1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月十八日(木曜日)
午前十時三十一分開議
出席委員
委員長 河本 敏夫君
理事 伊能繁次郎君 理事 佐々木義武君
理事 辻 寛一君 理事 永山 忠則君
理事 八田 貞義君 理事 田口 誠治君
理事 村山 喜一君 理事 山内 広君
井原 岸高君 大橋 武夫君
高瀬 傳君 塚田 徹君
綱島 正興君 湊 徹郎君
茜ケ久保重光君 稻村 隆一君
大出 俊君 中村 高一君
楢崎弥之助君 受田 新吉君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 神田 博君
国 務 大 臣 増原 恵吉君
出席政府委員
総理府総務長官 臼井 莊一君
総理府事務官
(北海道開発庁
総務監理官) 小熊 清君
委員外の出席者
北海道東北開発
公庫総裁 北島 武雄君
北海道東北開発
公庫理事 勝原 啓君
専 門 員 加藤 重喜君
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二月十七日
委員大平正芳君及び湊微郎君辞任につき、その
補欠として大橋武夫君及び福永健司君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員福永健司君辞任につき、その補欠として湊
徹郎君が議長の指名で委員に選任された。
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二月十七日
総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第八四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第七五号)
総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第八四号)
恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
六三号)
北海道開発法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九号)
行政機構並びにその運営に関する件
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/0
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001・河本敏夫
○河本委員長 これより会議を開きます。
厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。神田厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/1
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002・神田博
○神田国務大臣 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
改正の第一点は、木省内部部局の所堂事務の配分について、これを合理化しようとするものであります。
まず衛生検査技師に関する事務は、現在公衆衛生局の所掌事務となっておりますが、近年、医療における衛生検査業務の役割りが重要性を増し、衛生検査技師の大部分が医療機関に勤務している実情にかんがみ、衛生検査技師に関する試験その他の事務を、医務局において、医師、歯科医師その他の医療関係者に関する事務とあわせて一元的に行なうこととしたのであります。
次に、国民厚生運動に関する事務を公衆衛生局の所掌から国立公園局の所掌に移すこととしております。国民厚生運動は、国民の保健と休養を増進することを目的とするものであり、今後一そうその推進をはかるためには、現に自然景観地の利用の増進をはかること等の行政を行なっている国立公園局の所掌に移すことが適切であると考える次第であります。
また、現在十八歳未満の精神薄弱児対策については児童家庭局において、十八歳以上の精神薄弱者対策については社会局において所掌しておりますが、その対象の性格にかんがみ、児童から成人まで一貫してその福祉のための施策を講ずることが必要であると考えられますので、社会局の所掌している精神薄弱者対策を児童家庭局の所掌に移し、精神薄弱者対策をすべて児竜家庭局において一元的に取り扱うこととしております。
改正の第二点は、本省の付属機関として、伝染病予防調査会及び公再現議会を設けることであります。
伝染病予防調査会は、厚生大臣の諮問に応じて伝染病の予防に関する重要事項について調査審議することを目的とし、また、公害審議会は、厚生大臣の諮問に応じて環境衛生にかかわる公害及び生活環境に関する重要事項を調査審議することを目的とするものであり、いずれも、学識経験者等の意見を聞くことによって、行政運営の適正を期するためのものであります。
改正の第三点は、本省及び社会保険庁の定員を増員することであります。
以上が、この法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/2
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003・河本敏夫
○河本委員長 総理府設置法の一部を改正する法律案、恩給法等の一部を改正する法律案、両案を一括して議題とし、それぞれ趣旨の説明を聴取いたします。臼井総理府総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/3
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004・臼井莊一
○臼井政府委員 ただいま議題となりました総理府設置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び概要を御説明いたします。
第一は、家庭生活問題審議会の設置であります。最近における社会の著しい近代化に伴い、健全な社会生活を営むために家庭のあり方が再認識されつつあるところであります。よって、調和のとれた家庭生活のビジョンを策定し、よりよい家庭生活の建設に資するため、家庭生活問題審議会を設け、同審議会において、内閣総理大臣の諮問に応じて家庭生活問題に関する重要事項を調査審議することとしようとするものであります。なお、同審議会の設置期限は、昭和四十二年三月三十一日としております。
第二は、港湾調整審議会の設置であります。港湾の近代的な秩序を確立し、その効率的な利用をはかるには、港湾労働の需給調整、港湾運送の近代化、港湾利用の改善等、港湾に関する諸施策を総合的に推進しなくてはなりません。このため、港湾調整得議会を設け、同審議会において、港湾に関する各行政機関の施策のうち総合調整を要するものに関し、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議し及び内閣総理大臣に意見を述べることとしようとするものであります。
第三は、近畿圏整備本部の事務強化のため、職員五名を増員するものであります。これは、現地における関係者行政機関等との連絡、整備計画の実施の推進、各種の調査等が著しく増加する実情にありますので、大阪事務所の充実、強化をはかるためのものであります。
以上が、この法律案を提案いたしました理由及び概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御一賛同あらんことをお願いいたします。
次に、ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
この法律案による措置の第一点は、恩給年額の改定であります。
現在、旧軍人及び文官並びにこれらの者の遺族の年金たる恩給は、昭和三十七年法律第百十四号によって昭和三十七年十月に改定され、現在に及んでいるのでありますが、その後における国民生活水準、公務員給与、その他諸般の事情を考慮し、公務傷病者、公務死没者の遺族に重点を置きつつ、恩給の年額につきまして、次のような改善の措置を講じようとするものであります。
まず、一般退職者及びその遺族の恩給の年額につきましては、原則として二〇%増額した額に引き上げることとし、また、公務傷病者及び公務死没者の遺族の恩給の年額につきましては、年額の増額に際し、いわゆる傷病間差及び公務扶助料倍率の引き上げをあわせ行ない、三〇%前後増額した額に引き上げられることになるものであります。
右の措置は、昭和四十年十月から実施いたしますが、急激な財政負担を避けるため、三カ年にまたがる年次計画によってこれを処理することとし、その実施につきましては、公務傷病者、遺家族、老齢者を先にするよう配慮いたしました。
次に、右の増額措置に伴いまして、昭和三十五年四月以後の退職者及びその遺族につきましても、これに準ずる措置を講じ、また、普通恩給についての多額所得者に対する恩給停止基準につきまして、所要の改正を行なおうとするものであります。
この法律案による措置の第二点は、旧軍人軍属で終戦後海外から帰国した者に関するものであります。
旧軍人軍属で終戦時海外にあった者は、敗戦という非常事態によって帰国の自由を失うというような特殊事情に置かれたことを考慮し、終戦後帰国するまでの抑留期間について加算年に準ずる在職年の割り増しを行なおうとするものであります。
以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/4
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005・河本敏夫
○河本委員長 この際、伊能委員より発言を求められておりますので、これを許します。伊能君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/5
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006・伊能繁次郎
○伊能委員 総務長官に質問じゃないのですが、一言お尋ね申し上げたいことがあるのです。
総理府設置法の一部を改正する法律案に家庭と港湾の審議会ができるのですが、何か聞くところによると、通産省の設置法には入ってないのです。通産省のほうで、通産大臣諮問の審議会の設置法か何かをつくるというような話がいまあるやに聞いているのですが、審議会の設置は、通産大臣だろうと各大臣でも、法律に基づくものは、設置法は全部こっちへくるのか、あるいは通産省の審議会、通産大臣の諮問の審議会等は、商工委員会でやるのか。われわれは商工委員会でやってもらったほうがいいとは思うのですけれども、その辺の割り振り等をお調べおきを願ったほうがいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/6
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007・臼井莊一
○臼井政府委員 ただいまの問題につきましては、よく調べまして後ほどまたお答え申し上げます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/7
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008・河本敏夫
○河本委員長 次に、行政機構並びにその運営に関する件について、調査を進めます。
前回における質疑を続けます。受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/8
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009・受田新吉
○受田委員 この前の委員会で資料要求をいたしました資料が提出されておりますので、これに関連した質問を短時間にさしていただきます。
行政管理庁長官は、その規定する法律の根拠に基づきまして、公社、公団、公庫その他特殊法人を十分監察する業務が与えられております。その業務の一翼として、いわゆる政府のお仕事の現場を担当するがごときかかる公社、公団等その他特殊法人の職員の処遇について、どういうふうに監察をされておるか。少なくとも国民のとうとい血のにじむようなお金が使われているわけでございますから、当然行管長官所管事項の内容として十分監察しておられると思いますので、私最初にお尋ねしたいのは、ここに公社の役員の退職金をお調べになって、一覧表を出していただいております。この公社の役員というものは、大体各省でいうならば、大臣、次官、局長が総裁、副総裁、理事、こういうところに該当すべきものではないかと思うのです。ところが、一例を退職金にとってみましても、普通の理事で一カ月十万の割合の退職金が出ておる。総裁になると二十万、こういう調子になっておるようです。これは三公社に共通する現象だと思いますが、わずかに二、三年間勤務して、五、六百万円も退職金をもらうということ、その前歴はそれぞれ公務員として、あるいは民間の有力な会社の地位にあった人であって、そのほうからの退職金、あるいは恩給年金ももらっておる。さらに四、五年勤務することで、事務次官が三十年も勤務して五、六百万円いただけば精一ぱいだと思うのでございますが、それをはるかにしのぐ退職金を受けておるというような現象は、適当であると思うかどうか。
なお、国務大臣が三年間大臣の地位にあって、退職金はどのくらいもらわれておるか、あわせて比較検討した上でお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/9
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010・増原恵吉
○増原国務大臣 公社等における退職金の額は、御承知のようにそれぞれにおける規定に基づいてこれを支出いたしておるわけでございます。御指摘のように相当額のものが支出をされておりますが、現在までのところ、退職金に関する規定について一応異議がないという形で進んでおりまして、ただいままでのところ、この問題について特別の指摘はいたしておらないという状態でございます。
それからもう一つ何でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/10
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011・受田新吉
○受田委員 あなた方が国務大臣になられて退職金をどのくらいもらっておるか、あわせ比較検討して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/11
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012・増原恵吉
○増原国務大臣 ちょっと私承知いたしておりませんので、すぐ調べましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/12
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013・受田新吉
○受田委員 いや、あなた方もらっていないはずなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/13
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014・増原恵吉
○増原国務大臣 その点私がいま承知をしていないので、調べてお答えをすると申したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/14
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015・受田新吉
○受田委員 国務大臣には退職金制度というものがない。そこに問題があるわけです。すなわち、国会議員で国務大臣を兼務する人は、これは当然国会議員のほうでお手当をもらいますけれども、国会議員でない国務大臣を任命することができるわけです。憲法でも、過半数に達する国会議員の国務大臣を選ぶと同時に、少数の議員にあらざる国務大臣を任命できるわけです。そういう場合には退職金というものはない。にもかかわらず、公社、公団等の役員は膨大な手当をもらって、そして経営が困難だなどと言うておる。このことは、陣頭指揮に当たる役員にもっと自粛自戒させて、かかる高額の退職金をものして、二、三年間に蔵が建つようなことをやらせないように、これは一般職員の処遇改善に回すとか、あるいは施設の拡充強化にこれを振り向けるとか、いろいろな方法があると思うのです。このことについて、行管長官としては、監察行政の実権を握っておられるあなたのお力で、こういう変な処遇を是正する御意図があるかないか、いまお尋ねしてみたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/15
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016・増原恵吉
○増原国務大臣 御指摘の点、十分検討してみたいと思いますが、いま直ちにどうというまとまったお答えはいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/16
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017・受田新吉
○受田委員 大臣、これを見られてどうお考えになりますか。ただ二、三年ちょっとそこへ籍を置くだけで、本俸は三十万円ないし二十五万円をもらっておる。さらに退職金は、四、五年間で事務次官が三十年も勤務された以上のお手当をもらっておる。そして経営が困難である、設備は不完全である、こういう調子になっておるのです。ここにあなたの責任でこうした矛盾した現象を抹殺する御努力をしていただかなければならぬ。検討してみなければならぬということでなしに、あなたの受けた印象をひとつ訴えていただきたい。全国民に対する印象です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/17
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018・増原恵吉
○増原国務大臣 この点は検討をさしてもらいまして、意見を定めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/18
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019・受田新吉
○受田委員 これは見られてわかると思うのです。これは非常に批判が出ているのです。このことについては。この批判に何ら制約を加えることなくして検討、検討というておったのでは、ついに十年河清を待つのそしりを免れないと思うのです。私は、行管長官、あなたはひとつ勇気を持って、あなたの行政監察業務の重大なお仕事で、ほかの大臣ではなかなかこういうことが言えないと思いますし、あなたならずばっとやられるのだから、外局の長官といえども国務大臣をもって充てられる、しかも各省に対する勧告権を持っている、こういう伝家の宝刀をお持ちのあなたが、英断をふるわれることでこの問題が解決すると思う。そういう英断をふるわれる決意がありやいなや。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/19
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020・増原恵吉
○増原国務大臣 検討をいたしてみるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/20
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021・受田新吉
○受田委員 そういうことでは非常にたよりない感じを持つわけですが、非常に悪い印象を国民に与えておる。このことだけは検討の――検討の答えをいつごろ出していただけるか。これもおよそ今国会中に検討いたしていただけるかどうか。事はしごく簡単なことでありますが、検討の結論が出るのかどうか、お示しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/21
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022・増原恵吉
○増原国務大臣 なるべく早急に検討の結論を出したいと思いますが、ただいま今国会中というはっきりした目途はちょっと立てにくい次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/22
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023・受田新吉
○受田委員 一般の国民は、公務員の給与というものに対して、たいした額でないということを了承して、人事院の勧告などを国会が取り上げることに非常に共鳴をしておる。にもかかわらず、特殊法人、公社のこういう高級職員にこのような処遇をしているということは、国民はあまりよく知っていない。しかし、きょう資料を出していただいて、これを国民が見たときに、そのお仕事の内容とそしてその処遇と比較したときに、責任の度合いなんというものを加味したにせよ、少なくともこれはばかげた処遇であるということがわかるわけです。これは軽々しく扱う問題でないということを大臣十分認識していただいて、各級、各等の給与制度の上においても重大な問題であることを、お含み願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/23
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024・増原恵吉
○増原国務大臣 御趣旨十分にわかりました。御指摘も、慎重にやれということでございますので、なるべく早く結論を得るように検討をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/24
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025・受田新吉
○受田委員 私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/25
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026・河本敏夫
○河本委員長 山内広君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/26
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027・山内広
○山内委員 実は私御質問申し上げる用意はなかったのでありますが、おとといのこの委員会において、受田委員からいろいろ御質問があり、長官からお答えがあったわけですが、その中で聞きのがしのならない重要な問題だと思われる御答弁がありましたので、重ねてここで確認をしておきたいと思います。
それは、ほかではありませんが、臨調が業務を終わりまして、その答申案に基づいていろいろ作業を進めておられるわけでありますが、その中で、防備庁の省昇格の問題が質疑応答として出たわけでございます。実は長官は、あの臨調の生まれた経緯というものを御存じがないようであります。あれは、きょうは局長がお見えになりませんけれども、松本審議官よく御存じでありますから、私のこれから申し上げることが間違いであったら訂正してもらいたいのですが、実はあの臨時行政調査会をつくる最初のときは、社会党は反対の立場をとりました。しかし、いろいろ当時の長官であった川島さんの誠意と考え方がだんだん出されまして、非常に熱意のある点と、私どもも行政の中にアンバランスがあることは認めておるわけであります。それで行政整理というようなものを前提としないという条件で、私どものほうで推薦する委員も中に入って、そうして私ども協力の態勢をとったわけです。そうして構成された七人委員会というものは、多数決で押し切らないで、満場一致ということであの答申案はなされたものであります。ところが、こういう経緯があったにもかかわらず、内容はまた御答弁によっては詳しく申し上げますけれども、この協力態勢のできておる――これは非常に珍らしいことだと思うわけです。あなた方の立場からいっても望ましいことだと思う。ところが、答申案が出てみましたら、この臨調の答申に関係しないで防備省の昇格を考えるという政治的な配慮でやっても一向差しつかえないという御答弁が、おとといなされているわけです。はなはだ奇怪なことだと思う。この点について、あなたはどういうお考えをもってそういうことを言われたのか。そのことばについては誤りがあるならば、いま御訂正願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/27
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028・増原恵吉
○増原国務大臣 先日の受田委員の御質問に対してお答えさしましたのは、当面のお答えとしては私も少々不適当なところがあるように思いまして、本日答弁するところで御了解を願いたいと思います。
ただいま仰せのとおりの臨調の答申が出ておりまして、その答申の文言を私どもはよく承知をいたしております。ただいま政府において、あるいは担当の機関において、国防省に昇格さしたいという意味の法案が作成をされておるまだ段階でございません。したがいまして、行政管理庁に対して協議を受けておる段階でもございませんので、この問題については、先般申し上げたのは、少々ものの考え方が先ばしり過ぎたというような感じがいたします。現在ところ、その問題について行管としての所見を定めてはおらない、こういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/28
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029・山内広
○山内委員 そこで、どうせ八月三十一日までには最終結論が出るような作業を進めておられるのでありますから、いずれこの問題はあなたが取っ組まなければならぬ日が来るわけです。そのときに、この間のような御答弁のお考えであったら、これはたいへんなことだと御注意を私は申し上げておる。この前に、省の昇格を永山さんはじめ非常に熱心に唱えられた人たちが出そうとした事実はあるわけです。ところが、そのときはどこまでも、当時山村長官でありましたが、臨時行政調査会の意見を尊重する、そういうたてまえで臨調にこれについての意見を求め、その答申に基づいてとうとう提案ができなかった事実があるわけです。ところが、今回は答申が出てしまったら、それに何も拘束されることはないという、かりにそれはいまことばが少し過ぎた、先ばしり過ぎたという意味のお話がありましたが、それにしても、そういう誤った態度をおとりになるというと、この八月三十一日に出す結論というものも非常に誤る。そういう意味で、考え方をぜひ改めていただきたい。増原さんは、かつて自民党の内閣部長もつとめられた経歴もあり、現在もおやりになっているかどうかわかりませんけれども、そういう意味で、一握りの――確かにこれは、自民党の中にも多数の慎重論者もおる。りっぱな人もおる。あるいは過去の経歴から見て、非常に急進的にこれを急いでいる人もあるように思うのであります。そういう一握りの圧力に属してこの臨調の答申をほごにする、かまわないんだ、政治的な問題で解決するんだからというようなことで、もし前向きに仕合中業を検討する態度をおとりにならなければ、私は誤ると思う。そういう意味で、もう一度考え方をはっきりしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/29
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030・増原恵吉
○増原国務大臣 この問題の経緯は、御説明をするまでもなく、よく御承知のことと思いますから、省略をいたしまするが、申し上げたように、ただいま政府部内においても、国防省についての、省昇格についての法案を提出しようという段階がございません。したがって、行政管理庁で協議を受けて審査をするという段階でございません。したがって、これについての行政管理庁長官としての意見を申し上げることは、差し控えをいたしたい。政府としては、臨時行政調査会の答申はこれを尊重するというたてまえをとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/30
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031・山内広
○山内委員 臨時行政調査会の答申は尊重するという結論をはっきり申されたので、それで了解いたしますけれども、ただ、防衛庁ばかりでなく、私どもにもずいぶん組合とかいろんな団体から、あの臨調の答申についてはいろいろ反対の人もあり、賛成の人もあり、陳情が多いわけです。それをあえて、先ほど前段で申し上げたとおり協力体制をつくるという意味で、私どもそういうものを排除して、多少の無理があっても、臨調というものの基本的な考え方を支持しようということで協力する体制をつくっておるわけです。ですから、この防衛庁の問題だけは例外なんだ、そういう考え方に立たれると、私どもは全部これはくずしてしまって、野党の立場からきびしい批判をせざるを得ないことになります。そういう意味でもぜひその臨調の答申は尊重し、前向きで解決するように、防衛庁だけは別なんだというお考えに立たれないように、これは念を押しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/31
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032・増原恵吉
○増原国務大臣 その点は、十分御意思はわかりました。仰せのように、臨調答申についても、いろいろこの点は違った形にしてくれという要望が出てきている向きがございます。私ども臨調答申を尊重するということは、全部臨調答申のとおりに実行するという意味でないことは、これは申し上げるまでもないことと思います。臨調答申を尊重してまいる、防衛庁だけは例外だというふうな考え方は、とっておりません。答申を尊重してまいる、しかし、全部そのままでやるという意味では必ずしもないということは、もう原則的には前に申し上げたとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/32
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033・山内広
○山内委員 やめようと思いましたが、どうも増原さんはこだわっておられるようです。この一角を政治的な配慮で変えるということになりますと、これは全部政治的になってしまいますよ。特にこの間の――こういうことは言いたくないのですけれども、予算委員会で岡田委員の質問にあなたは御答弁がなかった。しかし、重要なことを言われておるのです。私もうしろで聞いておりました。たとえば戒厳令の問題とか、あなたの執筆された日本の安全保障というのは、私も読んでみました。警察予備隊を生んだときの苦労談なんというものをずっと長く書いております。苦労されたことはよくわかりますけれども、そのときの悪党と行政管理庁長官としての態度は、おのずとこれは変わっていなければなりません。その中で、秘密保護法を制定するとか、戒厳令を持たなければ自衛隊を勇気づけられないとか、そんなことをあなたはどこでお話しになったのかわかりませんけれども、そこで防衛強化というたてまえ、この日本の憲法を変える方向にあなたの顔が向いておる。それを前向きに、行管という立場からこの行政改革を解決してもらわなければいかぬ。三矢研究にも関係してくることです。しかし、これは省の昇格という問題が提案になれば、私どもは、これは防衛庁長官ともいろいろ意見の交換をやらなければならぬ。あなたに対しては、そういう内容について私は触れようとは思わない。ただ、まともに問題を解決していかないと、三矢研究のようなものの精神的な支柱になるような態度を、あなたは大臣としてとられるようでは困る。あなたの過去の経歴からいっても、最近の言動から見ても、民主憲法を守る、こういう立場からどうも逆なほうを向いておるような印象を受けるわけです。いまの最後の御答弁でもそうだ。答申案は尊重するけれども、そのとおり実行するかしないかわからぬ。非常にあいまいなことを言われておる。それよりもまともに、もうあの答申案を一角をくずせば全部くずれてくるのですから、そうでなく、全部を尊重する、しかし、どうしてもできないことは、これは私どもも十分考えますけれども、別に庁を省に昇格したからといってどれだけの効果があるのか。私どもはいずれこれは提案されれば問題になろうかとは思いますけれども、ひとつまともに行政改革と取り組んでいただきたい。これはおそらく川島さんだったら、いまのような答弁がなかったろうと思う。御答弁は、なければなくてもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/33
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034・増原恵吉
○増原国務大臣 一般抽象的に申したのであって、先ほど来もう繰り返して申し上げておるように、防衛庁省昇格の問題を特別に扱うということを申しておるのでないことは、先ほど来申したとおりであります。尊重するということが、臨調答申そのままという意味に受け取られては、実際問題としてそうでない場合があるということを抽象的に申しただけでございます。防衛庁の問題とは直接関連のない意味合いとおとりを願いたいと思います。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/34
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035・河本敏夫
○河本委員長 北海道開発法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/35
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036・村山喜一
○村山(喜)委員 私が第一に増原担当大臣にお尋ねをいたします問題は、すでに閣議で了解事項となりました中期経済計画、この中におきまして、御承知のように十七兆八千億円の公共投資が行なわれることになっているのでございますが、北海道の総合開発計画の第三年目にあたりまして、この計画を強力に推進をしていくために事業量が増大をしていく。いろいろ説明を承りますと、大体事業量にして一四%の伸びであるようでございます。ところが、この北海道の総合開発計画というものは、八カ年計画で、昭和四十五年度までに行政投資七千億円を、これを国費として投資するということで、三十七年の七月十日の閣議の決定に基づいてなされているわけであります。そこで私は、いままでに行なわれましたこの総合開発計画の実施状況が、どういうふうに現実進められているか。そしてまた、今回策定をされました中期経済計画の中におきます公共投資と各省の長期計画との関連性については、道路、港湾、環境御生、治山治水、国鉄など、それぞれ計画がされているわけでありますが、その中においてどのようにこの北海道開発の問題が織り込まれているか。この位置づけが正当になされているのかどうかということについて明確でありませんので、この点についてどういうふうな位置づけをなしているのかということを、第一にお尋ねをしておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/36
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037・増原恵吉
○増原国務大臣 北海道の第二期計画がどういうふうに進捗をしているかということにお答えをいたします。
四十年度は、御承知のとおり、第二期計画の第三年度にあたるわけでございまするが、その進捗状況は昭和三十九年度の経済の諸標がまだ発表になっておりませんので、第二期計画の諸標と直接に対比をすることができないのでございまするが、鉱業、これは石炭が主でございます。畜産――乳牛が多いわけでございますが、等の諸標の推移から見まして、おおむね計画のように進んでおる。その中で、計画のようにまいっておりませんのは、昨年の冷害による農業生産で、冷害で激減をいたしました。そのほかはおおむね計画によって進んでおる。第二期計画では、施策の基本方針の一つとして、社会資本の充実というのを取り上げておるわけでございますが、その事業費は、初年度である昭和三十八年度は約六百六十億円、三十九年度は七百八十七億円、今回御審議を願っておりまする予算では約九百十九億円となっております。三年間で合計二千三百六十五億円が使用されることになっております。三十八年度から四十年度までの実績による年平均の伸び率は、約一八%ということでございます。これに対して、第二期計画期間中の年平均の伸び率は、三十八年度価格にスライドをしますと、一三・七%ということでございます。したがいまして、この方面の資本の充実、先行整備というものは、順調にまいっておるというふうに申していいと思うのでございます。計画の後半におきましては、この先行投資の効果を生かしまして、各種医業の振興に重点を置いていくというふうなやり方をしようと思うわけでございます。中期計画の十七兆八千億に見合いまする諸五カ年計画、ことに港湾、治山治水等の五カ年計画は、本年度からきまって、進行をするわけでございます。この面で従来の二期計画のその方面の金額が、若干拡大できるという面がございます。これはその拡大できる面を、ひとつ北海道にも十分にもらってまいって実施をしたいと思っておりまするが、二期計画を改定するという形をとる必要はないと考えまして、二期計画の弾力的運営という形で、拡大する分を適切に吸収、活用していきたい、こういう考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/37
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038・村山喜一
○村山(喜)委員 ただいま長官は本年度の事業総額は九百十九億、こういうふうに説明されましたが、私がお尋ねをいたしました北海道開発局の実施する事業量というものは、六百三十九億円というふうに承っておりますが、その点間違いございませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/38
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039・小熊清
○小熊政府委員 お答え申し上げます。
ただいま長官からお答えいたしました四十年度の事業費、これは北海道開発局で直接執行いたしまする直轄事業の分と、それから北海道庁ないしは市町村等で実施をして、国が補助する補助事業の分、両方入った数字でございます。それから先生のおっしゃいました六百三十九億と申しますのは、補助も含めた開発事業費の総額の中で、開発局が直接執行する分をまとめた数字が六百三十九億、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/39
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040・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで私が尋ねたいのは、行政投資七千億という見込みを立てられて、三十七年に閣議決定をされた北海道総合開発計画は、三十八年度を基準にいたしまして、年率八%の伸びで計画がされておる。ところが三カ年間で三割三分の達成率をもうすでに示している。いま説明にありましたように、年間一八%程度の伸び率を示しているということは、昨年の直轄事業の伸び率二〇%、本年一四%の増ということに相なっておる。こういうような形で事業が進捗をしてまいりますということは、いわゆる四十五年三での八カ年計画の前期の過程の中において、先行的な投資というものが行なわれていかなければ産業開発計画が進行しない、こいう計画を変更された姿の中で問題を速成をしようとしているのか。それとも中期経済計画の中で、投資額がすでに三十九年から四十三年までは策定をされているわけですが、これの伸び率との関係をどういうふうに処理していくのか。これらのかみ合わせの問題が私は十分でないと思うのでありまして、その説明をどういうふうにされるのか。いわゆる中期経済計画では、国民所得の伸び八・一%というものを基準にして、計画を進行をしていこうとしている。これに対して、それよりもはるかに上回る行政投資が今日までなされてきた。またことしもなされようとしておる。また、今後においてもさらにそれが続けられようとしているということは、一体政府全体の計画の中において、どういう考え方のもとにこれが進められているのかということを承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/40
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041・小熊清
○小熊政府委員 先生のいまの御質問の中で、二期計画の国の投資規模が全体で約七千億、それを八カ年間に達成いたすとしますと、年率七・八%の伸びで資本投下がふえていけば速成できる、こういうことでございますが、その場合の七・八%というのは、実はそのもとになります。千億という数字が、三十五年度の価格ではじき出されておりまして、実際に計画がスタートいたしましたのは三十八年度でございます。三十八年度価格にこれを引き直して計算をし直しますと、八カ年間の平均伸び率は一三・七%になります。これに対しまして三十八年度、三十九年度、またただいま御審議中の四十年度予算案のそれぞれの伸び率を平均いたしたものが一八%でございまして、一八%に対する一三・七%ということでございます。なおこの一八%は、一三・七%に対して上回っておりまして、それは先ほど来長官がお答え申し上げておる、計画の当初の段階でなるべく社会資本の充実をはかる、こういう構想のもとに予算を計上いたしておるわけでございます。そういたしますと、計画の後半になってまいりますと、財政投資が先細りするのじゃないか、こういう見方も出てこようと思うのでございますが、先ほど長官からお答え申し上げましたような、中期計画に基づく各事業ごとの新長期計画、新五カ年計画というものが、道路、港湾ないしは治山治水等について構想されております。その新長期計画、新五カ年計画の中において、北海道の分がどのぐらいであるかということは、実はまだ確定を見ておりませんので、その点はっきりした突き合わせができないわけでございますが、私どもの大体の見通しと申しますか、北海道ではぜひこの程度はそれぞれの事業の中で確保したいという額をもとにして推計いたしますと、現在の二期計画の投資規模は若干ふくらむのじゃなかろうかという推計でございます。さようなことを考え合わせますと、現益の社会資本の先行投資ということにある程度力を入れまして、計画の後半にいきましても、なお事業量はまだ相当あるということがいえるだろうと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/41
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042・村山喜一
○村山(喜)委員 三十五年度の基準価格をもって行政投資七千価という計画が策定をされた。それを三十八年度に引き伸ばしてみると、年率において一三・七%の伸び率になる。そうすると、行政投資総額は、変更しなくて差しつかえございませんか。中期経済計画が三十九年度から四十三年度までの計画策定でありますから、これが五十年なりあるいは五十五年というふうに期間が延ばされてまいりますと、それに伴う行政投資の総額自体においても、これは変わってこなければならぬはずです。そうするならば、当然この北海道の総合開発計画というものも、総額を改定しなければ、中期経済計画の中に組み込んでいくという末木的な考え方に合わないようになるのじゃないか、この点についてはそういう考え方を私は持つのでありますが、いま増額をされるというような見通しも説明をされましたけれども、これについてはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/42
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043・増原恵吉
○増原国務大臣 御指摘の点は、そういうふうな考え方をすることがいいのではないかということをわれわれも一応考え、論議もいたしておるのでございますが、現在のところ、開発計画の基本となる事業について、大きく計画を変更するというよりも、中期計画に見積もられましたもののシェアも、治山治水、港湾等についてまだ北海道の分が明確ではございませんが、こういうものをにらみましても、この額の増加が二期計画の弾力的運営という形で操作することができるし、またそれが適当ではあるまいかという考え方に立って、ただいまその点検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/43
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044・村山喜一
○村山(喜)委員 私は、この政府の長期経済計画の立て方を見ておりますと、いま北海道の総合開発計画等がございますし、さらに中期経済計画の初年度から最終年度までの年次の計画、それとともに、治山治水においては四十年から四十四年、あるいは国鉄等におきましては四十年から四十六年と、それぞれ年次が違う中で計画がされている。そういうような三十九年度を基準にした場合の年平均の伸び率というものの換算計数というふうなものを、それぞれ当てはめながら、一体国全体の長期投資はどういうふうに計画されているのかというのを、一つ一つ尺度を合わせながら計算し直さなければならない、こういうようなのが、いまの政府の最も大きな欠陥となっている計画ではなかろうかと思うのであります。これらはやはり閣議等において、その年次の違う計画がばらばらに出されてきているその中で、総合的な長期計画が計画をされるということでは、国民は一体これはどういうようなふうになっているのかさっぱりわからないと、私は思うのであります。こういうような問題につきましては、計画経済ではありませんけれども、自由主義経済の中であなた方が一つの行政効果をおさめようとして推進されている一つの国民所得の計画、方針であるわけでありますから、これらにつきましては、年次を統一してやっていくような方向を打ち出すか、あるいはもっと長期的なものを、全部の計画が包括されるようなものを打ち出していくか、そこら辺は再検討を閣議でお願いしなければならないと思うのでありますが、北海道の総合開発行政を担当される行管長官としては、それに対してはどういう見解をお持ちであるのか、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/44
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045・増原恵吉
○増原国務大臣 御趣旨の点は、私どももまことにごもっともな点が多いと思います。現在のところ、仰せのように少々入り乱れた形でいろいろな五カ年計画が出ております。この点は御意見のように改めることができますと、これは確かに総括一覧ができまして、ぐあいがいいわけでございます。いろいろな事情で、予算編成の過程で五カ年計画が各所管省の計画ででき上がるという、現在の実情でございます。この点は、経済企画庁等で十分考えていただくように、なお私としても所見を申し述べてみたいと思いますが、現在のところでは、北海道の第二期計画というものを、それらの少々めんどうな諸計画の中で調整をとりながら弾力的に運営するということでやっていこうという考えでいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/45
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046・村山喜一
○村山(喜)委員 行政管理庁の長官とされましては、機構改革の問題等との関連性も出てくるわけでありますので、これらの問題については、経済企画庁とよく打ち合わせをしていただきまして、推進をしていく、その全体的な計画というものを、もう一回立て直していただかなければならないのではないかと思うのであります。御承知のように、道路は三十九年から四十三年、港湾については四十年から四十四年、それから環境御生については三十八年から四十三年、治山流水については四十年から四十四年、国鉄等は四十年から四十六年、そして北海道開発庁の事業計画、総合開発計画というのは、三十七年に策定をされて四十五年に終わる八カ年計画、こういうふうに、それぞれの各省庁において各個ばらばらの長期経済計画が立てられていくということは、やはり国の効率的な行政を推進していく、あるいは政治を推進していく、経済体制をつくり上げていくという上において、きわめて統一のとれない姿として私たちは受け取るわけです。経済効果も非常にアンバラになっていくと私は思うので、これらの点につきましては、やはりもっと閣議あたりでこの問題については検討を願わなければならない問題だろうと思いますので、ただいまの長官の答弁の趣旨は了といたしますが、さらに前進をしていただくように要望申し上げておきます。
そこで、今回八十名増員をするということであります。その内訳を聞いてみますと、事業量の増に伴いまして六十九人、これは建設局関係だけの増員であります。河川管理分が十一名ということであります。そこで、昨年は二〇%の直轄事業の事業量の増がございました。これにおいては、われわれが四十一名の増員を承認をしたわけであります。今週は建設局関係の道路、河川、これらの職員として六十九名充てられる。一級河川の管理事務関係を除きますと、六十九名が直接直轄事業に従事する職員として増員をされるということであります。これは伸び率からいいますと、一四%しかことしは伸びていない。昨年は二〇%ふえて四十一名も増員をしておるわけでありますが、ことしは一四%しか伸びないのにその六十九名増員をしなければならない理由というものは、一体どういうようなところにあるか。これは事業量その他にも関係があると思いますが、伸び率の上から考えてまいりますと、どうもはっきりしないじゃないかというふうになりますが、これについてはどのように説明をされたらいいのか、承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/46
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047・増原恵吉
○増原国務大臣 昨年と今年の事業量の伸び率から見ると、ことしがよけいふえておる。私は、実はあまりふえぬで、もうちょっとふやさなければいかぬじゃないかと言われると思いましたが、反対の御質問でございました。事業量をこなすという形でまいりますると、実は昨年の増員では不十分であったというのが、開発庁における原局としての考えでございます。これはしかし、大蔵省なり行政管理庁なり、なかなかそのままには通りませんで、昨年は四十名の増員にとどまったのであります。ことしは、要求をいたしましたのは、さらに、ことし四十年度予算でこなすべき事業量に見合って、もう少し多い要望を出したのでございますが、最後、八十人というところで了承せざるを得なかったわけでございます。八十人の増員につきましても――その反対のことを申して恐縮ですが、相当にいろんなことをやりませんと、なかなかうまくこなせない、労働強化というようなことになるおそれがあるのでございます。十分に早期発注をやって適期に工事をやるとか、設計や測量なども、従来も努力をしておりますが、さらに外注をできるものはやっていく、工事規模はできるだけ一まとめにしてやるというふうな方向で、一般事務の簡素化というふうなことを、さらにいろいろ努力をいたしまして、八十名の増量で事業量をこなしてまいろうというのが、開発庁における考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/47
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048・村山喜一
○村山(喜)委員 これらはそう追及はいたしませんが、問題は、私は北海道開発庁の場合には、他の地建あたりと違いまして、港湾局なりあるいは農政局等に該当するものも担当をされる、そういうようないわゆる総合的な地方支分部局になると思うのでありますが、この行政の性格というものから考えまして、一体こういうような北海道の開発を推進をしていく際には、いままでの歴史的な特殊な条件等もあるであろうと思うのでありますが、総合開発の計画推進の中で、中期経済計画を策定された中にも指摘されておりまするように、この縦割り行政機構というものが、地域問題の解決のための立案実施に特に顕著にその欠陥を露呈しておる、こういうことが指摘されております。まあ北海道開発庁の場合には、他の地建やあるいは農政局やあるいは港湾局というものとはちょっとそれぞれ機構的に異なっておるようでありますけれども、これにつきましては、北海道庁も地方自治団体としてあるわけでありますから、これらとの関係を今後どういうふうな行政機構に改めていくのか、この点については、行政管理庁長官とされましてどのような基本的な構想をお持ちなのかをお尋ねしておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/48
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049・増原恵吉
○増原国務大臣 北海道開発庁は、仰せのようにまあ各省の縦割りを地域について、たとえば北海道について考えた場合には、いろいろと欠陥がある、それを総合して開発を推進するというために設けられたもので、効果のあるものと考えるわけでございます。臨調の答申は、総合開発庁という形でこうした開発関係を統合するという答申でありますが、この答申を早急に実現をすることは実は実情上私は困難ではないかと思いまして、北海道開発庁をいま総合開発庁をつくって吸収するという方向のことは、ここしばらく適当ではないのではないか。一方では首都圏庁というものも、整備委員会を独任の官庁にするという臨調の答申、これは行く行くは総合開発庁に吸収さるべきものということでございますが、現在の段階では、首都圏庁をつくる方向で臨調の答申を実行してまいるということを考えておるわけでございます。北海道開発庁の仕事は、北海道における直轄の事業としての仕事をやるということでございます。これは補助職業その他、また地方公共団体独自の事業とは十分調整がとれていくことでございまするが、その間のそごはいま心配はなかろうと思っておるのでございます。また、総合開発庁ができまして全体としての計画はこれに吸収をされましても、開発局は、答申でも、そのまま主として北海道における国の直轄事業、公共事業等をやることがよろしいというふうにもなっておるわけでございます。道庁その他との総合調整は、支障なくいけるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/49
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050・村山喜一
○村山(喜)委員 他の中央官庁の機構と違いまして、総合的な行政機構というものになっておる点は、私はこれはすぐれたものだと思う。ただその場合に、そういうような縦割り行政の弊害というものが妨げるわけでありますが、地方公共団体である北海道庁との関係ですね、この点がどういう形の中で今後推進をされていくかという点を、いろいろ業務の内容面についても検討しなければならない点があるのではないか。たとえば道路の維持、修理等につきましては、これは他の都道府県等においてはその都道府県、地方公共団体が行なっておる。しかし、北海道開発庁の場合には、その道路の維持、修繕まで全部直轄事業として行なっておる。こういうようなもののほうが正しいのかどうか、行政的な効果の上から考えてどうなのかというような点等も問題があるかと思えるのでありますが、これらはまたいずれ他の機会に論議するときがあろうと思いますので、今日はやめにいたします。
最後にお尋ねいたしたいのは、建設省設置法との関連性であります。この問題につきましては、建設省設置法の中では、今回一級河川の管轄、管理事務というものが建設省に移ることになる。ところが、それに伴う増員というものについては新たな予算要求をしていないのであります。しかしながら、北海道開発庁の場合には、一級河川の世理事務を新たに行なうことになりましたので十一名の人員を新たに要求をするということで、今回八十名の内訳として出されてきておる。これにつきましては建設省のほうに昇ねなければならない点もありますけれども、十一名というものについて、なぜ北海道開発庁だけが増員要求をしなければならないか、その理由を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/50
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051・増原恵吉
○増原国務大臣 御承知のように、従来は河川の管理――現在問題になります一級河川石狩川については、道庁がこれを管理しておったわけであります。わがほうに管理が移ります関係で、最小限のものを要望いたしまして十一名が承継をされた、これはたいへんくふうをしなければならない非常に少ない人数でございます。建設省のほうは、全体の定員の中の振りかえでこの問題を解決しようということで、今度は特別の増員を要求することをしなかったというふうに承知いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/51
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052・村山喜一
○村山(喜)委員 どういうふうに振りかえをされるのか、建設省設置法のときに質疑をいたしますが、増原行政管理庁長官は、北海道開発庁長官も兼ねておる。それで、定員の問題等については、行政管理庁においてこれを査定をしていくのだ、こういうことになってまいりますと、自分のところだけは一級河川の管轄権が北海道開発庁に移るから、それで十一名の定員増はしても、他については、建設省関係の分については振りかえでよろしいというような、こういう査定をしたのではなかろうか、こういうふうにも受け取れるわけでありますが、もちろんそういうようなことはないと言われるにきまっておると思いますけれども、いま少しく、なぜ十一名の定員が必要になるのかということを説明を願わなければ、納得できないと思います。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/52
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053・小熊清
○小熊政府委員 お答え申し上げます。
北海道開発庁についてだけ河川管理の新しい事業の要員として十一名増員が必要であって、内地の地方建設局については国の許可がないのはおかしいじゃないかという御質問であります。もちろん新しい事業が、これは北海道に限らず、その他の府県にもできるわけであります。ただいま長官がお答え申し上げましたように、地方建設局のほうでは、全体としての定員の範囲内で新しい事業を消化するというふうに聞いておるわけであります。北海道のほうは、事業量の増加に対しても毎年定員の増加を要求いたしまして、わずかではございますが認められておるということで、内部的にこの新しくつけ加えられた事業に回すだけの定員の余裕が、実はないわけであります。したがって、どうしても最小限度必要な増員として、このたび一級河川に指定を予定されておると申しましょうか、予算措置がされております石狩川の管理を担当いたします石狩川治水事務所等の要員を十一名要求したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/53
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054・村山喜一
○村山(喜)委員 どうも説明を聞いておると、わからない。認められたから出したという、その認められるに至った理由というものが国民の前に明らかにならなければ、どうもはっきりしない。河川事務所をつくる、こういうお話でございましたね。そうすると、いままで道庁がやっておった場合には、石狩川の河川管理については何名でやって、そして今度一級河川のこれの管理が移ることによってそれをどういうふうにしようとしておるのか、こういうような説明が、たとえば河川の台帳の保管とか、あるいは流水許可についていろいろな事務的な内容がある、それにはこれだけの人間が要るんだ、この点については最小限度のものとしてわれわれが要求して、それについてオーケーをもらったというような説明がなければ、当局から査定の結果認められたからここに出しておるのだというのでは、説明にならないと思うのでありますが、この点について御説明を願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/54
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055・小熊清
○小熊政府委員 説明が足りませんで申しわけありません。河川管理事務のおもな内容といたしましては、ただいま御指摘のような河川の台帳を調製して保管する、また流水の占用の許可をする、河川区域内の土地の占用の許可をする、あるいは河川区域内の土地における土砂、砂の採取の許可をするといったような、台帳の整備事務とかあるいは各種の許可専務といったようなものが、おもな内容になっておるわけであります。それらの許可件数等の最近の数字をちょっと申し上げてみますと、河川区域内の土地の占用のものが相当多いわけでありまして、一年間に約四千九百件ございます。また河川区域内の土地における土石等の採取の許可、これが千六十件ばかりでございます。そのほか、区域内の土地の工作物の新築等の許可、あるいは流水占用の許可といったようなものが、また二百数十件ございます。許可のおもなものについて年間の件数を申し上げますと、さようなことであります。これに対して、これまで道庁のほうでは、ただいま申し上げましたような石狩川の河川管理の事務を処理するために、これは補助員を全部含めた話ですが、九十一名の人員がこれに従事しておったというふうに道庁のほうから聞いております。これを今度国が直轄管理をする。したがって、開発局でこの事務を行なうということになるわけであります。ただ、御承知のように、石狩川水系が一級河川になりましても、石狩川の支川、派川を含めた全河川が、国の直轄管理になるわけでは必ずしもございません。従来から国で工事していない支川、派川等を主として、相当部分を道の知事に河川管理を委任するという区間がなお残るわけでございます。したがいまして、道で従来従事しておりましたこの九十一名という職員が、そのまますっかり国の事業に振りかわるというわけではないのでありますが、国の直轄管理としてやる部分についての道の従事職員に見合う分は、当然に国に振りかわってくるわけであります。その分といたしましては、従来開発局で担当しておりました事業からいたしますと、全く別の新規の業務でございます。それに対して最低限度の要員は定日として確保しなければ、一級河川の国の直轄管理を十分にやってまいるためにはなかなかむずかしいということで、実情をいろいろ訴えて行政管理庁なり財政当局と折衝した結果、最小限度ではございますが、十一名という増員を見たわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/55
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056・村山喜一
○村山(喜)委員 もちろん支川等は除きまして、その直轄する区域だけにとどまるわけでありますが、九十一名もかけてやっておったものが十一名でできる。一体そういうようなことは可能であるのかどうか。そうすると、いままで道庁の場合には、もちろんこれは区域がちょっと違いますけれども、九十一名も石狩川にかけておったということは、きわめてむだな行為をやっておった、こういうふうにも受け取れるわけでありますが、一体十一名は道庁の職員を移しかえをされるわけですか。それとも新たに採用して、もういままでの河川の管理とは別個のもので出発をされるつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/56
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057・小熊清
○小熊政府委員 北海道のほうで九十一名これに従事しておるという数字は、道庁のほうからその概数を取りましたものを申し上げておりますが、その内容についてはさらに念査をしなければ、それと国の直轄管理として新たに必要とする人員との突き合わせというものは、そのままではできないかと思います。ただ、先生おっしゃいますように、とにもかくにも道では九十一名かけておったのに対して、国では今度新たに十一名というのではきわめて少な過ぎて、国で行なう河川管理に支障があるのではないかという御質問でございますが、このたび山口の増加をいたします十一名は、開発局の地方出先機関にそれぞれ開発建設部というものが札幌、旭川とかにございます。その開発建設部のさらにまた工事実施のための機構として、工事事務所とか出張所というものがございます。その機構の中の開発建設部の河川管理の担当課に主として増員を予定しております。それで実際の、たとえば占用の許可とか、そういうものがうまく守られておるかとか、あるいは流水の状況を調べて回るといったような河川の監視事務がございますが、これについては、建設部所属の現場第一線の職員、これは今度新たにできる河川管理はやっておりませんけれども、河川の改良工事に伴うところの維持補修とか、そういうものは相当やっておるわけであります。それらの職員が、事務をある程度簡素化いたしたり、あるいは能率化する、またあわせて今度道のほうから移管になります許可事務等についても、これをなるべく能率的にできるように考えていくというようなことで、いろいろくふうをこらしまして、この十一名ということでやってまいりたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/57
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058・村山喜一
○村山(喜)委員 私は、二十名ぐらいでやっておったのを十名ぐらいでやるというのなら、行政能率の効果的な運用面からできると思う。しかし、九十一名でやっておったのを十一名でやる、これはどう考えても、何か省略をしなければ、その点はうまくいかぬのじゃないか。支川にかけておったものが半分だといたしましても、五十名ぐらいでいままでやっておったものを十一名でやる。そうなりますと、たとえば土砂の採取の許可を与える、この許可権を管理事務として握るわけでありますが、最近の土石の採取業者というものは、きわめて横暴であります。それの見回りというようなものも、ただ一人で河川の監視に出かけていって、盗掘、無許可で採取をしておるものを児つけましても、それに対して文句を言うと暴力を振われるというようなかっこうのものが、往々にしてあるわけであります。そういうようなものを取り締まる河川監視というような立場から見た場合に、はたして十一名でやっていけるかどうか。この点については、話をお伺いしておりますと、きわめてどうも不安な感じがいたすのでありますが、この十一名でやっていけるのだという自信がおありなんですか。それとも先ほど質問をいたしました、その職員は道庁の職員を切りかえるのか、切りかえないのか。これについてはお答えをいただいておりませんので、その点もあわせて御回答願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/58
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059・小熊清
○小熊政府委員 新しい河川管理の専務が、四月から発足することに予定されております。ただいま開発局のほうでは、現在道でやってております河川管理の実務の内容等についていろいろ聴取もし、また打ち合わせも十分遂げて、道の管理から国の管理への移行が円滑に行なわれるように協議中でございます。仰せのように、十一名という数ではまことに少ない、特に道の九十一名という、これは石狩川全水系でございますが、これに比べれば少ないという感は、おっしゃるとおりでございます。繰り返すようですけれども、全般的な事務の能率化等によって何かと新しい専務を円滑に遂行したいと思って、現在鋭意局のほうで実施計画を練っておる段階でございます。
それからお答えを落として申しわけございませんでしたが、この増員につきましては、ただいまのところ、開発局のほうで新たに人員を採用するというつもりでおります。
なお、道のほうで従来河川管理に携わっておった人員はどうなるのかということでございますが、道のほうで管理しなければならない河川というものが、これまた二級河川が相当ございます。しかも御承知のように、北海道は治水の対策がどちらかというと立ちおくれておりまして、いわゆる道費河川でも、全然手のついていない河川が相当数あるわけでございます。これらのほうに道としてはいままで振り向け得なかった力を向けていくということになろうかと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/59
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060・村山喜一
○村山(喜)委員 その苦しい答弁は、これ以上聞きません。その点ははしょります。
ここで増原国務大臣にただしておきたい点がございます。といいますのは、いまこういう一級河川が国の直轄になり、いままで地方公共団体、都道府県知事が所管をしておった内容のものが中央に吸い上げられる。建設省の場合には、一級国道
の場合等も同じような考え方をとっておるわけであります。そうなってまいりますと、あるいはまたその反面、臨時行政調査会の答申書の中にもありますように、運輸省の陸運局の自動車関係のものについては、これを各都道府県に委譲をするという形がとられる。このように、今後行政改革を推進していく場合に、中央にその機能を、権限を集中し、あるいは地方に分散をする。こういう中において、国家公務員から地方公務員に、あるいは地方公務員から国家公務員に身分上の異動が行なわれるわけであります。そうなってまいりますと、やはり行政機構の改革を円滑に推進していくためには、これらの問題についての基本的な原則というものを明らかにしなければならないかと私は思う。その機構改革があるたびに首切りが行なわれるというようなことにならないとも、これは保障できない。ただいま説明を聞いておりますと、いままで九十一名で道庁は管理しておったのだけれども、それを十一名でやるのだ。まことに効率のある行政効果を期持されているようであります。その際において道庁の職員は採用しないのだ、こういうことになってまいりますと、準用河川なりあるいは二級河川その他の河川業務というものが拡大をしない限り、九十一名は、やはりいままで働いておった者が行く場所がないということになる。そういうような問題が、今後やはりこれらの問題に派生をして出てくるのではなかろうかと思うのであります。だから、これについてはやはり方針として基本的な考え方というものを明確にして推進を願わなければならないのではないかと思うのでありますが、これにつきましてはどういう方針をお立てになっているのか、この際お答えを一願っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/60
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061・増原恵吉
○増原国務大臣 行政機構の整理統合、これは御指摘のように中央と地方との関係の問題の場合もありまするが、これを含めまして、整理統合によって人員の整理を来たすような措置はとらない、配置転換ということはありまするけれども、人員の整理ということはやらないというのが、臨調の答申でございまするし、政府としても、この方針を十分受け入れまして問題を処理をしていこう。したがいまして、いま御答弁を申したように、北海道庁におりました者も、これで仕事の場所がなくなって整理をされるということにはならないように、道庁もそういうように考えておるということを申しておりまするし、私どもそういうふうにしてもらうつもりでございます。全体としては地方の事務を中央へ吸い上げる問題、これはいわばたいへん例外的なものではないかと思いまして、むしろ臨調の答申の方向は、中央官庁の事務を、企画と実施にできれば分けて、実施事務は地方庁等に大幅に委譲するということでやるわけでございます。そういうことが多いと思いまするが、そりした場合にも、人員が出際に整理になるという方向はないように、そうして中央と地方との公務員の交流の問題、これは給与その他人事管理全体についての検討と改善が要るわけでございますが、そういうものを行ないまして、中央・地方の交流というものも、従来よりはもっと円滑に、広範囲に行なわれるように考えてまいりたい、その方面の検討をいたしたいというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/61
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062・村山喜一
○村山(喜)委員 その基本方針は了承いたしましたが、では確認をいたしておきますのは、この一級河川の管轄事務が北海道開発庁に道庁から移ることによって、九十一名の職員の身分については、首切りその他はない、こういうふうに確認して差しつかえございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/62
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063・増原恵吉
○増原国務大臣 従来そういうように聞いておりまするし、この点は十分道庁にも念を押しまして、このための首切りがないように、配置転換が適切に行なわれるように、十分連絡いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/63
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064・村山喜一
○村山(喜)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/64
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065・河本敏夫
○河本委員長 山内広君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/65
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066・山内広
○山内委員 開発庁の設置法は、わずか八十名の定員増で簡単な法案でありまして、私も簡単にお聞きしておきたい。
いま村山さんの質疑応答を聞いて、共通した問題をちょっと考えておるのですが、御承知のとおり、十数件設置法が出ておりますけれども、ほとんど若干の定員増を伴った法案ばかりです。いまのような村山さんの考え方でこれを判断しますと、実に解釈に苦しむものがたくさんあります。そこで行管の長官にお尋ねしたいのですが、業務量と定員とは、具体的にどういうふうにして一体きめられるものか。これがたとえば学校の先生の場合だと、一教室四十人とか五十人という考え方に立てば、生徒が幾らですから何名の先生が要るというのが正確に出てくる。こういう開発庁の仕事のような場合、業務量と定員というものは、どうにでも解釈がつくし、大蔵省に対するあなた方の働きかけようによっては、十一名が九十一名まで伸びる可能性もあるわけです。そこで共通した業務童と定員というものを一体どういうふうに考え、どういう尺度で定員をおきめになるのか。一般の考え方ですね。政府は欠員不補充の原則をお立てになった。しかし、現業でどうしてもやむを得ないものは、ある程度のワクをふやしていくことを認めておる。こういうところで定員増を出された場合に、私どもが非常に迷惑するのは、はっきりしたその尺度がないから、はかりようがない。そういう点でどういうお考えがあるか、そういうものが規定されているならば、ひとつお示しいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/66
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067・増原恵吉
○増原国務大臣 事業量と員数の関係は、私もあまり明確に承知をしておらぬところがあるわけでございますが、やはり沿革的なものが大きい根拠になっております。これはしかし事務改修、能率向上というような意味では、だんだんと少数の人で同量の事業量の成果をあげていこうという方向でものを考えていく。まだどういう仕事はどういう事業量に一人というふうには、どうもぴったりとは標準ができていないのではないかというふうに考えるわけでございます。したがって、増員要求がありまする場合には、各省の要求は、大体従来の事業量に対する定員で、ふえた分を若干の事務改善、能率改善ということで、要求をしてまいる。これに対して、行政管理庁は、やはり定員をなるべくふやさないという大きい方針をとっておりまするので、相当厳格に事業量を従来の沿革的なものよりもうんと能率改善をしてやってもらうというたてまえで査定をする。しかし、おおむねこの査定をしたものよりも、大蔵省の財政当局の査定がさらにきつくなって、さらに能率改善といいますか、業務改善を前提とした事業量割り当ての人数で、最後承認をするというのが現実でございます。学校における学級数の、一クラス何名で、学級数において何名――一・何ぼ、二・何ぼというふうなきめ方は、ちょっと多くの官庁における事業量のほうではいたしかねておるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/67
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068・山内広
○山内委員 予算をなるべく使わないという意味で、欠員不補充ということも十分わかりますけれども、それ一本やりでいくと、弊害もまたたくさん出てくるのです。ですから、一つの尺度というものをおきめにならないと、大蔵省は大蔵省の立場でばかり主張する。あなた方は沿革的なものだけで要求する。ですから、たとえば一三・七%予算が上がった。そうなれば、このうちのせめて何%を定員として、もうこれは事務的にふやすんだ、そういうきめ方も一つではないかと思うのです。そればかりもいかんかもしれませんが、いろいろな沿革の上に立って、そういうふうなきめ方をしませんと、九百十九億というかなりな額が開発庁でおやりになるんだけれども、ほとんど定員増というものを見ないし、不補充ということは別に新しく発生した問題ではなくて、前からそうやって押えられているのです。これはたいへんな、私は、業務としては困難な労働強化というものがあらわれておると思うのです。そういうことで、ぜひひとつこの尺度というようなものをお考えになる必要がある。もし行管としてそういうものをつくられたら、私どもにもそういう問題は示していただきたい。各省ほとんど全部定員増が伴っております。そういう意味で、ひとつお願いしておきたいと思うのです。
もう一つ、私一番考えておることは、定員をもし抑制しますと、今度は臨時に人夫賃というのですか、あの予算の中で、事業費の中に入っていって、あなた方からも目に見えない形で実は人を使っておる。そうしなければ仕事をやれないのですから。そうすると、資格のある公務員として任用されるべきものが臨時あるいは人夫賃という形で仕事をやっていく。これは私非常に人権の侵害でもあるし、そういうところから弊害が生じてくると思う。ぜひこの定員の問題はもっと真剣に取り組んで、必要なものはどんどんふやしてやる、そういうことでないと、せっかく予算だけがふえても、それが効率的に使われないということになれば、人を片一方で押えたために、仕事が今度はおろそかになる。これでは何にもならないと思うのです。この希望を私は申し上げておきたいと思います。
それから先ほど長官ちょっと触れてお話があったのですが、いま北海道で問題になっている点たくさんありますけれども、失業保険の受納資格の問題がいまたいへんな騒ぎになって、反対運動が起こっておるわけです。これの解決の一つの方法としては、もう少し入札の時期を考えて、冬季も仕事のできるところは、あるいはできる職種は、冬にも仕事を与えるのだ、この考え方に立ってもらわないと、みんな冬になって仕事がないというので失業保険だけにたよってくる。そうすると、予算が足りないからというので、その資格をどんどん締めつけていく。いままで六カ月働いたものが、九カ月働かなければ失業保険をくれないとか、十二カ月しなければくれない、そういうことは、あなたのほうでも盛んに計画されておる。ですから、もう少し――いまだいぶセメントだっていろいろな方法で冬季もやれる、凍結しない方法がたくさんあるのですから、この入札の時期についても、冬も通して仕事をやらせるのだ、こういう考えで、時期を少し通合した方法で仕事をやらせる、こういうふうにひとつ考え直していただきたい、これについて御意見がありましたら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/68
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069・増原恵吉
○増原国務大臣 御指摘の点は、先般も閣議で問題が提起されまして、北海道その他、現在冬季はおおむね野外の仕事をやっておらないところで、そういうものをやるようなことにすることが、単に失業保険の問題だけでなくて、労務の円滑な需給からきわめて大事なことであるということから、問題がいま提起をされておるわけでございます。この点は、欧米等の寒気のきびしい、相当積雪のあるところで、現在冬季も相当の野外工事をやっておるということを聞いておるので、この面の検討を、場合によっては適任者を視察に出して、実情を見させてこようでないかという話し合いをいましておるところでございます。北海道で現実にやっておりまする問題については、私のほうで一応の検討をしてみたのでございまするが、冬季に工事をするとして、現有の段階では割り増しにならざるを得ない。金額等をはじき出してみますると、現在持っておる技術その他の程度では、相当の割り増し金が出る面と考えあわせて、まだなかなかうまい方法というのが、結論が出ないということでございます。これは全般として、ひとつそういうことを現在やっておるところをよく実地に検討をしてこよう、させてみようということで、十分御趣旨のように考えてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/69
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070・山内広
○山内委員 北海道開発の問題については、私また別の審議会の委員でもありますから、お聞きする機会に譲りまして、この際、北海道東北開発公庫について若干お聞きしておきたい。
前回取り扱いの方法を変えまして、公庫が利益をあげた場合に部内留保ができるようになりまして、国会審議は面接そのものはずばりと提案されてこないわけでありますけれども、非常に国の政策上必要と認めてつくった公庫でありますから、その内容を検討することは、やはり国会として責任があると思いますので、ひとつお答えいただきたい。いま申し上げました従来国庫納付金として国の大蔵省に入る金は、いただきました資料によりますと、利益金正徳六千二百九十六万二千円という額、この額が該当するものと考えてよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/70
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071・北島武雄
○北島説明員 昭和三十八年度の決算におきまして、五億六千二百万円を国庫納付いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/71
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072・山内広
○山内委員 これだけ一つ見ましてもよく仕事をやっておられることはわかるわけですが、ところがその反面に、利子の八分七厘というものは、一つも手がついておらないのですが、ダウンしておらないのですが、この考え方はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/72
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073・北島武雄
○北島説明員 先ほどちょっと御説明が足りなかったかと思いますが、五億六千二百万円は、昭和三十八年度の決算上納付いたしましたが、実は公庫は、三十八年度まで数年間毎年国庫納付をいたしております。私、一昨年の四月就任いたしまして、はたしてわが公庫は国庫納付が適正であったかどうかという点を十分に検討いたしたのでございますが、どうも他の公庫等に比較いたしまして内部留保がおろそかにされて、その犠牲において国庫納付がされた、こう私は感じましたので、三十九年度の予算折衝の際におきまして、従来の滞貸償却引当金への繰り入れの限度を三十九年度から苛めてもらうことに交渉いたしまして、その結果、三十九年度からは国庫納付金は当分出さないことに相なることになっております。したがいまして、いかにも公庫は利益があったのじゃないか、それだから利下げが可能じゃないかというこういう議論も、いままで実は出てまいったわけでありますが、決して内容といたしましては他の公庫に比べてもうかったということではございません。むしろ開発上相当危険な出資あるいは融資をたまにはやはり危険をおかさなければならぬこともございます。したがいまして、滞貸償却引当金はこれは十分に高める必要がありますので、ただ単純にいままで利益が出ておった、なぜ利が下がらなかったか、こういう御議論はまことに御無理のないことと存じますが、公庫の内容といたしましては、そうたくさんに利下げができるということでもございません。
なお、当公庫の利率でございますが、これは当公庫が設立されましたのは昭和三十一年でございますが、それから三十五年一ぱいまで九分の金利でございました。三十六年一月から八分七厘に下がっております。なお、他公庫との関係を申し上げますと、国民金融公庫、それから中小企業金融公庫、これは基準金利九分でございます。それから開発銀行の基準金利、特に地方開発の金利は、当公庫が八分七厘に下げましたのに追随いたしまして、三十六年四月から八分七厘になっております。当公庫といたしましては、低開発地域に対する融資は、やはりできるだけ低利で出すべきだという考えを持っておりまして、毎年大蔵省に対しまして金利の引き下げを要求いたしておりますけれども、これは何しろ金利は単純に当公庫だけではきめられない大蔵省の立場もあります。一般的な金利水準、それから他公庫その他の政府関係金融機関とのバランスがございますので、残念ながらただいままでのところは、三十六年一月から八分七厘、こういうことになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/73
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074・山内広
○山内委員 いま高い金利のほうばかり言われましたが、これはあなたに申し上げる筋ではないのですけれども、政府の金というものは、三分五厘くらいからあるわけです。また、ものによっては利子補給ということでただというようなものもあるし、そのほかまちまちなんで、これは統一する必要があるということは私ども考えておるところなんですが、高いところだけ見ないで、やはり北海道に事業をやって利益があったら還元してやるのだ、そして事業を拡大していくという考え方に立つならば、利子を下げていく考え方が妥当な考えではないか、こう思うわけです。
それから部内留保の問題ですが、これはここの委員会でも議論されたことでありまして、そういう措置がとられたということは、私はむしろ当然のことだと思うわけです。そういうことで、私どもからいうと、国策としてきれいなことばでやってくれるのはいいけれども、高い利子をどんどんとる、そういう印象をぬぐい切れないわけです。一段と御努力を願いたい。
それから最近御承知のとおり、中小企業が非常に倒産が多いということで問題になっておるようですが、資料の出資会社の一覧表というのに、十三口ですか、あるものを見ましても、だいぶ危険な会社が耳に入って、無理な貸し付けをしておる、あるいは出資をしておる、こういううわさも聞くのですが、あなた方が関係しておる北海道の事業はいまどういうふうになり、倒産の問題をどういうふうに考え、あるいは滞貸引当金だけたくさん持ってしまってどんどん貸すということも芸のないことだと思います。どういうように判断されておるか、若干話していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/74
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075・北島武雄
○北島説明員 地域開発の金融というものは、私は非常にむずかしい金融であると考えております。これは普通の商業銀行のように、ただ現実一点ばりということでは、やはり地域開発の任務は果たせない、こう思っております。ただ、初めからどうしても返せないような金は、貸し付けるべきでない。地域開発上効果がある。効果があるが、さしあたりはなかなか収益を生みにくいというものに対して、特に公共的な意味合いのあるものに対しては、当公庫も出資いたしておりまして、それからまた融資につきましても、そのような考えで、最初においては利益が少なくても、将来は地域開発の役に立つ、こういう企業に対してできるだけ、ある程度の危険をおかして融資をいたしてまいったわけであります。滞り貸しにつきましてもこのような開発企業でございますので、必ずしも中小金融とかあるいは国民金融のようなものよりも安全だということにはなっておりません。昨年の十二月末あたりの滞り貸しも、約十四億ございます。残高に対しまして一・四%程度、この程度は政府関係金融機関としてはいたし方なかろうかとも存じておるのでありますが、一方出資会社につきましては、考え方といたしましては、相当公共的なものでありまして、そして私どもは経営に参加する点図はないけれども、道なりあるいは県、市あたりの引当な政策として打ち立てた会社であって、当公庫として当面はやはり利益を生むことはないであろう、少ないであろうが、相当期間にわたってめんどうを見れば、これは地域開発に非常に役に立つだろう、こういう会社を目当てにしていままで出資いたしてまいりました。
お手元に差し上げました出資会社一覧表によりましても、北海道で九社、東北地方で四社、合わせて十三社、出資の合計が現在八億七千三百万円、こういうことになっておるわけであります。これらの会社につきましては、いま言ったような趣旨で、さしあたりすぐ配当を期待できない会社が大部分でございます。しかし、おかげさまで、たとえば北海道の九社うち三社はすでに配当ができる程度になっております。他の会社につきましても、なかなか困難な会社もございます。また昨年不幸にして更生会社になりました北海道木材化学株式会社のようなものもございますけれども、大体におきまして、当初当公庫の考えておりました線に沿って順調に発展しつつあるものと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/75
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076・山内広
○山内委員 事業計画によると、四十年度も出資を三億見ておるようでありますが、これの予定はどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/76
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077・北島武雄
○北島説明員 これは全然ただいまのところ予定ございません。毎年予算を要求いたしますときに、最後の査定で、大体三億程度の出資の見込みということで査定されております。実際にはいままでの出資は八年間で九億足らずでございますから、三億程度の出資の予定でございますれば、大体において充足される。ただ、目下のところ予定はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/77
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078・山内広
○山内委員 協同融資の場合の振り分けというものはあるのですか。協調融資ということばは、あなたのほうの書類でも使っておるのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/78
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079・北島武雄
○北島説明員 協調融資ということばは、金融機関独特のことばでございますが、当公庫の使命といたしましては、当公庫が長期の資金を供給することによって民間の出資または一般の金融機関の融資を引き出す、こういう考え方が公庫法にございますので、したがいまして、当公庫の単独の融資でできるような貸し方はいたさない。必ず当公庫が出資または融資をする場合には、他の金融機関のいわば協調融資が必要だ、こういうことにたてまえ上相なっておりまして、そのように従来から運営されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/79
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080・山内広
○山内委員 私のお聞きしておるのは、それは知っておるのですけれども、その協調する場合の割り振りとか、危険負担とか、そういうものはどういうふうになっておるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/80
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081・北島武雄
○北島説明員 これは、毎年度当公庫におきまして資金のワクがきまりますと、一応各会社の状況を調べまして、本年度はどの程度の資金需要があるだろうということを大体抑えます。それに対しまして、当公庫としてお役に立ち得るのは大体いままで四割見当でございますが、そうすると、残りはどうしても自己資金なり他の長期信用銀行なり市中銀行あるいは地方銀行の融資を伴わなければならぬわけでございます。そういう場合に、当公庫といたしましては、特定の会社から融資の申し込みがございますと、内情を審査いたしまして、これは貸し得る企業であるということになりますと、当公庫としては、資金の制約からいって大体あなたの聖業に対しては四割程度貸せるのだ、あとはどこかの銀行でひとつ調達しなさい、あるいは自己資金なりで調進しなさい、こういうふうに話をしまして、どの銀行とどの銀行で話をつけてこれだけ借りられるときまったということになりますと、当公庫におきましても、その銀行と協調融資を確認いたしまして融資をする、こういうたてまえでやっております。
危険の負担は、当公庫の貸し付けが五千万円でございますればその五千万円に対する危険、金融機関なら金融機関が四千万円ならその四千万円、それぞれ自己の貸した範囲において、その当該の貸した金額の危険を負担するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/81
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082・山内広
○山内委員 最後にちょっと念を押しておきたいのですが、前回土地造成にも融資のできるようになりまして、そのときひとつ心配を申し上げておいたの、ですが、土地は、御承知のとおり、土地ブームでもってどんどん投機の対象になっておる。それに金を貸してまた土地の値上がりを当て込んで買い占めるものに金を貸すというのもどうか、そういう点を厳重に監視しないと、北海道がそういう土地ブローカーに荒らされるということで私心配しておったのです。この土地造成に対して、現在どれくらい金融しておるか。金額とその面積、そういうものをちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/82
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083・北島武雄
○北島説明員 当公庫は、三十九年度の法律改正で土地造成事業もできることになりましたが、実は前から苫小牧港の土地造成につきましては、主務大臣の告示によりまして融資いたしております。昨三十九年四月に公庫法が改正になりまして、一般的に土地造成ができるようになりましたが、これは開発銀行法の改正に伴うものでございまして、当公庫といたしましては、苫小牧地区の土地造成のため以外には、ただいまのところ融資いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/83
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084・河本敏夫
○河本委員長 次会は、明十九日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X00619650218/84
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