないのですよ。数字の差というのはないのか。交付税額とその差額というのは大体一致する程度の数字になるのかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/19
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020・岡田純夫
○岡田説明員 それは繰り返すようでございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、三十九年度では〇・七%だけ調整数がかかっております。理由は先ほど申し上げたとおりでございます。したがいまして、私どもとしては、まあ軽微であるというふうに判断いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/20
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021・武藤山治
○武藤委員 それから、福岡、埼玉、三重、東京のこの赤字県ですね、これは主としてどういう理由で赤字になったと自治省では判定をしておるのですか。どういう点が原因になっておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/21
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022・岡田純夫
○岡田説明員 この赤字原因も県ごとにそれぞれ特色がございます。また、赤字になってくるのには、歳入の面、歳出の面またそれぞれの経費の間の入り組みでございまして、これが直ちにその団体の赤字原因であるというふうにいわゆるきめつけることはできません。しかしながら、全般的な特徴というものはございまして、たとえば福岡について申しますと、歳出の面では、あの地域はいわゆる産炭地域でございますから、生活保護でありますとか失業対策費といったようなものに対するところの負担の多い県であります。また同時に、給与費等も比較的に高くなってきているということも否定できないと思います。それから、三重県等につきましては、いろいろこれまた原因がございますけれども、たとえば道路の直轄事業の負担金といったようなものがこの地方では大きな財政負担になっております。それにつきまして自治省といたしましても、たとえば三重県の場合におけるところの道路直轄事業負担金等につきましては、あるいは特別交付税でございますとかあるいは起債の面でありますとか、特に四十年度には道路のための直轄事業債を新たに設定してきておりますし、また産炭地域につきましても、御承知のとおりできるだけの特別債を通じての財政援助をいたしております。しかし原因は何かと御指摘になれば、そういったようなことが一つの傾向としては指摘できるのではなかろうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/22
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023・武藤山治
○武藤委員 埼玉と東京の場合は大体どういう原因があるか。三重の場合は道路が特に負担が多い。埼玉はどうですか。ぼくらの判断では、埼玉だの東京なんというものは非常に発展している地域で、赤字県になるというのはちょっと理解できないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/23
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024・岡田純夫
○岡田説明員 埼玉の場合には、これも東京都と同じ問題でございますけれども、いわゆる大都市近郊の整備ないし財政需要、これには道路、都でございますと港湾その他が、これは県には比較的少ないかもしれませんが環境衛生問題でございますとか、要するに首都圏の整備計画を中心としたところの行政需要が非常に高い。急にここで東京なり埼玉がいきなり赤字が出てきたというのでございませんで、毎年度こういうふうな行政的な需要、しかもそれがその団体の財政の普通の能力を越えているとまで考えられるところの行政需要がございます。これが都でございますとか近郊の埼玉等でございますので、法人事業税、法人税割りというような大都市的な財政収入が非常に大きかったのでありますが、それがここ一、二年急激に鈍化してきておるということも事実でありまして、したがいまして、この際やはりそれぞれの団体でもある程度は引き締めてもらわなければならない。赤字の事由といたしましては、主としていま言ったような投資的な需要ということが言えようかと思います。もちろんそればかりではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/24
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025・武藤山治
○武藤委員 いま議員の歳費の問題、報酬の問題が非常に地域では騒がれておる。いま市町村では三百九十七市町村が赤字団体だ、こういうような実情のとき、自治省で議員の手当というのは何かチェックするような指令、通達、そういうようなものの指導はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/25
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026・岡田純夫
○岡田説明員 議員の関係あるいは三役等の報酬につきましては、要するに世論をバックにして出られた議員さんの問題でございますから、みずから提案してきめるということも可能でありますけれども、これはやはり広い意味の世論というものもまた考えて慎重にやることが好ましいということで、自治省といたしましては、報酬審議会というふうなものを各地方団体ごとに設けて、民間の人も含めた広い愚見を聞いてきめることが望ましいというふうな態度をとっておりまして、大半の県はすでにそれぞれ報酬審議会を設けられて、その意向も聞いて要するに民主的にきめておるというふうな状態でございます。ここ当面は、たとえば国会議員につきましても直ちに上げるかどうかということは現に問題になっておるように聞いております。自治省といたしましても、財政計画等につきましては一般吏員との均衡をとり、あるいはまたその他の特別職ないし国会関係等との均衡をも考えながら、財政計画上妥当であろうというような標準を基礎に算入いたしております。それを参考にしながらいま申し上げましたような報酬審議会等の意見を聞いて慎重に扱ってもらいたいというふうな行政指導をいたしております。この点四十年度につきましても、やはり同様に慎重な態度でやってもらいたいということで指導してまいるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/26
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027・武藤山治
○武藤委員 どうも私たちが調べてみると、非常に人口の少ない収入の少ない市で、市長や助役の給料が非常に多い、ひどいのは県知事よりも市長のほうが多い、こういうような市があるのです。こういうような点をやはり自治省は全国規模別にあるいは類型をつくって、この程度の規模の場合は大体この程度でという金額である程度指導するということはできないものでしょうか。いまのような民主的な審議会をつくって云々と言いますけれども、各県でつくってもだめですよ。それは知事や市長が任命する人はみな右へならえで必ず賛成することになっている。カムフラージュするための隠れみのにその審議会が使われている、こういう傾向が非常に強いですね。自治省はそういう全国の一つの類型別、規模別の標準をつくって指導する、そういうことはちょっと地方自治の侵害になるというのでできないのだろうか、その程度までやっていいだろうか、そこらの指導方針はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/27
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028・岡田純夫
○岡田説明員 抽象的にはいま申し上げたとおりでございますが、具体的には、財政計画ないし交付税の計算の基礎がございます。たとえば県会議員でございますと、四十一年度の計画は八万円ということにいたしております。これは県でございます。市町村別にそれぞれ算定基礎がございます。それによって計算しております。従来は、これはこまかくなりますけれども、交付団体、不交付団体別にきめておりまして、不交付団体は比較的財政力もあろうかというので高い目にきめております。これをむしろ交付団体であろうと不交付団体であろうとこういうふうなものについては同一にやるべきであるという考え方で、交付団体、不交付団体一本の単価で積算いたしております。これを全団体に流しておりまして、十分参考になると思います。しかしそれでもって規制するというのではなしに、これはあくまでも財源はそこまでは保障するという意味でございます。しかしながら財源の保障されている限度を越える場合にはそれ相当の慎重な配慮、先ほどのような手続を踏んでやってもらいたいということで指導しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/28
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029・武藤山治
○武藤委員 いまそのある程度の標準、基準の八万円を守られておる県の数、それをオーバーしている県、どういう比率になっていますか。それは全然守られておりませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/29
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030・岡田純夫
○岡田説明員 御指摘のように、このとおりやっている県はきわめて少ないかと思います。しかしながら最近は指導してまいりましたので、上がり幅というものは比較的狭まってきているのではなかろうか。最近は少し慎重な態度で臨んでもらっておるように見ております。特に四十年度につきましては、国会議員における行き方もございますし、また全般的に先ほど御指摘のように地方財政需要というものがよくなくなってきているときでありますから、したがってこういう点については強く慎重に、財政計画の従来七万円ばかりでございましたものを来年は八万円まで引き上げてまいりますというのも、いわば規模是正である、これが上がったからそれにスライドして上げるといったようなものについては、自治省としては強く指導したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/30
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031・武藤山治
○武藤委員 高度の政治的な判断を必要とする問題については課長に聞いても無理でございますから、きょうは事務的なことを中心に尋ねたいと思いますが、この三百九十七の赤字の市町村に対する、特に赤字団体だからということで自治省なり大蔵省の特別な対策、処置、そういうものは特に目立つ施策としてはどういうものがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/31
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032・岡田純夫
○岡田説明員 一つの方法としては、赤字を多額に出したところ、これは一般会計につきましても、今後は公営企業会計につきましても同様に考えてまいりたいというふうに考えておりますが、赤字を多額に出したところについては、たとえば起債の制限をいたしていきたい。この点は今後も励行いたしてまいりたいというふうに考えております。また個々の団体につきましては、自治省みずからあるいはまた都道府県知事に委任いたしまして、自治法上、財政法上の指導ができることになっております。法的な根拠に基づくところの財政指導権によりまして要するに診断をいたす、これを自治省もいたしますけれども、都道府県知事にお願いして強く徹底してもらいたい。これは四十年度におきましても、従来より増して活発にやってもらいたいというふうな指導をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/32
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033・武藤山治
○武藤委員 具体的には起債の制限なり指導をうまくやっておるというけれども、何か財政的に特別に赤字団体に援助ずる、利子補給をする、そういうような制度というものは現在行なわれておらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/33
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034・岡田純夫
○岡田説明員 従来いわゆる財政再建団体につきましてはその申請があり、りっぱな計画ができている団体につきましては法的な利子補給の制度がございまして、現に利子補給を財政再建法上受けておる団体がございます。それ以外に最近は、再建法は昭和二十九年、三十年ころの赤字団体が中心になっております。それ以後の団体につきましては、法上の準用団体につきましてはやはりこの法律に基づきまして、再建債はございませんけれども、この法を準用して財政再建をいたしたい。また大きな赤字を出している団体については、そういう意味のそういうふうな再建計画を立てるように指導いたしております。そういうふうな法を準用してりっぱな計画を立てた団体につきましては、それは大蔵省とも協議いたしまして、ある程度の融資に対するところの利子補給措置を行なうことにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/34
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035・武藤山治
○武藤委員 再建団体に特別に財政措置をしてくれている総額はどのくらいになるのですか。これはわかりませんか、もしわからなければあとで調べて御返事いただきます。
それから今回の〇・六%の引き上げの絶対額は幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/35
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036・岡田純夫
○岡田説明員 百四十五億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/36
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037・武藤山治
○武藤委員 百四十五億と申しますと、三十九年度に地方自治団体が国から借り入れをしたのが百五十億ですね。そうしますと借り入れした金額にやや対応する程度しか今回引き上げはなされていない、そういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/37
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038・岡田純夫
○岡田説明員 百四十五億と申し上げましたが、正確には百四十四億八千万円でございます。しかしこれは百五十億とは関係がございません。たまたま同じような額になっているわけでございます。ただ私どもといたしましては、百五十億というのはこれは五カ年間をもって償還するところの一つの一定額でございますが、ただいまの交付税の増額は〇・六%という低率でございますので、今後その繰り入れ割合が減るということはないというふうに見ております。そこに十分意義があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/38
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039・武藤山治
○武藤委員 しかし今回の〇・六%の引き上げはわすか百四十四億でしょう。そうするともうすでに経常費を百五十億円、貸し付け金でまかなわない。昨年の十二月ですか、そういうことでは各団体が借り入れ金の返還だけで一年に三十億ですか、せっかく〇・六%上げても、自治団体にしてみれば借金の返済にちょうど見合う程度で、実質的には行政水準の向上とかあるいは赤字の解消とか、そういう面にはあまり効果がないじゃないですか、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/39
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040・岡田純夫
○岡田説明員 百五十億という償還は毎年三十億でございますから、財政規模全体も大きくなってまいりますし、三十億の持つところの意味というのは、いわばだんだん軽いものになっていこうと考えております。一方このたびの〇・六%につきましては、繰り返すようでございますけれども、百五十億と言わず今後ふえていくことは十分期待できる、こういうふうに考えております。したがっていまの毎年の三十億の償還程度は無理なく消化していけるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/40
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041・武藤山治
○武藤委員 しかしその制度上から市町村、県が経常費の人件費に支出する金は国から借りてまかなうというこのやり方を自治省は好ましいと考えて一応了解しておるのですか。こういう制度は好ましくないからこれは一日も早くやめてもらう、こういう強い要求を大蔵省に出していないのですか。あなたたちほ担当官としてどう考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/41
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042・岡田純夫
○岡田説明員 その点は御指摘のとおり、私どもといたしましては借り入れ償還という形式によって措置されるよりは、事が給与改定等の問題でもございますし、財源措置を本来の姿と申しますか、より実のある姿でもって措置してほしいということは気持ちとしては持っております。現に当初はそういう姿で協議もいたしました。しかしながらこれはやはり地方団体の財源問題もまた国の財源を無視しては考えられない。これは私どもから言うべきことではないかもしれませんけれども、しかしやはり国、地方を通ずる問題、国、地方と同一の市町村というふうな点から判断いたしまして、まあやむを得ないかというふうに受け取った次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/42
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043・武藤山治
○武藤委員 そうしますと、今回の〇・六%の引き上げ算定基準というのは、この借金が百五十億円あるからそれも見越して、一応計算の基礎の中には見込んで〇・六%という数字がきまったのか。一体〇・六%というのは何を基礎にこういう数字が出てきたのですか。それをひとつ明らかにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/43
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044・岡田純夫
○岡田説明員 これはこの経緯でございますので、多少いかがかと思いますけれども、しかしながら予算要求の姿としましては毎年行なわれるところの減税、これが自動的にあるいはまた地方団体の減収になってまいりますし、減税の協力の要請も受け、また税制調査会等の議論もあります。減税によるところの減収というものの影響は大きい。ことに交付税の減税によるところの自然減収等もございますので、こういう点に重点を置きまして、予ての影響というものをなるべく軽くしてもらいたい。できることならば国税の減税等によるところの影響を皆無にしてもらいたい。こういう実は要望でございましたけれども、そこのところはただいま申し上げたような情勢もございます。ものごとには要するに最終調整の結果というものもございます。〇・六%程度ということできまったという結果であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/44
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045・武藤山治
○武藤委員 あなたたちは大蔵省に何%要求したのですか。予算査定の前にはどの程度の要求をしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/45
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046・岡田純夫
○岡田説明員 一・五で三〇・四%にしてほしいという要望でございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/46
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047・武藤山治
○武藤委員 三〇・四%の要望が二九・五になったということは、これからの地方財政計画にやっぱり私はどこか支障を来たすのじゃないかと思う。大体今度の地方税の減税それから国税の減税のはね返り分、それで地方自治体は総額どの程度になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/47
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048・岡田純夫
○岡田説明員 税制改正による増収といたしましては約八十億というふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/48
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049・武藤山治
○武藤委員 それは地方税の改正だけで、国税の今度の減税によるはね返りも含めてですか。それとも地方税法の改正だけによる見込み額ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/49
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050・岡田純夫
○岡田説明員 いま申し上げたのは両方突っ込みでございまして、税制改正による増減収の中で、国税の改正による減収が五億七千万円、地方税の改正による増収分が八十五億ということになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/50
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051・武藤山治
○武藤委員 そうしますと、国税全体としては四十年度は増収だ、こういうことですね。特にその増収の税目はどういう税目が増税になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/51
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052・岡田純夫
○岡田説明員 一番おもなものは道府県につきましては自動車税の九十億でございます。市町村関係では法人税割りの十六億、それから軽自動車税の四億四千万といったようなところがおもなところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/52
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053・武藤山治
○武藤委員 最初自治省が大蔵省に三〇・四%の交付税率の引き上げを要求しておいたけれども、諸般の財政事情で二九・五%しか認められなかった。これはひとつ鳩山主計局次長にお尋ねしたいのですが、大蔵省は自治省のそういう要望をなぜ二九・五に削ったのか、その理由を最初にお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/53
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054・鳩山威一郎
○鳩山政府委員 ただいま財政課長からいろいろ御答弁申し上げましたように、この交付税率の引き上げにつきましては、これは大臣折衝でもきまらず、党のほうの調整という段階を経まして、その結果〇・六%の引き上げということに決定いたしたわけでございます。それ以前の折衝経過につきましては、これは自治省とわれわれの事務当局間のいろいろ議論のやりとりはございました。ございましたが、最終はそういうことでございます。したがいまして、この〇・六%の積み上げはどういうものであるかということをここでこまかく積み上げるということは不可能なわけでございますが、結果といたしまして、交付税率の問題もございましたし、また先ほどからお話のありました地方債、特に道路に対する地方債を認めるべきではないかということも非常に大きな問題でございました。そういうような地方債の増額とかこういった交付税率の引き上げ、それから地方税の面で自動車税の引き上げとかあるいはあとで石油ガス税を譲与税化しよう、半額の譲与税をつくるとか、いろいろ地方財政全般の見通しが出てまいったのでございます。結果におきまして、本年度の財政計画は御承知と思いますが、地方財政としては三十九年度は増収が非常に多かった年でございましたが、この年に財政規模として約五千万円の財政規模の膨張があったわけでございます。それに対しまして、本年は四千七百四十億という財政規模が増加したわけでございます。これはいろいろ各歳入項目全体にわたった合計でございますが、そういうようなことで、先ほどお話がありましたように、総体的には給与費の相当なる膨張があり、いろいろな長期計画に基づきますいろいろな建設事業の推進というようなものもございまして、総体としては相当きつくなってきておるということは私もそのとおりだと思いますが、これだけの財政規模の膨張が可能であるというだけの措置はとれた。前年に対して伸び率としては若干低下をいたしたわけでありますが、これは国、地方を通じまして、やはり総体の財源の鈍化傾向という局面になりまして、そういった全般的な制限のもとにおきてまして、国と地方が協力して重要な施策をやっていくということにつきまして、これだけの財政計画のワク内におきましてそれぞれ地方側にも御努力をお願いいたしたいということでございます。したがって、全体的にはここ二、三年前の状況に比べますと、相当なる鈍化傾向を来たしております。したがって、地方財政運営といたしましても従来よりもよりきつい目の要素が出てくるかと思いますけれども、全体としてはそういった方向で財政運営を行なうべきものではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/54
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055・武藤山治
○武藤委員 鳩山さん、昭和三十九年度の交付税の精算追加額はどのくらいになる見込みですか。精算追加額がやがて出るでしょう、それは大体どのくらいになりますか。三十八年は四十一億くらいあったが、三十九年度はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/55
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056・鳩山威一郎
○鳩山政府委員 三十九年度は、本年度の決算をいたしてみませんと何ともわかりませんが、私どもばく然とした感じでは、前年よりは相当減るのではあるまいかという感じを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/56
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057・武藤山治
○武藤委員 自治省のほうが好ましい行政水準のあり方と申しますか、それの国際的な比較とか、何か日本の行政水準はこの程度まで引き上げていきたい、そういう一つの目標が計画の中であると思いますね。そういう点を国際的に比較してみた場合に、日本の行政水準というのはどの程度に位するのですか。そういう比較はしてみないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/57
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058・岡田純夫
○岡田説明員 各国の制度と日本の財政制度と比較いたしました場合に、制度としてはむしろ日本の財政制度のほうが整備されておるというふうに考えております。行政水準につきましては、これは国によりましてはむしろ国家としてやっているところもございますし、それぞれ千差万別で、直ちに日本と比較できるようなものは少ないように思っております。それはそれといたしまして、三十九年度、特に四十年度の地方財政計画の投資的経費では経済企画庁で調整をとった各省の五カ年計画をそのままと申しますか、地方財政計画においても受け入れております。これには国の補助事業それから単独事業両方ございますが、補助事業につきましてはその裏負担について全額計上いたしております。五カ年計画の単独事業につきましては自治省と各省と話し合いをいたしまして、納得のいった線のものをそのまま計上いたしております。各省の五カ年計画というものは、これまた各国の行政水準、たとえば道路でございますると、河川等でもそういう構想に立っておると聞いておりますけれども、西欧等の水準に到達するというふうな、西欧といえば独仏といったようなことになると思いますけれども、そういうふうな水準を頭に置いて、要するにそれに負けない程度に持っていくという姿の五カ年計画でございます。それを受け、それと単独事業と両方をつけ加えておりますので、したがって財政計画として、要するに対外的にひけをとらないような線で努力をしていけるものというふうに考えております。
一方個々の団体につきましては、特にその中で県につきましてはそれぞれ特殊的な事情もございますし、知事さんのところで総合的に判断して調整を考えてもらうことにしておりますけれども、市町村につきましては自治省におきまして一つの市町村の類型をつくりまして、類型団体ごとに行政水準も頭に置きましたところの、もちろんそれには現在の市町村等の財政力といったようなことも前提に置きましたところの類型ごとの指導基準を持っておりまして、それをひとつ大いに活用してやってもらいたいということで指導もいたしておりますし、今後とも指導していきたい。県につきましても個々の団体につきまして、先ほどの財政指導権もございますので、現地に伺っていろいろと意見も交換するというふうな姿でもって御趣旨のような線に持っていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/58
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059・武藤山治
○武藤委員 財政課長、今度四十年度から水道料金の値上げが各市でだいぶ騒がれておる。大体一番高い引き上げ率がどのくらいで、最低の引き上げ率がどのくらいの見込みで自治省のほうにはいま話がきておるのか。その総金額、引き上げられる金額の絶対額というのは全国でどのくらいになると推定をしておりますか、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/59
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060・岡田純夫
○岡田説明員 これは公営企業制度調査会がございまして、そこに水道等も含め広く交通、病院等に至るまで諮問いたしております。したがいましてその結果を待って自治省としても態度をきめてまいりたい。いまのところはやはり独立採算がもちろんたてまえでございます。ことに水道等についてはそうでございますので、やはり独立採算を維持できるということを頭に置いて、かたがた企業内容の合理化もはかりながら、ひとつ慎重な態度で料金問題にあたってもらいたいというふうな指導をしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/60
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061・武藤山治
○武藤委員 それは制度調査会の答申が出てから処置するということは、だいぶこれはおそくなるわけですね。おそらく出るのは秋でしょう。ところがきのう自治大臣が地方行政委員会で明らかに答弁をいたしておるのは、この制度調査会の結論が出なくとも現状にかんがみ善処しなければならぬ事態が予想される、その場合には自治省としてはすみやかにひとつ処置をしたい、こういう答弁を昨日安井代議士の質問に答えておりますね。だからすでにもう事務当局としてはどの程度各市町村なり県がいま上げようとしているか そういう率程度はわかっておるのではないですか。すでに予算県会なり予算市会でいろいろ自治省に問い合わせがきて、どの程度上げようかという最高引き上げをされる心あるいは最低どの程度の幅かということは、ややわかっておるわけでしょう、私はそれを聞いておるのです。処置の問題はあとでだんだん聞こうと思っておる。どのくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/61
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062・岡田純夫
○岡田説明員 私直接の担当でございません。したがいまして、お求めの数字につきましては公営企業課に照会いたしまして先生に御回答申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/62
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063・武藤山治
○武藤委員 鳩山さんどうですか。与野党の幹事長会談までやって、水道、医療費、これらの問題は国民大衆に重い負担に転稼されないようにしようではないか、こういう点でかなり突っ込んだ意見交換がなされ、最終的には抽象的ではあるが文書が交換されておる。政府は財政的に善処する、こういう態度を明らかにしたわけですね。各市町村もどういう内容にこれが具体化されるかということを期待しておるわけです。大蔵省としては、この与野党間における申し合わせに基づいて、どういう事務上のいま検討をしておるのか、医療費、水道料の値上げ、これをめぐってひとつ大蔵省の今日の作業状況、態度、これを明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/63
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064・鳩山威一郎
○鳩山政府委員 ただいまの問題は、これはたいへん大きな問題でございまして、政治的にも相当重大な問題だと存じております。医療費の問題は私の担当とは違うのでございます。水道の問題につきまして、従来上水道のほうは主として政府資金を相当多量につぎ込みましてやっておる関係で、この問題につきましては理財局が担当に当たっておられます。そういったことで、はなはだ申しわけないのでございますが、ちょっと私からお答えすることはできないのでございますけれども、全般の財政問題といたしまして、水道事業に対する考え方というものはいろいろあるかと思います。特に水道事業の中でも、最近やはりこれも人件費が相当上がってまいっておりまして、そのために一般的なサービス業務につきまして料金を徐々にでも引き上げていかないとやはり経常が困難である。それで従来水道の料金につきましては、多年据え置きになっております関係で、人件費が四年ばかりの間にほぼ倍額程度になっております。そういうようなことが水道事業を圧迫している現状だ。よく工業用水道のほうには補助金が出ておって、上水道のほうは出ていないではないかというようなことが議論としてあるのでありますが、そういうような点を含めまして主計局としてもこれは検討しなければならぬかと思いますが、従来の考え方はやはり上水道は企業として採算が立っていくという独立採算の考え方でやってまいっております。これも交通事業などと比べますと、非常に赤字という面では従来までのところはわりかた少額の赤字である。ただ東京都の場合には、非常に大規模な工事をするということから非常に響きが出ております。それから従来非常に低い料金で据え置かれていたという二つの、要素から非常に引き上げ率が大きく、したがって都民の感情としてはとてもこんなに上がってはたまらぬというような感じがあると思います。やはりこれも全体の水道事業、各都市における水道事業というもの全体を考えて措置をすべきだというので、私どもといたしましては調査会の結論を待って検討いたしたい。ただ当面困っておりますのは資金繰りの問題でございますから、本年の予算の編成には水道事業に対しまして、政府資金を前年に対しまして二百億以上増額をいたして、総額としては九百……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/64
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065・武藤山治
○武藤委員 それは起債ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/65
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066・鳩山威一郎
○鳩山政府委員 起債を非常に大々的に増加するということで対処をいたしたわけでありますけれども、その起債に対しまして、今回いろいろ問題になっておりますので、さらにどういう改善措置を講ずるかということを目下理財局のほうでいろいろ検討いたしておる段階かと存じます。あるいはもっと大臣レベルのほうでいろいろなお話し合いがあるのではないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/66
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067・武藤山治
○武藤委員 鳩山さんの耳に入れておきたいのは、いま工業用水の場合には国の補助金が四分の一ですか、それだけの補助がある。上下水道の場合には全然補助がない、これはどうも片手落ちだというので、社会党は本国会に修正案を用意し、すでに提出される運びになっております。そこで、いま鳩山さんも、上下水道のことについても補助のことを検討しなければならぬようなことをちらっと発言をされたのですが、大蔵省としては具体的にそのことを検討しようというかまえでおるわけですか。そこはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/67
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068・鳩山威一郎
○鳩山政府委員 ただいまそういった議論があるという意味で申し上げたのでございますが、ただいま上水道は財投の資金で実施をいたしております。上水道とか電気とかいうものは非常に長期間資金が寝るというので、なるべく低利な金で資金コストを安目にあげなければならぬというような考え方で従来きておる。そういう意味で財政資金をつぎ込んでまいっておるわけでございます。したがって、従来の水道に対します補助は非常に小さな簡易水道事業に対しまして、これは奨励的な意味の補助が出ております。ただ、上水道というものは従来から公営企業ということで、適正な料金を取って経営していくということでやっております。したがいまして、従来から主計局内部でも上水道に対しまして補助すべしという議論は全くございません。ただ、そういった議論が出ておりますので、私どももいろんな研究はいたしておるということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/68
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069・武藤山治
○武藤委員 鳩山さんが担当でないというので議論してもしかたがありませんが、公営企業の場合独立採算制、独立採算制と押し込んでいって、非常に膨大な設備資金、投資金額を消費者にすぐはね返させるといういまのやり方が非常に害を生んでおると思うのです。理財局と主計局との打ち合わせなどがある際には、公営企業の場合にはできるだけ長期の資金をとにかく使わして、その長期のものを長期間において料金に案分をしていく、そういう配慮をしないと、今度私どもの市でも一挙に三割七分水道料金が上がるわけであります。これはたいへんな金額になるわけであります。結局第二水源地を新設をするということで費用が膨大にかかるから料金を上げなければならぬ、こういう設備の投下資本というものが直ちに料金にはね返ってくるようないまのシステムに問題があると思うのです。もちろん政治は現状の法律制度を守るという立場と、そういう現状のシステムに間違いがあり不合理があればそれを改善するという、法を破るという力も政治は持っておるわけでありますから、いやしくも主計局次長程度の地位になればその両面をよく見て、ただ法を忠実に守ればいいのだということだけでは前進はないわけでありますから、今後十分地方行財政の水準の向上、赤字地方団体の解消、そういう見地から、地方自治体に対するもっともっと手厚い保護と指導を私は強く要望いたすものです。また自治省としても、当初三〇・四%の交付税率の要望をしながら二九・五%で押えられてしまった。政治的配慮あるいは財政的理由、こういうものによって引き下げられてしまったのでありますから、やはりこれに対する何らかの対策なども十分検討しなければいかぬと思うのです。そういう点は今後、きょう質問をしたお二人に十分研究をしていただいて、大衆のために貢献していただきたい。わが党は、地方交付税は三二%の税率にせよ、こういう立場から地方交付税をもっともっと充実をして地方団体を発展をさせよう、こういう立場でありますから、今後一そう地方財政の円滑な運営ができるように配慮をしていただきたいということを強く要望して、自治省の関係はこれで終わります。
次に、昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案、これについてお尋ねいたしたいと思います。
農林省が来ておりますから農林省に先にお尋ねいたします。順序がどうも逆になりますが……。
今回の改正によって、以前この委員会で問題になりました非常勤職員の長期給付の通算に対する処置が出ているわけでありますが、農林省は去年の本委員会において、十月ごろまでに非常勤だった職員の実態調査を完了する、完了したらまたここで報告を願うということに約束されておりましたので、実態調査の結果どういう人員になり、今回の改正で何名くらい該当者が救われるのか。それをまず最初にお尋ねいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/69
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070・尾中悟
○尾中説明員 昨年の六月に次官通達によりまして、常勤的非常勤の勤務の実態調査を行なったわけでございます。資料の集計が、全国津々浦々にわたっておりますので十月の初めまでかかりまして、昨年の十月下旬に大蔵省に提出いたしまして、現在大蔵省とその内容につきましていろいろ検討を進めている最中でございます。
結果の概要でございますが、実は農林省の中で林野庁関係はいわゆる現業職員でございまして、別の取り扱いになっておりますので、林野庁の関係を除きまして、その他の、農林本省、それから食糧庁、水産庁につきまして御説明を申し上げます。
調査は昨年の四月一日に在職しております職員につきまして、それらの人たちが過去におきまして常勤的非常勤の勤務をやっておって、しかも共済組合に加入していなかった期間が少しでもある人全部につきまして調査をしたわけでございます。その結果、林野庁を除きまして、全国で約一万二千三百名にのぼっております。この中でいろいろ性格が違うわけでありますが、一応そういうことで調査を完了いたしまして、現在大蔵省と折衝中であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/70
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071・武藤山治
○武藤委員 今回の改正案によると、一万二千名のうち、何名ぐらいが該当者になりそうですか。それはまだ大蔵省との折衝で明らかにならない、こういう状態ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/71
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072・尾中悟
○尾中説明員 ただいま大蔵省のほうからいろいろ補足資料といたしまして、たとえば厚生年金に加入した者が何名いるか、あるいは形式的には非常勤であるけれども、実情が常勤であるというためのいろいろな物的なりあるいは人的な証拠資料はどういうことになっておるかというようなことを要求されております。またこのうち何名が共済組合の適用人員になるかということは、判明していないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/72
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073・武藤山治
○武藤委員 給与課長が見えたようでありますから、農林省関係をまずあなたが見える前に一応尋ねておこう、こう考えて始まったわけでありますが、今回の法改正で、非常勤職員期間を持っている職員は、どういう基準で救済しようというのか、その基準をまず最初に明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/73
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074・秋吉良雄
○秋吉説明員 先ほど農林省当局からどのような御答弁をされたかつまびらかではございませんが、前回の国会におきまして、常勤的非常勤の者の組合員資格の付与の問題について、いろいろ御議論がございました。附帯決議が衆参両院において付されたわけでございます。その際、議論の過程といたしまして、一体実態はどうなっておるかということをつまびらかにした上で処置いたしたい、あるいは検討いたしたいというようなことであったわけでございます。いま農林省当局から御説明があったかと思いますが、この問題は、ある程度実態調査をして、いろいろの点を見きわめることが、もちろん必要でございますけれども、まだ建設省のほうあるいは林野庁あるいは農林省全部の悉皆的な調査は不完全な状態でございます。しかしながら、この問題は、理論的にもある程度めどをつけて、解決すべき筋合いのものじゃないかということを私ども考えたわけでございます。そこで前国会におきまする議論の過程におきまして問題になりましたのは、組合員資格を与えられるべき道が開かれておったにもかかわらず、これが国庫負担金の予算が計上されてないとか、あるいは組合の事情その他の事由によって、せっかく組合員資格を与えられるべき人が与えられなかったという実情、これはおかしいじゃないかという御指摘が一つあったわけであります。
したがって、私どもといたしましては、そういった、つまり旧法期間中におきまして、組合員資格は当然与えらるべきものであった。それが国庫負担金の予算計上がなかったとか、あるいは組合の事情その他の事由によって当然資格を付与さるべきものが落ちておったというような人は、これは理論的に言っても、今度それを救済するのが筋ではないかという考え方を持っておるわけでございます。したがいまして、理論的なそういう割り切り方を一つしたわけでございます。
しからば、どのようにこれを救済するかという問題でございますが、それにつきましては、現行のたてまえがございまして、現在まで引き続いている常勤的非常勤の組合員、そういった方々につきましては、これは引き続いておりますから、そういった方々につきましては、組合員期間といたしまして、全部通算するという考え方を持っております。
ただ、引き続かない人がございます。こういう引き続かない人につきましては、これは従前のいろいろな前例もございまして、これらの人々につきましては、資格期間といたしまして、通算いたしましょう、資格期間を付与いたしましょう、こういう考え方でございます。
次の問題といたしまして、通算をいたします場合に、問題は、厚生年金保険に加入しておった方方もあるわけでございます。そういった方々を一体どのような形で取り入れるかという問題でございますが、厚生年金保険に加入した期間につきましては、これは現在のたてまえで申しますと、百分の五十五の給付率になっておりまして、国庫負担金相当分の分だけは返すという形になっております。
これは少し脱線いたしますけれでも、地方公務員共済組合の場合を申し上げますと、これは現在百分の八十の給付率になっております。これは理論的にいいましてもおかしいわけでございまして、責任準備金の持ち分を生かしておりますから、その持ち分はプラスして上積みしなければならぬという問題があります。したがいまして、今度御審議願っております法案には、その問題もあわせて解決するように法案を提出している次第であります。したがいまして、厚生年金に加入しておった期間につきましては、百分の八十の給付率ということになります。あわせて百分の五十五が今回百分の八十の給付率になります。
次に問題は、資格期間しか与えない、引き続いていないという方々でございますが、この問題もいろいろ私ども検討しておりますが、現在までの考え方といたしましては、そういう方々については、これは引き続いてないのですから、資格期間だけの付与である。その場合に、こういうものに入っておったという場合には、非常に迷惑がかかるということになります。そういう方々については、特に百分の二十五ないし三十の給付率を給付すべきではないかという、いま考え方でございますが、これらの問題につきましては、追ってまた共済組合審議会におきまして十分議論、検討を重ねてまいりたい、このように考えております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/74
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075・武藤山治
○武藤委員 そうすると、厚生年金に加入していなかった非常勤の人も、今回救済措置で救われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/75
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076・秋吉良雄
○秋吉説明員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/76
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077・武藤山治
○武藤委員 それから、現在まで引き続いている人という、その引き続いているという概念なんですが、これはなかなかむずかしいと思います。とにかく二十二日以上つとめていた。ところが予算の関係で、事業費で人件費を払っておるのでありますから、そこで三年目にちょっと一たんやめたことになっている、あるいは一年目でやめたことにたっている。またすぐ一カ月後に採用になった。その間ちょっとブランクがある。そういうものは現在まで引き続いているという概念に入るのか入らないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/77
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078・秋吉良雄
○秋吉説明員 三十四年に新法が施行になります際に、常勤的非常勤をどのように取り扱うかということにつきましては、共済組合審議会はもちろんのこと、専門的な委員会をつくりまして、この問題をどう扱うかということで、十日ほど費やして十分議論を尽したと聞いております。
現在の制度を申し上げますと、月のうち二十二日以上勤務した月が十二カ月以上引き続いているという場合に限って、組合員資格を与えております。したがいまして、現在、引き続いての要件は、実体的に厳格にございます。
そういう意味から、過去において、ただいま御指摘のように、断層があった場合においては、現在の制度のたてまえ上、その分だけを緩和するわけにはいかない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/78
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079・武藤山治
○武藤委員 そこがおかしいのではないですか。非常勤期間が五年あった。しかし、その間二カ月解雇された期間があった。これは今度の救済には含まれない。これははっきりしておりますね。一回でも解雇された期間があれば、だめなんですか。そこをもう一回確認しておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/79
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080・秋吉良雄
○秋吉説明員 引き続きでございますから、引き続いている場合には、先ほど申し上げたように、組合員期間として全部通算になりますが、そういった引き続かない場合においては、前例もございまして、資格期間として救済するということになるわけでございます。資格期間としてこの問題は救済するということでございますから、誤解のないように願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/80
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081・武藤山治
○武藤委員 二つに分けて、ずっと一度も解雇されてない場合には、支給期間に通算になる。途中一回でも解雇になっているものは、救済はされるが、資格期間だけだ。給付のときにはその期間は落ちる。そうしますと、農林省関係の大部分の人たちが救われると私は判断いたしますが、いかがでしょうか。給与課長、農林省におります一万二千人あまりの非常勤期間のあった人たちは大半救われると判断してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/81
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082・秋吉良雄
○秋吉説明員 むしろ農林省当局のほうからお答えいただいたほうが、的確な御答弁かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/82
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083・尾中悟
○尾中説明員 先ほど申しました一万二千三百名の者は、昨年の四月一日現在おります職員の中で、過去において引き続いて実体が常勤職員と同じような勤務状態にあったという者を調査いたしております。そういうふうに理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/83
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084・武藤山治
○武藤委員 それだけじゃわからないのです。あなたのほうの農林省は調査が非常に厳格過ぎて、どうも該当する人が該当しないように書類上されてしまうおそれがかなりあるという不満があるわけです。それは月二十二日間以上働いてないとだめだという原則はあるわけでしょう。それはどうですか。それは今度の場合ははずれるのですか、二十二日というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/84
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085・尾中悟
○尾中説明員 やはり一月のうち二十二日を勤務しておるということが一つの基準になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/85
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086・武藤山治
○武藤委員 そうすると参事官、私は実際農林省の出先機関を今度歩いてみたのです、農林省がどういう調査をするかと思って。そうしますと奇怪なことが発見された。私は証拠も持ってきているのですがね。当時非常勤職員はほとんど三十日勤務しているんですよ。出勤簿も三十日判こを押しているんですよ。ところがどこをどうしたか、それをあとで、これはいかぬ、非常勤職員は二十二日で切らなければいかぬということで、出勤簿のつくり直しをしているんですよ。三十日間押していたやつを、古い出勤簿と、今度は二十二日か二十一日間に判こを押し直して、出勤簿を二重につくり直しているところがあるんですよ。私は証拠を持ってきています。そういうものを、わしのところは確かに三十日、当時つとめていましたよ、仕事も自分で伝票を切ったりあるいは受信簿があったり、検査月報があったり、実質でまさしく三十日つとめていても、出勤簿がいま言った別な出勤簿で落とされてしまう、こういうものはどうですか、救済されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/86
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087・尾中悟
○尾中説明員 今回の調査はどこまでも実態に即しまして調査したものでございまして、実情が確かに二十二日以上勤務しておったという証拠があるものにつきましては、先ほど申しました数の中に全部入っておるつもりでおります。そういう指導をやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/87
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088・武藤山治
○武藤委員 とにかく、私が調査した栃木県内の事務所へ行ってみると、本人は真剣ですわ。たとえ一年でも一年半でもこの際通算に入れてもらえるかもらえないかという損得のことよりも、気持ちの問題なんですね。おれは初めから農林省につとめていたのだという誇りが持てるのですね。ですから、本人はまことに真剣に資料を持ってきて、私はこのくらい預かってきました。それを見ると、大体月末は出勤簿に押していないことになっているのです。大体二十日以後は出勤していることになっていない。ところが伝票のほうを、当時自分がやっていた作業の内容の書類を見ると、二十七日も三十日もちゃんと出勤して仕事をやっているのですね。出勤簿と一致しないわけです。こういう例がかなりあると思う。農林省は大蔵省にうるさいことを言われるから、厳格に調査しないと大蔵省が通してくれぬということでうるさいのだろうと思うのですが、この際この法律改正が出てきたのですから、大蔵省も農林省もそういう証拠が一つでもちょっと出された場合には、その書類の写しを出せば、出勤簿に判が押していない日でも、証拠があれば、なるほど出勤簿は二重につくり直したのだなということがうなずけると思うんですよ。そういう点を十分農林省としても——古いことの話ですからね。なかなか、全部の書類をそろえてこいと言われたって小さい事務所はないですよ。五年保存期間ぐらいの書類程度で、その前のはないわけなんです。しかしいま言った、たまたま出てきた私が見た書類で判断をすると、非常勤職員期間のあった者は、この際あまりうるさいことを言わぬで、なるほどこういう例があるとすれば、ほかも大体それと似たりよったりだろう、こういう判断で政令をつくるときに、ひとつ給与課長のほうでも十分そういう点を考慮してきめてもらいたいと思いますが、給与課長のお考えはいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/88
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089・秋吉良雄
○秋吉説明員 退職手当にしろ共済金にしろ、この問題はあくまでも形式論でなしに、やはり実態論のほうがむしろ優先すべきだということは私も同意見でございます。実態がどうであるかという問題でございまして、その実態を立証するに足り得るような資料があればもちろんそれに従うということで、各現業当局はそういうようにするだろうと私ども考えております。もちろんこういった問題のいろいろの意見の相違等につきましては、御案内のように共済組合審査会という制度がございまして、そこで救済の制度がございます。そういう審査会もございます。そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/89
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090・武藤山治
○武藤委員 審査会の構成はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/90
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091・秋吉良雄
○秋吉説明員 共済組合審査会は、これは御案内のように給付につきましての異議の紛争機関でございまして、共済組合法百四条によりますと、委員は九人をもって組織するということになっておりまして、組合員を代表する者、それから国を代表する者及び公益を代表する者それぞれ三人、三者構成になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/91
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092・武藤山治
○武藤委員 それには給与課長も入っておるのかどうか、それから労働組合の代表は含まれているのかいないのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/92
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093・秋吉良雄
○秋吉説明員 組合員代表といたしまして三名入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/93
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094・武藤山治
○武藤委員 それは労働組合ですね。共済組合の組合員じゃなくて、労働組合の代表という意味ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/94
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095・秋吉良雄
○秋吉説明員 これはあくまでも労働組合じゃなしに、共済組合員を代表するというのが法制上のたてまえでございます。実際の方々は、ちょっとその点はいま確かな資料がございませんが、後ほど御連絡いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/95
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096・武藤山治
○武藤委員 それから秋吉さん、私ども法律に弱いのでちょっとわからないのですが、今度の改正法の四十九条の二を読んでみますと、「厚生年金保険法による厚生年金保険の被保険者期間を有していた更新組合員」こうなっておるのですね。そこで引き続かなかった者が、この条文の中から出てこないものだから、私は実はえらい心配をしておるわけなんです。この条文の中のどこかから解釈上出てくるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/96
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097・秋吉良雄
○秋吉説明員 法律案の四十九条の二ではなしに、本体の問題といたしまして、常勤的非常勤職員の組合員の資格を付与する問題につきましては、これは施行法の七条の改正をいたしております。国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法というのがありまして、それの七条一項五号、この法律案で申し上げますと二四ページの第五条でございます。「国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部を次のように改正する。」としまして、御指摘の問題は、二行目の「同項第五号中「旧特別調達庁法(昭和二十二年法律第七十八号)に規定する特別調達庁に勤務する者で職員に相当するもの」を「職員に準ずる者で政令で定めるもの」に改める。」ということで、ただいま御指摘の常勤的非常勤職員の組合員期間はこの政令で定めるということに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/97
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098・武藤山治
○武藤委員 わかりました。その政令は、もうすでに作業は済んででき上がったのですか、いま作業中ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/98
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099・秋吉良雄
○秋吉説明員 現在作業中でございまして、まだでき上がっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/99
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100・武藤山治
○武藤委員 これは大蔵委員会で附帯決議までつけられた問題でありますから、政令案ができましたら、与野党全員にこの部分についての政令案をお配り願いたい、これをひとつ要望しておきますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/100
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101・秋吉良雄
○秋吉説明員 了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/101
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102・武藤山治
○武藤委員 そこで農林省にまたお尋ねしますが、農林省は一応一万二千名の調査が終了して、それをさらに綿密に検討して、これはまだ不備だ、もう一回証拠を出せ、こういう形で再調査を下に流している件数というのはごのくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/102
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103・尾中悟
○尾中説明員 いまわれわれとして一番関心を持っておりますのは、いまの引き続いて常勤の状態にあったといういろいろな証拠でございます。これは出勤簿のみならず、先ほどお話のございましたような作業上のいろいろな書類等もあわせまして、できるだけたくさんこれをとりたいということで努力しております。その数でございますが、ちょっと正確には覚えておりませんが、一万二千三百のうち、まだ三千ないし四千くらいは、今後何らかの資料を個々の人につきまして整備をしなければならぬのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/103
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104・武藤山治
○武藤委員 農林省のほうは、いま給与課長が答弁されたことに一致するように、できるだけすみやかにひとつ調査を完了して、全員が期待するような結論が出るように特に御配慮をしてほしい、こういう要望をいたしまして、農林省関係はこれでけっこうでございます。そういう要望についてあなたにもし御見解がありましたら、最後にお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/104
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105・尾中悟
○尾中説明員 できるだけ資料を完備いたしまして、すみやかになお一万二千二百名のものにつきまして通算ができるように最善の努力をしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/105
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106・武藤山治
○武藤委員 次に給与課長にお尋ねいたしますが、少し勉強するつもりで、この今回の改正に対応して、金額でどのくらい政府が支出をしなければならないかという点を、まず最初に旧陸海軍の雇用人、それから朝鮮、台湾からの引き揚げ雇用人、官業時代の八幡製鉄の共済組合に加入しておった人たち、これらの今回の改正による給付金額はどのくらいふえるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/106
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107・秋吉良雄
○秋吉説明員 三つの対象がございます。御指摘のように一つは旧令年金でございます。もう一つは旧法年金、それからいわゆる新法年金、この三つのカテゴリーがございます。それぞれに応じて御説明いたします。
旧令年金でございますが、内容的に申しますと、御案内のように旧令共済というたぐいのものと八幡共済というたぐいのものがございまして、対象人員を申しますと、旧令共済につきましては約三万でございます。こまかな数字で申しますと三万五千二百という数字がございますが、大体三万でございます。それから八幡共済でございますが、これは八千八百二名という数字がございます。したがって、旧令年金につきましては合計で約三万九千という数字でございます。それから旧法年金、つまり雇用人の旧法年金でございますが、これが一万四千でございます。一万四千六百十五という数字でございますが、まあ一万四千でございます。それから新法年金でございますが、この新法年金のとり方がどこでとるかというので数字が変わってまいります。今度一応恩給が二割アップになりまして、それに即応いたしまして、これは綿密な積み上げの計算ではございませんが、二割アップでございますから、現行二万円べースが二割アップいたしますと約二万四千円ベースになってまいります。そうしますと、大体昭和三十六年ベースだというような一応のめどを置きまして、昭和三十六年ベースまで該当者が出るだろう、こういう予測をいたしまして、そういう前提のもとにはじいてみますと、一応新法年金が一万三千という数字が出てまいります。これはあるいは数字が変わってまいるかもしれませんが、一応そういう前提のもとではじいてみますと約一万三千、そこで全体三つを合計しますと、六万七千という数字が出てくるわけであります。
現在の年金額でございますが、これは旧令年金で申しますと、旧令共済で約二十一億七千五百万円、それから八幡共済で一億六千七百万円、合わせまして二十三億四千三百万円という数字でございます。それから旧法年金でございますが、八億八千九百万円、それから新法年金でございますが、これも先ほどの前提のもとではじきまして十八億一千二百万円という数字が出ております。そこで全体を合計しますと五十億四千四百万円というような数字が出てまいります。
そこでこれが今度増加するわけでございますが、この増加額の所要見込み額を申し上げたいと思いますが、四十年度は御案内のように十月から恩給の改正案を施行するということになっておりますから、したがいまして、十月以降の所要額ということに相なりますが、旧令年金で申し上げますと旧令共済で九千五百万円、八幡共済で約四百万円、合わせまして九千九百万円、こういう数字の所要増加見込み額に相なります。この九千九百万円につきましては、これは予算に計上することに相なっております。それから旧法年金でございますが、これが三千七百万円の増加所要の見込み額でございます。新法年金で、これも一応のめどが違ってくれば数字も変わってまいりますが、先ほど来のめどで申し上げますと、五千三百万円という数字になります。そこで合わせまして四十年度の増加所要見込み額といたしましては一億八千八百万円という増加所要見込み額に相なります。この旧法年金と新法年金につきましては、これは整理資源といたしまして、国の負担金相当、恩給公務員期間相当分はこれを整理資源といたしまして一年おくれて翌年度以降の予算に計上して整理するということに相なりますから、本年度につきましては予算計上をしておりません。
以上でございますが、平年度で申しますと、もっと相当ふえる金額に相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/107
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108・武藤山治
○武藤委員 今回のこの改正で旧令及び旧法に基づく障害年金、殉職年金、遺族年金、これらの最低保障額の引き上げが行なわれるわけでありますが、これはやはり恩給と右へならえするだけの意味で別に算定の基準の基礎というものを大蔵省のほうで算定したわけではないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/108
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109・秋吉良雄
○秋吉説明員 全く御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/109
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110・武藤山治
○武藤委員 この場合の一級というのは——参考にお尋ねするのですが、一級、二級、三級全部ではたいへんでございますから、一級と三級程度の障害程度というのはどの程度ですか。——もしすぐわからなければいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/110
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111・秋吉良雄
○秋吉説明員 どうもおそくなりまして恐縮でございます。
これは恩給のグレード、障害基準そのままとっておりまして、恩給で申し上げますと、第一項症、これが第一項症につきましては一号から六号までそれぞれ規定がございますが、一番ティピカルな例を申し上げますと、「肘関節以上ニテ両上肢ヲ失ヒタルモノ」それから「膝関節以上ニテ両下肢ヲ失ヒタルモノ」というのが、第一項症のティピカルな例でございます。「複雑ナル介護ヲ要セサルモ常二就床ヲ要スルモノ」というような全体のワクがかかっております。それから、第二項症でございますが、一番ティピカルな例を申し上げますと、「両耳全ク聾シタルモノ」というようなことが書いてございます。それから、先ほどの例示からいたしまして御説明いたしますと、「腕関節以上ニテ両肢ヲ失ヒタルモノ」「足関節以上ニテ両下肢ヲ失ヒタルモノ」こういうような規定に相なっております。それから、第三項症につきましては、「肘関節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ」それから「膝関節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ」というのが第三項症になっております。第四項症は、やはり同じようなたぐいを申し上げますと、「腕関節以上ニテ一上肢ヲ失ヒタルモノ」それから「足関節以上ニテ一下肢ヲ失ヒタルモノ」というようなことで、「咀嚼又ハ言語ノ機能ヲ著シク妨クルモノ」あるいは「精神的又ハ身体的作業能力ヲ著シク妨クルモノ」というような抽象的な基準もごいざます。それから、第五項症について申し上げますと、「一側総指ヲ全ク失ヒタルモノ」というようなものがティピカルな例でございます。それから、第六項症につきましては、抽象的な基準といたしましては、「精神的又ハ身体的作業能力ヲ高度二妨クルモノ」それから、先ほどの例から申しますと、「一側拇指及示指ヲ全ク失ヒタルモノ」「一側総指ノ機能ヲ廃シタルモノ」こういうような基準に相なっております。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/111
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112・武藤山治
○武藤委員 この一号、二号の等級の差額が合理的であるかどうかということは、恩給局のほうに聞かぬとわからぬと思いますので、ここでの質問はひとつ取りやめておきたいと思います。
次に、七十歳未満の者については、今回の増加額は三年間停止するという趣旨ですね。どうして三年間停止するのか、それをひとつお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/112
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113・秋吉良雄
○秋吉説明員 これにつきましては、旧令及び旧法の年金につきましては、従前恩給に追随いたしまして引き上げが行なわれてきたわけでございますが、その際に、先ほど御指摘がございましたように、年齢によって支給停止に相なっております。これもすべて恩給にならいましてやってきておりますが、恩給がやっております理由といたしましては、私ども聞いておりますところによりますと、恩給と申しますのは、経済的な能力を喪失した、それに対する補償といいますか補てんとか、そういった意味合いもございます。そういった点からいたしますと、一つの年齢基準というものも参考にしなくちゃいかぬという要素、それからもう一つは、やはり財政事情ということも、とれも否定できないのじゃないかと思っております。そういった観点からいたしまして、従前と同様に、今回旧令及び旧法の年金につきましても、恩給にならいまして、支給停止をいたした。全く恩給と同じスタイルに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/113
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114・武藤山治
○武藤委員 三年間という、三年に限った理由がわからないのですよ。どういうわけで三年と区切ったのでしょう。五年とか二年とか一年とか、いろいろあり得るのですが、三年という期限に区切ったのは、一体どういうわけなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/114
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115・秋吉良雄
○秋吉説明員 恩給のほうから的確な御答弁をしていただきたいと思っておりますが、全く私どもは、従来の慣例と、それからやはり恩給に追随する仕組みに現在なっておりますから、そういう恩給の支給停止の制度をそのまま取り入れたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/115
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116・武藤山治
○武藤委員 というのは、特にいま物価騰貴の激しい、非常に貨幣価値の変動の激しい時期に、せっかくこの増額がきまっても、それが三年間停止されているというのじゃ、意味がないような気がするのですよ。ここらがどうも納得いかぬものですから、これはあとで恩給局を呼んでひとつ詳しくお尋ねをしてみたいと思います。
それから、今回の改正の中で費用の負担の問題でありますが、旧令及び旧法の場合は全額国が負担をする、現在の新法による場合には、現在の職員が掛け金の中で負担をしていく、こういうことになっておって、どうも新法の該当者の分を国が負担しないのはけしからぬではないか、こういう意見がかなりあるわけです。他の旧法あるいは旧令との比較上、こういう取り扱いをしておくのが一体好ましいだろうか。この点に関する見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/116
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117・秋吉良雄
○秋吉説明員 その問題は非常に重要な問題で、いろいろな議論がなされておるところでございます。御案内のように、新法年金は、これは全く従来の恩給制度とは脱皮いたしまして、社会保険制度に切りかわったわけでございます。どこまでも保険数理で経理されるということに相なっておるわけでございます。そこで、新法年金につきましては、恩給制度とは切り離して社会保険に脱皮いたしましたとはいえ、経過的にはやはり恩給公務員期間を導入いたしまして、その恩給公務員期間につきましては、これは保険数理の対象外に現在なっておるわけでございます。財源率計算におきましてもそうなっております。つまり、恩給公務員期間に相当する経過的な部分につきましては、これは保険数理の対象外に現在相なっております。そこで、その恩給公務員期間に相当する計算につきましては、これはやはり当時の更新組合員の期待権、既得権といいますか、そういった保障という観点からいたしまして、恩給法と全く同じ計算方法が導入されておるわけであります。現在の新法年金につきましては、そういった経過的に恩給公務員期間相当のものがあるということになっておりまして、そこで、新法年金につきましては、これ準則といたしまして三者負担にすべきでございますけれども、そういった経過的な恩給公務員期間相当分につきましては、従前と同様に、旧令、旧法の年金と同様に、これは追加費用につきましては国が負担するということにいたしたわけでございます。そこで、御指摘の点は、新法年金につきましても、これはやはり追加費用は国が負担すべてじゃないかという御指摘でございますが、この問題につきましては、御承知のように非常に議論のあるところでございます。私どもといたしまして三者負担に踏み切りました理由といたしましては、やはりこれは社会保険の制度の一環でございまして、御案内のように、社会保険の根幹をなします厚生年金でございますが、この厚年につきましては、戦後約六回、今度の分を入れますと六回ですか、数回にわたりましてそれぞれ既裁定の年金の引き上げが累次行なわれてきているわけでございまして、その行なわれてきている際に、これはいずれもいわゆる三者負担で財源率は計算し、保険料はそれに応じまして逐次引き上げられてきていることは、御案内のとおりでございます。そういったことで、社会保険の根幹をなします厚年におきまして、戦後そういった一連の措置がなされてきておるということからいたしまして、やはり社会保険の体系の中における新法年金につきましてはそういう制度のもとで考えなくちゃいかぬ。したがいまして、やはり三者負担で貫く必要があるということで、今回はそういう趣旨で法律案を提案しておる次第でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/117
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118・武藤山治
○武藤委員 それでこの新法の該当者は先ほど説明のありました一万三千人程度で、五千三百万円程度は今度の改定で増額される分だ。その程度の金額ならばいままでの組合員負担額というものは変更しなくともよろしいのかどうか、掛け金率を変更するという見込みなのか、それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/118
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119・秋吉良雄
○秋吉説明員 先ほど御指摘がございましたように、新法年金の四十年度における増加所要見込み額の所要額といたしましては五千万円と申し上げました。これをかりに平年度に直しますと、しかもその場合に年齢制限がかりに全部なくなった三年後の暁といたしますか、そういう数字を平年度ベースに直して計算をいたしますと、二億五千六百万円の所要額がかかるということになります。そこで二億五千六百万円の所要額が一応出ますけれども、大部分の方々が恩給公務員期間が長いわけです。三十四年以降の新法期間はわずかでございますそういうことからいたしまして、私どもといたしましては約九七から九八%程度は恩給公務員期間相当期間でございます。そこでそういう二億五千六百万円のうち九七、八%、この分は恩給公務員期間でございますから、したがって先ほど申し上げましたように、これは国が追加費用として負担することになるわけでございます。そこで差し引きいたしますと七百万円の穴が出るわけでございますが、この分につきましては先ほど御答弁申し上げましたように三者負担ということに相なりますが、いわゆる財源率というものがございます。その財源率については全く影響はないという数字に相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/119
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120・武藤山治
○武藤委員 そうすると恩給期間を持たない退職者がほとんどになる年次は、大体推定上何年度ころからになりますか、新法だけの者になるのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/120
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121・秋吉良雄
○秋吉説明員 全く直観的に申し上げますが、二十年たちますと御案内のように年金資格が発生いたします。三十四年から新法が発足したわけですから、二十年たったらそういうことになるのじゃないか、直観的な感じでございますが……。——ちょっと私間違った答弁をしましたかもしれませんが、遺族年金がございますから、旧法時代の方々の遺族年金というのは、その方々のまた遺族が死ぬまで遺族年金を受けますが、その分を加味いたしますと先ほどの答弁は一〇〇%の答弁ではないと思いますから、あしからず御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/121
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122・武藤山治
○武藤委員 そうしますと、現在の組合員は掛け金率を変更せずに当分はいける、その問題で組合員が聞きたいのは、当分とは一体どの程度までが上げずに済むのか、これが一番心配な点ですが、それはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/122
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123・秋吉良雄
○秋吉説明員 現在二割引き上げになりますから、そういたしますと、先ほど触れましたように、大体三十六年ベースになるわけでございます。三十六年ベースで申しまして財源率計算という計算をいたしますが、数理専門家に私どもやってもらったわけであります。これは内部での数字でございますが、三十六年ベースで申しますと、財源率にかりに引き直した場合にどういう数字になるかと申しますと、千分の〇・〇〇〇五というような数字が出ておりまして、これは全然お話にならない数字でございます。かりに三十九年までやるとすればどうなるか、つまり三十九年ベースまで引き上げられたといたしますとどうなるかということでございますが、これでやってみますと、これも私ども内部だけの一応の試算でございますから、その点お含み願いたいと思いますが、千分の〇・〇一というような数字でございます。
大体以上のようなことでございますから、それから先のことはある程度御推察がつくのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/123
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124・武藤山治
○武藤委員 あなたがそういう親切に答弁すれば、この法律は賛成で上げざるを得ないような内容だということがわかってきたわけです。なかなか給与課長の答弁よろしい。そうしてみると、組合員が心配するほど当面すぐやめた人の分までわれわれが多額に負担をするんだという認識は少々変更しなければならない、こういまの答弁で理解ができたわけであります。ぜひひとつこういう物価騰貴のおりでもありますし、組合員が非常に心配する掛け金率の引き上げということが起こらないように、ひとつできるだけ財政援助等をいただいて処置をしてもらいたい、そういう要望をしてこの問題は一応終わります。
それからこの前秋吉さんと約束をした問題は、運営審議会の構成の問題で、建設省と法務省が労働組合側から全く審議委員が出ていない、こういう実態をひとつ調べてほしい、もしそれが事実であるならば担当課長としてできる限りの指導をすべきだ、またあなたもそうしたい、こういう答弁があったわけでありますが、その後の調査の結果はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/124
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125・秋吉良雄
○秋吉説明員 さっそく調べさせていただきました。
まず法務省から申し上げますと、法務省の現状はむしろ先生のほうがよく御存じだと思いますが、いわゆる労働組合としての全法務から共済組合の委員には任命されていないということでございます。法務省当局といたしましては、やはりこれは先ほども触れましたように、法律のたてまえからいたしまして、労働組合員から選ぶという制度にはなっていなくて、あくまでも職員と申しますか、共済組合員の中から選ぶということにたてまえしなっておるわけでございます。御案内のように、法務省といたしましては非常に職種が多うございまして、保護観察とかあるいは法務局あるいは検察庁とか、あるいは公安調査庁、そういったいろいろな職種がございまして、そういった横割りじゃなしに縦割りの職種代表という考え方で、職員として組合員から委員を任命しているということになっておりますから、したがいまして法務省の運営審議会の構成といたしましては、これはこれなりに妥当ではないか、問題はないんじゃないか、かように私ども考えております。
次に、建設省の場合で申し上げますと、これはいろいろのいきさつがございまして、三十九年の一月でございますか、共済組合の審議会を開いたわけでございますけれども、当時の運営審議会がいろいろの事情によりましてうまく正常な機能を果たせなかったということによりまして、全建労から選んだ委員三名を解任いたしております。その後もし正常な機能が遂行されるという見込みに現在立っていないという現状のもとにおいて、その後建設省といたしましては、全建労推薦の委員は現在のところ任命していないという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/125
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126・武藤山治
○武藤委員 これは給与課長もあるいは議事録を読んだかもしらぬですが、まず法務省の問題については、昨年参議院で法務委員の稲葉誠一君がかなり突っ込んだ質問と要望をして、そのときに法務省側では、そういう強い要望があるから善処したい、こういう答弁をしているのですよ。答弁をした翌日、全く意に反した任命をしておるのです。こういうこそくなやり方というのはけしからぬと思うのです。ですから、全法務の指導部が気に食わぬ、どうも党派性というものを見た場合に共産党らしい人が多いとかなんとか、そういうような理由でおそらく全法務は拒否している。これはやはりほかの運営審議会とのバランスを考えた際に、どう考えても九対ゼロ、十対ゼロというのは私は管理者側の行き過ぎだと思うのですよ。おまけに組合側からいろいろ、あれは管理者側じゃないか、あれは給与担当の課長ではないかと言って突き上げられると、今度は給与担当だけは何人かはずして出先の小さいところから選んでくる。ますます組合員の意思を代表しない代表が入ってきてしまうのです。これは一応法務省の言い分というものをすなおにそのまま文書であなたは聞いておるかもしらぬですが、ほかの例をやはり法務省と建設省へは親切に大蔵省から、ほかはこうなっています——だから正常であるか正常でないかということの判断が私は問題があると思う。あなたのほうは、一体正常な運営——正常じゃないという回答が来たようでありますが、何をもって建設省は、そういう組合代表を選ぶことは正常でないと言うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/126
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127・秋吉良雄
○秋吉説明員 法務省の例をもって申し上げますと、一応法務省といたしましては、いろいろのいきさつもございまして、選び方といたしまして、いろいろの職種があるということからいたしまして、縦割りの選考をしている。縦割りの選考をする場合に、それは労働組合員の中から選ぶか、あるいは職員側としての共済組合員の中から選ぶかという問題は、これは当局が自主的に判断すべきことでございまして、要は共済組合員の意思が反映される形の方法論の問題でございます。それが労働組合員でなくてはならないとか、あるいは労働組合員は排除すべきだというようなことは、私どもといたしましては関与すべきことではないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/127
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128・武藤山治
○武藤委員 関与すべきことではなくも、実際の評議員会なりあるいは運営審議会のあり方については、大蔵省の給与担当課長、あなたが一番指導権を持っているのですよ。ですから、民主的な意思が反映されないと思われるような構成については、望ましい姿はほかはこうですよ、そういう指導はできるはずだ。この前の議論では、そういうある程度のサゼスチョンは差しつかえない、それはできますということをあなたは言ったわけだ。ただ、こうせい、ああせいという命令権はない。監督権はない。しかし、他の組合とのバランスを考えて、こうあるのが望ましいのですよ、これがやはり組合に対する理事者側の態度でもあるべきなんです。これは今度は民主主義の議論になりますけれども、民主的な組合運動の育成ということをやるためにも、まるきりもうばんとはねつけておいて一人も入れないよりは、入れてやはり話し合いの場をつくるということが民主的労働運動を育てる道でもある。そういう組合に対する理解というものが法務省、建設省には全くないのです。それはもちろん建設省の組合の指導方針というものは気に食わぬ点もあるでしょう。確かに間違ったような点も行動の中にあるかもしれない。しかし、それをやはり指導していくのがそれぞれの理事者側のとるべき態度ではないだろうか。こういう点から、どうも九対ゼロ、十対ゼロという構成についてはもっともっと大蔵省としては指導をすべきではないか。もうこの返答をもらって、いま答弁したからこれ以上給与課長としては頭に置く必要はない、こう考えますか。それとも、まだおりを見てこういう構成というものは他の組合とのバランス上できるだけうまくいくような指導をしていきたい、そういう気持ちが少しでもあるのかどうか。もうこれで武藤議員の質問に答えたから、あとは知らぬ、こういう御意思でおるか。あなたの気持ちをひとつ聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/128
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129・秋吉良雄
○秋吉説明員 どうも繰り返して恐縮でございますが、共済組合の運営審議会の委員の任命につきましては、これは各省各庁の長が任命することになっておりまして、しかもそれは共済組合員の意思も十分反映するようなかっこうで任命されるのがたてまえになっておるわけでございます。そこで、法務省、建設省のような場合は、それぞれのいきさつ、沿革もございまして、特に法務省の場合にはそういう縦割りの考え方でやってきておるというようなことでございます。そこで大蔵省はこれにどういう指導なりあるいは注意をしているかというようなことでございますけれども、各省各庁は、俗っぽい表現かもしれませんが、それぞれの家庭の事情と申しますかによって共済組合員、職員の意思が反映するようなかっこうで適切な任命が行なわれておると私どもは思っておるわけでございます。しかしながら、先ほど先生の御指摘、御要望の点につきましては、なお私どもといたしまして建設省あるいは法務省に御連絡いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/129
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130・武藤山治
○武藤委員 すぐあとの質問者とかわりますが、もう一つ、あなたはこの前、長期給付の運用については組合員の意思が反映されないのは民主的でないという私の質問に対して、非公式だけれども、今度は何か協議会みたいなものをつくって、一応長期給付の積み金についても意見が反映されるようにすることもひとつ考えておるのだ、こういう話でありますが、四十年度の運営について、四十年度からその協議会なるものをひとつやってみようという御意思があるのかどうか。それとも、これはずっと先の話で、あなたの頭の中に描いているだけなのかどうか。そこら辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/130
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131・秋吉良雄
○秋吉説明員 先般の国会におきまして御質問がございまして、一応の試案というかっこうで御答弁申し上げたところ先生の御賛同を得たわけでございまして、私どもその点については非常に意を強くしておるところでございます。さっそくそういった方向でできるだけすみやかに実が結ぶように努力をしてまいりたいと思っております。三月の十五日でございますか、従来なかったのでございますけれども、連合会の事業計画につきまして、各単位組合の運営審議会の方々のうち労使と申しますか二名御参集をいただきまして、来年度の事業計画、予算についての説明会を催したのもその一つのあらわれでございます。できるだけすみやかに御指摘のその構想が実を結ぶような形で私どもも努力いたしたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/131
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132・武藤山治
○武藤委員 これで私の質問を終わります。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/132
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133・吉田重延
○吉田委員長 只松祐治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/133
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134・只松祐治
○只松委員 国税庁長官がおくれるようでございますので、前回私がお尋ねいたしておりました国税関係の質問を予定しておりましたが、それをあと回しにいたしまして、お見えになる前に二、三ほかの問題をお聞きしたい。
まず、酒やビール等の小売り店の新規開設についてお伺いをいたします。
この新規開店の基準と申しますか、たばこの場合でもいろいろ、都会地においてはおおよそ二百メートルとかあるいは村部においては五百メートルとか、あるいは販売価格がそういう新設した場合におおよその目安があるわけでごいざます。何かそういうものの都会地、農村地、そういうもので基準がございましたら、ひとつお教えできる範囲においてお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/134
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135・松本茂
○松本説明員 酒類の販売業の免許につきましては一つの基準を考えておりまして、それによりまして事務を取り進めております。
小売りの場合でございますが、この全酒類の小売りの免許の場合におきまして、まず第一の要件が人的要件でございます。これは申請者が経験その他から判定いたしまして、税務署長が酒類の小売り業を経営していくに足る十分な知識及び能力を有する者であるということ、こういうことを人的要件として考えております。具体的には、そういう能力のある人といたしまして、小売り場合におきましては、酒類業を経営している人につきましては三年、従業員につきましては五年、他の食品業を経営している人が五年以上の人、それから酒類業の団体役員をしたような人、それから酒類業界のことに精通している人、こういう人々でございます。
第二の要件は、一般的な条件といたしまして、年間の販売基準数量、これが一定の水準を越えることを一つの要件といたしております。これは地域によって違うわけでありまして、東京都内でありますとか、人口三十万以上の大きい都市におきましては、年間の販売見込み数が三十六キロ以上、それから地域によって違うわけでありますが、いなかのほうの地域になりますと、これが六キロリットル以上、こういう基準販売数量を考えております。
次に、資本といたしましては、大都市におきましては百五十万以上の資本がある人、また地方におきましては三十万以上の資本がある人、また当座の資産といたしまして、都会地におきましては百十万、それから地域によりまして違っておりますが、地方のほうにおきましては二十万。
それから距離区分といたしまして、大きい都市の地域におきましては百メートル、しかし地方の地域におきましては二百メートル。
また世帯数でございますが、これは大きい都市におきましては三百世帯、地方の地域におきましては百世帯、そういうのを基準にいたしております。
それから第三の点が酒類需給上の要件でございまして、全酒類の小売りにおきましては、世帯数がある一定の基準以上に達しておるか、あるいは今度新しくその人を免許いたしましても、その人の取り扱うであろうと思われる数量が、先ほど申しました小売りの場合も基準数量以上である、どちらかに該当しているような場合、それを需給調整上の要件としているわけでありまして、こういった基準によりまして具体的に事案を審査いたしまして、免許するかどうかをきめておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/135
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136・只松祐治
○只松委員 そういたしますと、おおよその基準であろうかと思いますが、そういう要件がほぼ整えば許可をする、こういうことになると思うのですが、しかし実際上はそういう要件だけではなくて、むしろこういう要件以上に地元の酒の小売り組合とか、あるいはそういう団体、そういうものの機構と申しますか、こういうものが非常に強いように聞いておりますが、そういうことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/136
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137・松本茂
○松本説明員 税務署のほうに免許を受けたいという申請が出てまいりますと、税務署におきましてこういった基準に合致しておるかどうか審査いたします。同時に、その地域の小売り組合に諮問いたしまして御意見を聞くことにいたしております。そうしてその御意見を参考にして可否を決するということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/137
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138・只松祐治
○只松委員 たばこの場合はほとんど専売という関係もありますが、専売局の基準に合致すれば許可をする、こういうことからほとんど小売り店や何か発言は弱いわけです。ただ酒の場合はそうではなくて、税務署だけではなくて、小売り店業者間の意見が強い。いまも申し上げたように、参考程度にお聞きする、こういうことでないように聞いておりますが、あくまでもやはり参考程度ですか、それともそうではなくて、やはり実際上は既存の業者の意向というものを非常に強く反映するのであります。というのはこれは当然に既存の業者は一軒でも競争相手が少ないほうがいいわけですから、したがって小売り業者の発言を非常に重く見る。既存の業者の発言を非常に重く見る。こういうことになればなかなか酒の小売り店の新設は容易でない、こういうことになる。事実そのとおりなんですが、いまお聞きしました範囲内では、主として税務署の基準なり、あるいは判断が主であって、小売り店の場合は非常に少ない、こういうふうに御答弁ですが、これはあとで長官でもお見えになればまた聞いてもいいですが、半分くらい税金である。たばこのように専売ではございませんけれども、こういう観点から言って、相当酒税の問題と矛盾してくるようにも思うのですが、あくまでもいまお答えのとおりで、小売り店のほうは参考意見にとどまっているか、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/138
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139・松本茂
○松本説明員 私どものほうではそういうふうに免許基準を考えまして取り扱いをいたしておりますのは、一方では消費者の利便を考えまして、申請がありましてこういう条件に合致しておれば免許していくという考え方が一つの理由でございます。しかし同時に、酒類業界の判定という点も、酒類の酒税の保全上非常に重要な一つの条件でございますので、先ほど申しましたように、申請を受理いたしまして検討してまいります過程において小売り組合に諮問いたしまして、その意見を聞いてきめておる、こういうわけでございます。せっかく諮問いたしますわけでございますから、小売り組合から出された御意見は尊重する意図を持っておることはこれはもうもちろんでございます。しかし他方消費者の利便という点を同時に考えなくてはなりませんので、小売り組合からの御返事が賛成しかねるという場合でも許可している場合もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/139
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140・只松祐治
○只松委員 きわめて抽象的な答弁ですが、お尋ねしていることが抽象的ですからそういうことにならざるを得ないとも思うのですが、いまのことばじりをとらえるわけではないのですけれども、せっかく聞いているんだから尊重いたします、しかし消費者の利便を考えてそれを尊重しない場合もあります、こう言っておりますが、実際上は小売り業者の意見を重要視しているというのが実態だと思うのです。たとえば私の埼玉県の県南地帯のように非常に人口が急増をしております。けさの新聞にも三百戸新設の何とか団地というのが新聞広告に出ておりましたが、二百戸、三百戸と業者がほかほかっと建てて一いまたとえば三百戸という都会の基準、こういうものがすぐ満たされるような状態で人口がふえていくわけなんですよ。ところが三百戸どころか五百戸も千戸もふえてくる。しかし酒の許可を願い出ても、またこのようにぴちっと——特に経験については小僧をしたり何したりということはいまなくなってきていますから、こういうようにすべての要件を満たしている人は少ない。何らか多少要件の足らないことを含みながら申請や何かするわけなんですが、なかなかできない。私がいま申しますように非常に社会増の激しい地帯には当然にこれは許可されなければならない。これは私この前たばこの売店の許可のときも専売局の人にお尋ねしたわけなんですが、非常に不便を来たしておる。たとえば団地の中の、酒もたばこもほとんど同じでごいざますが、草加の団地のような七千戸もある団地。七千戸というのは幾ら四階でも膨大な地域ですね。そこのところに、たばこほどは日常買いにいく不便は酒にはありませんけれども、それでも容易ではない。まして朝霞だとかこういうどんどん人口の急増しているところはほとんど許可はしてませんね。昔ながらのままなんですね。どうしてもやはりこういうところには、いわゆる酒税を増大させるという面から毛、あるいはたばこのように専売ではございませんけれども、それだけきびしい許可基準がとにかくあるわけなんですから、事実上専売と小売り店という面をとらえてまいりますと、ほとんど専売のたばこと同じである。こういう状態が出てきておるわけです。そうしてくると当然に住民の利便——たばこのようにひんぱんには買いにいきませんけれども、ものが重いですから近くにほしいという要望が非常に強いわけなんですよ。ところが相当遠くまで買いにいかないとなかなか酒が手に入らない。こういうことが現状なわけなんです。酒類は順次自由化されるということを聞いておりますし、おそらく傾向としてはそういうことになっていくと思いますが、そういう一般的な酒の自由化の傾向と合わせて、それから特に埼玉とか千葉とか神奈川とかいう東京近郊の人口の状態が急変動しているところには、それはそれなりの対応というものをしていくのが行政のあり方だと思うのですが、そういうふうにお考えになれませんか。もしなるとするならば具体的にそういう手を打つべきだと思いますが、そういう手をどういうふうに打っていくか、ひとつお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/140
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141・松本茂
○松本説明員 近年酒類の販売量も次第に増加してまいっております。また世帯数もふえてきております。そういう一般的な事情も含めて、いま只松委員から御指摘ございましたように新しい団地等ができますと非常に新しい生活様式も生まれてきておるわけでございます。そういった事情もございますので、昭和三十八年の二月にこういう全酒類の小売り免許の基準につきまして一部改正いたしまして、その際は経済事情の変化に伴いまして資本の点とかそういった点は若干増加する等いたしまして、他面需給上の要件を緩和いたしまして、免許基準を総体として見ますとゆるやかにしてまいりました。
なお、今後のやり方といたしましてはいろいろ考えていかなくてはならぬ問題がある、こういうふうに考えまして、いろいろその免許の合理化という点を検討してまいったわけでございます。臨時行政調査会におきましてもこの問題が取り上げられまして、いろいろ検討されたわけでございますが、昨年の九年答申がなされまして、その中で「現行の免許制度は、ややもすれば既存業者の保護に傾き、企業努力を怠らしめる傾向がみられる。これらの事情の下では、酒類販売業については、酒税の確保に最少限必要な規制のほかはなるべくこれを自由化する方向で、免許制度を根本的に再検討すべきである。」そういう答申も出ております。そういう事情でございますので、鋭意いまこの免許基準の合理化という点について検討をいたしておるところでございますが、確かに御指摘のように団地等ができましたような場合には、この距離基準等につきましてはよく考えてみなければならない、こういうふうに思っております。現在におきましては、先ほどメートル数でその基準を申しましたが、二〇%程度のことにつきましては取り扱いをゆるやかにする弾力的な考えで事柄に対処いたしております。しかしそれだけではまだ不十分な点もあろうかと思いますので、著しく急激に世帯がふえるというような場合については、今後十分検討して早く成案を得たい、こういうふうに思っております。なお郊外等におきまして新開地ができてきておりますが、こういった点につきましては先ほど申しました基準よりはやや要件をゆるくいたしまして、消費者の利便をはかりまして事柄を処理していく方針でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/141
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142・只松祐治
○只松委員 長官がお見えになりましたので、これでこの問題の質問を終わりますが、たとえばAというところがいままで農村地帯で百五十戸しかなかった。いまは何とその周辺に千七百戸できておる。それでも依然としてそのときの売店が一軒しか許可してない。幾ら言っても税務署は許可しない。こういうことが具体的にあるわけなんですが、その周辺は間もなく二千戸になろうとしている、二、三年先には何千戸になっていく。これはもうどんどん家が建っていることはわかっているわけなんですし、いまでも千七百戸もあれば当然二、三軒は開かしていい。まして数年先を展望すれば、これはもう四軒、五軒開かしていいわけなんですが、しかし税務署に書類をもらいにいっても、どうせ許可しないのだからと言って渡さない。こういうことで、実際上行った場合に書類を出さないのですよ。税務署には書類を拒否する権限というのはおそらくない。どうせお書きになったってこれはもう許可しないのですからということで−専売局の場合は一応受け付けだけは何回でも受け付けますよ。ただし税務署の場合は何回行ったって書類をくれないんですよ。それで、ある一軒なんか私が参りまして書類だけやっともらったということで、あまりそういうことまで私らが口を出すということはしたくないのだけれども、税務署だから書類くらいはくれるだろう、こういうことで書類は私が行ってもらった、こういう事例がございますけれども、私は業者の立場だけではなくて、小売りを新しく開きたいという立場ではなくて、住民から非常に方々でそういう要望を聞くわけです。そういう点は、そういう近代社会構造の、これは東京周辺だけでなくて、大阪やら、こういういわゆる旧市内の人々が市外地に移動していく。この場合の十分なる国民の利便というものを考えられて、私はあとで質問しますように、ひとつ小売りのほうも、特に自由化という要望に沿ったそういう体制をぜひとっていただきたい、こういうことをお願いいたしたいと思います。
それから長官お見えになりましたから、実はこの前から酒やビールの税金についての徴税についてお尋ねをしておったわけでございます。その後国税庁当局のほうから、製造の数量とか、あるいは過程における検査その他非常に具体的な資料をいただきました。しかしこれによっても、私がこれを一〇〇%認めたとしても、酒やビールの徴税方法というものはなかなか納得がいかない。それからこの内容そのものにもいろいろ問題点がございます。私は、時間がもうすでにございませんので、問題点だけを尋ねてまいりますが、前会から私が言っておることは、ビールは五二%が税金なんです。ビール会社は極端にいえば、半分税務署だ、こう言っていいと思うのです。酒でも、一級酒は四〇%ですか、税金なんです。これも酒倉は半分税金だ、こう思っていいと思うのです。このくらいいわゆる税金というものとアルコール関係は非常に密接な関係がある。これをたばこの場合で考えると、たばこは専売ということでありますが、税率は六一%で、ビールの場合と比較すると、九%くらいしか違いがない。ところがたばこの場合は非常にシビアーにいろんな点が検査をされておるし、昔はたばこの葉一枚検査されておったということは御存じだと思いますが、徴税が行なわれておる。ところが実際上酒やビールの工場に行ってごらんになりますとわかるように、いろいろこうやって検査をされておりますけれども、必ずしも私はたばこや何かに比して、一〇〇%であるとは思わないのです。特に工場の近代化、機械化ということに伴って、いろんな製造工程の複雑さやスピード化というものが出てきておりますから、一ぺん私は大蔵委員会でも見学に行ったらいいだろう、こういうふうに思っております。
それで、国税庁のほうから出たこの資料を見ましても、東京国税局のA工場では四十二同行っております。これは九日に一ぺんです。B工場では九十六回、大体四日に一ぺん、C工場では三十三回で十口に一ぺん。平均して一週間に一ぺんくらい、こういうことでございます。そのほかに、要請されて行った日にちも多少はございますが、要請というのは税金を多く取ってくれといって要請する人はいないわけでございますから、まあ腐ったからとか何とか、いろんなことで、少しでも税金をまけてくれ、こういうことのために要請をしておるわけでございますから、これはこの検査のうちには私は入らないと思うのです。こういうふうに非常に膨大な、ビールというものは行ってごらんになるとわかりますが、ものが製造をされております。この製造されておるのを、こういうわずかな日数、しかもわずかな人員というもので、先ほどからいいます半分も税金がかかっている税務署であるといっていいものが、完全に調査されているとは私は思わない。皆さん方もおそらくお思いにならないだろう。お思いになるならば、行ってみればよくわかります。もっとこの面についてきびしい調査というものをしなければならない。その前にきびしく取り立てると同時に、私が言ったのは、単にきびしいだけではなくて、税率そのものが非常に世界的に見て高いわけでありますから、税率の問題も私は言ったわけであります。きょうは税率の問題はもう言いませんが、言えば、こういう逆進性の強いものはぜひ避けていただきたいということを要望だけしておきます。この酒、ビールの徴税については、もっとシビアーにすべきである、こういうふうに思っております。この具体的な数字にも私は必ずしも納得しませんが、長官のほうでそういう点についてお考えがありましたら伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/142
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143・吉岡英一
○吉岡政府委員 お答えを申し上げます。お話のように、酒、ビールの税金は非常に税率の高い税金を取るわけであります。したがって、酒税の保全のために厳重な監督、検査をしなければならないことは御説のとおりでございます。私もまだ実情をよく承知しない点がございますが、御説のような趣旨で今後も厳重な監督をするようにいたしたいと存じます。ただ租税行政全体から考えますと、先生御承知のように、非常に事務量がふえております。したがって、直税、間税並べてみますと、どうも直税のほうの事務量の増加が多いために、いろいろ人員の配置等も間税のほうはどうもなかなかふやしにくいような実情もあります。したがって、許します人員の範囲内で、できるだけ効率的に御趣旨のような線に沿って厳重な監督をいたすように努力したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/143
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144・只松祐治
○只松委員 皆さん方からお出しになっておるこれを見ましても、間接税の特色は、税金を納める人と税金を負担する人とが違っておることが特色です、こうなっているのですね。これはもうそのとおりであって、ビールを買えば五二%すでに税金を納めておるわけであります。直接税のように、いまから申告して、それを税務署と折衝して納める税金と違うわけなんですね。特に繰り返し言うように、五二%という半分のやつが、国民が税金としてすでに代金の中に納めておる。それを取るか取らないか、それが申告になっておるわけなんですから、いわゆる直接税の事業税や何かのように、税務署といろいろ折衝して高いとか安いとか言ってやる税金とは全然性質が違うのですね。それで料金の中にすでに取られているやつを課税してないわけなんですから、いわばもし課税してない、と私はこの場では断言しませんが、課税してないと仮定して断言するならば、ビール会社なり酒会社というものは税金を横領したということになるわけです。しかし実際上おいでになればわかりますように、そんなにあなたが言うように、一週間に一ぺんや十日に一ぺんくらい行って、あれだけ膨大なものを完全に把握されようとは常識的にいって思われないのです。全国でもビール会社の工場が二十五工場ぐらいと聞いているのです。一人ずつ行っても二十五人ふやせばいいのです。二人常駐させても五十人ふやせばこのビールの税金はもっと完全に捕捉できるのです。酒造会社まで全部駐在させるということは、これはいなかの酒倉から何から非常に膨大になります。しかしビール会社は限られた数なんです。ほかの中小企業なり、勤労所得税なりを取り上げる、こういうエネルギーなり努力、こういうことを皆さんが想定されるならば、ビール会社にもうちょっと努力されれば、もっと確実な国民の納めた税金というものがそこで把握できるはずだ。こういうことを怠っておるということは、一方勤労所得税に一〇〇%の課税をし、中小企業者にも非常にきびしい徴税方法を実施しながら、ビール会社のような、こういうすでに国民が納めておる税金さえも完全に把握され得ない。それは理由としてはいまおっしゃいましたように、国税庁の機構なり人員なり何なり、そういう点であるという言いわけはあります。しかし国民が一ぺん払っておるわけなんですからね。その税金を完全に徴収できないとするならば、これは単に国税庁当局だけではなくて、大蔵省としても行政の怠慢のそしりを免れないと思う。そういう点において、ひとつ駐在官制度その他もっと具体的にこの酒税、特にビールの場合は取りいいと思いますから、手段をお考えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/144
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145・吉岡英一
○吉岡政府委員 先生御指摘のとおりに、酒税の保全については厳重な監督をしなければならないと思いますが、やはり限られた人員の中で効率的に仕事をしなければならないわけであります。したがって長い間の経験と申しますか伝統と申しますかに従ってやっておるわけでありますが、大きな組織なり経理機構なりいろいろなものがはっきりと確立しておりまして、しかも長い経験を持っており、従来大体うまくいっておるというようなところからはなるべく手を抜いて、捕捉しにくいと申しますか、手の及ばないところに人を使うというような、全体を通じて合理的な仕事の配分を考えておるわけであります。ただ御指摘のように、そういうことはないと思いますが、大きなビール会社等においてそういう脱税があったり何かすることはたいへんなことでありますから、私どもとしてはなお厳重に監督いたしますのにどういう方法が最も合理的であるかを検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/145
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146・只松祐治
○只松委員 そこで私は最後に要望としてお願いしておきますが、この酒税、特にビールのように製造工場が少なくて非常に捕捉しやすい、把握しやすいものについて、ひとつ一そう厳正な調査をしていただきたい。
次に、いままでの調査制度——慣行でというようなことをおっしゃいましたけれども、私が調べた範囲内ではきわめて不十分なものである。きょう時間がございませんし、この前と多少重複しますから私は言わないわけでございますけれども、もし何だったらきょう法案が通りましても、またその次にビールの税金の問題を私はやってよろしゅうございますが、たとえば駐在員を置くとか、これは一例でございますけれども、ひとつ調査制度を改善して、少なくとも国民の納めた税金は国税庁に納めさせるという制度を確立していただきたいということを要望しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/146
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147・吉田重延
○吉田委員長 ただいま議題となっております各案中、国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び酒税の保全及び酒業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の両案に対する質疑はこれにて終了いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/147
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148・吉田重延
○吉田委員長 これより順次討論採決に入ります。
まず国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について討論に入ります。
通告がありますのでこれを許します。武藤山治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/148
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149・武藤山治
○武藤委員 国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置法の一部改正案に対し、日本社会党を代表して反対の意見を表明したいと存じます。
改正法案の趣旨は、世銀等からの外貨資金の借り入れ及び外貨債発行の円滑化に資するためとの理由で、各機関別に特定されてしかるべき政府保証の限度額を、予算に定めて一括計上することの許諾を国会に要求したものであります。不特定外資の財政への導入は、一歩誤れば財政法律主義を避けて、財政行政主義の広大な王国をつくる着手と見られること、私たちは国会の審議権が縮小されるような本案の改正には断じて賛成することができないのであります。私たちは今後政府が外債発行にあたっても、十分国会の審議権を尊重するように強く要求をして、本案に反対の意思を表明するものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/149
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150・吉田重延
○吉田委員長 これにて討論は終局いたしました。
続いて採決に入ります。
採決いたします。本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/150
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151・吉田重延
○吉田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
次に酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。
おはかりいたします。
本案を原案のとおり可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/151
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152・吉田重延
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/152
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153・吉田重延
○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/153
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154・吉田重延
○吉田委員長 次回は、来たる二十三日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X02219650319/154
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