1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十八日(火曜日)
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昭和四十年五月十八日
午後二時 本会議
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○本日の会議に付した案件
行政監理委員会設置法案(内閣提出、参議院送
付)
道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院送付)
閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理
に関する法律案(参議院提出)
日本育英会法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院送付)
精神衛生法の一部を改正する法律案(内閣提
出)
天災による被害農林漁業者等に対する資金の融
通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時
措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改
正する法律案(農林水産委員長提出)
下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
参議院送付)
石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律
案(内閣提出、参議院送付)
海上運送法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院送付)
日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対
照表及び損益計算書
炭鉱災害防止に関する決議案(加藤高藏君提
出)
午後二時六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/0
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001・船田中
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
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行政監理委員会設置法案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/1
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002・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、参議院送付、行政監理委員会設置法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/2
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003・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/3
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004・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
行政監理委員会設置法案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/4
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005・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事八田貞義君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔八田貞義君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/5
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006・八田貞義
○八田貞義君 ただいま議題となりました行政監理委員会設置法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
御承知のとおり、昨年九月、臨時行政調査会から、行政制度及び行政運営の改善に関し、広範な意見が内閣総理大臣に提出されたのでありますが、政府は、その意見のうち、まず、民間の意見を導入し、行政の改善に資するための行政監理委員会設置の実現をはかることを緊要と判断して、本案の提出となったのであります。
その内容のおもなる点は、
第一に、行政制度及び行政運営の改善に資するため、行政管理庁の機関として行政監理委員会を設置すること。
第二に、行政監理委員会は、重要な行政制度及び行政運営並びに行政監察の方針、その基本計画及び監察の結果に基づく重要な勧告事項について審議するとともに、行政管理庁長官に意見を述べ、並びにその諮問に答申すること。
第三に、行政監理委員会は、行政管理庁長官をもって充てる委員長及び国会の同意を得て内閣総理大臣が任命する六人の委員で組織すること。等であります。
本案は、四月三日本委員会に予備付託となり、四月十四日政府より提案理由の説明を聴取し、四月二十八日参議院より送付されて本付託となったのでありますが、本日、質疑を終了し、討論もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/6
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007・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/7
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008・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/8
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009・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/9
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010・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/10
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011・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/11
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012・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事久保田円次君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔久保田円次君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/12
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013・久保田円次
○久保田円次君 ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案の要旨は、
第一に、道路交通の実情にかんがみ、自動二輪車の運転者の順守事項を定めるとともに、自動車の安全運転管理者の制度を設けること。
第二に、運転免許制度の合理化をはかるため、軽自動車等の運転免許にかかる資格要件及び試験方法を強化し、運転免許の種類及び運転することができる自動車等の種類に関する規定を整備すること。
第三に、高速自動車国道における交通行政の一元化をはかること。等であります。
本案は、参議院先議のため、当委員会に予備付託され、四月二十八日、本付託となり、吉武国務大臣から提案理由の説明を聴取し、自来、熱心に質疑が行なわれました。
本日、質疑を終了し、別に討論の通告もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本案に対して、自民、社会、民社の三党共同提案により、道路交通行政の一元化、交通安全施設等の整備拡充とそのための十分な財政措置、交通安全を実践するための一大国民運動の展開、運転免許の資格要件強化に伴う中小企業への配慮等を内容とする附帯決議案が提出され、これまた全会一致をもって可決いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/13
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014・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/14
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015・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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閉鎖機関令等の規定によつてされた信託の処理に関する法律案(参議院提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/15
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016・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、参議院提出、閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理に関する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その議題を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/16
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017・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/17
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018・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理に関する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/18
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019・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長吉田重延君。
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔吉田重延君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/19
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020・吉田重延
○吉田重延君 ただいま議題となりました閉鎖機関令等の規定によってされた信託の処理に関する法律案について、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
この法律案は、閉鎖機関令等の規定によってされた信託について、その存続期間の経過後も、なお従前の信託事務を行なうことができるようにするため、その存続期間を延長しようとするものであります。
すなわち、満鉄等の閉鎖機関等のうち、債権者の所在不明等の理由で特殊清算を結了できないものについては、債権者に弁済すべき給与、賞与、退職手当等の財産を信託することによりその信託の受託者から債権者に対する支払い事務が続行されてまいりましたが、信託契約の存続期間の満了とともに、満了の際に残っている財産は国庫に帰属することとなりますので、この際、五カ年間その存続期間を延長することによって、引き続き信託事務を行なうことができるようにしようとするものであります。
本案は、参議院提出の法律案でありまして、審査の後、本日、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/20
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021・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/21
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022・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日本育英会法の一部を改正する法律案(内閣
提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/22
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023・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、参議院送付、日本育英会法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/23
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024・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/24
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025・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
日本育英会法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/25
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026・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。文教委員長渡海元三郎君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔渡海元三郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/26
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027・渡海元三郎
○渡海元三郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過とその結果を御報告申し上げます。
本案は、幼稚園教員及び養護教諭の人材確保に資するため、日本育英会が大学における貸与金の返還を免除することができる職に、新たに幼稚園の教育の職を加えるとともに、国立養護教諭養成所における貸与金についても、大学の場合に準じてその返還を免除することができるようにし、あわせて、日本育英会の監事の職務権限に関する規定を整備しようとするもので、公布の日から施行することになっております。
本案は、二月十九日政府より提案理由の説明を聴取、四月二十三日参議院において修正議決の上本院に送付せられ、同日当委員会に付託されたものであります。
当委員会におきましては、慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
かくて、五月十八日、本案に対する質疑を終了、討論を省略して直ちに採決に入りましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決されました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/27
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028・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/28
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029・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。寺
精神衛生法の一部を改正する法律案(内閣提
出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/29
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030・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、精神衛生法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/30
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031・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/31
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032・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
精神衛生法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/32
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033・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。会労働委員会理事松山千惠子君。社
〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔松山千惠子君登壇〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/33
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034・松山千惠子
○松山千惠子君 ただいま議題となりました精神衛生法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、最近における精神医学の発達により精神衛生の向上をはかるため、精神障害者の医療及び保護並びに社会復帰に万全を期して、所要の整備をしようとするもので、そのおもなる内容は次のとおりであります。
まず、第一に、都道府県に精神衛生センターを設置することができることとし、調査研究を行なうとともに、精神衛生に関する複雑困難な相談に応ずること。
第二に、警察官、検察官等の精神障害者に関する申請通報制度を整備すること。
第三に、緊急の場合における措置入院制度を設け、自傷他害のおそれが著しいと認められた精神障害者は指定病院に入院させ得ること。
第四に、精神障害者の適正な医療を普及するために、入院治療を要せず、通院による医療を施すことがかえって効果的である場合は、通院医療費の二分の一を公費負担とすること。
第五に、保健所の業務として、存宅精神障害者に関する訪問指導体制の充実をはかるため、その専任職員を置くこと。
第六に、従来認められていた私宅監置制度たる保護拘束制度を廃止し、それらの患者はすべて精神病院に収容する。等であります。
本案は、去る三月十八日本委員会に付託となり、本日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、都道府県に精神衛生審議会を設置することができる旨修正し、採決の結果、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。
なお、本案に対し三党共同提案の附帯決議を付することに決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/34
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035・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/35
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036・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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天災による被害農林漁業者等に対する資金の
融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興
臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出)
積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を
改正する法律案(農林水産委員長提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/36
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037・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案とともに、農林水産委員長提出、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略して両案を一括議題となし、委員長の報告及び趣旨弁明を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/37
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038・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/38
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039・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/39
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040・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。農林水産委員会理事仮谷忠男君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔仮谷忠男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/40
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041・仮谷忠男
○仮谷忠男君 ただいま議題となりました二法案について申し上げます。
まず、内閣提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果につき御報告申し上げます。
最近における農林漁業経営の動向等にかんがみまして、被害農林漁業者の資金需要の増大に対処するとともに、被害者の負担の軽減をはかり、被害農林漁業者の経営の安定に資するため、本案が提出されたのでありまして、おもな内容は次のとおりであります。
第一点は、政令指定資金を設け、その貸し付け限度額を五十万円にすること。
第二点は、経営資金の償還期限五年を六年に延長すること。
第三点は、経営資金の貸し付け利率三分五厘以内を三分以内に引き下げること。
第四点は、激甚災害法における政令指定資金の貸し付け限度額五十万円を六十万円に引き上げること。
第五点は、開拓営農振興臨時措置法を改正して、開拓者に対する災害資金の貸し付け利率三分六厘五毛を三分に引き下げること。
第六点は、本法の改正規定を昭和三十九年七月一日以降の災害に適用すること。であります。
本案は、五月八日委員会付託、同十七日、提案理由の説明を聴取し、質疑に入り、五月十人目、質疑を終了し、採決の結果、原案どおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案には、沿岸漁民に対する本法の適用条件を緩和すること等二項目の附帯決議が付されたことを申し添えます。
次に、農林水産委員長提出、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
御承知のように、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法、急傾斜地帯農業振興臨時措置法、湿田単作地域農業改良促進法、海岸砂地地帯農業振興臨時措置法及び畑地農業改良促進法の対象になっております地帯は、いわゆる積雪寒冷あるいは急傾斜、湿潤、潮風、干害等自然的条件に恵まれず、農業生産力が著しく劣っている地帯でありまして、これら地帯の自然的条件を克服し、農業経営の安定向上をはかるため、昭和二十六年二月積寒法、二十七年五月急傾斜法、同年十二月湿田単作法、二十八年三月海岸砂地法、同年八月畑地法が制定されたのであります。
自来、それぞれの法律について再度にわたり有効期限の延長がはかられて今日に至っているのでありますが、これら対象事業の進捗状況を見ますると、法律制定当初に計画された振興計画等に対比し、遺憾ながら相当のズレを示している実情にあります。この際、昭和四十一年三月三十一日限りで失効するこれらの法律の有効期限を、さらに二カ年間延長いたしまして、引き続き事業の推進をはかり、所期の目的を達成するに遺憾なきを期するため、ここに本案を提出した次第であります。
以上が、提案理由及びその内容であります。
本案は、五月十人目の農林水産委員会において委員長提出の法律案にすることを決定いたしました。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/41
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042・船田中
○議長(船田中君) これより採決に入ります。
まず、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/42
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043・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/43
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044・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
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下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する
法律案(内閣提出)
特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
参議院送付)
石油資源開発株式会社法の一部を改正する法
律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/44
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045・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案、内閣提出、参議院送付、特許法等の一部を改正する法律案、石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/45
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046・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/46
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047・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/47
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048・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。商工委員長内田常雄君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔内田常雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/48
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049・内田常雄
○内田常雄君 ただいま議題となりました三案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案について申し上げます。
中小企業、特に下請企業の問題は、最近の経済情勢下においてきわめて深刻な様相を呈しており、本院においても、昨年末、中小企業の危機打開に関する決議が行なわれた次第であります。本案は、この決議の趣旨及び中小企業政策審議会下請小委員会の中間答申に基づき提出されたものでありまして、そのおもな内容は次のとおりであります。
第一は、下請代金の支払い期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査するかどらかを問わず、親事業者がその給付を受領した日から起算すべきものであることを明確にすること。
第二は、親事業者が、下請事業者に対し交付すべき書面の記載事項として、下請代金の支払い方法その他の事項を追加すること。
第三は、親事業者は、下請事業者に有償で支給した原材料等の対価を、下請代金の支払い期日より早い時期に支払わせることにより、下請事業者の利益を不当に害してはならないこと。
第四は、親事業者は、下請代金の支払いについて、その下請代金の支払い期日までに一般の金融機関で割引を受けることが困難と認められる手形を交付することによって、下請事業者の利益を不当に害してはならないこと。
第五は、下請代金の支払いを遅延している親事業者に対し、遅延利息の支払いを勧告することができること。等であります。
本案は、四月一日本委員会に付託され、四月二日政府より提案理由の説明を聴取した後、熱心なる審議を続け、昨日、質疑を終了いたしましたところ、本法の対象として規制を受くべき親事業者の範囲の拡大、書面交付義務違反に対する罰則、その他三点に関し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同の修正案が提出せられ、本日、採決の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと議決した次第であります。
なお、本案に対しましては附帯決議を付することに決しましたが、これらの詳細につきましては会議録により御承知を願います。
次に、特許法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
一九五八年リスボンで改正された工業所有権の保護に関するパリ条約、及び原産地の虚偽表示の防止に関するマドリッド協定へのわが国の加入が今国会において承認されましたが、この加入に際しましては、国内法制が整備されていることが必要でありますので、このために、特許法、実用新案法、商標法及び不正競争防止法の一部を改正するため、本案が提出されたのであります。
改正内容は、優先権主張に関する手続、権利の不実施を理由とする強制実施の請求、同盟国における商標権者の保護、政府間国際機関の記章の使用禁止、原産地の誤認を生じさせる表示の使用禁止、その他数項目について所要の整備を行なったものであります。
本案は、三月十九日本委員会に付託され、同月二十三日提案理由の説明を聴取し、本日、採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。
次に、石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案について申し上げます。
近年、わが国における石油需要の急増に対処し、総合エネルギー政策の一環として、海外原油の開発が強く要請されておりますが、石油資源開発株式会社も、この要請にこたえ、海外原油探鉱開発事業に積極的に取り組んでいるのであります。本案は、このような石油資源開発株式会社の海外事業の増大等、最近の業務の運営の実情にかんがみ、取締役の人数のワクを拡大するとともに、石油資源開発株式会社が、海外の地域において、石油資源開発事業を営むことができることを法律上明確にし、また、海外事業を営もうとするときは、通商産業大臣の認可を要すること等を定めるものであります。
本案は、去る三月十九日本委員会に付託され、同月二十三日提案理由の説明を聴取し、本日、採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/49
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050・船田中
○議長(船田中君) 三案を一括して採決いたします。
三案中、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案の委員長の報告は修正、他の二案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/50
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051・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり決しました。
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海上運送法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/51
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052・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、参議院送付、海上運送法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/52
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053・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/53
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054・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
海上運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/54
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055・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。運輸委員会理事大西正男君。運
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔大西正男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/55
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056・大西正男
○大西正男君 ただいま議題となりました海上運送法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
本案は、自動車航送の適正な運営並びに船舶運航事業の健全な発達をはかろうとするものでありまして、
改正の要点の第一点は、旅客定期航路事業者及び旅客不定期航路事業者の行なう自動車航送の運賃、料金並びに運送約款を認可制とすること。
第二点は、貨物定期航路事業者の行なう自動車航送事業を許可制とし、運賃、料金並びに運送約款の認可等については、旅客定期航路事業に関する規定を準用すること。
第三点は、貨物の運送秩序に関する勧告を、不定期航路事業者に対しても行なえるように改めようとするものであります。
本案は、四月三十日政府より提案理由の説明を聴取し、五月十五日及び本十八日質疑を行ない、討論を省略し、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告いたします。(拍手)連絡待ち発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/56
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057・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/57
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058・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借
対照表及び損益計算書発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/58
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059・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/59
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060・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/60
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061・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/61
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062・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長内藤隆君。
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〔報告書は会議録追録に掲載〕
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〔内藤隆君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/62
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063・内藤隆
○内藤隆君 ただいま議題となりました日本放送協会昭和三十八年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書に関し、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
この議案は、放送法第四十条第三項の規定に基づき、内閣より提出されたNHKの決算書類でありますが、これによれば、昭和三十八年度末現在におけるNHKの資産総額は六百五十三億六千六百八十万円余で、前年度に比し、百五十四億九千八百五十万円余の増となっており、また、損益では、事業収入六百一億二千三百七十二万円余に対し、事業支出は四百九十八億七千九百四万円余、資本支出充当八十二億五千二百九十万円余で、差し引き当期剰余金は十九億九千百七十七万円余となっております。
なお、本件には、会計検査院においては、特に記述すべき意見はない旨の検査結果が添付されております。
逓信委員会では、五月十人目の会議において採決の結果、全会一致をもって本議案については異議なきものと議決すべき旨決しました。
右、御報告いたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/63
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064・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本件の委員長の報告は異議がないと決したものであります。本件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/64
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065・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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炭鉱災害防止に関する決議案(加藤高藏君提出)
(委員会審査省略要求案件)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/65
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066・海部俊樹
○海部俊樹君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
すなわち、加藤高藏君提出、炭鉱災害防止に関する決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/66
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067・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/67
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068・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。
炭鉱災害防止に関する決議案を議題といたします。
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炭鉱災害防止に関する決議案
右の議案を提出する。
昭和四十年五月十八日
提出者 加藤 高藏
賛成者 有田 喜一
外二十三名
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炭鉱災害防止に関する決議
鉱山保安の確保については、数次にわたり決議を行ない、災害の絶滅につき厳重に注意を喚起してきたところであるが、最近相次ぐ大規模災害の発生によりとうとい人命が失われていることは、誠に遺憾である。
この際、政府は決意を新たにして、関係各方面の積極的な努力を促すとともに、すみやかに次の災害防止対策につき抜本的な検討を加え、所要の財政措置を講じ、もつて生命の安全を期すべきである。
一 鉱山保安監督行政の強化
二 保安確保の自主体制の確立
三 保安施設、機器の整備、改善
四 保安技術の開発促進
五 遺族及びり災者の援護対策の確立
右決議する。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/68
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069・船田中
○議長(船田中君) 提出者の趣旨弁明を許します。加藤高藏君。
〔加藤高藏君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/69
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070・加藤高藏
○加藤高藏君 ただいま議題となりました炭鉱災害防止に関する決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
決議案の案文はお手元に配付したとおりであります。
私は、まず、本会議におきまして炭鉱災害防止に関する件について決議をせざるを得ない事態に立ち至ったこの現実の姿に、きわめて遺憾の意を表するものであります。
御承知のとおり、石炭鉱業合理化の進捗に伴い、炭鉱が集約化され、一たび事故が発生するや、その災害の規模はすこぶる大となることが当然の結果として予想されるところであり、われわれとしても、つとにこの点を憂慮し、再三にわたって決議を行ない、政府の猛省を促してまいったのであります。
しかるに、最近に至り、北炭夕張、日鉄伊王島等、相次ぐ大災害が発生し、しかも、これらの炭鉱がわが国における最優良炭鉱とされているだけに、その及ぼす影響ははかり知れぬものがあると存ずるのであります。現内閣が高く掲げている人間尊重の見地からも、このような災害の頻発により幾多のとうとい人命が失われていることは、まことに遺憾であり、このことは、人命の損失のみでなく、不況のどん底より何とか再建の方途を見出そうとしている石炭鉱業の前途に暗影を投じていると申せましょう。炭鉱労働者の離山ムードが蔓延している際、災害の発生によりさらに拍車をかけるがごときことは、厳に戒めるべきことであると存じます。ともすれば生産第一主義となり、保安確保の重要性が軽視され、また、保安法規の順法精神の不足により、当然防止される災害を惹起しているともいわれているのでありますが、このことはまことに遺憾であるといわざるを得ません。
この際、政府は、決意を新たにして、人命尊重の見地に立った保安対策の樹立に邁進すべきであり、このためには、労使間はもとより、関係者間の保安確保体制を確立し、労働環境を整備する等、抜本的な施策を講ずべきであります。
なお、当面早急に実施すべき問題として、次の諸点について特段の措置を講ずべきであると考えるのであります。
第一は、鉱山保安監督行政の強化についてであります。その内容としては、鉱務監督官を増員し、監督、検査の強化をはかり、ざらに監督官の勧告事項等は労働者に周知徹底するよう措置すること。危険個所については、作業停止または改善の命令を積極的に行なうことであります。
第二は、保安確保の自主体制の確立で、保安係員を増強し、巡回検査の頻度の増大をはかること。保安監督員補佐員制度の充実、保安教育の徹底強化をはかることであります。
第三は、保安施設、機器の整備改善についてで、保安施設等の整備改善のため国庫補助金の支給、保安融資対象の拡大、比率の引き上げをはかること。自動ガス警報器、自己救命器等の活用強化をはかることであります。
第四は、保安技術の開発促進で、資源技術試験所等の研究機関の拡充強化をはかるとともに、保安技術の開発普及につとめること。整備閉山炭鉱等を利用して、実地試験を実施すること。保安機器の発明改善のため、奨励援助を積極的に行なうことであります。
第五、遺族及び罹災者の援護対策を確立するとともに、労災補償制度の改善、一酸化炭素中毒患者の後遺症対策の強化をはかることであります。
以上の諸点を完全に実施するため、政府は、この際、思い切った財政措置等を行ない、保安の万全を期すべきであり、再び炭鉱に災害が発生しないよう細心の注意を払うべきであることを申し添え、本決議案提出の趣旨弁明といたします。
何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/70
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071・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/71
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072・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
この際、通商産業大臣から発言を求められております。これを許します。通商産業大臣櫻内義雄君。
〔国務大臣櫻内義雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/72
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073・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま本院において決議せられました炭鉱災害防止に関する決議につきましては、政府といたしまして、その趣旨を尊重し、善処いたしたいと思います。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/73
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074・船田中
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
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午後二時四十四分散会
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出席国務大臣
厚 生 大 臣 神田 博君
通商産業大臣 櫻内 義雄君
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
郵 政 大 臣 徳安 實藏君
自 治 大 臣 吉武 恵市君
国 務 大 臣 増原 恵吉君
出席政府委員
内閣官房副長官 竹下 登君
大蔵政務次官 鍛冶 良作君
文部政務次官 押谷 富三君
農林政務次官 舘林三喜男君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X04619650518/74
4. 会議録のPDFを表示
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