1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十日(水曜日)
午前十一時十二分開議
出席委員
委員長代理 理事 坂田 英一君
理事 仮谷 忠男君 理事 谷垣 專一君
理事 長谷川四郎君 理事 本名 武君
理事 赤路 友藏君 理事 東海林 稔君
理事 芳賀 貢君
池田 清志君 宇野 宗佑君
金子 岩三君 亀岡 高夫君
倉成 正君 小枝 一雄君
笹山茂太郎君 田口長治郎君
田邉 國男君 中川 一郎君
丹羽 兵助君 野原 正勝君
藤田 義光君 細田 吉藏君
山中 貞則君 渡辺 栄一君
栗林 三郎君 松井 誠君
松浦 定義君 湯山 勇君
小平 忠君 中村 時雄君
林 百郎君
出席国務大臣
農 林 大 臣 赤城 宗徳君
国 務 大 臣 増原 恵吉君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局次長) 澄田 智君
農林政務次官 舘林三喜男君
林野庁長官 田中 重五君
委員外の出席者
議 員 笹山茂太郎君
専 門 員 松任谷健太郎君
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三月十日
委員中山榮一君辞任につき、その補欠として渡
辺栄一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員渡辺栄一君辞任につき、その補欠として中
山榮一君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
連合審査会閉会申し入れに関する件
競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する
法律案(笹山茂太郎君外二十三名提出、衆法第
六号)
森林開発公団法の一部を改正する法律案(内閣
提出第五三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/0
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001・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 これより会議を開きます。
連合審査会開会申し入れに関する件についておはかりいたします。
目下建設委員会において、審議中の内閣提出、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会に連合審査会開会の申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/1
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002・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
なお、連合審査会開会の日時等につきましては、建設委員長と協議の上、公報をもってお知らせすることにいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/2
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003・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 次に、笹山茂太郎君外二十三名提出にかかる競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/3
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004・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 まず、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。笹山茂太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/4
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005・笹山茂太郎
○笹山議員 競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、その提案の趣旨を説明申し上げます。
現在行なわれておりまするいわゆる地方競馬は、競馬法第一条に基づき、都道府県または指定市町村がそれぞれその主催者となって施行しておりますことは御承知のとおりであります。
このうち競馬の施行できる市町村は、著しく災害を受けた市町村か、その区域内に地方競馬場がある市町村に限って、財政上の特別の必要を勘案して、自治大臣が農林大臣と協議の上、指定するよう法定されており、昭和三十九年度における指定市町村数は百二十八となっているのであります。
ところで、地方競馬についてのこのような規定は、昭和三十六年に、公営競技調査会が行なった答申に基づき、翌三十七年に実施された法律改正によって設けられたものでありますが、改正法律は、その附則において、「この法律の施行の際、現に指定を受けている市町村は、昭和四十年三月三十一日までは、改正後の第一条第二項の規定による指定を受けたものとみなす。」との経過規定を設け、従来の指定市町村の地方競馬施行権を三年間延長し、当該市町村の財政上の激変を避けることといたしたのであります。
自来、三年を経過し今日に至りましたが、いよいよその経過期間が満了し、現在地方競馬を施行している市町村は、すべて新たに自治大臣の指定を受けなければ、四十年三月三十一日限り競馬の施行ができなくなったわけでありますが、法律上、この再指定は、著しく災害を受けた市町村または地方競馬場所在市町村に限られるため、百二、十八市町村のうち約八十近くの市町村が再指定ができないと認められるに至ったのであります。
しかるに、最近における地方財政の状況は、経済界の不況によって収入の伸びが低下する一方、産業基盤の整備や生活環境施設の整備など、緊急かつ多額の財政需要をかかえてきわめて窮迫しており、とりわけ競馬を施行している指定市町村の多くは大都市あるいは大都市周辺の都市または地方の中心都市であるため、これらの市町村は人口の急増等による教育施設、街路公園施設、上下水道等の生活環況施設の設備、住宅の建設、各種公害対策等のため、きわめて緊急かつ多額の財源を必要としており、このような財政需要は地方交付税等による通常の財源賦与では、なかなかまかない切れぬものがございます。
このような現状にある指定市町村について、法律の示すところに従い、再指定が行なわれず、いま直ちにその収入を断つことになると、いたずらに財政上に混乱を与え、教育、住宅、土木、厚生労働、畜産奨励等の諸施策の遂行に著しい支障を生ずることは明らかであります。
したがいまして、以上のような指定市町村の現況にかんがみ、この際さしあたり、昭和四十年三月三十一日限りの施行停止を三年間延長することとして、本案を提出した次第であります。
なお、三年間延期することといたしました理由は、政府において地方競馬を施行している市町村の財政問題及び競馬収益の配分方法や自治大臣の指定基準その他の点に関し、根本的な改善を加えるべく検討する期間として三年間が適当であると判断したものであります。
以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容であります。何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/5
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006・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 以上で提案理由の説明は終わりました。
本案に対する質疑に後日に譲ることといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/6
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007・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 森林開発公団法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/7
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008・芳賀貢
○芳賀委員 森林開発公団法の改正点について、主要なる問題が保留されておりますので、この点について、農林大臣にお尋ねしたいと思います。
第一の点は、今回の公団法の改正については、一番重要な第一条の目的について改正を行なっておらないというところに疑点があるわけでございますが、公団法の制定以来今日までの経過を見ますと、この公団法が制定されたのは昭和三十一年でありまして、これはアメリカの余剰農産物見返り資金を借り入れて、特に熊野川地域あるいは四国の剣山地域における特定地域の公団林道の開設事業等を主体にするための法律の制定であったわけでありますが、その後、昭和三十四年にはさらにこの目的の改正を行ないまして、国有林野事業で行なうべき関連林道についても、公団に対して国が委託して関連林道の開設事業あるいは改良事業をやらせるという目的の改正が行なわれておるわけであります。さらにまた昭和三十六年には、公有林野等官行造林法を廃止することにいたしまして、分収造林特別措置法との関連で、この森林開発公団が分収造林事業を行なうことができる旨の目的の改正をしておるわけであります。したがいまして、この十年間にわたって、しばしば公団の目的の改正、あわせて性格の変化が行なわれておるわけでございますが、今回の改正にあたっては、第一条の目的の改正にいささかも触れないで、ただ単に第十八条の業務の範囲においてこの問題を処理しようとしておるわけでございますが、これは非常に明確を欠く点であります。この点については、先般林野庁長官に対して質問を試みたわけでございますが、依然として明確にされていないわけでございますので、この際、農林大臣からこの点を明らかにしてもらいたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/8
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009・赤城宗徳
○赤城国務大臣 従来、公団で業務か新たに加わるたびに第一条の目的の改正もいたしたことは、ただいま御指摘のとおりでございます。今度の林道につきましても、業務の範囲といたしまして、十八条につきましては、新たにいわゆるスーパー林道を業務として施行することをきめたのでございます。振り返りまして第一条を見ますと、第一条には「地勢等の地理的条件がきわめて悪く、かつ、豊富な森林資源の開発が十分に行われていない特定の地域内の森林を急速かつ計画的に開発するために必要な林道の開設、改良、復旧及び管理、森林の造成等の事業を行う」というふうに書いてありますので、新しい業務がふえましても、この第一条の目的の中に包含される、第一条を変えてみたところで、第一条の目的と同じようなものになるというふうに考えられますので、第一条の目的の中に包含されることにして、特に新しい字句等を加える必要はないじゃないかという見解から、あえて第一条に改正を加えなかったのでございます。いま申し上げましたように、新しい業務が加わりましても、その業務は第一条の目的の範囲内だ、こういうふうな見解に立って、第一条の改正には手を触れない、こういう事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/9
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010・芳賀貢
○芳賀委員 そこで問題は、たとえば目的の第一段階の熊野、剣山地区における公団林道というものは、昭和三十五年に林道の開設事業あるいは改良事業等が全部完了して、現在、目的にある特に限定された特定の地域における公団林道の開設事業というものは、すべに任務を完了しておるわけです。昭和三十五年に熊野、剣山地域における林道開設事業は完了して、現在はただ公団林道の維持管理のみを公団が行なっておるにすぎないわけですから、目的の前段はすでに任務を終わっておるというふうに見ても差しつかえないと思うわけです。それからその次の、国の委託を受けて関連林道の開設事業を行なった点については、これは明年の昭和四十一年度に公団に委託した分については全部完了するわけでございますから、この点も、明年度は公団として目的としての事業はなくなるということになるわけです。それから次の分収造林事業については、これは当時社会党としてはその欠点を指摘して合意しなかった点でありますが、これは昭和三十六年から四十四年度までの長期計画に基づいて分収造林事業をやるわけでございますが、これも昭和四十四年度には完了を見ることになっておるわけでございますから、現行法のもとにおいては、公団の目的あるいは事業というものは、一応その主体的な事業は四十四年をもって完了して、公団はその使命を終わることに当然なるわけです。そこで、政府としてお考えになった点は、公団の延命策を考えて、そして今度は大規模林道、スーパー林道に対しても、公団の事業としてやれるというような改正を意図されたわけでございまして、そういうことになれば、これは当然業務の範囲内で規定する問題じゃなくて、新たに第一条の目的として当然前面に掲げるべきではないかということをわれわれは繰り返して指摘しておるわけでございます。そこで、その必要がないということになれば、むしろ、その裏面に目的の改正ができない理由が伏在しておるということをわれわれとしては察しなければならぬわけでございますので、この機会に、どうして改正ができないのか、目的の改正をすれば支障があるのか、都合が悪くなるのか、その点を明確にしてもらいたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/10
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011・田中重五
○田中(重)政府委員 ただいまお話のとおりに、熊野、剣山地区の林道開設は終わっておるわけであります。それから関連林道は四十一年に終わります。それから水源林造成は四十四年、そういうことでございますけれども、この目的にあります、地勢等の地理的条件がきわめて悪くて、そして豊富な森林資源が未開発のまま放置されているという特定の地域について、それを開発していくということについては、これは今回の新公団林道の目的とまさに合致すると考えまして、大臣が申し上げましたように、その改正の必要を認めなかったということでございます。
なお、いま先生の御意見の、たとえば産業の開発とかそういうようなことでもあるからということで、その地域開発を、私どもが考えております副次的効果であるものを目的であるかのようにもし規定したりいたしますと、道路法上の道路との法律体系の混乱も出てくるのではないかということも考えまして、あくまでもそういう効果については副次的な効果であるという考え方に立っているわけでございます。
なお、今後、この目的の改正等につきましては、水源造林あるいは関連林道、そういうものが終わった時点ではまた検討の要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/11
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012・赤城宗徳
○赤城国務大臣 十八条の業務が終了して、第一条の目的を達成した、もう川がないということであれば、筋からいえば、この森林開発公団法というものは、不要に帰するといいますか、要らなくなることだと思います。しかし、いまのお話の中にありましたように、たとえば熊野、剣山等の改良、復旧及び管理ということもありますし、あるいは関連林道につきましても、あるいは水源造林につきましても、まだやることがあるということも、全然これをやめてしまったということでもないかと思います。そういう意味におきましては、この森林開発公団法がもう不要に帰したという段階ではないところへ、今度はスーパー林道の問題が出てきた。この特定の地域内の森林を開発するということは、熊野、剣山ばかりでなく、今度のスーパー林道でも、そういうような第一条のものに該当させ得る、こういうことでありますので、関連林道をつくるとき、あるいは水源造林をやるときには、新たなる目的をつけ加えないと、業務の範囲と一致しない、こういうことで、改正を加えたわけでございますが、今般はこの目的の中に該当させて含み得る、こういうふうなものですから、特に改正を加えない、こういうことでございます。筋としては芳賀さんのおっしゃるような筋でございますが、この範囲内に含めて差しつかえないという見解から、改正を加えない、こういうふうに御了承を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/12
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013・芳賀貢
○芳賀委員 それは農林大臣が法律の改正の趣旨を残念ながら十分のみ込んでおられぬから、長官の説明と同じようなことを言われる。従来と違う点は、従来は熊野、剣山というふうに、最初からもう限定された特定の地域における公団の林道専業であったわけでございますが、今度の場合には、全国森林計画に基づいて、十カ年の基本計画の中の、最も重要な、枢要と認められる基幹線林道について、これを一部公団専業として取り上げるという点に、従来と違った点があるわけです。
もう一つは、今度のスーパー林道というものは、公道と公道の間をつなぐ、そういうことが前提になっておるわけです。それは国道であっても、あるいは府県道であっても、とにかく道路法に規定された公道を連絡させるということが採択の第一の条件になっておるわけですね。第二の条件は、その受益する面積、地域というものが広域である。非常に広域にわたらなければならぬという点が第二の点であるし、第三の点は、革にこの林道の開設が林業生産の増大だけに寄与するというのではなくして、林業以外の産業の振興発展にも十分寄与するものでなければならぬ。この三つの条件がいわゆる採択の基礎的な条件になっておるわけです。
そうしますと、従来の熊野、剣山の林道あるいは国が行なう関連林道と、その性格というものが全く違ってくるわけですね。ですから、厳密にいえば、これは公道と林道との範囲というものをどこで画するかということにもなってくるわけでございますが、とにかく昨年の林業基本法制定の経緯にもかんがみて、林道の持つ使命というものは、社会公益性というものが拡大されるということについては、われわれとしても異論のない点であります。そういう背景の上に立って、林道卒業としてこのような大規模のものが開設されるということについては、これは国民も支持する点であると思いますが、そうであれば、この際、森林公団法の前段の目的にその点を明らかにして、そして十八条の業務の範囲というものもまた明確にして、強力に事業を行なうということであればいいと思いますが、どうも今回の改正というものは、その点に欠けておるわけですね。
ですから、どうしても目的の改正ができないということであれば、われわれの判断としては、おそらくこれは有料林道として考えておるということにしかならぬと思うのです。熊野、剣山の場合には、最初から公団がこれを開設した場合には管理する、そうしてこれは第二十一条の規定に基づいて管理規程というものを設けて、この規程によって、この公団林道については利用料——交通する車馬に対しては通行料をとるということでやっておるわけです。その通行料というものが、いわゆる公団林道の維持管理費に当たるということになっておるわけです。ですから、もしも今回のスーパー林道というものが熊野、剣山と同様に、その維持管理については通行料を徴収してこれが管理に当たるということであれば、これはますます問題になると思うわけです。それ以外に目的を改正できないという理由はないわけなんです。そういう意図があるとすれば、当然第十八条の一号の次に、この一号の二というものをそこに割り込まして——現行法の十八条の一項の一号、二号の事業については、これは公団が管理するということになっておるわけです。関連林道については、公団が開設、改良事業を委託されただけであって、完成した場合においては、その維持管理は国有林野事業として行なうことになっておるわけです。ですから、関連事業は公団は管理権がないわけです。だから、今度の場合に、熊野、剣山に並べて管理するということになれば、これは二十一条の規定に基づいて、受益者の負担であるとか、通行するものに対して通行料を徴収するということに当然なると思うわけです。そこで、この種の地域産業に貢献する、あるいは社会公益性を持った公共の林道、産業道路的な性格を持った道路の開設に対して、今後は公団が行なった場合においては必ず交通料をとる、有料道路にするということになれば、これは問題がそこから非常に発展すると思うわけです。ですから、こういう点を農林大臣は意図されて、しかもその財源はガソリン税の身がわり財源として、これは農民の消費する農業用ガソリンについては免税すべきが当然であり、農林大臣もその意思を持っておられるわけでございますが、本年度についてはその還元措置の方法として、農道、林道あるいは漁港道について、返すべき税金をもってこれに充当するということになっておるわけでありまして、金額は四億円であっても、当然返還すべきガソリン税をもって今度はスーパー林道を開設して、できた道路については、また関係住民から通行料をとる有料道路を開設するということについては、これは道義的に考えても非常に問題があるわけです。そういうことをやるとすれば、もちろん目的の中にそういうことを打ち出すわけにはいかぬでしょうが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/13
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014・赤城宗徳
○赤城国務大臣 繰り返して申し上げますが、有料道路にするために第一条を改正しないということではございません。改正の経過からいいましても、関連林道をつくる場合には、第一条のうしろのほうに「国有林と民有林とが相接して所在する特定の地域」こういうことで加え、あるいは水源造林の場合には、第一条の前のほうに「水源をかん養するため」云々、こういうふうに改正したのでございますけれども、今度のスーパー林道は、先ほど言いましたように、林道には違いありません。それから一般の国道との関連においてどうかというふうな意味のお話がいまございましたが、これは別といたしましても、第一条の「地勢等の地理的条件がきわめて悪く、」とか「かつ、豊富な森林資源の開発が十分に行なわれていない特定の地域内」こういう中に含まれるということから、あえて改正を加えないのだ。いま御指摘のように、事業の範囲が当該地域の林道以外の産業の振興に寄与する、こういうことで、国道と国道の間にも連絡するというようなことでございますが、これは副次的効果であります。第一義的な問題は林道の地勢等の地理的条件がきわめて悪いということ、かつ豊富な森林資源の開発が十分に行なわれていない地域の森林を開発するということでございますので、そういう林道でございますから、この中に含めて差しつかえない、こういうことでございまして、有料道路にするために目的を改正しないのだということではございません。この有料、無料というような管理のことは、いま御指摘のように二十一条に規定されております。この二十一条は管理等につきまして、いろいろな管理の方法を規定しておりますので、必ずしも有料道路でなくてはならないということではございません。でありますので、この新公団林道ができるといたしまして、その管理方法につきましては、また別途考えるべきだ、一条の目的とは別に、二十一条の規定に従って考えるべきだ、こういうふうに思われます。
そこで、新公団林道の維持管理に要する経費の徴収方法でございますが、それにつきましては、森林所有者その他の受益者から地方公共団体、森林組合等を通じて徴収することといたしまして、従来のように通行車両ごとに徴収する方法はとらない、こういうことにしたいという方針を持っております。しかし、これは二十一条に従って、こういう規定によって措置していくということでございまして、一条の目的とは関連がないといいますか、一条を改正しなければならない問題ではない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/14
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015・芳賀貢
○芳賀委員 今度の林道の場合、熊野、剣山とか、それから関連林道とは違うのですよ。ただ、予定される三路線についても、たとえば岩手県の奥岩泉の林道にしても、あるいは北海道の白糠路線にしても、あるいは長野県の奈川安曇林道にしても、これは路線の図面を見れば明らかなわけなんです。延長の長いのは北海道の五十七キロとか、岩手、長野については、それぞれ三十数キロ長いわけです。ですから、われわれは路線図を一見しても、これは単に森林資源の開発だけの——その用ももちろんあるわけです、森林の中を縦断するわけですから。しかし、それと同時に、公道と公道を結ぶということになれば、岩手県の奥岩泉のスーパー林道の場合においても、これは太平洋岸の久慈港と盛岡を結ぶという道路としては、非常に重要な役割りを距離的にも果たすわけです。だから、もちろん、この道路を利用して林産物の搬出等が行なわれるが、それ以外にこの道路交通の便益に供するとか、あるいは観光開発のための利益に寄与するとか、あるいはその地域全体の農業の開発あるいは産業開発のためにも、このスーパー林道というものは相当大きな効果をあげるということは予測できるわけです。そういうような性格を打った道路ですから、これはたとえば北海道開発を基礎にした北海道の開発事業の場合においては、これらの種類の道路というものは、林道というより、むしろ開拓道路とか産業開発道路として扱う筋合いであると私は判断しているわけです。北海道開発事業における公共事業としての開拓道路あるいは産業開発道路は、これは全額国の負担で開設して、一定の年限維持管理を行なって、その後に道あるいは市町村に移管するという方針をとっているわけですから、これを地域的に考える場合には、たとえば北海道の場合には、この種の林道というものは、むしろ道路の格づけを開拓道路あるいは産業開発道路として、国の主体的な責任で行なうのが当然であるというふうに考えておるわけです。それを北海道にも有料林道を持ち込むというような考え方は、これはいまの北海道の開発法に基づく開発事業の基本に対しても逆行するものであると考えるわけです。こういう点は、一体開発庁としてどう考えていますか、長官の出席を求めているわけですけれども、明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/15
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016・増原恵吉
○増原国務大臣 御質問の趣旨は十分わかるわけでございますが、現在北海道でやっております開発関係にも、事実上おのずから財源の限度があるわけでございます。そのほうを拡充するために鋭意努力はいたすわけでございますが、そうした事実上の限度にかんがみまして、このたびこの新公団林道というものが新しく出発をして、維持管理のための経費若干をいま農林大臣の御説明にあったような形で徴収することにしますが、いわば新しい財源で新たな新公団によるということが、北海道全体にとりましては適当なことである。もとよりおっしゃるように、開発方法といたしまして、全額国庫負担で施行することができればそのほうがさらによろしいということは申すまでもないことであります。事実上そういうわけにもまいりかねる向きもございますから、われわれとしても、やはりこの新公団林道を北海道にも振り当ててもらうようにぜひいたしたい、そういう考え方でこれを期待いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/16
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017・芳賀貢
○芳賀委員 それは長官おかしいじゃないですか。もらえるものならば正月の棺おけでももらいたいというような考えではないですか。これは林道はもちろんできますが、その林道は有料制になるのですよ。公団が維持管理をする限り、永久とは言わぬにしても、将来にわたって、この道路を利用するものは必ず料金を払わなければならぬ、そういうことになるわけですね。そうなると、北海道の開発事業あるいは公共専業等は、国の負担の特例措置というものがあって、内地府県よりも、北海道の公共事業に対しては、国が高率の負担を行なって、北海道の開発を促進しておるという実態があるわけでしょう。この考えは、そういうものは要りません、地域の住民や受益者が料金を払って維持管理しますからという思想にこれはつながるわけですよ。これは歓迎しますというのは、おかしいではないですか。開発庁側としてはおかしいじゃないですか。開発法をもう一回読み直して、そういう精神が北海道開発法の基底をなしているかどうか、これは勉強してもらいたいですね。われわれとしては、こういう有料道路制というものは、北海道においては採用すべきではない、そういうことをむしろ長官から発言があることを期待しておったわけですが、あなたは全く逆なことを言っておるわけです。これ以上あなたに質問してもしようがありませんから、そこで、農林大臣にお尋ねします。
これは何としても受益者に維持管理を負担させるという思想に変わりがないのです。そういうことをしないというのであれば、やはりこの第一条の目的についても、今度公団が行なう林道の性格とか運用についても、それが林業以外の産業の振興に寄与するという目的のものであれば、そういう点はやはり目的にうたうべきであるし、それから公団がこれを行なった場合、絶対に有料制にしないということであれば、この点は大臣から明確にしておいてもらいたいわけです。十八条の改正規定というものは、明らかに二十一条の管理規程に基づいて、これは有料制にするということに間違いはないわけですからして、有料制にしないのであればしない、そしてその維持管理については——何もできたものは公団か維持管理しなければならぬということはないと思うのです。たとえば北海道には公団の出張所があって、札幌には七人しか職員がいないのですよ。こういう貧弱な体制で五十七キロに及ぶ林道の開発をやるとか、将来維持管理をやりますとかいうことは、もともと無理なんですよ。事業についても自分がやるのでないですから、公団自身は林道についても造林についても施業能力というものはないのです。予算をもらって、それをトンネル機関的に請負に付する。そうしてできたものについては、熊野、剣山は維持管理の名目のもとに交通料を徴収して、それで維持管理を行なうというにすぎないわけです。造林についても、これは決して公団がみずから造林を施業するわけではないのですね。いまの分収造林の三者契約の場合に、公団は単に費用負担者として造林の費用を融通するというだけであって、大事な造林の事業というものは、土地所有者あるいは造林者が別な人格でやるということにしかすぎないわけです。ですから、われわれが見ると、同じ農林省の所管の中にある愛知用水公団であるとか、あるいは農地開発機械公団であるとか、それ以外の事業をみずから行なう公団に比べると、これは全く実行能力を持たない公団であるわけでございますからして、この必要性というものは理論的にはないのですね。こういう点は、この際農林大臣として——このままいけば、四十四年度でこれは使命が達成されて、必要ないということに当然なるわけですが、次々に延命衆を講じて、むしろ地域住民に負担をかけるような形で公団の温存をはかるということについては、非常に問題があると思うわけです。ですから、その点については、この際明らかにしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/17
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018・赤城宗徳
○赤城国務大臣 私は、根本的に、いまの最後のお話のように、公団等を延命していこうというような思想というか、考え方は打っておりません。ただ、今度のスーパー林道を行なう事業主体として、森林公団をしてやらせるということが適当であろうというふうに考えますので、業務の範囲をその点で広げたわけでございます。お話のありましたように、この林道は産業開発道路的な性格を持っております。でございますから、普通の産業道路として道路法でやっていくのなら、やっていってもあえて差しつかえはないものだとは思いますけれども、第一条の目的のように森林の開発のための林道として行なっていくということが、いま林野行政からいいましても差し迫って必要なことだ、こういうふうに考えておりますので、森林開発公団をして事業主体としてやらせるというような方法をとったのでございます。そういうことでございますので、地元負担ということが伴うわけでございます。一般の国道等と違いますので、地元負担が伴うわけであります。それにつきましては、二十一条にありまする管理規程をつくることになりますが、それをつくるにつきましても、いまのだんだんのお話のようなこともありますので、私は、これを有料道路的に扱うのは適当でない、したがって、地元負担的な扱いをしたらいいのではないか。でありますので、この森林公団林道の維持管理に要する費用の点につきましては、森林所有者その他の受益者から、地方公共団体とかあるいは森林組合等を通じて徴収するようにするのが適当ではないか、通行車両ごとに有料道路的に徴収する方法はとらないことにいたしたい。これは二十一条の中の管理規程として、そういうものを設けるべきではないか、こういうふうに考えておりますが、そういう方針であるからといって、第一条の改正にまで手を触れるとかいう必要はないのではないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/18
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019・芳賀貢
○芳賀委員 有料道路にしないということになれば、これは結局スーパー林道の開設非業は公団にやらせるが、完成後の林道の運営については公団にやらせないということにしなければ筋が通らないですよ。もともと、林道というものは森林法に根拠を置いておるものであって、その林道の計画というものは、全国森林計画をもとにして、地域森林計画というものが五カ年計画があって、その地域森林計画の中に、林道の附設、改良の事業とかあるいは森林保安専業、これはいわゆる治山事業のことでありますが、そういう点が基本計画で列挙されておるわけです。だから、林道の開設あるいは管理の主体というものは、森林法に基礎があるとすれば、やはりこれは都道府県ということになるわけです。ですから、国の補助にしても、森林法第百九十三条によれば、都道府県が地域森林計画に基づいて林道の開設事業をやって、その経費については国がこれに対して補助をする。それからいわゆる市町村とか、それは公団であってもいいわけでございますが、都道府県以外の林道開発の実施者に対して都道府県が補助をした場合には、国は都道府県が補助を行なった費用について補助をしなければならぬということになっておるわけです。ですから、主体は都道府県になるわけで、公団に開設事業をやらしたほうがいいとすれば、まずそれをやらすことは方法としていいでしょう。しかし、でき上がったものは、当然都道府県あるいは市町村に管理させるということになれば、林道の維持管理の費用等について、当然これは都道府県が負担するわけでございますが、それに対して、この開設する場合の補助率よりは低いけれども、補助林道の事業については当然国が負担しておるわけですね。これはそのほうが筋が通るわけなんです。無理に公団に管理させても、財源というものはないのだから、結局何らかの形で関係者に負担させるということになるわけですが、通行料を取らないとすれば、今度の林道は、従来のこの公団法に規定された林道よりも林業以外の利用度が多いわけですね。観光に利用する場合もあるし、交通の距離が近くなるわけだからして、そこを公道並みにどんどん利用する度合いが強くなるにもかかわらず、その維持管理の費用は、森林所有者あるいはその地域における受益者として限定して、その者だけに負担させるということになると、これはますます問題があると思うわけです。ですから、この点は、法案の改正の内容に未熟な点があるとすれば、これは重要な問題ですからして、何もいま急いでこれをあげなければならぬということはないと思うのです。大臣は通行料はとらぬ、有料道路の方式はとらぬとすれば、この改正点は、もう一回練り直さなければならぬということに当然なると思うのです。答弁だけでこのまま通すわけにいかぬ内容だからして、若干時間がかかるが、もう一度政府において再検討を加えて、ただいまの農林大臣の発言の趣旨にていさいを改めて、改正案を出し直されたらいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/19
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020・赤城宗徳
○赤城国務大臣 これは林道でも農道でもそうでございますが、一般的に申し上げます。できて、ある時期を経れば、これは国有地にして、町村道とかあるいは府県道にするというのが筋でございます。しかし、森林公団で開発した道路が直ちに府県道なり国道に編入されるということにも相なりません。そういうことでありますと、公団なら公団で相当の期間、ある期間これを管理しなくてはならぬ。これは実際上、行政上で、そういうことはもうやむを得ないといいますか、そういうことはあり得ることでございます。でございますから、開発のあとの管理というものに対しましての一応の規定をしておかなければならない。これは国有地になって国道とか府県道になりますならば、当然国あるいは府県の管理に移るわけであります。そういうふうに移るまでの間は、これは開発者が管理する。管理するに費用がかかる。あるいは地元負担の徴収ということが必要だ。こういうことは行政上、実際上あり得ることでございます。でございますから、森林公団で開発した道路につきまして、いまの地元負担的な経費を徴収する、こういうことは必要なことでございます。そういうことでございますので、これは建設省で国道をやるとか、あるいは道庁で府県道をやるという場合なら、それで済みますが、公団でやる場合におきましては、一定の費用の地元負担というようなものは公団で管理をしてある程度徴収する——負担するものを徴収するといいますか、そういう必要があると思いますので、これはやはりそれとして行なっていかなければいかぬ、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/20
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021・芳賀貢
○芳賀委員 時間の都合で、いろいろ問題があるわけですが、次に、具体的な問題として、今回のこのスーパー林道の専業実施の財源措置は、これは御承知のガソリン税の身がわり財源ということで、農道、林道、漁港道に対してこれは処理することになっておるわけですが、この点については、予算委員会の経過等においても大臣御承知のとおりであって、明年度以降については、国会においては、関係委員会においてガソリン税の免税措置についてさらに検討するということになっておるので、将来にわたってこのガソリン税身がわり財源でこれらの公共事業を行なうということはできないと思うのです。ですから、着実に考えれば、この財源措置は今年限りということに断定してもいいと思うわけです。明年度以降継続的にこれを実施する場合の財源の措置というものは、これは当然国の公共事業として一般会計において計画を立てて、予算措置をすることはもちろんでありますが、この点に対しても非常に不明確な点があるわけでありまして、今年の場合でなく、明年以降の事業実施の財源措置についてはどうするか、これを農林大臣並びに大蔵省当局からこの機会に明確にしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/21
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022・赤城宗徳
○赤城国務大臣 このスーパー林道の考え方は、私は、ガソリン税の財源を目当てとしなくてもやるべきものだというふうに考えておったものでございます。たまたま、ガソリン税の免税に見合うものとして今度実施することに方向づいたわけでございます。でございますので、これはガソリン税を目当てとして継続していきたいという点が第一。もしそれが財源として確保されないという事態がありましても、一般財源からこういうものは進めていくべきものだ、私はこういうふうに考えております。でありますので、かりに減免措置が実現された場合にも、私は遺憾のないようにこういうものは続けていきたい。目当てになれば目当てとして、見合いでどんどんなお進めていくし、見合いがなくなったとしても、独自で一般財源から調達して、こういう林道の開発というものは進めていきたい、私はこういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/22
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023・澄田智
○澄田政府委員 農業用のガソリン税につきましては、今後なお委員会において明年度以降につきまして御検討いただく、こういうことになっておりますので、その検討の結論によって措置をとる、こういうことに当然なるわけでございます。まあ目下のところは、私どもといたしましては、予算委員会のほうに報告を出しましたように、徴税上いろいろ困難が多いということで、今後ともその場合においては身がわり措置としての予算措置は続いて、いくものではないか、こう考えておりますが、これは先ほども申し上げましたように、今後の検討ということになります。かりに農業用ガソリンの免税が行なわれまして、その場合に本件のスーパー林道はどうか、こういうことでございますが、これは今回三地区の事業に着手するということになれば、この事業はいまも農林大臣のお話にもありましたように、これは継続すべきである、途中で財源がなくなったから中止する、こういうものではないと考えております。ただ、私どもの立場から申し上げれば、免税が行なわれますと、それだけ財源が減ります。予算編成のことでございますから、そのときの一般の財源の状況にもよりますので、あらかじめいろいろ申し上げるわけにもいきませんが、特定財源が、そういう財源が減るという場合には、予算全体としてはその影響を受けざるを得ない。したがいまして、林道予算全体、その中にはほかの林道もございます。そういうようなものも全体の中で考える、全然影響なしと申し上げるわけにはどうもいかないのではないか、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/23
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024・芳賀貢
○芳賀委員 これは大蔵省の考えとしては、大蔵省自身の希望としては、特定財源というものをガソリン税の免除を行なわないで、その身がわりということでやっていきたいということが明らかにされたわけてございますが、そういう措置はとるべきでないというのがわれわれの主張ですからして、いつまでもガソリン税の身がわりというふうな特定財源に依存することはできないわけです。できなくなった暁に、この公団林道をはじめ、基幹農道あるいは漁港道についても、これは公共性とか、その地域の産業の発展とか、農業開発のために重要な意義を持ってこれを開設するわけでございますから、ガソリン税の見がわりがかなくなったからできないとか、一般の林道全体の予算とか、農道の予算の範囲内でやるべきであるということになれば、これはいまからやめておいたほうがいいですね。ほかの補助林道等の予算というものをそれだけ削減して、何も無理に公団林道をやらなければならぬということはないと思う。あるいはまた国有林野事業特別会計等の積み立ての中からこの種の道路の特定財源に充てるということ、これはまた特別会計の趣旨からいってもとるべき方法ではないと思うのです。これは非常に重要な点があると思います。将来に対して見通しがないのであれば、こういうものはやらないで、むしろ筋を通して、林道の予算というものを公共事業として、補助率の引き上げとか、地元負担の軽減という形で、前向きに進めるべきであると思いますが、そういう点は農林大臣、開発庁長官、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/24
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025・赤城宗徳
○赤城国務大臣 先ほど申し上げましたように、土地改良にいたしましても、農道というものは非常に私どもは重要視して、これは毎年施行の量をふやしていきたい、こう考えています。林道等につきましても、これは林野行政の重大な施策として量をふやして施行していきたい、こう考えておりますので、もう固定して、ことしの予算だけで来年の林道はやらなくてはならないのだ、こういうふうには考えておりません。でありますから、そういうふうに固定しますると、もしもこのスーパー林道の財源がなくなればほかの林道が減ってしまうというように、そのワクの中で考える、ワクの中で増減をするというよりも、年々量を増大していくべきものだ、こういうふうに考えております。したがいまして、このスーパー林道等におきましても、財源の見合い、かかりになくなったといたしましても、その分につきましては、一般会計予算からほかの林道と同じようにふやして行なっていくのが至当だ、またそうしたい、こういう方針で進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/25
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026・増原恵吉
○増原国務大臣 ただいま農林大臣の申されたところと同様の趣旨で、たとえ特定財源の見合いがなくなるようなことがありましても、全般としてのこの種予算の増額を要請しまして、こうしたものは続いて施行できるように最善の努力をしたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/26
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027・芳賀貢
○芳賀委員 最後に、もう一点だけお尋ねしておきますが、昨年の林業基本法の審議の中においても、特に造林あるいは林道というものは、これは国土保全の治山事業とあわせて、当然公共事業として強力に進めていくべきであるという観点に立って、基本法の関連法として林道に関する立法措置をすみやかに行なうべきだということが論議されまして、また農林大臣も、その趣旨に沿ってすみやかに法制化の作業を進めるということが明らかにされておるわけでありますが、この法案の審議においても、林道というものに対する性格的な規定とか、立法上の根拠というものは非常に複雑であり、また薄弱であるわけですね。一方においては道路法というものがあり、また高速道路整備促進法といったものがあって、公道に対する規定あるいは有料道路等に対する根拠規定というものがあるが、林道については、単に森林法にその根拠があるというだけにすぎないわけです。ですから、問題が出るたびに、こういうような不明確、不明朗な問題に当面するわけでございますからして、この際、林業基本法の趣旨に沿って、明らかに林道に関する法制上の規定というものを整備して、それに基づいて実施するということは当然だと思うわけです。たとえばいま提案されている治山治水緊急措置法にしても、その中の治山事業というものは、森林法から見れば、森林の保安施設事業、治山事業というふうに見ているわけです。この点は法律の根拠があって、今度は五ヵ年計画でやるということになるわけでございますが、これは国有林野事業特別会計の中にわざわざ治山勘定というものを設けて、この勘定については、五ヵ年計画あるいは十ヵ年計画に基づいて、毎年一般会計から財源の繰り入れを行なって、計画的に治山事業あるいは治水事業を行なっているわけです。ですから、これは森林の立場から見ても、決して林道というものは治山事業に劣るものではないわけでございますからして、やはり林道法あるいは林道整備促進法というような名前の法律をすみやかに制定して、それに基づいて長期的な実施の計画というものを立てて、実施に必要な財政措置というものを明らかにして、そうしてそれを特別会計でやるならやるとか、あるいは国有林野事業特別会計の中で、治山勘定とあわせて林道勘定を設けるとか、計画については、少なくとも法律に基づいて、閣議決定等を通じて年次的な専業の実施を行なうということにしないと、毎回道路と林道との判断の問題であるとか、有料道路にするかしないかという問題とか、当面してわれわれとしても迷惑を感ずるわけですからして、この点に対しては、農林大臣として、あるいは関係官庁においても、速急に林道に関する法制的な根拠を明確にして、強力な林道事業に対する実行を進めていくということは、これはぜひ必要なことになるわけです。この際、担当の農林大臣から所信を明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/27
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028・赤城宗徳
○赤城国務大臣 いま御指摘のように、治山治水五ヵ年計画等には財政の裏づけかございます。しかし、林道とか造林につきましては、昭和三十七年に策定した全国森林計画というものはありますけれども、財政的な裏づけが確保されておりません。で、今後この計画の遂行のために、財政的裏づけの確保につきましては、鋭意努力いたしてまいりたいと思います。ただ、そのために林道に関する法制的措置等を講じて林道の振興に資する、こういうことが必要であろうというような御指摘でございますが、私もそういうことは考えておりますが、実際にその点につきましては、なおその方向に検討を加えていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/28
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029・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 本案の質疑はこれにて終結いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/29
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030・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もないようでありますので、これより直ちに採決に入ります。
森林開発公団法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/30
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031・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/31
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032・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 この際、本名武君外二名から、本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
趣旨説明を許します。本名武君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/32
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033・本名武
○本名委員 ただいま可決されました森林開発公団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党三党共同により、附帯決議を付したいと思います。
まず、案文を朗読いたします。
森林開発公団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、林業基本法制定の主旨に即し、すみやかに関連法の整備をはかる必要があるが、とくに、林業生産の基盤として極めて重要な施設である林道網の整備拡充に関する法制上、財政上必要な措置を講ずるとともに、本法施行にあたり左記事項を検討し、その実現を期すべきである。
記
一、公団林道の採択基準を明らかにするとともに、開設に必要な財源については、将来農林漁業用揮発油税の免税身替り財源に拘泥することなく措置すること。
二、公団林道の維持管理に要する費用については、有料道路として森林開発公団が徴収する方式によらず、地方公共団体等を中心に運営管理する方法によること。
三、公団業務範囲の拡大に即し、その機能の充実と職員の労働条件の改善をはかること。
四、林業労働力を確保するため、雇用の安定、労働条件の向上等について必要な措置を講ずること。
右決議する。
昭和四十年三月十日
衆議院農林水産委員会
趣旨説明は、今日までの質疑を通じて明確でございますので、省略いたします。何とぞ全員の御賛同を得られますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/33
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034・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 おはかりいたします。
本名武君外二名の動議のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/34
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035・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 起立多数。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
この際、ただいまの附帯決議について農林省当局の所信を求めます。赤城農林大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/35
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036・赤城宗徳
○赤城国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してその実現を期したい、こう思っております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/36
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037・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/37
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038・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
〔報告書は附録に記載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/38
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039・坂田英一
○坂田(英)委員長代理 次会は明十一日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805007X01219650310/39
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