1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月十三日(火曜日)
午前十時四十六分開議
出席委員
委員長 吉田 重延君
理事 金子 一平君 理事 原田 憲君
理事 藤井 勝志君 理事 坊 秀男君
理事 山中 貞則君 理事 有馬 輝武君
理事 堀 昌雄君 理事 武藤 山治君
天野 公義君 岩動 道行君
奥野 誠亮君 鴨田 宗一君
木村 剛輔君 木村武千代君
小山 省二君 齋藤 邦吉君
砂田 重民君 田澤 吉郎君
地崎宇三郎君 西岡 武夫君
濱田 幸雄君 渡辺 栄一君
渡辺美智雄君 佐藤觀次郎君
只松 祐治君 野口 忠夫君
平岡忠次郎君 横山 利秋君
春日 一幸君 竹本 孫一君
出席政府委員
大蔵政務次官 鍛冶 良作君
大蔵事務官
(日本専売公社
監理官) 半田 剛君
大蔵事務官
(主税局長) 泉 美之松君
通商産業事務官
(鉱山局長) 大慈彌嘉久君
運輸事務官
(自動車局長) 坪井 為次君
委員外の出席者
日本専売公社総
裁 阪田 泰二君
専 門 員 抜井 光三君
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四月九日
製造たばこ定価法案(内閣提出第一二六号)(参
議院送付)
は本委員会に付託された。
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四月十二日
バナナの輸入関税引き下げに関する陳情書外一
件
(第二二
号)
中小企業者に対する所得税の基礎控除引き上げ
等に関する陳情書
(第一一四号)
バナナの関税据え置きに関する陳情書
(第一一五号)
プロパンガス課税反対に関する陳情書
(第一七三号)
賞与引当金及び負債利子控除等に関する陳情書
(第二三〇号)
輸出保険の担保範囲拡大等に関する陳情書
(第二三一号)
積雪寒冷地帯に対する所得税の特別控除等に関
する陳情書
(第二三三号)
国の会計年度を暦年度に改正に関する陳情書
(第二三四号)
揮発油消費税等の市町村への還付に関する陳情
書
(第二三五号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
製造たばこ定価法案(内閣提出第一二六号)(参
議院送付)
石油ガス税法案(内閣提出第五七号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/0
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001・吉田重延
○吉田委員長 これより会議を開きます。
製造たばこ定価法案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/1
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002・吉田重延
○吉田委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。鍛冶大蔵政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/2
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003・鍛冶良作
○鍛冶政府委員 ただいま議題となりました製造たばこ定価法案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
現行の製造たばこの定価の決定または改定に関する法律は、日本専売公社の製造する製造たばこの品目ごとの最高価格を定めておりますが、その際、あわせてその種類、名称、型式及び品質を規定しているため、これらの事項の軽微な変更についてまで、そのつど法律を改正して国会の御審議を受けることとなっております。
しかるに、最近、消費生活の水準の向上に伴って製造たばこの銘柄を多様化することを要望する声が強くなっており、この国民各階層の消費の動向に即応するためには、日本専売公社の製造する製造たばこの定価の決定に関する手続を簡素化することといたし、日本専売公社の企業性を尊重しつつ、その事業の適切かつ弾力的な運営をはかることができるようにいたす必要があります。
これがこの法律の提案の理由でございます。
次にその概要を申し上げます。まず、日本専売公社の製造する製造たばこについて、その種類ごとに、その品質に応じた等級区分を規定し、その等級ごとに、現に販売されている製造たばこの品目ごとの小売り定価を勘案して、最高価格を定めることといたしております。なお、日本専売公社の技術開発に資するため、また輸入外国製造たばこに匹敵する高級品に対する需要に応ずるため、紙巻きたばこについて、特に品質のすぐれた高級品に限り、輸入外国製造たばこの小売り定価に準じて、最高価格の特例規定を設けることといたしております。
次に、製造たばこの品目ごとの定価を定める場合において、その属する品質区分の最高価格の範囲内において、妥当な価格を決定するための基準を掲げることといたしております。
最後に、製造たばこの品目ごとの規格、型式等につきましては、今後新たに製造する製造たばこを販売する場合において、これらの事項を、たばこ専売法第三十四条第一項の規定による小売り定価の公告の際、あわせて公告することといたしております。
なお、現に販売している製造たばこにつきましては、この法律施行の際、あらためて現行の小売り定価を公告するとともに、その等級及び規格等をあわせて公告することといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/3
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004・吉田重延
○吉田委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
本案に対する質疑は次会に譲ります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/4
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005・吉田重延
○吉田委員長 石油ガス税法案を議題といたします。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。只松祐治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/5
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006・只松祐治
○只松委員 液化石油ガス、すなわちLPガスその他の問題について、質疑を行なっていきたいと思います。
このLPガスが今日こうやって非常に多岐な面にわたって活用されるようになったわけでございますが、まず、現在まで通産省のほうで、いかなる開発と申しますか、助成措置その他研究措置をおとりになりましたかどうか、ひとつ経過の概要をお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/6
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007・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 お答えいたします。
LPGの需用でございますが、御指摘になりましたように、最近飛躍的な増加を示しております。三十七年にはLPGの需用はちょうど百万トン程度でございましたが、三十九年度には二百万トンをオーバーしまして二百十八万トン、それから四十年度には二百七十二万トン、こういうふうな大きな数字が見込まれるような状況になったわけでございます。
需用の内訳でございますが、二百七十二万トンのうち約六五%は家庭用、業務用でございまして、俗にプロパンガスということで家庭に配給といいますか、販売をされております。それから自動車用が約二〇%程度でございまして、そういうことで家庭用、業務用というのが最大の用途で、次は自動車用ということになっております。用途の開発といいますか、現在までこういう形で行なわれております。
供給のほうは、国内における生産、それから製品での輸入と両方で行なわれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/7
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008・只松祐治
○只松委員 あとの一五%はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/8
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009・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 残りは工業用、それから都市ガス——一部ピークのときに利用いたします都市ガス用でございますが、それから石油化学工業で使う、そういうものを全部ひっくるめましたものが残りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/9
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010・只松祐治
○只松委員 こういうふうに使われるようになったのに、通産省としてはどういう助成措置、その他いわゆる国としてどういう指導をなされましたか、こういうことを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/10
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011・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 適正な需用量を算定いたすことがまず第一に出てくるわけであります。これは石油業法に基づきまして、石油製品につきましては、五カ年間の供給計画というのをきめることになっております。ただいま申し上げました四十年度の数字も、さようの数字でございます。
適正な需用にマッチしただけの供給をどういうふうにして確保するかということが次に問題になるわけでございますが、国内における生産をどの程度するか、それの不足分を製品で輸入するということに相なるわけであります。輸入のほうは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/11
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012・只松祐治
○只松委員 いや、そういうことを聞いているのじゃなくて、新しい産業分野を開拓するには、大蔵省でそれぞれ金も出すし、それから通産省でもいろいろな行政指導を行なって、大蔵省の協力のもとに資金を出している、そういうことをするわけだ。今日このようにLPガスが使われるようになったのに、通産省は今日までどういう指導をやってきたか、どういう助成措置をやってきたか、こういうことを聞いているのだ。ないから、あなたはそういう抽象的な答弁をしておるのだ。だから、ないならない、たいしたことをしませんでしたということをはっきり言えばいいのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/12
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013・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 どうも御質問の趣旨を少し取り違えたようで、恐縮でございますが、適正な供給を確保するように、専用のタンカーをつくるということの助成が一番大きなことでございます。それからあと、LPGを特別につくるアイソマックス等の設備がございますが、そういう設備をつくることを認めるとか、それから輸入業者、販売業者等団体がございまして、そういう中小企業団体等を中心としましていろいろ指導する、大体そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/13
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014・只松祐治
○只松委員 あとで聞きますが、タンカーを一隻つくるかつくらないかということもまだでき上がってない。そんなでたらめを言いなさんな。要するに、いままで通産省は、今日こうやって問題になるように税金をとり、一つ大きな国の財源になろうとしておる、こういうことに対して、ほとんど行政指導や何か行なっておらないということなんです。特にタクシーならタクシーが今日こうやって相当安全に使えるようになったというのは、タクシー業者なり関係者の自力開発によるものだ、こういうことが言えるわけなんです。したがって、通産省でそういうことをたいして指導をいたしておりませんならいたしておりません、おのずから民間の努力によって今日まできました、こういうことが明らかになればいいわけなんです。
そこで次にお伺いをいたしますが、それではこれは国内でどの程度生産されておるか、あるいは外国からどの程度輸入されておるか、こういう問題について、ひとつデータがありましたらお知らせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/14
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015・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 四十年度の計画によりますと、国内で二百十万トンの生産でございます。それから輸入が六十万トン程度でございまして、合計しまして二百七十万トン程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/15
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016・只松祐治
○只松委員 大体国内で七〇%以上、輸入が三〇%足らず、こういう状況になると思います。そして現在液化ガスが非常に不足しておる、こういう状況を招いておるわけですが、その国内の需用状況がどういうふうになっておるか、通産省で把握されておる状況をお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/16
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017・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 家庭用のほうと自動車用ガスでございますが、特に最近は自動車用について非常に足りないというお話をいろいろ伺っております。これは年の当初に計画されましたLP車への転換ということをはるかに上回った転換が行なわれたということが非常に大きな原因でございますが、家庭用についてもこの冬場は締まりぎみということで大体推移をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/17
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018・只松祐治
○只松委員 需給関係でどの程度不足しておる、こういうふうな大まかな数字も全然つかんでおいでになりませんか。政府としてはこういう問題についてはわれ関せず——これはただ単に自動車業界あるいは家庭用の一部的な燃料という限界を越えて、自動車業界でも非常に大きなウエートを占めた燃料ということになっております。家庭でも山村までも使っている。こういう国民生活と密着した問題になってきておる。それを通産省のほうでは成り行きにまかせる、こういう状態ですか。それとも明確にそういう数字をつかんで何らかの対策を立てておるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/18
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019・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 三十九年度の初めには家庭用は大体百三十五万トンぐらいでまかなえるのではないかという計画をしていたわけでありますが、その後、不足の状況が相当強いというふうに見まして、冬場にこれを改定しまして百四十二万トンというふうに上げたわけでございます。
それから自動車用につきましても、当初は二十八万トン程度あれば三十九年度はまかなえるのではないかというふうに見ておりましたが、その後、先ほど申し上げましたようにLP車への転換も非常に高いということで、三十八万トンまで需用見込みを上げまして、それに見合ったように生産量を引き上げる、あるいはスポットの単価を確保するというようなことで対処してきたわけでございますが、それでもなお自動車用については不足であるというふうなおしかりが種々きたのが今月に入っての状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/19
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020・只松祐治
○只松委員 たとえば自動車でいえば、一割とか、二割とか、三割とか、現状でどの程度不足しておると認識されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/20
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021・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 各元売り、これは生産業者と輸入業者でございますが、各系列によって相当違っておりまして、なかなか全体のパーセンテージで平均して何割少ないということはむずかしいと思いますけれども、東京都では相当不足しているということをいわれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/21
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022・只松祐治
○只松委員 さっきから聞いていると全く無責任な答弁ばかりなんだが、われわれしろうとが新聞で見ても、大体自動車が二割くらいガスが足りなくて休んでおる、こういうことが書かれております。二割という数字が的確かどうかは別として、そういう数字が出てきておる。業界の人に聞きますと、そういう数字はさらに的確に出てきております。あるいは地方に行く、そういたしますと、そういう二割、三割という的確なものはまだ出てきておらないけれども、たとえば自動車で給油に行くとき、二時間も三時間も待っておらなければなかなか入れることができない。こういう状態が明らかになってきておるわけなんです。したがってそこまで逼迫の度がきておれば、大体需要に対して何割ぐらい不足してきているだろうかというくらいは通産省としても把握され、あるいは指導されていいと思うのです。一方石油の問題については、ガソリン等についてはとにかくいろいろ規制をされたり何したりして相当の数字をつかみ、そうして強い行政指導というものをやってきておられる。ところがこのLPガスの問題については、これだけ問題になってきて、今日ガソリンに対抗してLPガスも税金を取ろう、これは大蔵省並びに国税庁側がたいへんな意気込みなわけです。これは有力な税源になる。こういうものに対して、通産省側は何らの行政措置も講じておらないということはたいへんな国の行政におけるアンバランスがあるということがいまの答弁の中からも明らかに出てくるわけです。きょうはそういう問題が本質ではございません。これはあらためてわが党のほうでも商工委員会でやることになると思います。本日はその問題が主でございませんので、それ以上追及はいたしませんけれども、そういう問題についてももう少し的確な数字をつかみ、指導を行なっていく、こういうことを要望しておきたい。
次に、それでは国際的にLPガスはどういう需給関係にあるかという点をおわかりでしたらお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/22
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023・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 現在わが国が輸入しておりますのは中近東からでございますが、供給力のほうは心配はない状況にございます。問題はこれを運んでくる専用のタンカーでございますが、現在わが国には五隻専用のタンカーがございます。この五隻はフル稼働しておりますが、今後の需要見通しにあわせましてそういうタンカーをつくっていけば、世界的な供給力という点では心配はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/23
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024・只松祐治
○只松委員 供給のほうは心配がないということなら、いまおっしゃったように主として輸送関係ということに問題点がなってくると思いますが、昨年度あるいは一昨年あたりから十二、三社からタンカーの建造の申請があったと思うのです。その中で、私たちが聞いているのは、許可になったのはやっと一隻だというふうに聞いております。さっき主としてLPガスの問題について、通産省が行政指導や援助措置を行なったものの中心はタンカーである、こういうお話がありましたけれども、たくさん申請した中で、こういう急速な発展というものが一応予想されながら、たった一隻しかタンカーの許可をしなかったというようなことは、たいへんな不手ぎわだと思うのです。何社くらいタンカーの申請があったか。何隻許可をしたか。また今後そのタンカーの許可は、いまおっしゃったように輸送というものが一番ネックである、こういうふうにお考えであるならば、どういう形でタンカーの建造を行なっていくか、そういう方針についてひとつお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/24
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025・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 タンカーは現在五隻運航しております。御指摘いただきましたように申請は多かったわけでございますが、当時の需給見通しにあわせまして今年の秋に一隻就航、それから来年の秋に二隻就航するということで、現在のところは三隻許可済みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/25
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026・只松祐治
○只松委員 今後どういう予定か、見通しかということまで聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/26
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027・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 来年までは現在の二隻許可済みのもので需給計画は合うというふうに考えております。したがいまして、それ以外については、いまのところは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/27
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028・只松祐治
○只松委員 先ほどからお答えを聞いておりますと、大体需給関係は何とかなる予定だった、自動車用で九万トンですか、家庭用で七万トンぐらいふやせばまあ何とかなる予定だった、こういう答弁をされております。ところが、さっき一、二例申しましたように、非常に急速にこの需用が伸びて足りなくなってきておるということは、もう一つの社会問題化してきておることを見ても明らかなことなんです。いまおっしゃったように、わずか一隻や二隻のタンカーをつくったからといってとても間に合うものではない。これもまた国内の石油生産の状況、それから出てくる廃液でございますから、この方面の規制というような問題を見ましても、急速な増産というものはなかなか見通しがないということになりますと、タンカーの建造ということが一番大きな問題になる。それも特別その措置を講じようとは思っておらない、こういう答弁ですが、それじゃ、さっきから申しますように、商工委員会でないので、ここであなたをそこまで突き詰めようとは思わないけれども、一言だけ聞いておきます。私たちは、非常に足りなくなってくる、こういう見通しに立っておるわけです。あなたのいまの答弁からするならば、間に合う、こういうことです。その場合に、ほんとうに足りなくなってきた場合には、通産省としてはいまのことばに責任を持って、責任をとりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/28
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029・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 先ほどの答弁を言い直させていただきますが、四十年度は、先ほど申し上げましたように、二百七十二万トンの需用、こういう見込みでおります。それから四十一年度でございますが、石油審議会で審議をいたしました数字によりますと、三百二十二万トンの需用というふうに見込んでございます。それに合わせまして、先ほど申し上げましたように船を二隻と、それから国内でLPGをとる施設、アイソマックスといっておりますが、それがことしの冬に一社、それから来年の春に一社稼働を始めます。そういうことでこの需給の数字というのには見合っておるわけでございますが、この四十年度が二百七十二万トンということでカバーできるかどうかということになると思いますが、現在のところはこの数字でやっていけるのではあるまいか、これは家庭用については、LPGを使う世帯数はどれくらいになるかとか、あるいはLPG車がどれくらいであろうか、そういう積算の上に成り立っているわけであります。したがいまして、この数字ではとてもまかなえないというようなことになりますと、この計画も改定が必要になりますし、それ相当の措置もまた必要になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/29
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030・只松祐治
○只松委員 家庭で主として使っているのはプロパンですね。しかし、自動車で主として使っているのはブタン、こういうことになるわけです。まあ、さっきから言うように、きょうは商工委員会ではございませんので、それをおのおの分けて、使用状況や、輸入状況ということまで申し上げようとは思っておりませんけれども、家庭で使うものと自動車で使うものとはおのずから違ってきているわけです。さっきからただLPGという形で私は論議を進めてきておりますけれども、もちろん、国内製造あるいは輸入という問題について、プロパン、ブタンというものはおのずから違ってきているわけです。ですから、ただ単にあなたからいま一括して何万トンというようなお答えがありましたけれども、ほんとうはプロパン、ブタンに分けて幾ら幾ら製造があり、また輸入する見通しでこういう需給関係になる、こういう形にならないと、いま社会問題化してきているLPガスの問題の指導なり、私がお尋ねしていることへのほんとうの答弁にはならないわけです。そういう問題についてもさらに一そうの検討をぜひしていただきたい。
最後に、いま多少お答えがありましたけれども、当面するこういうプロパン、ブタンのいわゆるLPガスの逼迫した状況をどうするつもりか。何か具体策がありましたらひとつお答えをしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/30
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031・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 御承知のとおり、LPGは夏場と冬場で非常に需用に開きがあるわけでございますが、そういう意味で、冬場が一番つらいというのが普通の状態でございます。何とかこの場を切り抜けるためにということで、現在業界と緊急安定対策委員会という会を設けまして、当面の問題をいろいろ議論をしております。その中身は、各系列によりまして——これは元売りの系列でございますが、わりあいゆとりのある系列と非常に困っている系列とあるわけでございますが、その間のジョイントといいますか、緊急にものを回すということをいたしまして当面を切り抜ける。これは計画し得たということが言えるかと思いますが、そういうことに努力をしております。また、価格の点につきましても、この協議会には販売の団体も入っておりまして、できるだけこの際自粛するようにということをたびたび呼びかける、こういうことをやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/31
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032・只松祐治
○只松委員 次に、LPガスの価格についてひとつお尋ねをいたしたいと思います。
最後に、と申し上げましたが、引き続いて通産省のほうにお尋ねいたしたいと思います。プロパン、ブタンの国内生産と輸入の双方の卸売り価格、あるいはその前に、輸入原価、卸売り、小売りそれぞれの値段についてお教えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/32
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033・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 輸入は、キログラム当たり十三円程度だということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/33
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034・只松祐治
○只松委員 お聞きのように、答弁にはなっていませんよ。また委員会を暫時休憩して調べますか。私が聞いたのは輸入価格、国内生産価格、生産原価、卸売り、小売りの値段をお教えいただきたいというのです。速記録を見てください、そう言っているのですから。でたらめを言っているではないですか。こんなことでは委員会の審議を進行できませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/34
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035・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 輸入では先ほど申し上げました十三円でございます。それから国内の生産のほうは、LPGだけの原価というのは出てこないわけでございます。付属の生産という感じで、全体のうち占める、原油から出る得率といいますか、生産量は非常に少のうございまして、大体輸入にスライドさせるという見方でよろしいかと思います。それから副生品としていまのところは出てくる感じで、若い産業ということでございますが、しかし現在はLPGの生産を非常に上げるような措置をやっております。それから、ことしの冬からは、LPGだけの設備もできるわけでございますから、そうすると、新しい計算ができるかと思います。それから元売りでございますが、元売りについては、キログラムで二十五円ぐらいだというふうに聞いております。それから小売りのほうですが、家庭用のプロパンといいますのは、七、八十円だとかあるいは九十円だとか、いろいろあるようでございます。自動車はリットルで十七、八円、それから最近は二十二円ぐらいというふうな話も聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/35
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036・只松祐治
○只松委員 いまの答弁はまことにお粗末きわまりないです。輸入原価は大体九円前後です。十三円で入れているのは、どこの会社ですか。私が調査した範囲内では、九円前後です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/36
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037・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 各社入りますところの加重平均で、十三円ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/37
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038・只松祐治
○只松委員 通産省の調べはどういう調べか存じませんが、私が大かたの関係者から聞いたのは、九円前後というのが輸入原価です。ついでに教えておきますが、自動車の場合は、スタンド売りが大体キログラム二十五円、消費者で三十一円前後しておるというのが現状です。
さっきからお聞きしておりますように、本年度は、あとでお聞きします税の財源としてもまだ少ないのですが、この法律が通るということになると、来年からは相当大きな財源になる。この財源になるもとのガスの輸入状況も的確にわからない。国内生産状況もわからない。さっきおっしゃいましたけれども、廃液には違いないけれども、少なくとも生産原価がわからなければならぬ。卸売りに回すときのいわゆる値段というのは、おのずから出てきているわけです。ただでくれるものは一つもありません。そういうものが的確に通産省でわからないで、どうして大蔵省あるいは国税庁で原価計算をして課税することができますか。このもとがわからないで、課税することはできないはずです。このコップが一個幾らするかわからないで、どうやって課税いたします。この審議にあたって、さっきから私が委員会ストップいたします、こういうことを言っておるのは、決して冗談ではないのです。そのもとがわからないで、的確なものがわからないで、生産状況も把握できないで、どうやって課税を行なっていきますか。これが一番あとで問題になるところで、そういう点を大蔵当局との間に論争をしようというふうに思っておったのですが、大蔵省の質問に入る前に、通産省のほうにおいて、せっかく通産省の鉱山局長という責任のある方がお見えになっておるのでありますから、暫時休憩してでも、なお的確にお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/38
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039・吉田重延
○吉田委員長 政府委員に申し上げますが、質問者の質問に対してできるだけ正確な御説明をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/39
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040・堀昌雄
○堀委員 関連。いまの質問を聞いておりますと、税金を取るということは、国民の側からするならば、非常に重大な問題なんです。その税金を取る土台になるもののいろいろな状態がこれほど不明確では、ちょっと審議を進行するわけには私はいかないと思うのです。しかし、あなた方のほうで、現状で正確な資料が出せるのか出せないのか。出せなければ、この法案は出し直してもらわないと困る。出せるのであれば、一体いつまでに出せるのか。きょうじゅうに出せるのか。出せるまでこの審議はストップしていただきたいと思います。
だから、通産省側で、少なくともいまの只松君の要求したそれらの資料について、責任の持てる正確な資料が出せるのか出せないのか。出せるとすれば、いつまでに出せるのか。それをちょっとお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/40
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041・泉美之松
○泉政府委員 ちょっと私から申し上げますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/41
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042・堀昌雄
○堀委員 通産省に聞いているので、あなたの答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/42
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043・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 輸入価格につきましては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/43
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044・堀昌雄
○堀委員 ちょっと待ってください。私はいま価格を聞いているのではない。いまこまかく価格の体系を聞き、原価を聞いてきたのでしょう。あなたのほうの答弁は、私が聞いておりましても、きわめてあいまいです。だから、われわれは、税を取る以上は、責任のある資料に基づいてやってもらわないと、問題は重大なんです。そこで、あなたのほうは税を取るという重大性に見合うだけの資料が提出できるのか。できるならできると答えてもらえばいいんです。いつまでにできるのかということをはっきりさせたいので、できなければ、その点についてはできるまで待つ以外にしかたがないのです。その点のめどを聞いているので、価格を聞いているのではない。いま要求のあった正確な資料を尋ねたわけです。その尋ねたものに対する正確な資料——九円くらいと言うが、加重平均だって、九円何十何銭と出なければ、計算の根拠にならない。そういうきちんとした資料が出せるのか出せないのか。出せるのなら、いつまでに出せるのか。その点を答えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/44
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045・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 至急につくって出します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/45
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046・堀昌雄
○堀委員 じゃ、至急にやって、いつまでにできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/46
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047・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 私のほうでつかんでおります資料は、先ほどちょっと申し上げましたように、輸入の価格は正確にすぐつかめてまいります。それから国内生産のほうでございますが、これは販売価格からあとは正確につかめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/47
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048・堀昌雄
○堀委員 そうすると、国内生産の場合に、さっきの発言を聞いておりますと、要するにコストがかかっていないのではないかと私は思うのです。原価計算をいまの石油精製でやる中で、ほかのものにはコストはみなあるはずです、会社がコストなしに仕事をしているはずがない。原価計算のコストを取ってきたら、要するにコスト外として出ておるというのならはっきり言ってこれはただです。ただのものに税金をかけるというのはこれはまた重大なことですから、その点で私は、国内生産の原価というものはただならただでよろしいし、金額としては企業別に原価計算のコストは出るはずです。原価計算もせずにいま石油精製をやっているはずはないから、だからこれは国内生産の原価そのものを出してもらわなければ困る。あなたの話では輸入が十三円だからその十三円で——それは価格にはなりません。価格がないのだからその点やはりコスト計算をしてもらった国内の生産原価、それからそれに対する流通のマージンがどういうかっこうになっておるかという形で出してもらわなければ、国内の生産原価の比重が高いのでしょう。さっきの話では七〇%国内生産で三〇%輸入だ、その七〇%の国内生産の価格が三〇%の輸入価格できまるなんて、そんなことはわれわれ納得できない。だから税金をかける以上は、それらを含めて、いま只松君が要求しました資料について、責任の持てる正確な資料が出せるめどは何月何日ですか。それをお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/48
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049・大慈彌嘉久
○大慈彌政府委員 国内生産分についての先ほどの答弁でございますが、穏当を欠いたところがあるかと思います。国内生産につきましてもコストがどうなるかというのを至急に取り調べまして、二日ほどいただきたいと思います。正確な資料を出します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/49
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050・堀昌雄
○堀委員 二日間かかるのなら、その資料が出てからこの石油ガスの審議に継続して入りたいと弔いますので、委員長、本日は石油ガスの質問についてはこれまでにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/50
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051・春日一幸
○春日委員 議事進行について。
私は只松君の質問と政府の答弁をよく謹聴しておりましたが、現実に経済政策を論ずるにあたりまして、あなたのほうに流通価格についての正確たる把握がない。そしてまた流通価格のオリジンでありますところの生産コストについても十分なる分析がない。こういうことでわれわれがこの重要なる法案を審議するといっても、これは審議する材料というものがないのだから審議のしようがないと思う。わけて私はここで重要な点を指摘したいと思うのでありますが、もし通産当局が答弁のごとく、国内産のLPGというものの原価という本のがただであるとするならば、その税金というものを負担する当事者というものは、これは消費税にすべきものであるのかあるいは物品税のごとく製造者当事者に課税すべきものであるのか、これも私は重大なる方向がここによって決定してくると思うんです。それは消費者の負担にすべきものであるのかあるいは物品税のごとく一これは形式的には消費者負担でありますけれども、そういうものを販売する販売者にそれを負担せしむべきであるのか。すなわち流通コストをそれによって高めることなくしてこういう税収をはかる道等もいろいろとそこから判断されてあらわれてくると思うのです。だからこれは重大な要素であると思う。したがって只松君が指摘された問題について、これは生産数量、それからまた実際の需要数量、それから輸入コスト、それから国内産の生産コスト、それがはたして把握できているかどうか、それから生産調整が何のためになされておるのであるか、こういう問題はやはり的確なる資料の上に立つのでなければ、われわれこれは質疑をしようと思ってもできないです。やったってそれは単なる音響を発しておるところの雑音のごときものである。よって、私は堀君からただいま御発議のございましたように、これは質問しようと思っても質問のしようがない。よって、本日は私ども民社党の責任において、これはやはり真理は両極端の中央にありということで、本法案の重要性をおもんみるならば、そういう的確なる資料をあまねく整備して、そうしてこの委員会に御提出相なった上に質問に入りたいと思いますので、本日はこれにて散会されたいという動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/51
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052・吉田重延
○吉田委員長 ただいまの春日委員の御発言はきわめて重大でございます。委員会の運営に関することでございますので、しばらく速記をとめまして、各党の理事の間でお話し合いをしたいと思います。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/52
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053・吉田重延
○吉田委員長 速記を始めて。
直ちに理事会を開いて各党の意見の調整をいたしますので、暫時休憩いたします。
午前十一時四十二分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804629X03019650413/53
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