1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月三十一日(月曜日)
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議事日程 第四十八号
昭和四十年五月三十一日
午後二時開議
第一 首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域
整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、
参議院送付)
第二 清掃法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院送付)
第三 理学療法士及び作業療法士法案(内閣提
出、参議院送付)
第四 優生保護法の一部を改正する法律案(参
議院提出)
第五 製造たばこ定価法案(内閣提出、参議院
送付)
第六 農業機械化促進法等の一部を改正する法
律案(内閣提出、参議院送付)
第七 海外経済協力基金法の一部を改正する法
律案(内閣提出、参議院送付)
第八 日本貿易振興会法及びアジア経済研究所
法の一部を改正する法律案(参議院提出)
第九 地方公共団体の議会の解散に関する特例
法案(三木武夫君外八名提出)
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○本日の会議に付した案件
開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣
提出、参議院回付)
日程第一 首都圏整備法及び首都圏市街地開発
区域整備法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院送付)
中国横断自動車道建設法案(野田武夫君外四十
一名提出)
日程第二 清掃法の一部を改正する法律案(内
閣提出、参議院送付)
日程第三 理学療法士及び作業療法士法案(内
閣提出、参議院送付)
日程第四 優生保護法の一部を改正する法律案
(参議院提出)
日程第五 製造たばこ定価法案(内閣提出、参
議院送付)
日程第六 農業機械化促進法等の一部を改正す
る法律案(内閣提出、参議院送付)
日程第七 海外経済協力基金法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、参議院送付)
日程第八 日本貿易振興会法及びアジア経済研
究所法の一部を改正する法律案(参議院提出)
日程第九 地方公共団体の議会の解散に関する
特例法案(三木武夫君外八名提出)
豪雪等の異常気象による災害対策に関する決議
案(楯兼次郎君外九名提出)
午後三時三十五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/0
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001・船田中
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
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開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/1
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002・船田中
○議長(船田中君) おはかりいたします。
参議院から、内閣提出、開拓融資保証法の一部を改正する法律案が回付されております。この際、議事日程に追加して右回付案を議題とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/2
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003・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
開拓融資保証法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/3
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004・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/4
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005・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、参議院の修正に同意するに決しました。
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日程第一 首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
中国横断自動車道建設法案(野田武夫君外四十一名提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/5
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006・海部俊樹
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、日程第一とともに、野田武夫君外四十一名提出、中国横断自動車道建設法案を追加して両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/6
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007・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/7
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008・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
日程第一、首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案、中国横断自動車道建設法案、右両案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/8
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009・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。建設委員長森山欽司君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
〔森山欽司君登壇〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/9
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010・森山欽司
○森山欽司君 ただいま議題となりました二法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、首都圏に近郊整備地帯を設定し、その整備をはかり、首都圏整備計画の内容を拡充するとともに、工業団地造成事業に関する規定を整備し、もって首都圏の建設とその秩序ある発展を一そう推進しようとするもので、そのおもな内容は次のとおりであります。
首都圏整備法の一部改正につきましては、
第一に、首都圏の既成市街地の周辺に近郊整備地帯を指定すること。
第二に、現行の市街地開発区域を都市開発区域と改めること。
第三に、首都圏整備計画に電気通信施設等の整備のための事項を加えること。
等であります。
また、首都圏市街地開発区域整備法の一部改正につきましては、
第一に、法律名を、「首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律」と改めること。
第二に、建設大臣が近郊整備地帯及び都市開発区域において用途地域の指定をしようとするときは、都県知事の申し出に基づものとし、指定都市については特例を設けるものとすること。
第三に、工業団地造成事業は、近郊整備地帯及び都市開発区域において施行できることとし、その施行者は地方公共団体または日本住宅公団とするとともに、都市開発区域内における工場の新増設については、地方税の不均一課税に伴う特例措置を講ずるものとしたこと。等であります。
本案は、三月十七日当委員会に予備付託、五月十七日に本付託となり、十八日提案理由の説明を聴取し、十八、十九日と質疑を行ないましたが、その内容につきましては会議録に譲ることといたします。
かくて、十九日、討論を省略し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対し三党共同提案による附帯決議が付されましたが、その内容につきましては会議録により御承知願います。
次に、中国横断自動車道建設法案について申し上げます。
本案は、山陽地方と山陰地方との交通の迅速化をはかり、相互間の産業経済等の関係を一そう緊密にし、かつ、国土開発縦貫自動車道たる中国自動車道と相まって、中国地方の総合的な開発を強力に推進するため、起点を岡山市附近、終点を境港市とし、主たる経過地を岡山県真庭郡落合町附近とする路線、並びに起点を広島市、終点を浜田市とする路線を基準として、自動車の高速交通の用に供するの幹線自動車道を建設しようとするものであります。
本案は、去る五月二十九日本委員会に付託、五月三十一日提案理由の説明を聴取いたしたのでありますが、質疑の詳細は会議録に譲ることといたします。
かくて、同日、討論を省略して直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。
右、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/10
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011・船田中
○議長(船田中君) 両案を一括して採決いたします。
両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/11
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012・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第工 清掃法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
日程第三 理学療法士及び作業療法士法案(内閣提出、参議院送付)
日程第四 優生保護法の一部を改正する法律案(参議院提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/12
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013・船田中
○議長(船田中君) 日程第二、清掃法の一部を改正する法律案、日程第三、理学療法士及び作業療法士法案、日程第四、優生保護法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/13
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014・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員会理事井村重雄君
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔井村重雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/14
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015・井村重雄
○井村重雄君 ただいま議題となりました三法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、清掃法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案のおもな内容は、
第一に、公共の場所における清潔の保持及び運行中の列車におけるし尿処理について関係者の責務を明確にすること。
第二に、市町村が行なう水洗便所の普及事業を促進するため所要の措置を講ずること。
第三に、市町村が汚物の収集及び処分に関する業務を市町村以外の者に委託する場合の統一基準を定め、汚物取り扱い業の許可は、当該市町村による汚物の収集及び処分が困難で、かつ、環境衛生上の支障が生ずるおそれがないと認められる場合に限ること。
第四に、一定規模以上の清掃施設については、その維持管理基準を定めるとともに、当該施設の維持管理に関する技術上の業務を担当する技術管理者を置くこと。等であります。
次に、理学療法士及び作業療法士法案について申し上げます。
本案は、身体または精神に障害のある者に対する医療の普及及び向上に寄与するため、理学療法士及び作業療法士の資格を定め、その業務が適正に運用されるよう規律しようとするもので、そのおもなる要旨は、
第一に、理学療法及び作業療法の概念を明確にいたしますとともに、厚生大臣の免許を受けて医師の指示のもとに理学療法または作業療法を行なうことを業とする者に対し名称の独占使用を認めること。
第二に、理学療法士及び作業療法士の資格要件、国家試験、免許等について規定いたしますとともに、経過的な特例として本法が施行される際、現に病院、診療所等で理学療法または作業療法を業として行なっていた者については、一定の要件のもとに昭和四十六年三月三十一日まで国家試験の受験資格の特例を認めること。
第三に、理学療法士及び作業療法士と看護婦、あんま、マッサージ、指圧師等との業務の認整をはかるため、所要の規定を設けること。等であります。
次に、優生保護法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、現行優生保護法では、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行なら者については、薬事法の特例が設けられ、受胎調節のために必要な医薬品を販売することができる期間は昭和四十年七月三十一日をもって切れることとなっております。この特例を設けられた趣旨と必要性は現在なお存続しているので、期間をさらに五年間延長しようとするものであります。
清掃法の一部を改正する法律案は、三月三十一日、理学療法士及び作業療法士法案は四月二十八日、優生保護法の一部を改正する法律案は五月十二日、それぞれ本委員会に付託せられ、五月十九日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、三法案はいずれも原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
なお、清掃法の一部を改正する法律案、理学療法士及び作業療法士法案に対し附帯決議を付することに決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/15
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016・船田中
○議長(船田中君) これより採決に入ります。
まず、日程第二及び第三の両案を一括して採決いたします。
両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/16
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017・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、日程第四につき採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/17
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018・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第五 製造たばこ定価法案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/18
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019・船田中
○議長(船田中君) 日程第五、製造たばこ定価法案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/19
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020・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事藤井勝志君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔藤井勝志君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/20
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021・藤井勝志
○藤井勝志君 ただいま議題となりました製造たばこ定価法案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
この法律案は、最近における製造たばこの消費の動向に即応するため、製造たばこの定価の決定に関する手続を簡素化し、日本専売公社の企業性を尊重しつつ、その事業の適切かつ弾力的な運営をはかろうとするものであります。
すなわち、従来各品目ごとに最高価格、種類、名称及び規格を定めていたものを改め、各種類ごとにその品質に応じた等級区分を設け、その等級別に最高価格を定めることとし、品目ごとの定価は、その等級ごとの最高価格の範囲内で、妥当なものであり、かつ、適正な専売収入をもたらすよう定めることといたしております。
なお、現行の製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律は廃止することとし、所要の経過措置を講ずることといたしております。
本案は、参議院先議の後、本院に送付されたものでありまして、当委員会において審査の結果、去る五月十九日、質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して堀昌雄君より、本案は国会審議を回避する安易な改正であるとして反対の旨の意見が述べられました。
次いで、採決いたしました結果、多数をもって原案のとおり可決となりました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/21
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022・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/22
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023・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第六 農業機械化促進法等の一部を改正
する法律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/23
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024・船田中
○議長(船田中君) 日程第六、農業機械化促進法等の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/24
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025・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事仮谷忠男君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔仮谷忠男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/25
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026・仮谷忠男
○仮谷忠男君 ただいま議題となりました内閣提出、参議院送付、農業機械化促通法等の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過と結果を申し上げます。
本案の骨子は、農業機械化の促進に資するため、高性能農業機械導入基本方針及び高性能農業機械導入計画に関する規定を設けるとともに、農業機械化研究所に対し、政府が埼玉県大宮市に所在する国有の土地等を出資することができることとする等の措置を講じようとするものであります。
本案は、四月二十三日参議院から送付され、農林水産委員会におきましては、四月二十七日赤城農林大臣から提案理由の説明を聴取し、五月十九日採決に付しましたところ、本案は多数をもって可決すべきものと決した次第でございます。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/26
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027・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/27
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028・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第七 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
日程第八 日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法の一部を改正する法律案(参議院提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/28
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029・船田中
○議長(船田中君) 日程第七、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案、日程第八、日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
海外経済協力基金法の一部を改正する法律案右の内閣提出案は本院において可決した。よって国会法第八十三条により送付する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/29
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030・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。商工委員長内田常雄君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔内田常雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/30
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031・内田常雄
○内田常雄君 ただいま議題となりました二法案について、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
まず、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案について申し上げます。
経済開発の途上にある東南アジア等の地域に対する経済協力の問題は、最近の国際経済環境においてますますその重要性を加えておりますが、これに伴い海外経済協力基金の業務を拡大する必要が生じております。本案は、かかる情勢に対処し、海外経済協力基金における資金調達の円滑化をはかる等の改正を行なうものでありまして、そのおもな内容は次のとおりであります。
第一は、この基金は、特に必要がある場合は、経済企画庁長官の認可を受けて政府から借り入れ金をなし、または債券を発行することができること。
第二は、借り入れ金の額と債券発行額との合計は、資本金と積み立て金との合計を限度とするとと。
第三は、政府は、予算の範囲内で、基金の業務に要する費用の一部を交付することができること。
第四に、監事の権限及び役員の欠格事由について所要の改正を行なうこと。等であります。
本案は、五月十七日、参議院より送付、本委員会に付託され、五月二十六日政府より提案理由の説明を聴取し、同日採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
次に、日本貿易振興会法及びアジア経済研究所法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、貿易振興を目的とする日本貿易振興会及びアジア経済研究所の設立の趣旨にかんがみ、その業務上の余裕金を中小企業向けの資金として運用することができるようにし、わが国貿易の振興に重要な役割りを果たしている中小企業の振興に寄与しようとするものであります。
そのおもな内容は、日本貿易振興会及びアジア経済研究所の余裕金の運用方法として、通商産業大臣が大蔵大臣と協議の上指定する有価証券の保有を加えることとしたものであります。
本案は、五月二十四日、参議院より送付、本委員会に付託され、五月二十六日提出者参議院商工委員長より提案理由の説明を聴取し、同日採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告いたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/31
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032・船田中
○議長(船田中君) これより採決いたします。
まず、日程第七につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/32
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033・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、日程第八につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/33
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034・船田中
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第九 地方公共団体の議会の解散に関す
る特例法案(三木武夫君外人名提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/34
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035・船田中
○議長(船田中君) 日程第九、地方公共団体の議会の解散に関する特例法案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/35
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036・船田中
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長中馬辰猪君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔中馬辰猪君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/36
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037・中馬辰猪
○中馬辰猪君 ただいま議題となりました地方公共団体の議会の解散に関する特例法案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、地方公共団体の議会がみずから進んでその解散による選挙によって住民の意思を聞くことができる方途を講じようとするものであります。
その内容は、地方公共団体の議会は、解散の議決をすることができ、その議決のあったときにおいて議会は解散するものと定め、さらに、その議決には、議員数の四分の三以上の者が出席し、その五分の四以上の者の同意がなければならないものとしております。
なお、この議決による解散の制度につきましては、本法の施行後一年以内にさらに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとしております。
本案は、五月二十八日提出されましたが、五月二十七日、日本社会党から、東京都の議会の解散に関する特別法案として、東京都の議会はその議決によりみずから解散できるものと定め、これを憲法第九十五条に規定する住民投票に付すべきものとする法律案が提出され、また、民主社会党からは、地方自治法の一部を改正する法律案として、地方公共団体の議会がその議決に基づく住民投票により解散することができるものとする法律案が提出され、三案とも二十八日本委員会に付託されました。翌二十九日右三法律案について、それぞれ提出者より提案理由の説明を聴取いたしました。
なお、三党間においては、早急に何らかの立法措置を講ずべき必要のあることにつきましては異論がなく、したがって、当初一年間の時限を明示した自民党案を中心に協議を重ねましたが、三党間における協議の過程で、社会党及び民社党から提示された意見をも勘案し、本案のごとき最終案を得たのであります。
これらのいきさつに基づき、同二十九日、本法律案の目的を一そう明確にするため、三党共同による修正案が提出され、提出者を代表して川村委員より提案理由の説明を聴取しました。
修正案の要旨は、議会の議決による解散の制度が、議会のみの判断によって乱用されることを防ぎ、もって地方自治の本旨にもよりよく沿い得るようにしようとするものでありまして、そのため、議決による解散は、当該地方公共団体の住民による議会の解散請求の運動が開始されるなど、世論が著しい高まりを見せた場合に行ない得るものとしたことであります。
かくて、討論を省略して採決の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/37
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038・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/38
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039・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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豪雪等の異常気象による災害対策に関する決
議案(楯兼次郎君外九名提出)
(委員会審査省略要求案件)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/39
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040・海部俊樹
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、楯兼次郎君外九名提出、豪雪等の異常気象による災割対策に関する決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/40
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041・船田中
○議長(船田中君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/41
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042・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
豪雪等の異常気象による災害対策に関する決議案を議題といたします。
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豪雪等の異常気象による災害対策に関する決議案
右の議案を提出する。
昭和四十年五月十九日
提出者
楯 兼次郎 池田 清志
稲葉 修 小沢 辰男
田中 正巳 中山 栄一
稲村 隆一 大村 邦夫
山口丈太郎 稲富 稜人
賛成者
相川 勝六 外四百十二名
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豪雪等の異常気象による災害対策に関する決議
本年二月下旬から四月にかけて、北海道、東北地方および新潟県等の各地を襲つたきわめて長期にわたる異常なる豪雪等は、交通輸送の混乱はもとより、農作物、果樹等をはじめ各種公共施設に対してもじん大なる損害をもたらし、地域住民の生活に影響するところきわめて大なるものがある。
特に、稲作については、苗しろは種および田植の遅延を余儀なくされ、長期予報による冷害予測とあいまつて、被災農民の不安と焦燥は深刻なものがあり、今後、田植期を迎えるに当たつて、十分なる労働力対策を講ずるとともに、減収を防止するための強力な農業技術対策の推進が望まれている。
政府は、今次災害の特色と態様に深く思いをいたし、被害の実態を適確には握して、これが救済と適切な指導に万遺漏なきを期すべきである。
右決議する。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/42
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043・船田中
○議長(船田中君) 提出者の趣旨弁明を許します。楯兼次郎君。
〔楯兼次郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/43
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044・楯兼次郎
○楯兼次郎君 私は、ただいま議題となりました豪雪等の異常気象による災害対策に関する決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表して、その趣旨弁明を行なおうとするものであります。
まず、決議の案文を朗読いたします。
豪雪等の異常気象による災害対策に関する決議
本年二月下旬から四月にかけて、北海道、東北地方および新潟県等の各地を襲つたきわめて長期にわたる異常なる豪雪等は、交通輸送の混乱はもとより、農作物、果樹等をはじめ各種公共施設に対してもじん大なる損害をもたらし、地域住民の生活に影響するところきわめて大なるものがある。
特に、稲作については、苗しろは種および田植の遅延を余儀なくされ、長期予報による冷害予測とあいまつて、被災農民の不安と焦燥は深刻なものがあり、今後、田植期を迎えるに当たつて、十分なる労働力対策を講ずるとともに、減収を防止するための強力な農業技術対策の推進が望まれている。
政府は、今次災害の特色と態様に深く思いをいたし、被害の実態を適確には握して、これが救済と適切な指導に万遺漏なきを期すべきである。
右決議する。
以上であります。
御承知のとおり、今次の異常気象による豪雪等の特色は、例年でありますれば融雪期に入ります二月の下旬から四月半ば過ぎに至るまできわめて多量の降雪を見たのでありまして、このため雪消えが約一カ月以上もおくれ、しかも、この間冷温が引き続きましたために未曾有の積雪深を記録した地方も多く、積雪期間もまたきわめて長期にわたったのであります。したがいまして、各地における鉄道、道路等の交通の麻痺はもとより、麦、なたね、牧草等の農作物、果樹、桑樹、造林木等をはじめとして、農地、農業用施設のほか、各種公共設備にきわめて甚大なる被害を与えたのであります。
中でも、わが国農業の根幹でありまするところの稲作につきましては、播種及び田植えの遅延が招来され、加うるに、長期予報によりますれば、本年は将来にわたって冷温が引き続き、秋が早まるとの冷害予報が警告されているのでありまして、昨年の冷害が記憶に新しい今日、天明の飢饉の再来ではないかとのらわざなども流布され、新聞の報道によりますれば、苗の生育不良を悲観して自殺する農民も出るなど、農民諸君の間における不安感と焦燥感はきわめて深刻なものがあるのであります。
先般、災害対策特別委員会におきましては、委員派遣による現地調査を行ない、派遣委員から報告を聴取いたしたのでありまするが、現地におきましては、二メートルをこえる雪の中でブルドーザーにより除雪を行なって苗しろづくりを急ぎ、さらに共同苗しろ、委託苗しろの設置を推進するなど、涙ぐましい努力が重ねられていたとのことであります。かくして田植え期を迎えるにあたって、当面の問題として田植え労働力の確保をはかり、今後の気象の条件と相まって、現在及び将来にわたって肥培管理並びに病虫害の防除など、日ごろ研さんを積んでいる農業技術の粋を結集して、真に農民と密着した適切なる指導がきわめて肝要であるのでありまして、このことが収穫期における減収を未然に防ぐ唯一の根本策であると思うのであります。同地方はわが国最大の穀倉地帯であり、米作の減収がもたらすわが国経済への影響のきわめて甚大なるにかんがみまして、すみやかに本災害に対して抜本的対策を樹立すべきであります。
政府におかれては、一日も早く中央に冷害対策協議会を設置せられ、被災農民の不安を一掃するよら強力な対策の推進につとめられんことを切望いたすものであります。
さらに、現地の実態を的確に把握して、共同苗しろ、委託苗しろの設置、きわめて顕著でありました野鼠による果樹等の被害対策、開拓農家の資金対策等に対し、十分なる配慮を行ならとともに、現地の実情に応じて天災融資法の発動並びに自作農維持資金の融資等について検討を加え、さらに、交付税の増額その他の財政的措置を講ずる等の方法をもって、被災地に対し、すみやかにあたたかい手を差し伸べられんことを切に要望いたしまして、本決議案の趣旨弁明といたします。(拍手)
何とぞ満場一致をもって本決議案に御賛成あらんことをお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/44
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045・船田中
○議長(船田中君) 採決いたします。
本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/45
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046・船田中
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
この際、農林大臣から発言を求められております。これを許します。農林大臣赤城宗徳君。
〔国務大臣赤城宗徳君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/46
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047・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま全会一致で御可決いただきました豪雪等の異常気象による災害対策に関する御決議の趣旨に対しましては、政府はもちろん、農林省といたしましても十分に御決議の趣旨を体しまして、迅速かつ適切に措置し、御期待に沿いたいと思います。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/47
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048・船田中
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
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午後四時七分散会
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
厚 生 大 臣 神田 博君
農 林 大 臣 赤城 宗徳君
建 設 大 臣 小山 長規君
自 治 大 臣 吉武 恵市君
国 務 大 臣 高橋 衛君
出席政府委員
通商産業政務次官 岡崎 英城君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104805254X05219650531/48
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