1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月十六日(火曜日)
午前十時四十七分開会
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委員の異動
一月二十一日
辞任 補欠選任
小柳 勇君 大和 与一君
一月二十二日
辞任 補欠選任
鬼木 勝利君 白木義一郎君
一月二十九日
辞任 補欠選任
石井 桂君 増原 恵吉君
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出席者は左のとおり。
委員長 安田 敏雄君
理 事
稲浦 鹿藏君
熊谷太三郎君
瀬谷 英行君
委 員
小沢久太郎君
小山邦太郎君
徳永 正利君
森田 タマ君
米田 正文君
田中 一君
武内 五郎君
田上 松衞君
村上 義一君
国務大臣
建 設 大 臣 小山 長規君
政府委員
建設大臣官房長 鶴海良一郎君
建設省計画局長 志村 清一君
建設省都市局長 鮎川 幸雄君
建設省河川局長 上田 稔君
建設省道路局長 尾之内由紀夫君
建設省住宅局長 尚 明君
建設省営繕局長 小場 晴夫君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
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本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
(昭和四十年度建設省関係の施策及び予算に関
する件)
(建設省関係提出予定法律案に関する件)
○住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
送付、予備審査)
○派遣委員の報告
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/0
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001・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) それでは、ただいまから建設委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る一月二十一日、小柳勇君が委員を辞任せられ、その補欠として大和与一君が選任され、二十二日に鬼木勝利君が辞任せられ、その補欠として白木義一郎君が選任せられました。また、一月二十九日石井桂君が委員を辞任せられ、その補欠として増原恵吉君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/1
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002・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、当面の委員会の運営につきましては、去る四日及び十一日の理事会において協議の結果、お手元にお配りいたしております審議予定表の順序で進めることになりましたので、御了承を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/2
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003・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) それでは、本日の議事に入ります。
昭和四十年度建設省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。
初めに、建設大臣から、建設行政の基本施策について、所信を承りたいと存じます。小山建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/3
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004・小山長規
○国務大臣(小山長規君) 第四十八回国会の建設委員会審議に臨みまして、建設行政の基本施策について所信を申し述べたいと存じます。
政府は、経済開発と均衡のとれた社会開発の推進を政策の基調といたしており、社会資本の整備、住宅及び生活環境施設の充実が一そう要請されるに至っております。
このような情勢に対処して建設行政を推進するにあたり、私は、国土建設の基本構想に基づき、中期経済計画と関連をとりつつ、各種の長期計画を策定し、各般の施策を進めていく所存であります。
以下、建設行政の当面の重要事項について施策の概要を申し上げます。
まず、住宅対策につきましては、社会開発の中核として最重点を置いてその推進をはかる考えであります。
四十年度におきましては、政府施策住宅約三十四万戸の建設を計画し、特に低額所得者及び都市勤労者に対する公営住宅、公団住宅等の公共賃貸住宅、中堅階層の勤労者に対する住宅金融公庫融資及び住宅公団による分譲住宅の供給を大幅に拡充する所存であります。また、この中堅階層の勤労者向け持ち家建設のため、都道府県及び大都市に住宅供給公社を設立し、資金の積み立てと住宅の供給を行なわせるため、住宅供給公社法案を今国会に提出することといたしております。なお、既成市街地における中高層住宅の建設を促進する等のため、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしております。
次に、宅地問題でありますが、最近における地価の高騰と宅地の入手離はいまや重大な社会問題であり、建設省としても新しい決意をもって積極的な宅地対策を推進しなければならないと考えます。このため四十年度においては住宅公団、住宅金融公庫、地方公共団体等により、大量の宅地造成事業を推進することとし、あわせて地価抑制のための宅地に関する諸制度の検討を進める所存であります。なお、従来各部局にわたって行なわれておりました宅地行政の処理を一元化し、これを総合的に推進するため計画局に宅地部を設置することといたしております。
現在特に問題になっております過密都市対策につきましては、基本的には全国的視野に立って拠点都市を適正に配置し、その開発をはかることにより大都市に対する集中の圧力を緩和するとともに、大都市を高度の中枢機能を持つ都市として整備する必要があります。このため、一方において幹線街路、都市高速道路等の主要な都市施設の整備、副都心の育成、流通センターの建設等の促進によって大都市の既成市街地内部の都市機能を高めるとともに、他方において新産業都市等の整備を促進する所存であります。
次に、治水対策につきましては、現行の治水事業十カ年計画にかえて、新たに四十年度を初年度とする総投資規模一兆一千億円の新治水事業五カ年計画を策定し、治水事業を強力に促進してまいりたいと考えております。このため治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしております。さらに、新河川法の施行により水系を一貫した河川の総合的な管理を強化することとし、四十年度においては、一級河川として十五水系を指定する所存であります。
道路整備につきましては、さきに新道路整備五カ年計画を閣議決定いたしましたが、四十年度はその第二年度として緊急に施行を要する新規路線の区間を含め高速自動車国道の建設を促進するとともに、一般道路については、約三千キロメートルの改良工事と約四千九百キロメートルの舗装工事を実施することといたしておりますが、その実施にあたっては地域的な配慮を十分加えていきたいと考えております。国道については約一万一千キロメートルにわたって直轄維持管理を行ない、また、交通事故防止のための交通安全施設の整備も進めていく所存であります。
都市施設のうち特におくれている下水道につきましては、さきに総投資規模三千三百億円の下水道整備五カ年計画の大綱を閣議了解いたしましたので、これにより下水道の整備を一そう促進する所存であります。
最後に、建設業につきましては、その近代化と施工能力の一段の増大をはかり、特に輸出振興と国際協力の見地から海外進出を積極的に推進してまいりたいと考えます。
以上、建設行政の基本施策について概要を申し述べましたが、これらの施策を円滑に遂行していくためには、行政組織の面においてもこれに即応する事務執行体制の確立が必要となってまいりました。このため、宅地部の設置、地方建設局への事務委譲等を内容とする建設省設置法の一部を改正する法律案を今国会に提出しております。何とぞ委員各位の一そうの御指導、御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/4
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005・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、鶴海官房長から、昭利四十年度建設省関係予算の概要説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/5
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006・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 建設省関係の昭和四十年度歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。
まず、総額について申しますと、建設省所管の一般会計歳入歳出予算といたしましては、
歳入は 二十二億三千二百余万円
歳出は 四千五百四十二億八百余万円であります。歳出におきましては、このほかに、総理府及び労働省の所管予算として計上されますが、実質上建設省所管の事業として実施される予定の経費等がありますので、これらを合わせますと、昭和四十年度の建設省関係予算は、五千二百五十四億七千二百余万円となり、前年度の当初予算に比べ六百九十一億七千百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ六百二億二千六百余万円の増加となっております。なお、このほかに国庫債務負担行為として、官庁営繕に三十億八千百余円、国立国際会館建設に一億七千七百万円を予定いたしております。
次に、特別会計予算の概略を御説明いたします。
道路整備特別会計の昭和四十年度の予算総額は、歳入歳出とも三千四百八十三億七千九百余万円で、前年度の当初予算に比べ四百四十億五百余万円の増でありまして、一般会計より受け入れとして三千百三十八億九千七百万円、地方公共団体工事費負担金収入として二百六十九億二千三百万円、前年度剰余金受け入れとして六億円を予定いたしております。
なお、このほかに国庫債務負担行為として直轄道路改築事業に百七十五億円、葛飾跨道橋架設付帯工事に四億八千七百万円、街路事業費補助に三十三億六千万円、首都圏街路事業費補助に二十億円を予定いたしております。
次に、治水特別会計でありますが、本特別会計の昭和四十年度の予算総額は、歳入歳出とも一千百四十七億六千九百余万円で、前年度の当初予算に比べ百二十九億五千五百余万円の増となっております。
これを勘定別にいたしますと、まず、治水勘定につきましては、総額九百八十四億二千六百余万円で、前年度の当初予算に比べ百四十五億六千四百余万円の増でありまして、うち一般会計より受け入れとして八百九億四千六百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として百十七億七千八百余万円、前年度剰余金の受け入れとして一億九千九百余万円を予定いたしております。また、特定多目的ダム建設工事勘定につきましては、総額百六十三億四千二百余万円で、前年度の当初予算に比べ十六億八百余万円の減でありまして、内一般会計より受け入れとして百五億四千百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として十九億三百余万円、電気事業者等工事費負担金収入として二十億余万円、前年度剰余金の受け入れとして三億二千八百万円を予定いたしております。なお、このほかに国庫債務負担行為として直轄河川改修事業に十八億六千八百万円、多目的ダム建設事業に四十四億円を予定いたしております。
次に、個々の事業予算の重点について御説明いたします。
第一に住宅及び宅地対策について申し上げます。政府といたしましては、国民生活の安定向上と社会福祉の充実をはかるため、現下の住宅事情を改善して昭和四十五年度までに、すべての世帯が安定した住生活を営むことができる「一世帯一住宅」を実現することを目標として、住宅対策を強力に推進してまいる所存であります。このため、昭和三十九年度以降七カ年間に政府施策による住宅三百万戸以上を供給することとし、また、昭和三十九年度から四十一年度までの三カ年に公営住宅二十万戸を建設する第五期公営住宅建設三カ年計画の決定を見ている次第であります。これらに基づきまして、昭和四十年度においては、政府施策住宅約三十四万戸の建設を計画しております。これは、戸数において、前年度より約二万戸の増加でありますが、このほか、特に昭和四十年度におきましては、住宅の質の向上をはかるため不燃堅牢構造の住宅の増加等を行ない、また、建設単価の是正をはかることといたしております。
次に、最近における宅地の入手難及び地価の高騰に対処するため、宅地供給の大幅な増加をはかることとし、このため日本住宅公団における宅地開発事業及び住宅金融金庫における宅地の取得、造成に対する融資についてその資金量の増大をはかるとともに、地方公共団体及び土地区画整理組合が実施する土地区画整理事業方式による宅地造成につきましても資金の融通をはかり、これを推進してまいる考えであります。
政府施策住宅に対する予算措置としては、公営住宅に対しましては、一般会計予算において三百二十七億八千三百余万円を予定し、第一種住宅二万六千戸、第二種住宅三万九千戸、計六万五千戸と、過年発化災害によるもの五百五十五戸の建設に対し、補助することとしております。住宅地区改良専業に対しましては、一般会計予算において三十一億一千九百九十余万円を予定し、劣悪な居住環境を改善するとともに、市街地の合理的利用をはかるため、不良住宅の除却、一時収容施設の設置及び改良住宅四千五百戸の建設に対し、補助することとしております。
次に、住宅金融公庫につきましては、産業投資特別会計からの出資金四十億円のほか借り入れ金等を合わせて一千四十四億二千九百万円の資金のほか新たに貸し付け金利と資金運用部資金等借り入れ金利との金利差につき二億四千七百万円の補給を行なうこととして、これにより十三万七千戸の住宅の建設、五百万坪の宅地の取得、三百六十万坪の宅地の造成等に要する資金の貸し付けを行なうこととしており、特に分譲住宅戸数を八千戸堺の二万五千戸と大幅に増加し、融資率も五%増の八〇%としております。さらに中堅勤労者に対する持ち家の供給を強力に推進していくために、都道府県及び大都市に新たに住宅供給公社を設立して、計画的な資金の積み立てを行なうようにすることとしております。また、公共住宅用の足貸しの融資率を引き上げ、新たに、土地を所有する者が建設する中高層住宅についての高率貸し付け、住宅改良資金の貸し付け及び大規模宅地開発に伴なう学校施設建設資金の貸し付けを行なうことといたしております。
なお、宅地債券については、昭和四十年度におきましては、二十五億円を発行することとしております。
次に、日本住宅公団につきましては、借り入れ金等一千百二十七億四千八百万円の資金のほか、新たに賃貸住宅建設事業の算定金利と資金運用部資金等借り入れ金利との金利差につき三億三百万円の補給を行なうこととしており、これにより賃貸住宅二万六千戸、分譲住宅一万四千戸、計四万戸及び市街地施設の建設を行なうとともに、宅地については、継続一千七百二十五万坪、新規四百五十万坪の住宅用地及び継続四百九十万坪、新規百万坪の工業用地の開発事業を行なうほか、研究学園都市の建設用地を取得するため、五十八億円を限度として債務負担を行ない得ることといたしております。
また、宅地債券三十八億円を発行することとしているほか、前年度から設けられた住宅債券については、昭和四十年度におきましては、九億円を発行することといたしております。
以上のほか、都市における火災その他の災害を防止し、あわせて土地の合理的利用の促進及び環境の整備をはかるため、防災街区造成に対する補助金として、一般会計予算において三億円を予定いたしております。
第二に、道路整備事業について御説明いたします。
道路整備事業につきましては、道路交通需要の増大に即応するとともに、国土の総合的な開発と利用をはかるため、新道路整備一五カ年計画の第二年度として、東名高速道路、中央高速道路をはじめとする高速自動車国道等の建設の促進、一般国道及び地方道の整備、特に一般国道の管理体制の強化と奥地等産業開発道路の整備、首都高速道路、阪神高速道路及び幹線街路の建設、都市内の主要な交差点の立体化、雪寒道路事業の拡大並びに交通安全施設の整備等に重点を置いて、積極的に事業の推進をはかることといたしております。
なお、国道については、道路法の改正により従来の一級国道、二級国道の区別が廃止され、一般国道として取り扱うことになりましたが、昭和四十年度から元二級国道の一部についても直轄で改築及び維持修繕を行なうことといたしております。
昭和四十年度における一般道路事業予算の主なものとしては、一般国道に一千九百七十六億五千余万円、主要地方道に四百六十四億五千六百余万円、一般地方道に四百五十八億四千三百余万円、市町村道に二百四十一億二千三百余万円を予定し、これにより約三千キロメートルの改良工事と約四千九百キロメートルの舗装工事を実施することといたしております。
次に、国道の直轄管理体制を強化するため、昭和四十年度においては、総計約二万一千キロメートルの区間について直轄で維持管理を行なう予定であります。
また、奥地等産業開発道路として十六億円を計上し、その整備を飛躍的に促進することといたしております。
なお、高速自動車国道等の調査費として二億四千万円を計上し、これにより自動車道の調査の促進をはかるとともに、本州四国連絡架橋調査費として六億四千五百万円を計上して、おおむねの結論を得ることといたしております。
さらに、積雪寒冷特別地域における道路交通を確保するため、これに必要な道路事業費及び機械費として六十六億一千八百余万円を計上したほか、交通安全対策事業として特に防護さくの設置を促進することといたしております。
また、街路事業の予算につきましては、前述の道路関係予算に六百九十六億一千八百万円が含まれておりますが、これによりまして、道路改良、橋梁整備及び舗装新設の街路事業を実施して、都市内交通の円滑化をはかるほか、人家の密集した地区で、幹線街路の整備とともに市街地の合理的利用をも必要とする地区において、都市改造土地区画整理事業と市街地改造事業を実施することといたしております。
次に、有料道路について御説明いたします。まず、日本道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金百二十億円のほか、借り入れ金等を合わせて一千二百二十九億五千六百万円の資金をもって事業を行なうこととしており、高速自動車国道については、東名高速道路及び中央高速道路東京−富士吉田間の建設の促進をはかるとともに、新たに国土開発縦貫自動車道については、予定路線が決定している東北、中国、九州、北陸及び中央自動車道富士吉田−小牧間の五路線の自動車道のうち、緊急を要する区間の建設に着手する予定であります。また、一般有料道路については、第三京浜道路等六路線を完成するとともに、大阪天理道路、北九州道路等の工事を進め、明石バイパス等の新規の事業にも着手する予定であります。
次に、首都高速道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金十五億円、地方公共団体からの出資金十五億円のほか、借り入れ金等を合わせて四百四十億五千四百万円の資金により事業を行なうこととしており、すでに実施している七路線の建設をさらに促進し、このうち、二号線環状部分、二号分岐線及び三号線を完成する予定であります。
次に、阪神高速道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金十億円、地方公共団体からの出資金十億円のほか、借り入れ金等を合わせて二百三十二億八千三百万円の資金により事業を実施することとしており、前年度に引き続き大阪一号線及び神戸一号線の建設を促進し、このうち、大阪一号線の梅田−上大和橋間を完成するほか、新規に大阪二号線の一部の建設に荒手する予定であります。
第三に、治水事業について御説明いたします。
政府におきましては、国土の保全と民生の安定を期する見地から、治水事業の格段の促進につとめてきたところでありますが、近年の災害の発生の状況及び河川流域の開発の進展並びに水資源開発の急務にかんがみ、現行の治水事業十カ年計画の後期五カ年計画を廃止し、新たに、昭和四十年度を初年度とする総投資規模一兆一千億円の新治水事業五カ年計画を策定し、治水事業の一そうの推進をはかることといたしております。
昭和四十年度の事業につきましては、新河川法が本年四月一日から施行されることに伴い、一級水系として利根川ほか十四水系を指定する予定のもとに、新治水事業五カ年計画の初年度として、河川、多目的ダム、砂防及び水資源開発の各事業について、緊急施行を要する事業の促進をはかることといたしております。
昭和四十年度の治水事業関係予算のおもなものとしては、治水特別会計において河川事業に六百十五億六千三百余万円、多目的ダム建設事業に二百一億七千三百余万円、砂防事業に二百五億八千三百万円、永資源開発公団交付金に五十二億五千余万円、一般会計において海岸事業に三十六億二千四百余万円、チリ地震津波災害地域津波対策事業に二億九千万円を予定いたしております。
次に、そのおもな内容について申し上げます。
まず、河川事業につきましては、経済効果の大きい重要な河川、放水路工平、東京湾、大阪湾等重要地域における高潮対策、大規模な引き堤工事、捷水路工事及び低地地域における内水排除施設の整備並びに地域の開発、水害の発生状況等から緊急に改修を要する河川等に重点を置いて事業の促進をはかる方針であります。
すなわち、直轄河川については、一級水系十五水系二十五河川、二級水系七十五河川及び北海道特殊河川として十六河川の改修事業を継続して施行し、さらに、新規に野洲川ほか一河川の改修に着手する予定であります。
補助事業について、中小河川改修事業として継続施行中の四百二十河川のほか、緊急に改修を要する三十河川を新規に採択するとともに、小規模河川改修事業として継続施行中の三百六十三河川のほか、新規に七十三河川の着工を予定いたしております。
高潮対策事業については、東京地区は緊急三カ年計画に基づき事業を進め、大阪地区は前年度をもって完了した緊急三カ年計画事業に引き続き大阪、兵庫地区の専業を実施する予定であります。
次に、多目的ダム建設事業につきましては、治水効果及び諸用水需要の増大を考慮して事業の促進をはかることといたしております。
すなわち、直轄事業では十ダムを継続して施行するほか、新規に矢作川矢作ダムほか三ダムを施行することとし、また、実施計画調査としては二ダムの調査を継続するほか、新規に石狩川の豊平峡ダム及び大雪ダムの調査に着手することといたしております。
補助事業としては、二十二のダムを継続して施行するほか、新規に雲出川君ケ野ダム等二ダムに着手することとし、また、実施計画調査としては五つの、ダムの調査を継続するほか、新規に増田川樽水ダム等六ダムの調査を実施する予定であります。
また、水資源開発公団において行なう利根川及び淀川の水資源開発事業については、継続施行中の利根川矢木沢ダム等四ダムのほか、新規に利根川河口せき等三ダムの建設事業に荒手することとし、これらのダムの建設費の治水負担分として交付金を交付し、その促進をはかることといたしております。
次に、砂防事業につきましては、直轄砂防事業として継続施行中の二十六河川及び直轄地すべり対策中業として継続施行中の四河川について事業を実施することといたしております。
補助事業としては、近年災害発生の著しい河川及び土砂による被害の著しい河川に重点を置いて施行するとともに、都市周辺及び重要地域における予防砂防を実施することといたしております。
次に、海岸事業につきましては、近年頻発する海岸災害の被害状況にかんがみ、重要な地域における海岸保全施設の整備に重点を置き、直轄事業として継続施行中の十海津の事業の促進をはかる予定であります。
補助事業についても、同様の方針のもとに、高潮対策事業、侵食対策事業として継続施行中の百七海津のほか、新規に四十二海岸を予定いたしております。
第四に、災害復旧対策関係予算について御説明いたします。
災害復旧対策関係予算の総額は、一般会計よりの歳出として四百四十五億九千余万円でありまして、その内訳は、災害復旧事業費三百九十五億七千八百余万円、災害関連事業費四十七億五千七百余万円、鉱害復旧事業費二億五千四百余万円であります。
そのおもな内容を申し上げますと、まず、災害復旧事業費につきましては、直轄災害は内地二カ年、北海道三カ年復旧の方針に基づき三十八年災は完了し、三十九年災は内地分は完了し、北海道分は八〇%の進捗をはかることといたしております。
補助災害については、緊要事業は三カ年、全体として四カ年で復旧する方針のもとに事業の進捗をはかることといたしております。
また、災害関連事業につきましては、災害復旧事業とあわせて適切な実施をはかり、再度の災害を防止するため効果をあげることといたしております。
第五に、都市計画事業について御説明いたします。
昭和四十年度における都市計画事業関係予算は八面四十三億五千八百万円であります。このうち、街路関係事業の予算額は、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団に対する出資金を含め七百二十一億一千八百万円でありまして、これにつきましては、すでに申し述べました道路整備特別会計に計上されております。
次に、一般会計に計上されております都市計画事業の予算額は百二十二億四千万円でありまして、これにより下水道及び公園の整備をはかることといたしております。下水道関係の予算額は百十六億九千万円で、前年度の当初予算に比べ二十八億七千万円の増でありますが、事業の緊要性にかんがみ、下水道整備五カ年計画に基づき事業を促進し、都市施設中最もおくれている下水道の整備につとめる所存であります。
また、公園関係の予算額は五億五千万円で、前年度の当初予算に比べ七千二百万円の増であり、これによりまして国労公営、都市公園及び墓園の整備をはかることといたしておりますが、特に児童公園の整備につきましては、意を用いる考えであります。
第六に、官庁営繕について御説明いたします。
建設省で実施いたします国費支弁の営繕のうち、建設省所管予算として計上されておりますのは百四億二百余万円でありまして、前年度予算に比べ二十一億二千四百余万円の増となっております。
これによりまして中央、地方及び港湾合同庁舎の建設、その他一般官署の建てかえ、国立国際会館の完成等をはかることといたしております。
以上が昭和四十年度の予算の概要でありますが、なお、組織関係のおもなものといたしましては、本省においては、宅地行政の総合的かつ効率的な推進をはかるため計画局に宅地部を置き、その下に、宅地政策課を設け、宅地開発課を住宅局から移しかえる等所要の措置を講じるとともに、付属機関においては、建設研修所を改組して建設大学校を設置し、地方建設局においては、本省からの事務の大幅な委譲に伴い各地方建設局に計画部を、また、直轄事業の増大に伴い中部地方建設局に用地部を新設する等所要の整備を行なうことといたしております。
定員につきましては、当省関係のアタッシェが外務省定員に計上されることとなったための振りかえ減一人のほか、すべて既定定員内の振りかえにより所要の整備を行なうこととし、全体としては昭和四十年度における建設省の定員は三万五千七百十九人となります。
以上をもちまして、昭和四十年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算の説明を終わります。よろしく御審議のほどをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/6
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007・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 以上で建設大臣及び官房長から説明を聴取いたしましたが、これらに対する質疑は、後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/7
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008・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、官房長から今期国会提出予定法案について説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/8
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009・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 今国会に提出いたしております法案及び提出を予定いたしております法案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
すでに提出いたしました法案は三件ございます。いずれも予算関係の法案でございます。近く提出を予定いたしております法案が三件ございます。以上合わせて六件でございます。
次に、法案の要旨を御説明申し上げたいと思います。
まず第一に、建設省設置法の一部を改正する法律案でございますが、これは第一点といたしまして、計画局に宅地部を設置し、現在計画局、都市局及び住宅局が所掌しております宅地に関する事務を統合して所掌せしめることといたしております。
第二は、地方建設局が分掌する事務として新たに所管事業の助成及び監督等に関する事務を加えることといたしておりまして、これに伴い地方建設局に計画部を新設することといたしております。
第三点は、中部地方建設局に用地部を置くことにいたしております。
第四点は、建設研修所を建設大学校に改めることにいたしております。
第五点は、建築及び建築士に関する重要事項を調査審議させるため建築審議会を設け、これに伴い中央建築士審議会及び一級建築士試験委員を廃止して中央建築士審査会を設けることといたしております。
第六点は、公共用地審議会に昭和四十一年三月三十一日までの間公共補償の基準に関する重要事項を調査審議させることにいたしております。
第七点は、建設省の定員を一人減じて三万五千七百十九人といたしております。
次に、治山治水緊急設置法の一部を改正する法律案でございます。これは、農林大臣は、新たに昭和四十年度を初年度とする治山事業五カ年計画の案を、また、建設大臣は、新たに昭和四十年度を初年度とする治水事業五カ年計画の案をそれぞれ作成しまして、閣議の決定を求めなければならないことにいたしております。
なお、これに伴いまして、国有林野事業特別会計法及び治水特別会計法の所要の改正を行なうことにいたしております。
次に、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案でございます。
第一点は、公庫の貸し付けを受けて、みずから居住するために住宅を必要とする者に対し、住宅を建設して賃貸し、または譲渡する事業を行なう者の範囲に、個人を加えることにいたしております。
第二は、公庫は、新住宅市街地開発事業またはこれに準ずる政令で定める事業につきまして、土地の取得造成資金を貸し付ける場合には、学校施設で政令で定めるものの建設に必要な資金をあわせて貸し付けることができるものといたしております。
第三点は、公庫は、住宅改良資金の貸し付けを行なうことができるものとし、増築資金及び改修資金の貸し付けをこれに統合することにいたしております。
第四点は、公庫の貸し付けを受けて建設される賃貸住宅または分譲住宅その他の住宅で政令で定めるものと一体として建設される店舗、事務所等の建設のための貸し付け金につきましては、貸し付け金の限度を建設費の七割五分から八割に引き上げることにいたしております。
第五点は、土地所有者等が、みずから居住するための住宅を必要とする者に対し賃貸し、または譲渡するために、当該土地に中高層耐火建築物等で、その全部が住宅であるものを建設する場合におきましては、貸し付け金の限度は、その建設費及び当該建築物の建設に通常必要な土地等の取得に必要な費用を合計した額の八割五分に相当する金額とすることといたしております。
第六点は、公庫の貸し付けの対象となります住宅の床面積及び建設費の制限に関する規定を削除することにいたしております。
第七点は、公庫の理事の定員を一人増しまして、六人以内といたしております。
なお、以上の改正に伴いまして、産業労働者住宅資金融通法あるいは北海道防寒住宅建設等促進法につきまして、所要の改正を行なうことにいたしております。
次に、住宅供給公社法案につきまして御説明いたします。地域住民に対しまして住宅及び宅地を供給するとともに、持ち家住宅の建設資金の積み立てを奨励するため、住宅供給公社を地方公共団体の全額出資によりまして、都道府県または大都市に設立することにいたしております。この公社をいたしまして住宅、共同施設、利便施設等の建設、購入、賃貸その他の管理、譲渡など、あるいは宅地の収得造成、積み立て金の受け入れ等を行なわせるとともに、住宅金融公庫の資金の貸し付け、減税等の助成措置を講ずることといたしております。
それから次に、水防法の一部を改正する法律案でございます。水防団長または水防団員で非常勤の者が退職しました場合におきましては、市町村または水防事務組合にありましては条例で定めるところにより、また、水害予防組合にありましては組合会の議決で定めるところによりまして、その者に退職報償金を支払わなければならないということにいたしたいと思っております。
それから次に、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案でございます。最近におきます有料道路の整備の実情にかんがみまして、有料道路の管理運営を総合的かつ合理的に行ない、もって道路整備の効率的推進に資するために、採択基準、料金の額及び料金の徴収期間等につきまして所要の改正を行ないたいと考えております。
以上、法案といたしましては六件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/9
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010・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、提案理由の説明を聴取いたします。小山建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/10
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011・小山長規
○国務大臣(小山長規君) ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
住宅金融公庫は、昭和二十五年設立以来、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の建設に必要な資金を融通し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったのであります。
この法律案は、最近の公庫の貸し付け金に対する要望及び公庫の業務運営の実情にかんがみ、公庫の業務の範囲を拡大するとともに、既存の貸し付け制度の改善等を行なおうとするものであります。
その要旨を申し上げますと、まず第一に、市街地の高度利用をはかりつつ住宅建設を推進する方策として、次の諸点の改正を行なうことといたしました。
その一つは、住宅金融公庫法第十七条第一項の貸し付けを受けて住宅の賃貸または分譲事業を行なう者の範囲に個人を加えたことであります。現在、この貸し付けは、公益決人及び地方公共団体のほか、土地を所有する会社に対して行なわれておりますが、土地を所有する個人に対しても、中高層住宅を建設する場合には、この貸し付けを行なうことができるようこの改正を行なうものであります。
その二は、公庫の貸し付け金による賃貸住宅等の公共的住宅を含めて一体として建設される中高層耐火建築物等内の非住宅部分、すなわち、店舗、事務所等につきましては、特に市街地における一般勤労者向けの住宅の建設を一段と促進する見地から、貸し付け金の限度を建設費の七割五分から八割に引きしげたことであります。
その三は、土地所有者等が住宅金融公庫法第十七条第十項の貸し付けを受けて、当該宅地に賃貸または分譲するため中高層耐火建築物等でその全部が住宅であるものを建設する場合は、その貸し付け金の限度は建設費のほぼ全額とすることとしたことであります。すなわち、市街地において土地所有者等が賃貸または分譲住宅を建設する場合の貸し付けにつきましては、土地の有効利用を推進する見地から、住宅金融公庫法第十七条第一項の貸し付けにおきますと同様、建設費の九九%程度を貸し付ける制度を設けようとするものであります。
なお、以上に述べました住宅の建設費のほぼ全額の貸し付けは、市街地の土地所有の現状にかんがみ、土地所有者のほか、借地権を有するものについても、行なうことといたしました。
第二に、宅地開発事業の円滑な推進をはかるため、学校施設の建設に必要な資金を貸し付けることができることといたしました。
新住宅市街地開発事業等の大規模な宅地造成事業におきましては、良好な居住環境を整備するため、居住者の利便のため必要な施設を建設する必要がありますが、特に緊急性の強い学校施設の建設資金を宅地造成資金にあわせて貸し付けることができることとしたものであります。
第三に、既存の住宅の居住性等の向上を推進するため、住宅改良資金の貸し付け制度を設けることいたしました。
現在、公庫は、住宅の増築資金及び改修資金の貸し付けを行なっておりますが、両者はその内容が類似しております点等から、利用者の利便のため、これらを統合して住宅改良資金の貸し付け制度を設けようとするものであります。
第四に、第十七条第一項の貸し付けを受ける住宅について、床面積及び建設費の限度を規定している第十九条を削除することといたしました。
最近における生活水準の向上、新建材の発達等の著しい実情にかんがみ、この規定を法律上設けておきますことは、必ずしも適当ではなくなったと考えられますので、この規定を削除することとし、別途実情に即した規制を行ない、その適切な運用を行なうこととしたい考えであります。
第五に、年を追って増加の一途をたどっております公庫の業務の適切な運営をはかるため、理事一名を増員することといたしました。
なお、住宅金融公庫法の一部改正に伴い、産業労働者住宅資金融通法及び北海道防寒住宅建設等促進法についても所要の改正を行なうことといたしました。
以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/11
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012・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 本案に対する審議は、後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/12
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013・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 引き続いて、これより部局別予算の説明を聴取することにいたします。
まず、大臣官房関係の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/13
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014・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 大臣官房関係及び付属機関関係の予算を御説明いたします。
昭和四十年度におきます大臣官房関係の予算の総額は十七億四、十百七十二万円であります。前年度予算十五億六千八十八万円に対しまして、一億八千八十四万円の増でございます。内訳は、本行職員の人件費等が十七億一千百四十二万六千円であります。各種審議会運営費が六百四十一万一千円でございます。その他一般事務処理費二千一三百八十八万三千円となっております。
次に、付属機関関係について御説明申し上げます。
昭和四十年度における国土地理院の予算総額は十四億四千五百八十八万六千円で、前年度予算十二億九千九百九十九万八千円に対しまして、一億四千五万八十八万八千円の増でございます。
以上の予算のうち、おもなものといたしましては、国土基本図等基本図作成に必要な経費といたしまして、四十年度予算に六億二千五百六十五万二千円でございます。前年度予算五億一千七百七十五万円に対しまして、一億七百九十万二千円の増でございます。この経費は、国土の総合開発及び土地の高度利用等に資するため、山林部分を除く国土全域の空中写真を撮影し、かつ、国土の地形及び土地利用の現状を精密に図示することを目的とする二千五百分の一及び五千分の一の地形図を作成いたしますとともに、国土全域につきましては二万五千分の一の地形図の作成を促進するために必要な経費であります。
次に、昭利四十年度におきます土木研究所の予算の総額は一億一千七百十一万九千円でございまして、前年度予算二億八千七百五十七万八千円に対しまして、二千九百五十四万一千円の増でございます。以上の予算のうちおもなものといたしまして、土木関係研究費一億一千九百三十一万五千円でありまして、この経費は、土木技術の基本的研究と、困難な計画及び調査設計に対する技術的問題を解明し、土木技術の向上と工事費の節減をはかるためのものであります。
次に、昭和四十年度におきます建築研究所の予算の総額は三億一千三百八十一万一千円でございまして、前年度予算一億九千四十四万円に対しまして、二千三百三十七万一千円の増でございます。以上の予算のうちおもなものは、建築関係研究費といたしまして七千七百四十八万六千円及び国際地震工学研修、研究経費といたしまして二千七十九万円でございます。建築関係研究費は、建築の材料、構造、施工、設計計画、建築基準法等関係法規の改正並びに公営住宅、官庁営繕その他の建築物の設計、施工の合理的をはかるためのものであり、また、国際地震工学研修、研究経費は、中近東、東南アジア等の地震国からの留学生に対する地震工学の研修等、この分野における国際協力を積極的に推進するためのものでございます。
次に、昭和四十年度における建設大学校の予算総額は二千九百五十四万七千円でございまして、前年度予算二千五百五十三万八千円に対しまして、四百万九千円の増でございます。この経費は建設事業の増大に対処しまして、建設省、都道府県土木建築関係職員等の資質の向上をはかるため、これらの職員に対しまして研修を実施するために必要なものでございます。
以上をもちまして官房及び付属機関関係の予算の説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/14
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015・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、計画局の説明を願います。志村計画局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/15
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016・志村清一
○政府委員(志村清一君) 計画局関係の予算に関して御説明申し上げます。お手元に昭利四十年度計画局関係予算説明資料をお届けしてございますが、そのとびらを開きますと一覧表がございます。それに基づきまして御説明いたしたいと存じます。
計画局は、事業費関係が全然ございませんで、全部行政部費関係でございます。額としてたいへん少ない額でございます。昭和四十年度といたしましては、一億九千六百万円余でございまして、前年に比べまして二千四百万円、一割強の増になっております。そのうち重要事項といたしましては、地価対策がございます。地価対策につきましては、先ほど大臣官房長から説明がございましたように、宅地部を新設いたしまして、宅地に関する行政を統一的に所掌する組織を計画局に設置いたしたいと考えておるわけでございますが、予算といたしましては、現在の宅地事情に対処するために、制度土の措置全般等につきまして、宅地審議会の調査審議を経まして、その整備を促進いたしたいと考えております。
また、土地等の適正な価格の形成に資するための不動産の鑑定評価につきましては、鑑定士試験及びその登録等を適正に行なうような措置をいたしたいと考えております。
また、宅地建物取引業者に対する免許制度を昭和四十年度から実施いたしまして、宅地及び建物の利用促進をはかる所存でございます。
なお、宅地価格の高騰の現状にかんがみまして、大都市及びその周辺部について宅地価格の調査を行ない、地価の公示を行ないたいという予算も計上いたしておるわけでございます。それらの経費合わせまして昭和四十年度千五百万円余でございます。
次に、建設業の海外進出について御説明申し上げます。
建設業の海外進出につきましては、わが国の進出は先進諸国に比べましてたいへん立ちおくれておりますが、それらの現状にかんがみまして建設アタッシェを一名増員し、また、技術専門家の派遣等による海外市場開拓のための調査を積極的に行なうという措置を考えておるわけでございます。それらの経費合わせまして昭和四十年度七百一万円余でございます。
次に、地方計画及び都市開発計画の調査に関しまして御説明申し上げます。
昭和四十年度におきましては、大都市圏及び地方開発都市等につきまして、具体的な開発整備計画の確立等に必要な調査を行なうとともに、重要な拠点となる都市地域について地盤調査を引き続き行ないたいと考えております。また、全国的、総合的な観点から重要な大規模開発計画につきましても、調査を進める所存でございまして、昭利四十年度におきましては日本横断運河及び富士川導水計画について必要な調査を行なう所存でございます。それらの経費は、合わせまして昭和四十年度四千六百万円余でございます。
次に、産業開発青年隊の整備拡充につきまして御説明申し上げます。
産業開発青年隊は、建設業の事業量の増大に伴う建設技能者の不足に対する対策、また、青少年対策の一環といたしまして、本格的な技術訓練を組織的に行ないたいと考えておりますが、昭和四十年度におきましては、特に中央訓練所施設の整備拡充及び訓練内答の充実等に重点を置いて行ないたいと考える次第でございます。それらの経費、昭和四十年度五千八百万円余でございます。この経費のほかに、施設といたしまして、三千百万円を計上いたしたいと考えております。
次に、首都機能に関する調査でございます。東京の過密の現状を打開するためには、相当思い切った調査研究が必要だということでございまして、昭和四十年度におきましては、大都市問題と首都機能との関連等について基礎的な、基本的な調査を行ないたいと考えておる次第でございます。それに要する経費として五百万円を計上いたしました。
以上が計画局関係の予算の概要でございます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/16
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017・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、河川局の説明を伺います。上田河川局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/17
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018・上田稔
○政府委員(上田稔君) お手元に、昭利四十年度治水関係予算、建設省河川局というプリントがございます。
昭和四十年度の総予算は千三百九十八億九千五百万円でございまして、その内訳といたしまして、治水事業は九百二十三億三千八百万円、海岸事業は三十九億一千五百万円、災害復旧関係は四百三十六億四千二百万円でございます。その事業費は、総額におきまして千九百七十一億五千四百万円で、治水事業は千三百三十百億一千百百万円、海岸事業は六十二億四千百万円、災害復旧関係は五百七十一億九千六百万円でございます。その内訳につきましては、四ページ、五ページに書いてございます。
それで、その伸び率で申し上げますと、河川事業は、国費で二一%の増、ダムは一四%の増、砂防は一八%の増、建設機械は二%、合計で治水関係としては一九%の増でございます。
海岸事業は二二%の増、で内訳といたしまして、チリ地震が入っておりますが、チリ地震はあともう一年で、四十一年度で完成する二カ年の計画を立てております。
災害復旧関係は、河川だけでいきますと伸び率は二%、このほか都市計画であるとか、河川以外のものを入れますと四%の増となっております。その内訳といたしまして、災害復旧は二%の増、災害関連は二%の減、鉱害復旧は四二%の増、こういうことになっております。
この治水関係の予算は、この四十年度を初年度といたします新治水五カ年計画の第一年度といたしまして計画をいたしましたものでございます。この新治水五カ年計画は、先ほど官房長から説明をいたしましたとおりでございますが、総投資額は一兆一千億円でございまして、そのうち治水事業が八千五百億円、災害開運・地方単独事業が一千五百億円、予備費が一千億円でございます。このうち治水事業の八千五百億円の平均伸び率は一二%ということになっております。
この事業の重点といたしましては、次に申し上げるようなことに重点を置きました。重要水系の河川改修、多目的ダムの建設及び砂防というのを第一に置いております。第二には、重要地域における水資源の開発、第三番目は、局地的豪雨に対処するための中小の河川の改修、砂防ダムの建設及び地すべり対策、第四番目には、都市及びその周辺における河川の整備、第五番目には、重要地域における高潮対策、第六番目には、低地地域における内水対策というものを重点に五カ年計画を立てております。
以下、治水事業、河川につきましても——河川、ダム、砂防、海岸、これはいずれも官房長から申し上げましたとおりでございます。
それから、災害復旧に関しましては、一四ページ、一五ベージに書いてございますが、特に補助災害につきましては、緊要事業は三カ年、全体としては四ヵ年ということでございますけれども、昭利三十八年災、これにつきましては八七%まで進捗をさせたい、こういうふうに考えております。それから三十九年災については、六九・五%まで進捗をさせたい。実質的に進捗をさせて、災害事業というものが、地元の方々に悪影響のないように改修をいたしていきたい、こういう方針でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/18
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019・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、道路局の説明を願います。尾之内道路局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/19
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020・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) お手元の昭和四十年度運路整備特別会計予算説明資料、これにつきまして簡単に補足説明を申し上げます。
一ページ、二ページ、三ページにわたりまして、事業予算の概要が述べられておりますが、先ほど官房長の説明に大体言われておりましたので、これにつきまして特に説明を要するものだけを申し上げます。
一ページの最初でございますが、高速自動車道路につきましては、東名高速道路は四十三年、中央高速道路の東京−富士吉田までの間は四十二年度にそれぞれ供用を開始できるように四十年度の事業費を見込んでございます。なお、これにつきましては、新たに五路線の着工予算といたしまして二十億の建設費並びに二億円の調査費がついております。これらにつきまして、四十年度新たに緊急を要する区間の建設に着手することになっております。
国道の直轄管理体制につきましては、全体で一万一千キロメートルをやりますが、従来の一級国道につきましては約九百五十キロ、二級国道につきましては二百キロ、合わせまして千百五十キロを追加することになっております。なお、二級国道が一般国道になりまして直轄事業を開始いたしますが、これには書いてございませんが、六路線、十四億を予定いたしております。
一級国道の一次改築につきましては、昭和四十三年度概成を目標といたしまして、四十年度緊急を要する区間の二次改築の区間も含めまして整備を促進いたします。二級国道の改築につきましては、産業開発上重要な地域における路線に重点を置きまして整備を促進いたします。
地方道につきましては、全般的にいろいろの観点から行ないますが、特に車要な地方的幹線、地方開発を推進するための重要な路線、それから新たに奥地産業開発道路の整備に伴いまして十六億円計上いたしまして、その整備を促進することになっております。
特に四十年度は、五番目に書いてございますが、舗装の整備を促進することに考えております。これは新道路整備五カ年計画におきましても、舗装につきましては、かなり重点的に考えておりますが、第二年度といたしまして、現道舗装を含めまして全体で約四千九百キロの舗装を実施いたします。改良につきましては、先ほど説明ございましたように約三千キロを実施する予定でございます。
大都市につきましては、幹線街路の整備促進、それから新産業都市及び工業整備特別地域等、地方開発の拠点となります都市の開発に必要な街路の整備を促進することになっております。
首都高速道路につきましては、首都公団におきます二号線環状部分、二号分岐線及び三号線並びに阪神高速道路におきましては梅田−上大和橋間の完成をはかりますとともに、その他の区間につきましても、整備を促進いたします。
道路交通の安全対策といたしましては、踏切道の引き続き整備改善、それから防護さくの新規助成、これには約四億円を考えております。そのほか横断歩道施設の整備、一般の歩道並びに道路照明等の整備を促進することを考えております。
雪寒地域における道路交通対策につきましては、先ほど説明ございましたように、六十六億円の予算を計上し、特に除雪について整備を重点的に行ないたい、かように考えております。
若干数字について申し上げます。
四ページ、五ページに、予算の総括表が出ておりますが、一番上の欄の道路事業といたしましては、四十年度は、事業費二千九百百十九億円をもちまして、前年に対しまして、一番右の欄にございますが、約一六%の伸びを、示しております。街路事業につきましては、四十年度千四十八億四千百万円の事業費をもちまして、これは伸び率にいたしますと、前年に対しまして九%の伸びになります。機械は、事業費はわずかでございますが、一〇%あるいは一一%の伸びになっております。一般道路事業総計いたしまして四千百十五億二千万円の事業費でございます。前年に対しまして一四%の伸びになっております。
道路公団、首都公団、阪神公団におきます有料道路事業といたしましては、日本道路公団が、四十年度は九百四十百億八千八百万円、事業費の伸びといたしまして一八%でございます。首都公団が三百三十五億六千七百万円、前年の九八%、前年よりやや下回る数字になっております。阪神公団におきましては二百十一億一千百万円、一、六九という比率になっております。全体合わせまして五カ年計画の政府施策に基づきます四十年度事業は、一番下にございますように五千五百六十九億八千六百万円でございます。これに地方単独事業千四百億加わりまして、全体で六千九百億、約七千億の事業費のベースになるわけでございます。
六ページ、七ページは、大体前のページと同じでございますが、特にここで元一級国道、元二級国道、地方道、雪寒道路等の事業費の数字があがっております。中ほどに四十年度の事業費の欄がございますが、これまでの一級国道につきましては千四百二十九億四千万、伸び率が、事業費で一四%、予算で一五%になっております。二級国道は五百四十二億七千九百万、伸び率が二〇%になっております。一級国道の一次完成が大体めどがつきまして、二級国道のほうに事業の伸びが移ってきたことを示しております。地方道は九百二十二億五千百万、これは一七%の伸びを示しております。雪寒事業は六十二億四千二百万でございますが、下の機械の欄に四十七億六千六百万円になっております。これは伸び率は大体一二%くらいになっております。そのほか調査がございます。街路は千四十六億三千万円でございますが、伸び率は、先ほど申しましたように、九%になっております。他の数字は前ページと同じでございますので、省略いたします。
八ページ、九ページ、一〇ページ、一一ページは、それらのさらに詳細な数字が掲載されておりますが、説明を省略させていただきます。
一二ページ、一三ページに、来年度の道路予算の財源のことが書かれております。簡単に御説明申し上げますが、一二ページは、国の予算の財源でございます。揮発油税収入額は二千六百四十一億一千二百万でございます。この内訳は、揮発油税の自然の伸びがございまして、三百四十二億ございまして、二千六百七十九億二千二百万でございますが、前々年度の決算調整で三十八億一千万の赤字になっております。差引いたしまして、二千六百四十一億になるわけでございまして、伸び率で一四%でございます。この決算調整の赤字は、当初の見込み方が目一ぱい見てあったというという点もございますが、それから二つ下の欄でございますが、最近、都市におきます石油ガスへの燃料の切りかえがございまして、それらに揮発油税が移っていることもかなり影響をしていると思います。そういうようなこともございまして、新たに四十年からLP、ガス税を取りまして、それを国と地方に半分ずつ路道財源として見るということで、四十年度は四十一年の一月から三月までの期間を対象といたしまして、その間に徴収される収入を三億九千四百万円、わずかでございますが、見込んでございます。それらの結果、一般財源として四十年度計上いたしておりますものが、下から四行目の五百二十億でございます。前年に対しまして、七十億ふえた勘定になっております。以上で国費所要財源が三千百七十六億一千七百万になっております。これに直轄卒業の負担金が加えられまして、全体で三千四百四十五億四千万円の予算を計上いたしております。
一三ページの地方財源につきましては、直轄事業負担金が二百六十九億二千三百万円、補助事業の負担金が七百七十四億八千万、地方公共団体の首都、阪神道路公団に対する出資金、交付金等九十五億四千六百万、合わせまして千百三十九億四千九百万でございます。これに、先ほど申しました四十年度の地方単独事業と考えられますものの規模が千四百億ございます、合わせまして二千五百三十九億四千九百万円の所要額に対しまして、財源は地方道路譲与税が四百八十五億一千二百万、軽油引取税が六百九十八億、これに、先ほど申しました同額の石油ガスの譲与税が三億九千四百万、加えまして千百八十七億六百万の財源を構成いたしております。そのほかに地方一般財源、主として地方交付税で見られております分が千三百五十二億四千三百万ございます。上の所要額に見合う財源を構成いたしております。
あとは三公団の表が出ておりますが、一五ページには、日本道路公団の支出面が出ております。収入面は省略いたしますが、日本道路公団におきましては、四十年度全体で、合計欄でございますが千二百二十九億五千六百万円、このうち建設費に充てられますものが八百五十四億八千六百万円でございますが、名神高速は、すでに予算計上が前年度で終わっております。東名高速が四百四十四億、前年度に対しまして百九十四億の増、中央高速が百七十二億、前年度より五十二億の増、その他新規高速道路が二十億ということになっております。一般有料道路事業におきまして、継続、新規を含めまして二百十六億四千六百万、その他含めまして、全体で千二百二十九億になっております。一番下のその他の欄は、調査費、一般管理費等の数字でございます。
一七ページは、首都公団における同様の支出面の数字が出ております。全体で四百四十億五千四百万でございますが、建設費は三百十三億九千百万、高速道路の建設費が二百七十五億、関連道路の整備に三十八億九千百万、その他ということになっております。
最後に、阪神公団の数字が一九ページに出ております。総支出が二百三十二億八千三百万、建設費は、そのうち二百億千八百万、高速道路の建設費が百九十六億、関連街路の整備が四億一千八百万、その他という数字になっております。
以上、四十年度の道路整備事業の数字の概要を御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/20
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021・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、都市局の説明を願います。鮎川都市局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/21
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022・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 都市局関係の予算について御説明申し上げます。お手元に昭和四十年度都町計画事業予算説明資料というものを差し上げておりますので、これについて御説明申し上げます。
都市局関係予算は、ただいまお話がございました道路局関係の中に街路事業関係が入っております。また、宅地造成事業に関連しましては、住宅局から一括して説明がございますので、それ以外の下水道、公園の事業について御説明申し上げます。
一ページに、国費に関する予算を三十九年度、四十年度の比較で掲げているわけでございますが、都市計画事業は、三十九年度におきまして九十二億九千八百億円あるわけでございますが、四十年度においては百二十二億四千万円で、二十九億四千二百万円の増でございます。三二%の伸びでございます。このうち下水道事業につきましては八十八億二千万、三十九年度ございましたが、四十年度では百十六億九千万円で、二十八億円の増、三三%の増になっております。なお、摘要欄にございますように、四十年度におきます起債につきましては、地方債につきましては、三十九年度が二百七億でございましたが、四十年度には二百六十四億を計画いたしておりまして、約五十七億の増、二八%の増となっております。公園事業につきましては、三十九年度は四億七千八百万円でございましたが、四十年度には五億五千万円、七千二百万円の増、一五%の増でございます。
この下水道事業及び公園事業の昭和四十年度における予算の概要について、次のページの資料によって御説明申し上げます。下水道事業につきましては、先ほど大臣官房長のお話がございましたように、昭和三十八年度から四十二年度までの五カ年計画を生活環境施設整備緊急措置法に基づいて実施いたすことに、計画を樹立いたすことにいたしておるわけでございます。この計画の目標といたしますのは、昭和五十五年度までに市街地の全域に、また、四十五年度までに市街地の約四〇%に下水道を整備するということを目標といたしておるわけでございます。
この五カ年計画の内容につきましては、四ページの下欄にその内容を記載しておるわけでございますが、下水道の三千三百億円の総投資額の内訳でございますが、国庫補助対象事業が二千百二十億、地方単独事業費が千百八十億円でございます。なお、国庫補助対象事業費のうちに、公共下水道が千六百八十億円、都市下水路が三百十億円、特別都市下水路百三十億円でございます。
昭和四十年度の下水道事業は、この下水道整備五カ年計画の三年目に当たるわけでございますが、この事業の内訳につきましては、五ページの上段に掲げておるわけでございまして、昭和三十九年度の下水道の総事業費は四百七十億ございましたが、四十年度におきましては、補助事業、単独手業合わせまして六百十億でございます。事業費において三〇%の伸びでございます。
下水道につきまして、昭和四十年度におきます事業の重点といたしましては、四ページの上段に掲げておるわけでございますが、同一流域内の多数の都市の下水道中業を効果的に遂行するために、流域単位の下水道の建設に着手するということにいたしております。
次に、隅田川、淀川など、水質の特に悪化している河川の汚濁を解消するため、下水道の整備を推進することにいたしております。
次に、新潟、東京、大阪、尼ケ崎等の地盤沈下地帯その他の低地域の浸水を防除するための対策を増進することにいたしております。
また、新産業都市等、地域開発の拠点となる都市及び大都市周辺の新市街地における下水道を先行的に整備することにいたしております。
次に、公園事業について申し上げます。
公園事業につきましては、六ページの下段に、三十九年度と四十年度の事業の対比を掲げておりますが、国営公園につきましては、三十九年度一億四千八百万円でございまして、四十年度は一億四千万円、九五%になっておって若干減っておりますが、国営公園は、霞ケ関公園及び北の丸公園の修景施設の整備でございまして、すでに従来やっております事業がだいぶ促進されまして、あと残工事を計画に基づいて実施することにいたしておるわけでございます。
その他の一般公園につきましては、三十九年度が、事業費で九億九千万円でございましたが、四十年度十二億三千万円、専業費におきまして二四%の増となっております。この公園事業の実施につきましては、特に児童の遊び場の不足の解消及び交通事故の防止のために、特に市街地における児童公園の整備を重点的に促進をするという考えで進めてまいりたいと考えておるわけでございます。
以上、都市局関係の予算説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/22
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023・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 局別予算説明聴収は、本日はこの程度にし、残余は次回に譲りたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/23
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024・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
先般当委員会が行ないました中京圏における建設事業の実情調査のための委員派遣について、派遣委員から御報告を願います。稲浦君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/24
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025・稲浦鹿藏
○稲浦鹿藏君 瀬谷理事と田上委員と私の三名は、去る一月十一日から十四日まで四日間、愛知県及び三重県における建設事業の実情を視察してまいりました。
まず、順路から申し上げますと、第一日は、東三河工業整備特別地域の中心である豊橋市をはじめ、豊川市の周辺、蒲郡中央埠頭、ヨットハーバー等を視察。第二日は、三ケ根山から地勢展望、二級国道二四七号線、碧南市、衣浦大橋、半田中央埠頭、武豊石炭埠頭等の衣浦港沿岸を経て鳴子団地を。第三日は、高蔵寺ニュータウン、小牧市、名神一宮インター、名岐・名四国道。第四日は、名阪国道建設工事を加太及び関トンネルまで、また、四日市市の公害事情、都市改造事業等を視察し、この間地元の県、市、中部地建、各公団の関係者等から説明を聴取、懇談をいたしてきたのでありますが、以下その概要について申し述べたいと思います。
東三河工業整備特別地域についてであります。東三河地区は、他の五地区とともに昨年九月、工業整備特別地域に指定され、三河湾が昨年三月重要港湾に、さらに、東海道新幹線が開通し豊橋停車の実現、東名高速道路豊川インターの決定という一連の進展がありました。東三河は、太平洋ベルト地帯の京浜、阪神二大工業地帯の中間に位し、すぐれた立地条件を備えており、また、名古屋大都市圏の外側というべき距離にあります。
整備基本計画としての構想は、工業整備の目標として、三河湾に面する臨海工業地帯神野、田原、大津島、蒲郡地区等を造成し、鉄鋼、化学など、重化学工業コンビナートをつくり、内陸部は、二川、大清水、豊川地区とし機械工業を中心とするものであって、約六百万坪の工業用地を造成、昭和五十年には、出荷額七千五百億円の工業開発を目標とし、住宅三万六千戸、豊川工業用水、学校施設の整備など総事業費約二千九百億と推計されています。なお、道路は、臨海、内陸の工業地帯及び七十万都市形成のための幹線道路体系を確保するため、国道一号線バイパスを中心に整備し、港湾は、神野埠頭、蒲郡埠頭の施設を早急に整備する。公害対策として、土地利用面から市街地区、住宅地区と工業地区との分離をはかるとともに、風向きによる影響、水質保全を考慮するなど、十分な事前調査を行なうこととしている等であります。ただ現地の方々は、財源措置を危惧されているようであります。なお、首都移転が考えられる場合の候補地として、愛知県東部、静岡県西部浜名湖周辺一帯に十分なる余地ありとの地元の意見がありましたことを申し添えます。
次に、衣浦臨海工業地帯について申し上げます。
衣浦地区の開発は、碧南市、高浜市、半田市、武豊町地先に展開する衣浦湾に、重要港湾である衣浦港を中心とした臨海工業地帯を造成しようとするものでありまして、この地区は、刈谷市から豊田市に及ぶ内陸工業地帯と並んで愛知県の工業開発の拠点であります。立地条件は、海浜埋め立てによる約五百万坪に及ぶ臨海工業川地の造成が容易であり、かつ、これを受ける内陸部の工業適地の開発が可能であることで、漁業補償も解決済みであります。名古屋市中心から三十五キロ圏内にあり、埋め立て地造成及び港湾建設は、昭和三十六年度から本格化し、現有までの造成済み面積は約五十万坪に達しております。しかし、当衣浦地区において、西側である半田地区は、すでに工業の立地が行なわれておりますが、東側の碧南地区においては、現在造成中の臨海工業地帯の先行投資の実をあげるべく、それに伴う道路、工業用水、住宅等、各種関連施設の建設が着実に推進される必要があります。
名古屋市はその都市計画の成果で知られておりますが、組合等民間の任意的発起により施行される土地区画整理事業が非常に盛んであり、現在施行中の個所は四十七カ所、約七百五十万坪に及び、設立準備中のもの二十カ所、約六百万坪の予定とのことでありました。当市においては、旧市街地の八割は何らかの形で区画整理を行ない、これによってすでに約七百万坪に近い道路と公園ができ上がったわけであります。既成市街地に接する密集市街地の改造は、駅西都市改造事業、大曽根都市改造事業等のごとき方策で行なわれ、新しい都市住宅開発として高層建築の構想も活発であります。われわれが強く感じましたことは、当地方における諸建設事業計画が県、市谷公団等の緊密な協調のもと地元の方々の熱意ある協力によって着着と実施されていることであります。
次に、高蔵寺ニュータウンについて申し上げます。
この開発計画地域は、名古屋市中心部から北東約二十キロ、春日井市の東部に当たり、国鉄中央線高蔵寺駅の北方一帯で、南傾斜の丘陵地帯であり、愛知用水が北から南へ流れておりますが、名古屋駅から高蔵寺駅までは複線化しており、電化が完了すれば三十分で通勤できるところであります。
計画全区域の面積は約二百五十万坪、想定人口八万七千人とし、住宅約二万二千戸、学校は、合計二十二校を建設しようとするもので、日本住宅公団は第一次開発計画として二百十二万坪について土地区画整理の手法により開発に着手しました。すなわち、地区内に約七十三が坪の土地の先買い完了、減歩率は約五〇%、土地利用は、南北に走る幅員三十六メートルの都市計画街路と地形の関係から三つの大住宅団地と一つのセンターをめぐって諸施設が配置され、各施設の地区面積に対する利用率は、道路一八・六%、公園八・六%、学校六・六%、住宅地五七・七%等となっております。開発の年次は、宅地造成が昭和三十九年から昭和四十六年、住宅建設は四十一年から、宅地分譲は四十二年からと予定され、事業費は、第一次分百二十億円であります。しかしながら他方、ニュータウン受け入れに対する春日井市の現状は、人口十一万、年約一万人の増があり、小中学校の急増対策等に追われ、今後三十六億円以上の負担が予測される公共事業の発生に、国と県の善処方が熱望されておりました。
次に、道路関係について申し上げます。
東名高速道路のうち、愛知県内の区間については、昭和三十七年九月に、豊川−小牧間約八十キロ、昭和三十八年十月には、静岡−豊川間を含めた全路線にわたる施行命令が建設大臣から日本道路公団に対して発せられておりますが、豊川−小牧間の工費は約六百十五億円と概算され、小牧−岡崎間に重点を置いて、三好地区、豊田地区は、二、三月ごろ入札・着工の計画のようであり、計画予定は順調に進んでいる事実を見聞いたしました。
名神高速道路につきましても、未開通の一宮−小牧間で、一宮インターから丹陽工事区間の買収がおくれておったのでありますが、現在舗装工事中であり、八〇%の進捗率で、七月の開通の実現は可能と存じます。
次に、名阪国道について申し上げます。
四日市を起点として上野、天理を経て大阪に至る一級国道二十五号線の改良工事は、昭利三十八年度から中部・近畿両地建管内の亀山から天理に至る七十三・三キロを直轄施行することとなり、構造基準は、高速四級を適用する四車線であります。
第一期工事として、昭利四十年十二月末まで千日間をもって二車線による全線開通をはかるべく工事を急いでいますが、事業費百億円で、進捗率は七〇%であります。地元の協力を得、平均年齢三十歳以下百名の若き所長諸君が一丸となって努力している姿はまさに感激の一語に尽き、この感謝の意をも含めて、たまたま風雪舞う山中を、加太トンネル・関トンネルの現場をも視察したわけでありますが、いまなおこの印象に捨てがたいものを感じております。
最後に、四日市の公害問題に言及いたしたいと存じます。
四日市は、北勢臨海工業地帯の中核都市として、石油化学工業都市として目ざましい発展を遂げたところ、市民生活との間に公害問題を惹起し、深刻な社会問題となったことは、注目すべき事柄であります。本市の重化学関係工場のほとんどは、四日市港を中心とした塩浜、午起地区等の臨海部並びにその周辺の二百万坪に集中的に立地しておりますが、急激に膨張したこれらの工業地帯は、既存の住宅地帯に近接しているため、ガス、煤煙、悪臭、騒音、汚水等による各般の公害が発生したのであり、市民からの苦情も、昭利三十八年に入って多くなっております。県、市当局の対策と企業者側の努力で防塵・防音等の問題については、相当の成果が見られたとのことでありますが、いわゆる「四日市ぜんそく」の発生があり、当地域のSO2汚染が重視され、三十九年五月ばい煙規制法による指定地域となったのでありますが、問題を解決する道は、今後に残されており、脱硫技術の積極的な開発及び導入が急務であるとともに、気象条件に即応するための観測施設の設置や都市環境整備についての一貫した行政施策が要請されているのも当然であります。
四十年度から、公害防止事業団が発足することになりましたが、他面、公害対策と都市改造事業の推進が結びつけられ、合理的な都市計画の再検討が待たれるのであります。石油コンビナート設定に際しての都市計画、公害対策等の不備がいまにして反省されるのであります。当市の西北四キロ、泊山団地の造成が住宅公団の委託を受けて県によって三十九年度から着工され、五十万坪の用地に戸数四千六百戸、一万八千人の団地形成が予定されておりますが、被害地の方々の移転希望者を優先的に取り扱うとのことでありました。
以下、各地で要望を受けましたうち主要なものを列記して御報告を終わることにいたします。
名四国道の鈴鹿市までの延長。名阪国道の亀山−名古屋間の早期着工。国道一号線及び二十三号線について、四日市市追分地区の分岐点における交通問題の解決。国道一号線の鳴海地点の交通隘路打開。県道前芝−豊川線の改築。衣浦臨海工業地帯の産業道路の整備促進と工業用水の確保。国道四十一号線の区間改良、名古屋第三環状線小牧インターより北進道路の整備促進。奥三重開発道路の建設。公害に伴う公営住宅移転につき国の特別財政措置。四日市市都市改造事業費の国庫負担等。
以上、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/25
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026・安田敏雄
○委員長(安田敏雄君) 以上、稲浦委員の報告に対しまして、別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。本日はこれをもって散会いたします。
午後零時三十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814149X00219650216/26
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