1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十六日(火曜日)
午前十時三十七分開議
出席委員
委員長 河本 敏夫君
理事 伊能繁次郎君 理事 佐々木義武君
理事 辻 寛一君 理事 永山 忠則君
理事 八田 貞義君 理事 田口 誠治君
理事 村山 喜一君 理事 山内 広君
井原 岸高君 岩動 道行君
加藤 高藏君 高瀬 傳君
綱島 正興君 藤尾 正行君
保科善四郎君 湊 徹郎君
茜ケ久保重光君 稻村 隆一君
大出 俊君 角屋堅次郎君
中村 高一君 楢崎弥之助君
受田 新吉君
出席国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
国 務 大 臣 愛知 揆一君
出席政府委員
総理府事務官
(科学技術庁長
官官房長) 小林 貞雄君
総理府技官
(科学技術庁計
画局長) 梅澤 邦臣君
総理府技官
(科学技術庁研
究調整局長) 高橋 正春君
総理府事務官
(科学技術庁振
興局長) 江上 龍彦君
総理府技官
(科学技術庁原
子力局長) 村田 浩君
通商産業事務官
(大臣官房長) 熊谷 典文君
通商産業事務官
(通商局長) 山本 重信君
通商産業事務官
(企業局産業立
地部長) 馬郡 巖君
工業技術院長 馬場 有政君
特許庁長官 倉八 正君
中小企業庁長官 中野 正一君
中小企業庁次長 影山 衛司君
委員外の出席者
専 門 員 加藤 重喜君
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三月十六日
委員湊徹郎君辞任につき、その補欠として福永
健司君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員福永健司君辞任につき、その補欠として湊
徹郎君が議長の指名で委員に選任された。
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三月十五日
元南満州鉄道株式会社職員であつた公務員等の
恩給等通算に関する請願(佐々木良作君紹介)
(第一四二四号)
同(加藤高藏君紹介)(第一六七二号)
農林省蚕糸局の機構縮小反対に関する請願(園
田直君紹介)(第一四二五号)
同(下平正一君紹介)(第一四三四号)
同(三木武夫君紹介)(第一四六五号)
同外五件(井出一太郎君紹介)(第一六九〇
号)
同(今松治郎君紹介)(第一七四一号)
旧軍人等の恩給に関する請願(池田清志君紹
介)(第一四三三号)
同(池田清志君紹介)(第一四四四号)
同(池田清志君紹介)(第一四六六号)
同(池田清志君紹介)(第一四七三号)
同(池田清志君紹介)(第一六五八号)
同(池田清志君紹介)(第一六七五号)
同(池田清志君紹介)(第一六九一号)
同(池田清志君紹介)(第一七四五号)
同(佐藤洋之助君紹介)(第一七四六号)
建国記念日制定に関する請願外一件(長谷川四
郎君紹介)(第一四四五号)
同(田中龍夫君紹介)(第一四六四号)
同(地崎宇三郎君紹介)(第一六八九号)
恩給(共済年金)の格差是正に関する請願(砂
田重民君紹介)(第一四七二号)
国立大学教官の待遇改善に関する請願(伊藤よ
し子君紹介)(第一六五四号)
同(椎熊三郎君紹介)(第一六七三号)
同(藤本孝雄君紹介)(第一六九三号)
同(横路節雄君紹介)(第一七四七号)
恩給、年金増額に関する請願(吉川丈吉君紹
介)(第一六五九号)
同(長谷川峻君外二十一名紹介)(第一六九二
号)
特高罷免及び武徳会追放等による警察退職者救
済に関する請願(亀山孝一君紹介)(第一六六
四号)
同(逢澤寛君紹介)(第一六八八号)
日本に帰化した傷痍軍人軍属の処遇に関する請
願(安藤覺君紹介)(第一六七一号)
明治維新百年祭に関する請願(進藤一馬君紹
介)(第一六七四号)
平和の日制定に関する請願(坂田英一君紹介)
(第一七四二号)
同(辻寛一君紹介)(第一七四三号)
同(中島茂喜君紹介)(第一七四四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一四号)
科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一六号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/0
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001・河本敏夫
○河本委員長 これより会議を開きます。
通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、これを許します。村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/1
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002・村山喜一
○村山(喜)委員 今回特許庁の職員の増員が出されておるわけでございますが、三十九年の三月三十一日現在における未処理件数が、五十五万件、三十八年度末は四十八万件であったわけであります。しかしながら、こういうような実情にかんがみまして、定員を国会においても増加いたしたわけでありますが、今回は九十九名の新規、十九名の欠員補充、合わせまして百十八名の増員をした場合に、一体どれだけの処理ができるという考え方をお持ちになっているのか、この点につきまして、年度別の審査件数、審判数の受付処理、滞貨件数等を示して、受け付けてから三年八カ月間もかかるという、そういうような実情にあるという説明でございますが、これらの是正策をどういうふうにお考えになっているのか、その処理方針を示していただきたいのでございます。と申し上げますのは、さきにも触れましたように、昨年は滞貨件数が四十八万件あるということで、この定員を増加してもらえさえすればこれを減少せしめることができるというのが、当時の通産省の説明であったのでございます。増員をいたしましたにもかかわらず、三十九年度末におきましては、未処理件数が五十五万件、前よりも七万件も多くなった。こういうような実情が生まれておりますので、今回定員を百十八ふやすということは、その増員をするということは賛成ではございますが、それだけの人員をふやしましてもなお処理できないのではなかろうかという懸念がありますので、この方針について御説明を願っておきたいのであります。
それから第二点は、実用新案権は、権利を取るのに約三年半かかる。流行は二カ年間で終わる。この実用新案権については、話をお伺いしますと、西ドイツと日本だけが法律によって権利を認められている。他の諸国においては、そういうようなものが認められていない。とするならば、中小企業者がこれに対しまして反対だという意見等もよくわかるわけでございますが、そういう西ドイツと日本だけが法律によって権利を認めなければならない理由というのは、一体どういうわけなのか。これについても説明を願いたいのであります。
なお、工業所有権の保護に関する「パリ」同盟条約との関連から、特許発明実施審議会の答申は、いつごろになる見込みであるのか。これについても説明を願っておきたいのであります。
以上二点について、まず第一にお伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/2
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003・倉八正
○倉八政府委員 滞貨が毎年累積いたしまして、まことに申しわけないと思っております。それで、この滞貨を早く処理し、しかも出願に対しまして早く決定をやるという基本方針はいかがかという村山先生のお問いでございますが、大体その対策として、三つあるだろうと思います。
一つは、人員を充実いたしまして、早くそれを専門的な人に育てあげる、いわゆる人員の充実ないしそれの待遇改善。
それから第二の問題として、最近の出願というのは、非常に複雑になってまいりまして、従来は平均出願ページが四、五ページであったのが、最近は一〇〇ページ、二〇〇ページ、あるいは一五〇〇ページというように複雑になってまいりました。これをどう処理するかという問題につきまして、まずそこで各国の資料の分類をやる。あるいは日本が明治十八年からためております資料を分類的に整理する。そうしてこれの検索を便利にするというのが、第二の点ではなかろうかと思います。
それから第三に取り上げられますのが、たまたまいま先生から第二の質問として御指摘になりました、制度自体をもう少し改善いたしまして、非常に複雑多岐をきわめておりますいまの審査の手続ないしその方法を、もっと時勢に合わせる簡便な方法にできないかというのが、第三の問題でございます。
以上の施策を、タイミングよく、しかもそれを組織的に動かしていけば、今後の滞貨というのは私はだんだん減るということを確信しておる次第でございまして、現在たとえば三年かかっておる特許、実用新案、意匠、商標というのが三年ぐらいあとの状況を見ますと、特許実用新案が一年、意匠、商標が一年ないし半年、こういうふうに促進されるだろうと思います。
それから第二の御質問の実用新案は、他の国でやっているのはドイツだけだ。しからば、実用新案の問題についてどう考えるかということでございます。
これは、日本がこの実用新案を採用しました明治三十二年というのが、資本主義の国としましては非常におくれておった。それでできるだけ国産を奨励いたしまして、日本の国民経済を豊かにするという趣旨からできたのが、この実用新案でございますが、ただ、現在におきましては、従来のままの実用新案を続けておってはたしてこの流れの早い時代にマッチできるかという根本論が出てきていることは、いま御指摘のとおりでございます。したがいまして、今後実用新案を、たとえば廃止するか、あるいは廃止しなくとも、ドイツ式あるいはフランス式の簡易審査に持っていくかという、非常に大きな問題に現在当面しております。
したがいまして、これは第三の御質問の、審議会の答申の時期はいつかということのうらはらになりますが、この問題につきましては、審議会の答申が大体ことしの七月前後に出るということになっておりますから、それまでの間に実用新案の存廃ないしは改正の問題について、はっきりした見通しを立てたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/3
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004・村山喜一
○村山(喜)委員 大まかな御説明をいただいたわけでございますが、出願及び処理の状況についての説明がなされなかったと思うのであります。これはどういう件数になっておるのか、報告を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/4
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005・倉八正
○倉八政府委員 昨年度末、すなわち昨年の三月末が四十八万五千件の滞貨を持っている。それからことしの三月末を予想しますと、約五十八万件の滞貨になるわけでございます。これは一つは、出願件数が、三十八年度に比べますと、本年度のほうが大体七%程度の増加を見たということ。それから処理件数について申し上げますと、昨年度は、これを審査官が処理する能力は、十六万九千件一年に処理できたわけでございますが、今年度は、これを大体一三%上げまして、十九万一千件の処理能力に持っていくということで努力しているわけでございますが、これは本年度といいましてもあと二週間でございますから、十九万一千件の処理能力というものは達することができると考えております。
しからば、来年度の問題はどうなるかということでございますが、来年度は、前年度より出願がさらに六%ふえて、三十万件を突破するだろうという見通し、これは大体そういう数字になろうと思います。その場合に、審査能力は幾らかということになりますと、さらに今年度よりも一割三分をアップいたしました二十三万五千件の処理能力をわれわれは期待しておりまして、この数字は大体かたく実現できるだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/5
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006・村山喜一
○村山(喜)委員 今回百十八名の増員をすることによりまして、未処理件数、いわゆる滞貨件数は減少していくんだ、こういうふうに確認して差しつかえございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/6
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007・倉八正
○倉八政府委員 滞貨と申し上げますと、来年の滞貨はことしよりもふえます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/7
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008・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで通産大臣にお尋ねをいたしますが、毎年毎年申請件数はふえてくる。そして人員を増加しても、なお滞貨件数は増加する見込みだ。こういうような率直な答弁でございます。しかしながら、これは国民の権利に関する問題で、すみやかにこれらの事務的な滞留を解消すべきであるという臨時行政調査会の答申も出されている。それにこたえて、百十八名の増員計画のもとに、新規定員として九十九名の増員をする、こういうようなことで出されたわけだけれども、それにしてもなお期待に沿い得ないということになると、一体大臣は、責任者として、どういうようなお気持でこの定員増加については議会のほうに提案をされたのか。この点について承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/8
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009・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 ただいま長官からもお話を申し上げましたように、工業所有権制度改正審議会の答申が近くある見通しに立っております。私としては、人員を増加いたしまして滞貨処理を進めていきたい考えは十分ございますが、また、他面におきまして、手続の簡素化あるいは出願の早期公開等の従来のやり方を変えていくということも考えなければ、抜本的改革にはならない、こういうふうに思っておりまして、今回人員増加について、大蔵省との間には、われわれはもっと増員を要望したのでありますが、全体の予算のにらみ合わせ、いろいろなことから、ただいま御指摘のような程度で終わっておるのでありますが、むしろ私としては抜本的な改革を進めるべきでないか、かように考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/9
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010・村山喜一
○村山(喜)委員 いまきわめて悲観的なお話しをお伺いしたわけであります。一体通産省としては大蔵省にどれだけの人員の要求をして、そうしたら三年半もかかるような申請の処理についての現状を打開できるのだと、一応の目安を置くかなければ、行政というものは成り立たないと思うのであります。流行は二年くらいで終わるのに、新案特許の申請は三年もかかる。それが許可されたころはもう流行期を過ぎているというようなかっこうになる。これでは何のための国民の権利が保障されるかということになるわけです。そういうような意味から、一体何名要求して、こういうような原案になってきたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/10
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011・倉八正
○倉八政府委員 私がさっき答弁しましたのが非常に誤解を与えたと思いますが、来年減らないというのは、来年がピークになりまして、それから毎年毎年減っていくわけでございます。と申しますのは、御承知のように、特許とか実用新案とかの審査官のいわゆる審査能力が、初年度に一〇%、二年度に六〇%、三年度に九〇%、四年度に一〇〇%というようにずっと増加していきますから、ことし、審査官は六十七名でございますが、それを採用しましても、すぐその一〇〇%稼働にいかないのでございます。したがいまして、来年が滞貨のピークでありまして、それから毎年毎年下がっていきます。したがいまして、来年度は、御指摘のように、この滞貨というのがことしよりもふえる見込でございますが、その以降におきましては、毎年大体七%の出願の増加というのを見込みますと、毎年減っていきまして、来年がピークになる、こういうふうにひとつ御了解願いたいと思います。
それから、いま御指摘の、ことし幾ら要求したかということでございますが、ことしは審査官というのを大体百四十名われわれは要求いたしまして、そうして実際上の増員というのが大体九十二名だったと思いますが、六十七名の審査官、ところが、このほかに定員の不補充解除によりましてさらに十九名ふえますから、八十六名の定員を増加したということの数字になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/11
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012・村山喜一
○村山(喜)委員 苦しい答弁を承ったですが、その定員の確保は、法律が通ったら可能でありますか。といいますのは、最初採用された年には一〇%しか効率が上がらない、こういうことになりますと、二年くらい訓練をして、だんだん四〇%、六〇%の能力を持つようになったころに、そういうような特別の機能を持っておる者は、ほかの官庁、民間関係でほしい、こういうことになってくると、待遇がよくないというようなことになりますと、そちらのほうに移っていく、こういうことになってくるかと思うのでありますが、採用の見込みは十分あるのかどうかということについてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/12
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013・倉八正
○倉八政府委員 審査官の採用は、これは人事院あるいは行管と話をつけまして、四月一日採用予定の者をすでに六十六名確保しております。それから残りの者につきましては、たとえば省内の人員配置だとか、あるいは最近よその省からも審査官としてきたいという希望がありますから、そういう方々で全部埋める、こういうことでございまして、新規採用の確保は、これは十分できます。
あとのほうで御指摘になりました、逃げないよう確保するにはどうするかという問題でございますが、これは非常に頭の痛い問題でございまして、結局給与の問題になろうかと思いますから、この給与の問題につきましては、現在でもすでに普通の一般職員よりも相当程度の調整額をつけておりますが、さらに今後の問題としまして、これを通し号俸にする、あるいは待遇改善ということをいま人事院と折衝中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/13
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014・村山喜一
○村山(喜)委員 その問題はしばらくおきまして、次に、文部省が御承知のように商品の図案を著作権法の対象として保護する意向を示し、著作権制度審議会に審議をさせておるわけであります。そこで問題になりまのすは、工業所有権であります意匠権との関係が出てくるわけであります。さらにまた、これは産業政策との関係が当然生まれてまいりますし、憲法二十九条に掲げておりまする財産権の問題とも関係が生まれてくるわけでございます。したがいまして、このことはきわめて重大な問題になろうかと思うのでありますが、著作権等は、御承知のように無体財産権として特別法によって保護されているわけであります。この著作権の対象として商品の図案というものを考えていくということに方向が進められておるわけでございますが、これについては通産省としてはどういう態度で臨んでいかれるのか。この問題は、憲法二十九条に定める財産権の保障の問題、並びに財産権は、これは公共の福祉に適合しなければならないということになっておりまするので、憲法の解釈の問題にも関連をする重大な問題でございますし、さらに個人的な生存権としての財産が保障されるというような問題にも関係が出てくる問題でございますので、文部省の考え方、通産省の考え方、いずれもそれぞれの理由はあろうと思うのでありますが、通産大臣の見解をお尋ねしておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/14
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015・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 意匠権も著作権も、ともに財産権であるということには変わりがないと私は思います。ただその際に、意匠権の存続期間と著作権の存続期間に大きな差があるという点については承知をしておるのでございますが、別段保護の期間が違うからといって、私は特に問題ではないと思います。憲法第二十九条の「財産権は、これを侵してはならない。財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」という趣旨にもとることはないというふうに私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/15
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016・倉八正
○倉八政府委員 いま憲法二十九条の財産権の問題につきましては、大臣がお答えしたとおりでございますが、最初の御指摘になりました図案、いわゆる意匠権を文部、通産の間ではどういうふうに考えておるかというのが、御質問だろうと思います。著作権においては、いま図面ということを保護対象としておりまして、その図画の中に図案を含むか含まないかという解釈が、従来から非常に学者の間では問題であったのでございまして、あるいは含むという人もあろうし、あるいは含まないという人もおりまして、非常にその点が学理的には問題があったわけでございますが、実際上の問題としましては、いわゆる図案を意匠に持っていきたいという人は、そのつど意匠の登録をしておりまして、一つも支障がなかったのでございますが、今度の場合は、図案を著作権の対象にはっきり入れたいということから、いまいろいろの問題が出てきておるわけでございます。それでわれわれとしましては、図案というのはなるほど意匠に似たようなものではあるが、それはあくまで著作権の対象である、複製できるというのが図案であって、それをすぐそのまま工業権に利用いたしましてつくるということになれば、図案は公示もされない、公開もされていない。それを工業家がその図案で、ある場合は模様をつけ、ある場合はこういうたとえば灰ざらのような模様をつけるという場合に、工業化した場合に非常に不安定こなる。したがいまして、今後図案と意匠の関係をどうするかということで、いま文部省と鋭意折衝中でございまして、いまのところは文部省におきましても、工業上の利用と著作権という一つの創作権の保護とをどうかみ合わせるかということで非常に研究を進めておりますが、大体その調和点というのは、複製権をたとえば五十なら五十にしよう、それ以上のものは、意匠権に持っていきまして、著作権と意匠権の共存をはかりたい、こういう線で両省は話を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/16
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017・村山喜一
○村山(喜)委員 どうもはっきりしないのです。ベルヌ条約によりますと、第二条に素描、絵画というものが取り上げられまして、第七条によって保護の期間が著作者の生存期間及びその死後五十年とする、こういうふうに規定づけられておるわけであります。ところがもう一つの万国著作権条約によりますと、これは死後二十五年からなる期間より短くてはならないという規定はありますけれども、しかしながら、その範囲内においては法律によって各国が定めができるということに相なっておる。したがって、万国著作権条約並びに文学的及美術的著作物保護ニ関ス「ベルヌ」条約、両方とも日本政府は批准をしているわけであります。そういたしますと、無体財産権として保障されておりますこれらの著作権等につきまして、死後何年間保障をするかという問題と、さらに意匠法によるいわゆる保護期間というものとの間には、若干の期間のズレがあるわけであります。意匠権は十五年間ということになっておるわけでありますが、そういうような問題に関連をして、今回の国会にも著作権法の一部を改正する法律案が提案をされまして、年限を延長するという法律案が出されておるわけであります。いま三十年を三十三年にする、行く行くはこれをもっと長く延ばしていきたいという考え方が、著作権の対象になっておる人たちの考え方であります。とするならば、この意匠法に基づいて十五年間の意匠権が保障されるということでは不十分なのか、著作権法に基づいて三十年なり三十五年も、本人が死んでからなお後においても保障をしなければならないものなのか、この問題については、やはり繊維業界とか雑得、業界の諸君に言わしめたならば、きわめて重大な生活権の問題に関係が出てくるので、そういうような立場から、この工業所有権であります意匠権なり、あるいは無体財産権に属する著作権との調整の問題が、当然出てくるわけであります。それに対しまして、通産大臣はどういう御所見をお持ちになってお話しの方向を進めようとしておられるのか。前に文教委員会の委員長もしておられた大臣でございますが、これらの著作権の問題をどのようにお考えになっておられるのか、このことをお伺いしておかなければならないと思うのでございます。先ほどの答弁は、憲法の解釈問題だけに終わりましたので、通産省としての態度というものをこの際お示しを願っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/17
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018・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 意匠法の保護対象が、工業製品の形、模様、色などにあらわれる外形であり、また著作権については文芸、芸術、美術の保護を趣旨とする、こういうことで、通常は両方は重復してない、画質しておると私は思うのであります。なかなかむずかしい問題でございまして、私のようなしろうとが簡単にお答えをするのはどうかと思うのでありますが、御承知のように、著作権制度の審議会もございまして、いまのような問題点について研究をしていただいておりますので、その答申にまちたいと思うのでありますが、長官からとりあえず現状についての御説明を申し述べさせることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/18
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019・倉八正
○倉八政府委員 意匠権の期間と、それから著作権法に基づく図案の期間の問題に関連する問題だと思いますが、その著作権によりまして、たとえばこういう柄の図案をつくったという場合には、それはその人の生存中プラス死後三十三年、こういう図案についてこの方は著作権に基づく権利を有しておられるわけでありますが、それを意匠法に持っていきまして工業的に多量生産をする場合には、意匠法は十五年であります。と申しますのは、たとえばこういう柄をつくった場合には、この意匠権に基づく保護をそんなに死後三十三年までも与えてほか使わせない、独占権を与えるというのは、産業の動きの激しいときにあまり行き過ぎではないかということで、各国ともこういう制度をとっているわけでございます。したがいまして、たとえばこういう図案をつくった場合に、これを著作権では生存中プラスの三十三年、ところがこれを意匠法に持ってきますと十五年、十五年が過ぎたらどうなるかといえば、本来の著作権法の図案に基づきまして、またその方が死んでしかもプラスの三十三年まで続くということで、産業の育成ということと個人の創作権の尊重という二つの目的をどこで調和させるかという意味で、そういう期間につきまして差異が設けられたのでございまして、この問題につきましては、われわれとしましては非常に関心がありまして、さっきの御答弁を繰り返しますけれども、文部省ともこの図案の問題と意匠権との関係ということについて、さらに掘り下げた研究をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/19
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020・村山喜一
○村山(喜)委員 私がその問題を何回も質問をいたしますのは、現在意匠権の出願及び処理の状況を見てみますると、三十九年の推定では、未処理件数として五万五千九百十五件になるであろう。これに対して審査官を三十一名充てておるんだけれども、なお昨年の四万二千件に比べて一万三千件もふえておるという問題がある。そういうようなのを片一方にかかえながら、今度著作権法の対象としてこの図案権というものが認定をされるということになってまいりますると、その著作権というのは、創作と同時に登録をすることによって自動的に権利が発生をする。図案を購入した業者が意匠法によって登録をしても、その図案を使うときには、その図案のいわゆる著作権法による権利を持っている人の許可を得なければ使えない、こういうことになるわけであります。そうなってまいりますと、現在の工業用に利用できる意匠としては、これを意匠権として十五年保護しているんだが、そういうようなものでも、なお個人の権利を尊重できないと言えるかどうか。そしてそれができないとするならば、現在の意匠権、意匠法の内容を改正しなければならないということにもなりましょうし、著作権法の改正の方向とやはり関連性が生まれてくると私は思うのであります。そういうような点から考えてまいりまして、実用新案法による実用新案権は十年というようなことで、西ドイツと日本ぐらいしか保障してないというのは、そういうような個人の発明、発見にかかわるような権利も、やはり国民の公益というものに対して報いなければならないという問題が、当然の問題として私は考えられていかなければならないと思うのであります。そういうような立場から考えてまいりました際に、やはり私権は公益に従うという原則を明確にしていくという立場と、一体どこまで保障したらいいかということになれば、これは当然公共の福祉によって各人の基本的人権であります財産権を制約をする場合には、人間的な生存を保障するという、そういう立場からの社会、公共福祉という概念で押えていくとするならば、当然そこにはある程度の限界線というものを引いて、そして個人の権利をある程度保障すると同時に、社会の発展に寄与する、そういうようなものについては、そちらの公益の面を重く見ていくという立場をとらなければならない。ただし、現在の意匠法に基づく意匠権が、発明をいたしました人たちよりも、その業者の人たちといいますか、企業者の人たちによって意匠権が非常に冷遇されている、こういう状態があるとするならば、これは当然その意匠権を設定をした人の権利を守ってやるという立場から考えなければならない問題でありまして、この権利が十分に守られていないというのが現状であるかどうか、そこら辺の問題はあろうかと思うのでありますが、私がお尋ねをいたしておりまするのは、そういうような今日の出願及び処理の状況という問題を見てまいりまして、現在の処理の能力、期間、そういうようなもの等から判断をして、十分な状態にあるとは思えないのでございまして、そのような意味でやはり商品図案の著作権法の審議が行なわれておりますときには、通産省としては通産省の立場というものがあろうかと思うのであります。その点を明確にしなければならないのではないかと思って、先ほどから質問をしているのでありますが、それについては、ただ調整をしなければならないという、私たちが言うようなことをあなた方が述べておられる。これでは話にならないわけですが、通産省としての態度は、どういうような態度なのか、これを明確に説明を願っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/20
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021・倉八正
○倉八政府委員 通産省の立場といたしましては、要するに著作権という半ば人格権に基づく創作権を保護すると同時に、産業的にそれがどうスムーズに意匠として利用できるかというのが、通産省の基本的な態度でございまして、いわゆる両権が共存していくというのが、これが通産省の基本的な態度でございます。ただ、やり方につきまして、図案なら図案を一枚だれかがつくりまして、そしてそれを繊維の柄模様に利用する、あるいは灰ざらの模様に利用するという場合には、その図案がどのくらい工業価値があるかということは、非常にむずかしいのでございまして、はたしてそういう柄に向くか、あるいはそういう物質体にそれが似通うかという問題は、むずかしいのでございまして、その経済的な働きを著作権の人格権尊重と調和する点というのは、やはり著作権に基づく図案は図案としておやりください、ただこれを工業的に利用する場合には、できれば意匠法に基づく意匠の登録をしてくださいということになれば、そこで両方が安んじて共存できますし、しかも図案をつくった方の人格権の尊重にもなるし、片や産業の伸展にもなる、こういうのが、われわれの基本的な態度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/21
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022・村山喜一
○村山(喜)委員 どうも説明を承りましても、なおはっきりしたものの言い方がない。片一方においては著作権法の保護を厚くするという考え方にも賛成にとれるし、あるいは現在の工業所有権に基づく権利で十分だ、そういうような意匠権についての保護が十分なされているとも受け取れるし、それらの調整をするというような意味にもとれるし、一体日本の産業を発展させるという立場から、著作権法の対象として取り上げることが妥当であるとお考えになっていらっしゃるのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/22
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023・倉八正
○倉八政府委員 図案が著作権の中に含むかどうかということ自体が、われわれの立場からいえば非常なる問題でございます。ちょっと紙にかいた柄模様とかあるいは菊の花などが、それを著作権法に基づいてこれは自分のものであって、死後三十三年も自分の権利だということを主張されるのは、非常にむずかしいのが一つ。なぜむずかしいかということをもっと申し上げますと、工業所有権だったら、はっきり公開されまして、これはだれだれの特許権なら特許権、意匠権なら意匠権ということがわかるのでございますが、図案というのは、公開制度も登録録制度もありませんから、たとえば私が図案をかきまして机の中に入れておっても、それは私の著作権に基づく図案だということになりまして、今度はそれに似たようなものをだれかがつくると、それは自分の著作権を侵したんだ、そういう争いがたびたび出ますと、実際、繊維であろうと、雑貨であろうと、あるいは機械だってそうでございますが、非常に混乱を生じるのでございます。それで、私たちがさっきから先生からはっきりわからぬことを言うなというおしかりを受けておる調和というのは、著作権に基づきまして、図案が図案として認められても、それを工業化する場合には意匠の登録を受けてください、こうすれば、両方の権利が生きまして、しかもそれを利用する方は安心して利用できる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/23
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024・村山喜一
○村山(喜)委員 大体わかりました。もうこれ以上触れませんが、この前通産大臣が参議院の予算委員会に招かれて中座されましたそのときに、お答えを願っておきたいということで、一つだけ申し上げておった問題が残っておりますので、お答えを願っておきたいのでございます。
それはいわゆる南北問題でございます。低開発国の経済援助の問題、これに関連をいたしまして、先般外務大臣に海外経済協力基金の使途の問、題等について説明を願ったのでありますが、まことに不満足な答弁の結果になっております。しかも、これは臨時行政調査会のほうからの勧告意見の中にも明確に示されて、政府の指導的な政策に基づく事業に海外経済協力基金に充てるべきである。そしてそこに、日本の今後の貿易政策という問題においても考えていかなければならない問題だということが示されているわけです。ところが、最近新聞を見ておりますと、韓国の問題も南北問題であるというとらえ方をしている人もおるようであります。あるいは台湾の国府に対して経済援助というか、そういう問題が新聞にも報道されているわけでありますが、そういうような問題、さらに東南アジアは、日本の市場性がだんだん薄らいできた、こういう観点から、この際貿易政策の転換をすべきではないかという意見等も内々出されてきつつある。こういうようなときにあたりまして、一次産品の国際的な価格はますます下落をしていく。こういう形の中で、国内においてはまだ近代化されない中小企業をかかえている日本、しかも国際収支については、これもまだ十分な回復を示していない日本、しかしながら、もう国際的には工業的な先進国としては位置づけられている日本である、こういうようなことからいくならば、当然後進国の開発という問題に協力をして、開発輸入もしなければならない。そうしなければ、南北問題というものは解決ができない、こういうふうにわれわれは考えるのでありますが、一体通産大臣としては、輸銀の使用の問題等もありますけれども、韓国の問題は南北問題としてお考えになっているのか。台湾のいわゆる円借款の問題について新聞等にも出されておりますが、これらについてはどういう態度をお示しになっているのか。そして、後進地域の開発の問題、貿易促進の問題については、どのような立場から臨んでいかれるのか。国内の中小企業との関係は、先般もお尋ねをいたしましたが、日本の中小企業は、近代化して高次なものをつくって売り出していく、こういうような説明がなされました。とするならば、開発輸入という問題については、どういうふうにお考えになっているのか。やはりそこには一貫した通商政策というものがなければならないと思うので、これについてのお答えをこの際願っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/24
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025・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 まず第一に、韓国、台湾は後進国であるかどうかということにつきましては、国連貿易開発会議において後進国の扱いを受けております。したがって、日本としてもその解釈に立っておるわけであります。
それから経済協力の問題でございますが、外務大臣と私とは意見は一致しております。長期低利の円借款を与えるとか、一次産品の開発輸入のために与えるとか、経済協力の基金は、そういうような性格を持っておると思うのであります。私といたしましては、現在の東南アジア諸国との貿易の関係については、先般もお話がございましたように、片貿易の状況にございますので、これが改善に努力をしなければならないのは当然でございますとともに、日本はすでに先進国としての位置づけをされておりまして、国民所得の一%の後進国援助を目標としておることも、論をまたないのでございます。しかるに、六三年二億六千五百が程度でございまして、〇・五ぐらいの援助額になっておると思います。今後後進国、援助をさらに拡充しながら、しこうして、ただいま申し上げた開発輸入や、あるいは円借款供与に伴いまして、後進国の力がついていく、そのことによって貿易が改善されることが好ましい、こういう方針をとっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/25
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026・村山喜一
○村山(喜)委員 時間もありませんので、私あまりしゃべらないつもりですが、台湾、国府の経済援助の問題については、東南アジアの国々から、台湾はすでにもう経済的には中進国ではないか、こういうような指摘がされた。そういうところに円借款の低利資金を相当大きな金額貸与する、こういうような立場に立ってまいりますと、当然経済開発のおくれております東南アジアの諸国からは、台湾とだけは非常に緊密に日本政府はやっているけれども、われわれのことは考えてくれていないじゃないか。何となれば、開発基金にしても、ネットベースで三億六千万ドルぐらいあったものが、一億二千万ドルぐらいこの三カ年間ぐらいの間に減っている、こういうような実情を見ていった場合に、われわれのほうには協力をしないで、そういう中進国にすでになっている台湾のようなところに協力をしているのはけしからぬという声が、片一方においては出てくる。しかもこの問題については、当然台湾の国府対中国の北京政府との関係があるわけであります。そういうような立場から、この前お伺いしましたように、ジェトロの海外機構等を調べてみれば、共産主義圏の貿易推進についてはほとんどそういう体制はつくっていない、そういう機構もないというような状態の中において、韓国の問題、台湾の問題、こういう面だけを重視するような経済政策といいますか、貿易政策がとられているところに、非常に大きな問題があるのではないかというふうにわれわれも考えるのでございます。これらについては輸銀の使用との関連性があるやに聞くのでありますが、その点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/26
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027・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 台湾、韓国について特に重点を置いておるわけではないと思うのであります。たまたま最近韓国、台湾との間の借款問題等が具体化しつつあるということから、多少クローズアップされたきらいがあろうと思いますが、過去何年かを振り返ってごらんいただきますならば、必ずしもこの両国に私どもが重点を置いておったということではないと思います。また、今後におきましても、そういうような傾向をなるべく排除をいたしまして、現にインドネシアやあるいはインドなどとの間に種々話が進みつつございまして、これらについても積極的な意図をもって解決をしていきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/27
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028・村山喜一
○村山(喜)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/28
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029・河本敏夫
○河本委員長 角屋堅次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/29
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030・角屋堅次郎
○角屋委員 通商産業省設置法の一部改正につきましては、すでに同僚稻村委員あうるいは村山委員から、それぞれ質問が展開されてまいっておるわけでありますが、私も、引き続きまして重要な数点について御質問を展開いたしたいと思います。政策的な問題につきましては大臣から、技術的な、専門的な部面については各局長、長官からでけっこうでございます。
ただ、質問に入ります前に委員に一言お願いをしたいわけでありますが、今回私内閣のほうに席を置くことになりまして、各行設置法の関係等の議論に参加をしておるわけでありますが、従来私がおりました委員会の経験からいたしますというと、各省設置法の一部改正の問題について、各省から委員会に提出されるところのいろんな説明資料がほとんどない。あるいはきわめて不十分である。文部省等から若干、丁寧ではありませんけれども、説明資料等が出ておりますけれども、提案理由の説明、法案要項、あるいは法律の改正案、この程度であって、あとはひとつ十分いろいろ検討されて御審議願いたい。これが従来の内閣委員会の伝統かどうか知りませんけれども、しかし、少なくとも法律の改正をやるということにつきましては、やはりそれだけの必要があり、またそれ相当の各省の主張というものがあって、そして法改正に前進するわけであります。その点では、もちろん必要なものについては、委員の資料要求によって資料が政府によって提示をされるわけでありますけれども、提案者側としては、これは通産省に限りません、各省ともに審議をするのに十分、とは言いませんけれども、必要な資料は、積極的に提出をして委員会の審議を助ける、こういうことが望ましいと思うのでありますが、今日まで出てまいりました各省設置法の一部改正についての説明資料というのは、われわれが議論するのに参考になる程度のものがほとんど提示されていない。これは内閣委員会の従来のしきたりや伝統であるということだけでは、私済まされないと思いまして、そういう点は積極的に各省からも御提示願うというふうに、今後お取り計らいを願いたい、こういうふうに思います。
通産省設置法の一部改正の今回の改正案は、通産局を分離をいたしまして、通商局にさらに新たに貿易振興局を加える。あるいは人員の関係で、特許庁を中心にいたしまして百三十九名の増員を行なうという内容の問題でありますが、申し上げるまでもなく、通商産業省という役所の任務、あるいは役所の性格というものは、非常に広範かつ複雑多岐にわたっておりまして、各省の中でもその比重は非常に大きいというふうに思います。私の理解をするところでは、通商産業省は、一つの重要な問題としては、通商政策あるいは貿易振興という面における中心的な役割りを果たしていかなければならない。同時に、国内の産業政策という面では、農林水産業関係は農林省というところで担当することになりますが、全般的な産業政策という問題については、やはり通商産業省が中核的な役割りを果たしていくという任務を持っておると思います。また同時に、最近の経済産業の発展に伴います保安の問題、あるいは公害の問題、こういう面についても、重要な役割りを果たしておる。大きく分けてこういう三つの役割りを果たしておる官庁として、各省の中でも非常に重要な省だというふうに理解をいたしておるわけでございます。櫻内通産大臣が、通産政策の方向と重点として四項目述べておられるのを承っておるわけですが、その中では、輸出の振興と低開発国対策の拡充、中小企業施策の画期的な拡充、国際競争力強化のための産業の質的充実、産業保安の確保と産業公害の防止、こういう四つの方向と重点を新年度の施策の方向としてお述べになっておるというふうに理解をいたしておるわけであります。
そこで私は、まず通商貿易、こういう問題から若干の点についてお伺いをいたしたいと思うわけでありますが、この点では関係委員からもいろいろ出ておるわけですが、ずいぶん議論すべき問題が多いと思います。
まず第一は、今日までの貿易の伸展の中におけるアメリカであるとか、あるいはヨーロッパであるとか、あるいは東南市場であるとか、あるいは大洋州関係であるとか、あるいは共産圏貿易であるとか、そういうところにおける日本の貿易のそれぞれの比重というものが説明もされ、また今後の方向として、過去十年間は一五%の伸びをもって成長してきたわけであるけれども、今後は一二%程度の伸びとして、経済の中期計画の中では、昭和四十三年には百億ドル以上の貿易規模になっていくだろう、こういう展望を明らかにいたしておるわけでありますが、そういう貿易振興政策を進めるにあたって、外務省の関係あるいは通産省の関係あるいは農林省の関係というのが、対外面でいろいろと関係が深いわけであります。通産省の関係では、いわゆる諸外国にジェトロの関係においてそれぞれ駐在員その他の機関を持っておるわけですし、またアジアの関係から中近東にかけてアジア経済研究所というものを設置をいたしておるわけでありますが、そこで在外公館における外務省の関係に、通産省あるいは農林省関係から外務省の職員としてそれぞれ在外公館に籍を置いておる、こういう人々の運営の問題に関連してまずお伺いをいたしたいと思うのであります。私どもの承知しておるところでは、通商産業省の関係から在外公館の方に籍を置いておるのは、約百五十名程度というふうに、承っております。もちろんそのほかに、農林省の関係等も在外公館に籍を置いておるわけですが、今後の貿易の振興という問題に関連をいたしまして、過般農林省の関係では大沢次官以下森本参事官がヨーロッパに参りまして、これからの貿易自由化問題、そういうものに対する農林水産業関係の受けとめ方をどうするかということで、ヨーロッパにおいて会合を開いてまいりました。私はこのことは非常に重要なことだろうと思いますが、承りますと、在外公館におる通産省の関係で、そういうヨーロッパなりアメリカなりあるいは東南アジアというようなところについての正規に在外公館におる通商関係の者の会合をやっておらないということを聞いておるわけでありますが、これはもちろん外務省の中におるわけでありまするけれども、しかし、臨時行政調査会でも、この貿易振興の問題については、経済担当の陣容をさらに整備充実する必要があるということを指摘いたしておるわけであります。私は、これは外務大臣、通産大臣等のお話し合いもしなければならぬかと思いますが、いわゆる外務省あるいは在外公館におけるそういう外務省的な性格以外に、貿易通商面では特にそういう経済担当の諸君の地域別な会合等を年に必要なつど持って、そうして全体的な点から、貿易の振興に万遺憾なきを期していくという配慮が必要な段階ではないのか。そういう点では、農林省もそうでありましょうけれども、特に通商政策の実際の実務を推進しなければならぬ通商生産業省として、そういう配慮が今後なされていかなければならぬが、また、そのことは何も外務省権限を侵すものでないのであって、そういう点は十分双方の了解のもとに進めていくという、そういうことが考えられないのかどうか。私は、そういう面については積極的に通産省としても考えていく必要があるだろう。その場合に通商局長が行くのか、あるいは貿易振興局員が行くのか、あるいは通産省の次官が行くのかというふうな問題については、これは技術的な問題である。あるいは大臣等も経済外交推進のために行かれることがありますが、そういうときに開くということもありましょう。要するに私の言わんとするところは、在外公館における通商産業省からの派遣の人員というものを整備すると同時に、定期的にヨーロッパなりアメリカなり東南アジア、そういうところで通商産業省のいわば中心になった性格のもとにおいて、貿易振興、通商政策の推進ということからの会合を定期的に持っていくという、そういう配慮が今後だんだん必要になってくるのではないか。在外公館におる人々のお話等を間接的に聞いてまいりますと、ややもすれば、外国に相当長期におりますと、日本の国内事情、日本の国内の具体的な自分の担当しておる面における政策推進の方向というものにだんだんうとくなってくるというようなことを指摘されておるのでありまして、そういう面からも、総合的な通商政策の推進、貿易振興という面で、いま私が申しましたような点を今後推進していく気持ちがあるのかどうかという点を、まずお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/30
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031・河本敏夫
○河本委員長 角屋君の先ほどの資料に関する御要望につきましては、理事会にはかり、善処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/31
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032・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 ただいまの角屋委員の御意見は、全く私としては同感でございます。今後積極的に定期的な会合をいたしまして、現地の模様を通産省の責任者が掌握をする、また国内の情勢をよく浸透せしめる、これは当然進めなければならない問題だと思います。そこで、従来それでは等閑視しておったのか、こう申しますと、これは弁解でなく、実情を申し上げますと、たとえば前の福田通産大臣がヨーロッパに行かれますと、ヨーロッパにおいてジェトロ及び通産省の出先の諸君を寄せて会合をいたしております。また、私の代になりましてからも、昨年、パリのOECD会議に参りましたときにも、やはり出先の者を寄せて十分情報の交換もいたし、協議もしておるのでございます。さらに市場調査のための、たとえばカナダのモントリオール、あるいはアメリカのニューヨーク、あるいはドイツのジュッセルドルフというようなところで、市場調査のための会議も開いておるのでございますが、しかし、ただいま角屋委員の御指摘のとおりに、今後もっと企画性を持ってこれらの会合を大いにやるべきである、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/32
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033・角屋堅次郎
○角屋委員 いま大臣から御答弁がございましたが、今後、経済閣僚懇談会等で外務省あるいは通産省、農林省と、特に貿易あるいは経済外交の面で中心になるべきところ、そういうところは総合的な計画のもとに、必要に応じて定則的に各省ごとに地域的な会合等も開いていく、こういう面を推進していくことを特に希望しておきたいと思います。
その問題に関連をして、すでに村山委員のほうからも御議論が展開されましたジュトロの問題について、数点伺いたいと思います。
いわゆるジェトロ方式というものが、現在まである程度の役割りを果たしてきたと思いまするけれども、ジェトロ方式の今後の展望というものを一体どういうふうに考えておるのか、あるいはその役割りというものをどういうふうに評価をしておるのか。本年度の予算によりましても、助成金にいたしまして三十二億という相当な予算をつぎ込む段階に来ておるわけであります。しかも、これは私の考え方から申し上げるのでありますけれども、一体ジェトロ方式、ジェトロ機構というものが、国内にも地域的な組織を持っております。それからまた国際的にも出先を持っておりますが、一体ジェトロ方式によるところの機構の整備というもの、人員の配置というものは、国内のほうもさらにだんだん整備をしていくという考え方、あるいは国外のほうも経済の伸展に伴って、必要なところにさらに充実をしていくという考え方をとるのか。むしろ私の見解からいたしまするならば、国内については、通商産業省の出先もあり、あるいは地方自治体等もあり、これはもう今後国内のそれぞれの地域におけるところのジェトロの末端組織というものを整備するよりも、国外における必要なところの配置というものに相当意を用いていくということに考えを置きかえる必要があるのではないかという感じがいたしますけれども、国内においては、地方自治体や通産省の出先機関というところでそういうものをこなし得るような形にしていけば、第二通産省の貿易担当的なものを、国内においても国外においてもつくっていくという必要はないのではないか。もちろんジェトロの運営の実想というものについては、私は詳細には承知しておりませんけれども、国内もどんどん陣容をふやしていく。国外の陣容もふやしていく。ジェトロ方式というものは、そういうふうなことで、通産省のいわば下請的な、民間の貿易商社なり民間の産業関係との間で、そういう役割りを国際的にも国内的にも果たしていくという世話をしていかなければならぬのではないかということについて、おのずから力点を置くところをこの際明らかにしていく必要があるのではないかというふうなことを感じるわけであります。また国外の問題についても、すべてをジェトロ方式でやっていくということは、私は疑問であって、むしろ基本的には在外公館における経済担当のものを充実していくというところに重点を置いて、そうして補完的な役割りとして、ジェトロが国外にそれぞれの出先を持っていく。これは見本市その他についていろいろな役割りを果たしてきたわけでありますけれども、いわゆるジェトロ方式の今後の重点の置き方、運営の考え方というものを一体どういうふうに考えていくのかという点について、お伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/33
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034・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 いまお話の中で問題になりますのは、国内のジェトロの体制だと思います。私も、角屋委員の御論旨にそう違う考えは持っておらないつもりでございます。しかし、国内においていまジェトロが特にやっております貿易相談所のようなものは、中小起業者が海外へ進出していこうというときに、このジェトロがやっておる相談所の効果というものは、また無視はできないと思うのであります。やはり役所よりも、こういうような機関で親しみを持って相談に応じていくというのが、効果があるのではないかと思います。しかし、ジェトロの今後のあり方が、国内よりもむしろ海外に重点を置くべきであるというその点につきましては、これは全く同感でございまして、今後におけるジェトロの活動が、海外における市場調査であり、また日本商品の宣伝であり、紹介である。これは当然の目標であろうと思いますので、私としては、今後一そうそういう面のほうに力を注いでまいりたい、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/34
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035・角屋堅次郎
○角屋委員 ジェトロの今後の運営方式と将来の展望の問題については、私の考えておるような方向でぴしゃっといくということが実際の運営の実態から見ていいのかどうかということは、自分自身としても十分判断できませんけれども、しかし、考え方としては、国内の出先の整備ということよりも、国外における在外公館の補完的な役割りを来たすという面に力点を置いた方式というものを今後の運営の方向として考えていく必要があるだろう、こういうふうに思いますし、それはあくまでも各担当の在外公館の整備が本論であって、それの補完的な面としてジェトロが役割りを果たしていくということでなければならないと思うのであります。いわば通産省の国内、国外における実際の賞貿易の下請的なものとして、両方ともに整備をしていかなければならぬのだという考え方がもしあるとするならば、それは少し誤りではないのかという感じを率直に言って持っているわけであります。
それからアジア経済研究所の問題でありますが、ことしの場合も、四億程度の補助が出まして実際の運営をやっていくのだと思いますが、ただしかし、このアジア経済研究所という研究所の性格というものは、資料などいろいろ見てまいりますと、大体これは大手筋といいますか、産業界の諸君が、いろいろな形でこの計画に参画をしていく。また出資なりその他の面でも関係が出てまいります。一体東南アジア等の今日の国際的な情勢判断からいたしまして、資本の側の考え方の立場に立ってアジア経済の研究をしていくということは、問題があるわけであって、やはりアジア経済研究をやるという立場というものは、資本の側でもなければ、あるいは政府の方針に基づいてということでもなくて、もっと客観的な立場でアジアの経済の実態、それが通産省の場合でいえば、貿易その他の面とどう接点を求めて東南アジアにおける貿易の振興をやっていくか、こういう立場で経済研究はなされなければならぬと思うのでありますが、アジア経済研究所の機構あるいは内容等から見ると——私ども実体がずばりそのとおりであるかどうかということについては、もっと精査しなければならぬと思いますが、まあこういう内容から見ると、ややもすれば資本の側からする要請に基づいて都合のいいような調査、研究という方向になる危険性はないのか。もっと客観的な立場から、特に複雑なアジア情勢については、そういう視点で問題の経済研究等がやられておるのかどうか、こういう点についてお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/35
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036・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 アジア経済研究所の構成あるいは詳しい御説明は局長からせしめますが、いま御指摘のように、資本の側からだけの考えでこの研究所が効いておる、かように私は見てはおりません。アジア諸国と日本との関係はきわめて重要でございますから、ジェトロの活動以外にもっと掘り下げた基本的ないろいろの検討をしていく必要があろうかと思うのであります。たとえばどういうような電源開発をしていくべきであるかとか、あるい日本との原料関係はどうなっておるかとか、日本の商品の販路についてはどういうことが必要かとか、あるいは安定した原料の供給をするためにどのような開発輸入をすべきであるとか、相当掘り下げたいろいろな角度の研究が必要であろうと思うのであります。そのためにこのアジア経済研究所がアジア地域を中心としての基礎的、総合的な研究をしていく、こういうことは当然重要なことだと思います。それが御指摘のような、ただ資本的な考え、経営者的な考えだけでこれをやっていくのだ、これは当然排除すべきでございますが現在そういうような傾向を持っておる、かようには私は見ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/36
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037・角屋堅次郎
○角屋委員 ジェトロの場合あるいはアジア経済研究川の場合の人員の整備についての基本的な考え方の問題についてでありますが、これはたとえば新しい人を採用する場合、大学からくる者をいわば試験による成績第一主義で新しい者を整備していくというふうな考え方が、アジア経済研究所なりあるいはジェトロ人員整備の場合に十分適切であるのかどうかということが、一つ問題だろうと思います。やはりこれらの人員整備にあたっては、そういう試験ももちろん必要でありましょうし、そういうことでやりますけれども、同時に、その人の海外におけるところの日本の貿易振興に果たしていこうという情熱なりあるいは役割りなりあるいは過去におけるそういう問題に対する抱負なり経験なりというふうなものも勘案をした、そういう人員の採用というものもあわせ考えていく必要があるのではないか。私ども従来からアジア経済研究所なりあるいはジェトロなりのそういう人員の採用の面で承っておりますと、いわゆる大学卒業生の新規採用というものに大半の力点を置かれて、海外にもおって、相当留学その他で研究もし、そうしてまた、そういうところからアジア経済研究所なりあるいはジェトロなりに入って活動したいという者の門戸というものは、ほとんど閉ざされておるというふうにも聞いておるわけでありますが、これは十のうち試験主義でいくのが八であるかあるいは七であるかという、そういう度合いは別として、こういうジェトロなりアジア経済研究所の性格から見て、真にそういう機関に働くのにふさわしい者という配慮が、こういうものの人員整備にあたって考えられていくべきではないのか。具体的なそういう問題についての今後の運営について、お伺いをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/37
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038・山本重信
○山本(重)政府委員 アジ研とジェトロの人員の採用につきましては、全くそれぞれの機関に一任をいたしておりまして、自主的に採用をしてもらっております。どういうようなやり方でやっておりますのか、念のために聞いてみたのでありますが、アジ研のほうでは、毎年一回大学の新卒を中心にいたしまして公募をしまして、そうして試験をして適格な人を選ぶ。大体毎年十人か十五人ぐらい採っておるようでございます。うわさでございますが、アジ研は、東畑所長が御存じのようにおられまして、なかなか大学のほうとのつながりもございますので、非常に優秀な人が続けてずっと入ってきておるようでございまして、こういう人たちが育ってまいりますれば、アジ研の本来の任務を十分に達成していけるのじゃないかというふうにいわれております。それからなお例外的には、ごく特殊な研究分野で専門家を必要とします場合には、必ずしも大学の新卒だけではなくて採用した例もあるようでございます。これはもっぱら特殊な分野についてこういう人が必要だというときに行なったようでございます。
それからジェトロにつきましても、大体同じような方針でやっておるようでございます。やはり新規の卒業者を中心にしまして、中にはお話のように海外の経験が非常に豊富で適当な人があれば、そういう人も随時採用することもあるようでございます。
目下のところ、両方とも志願者が非常に多いようでございまして、かなり優秀な人が集まってまいっておるようであります。その中から最も適任な人を選んでおる、こういう実情のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/38
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039・角屋堅次郎
○角屋委員 この問題については、具体的にはお尋ねする気持ちもございませんけれども、アジア経済研究所なりあるいは日本貿易振興会の役割や性格から見て、大学新卒の、しかも試験による成績第一主義ということばかりでは、真にこの種機関の求める人材の整備ができるかどうかという疑念がなしとしないのであって、その辺のところは全体の調和の問題もありますけれども、私が申しましたような点も配慮しながら、実際の活動できる、あるいは真に役に立つような人材を整備するという方向で今後とも努力をしてもらいたい、こういうふうに考えております。
それから先ほど村山委員からも問題の指摘がございましたが、臨時行政調査会の貿易に関するいろいろな問題指摘の中で、先ほど申しました経済担当のものの在外公館の整備の問題等が指摘されております。同時に、先ほども問題指摘のありましたように、通産省が実際に関係しておる輸出入銀行の関係と、経済企画庁が面接に関係のある海外経済協力基金との関係について、業務分担なり運営の問題についてもっと総合的な視点から改善をしていく必要がある、こういう問題指摘が出ておるわけであります。ややもいたしますと、役所のなわ張り根性といいますか、セクト主義がありまして、通産省が輸出入銀行を持てば、経済企画庁では海外経済協力基金のものを持つ、あるいは外務省のほうでは海外技術協力事業団というものを持つというふうなことで、実際対外的な面で外務省も一つの機関を持つ、あるいは経済企画庁も一つの機関を持つ、あるいは通産省も二つの機関を持つ、少なくとも国際的な貿易に関連する、あるいは通商に関連する諸問題については、新しい視点から、十分効果のあがるように、各省のセクトにとらわれることなく、総合的な立場から——これは臨時行政調査会の答申に基づいて八月末までに行政改革本部を中心に総合的な検討をやろうという場合には、国内の国家行政機構、地方行政機構を通じての問題をどうするかという問題も重要でありますが、国際的な問題についても、臨調の指摘はある意味では断片的な面もございますけれども、内閣自身として、あるいは行革本部自身として、もっと過去の経過を見、また今後の展望も加えまして、総合的な視点からこういう問題のあり方というものについて、十分検討をして、実効のあがる方向にいかなければならないというふうに感ずるわけであります。いま二、三の指摘をいたしましたけれども、どうしても国際的な面についても関係のある省は、出先を何らかの形で持ちたいという意欲がこういう一つ一つの問題に出てきておる感じが深いのでありますけれども、これらの問題について、通参大臣としてどういうふうにお考えになっておるか、お伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/39
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040・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 外務省あるいは経済企画庁通産省が思い思いの機関を設けて、そしてなわ張り争い的な状況にあるのじゃないかという御指摘でございました。見方によりまして特にそういうようなことも考えられるかとも思いますが、やはりいまお話の輸銀とかあるいは経済協力基金とか、これはそれぞれ必要性があって起きてきたものだと思います。したがって、そのできた本来の趣旨が十分生かされて、目的を果たすということがいいのではないかと思います。従来経済協力基金などの活用が、不十分であったということは認めます。しかし、今後におきましては、今回協力基金のあり方の改正もいたしまして、もっと広範囲な活動をするように方向づけられたと思うのでありますが、私どもはそういう協力基金のあり方を十分頭に置きまして、通産省は、通産省としてこれを活用する方向に——かりにこの主たる所管が企画庁でありましても、十分活用し得る余地を持っていると思います。しかし、角屋委員のお話のような御批判は、十分反省していくべきだ、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/40
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041・角屋堅次郎
○角屋委員 今後の開放経済体制の中における自由化のさらに推進の問題に関連いたしまして、これは、これ自身として非常に重要な問題でありまして、短時間の間に多くを触れることはできないと思いますが、ただ、通産省としても十分お考えのように、今日自由化率が、昭和三十九年四月段階で九三%までまいりましたけれども、これからの自由化率をさらに上げていくという場合の中小企業や農林水産業面の自由化の窓口を開くという問題については、非常に慎重にやらなければならぬ項目がふえてまいっているわけであります。これは私、従来農林水産関係に非常に関係が深かったわけでありますが、そういう点では、非自由化品目の中における農林水産関係の品目のウエートというのは非常に高いわけでありますけれども、主要食糧品等の自由化というものを今後どういうふうに考えるか。これは単に通産大臣としてばかりではなく、農林省とも十分な協議が必要でありますが、私どもは、国際競争力を十分つける国内の産業政策というものの推進が当面の重点であって、そういう国際競争力のつく度合いを見ながら貿易自由化の窓口を開いていくということをしなければならないと思う。いたずらに自由化率を引き上げるという、そういう大前提から、大上段に国際競争力の弱い面に大きなしわ寄せをする、あるいは大きな打撃を与えるということは、避けていかなければならぬ。同時に、やはり農林水産業を含めての問題でありますけれども、これは国際的な条件あるいは各国の各地域における動向というものも関連いたしますが、いわゆる非自由化品目の自由化のプログラム、これから三年、五年の間に自由化を考えていくもの、今後十年以内の間においては自由化がまだ十分考えられないものというふうな点等についての自由化のプログラムの大綱というふうなものについても、やはり十分、各省の議論と調整に基づいて打ち出していくことが、むしろ関係業界に対する混乱なりいろいろなものを避けていく一つの要因ではないのか。そういう点では、もちろんまた国内の産業面へのあらかじめそういうものを出すことによる政治的配慮という面も反面ありますけれども、大筋としては、今後の貿易自由化のプログラムというものを、特に中小企業や農林水産業に関する面については大綱を明らかにする、そしてそれはそういうふうなプログラムを持つ場合の大前提として国内の基盤整備なり振興政策については、こういう裏づけをしながら、したがって、国際競争力については、こういう力の評価の上に立って自由化の窓口というものをこういう時期までに考えていこうと思っているのだ、こういうふうな点が大綱として必要になってきているのではないか、こう思うわけでありますが、それらの点についての通産大臣としてのお考え方を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/41
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042・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 自由化の問題では、農林水産物が国内に対する影響が非常に大きいかと思います。現在、農林水産関係では残存品目が六十七あると思うのでございますが、この問題につきましては、農林省とも緊密に連絡をとりまして、慎重に対処をしていきたいと思います。世界各国の状況からいたしましても、農林水産物につきましては、各国とも慎重のようでありますが、だからといって、いたずらにいつまでも自由化をしない、こういうわけにいかない面も相当あることは、角屋委員は特にそのほうの御専門で、御承知だと思います。日本としては、特に東南アジア諸国との関係においての一次産品買い付け問題が非常に重要視されるわけでございますが、ただいまお話しのように、将来に対する計画を立て、これを明示しながらやっていくというのも一つの方法かと思いますが、現状におきましては、国内に対する影響のほうをおもんぱかりまして、どちらかというと、慎重にやっておるというほうが施策としてのあり方だ、こう思います。この点はあるいは今後検討していかなければならないかと思うのであります。
機械類その他で、一般的な残存品目の中に自由化のでき得るものがあるかどうかということについては、現在いろいろ話題を呼んでおるわけでございますが、たとえば自動車の自由化のごときは、昨日あたり総理からも、これは時期を明示したほうがよろしかろうというようなお話もございました。私も、適当な時期にはそういう方法もとりたいと思いますが、現在、この問題については、二国間貿易協定の交渉に影響もある面もございまてし、総理が昨日言われたから、それじゃいつやるかというようなことをすぐ明示するのが適当かどうか、これはただいま検討しておるわけでございますが、しかし、自由化のやり方として、ただいまの角屋委員の御意見は、十分今後の参考にしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/42
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043・角屋堅次郎
○角屋委員 まあ内閣委員会は機構を中心にしたところですから、政策問題について深く入りませんけれども、貿易関係の問題については、先ほど来申し上げますように、在外公館における経済担当といいますか、通省担当の整備という面に配慮するとともに、ジェトロ方式というものの今後の展望をどうするのか、あるいはアジア経済研究所というものは、東南アジアを中心にした経済研究について、どういう研究の成果と、そしてまた客観的に見てそういう方向が望ましい形で進められておるのかどうかということも配慮しながら、しかも国際的な出先における外務省なり、あるいは経済企画庁なり通産省なりが持っておるそういうものの総合的な視点においての今後のあり方をどう考えていくのかという問題については、国務大臣の立場において十分検討願い、また今後必要な方向の打ち出しと、いろいろ努力を願いたいというふうに思います。
日韓問題等についての通商のいろんな話し合いがありまして、通産大臣がそういう面でどういうふうに参画をしておるのか、あるいは韓国のノリの輸入等の問題については、特に浅海養殖の国内の問題については、その結果いかんによっては大きな影響を持つ問題がありまして、そういうことについても十分お伺いしたいと思いますが、国内の機構問題にも若干触れなければなりませんので、話を進めてまいります。
通産省の機構というのは、大臣官房以下ずっとたくさんの局と、それから工業技術院、特許庁、中小企業庁というふうな、いわば外局的なものと、相当に多岐にわたっておるわけですが、臨時行政調査会でも、すでに同僚委員からも触れられたと思いますが、たとえば重工業局、軽工業局、繊維局というものについては、これを再編成して、重工業局、軽工業局、新たに化学工業局、こういうふうに編成がえをする必要があるのじゃないかという問題指摘がなされておりますし、さらにまた、鉱山局、石炭局、公益事業局というものについても、今後の実態に即した再編成が考えられなければならぬというふうな問題指摘等も出ておるわけでありますが、これらの問題についての検討は、行政改革本部が考えておる今年の八月末までに大体検討が終わるのだという前提に立って通産省としては進めておられるわけですか、その点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/43
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044・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 現在、政府自体が臨調の答申を受けまして、行政改革本部においてこれを検討いたし、実現をはかりたいと努力をしておるのでございまして、通産省もまた、その方針を順守すべきは当然であると思います。また、通産省内におきましても、ただいま御指摘の臨調の答申につきまして、これに通産省自体はどうこたえるべきであるかということを事務当局において目下検討中でございます。今回の設置法の改正につきましては、とりあえず焦眉の急の問題のみを取り上げた、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/44
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045・角屋堅次郎
○角屋委員 通産省の局の中では、次長制度を置いておるところがあるわけですが、今回新設をしました貿易振興局というのは、これは大体従来からも、行政管理庁が新しい局を新設する場合には、かりにそこで局をつくり、さらにまた貿易振興の今後の重要な仕事の内容から見て次長も置きたいということであっても、なかなかそれは認めてくれない、こういうことで、そこまで踏み切れなかったのか。あるいは貿易振興局ということで局長以下の陣容を整備すれば、十分今後の役割りが果たせるという意味で次長制度というものは考えなかったのか。これは次長というのは簡単な一人の人を追加するという問題ではなくて、やはり貿易振興局という今後の役割りから見て、また国祭的な接触面も非常に多いという面から見て、通産省の他のそれぞれの役所に置いておる次長というものとの関連において考えますと、次長問題というのは十分検討に価する問題であったのではないか、私はこう思いますが、この点は貿易振興局をつくる過程で通産省としてどういう考えであったのか、あるいは今後どういうふうに考えておられるのか、この点お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/45
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046・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 今回の貿易振興局設置につきましては、非常に問題がございまして、増原長官との間に種々交渉をいたしたのでございます。いまお話しのように、新しい局のもとに次長を置くのがいいのか、あるいは検討したのかというお尋ねでございますが、率直に申しまして、貿易振興局を設置するということが、実際はもう精一ぱいであったわけでございます。今回の貿易振興局のほうに輸出関係の問題と経済協力の問題を取りまとめて、そして局長を置こう、これがいまの通商局の五百三十一名の膨大な機構、しかもそれを一人の局長で責任を負っておるということは、ここに局長がおりますが、事務の渋滞を来たすおそれもあるし、対外折衝にも欠けるところがある。何としても貿易振興局だけは設けたい、局長はどうしてももう一人ほしい、こういうことの一本やりで交渉したというのが、偽らないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/46
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047・角屋堅次郎
○角屋委員 もうすでに愛知科学技術庁長官がお待ちで、大臣と交代ということを言われておるそうでありますが、まだ話は二割も進んでいない段階であります。これは衆参両院を通じての審議のテンポの問題もありますから、まだ相当質問することを考えておりますが、本日は、後ほどの質問との関連で数点お伺いをして、切りかえてまいりたい。
これは総合的な立場から科学技術庁にも関係するのでありますが、たとえば通産省所官の研究機関の問題について通産省から資料の提示を求めましたところ、国立研究機関が十三、公立が百八十二、民間が三十八、民間企業の鉱工業及び電気、ガス等を含む機関が七千二百三十二、これはそれぞれの定義が与えられておるわけですけれども、そういう国、地方自治体あるいは民間を通じての通産省関係の試験研究機関の数の実態が出ております。これは科学技術全般の問題でありますが、特に通産省関係における国、地方自治体あるいは民間を通じての試験研究機関の中で、国立の試験研究機関が国立研究所たる役割りにふさわしい予算と人員と施設を持ってやっておって、それが民間まで全体的な大きな指導力を発揮する態勢にあるのかどうか。これは単に通産省だけの問題ではありません。農林省もありましょう。あるいは厚生省その他各省にもまたがる問題でありますし、科学技術庁としても基本的に考えなければなりませんが、産業経済の近代化に伴う試験研究の重要性というものは、いまさら私が指摘するまでもございません。特にその面では通産省の国、県、市町村あるいは民間を通じての総合的な研究のあり方、あるいは研究の総合性、調整——特に内容的に見ますと、資本力のある民間の場合には、国立をはるかに上回るような設備、陣容を持って試験、研究を進めるというようなこと自体も、具体的には出てまいろうと思いますが、特に大臣にお伺いしたいのは、こういう実態から見て、今後の通産省関係の国、県、市町村、民間を通ずる試験研究体制の総合的な運営の問題、あるいは指導的にな問題ついて、どういうお考えで臨まれようとするのか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/47
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048・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 通産省の研究機関も、もとよりこれは国の研究機関でございます。したがって、私どもといたしましては、たとえばいまの工業技術院の十三の研究所における研究のあり方は、少なくとも日本の最高の施設であり、また研究体制でなければいけないということを方針としておるのでございます。おかげをもちまして、国会の十分なる御理解もございまして、各研究所において所有しておる試験機械などについては、ただ単に日本国内での優秀なものというだけでなくして、世界的にも誇り得る施設を持っている研究所も相当ございます。こういうことでございまして、今後国際競争の非常に激しい時代の進運にこえるために、国は当然最も高いレベルの研究機関を持つべきである。また、民間の研究機関におきましても、それぞれの特徴ある、また国際的にも水準の高い研究機関であるべきだという考え方のもとに指導しておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/48
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049・角屋堅次郎
○角屋委員 総合エネルギー政策の推進というのは、主として通産省の役所の中に含まれる問題でありますけれども、そういう視点から見て、現行の機構という問題については臨時行政調査会では必ずしも的確な問題指摘をしておらぬと思いますが、そういう点では火力とかあるいは水力とか、あるいは新たに原子力の問題も登場してきております。そればかりの問題ではありませんけれども、総合エネルギー政策の今後の進展に即応した機構のあり方という問題については、十分御検討をされておるわけでございますか、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/49
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050・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 ただいま国会に御提案を申し上げて、総合エネルギー調査会の設置を今回していただこう、そこで電力、石炭、原子力、あるいは天然ガス、石油その他もろもろのエネルギー資源についての総合調査をしていただこうという段階でございます。私が申し上げるまでもなく、現在原子力の関係は原子力委員会がございます。その他の石炭あるいは電力、石油、さらには原子力の発電所の関係ということになりますと、これは通産省の所管でございます。したがって、今後これらのエネルギー関係を総合的に研究する、総合的に行政をしていくという必要に迫られておると思うのでございますが、現在ににおきましては、それらに対する行政機構はまだ十分でないということを私も率直に認めたいと思います。今回の調査会が発足いたしまして、このエネルギー調査会において、大きな視野の上において適切な答申を得たい、かように思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/50
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051・角屋堅次郎
○角屋委員 時間の関係もありますから結びにいたしたいと思いますが、通商産業省は、中小企業から大企業を含む産業政策全般を指導する立場にあるわけですが、特に経済政策の中では、言うまでもなく中小企業等の産業の二重構造是正というところに基本を置きながら産業政策の配慮をしなければならぬことは、当然だと思います。通産省の外局として中小企業庁というものが存在しているわけですが、何となく私どもが見ておる形では、ややもすれば中小企業の関係が総合的に、しかも産業構造の是正、経済政策の力点の立場から、はたして通商産業省の中で大きく推進されておるかどうか。現実に中小企業の持っておるいろいろな問題点から見て、その点が非常に重要だと思うわけでありまして、通産大臣として通商産業政策を進めるにあたって、そういう点を実際の運営の問題としてどういうふうに努力しておられるか。また、総合政策というものを各局あるいは外局の関係を含む中で常に意思統一をして、中小企業の問題に対する力点の置き方について浸透をされておるのか、そういう点を最後にお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/51
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052・櫻内義雄
○櫻内国務大臣 お話しのように、中小企業施策が産業政策全体の中の施策であることは、当然だと思うのであります。産業政策を離れての中小企業施策はないと思います。現在中小企業庁で中小企業行政に専心しておるわけでございますが、当然通産省全体の施策の中における中小企業施策ということになるべきでございます。しこうして今回の予算をごらんいただいてもわかりますように、中小企業の予算関係は、全体の予算の中でも、また通産省の予算の中におきましても、相当伸び率には重点が置かれておると思うのであります。もとより総額が総予算に対してどうかということからいたしますと、種々御批判も出ようかと思いますが、私がなぜこういう点を申し上げるかというと、いま角屋委員の御懸念は、通産省の中ではたして中小企業政策がどの程度に重点が置かれておるかというところにあろうかと思いますので、あえて今回の予算の中の扱いなどを一つの事例として申し上げておる次第でございますが、今後におきましても、中小企業施策の需要ということにつきましては、最優先的に私としても念頭において処理すべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/52
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053・角屋堅次郎
○角屋委員 後ほどの愛知科学技術庁長官に対する質問の割り振りとの関係があるようでありますから、通産大臣に対する質問については一部同僚議員の今後の質問の進展と見合って保留という形にいたしまして、私の質問を一応終らしていただきたいと思います。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/53
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054・河本敏夫
○河本委員長 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。質疑を行ないます。質疑の申し出がありますのでこれを許します。角屋堅次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/54
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055・角屋堅次郎
○角屋委員 通商産業省設置法の一部改正の質問に続きまして、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案について数点、簡潔に御質問申し上げたいと思います。特に科学技術庁関係の問題につきましては、申し上げるまでもなく科学技術関係の特別委員会がございまして、専門的な問題については、私ども議事録を拝見いたしまして、相当具体的に議論が行なわれておるわけでございまして、そういう問題について、私はこの機会に深く触れる気持ちはございません。しかし、機構改正に関連をいたしまして関係の深い問題題もありますので、数点お伺いをいたしたいと思います。
今回の改正は、提案理由の説明でもございますように、航空宇宙技術研究所の中に支所を設けるという問題もございますし、また同時に、OECD日本代表部に新たに科学技術アタッシェ一名を派遣する問題もございますし、同時にそれらに関連をいたします定員四十七名の増加の問題があるわけでございます。
まず第一に科学技術庁長官にお伺いをいたしたいと思いますのは、この航空宇宙技術研究所の支所設置の問題に関連をいたしまして、従来から宇宙開発の問題について、科学技術庁関係、それから東大の従来からやっております研究の関係、しかもこれは使用する燃料の液体、固体の問題もございますし、またそれの研究している性格の問題もございまして、高木さんが今度本部長になられて、双方の調整をしながら一元的な方向で今後推進をしていきたいということで承っておるわけであります。科学技術特別委員会における議事録等を見てまいりますと、東大の参考人のほうは、東大の方向というものを非常に重要視され、またその方向で進めていく必要があるし、科学技術庁で進めておる今後の方向とはやはり違った局面を持っておるという陳述をされておるように記録で見ますし、またそういう点では、科学技術庁は科学技術庁自身でやっておる研究ばかりでなくて、そういう宇宙開発の総合的な調整というものをやっていかなければならない。長官として、いま申しました宇宙開発に対する今後の運営というものをどういうふうに進めていこうとするのか、その辺のところをまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/55
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056・愛知揆一
○愛知国務大臣 ごもっともな御質疑でございまして、私も、この宇宙開発のこれからの進め方につきましては、非常に近大な問題であると考えておるわけでございます。そこでまず第一は、宇宙開発審議会というものが御承知のようにございますが、ここで基本的な政策といいますか、研究開発の進め方を十分審議してもらうことになっておるわけでございます。この宇宙開発審議会につきましては、ちょうど任期等の関係もございますので、きわめて最近の機会に、さらに陣容を拡充することになっております。
それからただいまお尋ねの点でございますが、東大の宇宙航空研究所におきましては、固体燃料によるロケットの打ち上げ試験をやっておりまして、すでに相当の成果をあげておるわけでございます。しかし同時に、科学技術庁のほうでも、液体燃料の使用によるロケットの打ち上げということについて、従来から研究開発を進めておりますが、たとえば常識的に申しましても、同じような種類のことを両方相競い合ってやっているということでは、どうもいかがかと思われますので、少なくともいわゆるジョイント・スタディということを進めてまいりたい。こういう観点から、だいぶ日数がかかって困難をいたしたのでありますが、少なくとも人的に統合と申しますか、そういう体制はようやく整えることができたわけでありまして、東大の成果のある研究も、それから科学技術庁の担当の部面も、それぞれに相当の軌道に乗っておりますが、両方の計画、内容等を相互に示し合い、そしてまた率直にいえば、東大のほうが相当前からの経験もございますから、いわば先輩格であろうかと思いますが、そういう人的な統合等によりまして一段と合理化していく。そして両方の研究開発が調和がとれて、目的が両々相まって完成できるようにいたしたいと考えておるわけでございます。
もう一つ、当然のことでございますが、双方ともに平和利用ということに徹してまいりたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/56
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057・角屋堅次郎
○角屋委員 長官は、最後に平和利用という点に徹したいということを仰せられたわけですが、科学技術庁としては、防衛庁のこの方面の研究というものは、科学技術全般の立場から掌握される関係になるのですか。防衛庁は別格になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/57
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058・愛知揆一
○愛知国務大臣 これは、理想としては完全に一体に掌握すべきものかと考えますけれども、ただいま私の考えておりますのは、少なくとも東大と科学技術庁の平和利用に徹する研究開発を完全に掌握してまいりたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/58
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059・角屋堅次郎
○角屋委員 話の筋道として、最初に具体的な問題に入りましたが、行政改革本部でこれからの国家行政機構をどういうふうにしていくかという問題の場合に、名称の問題ということになるかもしれませんが、私自身感じとして持っておりますのは、経済企画庁あるいは科学技術庁、特に大臣まで置いて各省にまたがる総合的な指導なり調整なりをやっていくというところが、外局と同じような名称の経済企画庁とかあるいは科学技術庁、こういう名称がはたして適切なものかどうか、こういう問題にいささか疑問を持つわけであります。これは名称だけの問題だと言ってしまえばそれまでですけれども、各省の関係でも、外局で庁がずいぶんあるわけですが、これと科学技術庁あるいは経済企画庁というこの二つは、だいぶ違うと思うのです。そういう点は、今後の行政改革本部を中心にやっていく場合に、どういう名称に変えたらいいのかという名称だけの問題でなしに、また権限としても、各省にまたがる問題についての総合的な調整、指導という面が明らかになるような、そういう名称と運営ということを十分考えていく必要があるのじゃないかという感じがいたしますが、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/59
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060・愛知揆一
○愛知国務大臣 この点もまことにごもっともでございまして、私どもとしましては、大体臨時行政調査会の行政改革に関する答申、特に科学技術行政の改革に関する意見につきましては、その大綱や考え方については、全く同感の意を表しておるわけでございます。ただ、問題の一つは、大学の研究の自由ということをどういうふうに確立していくかという一点について、ただいま鋭意検討しているわけでございますけれども、科学技術行政全般については、総理大臣に直結した科学技術会議を置きまして、そうして科学技術庁としては、この種の問題については、各省に対して、総理大臣を通じて総合調整をする、こういうやり方をするのがよろしいというこの答申の線には、全面的に賛意を表しているわけでございます。
実はそこに至りますまでの間には、科学技術庁を省に独立させるほうがいいのではないか、こういう意見もございまして、これも真剣に検討したのでありますが、事の性質上、むしろこれは総理大臣に直結をして、そして総理大臣を通して各省庁を、ものによっては指揮、監督と申しましょうか、そういうふうな含みを持って総合調製をするほうがより望ましい。そのために科学技術会議というものも、閣僚を中心にしました強力な構成にいたしまして、何というか、行政的な執行は科学技術庁長官がやるということのほうが、総合調整ということにはより有効である、こういう考え方、これは臨調の考え方とわれわれの考え方を全く一致させたものである。こういうふうに考えておりまして、行政改革本部におきまして、具体的な成案を行政機構全般についてただいま鋭意検討中でございますが、今後本件については、そういう方向で推進してまいりたい。ただ、先ほど申しましたように、大学の研究の自由ということだけは別の扱いにしなければなるまい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/60
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061・角屋堅次郎
○角屋委員 科学技術の特別委員会でも議論がされ、また科学技術特別委員会自身で、この試案というか、要綱を持たれたこともあるわけですけれども、例の科学技術基本法の問題についてであります。今後の科学技術の非常な重要性から見まして、科学技術基本法という基本的な方針を打ち出して、そして総合的な試験研究態勢の整備をやっていく、科学技術の振興をはかっていくということは、非常に重要なことだと思いますが、当面長期計画等の検討を進めておる。それらの状況と見合って、科学技術基本法の成案を得て、すみやかに提案をしていく運びになっていくかと思いますが、特別委員会の議論等を見てまいりますと、従来の特別委員会における審議の経緯もあります。成案の過程において、十分特別委員会の議論も承りながら、政府提案にするかどうかということについて、基本的には政府提案というお考えであります。そのこと自身に私は問題ないと思いますが、科学技術基本法の今後の提案までの取り扱いの方針について承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/61
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062・愛知揆一
○愛知国務大臣 基本法につきましては、実は率直に申しますと、私としては、できればこの国会に提案いたしたいという考え方で、ずっと進めてまいったわけでございます。これにつきましては、ただいまも御指摘がございましたように、衆参両院の科学技術特別委員会、それから日本学術会議、科学技術会議、あるいはまた臨調におきましても、若干の意見を出しておられますけれども、こういう三本ないし四本の相当の年月をかけた御研究があるわけでございますので、これの調整をやりまして、私としては、いまでもなるべくすみやかな機会に基本法を御審議願えるようにいたしたい。その方法として、政府提案がいいかあるいは議員提案がいいかというような点につきましても、あわせて早急に関係方面の意見を取りまとめたいという努力を、いま一生懸命にやっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/62
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063・角屋堅次郎
○角屋委員 先ほど通産大臣にもお伺いしたのでありますが、科学技術の総合的な官庁としての科学技術庁の立場から、大学の研究の自由の問題についても指摘されましたが、いわゆる国立の試験研究機関なり地方公共団体の試験研究機関、大学等の試験研究機関、民間企業等の試験研究機関、これが非常に広範多岐にわたっておるわけです。国立は国立としての試験研究機関の位置づけ、役割り、あるいは地方自治体、民間もそうですか、そういう点については、科学技術基本法の今後の制定の過程、あるいは長期計画と見合って、科学技術庁が中心になって真に効率のある総合運営ができるように配慮していくのだろうと思いますけれども、いまのところは、そういう脈絡、一貫した指導態勢というか、運営の妙味というものまでには、なかなかいかないのではないか。ことによると、民間の相当資本力のあるところでは、国立研究所以上に人的にも予算面でも設備の両でも非常に充実している。これはそれなりにケースとしてあるだろうと思いますが、いずれにしても、全体として国際的に見て日本の科学技術の振興をやるためには、いま現実にある試験研究機関のそういう面の総合的な調整なり運営指導という面を十分留意していくことが、ますます必要になってきたわけであります。従来からやっておられますが、今後のそういう問題に対する方針について承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/63
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064・愛知揆一
○愛知国務大臣 民間のこうした科学技術の研究も、最近非常に盛んでございます。いろいろの例を申し上げることが適当かと思いますけれども、たとえば科学技術研究費については、日本では、非常に乏しい中を民間の会社、企業体が相当多額の研究費を出している。そのことによってかろうじて戦後の荒廃から早く立ち直ることができた。新技術の採用を取り入れるというようなことが今日の経済繁栄の一つの原因になっておるということは、たいへんけっこうなことであったと思うのでありますけれども、何としても民間の研究というものにつきましては、やはり企業体としての性格に制約がございます。そういう関係から特に最近の一、二年の状態を見ますと、民間企業体がいろいろの新技術の開発というようなことをしておりましたが、ちょっと一段落したというような気配がないでもないように見受けられます。そういう点から考えましても、ただいまお話しのように、国がもっと科学技術関係に力を入れなければならない。四十年度でお願いしております各省庁の科学技術研究費は、四百六十九億、前年に比較いたしまして一割くらいの伸び率であるということは、率直に申しまして、私も非常に残念に思っている次第でございます。急速にもっと伸ばさなければならない。それにはやはり基本の総合調整、運営指導、これをがっちりすること。それから一つは、研究職等のこれに当たる人たちの待遇をよくすること。この待遇の問題につきましても、研究職については、四十年度は人事院等でもだいぶわれわれの意見を聞いてくれまして、たとえば初任給のべースアップをするとか、あるいは研究職特有のものについても若干の配慮を加えるとか、いろいろのくふうをしてくれまして、これもありがたいことでありますが、まだまだとてもわれわれの期待するようなところにはなっておりませんが、そういう面をあわせて、これはよほどがんばらないとならないのではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/64
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065・角屋堅次郎
○角屋委員 いま大臣から、いろいろ努力をされても、なかなか科学技術振興の総体的な予算というものが、本年度の場合は必ずしも十分な伸び率を示していないということを率直に述べられたわけでありますけれども、総理の施政方針の場合は、池田さんのときでも、佐藤さんのときでも、科学技術の振興ということは非常に力説をされるわけであります。現実に予算を見ると、率直に言って、全体の伸び率のような形に科学技術の場合には飛躍的には伸びていない。しかも、国際的な比較の中でも、いわゆる科学技術に対する公共的な投資の比率というものが、おそらく日本の場合には西側であって、民間が六割を担当しておるということだろうと思います。外国の例を見れば、むしろ公共的な面の比率が非常に主であって、そして民間のほうがそれをささえるという形のところが相当数あると思いますが、そういう面でも、全体的な試験研究機関の総合的な効率をあげるための今後の配慮も必要でありますが、同時に、考え方としては公共的な面の科学技術に対する投資というものを飛躍的に増大をさしていくということの配慮が必要であって、今年度のテンポは、その面からもまことに遺憾な事態ではないかというふうに思います。
同時に、そういう状態の中では、従来からも問題になっておりますように、いわゆる頭脳の海外流出というふうな問題が出てまいるわけであります。これについても、科学技術庁自身として中間調査等もやっておられて、ある程度の資料を持っておられる段階でございますが、予想されたよりも必ずしも頭脳流出ということがそう極端にはあらわれていないという中間報告ではなかったかと思うのですけれども、それらの問題についても、実態はどういうふうになっておるのか。あるいは従来から長官自身も、人事院にわざわざ行かされて、科学技術者の待遇改善という問題については非常な努力をされたわけですが、これでもまだ十分な態勢にいってないということでございまして、科学技術振興のためには、やらなければならぬ前提条件というものが、まだまだ未成熟である、ずいぶんやらなければならぬ問題が争いと思います。それらの問題についてひとつお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/65
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066・愛知揆一
○愛知国務大臣 実は先月、ただいまお話がございましたように、科学技術者の海外流出という点をあらためて——これは学名の関係も多いものでありますから、科学技術庁と文部省とが共同して調査をいたしたわけでございます。その結果、他の委員会でもお話しいたしたいので重複いたしますが、海外流出者、いわゆる現にもう海外で就職をして、いわばパーマネントにあちらに住みついているというような人が、国立研究機関、民間企業合わせまして十五人でございます。それから研究者の海外渡航は、年々非常な増加をしております。三十八年には大学関係を除いて約三百七十人となっておりますが、しかし、幸いにもこうした渡航研究者のほとんどは、大体最長四年間でもとの職場に復帰をしておるような状況でございまして、ただいまもちょっとお話がございましたが、実は私は、この調査をいたしますときはもっともっと海外流出が多い、かつ長期ではないかとおそれておりましたが、この結果を見まして、実は予想よりは少なかったというふうに考えております。しかし、ともかくこういう状況でございますので、いろいろの点で施策をいたしておりますが、やはり何といいましても科学技術や学者の養成と処遇の改善ということに尽きるのではなかろうか。あるいはまた積極的に海外研修の計画的な実施をやるとか、国内研修を盛んにするとかいうような、この研究の希望にこたえるような具体的な計画を政府みずからがもっと積極的にやる必要がある。こういうふうな点に努力を新たにしなければなるまいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/66
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067・角屋堅次郎
○角屋委員 先ほどの通産大臣のときにも、海外におけるいろいろな機関の問題についてお尋ねをしたのですが、たとえば科学技術庁に関係をしては、海外技術協力事業団というのが、外務省所管でございますけれども、これは外務省が適切なのか、あるいは科学技術の問題は国際的な問題でございますから、むしろ科学技術庁自身が直接関係するのが適切なのかということは、当時のこういう問題を議論したときの経緯について十分精査をしておりませんけれども、この点は、大臣としてはどういうふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/67
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068・愛知揆一
○愛知国務大臣 これは実は私就任前からの問題でございますので必ずしもその発足のときのことが私としてはつまびらかではございませんけれども、昭和三十七年に海外技術協力事業団が発足をいたしました。そしてこの海外技術協力事業団は、外務省の設置法によって、外交政策の一環としての海外経済協力ということで、その観点から仕事をするということで発足をいたしたのであります。外務省が専管で監督をしておるわけでございまして、その事業の内容としては、たとえばメコン川の改修でありますか、利水でありますか、そういうような事業をやっておるわけでありますが、大体直接にやっておる事業が、金の面で言うと三億ないし四億円ぐらい、それから委託調査をやっておるのが十四、五億円と、いうような状況に聞いておるわけでございます。その発足のときに、科学技術にきわめて関係が深いというので、この事業団としての業務をやります場合に、業務方法書をつくる、あるいは事業計画を策定するというときには、必ず事前に科学技術庁は外務省から協議を受けるということになっております。それからいろいろの業務委託等につきましても、十分協議にあずかるという取りきめをやっておりまして、両省庁の事務次官の間でも細部にわたっての取りきめをいたしており、その取りきめどおりに仕事をやっておりますので、科学技術庁といたしましても、この事業団の事業については十分に承知をしておるという立場にあるわけでございます。しかし、将来の問題としてこれでいいかどうかということになりますと、いろいろの考え方があろうかと思います。それらの点につきましては、なお私としてももう少し検討いたしまして、一つの意見を取りまとめたいと実は考えておるようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/68
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069・角屋堅次郎
○角屋委員 今度OECD日本代表部の関係に新たに科学技術アタッシェ一名を派遣する、こういうことが起こってきているわけですけれども、科学技術の問題は、これは言うまでもなく国際的な問題でありますが、科学技術庁として、科学技術の調査あるいは普及、いろいろな問題でどの程度人員が正規に海外におられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/69
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070・愛知揆一
○愛知国務大臣 ただいま海外に科学技術庁として出ておりますのを御紹介いたしますと、とりあえず常駐だけ申し上げたいと思いますが、ロンドンに一名、これはいわゆる原子力関係のアタッシェでございます。それからアメリカ合衆国にやはり原子力関係のアタッシェとして一名、それから同じくアメリカに計画局関係の仕事の担当としてやはり科学アタッシェ一名であります。ソシントン二名、それからモスクワに一名、やはり科学担当官がおります。それからフランスのパリに原子力関係のアタッシェが一人、それからドイツはボンに一人常駐いたしております。それからオーストリアは、国際原子力機関のございます関係もありまして、一人常駐いたしております。それに合同OECDの専管のために一人が常駐いたすことになっております。それから最近は、お話のように非常に科学技術関係でも、海外との往来がひんぱんでございます。相当の外国旅費を用意いたしまして、できるだけ出張者を多くして、いろいろの会議、連絡等に遺憾のないようにしてまいりたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/70
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071・角屋堅次郎
○角屋委員 外に出ておる技術アタッシェの関係は、これから大きな課題である。原子力関係の技術アタッシェが、相当出ておるわけであります。これはある意味では当然の推移かと思いますが、過般国会で新しい原子力委員の方々を承認をし、そして有沢さんの委員長代理という形で非常にお忙しいので、もっと運営を強力にしていこう。考え方としては、有沢さんあたりはむしろ原子力局を事務局的にし、そして今後原子力の平和利用政策としては、原子力燃料の再処理という問題が先行的にやはり体制整備がされていかなければならぬというふうな、原子力政策についてのこれからの原子力委員会あるいは科学技術庁としての推進という問題が、一つの大きな課題といいますか、焦点になってくるかと思いますが、この点では、私の地元の三重県の関係でいいますと、原子力発電所という問題が非常に政治的の大きな問題になっておりまして、原子力エネルギーあるいはエネルギー発電、原子力発電の国際的な点から見ての将来性、あるいは日本の問題におけるエネルギー政策としての比重の将来のテンポという問題も、いろいろあろうかと思います。従来の科学技術特別委員会における議論の中でも、原子力発電についての、たとえば昭和四十五年まで東電なり関電なりあるいは中電なり、それらを含む原子力開発株式会社を含んだ百万キロワットの原子力発電計画、それ以後における十年間の六百五十万ないし八百万キロワットの原子力発電計画というものは、もっとやはり具体的な今日の実情に即して再検討をやる必要があるじゃないかというふうな問題提起もありますし、また原子力発電というものが、今日時点における経済性と、この間国際会議等もありましたようでありますが、これはやはり火力とか石炭だとか水力だとかいうふうなものの中における原子力発電の現時点における位置づけ、また将来の発展の方向におけるコストというふうな問題等についても、十分検討すべき問題を含んでおりますし、特に三重県等の関係におきましては、熊野灘に設置をするという問題の中で、水産業等を中心にした郷土産業について影響はどうか、さらには古い時代からいえば南海地震だとか、あるいは昭和二十八年災害だとか、伊勢湾台風だとか、あるいはチリ津波だとか、ああいう地帯における相当大規模な災害頻度というものが、過去二、三十年の間に起こっておる。そういう海岸地帯に原子力発電所を設置する場合の安全性の問題はどうか。安全性の問題は、かねて私は予算委員会なりあるいは関係委員会で聞いたときにも、原子力局長は、採用する原子炉の安全性という問題、それをどこに位置づけるかという立地条件の安全性という問題の両者が満足されなければ、原子力発電所そのものの安全性というものは成立をしない、こういうふうにも言っておるわけですが、その点から見て、たとえば三重県のようなところにおける立地条件というものは、相当の過去の災害頻度から見て、重大な問題がある。しかも全国指折りの優良漁場における冷却水という問題が、真珠その他を含む沿岸漁業にどういう影響を与えるのかということで、非常に大きな懸念を持つのは地域住民の動向として当然であろうと思う。その点、科学技術庁の井上次官が、これは三重県の出身でありますが、これは自民党の要請だと思いますが、そういうことで三重県の伊勢市で会合を持って会場が非常に紛糾するという問題が起こった。私は必ずしもこの井上さんの問題をここで深く議論しようとは思いませんが、やはり科学技術庁が原子力発電の問題についてPRをやる、あるいはいろいろ客観的な立場からお話をするということも、私自分は否定しようとは思いませんけれども、非常に政治的に紛糾をしておる事態の中で、一党の要請によって出かけていって、しかも郷土出身者でありますので、非常に疑問と問題を提示するという行き方については、やはり考えさせられる問題があったのではないか。これは大臣に断わって行かれたのか、あるいはそうでなくて、墓参途次頼まれたので気軽な気持ちで行ったのか知りませんけれども、大臣もお伊勢参拝のときには、原子力発電の問題について御発言等も新聞紙上で承っておりますけれども、私は一般論として、原子力発電の日本における今後のテンポと将来性という問題と、具体的にそういうものを設置する地点あるいは地域における問題のとらまえ方というものは、二つを別にして理解をしていく問題があるというふうに思っておるのでありまして、それらも含む原子力発電の今後の問題については、昭和四十五年までの点、あるいは四十五年以降十年間の計画という問題について、やはりもっと具体的な検討が必要ではないか。またそれを推進するにあたっての再処理等の問題についての前段条件の整備というものが、並行して精力的になされていかなければならぬのではないかというという問題等もございまして、今後の原子力平和利用に関する方針というものを、どういうように大臣としてお考えになっておるか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/71
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072・愛知揆一
○愛知国務大臣 私どもといたしましては、原子力については特にわが国の国民的ないろいろの考え方その他から出しましても、徹底した平和利用ということで大いに意欲を持って推進いたしたい。少しビジョンみたいなことを申し上げて恐縮でございますが、平和利用ならばもう世界第一級であるというところを目ざして推進をいたしたい、かように考えまして、ただいまもお話がございましたが、原子力委員会に対しましても、自分もその一人であるわけでございますが、特に政治的任命であるところの原子力委員長以外の方々に対しては、非常に大きな期待を持っておるわけでございます。そこで先般改組が行なわれたわけでございますが、原子力のまず総合エネルギー対策の一環としてということがもちろんございますが、これについてはいまもお示しのように、四十五年まで百三十万キロワットという前期の計画があって、これに対しては相当具体的に計画が進んでおりますけれども、その後期、できれば八百五十万キロワットまでにいきたい。それから総合エネルギー対策としても、できるだけコストを切り下げていかなければ、電力としての有効性も少なかろうと思って、そういうこともあわせて、原子力発電計画についても、ひとつ大所高所から原子力委員会としては再検討したいと考えておるわけであります。したがいまして、その前提になる再処理問題等についても、実はいままでもいろいろ意見があったわけでございますが、早急にこれも一本の大方針を確立してまいりたい、かように考えておるわけであります。
それからその次のお尋ねの点でございますが、私は、原子力の平和利用、あるいは原子力のしたがって安全性ということについては、十二分の配慮をしなければならない。たとえば熊野灘にいたしましても、地元の方々の理解と納得なくしては、これはできるものではございません。無理押しをすべきものではないと思いますが、同時に、私の理解からすれば、そういったような方針とそれに基づくいろいろの調査、研究から申しまして、絶対に水産その他に影響を与えるものではないという、私は私としての確信を持っているわけでございますが、それもひとりよがりではなくて、いろいろとやはり機会あるごとに、まあある意味ではPRといえるかもしれませんけれども、広く国民の御納得と御理解を得たいということで、機会あるごとに各地で懇談会とか、研究グループのお求めがあれば、職員もできるだけ都合してそういうところのお求めに応じて原子力のいろいろな問題についての説明につとめたい、こういうふうに私も方針として考えているわけでございます。たまたま井上君が郷里でもあり、また原子力研究グループからのお招きがあるということでありますから、かたがた講演をするというようなことについては、私も許可をいたしました。私も承知いたしております。こういったようなことが地元地元でいろいろのこともございましょうが、私としては懸念があり、あるいは反対の動きのあるところでも、つとめて伺って解明につとめることが、かえって良心的ではなかろうか、こう思っておりますので、御承知のように、原子力の日というものもすでに制定されております。それから、四月に入りますと、科学技術全般の問題でありますけれども、普及のいろいろの催しもやることになっております。そういう機会には、つとめてわれわれとしても努力をして科学技術の平和利用ということについての理解を求めてまいりたい、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/72
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073・角屋堅次郎
○角屋委員 時間の関係もありまして、原子力発電の具体的な問題についてはまたの機会にさらにお伺いをいたしたいと思いますが、ただ計画の推進に急なるあまり、現地におけるいろんな諸条件というものをある意味では無視をし、あるいは無理をし、そして科学技術庁は原子力の平和利用という名のもとに現地の雰囲気を乗り越えたPRや何かに乗り出してくるということは、かえって逆効果であって、その点は良心的な気持ちで、こう言われますけれども、そこはやはり十分判断をする必要がありますし、また特に私は今日時点における日本の原子力発電の発展のテンポ、そしてまた、いま採用しようとしておる原子力発電の規模から見て、経済性の問題まで含めた段階は、むしろ昭和四十五年以降の段階になってくる。したがって、そういういろんな問題の多い地点については、無理押しをするんではなくて、他の福島県とか福井県とか、あるいは東海村でもすでにできてきておるわけでありますが、そういうところの状況、あるいは日本的な諸条件におけるデータというふうなものが十分そろってくる度合いと見合って、熊野灘において設置しても、郷土産業にも影響がそう起こらないんだ、あるいは累次に渡る大きな災害頻度に対しても十分耐えていけるんだという、具体的な日本的条件における問題の解明というものがなされずして強行せられるということには、私は賛成することはできないわけであります。近く私も外国へ参りまするから、イギリスで機会があれば、あるいはその他のところでも機会があれば、そういうところもできれば見たいと思いますけれども、いずれにしても、やはりこれは民主政治でありますし、しかもこの点について私は大臣とは別の角度の意見を持っておりますけれども、これは水産業に対する影響の問題にいたしましても、冷却水、あるいは貯蔵施設におけるところのものを冷却水の中に入れて流すという外国の施設等の例もあって、それが放射能等の影響が魚族等に与える影響の問題も、一定の許容基準以内にとどめるといいましても、長年の間にそういうものが安全でっていけるかどうかというふうないろいろな問題がある。あるいは多雨地帯しかも山岳の迫っている地帯において、いわゆる大気汚染の濃度というものが、対流圏の中でさらに深まっていき、それがさらに農作物や飲料水やいろいろなものに長期のうちに遺伝学的にあるいは衛生学的に影響を与えないものかどうか。いわゆる東海付のような平野地帯において拡散条件があるところと、多雨地帯における山岳部の迫っているところの対流条件があるところにおける気象学的な解明というものも、十分なされているのかどうかという点、いろいろな問題も、これはその地域における百年の大計から、単にアメリカにおいて、カナダにおいて、あるいはイギリスにおいて安全であるということが、直ちに日本の現実に当てはめて、三重県なら三重県の熊野灘においても絶対にだいじょうぶと言い切れる条件ではない。そういう問題については、科学の問題はやはり科学をもって判断するというのが鉄則であろうと思うわけでありまして、その辺の点については、県体的な今後の問題について十分配慮を願いたいと思います。したがって、井上さんの問題について、私は深くこの問題で触れる気持ちはありませんけれども、やはりそういう条件のところの問題については、単なるPRという気持ちだけでは受け入れられないということもありますので、今後の取り扱いについては十分配慮を願いたいというふうにお願いして、時間の関係もありますので、まだいろいろお伺いしたい点もありましたけれども、私の質問は、科学技術庁に関する限り、これで終わらしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/73
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074・河本敏夫
○河本委員長 村山喜一君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/74
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075・村山喜一
○村山(喜)委員 時間があと十五分ぐらいしかないようでございますので、簡潔にお尋ねをいたしますが、今回、四十年度の人員増の内訳、四十六名の内容をいただいたのでございますが、この中で宇宙開発推進本部八名の増というのが出されている。予算の内容をいろいろ調べてまいりますと、四億二千万円だということでございます。今回は大臣の積極的な配慮もありまして、高木昇教授を、現在東大の宇宙航空研究所長であるとともに、かつまた宇宙開発推進本部長として任命をされたのでございますが、東大が現在内之浦において行なっております二十七億のこの宇宙航空研究所の内容と比べてみまして、きわめて小さな金額で推進がされているという形でございます。そこで、大臣に率直にお尋ねいたしたいのは、この宇宙開発推進本部というものが将来どういうような形をもって——大学が行なう研究の問題と、それから科学技術庁が行なっております宇宙研究という問題との統一あるいは調整、総合的な開発というものをどういうふうな形で推進をしていかれるかという、その考え方でございます。この問題につきましては臨時行政調査会のほうからも意見が出されているようでございます。さらにまた、大学の学問の研究という立場もありましょうし、なかなかむずかしい問題をかかえている問題であろうと思うので、そういうような立場から、その基本的な問題についての大臣の御所見をまずお伺いいたしたいのであります。
第二の問題は、これは二月六日の日本経済新聞の夕刊に出ているのでありますが、宇宙基地の内之浦の舞台裏として、いわゆるロケット打ち上げが目的なのか、それとも観測が目的なのか、こういう論争が絶えず行なわれているというふうに聞くのであります。われわれが聞くところによりますると、現在のラムダ3型からミュー型のロケットに漸次開発を進めて、二年後には人工衛星を内之浦から飛ばせるのだという、そういう考え方が東大宇宙研究所の生研グループ、いわゆるロケット班によって構想が立てられておるようであります。ところが、同じくこの宇宙観測に携わっておりますその他のいわゆる観測専門グループの学者の諸君は、そういう一般受けのする大型ロケットや人工衛星計画よりも、観測ロケットをより多く打ち上げてじっくり宇宙開発の資料をつかむべきではないかという意見であるようであります。そこで、はたして内之浦からミュー型のロケットによります人工衛星を飛ばすことができるかどうか。この問題につきましては、地形的に見て大型ロケットは不可能であろうという見方もなされているようでございます。とするならば、科学技術庁の宇宙開発推進本部としては、ここに定員の増加、八名の増員をされまして、漸次内容の充実に当たっておられるわけでありますが、これらの問題につきまして、今後の方向というものをどういうふうに考えておられるものか。この点につきましては、幸いに大臣が文部大臣であると同時に科学技術庁長官でございますので、その立場からお答えを願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/75
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076・愛知揆一
○愛知国務大臣 この宇宙開発の問題につきましては、ただいま角屋委員の御質問にも若干お答えいたしたわけでございますが、まずこまかい点から申しますと、四十年度においては、ただいま御指摘のとおり、八名の宇宙開発推進本部の増員をお願いいたしておるわけであります。そういたしますと、本部長以下三十一名の陣容となる予定でございます。この推進本部は発足後日も浅いことでございまして、これで十分かと言われますと、まだ十分な体制とは言えないと思いますけれども、現段階としてはこれでスタートいたしたい。そして、この本部には技術委員会というものを設置することにいたしております。そうして、その技術委員会には大学の専門の権威者の方々にも委員に入っていただきたい。これは大体もう内相談はでき上がりつつあるわけでございます。そうして、大学側としても、いままでに得られた研究の成果あるいはこれからの施設、設備等につきましても、十分大学側の意見もここで発表していただきたい。専門的に、いわゆるジョイントスタディをやっていただいて、それによって初めて推進本部の事業を推進していきたいと考えておるわけでございます。
それから、その次に、根本的な問題でございますが、先ほども申し上げましたように、この宇宙開発推進方策の根本は宇宙開発審議会で見ていただきたいという考え方でございまして、東大も、また科学技術庁もその傘下に置いて実施に当たってまいるわけでございます。すでに、宇宙開発審議会としては、昨年の二月に一応の答申といいますか意見をきめられておるわけでありまして、その中の要点を申し上げますと、わが国の国際的な地位を確保して経済的な発展を促進する等のために、近い将来に自力で人工衛星を打ち上げるなどの大きな目標を掲げられておるわけでございます。
そういった方向に基づきまして、これからどうやっていくのかということがその次でありますが、まず東大の宇宙航空研究所においては、観測ロケットによる宇宙科学の研究を行なう、これが東大としての大眼目でございます。それから、国の開発計画と申しますか、国全体としては、昭和四十五年度に実用衛星を打ち上げるということを目標にしていきたい。この点につきましては、ただいま申しました宇宙開発審議会でも十分に案を練っていただき、また宇宙開発推進本部でもその意を体してひとつ仕事を進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。次に、科学技術庁といたしましては、実用衛星を、いま申しましたように四十五年度に打ち上げることを目標にしておるわけでございますが、これからまだ開発、研究の過程におきましてロケットの気象テストを行なうというようなことも必要でございますし、実用に至りません実験的な人工衛星をその四十五年に至りますまでの間に試みたい。しかし、その時期等につきましては、これからまだ真剣な検討が必要であろうと考えておるわけでございます。
それから、今度は、また戻りまして恐縮でございますが、四十年度にはどうするか。これは、先ほど申しました東大の根本義に徹しまして、二十七億円ぐらいになりますか、これで仕事を進めてまいる。それから、科学技術庁の関係におきましては、科学技術庁の担当の部門といたしましては、諸外国等の例を見ましても、実用衛星をねらうということから言うと、正確な軌道に乗せるために液体燃料ロケットになることが望ましいように、私しろうとでございますが思われますので、その研究、開発を中心にしてまいりたい、かように考えておるわけでございまして、この点が固体ロケットによる東大の場合と方法論が違うわけでございます。しかし、四十年度におきまして、この設置法の改正をお願いしているわけでございまして、宇宙研の角田支所を設けていただきたいというのは、とりあえず、四十年度におきましては、垂直離着陸機、V・STOLと言われておりますが、この関係の研究施設を設置することをまず四十年度の仕事としているわけでございまして、引き続いて将来におきまして、ロケット燃料に関する試験研究施設を整備して、ロケット燃料に関する地上試験センターといたしたい、かように考えるわけでございます。
さしあたり、先ほど御質問がございましたが、内之浦が将来適地として長く適当であろうかどうであろうかということ等につきましては、東大を中心にして、ただいま申しましたような開発審議会その他において、将来の計画についてはなお今後とも十分に権威者の間で検討してもらいたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/76
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077・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで、私がお尋ねをするのは、ここに提案の説明がなされておりまするように、ロケットの液体燃料推進開発、あるいはいま大臣から御説明がありましたロケットに対する地上センター、開発試験センターといいますか、研究センターみたいなものを角田につくるのだ、こういうことでございますが、現在内之浦でミュー型のロケットの開発によって二年後の四十二年には人工衛星を飛ばすのだということで話が進められておる。とするならば、東大は内之浦でやるし、片一方、科学技術庁はそういうような計画でいくとするならば、当然、角田支所を中心にして、そのロケット開発という問題が中心にならざるを得ない。そうなってくると、片や文部省管轄の大学で行なうものと、行政官庁であります科学技術庁が行なうもの、その間には二つの問題点が出てくるのではないか。競合する立場にもあるであろうし、そうする場合に、開発に対する国の資金の出どころは同じでございますから、そういうものが重複することがはたしていいのかどうか。この研究推進にあたっては、やはり統一的な研究体制をつくるべきではないかというような意見が出てくるわけであります。それで、今後の方向としてはどれを中心にお考えになるのか。私たちは、科学技術庁のほうから話をお伺いしますと、内之浦は地形的に見て大型のロケットの発射基地としてこれ以上ば無理ではないかという説明を受けるわけです。ところが、東大のロケット班の人たちに聞きますと、いや、ここで人工衛星を打ち上げるのだ、ミュー型のロケットを打ち上げていくのだという話であります。そういたしますと、その説明の間には食い違いが起こってくるわけでございますので、今後のあり方の問題としてはどうされるつもりなのかを、大臣からもう一言お答え願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/77
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078・愛知揆一
○愛知国務大臣 その点はまことにごもっともな御質問でございまして、私どもの考え方としては、東大の内之浦におけるミューの打ち上げについては、既定方針どおり推進されるのがしかるべきであろうと考えております。それから、角田支所のほうは、先ほども申しましたように、将来におきましても液体燃料の地上試験のセンターとして、角田からの打ち上げということは考えておらないわけでございます。なお、先ほど申し上げましたように、これはこれからも関係者に大いに勉強していただかなければならぬ点でございますから、将来長きにわたってどうなるかということになりますといろいろな御意見もあろうかと思いますが、現在、私といたしましては、内之浦は内之浦でやる、それから角田ではロケットの打ち上げはやらない、こういうことをはっきりさせておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/78
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079・村山喜一
○村山(喜)委員 内之浦のラムダ型の実験にいたしましても、いま開発中のミュー型のロケットの問題にいたしましても、実験の推進体制が非常におくれておるといいますか、予定よりも非常に年度の後半のほうに集中している。そこで、いろいろ問題があるようであります。初めはたいへんな歓迎ぶりをいたしておりました。この内之浦のロケットの発射状況を見に行こうというので、たいへんなお客さんが訪れてまいりましたが、最近は予定が次から次に変更される。そうすると、打ち上げましたロケットの落下地点においては漁船の出漁は非常にあぶないからというので、前もって予告があるわけでありますが、そうすることによって操業度が非常に鈍ってまいりまして、最近では、こんなに次から次に実施を延期されるのは困ったものだ、われわれの生活を一体どうしてくれるのだという声が、漁業協同組合を中心にして上がりつつある。そういうような状況が出てまいりつつありますし、地元の熱意もさめてくる。しかも、同じロケット班と宇宙観測班との間における意見の対立が非常に強い形で出てくる。こういうふうになってきますと、一体的な推進が一体できるであろうかどうかということが最近では問題になってまいりまして、二兎を追う者は一兎も得ないのではないかとさえ言われているような状況が出てきているわけであります。
そこで、いま角田支所の地点からは直接ロケットを打ち上げるようなことはしないのだという御説明でありますけれども、いわゆるロケットの宇宙速度を得るためには液体燃料でなければだめだというような説明もありますし、そうなりますと、これらの地上センターといいますか、地上における研究センターで果たす役割りというものはきわめて大きなものがあろうと思うのであります。したがいまして、それらの調整の問題といいますか、総合的な科学技術振興体制というものを、大臣が両方を兼ねておられるわけでありますので、ただ審議会にまかせるだけでなく、もう少し推進されたほうがいいのではなかろうかと考えますから、今後の宇宙開発の問題につきましては、そういう立場から御検討をお願い申し上げておきたいと思います。
私の質問は、時間がありませんので、これで省略いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/79
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080・愛知揆一
○愛知国務大臣 ただいま村山委員からたいへんごもっともな御発言がございました。私もますます努力を新たにしなければならぬと思います。実は、四十年度の予算編成の場合におきまして、これは率直なことを申し上げるのでありますが、どうも昨年あたりでは双方批判ばかりをして両方がてんぐになるというようなことはいかがかと思いましたし、また、財政当局から申しましても、できるだけ金を総合的に使わなければ国民にも申しわけがないと思いまして、とにかく人的の一元化ということから進めて、相当の進歩をしつつあるのではなかろうか。今回の四十年度の予算の編成につきましては、双方の関係者が完全に自分たちの計画を見せ合い、かつ順列配合をいたしまして、こういう結果を取りまとめて御提案しておるわけでございますが、これはなかなかむずかしい問題でございますので、私といたしましても、あらためて最大の努力をいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/80
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081・河本敏夫
○河本委員長 受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/81
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082・受田新吉
○受田委員 私は、愛知さんが文部大臣を兼ねておられるのでたいへん好都合でございますから、その所管事項につながる立場で一、二お尋ねしてみたい点があります。
科学技術の振興について科学技術庁が果たしている役割りはきわめて大きいし、臨行の答申にも、特に指摘して、総合調整方策をうたっているわけでございますが、日本の科学技術振興という問題は、最近相当の努力をされているけれども、結果的には依然として自然科学系統の研究が人文科学系統の研究に比してなおおくれがある。これは先進諸国家の分野と比してそのように判断するが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/82
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083・愛知揆一
○愛知国務大臣 一がいにおくれているということも言えないかと思いますけれども、しかし、先ほど来申し上げておりましたように、国としてのたとえば予算の上から申しますると、年間に各省庁合わせて四百六十九億というような程度ではどうも情けない。もうこれはほんとうに率直に申し上げるわけでありますが、こういう点から見ますと、自然、そこから出てくる成果は十分誇り得るものであるかどうかということには、私としても自信を持ってお答えすることはできない。これはもうほんとうの私の気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/83
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084・受田新吉
○受田委員 そこで、私たち大いに他山の石として学ぶべきことは、お隣の中国においてすでに原爆の実験が行なわれておる、その科学技術の研究の非常な発展の過程においては、その初期においてはソ連の貢献が相当大きくあったと思いまするけれども、現時点においてはおそらく自力でこの問題を片づけておると思います。そして、これらの研究者の養成におきましても、人文科学系統より自然科学系統の研究者、物理学者、航空学者、こういうような者をどんどん国家の力で養っておる。そういう者がいち早く今日中国をして原爆の実験にまで導いてきた。この原爆を実験したことは、われわれははなはだ不愉快で絶対に許すべきことでないと思うのでありますけれども、しかし、その科学技術研究熱というものがあの中国においてすらここまで進んでおる。もちろんソ連やアメリカの研究を見たときに、われわれは文明国家として大国の看板を振りかざすのにあまりにも恥ずかしい実情である。前の池田さんは大国ばかりをしばしばされておったけれども、科学技術研究においては小国、弱小ばりですよ。ソ連のこの間から成功している三人乗りのウォスホード人工衛星船の打ち上げや、アメリカのマリナー四号の打ち上げ、火星研究船の打ち上げというようなものの成功をながめてみましても、われわれはこの機会に、宇宙科学、宇宙開発の研究においてもひとつ大国ばかりになれるように、そのためには膨大な予算が伴いますけれども、これらの研究開発あるいは原子力にしましても、平和利用という一面に限って、思い切った勇気をふるって、国家予算も強力にこれに注ぎ込んで、これらの研究者も思い切って養成していく、したがって、大学の教育課程におきましても、願わくはひとつ、自然科学系統の学科をうんと増設して、人文科学系統を減らしてもそのほうへ力点を置いて技術者を養成していくというような教育系統の内容にまでタッチして、文部大臣兼科学技術庁長官としての愛知先生の思い切った抱負経綸を実践に移すように骨を折っていただきたいと思います。御決意を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/84
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085・愛知揆一
○愛知国務大臣 全く御同感でございます。先ほど申し上げましたように、私は受田委員と全くそういう発想は同じでありまして、中国が核爆発をやった、これは、日本の一部には、負けるものか、こちらも一ちょうやろうというような考え方の方もあろうかと思いますけれども、私は、逆に、この機会に、平和利用ということならばもうどこにも負けないようにやるのだということが日本の国民感情にも合うし、また世界に誇りを得るような日本のビジョンでもあろうかと思いますので、そういう考え方で推進してまいりたいと思うのであります。
ところで、先ほどもお尋ねがございましたが、実際問題といたしますと、外国の例を見ますと、どうしても宙宇開発とか原子力関係は軍事的な問題と表裏一体になっているような感じがいたしますので、たとえば研究開発費を比較いたします場合にも、そういう点も十分考慮しなければならない。同時に、日本の立場としては軍事科学とかいうようなことと切り離して徹底した平和利用でやるということでありますだけに、実は予算の問題その他についてはなかなか強力になり得ない。逆にこういうような実情でもあろうかと思います。
それから、もう一つは、よく科学技術会議その他でも話題になるのでありますけれども、ほかのたとえば中国あたりの研究開発のやり方というのは、もちろん詳細にわかりませんけれども、とにかく中国らしいやり方を徹底してやっているのじゃなかろうか、案外金などもあまりかからないやり方をしているのではなかろうかとという見方もあるようでございます。日本の場合でございますと、たとえば外国に一つのモデルというか研究開発のコースがある、それを徹底的に調べ上げてのみ込んでしまわないと一つの結論が出ない。また別の外国の研究開発のコースが出ると、それも全部マスターしてからでないと自分の考えが出ない。そこに不経済な点もあるのではなかろうかという反省も起こっているようで、とかにく頭脳から言えばきわめて優秀な科学者がたくさん日本におるわけでございますから、もう少し自主的な日本らしい研究開発のやり方をやれば、日本にふさわしいような、あまり外国のように金を使わないでやれる体制もとれるのではないかということもよく話題になっておるようなわけでございまして、そういう点も発想の一つとして十分考えていかなければならない。
それから、もう一つの点は全くごもっともで、四十年度の大学の拡充にいたしましても、少なくとも国立におきましては、教職員の充実というような特殊の問題を除きましては、理工科系の拡充に全力をあげているわけでございます。それから大学院の開設あるいは充実ということにできるだけの力をあげているわけでございまして、この点についてもまだまだ十分とは言えませんけれども、しかし、考え方は受田委員の御指摘のような考え方で進めておるような次第でございまして、これをさらに四十一年度には画期的に伸ばしていかなければなるまいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/85
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086・受田新吉
○受田委員 私、日本の技術陣の強化方策として具体的な一例を申し上げますと、いまの大企業の中には、一流の原子力研究者などが海外で大いに研究して、その会社内部において、たとえば原子力船の研究をするとか、あるいは原子炉の研究をするとかいう特殊の研究をしている人も相当おるわけです。こういう人々を、できれば政府がその知能を大いに動員して、善意に利用するという意味で、そうしたばらばらになっている民間の技術人をひとつ大いに発掘して、その総知をしぼって、いまの宇宙開発推進本部の計画への貢献をさせるとか、あるいは振興局が持っている任務の各行政機関の中の連絡・総合調整ということでやっていくとか、そういう点で貢献させるような方法をとってみてはどうか。民間の偉材がそのままばらばらに寝ている傾向があると思うのです。この機会にそうした総合的な人材の発掘利用という点を、これは文部省のお仕事でも一部ありましょうけれども、科学技術庁長官の抱負経綸の中へぜひ取り入れてもらいたいと思います。いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/86
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087・愛知揆一
○愛知国務大臣 実はこれも私の乏しい経験でございますけれども、科学技術関係のいろいろの会議とか会合等がございますけれども、つい最近も大阪でそうした会合をやりましたら、これは大企業のみならず中小企業、それから学界のほとんどこれはという人が全部一堂に会して、数時間にわたって、いまおあげになりましたようないろいろな問題について検討されました。これは新しい意味の産学協同といったような角度で進めるべき問題ではないかと私は思います。民間の研究者を大いに活用する、同時にまた学界あるいは政府側が民間に対してのいろいろの技術的な協力をする、この体制を盛り上げるということは一つの最も大きなやり方ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/87
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088・受田新吉
○受田委員 本会議の都合もあるようですから、この問題を掘り下げて次回に大臣にとくとお尋ねを申し上げたいと思います。
ただ、ここで一つだけ定員に関する問題で疑義がありますので、次回までに御調査願っておきたいのですが、科学技術庁設置法の附則に書いてある常勤職員に対する暫定措置、暫定定員、それからおしまいに未帰還職員の問題がある。そこに特に「未帰還職員に関する取扱いについては、なお従前の例による。」という規定が残っておるのでございますが、この規定の該当者はおるのかおらぬのか、ここでお答えできればひとつ言っていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/88
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089・愛知揆一
○愛知国務大臣 調べましてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/89
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090・小林貞雄
○小林(貞)政府委員 該当者はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/90
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091・受田新吉
○受田委員 いまから先に未帰還の職員を採用するはずはないのですから、なければ法律改正とあわせて廃止の規定をお出しになったらいいじゃないですかね。おりもしないのにいつまでも規定を置いている。今後未帰還者を採用することは絶対にあり得ないことでありますから、ないならないで、法律改正の際にこれの削除規定をお出しになるべきだと思う。こういうところに官庁事務のはなはだおかしなところがあるので、驚くべき事実をここで発見できたわけですから、この点あわせて次の委員会までに修正案を御用意願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/91
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092・河本敏夫
○河本委員長 次会は、明後十八日、木曜日、午前十時理事会、十時二十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104804889X01719650316/92
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