1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月七日(金曜日)
午前十時三十分開会
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委員氏名
社会労働委員
委員長 藤田藤太郎君
理 事 鹿島 俊雄君
理 事 丸茂 重貞君
理 事 杉山善太郎君
理 事 藤原 道子君
亀井 光君
川野 三暁君
木村 睦男君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
竹中 恒夫君
館 哲二君
山本 杉君
横山 フク君
阿具根 登君
小柳 勇君
鈴木 強君
小平 芳平君
村尾 重雄君
林 塩君
運輸委員
委員長 松平 勇雄君
理 事 江藤 智君
理 事 金丸 冨夫君
理 事 前田佳都男君
理 事 吉田忠三郎君
天埜 良吉君
井野 碩哉君
加賀山之雄君
上林 忠次君
木暮武太夫君
河野 謙三君
野上 進君
平島 敏夫君
松野 孝一君
相澤 重明君
大倉 精一君
岡 三郎君
小酒井義男君
浅井 亨君
中村 正雄君
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出席者は左のとおり。
社会労働委員
委員長 藤田藤太郎君
理 事
丸茂 重貞君
杉山善太郎君
藤原 道子君
委 員
亀井 光君
紅露 みつ君
佐藤 芳男君
竹中 恒夫君
横山 フク君
小柳 勇君
鈴木 強君
運輸委員
委員長 松平 勇雄君
理 事
江藤 智君
前田佳都男君
吉田忠三郎君
委 員
加賀山之雄君
木暮武太夫君
平島 敏夫君
松野 孝一君
浅井 亨君
中村 正雄君
国務大臣
運 輸 大 臣 松浦周太郎君
労 働 大 臣 石田 博英君
政府委員
公正取引委員会
事務局長 竹中喜満太君
警察庁刑事局長 日原 正雄君
運輸省海運局長 若狭 得治君
運輸省港湾局長 佐藤 肇君
労働政務次官 始関 伊平君
労働省労政局長 三治 重信君
労働省労働基準
局長 村上 茂利君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
事務局側
常任委員会専門
員 中原 武夫君
説明員
労働省労働基準
局監督課長 東村金之助君
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本日の会議に付した案件
○港湾労働法案(内閣提出、衆議院送付)
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〔社会労働委員長藤田藤太郎君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/0
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001・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) これより社会労働・運輸委員会連合審査会を開会いたします。先例によりまして、私が連合審査会の委員長の職をつとめます。
議事に先立ち、本日の連合審査会の運営につきまして、社会労働、運輸両委員会の委員長及び理事打合会で決定いたしましたことを御報告申し上げます。
本日は、まず、労働大臣より提案理由の説明を聴取した後、質疑に入りたいと存じます。質疑は、運輸委員の方を優先して行なうことになりました。ただいまのところ、質疑を希望されておる方は、運輸委員では吉田理事、相澤、小酒井、浅井の各委員、社会労働委員では杉山理事、小柳委員でございます。連合審査会は一応午前中に終了したいと存じますので、質疑の時間等は適宜調整させていただくことになるかもしれませんが、あらかじめ御了承願います。
それでは、これより議事に入ります。
港湾労働法案を議題といたします。
まず、政府より本案に対する提案理由の説明を聴取いたします。石田労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/1
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002・石田博英
○国務大臣(石田博英君) ただいま議題となりました港湾労働法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
御承知のごとく、港湾は海陸輸送の連結点として、国際貿易、その他国民経済にとって重要な地位を占めております。しかるに、わが国の港湾の実情をみますと、その機能を果たすための必須の条件である港湾労働の近代化は、欧米諸国に比し、また、他産業に比較いたしましても著しく立ちおくれており、雇用の不安定、労働災害の多発、福祉施設の未整備等の事情にあるため、必要な労働力が確保できず、港湾における荷役にしばしば渋滞を来たしているのが現状であり、このまま放置いたしますと、近い将来において、国民経済の発展に重大な障害を及ぼすことも予想されるのであります。もちろん政府といたしましても、従来から、港湾における労働力の確保と港湾労働者の福祉の増進のために鋭意努力し、日雇港湾労働者の職業紹介を専門とする公共職業安定所を設置するなど、港湾労働者の職業紹介体制の整備、労働条件の維持向上のための指導及び監督の重点的実施、関係業界における自主的災害防止活動の促進、雇用促進事業団による住宅等の福祉施設の設置その他各般の施策を実施してまいりましたが、わが国の港湾の複雑性、特殊性のため、現行法の運用による行政措置のみによりましては、遺憾ながら十分な効果をあげることができない現情にあるのであります。
このときにあたり、昨年三月、かねて港湾労働及び港湾の運営、利用の改善策について審議中であった港湾労働等対策審議会から、内閣総理大臣に対して、港湾労働者の登録制度の創設や日雇港湾労働者の不就労時における対策等を骨子とする港湾労働対策についての答申が提出されたのであります。政府としましては、国民経済の中で占める港湾問題の重要性、貿易の伸張に伴う必要労働力確保の緊要性とあわせて、人間尊重、社会開発の見地から、この答申の趣旨を十分尊重しつつ港湾労働対策についての検討を重ねた結果、港湾運送に必要な労働力の確保と港湾労働者の福祉の増進をはかる方策についてその成案を得ましたので、ここにこの法律案を提出することといたした次第であります。
次に、その内容につきまして概略御説明申し上げます。
第一に、この法律は、港湾運送事業法第二条第一項の港湾運送のうち、いわゆる船内、はしけ、沿岸及びいかだのいずれかの作業またはこれらに準ずる作業を行なう事業に適用することとし、また、適用港湾は政令で指定することとしておりますが、当面は東京、横浜、名古屋、大阪、神戸及び関門のいわゆる六大港を中心に適用することとし、必要に応じ、漸次これを拡大していく考えであります。
第二に、労働大臣は、毎年、港湾ごとに港湾雇用調整計画を定めることとし、その計画においては、港湾ごとに必要とされる港湾労働者の数及びそのうちの日雇い港湾労働者の数を定めるとともに、港湾労働者の職業紹介、職業訓練、その他港湾労働者の雇用の調整に関する重要事項を定めることとしております。その際、日雇い港湾労働者の数を定めるにあたりましては、常用港湾労働者の雇用の促進に資するように配慮を加えることとしております。なお、計画の作成にあたりましては、港湾に関する施策の総合調整に関する事項を審議するため、内閣総理大臣の諮問機関として設置される港湾調整審議会にはかることとしております。
第三に、港湾における日雇い労働者の確保とその雇用及び生活の安定をはかるため、日雇い港湾労働者を中心とする雇用の調整を行なうこととし、次のような諸措置をとることとしております。
その一は、日雇い港湾労働者の登録制度であります。公共職業安定所は、港湾労働者としての適格性を備えた日雇い労働者について、その者の申請に基づき、港湾雇用調整計画において定められた日雇い港湾労働者の必要数の範囲内で、これを登録することとし、登録日雇い港湾労働者には、荷役に従事する間、登録票を携帯せしめることにより、その身分を明確にすることとしております。また、常用港湾労働者については、事業主から公共職業安定所に届け出させることとし、港湾荷役に従事する間、常用港湾労働者証を携帯せしめることにより、その身分を明確にすることとしております。
その二は、日雇い港湾労働者の雇用の調整であります。港湾運送事業者が日雇い港湾労働者を雇い入れる場合には、原則として公共職業安定所の紹介によらなければならないこととし、この場合、公共職業安定所は、まず登録日雇い港湾労働者を紹介し、なお不足するときは登録された者以外の日雇い港湾労働者を紹介することとしておりますが、それでもなお不足する際は、例外的に事業主の直接雇い入れを認めることとしております。また、登録日雇い港湾労働者は、公共職業安定所長の指示するところにより、公共職業安定所に出頭し、その紹介を受けて港湾荷役に就労することを要することとしております。なお、このほか、公共職業安定所は、労働条件に関する法令違反等があって、その紹介する港湾労働者の福祉を害するおそれがあると認めるときは、その事業主に対し、港湾労働者の紹介を停止することができることとしております。
その三は、登録日雇い港湾労働者に対する雇用調整手当の支給であります。雇用調整手当は、登録日雇い港湾労働者が公共職業安定所の指示するところにより出頭したにもかかわらず港湾荷役に就労できなかった場合において、公共職業安定所長の証明に基づき、雇用促進事業団が支給することとしております。雇用調整手当の日額は、その者の賃金等級に応じ、賃金額のおおむね六割を目安として定めることとしております。
その四は、港湾荷役に就労できなかった登録日雇い港湾労働者に対して行なう訓練であります。この訓練は、公共職業安定所長が訓練を受けることを指示した登録日雇い港湾労働者に対して、港湾荷役に従事するために必要な知識及び技能を習得させるために、雇用促進事業団が実施するものであります。
その五は、登録日雇い港湾労働者のための福祉事業であります。これは、登録日雇い港湾労働者のための福祉施設の設置及び運営、その他これらの労働者の福祉を増進するための事業として、雇用促進事業団が行なうこととしております。
その六は、登録日雇い港湾労働者に対する退職金共済制度の適用であります。港湾運送事業者が団体を設立して労働大臣の認定を受けた場合におきましては、その団体の構成員である港湾運送事業者の雇用する登録日雇い港湾労働者に対し、その登録の期間に応じて、中小企業退職金共済法に基づき退職金を支給することとしたのであります。
以上のほか、この法律案においては、常用港湾労働者の雇用の促進、港湾労働者の労働条件の向上、職業訓練の実施、福祉施設の整備、はしけ内居住の解消等に関する事業主の努力義務及び国、地方公共団体の援助義務について規定するとともに、雇用調整手当の支給に要する費用に充てるための納付金の徴収及び国庫補助、不服審査、都道府県知事の権限、違反行為に対する罰則等について所要の規定を設けましたほか、その附則におきまして、関係法律の条文につき所要の整備をいたしております。
なお、この法律によるこれら諸措置の実施にあたりましては、効湾調整審議会、中央職業安定審議会のほか、適用港湾ごとに設置される地区職掌安定審議会にはかり、その円滑な運営をはかる所存であります。また、港湾運送事業の近代化及び港湾の運営、利用の改善に関する対策の実施を相当する関係機関とも緊密な連携を保ち、もって港湾労働対策の実効をあげてまいる所存であります。
以上簡単でございましたが、この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げた次第であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/2
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003・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) それでは、これより質疑に入ります。
本案に対し、質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/3
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004・浅井亨
○浅井亨君 この法律案の趣旨でございますけれども、港湾労務者の常用化促進が日雇い労務者の固定化のおそれがあるのですが、日雇い労務者に対する優遇措置が、かえってこの日雇い労務者を固定化すると思われるのですが、こういう点に対してはどのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/4
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005・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 今度の法案の第四条にも常用化の促進を第一義に考えるという訓示規定が盛られておりますし、それから、福祉施設の拡充整備につきましても、常用労働者に対して日雇い労働者と同様に充実をはかっていくという融資措置も講じてありますので、日雇いのほうが固定化をするというようなことのないような措置は十分講じてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/5
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006・浅井亨
○浅井亨君 そうすると、現在、港湾労務者の常用と日雇いの割合はどういうふうになっておりますか。また、将来はどのような見通しを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/6
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007・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 六大港について大ざっぱに申し上げますと、三分の一が日雇い依存度になっております。答申では、御承知のように、これを四分の一に改善をしろというふうな御意見もございましたが、この法案では、法律上一律に四分の一というふうな規制はいたしませんが、できるだけ現状を漸進的に改善をしてまいりたいと、こういう考え方で調整計画その他を策定する予定にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/7
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008・浅井亨
○浅井亨君 この法律案の施行は成立後二年といっておりますけれども、それはなぜそのように延ばされているのですか、もっと早くできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/8
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009・石田博英
○国務大臣(石田博英君) できるだけ急いで実施をいたしたいと思っているのでありますが、この法律案の効果をあげますためには、やはり関係いたしまする港湾運営上の近代化、あるいは港湾運送事業の近代化というものと並行をいたしてまいらなければならない面がございますので、その並行いたしてまいるというために二年という期間を設けたのであります。しかしながら、できるだけ実施の準備を急ぎまして、早く行ないたいと思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/9
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010・浅井亨
○浅井亨君 運輸省いかがですか、いまの問題について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/10
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011・佐藤肇
○政府委員(佐藤肇君) ただいま労働大臣からおっしゃられましたように、私どもといたしましても、この制度は早く実施されることは望ましいわけでございますが、何ぶん新しい制度でございますので、十分準備をいたしまして、特に内閣には港湾調整審議会が設けられるわけでございますから、それの意見が十分反映されて、施行後には支障なく運営される、そういうことを望んでいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/11
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012・浅井亨
○浅井亨君 日雇い労務者の雇用は、原則としては職業安定所から紹介を受けるということになっておるようですけれども、このただし書きを見ますと、門前雇用というのができるというような抜け道があるように思うのですが、こういう抜け道に対してはどのように考えておられるか、また、具体的にどのような方法で防止されようとしておるのか、それについてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/12
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013・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 法案の十六条で、原則として登録労働者を雇用するというふうに、職安の紹介した登録労働者を雇用するということになっておりますが、例外的に御指摘のような直接雇用の道が開けておりますが、これは例外中の例外で、この例外を乱用するということのないように省令その他でもきびしく規制をしてまいりたいということで、原則が曲がることのないような運営をやってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/13
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014・浅井亨
○浅井亨君 この法案の内容を見ますと、日雇い労務者に対するいわゆるあぶれ賃でございますが、これを支払うことになっております。そのようになっておりますが、そこで、まずお聞きしたいのはその額でございますが、一体どのくらい支給されるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/14
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015・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) いま試案として考えておりますのは、最高七百六十円、最低三百三十円、それから、もう一つ中の段階で五百円、この三段階を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/15
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016・浅井亨
○浅井亨君 その三段階ですが、その負担は、労務者または業者、いろいろ負担の割合があると思うのですが、その負担はどのようになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/16
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017・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 国が三分の一を負担いたしまして、労務者は現在の日雇保険の保険料に見合う額を負担する、残りを事業主が負担する、大体事業主の負担が五割ちょっとに相なるかと思います。これも全体の調整計画の労働者の定数のきめ方等と関連してきまることでございますが、大体現在の見通しでそういった負担割合を予定して考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/17
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018・浅井亨
○浅井亨君 そうすると、港湾運送業者が五割ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/18
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019・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 五割強です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/19
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020・浅井亨
○浅井亨君 強ですね。そうすると、この港湾の料金にはね返って、値段の値上がりというようなことはお考えになりませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/20
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021・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 必要定数のきめ方によって若干異なりますが、二%から三%台程度のはね返りといいますか、料金に対する影響度を考えております。もちろん定数を相当余裕をもって考えた場合には負担率がもう少し上がるかと思いますが、私どもの試算では、三万五千から四万程度の定数をきめた場合を想定いたしまして二%から三%をちょっとこえる程度になるのではないか、こういうふうな試算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/21
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022・浅井亨
○浅井亨君 いまの割合からいって、もっと国庫負担を多くするというそのお考え方はないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/22
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023・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) これは失業保険制度等との均衡の問題もございまして、国が三分の一を負担するというのが現在の諸制度とのかね合いからいいましたら最大限じゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/23
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024・浅井亨
○浅井亨君 最大限と言わないで、それを努力するお気持ちはあるかないか、最大限と言ってしまいますとそれっきりになってしまう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/24
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025・石田博英
○国務大臣(石田博英君) いまも職安局長がお答え申し上げましたように、他の制度との関連がございまして、これだけを他の制度と違った負担率にするというわけにはまいらないのであります。そこで、失業保険その他との負担率を考えて三分の一といたしました。むろん運営上、しばらく今後運営をいたしてみた上におきまして、支障があれば再考しなければならない場合もあり得ることは当然でございますが、現在のところ、現行の他の制度との均衡ということがございますことを御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/25
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026・浅井亨
○浅井亨君 次いで、その労使双方の委員の調整ですが、こういうところから考えまして、この中央港湾調整審議会の委員ですね、これに港湾労務者の代表を入れたほうがスムーズに円満にいくんじゃないかと、こういうふうに考えるのですが、その構成ですね、どのようにいまなっておりますか。また、この労務者の代表を入れるお考えがあるのかないのか、その点をひとつ詳しく話していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/26
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027・石田博英
○国務大臣(石田博英君) この構成は、予算上計上されておりますのは五名でございますが、ただいまそれを運営の上で七名くらいにしたいと考えております。これは直接には総務長官の所管でございますが、総務長官等と意見の交換をいまいたしておりまする段階では、七名程度にいたしまして、そうして港湾労働者の意見を代表する経験者二、それから、使用者の立場を代表する代表者二、そうして公益委員三という構成がいまのところ妥当ではなかろうかと、こう考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/27
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028・浅井亨
○浅井亨君 次いで、港湾労働災害防止協会というのが昨年秋できましたが、現在まではどのような活動をしておられ、どのような実績があるのですか、ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/28
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029・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 基準局長がいま他の会議に出ておりますので、監督課長から説明をいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/29
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030・東村金之助
○説明員(東村金之助君) 港湾労働に関する災害防止協会は、先般国会を通りました労働災害防止団体等に関する法律というものに基づいてできたわけでございますが、発足後間もないこともありまして、いま主として組織づくりを手がけております。しかしながら、それと同時に、仕事といたしましては、関係構成員の安全衛生教育の問題それから、災害防止に関する自主規程の作成の問題並びに安全管理士、あるいは栄養管理士という制度がございます、その活用の問題、こういうところでいま仕事を進めておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/30
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031・浅井亨
○浅井亨君 この港湾労働者が他の職業に転職をした場合、労働省で行なっている職業訓練ですね、こういう転職のためにどのようなあっせんをやっておられるのですか、どういうふうにお考えになっているのですか、お知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/31
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032・石田博英
○国務大臣(石田博英君) この法律の中では、要するに港湾労働に従事するために必要な知識訓練というものがされておりますが、港湾労働からよそへ転職するという場合は、現在のところは一般の転職訓練と同様の立場で考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/32
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033・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/33
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034・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/34
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035・浅井亨
○浅井亨君 これは港湾労務者の職安とほかの一般のほうの職安との連絡は円滑にいくようになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/35
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036・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 港湾労働専門の安定所は六大港に一カ所ずつ六つございまして、これは性格は一般の職安と同じ性格のものでございますが、ほかの一般の職安との連係は非常に円滑にいく仕組みになっております。いずれも当該府県の知事が統括をするという組織になっておりますので、この辺の連係はうまくいくようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/36
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037・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/37
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038・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) それじゃ速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/38
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039・杉山善太郎
○杉山善太郎君 公正取引委員会の事務局長がお見えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/39
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040・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) 来ています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/40
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041・杉山善太郎
○杉山善太郎君 来ておられますか。いずれ運輸の委員がお見えになると思いますので、その方にお譲りいたします。公取の事務局長、ひとつあなたにお尋ねしたい点から始めたいと思いますが、いいですね。公正取引委員会は、一昨年の秋ごろ、言うならば三十八年の時点で、主として神戸その他六大港などといわれるそういったところの、たとえば港湾の船内荷役の独占化の傾向について一応勧告をされたという、そういうふうに聞いておるわけでありますが、その時点の前後の実情というものをひとつお聞かせいただきたいと、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/41
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042・竹中喜満太
○政府委員(竹中喜満太君) 昭和三十七年の終わりに、船舶代理業者から公正取引委員会に、独占禁止法の四十五条に基づきまして、船内荷役作業を拒否されておるという申告がございました。これに基づきまして、私のほうで、御承知の全国港湾荷役振興協会、それから、東京湾港運安定協会、名古屋港運協会、大阪港運協会、兵庫県港運協会、この五つを調べまして、いずれも独占禁止法に違反するということで、先ほど指摘の昭和三十八年の十月二十五日に審決をいたしました。あとの四件は、内容はほとんど同じでございます。
初めに、全国港湾荷役振興協会の事件の内容を簡単に御説明申し上げますと、これは昭和三十一年ごろ、船内荷役料金を引き上げてほしいというような希望がございまして、運輸省にその意向をただしましたるところ、運輸省の意向としては、船内荷役料金が順守されておらぬこういう段階で値上げを認めることはできないというようなことを言われたようでございます。そこで、何とかして船内荷役料金を安定させようというところから、話し合いをいたしまして、各支部ごとにそれぞれの港湾の実情に応じまして、港湾——この場合は船内荷役業者でございますが、従来の実績を尊重して、商社あるいは船会社、これをそれぞれ船内荷役業者の問で配分をする。それで、新しく取引をする場合には協会の承認を受けなければならない。もし違反した場合には、その収受した荷役料の倍額を拠出しなければならないというようなことをきめたわけでございます。これが独占禁止法の八条の一項一号の事業者団体が「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」ということで独禁法違反ということになりまして、先ほど申し上げましたように、三十八年の十月に審決があったわけでございます。
あとの四件は、大体内容は同じでございますので、兵庫県の港運協会の例を引いて申し上げますが、これは昭和三十四年の四月ですか、港湾運送事業法が改正になりましたときに、運輸省の港湾局長から、港湾運送事業の料金を順守するようにという通達が日本港運協会に出されまして、日本港運協会も、何とかしてこれを安定させようということで、六大港の協会の会長会議を開きまして、どういうふうにしてこれを安定させるかということを討議したようでございますが、すでに名古屋の港運協会が安定のための対策を打ち出しておりましたので、大体これにならってやろうということで、兵庫県の港運協会も名古屋の例にならいまして、先ほど申し上げましたと同じような線で、従来の実績を尊重して港湾運送事業者の間で船会社あるいは商社を配分する、それで、他人の領域には手出しをしないというようなことを決定いたしました。で、これら四件はいずれも独占禁止法違反ということで、先ほど申し上げましたように、事業者団体が「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」ということで、独占禁止法八条一項一号に違反するということで審決いたしました。
簡単な御説明でございますが、そういう内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/42
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043・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/43
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044・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/44
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045・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 この港湾労働法案が提出されまして、前々から非常に関心の高い法律でございますから、私どもも読ませていただきました。法律を単独で出されたことにつきましては、従前の港湾労働の面から見ますと前向きにこの措置をされておるということは一面うかがえます。ですけれども、内容をしさいに検討してみますれば若干の問題があるように考えられますので、幸い運輸大臣並びに当面の担当の労働大臣がいらっしゃいますから、二、三伺っておきたいと思います。
その一つは、毎回の例でございますけれども、他の産業ではちょっと見受けることのできない雇用関係などがちらほらと出ています。具体的に申し上げますと、門外での雇用をしばしば行なっておる。これは今日非常に全港湾労働者にとってみますれば大きな問題であるし、一面におきましては、労働雇用という面から見ても、非常に私は社会問題として取り扱ってまいらなければならぬ問題じゃないか。これについて、これは労働大臣の関係になると思いますが、どういうふうに政府としては考えておるか、しかも、この法律との関連で一体どうお考えになっておられるかということをまずひとつ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/45
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046・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 港湾労働の現状に非常に古い形のものがたくさん残っておる。しかも、現在の社会道徳から申しましていかがわしい慣習も残っている、そういうものをこの法律を通して直していきたい、絶滅を期したい、こういうのが趣旨でありまして、このたびは港湾労働者はみんな登録をすることを必要といたしておりまするし、きわめて例外を除きましては、みんな職業安定所を通して雇用するというふうに直っております。それから、その例外の場合においても、事後においてはこれを届け出をする義務を負わせておる。こういう方法によりまして港湾労働を取り巻く古い悪い慣習というものの除去につとめてまいりたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/46
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047・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そうしますと、大臣がお認めになっておりますように、従来の雇用のあり方については、古い形、つまりいかがわしい形、結果的によくない形態になっておりますね。ですから、それを改めるために、本来の法律に基づきまして職業安定所を通じて採る、こういうことのように私は答弁で理解いたします。そこで、この問題についてのみ考えてみますると、非常にりっぱな大臣の考え方が明らかになりましたが、具体的に、しからば大臣が現在ここでこういう答弁をしておるおりからでも、これは各港湾の労働雇用としては、依然としてやはりいま、大臣が答弁されたような古い形のものが行なわれている。これを一体具体的に早急にどう処置するかということが一つ問題です。それから、大臣がこの委員会で、いかがわしいということばで表現して答弁しましたけれども、端的にこの委員会でこうした問題をやはり掘り下げて、しかも、表面に出して料理するという段階にきているのじゃないか。その例は、毎回これまた社会労働委員会ないしは関係のわれわれのほうの運輸委員会でもたびたび問題になりましたけれども、一体、港湾暴力の問題をどう大臣は扱っていこうとしているか。暴力の排除、これは運輸大臣にも関係ありますから、両大臣からここらあたりの政府の見解を私はお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/47
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048・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 港湾における暴力行為の存在、これは二つの面で考えられるのじゃないかと思うのであります。一つは、港湾労働者の中に、しばしば暴力行為を行なう者が入っておって、多くの善良な労働者諸君に悪い影響や被害を与えるということ。もう一つは、雇用関係の成立にあたって暴力行為が介入する、いわゆるやみ手配師というようなものが介入するという問題だろうと思うのでありますが、その前段のことにつきましては、登録するのにあたりまして中央職業安定審議会にはかって、一定の基準登録要件というものを設けまして、それによって登録を行なうわけでありますから、したがって、暴力行為の常習者は適格者と認められないわけでありまして、そういうことによって登録面から排除していきたい、こう考えておるのであります。
それから、第二の、いわゆる職業安定法違反行為は、暴力を背景として行なういわゆるやみ手配師の問題でありますが、これは日雇い労働者その他を雇い入れる場合は、職業安定所の窓口を通さなければならないということを規定することによりまして手配師の活動する余地をなくしていこう、こう考えておる次第でございます。
なお、法律の中にただいま御意見のような趣旨を盛りました要項につきましては、安定局長からさらに詳しく御説明を申し上げたいと思いますが、この法律の一つの大きな趣旨は、そういうものの排除を通じて港湾労働の近代化ということを目ざしていると御了解いただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/48
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049・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) ただいま大臣から御答弁ありましたとおりでありますが、条文的に申しますと、港湾労働法案の第八条のところで登録の要件が書いてございますが、この三号に適格性の問題が規定してあります。それから、また、手配師の介入の余地をなくするという問題は十六条の条文でございまして、この本則に、事業主は安定所の紹介による登録労働者でなければ使用しちゃいけない、こういう原則を掲げておる点でございます。さらに、もう一つ、条文的に活用すれば暴力組織の介入を予防できるという条項は二十三条でございますが、暴力組織が介入する場合には、ほとんどといっていいほど労働条件が法令に違反する、あるいはピンはねをするというふうな場面がございますが、こういう場合にはこの二十三条でもって一カ月以内の紹介停止処分をするというふうな行政措置を規定しておりますので、港湾労働に暴力組織が介入してくるということは、このそれぞれの条項を活用することによって排除できる、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/49
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050・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣並びに局長の答弁を伺っていますと、かなりいま一般社会で心配されているような問題が排除されるように伺えるわけです。私どももそういうふうになってほしいと念願しています。しかし、現実の問題として、これは一般的な社会からの暴力追放の問題もさることながら、港湾における暴力介入というのは、これはその悪い面であり、古い因襲でありますけれども、かなりこの事業の実態といいますか、形態といいますか、そうした面から、これまた歴史的なものがあると思うわけなんです。この法律がいまかりに本委員会を——これは社労が中心でございますけれども、通過をしたとしても、局長がいま答弁をされたような状態に、しかも、国民が欲するような状態に直ちになるかどうかということについて、私はまだ若干心配が残っておるのです。したがって、この種の問題については、私は、もとより主管局でそれぞれの努力を払われるであろうというふうに存じますけれども、私は、あらゆる国のこれに関連する各省庁の総合的な、つまり力と申しますか、行政力と申しますか、そうしたもので、抜本的に、しかも、勇断を振ってやらなければ、私は、なかなか大臣が答弁したように、あるいは局長が補足答弁したような姿にならないのじゃないか、こう考えますので、ささやかであるけれども、国民の中にこういう心配があるとするならば、これをもっと具体的にこの委員会を通して解明していただきたいというふうに思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/50
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051・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 現在かなりの歴史的経過をもって、そしてまた、いろいろの努力が払われてもなお存在しているただいま御指摘のようないまわしい事件を除去いたしますためには、行政当局者が非常な勇気をもって対処しなければならないことは言うまでもございません。と同時に、やはりそういうものの介在を許さないように、介在の余地をできる限り狭めていくような立法措置が必要であろうと思うのでありまして、この法律はそういう趣旨をもってつくりました。したがって、この法律の運営にあたって、私どもは、ただいま御指摘のような勇気をもって、しかも、警察庁、運輸省その他関係各官庁等の協力を得て効果をあげるように全力を尽くしてまいりたい。特に私どもだけでやれないことは、先ほど申しましたピンはねをしたり、あるいは不法なこの法律に違反するような行為をしたそういう業者に対する処罰の問題でもあります。こういうことも厳格の態度をもって臨むことはやはり必要であろう、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/51
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052・杉山善太郎
○杉山善太郎君 関連。きょうは労働、運輸の両大臣もおられますので、関連というかっこうで両大臣から御答弁いただきたいと思います。
私、思いまするに、この法律は、労働法的な側面と事業法的な側面と、言うならば二つの側面があると思うのであります。したがいまして、本法のようななかなか新しい立法でありましても、いみじくも一第九章に罰則規定がうたわれておりますが、これは一口に言うならば、業者には軽く、労働者には過酷であるというふうに私は極論せざるを得ないと思うのであります。まあそれはそれといたしまして、本法第九章の罰則規定の以前の問題として、港湾労働の近代化及び港湾運送事業の近代化に関連して若干の質問を労働、運輸の両大臣にしたいと思うのであります。
あまり時間もありませんので、端的に申しますが、質問が二つあります。質問の第一点は、港湾労働者の確保と雇用の安定、及び、港湾労働の近代化と新秩序の確立に不可分な関係を持つ港湾における運送事業の免許基準の改正など、いわゆる港湾の事業規制等の問題について、たとえば労務管理の近代化のために事業の免許基準の改正を行なう等の場合に、運輸大臣は、事業の免許に際して労働大臣と協議すること、また、労働大臣は、悪質なこれら要するにいろいろな組織暴力——主として港湾には組織暴力の定着性というものが従来あるわけであります。今日なおこの定着性というものが陰に陽に容認されているような形でいろいろとはびこっておる、あとでこれは警察庁刑事局長も来ておられますので、別な機会に、社労の場合でも一時間があれば承りたいと思うのでありますが、こういうようなことからいたしまして、この悪質な港湾労働秩序に違反するような事業者に対しては、やはり労働大臣は日雇い労働者の紹介を停止するとか、あるいはさらに運輸大臣に対して、事業の規制であるとか停止、もしくは免許の取り消しといったことを請求することができるようにする、いわば港湾運送事業法というものを抜本的に今後改正する必要があるのじゃないかというふうに考えておるわけでありまするが、こういった問題について、若干受け取り方のいかんによっては、いわゆる港湾労働法案を審議する過程の中では飛躍した質問じゃないかというふうにお考えになるかと思いますけれども、質問する私の真意はそうじゃなくて、現に港湾の組織暴力というものが定着性を持っておる、その地域に関する限り、やはり職安法あるいは労働基準法というものが浸透していないのだ、悪いことばで言うならば治外法権的な面もあり得るのだ、こういうふうに判断しておりまするので、そういったような点について、ひとつ両大臣からやはり腹蔵のない御所信をこの連合審査の場で表明していただきたいと、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/52
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053・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 運輸大臣が許認可を与えられるにあたりましては、その重要な基準は、一つには、やはりその業者に法律違反行為があるかないか、あるいは法律違反行為が行なわれる危険があるかどうかということが大きな材料になると思うのでありまして、私どもの所管いたしておりまする労働行政上、本法律、職業安定法、労働基準法その他の違反行為を行なった者は法によって告発をいたします。したがって、それが当然運輸大臣がその責任において許認可を与えられるときの重要な基準になるだろうと確信をいたしておるのであります。法律上の規定はなくても、事実上の協議を通じまして、労働行政上いかがわしい業者に対しては、運輸大臣が許認可の正しい判断をされるように協力していきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/53
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054・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) ただいま労働大臣のお答えになりましたように、御審議願っております港湾労働法附則第七条「港湾運送事業法の一部を次のように改正する。第六条第二項第二号中「この法律」の下に、「港湾労働法(昭和四十年法律第一一号)第十六条第一項若しくは第十七条」を加える。」ということで、お尋ねのような問題がありました場合には停止または取り消すということは当然のことでございます。また、許可をされるような申請をしてまだ許可をしていないという場合に、そういう内容を含んでおることが発見されれば許可をいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/54
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055・杉山善太郎
○杉山善太郎君 関連でありますけれども、もののついででありますので、ひとつ吉田さんにお許しいただきたいと思います。
もう一つ、両大臣から、質問の第二点というかっこうで御答弁いただきたいと思うのであります。港湾労働者の賃金だとか福利厚生施設などを含む労働条件の向上改善、言うならば、先ほど申し上げましたように、この法律は確かに労働法的な側面、事業法的な側面がありますので、大体今日の開放経済体制における港湾産業の位置づけからいきましても、経済問題の中核的な要素そのものずばりで言うならば、その産業下における労使関係、労働問題が円滑に、たとえば製造業でなくても、輸送面においてうまくいっておるかどうかということが、やはり今日経済問題を幅広く論議する場合の評価の対象になるかと思うのであります。したがって、港湾労働法が発足をしてひとり歩きをするようになれば、当然そこに登録制が行なわれる。したがって、やはりこの港湾労働の近代化だとか、新しい秩序の確立という方向の中で、労働条件であるとか港湾の福利施設というものが向上改善の姿において、それと不可分の関係において、雇用の安定であるとか十分な雇用の確保であるとかというような問題が当然問題となってくると思うのであります。そこで、お伺いするわけでありますが、これらの雇用安定確保と不可分な関係を持つ港湾運送事業の中の運賃だとか料金等の合理化の問題、たとえば下請という問題について、労務管理の面であるとか、あるいはこの労務管理の圧縮を防ぐために、作業料金であるとか管理料金であるというようなものの分離する場合が当然これは起きてくると思うのであります。そういう中で、運輸大臣は、運賃や料金等をやはりそれは審議会などを通していろいろおきめになる、そういうことが過去の慣行でもありましょうし、将来においてもそうであろうと思うのですが、しかし、そういう場合に、やはり前段申し上げましたような労働条件という、そういう含みの中で、いままでこの前時代的な労使慣行といいますか、労使慣行というようなことの、どう形づけてもできないような封建性の強い状態の中で、搾取があり、ピンはねがあるといったような中でこれを合理化していくという場合に、やはりこの運賃なり料金の中に賃金の原資というものが含まれておるのだ、作業料金にしても管理料金にしても。そういう面からこれを許認可なされる場合において、やはり当然この法律が発足してひとりで歩くような、そういう方向を考えた場合には、当然許認可についても、形式はどうであっても、実質的には新秩序を撹乱するような者はやはり厳重に罰すると言っておられると同様に、やはり実質的に合議をして、運賃なり料金なり、その中に含まれておるところの労務管理なり作業料金なり、そういう賃金原資もそこにあるのだということをどう理解をして考えておられるかというような問題について、ひとつ両大臣から、これは重要な根幹の問題でありますから、これは諸外国の例から言えば十数年前に解決されておるわけですが、日本ではこれが初めて新しい労働立法なり——労働立法では割り切れません。二つの側面がありますからデリケートでありますけれども、デリケートだけに、やはり連合審査を通じて両大臣からひとつ見解を伺っておきたい、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/55
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056・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 許可、認可、免許取り消しその他の場合につきましては先ほどお答え申し上げましたとおりでありますが、料金決定等に際しましても、事実上の協議を通じまして、労働行政の見地から配慮が加えられるように努力をいたしてまいりたいと考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/56
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057・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 料金の問題については物価等のこともございますから、現在も相当値上げ要求をされておりますが、一面におきまして物価政策との関係もにらみ合わせ、また、経営の成り立つ条件も考えなければなりません。また、能率的な経営のもとにおける適正な原価というものは適正な料金により成り立っておりますから、それも調査いたしまして、また、適正な利潤も含む必要があるということで、特定の利用者に対して不当な差別的取り扱いをするものでは絶対にございません。そこで、この適正原価というものは、いま御指摘の適正な賃金というものからの積算によって申請されてくるものでありますから、それを検討して、物価とにらみあわした上に認可するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/57
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058・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 この法案で、具体的に第二章で港湾の雇用調整画画等がございますが、第三条で計画の策定の内容がそれぞれ盛られております。この策定の内容を見てまいりますと、港湾の労働者にとってはたいへん重要でもあり、また、関心を持たれているのではないか、こう推測をします。そこで、私は労働大臣に伺いますけれども、この一から四に掲げました港湾雇用調整計画の内容を具体的に今度は決定する場合には、港湾調整審議会ですか、ここに書かれておりますけれども、この意見を十分聞く、こうなっております。本来この調整審議会なるものは存在しているわけでありまするが、これの意見を聴取するわけでございますが、常識的には判断つきますけれども、この審議会の構成メンバー、こうしたものが具体的にどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/58
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059・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 先ほど吉田さんおいでにならないときに浅井委員からの御質問がございましたのでお答えをいたしました。もう一ぺん重ねてお答えをいたします。この審議会は、現在の予算では審議会の委員は五名ということになっておりますが、実際の運営にあたってこれを七名にするように目下折衝中でございますが、七名にできると思います。この七名になりました場合は、二名はいわゆる使用者の立場を代表し得る経験者、それから、二名は労働者の立場を代表し得る経験者、三名は公益代表的な立場にある学識経験者、こういう構成で行ないたいと考えております。直接は内閣の所管でございますから総務長官の所管でございますけれども、ただいま打ち合わせ中のところを経過的に御説明申し上げますとそのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/59
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060・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大臣から、将来のプラス二名される分も含めて、かなり明解な答弁がありました。十分承知いたしました。
そこで、これまた当然のことかと考えますけれども、したがって、この委員会は、いまお答えになったようなメンバーで、一応労働大臣の所管ですから、その第三条の中に書かれております重要事項はすべて諮問されて、その答申に従いまして大臣は第二章の港湾雇用調整計画というものを策定する、こう理解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/60
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061・石田博英
○国務大臣(石田博英君) この法律に関係するもので港湾調整審議会に諮問をいたすものについて、具体的なものについては、いま事務当局からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/61
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062・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 御指摘の港湾調整審議会に港湾労働法上諮問する事項は、ただいまお話がありました港湾雇用調整計画が一つであります。それから、もう一点は、納付金の額を調整審議会に諮問する、これが第二点でございます。この二つがこの法律上必ず審議会の意見を聞かなければならない事項でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/62
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063・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ちょっといまの答弁だけでは、まだ私ども十分理解できません。ですから、せっかくいま法律がここに出されて、時間の関係上、私はこの一から四までの条文は読み上げませんけれども、この条文だけでは一これは法律というものはこういうものでしょうけれども、きわめて抽象的ですね。ですから、先ほどのせっかくの労働大臣の、従来は構成人員は五名であるけれども、さらに二名を増員することに折衝をいたしておって、それが可能であるという答弁をいただきまして実は満足をして、その内容も、具体的に使用者を代表する経験者二名、労働者を代表するこれまた経験者二名、他の三名はこれに関係いたします学識経験者、こういうところで構成して、しかも、この三条に示されておる問題について具体的に調整審議会の意見を聞くほか、必要があれば云々と、こうなっておりますから、いまの答弁だけではなくて、ここまで大臣が前向きの、構成メンバーの氏名は別として、その構想を明らかにした段階では、もうちょっと内容を明らかにして、こういう問題とこういう問題とこういう問題は、少なくともこの審議会が答申をして出した答えというものはすなおに、私の言い方が、すべてということばを使ったから何かえらく気にしておったが、私は、やはり少なくともそうした諮問機関に諮問した場合は、原則的にすべてやはり出た答えは尊重する、こういう立場に立たなければ、何ら私は第二章の意味はなくなってくる、こういう気がしたものですから伺ったわけです。もう少し内容を具体的にお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/63
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064・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 私は、すべてということばを、はかるべき案件を、この法律で示されている案件すべてと、そういうふうな御発言と受けとったものですから、したがって、はかるべきものと、それから、こちらでやるものと、その区別を明確にしておかなければならないというので事務的にお答えさせた次第でありますが、審議会の答申はこれを尊重してやっていかなければならぬことは、これは言うまでもございません。これはひとつ明確にしておきたいと思います。
それから、もう一つは、御協議を願う相手方が二つあるわけでございます。一つは、中央職業安定審議会、これは三者構成でできているわけでございます。もう一つは、港湾調整審議会であります。そこで、港湾調整審議会にはかるべきことと中央職業安定審議会にはかるべきことと違うものもあり、同じものもあるわけでございます。その点は事務当局からあらためて明確にさせたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/64
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065・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 港湾調整審議会は、港湾行政の総合調整をはかる審議機関でございますので、この港湾労働法上必ず意見を聞かなければならないものは、三条三項の規定に基づきまする雇用計画の策定について意見を聞く、それから、三十五条の五項に基づきまして納付金の額をきめる場合に必ず意見を聞かなければならぬ、こういうたてまえになっておりますが、そのほかの事項について、この法律の施行にあたりまして重要な基準を随所に設定することになっておりますが、これらはすべて労働省に設置されまする中央職業安定審議会の意見を聞くと、これはもちろん三者構成でございます。さらに、これは六大港に適用を予定しておりますが、それぞれの適用港湾ごとに地区職業安定審議会、これも中央職業安定審議会と同様の性格の三者構成機関でございますが、この地区職業安定審議会において、さらにこまかい具体的な基準等を現地的に諮問をして運営の万全を期する、こういういわば三段がまえになっておりまして、それぞれの段階に応ずる諮問機関の御意見を十分尊重して運営の万全を期していきたい、かような仕組みになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/65
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066・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 おおむねわかりました。それから、この法律の中に、大臣が先ほど答弁されたように、かなりな条項に審議会の意見を求めるというような文章がございます。ですから、私は、その点につきましては大臣並びに局長から答弁されたような理解をします。したがって、今度は港湾労働者の福祉の問題もこの中にうたわれております。一つには、事業主に対する協力の義務といいますか、こういう意味も含まったものがこの中にございます。それから、一面、今度は国はこれに対する助成策といいますか、援助をするというような意味のものもこれまた存在いたしているわけです。そこで、私は、今日の港湾労働者の福祉の実態を見ますれば、これは日本の他の産業もおおむねそうでありますけれども、その中でも、この港湾労働者の福祉の問題については、非常に低い位置づけをされているということは、私は、労働大臣も職掌柄御存じだと思う。しかも、これらがヨーロッパないしアメリカ等との港湾労働者の福祉要件と比較をしてみましたならば、はるか問題にならない状態であると、私はこう考えています。ですから、そうした中で、今度この法律でこういう事業主に対する努力の義務づけをしたことは、私は、やはり率直に言って前進はしているものだと、こう理解します。しかし、ここにも求められているように、あくまでこれは努力的な義務なんですね。私は、やはりここまでせっかく法律を出した限りにおきましては、近代港湾労働福祉というものの考慮を当然してまいらなければならぬじゃないか。そういう立場から考えてみますると、この努力義務だけでは、なかなかいま存在しておりまする諸案件は、いかに事業主にこの法律でこのようなものをきめても、これはあくまでも努力ですから、これは悪口を言うのではないのですよ、大臣。えてして、われわれの質問に対しては、常に努力する、検討するなどという答弁がよくなされますが、しかし、実際具体的にそれが施策にどう努力の結果が反映したか、施策として取り行なわれたかということをわれわれ考えてみますると、残念なことではございますけれども、えてして、なっていない例が非常に多い。したがいまして、私は、一体この努力義務というものは、所管大臣が行政指導としてどの程度義務づけを考えられているのか、ひとつお答え願いたいというふうに思います。
さらに、国の援助に関する問題でありますけれども、ここにもまた非常に石田労働大臣らしくないゆるやかな文章になってあらわれています。「国及び地方公共団体は、事業主及びその団体並びに港湾労働者に対して、港湾労働者の福祉の増進のための援助を行なうものとすること。」こう大体要綱にも示されておりますけれども、具体的にやはりこれは国が一体どういう援助の施策を考えているのか。しかも、ここに示されておりまする地方公共団体にはどういう求め方をするのか。それから、もう一つは、労働者の福祉の増進といいましても、福祉というのは非常に幅の広いものでございますから、具体的にこれもどこらあたりに力点を置いた福祉の増進を考えておられるのか、援助の施策として考えておられるのか、この点を解明していただきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/66
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067・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 具体的には、たとえば住宅の建設、あるいは厚生施設の建設その他をさすのでありますが、これに対しましては、事業者の努力義務に見合うものとして、国としては融資その他のあっせんを考慮いたしておりまするし、その一部分については予算化もいたしておるのであります。それから、国直接、あるいは雇用促進事業団を通して行なう福祉施設の設置等も計画をいたしておるのであります。内容をちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/67
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068・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 福祉の問題は、これは事業主と国並びに地元の地方団体、この三者が一体になって行なわなければなかなか十分な福祉施設が整わないわけでございますが、われわれが過去十年間に、法律によらずに、単に予算措置として講じた金額の総額を申し上げますと、約三十一億十年間に投入しております。ことしは単年度で約十億この福祉措置の予算として計上しておるのでございます。したがいまして、過去のテンポからいいますと、今回法律が新たに制定になりました今日の段階では、非常に福祉に重点を置いて内容を充実していこうという考え方で予算を編成したわけでございます。事業主の努力義務についてなまぬるいという御指摘がございますが、私どもとしては事業主へさらに一段と指導もいたしますし、われわれの計画しておりまする住宅の融資にいたしましても、あるいは福祉センターの建設にいたしましても、業者負担というようなものがある程度加わっておりますので、一体となって福祉施設の充実をはかっていくと、こういう考え方で運営をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/68
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069・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 港湾の関係については、すでに今年度の場合は予算が通過していますから、その中で増額をどうこうということを掘り下げても、これは始まりません。ですから、多くを申し上げません。ただ、大臣が答弁されましたように、国自体で施設を拡充していくという面、これは大いにけっこうなことです。ただ、どんな事業でも、えてして、政府は援助するとか、あるいは助成するとかいうふうなことを強く訴えたり、あるいは文言にうたっておっても、具体的に内容を聞いてみますると融資だ、こうなるのですね。これは融資しないよりいいのかもしれませんけれども、いずれこれはやはりどんな事業主にとってみても、借金であることは間違いない、しかも、金利などというものは非常に高いのでございます。皆さんは金利などは低いのであると、こう申されるかもわかりませんけれども、この事業の性格、しかも、港湾労働者の福祉を前提とした諸施策でありますから、そういう面から見ますると、私は、金利などというのは高い、こう理解している一人でございますけれども、とにもかくにも、借金政策であることには間違いないですね。さなきだに、今日おくれておりますこうした施設を通して港湾労働者の福祉を増進していくということになりますれば、勢い、何といたしましてもこの資金が必要になってくることは必然だと私は思う。したがって、これはひとつ要望になるかもわかりませんが、もっともっと融資についても、そのあり方として、私は将来に向けて、政府がこの法律を立案をいたした経緯から見て、これこそ努力をしなければならぬじゃないか、こう考えるものです。
それから、いまの局長の答弁は、若干誤解したのじゃないかというふうに思いますが、私はこの要綱の第五にございますこの関係につきましては、なまぬるいというような言い方ではないのです。現実の問題として、ここにも書かれておりまするように、はしけ内で居住をしている実態がたくさんございます。関連いたしまして、教育の問題も付随してくるでありましょうし、伴って社会問題もいろいろ派生してまいります。こういう現実の姿の上に立ってこの程度の努力目標を与えて、最後のこれは義務であります、こう言っても、実態としてなかなかそうならないのではないかというふうに考えられますし、手ぬるいということでなくて、こうしたあまりよくない面については、どうあなた方がつまり行政監督者として積極的な指導をするのかという意味で聞いているわけですから、この点は誤解のないようにして私はお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/69
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070・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 国の直接行ないます仕事は、具体的な内容はあとで局長からお答えをいたします。たとえば住宅とか、あるいはセンターとか、そういうようなものの設置につきまして、従来も国が直接仕事をしてまいりました。この法律で規定しております努力義務に見合うものが融資でございます。そこで、しからば融資をどういうふうに使わせて、具体的にどうするかということでありますが、建設労働者の飯場なんかも同様でありますけれども、そういうものと同様に、基準法上の監督を一方において厳格にいたしまして、その基準法上の監督ばかりして、しかし、金がないと言われては困りますので、その金のほうの準備はこちらに一定度の準備をしつつ、他面においては基準法上の監督を厳重にいたすことによって努力義務を行なわせたい、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/70
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071・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 多少説明不十分だったのですが、三十一億の内訳は、大部分が融資ではなくて、直接の宿舎の建設、あるいはセンターの建設に要した経費でございます。ことしの十億のうちにおきましては、五億が住宅融資、こういう内沢になっております。さらに、はしけ内居住の問題でございますが、これも見方によっては非常に大きな数字になりますけれども、私どもとしましては、二千世帯以上にのぼるはしけ内居住者のうちで、直接対策を講じなければならぬという数字は約千五百世帯くらいを見込んでおりますが、これらについても、住宅の提供、あるいは船だまりの整備というようなことをやりまして、この二十七条の事業主の努力にこたえてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/71
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072・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 そこで、たまたまいま船だまりの整備などの関係につきましても関連して答弁されましたが、あまり時間がございませんから、私はこれでやめようと思いますが、たとえばいまお答えになりましたような、これは港湾整備のほんの一部でございますけれども、船だまりなどの整備につきましても、しばしばわれわれの運輸委員会でも問題になっておるところでございます。しかも、この法案は、先ほど同僚の委員からも質問されたように、一面においては労働法的な性格を持っております。一面においては、これは事業法的な性格を持っておる特殊な私は法律形態になっていると思うのです。そのことのよしあしはここで私は論じようと思いませんけれども、ただ、何かの問題をとらえても、私は省庁別に見まして、運輸省と非常に関係のある法律だと、たまたま運輸大臣が参りましたから一緒に伺っておきますけれども、ややともすると、この日本の省庁の、これはだれがそうさせるのか、あまり存じ上げていませんけれども、なわ張り争いということなんですね。えてして、官僚の諸君にそういう傾向が多いのでございます。したがって、そういう問題をどう一体運輸大臣と労働大臣が調整し合ってこの法律の万全を期そうとしているのか、この際、たいへんな一つの方針になりますから、それぞれの大臣から伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/72
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073・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 官庁間にあるなわ張り争いの存在というものを、どうも私も全面的に否定するわけにはいかないのでありますが、ただ、私は、私も松浦さんもいわゆる官僚出身者でございません。したがって、この法律を提案するにあたりましても、いろいろ両者間それぞれの立場で議論の相違はございましたが、われわれ政党出身者の立場に立ちまして、大局的な見地からできる限りの調整につとめてまいったつもりであります。したがって、この法律の運営にあたりましても、いまこの法律自体、ここでまとまったのでございますから、このまとまった上に立ちまして両省庁間の連絡を密にいたしまして、法律の上に直接具体的に書いてないことでも、実質上の協議を通じまして効果をあげられるように努力をしてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/73
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074・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) いま石田労働大臣が仰せになりましたように、それはどの官庁でもなわ張りはありますけれども、この問題は両局長が非常に長い間折衝せられまして、幸い石田労働大臣は、労政については私の先輩でございますが、私も多少労政をかじっているから、これはそういう意味で政党人であるためにまとまったと思うのです。でありますから、その精神をひとつ今後も両局長及び両課長は、私ども二人の考え方を継承していきましたならば、これは必ずうまくいくと思うのです。特にこの問題で一番手をやくだろうと私が思いますのは神戸なんです。神戸の問題が一番むずかしいと思うのです。けれども、最近神戸の市長も、あるいは神戸のこの方面の業界の方々も非常に反省しまして、この際、ひとつ両省の組織をかりて旧套を脱皮しようという熱意に燃えているのですから、この際、私は、やはり一段階はしご段を上がるときである、いいチャンスである、こう思っておりますから、吉田さんもひとつ御協力をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/74
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075・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 両大臣の答弁がございまして、しかも、松浦運輸大臣のほうからも協力の要請がございましたが、これは私どもも、港湾労働者の何といたしましても大きな問題ですから、協力はやぶさかではないわけです。いま両大臣の答弁を聞きまして、私は意を強ういたしましたけれども、しかし、両大臣が、この法律がかりに通ったとしても、これが根がはえ、だんだん成長するまで大臣をやっておるというものではないと思うのですね。幸い労働大臣の省のほうは新しい省庁かどうか、比較的官僚も、質的に、私の見るところでは、良識派が比較的——比較的ですよ、比較的に、これは歴代大臣の努力の結果だと思いますけれども、多うございます。しかし、松浦さんのほうは、これはかなり古い歴史のある省でございまして、これはまあこの法律とは関係ございませんけれども、いろいろわれわれは運輸委員会で問題を投げかけてみたり取り扱ってみたりしておりますけれども、まだまだ官僚の中にはなわ張り的な意識がございます。これがために、たとえば一つ観光行政を見ても、依然としてそういう面がうかがわれるのです。これは、幸い、いま労働大臣から、そうした傾向はないとは否定しないと、こうおっしゃっていますから、私もあえてこれ以上申し上げようとはしませんけれども、こうした事柄は、かりにささやかであったとしても、存在するとするならば、これはやはり弊害ですから、取り除かなければ国民のためにならないわけです、せっかくりっぱなかりに法律ができ上がったとしても。ですから、十分官僚の諸君は、両大臣のただいまの答弁を踏まえて、さようなことのないように私は運営にあたっていただきたいことと、それから、両大臣は、在任期間中は、せっかくこの国会の場で答弁したことですから、できるだけさようなことのないように官僚を私は高い見地に立って指導していただきたい、こういうふうに考えますので、このことを申し添えまして私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/75
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076・小柳勇
○小柳勇君 重複を避けて三十分ばかり質問いたします。運輸大臣と労働大臣に、原則的なことですけれども、質問いたします。中国に参りまして一番力説されましたのは、あそこの海運荷役作業が組織化されて、これが日本の運輸省みたいなところに統括されたわけですね。そうして労働組合が鉄路工会に一本なんです。日本の全港湾と私鉄総連と国鉄の労働組合のようなものが一本のようなもので鉄路工会ができていますが、われわれ荷役作業など、海岸にまいりまして、かつてクーリーといわれたあの荷役作業が上海などでも非常に統制されて、完全に陸上海上、その荷役作業の労働者が一体となって運輸作業に従事しておるという点、これを実際聞きましたし、また、見てまいりましたが、いまこの日本の運輸事業は、陸上海上ともに、非常に統制されております。船員法もあります。船員の取り締まりももちろん非常にきびしいし、陸上のほうでも国鉄なり私鉄なり、非常に統制がありますが、この荷役作業、いわゆる海岸荷役など、港湾運送事業というものが、労働者の面でも事業の面でも、谷底のような気がいたします。この面について運輸大臣の認識を聞きます。それから、それに従事している労働者の生活は、船員労働者及び国鉄、私鉄などの労働者に比べて非常にまだ労働法上保護されていない。この問題の認識、見方をまず運輸大臣と労働大臣からお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/76
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077・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 港湾運送事業の実態、あるいは港湾運営の実態についての問題は運輸大臣からお答えを申し上げるのが適当だと思うのですが、ただいま御指摘のように、港湾労働の実態は、著しく他の産業に比べて劣っておりますし、また、その雇用の形態等に改善を要すべきものが非常に多いということは私も承知いたしております。いかなる労働でも思うのでありますが、特に港湾労働がいわゆるクーリー的な存在であってはならない、これはもう私どもの労政上の信念でありまして、そういう立場からこの法律をつくり上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/77
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078・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 御指摘になりましたことはごもっともなことなんです。どこへ行きましても、まあいままで十六ぐらい港湾を見たのですが、それは必ず運送事業関係のところをのぞいて回って見ておりますが、だいぶ建物もよくなったところもありますし、また、非常な悪い建物の中に入っているのもある。まあ先ほど来話がありました神戸なんか、古い組織でやっているわけです。組ということでやっているのですね。したがって、これはどこが悪いかというと、国の港湾に対する荷役設備の投資というものが私は問題だと思うのです。それで、ハンブルグの川は両方が林のようにクレーンが、あるいはハドソン川、ニューヨークに行っても同様であります。その川のクレーンのうしろにはインクラインがあるとか、あるいはベルトがついているとか、あるいはパイプがあって、小麦でも何でもすぐ対岸に揚げるとかというような設備であって、ボタン作業なんです。ところが、こっちは全部肩でやるものですから特殊の人間が必要なんです。それで、船が入ったとき、入らぬときというようなときがあるから神戸のような事件が起きる。しかも、その企業が小さいのです。これは港湾の荷役設備というものを、荷揚げというか荷役というか、設備というものをやはり先進国並みに、日本もここまでの輸出量を持つようになったのですから、やはりこれは国の投資をさせる必要があるというのが私の主張なんです。そして運送事業というものを統合して大きな企業体にすれば、そこに働く勤労者の組合も大きくなって、そうして近代的なこともできるというようなことになりますから、やはりそうすればコストも、合理的にいきますから、安くなります。運賃コストも安くなることになります。でありますから、やはり先んずるものは国家の公共投資がクレーンやインクラインにかわることにならなければ、いまのようなことで荷役をどんどんやらしておるものですから、また船内荷役がまだ問題なんです。ちょうど炭鉱の坑内に入ったような状況なんですから、そういう状況を直すことが先決であるので、それが直ったならば統合さして大きな企業体にする、そうすれば労働組合も大きくなって話し合いもうまくいく、そういうふうに考えているのですが、その過程にあるものですから非常にむずかしいところなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/78
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079・小柳勇
○小柳勇君 港湾については港湾管理組合がありまして、地方自治体なども入ってやっているわけですが、荷役作業は野放し、民間作業野放し、そういうところに問題がありますから、いま大臣は荷役作業の機械化のほうだけを考えておられるが、たとえば荷役作業の公社など、政府が管理下に置くような荷役作業、港湾運送事業、そういうものの構想があるのかないのか、お聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/79
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080・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) それはいまのところあくまで自由企業ですから、自由企業における統合体を希望しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/80
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081・小柳勇
○小柳勇君 自由企業では政府が金を貸して設備をするだけでして、それは大企業だけしかできないということでしょう。そうすると、中小企業などまた問題が起こりますが、どうですか、一歩前進して、管理組合に準ずるような荷役作業の管理、そういうことについてもう少し体系的な国家の意思が入る、あるいは非常に地方自治体などの管理の意思が入る体制に切りかえる意思はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/81
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082・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 荷役作業だけを自由経済からはずして管理経済にするということはむずかしいと思います。全体はやっぱり自由経済の中における組織体でなければならないと思います。しかし、その中において、お話のように、企業体を大きくした、しかも、企業体を大きくしていくことが他の自由競争に勝てる、他のばらばらのものに勝てるという原理の上に立っていけば自然に強化されていくと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/82
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083・小柳勇
○小柳勇君 いま運輸大臣、門前雇用があって、ボスがその門前で一人一人くくって作業させるような原始的なそういう労働情勢、作業情勢がある。その荷役作業に対してもう少し積極的な具体案があってしかるべきだと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/83
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084・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 局長から答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/84
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085・佐藤肇
○政府委員(佐藤肇君) ただいま大臣からお答えいたしましたように、私どもは、港湾全体の今後の問題といたしましては、やはり貨物が飛躍的に増大いたしますので、施設を増強することが第一だと思います。その次には、先ほどお話が出ましたが、管理者がもう少し強い力を持つように育てるべきだと思います。それから、第三には企業の問題でございますが、企業の問題も、状態は、いま小柳先生が御指摘のとおり、非常に人種的な、しかも、中小企業が数多くあるという実情でありまして、これを先ほど大臣から申し上げましたような自由経済の中でどういうふうに集約していくかということでございますが、そのためには、現在この業者の協会といたしましては、元請を中心にした日本港運協会というのがございます。それから、船内荷役を中心にした全国港湾荷役振興協会というのがございます。また、全国沿岸荷役協会というように、たくさんの横の組織からなる団体があるということでございます。したがいまして、私どもといたしましては、集約化をやる前提といたしまして、これらの協会が打って一丸となる協会をつくってもらいまして、この協会とわれわれとが相談して集約化の方向を見出していきたい、こういうことで全国を打って一丸とする協会の設立に現在努力しておりまして、五月末か六月にはその設立が可能になると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/85
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086・小柳勇
○小柳勇君 その設備投資の具体案がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/86
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087・佐藤肇
○政府委員(佐藤肇君) この中小企業を集約していくということから、中小企業近代化促進法の対象事業にいたしたわけでございますが、さらに、この大きな集約のためにどういうような融資をやっていくかということでございますが、これにつきましては、まずその協会の設立を第一にいたしまして、協会と相談して案を練っていきたい。したがいまして、まだ具体的な企業集約の場合の大きな融資の問題については、検討の段階に至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/87
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088・小柳勇
○小柳勇君 この協会の設立は全国的な協会なんでしょう、そうですね。そういたしますと、労働大臣、全国的な協会がいまできようとしている。これに設備投資がありまして、荷役作業なども機械化されてまいるのですが、この法律では六カ所、六大港だけを対象にして港湾労働法がつくられておりますが、これは矛盾ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/88
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089・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 現在の場合でも、六大港に近接するものについて拡大したいと思っておりますが、できるだけすみやかに漸次全港湾に拡大していきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/89
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090・小柳勇
○小柳勇君 法務省、警察庁から見えておりますが、門前雇用でいまなお暴力ざたがあとを絶たないというのですが、どれくらいの人員がかかってこれを取り締まりしているのか。また、この港湾労働法ができますれば、将来これを根絶する決意であるのかどうか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/90
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091・日原正雄
○政府委員(日原正雄君) 港湾労働に暴力団が介入しておる状況でございますが、港湾労働に関する犯罪についてだけ特に抽出した統計は持っておりません。ただ、もっぱら港湾地域に巣くって荷役や沖仲仕、その他船舶運送業務等、港湾特有の業態に寄生している暴力団体、私ども港湾暴力団と呼んでおりますものが全国で七十四団体、千七百人ばかりおります。これの統計はございますが、これで大体港湾における暴力の状況の見当がつくと思うのでございますが、昨年の一年間で四百八十六人を検挙いたしました。その主要なものは傷害、それから恐喝、それから暴行、賭博、暴力行為処罰に関する法律違反、銃刀法の違反、麻薬その他の特別法違反ということでございます。これら暴力団についての取り締まりは、港湾行政に限りませんが、暴力団全般について、昨年から強力な取り締まり要綱を定めまして取り締まりに当たっておるわけでございますが、この形態の中には、いわゆる手配師といわれる求人連絡員が、自分の確保した労務者に対して、仕事の能率確保等のために暴行傷害を行なうような事犯とか、あるいは今度は逆に求人連絡員が行なう労務者の募集の仕事に対しまして、先般も横浜で検挙いたしましたように、暴力団員がなわ張り料として全員を喝取する事犯、あるいは暴力団員が労務者を相手にけんかし、ゆすりを行なったり賭博を行なったりする事犯が、最近における主として警察が検挙した事例でございます。これらにつきましては、特に人員は制限しておりません。それぞれ港湾に関係する警察署、警察本部がそのつど全員かかっておるわけでございます。これがための特別な人員というものは特にとっておりません。それぞれの所轄署及びそれぞれの県本部でもって取り扱っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/91
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092・杉山善太郎
○杉山善太郎君 関連して質問いたしますが、あなたに質問いたしますが、まあ新聞の報道するところによりますと、たとえば兵庫県警では、手配師等の暴力事件を訴えると仕事を追われる心配から——言い直しますが、手配師が暴力ざたに出ると、そういうことをいろいろ口ずさんだり訴えるというと、いろいろと仕事をまあ追われてしまうというようなかっこうで、まあそういう心配から泣き寝入りを労務者がしておるというわけであります。で、そういう見方がなされておるわけでありますが、港湾運送事業法の欠格条項に相当する業者を摘発する方針を兵庫県警で明らかにしたと、こういうことが新聞に出ておるわけでありますが、そういった事実について警察は掌握しておられますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/92
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093・日原正雄
○政府委員(日原正雄君) 港湾労働に関する暴力団介入の場合に、まあ私どものほうとしては力を入れてやってまいっておりまするし、今後も力を入れてやってまいるつもりでございますが、お話のように、この被害者からの届け出でがきわめて少なかったということで、検挙の事例も、暴力団犯罪全体から見ると、ごく少ないように見られます。特に粗暴的犯罪でございますが、暴行傷害事件につきましては、その原因が、求人連絡員が確保した労務者が就労中に早びけをする、あるいは仕事の能率低下というようなところから暴行傷害を加えるような場合が多いのでございますが、被害者側は、まあ私どもの判断では、やっと見つけた職場で仲間から見放されると生活の基盤を失うというようなために被害の届け出がきわめて少ないのではないかと思われるのでございます。兵庫県におきましても、昨年、港湾暴力団構成員の暴行傷害、暴力行為処罰法違反等で百六十七人を去年検挙いたしております。ただ、まあ全般から見ると、さらに関係各官庁の暴力排除の気運、それから、被害者をはじめとして、全般的な暴力追放の気運が盛り上がってきて、警察等に立証その他の点で協力が得られますれば、さらに強い取り締まりができるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/93
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094・小柳勇
○小柳勇君 一般労働法について質問していきます。まあ普通労働法であれば、組織された労働者が交渉相手を持ちまして労働協約を結んで生活を守っていくわけですが、この港湾労働法は、労働省の出先機関である職業安定所に登録して、そうしてあぶれたときには調整手当を出すと、そういう仕組みなんですね。したがって、まあそれはそれでいいですが、そこで、登録された労働者が組織をもって団体交渉をする相手はどちらなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/94
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095・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 登録制度をとることによりましてまあ集団ができるわけですが、これがまあどういう形に組織化されるか、それによっていろいろ違ってくると思いますが、われわれのこの港湾労働行政のやり方は、各港別に定数をきめて具体的な登録制度なり調整手当、この調整手当は全国プール計算でやりますけれども、港単位になるという考え方なものですから、まあ港ごとに組織化されていくのじゃないか。そうした場合に、相手方の使用者がばらばらの形にとどまっておるか、あるいは使用者が何らかの結合をするか、そういう将来の形につきましては、まだはっきりした予測はついておりませんけれども、まあいずれにしても、賃金その他の労働条件は、常用港湾労働者の条件と、それから、一方で日雇い市場における賃金その他の条件がございます。まあこの両面と密接な関連を持ちつつ、登録港湾労働者である日雇い労働者の労働条件がきまってくるのじゃないか、かようなまあ一般的な推測をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/95
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096・小柳勇
○小柳勇君 この労働法、労働組合法の十七条と十八条の適用なんですが、労働協約の適用、十七条のほうは事業場としての適用、十八条は地域的適用なんですが、このどちらを考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/96
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097・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) まあどちらの形が出てくるかという御質問ですけれども、私どももどちらの形になってくるか、ちょっといまのところ予測がつきかねておる状態でございます。これはどうせ労働者側の組織化に応じて使用者側の体制も整ってくると思いますので、まあどちらかの形態できまってくるかと思いますが、私どもがいまの段階で予測を申し上げることはちょっとむずかしい状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/97
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098・小柳勇
○小柳勇君 運輸大臣でも労働大臣でもいいんですが、運輸大臣の構想としては、沿岸荷役などの協会ができるのだということですが、大きな協会に統合してまいりますると、これは全港湾という労働組合がありますから、それが全部は代表しないでしょうけれども、全港湾が協会と交渉するかもしれない。しかし、地域的には、たとえば関門におけるこの登録された労働者が労働組合法の承認を得れば労働組合になりますからね。そうすると、そこの関門のあれで交渉する場面もある。あるいは調整手当が少ないからといってそこの職安に交渉する場面もある。あるいは一つの会社に行って、そこの雇われている会社の社長と交渉する場面もある。いろいろ場面がありますが、それは限定しないで、一般労働法の精神で今後団体交渉ができて労働協約を結べるのだと、こういう認識でいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/98
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099・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) いろんな場面を御指摘でございましたが、労使関係の問題については、なるほど労使間で協定を結んでいくということに将来あるいは相なるかと思います。個別であったり、あるいは統一の形であったり、いろいろあると思いますが、調整手当については、これはこの法律で労働大臣が額をいろいろな手続を経てきめると、こうなっておりますので、これは安定所なり、あるいは事業団との協約で金額がきまるということにはならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/99
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100・小柳勇
○小柳勇君 調整手当がその賃金の約六割ですね。その賃金というのは、さっきおっしゃったような地域的なものでしょう。そういたしますと、その調整手当というのは地域的な差が出てくるのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/100
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101・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 六割補償の考え方で先ほど御答弁申し上げましたが、七百六十円と五百円と三百三十円、大体三段階の金額を想定しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/101
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102・小柳勇
○小柳勇君 だから三段階ですから、それはまだいま限定していませんからね。たとえば関門は何級になるのか、神戸は何級になるか、まだ決定していないでしょう。決定しましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/102
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103・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) その具体的な金額の適用は、その人の賃金によってきまるわけでございますので、関門は三百三十円、大阪は七百六十円の最高と、そういうきまり方ではないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/103
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104・小柳勇
○小柳勇君 したがいまして、調整手当でも、そのところの賃金が基礎である。その賃金については、ただいま申し上げましたように、協会と交渉するかもしれない、あるいは会社と交渉するかもしれない。ただ、労働組合をつくりますと、交渉相手というものがなければならない。この港湾労働法と銘打って出された法律は、交渉相手はどこに求めているかと、そのことを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/104
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105・三治重信
○政府委員(三治重信君) これはまあ非常にむずかしい問題でございます。実際その登録された日雇い労働者だけで労働組合ができるのか、あるいは例の港湾の常用も含めて労働組合ができるのか、そこのところもまだわからない。実際のところそういう意味において、現在の港湾労働者の組織状態は、それほど何と申しますか、日本の一般の工場事業場のように、企業組合にもなっていないということで、労働組合の組織が今後どういうふうになっていくかということは予想できない。そうしまするというと、もしも日雇い登録労働者で労働組合ができたという場合には、その日雇い労働者を雇う港湾事業主と、まあ原始的には個別に、あるいは港湾事業の業者の団体があれば、その業者の団体に交渉を申し込むこともできるというふうに、どちらもできる。それを業者の団体で応ずるか個別で応ずるかということは、業者の考え方によるということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/105
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106・小柳勇
○小柳勇君 そうしますと、団体交渉をやること、これは、はしけだけの認識ですけれども、この港湾運送事業法の第三条では、検数事業、鑑定事業、検量事業とありますから、そういうものはいま組合があるわけですよ。支部があるわけですよ。そういうものは各会社で交渉しておる。しかし、いまおっしゃるように、近い将来に協会ができますと、そういう協会などで統一交渉ができるようになるでしょう。その場合、労働協約を結ぶと思いますから、したがって、十七条を適用するか十八条を適用するかでその労働者も限定してまいります。それがさっき言いましたように、六割の調整手当にはね返ってくるわけです。だから十七条を適用するのか十八条を適用するのかとさっき聞いておるわけですが、何かさっきそこにメモがあったようですが、ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/106
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107・三治重信
○政府委員(三治重信君) これは何と申しますか、ことに十七条の場合は一つの工場事業場に常時使用される同種の労働者ということになっておりますから、日雇い労働者の労働組合であったならば、十七条は一つの工場事業場、こういうことになっておりますから、できないと思います。これはなかなか適用しにくいと思います。それから、十八条の地域的に一般のやつにつきましては、これはその登録労働者の大部分が組織化されておって、それに基づいて労働協約がやられる場合には、組織されない、また、ほかのより小さな組合が労働協約を持たぬでも、大部分の大きな労働組合——一つの港湾の地域における大部分の日雇いの労働組合の労働協約によって適用するということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/107
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108・小柳勇
○小柳勇君 いまの労政局長の説明によりますと、十八条を適用するのが妥当であるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/108
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109・三治重信
○政府委員(三治重信君) ここに書いてありますように、十八条の「一の地域において従業する同種の労働者の大部分が一の労働協約の適用を受けるに至たときは、当該労働協約の当事者の双方又は一方の申立に基き、労働委員会の決議により、労働大臣又は都道府県知事は、当該地域において従業する他の同種の労働者及びその使用者も当該労働協約の適用を受けるべきことの決定をすることができる。」ということでございますから、とにかくそういうふうな労働協約ができた場合に、この一般的な拘束力をやるというときには、その決定がないとできないわけです。将来そういうふうな労働組合がそういう協約を持った場合、その申請をする権能と申しますか、権利はこの十八条によって出てくるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/109
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110・小柳勇
○小柳勇君 これは日雇い労働者だけじゃないですからね、常用雇用もありますから、これは通告してなかったから、少し検討していただきたい。これは午後やります。これは速記録に載りますとずっとそれでいきますから、勉強して答弁していただきたい。
それから、職業安定所長の権限が非常に強くなりまして、登録しますと、これはもう首根っこを握るような点、この点が一つ。
それから、調整手当を出しましても、これは六割ですから、六割調整手当をもらいますと、これが強制的に職業訓練に持っていかれる危険性がありますね。その人は調整手当をもらって、あぶれたからちょうどいいから職業訓練にいきなさいといって持っていかれる可能性があります。あるいはそうされるかもしれない、この法律の中身は。そうしますと、いまもいろいろ問題になりましたような日雇い労働者などは、たとえば一万二千円もらうから、それで家族が食えるかというと、なかなか食えないのだ。それで、たとえば野菜をつくって食糧の補充をしたり、いろいろしなければならぬ。この法律によりまして調整手当をもらうために職業訓練などに時間を一切とられて、あとの野菜をつくることもできないで生活困窮、一切もり生活全部最低生活に拘束される危険性はないか。これは大臣にお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/110
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111・石田博英
○国務大臣(石田博英君) 前段の職業安定所長の権限というか、力が実質的にかなり強い影響力を持つことは、これは事実だと思います。そういうことは考えられると思うのでありますが、ただ、それは人事の交流適正、あるいは行政的な運用の考慮によりまして、弊害の生じないように努力をいたしたいと思います。
第二段の問題は、そういう強制的に訓練所に持っていくようなことが法律上あるかないか、私はそういうことはないと思うのでありますが、強制的に持っていくということは、これは避けるべきだと思いますけれども、しかしながら、より高い収入を得られるための職業訓練を受ける適当な時間というふうにそれを運営されることは、本人の承諾と、それから事情等を考慮して行なうことは必ずしも不適当なことではないと思うのでありますが、ただ、強制的に行なわれることはやっぱり避けていきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/111
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112・小柳勇
○小柳勇君 もう一点、雇用促進事業団で調整手当を出すのですね。その原資は両方から納付金でやりますから、そうしてそこに、この法律を読んでみますと、その雇用促進事業団が職業訓練を実施するようになっている。したがって、調整手当を出したのだから、もうきょうは仕事がないのだから、この際、ひとつ職業訓練やって——それは親心かもしれないが、逆に、それがその人の生活を一切拘束することにならぬか、こういう質問をしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/112
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113・石田博英
○国務大臣(石田博英君) これはまあ親心もあるし、それから成績をあげるという気持ちからもあり得ることだと思います。しかし、やはりあくまで本人の自由意思ということを尊重するように運営していくべきものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/113
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114・有馬元治
○政府委員(有馬元治君) 大臣の答弁を補足さしていただきます。
第一点の、所長の権限の強大化については、そういう心配がないように地区安定審議会という三者構成のやつをかぶせておりまして、相当重要なことについては全部審議会の意見を聞く、こういう体制になっております。
それから、訓練の問題ですが、大体平常な状態においては、月のうち四、五日程度のあぶれが予定されると思いますが、この四、五日のあぶれを全部訓練にくぎづけするという考え方ではございませんで、そのうちの若干の日数をかけて、一般的な教養と安全教育に重点を置いて訓練をする、こういう考え方でございます。したがいまして、家事の用件とか、あるいは、いわゆるアルバイト的な面について自由意思を拘束してまで調整手当で強制をするということは、この港湾労働の場合にはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/114
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115・小柳勇
○小柳勇君 時間がないからこれで終わりますが、労働大臣、労働者のほうは、雇用促進事業団とか、あるいは職業訓練とか職業安定所などで、いわゆるお役所的に縛るわけです。事業主のほうは、さっき運輸大臣が言われたように、野放しの民間事業、こまいのもあるし大きいのもあるし、はしけもあるし船内のようなものもあるし、こういうような矛盾は早急に解決しなければならないのじゃないですか。近代民主国家の労働者、しかも、沿岸で危険な作業をやる労働者の生活、片一方のほうでは、がっちりと結んで民間に野放しにほうり出すという印象を受けるわけです。したがって、冒頭に私は運輸大臣に質問いたしましたように、陸上交通の労働者のように、あるいは船員のように、そういうようなもっと秩序ある——このちょうど中間地帯ですから、秩序ある生活、企業、作業というものを早急につくり出していかなければならぬと思うわけです。それに対して、もう一度労働大臣と運輸大臣からの答弁を聞きまして質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/115
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116・石田博英
○国務大臣(石田博英君) これはもうお説のとおりでありまして、この法律実施についてのいろいろの時期尚早論というものが生まれてきた一つの要因も、またそこにあると思うのでありますが、この法律実施を効果あらしめるためには、やはり現在の運送業者の実態というものをすみやかに改善をしてもらわなければならない、こう私も思いますし、先ほど運輸大臣は、港湾の施設の充実、近代化を通じてそれをはかってまいりたい、こういう意味の発言がございましたが、やはり協業、統合等を通じまして近代化をはかってもらうことが必要であろうと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/116
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117・松浦周太郎
○国務大臣(松浦周太郎君) 先刻も申し上げましたとおりでございまして、勤労者を不利な方向に追いやることのないようにするためには、何と言っても、総合的に見て一番労働組織なり労働のあり方がおくれているというのは、やはり設備がおくれているのです。設備が近代化をされていないから、そこに働く人も改善されていかれないのです。古い方法でなければやっていけないといったような現状なんです。だから、設備を近代化していけば自然に作業も楽になるし、また、生活も豊かになるということによってすべてが解決するのでありますから、今年も六千五百億のうちの一千億というものは陸上設備の方向に出すことになっておりますが、これもさらに拡大していって、六大港湾のごときは、特に船待ちその他の状況を見ましても、設備の拡大をしなければならぬ。これは政府は率先してやらなければならぬことであると思いますから、先ほど吉田議員からもお話がありましたが、いつまで私も大臣をやっているわけではないと思います。しかし、議員としてでも、あくまでもこの点はわれわれの出した案でございますから、成果を得られるように、一議員としてでも努力するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/117
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118・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) 他に御質疑はございませんか。——御質疑がなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/118
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119・藤田藤太郎
○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認めます。よって連合審査会は終了することに決定いたしました。
これにて散会いたします。
午後零時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814403X00119650507/119
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