1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月九日(火曜日)
午後一時三十分開会
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委員の異動
三月五日
辞任 補欠選任
村上 春藏君 江藤 智君
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出席者は左のとおり。
委員長 松平 勇雄君
理 事
前田佳都男君
吉田忠三郎君
委 員
江藤 智君
河野 謙三君
木暮武太夫君
松野 孝一君
相澤 重明君
大倉 精一君
小酒井義男君
浅井 亨君
中村 正雄君
政府委員
運輸政務次官 大久保武雄君
運輸大臣官房長 堀 武夫君
運輸省船舶局長 芥川 輝孝君
運輸省鉄道監督
局長 佐藤 光夫君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 深草 克巳君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道総
裁 石田 礼助君
日本国有鉄道常
務理事 豊原廉次郎君
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本日の会議に付した案件
○小委員長の辞任及び補欠選任の件
○造船法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○運輸事情等に関する調査(日本国有鉄道の運営
に関する件)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/0
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001・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
初めに委員の異動について報告いたします。
三月五日付をもって委員村上春藏君が辞任し、その補欠として江藤智君が選任されました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/1
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002・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 次に、小委員長の辞任及び補欠選任についておはかりいたします。
航空、海難、路面交通事故防止対策に関する小委員長平島敏夫君から、都合により小委員長を辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/2
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003・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
つきましては、この際、その補欠及び去る二月二十四日江藤智君の委員辞任以来欠けておりました通勤輸送対策に関する小委員長の補欠選任を行ないたいと存じます。選任は委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/3
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004・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。
それでは、航空、海難、路面交通事故防止対策に関する小委員長に天埜良吉を、また通勤輸送対策に関する小委長に江藤智君を指名いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/4
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005・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 造船法の一部を改正する法律案を議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/5
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006・相澤重明
○相澤重明君 まず政府にお尋ねをしたいのは、現行法の中で、説明にある(3)番ですね。「運輸大臣は、推進機関を備える船舶を製造しようとする者、又は新規の設計に基いて船舶用推進機関又は船舶用ボイラーを製造した者の要求があったときは、一定の手数料等を納付させ、」と、こうなっているわけですね。その「一定の手数料」というものは、どのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/6
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007・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 現行手数料は、十万円を限度としております。船の大きさによって変えておりますので、ちょっとこまかくなりますが詳しく申し上げますと、百メートル以下が四万二千円、百メートルから百二十五メートルが六万円、百二十五メートルから百五十メートルまでが七万八千円、百九十メートルをこえるもの九万六千円、そういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/7
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008・相澤重明
○相澤重明君 それで、この一定の手数料、まあ十万円を限度ということで納付させるというのでありますが、これが全体でふつうの年でどのくらいの手数料になっておるわけですか、総額は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/8
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009・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 昭和三十九年度でございますが、まだちょっと残っておりますけれども、水槽試験で見込みを入れまして七百三十万円程度でございます。各年度全部わかっておりますが、御参考までに昭和三十八年度を申し上げますと、六百八十万八千六百円と相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/9
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010・相澤重明
○相澤重明君 この手数料を納付させて、「船型、推進機並びに機関等について性能試験を行わなければならないこと」、こうなっておるわけでありますが、この試験の結果改善を要すべきものというようなこと、が認められたことがあるのですか、それともそういうようなことはいままでないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/10
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011・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) これは逐次データを蓄積しましてやっている仕事でございますが、船型を試験をいたします水槽、タンクの中の資料と実際の船の資料とつき合わせて勧告を行なっております。実際の例を申し上げますと、これは実にたくさんあるわけでございますが、最近目新しい例では、最大のタンカーでございます――三万デッドウェートの日章丸の船型につきまして、これは船型を引っぱりまして、改善を勧告する――勧告と申しますか、こういうふうに直したほうがいいということでそう直しまして、そのとおり佐世保重工業で建造した例がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/11
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012・相澤重明
○相澤重明君 いまの日章丸の点は新聞等に一応出ておったのですが、いままでのそういう試験の中で、そういうようなことは数多くあったのでしょうか、それとも特例のようなものでしょうか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/12
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013・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) これは技術問題、造船技術の問題に相なるわけでございます。結局、船を実際に海で建造いたします前に、大体百分の一くらいの模型をもちまして、それにやはり実際使用しますプロペラをつけまして走らせます、そうしますと、改善個所というものはたいてい出てまいります。したがいまして、ほとんど全船舶について、この模型試験を行なうことによりまして、船型並びにプロペラの形、回転数などの改善が行なわれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/13
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014・相澤重明
○相澤重明君 ちょっとはっきりしなかったのだけれども、そういう数が多い、改善の数が多いということですか。それとも、たまたまそういう試験の結果改善すべきというものについては改善を行なっているという意味だと思うのですが、数が年間大体六百万なり七百万なり、そういう手数料を十万円限度に納めさしておるわけですから、これはかなりの隻数がここで試験をやっているわけですね。そういう意味で、簡単にひとつわかりやすく説明してもらうと、どのくらいの隻数が試験をやっておるのですか。その試験を行なった隻数の中でどの程度の隻数が改善を言われておるというふうなことを、ひとつ三十八年と九年に分けて説明を願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/14
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015・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 三十八年度、三十九年度はたまたま同数でございまして、件数で申し上げますと、百五件になっております。それから、小さな改善まで入れますと、ほとんど全数改善を要したというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/15
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016・相澤重明
○相澤重明君 いまの御説明によりますと、この試験というものは非常に大事であるということが指摘をされたと思うのです。百五件のうちで、ほとんど小さなものも入れると全数ということでありますから。そうしますと、日本の造船技術というものはかなり高く評価していいとこう思っておるのですが、いまの説明の結果では、そういう模型から実際に船をつくった結果試験をしてみると、まだまだ不十分な点が多いということも言えるのではないかと思うのですが、この造船技術の向上について、試験の結果というよりは、私はいま一歩進んで、そういう模型上の試験段階において、実際に船をつくる前にそういうようなものを改善をするような方法というものはないのでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/16
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017・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 説明が不十分で、ちょっと誤解を招きましたようで恐縮でございますが、ちょっと補足させていただきますと、ただいま御指摘のとおり、百分の一のモデルで先にこれを実際に実験いたしまして、その結果に基づいて船の実際の建造を行なうわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘のありましたとおり、模型試験が先行をいたしまして、次に実際の船舶の建造をする、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/17
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018・相澤重明
○相澤重明君 いや、ですから、私の御質問をしてるのは、模型をつくってそれで試験をし、それでさらにそれがだいじょうぶだということで造船にかかるのでしょう。だから、造船した結果試験をしてみるというと、小さいもの等を含むとほとんどが改善という立場にあると、こういう御説明だったと思うんですよ。そうすると、私ら、対外的には日本の造船技術というものはかなり高く評価をしていいと、こう思っておったんですが、いまの御説明を聞くと、実際にやはりつくった場合にはまだ欠陥がかなりあるということに帰着をすると思うんです。したがって、模型の段階においてもっとそういうものは、精巧さといいますか、よいものになるような試験をしても、事実机上で計画をしたとき、あるいは模型の段階においてやったことも間違いがなかったと、むしろこの試験というものはもうほんとうに形式的なものに、たまたまそういうものが不十分な点が発見をされるというようなことにならないものだろうかと、こういう点お尋ねしてるわけなんですよ。で、あなたの言うのは――模型というのはもうこれは造船をする場合の基本でありますからね、ですから、それが模型のときにはだいじょうぶだったんだけれども、つくってみたら試験の結果というものは改善をすべきものがほとんどだと、こういうことになると、少しいまの造船工業技術の評価の問題からいって、私は少し問題が出るように思うんだけども、その点はどういうふうに考えてるかというのが一点と、模型の段階で、いわゆる計画の中でそういうふうに試験をしても結果は同じだったと、よかったと、こういうような技術の進歩というものははかれないものかどうかというのがさつき御質問した点なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/18
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019・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 先ほど件数をお尋ねになりましたので、これは水槽試験の件数と思いまして、水槽試験の件数を申し上げたわけでございます。水槽試験と申しますのは模型試験でございます。で、模型試験の結果訂正を要すると申しましたのは、この模型試験をやりますときに、その模型をつくりまする土台になる設計は造船業者がしてくるわけでございます。造船業者のしました設計に基づきまして模型をつくりまして、模型試験の結果造船業者が出しました設計を訂正すると、こういうことでございます。したがいまして、先ほど、ほとんど全数訂正と、技術改善の余地があると申し上げましたのは、造船所が提出しました設計を模型試験によってほとんど全数改善している、こういうことを申し上げたわけであります。それからなお、実際に船ができましてからあと勧告して改善したという例はございません。ほとんどないと思いますが、ちょっとその点なお、船舶技術研究所から見えておりますから、確かめさしていただきたいと思います――実際の船ができてからあと改善したのはないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/19
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020・相澤重明
○相澤重明君 いまの御答弁ですと、造船の結果はまあ間違いはないと、こういう御説明だと思うのです。ですから、あくまでもこれは、いまの前段の問題は、企画段階あるいは模型の段階でのお話であって、実際には、造船をした場合には、試験の結果というものは改善をしたものはない、こういうふうに御答弁されたので、私もたいへん喜ぶわけですが、ひとつこの機会にお尋ねをしておきたいのは、この造船技術の進歩、それから造船の大型化ということで、従来の造船所というものは、私はこのままの形ではいけないと、いわゆる昔の一つのドックをつくってそこで造船をしておったというのが、近ごろは、何といいますか、一つの広い原っぱみたないところでもう大きいのをつくらなければならないと、全く背と様相を異にしているというのが現在の造船界の悩みではないかと私は思うのですよ。そういう意味で、私も神奈川県ですから、浦賀とか、三菱とか、日本鋼管とか、各所の造船所の実情を見ているわけですが、こういう場合に、施設の改善、設備の改善というものに対しては、運輸省自体がある程度のそういう腹案というものを持って業界の人たちと相談をされるのか、あくまでも業界自体の要求に基づいて、あるいはその企業そのものの要求に基づいて、この設備等について指示をするといいますか、認可をするというようなことになるのか、この現状については、青い造船所そのものは全くいまのこの新しい時代に対しては私は不都合な点がたくさんあると思うのですよ。そういう面はどういうふうに、やっているのか、参考のために聞かしてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/20
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021・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 造船設備を最近非常に大型船建造に適当のように改善をするという問題は大きな問題でございまして、このいわゆる超大型船の建造能力をどこまで持たせるかという問題につきましては、大体の目安は、われわれも世界的な造船状況を調査しておりますので、見当はつけておりますけれども、その動きが、たとえば造船の船台が五つがいいのか六つがいいのかというあたりになりますと、非常にデリケートな問題になってまいります。したがいまして、そこらの問題につきましては、造船業者の自己のリスクで計画してもらいまして、その結果を、いろいろ研究の結果とわれわれが持っております考え方とあわせまして、そうして施設の新設許可という事務を行なっているわけであります。それから、したがいまして、その企業に負担力がなくて大型化についていけないという造船所につきましては、これはわれわれのほうではもう少し施設を改善すべきであるという意見は持っておりましても、造船業に対して強制したりあるいは勧奨したりするようなことは、ただいまのところいたしておりません。あくまでも企業家のみずからの企業努力によって造船施設の改善をはかるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/21
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022・相澤重明
○相澤重明君 運輸省が、政府が積極的な業界の指導態勢に臨まないと、私はやはり問題がある。ということはどういうことかというと、まあ各国が日本の造船界に頼むのも非常に多いわけですが、いま日本の造船所は現実に狭くなっているし、設備が古くなっているし、一カ所で造船ができない状態にある。したがって、かなり遠距離に、たとえば発動機なら発動機を、あるいは部品を、別の工場を建ててそこで生産をして、そうしてこの造船所へ持ってくるというような場合もたくさん私はあると思うのです。現実に私どものところではかなりそういう点がたくさんあるわけであります。そうすると、船価、いわゆる船をつくるコストに私は非常な影響をしてくると思うのです。一貫作業であればコストダウンもできるだろうと思うのだけれども、それが一貫作業ができなければ、どうしたって輸送費から人件費からあるいはその他の問題を含んでやはりコストが高くなる。ですから、日本の造船界の育成のためには、政府が積極的にそういうできるだけ、合理化というのが、単に政府に合理化を要求すると人減らしをしろというようなことを言うかもしれませんけれども、私の言うのはそうではなくて、コストダウンをできるだけするというのが必要ではないか、こういうように思うのですが、いま言う分散した作業所、いわゆる造船所を持つ、むしろいままでの古い造船所はもう使えないから自動車の部品をつくってみたりオートバイの部分をつくってみたりというようなところまで一部出てきたというようなことは、近代化に追いついていけない、こういう問題ではないかと私は思うのです。そういう点について、コストを下げるためにどうしたならばいいのかということは、これはもう国際競争力を培養するのは政府のやはり指導的立場がなければいかぬと私は思うのです。業界だけいったって、業界は結局注文を受けなければならぬ、よそに負けてはいかぬ、こういうことで企業努力はしておっても、企業努力というものは限界があると思うのです。したがって、その企業の努力を要請すると同時に、政策的に政府がそういう前向きの施策をとらぬ限り、私はその国際競争力に勝つとは言えないと、こう思うのです。そういう面で、いまのような設備の改善あるいは施設の投資等の問題について政府自体としては考えはないのですか。先ほどの御答弁聞いておると、企業努力、企業家の要請に基づいてということになってしまうと私は思うのです。これでは政治というものは意味がない、こういうように私は思うのだが、そういう点はどうなんですか。局長と同町に、ひとつ政務次官も答弁してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/22
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023・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) ただいま御指摘のような現象も今後あるいは起こるかと思うわけでございます。けれども、現在のところでは、まず企業家の努力を先にいたしまして、それで政府側がこれにお手伝いしておるのは、開銀によりまする設備資金の融資、その程度にとどめております。現在その実績でございますけれども、比較的早く日本の造船業が設備改善に手をつけました関係で、世界の新造船注文のうち約三割から四割を毎年受注しておる状況でございまして、そういう成績をあげておりますので、政府といたしましては、現在とっておりまする態度をまだ変える必要はないのではないかというふうに考えまして、政府の介入する限度を、開銀資金の、設備資金の融資というあたりにとめておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/23
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024・大久保武雄
○政府委員(大久保武雄君) ただいま相澤委員の御指摘の、企業合理化に関する、特に設備方面に対する努力に対して引き続き政府もこれを強力に実施すべきじゃないかという御意見は、全般的にまことにごもっともな御意見でございまして、先般イギリスの海運造船大臣メイソン氏が日本の造船工業を視察しました場合におきましても、イギリスの造船工業に対しての日本の造船工業の立っておる一つの優位な点として指摘せられました面もあるようでございます。しかしながら、中には、いま御指摘のような、まだ合理化されていない面もあろうかと存ずる次第でございまして、ただいま局長が申しましたように、日本輸出産業界における最も有力なる地位を占めておる造船業の今後においても、その地位を確保いたしていきますには不断の努力が必要でございますので、ただいま申し上げました開銀資金等の動員その他の措置によりましてこれらの設備に対する合理化努力を継続していきたい、かように考えておりますような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/24
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025・相澤重明
○相澤重明君 御両君の答弁は、答弁としては、まあそのとおりで、別に悪いということでは私はないと思う。ないと思うが、開銀の融資といったところで、市中金融の協力といったところで、これは何回も、造船界に対しては、そういう点はいままで政府が話をしてきたことなんだ。私どももそれは十分聞いておるわけだ、政府から。しかし、現実に造船界そのものとしては、非常な苦心をしておるわけだ。むしろ金融のやりくりで非常な苦労をしておるわけだ。だから、たとえば日立造船が去年外国の船を受けるのに、たとえば英国の造船業界が猛反対をしても、それはまあ安く受ける、受けなければ仕事がやっていかれない、どんなに赤字であってもしかたがない、こういうことまで出てくるような羽目に追い込まれてしまうのだ、業界が。だから、それはひるがえって、そういうことをすれば、今度はそこに働いておる造船所の労働者、この貸金も抑えなければならぬ、あるいは先ほど申し上げたこの国際競争に勝つためにはどんな手段でもしなければならぬというのが、私は今日まであると思うのですよ。そういう点を、日本の船価の比較的合理化といいますか、適正化でやらせるためには、外国との競争力を培養していくには、やはり政府自身がある程度の造船界に対する資金をしていく。私は一般予算で出さなければいかぬとは言ってない。それは特別なそういう方途を講じてもいいと思う。けれども、いずれにしても、いまの市中金融にだけ協力をさせる、開銀の融資だけでもう十分だという政府の考えは、私は今日では少し時代に合っていないんじゃないか。だから、今日のドイツのいわゆる隆盛を見たのは、鉄道なり船舶なりのそうした非常な進歩発展というものがドイツの経済を向上させたということは、これはもう皆さんが知っておるとおり。だから、国が手厚い――手厚いといいますか、国がこの国際競争力を培養するための資金としては当然負担をすべきだ、私はそう思う。特に、国内ばかりではなくて、国際競争ということも考えると、私は少しあまりにも消極的な立場を政府がとっておるんじゃないかと思うのですよ。そこで、ひとつそういう面も含んで、三十八年、三十九年でけっこうですから、造船界における輸出の船隻数、トン数、そういうものと、あと国内の生産高というものをひとつ発表を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/25
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026・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 三十八年度におきまする新造船進水実績を申し上げますと、こまかな数字は省略いたします。総トン数で二百五十万トンでございます。そのうち輸出船が百七十万トン、国内船が八十万トン、そういうふうになっております。それから三十九年度は、見込みでございますが、進水総トン数が三百八十万トン、輸出船が三百万トン、国内船が八十万トン、概数でございますがそうなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/26
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027・相澤重明
○相澤重明君 いまのはトン数ですね、答弁があったのは。私はトン数と隻数と両方言ったんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/27
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028・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 失礼いたしました。三十八年度は百三十八隻で、輸出船が六十三隻、国内船が六十五隻、三十九年度は、隻数で申し上げますと、総数百七十一隻、輸出船が百十隻、国内船が六十一隻、そうなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/28
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029・相澤重明
○相澤重明君 いまの輸出の隻数わかりました。トン数もわかりました。そこで、三十八年度と、三十九年度の見込みも含んで、輸出する国は大別してどういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/29
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030・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) 三十九年度の分はまだできておりませんが、三十八年度で申し上げますと、輸出先でございますと、リベリア、ギリシャがおもでございまして、そのほか南米諸国、東南アジアが若干ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/30
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031・相澤重明
○相澤重明君 それでは、いまの総トン数あるいは隻数、こういうものがわかったわけ、ですが、それを輪山山先も含んでひとつ資料として提出をしてもらいたい。どこに何隻、トン数、それから国内の場合に大手の商社が入っておると思うのでありますが、それがどういうふうな配分になっておるか。これもいま時間で言うと足りませんから、資料をひとつ御提出を願いたいと思うのです。よろしいですか。
それで、その次に聞いておきたいのは、何といっても世界の造船界でやはり競争になるのは、英国あるいはドイツ、があると思うんですよ。で、英国ではいま係船というのはどのくらいありますか。船をつないでおる、いわゆる働いていない船。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/31
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032・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) ただいま持っております資料ではちょっと数字はわかりませんので、至急調べて御返答申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/32
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033・相澤重明
○相澤重明君 それは早急に調べて――外電からも伝えていることだし、わが国の業界でも非常に注目をしておることなんですから、それはさっそく調べて資料で提出してもらいたい。
それから、日本では、不採算船、あるいはあまり古くなったというので解撤をして新造する場合もたくさんあると思う。現在日本で持っておる隻数、トン数、それを大型と小型に分けて資料を提出願いない。
それから、そのうち――いま英国の例を一つ出したのですが、日本で解撤をしなければならぬ、あるいはとめて――係船と言っておりますが、とめておる船というようなものはどのくらいあるか、これは見込みになると思うのですが、あるいは係船の場合は、これはもう現実にあるのを出すわけですから、それがどういうふうになっておるか、これもあわせて資料で御提出を願いたい。いいですね、委員長、それを確認しておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/33
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034・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 運輸省、いまの資料提出できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/34
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035・芥川輝孝
○政府委員(芥川輝孝君) ただいまの質料、海運局のほうと、よく打ち合わせまして提出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/35
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036・相澤重明
○相澤重明君 なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、せっかく造船法というものをつくって、そうしてわが国の産業の発進をはかろうというその基本なんでありますが、ともすると、法律だけはつくったけれども、なかなか実質的な業界に対する応援ができない。そのことは、ひいてそこに働いておる者の非常な生活上の問題になってくるわけです。ですから、いま春闘を目前にして、各組合でも賃金の引き上げを要求をしておるわけなんですが、そういう点に、やはりいまわれわれ自身が、法律はつくったけれども魂を入れないということではいかぬわけです。そういう意味で、係船がどのくらいあるとか、解撤をしなければならない不採算船というものはどのくらいあるとか、あるいは対外国とのそういう比較においてわが国の競争力というものはどうなるのかというようなことは、これはもう政府自身がそういうものをどんどんつくって、業界に対して指導態勢をつくらなければ私はいかぬと、こう思うのです。
そこで、たいへん資料要求して恐縮でありますが、せっかく資料をつくっていただくのですから、いま一つ資料を要求しておきたいと思うのです。現在のこの日本における造船業苦の数をあげてもらいたい。働いておる人数――労働者の数、それからそこに働いておる人の賃金――平均ベースは幾らか、最低、最高は幾らかというようなものをあわせてひとつ御提出を願いたい。それらについて次回私から質問をいたしますから、本日のところは、あまり資料ばかり要求しておっても政府もたいへんだろうから、この次にまた資料要求いたしますから、きょうはこの程度で終わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/36
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037・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 本案に対する質疑は一応この程度といたします。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/37
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038・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 運輸事情に関する調査を議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/38
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039・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 国鉄の総裁がおいででございますから、この際新幹線の問題について伺っておきたいと思います。
新幹線の開業は昨年の十月一日開業でございますから、今日までちょうど満五カ月を経ております。この間、佐藤内閣の一つの基調でございます人命尊重、こうした立場からも、私は非常に改善されなければならぬ問題が多々あるのじゃないか、かように考えます。しかも、新幹線は、私はやはり、ただひとり国鉄のものだけではなくして、国民のものでなければならない、こういう立場から考えてみますと、第一に安全輸送を確保するためにどう作業しなければならないか、それからそれに伴う設備と作業の方式について改善をしなくちゃならぬではないか、さらに加えまして職員の勤務あるいは要員の問題、労働条件についてもこの際新らたに改善をしてまいる必要があるのじゃないか、こう考えるわけであります。と申し上げますことは、総裁御承知のように、開業以来非常に事故件数が多いのであります。幸い大きな人身事故はございませんけれども、内容を精査してみますると、車両の故障の状態だけですでに十月には四百二十件にのぼっている。交番検査等々で出されましたところの事故件数は約六百七十一件にのぼっているわけであります。その中で仕業検査は五百九件、こういう数字を見ましても、私は安全の問題についてはまだまだ完璧だとは言えないと思うわけでございます。とりわけパンタグラフの故障件数が百四十四件も占めている。車輪の故障が約五十二件、とびらの故障の関係は七十七件、その他は二百五件にも、私の調査した資料では市政件数かのぼっております。こういうことで、当初開業したときには確かにオリンピックという特殊条件がございました。国鉄は総裁以下、あるいは働く職員の人々も、その条件を一応よい意味の理解をして開業をしたわけです。その結果、先ほども申し上げたように、四カ月の経過の中から、いま一つの例を事故件数をもってあげましたけれども、かなり私は問題がいま出てきているように思うので、こういう事柄につきまして総裁は具体的にどう取り扱っていくかということについて私はお伺いをしておきたいというように思います。答弁のしやすいように私はひとつ申し上げます。
第一に、当初開業前の問題として、いろいろこの委員会でも議論をしたところでありますけれども、動力車の乗務員の基準として、二人の乗務員は今日の段階では確立することがどうしても必要だ、こういう事柄が私は明確になったと思う。これについてどう考えるか。
それから、列車乗務員の業務内容を根本的に再検討して、乗務の基準を三、三人にしなくちゃならぬのではないか、多少専門的になりますけれども、これは豊原さんからの答弁でけっこうです。
それから、動力車、列車乗務員の勤務時間の問題であります。今日資料を見てまいりましても、かなり長時間の勤務時間になっております。でありまするから、この際は、特殊な作業についているわけでございますから、時間短縮を行なわなければならぬのではないか、安全輸送の見地からもそういう必要があるのではないか、こう考えます。
それから、定数の関係でございますけれども、定数関係につきましても拡大をしてまいらなければならぬではないか。
さらに、今日若干の手当が支給されておりますけれども、この問題等につきましては、抜本的に私は引き上げてまいるようにしなくちゃならぬではないか、こう考えます。
それから、最も安全に直接関係のございます保守作業方式、つまり施設の関係、電気の関係、検修関係の再検討を加えて、これに対して十分な要員の充足をはかり、業務量に見合った要員を完全に確保していくという総裁以下幹部のかまえが今日の段階では私は必要だろうと思うわけであります。しかして、その要員が確定した場合に、当然勤務内容から申し上げまして予備員が必要でありまするから、こういう関係についてもきちんと配置をする、そういうかまえに私はならなければならぬ、こう考えます。
さらに問題になりまするのは、要員の採用の問題であります。この問題はいまだに明確になっていません。ですから、この際は新幹線の支社権限にいたすべく、明らかにこの要因を採用するという方向を私は出すべきではないのか、とりわけ非常に最近人手不足になっていますから、そうしたものを確保する意味合いからも、その採用権限というものを支社に明確に与えるべきではないのか、このように私は感じます。
それから、各職場の安全の設備、職場環境、この点につきましても、私ども再三現場を視察をしております。その結果を本委員会で私は指摘をいたしたいと思いますけれども、きわめて不完全であります。でありまするから、私は、各職場の安全設備、職場環境なくして、職員が真心込めて国鉄の新幹線の業務に従事する、そうしたいわゆるいい意味合いの勤労意欲などというものはわいてこない、こう考えますので、この問題についてはすみやかに解決をする必要があるのではないか、こう考えます。
それから、問題は対旅客との関係になりますけれども、いわゆる出札業務であります。この業務を円滑に私は遂行するためには、いまのような問題、仕事のやり方ではいけないと思う。これも事務的な問題になりますから豊原常務理事でけっこうですが、この際やはり総裁以下幹部の諸君が抜本的に検討を加えて新たなる方向の業務体制というものを確立する必要があるのではないか、こう考えます。
最後に私は、今日新幹線の職員は非常に苦労されてがんばっております。努力をされております。これに対して何ら報ゆるものはございません。反面、こうした諸君の努力によって新幹線の営業係数は当初予想した以上に上成績に漸次上がってまいっております。私はこの際総裁に申し上げておきたいことは、ただ国鉄はいわゆる利潤追求だけするのではなくして、せっかく職員が苦労されて努力をしているわけですから、その努力に私は報いてやらなくちゃならぬのじゃないか、そういう意味合いからも、今日の作業量、勤務時間、その他等々を勘案してみますると、おおむね二千円程度の私はこの際新幹線の職員に手当を支給していいのではないか、こう考えるわけであります。この点、答弁をしやすいように私は八つとりあえず具体的な問題をあげましたが、これに対してお答えを願いたいというふうに存じます。
それからもう一つは、この新幹線発足のときに、基準人員というものをきめて発足をしております。四ヵ月の現在の現在員とその当初発足をした基準人員との関係から見てまいりますと、すでに二十八名も欠員を生じている。こういうことでは、冒頭に申し上げたように、新幹線の安全輸送というものから見ますれば、若干私は心配になってならないわけです。特に、こうした欠員の場合は、検修要員に多いのでございます。ですから、悪いことばで申し上げますと、満足に検修をしないで新幹線が毎日運行されているという数字的な結果に私はなろうと思うのです。したがって、当初の四百三十二名、この基準人員に対していま四百十二名よりおりませんから、こうした問題についてもすみやかに充足をして、数字的な面からでも、国民に、国鉄が新幹線を運行している場合に、いささかの心配もないのであるという私は措置をこの際ひとつ総裁としてとるべきではないか、こう思いますので、この際明快な答弁を求めておきたいというように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/39
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040・石田礼助
○説明員(石田礼助君) 新幹線につきましては、御承知のとおり、昨年の十月発足以来、幾多の故障続出であります。これは実に国鉄として面目ない次第であります。実は国鉄のいま走っている湘南電車にしましても、初めはもうトラブルの続出で、湘南電車にあらずして遭難電車だと言われたような経験もあります。また、「はつかり」特急などについては、「はつかり」にあらずして故障ばかりだというようなことまで言われている、また、交流電車におきましても、あれは非常に慎重にやりまして、仙山線においてやはり一年テストした結果、初めてそこで米原からずっと敦賀へやってみたが、これまた故障の続出である。どうもすることなすこと初めは実に故障が多い。そういう体験にかんがみまして、新幹線に関しましては、ことにああいう非常な高速力で走るということを頭に入れて、モデル線区で十分な試験をして、それによって非常に改善されたのでありまして、十月開業する時分にはまずだいじょうぶだということでやってみたのでありますが、やはりやってみるといかぬ。湘南電車のようなことですね。ところが、これはひとつ吉田さんに申し上げるのだが、最近においてはだいぶ減ってきました。これは二月の半ばごろから。それで、これは湘南電車が今日のように故障なく走っておるがごとくに、しばらくにしてこの故障というものは解消するのではないかということにして、これに対しては、私は技術のことはわかりませんが、わからずながら、始終技師長その他のしりをたたいて、何とかひとつ故障のないようにしろということで督励しておる次第でありますので、これはひとつ近いうちに御満足のいくようなことになるのじゃないかというように考えております。
それから、乗務員の問題につきましては、これはお話の点は私としてはよくわかるのであります、この間、実は新幹線の乗務員その他の代表者と会いました。よく事情を聞いた。実にごもっともなところがある。結局、新幹線における乗務員の人数にしましても、あるいは車掌のごときであるとか、その他の条件にしましても、現在のつまり古い線でやっているものを土台にしてやっているところに私は非常な間違いがあると思う。だから、これは詳細書いたものを出してありますが、私はまだ初めからしまいまで見ていませんが、実に共鳴するところがある。そこで、さっそく職員局長に対して、とにかく古き衣で新しいものに着せるということは、これは、だめだ。やっぱり新幹線は新幹線に適応した人数、労働条件でやらなくてはいけない。たとえば車掌のごとき、検札するったって、もうすぐ駅がくるので時間がない、大部分の人は入場券で入っているというようなことで、もういまのような人数でもってしてはいかんともすることができない、こういうようなことなんで、これは職員局長に、時間をきめまして、いつまでにひとつ改善のあれをつくれ、そうして組合とひとつ話し合いをしてみたらどうだ、こういうようなことに命じておりますので、これも大体新幹線に適応した人数、適応した条件のもとに運行することができるのではないか。また、なければならぬということに私は考えております。
それから、人の関係でありまするが、これは国鉄が何も利潤追求のために無理に人間を少なくしているというわけではない。要するに、私が吉田さんにこういうことを申し上げるのは釈迦に説法かもしれませんが、国鉄のいまの人件費というものは、三十九年度あたりにおいても全収入の五四%以上を占めている。つまり人件費というものが国鉄合理化の一番大きな問題だということでして、そういう観点からして、よけいな人間は使わないようにしたい、こういうことで、結局それが新幹線の現在のやはり使用人数に影響していると思いますが、これは、ただいま申し上げましたように、よくひとつ調べまして、新幹線に適応した人数を配置するようにやるということをお約束申し上げて私はいいと思います。
それで、一体国鉄の職員の数というものは昭和二十七年以来ほとんど変わっていなかった。ですが、しかし、新幹線もできる、また輸送量もだんだんふえてくる。だからして、いつまでも四十五万というものに何も抑止するなんてことは問題にならぬということで、大蔵省に相談しまして、だいぶことしはふやすことにしておりまして、この点は情勢に適応した人数をひとつ配置するということにつとめております。ことに、第三次計画の遂行に伴いまして、私はどうしたって四万人以上の人間をふやすということになるのではないかということに考えておりますので、何も利潤追求のために無理に人間を少なくしているというようなことは全然ありません。これはひとつ御安心くださって差しつかえない。これはひとつ適当な人数を配置することにいたしたいと思います。その他の詳しいことにつきましては、豊原君から答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/40
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041・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) ただいまの吉田先生の御質問、なかなか項目がたくさんあったわけでございますが、現在におきましては、昨年十月の新幹線開業直前にそれぞれ組合との協約を結びましてやってきたわけでございますが、何分にも非常に新しい鉄道でございますので、私どものほうとしましては、でき得る限り、想定し得る限りのいろいろな条件をお互いに考えまして協定が生まれたわけでございますけれども、実際に運行してみますと、われわれの当初予想しておったものと違った状態がだんだんにあらわれてきたことは事実でございます。これはお互いのことであろうかと存じます。そういうことで、御専門の先生がいまおあげになりましたような項目は、実は職員のほうからもそういう、大体ただいまおっしゃいましたような項目があがってまいりまして、私どもいま団体交渉を続けておるところでございます。私どもももちろん、開業の前にいろいろ主張した点を固持して譲らないというような態度ではなくて、五カ月間の経験に徴しましていろいろ話し合いを、実は続けておるところでございます。
で、一番初めにおっしゃいました動力車乗務員のいわゆる二人乗務の問題等につきましては、御承知のように、昨年の九月の十九日にあっせん案が出まして、その当時においては、あっせん案では、最終的な結論を出すことは適当でないと判断されるので、さしあたり六カ月間は可能な限りにおいてやってみる、こういうあっせんをそこで受諾したわけでございます。それに従いまして要員のことをやってきたわけであります。その後いろいろな経験を経ておりますが、その点につきましては六カ月間という期限がございまして、一応六カ月間と申しますと三月末になってくるわけでありますが、ただいま鋭意その点につきましても交渉を続けておるわけでございます。
それから、おっしゃいました列車乗務員の基準の問題、それから勤務時間の短縮の問題、それから定数と旅費、手当の問題、作業方式の問題、それから要員の採用を支社権限に移す問題、この支社権限の問題につきましては、これはほかの支社とのいろいろな関係もあるわけでございますが、その他安全と職場環境の整備、これにつきましては鋭意もちろんやっておりますが、すみやかな解決をはかりたいということにつきましては、もちろん私どもも念願といたしておりますので、これらは早急に解決するようにしたいということでございます。
また、出札業務が不円滑であって、お客様に御迷惑をおかけするという問題につきましては、これは座席予約に関する機械の整備を急ぎますと同時に、乗車券とその他の料金との関係をどうするか、列車別にどういうふうにやるかということにつきましては、開業以来そのつどでき得る限りの改善はいたしてまいったわけでございますが、抜本的には機械の導入ということが必要でございますので、これを早く入れるように努力をしておる次第でございます。
それから、その次の特別手当という問題につきましては、先ほど初めから申し上げましたような労働条件というものそのものでございますので、ただいま団体交渉でこれもぜひ何とか双方の納得のいく形にしたいというわけで、双方が誠意をもっていま団交を続けておる段階でございます。
最後に、現在の欠員補充というものを早くすべきではないかということにつきましては、私どももそのとおりでございまして、欠員の補充、新幹線でございますので、新たに採用してその者をすぐ持っていくというわけにはまいりませんので、結局経験者を持ってくるということで、御承知のように、現在線におきましてもいろいろ苦しい人員配置でやっておりますので、多少欠員がそのままになっておったという個所もあるようでございますが、これにつきましてはなるべく早く補充するようにいたしたいと思います。
以上がいまの項目に対するお答えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/41
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042・相澤重明
○相澤重明君 関連。非常に総裁の御答弁聞いて私もうれしく思うのですよ。そういうふうに真摯な態度で御検討をされているし、前向きの姿勢をとられる、非常に私は喜んでおります。そこで、ひとつこれはやはり総裁にぜひ断をもってやってもらいたいというのは、さっきの乗務員の問題だと思うんです。これは、いま常務が説明したように、開業前に私ら出身議員が運輸大臣と会って、それで当時国鉄が一人乗務させるのだという話でしたけれども、なるほど生理的現象等の問題も含んで確かにこれは初めてのケースだからこれは何とか措置しようということと、あっせんの考え方がまあとにかく半年問やってみようということで言われたことなんです。ですから、そういう意味で、一応従業員もそれでやってみたけれども、先ほどのお話のように、御苦労されていることを見ると、やはりこの段階ならば、いままでの実績の上に立って、国民が期待する方向に、新幹線はだいじょうぶだ、どんな場合でも職員の努力で有効適切な措置がとれるというふうにするには、私はいまが一番いい時期だと思うんです。ちょうどこの予算が衆議院を通っていま本院の予算の審議の段階であるけれども、私はこの四月の改定期に総裁が断をもってこの際はやはり二人乗務の問題は実現をしていく、その他の労働条件の問題も団体交渉だというが、団体交渉をやったところで、いつまでもそんなことでごたごたする必要は私はないと思います。これは収支の面である程度不採算だということであれば、これは確かにいろいろな面で考えなければいけないと思うんです。そういう意味で、あとで、どのくらいの利用率なのか、それも常務のほうから報告してもらいたいのですけれども、一列中当たり、どのくらいの乗車効率なのか、全体としてどうなるのか、こういうこともあわせて報告してもらいたいのだけれども、私は、吉田委員が指摘したような点は、率直にひとつあなたたちの勇断をもってやる、そうして組合側にも早くそういう点で了解をしてもらって、より積極的に問題に取り組んでいくということが望ましい、こう思うのです。この点については、せっかく総裁の答弁があったので、私も喜んでいるんですが、先輩としての注文としてこれはひとつお考えを願いたい、これが一つですね。
それからいま一つ、まあ旅費や乗務手当てもいろいろあるだろうと思いますが、そういうこまかい点について私はいま触れないけれども、ひとつ相談をしてさらに話し合いの上できまるようにやってもらいたいのですが、一つの例としてこの前飛行機のパイロットの人たちがどのくらいの危険手当というものをもらっているのかということを私が決算委員会でやったことがあるのです。これは国鉄の新幹線が危険手当がどのくらいかというと、なかなか判定の基準がむずかしいと思うが、まあしかし鈍行とは違うから、大阪-東京間を三時間で走らそうということなんですから、そういう意味でかなりこの乗務員の気分的な精神的な面も影響があると思うので、私は飛行機の搭乗員のパイロットのことも参考にしていいのじゃないか、それから国際的にいわゆる優等列車に乗る場合の問題も参考にしていいんじゃないか、こう思うのですか、これは一つの例ですよ。そういう点ももしお考えがあればお話いただいてもけっこうですし、いずれ検討する段階だろうと思うから、そういう意味でひとつ参考にして、できるだけ優遇というよりは、いまの時点に合ったものをつくり出してやる。さっき総裁の言うように、明治年間から国鉄はあるが、昔の基準がこうだからああだからと言ったって、やはりいまの時代にふさわしくない。こういう意味で、いまの時代にみなが喜ぶ、つまり国民のためになる新幹線、そして国鉄の経営者の前の総裁が夢の超特急と言って関心を持たれた問題が、今度は石田総裁が引き継がれて、現実にほんとうに国鉄の首脳部も職員も一致して国民の期待に沿っておりますというような形を出すには、やはり働く者の意見というのも取り入れてもらう。そういうことでひとつ、団交をよくおやりになっておるようですが、促進をして、四月に持ち込まない、三月のうちに、この年度内に解決をして、新しい年度には新しい年度の予算による、そういう姿勢をとってもらいたい、こう思うのです。これが第二点。
それから第二点は、さっきの業務報告をしてもらわぬとわからぬが、たとえば急いで行かなければならぬという場合があると思うのですね。母危篤とか父危篤とかというような電報をもらう場合があるでしょう。ところが、全部座席指定ですから、時によると乗れないお客さんもあると思うのです、そう急に訴えたところで。飛行機で行きたいと言ったって飛行機の座席がない、新幹線で行きたいと言ったって新幹線で行かれない場合もあるかもしれない。そういう場合の取り扱いというものも、これは私はやっぱりある程度、これだけ新幹線をつくったということを、文明の恩恵といいますか、そういうものが困ったときには利用ができるように何らかの方法等はないものだろうか、そういう点について、座席指定というたてまえであるけれども、何らかのそういう緊急上の問題については考えられないだろうかと思うのですがね。これは私もまだ廊下に立っていいか食堂車にすわっていいということはまだ申し上げられませんが、やはりそういう証明書を持ってきたり、あるいはお友だちが一緒に、家人がついてきて、どうしてもこれでなければ向こうに間に合わぬというような場合には、私は何らかの措置というのがとられても、恩恵を与えてやるということも必要ではないかと、こう思う。これはひとつ、検討中と思うのですが、もしお考えがあればお答えをいただきたいと思うのです。これは私は、こまかい点はたくさんありますから、いずれあらためて新幹線問題はやるとして、いまの吉田委員のせっかくの御質問の最中だけれども、以上三点についてお尋ねしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/42
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043・石田礼助
○説明員(石田礼助君) 相澤さんにお答え申しますが、私は収支にこだわって乗務員をどうしようとか、その待遇をどうしようということは全然頭に置いていない。とにかく給与すべきものはそれは損でもやる頭でやっておりますので、この点はひとつどうぞ誤解のないようにお願いしたい。
それから、さっき費原君からも吉田さんに申し上げたのですが、宿舎の問題は、これは新幹線のみならんや、旧線のほうにおいてもそうなんです。これは第三次長期計画においてひとつ思い切って改善をするということにやっております。
それから、新幹線の乗務員その他の職員の給与の問題について、パイロットの給与の問題なんかも参考にしたらどうだと、こういうことなんですが、これはパイロットと新幹線とは新幹線といまの旧縁との差よりも私ははるかに大きいんじゃないかと思いますが、はたして参考になるかどうか知りませんが、いずれにしても新幹線は新幹線に適合した状況でやるという、ひとつこういうことにして団体交渉をやれということを私から職員局長に命じておりますので、これは必ずそういうことにやると思います。
それから、三月中にはたして一体御希望のようにできるか知りませんが、いずれにしても合理的な条件でひとつ国鉄がやる、そんなもう無理なことはしない。たとえば最近に起こったあの動力車組合なんかとの問題に対しても、これは国鉄としてはほんとうに合理的な条件でやったつもりでありまして、その点については、相澤さんは御承知かしらぬが、社会党の書記長は私のところへ来て、どうもほんとうに御心配ありがたかったということで、社会党からお礼を言われたのは私は生まれて初めてなんです。そういうことで、決してアン・フェアなことはいたしません。こういうことは私は確約して差しつかえないと思います。
それから、乗客の特殊事情によって切符をどうするか、これはなかなか私はむずかしい問題だと思うのですね。ほんとうに乗客にも、誠実な人もあるし、不誠実な人もあるし、たとえば国鉄に対する乗客の中で不正乗車のいかに多いかということですが、昨年は二千四百万人ある、それでもってとにかくこの徴収したやつは四十億あるということで、これはどうも相澤さん、ほんとうのことは神さまに聞いてみないとわからぬ。しかし、これは乗客の場合もそうですが、いやしくもすでに乗客となった場合には、たとえば病気の場合には、とにかくおくれるということもあえてしてとめておろすということに、これはもうできるだけの人情味を発揮してやっておりますが、いまの特殊事情によるものを特売するというようなことは、私はこれはどうも保証の限りじゃないかと思いますが、これはしかし、そういうことがほんとうにわかっていれば、これは何かやはり処置をとる道もないではないと思いますが、この点はひとつ考えさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/43
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044・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 総裁から、まことに真摯な態度で、しかも謙虚にすなおに答弁されまして、私はその態度は、総裁みずから国民に奉仕をしようという意欲だと思いますが敬意を表しておきたいと思います。
ただ、引き返って、総裁の答弁と常務理事の答えでは、若干どうも私はニュアンスとして違うのじゃないかというふうな気がいたしますので、重ねてお伺いをいたします。たとえば総裁は、新幹線は新しいものであるから古いものを捨てて新しいものに適合するようにつまりすべて措置をすべきだと、こう申された。まさに私もそのとおりだと思いますが、たまたま職員の採用権の問題になってきますと、豊原さんのほうは、他の支社との関係もあるからと、そのあとはもう答えていません。これなどは、まさに総裁のただいまの答弁を豊原さんはどう理解したかは私ははかり知れませんけれども、私は先ほど欠員関係についても指摘をいたしました。常務理事はこれを認めておるわけです。さらに幾つか私は項目をあげて指摘をいたしましたが、この件についても私は否定できないと思う。そういう事情の中で、私はこの際思い切って、これはひとり国鉄の産業のみならず、日本の産業全体で問題になりつつあります要員確保の問題が、これからさらにきびしくなると思う。ですから、現実に、東京における採用が、その充足が満たされないで、九州であるとかあるいは北海道で国鉄職員を募集している実態もございますね。こういう事柄を見て、やはりこの際、新幹線というのは特殊な条件を私は持っているものだと思うので、ただ単に時速二百キロで突っ走るだけの条件ではなくして、あらゆる角度からながめて在来線から見まして特殊な条件を持っていると思うのです。ですから、こういう点を十分重きを置きまして、要員採用などは、諸般の事情等も考慮をされて、支社権限ということを明確にしても、私は国鉄の性格上さして問題はないのじゃないか、こういう気がするのであります。この点どうお考えになっているか。
それから総裁、これはここまで承知をしていないと思いますけれども、私は新幹線について先般来、若干興味があるものですから、実態の調査をしてみたのです。その結果、たとえば、私が指摘したように、勤務時間を短縮したらどうだ、こう言った意味は、総裁は決して無理をしていないこういうお話でございまして、今後も無理をしたくない、こういうことですが、これで一体無理をしていないのかどうかということを、具体的に私はデータを出して申し上げてみたいというふうに思うのです。たとえば東京の運転所の乗務員の仕業別の拘束時間、作業時間がどうなっておるか調べてみました。ナンバー一からナンバー二十七の仕業交番がございます。その中で、ナンバー一は、拘束時間が二十七時間十八分です。これは現場の人に私は会って、一々資料を集めて、事情を聴取して、一応ここに出したのですが、二十七時間十八分ですよ。総裁、世界にこういう拘束時間の長い勤務実態はありませんよ。しかも、その人々が実際の作業時間をどう持っておるかというと、十九時間十八分ですよ。私は決して労働基準をたてにとってどうこうとは言いません。この段階では言いませんが、十九時間十八分。ナンバー二の仕業交番は一千五時間二十分の拘束時間、作業時間が十八時間二十七分。ナンバー四は拘束時間が二十六時間三十分、作業時間が十七時間五十分。ナンバー十三が拘束間二十三時間、作業時間十七時間十六分。ナンバー十四が拘束時間二十三時間、作業時間が十八時間十四分です。このようにして、ほとんど二十七の仕業交番というのが、おおむね平均しても十六時間以上の作業時間になって、拘束時間が二十三時間以上ないし二十四時間くらいになっておる。一番短いやつで――何も総裁答える必要はありませんが、二十七の仕業は、拘束時間が十二時間、作業時間も十一時間、これが一番短いのです。これがたった一つだけ、十二時間、十一時間、やや基準法に近いようなものが出ているのです。これが一つだけ、二十七ある中で。ですから、こういう実態は、私は、かなり機械化されたり、近代化されたとしても、働いておる職員は、きつい作業に耐え得て、しかも新新幹線の特殊事情から勘案して、何とかここでがんばろうという気持ちになってやっているのじゃないかと、こう解釈をしておるわけです。非常にそういう点では、私は職員に尊敬と敬意を表したいというふうに思うのです。ただ心配になってくるのは、総裁、私が時間短縮をしたらいいじゃないかと言った意味は、こうした事情の中から、すでに体重がもう二キロも減っちゃってたいへんだ、こういう者が出てまいりましたからね。その程度の実態ならばまだがまんができようが、病気になって長期欠勤をやむにやまれずやらなければならぬというのがこれはかなり出てきた。ですから、欠員が出てくるわけです。欠員が生じてくるわけですね。こういう現象が一つ出ています。それから、その作業ダイヤによってこれは一律的にまいりませんけれども、非常に危険の度合いを含むものがございます。そのために重傷を負う、ないしはけがをする、こういう者などが随所に出てきています。こういう実態を私は知れば知るほど、将来やはり、総裁がいま非常に前向きの答弁をいたしましたから、改善をされるであろうけれども、やはりここで総裁が答弁したことをすみやかに幹部が踏まえて勇断をもってこの措置をしないと、どえらいことになりはせぬかというような気が私はするのです。そういう心配のあまり、老婆心から、こんなに長い時間やっているわけですから、時間短縮をやったっていいじゃないか、こういう意味のことを申し上げた。しかも、総裁がおっしゃったように、非常に私はこれは妙なものだと思うのですが、国鉄の幹部直ちに全部頭を新しく切りかえよと言っても、なかなかそういかぬらしいのですが、たとえばこの基準の査定にしても、非常にこの査定の内容が、きびしい否定のしかたをしている。先ほどもちょっと触れましたけれども、欠員を生じていますのは、主として検修関係の上要員が多い。その検修関係の電車の人の例をとってみますと、検査掛は従来の査定から見ますとどういう査定をしたか私はようわかりません。わかりませんが、八名マイナスになっている。電車掛が一名マイナスという査定をしている。今日これらもきっと問題になっていますよ。先ほど常務が団体交渉何とか言っておりましたけれども、そういう関係でいろいろお互いに努力をされているのだと私は思いますけれども、調べてみますとこういう実態が出てくる。それから、検査掛の欠員をどこで一体補っているのかということを調べてみましたら、添乗検査という応急の措置で経営者が始末をしているという実態が出てきています。こういう関係、それからもう一つは、電車の検査掛二名に対して、検査掛二名という人の張りつけ方というものにつきましてもいろいろ問題にいまされていますね。その検修の方人がC型の勤務を用いるというようなことから、いろいろいま論争をしているようでございますか、答えは別として、各人各人の毎日毎日の作業時間を短縮しなければならないはずにもかかわらず、このC型の勤務体系というのは私はどういう体系になっているかようわかりませんが、とにもかくにも依然としてそういう合的的な科学的な算出がなされずにいる問題が一つあるわけです。結果的にどうなっているかというと、当然検査掛あるいは電車掛がやらなければならないものを、いま言ったような添乗者がこれを扱うというようなやり方をして穴埋めをしてみたり、それから事務系統が逆にやらなければならないような仕事、内容を検査掛あるいは電車掛がしているというような実態も、私はこの実態調査で、この目で実は見てきたわけです。これはまことに事務的でこまかな問題ですけれども、こういう事柄がやっぱりぼくはその問題の根っこになっているんじゃないか。まだまだあげれば、車掌所であるとかあるいは保線所、そういう問題の実態調査も、私調べておりますから、総裁にこめ機会に全部申し上げてその実態を知っておいてもらいたいと思いますけれども、あまり長く申し上げておりますと時間がだんだんとたちますから、とりあえずいま一つだけ私の実態調査というものを申し上げて、もう一回答弁してもらいたいというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/44
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045・石田礼助
○説明員(石田礼助君) 吉田さんの話は、実際私ども初めてこういう勤務時間のことについてあなたのお話で承知したわけなんであります。これはどうも、まことに怠慢のいたすところと言われれで、まさにしかりかもしれませんが、ひとつよくこの点は職員局長に話しまして、合理的なものにしたいということを申し上げておきます。要するに、新幹線ができる、したがってよけいに人間が要るということなんですが、これに対してやっぱりどうも、要員の配置なんというものも古き頭をもってしたというようなきらいなきにあらずと私は思うんで、その意味において、こないだも職員局長に、ひとつ新幹線は新幹線という新しい頭でこの問題を考えにゃいかぬぞということで注意しておきましたので、これはひとつ、ただいまのお話を参考にいたしまして、ひとつほんとうに合理的だとお思いになるような解決をいたすことに努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/45
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046・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) 先ほど吉田先生から、要員採用の件についてお話がございましたが、私先ほど申し上げましたのは、ほかの支社がやっていないから新幹線支社にもやらさぬというような意味ではございませんので、新幹線支社と申しますのは、ほかの支社と違いまして、東海道新幹線を一本受け持っておりまして、その東京から大阪までの地域は、おのおの関東支社、中部支社、関西支社というような支社にまたがっておるわけでございまして、それぞれの所在の支社があるわけでございますから、人員の採用というようなことについてはそれらの点も考えなきゃいかぬと、こういう意味で申し上げたわけでございます。
それからあと、いろいろお話がございましたが、乗務員の労働時間に関しましては、私どもは協約、協定に基づいてやっておるわけでございまして、それに違反しておるような事実はないと信じております。ただ、あと検査掛のお話等につきましては、非常に話が専門的でございますので、先ほども申し上げましたように、双方から専門家が出まして、非常に多くの項目が新幹線の団交の対象に出ておりますので、団交の中で結論が見出されるものと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/46
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047・相澤重明
○相澤重明君 常務理事さん、さっきの乗車効率の問題ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/47
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048・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) 実は、きちんとしまして結論的に申し上げられます数字は十二月のまでしか出ておりませんが、それによりますと、お尋ねの乗車効率は、大体上り、下りともそう大差はございませんが、特超急で申しますと、下りで三カ月間の合計が八七%、上りが八一%、特急はこれよりやや落ちまして、下りで六三%、上りで六一%、これを全部統計いたしますと、上りで七一%、下りで七五%という数字が出ております。
収入につきましても、大体それに比例したようなことでございまして、当初の計画というものが多少多過ぎたといいますか、一つには、私どももっと長距離のお客のほうが多いのではないかと思っておったわけでございますか、わりあいに名古屋を主軸としまして短距離と申しますか、お客のいわゆる足が短くなっておりますので、それに伴いまして収入もやや私どもの当初考えましたよりは落ちておる。一月以降は、これは季節のせいもございまして、絶対量は年末のようなわけにはまいりませんけれども、当初の計画との離れはいま申し上げましたようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/48
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049・石田礼助
○説明員(石田礼助君) ちょっと私から補足したいと思いますが、吉田さんにひとつ御参考に申し上げておきたいと思うのですが、国鉄の職員の採用問題につきまして、いままで高等学校の卒業生というのは各支社でやっておったのです。御承知のとおり、東京はもう採用人数に比べて希望者が非常に少ない。多いのはやっぱり東北、それから九州ということなんで、しかもこれは、高等学校の卒業生ということになると、わりあいに多くないわけで、中学の卒業生を採用しまして、われわれ国鉄自身がひとつ高等学校の教育を与えよう。その最も著しいのが例の大学教育、これは、御承知のとおり、年に二百人ずつ採用しておりますが、これは給与その他の関係のために非常に希望者が多い。約四千人おって、そのうちから二百人ずつ採用しておるのでありますが、調べてみますと、大学で四年間でやるやつを二年間でやっておる。そんな無理なことをしてどうするのかと言うと、結局大学でやっておる教授の時間数だけのものは二年間であげることができると言う。それはいかぬ、そんな詰め込み主義は、やっぱり学んで思わざればすなわち暗しである、やっぱり考える時間を与えなければいかぬということで、国鉄からいけば、それがために生徒の数はふえます、三年になると。それからまた給与の問題になると、ことしあたり三億ぐらいよけい払うことになると思いますが、これは要するに、この人間を必要とするのだから、これはひとつ思い切ってやらなければいかぬということで、二年を三年に延長するということで、これは十分な給与を与えておりますので、別にアルバイトをする必要がない、普通の大学生のようにアルバイトをしながら学んでおるのと違いますから、三年ならよろしいということで、私は物産会社におった関係上、事業は人なり、人というものに対しては、これはよほど重点を置いてやらなければならぬということで、そういうぐあいにいまやっておりますので、この新幹線の問題につきましても、これはもうだれが見てもなるほどと思うような条件でひとつ組合と話し合いをしたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/49
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050・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 非常に総裁から参考になる要員の問題について説明がございましたから、私は了解をいたしておきたいと思います。
ただ、一つの私は先ほど東京運転所の定員だけ申し上げたのですけれども、新幹線を、経営していくために一番大事なのは、やっぱり運転だと思いますね。運転だとすれば、直接その任務に当たる運転士だと思いますよ。で、その運転士の関係につきましても、総裁、先ほど申し上げたように、ただ単に検修要員とか何かじゃなくて、欠員がもうすでに出ている。これが実態を調べてみますと、この種関係は、病気であるとか、あるいはけがをしたとか何かで休んじゃって欠員になっているというのが、今度の問題は、運転士の関係はそういう実態じゃないでしょう。私はやっぱり大きな意味でいえば経営の意思にあるのじゃないか、経営の意思になっているのじゃないかと、こう思うような内容のものがあるのです。具体的に申し上げてみますれば、これは東京の運転所だけで本線運転している運転士を五十六名、内勤が三名、外勤が十六名、指導運転士が六名、技術の運転士が二名、DLが六名、臨時が六名、 予備が十一名――当然この五十六名くらいには、運転ダイヤ等の計画を見ますと、十一名くらいは少ないくらいの予備員だと思いますけれども、いずれにしても基準要員は、予備員が十一名、合計百七名になっております。ところが、本線運転はそのまま五十六名配置させている。内勤も三名、外勤が今度は八名より現在おりませんから、ここにもうすでに欠員八名、外回りの関係ですね。これはたいへんな問題ですね。それから、指導関係が、これはまあそういう意味では非常にぼくはいいことだと思いますがね、一名プラスして七名になっている。それから技術関係はそのまま。DLもそのまま。そして臨時がまるまるゼロです。そして、指導機関士を一名ふやしてやっておりますから、プラス・マイナスして七名のマイナスになっている、ここのところは。予備員は八名よりいない。予備員といったってただ単に予備員じゃない。これは交番編成になっていますから、当然この予備員がおるのですが、現に八名しか配置していない。これはマイナス三名。合計直接運転に従事する運転士が十七名欠員を生じている。これは総裁、先ほど言った検修部門だけでなくて、運転士、それから施設関係、それから駅の関係、それから車掌所、電気所ですね、さらには事務系統の経理、資材部門にもぼくはこうした欠員があるのじゃないか。事務系統は別として私は保線所と運転所と車掌、所だけの実態を調べてみた。駅と電気、経理関係は調べてみませんから存じ上げていませんが、きょうは、前川の委員会で私は新幹線の担当常務理事においで願いたい、こういうことで委員長のほうに申し上げておきましたが、おいで願っていませんから、こうした新幹線の、しかもかなり技術、それからかなりこまやかな突っ込んだ話になりますが、豊原さんに、総務の常務理事に答弁しろと言ったってできませんから、次回にもう一ぺん新幹線の常務理事を私は出席させていただきたいと思います。そのときにさらに車掌所であるとか保線所であるとか、こういう関係の問題を少し聞いてみたいというふうに考えます。ですから、いま申し上げたこの運転士の関係ですね、きょうはこの程度は答えられると思いますから答えていただいて、あとあと駅の関係と電気の関係、経理、資材、こうした関係の基準要員と現在要員の関係ですね、こういう関係。それから先ほど来八つ項目をあげて私は申し上げたわけですが、こういう関係についてどうなっているのか。それから団体交渉中だといういまお話もございましたから、その間の経緯を次の委員会に、私は資料でもけっこうだし、あるいは口頭説明でもけっこうですが、責任ある答えをお願いをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/50
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051・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) ただいまの運転手の関係につきましても、私はいまここで基準人員その他の数字を持っておりませんので、どういう欠員状態かということにつきましては、ただいまのお話のように次回に願えますならば、そのときにやらせていただきたいと思います。
それから団体交渉の経緯と申しますと、これはなかなか微妙な問題でございまして、これは団体交渉のいま途中でございますし、どういう要求が出ているかということにつきましては、これは当然御説明できますけれども、それに対するいろいろな経過なり数字等につきましては、団交におまかせ願えないか、こういう、ように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/51
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052・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 団交経緯については答えたとおりでけっこうです。私どもも労使双方の問題ですから、内政干渉をするという気はさらさらございませんから、その点はそれで、けっこうです。
ただ最後に、次回に新幹線の関係の方々においで願って質問をしますけれども、この際、予備的に要望しておきたいと思いますことは、一つは定員と現在員の先ほど申し上げた実態。もう一つは乗務員の作業実態がどうなっているかということを十分把握をしてきてもらう。それからもう一つは勤務の実態、さらに大事なことは、先ほど来ちょっと触れましたけれども、非常に拘束時間あるいは作業時間が長い時間ですから、そうした人々の休養日数についてどうなっておるか。私の調べたところでは、有休さえいまの段階では使えない、こういう実態がございますので、こういう人々の休養の日数をどう見て、具体的に休養の交番をどう編成して休養を与えているかということについても、私はこの際十分調べて勉強して、次の委員会に出てもらいたい。
それからあとはこまかい問題ですが、各関係にはそれぞれの諸手当の、私若干ですけれども資料を持っておりますが、申し上げませんが、出ております。そういう関係もひとつ出していただきたい。つまりプラスして乗務員の旅費の関係でございますね。今日の国鉄には旅費規程がございますけれども、新幹線は特殊なものですから、組合と協約、協定ができていると思います。その協約協定の範疇でけっこうですから、旅費の関係がどういうふうな関係になっておるか。
それから先ほど総裁が、私が車両の故障をいろいろデータでもって指摘したわけですが、だんだんなくなってきた。非常にいいことですが、私どもが調査をした段階では、私が申し上げた数字は間違いありませんので……。それから、どういうカーブで総裁が申されたように減少しているかということを私、見なきゃいけませんので、したがって、車両故障の現状を開業当時から比較になるようなものをひとつ出していただきたいと思います。
それから、これはまあ総合的にこうした問題をながめなきゃならぬわけですから、勢い、縁の下の力持ちをやっている検修部門関係でございますね。こういう関係の勤務の実態、それから検修部門関係の在宅日数というものはどのくらいになっておるか。乗務員の在宅日数はわかっていますから、乗務員のほうは必要ございません。検修部門の在宅日数がどうなってるのか、こういう関係もひとつ調べてきて、ここへ答えていただきたいと思います。
それから、例のあっせん案によりまして添乗員かおります。したがって、この添乗勤務に対する旅費はどうなっているのか、この点もひとつ明らかにしていただきたいというふうに思います。それから、前の委員会にも申し上げましたけれども、次回の委員会で青函連絡船についての合理化案が当局にあるはずですから、その関係について私は若干伺いますので、そういうふうに準備をしていただきたい。二番目には被服工場の関係、二番目は土木、営林部門の保守の近代化、この計測、それから四番目には建築関係、これもやはり保守体制です、その関係の計画、それとあわせて、最後に五番月になりますけれども、電務の新運用体制、この合理化案があるはずでございますから、その関係をひとつ準備して、それぞれの関係の私の質問に答えられるメンバーを、重ねてこれは委員長に要求をしておきます。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/52
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053・石田礼助
○説明員(石田礼助君) ただいまの新幹線に関する問題については、この次はひとつ専用家をよこしますので、どうぞ根ほじり葉ほじりお聞きになっていただきたいと思います。
いまの青函連絡線の問題につきまして、ちょっと申し上げますが、これは御承知のとおり、いままで客を戦標船で輸送しておった。万一事故でも起こった日には、国鉄としては天下に何と申しわけしていいかわからぬ。これはもうぜひ改善せにゃいかぬということで、ことしの八月か九月ごろには、船客に関する限りはりっぱな船で輸送すると、こういうことにするのでありまして、そうして八千二百トンの船を六そう新造したわけだ。その結果約八百人の人間が浮いてくるわけだ。ところが時間短縮の問題がありましてね、結局余ってくるものは六百人ですね。そのほかに宇高線が、これもまた古い船を船客に使っている。これはどうも国鉄の責任で変えにゃいかぬというので、新造船になりましたが、この新造船になった結果、これは三百人浮いてくる。これはそうして御承知かしらぬが、下関と門司の間を、はしけをやっておった。あんなものはもうトンネルができた以上必要がない。しかもこの下関なんか、年に八千万円ぐらいマイナスなんだ。国鉄合理化の――この秋はあなた方賛成か不賛成か知らぬが、どうしたって運賃値上げをやらにゃいけません。そうするというと、国鉄まず合理化せよ、こういうことを言うに違いない。それに備えてというわけじゃないけれども、きわめて不合理なんだから、合理化の意味において、もうあんなはしけなんかやめっちまえというので、やめることにしまして、そうしてそのほかに例の「宗谷」というのがある。あれは砕氷船ですよ。砕氷船で石炭を運んでいるのだ、発電所へです。いかに輸送コストが高くつくか、これはもう船について多少とも頭のある人間ならば問題にならぬ。これももう一年に八、九千万円の損だということで、「宗谷」というものをひとつ廃止をする。ただ問題は青函連絡船に乗っているオフィサーですね。あれはやはり上に進むためには、外洋の航務をやらにゃいかぬということで、「宗谷」を使っておったのですが、これは三井そのほか郵船会社でも、安い金を出してくれれば、ちゃんとオーシャン通いの船で訓練してくれますのでね、これはもう「宗谷」をやめるということにしまして、そういうことでもって、この関門と「宗谷」で百三十、それからタグボートそのほかで二百人、合計千一上百三十名の過剰員ができた。一体この人間をどうするかということがこれは問題で、いま頭を悩ましているのですね。これはひとつ無理なことをしないで、きわめて合理的な方法で配置転換をしたいと、こういうふうに考えております。これは青函連絡船ということを吉田さんおっしゃったので、ちょっと御参考に申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/53
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054・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 それから常務理事でけっこうですがね、いま運転取扱心得を全面的に改正しようという動きがございますね。で、これは昭和二十三年たしか八月に制定された内規でございますけれどもね、もうすでにかなり年数たっておりましてね、抜本的にですよ、変えなければならぬ時期にきていると思いますから、それはそれで私どもとやかく言っておりませんがね。今度これを運転取扱基準規程に置きかえて、四月の一日から実施したい、こういうことでございますがね。これは大幅抜本的に改正するとすれば、在来線、新幹線含めまして、たいへんな問題になると思うのです。そこでね、私はこの際は、次回の委員会にその改正せんとする骨子、改正案、これを参考資料として提出を願いたいと思います。資料要求です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/54
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055・相澤重明
○相澤重明君 資料要求、一緒にあわせて、さっき常務から、新幹線の乗車効率の問題、御説明いただきましたが、十月以降十一月、十二月、一月、二月までは出るだろう、それをひとつ資料で出してもらいたい。
それからいま一つの点は、その資料に、つまり乗車人員と総額になりますね、それに払い戻しをした額が、どのくらいあるか、そういう件数はどのくらいになっているか、これは本来決算でやるべきことなんだけれども、せっかくの専門委員会だから、それをひとつ出してください。それからあわせて国鉄全体でね、毎年そういう列車遅延とかあるいは損害受けたとかいうことで、支払う額がありますね、旅客なり荷主に。その額は三十九年度まではいきませんが、三十八年度まででけっこうです、それは。どのくらい支払っているか、ひとつ決算上の問題ですから出してください。これはあさってのこの次の委員会にやるなんてことは、なかなかむずかしいと思うけれども、それは若干おくれてもいいけれども、新幹線ぐらいのことは、これはすぐできるだろうから出してもらいたい。これは資料要求しておきます。
それからもう終わりですからついでに――ついでと言ってはなんですが、基本的な問題があるのだがね、総裁。これは新幹線の問題じゃなくて、おととしの三十八年、入浴事件で裸連行ということでやった問題だが、裁判所では無罪の判決が出た、こういう新聞記事が出ておった。新聞だからよくわからぬので、ひとつその経緯を、この次説明をしてもらいたい。まあ裁判所の、新聞発表を見るとプライバシー、人権侵害だ、こういうことですがね。無罪の宣告が出されておるようだが、控訴するのかしないのかは、これも当局側も意見のあるところだと思うが、同時にいままで三人の被告といわれる人たちがどういう状況にあったのか。国鉄側としては休職にしておったのか首にしたのか、どういうふうになったのか。それもひとつあわせて報告してもらいたい。それで地裁がプライバシー尊重ということで、結局は無罪の判決を下したのだが、その場合に今度は採用されるというか復帰することになると思う。そういうような問題についても当局の態度が必要だと思いますから、おととしの話だけれども、たまたま裁判がいまになったのだから、そのことをひとつ出してもらって、私の要望は総裁が非常に人間尊重ということで力を入れて、いろいろな面で御努力されていることに感謝するわけですが、あまりこういうような裸連行事件なんというようなみっともないことは今後やらぬように、ひとつ常務の中でも相談をさせるようにして、そしてみんながやはりいや外部からは国鉄一家と言われるけれども、ともかくいいところは大いに伸ばすほうがいいと思う。そういう意味でひとつ総裁にこれをこの事件を契機になるべくそういうくだらぬ問題は起きないようにだね、ひとつ善処してもらいたい。これは要望ですがね、報告を含んでひとつお願いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/55
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056・石田礼助
○説明員(石田礼助君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/56
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057・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 本件については、一応この程度といたします。
次回は三月十一日午前十時開会の予定とし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X01019650309/57
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