1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月三十日(火曜日)
午前十一時十分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 雅孝君
理 事
上原 正吉君
岸田 幸雄君
向井 長年君
委 員
赤間 文三君
植垣弥一郎君
大谷藤之助君
梶原 茂嘉君
斎藤 昇君
阿部 竹松君
大矢 正君
中田 吉雄君
鈴木 一弘君
国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
政府委員
通商産業政務次
官 岡崎 英城君
通商産業政務次
官 村上 春藏君
通商産業大臣官
房長 熊谷 典文君
通商産業省重工
業局長 川出 千速君
通商産業省軽工
業局長 伊藤 三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
説明員
通商産業省重工
業局航空機武器
課長 広野 信衛君
参考人
日本航空機製造
株式会社取締役
社長 森 長英君
日本航空機製造
株式会社取締役
営業部長 太田 稔君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○航空機工業振興法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/0
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001・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員長および理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
本日は、参考人の出席要求につきまして御決定を願いました後、航空機工業振興法の一部を改正する法律案の審査を行なうことになりましたから、御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/1
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002・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりをいたします。
本日、航空機工業振興法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/2
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003・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。
なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/3
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004・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/4
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005・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 次に、航空機工業振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
先刻御決定を願いました参考人として、日本航空機製造株式会社社長森長英君、同社取締役太田稔君が御出席になっています。審査に入る前に、一言参考人の方にごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中にもかかわりませず、本委員会のため御出席を願い、まことにありがとうございます。委員一同にかわりまして厚く御礼を出し上げます。
それでは、まず参考人の方から会社の現状等につきまして、御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/5
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006・森長英
○参考人(森長英君) ただいま御紹介いただきました日本航空機製造株式会社の森でございます。まず、会社の概要について簡単に御報告申し上げたいと思います。
弊社は、昭和三十四年六月一日に航空機工業振興法に基づきまして設けられた半官半民の特殊会社でございます。会社の目的は「輸送用航空機の設計、試作、製造その他輸送用航空機の国産化を促進するため必要な事業を行うこと」になっておりまして、現在資本金は五十五億円でございまして、そのうち、約五五%に当たります三十億円を政府からの出資に仰いでおりまして、残りの二十五億円を民間出資によっております。
次に、試作開発の経過を申し上げますと、飛行性能や装備品の機能等を試験いたしますために、飛行試験用の機体を二機製作いたしまして、そのほか、機体全体の強度を試験いたしますためにさらに二機、合計四機の試作機を製作いたしまして、いろいろな試験を実施してまいったわけでございます。第一号機は、昭和三十七年八月末に初飛行いたしまして、また二号機は、同じく三十七年十二月末に初飛行をいたしました。それ以後、各種の飛行試験を実施いたしましたが、さらに一方、強度試験用の二機は、それぞれ全機静的強度試験、全機疲労強度試験を実施いたしまして、いずれも満足な成績をおさめております。これらの試験結果に基づきまして、昨年の八月二十五日、運輸大臣から型式証明を交付されまして、昨年九月九日には、全日空にYS11を使用していただきまして、東京オリンピック大会の聖火を沖繩から札幌まで空輸する大任を果たさしてもらったわけでございます。これは御高承のことと存じます。この試作開発と並行いたしまして、昭和三十八年初めから量産を開始いたしました。現在三十五機分の製作に要する材料、部品の完了をいたしておりまして、量産機は本日から逐次ユーザーへ引き渡しを開始することになっております。
次に、販売の見通しについて出し上げますと、現在受注見込みの確実なものは、官需が七機、民需四十三五機、合計五十二機でありすが、YS11は、昭和四十六年までに百五十機の生産を予定し、目下国内民需九十機、官府三十機、輸出三十機を一応の目標として、全社をあげて販売努力をいたしておる次第でございます。幸いにYS11は、国内各ユーザーにおいてその性能、特に離着陸性能についての評価は非常に高く、また、中・短距離に使用される場合の直接運航費も、他の競争機種に比べまして割安であり、かつ、現に世界のローカル線において多く使用されておりますDC3、DC4、コンベア240ないし440などのレシプロ機は、逐次タービン化の傾向にあることなどと相まちまして、先ほど申し上げました目標の達成は決して困難ではないと確信いたしております。ただ、YS11は戦後初めて開発された国産機でありまして、まだ就航の実績が出ていないこと、また国内におきましても、ローカル・エア・ラインの経営状態は必ずしも健全でないこと、航空機は世界的に買い手市場であって、欧米メーカーは、価格、支払い条件等に思い切った条件を提示していることなどの点を考えますと、よほどの覚悟が必要であると考えます。ことに輸出につきましては、単に性能がよければ売れるというものではなく、価格の点において、サービスの面において、魅力ある商品として海外に売り込むための具体策が必要であると思っております。したがいまして、そのためには、リース方式の採用とか、延べ払い期間、延べ払い金利等の点について、十分外国の航空機会社と対抗できる条件の提示が必要となってくるのは当然でございます。航空会社にとって機種の統一をはかることはもっとも効果的な合理化の方法であるといわれておりますが、一たび機体が購入されますと、継続して追加受注が期待できますだけでなく、多額の補用品、部品も継続的に購入してくれることに相なるわけであります。われわれといたしましては、この点に留意いたしまして、今後一そうコストの低減、性能の向上、サービスの強化に努力いたしまして、市場の拡大をはかっていく覚悟でございます。何とぞ国会並びに政府当局におかれましても、特段の御配慮をお願い申し上げる次第でございます。
以上のように、弊社といたしましては、今後の受注確保に確信はいたしておりますが、今後量産を進めてまいりますために必要といたします資金につきましては、弊社の物的担保能力が乏しいがために、その大部分を政府保証債によって調達させていただいているわけでございますが、外国の競争機種との対抗上、YS11の販売につきましても長期の延べ払いを認めなければならないなどの事情から、所要資金は著しく増加することになります。現行の社債発行限度では資金調達に困難を来たし、事業の遂行に支障を生ずることになりますので、社債発行限度を引き上げていただく必要が生じ、先日来当委員会において御審議をお願いいたしている次第でございますが、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/6
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007・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/7
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008・阿部竹松
○阿部竹松君 参考人にお尋ねするほうが正しいのか、政府委員に尋ねるのが正しいのか、わかりませんけれども、発足当時の速記録を熟読してみますと、いまから三十機ほど防衛庁にもうお光りになることになっているということで、この法律が論議され、発足している。いまどういうことになっているのですか。防衛庁に森社長さん、何機ぐらいお売りになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/8
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009・森長英
○参考人(森長英君) 防衛庁へは五機でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/9
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010・阿部竹松
○阿部竹松君 五機。もう現品を渡していると思いますが、五機お売りになっているコストは幾らなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/10
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011・森長英
○参考人(森長英君) はなはだ申しわけないわけでございますが、私ごく最近社長の命を受けまして何したわけですし、私も存じておりますが、詳しくは太田取締役が詳しく知っておりますので、太田部長にかわって説明させますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/11
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012・阿部竹松
○阿部竹松君 私は社長からお聞きしておる。いま五機売り渡したと、こうおっしゃるから、その五機は何年何月に何機、コストは幾らかということをお尋ねしておる。いかに最近御就任なさったか知りませんけれども、そこまでわからなかったら社長はつとまらぬでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/12
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013・森長英
○参考人(森長英君) それはわかっております。わかっておりますが、もっと正確に詳しく御説明申し上げたいと存じまして、太田部長ではいかがかと申し上げたわけでございます。ただいま私が申し上げ、さらに詳しくは太田部長から申し上げますが、私といたしましては、防衛庁へ五機契約しておりますが、二機渡しておりまして、三機は近いうちにお渡しすることになっております。防衛庁へお渡しする機種につきましては、いろいろな装備の関係がございまして、金は四億八千何がしでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/13
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014・中田吉雄
○中田吉雄君 森社長さんは最近御就任になったということですが、お伺いしますと、大商社であります丸紅さんの責任ある地位につかれて、その方面については非常にかねがね敬服しているのですが、この会社はなかなか発足以来問題が多いのです。販売技術その他解決せねばならぬ問題が山積していると思うのですが、どういう点に一番ウイークポイントがあって、そしてこれを軌道に乗せて、目的に沿うようにするにはどこに一番問題があるか。社長といえば、やはり小さいことも知っておられなければならぬのですが。大局的な問題も大事だと思うのですが、そういう山積せる問題を、まず不動の決意を承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/14
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015・森長英
○参考人(森長英君) 当社といたしましては、ま私といたしましても考えておりますことは、日本の航空機産業、航空機工業というものは将来相当に世界的に盛んになって、輸出を強化していかなきゃならぬと、こういうふうに思うわけですが、何ぶんにも売るということが、契約して売れるということが非常に大半なことじゃないか、かように思うわけでございます。それには性能がよくなければもちろん売れぬわけなんですが、しかし、私考えますに、YS11は性能の点においては非常にいいと、こう確信しておりますので、販売につきましても自信を持って売ることができる、こういうように思っております。したがいまして、国内のユーザーの方々には、もちろん国産でありますので使っていただかなきゃなりませんし、また使うことによって、いろいろな経済性もございますので、使っていただけると確信いたしますが、同時に海外への輸出、これについては、日本の産業といたしましてもできるだけの努力をしなければならぬ、かように考えております。ただ海外へ売るという場合でも、やはりいかなる品物でも実績のないものは、なかなか売ることが困難です。これはいかなる商品でも、あるいは機械類にしても特にそうでありますが、飛行機においても同様に考えられます。したがって、国内の就航実績というものが、何カ月かありまして、それによって、なるほどこれならよろしいということで買い手もこっちへの顔を向けるようになりましょうし、それで興味を待つようになる、かように考えますが、これからの売り方でございますが、問題は価格の問題であります。世界の航空機メーカーが非常な意欲に燃えて市場を獲得しよう、こうやってまいります。日本あたりにまいります場合でも同様でございまするが、その場合に、価格はやはりモデレートな、適当な、適正な価格であるということが絶対必要でもございましょうし、また売り方も延べ払いとか、あるいは金利をいかほどにするとかいうような、魅力のある売り方をすることが絶対必要でありまして、その点についてもいろいろな苦心がございますが、せっかくりっぱな航空機でございますので、その点についてとくと研究いたしまして、輸出については、ここに三十機という予想にはいたしておりますが、このくらいのことでいいと私は考えてはおりません。むしろ輸出のほうで、これ以上相当な割合で進めていくということを考えておるわけでございまして、これもできると私確信いたしております。最近におきましても、まだ就航実績のないのに各方面から照会もあるし、あるいはやや具体的な話し合いも進め得る段階になっております。これがはたして早急に契約の段階になるかということは、やはり最後の決は、国内における就航実績、あるいは経済性というようなものを見た上で決定されるものと思いますが、しかし、明るい希望が最近出てきております。社内におきましても一体となって、その実現をするために努力をいたしておりまして、要するに御質問の点は、どこがむずかしいのだ、こういうことであろうと思いますが、やはり満足してユーザーに使ってもらう、海外へ輸出する、そのためにはいろいろのやり方を考えなければならぬ。どうせ新しい仕事でありますので、むずかしいことは覚悟しておりますが、その実現に努力するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/15
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016・中田吉雄
○中田吉雄君 ただいまお伺いしまして、それに関連していろいろお尋ねしたいと思いますが、関連質問ですから、あとでいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/16
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017・阿部竹松
○阿部竹松君 森社長さんが明るい見通しである、こうおしゃっておるが、まあいままで丸紅さんにおって、世界をまたにかけている商社の重役さんであったのですし、僕たちしろうとと違うのですが、まあいよいよ営業に乗り出したのですから、明るい見通しであるということであれば何をかいわんや。私などとても明るい見通しはない。国策へ会社だから百五十億金をかければ、五十億くらいは国が補助せなければだめだと思うのですが、あなたのお話なら、国が一銭も金を出す必要はない。なるほどこういうふうに考え方を切りかえるほうが正しいというように断判しましたが、政府の責任者にお尋ねいたしますが、この発足当時、当時の全日空輸の社長、いまの朝日新聞社の社長の美土路さんがここに来てこういうことをおっしゃった。昭和四十年、四一年になると、わが社で使っておった外国からの輸入機のDC3を全部国内機に切りかえる、これはYS11に切りかえて、三十機ほど購入いたします、こう言明しておる。これはそのとおり実行されておるのですか。参考人の言うとおりは実行されておりませんか、今日の段階で。それともあなたのほうで三十機ほど全日空輸に引き渡しておりまますか。これは全部でたらめかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/17
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018・川出千速
○政府委員(川出千速君) 当時の国会における質疑のことは、ただいま私お伺いしたわけでございますが、全日空としましては、現在確実に契約をしておりますのは三機ございます。まだ引き渡しはしておりません。なお今後長期的に見まして、少なくとも三十機程度の購入は、これは契約上いっておるわけではございませんけれども、今後事業が伸びていくに従いまして、国内のローカル線用の航空機としてYS11を優先的に購入しようという意向は表明されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/18
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019・阿部竹松
○阿部竹松君 全日空輸に渡しておらぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/19
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020・太田稔
○参考人(太田稔君) 現状を少し申し上げたいと思いますが、量産機が完成しつつございますが、本年度に初めてユーザーにお渡しするわけでございまして、本年度と申しましても明日が最後になりますが、第一回のデリバリーとして予定されておりますのが、三月中に防衛庁の空幕に人員輸送機二機、航空局にフライトチェック、これは飛行設備の検査をいたしますその飛行機一機、この三機が官需でございます。それから民需といたしましては、東亜航空に二機お渡しする予定になっております。これが最初の量産機の引き渡しでございます。四十年度、つまり四月から逐時国内航空、全日空というふうに引き渡されてまいります。いま御質問の全日空につきましては、ことしの六月以降引き渡すということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/20
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021・阿部竹松
○阿部竹松君 そうすると、昭和三十五、六年ころ、ここで論議して、この会社が発足した当時の政府の答弁、参考人の意見等は全然もう参考にならぬということですね。これを私どもは政府の答弁、並びに権威ある参考人の意見をもって信用して賛成した。しかし、いま当時の文献をひもといてみてお尋ねしてみると全部違う。当時の文献をひもといてみると、いまごろは三十機か四十機飛んでおらなければならぬ。そういうことを言っておる。そうしてちゃんと経理、その他政府出資、あるいは民間出資ですね、富士がこう、三菱がこう、川崎がどうということを、先ほど申しましたように政府の責任者、当時説明された方は、いま通産省をおやめになったのですが、岩武さん、いまの事務次官の佐橋さん、こういう方が来てなさっておる。全部そうだ。太田さん、発言を盛んに求められておりますが、あなたこれがほんとうだと言えますか。あなたその当時会社におりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/21
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022・太田稔
○参考人(太田稔君) 私はこの会社の前身でございます輸送機設計研究協会以来七年間、昭和三十二年からこの仕事をやっておりますが、ちょっと補足させていただきたいのでございます。といいますのは、全日空さんには三機契約ができておりますけれども、そのほかに、この前提となっておりまして、二十購機を入するという内示をいただいております。そのことを合わせて申し上げたいと思います。そのほか国内航空さんから十五機、東亜航空さんからは五機といったような内示をいだいております。正式に契約ができましたのが全日空の三機ということでございます。ちょっと補足させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/22
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023・阿部竹松
○阿部竹松君 契約の話など、これは今年になるか来年になるかわからないのでしょう。実は当時の速記録、皆さん方の先輩、あるいは政府の答弁によると、もう三十八年から引き受けて常業をやっていることになっている。五年前の話をいまあなたと論争していることになる。せっかくお忙がしいところをおいで願った参考人の方々に対してたいへん恐縮ですが、ほんとうのことを知りたい、ほんとうのことを。森社長さんは明るい見通しであると言ったが、百五十億の金を使って、いま飛行機が一台か二台飛んでいる。四億八千万とおっしゃったが、四億八千万で海外に売れますか。なかなかそうはいかぬですよ。ぼくたちはそういうことにはしろうとであるから、あなた方の言うことをほんとうにして賛成している。五年たって依然同じことだ、いまようやくよたよた試作機が飛んでいる。国民で乗った人は通産省のお役人ぐらい、あとはだれも乗った人がない。これはあなた方二人の責任じゃないかもしれないが、めちゃくちゃだ、もっとはっきりしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/23
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024・森長英
○参考人(森長英君) いろいろ御質問でございましたが、昭和三十四年、五年というときの何が現在においてほんとうにそのとおり動いていなければならぬということは、これは最も私も希望するわけなんですが、しかし、それはそうじゃなかったということなんで、問題はこれからだ、こう思います。その間においても性能の問題とか、いろいろ研究の段階でおくれたということもあると思います。しかし、ようやくりっぱなものができまして、これから世の中にデビューして、国内だけでなく、世界的にも使ってもらうということなんでございます。これも先ほど申し上げましように、価格の問題、あるいは売り方の問題ということがございます。それをどういうふうにするかということで、これは非常な苦心を要するところで、このとおりだからこっちの希望どおりに買ってくれ、使ってくれといっても、それがなかなかむずかしい。しかし、このくらいの金がかかっているのだから、これでもって売らなければだめじゃないかと行われてもなかなかむずかしい。あるいは売り方が、金利がどうか、前払いがどうかというようなことが、やはり海外の航空機メーカーのやるようなことを参考にして、できるだけ有利にやるつもりでございますが、問題はこれからだと思いますので、この点御了承いただきたい、かように思います。なかなかむずかしいことは私は覚悟しております。しかし、むずかしいからといってほおってしまえばこれほど楽なことはないが、そんなものじゃないと思いますので、十分御後援、御叱正をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/24
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025・阿部竹松
○阿部竹松君 問題はこれからだということは、いまより六年前に聞きました。私ども諸外国の航空機産業というものは戦争中も戦後もずっと続いておる。日本はもう昭和十八年、十九年ごろから三十四、五年まで航空機産業というものがストップされておったのですから、その間の十四、五年ブランクがあった。細々と自動車工業に転換したり、オートバイをつくったりしてやっておったものですから、十四、五年間のブランクがある。いまそれに追いつかなければならぬ。ですから苦労は十分わかる。しかし、あなた明るい見通しがあるなんというから問題になる。それはだめですと、国から九十億ぐらい金を出しなさい、そうでなければ日本の航空機産業はだめですよということをなぜ言わぬかということが第一点。
それからもう一つ、三菱重工業で、小さい自動車に毛のはえたような、飛行機かもしれませんけれども、MU2型という飛行機があります。これが外国からどんどん注文があるということだが、政府はあれには補助を出さない、あなたのほうには金を出しているけれども。しかし金を出さぬほうの三菱直工業が成功している。よそからどんどん注文がくる。あなたのほうの飛行機は、重工業局長のお話を聞くと、日本で使って安全性を——われわれ日本国民をモルモットとは言わぬけれども、ためしてみて、安全性が認められたら諸外国に売るというのです。一方補助金をもらわない三菱重工業の小型飛行機の、ほうがどんどん海外から発注がくる。こういう点がどうも納得がいかぬ。あなたのほうは大型ですが——まあ中型でしょうね。その会社が、大体寄り合い世帯だからすっきりせぬのじゃないですか。川西とか中島飛行機とか、宇都宮でやっている富士重工、三菱重工の名古屋、つくるところは追浜でやっている、寄り集まりですよ。重工業局の責任者の話を聞くと、そこの古い機械を使うと、コストが阿部先生安くつきますよと、こうおっしゃる。しかし、それではどうもやすきについているような気がしてならない、こういうようなことで、確かに当時の機械をそちらこちらで使うのはいいかもしれませんが、そういうことをやっておったのでは諸外国に終生追いつけないのではないかという気がする。専門的な立場からひとつ私どもしろうとに明確に納得のいくように説明していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/25
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026・太田稔
○参考人(太田稔君) 第一に共同生産の問題でございます。技術的にいいまして、最近は事務等が非常に完備しておりますから、各社でやりましても、構造上の安全性あるいは実用におきますいろいろなサービス性というものには絶対心配がございません。最近ではヨーロッパは御承知のとおり、これは国内だけでございませんで、各国間の共同生産といったようなことをやっております。それが第一でございます。
第二は、いろんな共同作業の問題でございますけれども、御承知のように日本の航空機産業は、必ずしも非常に生産が常時安定しているという状態でもございませんので、これはやはり各社に適当なシェアを持たせまして、それで生産をやっていくといった共同生産体制ということは、日本の航空機工業の現状にとりましては一番適している方法ではないかと思います。そういう点から、各社におきましてもこの生産体制につきましては十分な協力態度といいますか、一緒になってやろうという協力精神には私は全然問題ないといいますか、むしろ非常に強く支持してもらっておるというふうに考えます。もちろん全然問題がないわけではございませんで、若干のたとえば部品の相互間の製作範囲といったような問題には、最初にそういう問題がございましたけれども、これも十分話し合いがつきまして、各シェアをきめ、生産分担をきめたわけでございまして、現状ではいま申し上げましたように非常にうまくいっておると私は考えております。
それから第三番目には、コストの問題でございますけれども、よく人からは、分散体制をするために高くならないかという御質問を受けることがございますけれども、特にYSの生産につきましては、各社とも非常に協力していただきまして、一般管理費あるいは総利益といったような点につきましても、この飛行機に対しましては特別の配慮をしていただいておりますので、全体的にはむしろ分散体制をすることによって安くなっておるということは言えるのじゃないかと思います。
以上三点につきまして御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/26
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027・阿部竹松
○阿部竹松君 日本は世界で二番目の中小企業のたくさんな国ですからね。いやみでなしに、あなた方の精神も中小企業的考え方だということはぼくはよくわかる。しかし太田さん、飛行機はフレンドシップ、エンジンはロールスロイスから買ってくるわけでしょう。ですから、そっちこっちでつくっておってよそと太刀打ちできますかな。ぼくは皮肉でなしにお聞きするのですが、日本国内でつくるときに、エンジンはイギリス産だ、電気機械は三菱だというようなことでは、とても太刀打ちできませんよ。そういうことであなた是とするのであれば、私などは、一生懸命やっておる川出重工業局長よりも、なお金を出して、国策会社だから損してもかまわぬじゃないか、日本には優秀な技術が残る、やがてアメリカ産あるいはイギリス産に対抗できる、あるいはそれ以上の飛行機をつくるのだから、五十億かあるいは百億金を出せという、そういう思想の持ち主なんです。しかし、あなた方の話を聞くと、なんとスケールが小さいものだろう、自動車をつくるのにもダットサンがよろしいというような方針で……、それを改めるわけにいかぬですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/27
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028・太田稔
○参考人(太田稔君) 分割生産は日本の現状に即しておるといいますか、そうやらざるを得ないのだと申し上げましたのは、先ほど申し上げたとおりでございますが、外国機との競争になった場合には、現状で全然問題がないかといいますと、必ずしもそうでないというふうに思います。飛行機を売るためには大きくは三つ要素があると思いますが、まあ性能が用途に非常に適しておることが第一。第二がいわゆるアフターサービスといいますか、ユーザーに対しましての援助サービス。第三番目が価格の問題になろうかと思います。値段の点につきまして、これらの競争機は、御承知のとおりフレンドシップあるいはダートヘラルド、それからアブロの748といったような機種がございますけれども、これらの飛行機と比べまして、世界的に共通な一つの計算方式がございますので、それに乗せて計算してみますと、われわれの計算では現在四億五千万程度の価格を出しておりますが、十分太刀打ちできるという結果が出ておりまして、ただその計算式で一番問題になりますのが——問題になるといいますと、つまりアキュラシィの、正確さの点で一番問題になりますのが運航費の中に占めます整備費、メンテナンスコストがどうかということがいつも議論になります。と申しますのは、計算式できめている方法が、メンテナンスコストの中の労務費はいわゆる重量に比例するとか、整備に必要な部品の費用は最初のイニシアルコストに比例するのだといったある計数でやっていますから、どうしても実情合いにくいという点だけが問題でございます。そのほか、たとえば消却費とか、あるいは燃料の費用とかいうものは、これは間違いなく出てまいります。冒頭申し上げました整備費の点で国内ユーザーともわれわれいろいろ議論いたしまして、値段が高いの安いのと言っているわけですが、私たちは十分計算に乗るようなコストで、コストといいますか、整備費でやっていけるんだというふうに考えております。これはまあ使ってみなければわからぬ問題点もございますので、その点が一つ問題だということになろうかと思います。特に輸出の場合にはそういう傾向が非常に強うございまして、ただ一機幾らということだけではどうもそれにとらわれがちになります。そうすると四千人乗りのフレンドシップが九十万ドルですか、あるいはもっと低いかもしれませんが、大体九十万ドルくらい、われわれのが百二十何万ドルということになりますと、六十人乗りでございますが、やや高いという感じを受けるようでございます。この点は先ほど申し上げましたように、私は使って実績が出れば、必ずある程度われわれの価格の妥当性といいますか、考えている価格の妥当性は逐次認識されていくだろうと思いますが、残念ながら現状では必ずしもそうまいりません。特にわれわれメーカーとしましては、戦後初めてできた会社でもございますし、ネーム・バリューもございません。ダグラスとか、ボーイング、コンベア、そういうものと違いますので、ユーザーが飛びついて買いにくるという状態にはまいりませんが、とにかく使わしてみて、このよさをつかんでもらう。たとえばまずいかもしれませんが、幾らお酒でもやはり飲んでみまして、口当たりがいい、コクがあるといったようなことは、やはり使ってみませんとわかりませんので、そういった意味で何とか外国の、ほうに一応使わしてみるというきっかけを何とかしてつくりたいというふうに考えております。そういう点からいきますと、ひとつ販売ポリシーといいますか、販売方法といいますか、ある程度最初の面ではコスト的に犠牲がありましても、これはひとつお認め願いまして使ってもらう。飛行機を使いますと補用品等が出てまいります。補用品は何も犠牲価格で考える必要はありません。そういうような点できっかけをつかんで、とにかく一応使わしてみるという政策が必要じゃないかというふうに考えております。そういう点からまいりますと、やはり価格の中で五十五億の開発費はかなりの負担になってまいります。一機につきまして約三千万円ぐらいが、先ほど言いました四億五千万のコストの中に入っておりますから、まあこの辺を最初は一応大目に見ていただきまして、逐次売れて利益が出てきたらその点を消却していくといったようなやり方、これは特にイギリスあたりでは常識的に政府がそれだけの助成をいたしまして輸出振興をやっているわけでございます。何かそういったような方法で外国ユーザーに使わせるきっかけをまずつかんで進んでいくことが必要じゃないかということ、その点若干価格上の問題はなくはない、ございますということを申し上げたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/28
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029・阿部竹松
○阿部竹松君 太田さん誤解してもらっちゃ困りますよ。私あなたの会社がいかぬといって責めて言っているんじゃないんですからね。ただ、通産省からいただいた資料に、いままで金をこれだけ、こうかかりましたと、しかし将来こうこうしていって百五十機売らなきゃこれはプラスマイナス・ゼロにならないんだと、こういうような資料をいただいておるわけです。ぼくは、これはとても架空な数字と言うと、おえら方がたくさんおるからちょっとぐあいが悪いけれども、これはとてもそういうぐあいにいかぬと思う。まあこれは発足当時、滑走路が短くて千二百メートルでよろしゅうございますと、四発と双発だ、これは双発ですが、四発と双発は、なるほどしろうとが見れば双発より四発のほうが安定感があるようだけれども、専門家に言わせると、四発でも双発でもそう安定度は変わりない、お客さんをたくさん乗せると。まあこういうことでローカル線でも一番いい飛行機です、こういうことであった。それからもう一つは、しからば日本は十数年諸外国から航空機産業というものがおくれているのではないか、アメリカやイギリスからいったら日本はかなりおくれている。いまやアメリカは大型ばかりで、そういうことは心配ございませんというようなことで、異議なしと私どもが賛成した。その後私どもの乏しい知識で知り得たことは、北海道、いま札幌を飛んでいます727、ボーイング会社ですね、今後九州に行くあの会社では、いま六十人乗りの小型機を来年あたりやるでしょうね。それからソ連でツー・エンジンのジェット機、あれは千メートルくらいで飛び上がる。これは実際ぼくは乗ってみたが、日本人はソ連の飛行機に乗ったら人間の思想が赤くなるといって乗らないかもしれませんが、東南アジアあたり全部買いますよ。これをつくるときには国内的にはどうですかといったら、防衛庁にも買ってもらう、気象庁にも買ってもらう、あるいは全日空輸、これは美土路さんのことも申し上げましたが、全日空輸は百五十機要りませんからね。ところが、最初の御説明ではインド、ビルマ、東南アジアも買ってもらいます、こう古いましたが、ソ連のツー・エンジンのジェット機、千メートルの滑走路で飛ぶ飛行機は大体三千ルーブル、二億四千万くらいですね。あんたのほうは減価消却しなければならぬから四億八千万で防衛庁に売ったという、どっちもかたや半官半民の会社、かたや防衛庁、政府ですから、なれ合いで四億八千万で高く売ったかもしれませんが、ジェット・エンジンでその滑走路も同じ安定性があるのと、価格が三億円も違ったら、これは東南アジアがいかに知能がかりに低かったって買いませんよ。そういうことになりやせんですかね。そうすると、当然わがほうのコストでも下げない限りはこれはちょっと商売にならぬ。ですから、私はあなたの会社の行政というものはこれは通産省に責任があるかもしれませんが、そこらあたりも明確に規制づけて、日本の国策会社として、会社の経理は赤字になっても国全体として得するじゃないかという方針でいかなかったらいかれないのではないかとぼくは思っている。しかし、あなた方はそんなこと全然言わない。森さんは商売人だからこれは明るい見通しがあるとおっしゃる、その明るい見通し、具体性、どうして今度十倍も借金できるとおっしゃるのですか。ぼくは納得いかぬわけですよ。そこをずばりと、これは御心配要りません、通商産業省の重工業局で言うとおり百五十機は売れます、外国の二億一千万円のジェット機に対抗して四億八千万で売れますと、こういう確証を与えることはできませんでしょう。六年後にこういうことは言いたくないからね、古い速記録を持ってきて。あなた方の言うのはきれいごとばかりです。そういうきれいごとばかり私は聞きにきたんじゃない。もう少しあなた方勇気を持って、政務次官や工業局長に、これはやっていけません、しかし国策としてやっておるのだから、これくらいはしてもらわなければ困りますということぐらいなぜ言わないのですか。明かるい見通しがあるなんと言ったら、補助金を出したくない、応援したくないのに、通産省は明かるい見通しがあるというところに何で出しますか、暗い見通しがあると言ったって出しませんから。もう少し勇気とずうずうしさを持ってものを申したらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/29
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030・森長英
○参考人(森長英君) どうもいろいろありがとうございました。おっしゃるとおり、新しい問題がありますために非常に苦しい面は多々あります。しかし何とかしてこの苦しさ、難関を突破していくということが問題でございまして、当然政府の、あるいは国家のいろいろな援助が非常に必要になっておるわけでございますが、いまの百五十機につきましても、とりあえずといたしましては、太田部長が御説明いたしましたように、いろいろな面で原価を割って売らなければならないこともございますが、しかし長い目で見て百九十機を売り上げたというときには、そう大差がなくて、一応政府の補助にこたえ得るというところへ持っていくつもりでやっております。そのとおりいきましたら非常にけっこうでありますが、しかし、そのつもりでやっておるわけでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/30
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031・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/31
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032・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記開始。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/32
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033・中田吉雄
○中田吉雄君 森社長さんは、さっきのごあいさつで、YS11の機種について自信がある。販売については非常に問題があるので、まあ丸紅におられたベテランのそういう力でもってうんと伸ばしていくということなんですが、はたして機種についてもそれはだいじょうぶなんでしょうか、その点伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/33
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034・太田稔
○参考人(太田稔君) このYS11が一体売れる飛行機か売れない飛行機か、売れるだけの性能を持っているかというような点につきましてちょっと申し上げたいと思います。先ほど申し上げましたように、この飛行機の競争機となりますのは、大体中短距離ローカル線を主として考えますと、オランダのフレンドシップ、それからイギリスでやっておりますダートヘラルド、あるいはアブロ748といったような飛行機かと思いますが、それに比べましてYS11の一つの特徴といったようなものを簡単に申し上げてみたい思います。
まず第一に、旅客機としての能力といいますか、あるいは言葉をかえれば、ユーザーにとっては生産性でございますが、この点から考えてみますと、まず第一に胴体のキャパシティです。胴体の直径を考えてみますと、YS11は二メーター八八、それに対しましてフレンドシップクラスのほうはたしか二十センチ以上直径が小さいわけでございます。そういうような意味から先方はもともとの設計は四十名の設計でございます、最近非常にバス式に前後間隔を詰めまして、シートピッチと称しておりますが、二十九インチくらいに詰めてしまって、五十二名くらい乗れるとかいうような宣伝もしておりまが、私のほうは三十四インチという前後間隔で六十人乗せられるということ、それと並行して貨物室の容積等も胴体が大きいだけにずっと能力を持っております。そういったかせぎ荷につきまして能力が大きい、これが第一点であります。
第二点は、それにもかかわらず離着陸の性能というものがこれらの機種よりもまさっております。六十人乗せてそれだけの離着陸性能を持っているというのは、私は世界にYS11しかないと考えておる、というよりもございません。これが第二の特徴でございます。
第三の特徴といたしまして、離着陸性能がよいということは、それだけではないのでございまして、これは言いかえますと、着陸の速度がおそくできるとかあるいは離陸に対して馬力が十分であるということからそうなってまいったのでございまして、非常に操縦がやりやすい、パイロットが安心して使えるということ、これはおそらく実際に操縦する者にとりましては一番最大の重点じゃないかと思いますが、非常に扱いやすい飛行機です。その一例を申し上げますと、昨年の末から私たち国内ユーザーさんのためにパイロット訓練を始めております。東亜航空さん、国内航空さん、全日空さんはもちろんですが航空局の方々にもパイロット訓練を始めておりますが、大体コンベア240という古い双発のピストン機がございますが、そのパイロットですと、八時間程度の操縦で航空局からの限定拡張とわれわれは申しておりますが、YS11を使って飛んでよろしいという資格が与えられております。わずか八時間程度でございます。これはいま非常に高価な外貨を使って輸入しておりますジェット機、これの訓練費、あるいはそのために莫大な費用を使っておるということに比べますと、いかに操縦がやさしく、かつ経済的かということがおわかりかと思いますが、そういうことで非常に扱いやすい飛行機だということ、これが第二の特徴でございます。
第四は、旅客機にとりまして一番大事な安全性という問題でございます。その一つ、たとえば構造関係について申し上げますが、これはもちろん米国あたりで規定されておりますFAAの規定に従いまして強度試験を全部いたしましたが、特に強調いたしたい点は、最近一番問題になっております飛行機の寿命がどうかという点でございます。長く使っておる間にクラックが出たりしてこわれてしまわないかという問題でございますが、私たちは大体三万時間の使用を保証しようという線に立って試験しております。三万時間といいますと、大体こういったローカル線は年に二千時間、多くて二千五百時間くらいですから、まあ十年から十五年くらいの寿命を証明しようというわけです。それに対しまして、安全率をたとえば主翼部につきましては六・三倍、胴体につきましては七・五倍といったような安全率をかけまして、一例を胴体で申し上げますと、三万時間にかけることの七・五倍で二十二万五千時間、二十二万五千時間飛んだと同じような繰り返しの疲労試験をやったわけです。疲労といいますと、たとえば針金でいいますと、引っ張れば非常に強いのですけれども、指先でこう何回も繰り返してやりますと、おそらく二十回くらいでぼきんと折れてしまいます。それと同じようなことが飛行機にも起きるわけです。これをわれわれ疲労と言っておりますが、そういった繰り返しの力を二十二万五千時間、これを先ほど二千時間と言いましたが、百年使ったくらいのことに相当するわけでございます。胴体はことしの一月に終わりまして、ちょうど二年半がかりで終わりました。こういったシビアーな試験は実は英米どこでもやっておりません。多少省略いたしますが、技術的のこまかい考え方が違うので欧米は大体六万時間くらいしかやっておりませんが、われわれそういった長い疲労試験もやっておるというようなことで、十分に構造上の安全性は証明できます。
第二番目の安全性の点で、いろいろ部品とか機能的の故障はどうかということでございますが、実はわれわれの設計は非常な平凡な設計でございまして、従来わかっておりますいろいろな技術を総合いたしまして、全体をうまくコンプロマイズして特徴を出したということでございます。飛行機の中に使っておりますいろいろな各系統とか各機能的なシステムでございます。それに使っておる部品、これらは極力従来の実績のあるものを採用いたしまして、特にYSのために開発したという部品はできるだけ少なくつとめてまいりました。一例を申し上げますと、たとえば発動機関係の装備方式でございますが、これはイギリスのビッカースと話し合いをいたしまして、これは全日空が使っておりますが、バイカウントと全部ほとんど同じものを使える限り同じものを使いまして、そのままのやり方でやっております。そういったようなことで、まことにその意味では特徴がないかもしれませんが、システム的の安全性というのにやはり重点を置きまして設計されております。試作機は最近までに大体千五百時間以上飛んでおりますが、システムにつきましての根本的問題は全然ございません。これは、先ほど申し上げました直接運航費といったようなことの整備性という問題が実は非常に大きな関連した問題なんでございますが、そういう点から十分安全性につきましては自信を持っている。三番目にエンジンの安全性、これはロールスロイスの御承知のとおりダートというエンジン、世界的に十数年使われているわけでございますが、定評のあるエンジンでございます。そういった点から安全性はきわめて高いというふうに私は技術者の一人として申し上げる次第でございます。
それから第五番目に経済性ですが、実はこれをほんとうは冒頭に申し上げるべきことなんでございますが、以上のことすべてが経済性に関連してくるわけでございまして、一人当たりの運航費というものを極力安くする。これは小型バスよりも大型バスのほうがもうかる。運転手、車掌が同じでも、多少エンジンは大きくても大型バスのほうがもうかると同じような理屈でございますけれども、そういう点に非常にわれわれとしては特徴を持たせてある。したがいまして、来月から就航実績が出てくるわけでございますが、実績が出ました暁には、必ず各ユーザーさんの御満足のいけるものだというふうに実は確信しておるわけでございます。
時間もあまりございませんので省略いたしますが、日本は非常にジェット化ジェット化ということで、先ほど阿部先生もおっしゃいましたように騒いでおります。私はもちろん将来の中短距離のジェット化という傾向を否定するのではございませんが、日本は私に言わせれば、あるユーザーのしいて言えば過当競争から出ている点から、とにかくこのジェット化の傾向が早く、必然的にそうなったんじゃないと私は思っております。世界の傾向を見ますと、必ずしも輸入外貨を持っている国ばかりじゃございません。そう高い飛行機は買えませんし、またローカル飛行場は非常に狭いというようなことから、古い飛行機、ピストン機が非常にたくさん使われているわけでございます。そういう点のリプレースということが当然問題になるわけでございまして、今後のたとえば海外性の問題を取り上げましても、また見通しが明るいというといろいろ問題があるかもしれませんけれども、決して暗くないということは私は申し上げられると思うのでございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/34
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035・中田吉雄
○中田吉雄君 太田さんは、まあ発足以来関係されて、たいへんな技術者のようですが、エキスパートのようですが、私も実は国会図書館に入りましてYS11の性能について、また名前は言いませんが、運輸省の航空局に行って専門家の意見を聞きましたが、必ずしも太田さんがいま言われたようではないのです。これはもっと私案は川出局長さんとか航空機兵器課長等とひとつやりたいと思っていますが、必ずしもそうでない。いろいろ安全性についても、あるいは性能についても、プロペラ付きのジェット機であるとか、短距離で離発着できるというようないろいろなこと、さきにも過当競争のためにと言われましたが、ローカル線でもそれに押されるのじゃないかというような問題もあって、大部のもので、なかなかこれを読むというのはたいへんですが、必ずしも太田さんがいま言われたようではない、問題は私はやはりあると思うのです。そうしますと、それほど森社長さんや太田営業部長さんが言われるように自信のあるのでしたら、昭和四十年の二月の通商産業省から出ています「YS11長期資金繰り、長期損益および社債発行限度試算」というものがあって、いろいろ社債を幾ら発行し、政府保証債がどうなる、損益計算がどうなるということがありますが、これは大体もう間違いないのでしょうが、やはり美土路さんが来て、私もそのときに質問したのですが、またそのときのようなことになるようなことはありませんか。その点はどうですか、打ち合わせしてそれはやっているんでしょうが。これも今後質問したいと思うのですが、その点については、ひとつ自信のほどをそれほど言われるならば、五つばかりの世界にも数のない荷性能であれば、まあ国産愛用というようなこともあり、心配ないと思うのですが、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/35
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036・太田稔
○参考人(太田稔君) 資金繰りのこまかい数字は別といたしまして、われわれ一応事業計画上、毎年度の生産機数を想定いたしまして、資金繰りを考えておるわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、将来の傾向として、中短距離がジェット化するという傾向は私は否定できないと思いますので、やはりYS11のこの飛行機の販売につきましても、やはりできるだけ生産ピッチを上げて、早く消化していくということは何よりも肝要かと思います。そういう点から考えまして、現在そこに計上されております機数、これは必ず到達すべきであり、またしなきゃならぬし、もちろん困難もありますが、われわれとしては全責任を持ってそれの具体化ということに邁進しなければならぬというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/36
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037・中田吉雄
○中田吉雄君 いろいろ政府からいただいたこの資料をたんねんに読んでみますると、最近フランスの輸出ですね、航空機の全体の生産の中における輸出の飛躍的な伸びというものは、これは十分注目に値する。まあフランスのとっている石油政策についても私は同様だと思うのですが、こういうことについてはどう思っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/37
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038・太田稔
○参考人(太田稔君) 私、これは直接調べたわけでございませんが、間接にいつも聞いているのでございますが、フランスの輸出が最近非常に伸びました一つの大きな原因は、例のカラベルという双発のジェット機でございますが、例の胴体のうしろに、しっぽのほうにエンジンを二つつけまして、あれは世界最初の発明であり、成功した飛行機でございまして、現在では一つの常識といいますか、各国ともにそれをまねしております。あれをつくりましたことが非常な大成功でございまして、輸出が大きく伸びた大きな要素をなしているというふうに私解釈しておりますが、そのときの例を伺いますと、政府はこれの量産のために、たしか五十万フランと聞きましたが、五十万フランの政府資金を無担保、無利子で——数字をちょっとあれいたしましたが、相当の生産資金を無利子、無担保でメーカーに使わしているということを聞きまして、そういったような助成策が非常にうらやましいと思いますので、われわれこの事業のうちに占めます金利負担というものは非常に大きいわけでございます。特にそういう点の助成がわれわれにあれば、非常にやりやすいというふうに常に考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/38
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039・中田吉雄
○中田吉雄君 政府からいただいた資料では、フランスが開発のために助成しているのは、合計二千七十億です。まあそれは別にしまして、飛行機は速度のように非常に変わっていくと思います。YS11だけに日本航空機製造株式会社の運命を託していくというわけにはいかぬと思うのですが、次期国産機の候補としてどういうものを育成して、超音速のような早さで変わる情勢に対して対処されようとしているのか、そういう点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/39
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040・森長英
○参考人(森長英君) フランスの航空機に対する援助ということにつきましては、金額の点についてははっきりしなかったのですが、相当の金額である。この文献によりますと、カラベルの輸送機を開発するにつきまして政府が援助したものは、その七割五分を援助しておると、こういうことでございます。
それから次は、ただいま御質問のありました次の機種開発はどうだと、こういうことでございますが、これは当然われわれも考えておるところではございますが、いろいろ航空機工業審議会あるいは航空審議会その他におきまして、政府あるいは先生方あるいは大学の教授、そういうような方々でただいま研究を進めておることと思いますので、それがやがて具現してくるのじゃないかと私は存じております。期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/40
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041・中田吉雄
○中田吉雄君 このYS11に次ぐといいますか、次期国産機の候補としては、どういうかまえを持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/41
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042・森長英
○参考人(森長英君) それはただいま申し上げたように、学識経験者といいますか、あるいは政界の先生方あるいは政府当局、そういう方々が審議会において議を尽くして方向を進めておると思いますので、私としてはやはりそういう再議の線に沿っていろいろ進んでいきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/42
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043・中田吉雄
○中田吉雄君 もうだいぶ固まっているのじゃないですか。その点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/43
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044・森長英
○参考人(森長英君) ただいまとしては、私としては別に固まっておるということを深く聞かしていただいておりませんが、やはり私の考えとしては、中距離のジェット機ということは当然の方向だろうと思っております、日本の航空機工業といたしましては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/44
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045・大矢正
○大矢正君 ちょっと関連して。ただいまの御答弁に関連して若干お尋ねをしておきたいのですが、新聞その他では、日本の航空機工業としても、YS11に次いで新たな開発をするべきであるというような意見が出されておりますが、新たな機種の開発というものは一体どこがやられるのか。たとえば審議会としては、技術、審議会もあり、工業審議会もある。それから実際にYS11をつくった半官半民という日本航空機製造株式会社もある。新しい機種をつくり出そうとする場合には、一体どこがその考えをおまとめになるのか、この点をお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/45
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046・川出千速
○政府委員(川出千速君) ただいま御指摘のように、航空機につきましては、通産省に航空機工業審議会がございまして、これは輸送機の国産化をはかるための諮問機関でございます。そのほかにも航空機工業に関する重要事項を諮問することになっております。科学技術庁のほうに航空機の技術関係の審議会がございまして、この科学技術庁の技術審議会のほうは、現在VTOL、STOL等の実験機をつくる。これは技術開発力を推進するためにそういう方針をきめておりまして、日本の航空技術の進歩はかるというのに重点が置かれておるわけでございますが、実用になる輸送機を開発していく場合には、航空機工業審議会に諮問をして、通産省、日本航空機製造株式会社がよく話し合いをしてきめていく問題であろうと思います。もちろん航空技術審議会のほうの意見があればそれも参考にし、よく連絡をとってきめるべき重要事項だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/46
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047・大矢正
○大矢正君 重工業局長が答弁をするということになると、これまた話がちょっと違ってくるのだが、私はあなたの答弁を求めなかったのは、日本航空機製造株式会社というものがYS11というものを完成し、それを量産化し、それを売り、そして、いうならば企業として成り立つようにするというだけのものなのか。それとも航空機製造株式会社というものが新たな機種というものをみずから考え、そしてその開発につとめるという性格を帯びているのかいないかということを問題として知りたいので、そこで社長さんにお尋ねをしたわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/47
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048・川出千速
○政府委員(川出千速君) 日本航空機製造株式会社は、航空機工業振興法に基づきましてできたわけでございますが、その会社の目的は、設計、試作、製造、販売ということになっておりますので、YS11は、それに基づき設計をし、試作をし、実用機を完成をし、販売の段階に現在入ったわけでございますから、当然会社の事業目的としては、次の機種を設計し、あるいは試作する、そういうような目的を含んでおると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/48
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049・中田吉雄
○中田吉雄君 次期国産機の機種が固まっておるというのは、私も少し言い過ぎたと思います。いろいろ問題があると思います。やはりさっき局長の答弁にありましたように、この法の目的の第一条からいえば、当然やはり私はこの問題も考えていかるべき問題だと思うのですが、それは別にしまして、航空機に関する行政機関がいろいろ分かれております。通産省もあれば、運輸省もあり、科学技術庁もあり、いろいろ言われておるようなことにおける御不便というものはないか、その点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/49
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050・森長英
○参考人(森長英君) まず最初の御質問に関連いたしますが、日本航空機製造株式会社にいたしましても、日本の航空技術の技術陣をまとめておって、優秀な技術者が非常にたくさんおりますので、その経験、またその技術陣のやらねばならぬことは、次期の優秀な飛行機を設計するということでありますので、やはりそういう技術陣は一生懸命どういうものがいいだろうというようなことは研究はしておることは間違いございません。何がということは、まだ研究の段階でございますので、いろいろ審議会、政府あるいは先生方にも御相談しなければならぬ、こう思います。
次に御質問の点でございますが、それは機構が一本化されておらないというようなことは不便な点も多々あると思いますが、どうしたらいいのだというようなことは、具体的に私といたしましては、まだ個人的な結論にも到達しておりませんし、またいろいろ各方面で御研究願って結論を出していただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/50
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051・中田吉雄
○中田吉雄君 この昭和四十年度予算の説明を見ますと、防衛庁の航空機の購入費というものが三分の一に減るわけですね。防衛受注ですね。そういうことはおたくには何の影響もないわけですか。航空関係の人が二万数千人もおるようですが、そういうことはおたくには何の関係もないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/51
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052・森長英
○参考人(森長英君) 防衛庁におかれまして、できるだけYS11をいろいろな用途にお使い下さることが非常に望ましいことでございます。しかし、その予算が減ったということは、ほかの104とかその他の関係で減っているのではないかと、かように考えますが、そういう戦闘機とかその他の予算の減額でそうなっているのだと私は想像いたしますが、詳しいことは存じておりません。しかし、当社といたしましても、非常に予算が減ってYS11を使っていただく数が減るということになりますと、やはりコストの面で高くつく、個々のYS11の価格が高くつくということになると思いますので、関係がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/52
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053・中田吉雄
○中田吉雄君 時間もありませんので、いろいろそういう点も尋ねてみたいと思うのですが、最後に、阿部委員も質問されたのですが、重工業局からいただきましたこの資料で、まあ日本航空機製造株式会合社は補助翼とか主翼、発動機、胴体、いろいろ全くのアセンブル工場みたいですね。日本でもアセンブルでない工場はおそらくないとは思うのですが、さきにも太田部長さんはヨーロッパでもいろいろ提携していくのだし、差しつかえないというような発言もありまして、それはフランスとイギリスとか、いろいろもう国境を越えての国際的な提携のあるということはわかるのですが、まず三菱重工が最後に組み立てやるのですから、あるいはあれを主力工場と言えるかもしれませんが、こういう形そのものがやはり日本航空機製造株式会社の航空機生産を推進していくのに私必ずしも適当じゃないんじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/53
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054・太田稔
○参考人(太田稔君) 私は二つの点からちょっと考えてみたいと思うのですが、まず最初に設計技術とかいったまあ技術力の問題から考えてみますと、特に非常に小型のような、まあ一社で簡単にできるといったものは別といたしまして、相当の技術力を必要とする、これはたとえば将来の中距離ジェットといったようなことを考えてまいりますと、日本の現状では一社で単独でその設計を全部やるということはまず不可能だと思います。非常に長い年限とあれをかければ別でございますけれども、早い時期にまとめてしまうという点から言いますと、現在の飛行機会社が各社が持っております技術の総合を結集いたしましてやる必要がございます。その点で設計的にみますと、まず合同せざるを得ない。各社の技術力を集めて初めてできる問題だということが言えるかと思います。
次はその生産の問題でございますが、これはやはりその程度の飛行機になりますと、これも一社だけでやるということになりますと、非常に企業としてもやはり危険度が多いわけでございまして、一時に大きな仕事が山になってくるということは、そのために特別にまた人を集めるといった手段も必要でございましょうし、そういうところから考えまして、これも一社で単独に、しかも早い期間に、できるだけ短期間にものをまとめるという点では私は不可能かと思います。そういうことから申しまして、設計なりあるいは生産なりは、やはり現状のような共同生産体制ということがどうしても日本としては必要になるのじゃないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/54
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055・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) それでは参考人の方に対する質疑はこの程度にとどめます。
参考人の方には長時間にわたり、まことにありがとうございました。お礼を申し上げます。
午前の審議はこの程度にとどめまして、午後一時三十分再開することといたします。これにて休憩いたします。
午後雰時四十四分休憩
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午後二時五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/55
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056・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
午前に引き続き、航空機工業振興法の一部を改正する法律案を議題といたしまして、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/56
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057・大矢正
○大矢正君 先般来資料の要求をいたしまして、私の手元に昭和三十八年度の営業報告がまいりまして、その中に貸借対照表が出ておりますが、これは三十八年度の貸借対照表でありますが、もとより、三十九年度の正確な貸借対照表というものは、まだ年度の末でありますので出ないとは思いますが、大づかみな数字は出るのではないかと、こう思いますので、三十九年度の貸借対照表、損益計算というのはおおよそどういうような数字になってあらわれるのか、この点お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/57
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058・川出千速
○政府委員(川出千速君) 三十九年度の損益の見込みを申し上げますと、売り上げが二十六億二千四百万円強でございます。それに対しまして売り上げの原価が三十億八千六百万円見当でございます。したがいまして、売り上げの損失が四億六千百万円出るわけでございます。これは航空機の生産は、ある程度の量産になってまいりますと平均的に原価が下がってくるわけでございますが、まだ始まったばかりでございますので、売り上げ原価が売り上げ高よりもこえておるという過渡的な現象でございます。そのほか販売費及び一般管理費が二億六千四百万円でございます。営業外収益あるいは営業外費用等勘案いたしますと、純損失は三十九年の見込みは十三億千百万円見当でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/58
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059・大矢正
○大矢正君 まあ、ただいま損益の試算が承されましたが、損益の試算はよろしゅうございますが、この日本航空機製造株式会社の債券発行に見合う資産というものが、この際私として知りたいわけなんです。で、その面についておわかりでしたらお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/59
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060・川出千速
○政府委員(川出千速君) 債券発行額の基礎になりますのは、商法の規定と同じ考え方をとっておりまして、資本金及び準備金と純資産のいずれか低いほうの倍率ということになっておるわけでございます。日本航空機製造の資本金は政府及び民間両方合わせまして五十五億ということになっておるわけでございますが、ただいま申し上げましたような関係で当分の間損失を生じてまいりますので、純資産は資本金を下回ってくるわけでございます。三十九年の年度の見通しは、純資産の額は四十四億七千六百万円の見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/60
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061・大矢正
○大矢正君 ただいま言われた四十四億七千六百万円という純資産の計算の根拠というものは、私どもとしては法律に適合してないとは申しません。申しませんが、たとえばこういうことがあるのではないかという気がするのであります。それは法律の第二十四条にも書いてありますとおりに、製作に必要としたところの設計なりあるいはまたそれに伴っての、いうならば関係した費用というものを資産として見積もってやっているということが私はあるのじゃないかと思うのであります。その面はどういうふうになっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/61
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062・川出千速
○政府委員(川出千速君) 約五十五億の試作費、開発費でございますが、その五十五億の中で資産として消却の対象になります額が約四十八億であったかと思います。その差額は試作した航空機、これは財産価値を持っておりまして、たしか二億幾らの評価をしておると思いますが、そのほか治具でございますとかあるいは部品でございますとか、そういうように消却しなくても財産価値を持っているのを除きますと、四十八億くらいが繰り延べ消却するという対象になるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/62
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063・大矢正
○大矢正君 そこで問題となりますのは、資産に見合う債券の発行という表面に出てくる形というものは私は理解をいたしますが、その中身を調べてみると、これは法律の保護によって資産と見積もられている分、すなわち、不健全な部分というものが非常に多いわけであります。たとえば一つの企業でありますれば、その企業が資本金を使ってかりに設備を持ったというこことになりますれば、その設備は明らかにこれは資産として計上することは当然だと思うのであります。がしかし、この日本航空機製造株式会社の場合は、そういう有形の価値のある資産ではなしに、極端に表現をすれば、単なる図面一枚を何十億という評価をして、それが資産だというやり方をしているわけじゃないですかね。そうすると一般の企業というものと対比をして見た場合に、この会社の資産というものは、事実上の問題としてはまことに不健全である。確かにその設計図一枚はある場合には三十億も五十億もの価値があるかもしれないけれども、しかしそれはあくまで飛行機ができて、その飛行機が完全に売られて、金が回収になったときに初めて価値が出てくるのであって、その設計図というものは、全いうならば、私どもにわしめまするならば、価値があって価値のないようなものである。それを多額に評価をして資産だといってそれに見合って十倍のいうならば債券を発行するということは、明らかにこの会社の内容それ自身に不健全なものを含んでいる、こういうふうに私は思わざるを得ないのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/63
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064・川出千速
○政府委員(川出千速君) そういう角度から御指摘を受けますと、さような点があろうかと思います。普通の生産設備、転用してもすぐに換価できるような資産と違いまして、百五十機売れるということを前提にいたしました開発費用を資産にしているわけでございますが、私どもはこれは相当の困難があることは覚悟しておりますけれども、本日の午前中に参考人との間の質疑がございましたけれども、あらゆる努力をして所期の目的を達成をしたいというように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/64
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065・大矢正
○大矢正君 先ほども申し上げましたとおり、最も、近い営業報告書に基づく貸借対照表は、私の手元に昭和三十九年三月三十一日現在、すなわち、三十八年度の貸借対照表がきておりますが、これを克明に調べてまいりますと、現金その他の流動資産、それから固定資産、それに繰り延べ勘定、大きく分けるとほぼこの三つになっているわけでありまするが、この流動資産としての現金であるとか、あるいは原材料とか、半製品というような実際に価値のあるものは別といたしまして、繰り延べ勘定の中で航空機工業振興法第二十四条の規定による繰り延べ費用として二十八億一千三百万円というものが計上されております。これはおそらく三十八年度で二十八億ですから、三十九年度はさらにこれがまた当然ふえることになると思うのであります。そうなってまいりますと、表面的には資産だとはいいながら、実際的には資産ではないということになって、まことに企業の内容それ自身としては不健全であって、こういうようなものを認めるということそれ自身が、私は問題があるのじゃないかという気がするわけであります。なるほど法律の二一四条には、この会社に限って特殊に、たとえば「航空機の設計、試作及び試験の費用を貸借対照表の資産の部に計上することができる。」と、こうなっております。なってはおりまするが、このこと自身にまず私はこの会社の大きな問題があるのじゃないか、むしろこういうようなものがあることが、この会社の将来を不健全にするもとになると思うのでありまするが、この点についてはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/65
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066・川出千速
○政府委員(川出千速君) この点につきましては、先ほど御答弁申し上げました以上のことを、私といたしましては言いがたいわけでございますが、あらゆる努力をして試作機といいますか、YS11を販売をして、そうしてそれを回収をするということに現在努力を傾注しておるわけでございます。なお御指摘のようなことが将来、これは可能性の問題ですから、かりにあるとすれば、法律改正の問題、法的には法律改正の問題が起きてくるのではないか、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/66
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067・大矢正
○大矢正君 私が特に指摘をしたいことは、確かに設計あるいは試作及びその試験の費用というものも、蓄積された一つの資産であることは確かに資産であります。がしかし、その評価というものは、非常に厳密に言えば内応的にむずかしいものがあるのではないかと思うのであります。たとえば設計図一枚をどの程度の価格に評価をするかということになりますると、なかなかこれは重要な問題がある。しかも、それはどの程度に評価するとか何とかということが、法律の中にはもちろんないわけで、おそらく私の想像では、これはこのくらいの価値のあるものだろうといって、それでもう評価をするということに私はなると思うのであります。したがって、そういうものに根拠を置いた社債の発行ということは、私は絶対にこれは間違いだと、こう思いますが、むしろこの際こういうものを資産の中に入れて、しかもそれを根拠にして、いうならば債券の発行をするということはおやめになるべきじゃないかという気が私はいたしますがね。たとえば普通の民間企業にありましても、こういうような方法をとっておるようなところが、実際にはあるのでしょうか。その点をまず承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/67
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068・川出千速
○政府委員(川出千速君) 民間の航空機会社はほとんど兼業でございます。航空機の生産は二割とか三割ということになっておりますから、民間にはかような例はないだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/68
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069・大矢正
○大矢正君 それから、このただいまのことと関連をして、法律の第二十四条のいま私が申し上げたのは前段でありますが、その後段に、この場合には「会社は、その成立後十二年を経過するの属する営業年度の終了の日までに、通商産業省令で定めるところにより、毎営業年度その一部を消却しなければならない。」と、こう書いてあるのでありまするが、ここに書かれております「会社は、その成立後十二年」ということは何を意味しているのか。そして、法律それ自身は具体的に何を意味しておるのか、この際、念のために伺っておきたいと、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/69
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070・広野信衛
○説明員(広野信衛君) 御説明申し上げます。この第二十四条に書いてあります「会社は、その成立の日から」となっておりますが、この成立の日は三十四年六月一日でございます。したがいまして、「成立後五年を経過する日の属する営業年度の終了の日」、これは四十年三月三十一日になります。したがいまして、四十年三月三十一日までに、その試作のために費やした費用、これを原価で見積もりまして、その総費用が約四十八億円ということになるわけでございますが、この四十八億円を繰り延べ勘定に計上いたします。そして、その消却でございますが、消却につきましては、条文に「この場合には、会社は、その成立後十二年を経過する日の属する営業年度の終了の日」となってございますが、この円は四十七年三月三十一日でございます。したがいまして、四十七年三月三十一日までにこの繰り延べ勘定を全額消却をするという方法をとりまして、その場合において毎営業年度その一部を消却するということになっておりまして、各年度の売り上げに見合いまして、その消却を行なうということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/70
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071・大矢正
○大矢正君 ただいまのやつは四十八億とおおよそつかまれた実際のこの試作のための費用に限定して考えておられるわけですね。しかし、この会社というものを総体的に考えてみた場合には、単に試作の費用だけではなくて、事実、この量産体制に入っても赤字というものは当分の間続くわけですね、何年間か。この試算表によりますと、四十一年まで赤字が続くことになるわけでありますが、これはやはりいうならば、その間の赤字というものが、いま言われたような試作に要した費用と同様に十二年の範囲内の中に消却をするということがたてまえじゃないのかという気が私はするのでありますが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/71
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072・広野信衛
○説明員(広野信衛君) 量産当初におきましては、各年度欠損が出るわけでございますが、これにつきましては、繰り延べ消却の規定がございませんので、各年度の損益計算におきまして、各年度それぞれの赤字を計上し、それを将来、四十二年以降収益をもって、その赤字を回収するという方法をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/72
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073・大矢正
○大矢正君 そこで、私は根本的に認められないのは、先ほども申し上げておりますとおり、幾らの価値があるかわからないような設計図の一枚を五億とか十億というふうに評価して、それも資産であるから金を借りていいんだ、その何倍も金を借りていいんだというもののやり方について、最終的に私は認めることができないと思います。
それから次に、社債の発行と借り入れ金との関係について、一点承っておきたいと思うのでありますが、資本金の十倍ないしは純資産のいずれかの低いほうの十倍という今度の法律改正でありますが、これはあくまでも、社債発行に限定されております。そうすると、借り入れ金ということについては触れないということになるわけです。逆論的に言うと社債の発行は、その資本金もしくは純資産のいずれか低いほうの十倍ということで、上の制限が出てきまするけれども、借り入れ金につきましては、幾ら借りても、これはその法律には何ら拘束されない、されるところがないという結果になるのでありますが、この点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/73
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074・川出千速
○政府委員(川出千速君) 借入れにつきましては、日本航空機製造がかってにやるわけにはいきませんので、政府の認可を受けなければならないことになっておりますから、無制限になるということは、実際問題としては、ないと思います。
それから社債と借り入れの関係でございますが、社債は、政府の保証による社債でございます。先ほど先生が、その発行の基礎になる点が非常に不安定で、確実でないのではないかということは、私もある程度認めますが、それは、政府が保証をするということによって、債権者の保護をはかっているわけでございます。
それから量産の資金は長期に寝るわけでございますので、そうなりますと、社債によって長期資金を調達するほうがコストが低くて済むものですから、現実の問題としては、社債発行で長期資金をまかなうという方針をとることになります。したがって長期資金の捕り入れということは、実際問題としては、やらないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/74
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075・大矢正
○大矢正君 この債券の発行は、もちろん政府が保証をし、裏づけをし、また予算総則にそれを認めておるから、当然のこととして、政府が責任を食わなければならぬということになると思うのでありますが、私は政府が多額の資金を投入しているこの会社であるからして、この会社がかってに債券を発行したり、借り入れ金をしたりというようなことは、法律の上において縛らなければならぬという考え方のもとに、私は社債の発行限度というものが出てきたのだと思うのであります。一つには、もちろん先ほど申し上げたとおり、政府が責任を負わなければならぬという問題があるから、法律で規制をするという面もありますが、いま一つは、この会社の経営というものが野方図になってはいけない、幾らでも社債を発行し、幾らでも金を借りてはいけないというところにも、私は問題点があると思う。そうだとすれば、社債発行だけは資本金の十倍というような規定のしかたでなくて、私は社債の発行及び借り入れ金というものは、資本金なり、あるいは純資産の五倍とか十倍ということに表現をされるべきものではないか。私もこういうような類似の企業というものを見てみましたけれども、大方は、やはり社債の発行ないし借り入れ金の限度は、資本金もしくは純資産の何倍となっている。この会社に限って、社債発行だけに十倍と限定されていることは、私にはどうしても納得いかない。その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/75
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076・川出千速
○政府委員(川出千速君) あるいは先生の御指摘のように、社債または借り入れについての限度を設けるのが正しいのかもしれないと思いますけれども、実際の問題としましては、借り入れのほうで長期資金をまかなう計画は全くございませんので、社債一本でやることにしておりますので、その点は、実際問題としては支障がない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/76
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077・大矢正
○大矢正君 あなたのほうから出されたこの資料には、昭和四十年度以降借り入れ金というものはないことになっておりますから、ですから考え方は理解できますよ。考え方は理解できるが、この法律の運用ということになりますれば、通産省の判断によって、借り入れ金の分野については幾らでもできるということが言えるわけです。情勢が変わってくれば幾らでもできる。ただし、借り入れ金ということになると、当然のこととして裏づけがなければならぬ、裏づけは何かということを言えば、やはりその会社の資産なり、まあ不動産なり、いろいろなものが出てくると思うのでありますが、そこで、やりようによっては、こういうことができるわけです。政府保証債だから、債券は十倍までは発行できる、これには何も裏づけが要らない、担保も何も要らない、政区が保証するのですから、これは引き受ければそれでいいわけです。そこで、借り入れに最大限の二百八億、ここに数字が出ておりますが、二百八億の政府保証債を発行し、金を借りて、かりに不動産その他担保となるべきものを、物件を持ち、その物件を今度は担保にして借り入れ金でまた金を借りることができるわけです、やりようによっては。私は、これが大きなこの会社の抜け道だと思うのであります。おそらくあなた方は試算表としてこういうものを出してきているけれども、この法律が通ってしまえば、いま私が申し上げたような抜け道は、これから幾らでもできるわけです。ですから、こんなものは三年もたったら全部変わってしまって、金額的に、たとえば昭和四十四年度が最高であって、この時点では二百五十二億の借り入れ総額だということになっていますが、これはあくまでも政府保証債を中心にしたものの考え方であって、いま言ったような方法を裏でとろうとすれば、これが三百億でも三百五十億でも借りていいような結果が、この法律の盲点として出てくる、この点については、私はどうしても納得できない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/77
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078・川出千速
○政府委員(川出千速君) 借り入れを相当巨額にやるということになれば、ただいま御指摘のような疑問も出てまいるわけでございまするが、先ほど答弁申し上げましたように、長期資金の調達は社債一本でやることにしております。また社債の発行につきましては、政府が保証をしておりまして、最大の利害関係者でございますから、この会社の資産につきましては、政府が非常な利害関係を持っておるわけでございまして、さらにそれをいわば、二重の担保にして措り入れをするというようなことは、政府として認可するはずもございませんし、また借り入れによって長期資金を調達するという考えは全くないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/78
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079・大矢正
○大矢正君 それからその最近の情勢と比較をしてみた場合に、いまの私が申し上げております借り入れや社債と関係して考えますと、こういう問題が出てまいります。ここにあらわれている数字というものは、あくまでも飛行機をつくって、それを全部売った場合の想定に基づいてこの試算表というものができ上がっていると思うのです。ところがです、きのうの新聞でありますか、日本経済新聞を見ますると、プエルトリコとの間の航空機の、最初は売買契約であったが、それが長期の賃貸契約に変わり、今度はその長期の賃貸契約が解消されてしまったとこうなっておるのです。それから、単に長期の賃貸契約方式というものはここだけに限らず、日本航空機製造ではかなり大量にこれをやろうという考え方もあるようです。なぜかと言えば、現実にはこの飛行機には歴史がないわけです。歴史がないから、非常に危険性がある。買ってみて落っこってしまったらどうにもならない。借りておく分には、借り賃だけ払えばいいのだという考え方が当然のこととして生まれてまいります。そうなれば、飛行機を売ろうと思っても売れない。いうなれば、せいぜいいっても賃貸契約という結果に、外国との間ではなる。それから日本の国内の場合もそういうことが言えるのじゃないか。そういうことになってまいりますと、これはこのような数字のとおりには絶対にいかないのです。なぜかと言えば、頭金も入らないし、それから納入時に金も入らないし、あわせてまたかりにこれを五年とか七年とかいう長期の延べ払いとしてやっても、毎年それだけの金が入ってくるはずだが、これも入ってこない。ほんとうの賃貸料金しか入ってこないという問題が出てまいりますれば、勢い試算表というものが大幅に狂わざるを得ない。悪く解釈すれば、そういう狂う前提があるから、穴として、借り入れの問題としては法律的な規制を一つも残さないでおけば、そこでやりくりができる。社債の発行限度が十倍であっても、そこでやりくりがつくのだ、こういうあなた方の意図があってやられておるというふうにしか私には考えられない。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/79
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080・川出千速
○政府委員(川出千速君) チャーターによる販売あるいはリースによる販売ということがございますが、これは国内では原則としてやらない方針をとっていくつもりでございます。ただ、例外的に航空機が発注をしてできるまでの間に、つなぎで使いたいというような事例が最近出てきておりますので、これはやはりチャーターでやるということになるだろうかと思います。これは期間が短かくなるわけでございます。そのためにチャーターですと、日本航空機製造の会社の目的その他の事業の中に入りますので、この前、通産大臣でそれができるような認可もした次第でございます。
それから、先ほど例をあげられましたのは、輸出の場合でございますが、これはまだ日本航空機製造の名前も売れておりませんし、YS11のほんとうの実力も、国内で相当数使ってからだんだん証明されるようなこともありますので、当社の間は、あるいは場合によりましてリースの販売を例外的にやらなければならないことも起きるかもしれないというように考えておりますので、それが中心になってしまって資金計画全体を狂わすような量ではないのではないか、またしてはならないと考えておる次第でございます。
なお、輸出につきましては、これは輸出入銀行がございますので、輸出資金のほうは、これはちょっと先ほど私ことばが足らなかったかもわかりませんが、借り入れという問題が起きてくるかもしれないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/80
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081・大矢正
○大矢正君 私はいま申し上げたほかに、もう一つこの会社というものに不安を持っております。それは先ほど来言っておりまするとおり、社債の発行限度額、は十倍である。私も類似の政府が資金を投融資しているような企業というものを調べてみましたが、資本金もしくは純資産額に対して十倍の発行限度までの大幅なものを持っているというのは、電源開発しかないわけですね。これはおよそ五倍が限度になっております。御存じのとおり、電源開発というものは、非常な資金も必要とするかわりに、そこで生み出される電力というものは、必ず九電力を通して売られるという前提で新しい電源開発をするわけでして、売り先がないのだということではないわけです。それだけの裏づけを持った電源開発でありますから、ここに資本金やないしは純資産の十倍というものは出てまいりますが、この日本航空機製造というものは、御存じのとおり、つくった飛行機が売れるかどうかということは、これは現実にはわからないわけですわね。わからない、全く未知数なもので、歴史も何もないものに十倍までの限度でこれを認めるなどということはとうてい理解できない。それからいま一つは、先ほど来申し上げておりますとおり、その純資産なるものは実際の資産ではなくて、法律によっていうなれば保護をされた形の資産であって、ほんとうの資産じゃないわけです。こういう点から見ても、この社債の発行限度額の十倍というものは、あまりにも大き過ぎる。民間企業の例を見てみましても、先般非常に国内の話題をにぎわしました、たとえば山陽特殊製鋼、あれを見ましても、資本金が七十四億円に対して借り入れの総額はほぼ五百億から六百億ぐらいということになっておりまして、これだけでたらめな会社だと言われる会社ですら、七倍ないし八倍程度しか借りていないわけです。ところが、この会社に限っては、十倍まで極端な表現をすれば資産の何もない会社で十倍まで借りている。見せかけの資産で十倍まで金を借りるということは、晋通の企業としては考えられないことであります。どんなにりっぱな企業であっても、大きな企業であっても、その会社の持つ資本金の十倍の金を借りているのだという会社は、民間企業の中だって私は絶対とは言いませんが、まずないと考えております。第一、それでは銀行は金を貸しませんよ、そんなに。こういう会社に十倍も限度額を認めるということは、あまりにも私は一ぺんにふくらまし過ぎるのじゃないか、こういう気がいたしますが、その点についてはいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/81
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082・川出千速
○政府委員(川出千速君) 山陽特殊製鋼の資本金七十三億八千万、借り入れば御指摘のように五百億ないし六百億程度でございますの言で、これも七、八倍ですか、これは多いほうであろうと思います。この日本航空機製造会社が特殊な例であるということは、私はもう率直に認めたいと思います。国が応援をして輸送機の国産化を推進をし、そのために民間と合わせてですが五十五億の出資金をし、これが成功をして量産化の段階に入ってきたわけでございますけれども、こういうふうな方法で国が保証をして最終責任は国が負うわけでございます。こういうような資金の調達以外に実際問題として資金の調達の方法がないわけでございます。これはもちろん、この航空機会社にさらに百億とか二百億とか、国が出資をするという考え方は、それはあろうかと思いますけれども、現在のところは政府が保証をして、その信用によって資金を調達するといういき方でいくのが、むしろ経済的であるという考えに立脚をして、かような変則的な制度で資金を調達をすることにいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/82
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083・大矢正
○大矢正君 YS11を百五十機つくりたいという御希望が、百五十機つくってそれを売らなければ、企業としてペイをしないということに、逆算をするとなるわけです。そこで一つ問題になってまいりまするのは、おたくのほうから資料をいただいておりまして、当面三十機なり四十機なりの航空機の正確な売買契約じゃないが、ある程度の話は進んでおるということはよくわかりまするが、問題はその契約ができて、まあ最終的な契約じゃなくても、ある程度買うか買わないかというような話し合いができてから、この飛行機をつくることになるのか、そうではなくて、ここに数字を示されている、昭和三十九年度は五機、四十年度十八機、四十一年度十三機というようにこの飛行機をどんどんつくっていって、とにもかくにも百五十機つくって、売れるか売れないか、あるいはあとからこれをやるのだということになるのか、その辺は具体的にどうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/83
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084・川出千速
○政府委員(川出千速君) どこの国の航空機製造会社もさようでございますが、航空機は注文生産でございまして、見込み生産ではございません。したがって、輸出の場合には、向こうから注文があって製造、輸出いたします。国内の場合にも国内の航空会社と正式に契約を結んで製造段階に入るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/84
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085・大矢正
○大矢正君 そこで、また逆戻りをするようですが、この法律の中には、十二年間の間に四十八億円というものを消却しなければならぬと、こう書いてある。それはところが、いま私が申し上げたとおり、昭和三十九年度は五機売れ、四十年度は十八機売れ、このとおり売れていけば法律にそむかないで十二年の間に減価消却ができる。試作のために要言した費用というものは、それも完全に消却できるが、このとおり売れていかなければ、十二年間では絶対できないということになる。そうすると、この法律に違反をすることになるが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/85
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086・川出千速
○政府委員(川出千速君) お手元に差し上げました見通しでございます言か、これは見通しでございますから、現実の注文のテンポ、あるいは輸出…の見通しというものは変わってくるかもわかりません、さような場合言に、十二年を経過するうちに消却しなければならないとなっておりますが、お説のようにその期間に消却ができなければ、これは赤字に計上するということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/86
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087・大矢正
○大矢正君 当然売れなければ、それだけ当該年度において損金が出てくるわけだから、赤字になるのはあたりまえの話だけれども、ここで書かれている姿というものは、最良の姿で書かれていると思うのですよ。何年に何機つくって、その金額が幾らでとい言うことで、最良の条件のもとでこれが組まれているわけでして、先ほど来契約が破棄されたとか何とかといういろいろな話がある段階で考えてみますると、このとおりには決していかない。そうすると、この法律でいう十二年を経過する日までに、これを消却しなければならないというこの考え方というものは、赤字として帳簿上計上すれば、それはあとはかまわない、消却できなくてもかまわないんだと、こういう理屈になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/87
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088・川出千速
○政府委員(川出千速君) 法律に書いてございます趣旨は、政府出資及び民間出資で開発をした経費そのものは値段に織り込んで採算ベースでやるべきであると。少なくともそれを目標にしてやるということを掲げておるわけでございまして、その趣旨に従って原価計算をし、販売価格をきめておるわけでございますが、これが実際やってみましてどうしてもうまくいかないということになれば、この法律に書いてある趣旨を修正をしなければいけないと、かように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/88
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089・大矢正
○大矢正君 ですから、かりに四十八億円の試作のために要した費用というものを向こう五十年間でもって消却するというなら、これはまたずいぶん変わってくるわけです。しかし、そういうばかげたことをやったんではどうにもならぬから、十二年という限度をここに法律は定めているのですから、十二年以内にはやはり絶対的に消却をするし、しなければならぬという方向に向かってこれからの会社というものをやっていかなければいかぬのじゃないかと、私はこう思うのです。ですから、あなたのいまの御答弁でけっこうだと思います。
それから次に、航空機工業審議会と同じく技術審議会、午前中にもお話がありましたが、こういうのは一体従来までの例として、どのくらい開かれているのか。一説によりますと、一年に一回開けば関の山だということを聞いておりますが、この点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/89
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090・川出千速
○政府委員(川出千速君) 航空機工業審議会は、この法律ができました三十三年から現在までに総会が九回開かれておりますので、御指摘のように大体一年に一回あるいは多いときで二回でございますが、審議会の中に部会を四つ設けておりまして、この部会は全部で十二回過去に開かれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/90
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091・大矢正
○大矢正君 そこで、最近技術審議会等におきまして、新たな国産機の試作ということが取り上げられておるというように報道されておりますが、事実最近の技術審議会等で技術的な面において、わが国がどういう飛行機をつくったほうがいいのかというような検討をされておるの言かどうか。その点質問をしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/91
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092・川出千速
○政府委員(川出千速君) 航空技術審議会におきましては、VTOL機あるいはSTOL機を国産化するにはどういうふうにしたらいいかということをテーマにいたしまして、これは航空機工業審議会でも過去数回議論をしたことがございますが、なかなか結論を得られないわけでございまして、その一つは、どういう方式にしぼってそういういうVTOLなり、STOLなりの航空機をつくっていいか、型式のしぼり方の問題もございましたが、なかなか航空機工業審議会では結倫が出なかったわけでございます。
航空技術審議会のほうでは、そこに総合技術部会を設けまして、三つの型のVTOL機を、とにかく実験機をつくって、国産の技術でどの程度できるかどうか、それを実験機をつくってためしてみたい、むしろ、実用機をつくるということよりも、実験機をつくるというところに重点があるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/92
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093・大矢正
○大矢正君 そこで、かりに実験機でありましても、考え方が二色あると思うのです。日本のこの航空機工業の技術水準、航空機それ自身の質的な問題、こういうことを中心に考えて、とにもかくにも日本が諸外国に負けない航空機工業に対す技術水準を持つのだという意味において、新しい航空機の開発に乗り出すという考え方もあるでしょうし、また、それとはまるきり逆とは申しませんが、そういうこともあるだろうが、しかし要は、それが企業として採算がとれるかとれないかという問題を重点にして考えるという場合も、私はおのずから出てくると思うのであります。単なる技術を開発するということでありますれば、これはもうそういう立場で航空機工業というものを考えていかなければならぬと思う。しかし、そうではなくて、国際的にも競争して打ち勝つような、企業の採算ベースに乗るような航空機の開発ということになりますると、おのずからこれまた違ってくると思う。その点についてはどういう考えを持っておられるのか。どうもこの技術審議会などで議論をされている分野は、ちょっと日本航空機製造株式会社の性格とは異なって、わが国の航空機に対する純粋な意味の技術開発というふうな方向に特に走られているように私は感じられるので、その点はどうかということと、それからいま一つは、まあ先ほど来お話しになっておりまするように、工業審議会と技術審議会がある。そうして実際の企業的立場としては航空機製造株式会社がある。そこで新しい機種の開発というような問題は一体どこが、午前中もちょっと私提議いたしましたが、中心となってやられるのか。だれが一体これを中心になって検討されるおつもりなのか。この点について、この言際お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/93
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094・川出千速
○政府委員(川出千速君) 科学技術庁に設置されております航空技術審議会の言ほうは、ただいま先生がおっしゃいましたとおりに、技術そのものの開発、航空技術のレベルアップというようなところにむしろ重点がございまして、その航空機によってそれをコマーシャルベースで採算をとって売っていくという前の段階、技術そのものの向上開発というところに、どちらかといえば私は重点があると思います。また現にこのような運用をしておられるようでございます。それからその次にYS11のように、製造販売あるいはその輸出をするというコマーシャルベースに立脚をした新しい新型の航空機を開発をしていく、こういう問題は現在の航空機会社の中では、それが大がかりのものであれば日本航空機製造以外にはないのではないかと私は考えます。それが規模の小さいものですと、たとえば三菱重工で現在十億の金をかけて開発をしたMU2というのは、これは一社でできるわけでございまして、現にこれは型式証明も得られておるわけですが、大型あるいは中型の輸送機ということになりますと、ことにプュア・ジェットになりますと二百億、三百億という開発費が必要なわけでございます。これは一社では絶対にできませんし、現在の航空機製造会社の中では日本航空機製造会本社以外にはないと、私はかように思っております。なお軍用の問題は、これは防衛庁の関係でございまして、これは別途になろうかと思いますが、これは民間輸送機の御質問でございますので、かように申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/94
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095・大矢正
○大矢正君 これは明らかに私は因果関係があるのじゃないかという気がするのです。しろうとでありますから、技術的なことについてはわかりませんけれども、かりに航空機のプロペラ時代から、中短距離のプロップ・ジェットということになってまいりますると、わが国の技術水準その他を広めるという立場から考えてまいりますれは、勢い新たな機種の開発という方向に進んでいかざるを得ない。ところがそれをやってしまったのでは、YS11が現実には売れなくなってしまう。少なくとも三年なり、四年なり後にその新しい機種が開発をされて、その量産段階に入ることになりますと、YS11はとうていこれは売りものにならなくなるという問題が出てくる。しかも資金的には百五十機つくって、とにもかくにも売らないことにはペイをしないし、多額の借金を残すことになる。こういう私は因果関係がここにあるのではないかと思うのです。盛んに参考人は午前中、これはまことにいい飛行機であって、世界にこれ以上いい飛行機はないのだと言わんばかりの説明のしかたをする。そうすると、それ以上のよい飛行機をつくることはないから、それじゃこれで十分じゃないかということになってしまうわけですそこら辺の因果関係を、一体これからどういうふうに解決されていくのか。そこに私は一つの問題点があるような気がしてしようがないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/95
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096・川出千速
○政府委員(川出千速君) 日本航空機製造の当面の問題は、誕生したばかりのYS11を予定どおり売り込んでいく、しかもできたらその計画を早めていく。この長期見通しよりも早く完了をするということが望ましいのは申すまでもないことと思います。しかしながら、日本航空機製造はそれを終わったら解散をする会社ではございません。存続期間が限られた会社ではないのでございまして、次の機種をどういうふうにするのだということは、当然今後考えていかなければならない課題でございますけれども、日本の航空技術の現在のレベルあるいは各国が中型ジェット機等に手をつけて、すでに開発をもう終わっておるところもあるわけでございまして、売れないものをあとからつくって非常な損失をこうむるという事態は避けなければいけませんし、何を開発の機種に選択をするかどうかということは、ユーザーの意見あるいは航空機会社のいろいろな意見等々集約をいたしまして、方向をきめたいと思っておるわけでございまして、現在のところは、まだ模索をしておる段階でございます。方針がまだきまってない現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/96
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097・大矢正
○大矢正君 先ほど私も若干触れたんでありますが、このYS11の商談の中で、プエルトリコとの間の話し合いが打ち切りになってしまったということで、これは新聞におおよその内容は書いてあるんでありますが、どういうことが理由になって、この商談というものは打ち切られることになってしまったのか。もし打ち切られていることが事実であるとすれば、また日本航空機製造に商談打ち切りの通告があったとすれば、その理由は一体何なのか、念のために。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/97
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098・川出千速
○政府委員(川出千速君) 打ち切りになったという報告は、日本航究機製造のほうから受けております。その理由は、詳しくは私聞いておりませんが、値段の点にあったのではないかと思っております。現在カリビアン・エア・ウェイが持っておる航空機を換装することによって目的を達せられるというような方針に変わったために、YS11を購入する計画がやめになったというように聞いておりますが、詳しいことは航空機課長から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/98
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099・広野信衛
○説明員(広野信衛君) カリブ航空は、現在コンベア340というプロペラ機を持っておりまして、それを現有勢力として活動しておるわけでございますが、時代の趨勢から、これをターボプロップ機を採用したいということを、会社の方針として取り上げたわけでございます。その方針に基づきましてYS11について引き合いがきたわけでがざいますが、その後現在カリブ航空が持っておりますコンベア340に対しまして現在YS10が採用しておりますターボプロップのエンジン、ダート10を換装したほうが安上がりであるということがわかりましたので、その結果YS11の購入をあきらめ、現有のコンベア340のエンジン換装を採用する方針をきめた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/99
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100・大矢正
○大矢正君 いまの御説明は、向こうが持っておる航空機のエンジンを換装したほうが安上がりであるから換装するという前提に立っての議論のようでありまするが、どうも私ども聞いておる話によると、先ほど参考人として来られた方々の意見とは異なって、国際的に比較をしてみて、この飛行機の性能なりまた安定性なりその他価格なりということから考えてみて、国際的にどうもわが国がおおよそ想定をしているような価格は、国際的には高過ぎるんじゃないか。こういうようなことがどうも中心だという話を聞いておるんでありまするが、YS11というものは国際的に比較をしてみて、まあ比較のしかたはいろいろありまするが、いろいろな部面の比較をしてみて、他のオランダなりあるいはまたフランスなりその他よりは決して高くないというような根拠というものはあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/100
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101・川出千速
○政府委員(川出千速君) 国際的に高くないという根拠につきましては、午前中参考人の専門家が詳しく述べられたわけでございますが、たとえばYSの対抗機種と認められるオランダのフレンドシップ、これは価格は三億円でございますけれども、座席数は四十くらいでございます。滑走距離もYSよりは長いということで、総合いたしますと、YSのほうが非常に高いというようなことはないわけでございます。
それからYSと同じように競合機棟であるバイカウント828機、これは四発でございまして、価格はYSよりはるかに高く、六億円でございます。しかし、収容人員はYSより若干多い。しかし、滑走距離は長いというようなことで、これと総合比較いたしましても、YSが割り高であるということにはならない。むしろ割り安であるというのが、わが国の専門家の意見でございます。
ただ残念なことに、日本は戦後相当期間の空白がございまして、実績を持っていないわけでございます。日本航空機製造は、ほかの会社のようにネームバリューもない点もございます。それからもう一つ、当初の計画よりも改造等に一年時間がかかったものですから、売り出しが一年間おくたれという点がございまして、その間にオランダのフレンドシップが相当に売ってしまったというようなハンディキャップも現在については少し響いてきているようなことでございますが、特に割り高であるというようなことは私はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/101
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102・大矢正
○大矢正君 私最後に、最近のこれまた新聞によると、防衛庁の第三次防衛計画の中にある輸送機——兵員、物資等についての輸送機を国産にするか、あるいはまた、アメリカ等から持ってきて日本で組み立てる、言うならばそういう方式でいくかという議論が出ているというふうに書かれているわけでありまするが、これはこの会社にとりましては相当重要な影響のある問題になってくるのじゃないかという気がいたしますが、その点はいかにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/102
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103・川出千速
○政府委員(川出千速君) 現在防衛庁で所有しているいわゆる人員輸送機数十機ございますが、これは非常に型の古い航空機でございまして、いずれにしても、新しい新鋭のものに取りかえなければならない時期に来ているわけでございます。しかし、それを外国との技術提携で、104のようなかっこうで向こうですでにできているものを国産化をするという方式でやるのか、あるいは国産技術の開発によって日本独自の輸送機をつくるのかという点について、まだ防衛庁の方針がきまっていないように聞いております。後者の場合でございますと、これは開発費にも相当の経費を要することでございますし、民間機にも転用できるような輸送機——人員輸送でございますから、そういうものであれば、日本航空機製造でもその設計あるいはその他の事業に参画をするという可能性もあろかと思いますが、現在の段階では、まだ防衛庁の方針もきまっていない、まして予算の問題にもなつていない段階でございます。これ以上のことは言えないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/103
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104・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/104
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105・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/105
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106・上原正吉
○上原正吉君 日本の航空機工業を再育成するために、こういう法律をつくり、国家の資本も投じ、それからまた、民間の事業も奨励する、これはよく趣旨はわかるし賛成ですが、航空機をつくるについては、ことに量産というものが絶対に必要だと思うのです。量産しなければ、いいものが安くできるはずがない。そうしてまた、航空機ほど量産の困難なものはないと思うのです。そこで自然と、さっきどなたかの話に出たように、アッセンブリ方式というようなものになってくるわけですが、それでは完全な産業だとは言えないと思うのです。だから究極においては、総合的な航空機産業を仕上げるということが大切だと思うけれども、途中では、何かから順にやらなければならないと思うのです。その点は重工業局としては、どういう方針で、どういう順番で、航空機産業を育成していこうと考えているのか、着手しているのか、それをひとつ伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/106
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107・川出千速
○政府委員(川出千速君) わが国の航空機工業は、戦前は世界一流でございましたが、戦後相当長期間にわたって空白になったために、その間の世界の進運に非常な立ちおくれをとっております、この点は西独も全く同様でございまして、日本よりもさらに三年おくれて航空機の再開が許されたような事情がありまして、日本以上に立ちおくれておるわけでございます。以前は世界一流の空軍国であったわけですが、現在はさようなことになっておりまして、同じく再建に非常な悩みを持っておるわけでございます。
それから航空機の量産ということでございますが、これは自動車と違いまして、量産産業ではないと私は思っております。二百機以上すでにフレンドシップF27を輸出したと言っておりますが、これは非常に多いほうでございます。大体百機とか百五十機、少ないほうは五十機とか、そういう注文生産をするのが——これは軍用は違いますが、民間航空機製造の実態でございます。量産をすればもちろんコストは下がりますけれども、需要そのものが、自動車みたような量産の需要はないものですから、やはり注文生産ということでいかざるを得ないわけでございます。国産化する前に、技術提携もし、いろいろ育成をしてきましたが、ようやく——一人前というところまでいかないのですけれども、とにかく中型輸送機ができる段階になったわけでございますので、これを育成して、もう一歩先に進んだ民間航空機をつくろうという段階に来ておるわけでございまして、現在の方針をさらに進めていくという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/107
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108・上原正吉
○上原正吉君 量産というのは必ずしも何万台だから量産、何十が台だから量産というものではないと思うのです。二機つくることから見れば、百機は量産である。そういう意味において、やはりたくさんつくらなければ、アメリカの航空工業とは競争できないと思うのです。そうして、やるからには、世界一流の飛行機工業を、日本の戦前のように、世界の一流国を相手に競争できる航空機工業が発達しなければならぬと思うが、と同時に、飛行機というのは、将来やはり自動車のようなものになるのじゃないかと、こう思うのです。そうすべき性質のものだと思うのです。そこで量産というものが必要なので、総合的に量産ができるような官民需要なりを育成しなければ、世界的な競争に立ち向かうことができなかろうと私は考えるわけであります。そこで、究極はそうきまっておっても、何からやるかが問題だと思うんです。たとえばイギリスは、エンジンならば世界一だということを誇っている。日本の会社がつくる飛行機も、ロールスロイスのエンジンを使っているのじゃないかと思うんです。そうなると、ロールスロイスのようなエンジンの大メーカーが各種のものをつくって、世界的競争で右利な立場に立つ、こういうことになると思うんです。そのように思います。電気メーターだとか、あるいはレーダーとか、いろいろなものがあると思うんですが、そのどれについてでも、すぐれた機能と設備と技術を持っていなければならぬと思いますが、一ぺんにやるわけにはいかないから、何か日本がすぐれているものから着手して、それを育成していくというのが順序だと思うんです。そういう意味で、何から先にどういう順序で日本の航空機工業を育成しようと考えているのか、それをお伺いしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/108
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109・川出千速
○政府委員(川出千速君) 航空機を国産化するためには、まず設計が大切だと思います。たとえば戦闘機のように完成された航空機を、名前は国産でございますが、部品を輸入し一部は国産でやるというのは、ほんとうの国産ではないのでございまして、やはりYS11のように、それはエンジン、プロペラも輸入しておりますけれども、航空機そのものの設計、試作、これは全く国産でやったわけでございます。これがまず第一歩ではないかと思います。したがって、機体関係が中心になるわけでございます。今後は御指摘のように、エンジン、あるいは現在は大部分は輸入に依存しております電子計器、こういうものの国産化、日本も電子工業が非常に発達してまいりましたので、これも国産化をしなければならぬ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/109
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110・上原正吉
○上原正吉君 そこで、その順番を、国情とそれから国の技術と設備、そういうものを勘案して順序をきめて、最後にはあらゆるものを全部国産でやるという順序が立たなければならない。それがどうも、お話を伺っていると、確立していないような感じを受けますので、質問をしたわけなんです。御回一答は要りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/110
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111・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/111
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112・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/112
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113・中田吉雄
○中田吉雄君 いろいろ質問したいこともありますが、私、この収支の目論見書なんか、国内航空の伸びを基準にしていろいろやっておられると思うのですが、私は、実は、いろいろいただいた資料よりか、関係各政府機関の協力を得て飛行場言さえ整備をされれば、もっと伸びるのじゃないかという気がするわけですが、イギリス、西独、フランス、オランダ、米国、日本、イタリアというような面積、人口等から比較して、その持つ地勢その他から考えまして、日本のような土地の単価の高いところでは、飛行場さえ整備すれば、非常に私はもっと高い年率の伸びを示すのじゃないか、こういう考えを持っておるわけなんです。それで、たとえばバスなんかですと、人キロ三十に達すれば大体ペイする、五十になれば、同じ路線に競争会社を許してもいいとか、いろいろな基準がありますが、そういう点で、いまあげましたような国の面積と人口と、いろいろ私はやってみたのですが、そういう関係からすれば、もっと伸びるのじゃないか、それには、空港の整備とか、いろいろあると思うのですが、さきにあげましたような国内航空に就航している飛行機の数はどうなって
いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/113
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114・川出千速
○政府委員(川出千速君) 御質問の内容は、実は、当省よりも運輸省の所管しておるところでございますので、詳しいことは存じませんが、ローカル線で九十くらいであるというようなことを、衆議院の商工委員会あたりでは、運輸省の担当の人が答弁をしておられたことを記憶いたしております。
なお、この伸びの基礎になっておりますのは、運輸省の見通しでございまして、現在、航空機輸送人員の伸びを基礎にいたしまして、それをかために押え、かつ、主要幹線はジェット機ということを前提にし、ローカル線にYS11を使うという計算で、四十五年くらいまでの間に七十機ほどは必要になろう。したがって、四十六年になれば、九十機前後が必要になるのであろうというようなことは、運輸省の航空局で言っておられるわけでありますが、そのような見通しを前提として、この長期見通しはできているわけでございますが、御指摘のように、空港が整備され、さらに路線が拡充をされますと、国内のほうは、いまの見通しよりも上回る可能性はあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/114
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115・中田吉雄
○中田吉雄君 これはただいま御指摘のように、運輸省のほうは所管かもしれませんが、私いろいろ資料をいただきまして、英、西独、フランス、オランダ、米国、日本、イタリア、こういうものの平方キロの面積、人口というようなことからして、鉄道輸送がいいか、トラック輸送がいいか、航空輸送がいいかというようなことを考えてはじき出すと、私は、方法によってはもっと伸びるのじゃないか。そうしますと、さきにあげましたような国内航空に就航している飛行機台数はわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/115
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116・川出千速
○政府委員(川出千速君) 詳しいデータを手元に持っていないわけでございますが、現在、日本では、国内で民間用に登録されている航空機は五百機でございます。なお、西独は千機をこえているというように聞いておりますが、これは詳しいデータを持っていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/116
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117・中田吉雄
○中田吉雄君 それでは、さきにあげましたような、これは質問とは別にして、ひとつ国内航空に就航している飛行機の数を知らしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/117
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118・川出千速
○政府委員(川出千速君) さっそくその資料を調整して差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/118
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119・中田吉雄
○中田吉雄君 昭和三十五年につくりました所得倍増計画の航空旅客輸送人キロは、前年対比で国内で三〇・八%、国際線で三六・五%というふうで、十年後の四十五年には、三十三年に比して国内は二十六倍弱、国際線は四十二倍強というような、たしか数が出ているのですが、年率の伸びはどういうふうになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/119
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120・川出千速
○政府委員(川出千速君) 幹線とローカル線に分けて申し上げますと、これは昭和三十八年の実績でございますが、一三四%、これは幹線でございます。それからローカル線が一四八%、四割八分の伸びでございます。三十九年度が、幹線が一一七%、ローカル線が一四〇%、四十年度の見通しが、幹線で一二八%、ローカル線で一四〇%、四十一年以降は、順次その伸びが低下してまいりまして、ローカル線では、大体見通しは一二五%くらいになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/120
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121・中田吉雄
○中田吉雄君 広野さんは、航空機武器課長という名前になっておるようですが、四十一年ですか第二次計画が済みますね。そうすると、第三次計画というものがすでに作業があると思うのですが、それはやはり日本の航空産業の将来に影響があると思うのですが、重工業の局長さん、ここではそういうことは、防衛庁とも十分連絡はとってあるでしょうが、その作業はどういうふうになっておりますか。航空機武器課長となっているから、武器のほうもやっておられるのでしょうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/121
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122・川出千速
○政府委員(川出千速君) 航空機武器課という課の名称でございますが、これは当初、航空機課と言っておりまして、これが航空機武器課に名称を変えましたのは、航空機武器課で現在所管している法律に、航空機製造事業法と武器等製造法の二つがございますものですから、それを単純に合わせまして航空機武器裸という名前にいたしたわけでございます。
なお、三次防との関係は、防衛庁と私のほうには話し合いはしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/122
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123・中田吉雄
○中田吉雄君 話をしておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/123
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124・川出千速
○政府委員(川出千速君) しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/124
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125・中田吉雄
○中田吉雄君 体系的な質問をする時間もないので、私ちょっと三時半に出ますので……。
午前中にもお伺いしまして、重工業局からいただきました主要国の資料を見ますると、参考人にもお尋ねしましたように、フランスですね、カラベルというのを中心にしまして、これが一九五九年には千四百八十億円生産があって、輸出が三百二十四億、一九六〇年には千六百五千三億、輸出が八百二十七億、一九六一年には、二千四百六十億のうち千三百五十億、一九六二年には二千五百五十億、うち輸出が千八十億という、最近まあ驚異的な伸びを示しているわけですがね。こういう点について学ぶべきものは何であろうかということを思うわけですが、ただ、いただきました資料の、開発費が幾らで、国の補助率が幾らだというだけではわからないわけですが、その点はいかがでしょう。
それともう一つは、前の質問に対しまして、ミサイルが発達して、これがまあ航空戦闘機等に非常に影響すると思うのですが、軍用機に影響すると思うのですが、そういうことが一そう旅客機等に進出して、国際競争をはなはだしく激化して、日本の航空機産業に大きな影響を与えるのじゃないかと思うのですが、そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/125
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126・川出千速
○政府委員(川出千速君) 最後に御質問の、ミサイルのロケットの発達のために、軍用航空機の受注が減って、各国の航空機会社は民間の輸送機に重点を置きだしております。そのために、日本の航空機工業に影響を受けるであろうという御指摘は、私はそのとおりだと思います。
なお、民間輸送機につきましては、各国の政府が、開発費が相当巨頭に達するものですから、相当の援助をいたしております。先ほど御指摘のフランスのカラベル機、これは開発費は約三百七十億円でございます、円に直して。その四分の三を国が補助をしておるわけでございます。これが傑作機でございましたので、輸出も非常に飛躍的に伸びたということになります。わが国の我後の航空機生産荷は約二千八百億でございますけれども、そのうち、輸出額はわずか四十数億でございまして、この辺、たいへんな懸隔があるわけでございますが、日本の民間航空機に対する国の援助は今後ますます必要になってくるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/126
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127・中田吉雄
○中田吉雄君 ミサイルの発達が軍用機に影響して、それが旅客機等にだんだんウエートを置いて、それが日本のYS11等に影響するというようなことは、どういうふうに判断しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/127
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128・川出千速
○政府委員(川出千速君) ミサイルが発達してまいりますと、各国の軍の航空機に対する需要が若干ずつ減ってくるのではないかと思います。したがって、航空機会社は民間の航空輸送機に重点を置きまするし、各国政府としても、民間航空機会社の新航空機の設計に対して、開発のための補助に相当大量の資金を投入するようになってまいりました。そうして新鋭の航空機をどしどしつくる各国の競争が行なわれております。その意味におきまして、先生御指摘のような影響がわがYS11の輸送機にもあらわれてくることは間違いないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/128
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129・中田吉雄
○中田吉雄君 YS11の性能について、午前中もいろいろ専門家の意見があったのですが、短距離のプロペラつきジェット機、短距離のなにに非常に経済的である。それから発着したりするのに、六十人のお客を乗せて滑走路が千二百メーター以下でいいというのが、主要な性能なんですが、この点について、すでに従来長距離用だと言われておったジェット機ですら、最近は非常に短距離にも十分引き合うような値段になり、また、旅客機の好みも、プロペラつきのジェット機よりか、ジェット機のほうを好むというようなことがあって、民間航空でもYS11の購入にちゅうちょしていくのじゃないか。あるいは、私が運輸省の航空局で聞きましたところでは、着随時に、どういうわけか千二百メーター以上かかる。重心の位置が前に行き過ぎて、脚の取りつけの角度等から、安全性について、安定性の機能が悪い。荷物室のドアが一方に片寄って収容が不能である。そういう点で、ユーザーを無視して設計、開発をしているというような点からいろいろ問題があるように聞いているのですが、これはもうそう古い資料ではない。だのに、そういう問題はもう全部解消してしまったのですか。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/129
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130・川出千速
○政府委員(川出千速君) 飛行試験の二つの試作機が飛び出しましたのは、三十七年の八月と年末——三十七年の十二月でございます。飛び出しまして試験をしました結果、先ほど先生の御指摘のような欠点もございましたので、その欠陥をことごとく直しまして、現在は完全無欠な航空機になりまして、昨年の八月に運輸省の型式証明を得ておるわけでございます。したがって、そういう手直しをしたために、当初の予定より一年間大量生産になるのがおくれたわけでございます。これはたいへん遺憾なことだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/130
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131・中田吉雄
○中田吉雄君 この調査は去年の春の調査なんですがね。そんなに早くこういう諸問題が解決できたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/131
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132・川出千速
○政府委員(川出千速君) そのとおりでございます。短期間に解消したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/132
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133・中田吉雄
○中田吉雄君 私ちょっと参考人にも聞きましたが、四十年度予算の説明を見ますと、防衛庁の航空機購入費が、三百十三億から百九億に減っているわけですね。そして、いま二万数千の従業員があり、それが常雇い、臨時とかいろいろあるのですが、そういうことはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/133
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134・川出千速
○政府委員(川出千速君) 防衛庁の予算が四十年度減っておりますのは、F104の戦闘機の生産が、三十八年、三十九年に、特に三十九年に集中しておりましたので、防衛庁の予算がふえておったわけでございます。これは四十年以降、現在の予算では三十機追加生産をすることになったわけでございますが、防衛庁需要の戦闘機の関係で予算が減っておるわけでございまして、YS11につきましては、二機ないし三機程度のものでございますが、これは影響がないわけでございます。なお、防衛庁の需要が減りますと、民間の航空機会社はそれだけ仕事がなくなりますから、大きな影響を受けるということになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/134
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135・中田吉雄
○中田吉雄君 そうしますと、たしか二万幾らですね、航空機関係の従業員が二万数千人おりますね。それはどういうふうなことになりますか、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/135
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136・川出千速
○政府委員(川出千速君) 打ち切りになりますと、臨時の人あたりから解雇をしていくというようなことになりますが、104の関係は、なお追加生産が三十機認められましたので、従来の生産をそう大きくスローダンをしなくてもやっていけるということになりますし、今後YS11が本格的な生産段階に入りますと、こちらのほうも仕事も相当にふえてまいりますので、現在、二万数千人の人員の整理をするというようなことは考えていないようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/136
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137・中田吉雄
○中田吉雄君 いま当面、重工業局でいろいろ御苦労されている自動車ですね、飛行機に比べて七年も空白があった。自動車の需要層の厚いというような、まあいろいろな問題はあるのですが、川出さんもたしか出ておられたと思うのですが、ヒルトンホテルで櫻内通産大臣が、もう自動車は非常に大きな関連産業を持つ業界なので、国としてもなし得る最大限の保護をした、だから、もういよいよ四十年度の上半期中に自由化する、用意はいいか、こういうだめを櫻内通産大臣が押されているわけですね。もう一ぺん復習しますと、いつですか、ヒルトンホテルで櫻内大臣が、自動車の業界の諸君をお集めになって、その席で、自動車は非常に大きな関連産業を持つ業界として、国としてもこれまで最大限の保護をしてきた、もうこれでよかろう、だから、いよいよ四十年度上半期中には自由化を実施する、用意はまあいいかと、新聞ではそう得いているわけです。それで、川出局長は、記者団会見をされたかしらんが、これで自由化については業界に異論がないとまあ判断をした、こういう記事が出ておるわけです。それで、自動車と航空機を比べてみて、これもいろいろな面で特殊性があるわけですが、それは特殊性によるものか、航空機産業というのがこれほどおくれたのは、需要層の厚いとか薄いとか、七年の空白があるとか、いろいろあると思うのです。あるいは政府の政策のよしあし、あるいは業界の自力の努力が足らんだ、いろいろあると思うのですが、一体、航空機産業のこれほどの立ちおくれはどこにあるもんでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/137
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138・川出千速
○政府委員(川出千速君) 大きく言いまして、私は二つ理由があろうかと思います。その一つは、戦後数年間にわたって、長期にわたって生産を禁止をされ、設備は撤去され、技術者は離散をしたというようなことで、その間にジェット機の開発ということが各国で進んだわけでございますので立ちおくれたということが、一つ大きな理由になっておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、その点では、西独も全く同じような影響を受けておりまして、航空機工業ではひどく立ちおくれをとってしまった。
それからもう一つは、もう先生の御指摘のとおりに、需要の面でございまして、自動車のほうは民間の需要が、これは非常にやかましい輸入制限をしておったわけでございますが、需要が非常に旺盛になってまいったわけでございます。航空機につきましては、民間の需要の中心は国内の輸送会社、航空会社の需要が中心でございまして、これを会社が、あるいは個人が航空機を需要するという段階に日本ではなっておりませんものですから、そういう点で自動車とは違うわけでございます。それが、自動車と比べて航空機が国際的に立ちおくれをとっておる原因ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/138
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139・中田吉雄
○中田吉雄君 これは通産大臣にお尋ねをしますが、「わが国の航空機工業について」という、日本航空工業会というのが出した資料の二八ページには、航空行政が非常に多岐にわたっている、通産省、運輸省、科学技術庁というふうにわたっておるので、やはり強力に航空機産業が軍需依存から脱皮して強烈な国際競争に耐えるためには、その面の航空行政の機関の統合が必要じゃないかということを言っているんですが、ただ連絡調整というようなことでうまくいくもんでしょうか、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/139
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140・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 運輸省あるいは科学技術庁の所管の事項もございますが、私としては航空機工業の育成ということになりますれば、これは当然通産省中心であろうと思います。また現にそうなっておると思うのであります。運輸省は航空輸送の関係、科学技術庁は技術開発の面、こういうふうなことに相なっておると思いますので、お話しのような相互の緊密連絡の上で支障はないものである、かりにもし航空機行政に欠けるところがあるといたしますれば、むしろ、私は、通産省自身がもっと真剣に取っ組んでいくべきだ、こういうふうに思うのであります。おのずから運輸省、科学技術庁の担当する分野は、航空機産業政策の上からは違うのではないか、こういうふうに私は割り切っておるようなわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/140
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141・中田吉雄
○中田吉雄君 私、病院に行きますので、ちょっと失礼しますが、午前中の参考人のお話を聞きますと、YS11に会社の運命をかけている、これはベストだというふうなお話ですが、それでいいものでしょうか。どこが所管するかは別にして、次期国産機の候補としてどういうものをやるかという研究開発といいますか、そういうものは非常に重要じゃないかと思うのですが、私、実は、国会で昭和三十三年に視察さしていただきまして、ちょうどイギリスの航空省が滑走路なしで垂直に上昇するという、どこかフランスだかでやって、最近落ちたりしているようですが、やはりフランス、アメリカ、オランダに対抗するためにも、VTOL機か何かいろいろ候補にのぼっているのがあるようですが、そういうものについて、どういうふうにされる方針ですか。さきに大矢さんが、その所管について主として言われたが、実はYS11だけに、これがベストだ、もうこの売り込みだけで貸借対照表をうまくするというだけでは、あそこのバランスシートではそれがせい一ぱいと思いますが、所管の通産省としては、やはり飛行機のような速さで変わるこの性能等から考えたら、十分考えらるべきだと思うのですが、新聞記事等によりますと、航空技術審議会とか、あるいは総会技術部会とか、いろいろ出ているようですが、そういうことはどういうことになっておるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/141
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142・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 私、午前中不在をいたしてたいへん恐縮なんでありますが、YS11に対する会社首脳部の責任観念、これは当然お持ちになって、会社の運命をかけて努力をするくらいの気魄が必要であろうと思います。いまお話しの垂直離着陸飛行機の開発の問題につきましては、すでに基礎的研究については開始をしておるのでございまして、また、鉱工業技術研究費補助金を機体及びエンジン関係の研究担当会社に交付をして、研究を続けておる現状でございます。でございますので、単にYS11にとらわれることなく、この研究の推進はやるべきだと思うのであります。ただ、これが現実にYS11と同じような扱いをして、巨額の国費を投ずべき段階に来ておるかどうかということについては、おのずから判断は違うわけでございますが、しかし、YS11だけにとらわれずに、絶えず航空機工業の、あるいは技術の進運にこたえての用意というものはしていくべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/142
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143・中田吉雄
○中田吉雄君 防衛庁の需要も、特需の需要は減っていて、だんだん軍需依存から脱皮して——完全に脱皮できるわけでもないのですが、いかねばならぬと思うのですが、時間もありませんが、とにかく、フランスが数年の間に一千億の飛行機を外国に輸出するようになったという点を考えて、政府の政策がよろしければ私はやはり伸びるのではないかと思いますので、その点を希望して、私ちょっと急ぎますので、質問はやめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/143
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144・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記とめて。
〔午後四時速記中止〕
〔午後四時三十一分速記開始〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/144
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145・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記開始。
他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/145
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146・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論はないものと認めて御異議ございませか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/146
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147・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
航空機工業振興法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/147
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148・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/148
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149・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後四時三十四分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01119650330/149
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