1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十八日(火曜日)
午後一時三十七分閉会
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委員の異動
五月十四日
辞任 補欠選任
上林 忠次君 鹿島 俊雄君
五月十五日
辞任 補欠選任
鹿島 俊雄君 上林 忠次君
五月十八日
辞任 補欠選任
柳岡 秋夫君 大倉 精一君
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出席者は左のとおり。
委員長 松平 勇雄君
理 事
江藤 智君
前田佳都男君
吉田忠三郎君
委 員
木暮武太夫君
平島 敏夫君
相澤 重明君
加瀬 完君
小酒井義男君
浅井 亨君
中村 正雄君
国務大臣
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
政府委員
内閣法制局第四
部長 田中 康民君
運輸政務次官 大久保武雄君
運輸大臣官房長 堀 武夫君
運輸省航空局長 栃内 一彦君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
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本日の会議に付した案件
○新東京国際空港公団法案(内閣提出、衆議院送
付)
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001・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
初めに、委員の異動について報告いたします。
本十八日付をもって、委員柳岡秋夫君が辞任せられ、その補欠として大倉精一君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/1
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002・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) 新東京国際空港公団法案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/2
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003・加瀬完
○加瀬完君 法制局に最初に伺いますが、航空法三十八条の三項及び三十九条はどういう趣旨の規定と読み取るべきですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/3
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004・田中康民
○政府委員(田中康民君) 飛行場を設置いたします場合に、飛行場のいろいろな施設または位置等が国民の権利義務に重大な影響を持つということから考えまして、航空法第三十八条の第三項におきましては、一応申請があった場合に一定事項を禍示しなければいけないことを運輸大臣に義務づけますとともに、第三十九条におきまして、その申請の審査については、一定の規制——一号から五号までの基準を与えて、その基準に当該申請が適合しているかどうかを判断させ、いまの国民の権利義務に重大な影響を与えるとともに、飛行場施設は飛行場としていろいろの機能を備えておるとか、別の観点もございますので、そういうようなものを総合して三十九条で審査させる、かような趣旨と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/4
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005・加瀬完
○加瀬完君 その各条のさらに内容は、いまおっしゃったとおりですね。そういう規定が盛られたということは、結局どういうことを目的としていまのような手続を踏まなきゃならないということになると読み取るべきですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/5
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006・田中康民
○政府委員(田中康民君) その点はやはり、先ほども触れましたが、飛行場というものが航空機の発着あるいは国内交通政策その他のほうから見てきわめて重要なものでございまするので、その方面から見た審査をすること、それからそれが与える地元住民その他への影響もございまするので、そういう利害関係者への波及があまり大きくならないようにというようなこと、次の第三十九条第二項というような趣旨から申しまして、そういうようなことを考えまして、そういうことを目的としてこの二条を置いたものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/6
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007・加瀬完
○加瀬完君 結局、空港敷地に関係のある所有者または権原者に対する保護を目的とする規定、そのような趣旨と読み取るべきではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/7
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008・田中康民
○政府委員(田中康民君) そういう趣旨に、保護と申しますことが適切かどうか、これは仰せられたあれでございませんが、とにかくそこに地元住民の意思をある程度くんでやるべきであるというような意味においてこの規定がございますることは、お説のとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/8
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009・加瀬完
○加瀬完君 ある程度ということがどこの中で読み取れますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/9
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010・田中康民
○政府委員(田中康民君) いまある程度と申しますのは、たとえばほかの交通政策あるいは一般の飛行場施設というようなことを総合的に勘案いたしまするわけでございまするので、総合的に勘案いたします場合に、その一つの要素として住民の意思も当然反映させる、かような意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/10
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011・加瀬完
○加瀬完君 そうじゃないでしょう。たとえば三十九条だけ例にあげますれば、三十九条の二号は「当該飛行場又は航空保安施設の設置によって、他人の利益を著しく害することとならないものであること。」、あるいはその五号は「飛行場にあっては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に坂得することができると認められること。」と、こういった条項は明らかに、これは権原者に対する保護といいますか、権利侵害に対する規制といいますか、こういう内容が含まれていると解すべきではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/11
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012・田中康民
○政府委員(田中康民君) 仰せられますように、いまの各号につきましては、そういう趣旨を当然入れるべきであるという趣旨と考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/12
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013・加瀬完
○加瀬完君 そこで、さらに法制局に伺いたいのは、政令と法律の関係について伺いたいわけでございますが、この前の委員会に参議院の法制局長に出ていただきまして、政令というものの性格といいますか、伺ったわけでございますが、政令は、国民の権利を制限したり、あるいは義務を課したり、そういうものではないということが一応法律解釈の不文律になっておるという点はどうだという私の質問に対して、それはそのとおりだという御解釈をくださったわけでございますが、それは内閣法制局としても見解は同じでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/13
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014・田中康民
○政府委員(田中康民君) 仰せのとおりでございますが、法律の委任に基づきます場合を除きまして、いまおっしゃったとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/14
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015・加瀬完
○加瀬完君 そこで、航空法といま提案をされておりまする空港公団法との関係について伺いたいのでございますが、この公団法の二十一条には、政令で定めるところにより運輸大臣は基本計画をきめることになっておりますし、さらに二十二条は、公団の業務は、前条の基本計画に従い、かつ航空法で定めるところにより行なう、こうなっておりますね。しかし、この航空法はこのたび一部改正されることを前提としているわけでございますが、すなわち、航空法の五十五条の三というものは、どういうようにこれは変わってくるのか、この点を読み方をひとつ教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/15
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016・田中康民
○政府委員(田中康民君) 航空法に、この公団法の附則でもって、新しく五十五条の三をつけ加えましたが、これは公団が、新東京国際空港をつくります場合には、一応運輸大臣と違いますので、まず基本計画に共づきまして、第五十五条の三によりまして運輸大臣の認可を受けなければならない、またその認可を受けました計画を変更する場合等につきましても認可を受けなければならない、かような趣旨で入れたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/16
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017・加瀬完
○加瀬完君 設置等については、基本計画に基づいて工事の実施計画を作成をし、認可を受ける、こういうことになっているわけですね。すると、いままでの空港設置の手続とどこが変わるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/17
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018・田中康民
○政府委員(田中康民君) 基本計画に基づくというところが変わっております。それから、従来は、運輸大臣以外の行が空港を設置いたします場合には、運輸大臣の認可を申請いたすわけでございますけれども、それが基本計画に基づきます実施計画等の認可という形になった、この点が違うと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/18
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019・加瀬完
○加瀬完君 三十八条の三項と三十九条は工事実施計画の認可について準用する、こう規定をされておるわけでございまして、これどうすることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/19
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020・田中康民
○政府委員(田中康民君) 公団が空港を設置いたします場合は第三十八条第二項が準用されておりまするので、運輸大臣は、ここに書いてありまするように、「飛行粉の位置及び範囲、公共の川に供するかどうかの別、着陸帯、進入区域、進入表面、転移表面、水平表面、供用開始の予定期日その他運輸省令で定める事項を告示するとともに、現地においてこれを掲示」する、こういう運輸大臣に義務がかかりますと同時に、認可申請でございますので、その認可をいたしますかどうかにつきまして、第三十九条の第一号及び二号及び第五号の条件に該当するかどうかを審査する。その場合に、第三十九条第二項によって、公聴会を開いて意見を述べさせる、かようなことに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/20
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021・加瀬完
○加瀬完君 この航空法の三十八条、すなわち飛行場の設置についての条項の三項は、「運輸大臣は、飛行場の設置の許可の申請があったときは、飛行場の位置及び範囲、公共の用に供するかどうかの別、着陸帯、進入区域、進入表面、転移表面、水平表面、供用開始の予定期日その他運輸省令で定める事項を告示するとともに、現地においてこれを掲示しなければならない。」、こうございますね。この条項は、航空法の一部が改正をされましても、東京国際空港公団の施行をする空港の設置についてもそのまま適用されることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/21
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022・田中康民
○政府委員(田中康民君) その点は、第三十八条第三項は準用をするということになっておりまするので、公団に適当な部分だけについてそういう規定が当てはまるというふうに解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/22
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023・加瀬完
○加瀬完君 準用するというふうに変わるということであれば、しかも適当するところだけを適用するということになると、具体的にはどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/23
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024・田中康民
○政府委員(田中康民君) いまのは一般論でございまして、具体的にこれを当てはめます場合には、大体第三項に書いてあるのと規定上は同じことになるかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/24
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025・加瀬完
○加瀬完君 同じことにはならないんじゃありませんか。具体的に伺いますと、位置及び範囲、着陸帯、進入区域、進入表面、転移表面、水平表面は、現地においてこれは明らかにすべきことになっておりますね、いままでの三十八条の三項は。この点は、したがって、位置決定の前に、いままでは、申請者において現地に対し行なわれてきた作業であったと違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/25
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026・田中康民
○政府委員(田中康民君) この点は、実は法律の運用に相なるのでございまして、私は航空局のほうから答えていただいたほうがいいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/26
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027・加瀬完
○加瀬完君 法律上はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/27
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028・田中康民
○政府委員(田中康民君) 空港整備法から申しますと、空港整備法におきましては、第一種空港及び第二種空港というものは、まず名称及び位置がきまりまして、そういうきまったものについて初めて第一種空港となって、これが運輸大臣が設置及び管理をするという形に相なっておりまするので、運用といたしましては、あるいは先にいろいろ手続が事実問題としてとられると思いますけれども、法律上はその点必ずしもこちらと違っているというふうに解釈する必要はないではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/28
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029・加瀬完
○加瀬完君 ほかのことは別として、位置及び範囲ということがございますね。しかし、今度は、位置は、範囲も何もわからなくても、各市町村の区域というものについて決定をするという手続を踏むということですね。いままでであれば、位置及び範囲というものが確定しておらなければ申請はなかったわけですね。ところが、今度は、位置及び範囲というものは、範囲に関係なく位置は決定されるわけです。そうなってまいりますと、三十八条の三項と公団法で行なうこれからの空港設置の手続というものは違ってきますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/29
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030・田中康民
○政府委員(田中康民君) 仰せになりますように、位置ということばから申しますならば、位置はすでに第二条で決定しておるからという御立論だと思いまするが、位置というものにつきましては、これは第二条の位置は、たとえば何々市あるいは何々村というふうに非常に概括的に規定をいたすことがございます。ところが、第三十八条第三項におきまして、この位置も必ずそういうものでなければならないかということにつきましては、私は必ずしもそうしなくてもいいじゃないか。だから、その位置の範囲内において、そのうちでこういうような位置を定めることは可能ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/30
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031・加瀬完
○加瀬完君 拡張解釈をすれば、あなたのおっしゃるようになりましょうけれども、そうすると、航空関係法の中では位置というものは二種類に使い分けをされることになりますね。公団法によって政令できめるという位置というものは概括した所である。しかしながら、航空法による位置並び範囲というのは、そこに空港が確実に設置されるという確定したものだ。同じ関係法律の中で位置ということばが二元的に解釈されるということは、これは法手続の技術の上で妥当なものだと考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/31
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032・田中康民
○政府委員(田中康民君) そこで、私が一番初めに申し上げましたように、この規定は準用であるということでございまするので、この新東京国際空港公団につきましては、そういう非常に概括的な位置というものはある程度もうすでに定まっておりまするし、そういうことから見て、準用の場合に、三十八条はいま私が申し上げましたような解釈にややなり得るのではないかというふうに申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/32
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033・加瀬完
○加瀬完君 それでは別の観点から聞きますけれども、三十九条一項の五号あるいは同二号という内容は、航空法の改正による公団法の規定の位置の決定ということであれば、事前に検討されないことになりますね。具体的に申しますと、他人の利益を著しく害するか害さないか、あるいは所有権あるいは使用権というものを確実に取得する見込みがあることが認められるか認められないかというようなことは、これは何にも考慮されずに、公団法によれば位置は指定をされるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/33
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034・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは、非常に冷酷な法律上の解釈として申し上げますならば、いま先生がおっしゃいますように、そういうようなことも可能であると思います。しかし、やはりそういうようなことにならないように、運用としてそういうような意思を反映させることは、これは不可能なことではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/34
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035・加瀬完
○加瀬完君 運用については、あなたのほうには尋ねません。冷酷むざんな運用ができるということは、やはり法律的に一つの欠陥ですね。ですから、前の法律に比べて、新しい法律 いまは案ですけれども、この法律案によれば、改正される以前の航空法による権原を有する者の保護というものは、これは少なくもある程度削減されておりますね、消滅をされておりますね、形式上は。そう解釈できるでしょう。これが言い過ぎならば、削減をされ、あるいは制限をされる可能性というものが、今度の改正法案によりまして十二分に生まれてきたという解釈は成り立ちますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/35
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036・田中康民
○政府委員(田中康民君) まあやはり、非常にぎりぎり詰めた議論で申しますならば、この法律は、とにかくまず政令でもって位置を定めなければこの法律の事項ができないわけでございまするので、そういうことを非常に抽象的に申しますならば、可能にできないことはないというふうになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/36
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037・加瀬完
○加瀬完君 ですから、位置を政令で定めるという規定がなければ、すなわち、従前のままの規定であれば、位置の決定についても、公団としては、位置及び範囲、その他進入表面なり、転移表面なり、そういったような点について、現地において十二分に了解を得る作業をしなければならなかったわけですね。ところが、政令で定めると書きかえられたために、そういう手続はしなくてもいいことになるわけでしょう。運用上はどういう方法があろうとも、形式的には何らそういうことを考慮せずに法律としては進行できるわけですね。そうすると、権利者のいままでの権利というものを守る手続というものは一応省かれてしまったことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/37
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038・田中康民
○政府委員(田中康民君) 最初申しましたように、位置というものは、ある程度広いところで、非常に抽象的なものでございまするので、その中でどういうところに飛行場をつくるか——これは位置ということだけについていま申し上げます。進入表面その他につきましては、これに伴うものでございますので、一応位置ということだけについて申しますると、位置はそういうことで非常にある程度広いものと考えることができますので、その中で位置だけについて申し上げますれば、第三十八条第三項の手続及び第三十九条の手続によりまして、意思が反映できなくなるということはない。ただ、それが非常に、そういうことを事前にしなかった場合には、確かに少し薄められるということは、お説のとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/38
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039・加瀬完
○加瀬完君 三十八条の三項は、位置、範囲だけには限らないわけですね。権原者の有する権利について、現地において十二分に了解がとれるような、賛成が得られるような手続というものをきめておるわけですね。しかし、政令で位置をきめるということになってしまいますと、位置はそれでぴたりときまるわけです。権利者の主張なりあるいは権利者の意向なんというものは何にも盛られないで位置はきめられてしまうわけですよ。位置がきまって、運用の面でカバーできるのは、その次の手続として、範囲をどうするか、転移表面をどうするか、進入表面をどうするかということになるわけですね。しかし、三十八条の三項によれば、位置、範囲ということは、どっちから飛行機が来て、どっちへ飛び立って、それから騒音で、あるいは危険のために除去しなければならない区域はどこで、その対象になる権利を侵害される者はだれだといったようなことが全部関係者に知らされて、それで賛否が一応固まって、それで賛成大多数だから心配ないということで申請がされる、あるいは許可がされるという手続が踏まれたわけでしょう。今度は、位置というのは、何々市町村というだけですよ。どっちから飛行機が来ておまえの屋根の上を飛ぶぞとか、どっちへ飛行場ができておまえが立ちのかなければならないとかということは、何にも相談をされないわけですね。位置を決定するまで、政令できまるまでには、何にも相談されないわけでしょう。その次の公団法の問題としては別ですよ。位置を決定されるまで何にも相談されない。これは政令によって著しく権原者の権利を制限することになるんじゃないですか。そういう政令というものの運用というものが妥当だと言えますか。形式を言っているんじゃないですよ。現実において、いままでなら三十八条の三項で、こちらのほうから来る飛行機でこう入ってくるならばおれのほうに真上に来るんだから私は賛成できないとか、ここで何反歩私の畑にかかるんだからそういう飛行場には賛成できないとか、それぞれの権利者は自分の権利を自由に主張することができたわけです。それらをいろいろ話し合いの上で、納得させた上でなければ空港の申請はできなかった。今度は、おまえのところへつくるぞと言われれば、もうその位置についての権利者の主張というものは何にも言い得るすきがないわけですよね。そういう法律でいままで守られた権利を政令でゼロにするという、そういう政令というものが一体いままでの法律解釈の上で妥当な政令として認められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/39
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040・田中康民
○政府委員(田中康民君) 法律の上で認められておったということでは実はこれはないのだと思います。新しい公団が空港をつくるような、こういう空港の種類は、従来これは全く新種のものであったと考えられますので、そういう新種のものについての手続は、なるたけ国民の権利を制限したり義務を新たに課さないようにしなければならないことは当然だと思いまするけれども、法律でもって、それがすでに航空法で認められた権利であるというようには実は私は考えないわけでございます。なお、形式論でなくて、実質論として非常におかしいのではないかという御質問でございまするが、確かに私も、位置ということの定義の問題はありましょうけれども、それによって従来の三十九条のやり方と空港公団法のやり方が法律のたてまえとして違っておるということについては、これはもう認めざるを得ないと思います。
ただ、こういう新東点国際空港のような公共的施設、しかもすみやかにこれを設置しなければならないような要請に基づきますものを、内閣が——政令は内閣が制定いたしますので——内閣が制定いたします以上は、やはり航空法にのっとったような、もちろん意見を聞くとか、そういうような手続をとってやることになることは、これはまた運用論としておしかりをいただくかもしれませんけれども、当然そういうことになるのではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/40
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041・加瀬完
○加瀬完君 あなたがさっき、政令というものは国民の権利を制限したり義務を課したりすることはできない、こういう法律上の不文律があるということをお認めになった。それで、法律の形式の上からいっても、いままでの航空法の三十八条の三項というものによれば、位置、範囲というものは、ただ何々市町村ということではなくて、何々市町村の大字何の何番地ということまで明らかになって、しかもそれは、空港の敷地だけではなくて、関係する進入表面から、移転表面から、水平表面から、あらゆる点について、これだけがここに空港ができることによって関係する他域であり問題であるということが提示されて、それに対して十二分に地域住民はそれぞれの権利を主張する機会というものが法律によって与えられておったわけですね。位置は政令で定めるというきめ方をしてしまったために、その政令はこういう権原というものを一切ゼロにしてしまうわけです。位置は政令で定めるなどという政令が一体いままで政令常識からいって妥当と行えるか。位置は公団が定めるということならまだ——法律でそうきめるなら、それらの手続は申請者という公団がするわけですから、いままでの保護された法律がゼロになるとは言われませんよ。しかも、こういう、ことはお認めになったでしょう。三十八条の三項並びに三十九条等は権原者に対する一応の保護をしている規定だ、そういう趣旨だということはお認めになる。航空法というものはそういう性格を持っているわけです。航空法設定については。それが、この政令ですとゼロになるでしょう。
もう一つそれじゃついでに伺いますがね。いままでの航空法の五十六条の三、これをどう解釈しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/41
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042・田中康民
○政府委員(田中康民君) まず前段の、地方住民の権利が政令の指定によって侵害されるのでないかという御質疑でございますが、私たちはそのような地方住民の利益を政府として守るべきものであるというようには考えますが、それはそういう手続をしなければならない——こういうような飛行場については手続をしなければならないという政府の義務には相なりまするが、その反射的利益を住民は受けるだけでございまして、これを権利として訴訟上争えるとか、そういうような意味のものでないことは、これは明らかだと思います。また、先ほども申しましたが、今度新しく公団がつくる国際飛行場はこの三十八条等を準用いたしまするのでございますが、やはり同じように、これを権利として認めるのではなくて、そういう手続をすることによって反射的利益を受けるようにさせるという趣旨だと私たちは考えておるわけでございます。
また、五十六条の三の規定は、これもやはり、先生仰せられますように、「附近の土地の所有者その他の利害関係を有する者の利益を著しく害することとならないように配慮しなければならない。」、その人たちの利益を反映するようにしろということでありまして、やはりこれを権利として守ってやるという趣旨ではないと思います。もし権利として守るというのであれば、利益を吉すること、すでにそのことが権利侵害になるのを、利益を著しく害してはならないというふうにしておりますので、これはやはり反射的利益と解することを相当とするものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/42
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043・加瀬完
○加瀬完君 五十六条の三で——何も私はこれが権原者の権利とは言っておりませんよ、政府の態度として、こういう義務があるでしょう。これははっきり義務規定ですよ。政府が守らなければならない義務規定。その義務内容というものは、「空港の附近の土地の所有者その他の利害関係を有する者の利益を著しく害することとならないように配慮」をするということでしょう、そうでしょう。これは、公団法ができて、航空法が改正になりましても、生きていますよ。そうであれば、かりに政府が空港の位置を指定するようにいたしたところで、「附近の土地の所有者その他の利害関係を有する者の利益を著しく害することとならないように配慮」をするという立場をとるこれは政府の義務がありますよね。まず、これをお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/43
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044・田中康民
○政府委員(田中康民君) 趣旨としては、そういうふうに配慮することは当然だと思いますが、五十六条の三はこちらの空港公団につきましての場合は準用いたしておりませんで、その限りにおきましては、そういう趣旨として当然配慮しなければならないことは明らかだと思いますけれども、法律上の義務としてはないものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/44
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045・加瀬完
○加瀬完君 法律上の義務としてないということは、どういうことなんですか。公団法があろうがなかろうが、空港をつくる場合は、これは運輸大臣は当然の義務としてこれが適用されるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/45
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046・田中康民
○政府委員(田中康民君) 先生仰せられましたように、第五十六条の三そのものは準用いたしませんけれども、第五十六条の二でその趣旨がございまするので、第五十六条の三は当然このように配慮しなければならないということに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/46
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047・加瀬完
○加瀬完君 準用の問題じゃないですよね。空港をつくるときは当然航空法が適用されるわけですから、これは生きてこなければならないし、準用とか準用でないとか、生きる生きないにかかわらず、この精神というものは、これは空港設定の上でも運輸省としては尊重していかなければならないものだと思うんですよ。そういう点から申しまして、先ほどの政令の問題に返りますが、具体的にもう少し聞いておきます。いまの点をさらに確認をいたしますと、位置を政令で定めるとの規定がなかったとすると、飛行場の申請者は、申請をする事前の手続として、空港の位置、範囲、着陸帯、進入区域、進入表面、転移表面、水平表面等の関係者については了解を得なければならないということになりますね。これは運輸省の航空局長お答えくださってもけっこうです。もう一回申しましょうか。位置を政令で定めるという規定がございませんで、いままでのとおりに飛行場をつくるということになれば、公団であろうがだれであろうが、飛行場の申請者は、申請をする前に、事前の手続として、三十八条の三項のような内容については一応関係者に了解を得るという手続を踏まなければならなかったわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/47
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048・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 従来の実例によりますと、詳細に飛行場の位置というものを設置者がきめます。その場合には、その当該場所の所有者あるいは付近の利害関係人というものと事実上いろいろな相談をするというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/48
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049・加瀬完
○加瀬完君 今回の公団法では、この手続は省いてもいいことになっておるわけですね。政令で位置をきめる、こういうことにしたので、空港地域の関係者について、位置をきめる前に、いままでの申請者が行なったような手続はあと回しにしてもいいという形になったわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/49
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050・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) ただいまお答えしましたように、詳細に地域、区画あるいはその付近の利害関係人というものにつきましては、今度の新空港につきましても、当然そういう手続を踏むわけでございますが、最小行政区画、これは単数の場合、複数の場合ございますが、それらの単数または複数の液小行政区画は政令できめるということになっておりますので、政令をきめる段階におきましては、法律的には、いままでのような何市何町何村というものとの間の法律上の調整というごとは書いてございません。むしろ、政令をきめます段階におきましては、事実上のいろいろな調整が行なわれるというふうになるというふうに考えておりますが、きまりました恥小行政区画の中で、具体的にどこを飛行場の地域にするかというような段階になりますと、いまいろいろ御質問あるいは法制局のほうから答弁がございましたような準用関係その他の航空法の規定をかぶってくるというようなところから、具体的な地主あるいは利害関係人との調整ということを行なう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/50
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051・加瀬完
○加瀬完君 法律的には二つの問題点が起こると思うんです。これは法制川に伺いますが、いまのようなやり方でまいりますと、位置が確定されましても、工事実施計画は確実にできるという保証はございませんね。といいますのは、位置は政令できめればいいんです。しかし、三十九条の五号というようなものがありまして、敷地の反対者が多数であれば飛行場は法律上できないでしょう。それはできない、読めばわかる。そういう場合には、位置だけを決定したって、その決定した位置は、確実に位置さえ決定すれば飛行場はそこにできますという保証はどこにもないんじゃないか、法律的には。それが一つ。
もう一つは、いままでならば、空港地域の関係者は自己の権利を主張する機会があります。位置を決定する前に十二分に意見を述べられた。しかし、そういう権利は、この政令できめるという限りにおいては、位置をきめる事前においてはなくなったわけですね。法律的にはそう解釈できるでしょう。この点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/51
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052・田中康民
○政府委員(田中康民君) この三十九条を準用いたしまして、せっかく位置がきまっても、実際問題として反対があればできないではないかということでございますが、これは、もう運用の問題は別といたしまして、法律上は、反対がある——まあすべての人が反対というような場合にやることはもちろんでございませんでしょうけれども、それが反対があったら絶対にいけないかというふうに言われますると、やはりそういうふうにはこの条文はできてはおりませんで、各号、仰せられますように、第五号で反対があれば、それがすぐ確実に取得することが認められないのだというふうに続くかどうかが実は疑問でございますので、反対がありましても、直ちに公団の事業ができなくなるというふうには実は考えなくていいのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/52
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053・加瀬完
○加瀬完君 そう読み取れますか、これ。「確実に取得」ということは、少なくとも、これからあとで伺いますが確実に取得できないという条件ができたらこれは飛行場できないでしょう、それでもできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/53
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054・田中康民
○政府委員(田中康民君) この法律三十九条で各号に適合しているかどうかを審査をして、その審査上、たとえば、これは例をあげておっしゃられましたように、第五号で「確実に取得することができると認められること。」という、この条件に該当しなかった場合に飛行場の許可ができるかと申しますと、やはり法律上この条件を書いている以上は、この各号の条件のすべてを満たさなくても許可ができるんだというふうには私も申しません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/54
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055・加瀬完
○加瀬完君 そんな回りくどいことを言わないで、結局できないわけでしょう。確実に取得することができると認められなければ飛行場はできないでしょう。飛行場の位置を政令で決定しても、確実に所有権なり使用権なり取得できるという条件はどこにもないわけでしょう、そうでしょう、そうですね、この関係からすれば、いま申し上げた条文の関係からすれば。そうであれば、位置を政令で決定するということが全くナンセンスじゃありませんか。位置をきめることまで公団法の中で公団にまかせるということなら、筋が通る。政府が政令で位置をきめたって、きめっぱなしで、できるかできないかという保証は何にもない、できないということにもなるということであれば、一体改令で位置をきめるということと、法制定の上から三十八条の三項のようにして手続を踏ませて位置を決定するほうと、どっちが一体法律効果の上で妥当だと考えられますか。ぴょこんと「政令で定める」なんという一項を入れちゃったから、前の航空法の三十八条の三項その他のことと、事実問題に適用した場合に摩擦が生じて、全くこれは悪法ですよ——と私どもは思うんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/55
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056・田中康民
○政府委員(田中康民君) やはり、公団法の規定によりまして、内閣が政令をもって位置を定める以上は、そういう、いま仰せられますような事態が起こらないように、また起こることがないように当然判断をいたしまして指定をいたすと考えられまするので、私は、位置が指定されたのに公団の事業ができないということはない——ないと申しますか、非常な確実度をもってそういうことはないであろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/56
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057・加瀬完
○加瀬完君 それは推測で、そういう希望をなさるのはけっこうですけれども、法律的には保証はないんですよ。位置をきめれば空港はできますよという保証はございますか、あらためて伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/57
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058・田中康民
○政府委員(田中康民君) 法律上確かに、仰せられますように、三十九条を準用いたしまして、一号、二号、五号という基準を認めた以上は、この五号の例をいまあげられましたので、五号について申し上げますならば、五号の条件が整わない、そういうことがありますならば、もちろん認可ができませんので、そういうことはきわめて観念上の論理だと思いまするけれども、そういうことに相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/58
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059・加瀬完
○加瀬完君 それじゃさらに伺いますが、いまの時点では、政府は敷地も着陸帯も進入表面も何も明らかにしないで位置だけを決定するという方法をとっておるわけでございます。これでは三十八条三項の趣旨に反すると思うわけですが、いかがでしょうか。まあ三十八条の三項というものを没却して政令できめるということにしたわけでございますけれども、事実問題としては、三十八条の三項のような手続というものを踏まなければ位置は確定はできないわけです。それは省いたわけですが、三十八条三項というものは、少なくとも、先ほどの五十六条三の趣旨からいっても、あるいは航空法三十九条で権利者に対する保護規定を設けておる点からいっても、空港を設定する一番の基本である三十八条の三項というものをゼロにしてかかるという、こういうやり方は、法律の作成の上からいっても、妥当だとお考えになりますか。政令そのものにそういう大きな権限を与えるということも問題です。あなたはさっきから、政府がおきめになる、政府がおきめになるというけれども、日本の法律というものは、昔の勅令とかそんなようなものを一切ゼロにして、法律というものを最高権威に置いたわけでしょう。政令が勅令にかわるように、何でも政府がきめればできる、政府のきめたものに国民は従わなければならないという、こういう法の精神というものは現在には存在をしておらないはずですよね。しかし、この航空法あるいは公団法によりますと、実際は政令で法律まで動かされておるでしょう。この政令のために国民のいままで主張できた権利というものは削減をされておるわけですね。これでは、法律制定の手続の上から、そういう大きな政令の権限を持ってきて、法律に優先する政令をつくって、飛行場をつくっていくということになれば、これは法制定の上から手続上おかしいじゃありませんか。法制局においてこれについて何か御意見なかったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/59
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060・田中康民
○政府委員(田中康民君) 法律的に申しますならば、この位置を定めることによりまして、直接に権利が侵害されるとか、あるいは義務をかぶることではございませんで、さらにその土地に、どうしても話し合いに応じないような場合には、土地収用法その他の規定がかかってくる、非常に間接的な問題でございまして、いま位置を定めるだけに法律上政令に委任をするということは、私たちとしては一応可能であろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/60
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061・加瀬完
○加瀬完君 それはつくれば可能ですよ。そういう可能性を政令に与えていいかという問題です。立法の精神からいって、航空法の五十六条の三には、運輸大臣は、空港などを指定するときには、その付近の土地の所有者あるいは利害関係を有する者の利益を害さないように配慮をしてつくるべきだという規定まであるわけですよ、これが空港をつくっていく許可を与える権限を持つ運輸大臣の責任として規定されておるわけです。したがいましていかにして付近の土地の所有者あるいは利害関係者の利益を保護するかというたてまえを優先的に考えなけりゃならないわけでしょう。ところが、そういった優先的に考えるという趣旨から、また三十八条の三項のように、いろいろの問題をあげて、十二分に吟味をして、大体最大公約数だいじょうぶというところで申請をさせるという手続規定があったわけです。それはもう今度は使わないわけです。で、政令できめるという、こういうやり方をしているわけです。そうであれば、いままでは——もっと具体的に申しましょうか、いままで空港をつくる場合は、空港の位置はどこで、飛行機はどっちから入ってきてどっちへ飛び立っていくんだと、どこがターミナルになって、どこがエンジン調整をする場所になって、自動車の駐車場はどこで、騒音の区域はここで、危険区域はここでという明細な説明が公示をされて、あるいは公聴会も事前に開かれて、それで住民の意思というものを十二分にそんたくして、それで賛成多数であればそこへ空港をつくるという手続が踏まれておった。今度は、そういうことを必要ないということにして、位置をぱかんときめて、位置をきめるときには何々県何々郡何々町、あるいは何々村と、そこだけですね。どっちから飛行機が来るのか、どっちへ出て行くのか、危険区域はどこなのか、あるいは騒音で立ちのかなければならない区域はどこなのか、こういうことが一切説明抜きに位置がきめられるわけですよ、これで賛成してくれと。そうすれば、いままでの手続と今度の手続というのを比べると、国民の権利義務というのははなはだしく——説明を申し上げましたあとのほうになりますると、これは権利は削限をされ、義務は加重されておるということになるでしょう。形式的に政令がいいとか悪いとか言ってない。そういう政令で国民の権利義務を直接間接——というよりは、直接でしょう、具体的な問題としては制限を加えられざるを得ない。こういう影響のある政令というものは、一体政令の性格として妥当であるか、そういう点を聞いているのですよ。非常にこれはいい方法だとお考えでありますか。空港をつくるという便宜のために国民の権利を抹殺しているのですよ。これは、いままでの法常識から言えば、そういう政令というものは政令としての性格にはずれている。これは学者の間でも定説でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/61
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062・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは御議論になると思いまするけれども、私は、こういう手続をとることによって国民が受ける利益が確かにあることは、これはもうお説のとおりだと思いまするが、それが権利として認められておるものではなくて、やはりそういう法律規定があるために受ける反射的利益だと思います。それだからそれを侵害していいということはもちろん申しませんけれども、それは事実上の問題として、政府がきめる場合に、同じような手続をとるということで救われるだろう、実はこう考えまして、その位置を定めることは、法律でできればもちろん法律のほうがいいことは、先生のおっしゃるとおりでありますけれども、いろいろな事情によりまして政令に相なる。相なった場合にも、それは憲法その他法律上いけないことはないというふうに実は考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/62
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063・加瀬完
○加瀬完君 まあ議論になりますから、議論をすることはやめましょう。しかし、法制局はもっと法の精神というものに対して厳格でなければならないと思う。運輸省のお役人がいまのような説明をするなら、ものを知らないからしかたがないよと済ませられますよね。法律を扱い、法の作成に関与している内閣法制局が、政令のワクが非常に無限大に広がって国民の権利義務にはなはだしく制約を与えているという現実をきびしく反省をしていただかなければならない問題だと思う。これは意見になって恐縮ですが、私は、そういう点、十分今後の法律作成の場合、政令の性格というものについて御吟味をいただきたい。法律に優先するような政令というものがあってよろしいかどうか、こういう点にひとつ御研究を進めていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/63
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064・相澤重明
○相澤重明君 関連して。いま部長の言う、いろいろな事情によってこういう政令によってやられても差しつかえないと言われる、その「いろいろな事情」というのは、どういう事情ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/64
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065・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは、法律を制定いたしますのが先か、あるいは位置をきめるのが先かということになりますると、まず位置をきめておきまして法律を定めますと、たとえば、もし陸上にその土地を求めます場合には、土地の値上がりというようなことがございまして、なるたけ法律である程度器をきめましたあとで位置をきめまして、そうして、すぐきまった位置によりまして公団が発足し、飛行場をつくったほうがいいのではないかというようなことが——これは運用と申しますか、運輸省のほうの事情でございますが、われわれもそれはもっともであるというふうに考えましたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/65
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066・相澤重明
○相澤重明君 いまの話の中で、法律論よりも実体論、運用論というものが優先するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/66
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067・田中康民
○政府委員(田中康民君) いまのは、運用論と申しますか、そういう法律をつくる場合にも、その法律の規定について一定の合理的理由があれば、その合理的理由に従った規定を設けることは可能だと思いまするので、運輸省が申しましたことは、ある程度政令にすることがやはり適当ではないかという判断の資料になったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/67
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068・相澤重明
○相澤重明君 それではなぜ、従来ある法律、航空法なら航空法そのものを変えていこうとしないのか。先ほどから加瀬委員の言うように、政令の解釈に二通りあるというような解釈が生まれてくること自体が、法律の作成について問題になってくるのでしょう。だから、今度の公団法案で政令に委任する事項といままで現存する航空法との関係についてあなたがいま言うのは、内閣が判断をしたり、運輸省が判断をする場合に、たとえば法律論争をしておったり、法律上の適用条文からいけば、土地の値段が上がったりしてできなくなったりするおそれがある、そういう問題から、今度のこの公団法案というものをつくって、その公団法案の中に政令に委任をするという形をとった、いまのあなたの説明はこういうことになるが、そういうことですか。ちょっと変な話じゃないですか。いま一回言ってみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/68
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069・田中康民
○政府委員(田中康民君) 私たちが考えまするのは、この発想法は、やはり空港公団によって国が第二の新しい国際空港を設けるわけでございまするので、そもそもはその法律の中でその位置を明定しておくことが当然ではないかという最初の考え方があったわけでございます。そういう点をわれわれとしては申しましたけれども、しかしながら、それのみが法律に、あるいは憲法に適合するものではなくて、やはりそこに法律ではできなくても政令でやれる範囲というものがまたございまするし、その政令に委任をいたします場合の合理的な理由として、運輸省が申しましたような理由が、またわれわれとしても合理的ではないかというふうに実は考えた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/69
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070・相澤重明
○相澤重明君 いまの部長の話を聞いておると、法律というものはどういうふうにでも権力者によって解釈できるのだ、そういうことをいまあなたは合法的に説明をしようということにぼくらには聞こえるのだよ。現存する法律というものがあっても、権力者が法律の解釈はこうだ、こう言えば、その解釈によって、現存する法律よりも上回るいわゆる政令というものが有効だというような解釈になってくるのです。さっきから言うように、そこが、憲法学者においても、法律学者においても、議論のあるところじゃないですか。それで、いままで話を進められておる中に、加瀬委員の言うように、政令という文句そのものについても解釈が違うはずはないわけなんですね、政令というものについては。ところが、航空法と、たまたま今度あとから提案されている公団法案の中にある政令の字句を取り上げて、その前後の法律を解釈すれば、いまの公団法案による政令委任事項というものが法律をむしろ犯していくというおそれもあるんじゃないか、こういうことが指摘できるのではないかという話をしているわけです。それに対してあなたの言っているのは、いや、政府が判断をすれば、たとえば土地の値上がり等の問題があるから、そういう実体論というものが法制定の上で非常なウエートを持ってきた、こういうようなことになると、いわゆる法律論争というものがやはり学者の中にあるように、私は少し内閣の法制局ともあるものが一方的な判断をわれわれにいま説明をしておるというふうにしか受け取れないのだが、その点どうなんですか。いま一度、そういう法体系論とか、あるいは法律制定の立場に立って、政令と法というものとの、そういう解釈というものをいま少し明らかにしないと、何かあなたが内閣法制局だから、いまの内閣の言うとおりになっていればいいのだ、国民のいわゆる法律を守らせるという、国民に対する内閣法制局としてのいわゆる法律を順守するという立場に立っていない、こういうふうに受け取れるのだ、あなたの説明を聞いていると。それではたいへんいかぬことだと思うので、いま少し説明を願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/70
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071・田中康民
○政府委員(田中康民君) ただいま仰せられましたところでございますが、私たちは、この空港公団法で位置を政令に委任することがいままでの法律に違反している、こういうふうに実は考えておらないことは、先ほど来、加瀬先生に対する答弁でも、私はそのことを述べているつもりでございます。それは違反ではございませんで、違反しておりませんと同時に、今度は新しく立法論といたしまして、空港公団というものをつくり、その空港公団について運輸大臣の認可その他との関係をどうするか、こういう問題に対して、ここにいま言った第三十八条の準用という問題が出てきたわけでございます。そこで、この第三十八条の準用は新しい空港公団についての規定でございまするので、これを準用という形でもってこの趣旨をすべて生かすようにした点と第三条において政令で位置を規定するということとは実は関係がございますが、そういうような場合に、では法律で位置を規定すべきであるか、あるいは全く普通の運輸大臣以外の者が飛行場を設置するのと同じ手続によるべきであるか、これは実は立法論の問題としていずれでもいい——いずれと申しますか、これは政策の問題としていずれをとるかということは、きめることができる問題だと存じます。
そこで、運輸省並びに内閣がきめたやり方は、まず位置は、法律でなくて、法律の委任に基づく政令できめる。しかし、その位置として、市町村のようなおおざっぱにきまった範囲内において、さらに空港の位置だとか範囲、あるいは進入方面その他の事項については、三十八条の三項とそれから三十九条を準用してその手続がやれ、こういうように定めたということでございまするので、何か違法な解釈に従ってわれわれが政令に委任したんだというようなことではないのでございますので、御了承を得たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/71
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072・相澤重明
○相澤重明君 いまのあなたの説明では、やっぱり聞いておるというと、今度の公団法でいけば、政令に委任しても一向差しつかえないんだという解釈ですね。それは提案しているんだから、その解釈だと思うんだ。ところが、いままで言われておるのは、航空法に従う。航空法にあるところの政令という立場からいけば、もっと具体的な事例に立って国民の権利義務というものに対して明確に出ておるではないか。しかも、この法律、いわゆる立法論から出ておる国民の問題点を明らかにするところがなければ、やはりいかにも権力者によって法の解釈、運用というものは自由にされてしまうではないか。だから、法の解釈というものは別に違うわけでなくて、政令なら政令というものは同じ解釈でなくてはならぬ、こういうところが先ほど来の議論だと私は拝聴しておった。そうすると、今回の公団法による政令というのは、あまりにも権限が航空法に基づく三十八条の三項の具体的な事例をあげての問題と関連をして考えた場合に、ばくとして政令に委任をするということによってものは押えていくことができる、こういうところに、いわゆるあなたの言う立法上の技術からいって少し無理が伴っているのではないか。その無理というのは、実はあまり長くほっておくと、航空審議会のいわゆる答申もあったし、まごまごすれば土地の値段は高くなるばかりで、国家財政上もむずかしい、率直に言えば。こういうようなことも重なるから、むしろそういうことも、公共の福祉というか、憲法の解釈論からいけば、政令によっても決して国民の権利義務を侵かすものではないという反対解釈をあなたが言っているわけです。だから私は、そういう点では、やっぱり相当問題があるのじゃないかというように思うのですが、その点はいま少しこれは法体系論の問題で議論をしなければいけないところだと私も思いますね。ただ、内閣の法制局がいままでの立法を相談をされたときに、いまのような実体論というものがあまりにも私は優先してしまって、現存法が少し解釈が狭められておるのではないか。だから、法律と政令という問題になると、どうも公団法の中における政令委任事項は少し普通の政令の解釈と違って権限が大きくなりはしないか、こういうふうな指摘も私できるのではないかと思うのですが、そういう点はあなたも同感でしょう。実際問題としては、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/72
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073・田中康民
○政府委員(田中康民君) 私も法律の委任に基づけばどんなことでもできるというようなことはもちろん申しませんが、やはり法律の委任であることと、これから位置を定めるというようなことで、これは非常な形式的な議論を申し上げまして申しわけございませんけれども、そういうことは政令でもいいというふうに解釈したわけでございますので、そこは御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/73
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074・相澤重明
○相澤重明君 実際問題として、部長はさっきからそういうふうに政府の立場に立っているから言わざるを得ないと思うのだが、私は憲法十三条の幸福追求権は破壊されていくと思うのです。実際問題として。まあしかし、公共の福祉に反しない立場に立ってのいま言ったような立法上の問題やそうした政令委任事項によっても、間違いではないわけです。けれども、基本は、憲法十三条の幸福追求権をだれが保障していくか、これは法律がやはり国民の権利というものを、幸福追求権を守っていく以外にないわけですね。その幸福追求権さえ、この今度の政令委任によれば、実はわからないままに、政令によって具体的な作業が進められた場合に、これは侵されないのか侵されるのか、公共の福祉に反するのか反しないのか、こういう問題になってくるわけです。その中に、さっきはしなくもあなたが指摘した。たとえば土地収用法の問題でも出てこないとも限らぬですね。これはだから、憲法十三条の幸福追求権というものは一体だれが守ってくれるかといえば、法律以外にないと思う。その法律からいけば、現在の航空法というものが改正されない限りは、現在の航空法が一応合法的ですよ。まずこれによって手続をやっていくというのが、空港をつくる場合に必要最小限度の問題です。ただし——これはただし書きですよ。ただし、現在の新東京国際空港をつくるには、この航空法だけによってはとても間に合わぬ、とてもまたそれだけの仕事はできぬ。したがって、新たな法律案をつくって国会のひとつ議決を得たい、その中に、いわゆる間に合わないし、とても国の財政上からも、あるいは事実上からも、少し遠のくおそれもあるので、この際はこの法律案によって、しかも大きな権限を政令に委任をする、こういうところに落ちてきたのじゃないですか。いわば航空法だけではいけないので、ただし書きの法律をここにいま提案をしているというぐらいにしか私ども解釈できないんだが、どうですか。この政令という問題については、憲法十三条の幸福追求権からいけば、そのぐらいにまで落ちていってしまうというふうに私ども考えるんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/74
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075・田中康民
○政府委員(田中康民君) 私も、国民の権利を守るという立場から申しまして、いま仰せられますような御意見は、まことにもっともだと思います。しかしながら、これはやはり、立法技術の問題を申し上げて恐縮でありますけれども、憲法第十三条にありまする規定も、これはただいま訓令的なものであるというふうに解釈されておりますけれども、法律上、ぎりぎりのところで、政令ではいけないのか——そういうふうにおっしゃっているんではないと思いますけれども、そういうふうな解釈からいたしまして、政令でも適当ではないかということでやったものでございますので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/75
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076・加瀬完
○加瀬完君 適当ではないかという解釈がおかしいと、また繰り返しになりますけれども、これは認めているでしょう。政令は法律に優先はできませんね。それから、国民の権利を制限するということを、たてまえとしては政令で行なってはならない、こういう大筋もお認めになっているわけですよね。ですから、これが違法であるとか、あるいは憲法に違反しているというようなことまでは、私どもは申しません。しかし、航空法というもので一応空港の設置などというものはいままで行なわれてきたわけですね。その航空法というものが、少なくも権原者の権利というものに対して保護、配慮を払わなければならないという立場をとっておったわけです。これは公共的施設だから、昔の徴発や徴用みたいに、何でもかんでもかまわない、公共優先で、土地収用法か何かにかけてしまえばいいという考え方はとっておらなかったわけですね。大多数の賛成というものに何とかこぎつけて、それで国民の賛成の上で空港をつくろう、土地の所有者、利害関係者に対しましては、特に権原のある者に対しましては、十二分に保護、配慮をしようというたてまえをとっておったわけですね。ところが、今度の公団法には、その権原者に対する保護、配慮というものはなくなっているわけですね。なくなっていると言って悪ければ、航空法と公団法というものを比べれば、少なくも政令で位置をきめるという一つの例をとりあげても、前の保護、配慮の気持ちというものは薄められているわけですね。そういう役割を政令が行なって妥当なのかどうか、こういうことを聞いている。しかも、政令をきめる場合には、政令の施行するワクというものをきびしく立法常識としては制限をしていたわけですね。いままでは、位置を政令できめるといったら、その政令の手続あるいは運行というものに対してはきびしく条件をつけておったわけです。最初の立法例というものは。このごろは大まかに一項か二項で大幅に法律同様の権限というものを政令に与えるところに問題が生じているという指摘すら学者の中にはあるわけですね。そういう政令の拡大解釈をしているのは法制局です。それでは日本の法秩序というものがだんだん乱れてしまう。勅令回復作業をやっているわけじゃないのですからね。そういうことでは困るということを申し上げたい。そういうこまかい点の、この点、この点ということは、議論がちになりますので、さらに具体的な問題で伺っていきます。
いままでの飛行場の設置の方法を今度の新東京空港ではとらないわけですから、今度の新東京空港の場合は、政令で位置がきまり、公団から設置許可の申請が出され、運輸大臣から「位置及び範囲、着陸帯、進入区域、進入表面、転移表面、水平表面」その他現地において掲示をして、さらに利害関係者に対して公聴会を開き、十分に利害関係者の意見を聞き、特に当該施設が他人の利益を著しく害することがないように、申請者がその敷地について所有権その他の所要の権原を有するか、またはこれを確実に取得することができると認められることが確認されない限り、いままでであれば設置はできなかったわけですね。しかし、今度の公団法では、これはどういうことになりますか。この点は変わらないのか、それとも動いてきたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/76
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077・田中康民
○政府委員(田中康民君) 今度も、いま仰せになりました第三十八条の第三項と第三十九条のうちの第一号、第二号と第五号は準用されておりますので、その点につきましては、同じことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/77
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078・加瀬完
○加瀬完君 それでは運輸省に伺いますが、位置は最小行政区画の市町村を指定するということであると、富里案の場合には、飛行場のかかる町村は、指定するとすれば、対象はどことどこになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/78
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079・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 現在富里村付近ということで考えております。したがいまして、富里村が政令で指定されるということは明瞭でございますが、付近の、たとえば八街町あるいはその他の町村にかかることもあり得ると、したがいまして、先ほど、また前回にも申し上げましたように、単数または複数で最小行政区画が政令で指定をされるというふうに考えておりますが、富里村以外のどの町村がかかるか、あるいはかからないか、この点は、現在のところまだきまっておりませんし、また富里村のどの部分がかかるかというようなことも、今後慎重に検討を要する問題であると、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/79
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080・加瀬完
○加瀬完君 富里村以外にかかる場合は、富里村付近ということではなくて、富里村、八街町、山武町というように、かりに例をあげれば指定をすることになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/80
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081・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 富里村、八街町、二つが一応いままでは考えられておったわけでございますが、そのほかに、たとえば実際に場所をきめる場合に、いろいろな事情を勘案いたしまして、そのほかの町村ということにかかることもあり得る。しかし、いま仰せられましたところがかかるかどうか、この点はまだ明確ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/81
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082・加瀬完
○加瀬完君 それでは、飛行場の敷地というものはどういう範囲をさすのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/82
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083・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) これは、飛行場の敷地は、もちろん、滑走路、誘導路その他の付属施設及びそれをめぐる範囲というものを、実際問題としては具体的に図面によって示すということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/83
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084・加瀬完
○加瀬完君 着陸帯だけではないわけですね。範囲ということになりますと、何回も例示をいたしました進入表面とか、転移表面とか、こういうものはどれだけ入るか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/84
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085・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 進入表面、転移表面と申しますのは、いわば空中におきます一つの物件制限というものの区域といいますか、物件制限を行なう範囲というものでございまして、いわゆる飛行場の範囲というものとは別であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/85
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086・加瀬完
○加瀬完君 そうすると、飛行場の敷地というものは、滑走路——着陸帯というのですか、滑走路がありますね。それから、その他のいろいろの空港の設備がございますね。そのほか具体的に、滑走路の延長上何メートルあるいは幅何メートルというものは一応範囲とするのかしないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/86
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087・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) これは、滑走路の延長上何メートルまで範囲に入れるかというふうに、きちんとした、何メートルは入れる、何メートルは入れないというような規定はございませんので、やはりその具体的な場所を見まして、たとえば延長上相当な範囲を入れるということが適当であると判断する、あるいはその場合に用地の取得の難易の問題がございましょうし、いろいろな点を勘案いたしまして、また所有者の持っておる土地の形態によりましては、必ずしもきちんとしたもの、ま四角のような範囲ということもできない場合もございましょうし、この辺は、具体的に場所を見まして、それから自然の地形というようなものも勘案してきめるということでございますが、着陸帯のほかに、ある程度の、両側の一つのゆとりと申しますか、あるいは縦のゆとりというものはもちろん考えなければならぬ、また、現に既存の飛行場につきましても、そういう配慮をやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/87
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088・加瀬完
○加瀬完君 この富里案の場合は、そうすると、H型、二本の四千メートルの主要滑走路といいますか、大きな滑走路が並びますね、計画案によると。その四千メートルの滑走路の延長上は、一体何メートルずつを、危険区域かあるいは何区域か知りませんが、具体的に立ちのきさせて、空港の範囲としておさめるということになるのですか。これは、状態がどうあろうとも、何であろうとも、一応地形はおわかりになっているしするのですから、立ちのき戸数何戸とかということではなくて、一体着陸帯の前後というものは何メートル離すという御計画なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/88
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089・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 現在のところ、何メートルということまできめておりませんで、実はいろいろな資料にいわゆるH型の図がございますし、これは資料として提出してございますが、これはいわば基本的な配置図というものを考えたものでございまして、場所が富里にきまるかあるいは霞ケ浦にきまるかという問題もございます。その場合に、具体的にどうするかという場合に、あの形を判こを押したようにぱたっとやることは、私どもも決して考えておるわけではございませんので、いろいろな地形なり、あるいは富里村付近が概して平たんである、あるいは霞ケ浦の埋め立てをすれば平たんであるということもございますね。埋め立ての場合についても、用地取得の場合でも、ある程度の現実というものを考えていくのが当然でございますので、何メートルときちっとした判こで押したようにわれわれは考えない。むしろ延長の方向にできるだけ人家が少ないようなくふうをするというようなことは当然でございます。また、あらゆるくふうをしましても、滑走路の延長上から相当近い距離にありまして、いろいろな点でこれではふぐあいであるという場合には、そこの用地を買収するということも当然であります。それからまた、理想としましては、なるべく延長上は空港用地として買収するということが、飛行場のほうの見地からいえばいいことでございます。また、地主の関係あるいは予算の関係というものもありますので、ここで一概には申し上げられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/89
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090・加瀬完
○加瀬完君 この航空法の飛行規則等で、延長上何メートルを危険区域にするとか、あるいは延長上あるいは側面何メートル以内は騒音対策区域にするとか、そういう規定はないですか。それがないとすれば、つくらないで、そういう構想を持たないで、これからの空港の範囲というものはきまりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/90
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091・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 現在何メートル以内を騒音地帯にする、あるいは何メートル以内を危険地帯にするというような規定はございません。ただ、実際問題として、飛行場を設計する場合には、できるだけ安全な方向あるいは騒音の被害ができるだけ少ないというような配慮をするということでやっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/91
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092・加瀬完
○加瀬完君 おかしいじゃないですか。できるだけ少なくするためには、滑走路の延長上何メートルは危険区域であるとか、滑走路の中心から何メートルは騒音あるいは危険の区域として、民家なりその他の建造物は除却しなければならない、こういう設計というものが基本にきまらなくて、空港を、しかも今度の音速の何倍といったような飛行機を飛ばす空港の設計というものはできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/92
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093・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 先ほどから申し上げておりますように、現在進入表面その他を法律で規定してございますが、これは物件制限というような目的でやっておるわけでございまして、航空機の安全を確保するというための規定でございまして、現在のところは、騒音の影響範囲何メートルは買収するというような規定は現在の法律ではございません。今後新空港を作る場合には、実際上の措置として、現地の利害関係の方とよく相談をして、騒音対策のためにはどういう方法をしなければならないかということは、当然これは考えていくべきものであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/93
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094・加瀬完
○加瀬完君 話は逆じゃないですか。設計をしようと思うならば、設計構想というものがはっきりまとまっておって、騒音に対してはこういう対策をするのだ、危険区域に対してはここまでを危険区域と認めるんだ、こういうことが計画、樹立をされて、それで折衝をするということでなくて、飛行場ができてから、大きな飛行機が飛んでから、音をどうしましょうか、現地の者に相談をするといっても、そういう相談というものを予期して飛行場に賛成しましょうという間の抜けた幾ら地元でも回答は出し得ませんよ。
そこで、きのうちょっと雑談の中に、富里村一つでもやり方によっては空港の敷地は入るんだということでございましたので、どういうふうにやると入るようになりますか、具体的にひとつ説明をしていただきたい。地図でもございましたら、具体的に地図に即して説明していただきたいし、一体現地の認識というものをどうなすっていらっしゃるか、そういう点についても、もう少し、ふに落ちないところもございますし、具体的に説明していただきたいんですけれども、富里村の中に一応計画しておるH型というものをどういう形に入れられますか、説明をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/94
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095・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 私どもは、現在七百万坪ということで計画を進めております。富里村は約千五百万坪あるということでございますので、七百万坪の飛行場をその中に設置することは、私は物理的には可能であると思います。ただ、無理やりにそういうふうにやることが、飛行場の能率としていいのか、あるいは付近に対する影響はどうなのか、あるいは用地買収の点はどうなのかということがございますので、先ほど申し上げました政令では、富里村のほか他の町村も指定するということ、すなわち複数で最小行政区画の地名が政令できめられるということがあり得る、また富里村ということでカバーできるかどうかこの点は疑問があるということを申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/95
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096・加瀬完
○加瀬完君 そこが法制局に私が尋ねた、いままでの権原者に対する権利の侵害になるおそれが十二分にあるという点です。といいますのは、千五百万坪ありましても四角に千五百万坪まとまっておるわけじゃないのですから、滑走路という帯を持った飛行場というものがすぽっと入るか入らないかというのは、現地に当たってみれば、これはすぐおわかりになる。それほど現地の情勢というものをつぶさに、こういう場合はどことどこがかかる、こういう場合は進入表面に成田市がかかる、こうすれば成東町がかかる、こうすれば酒々井町がかかると、こういう検討を十分にしてみないで、位置は富里村その付近というふうにきめられましては、これはできるものもできなくなる。それらが十分に検討されなくて位置の決定をするということなら、いままでに三十八条三項で、事前にいろいろ位置、範囲というものが論議する的になりましたが、何も論議をされないで、大体千五百万坪ですから七百万坪は入りましょうと言ったって、三角形に四角形を入れるわけにいかない。楕円形にまるを入れるわけにいかない。どこかでこぼこができてしまう。ですから事前の検討というものがなければ、位置を決定しても飛行場はできないのじゃないか。それでこれは御検討がないというならば、一応どういう形に入れればどことどことがかかるか、一案、二案、三案、あるいは進入表面に対する影響戸数、こういう略図をひとつつくって、次の委員会までに出していただけませんか。私は私でいろいろやってみた。やってみましたけれども、富里村一つにかかるということでなくて、どうしたって、八街町にかかる。寄せればこれは成田が進入表面になる。富里村に無理に寄せれば成田が進入表面になってしまう。ずらせば成東町が進入表面にかかる。移転戸数がふえる、こういうことになるのですが、こういうことを検討しないで大体入りますよということでは、これは三十八条三項の趣旨にもはずれるじゃないか、あるいは五十六条三項ですか、所有者並びに利害関係のある者たちの利益に対して著しく利益をそこなわないように運輸大臣は配慮をすることと書いてある、これはそのとおりやってもらわなければいかぬ。そういう点で富里を問題にするならば——そんなことはないのだから、つまらないことをいつまでも質問するなとおっしゃるならこれでやめますが、富里村を問題にするなら研究不十分であるという点を、これはお認めいただかなければならない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/96
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097・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 御質問の趣旨はごもっともだと思うのです。やはり最小限度一番便利な方法を最初に考えるべきだと思います。それは私しろうとでありますが、一番理想的な案がありますから、一番理想的な案を、村が幾つかかろうとも、レベルであって工費の少ない、しかも小沢はたくさんあるでしょうから、小沢の水落ちのよくできる方法で、そこが一応設定すべきであると思う。それに取得するのに因業でどうしても売ってくれぬ人があるというのなら、少しひんまがってもしかたがないから・少し形が悪くてもがまんして第二の方法をとるべきである。その第二の方法がそれもぐあいが悪いというならば、少し高台なんか入って、整地の上で、切り取り斜面やその他があってもやむを得ませんから、高台を取り入れて、高台の土を全体に広げて少しレベルを高くするという考えでもってもやらなければならぬという、三つの方法を考えるべきだと思うのです。そうして相互に、こちらのほうも安くあがり、また売るほうも比較的安くても採算が合うという、両方が立つように考えるべきであるというふうに考える。それがどうしてもいかぬ、どっちもやってみてもいかぬということであるならば、もう第二案の霞ケ浦のほうに移行せざるを得ない。霞ケ浦のほうに移行するのに一番困ることは、きのうもごらんになったでしょうけれども、百里があるのです。これは防衛上の問題であって、非常に困難が伴う問題であります。でありますから、できるだけ富里のほうで話をつけていきたいと思っておりますが、どういう飛行場をどういうふうにつくるかということについては、技術者にまかす以外に方法はありませんが、私は責任者としては、第一、第二、第三の、お話しになるような理想的な案、次善の案、最後には最終案と、三つをもってそうして相互の立ち行くために考えるべきである。
それからもう一つは、先ほどなにのことをいろいろお話があったのですが、私はこう考えるのです。国際公益のためにやる。国家民族の福祉のためにやる。東京新国際空港のことでありますから、わが国の国家の公益のための仕事であります。この際日本がこれを獲得しなければ上海にいくという説がずいぶんあります。そういう場合ですから、国の事業としてやることでありますけれども、また一方、敷地の候補者になるところは、命にかけて——所有者は自分の土地は自分の子供よりも大事にしなければならぬものでありますから、その所有権は厳然といたしております。この厳然としておる所有権を合理的な方法で、しかも次の営農の現在より以上に営むことのできる土地を求めることができる方法、さらにそれに対する補償金をも考えてやって、それで政府が十分に涙のある処置をとるべきである。結局公益の政府の仕事が成り立ち、同時に土地を持っておる人も次の仕事に支障がないというところに、私は裁断を下すよりほかに方法はない。最初から申しておるとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/97
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098・加瀬完
○加瀬完君 そういうことを言うなら絶対にこの法案はあげません。何日でも何十日でも質問します。公益優先なんというばかな考えは、航空法のどこを見たってないですよ。所有権者の利益、あるいは地元の利害関係の者の利益をはなはだしくそこなわないように運輸大臣は配慮をしなければならないということが書いてある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/98
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099・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) むろん、それは言っているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/99
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100・加瀬完
○加瀬完君 公益優先だなんて こうやらなければ中国のほうへ行っちゃうだなんて——どこへいったってかまわない、地元とすれば。日本は富里村だけじゃないのですから。もっと幾らでも広いところがたくさんある、問題は、基本的人権なり所有権なりというものをどう尊重するかという立場を政府は取るべきですよ。その態度がないから摩擦が起こる。あなたはあまりにも認識不足ですから、ひとつこれ見てください。これ富里村ですよ、この赤い斜線が。運輸省は騒音対策をさっぱり考えておりませんので、防衛施設庁で騒音関係をいろいろ調べまして、大体延長上五キロ、このくらいが非常に騒音の高いところで、一応生活上支障がある、こういわれておるところにこれやってごらんなさい。まわりみんな、富里村だけじゃなくてそういう区域に入って、九十ホン以上という地域は、生活が立ちますか。私どもしろうとがこういうようにいろいろ具体的な資料を集めて、対策が立つか立たないかということを考えておるのに、富里村へあっさり入る。因業な反対があれば——因業なのはあなた方だ。所有権、憲法というものを全然否定する考えで国の利益が優先する、公益のためには、飛行場をつくるためには協力しなければならない。そういうばかなことを言うなら、具体的に幾らでも例をあげて、絶対に法案に対して賛成できない。取り消しなさい、因業な反対だとか、公益優先で政府の方針はあくまでも下のほうにはのませると、幾ら言ったって、あんた方……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/100
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101・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) そうおっしゃるならば、おとといかの速記録をごらんになればわかります。あなたは、この前は百万円という話があって、今度は百四十万円になったのです。それは四割上がっているのです。それはいい。けれども、二百万円になっても三百万円になっても、これは五〇%は売らないとおっしゃった。それじゃ行かれないじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/101
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102・加瀬完
○加瀬完君 そうですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/102
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103・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) じゃ、相談にならないじゃないですか。公益優先ということばは使っておりません。しかし国家のためにこういう事業はやらなければならぬけれども、一方において敷地を持っている敷地候補者側の所有権は厳然たるものであるから、その代替地をやるためには、涙をもってやらなければいかんと言っているのです。何もあなた、ことばの片りんをとらえて……、原稿に基づいて言っているのだから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/103
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104・加瀬完
○加瀬完君 言葉の片りんじゃないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/104
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105・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) この前、何百万円でも売らないと言ったのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/105
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106・加瀬完
○加瀬完君 そうそう、それはこれから言いますよ。だから、私のほうはつくるならつくってごらんなさい。五〇%以上反対があるのだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/106
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107・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) そう言わずに話し合いをしようじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/107
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108・加瀬完
○加瀬完君 三十九条の五号によってやれるならやってごらんなさい。しかしわれわれも空港をつくることには反対はしておらない。しかし、あくまでも反対の強いところに政府の力で押しつけようということじゃなくして、もっと産業にも生活にも影響の少ないところで第三案というものを求めていくという態度が政府にあれば協力もするし、それはこっちだって反対のための反対ということはやらない。しかし代替地といったって、代替地はないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/108
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109・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) ないと思っておられるかもしれないけれども、あるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/109
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110・加瀬完
○加瀬完君 ありませんよ。あったって、いまよりはるかにやせているところだ。行ったって生活のできないところだ。そういうところにだれが行くばかありますか。あなたはおやりになりたければおやりになるのもけっこう。しかしできるかできないかは、これから聞いていきます。
そこで伺いますが、いままでの空港設置の手続は、改正前の権利者の権利が守られた点からすれば、権利者の権利が弱まったということは、これは先ほどの御説明でよくわかった。しかし、当該施設が他人の利益を著しく害さないということは、これは生きている。他人の利益を著しく害さないことというのは、どういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/110
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111・田中康民
○政府委員(田中康民君) 第三十九条第一項、第二号の「他人の利益を著しく害することとならないものであること。」というのは、飛行場を設置することによりまして、当然、公団以外の者——そこの住民は当然他人に相なりますので、そういう人たちの利益を害してはならない。しかもその害する程度が著しい程度である場合にはいけないということであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/111
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112・加瀬完
○加瀬完君 ですから、「著しい」とはどういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/112
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113・田中康民
○政府委員(田中康民君) 通常飛行場を設置いたしまするとするならば、当然、その飛行場の設置に伴いまして、それに伴う利益の侵害ということがあることは、これは明らかでございまするけれども、そういう通常の場合に、一般の人が受ける侵害は、これはしかたがないということを一応前提といたしまして、その通常の利益の侵害以上の侵害がある場合にはそこはだめであるということであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/113
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114・加瀬完
○加瀬完君 それならいままで耕作していたものの作物が変更になる、収入の減退が予想されると、そういう場合は、これは著しく利益が侵害されると見てよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/114
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115・田中康民
○政府委員(田中康民君) その場合におきましても常に必ず著しく害することであるかどうかにつきましては、やはりなかなか判断がつかないと思います。非常に観念的に申しますならば、やはり二つの場合があって、通常の侵害にとどまる場合もあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/115
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116・加瀬完
○加瀬完君 それならこういう場合どうですか、耕作地を飛行場の敷地にされたために耕作地を失うという場合は、著しく侵害になりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/116
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117・田中康民
○政府委員(田中康民君) それは第五号等におきましても、その敷地について所有権がない場合には取得することを認めておりまするような趣旨でございますので、その人たちのいま申しました他人の所有地を手に入れるという手段が残されておりまするので、手に入れること自体、そういうことはだから向こうがいやであるという場合には、これはまた別の土地、その他、問題になると思いますけれども、手に入れること自体は、著しく侵害することにはならないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/117
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118・加瀬完
○加瀬完君 本人がその土地を手放したりしたくないと主張しているときに、そういうものが多数である場合に、それはあとにつながりますけれども、強引にここに空港の位置を設定せられて、空港の買収を始めるということになったら、著しく侵害する行為ということになるでしょう。それもだめ、これもだめといったら、著しく侵害するということは一つもないことになっちゃうのじゃないですか。何のために著しく侵害するということを入れたのですか。空港の場合はどういうことを想定しているか、当然想定している事例があって、こういう場合は「著しく」と、こういう書き方をしたのでしょうからね。何を一体想定しているのか——保留しておいていいです。
その次に聞きます。敷地における所有権、使用権の獲得の望みが立たないときでも、位置を決定をいたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/118
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119・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 先ほどから申しておりますように、政令の位置の決定という問題と、それから具体的な敷地の決定というものと二つあると思いますが、具体的な敷地の決定につきましては、やはり三十九条五号の精神というものが尊重さるべきである、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/119
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120・加瀬完
○加瀬完君 それでは法制局に聞きますが、敷地の位置の決定は政令でできるわけでしょう。しかし敷地の決定はまだできませんわね。そうして今度は敷地の決定は、「確実に取得することができる」と確認をされない限り、運輸大臣は法律上許可することができないことになりますね。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/120
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121・田中康民
○政府委員(田中康民君) 法律上は、この公団法第二条の「政令で定める位置」は、これはそういうように運用してやるべきではあると思いますけれども、法律上は政令でもって位置の指定はできるというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/121
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122・加瀬完
○加瀬完君 いやそうではない。それはわかります。しかし敷地ですよ。敷地は決定する場合は、三十九条の五号というものが確認されない限り、運輸大臣は許可するわけにはまいりませんわね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/122
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123・田中康民
○政府委員(田中康民君) 三十九条第五号にいいます。要するに敷地の坂得が確実でなければならないということは、お説のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/123
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124・加瀬完
○加瀬完君 そこでしかし、その「確実に取得」ということは、これは行政府の判断に待つことですからね、そうでしょう。そういう条件が法律的には満たされない場合に、かりに——松浦さんがそうおやりになるということじゃない。かりに運輸大臣が許可をされた場合は、行政訴訟になりましたら、これは権利者のほうが勝つということになりますね。もう一回言いますよ、これはむずかしい問題だから。法律条件から見て、三十九条の五号が満たされておらない。そういう状態の中でかりに設置の許可を運輸大臣が行なった場合、運輸大臣に対して行政訴訟を権利者が起こしましたら、その行政訴訟は成立をしますね。また、大体権利者のほうが有利になると認定をしてもよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/124
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125・田中康民
○政府委員(田中康民君) ただいまの問題は、いわゆる抗告訴訟として、私の権利が害されたからという訴訟は、これはそういう権利として認められておりませんのでできませんが、運輸大臣の処分そのものが無効であるという、無効確認の訴訟的なものはあるいは可能だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/125
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126・加瀬完
○加瀬完君 無効確認ね、どっちでもいいや。そこで問題は、「確実に取得できると認められること」という法律の要件は、どういうことをさすのかということになると思います。「確実に坂得」ということはどういう条件をさすのですか、法律的には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/126
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127・田中康民
○政府委員(田中康民君) いまのあれに、ちょっと先ほどのものにつけ加えますが、その場合にも一つ前提がございまして、当事者能力があるということが前提でございますので、そこに当時者能力があって、当事者能力がある人がありますならば、その場合は無効確認の訴えができるものと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/127
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128・加瀬完
○加瀬完君 それはそうでしょう。私が訴えるわけではないから安心してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/128
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129・田中康民
○政府委員(田中康民君) それから確実に坂得することができると申しますのは、やはり百分の百というようなことではもちろんないと思いますけれども、その取得についてある程度の確信があるという場合に、そうすべきものと考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/129
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130・加瀬完
○加瀬完君 確信というのは、どういう状態でそれを認めることになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/130
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131・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは現実、具体的な問題にあたりまして、その当該取得そのものが確実と認定できるかどうかということは、非常にむずかしい問題でございますが、通常の場合に、たとえばそこの所有者が賛成をしておるとか、そういうような場合に確実に取得できると認められることは、これは明らかだと思います。で、そういうような場合と、それからもうある部分はある飛行場の何とかになっているから絶対にできないというようなまた別な極限がございますが、その二つの極限の間において個々具体的な場合に、との取得は一体確実と認められるかどうかということを判断しなければなりませんので、一がいになかなか申しにくいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/131
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132・加瀬完
○加瀬完君 法律用語でおおむねということばがございますね。それからここでは確実ということばが出てきましたね。おおむねというのと確実というのには、どういう差異があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/132
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133・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは確実度の問題から申しまして、おおむねというのは不確実の要素がきわめて多い、きわめてと申しますか、多い。ただ、それに対しまして確実というのは、不確実の要素がきわめて少ないというふうに解していいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/133
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134・加瀬完
○加瀬完君 不確実の要素がきわめて少ないということは、パーセントにすると何%ということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/134
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135・田中康民
○政府委員(田中康民君) これも個々具体的の場合に、ある場合については何%、ある場合については何%ということはあるかと思いますが、そこでそれを量化することはきわめて困難で、やはり社会通念として確実度大体どのくらいであろうという、一般の人たちがそう認める範囲で定めるよりほかないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/135
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136・加瀬完
○加瀬完君 そうすると、確実という用語は、法律の上では他にこういう用例もございますね。いずれも確実に取得というようなことは同様に解釈してよろしゅうございますか。すなわち不確実の要素がきわめて少ない。その不確実の要素のきわめて少ない度合いというものは、確実にということばがある限りにおいて、法律的には同様に解釈しなければならないと考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/136
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137・田中康民
○政府委員(田中康民君) これもたとえば土地の取得が確実であるというふうに考える場合と、あるいはある一定の事業を、事業免許のような場合にある一定の事業を遂行するに足る能力、確実な能力があるというような場合、いろいろな場合があると思いますので、必ず同じ確実というようなことばを使いましても、すべてたとえば量化して、これを百分の九十五以上だということは、これはむずかしいと思いますけれども、大体確実度がある程度高い場合に、われわれとしては確実ということばを使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/137
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138・加瀬完
○加瀬完君 そこで、ほかの場合に法律上確実という用語を使っている例並びにその内容の解釈について一つ例示をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/138
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139・田中康民
○政府委員(田中康民君) いまちょっと調べましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/139
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140・栃内一彦
○政府委員(栃内一彦君) 先ほど先生のお尋ねの、他人の利益を著しく害するという点でございますが、これは私もいろいろいままでの自分の職務上の経験で考えますと、一例としまして、たとえば着陸地に非常に接近いたしまして農地があると、そこの農地は物理的に耕作することは可能であると、あるいは航空の安全には支障にならない。しかし、実際問題として、だれが見てもそこで耕作することはたいへんだというような例、たとえば耕作物が飛行機の風でもって非常にあおられるというようなこと、あるいはそこで耕作している場合に、物理的な危険がかりにないとしても、非常な精神的な圧迫を受けて耕作せざるを得ないというような場合、これは程度問題いろいろあります。で、先ほど先生のおっしゃいましたいろいろのお考え方もあると思いますが、いずれにしましても、きわめてひどい場合にはこういうのが入るのじゃないかと、もちろん解釈はいろいろ弾力的なものであると思いますが、たとえば一例として御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/140
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141・加瀬完
○加瀬完君 法制局、部長さん、どなたかに調べていただいているんでしょう。——ではこちらからまた質問を続けますがね。この確実という語を用いたのは、この会社更生法の第二百十八条にございますね。「権利の実行に関する確実な方法」ということばがございます。この「確実な方法」というのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/141
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142・田中康民
○政府委員(田中康民君) 会社更生法第二百十八条は、「会社に属する権利で、争の落着しないものがあるときは、和解若しくは調停の受諾に関する定をするか、又は管財人による訴訟の遂行その他権利の実行に関する確実な方法を定めなければならない。」ということで、「訴訟の遂行その他権利の実行に関する」まあいわばあやふやな方法というものではなくして、必ず権利の実行に関して確実に実施のできるような、そういう確実な方法を定めるべきものであるということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/142
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143・加瀬完
○加瀬完君 その確実の度合いは一%でしょう。少なくも予見できる一〇〇%の確実性というものを見て「確実な方法」と認定するのでしょう。大体七〇%査定ができればいいだろうというので、会社更生法が「確実な方法」と認めるわけじゃないでしょう。見込みとしては一〇〇%ということを言っているじゃないですか、ここでは。空港の場合は違うかもしれませんよ。ここでは会社更生法の二百十八条の「確実な方法」というのは一%を要求しているのでしょう。そう解すべきでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/143
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144・田中康民
○政府委員(田中康民君) この「確実」は確かにある程度の確実度を高めまして、一〇〇%とはたして言えるのかどうか、裁判所がこれは定めるのでございましょうから、そこに非常にある部分の認定はございましょうが、ほんとうに確実な方法を定めろという趣旨だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/144
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145・加瀬完
○加瀬完君 「確実な方法」の度合いですよ。やはり判定する裁判所は、一%という信憑性を置いて「確実な方法」という認定をすると解してよろしいでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/145
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146・田中康民
○政府委員(田中康民君) 確実であるということが一〇〇%でございまして、それが必ずもう全部将来にわたっても実行できる方法という、そういう意味で一〇〇%確実だと思って裁判所がやるのではない。その時代におきましては大体確実に一〇〇%そうなるだろうと思いますけれども、結果としてはそうなるかどうかはわからないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/146
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147・加瀬完
○加瀬完君 結果はいいですよ。期待権としては一〇〇%ですよね、これは。
では次に伺います。国有財産特別措置法の第十一条というのに「確実な担保を徴し、」とありますね、「確実な担保」——この「確実」というのはどういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/147
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148・田中康民
○政府委員(田中康民君) 担保の場合におきましては、その担保が必ず担保として役立つものであるということが前提となりますので、担保能力が確実であるこということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/148
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149・加瀬完
○加瀬完君 相当高度の担保能力というように解してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/149
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150・田中康民
○政府委員(田中康民君) お説のとおり、高度の担保能力がない限りは、国としても信用ができませんので、そうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/150
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151・加瀬完
○加瀬完君 この航空法の「確実に取得」という場合にも、「確実」という語を用いている限り相当高度の担保が見込まれてだいじょうぶだ、こういう期待が熟さなければ、確実な取得というには当たらないと解してよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/151
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152・田中康民
○政府委員(田中康民君) ある程度のと申しますか、高度の確実さといいますか、そういう確実さの中にすでに高度性が入っておりますとするならば、「確実に坂得することができる」ということがなければならないことは当然でございますが、ただこれは確実な担保というようなことと違いまして、「確実に取得することができると認められること。」ということでございますので、その認定の幅につきましては確実な担保というよりは少しあるのではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/152
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153・加瀬完
○加瀬完君 それはそうでしょう、しかし、一応の「確実に取得」できるという担保物件はありませんけれども、担保条件というものがなければ、これは「確実に坂得」という証明にはなりませんね。そこで伺いますが、都市計画法というのがありますね。あるいは土地区画整理法ですか、土地区画整理法の十八条によりますと、いろいろの条件が書いてありますね。これらは一つの確実な取得の根拠にはならないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/153
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154・田中康民
○政府委員(田中康民君) 土地区画整理法第十八条は、定款及び事業計画に関する宅地の所有者及び借地権者の三分の二以上の同意がなければ、認可をしてはいけないということになっておりまするので、特に全員の同意でなくても、とにかく三分の二の同意する事業であるから、その部分についてはやってもいいのではないかという公共性の一種の裏打ちであると同時に、少なくとも三分の二が承認いたさなければできないという二つの意味があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/154
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155・加瀬完
○加瀬完君 土地改良法の八十七条の二の三というのがございますね、これも土地区画整理法と同様の趣旨でございますが、これはどう解釈しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/155
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156・田中康民
○政府委員(田中康民君) これも一定の地域にかかる曲辰民、所有者または耕作者を含みました農民が、みずからの土地を改良いたしまするにつきまして、一定の事業を行ないます場合には、そういう土地改良事業を行なうについては、少なくとも三分の二の同意を得なければならないということと、三分の二の同意を得れば、そこにありますような権利制限その他がございまするが、そういうこともできるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/156
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157・加瀬完
○加瀬完君 御説明のように、土地区画整理法の十八条は、土地区画整理組合の設立の認可について規定しておるわけですね。それによりますと、施行地区となるべき区域内の宅地について、所有権者の三分の二以上、あるいは借地権者の三分の二以上の同意を得なければ、土地区画整理はできないということになっているわけですね。それから土地改良法の八十七条の二の三項は、協議事項として、事業計画の要領、「その他必要な事項を公告して、その事業の施行にかかる地域内にある土地について第三条に規定する資格を有する者の三分の二以上の同意を得なければならない。」とございますね。これは三分の二とはっきりきまっているわけです。したがって、三分の一の反対があればできないということになっているわけです。航空法にきめられている「確実に取得」ということと、「三分の二以上の同意」ということを比べてみますと、どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/157
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158・田中康民
○政府委員(田中康民君) 土地改良法または土地区画整理法においては、一定の事業を行なう場合には、その事業についての義務負担と同時に、さらにあとで負担金を課せられたりなんかいたしますので、三分の二の同意という、特に数を限定いたしまして、そういう事業をやる場合に、明確な基準を示したものと考えますが、航空法におきましては、三分の二あったらいいというような、そこら辺の基準はわかりませんので、より土地の取得が確実であるというような、別の抽象的なことばを用いたものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/158
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159・加瀬完
○加瀬完君 私の言うのは、土地区画整理法や、土地改良法による三分の二というものと、いわゆる三分の一の反対があればできないということと、「確実に取得」というパーセンテージはどっちが高いか、もっと具体的に言うならば、「確実に取得」ということは、三分の一以下の反対があっても、「確実に取得」ということにはならないと解すべきではないか。少なくも三分の一の反対があれば、確実に取得できる状態とは認められないと解すべきではないか。比較をいたします場合、一つの同じ土地関係で、区画整理法と土地改良法がありまして、こういう場合でも、三分の一の反対があればできないということになっているのですから、したがって、「確実に坂得」というのは、少なくも三分の一なくても、これは確実に坂得できたという状態ではないと認むべきではないか、こういう点も、法律的にはそう認めるほかないじゃないかという点を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/159
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160・田中康民
○政府委員(田中康民君) 土地改良法等におきまする三分の二は、その土地を所有している者、その人に着目いたしまして、その人数の三分の二ということを考えておりまするので、このほうは数として出てきておりますが、航空法におきまする土地取得の問題につきましては、反対者が幾らということで実はいっておりませんで、ただ、坂得そのものが確実であるかどうかということにかかっておりますので、それを量化して、向こうとどうであるかというふうな関連性と申しますか、そういうものを言うことは困難ではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/160
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161・加瀬完
○加瀬完君 困難じゃないですよ。解釈していけば、ひとりでにわかることなんです。三分の一とは、航空法には規定してないですね。そうでしょう。それで「確実に取得」とあるわけでしょう。また、他の法律には、おおむねとある。おおむねというのは、大体、過半数ということでしょう。おおむねということばでなくて、確実ということばは、これは、もっと不確実要素というものが僅少でなければならないということですね。他の確実という用語の法律上用いられているところは、ほとんど一〇〇%を期待しているわけです。したがって、いま、土地関係で例をとれば、これを比校するのは無理かもしれぬけれども、事実の問題としてこれを比較してみると、三分の一の反対よりも少ない反対でも、確実に取得する状態という認め方をするわけにはいかないと解釈すべきじゃないかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/161
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162・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは、あるいは議論になるかもしれませんのですが、土地を確実に坂得することができるかどうかの判定は、現在、そこにいる人たちの反対ということのみで実は決すべきものではなくて、やはり、そのほかのいろいろな要素を考えて、土地取得が確実にできるかどうかということを判定いたすべきものと思いますので、反対者の数で、これを確実に土地が取得できるかどうかを三分の二なり、その数によってのみ量化することは、実はできにくいのではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/162
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163・加瀬完
○加瀬完君 それはあなた、運輸省の答えることだ、そういう事実問題はね。私は法律問題を言っているのです。取得の交渉をした場合、取得反対だという者が、売り渡し反対、使用権の譲渡反対だというが者三分の一以上あった場合に、これを確実に取得できる見込みがあると認定できるかという法律上の解釈を聞いているのです。交渉してどうこうという、そういう具体的な運用を聞いているのじゃない。現実に、ある時点の段階でそういう結論が出た場合、一体これをどう判定するのだと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/163
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164・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは、きわめて法律上ぎりぎりに申し上げますならば、やはり、確実に取得することができるかどうかは、最終的には、それをほんとうに収用までできるかどうかということに実はならざるを得ないのかと思います。そこで、そういうことから考えまして、政府がこの土地を飛行揚として指定してやっていこうというような場合に、その土地が反対があるから収得できないというふうにはすぐにまいらないのではないかというふうに実は考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/164
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165・加瀬完
○加瀬完君 そんなことありますか。「飛行場にあっては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること。」というその申請者の状態を判定して、飛行場の許可をするかしないかということを運輸大臣が決するわけですね。その判断をする一つの要件になっているわけです。その要件を、公団であるからといって、土地収用法をかければ全部取れるという状態であれば、これは確実に取得できる、そういう解釈をするならば、何のためにこの条項を、こういうものを入れたのです。これは、さっきあなたがおっしゃったように、少なくとも空港敷地に関係ある、権原を有する者の利益保護のために、こういう条項があるのだということをあなたは認めているでしょう。土地収用法を幾らぶっかけてもいいということを認めるならば、利益保護も何もあったものじゃないでしょう。それは牽強付会ですよ、いかに法制局といえども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/165
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166・田中康民
○政府委員(田中康民君) それは、権利の保護はもちろんいたさなければなりませんので、土地収用法をかけること自体を考えることは、観念の問題として申し上げたわけでございまするが、現実の問題として、いま先生おっしゃいますように、反対が強いというような場合には、確実さがある程度その点で薄れるかとも申せるわけでございまして、反対があれば、当然、その確実さは薄れてくるものと解釈していいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/166
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167・加瀬完
○加瀬完君 くどいようですけれども、「確実」ということばが使われておる会社更生法の二百十八条、国有財産特別措置法の十一条、もっとたくさんあるかもしれませんよ。この二例によれば、いずれにしても、その確実というものは、一〇〇%を期待しておるものですよ。期待権としては一〇〇%です。したがいまして、ここでいう航空法の三十九条の五号による確実な取得という、この確実ということも、期待権としては一〇〇%とはいわなくても、大多数が所有権なり使用権なりを公団に提供をする、空港の場合であれば、そういう期待権が熟しておるということを、確実な取得とこれは読み取るべきでしょうね。そうでなかったら空文でしょう、これは。何にも権利者の保護にならないでしょう。三十九条五号は、一人も反対なしということじゃありませんよ。大多数の者が空港設置に賛成だと、権利も移譲いたしましょうという状態をさして、確実な取得の条件と認むべきでしょうね。これはお認めになるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/167
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168・田中康民
○政府委員(田中康民君) いま先生仰せられますように、そういうことにならなければ、飛行場の設置はできませんので、そのとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/168
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169・加瀬完
○加瀬完君 くどいようですけれども、土地区画整理法や土地改良法の三分の一よりも少ない数であっても、確実に取得という条件にはならないと考えるべきでしょうね。こう言いましょうか、三分の一近い反対というものがあれば、確実に収得するという条件は、満たされてれらないと、少なくも考えていいでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/169
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170・田中康民
○政府委員(田中康民君) 土地改良法等の場合におきましては、すべて、人に着目いたしまして、その人数でいっておりますけれども、これは確実に取得することができるかどうかという判定でございまして、その質なり程度の問題が、やはり人間にすぐはね返ってくるものと違いますので、数でいうのは、やはりなかなかむずかしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/170
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171・加瀬完
○加瀬完君 面積でもいいですよ。空港敷地面積の三分の一近い面積の所有者が、反対しておれば、確実に取得できるという条件は満たされないと考えてよろしゅございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/171
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172・田中康民
○政府委員(田中康民君) いま仰せられますのもそうでございますが、その、人たちの反対も、全面反対というのであるか、条件反対というのでありますか、反対の程度もいろいろあると思いますので、そこら辺はなかなか数で量化することはできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/172
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173・加瀬完
○加瀬完君 それじゃ具体的に言いましょう。具体的にこれだけ反対があった場合はどうだとこう聞きましょう。昭和三十九年の九月十八日、富里村当局の調査では、敷地該当地域は、絶対反対五丁七%、同年九月二十五日調査による八街町は絶対反対四五・七一%、無条件賛成は富里四・三%、八街町一二・一七%、とにかく敷地内の反対は五二%ないし四六%、こういうことでございます。この状態はさらに反対が増加をいたしております。こういう状態をかりにそのまま認定をするとすれば、法律的にこういう状態でも確実に取得し得る。要件が整ったと認められますか。事実問題を言っておるのだ。これでどうだと言っておるのだ。これがいいとかうそだとかいう問題はあとのことだ。これでどうだと言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/173
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174・田中康民
○政府委員(田中康民君) いまの数字は、実は私たちそういうことを存じませんので、具体的な数字が先生が仰せられますような数字でありました場合に、しかもその反対の程度がもう将来も変わらないというようなことが認定せられました場合におきましては、確実であるということは言えないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/174
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175・加瀬完
○加瀬完君 わかりました。少なくとも法律解釈からすれば、土地区画法や土地改良法で三分の一の反対でだめということになっておるのですから、三分の一と規定しないで確実に取得ということであれば、面積か人数か知りませんけれども、いずれにしても、もう三分の一前後の反対があれば、これは確実に取得できる状態とは認められないと、いろいろ条件はありますよ。ありますけれども、客観的に言えばそう判断してよろしいんじゃないですか。三分の一の反対があって確実に取得できるという状態だと考えられますか。法律の解釈の上でですよ。それを法制局はっきりさしてもらいたいですね。それを運用の上でどういうふうにあんばいするかということは、これは大臣や局長のやることで、法律はどうだということをはっきりしておいてくれないと困るのです。それでまた摩擦が起こりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/175
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176・田中康民
○政府委員(田中康民君) ただいまのような前提がございました場合には、しかも、半分以上も反対であって、その決意は絶対に変わらない。その場合には確実に取得できると認められないであろうということは、お説のとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/176
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177・加瀬完
○加瀬完君 法律解釈じゃおかしいでしょう。半分以上ということはあたりまえでしょう。おおむねということばは、半分以上ということを言っておるのでしょう。だから確実に取得ということは半分じゃないですよ。過半数なんていう解釈はできませんよ。いま三分の一を私は例に出しておる。他の法律で、三分の一の反対があればできるできないという条項があるのだから、確実ということになると、三分の一よりももっと少ない数でも確実という条件にはならないじゃないか。確実ということは、みんな、一〇〇%期待しておるのです。あらかた賛成でなければ確実というふうに言われないというふうに、ここでは読み取るべきじゃないですか。過半数とか三分の二とかそんなような数字じゃないのですよ。それはどう考えたってそうでしょう。ですから私は前提に念を押したでしょう。確実という法律の用語は、ここで使っているのもほかで使っているのも同じですね。あなたは同じだと言った。それなら会社更生法や何かで確実というのは一〇〇%期待しておる。ここだって同様に一〇〇%とは言われなくとも、それに近い大多数というものが、大方が賛成するという状態でなければ、確実に取得とは認められないとこれは解釈すべきではないですか。これはお認めになるでしょう。認めなければおかしいでしょう、その解釈を聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/177
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178・田中康民
○政府委員(田中康民君) これは過半数と申したのは、いま例をあげられたのが何か五一%ということでございましたので、申し上げたわけでございまして、それにこだわっているわけではございません。要はそういう相当の部分が反対しておるような場合に、確実に取得することができるというふうに考えることはこれはできないものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/178
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179・加瀬完
○加瀬完君 相当ではだめだ、確実というのが一体どういうことかということを聞いておるのですから、厳密に法律的に。だから三分の一でもだめだという例があるのだから、法令が。それよりも一確実ということは、さらに一〇〇%に近いものを期待しておるのじゃないですか。こういうことを、言っておるのです。政府委員(田中康民君) 三分の一の問題は、これは実はこれと直ちに結びつきませんので、他の法律に三分があるから確実というのは、それよりも少ない数であろうというようなことではないということを実は私は申し上げたわけでございます。相当というのは確かに行き過ぎるので、そこまでは申しておりません。宴は確実にある程度の反対者がいる場合には、確実に取得することができないものとこういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/179
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180・加瀬完
○加瀬完君 ここに三分の一以上の反対があればできませんという法律があるのだから、それと比較した場合、同じ土地関係の問題だから、少なくとも三分の一という例を出さないで、確実に。取得ということを出しておる限りは少なくとも三分の一にならないでも、相当の反対があればこれは確実に取得できる状態とは読みとるべきでないと解すべきじゃないかというのです。つながらないとおっしゃるけれども、つながっておりますよ。土地収用をするということでは、土地の取得をするということでは、対象が土地ですから、つながっております。ですから確実に取得ということばを相当厳密にここでは使われておると解すべきです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/180
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181・田中康民
○政府委員(田中康民君) 私は三分の一ということが論理必然的につながっているものではないというふうに申したわけでございまして、いま仰せられますように、三分の一、あるいはそれに近いものが反対であるという場合に、当然に確実に取得することができると認められないことは、これは先ほど申し上げたとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/181
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182・松平勇雄
○委員長(松平勇雄君) じゃ、暫時休憩いたします。
午後四時七分休憩〔休憩後開会に至らなかった〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104813830X02519650518/182
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