1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月二十二日(木曜日)
午前十一時二十分開会
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委員の異動
四月十六日
辞任 補欠選任
近藤 鶴代君 井野 碩哉君
山本 利壽君 河野 謙三君
後藤 義隆君 野上 進君
紅露 みつ君 上林 忠次君
四月二十日
辞任 補欠選任
浅井 亨君 鈴木 一弘君
四月二十一日
辞任 補欠選任
鈴木 一弘君 浅井 亨君
四月二十二日
辞任 補欠選任
井野 碩哉君 村松 久義君
河野 謙三君 高橋文五郎君
上林 忠次君 鳥畠徳次郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 松平 勇雄君
理 事
江藤 智君
吉田忠三郎君
委 員
加賀山之雄君
木暮武太夫君
高橋文五郎君
鳥畠徳次郎君
平島 敏夫君
村松 久義君
浅井 亨君
国務大臣
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
政府委員
運輸大臣官房長 堀 武夫君
運輸省海運局長 若狭 得治君
運輸省鉄道監督
局長 佐藤 光夫君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 深草 克巳君
海上保安庁長官 今井 栄文君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道常
務理事 豊原廉次郎君
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本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○港則法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○海上運送法の一部を改正する法律案(内閣提
出)
○日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/0
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001・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
初めに、委員の異動について報告いたします。
去る四月十六日付をもって、委員近藤鶴代君、山本利壽君、後藤義隆君及び紅露みつ君が辞任し、その補欠として井野碩哉君、河野謙三君、野上進君及び上林忠次君が選任されました。
本日付をもって、河野謙三君、井野碩哉君及び上林忠次君が辞任し、その補欠として高橋文五郎君、村松久義君及び鳥畠徳次郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/1
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002・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 連合審査会に関する件についておはかりいたします。
港湾労働法案について、社会労働委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/2
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003・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/3
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004・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/4
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005・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 港則法の一部を改正する法律案を議題といたします。
別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/5
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006・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/6
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007・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
港則法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/7
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008・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/8
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009・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 御典儀ないと認め、さよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/9
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010・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 慎重御審議の上御決定いただきましたこと、ありがたくお礼申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/10
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011・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 海上運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/11
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012・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 質疑ということではないですが、相澤委員から質疑の通告が私のほうにございます。本日所用のためまだお見えになっていませんから、この質疑を次回に譲っていただきまして、次の日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の質疑に入りたいと思いますが、議事の進行上意見を申し上げます。ほかにそのほうの方がございますれば、大いに質疑していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/12
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013・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) ただいまの吉田委員の御発言、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/13
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014・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) それじゃ、御異議ないようでございまするから、本案に対しましては、後日に譲りまして、本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/14
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015・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 次に、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/15
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016・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 この改正案、さらには提案理由の説明を見てまいりますと、志免炭鉱の閉山の関係の改正は、これはまあ当然、閉山になりましたから、法律案の本文から削除しなければならぬから、それはそれとして私はいいと思いますが、現物の出資について、私はこの条項をこう改正せずとも、従前の通し条項で解釈運用できるのじゃないか、こう考えるので、この関係どう解釈されて今度提案をされることになったか、その経緯ですね、若干聞かしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/16
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017・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 現在国鉄は、その業務の運営に必要がある場合には、運輸大臣の認可を受けて関連事業に投資できることになっておりますが、これは、御承知のように、予算で定めるところによってしなければならないということになっておるわけでございます。しかるところ、現在、当面の問題として、名古屋臨海鉄道に現物出資の必要が生じておりまして、今後においてもこの種の必要性が考えられるわけでございますが、法律上は「予算で定めるところにより」ということでございますので、必ずしも現行法令で現物出資が可能であるかどうかということが明瞭でないという御指摘もありまして、われわれもいろいろ検討はしたわけでございますが、やはり法律で明瞭に定めていただかなければ、その間の関係が明瞭でないということで、今回の改正をお願いしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/17
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018・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 現行法では予算の関係上明確じゃない、こういうことで、「現物」という文言を入れて明確にしようと、こういう趣旨の答弁だと思うのであります。私は、鉄道の予算が国会で承認されて、そのあとそれぞれ所要項目によって予算示達をされた場合に、国鉄の経理上はこれはいろいろな経理のやり方がございますが、物に対する、つまり物品に対する一つの経理のやり方がございます。ですから、やり方によっては、私は、物品経理規程で決算をして、その決算をしたものを従前のこのままの法律を適用してできるのじゃないか、こう考えるので、そこらあたりは、もし鉄監局長おわかりでなければ、国鉄の豊原常務来ておりますから、豊原常務から御答弁されてもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/18
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019・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 御指摘のように、「予算で定めるところにより」となっておるわけでございますから、予算で物品経理を定めることは考えられないかという御質問の趣旨かと思いますが、御承知のように、現行法の日本国有鉄道法三十九条の四で、予算の内容が一応法定されておるわけです。もちろん、この三十九条の四の六号に「その他予算の実施に関し必要な事項」というような文言がございますけれども、この三十九条の四の全体の趣旨といたしましては、現金の出納ということが中心になっております。したがいまして、「予算で定めるところにより」ということは、要するに現金の出納を規定しているものであるというふうに読まれるわけでございますので、先ほど申し上げておりますように、これに物品の出納ということが必ずしも法文上入らないということに相なります関係上、法律上明瞭に現物出資の規定を入れていただく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/19
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020・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 なるほど、一々それぞれ物品なら物品、あるいは金銭なら金銭、あるいは場合によって人間をある意味においては供出をして所要経費はつまり鉄道経費なら鉄道経費で計算をしていくというやり方だってないとは私は言えないと思う。いまそういうものはないですよ。ないが、そういう例だって場合によっては、事業の内容によっては私はあり得るものだと思うのですね。この法律が示している予算とは何かと、ここまで掘り下げていろいろ解釈してみると、国鉄側が国に対して年度の卒業計画を立てて、それぞれそれに伴う経費を予算の編成ということで、運輸省として予算の編成権を持っています政府に提出をして、さらに議審権を持っている国会に審議していただいて予算をきめる。その場合の予算項目を見たら明らかだと思いますけれども、その場合に物品で幾ら幾らということはあり得ませんよ。これは鉄監局長、御承知のように、全部金額で示されていますよ。ですから、工事経費が幾らとか、あるいは何々経費が幾ら幾らと、こうなっているわけですね。つまり、工事経費というのは、すでに金では示されておりますけれども、予算がきまったと同時に物品にかわるのですよ。だから国鉄は物品会計というものは別に持っているわけです。その間に、たとえば工事の内容によっては中間勘定、こういった勘定を設けて経理をやっていますから、物と言いますけれども、全部金なんですよ。金で経理上は始末をされている。だから私は、この本文で何ら物で出資したって差しつかえないのではないか、こういう気がしてならないのですね。だから、それをあらためてこういうふうに、つまり現物もこの法律の内容では限られておりますけれども、「現物出資をすることができる。」と、こうせなければならなかったというのは、先ほどあなたが答えたように、名古屋の臨海鉄道のところで具体的に問題が出てきたからと、こう言っていますけれども、ぼくは名古屋だけではないと思う。これは全国的ないろいろな国鉄がそうした関連するところに出資をするということになれば、これは前の法律にそういう条文があるわけですから、ですから名古屋だけでは私はないと思うので、名古屋だけでこの法律を変えるというものじゃないでしょう、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/20
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021・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) お話のように、名古屋だけを対象とするものと考えておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/21
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022・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そこで、対象としたものじゃないということだけれども、つまり物というものと、国鉄の経理上の、つまりここに書かれている予算上、資金上の関係からの金というものと、ぼくはもう解釈は同一視していいのではないか、同じに見ていいんじゃないか。これをあらためて物に限定をして、こういう法律の改正するということは、何かあると思う。なければ、こういうことはしないはずだね。そこのところ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/22
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023・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 御指摘のように、国鉄自体がその財産の得喪その他につきまして全体的に企業会計方式をとって会計整理をしているということは、御指摘のとおりでございます。その際には物品の出納その他ももちろん決算の内容になっておることも、御指摘のとおりでございます。したがいまして、われわれが問題といたしました現物出資ということが、御指摘のように、そういうような形であるけれども、法律にいう予算の中に書くことができるかどうか。予算で要するに現物出資を定めることができることになるとすれば、現行法で可能であるわけでございます。この点につきましては、実は法制局、大蔵省等とも政府部内で打ち合わせをしたわけでございますが、結論は、現物出資は、先ほど来申し上げておりましたように、現金出納に関係のない事柄でございますので、いわゆる収入支出予算には計上できない。それからまた、予算総則というものが御承知のようにございますけれども、国有鉄道法三十九条の四に規定されておりますとおり、その内容は、現金出納をもってする予算を執行する場合の条件、弾力性等の実施事項を規定するものであるわけでございます。したがって、現物出資のような現金出納と関係のない事柄について予算総則に規定すべき性質のものでないという結論に相なりまして、結論として現行法令上現物出資を予算で定めることができないという解釈に政府部内の打ち合わせの結果なりましたので、別にやはり法律上このことを特にうたっていただく必要があるという結論になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/23
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024・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうしますとね、現行法では、つまりこの現物の出資というものは拡大解釈すればできるけれども、そうした事柄が将来名古屋だけじゃないわけでしょうから、いろいろややともすると誤解されたり問題が起きるのではないかといういろいろ配慮があって、政府部内としては、現行法では解釈されない、こういう判断に立って現物というものを明確にする、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/24
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025・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、現行法の解釈上は無理がある。したがいまして、その点を明瞭に書いていただく必要がある、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/25
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026・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 無理があるということなんで、具体的にどこにその無理があるかということは僕は聞きませんが、ですから、いま言ったように、将来ややともすると社会から誤解されたり、あるいは運用の面で問題がありはせないかという懸念、配慮、そうしたものが先行して、解釈上やはり明確にしたほうがいい、こういうことなんでしょう、無理があるということは。無理があるということは、どこかに無理があるはずだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/26
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027・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 先ほど来御説明しておりますように、法律的に読めれば解釈でいけるわけでございますが、法律的に読もうとした場合に、「予算で定めるところにより」という予算の本質に照らしてどうかというところで、予算の本質に照らすと無理があるという表現が適当でないとすれば、「予算で定める」ということが現行法上の予算の性格からしては適当でないということで、特に現物出資の能力を法律に別にうたってもらう必要があるという解釈に到達した、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/27
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028・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 どうもぼくは、鉄監局長、あなたの言わんとしているところは、ぼくもわからぬわけじゃないですよ。だけれども、あなたがそういう言い方をすれば、さらに疑義が出てくるのですね。たとえば、各省庁みなそうですがね、予算というのは、全部金で一切がっさい評価したもので、つまりあくまでも予算ですよ。それで、鉄則というのは、予算ですから浮動性があるわけですから、予算の編成の鉄則というのは、つまり入るをはかって出ずるを制するというのが鉄則ですよ、予算編成のね。そういう鉄則からこういろいろながめてみると、予算に出てまいりますものは、人の関係、物の関係、金の関係、すべて表面上金で出てくるのですよ。だから、あなたの言うような言い方をすれば、これは国鉄にはあまりそういうものはございませんが、たとえば外務省などは、人がつまり出向という形で、経費は全部外務省で決算されますけれども、人間だけ行ってるということがたくさんありますわね、そういう例が。これだって本質論でいけば人の出資ですよ。そういう解釈になりませんか。だから、ここでは現物を出資する、金のかわりに。しかし経理上は、予算が支出されて、国鉄の経理上は物品で一たん貯蔵品から決算をするわけです。それから支出される。こういうことですから、解釈によってはできるというぼくは判断を持つんですが、豊原さん、どうですか、あんたは前に仕事をやっている者として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/28
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029・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) 私の申し上げるのも、結局鉄監局長の言われることと同じになるかと思いますが、先生御専門のように、国鉄の予算の中には、たとえば予算総則に貯蔵品の制限額というようなものが書いてございます。これは貯蔵品というものに関する規定ではございますが、これをやはり金に換算して、たとえば年度末の貯蔵品の制限額は三百億であるというふうなあらわし方をしておりまして、国鉄の予算の中には、先ほど先生おっしゃいましたように、すぐに物にかわるというものが多いわけでございます。その物が国鉄の事業の中でいろいろに動いていくということも仰せのとおりでございますが、国鉄の予算というものは、やはり収入支出予算とこう言われておるのでございまして、国鉄法の規定そのものは、やはり予算に関しましてはことばの上で財政法その他国の予算に関する予算上のことばが同じことばで使ってあるわけでございます。そういう意味から申しまして六条の出資の条項も、おっしゃるように、これで現物出資ができるのかできないのかということは従来もいろいろ議論がございまして、できるのではないかという議論も相当あったわけでございます。しかし、断定的に、できるのだと、またできないんだということが明確でなかった。そこで、政府部内でもいろいろお打ち合わせをいたしました結果、これは必ずしも明確でないから、法律上できるということをはっきりしておいたほうが将来に問題を残さないんではないかということで、この際現物出資ができるということを明確にしておく必要がある、こういう結論に達したものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/29
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030・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 わかりました。その説明でわかりましたがね。そうしますと、今度の国鉄の予算は、事業計画を合めまして、大体ざっと一兆億こえるんですね。ちょっとこえますね、両方で。その予算の中で、何がしか現物化して現物を提供するわけでしょう。現物を提供しますね。そのときに、この法律では、大蔵大臣と協議をすると、こうなっておりますが、運輸大臣、ぼくは、国会で予算がきめられて、つまり、国会ということよりも、むしろ予算編成権を持っています政府として予算原案を作成する場合に、国鉄側が運輸省を通して、年間あらかじめ事業計画等々考えて、どことどこにはどういう現物を出資するというものが含まれていると思うんです。そこで、いろいろそれぞれの段階を経て、最後は閣議で決定するんだと思いますがね。そこで、決定されて、今度は審議権がある国会でいろいろ審議をして、承認されて、今度はね返って国鉄側に帰ってきますね、形はどうあろうとも。そして、その中で今度現物出資する場合は、私は運輸大臣のつまり所管事項になるんじゃないか。何もその段階で大蔵大臣と協議しなくたっていいじゃないかと思うんですね。私は、ざっと一兆億の予算の中で三分の一とかあるいはかりに十分の一程度のウエートを占める金額のものが現物に化して投資されていくということであれば、これはかなり財政資金計画上多少の運用上の問題が出てくるから、そういう場合は大蔵省との協議も必要かもしれませんが、それはさして法外な現物が投資されていくということにならないのじゃないか。また、そう考えていないんじゃないかというように推測するので、その程度ならば私は大蔵大臣とは協議するなんということは必要ないと思うんだが、運輸大臣はどうお考えになりますかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/30
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031・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 国鉄の予算編成及び現在の国鉄予算、国鉄財産を決定の場合、大蔵大臣の承認を得ておりますから、これはやはり小部分であっても、そのうちの現物を他の経済団体に割譲する場合には、やはり大蔵大臣の承認を求めるということが適当であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/31
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032・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうしますと、現金として投資する場合も大蔵大臣と協議するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/32
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033・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/33
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034・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうすると、現金も物品もともども他の経済団体に投資をするわけですから、したがって、あなた方のことばで言うと、財政当局と協議する、そういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/34
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035・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/35
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036・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうしますと、その意義というものはどこにあるのですか、協議しなければならぬという意義は。つまり、もう少しわかりやすく申し上げますと、法律では現金にせよあるいは物品にせよ出資条項というものはきめられたけれども、ここで制限条項が入っていますね。みだりにどこにでも投資してはいけないということになっていますよね。ですから、この範囲がここまで本文で制限されているとすれば、私はさして、それぞれの機関の段階を経て承認された予算の行使ですから、必要ないのじゃないかという気がするのです。当初から、運輸大臣なりあるいは鉄監局長は、国鉄がたとえば昭和四十年度にどこに幾ら程度の現金出資をする、どこに現物の出資をするということは、予算編成の当時から承知をして、それを閣議でも決定されているわけですね。そうすると、それ以外に出資をするわけではないんですから、何も大蔵大臣と協議をする必要はないのであって、協議するとすれば、協議をしなければならぬ意義というのはどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/36
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037・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 先ほどちょっと御説明が足りなかったと思いますが、御指摘のように、現金出資の場合は、予算編成の段階で政府部内でも十分お打ち合わせしますし、そのときに協議ができるわけでございます。したがって、個々の出資について協議をするということではないわけでございます。ところが、現物出資の場合は、先ほど来御説明しておりますように、予算上そういう性格として、現金の出納ということは、予算の性格というたてまえからそういう方法もございませんし、したがって予算で定めることはできない。しかし国鉄財政上は、やはり現物出資ということは現金出資にかわって重要な性格のものである。御指摘のように、一部には運輸大臣限りの処分でいいではないかというような意見があるわけでございますが、政府部内の打ち合わせとしては、その性格上やはり現金出資にかわるものであるし、しかも予算に定めることができないものでありますから、この運輸大臣の認可にあたって大蔵大臣と協議をするようにしてもらいたいというような打ち合わせでございまして、その性格上さようにあるべきものだという判断でそういうようなことに案としておきめ願ったと、こういういきさつがあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/37
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038・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 その政府部内のいきさつはそれでわかりましたが、部内のいきさつはどうあろうとも、この予算を行使する支出論として、部内のいきさつというのなら、あなた方の部内のいきさつをとやかく言いませんが、ちょっと私はすなおに理解できない点があるんですよね。たとえば、具体的に名古屋の臨海鉄道の例ですが、何を現物出資するんですか。これは、設備の関係とか、あるいはレールとか、そんなものが入るんだと思うが、具体的に何を出資するんですか、現物でやらんとしているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/38
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039・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) 名古屋の場合には、名古屋のそばに笠寺という駅がございます。笠寺の駅から東、名古屋の東港、そこまでに国鉄が敷きました線路があるわけでございまして、その東港から先のほうがいまの名古屋臨海鉄道という会社がやっているわけでございます。笠寺からいまの東港に至ります三・八キロの線路がございますが、それの軌道と申しますか——を現物出資するということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/39
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040・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうしますと、これは鉄監局長、運輸大臣、よう聞いてくださいよ。すでに八キロの福臨海鉄道ができ上がって、国鉄の財産になっておるわけですね、いまの豊原さんのお話ではそうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/40
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041・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) 三・八キロでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/41
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042・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 三・八キロでもけっこうですわ。いずれにしても国鉄の跡財になっているんですね。そうしますと、どの年度でその工事を施行されて国鉄の財産になったかは別として、それぞれもうその所要経費というものは決算されて、つまり現物ですから国鉄の財産というように登記登録されていると思うんですよ。それをつまり、AならAという会社に本来的にいえば財産を譲渡をやるわけでしょうけれども、そうしたことができないから、出資条項を使って、既存の施設、設備というものをつまり金に換算して支出すると、こういうことなんでしょう、具体的な実例として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/42
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043・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/43
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044・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうですね。そうしますと、ますますぼくは大蔵大臣と協議する意義というのがどこにあるのかというのがわからぬわけだがね、運輸大臣。つまり、国鉄が、かりに名古屋であろうと、大阪であろうと、あるいはあなた一生懸命やっておる北海道の苫小牧に、港の関係、荷役の関係等々で臨海鉄道の必要がある。その場合に、大臣も北海道ですから、わかりやすく言いますが、苫小牧のどこかの荷役会社、倉庫会社が、その臨海鉄道を敷設するだけのつまり財政資金上の能力がない。しかし、絶対に開発のために必要だ。だから国鉄がかわってそういうものをやった。やった暁に、今度はつまり、いま問題になっているように、現物でそこの倉庫会社とか荷役会社に出資する、こういうことだってあり得る。しかし、それは年度当初にそれぞれ予算の編成をする場合に、国鉄がかってに予算を編成しているわけじゃないのですよ。国鉄はそれぞれの、たとえば今年の場合は、通勤輸送あるいは通学輸送、安全、あるいは全体の所得倍増計画に合わせた輸送量の福基盤強化をやろう、そういうやはり目標を、柱を立てて、それぞれ予算編成をやって、運輸省に持ち込んで、鉄監局長がそれをチェックして、そこで運輸大臣の松浦さん、ここでずいぶんがんばってくれましたがね。そういう意味では、ほんとうに大臣りっぱだと思いましたがね。あなたは政府の中に持ち込んで、閣議決定をしている。そうしますと、いまの問題、具体的にやはりそのときから、国鉄がその年度で何をやって、どの程度の現金支出をどこにやって、現物であるものはどこに支出をする、こういうことはわかると思うのですよ。全都内容が熟知されると思うのですよ。その上で予算がきまるわけだ。国会の審議にかけてきまって、それを今度具体的に施策として施行するわけですよ。その施行の段階で大蔵大臣と協議しなければならぬというものは、何ものも私は理屈上出てこないと思う。それをあえてやるというのは、あなた方の内部のいきさつ等々と鉄監局長申されましたけれどもね。そんないきさつは、もしあるとすれば、どこに一体協議しなければならぬ意義が出てくるのか、明確じゃないような気がするのですね。運輸大臣どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/44
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045・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) いまおっしゃったように、最初に大蔵大臣の承認を得ている予算ですから、それでまた、その岐線なら岐線、臨海線なら臨海線というものは、最初に国鉄総予算査定というか、評価の場合における一つの財産の一部なんです。それを現物出資として第三者の経済同体に移譲する場合には、これは大蔵大臣の承認を得ることは当然だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/45
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046・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) ちょっと大臣の説明の補足をさせていただきますが、具体的の例を吉田委員から御指摘がございましたが、一応形といたしましては、国鉄が使うということで予算をお認め願ったところが、その後形といたしましては、第三者が使用したほうが実態上適当であるということで、これを現物出資の形で第三者に渡すということで、当初の予算御審議を願ったときの性格から変わるということに相なるわけでございますので、大蔵大臣と協議を要する、こういうことに相なった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/46
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047・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ほぼわかってきましたよ。つまり、予算をきめた当時と性格が異なってきた、その形が変形してきた、だからあらためて協議するのだ、簡単に言えばそういうことですね。だから、その意味ではある程度わかってきましたがね。しかし、今度は経理上の、事務の問題として、始末の問題として、すでにこれは、いまの名古屋の場合だったら、いつですかよくわかりませんが、かなり前の年度で決算されているわけでしょう。しかも、これはもう国会で決算承認を得ているのじゃないかと思うのです。ぼくは調べてみなければわかりませんがね。だから、その場合に、少くともあらかじめ、今年度の場合運輸大臣は予算編成のとき知っておったか知っておらぬか別として、運輸大臣が全然知らないということはないと思うのです。国鉄はそういうものをやろうとすれば知っているのだから、なおかつもうすでにその国会で決算承認を得たようなものなんだからね。確かに必要であるとすれば、形が変わったわけですからね。国鉄が使うというのは、そうじゃなくて、あるものに貸すんだ、貸すんじゃなくて、現物で使わすのですから、それを投資の形にするということですから、現実は一応変形していることは間違いないけれども、どうも予算の扱いといいますか、金の扱いといいますか、つまり国鉄の経理上の問題について、何かあとあとまで大蔵大臣と協議するとか、それは大詰めでやるのか知らぬけれども、一々大蔵官僚とやるというのは、どうもそういう面からも、私は公共企業体である国鉄の当事者能力というものを何かしら制約しているような気がしてならないんだな。そういう内部のいきさつというのは、どういういきさつか知らぬが、いささかでもあるとすれば、ぼくは問題だと思うのですよ。ただ、純粋に形が変わったのであるから、だからそれは一応形式上の協議ということで承認するのだということであれば、ぼくは話は別ですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/47
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048・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 青田さんのお話であるのだけれども、国鉄がかせいで、全部固定償却してしまって、国有財産の一部にしかならないじゃないか、それを自分の能力の範囲内でやるのだから、何も大蔵大臣に相談しなくてもいいじゃないかというふうに聞こえるのですよ。しかし、私は、大きな目で見れば、それでもいいと思うが、国の組織がそうなっている以上は、やはり筋を通しておくということが必要であると思います。それがために当事者能力は決して消滅するものではない、それぞれの分野において発揮できるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/48
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049・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣、それは、それぞれの機関、組織があるから、大臣はそう考えている。その考え方は、それぞれありますから、ぼくはどうこう言いませんが、しかし、事実問題として、たとえば今年度の予算編成をする場合でも、あるいは長期計画を策定して予算の裏打ちをする場合でも、大臣みずからこの委員会でものを言っているように、一体政府が幾ら国鉄に出資しているのですか。いまの三・八キロの名古屋の臨海鉄道にしてみても、全部これは国鉄の企業能力でやったものだとぼくは思う。現在幾ら国鉄に出資をされておりますか。ほとんど国鉄の企業能力でやったのですよ。また、公共企業体のつまりこの法律がそうなっているのだ、そういう弾力的になっているんですよ。そうしておいて、でき上がったものを、今度は国有財産であると、そういう規定のもとに立って一々この定めを動かすなんというのは、ぼくはなっていないと思うんですよ。いたずらに国鉄の経営者の当事者能かというものを制約しようという何かがあるのではないか。そういうものがないというなら、私はいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/49
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050・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 私はそう思っておりません。林野庁の財産も、国鉄の助産も、一応国家のものです。その経営に対する会社組織を一応認めているだけであって、それはいままで出資を四十一億とか、あるいは見方によっては金利やその地のものを入れますから九十何億かになります。そういうものが少なかったから、三千二百億これから出してくれということを要求しております。それはあくまでも私は追求したい。けれど、これは民間から一銭も出したものではないのです。やはり国の国有鉄道というものの経営状態を変えただけのものでありますから、これはやはり国家のものなんです。だからして、一般の民間の主張するような会社の考え方とは違うのです。いわゆる公共企業体です。でありますから、いま仰せのような議論とはちょっと違うと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/50
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051・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 それは、あなたの考え方とぼくの考え方と、ちょっとどころではなくて、ことごとく違っておるのだ。あなたは国家国家と言うけれども、国家というのは一体何だ、大臣、国家というのは。国家国家と言うけれども、天皇のものではないのですよ。あなたが言う林野も、北海道にも山はありますけれども、いずれも国民のものですよ。国鉄も国民のものなんです。国民の財産なんです。だから、それはそれぞれの手続を経てきて、すでに決算をされて、これは膨大な国鉄のそれぞれの財政上、資金上、事業計画上に支障があるという場合は、もうその限りではない。これは運輸大臣の言うとおりですよ。しかし、こんな程度のものは、支障条項でもこういうふうにきめて、その本文でかなり制約されている限りにおいては、こんなものは当事者にまかせたっていいじゃないか、こういうぼくの考え方なんです。ぼくの意味は、国家すなわち国民のものであるという考え方に立っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/51
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052・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 私は国家ということばをいまでも使います。それは民族国家のことを言っているのであって、天皇国家のことを言っているのじゃないのです。しかし、天皇は象徴であるということを忘れてはいけません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/52
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053・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そんなことはわかっている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/53
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054・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) だから、そういう議論をいまごろするのがおかしいのです。だから、いま、小さいから、こんな小さいものぐらいやってもいいじゃないかという考え方は、筋が違っておる。何ぼ小さくても、一応相談したらいいじゃないかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/54
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055・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 その規模が小さいとか何とかいうことじゃなくて、公共企業体という法律をずっとながめていくと、国鉄の総裁なら総裁、しかもそれを監督する運輸大臣の立場ですからね。だから、運輸大臣に対する相談なら、ぼくはそれでいいのですよ。だけれども、その法律の精神を尊重するとすれば、ぼくはこの企業ではこの種程度のものは大蔵大臣と協議する必要はないのじゃないか。だから、軽い意味で、それはただ単にこれはやるぞということであるなら、これは別だ。そうじゃなくて、純粋な、四十七条に書かれておるように——具体的に書いてはおりませんけれども、ここに書いたというのは、何かあると思うのですよ。だから、その何かが、先ほどちょっと説明されましたから、多少わかったけれども、まだそのほかにあるのじゃないかと言うのだ、何かが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/55
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056・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) いまの何かということをもう少しあれば言ってください。そんなに疑われては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/56
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057・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 いや、疑っているのじゃないのだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/57
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058・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 先ほどの説明のあるいは繰り返しになるかもしれませんが、御承知のように、公共企業体の会計処理その他については、できるだけ自主性を持たせるべきであるということは、吉田委員御指摘のとおりでございます。ただ、全般的にながめまして、金銭の予算上の統制、特に投資につきましては、御承知のように、第六条の本国会におけるいろいろな御審議におきましても相当いろいろな御意見がございまして、慎重に扱うべきものとしてわれわれも処理をいたしておるわけでございます。そこで、この現物出資の性格からいたしまして、他の物品の経理その他と、先ほど来申し上げましたように、若干法律上の性格が扱い上違いますので、その形式的の理由に基づいて大蔵大臣と協議をする必要があるということで合意に達したわけでございまして、決して国鉄の当事者能力を不当に圧迫、制限をするという意図に出たものではないということは、大臣も御説明申し上げておるとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/58
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059・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 わかりました。不当に国鉄の経営者の当事者能力を抑制するものじゃないということで、私は了解します。
そこで、それはそれとして、現物出資した場合の評価をどこでやるのですか。これはやはり、出資は現物であるけれども、金に換算してやることになるのでしょう、相手方には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/59
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060・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) これは詳しくは国鉄から御説明があるかもしれませんが、現物出資の目的となる財産の評価については、第一次的には、国鉄が公正な機関を用いておやりになるということに相なるわけでございます。それで、第二次的には、運輸大臣が認可の際に具体的にそれを見てチェックをする。それから最終的には、会社に投資された後に、御承知のように、商法の規定によりまして裁判所の選任した検査役の検査を経ることになっておりますので、この検査の完了によって評価額が最終的に確定する、こういう関係に相なっておるわけでございます。
なお、国鉄から国鉄の詳細については御説明があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/60
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061・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) ただいまの鉄監局長からの答弁でほとんど尽きるわけでございますが、国鉄部内におきましては、まだ現物出資というものについて特別の第三者機関を使ったということは、これはまだ当然ないわけでございますけれども、現在行なっております種々の貸し付けその他につきましては、策三者を委嘱いたしまして、専門家による土地建物の評価委員会というものがいま東京、大阪にはございますし、またその他の地区におきましても、そういう必要が生じた場合には、その時期に臨時にそういう評価委員を委嘱しておりますが、現物出資につきましても、同様な方法で、専門的な知識を有する公正な第三者の御意見を承って国鉄の評価にいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/61
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062・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 豊原常務理事の考え方で私はいいと思うんですがね。私もそういう考え方でいる一人です。ただ問題になりますのは、これは名古屋の臨海工業地帯が、先ほど来申し上げていますから、これが都市計画法とどうなっているかということの関連を見なければ一がいに言えないことですが、もしこの都市計画法に関連をされた地域であるとすれば、これはせっかく豊原さんがおっしゃったようなことだけれども、そうならないものが出てくる例が各地で見られますね。それはどこからそういう問題が起きるかというと、これはこれから問題になる第二国際空港なんかについても、私は法律的には運輸大臣の所管事項だと思っているが、河野とかなんとかがごたごた言うて依然として土地がきまらない、国土開発とか何とかという理屈をつけて。それと同じように、各省庁のなわ張り根性、役人の官僚根性がそういう問題になっていると私は見ていますが、いま言ったように、都市計画法にもし関連している地域だとすれば、建設省との評価の問題で問題になってきますよ。そこで、一体これはどちらをとるのか。建設省が使っているものは、日本不動産研究所とかなんとかいうのがあるんですね。それのつまり評価を基準として使って、そうしますと、豊原さんがせっかく答えられたのが筋で、これは国鉄は当然のことだと思っていますよ、ぼくは。ところが、えてして食い違いが出てきて、これがただ単に運輸省の役人と建設省の役人の論争にとどまっていればいいんだけれども、そうじゃなくして、一つには社会問題、一つには先ほどちらっとぼくが言ったように政治的な問題になって、何が何だかわからないような間にいいかげんな形でやられたりしている例は、この名古屋の問題は別として、随所にあります。そうした場合にはどういう処置をとるか、これは運輸大臣に聞いておこうと発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/62
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063・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) これは、いま吉田委員の仰せになりますように、評価が一番大事だと思うのです。厳正公平な評価を第三者に委嘱することが一番大事だと思いますが、いまも常務からいろいろ御答弁がありましたが、そのような方法で公平な評価をすることが一番大事だと思いますから、いろいろなボスの影響にとらわれないように力強くやらせるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/63
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064・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣は幅広い答弁をしていますから、まだわからぬことがありまして、さらに聞きたいと思いますが、大臣の決意を示されましたから、その決意で私はぜひやってもらいたいと思うわけです。
それからその次に、評価とあわして、その現物出資された企業に対して、現物であろうと、金銭であろうと、一つには、形式はどうなるかわかりませんが、株主のようなかっこうになりますわね。ですから、金銭であろうと、現物であろうと、ただ出資しっぱなしじゃいけないと思うのですよ。その出資をしたところの企業の運営、あるいは事業の内容、経理の事情等々、やはり何といいますかな、監督といいますか、あるいは監察といいますかね、そうしたことの必要がぼくは出てくると思いますがね、これについてはどういう扱いをするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/64
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065・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 他の国鉄の出資企業と同様に、役員を派遣して、その企業内において必要な発言をし、調整をしていくということに相なると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/65
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066・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうしますと、これはまた常識的になりますが、したがって、商法に基づく利潤が追求された場合に、利益配当は金に換算したものとして国鉄に入ってくるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/66
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067・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 仰せのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/67
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068・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 その場合の国鉄の計理はどうなりますか。雑収入ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/68
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069・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) 雑収入でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/69
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070・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 翌年のつまり予算に組み入れられていくわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/70
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071・豊原廉次郎
○説明員(豊原廉次郎君) そういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/71
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072・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 わかりました。いずれにしても、これは初めてのケースだと思いますが、初めはやはり大事だと思いますよ。ですから、やがて私は、国鉄の企業の性格上、さらに新産都市とか、何か最近政府がかなり力を入れてきたようでありますから、そういうものとの関連で全国的にこういう関係のものが出てくると思うので、むしろ私はもっと国鉄が積極的に投資条項を活用して企業運営をやるべきだこう思っておるだけに、最初に十分あとあと悪い影響が出ないように努力をしてもらいたいことを要望しまして、私はこの問題については質問を終わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/72
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073・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 本案に対する質疑は本日はこの程度といたします。
次回は四月二十七日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02019650422/73
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