1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月二十二日(木曜日)
午前十時五十分開会
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委員の異動
四月十三日
辞任 補欠選任
岸田 幸雄君 前田 久吉君
四月十四日
辞任 補欠選任
佐野 廣君 小林 英三君
井川 伊平君 梶原 茂嘉君
四月十五日
辞任 補欠選任
小林 英三君 佐野 廣君
四月十六日
辞任 補欠選任
佐野 廣君 小林 英三君
四月二十日
辞任 補欠選任
川上 為治君 後藤 義隆君
赤間 文三君 紅露 みつ君
鈴木 一弘君 浅井 亨君
向井 長年君 田上 松衞君
四月二十一日
辞任 補欠選任
後藤 義隆君 川上 為治君
紅露 みつ君 赤間 文三君
小林 英三君 郡 祐一君
浅井 亨君 鈴木 一弘君
田上 松衞君 向井 長年君
四月二十二日
辞任 補欠選任
赤間 文三君 野田 俊作君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 雅孝君
理 事
上原 正吉君
大谷藤之助君
中田 吉雄君
向井 長年君
委 員
植垣弥一郎君
郡 祐一君
斎藤 昇君
野田 俊作君
前田 久吉君
阿部 竹松君
大矢 正君
椿 繁夫君
鈴木 一弘君
奥 むめお君
国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
政府委員
通商産業政務次
官 岡崎 英城君
通商産業大臣官
房長 熊谷 典文君
通商産業省軽工
業局長 伊藤 三郎君
中小企業庁長官 中野 正一君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○高圧ガス取締法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/0
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001・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
本日は、理事の補欠互選を行なった後、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案、中小企業関係三法案及び海外経済協力基金法改正案の審査を順次行なうこととなりましたから、御了承を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/1
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002・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 次に、委員の異動について御報言いたします。
十三日、岸田幸雄君が辞任され、その補欠として前田久吉君が選任され、十四日、井川伊平君、佐野廣君が辞任され、その補欠として梶原茂嘉君、小林英三君が選任され、二十日、向井長年君、鈴木一弘君が辞任され、その補欠として田上松衛君、浅井亨君が選任され、昨日、田上松衛君、浅井亨君、小林英三君が辞任され、その補欠として向井長年君、鈴木一弘君、郡祐一君が選任され、本日、赤間文三料が辞任され、その補欠として野田俊作君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/2
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003・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。
委員の異動に伴い理事が二名欠員となっておりますので、その補欠互選を行ないます。互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/3
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004・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。それでは理事に大谷藤之助君、向井長年君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/4
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005・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 次に、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/5
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006・奥むめお
○奥むめお君 高圧ガスの問題は、このごろ家庭でも急激に伸びまして、それがなければやっていけないくらいな普及状態でございますけれども、それだけに品不足がいわれております。また、品不足も影響しているのでしょうけれども、十分な量が入っていない。これは、原料補てんと申しますか、あるはずのものが足りないということでたいへん不足をいわれております。で、一昨年の国会でも私その問題について質問いたしましたけれども、行政指導をしていきます、あるいは啓蒙運動をいたしますというふうなことを答弁されただけでございますが、その後どのように行なわれているのでしょうか。また、それによって効果があがっているかどうかということを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/6
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007・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) いま奥委員のお尋ねはLPガスのことだと思います。現在地域によりまして、お話のように非常に不足をしている。そのために御家庭に御迷惑もかけておる。あるいは極端なところはそのガスの入手のために、多少社会不安的な面もあるということを聞いておりまして、私のほうの担当は鉱山局に当たりますので、鉱山局長をして実情を見させております。また業界との懇談もさせております。あるいはこの地域的な不均衡についての是正にもつとめさせておりますが、いまだその効果が十分あがっておらないのは非常に残念でありますが、要は絶対量の不足にあることは申すまでもないのでございまして、極力スポットの輸入などの手配もさせておりますし、まずこの突きの時期も終わって、大体需要も減退する時期にもなりましたので、この冬季の問題というものはまことに申しわけないことでありますが、気候的なことで、最終的にはまあまあ不安が除かれてきておるというようなことでございます。昨日も私局長に申しまして、ことしのようなことを再び繰り返してはいけないのであるから、今度の冬に対する施策については十分いまから練って、万遺漏のないようにせよと、こういうふうに手配をしておるような実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/7
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008・奥むめお
○奥むめお君 生田量販売ということは、私ども家庭からいえば一番主要求することでございますけれども、正量販売は行なわれているとお考えでしょうか。あちらこちらで問題が取り上げられてはいますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/8
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009・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 私どものほうの局長に調査をさせました場合に、まあいわば量目不足と申しますか、量が不足している場合があることは事実のようでございますが、これにつきましては、業界に対して厳重にさようなことのないように申しておるわけでございますが、何としてもその各販売店全五部に目が配れないのでございますので、現実にはいわゆる量目不足の場合があるということは非常に遺憾に思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/9
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010・奥むめお
○奥むめお君 政府もそれを認めていらっしゃるくらいですから、家庭が一番困っていることは申すまでもございません。この前の国会で附帯決議が取り上げられまして、それには正量販売と品質の確保について記そう監督を厳重にするべしという一項目がございました。それをどのようにしていらしたかということをまず伺いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/10
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011・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) まあ結局これは道義的な問題だと思うのです。もちろんこういう事実があるのでございますから、警察も協力をして、あるいは業界自身におきましても抜き打ち検査などをして、さようなことのないように十分つとめておるのであります。私どもとしては十分やっておる考えではございますが、何といっても数の多い販売店のことでございまして、結局モラルの不足と申しましょうか、いま御指摘のような事実、費目不足のものがあると、また非常にそのことによるおしかりも受けておるわけでありますが、どうもこの一軒一軒に全部監視人を付けるというわけにも事実福上いかない問題でございます。奥委員にこういうことを申し上げれば、それは手ぬるいと一言われるかもしれませんが、正直に申し上げまして、私どもとしても、実際ほんとうにきめ手がないために非常に残念に思うのであります。しかし、そうも言っておれませんので、極力取り締まりを厳重にする、業界に警告もする、監視もする、こういうことで善処をしておるようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/11
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012・奥むめお
○奥むめお君 いま大臣は道義の問題だとおっしゃいますけれども、道義の退廃が今日のようにひどい世の中で、道義に隠れては私は何事もならないと思う、正しいことは。ですから、そこには監督、指導、啓蒙ということが伴わなければならないと思うのでございますが、私ども婦人団体に何しております者から言いますと、こういう問題の啓蒙あるいは理解を願うというふうな働きかけが、何も行われていないと思うのですね。これは役所に予算を持っているのでしょうから、少しその予算で各家庭のほうへ行き渡るように、ガスを使うときの注意とか、あるいは目方のごまかしのときにはこうすべしというふうな問題を普及徹底させてくだすったらいかがでしょう。そういう努力が足りない。一体通産行政は非常にそれが足りないと思うのですが、いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/12
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013・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 御指摘を受けますれば、お答えのしようがないのであります。現実にわれわれとしては十分注意も払い、また元売りの中央協議会であるとか、あるいは小売りの全商運などに対して指導もいたし、あるいは家庭に対する啓蒙運動というものは、これはもう私どもがそういうことをするまでもなく、十分家庭のほうでは配達された場合に、これが量目が十分であるかないかというような判断を大体されていると思うのであります。しかし、いまのような品不足のおりから、それを受け取らずにはおれないというようなことが実情ではないかと思うのでありまして、根本は、結局この需給の見通しをはっきりつかんで、そしてLPGの供給不足を起こさない、これが潤沢になっていけばこの問題は解決するのでありますから、したがって、もう過ぎたことについてはこれはおわびする以外にないのでございますから、明年以降の対策について万遺漏なきを期する、これが一番大事じゃないか、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/13
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014・奥むめお
○奥むめお君 重ねて大臣に伺いますが、いまは陽気もよくなったから品不足も緩和された、こういうことのようでございますけれども、絶対量が足りないということは、どういうふうにしてこれから私たち福に安心させていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/14
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015・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 国内生産ももとよりでございますが、輸入に負うところが多いのでございますから、昨年私が就任以降、三ばい船を認めまして、そして輸入量をふやすようにしております。これが予定どおり建造されて入ってくるということになれば、これは相当需給の緩和に役立つと思います。また、船が逐次できるのでございますから、その間の穴埋めはどうするか、これについては、いまからスポット物を十分確保するように手配をさせております。相当次の冬まで期間がございますから、その間にスポット物は獲得できると、こう思います。なお、現在家庭用についての不安が非常に大きいのでございますから、運輸省とも相談いたしまして、LPGを使用する自動車のほうをできるだけ抑制をしていくようにしたらば、どうかというようなふうに、具体的に案を立てているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/15
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016・中田吉雄
○中田吉雄君 私は、自動車のことはかなり関係して知っているのですが、いまの料金では、LPGを使わねばもう採算が合わぬのでございます。今度税金がかかることになりましたが、ですから、自動車の免許権を取っても、一台当たり権利が非常に安くなって、合わぬようになっているのに、LPGガスを使うなといっても、これはなかなか運輸省もそういうことはできないと思う。料金は、もう百円なり八十円なり七十円なりで頭打ちして、なかなかできないので、それは私は実際不可能だと思う。その点と、それからいま奥先生の質問の量の不足ですが、値上がりを待って、かなりの在庫があっても出さぬというようなものもあるというととですが、こういうものには手は打てぬのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/16
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017・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま中田委員のおっしゃるように、事実上LPG使用の自動車の抑制ということはなかなかむずかしい面もあると思います。それはお話のとおりでございます。しかし、そうかと言ってこのLPG使用の車がもしどんどんふえるということについては、この次の冬の需要期などについて一そう問題を起こす、こら思うのでありまして、この点については運輸省と緊密な連絡の上に、やはりLPG使用の車の抑制については、ある程度考えていかなければならないのではないか。むずかしい点は十分わがっているのでございます。運輸省でもなかなかこれは行政上むずかしい点があろうかと思いますけれども、極力その点は協力を要請していきたいと思うのであります。
もう一点は何でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/17
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018・中田吉雄
○中田吉雄君 在庫があるのに値上がりを待って……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/18
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019・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) わかりました。非常に逼迫をしまして、実情を調べましたところが、地域によると、在庫がある。それにもかかわらず売り惜しんでいるということがございます。しかし、これについては相当厳重に警告をいたしまして、こういう事態であるから協力をせよというようなことで、これは効果が上がったと私は思っておるのでありますが、もし現実に在庫があって、売り惜しんでいるというようなことでございますれば、お知らせいただけたら、さっそくに手配をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/19
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020・中田吉雄
○中田吉雄君 本法案が出る前に、日本化学工業協会、会長は福島さんのところのようですが、高圧ガス取締法の一部改正法案について、自主規制を目的とする特殊法人をつくったばかりであるから、本法案は必要ないのじゃないか。また、当時主管官庁が説明したのとはなはだしく矛盾しておるようで、この改正法案の提出についてあまり賛成でなかったように新聞に出ておるのですが、その点は局長さんいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/20
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021・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 昨年の十二月に、一応通産省で考えました改正の構想を示したのでございますが、これに対しては業界の自主保安の強化という点から、日本化学工業協会のほうで反対の意見がありましたのは事実でございますが、その後協会から三月十三日付で意見書が出ておりまして、これにつきましては協会の意見としまして、通産省の改正案が当面緊急に必要とする最小限度の内容に組みかえられたので、本法案に対しては特に反対する意向はない。なお、本法の裏づけとなる政省令等細則の制定については、事前にその具体的内容を業界に提示し、十分協議して決定することとされたい。そういう意見が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/21
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022・中田吉雄
○中田吉雄君 この高圧ガス取締法の一部を改正する法案というものが、発生する事故を十分防止するようなポイントを、要点を押えてあるかどうかというようなことを中心として質問したいと思うのですが、配付されました「高圧ガス取締の概況」というのがあります。その十七ページにはこのガスの種類別、年次別の事故の発生状態がありますが、このガスの種類別、年次別の生産、消費の状況、そういうことについてまず御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/22
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023・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 御質問の高圧ガスの生産、消費の実績でございますが、三十九年度の数字を申し上げますと、酸素が生産が二十四億四千二百二十五万七千立米、消費が二十三億八千二百三十九万立米、水素が生産が千百八十九万三千立米、消費が千二百十七万四千立米、窒素が生産が一億二百八十四万七千立米、消費が九千七百三十二万六千立米、アセチレンが生産が四万三千三百八トン、消費が四万三千百八十九トン、液化炭酸は生産が十二万二千四百五十五トン、消費が十二万二千四百八十八トン、液化石油ガスは生産が二百十七万四千トン、消費は推定でございますが二百万トン、フレオンガスが生産が一万八百二十七トン、消費が九千七百八十一トンでございます。この数字は、調査統計部の化学工業統計の資料でございますが、液化石油ガスにつきましては、鉱山局の統計をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/23
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024・中田吉雄
○中田吉雄君 実は私は前もって資料の要求をいたしていただいているんですが、委員全部に配付される分はないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/24
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025・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) ただいまのところはそれはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/25
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026・中田吉雄
○中田吉雄君 それではお伺いしますが、酸素と水素は、これを見ますと、消費量はふえているのに事故はふえていないわけであります。それからアセチレンは消費もふえ、事故も多くなっている。液化石油ガスは量もふえて事故も多くなっている。こういうふうなことは一体どういうことと関連があるんでしょうか。三十一年にたしか消費の規制があったりしたんですが、その関係はいかがでしょう。量がふえながら事故が減っているのもあるし、量がふえるのにつれて事故のふえているのもあるし、これはどういうわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/26
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027・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 液酸につきましては、御指摘のとおり三十一年の法律改正によりまして消費部面の規制をいたしました。そういうこともありますし、一方保安の技術の向上もありまして、事故が逐次減ってまいっておるわけでございます。液化石油ガスにつきましては非常に三十三年、四年一般の家庭の消費がふえております。したがいまして、消費先での取り扱いのふなれによる事故というようなものが非常にふえてまいっております。でありますが、その後三十三年、四年を過ぎまして、三十五年以降は液化石油ガスも逐次事故は減ってまいっております。件数も減り、また損害額も減ってきておる状況でございます。アセチレンにつきましては、大体毎年出入りはありますが、そう減りもしない、またふえもしないという状況で推移しておるわけでございます。特に液化石油ガスにつきましては、事業所としましては事業者の保安意識の高揚あるいは担当者に対する保安教育の徹底ということが特に必要でありますし、また家庭等の消費先におきましては、液化石油ガスの性質を正しく認識し、正しく取り扱うということをさらに啓蒙しなければなりませんし、現在までそういう努力の結果、事故も逐次減少はしてきておる。消費量は非常にふえてきておりますのに対しまして、件数としてはやや減りぎみに来ておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/27
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028・中田吉雄
○中田吉雄君 この災害事故の発生状況ですね。いただいておる「高圧ガス取締の概況」の十七ページ、これは三十四年をピークに減っているのですが、これはただいま言われたようなことだけによるものですか。やはり偶発的なものもあるのですか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/28
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029・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 三十三年、三十四年は件数は若干多いにかかわらず損害額が非常に多くなっておりますが、これはやや偶発的と考えられるわけでございまして、一般ガスにおきましては、アンモニア合成等化学工場での爆発事故四件がございまして、死傷者、損害額とも増加をいたしております。またLPガス関係では、三十四年に徳島県下で丸善石油ガスのプロパン、ブタン混合ガスの噴出着火事故がございましたし、また無許可の充てん所でのガス漏洩の火災事故も二件ございました。こういう事情で三十三年、四年に死傷者、災害金額ともに多くなっておる状況でございます。これはやや偶発的な事故ではないか、偶発的な事情による災害の増加というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/29
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030・中田吉雄
○中田吉雄君 この事故で一番大きいのはアンモニアなんですが、昭和三十三年の一月十七日の横浜の日東化学で六千万円、それから山口県の協和醗酵の三十四年の七月十一日では二億五千万円というふうになっていますが、こういう大きな事故が、件数は少ないのですが起きるのですが、今回の改正で間に合っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/30
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031・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) こういう大きな事故がありましたことはまことに遺憾でございますが、高圧ガス取締法上におきましては、アンモニアの製造は第一種製造者といたしまして、一番強度の規制を加えておるわけでございます。したがいまして、法的規制といたしましては、現在の程度で十分ではないかと考えております。さらにそういう工場におきます生産と保安との技術の向上、経営者の保安意識の高揚、従業員に対する保安教育の徹底、こういうものをさらに進めていきたいと考えて、そういう措置をとっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/31
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032・中田吉雄
○中田吉雄君 そうしますと、一番損害額の大きい一件で二億五千万円というようなのがあるのですがこの第一種指定業者としての現行の措置でもう絶対起きない、こういうふうなことが言えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/32
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033・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 事故の原因としましては、直接の作業員の不注意とかいろいろございますが、そういうものは先ほど申しました教育の徹底によりまして、これの絶滅を期するべきであろうと考えております。ただ、最近の新しい技術によりまして石油化学工業等いろいろ新規の製品もつくり出し、あるいは全然新しい製造方法を取り入れてまいっておるものがございます。そういうものにつきましては、従来の経験なり知識なりでカバーされないような事故というものが考えられないわけではございません。そういうものにつきましてまでこの法律によって事故の絶滅を期するということは、これは非常に困難であろうと考えております。そういうものにつきましては、むしろ法律以前の問題といたしまして、そういう製御装置なり計測装置なり、いわゆるオートメーションによって化学原料を安全にコントロールして製品をつくっていくという点について研究を推進しなければならないと考えております。こういうものにつきましては、もちろん各企業におきましてそういう事故のないように十分な研究、試験を重ねておるわけでございますが、通産省といたしましても、計測装置等の研究につきましては、工業技術院の研究補助金のうちで、特定項目としまして、これを大いに推進するような措置を講じております。また直接国の試験所を使いまして、爆発等の実験も四十年度において実施をする準備を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/33
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034・中田吉雄
○中田吉雄君 こういう二億五千万円もあるというようなのは、やはり今回提案されようとしていた特定化学工業保安法案というようなものなしには完璧を期せぬのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/34
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035・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 特定化学工業保安法の構想としましては、前回も御説明いたしましたように、自主保安の強化を中心といたしまして、運転設備等についての規制を考えたわけでございます。現在アンモニア製造設備につきましては、高圧ガス取締法の対象になっておる部分が装置のほとんど全部でございますので、法律の規制のしかたといたしましては、新しい法律によりましてもそう異なる点はないと思うのであります。ただ、新しい法律で考えましたのは、業界の自主保安の強化という点を中心にいたしております。そういう面におきまして、法律上も自主保安をうたわれるということになりますと、経営者の考え方もそのようになると思うのであります。そういう点につきまして、現在特定化学工業保安法案のような法律がございませんので、私ども業界のおもな方方と協議をいたしまして、まず経営者、幹部の保安意識の高揚、さらにそれに基づきまして諸般の対策をいかに講ずるかということを寄り寄り協議をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/35
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036・中田吉雄
○中田吉雄君 LPガスは、ただいま奥委員も質問されたように、消費はまあ非常にふえると思うのです。そして事故の発生も非常に多くなるかもしれません。これまでも消費の増大につれてふえているわけです。そこで、やはり今回の改正というものが、そういう事故の発生のいろいろな原因があると思うのですが、原因別に十分つぼを押えているかどうか。まず発生の事故別の原因の分類をお示しいただきたい。どういう原因で事故が起きているか。
その点ともう一つは、それと関連して今回六つばかしの改正の要項が出ていますが、いただいている資料の「液化石油ガス(LPG)充てん処理に対する現行規制の概要」というのがありまして、それによると、事業の開始、製造の施設の基準、完成検査、作業主任者、被害予防規程の作成、保安教育、あるいは保安検査とか定期自主検査とか、立ち入り検査とかいろいろあるが、一体そういう原因別にまず分類してみて、この十二の規制要項のどことの関連で今回の改正で十分そのLPガスの事故が防ぎ得るか。そういう関連でこの事故を分類して説明してみてもらえませんか。十分質問の要旨がわからぬかと思いますが、LPガスの事故は人的なりあるいは物的なり、あるいは消費先なり事業所なり、どういうふうに原因別に起きて、そして現行の規制の十二の要項のうちでどことの関連が一番多くて、どこをどういうふうに改正したらいいか。この六つばかしの今回の改正要項で間に合っているかどうかという点の御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/36
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037・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) まずLPガスの事故の原因の分析でございますが、昭和二十九年以降三十八年までの過去十年間に発生しましたLPガスの事故は三百二十四件でございまして、そのうち二百九十二件が消費先で起こったものでございます。原因は大部分が単なる取り扱いの誤りというような人的原因が大部分でございます。さらにこまかく申しますと、消費先の事故では、容器のつけかえ作業の際、調整器、配管類の取りつけの不良、誤って予備容器のバルブを開いたもの、粗暴な取り扱いによるもの等によるガス漏れが多く、容器の交換時にガスを漏らした場合、大体近くに火気があったため引火して大事を起こしております。物的原因によるものとしましては、三十二件でございますが、このうち容器のバルブ、安全バルブ等の取り扱いが不良でありましたものが二十四件でございます。
次に、事業所内の災害では、充てん所、賑う店の災害二十四件のうち、三分の一の八件が無許可充てんをしておったものでございます。したがって、通風不良等充てん施設が不完全であり、取り扱い者も経験未熟の者が当たっておったというような点が原因でございます。
消費先の事故につきましては、屋外に容器を設置するように、あるいは予備容器を併置することを禁止するとか、消費者自身で容器の交換作業をやらせないようにする、そういう行政指導を強力に進めました結果、最近におきましては、家庭での事故は非常に減っておると考えております。
次に、今回の法律改正との関連でございますが、今回の法律改正の主眼といたしておりますのは、第一に高圧ガスの大量消費工場に対する規制と、第二にLPガスの容器の付属品につきまして、通産省令で定める規格のものを使用させるという点でございます。LPガスの事故と関連いたしますのは、この第二の点でございまして、従来LPガスの充てん所で作業員のふなれとか、あるいは取り扱いの不良、そういうようなことが原因になっておるのでございますが、今回改正いたしまして、液面計とか圧力計とか、緊急遮断弁とか、そういう付属品を通産省の規格のものをつけさせるということによりまして、そういう不注意、ふなれを防止できるのではないか。たとえば、いままでありました事故でも、過重充てんというようなことによりまして、パイプがはずれたというような事故がございます。こういうものは液面計をつけることによりまして、過重充てんが防げるという点がございます。また配管につきましても、構造を規定いたしまして、はずれにくいものにするということによりまして、こういう事故の絶滅を期することができると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/37
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038・中田吉雄
○中田吉雄君 ちょっとお尋ねしますが、いただきました資料によると、今回の改正要項を見ますと、六つばかしありますが、そうすると、この事故原因別の分類、直接原因とありますが、調整器の取りつけの不良とか、誤って予備容器の弁を開く、こういう代表的に多いものは、法改正のどこと該当するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/38
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039・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) その一般消費先におきます調整器の取りつけ等の点につきましては、これは今回の改正ではなくて、前回の改正におきまして、販売業者に対する規制を強化いたしております。で、販売店がそういう施設につきまして、通産省令で定める基準に従った施設をさせるようにいたしております。したがいまして、現在やっておりますのは、そういう販売店がまず十分LPガスに関する基準を守りまして、必要な施設をし、さらに販売業者が消費者に対して十分な啓蒙をするということをさせております。そういう点で事故が防がれると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/39
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040・中田吉雄
○中田吉雄君 この許可なしにやったというようなことで起きたのは、これはどこにありますか、この事故別の分類では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/40
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041・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) この事業所の事故の中に入っておりまして、無許可という原因ではなくて、そこにあります器具、配管取りつけ不良とか、あるいは受け入れ側で容器弁閉止のまま流し込み充てんをしたためホースがはずれた、いろいろ書いてございます。実はこの中で原因別に分けて入っております。八件というものは一つには出ておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/41
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042・中田吉雄
○中田吉雄君 許可なしにやったのは罰則規定があるのですが、ただいま言われたようなものがおもにそれに当たるわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/42
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043・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) いや、私が申しましたのはその項目の例を申しましたので、実は八件がどこに入っているのかというのは、ただいまのところちょっとわかりかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/43
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044・中田吉雄
○中田吉雄君 これは私だけが資料をいただいているので、実はこういうものを持ってこつこつやると恐縮なんでやめますが、なるべくやはり皆さんに事前に、要請なしでもお配りして、それからやっていただいたほうがいいんじゃないかと思うのですが、その点は希望を申し上げておきます。
この配付されました「高圧ガス取締法の一部を改正する法律新旧対照表」というものの二ページに、これまで液化酸素は対象だったわけでしょう。それが五百キログラムであったものをこういうふうにして、それ以下のものは対象外になったのですが、心配はないのですか。その理由をお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/44
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045・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 工場で大量に消費します形態を考えまして、この限度量をきめたわけでございます。現在におきましては、タンクローリーによりまして三千キログラム以上のタンクに貯蔵して使用する実態になっております。液酸を規制しました当時に比べまして消費の実態が変わっておりますので、この三千キロに上げましても十分安全であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/45
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046・中田吉雄
○中田吉雄君 タンクローリーの関係だけなんですか。私そういう技術的なことはわからぬのですが、これまでは五百キログラムが対象になっておったのに、三千キロと液化アンモニアや液化石油ガスや同じようなことになったのですが、タンクローリーの関係だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/46
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047・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 主としてタンクローリーが普及したためでございますが、さらに液酸につきましては、従来の経験によりまして保安技術も非常に向上してまいっております。そういう点を考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/47
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048・中田吉雄
○中田吉雄君 このただいまの参照条文の第二十四条の三ですが、3の末尾ですね。三ページのしまいのほうに、「若しくは移転し、又はその技術上の基準に従って特定高圧ガスの消費をすべきことを命ずることができる。」、命ずるとはないわけなんですね。三十四条にも「販売主任者又は取扱主任者の解任を命ずることができる。」、こういうのは、やはり法のていさいとしてそうなるんですか。命ずるというふうにはいけないのですか。「できる」というふうになって、そういうことが取り締まりが寛大で事故を起こすようなことにはならんのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/48
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049・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 二十四条の三、三十四条の場合でありますが、「できる」と規定をいたしましたのは、取り締まり官庁に対してそういう権限を与えたというわけでございまして、取り締まり官庁は具体的な案件に従いまして必要な場合には命令をし、そう必要でないと考えた場合には命令をしないわけでございます。それによって取り締まりが甘くならないかという御懸念でございますが、そういう点はないように、必要な処置は強力に実施をするようにということは常々指導してまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/49
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050・中田吉雄
○中田吉雄君 この保安教育に関する第二十七条の3の末尾には、「その従業者に保安教育を施さなければならない。」、こういうふうにこれには断定的に書いてあるんですが、これは「命ずることができる。」と、それじゃできる基準は何ですか。恣意的なことによってやるんですか。どういうことを基準にして命じたり命じなかったりやるんですか。そこらがやはり私は、事故発生と関係があるのではないかと思うのですが、どうですか。一方の保安教育のほうは「施さなければならない」というふうに断定してあるわけです。こっちは「命ずることができる」、命じんでもいいわけです。じゃあ命じたり命じなかったりする場合の基準は一体何です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/50
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051・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 保安教育のほうは御指摘のとおりこれは必ずやらせなければならぬわけでございますので、「なければならない」という規定をいたしております。一方取り締まり官庁が命令をするかどうかという点でございますが、実際上の行政上のやり方といたしましては、この二十四条の三によりまして、法律によった命令をするという前に、事実上指導をいたすことが間々あるわけでございます。そういう事実上の指導によりまして業者のほうで必要な措置を講じた場合には、この二十四条の三の命令を出す必要がなくなるわけでございます。そういう点もありまして、具体的に案件に応じまして必要であるかどうかということを判断をして命令を出させるということにいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/51
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052・中田吉雄
○中田吉雄君 三十八条の「但し、高圧ガス貯蔵所の所有者又は占有者にあっては、第六号の規定については、この限りでない。」といって規定外になっている。これはどういうわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/52
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053・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 第三十八条の一項のただし書きで貯蔵所の所有者、占有者について第六号の規定を排除しておるわけでございます。これは製造と貯蔵とを比較いたしますと、製造のほうがその行為による危険性が高いと判断されますので、第六号のような禁治産者等がこれに当たります場合には、非常に危険が多いわけであります。貯蔵所につきましては、製造所に比べましてその程度を禁治産者等を排除するまでの必要はないというふうな判断からこういう規定になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/53
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054・中田吉雄
○中田吉雄君 補足説明の六ページですね、「導管により特定高圧ガスを受け入れて消費している」ものについて、これを規制することができるということになっているのですが、これの対象になるものは幾らくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/54
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055・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 導管によりまして供給を受けておるものは受け入れ量が非常に多くて、限度量を越すものが全部でございます。その事業所の数でございますが、アンモニアの場合におきましては大体十五、六カ所でございます。その他のものはちょっと手元に資料がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/55
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056・中田吉雄
○中田吉雄君 あとでけっこうですから、ひとついただきたいと思います。
先年この法を改正しまして、保安協会というものをつくりまして、保安協会の災害防止に対する役割りは非常に大なんですが、五十九条の九には「協会の会員となることができる。」ということで、関係者が皆会員となるということになっているのですが、これは一体どうなっているか、対象になっている者と会員になっている者と。そういうことがこの協会の維持、運営には、いろいろの手数料収入が法の七十三条に出ているのですが、このことは関係ないわけですか。国の予算的な措置だけで間に合うのですか。会員にならぬのがたくさんおって、そういう影響はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/56
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057・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 現在、保安協会の会員は、事業者で二百八、団体が百十六、個人が千二百四十九名でございます。これを全事業所数に比較いたしますと、はるかに少ないわけでございますが、協会といたしまして、相当活発に事業をやっております対象を考えますと、あと百社程度加入をすれば十分ではないかというふうに申しております。現在そういう状況でございますので、会費収入をあげる上からいきましても、また保安活動を活発にする上からいきましても、さらにより多くの会員を集めることが望ましいわけでございます。あと百社程度はとにかく加入さしたいというつもりで進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/57
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058・中田吉雄
○中田吉雄君 このいただきました「高圧ガス取締の概況」の二十三ページには認可とか許可とかいろいろあるんですが、これを罰則との関連で見ますと、その点で、時間も急ぐのでお伺いしますが、今度消防法の一部改正では危険物取り扱いについて罰金を三、四倍にして、まあ教育刑的な態度をとっておられるのに、今回の改正には罰則の改正が出ていないのですが、一体これまで、たとえば法の八十条には一年以下の懲役または五万円以下の罰金とか、八十一条には六カ月以下の懲役または三万円以下の罰金というような規定がありますが、この業法に違反して刑に処せられたものは、一体年次別にどういう表になっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/58
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059・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 高圧ガス取締法違反の関係で刑を受けたものはどのくらいあるかというお尋ねでございますが、現在調査いたして資料がありますものは、違反件数とそれに対する起訴の関係でございまして、三十七年に検察庁で受理した違反の件数が百十七件でございまして、そのうち起訴が五十三件、不起訴が四十一件、あとはその他でございます。三十八年が違反件数百六十七件、起訴が四十九件、不起訴が六十五件、あとはその他という状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/59
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060・中田吉雄
○中田吉雄君 さっきのページに戻りますが、二十三ページ、この高圧ガス取締法を見ますと、届け出と許可と認可と三つあるのですが、一体、法的な解釈の問題ですね、私これは非常に問題があるのじゃないかと思うのですが、たとえば取締法の第二十六条のような点は認可になっている。ところが、大部分は許可になり、それで衆議院では、届け出るものを許可制にすべきじゃないかという意見もあったようです、速記録を見ると。私はあの点はやはり届け出にしておられるので妥当だと思うのです。やはり許可を与えると、あるいは認可を与えると、そのものは独占的な権限を得るのですから、よほど審議会をつくるとか、厳密な許可基準をつくって、それに該当する場合に——通産省の皆さんは恣意はないと思うが、役人の権限で左右されては困るから、やはり事情の許すものは届け出で私はいいと思うのです。ところが、認可と許可では非常に大きな違いがあると思うのです。法律辞典で見ると非常な大きな違いがあるのです。その点で、私はむしろ強化するとすれば、許可を認可にしたほうがいいのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/60
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061・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 許可は、学問上言われておりますのは、一般的な禁止を特定の場合に解除し、事実上やっております行為を適法にやらせるという点でございます。認可は、いわゆる形成的行為でございまして、第三者の行為を補充して法律上の効力を完成せしめる行為でございます。したがいまして、認可は法律行為の効力要件で、認可を受けないでした行為は無効であるというのが通説になっております。で、現在高圧ガスの製造、販売等につきまして許可制をしき、また一方危害予防規程につきましては認可制をとり、また高圧ガス保安協会の設立その他につきましては認可ということで進めておりまして、その法律の体系の中におきましては一貫した思想でやっておると考えるわけでございます。で、ただいま強化する場合に認可にするかどうかという点でございますが、それぞれの行為の実態に応じまして必要な規制をしなければいかぬということでありますれば、現在の届け出になっております消費事業場というようなものを許可にするかどうかという点があろうと思いますが、現在のところは、消費施設につきましては届け出で十分であろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/61
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062・中田吉雄
○中田吉雄君 一般的に禁止されたものを特定なものに許す場合の許可ですね、もう高圧ガスがこう普及したら、LPガスがこう普及したら、一般的な禁止でもないのじゃないかと思うのですが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/62
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063・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 前回、私もいま中田先生の言われましたようなことを申し上げましたが、確かに常識的にはそういう感じがするわけでございますが、法律の構成としましては、やはり一般的な禁止が前提でありまして、それを特定の場合に解除するという構成になっておるわけでございます。したがいまして、ある程度、許可の場合に結果的に独占的な利益を受けることもあるわけでございますが、むしろそういうのは免許の場合に、事実上独占的な利益を受けるというのが多いようでございまして、現在やっております高圧ガス取締法におきましては、一定の要件があれは許可しなければならないという規定になっております。そういう実際的な行政行為の危険性は非常に少ないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/63
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064・中田吉雄
○中田吉雄君 私案は二つの辞典を引き出して、許可、認可、免許、特許というようなことを調べてみたんですが、戒能さんなんかの岩波の小辞典では、もう実定法上では何ら差はないというふうに書いているんですが、この問題は、許可の場合は、許可を受けずにやったって罰金さえ払えばいいのでしょう。ところが、認可の場合は行政機関の合意がなければ、取り消されるわけですからね。その点でやはり危険率は私は非常に問題があると思う。法律上では許可は、許可なしにやったって罰金さえ払えばそれは取り消されることはないのです。ところが認可なしにやったら、たとえばバスの路線を認可もなしに走らせては、行政機関の合意なしにやっておれば、これは全然できないわけですから、その点で非常に認可は私はある場合には弱い場合もあるのですが、この場合は行政機関の合意がないと、同意ですね、それがないとできないわけです。それは無効なんです。ところか、許可の場合は罰金さえ払えばやってもいいはずでしょう、その行為は。しかも、ただいまの統計では、あまり罰金も科せられていないというようなことになると、私はやはり危険物に対してはどっちがいいかということは検討の余地があるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。許可なしにやっても罰金さえ払えばいいのでしょう。その行為は取り消しはないのでしょう。たしかそうなっているんでしょう。認可の場合は行政機関の合意がなかったら取り消しちゃう。その点が非常に権限の大きな差だと思うんです。私は許可の場合はとにかくその効果は処罰の原因にはなるが、その行為の法律上の効力には直接関係ないというふうになっているんですから、やったっていいわけでしょう、罰金さえ払えば。それでは私は危険物としては許可と認可とは非常に大きな差があるので、長い間伝統のある法律の用語だし、そういうこともあると思うんですが、認可でしたら行政機関の同意なしにやったらそれは無効ですからね。これは罰金さえ払えばいいのでしょう。その点が私は非常に問題じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/64
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065・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 高圧ガスの製造という事実行為を考えました場合に、これを事実上とめなければならぬ、許可を受けていないからとめなければならないという点につきましては、これは一般行政法の問題だと思うのでございますが、行政執行ということが可能であろうと考えております。認可の場合におきましては、事実上の行為は法律上の効力を与えるという点でございますので、その点が許可と違っております。したがいまして、高圧ガスの製造の場合におきましては、事実上の行為を適法にやらせるということで、それ自身によって法律上の効果は生じないわけでございまして、一般的に禁止をされている製造行為を特定の場合に解除をするということでございますので、やはりこれは許可ということが適当ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/65
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066・中田吉雄
○中田吉雄君 だいぶん時間も過ぎましたし、同僚委員の人に迷惑でありますから、なんですが、私はやはり、自治省が消防法の改正に際して、四倍、五倍の罰則を強化する規定をとっているのに、今回全然それにも触れていられない点において、通産当局が国民のほうを向かずに業者のほうを向いておるとは言いませんが、やはり少し手ぬるいのじゃないかと思うのですが、この点はいかがでしょう、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/66
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067・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 私は、罰則の強化だけが効果をあげるものではないと思うのであります。従来、この種の罰則というものが、私、専門的な知識はございませんが、一応大体基準があって従来罰則がきめられておると聞いておるのでありまして、今回、消防法のほうの罰則の強化がどういうことであったか、実は私、調べておりませんので、正直申し上げてわからないのでありますが、私の考え方といたしましては、ただ罰則の強化だけで効果をあげるというよりも、罰則はこの範囲であるが、先ほど来局長から申し上げますように、高圧ガスの取り締まりについては、やはり自主保安体制と申しますか、そういうものが中心になって、そして、さらにこういう法律が加わって行なわれていくということが好ましいのではないか、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/67
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068・中田吉雄
○中田吉雄君 櫻内大臣のような誠意のある業者ばかりなら問題はないと思うのですが、どの法律だって、罰則のないものはないと思うし、特に危険物で、もう一件で二億五千の損害を及ぼして、多大な人命を失ったりしているのですから、ただ善意に期待するだけでは十分ではないのじゃないか、やはり消防庁があと始末をする苦労から考えて、ああいう強化をしたのは意味があるというふうに私はとるわけであります。その点は、意見だけ申し上げておきます。
どうも時間がないので恐縮ですが、最後にお伺いしますが、私は、この取り締まり法の相当部分が、地方公共団体に仕事がまかされている、したがって、財政措置が十分であるかどうかということが非常に大切な問題だと思うのですが、その点について、まず伊藤局長の御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/68
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069・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 三十九年度で都道府県で高圧ガス取り締まり関係で支出しております金額が約二億円であります。これは一部未報告の県もございますので、推定を含んでおりますが、約二億円でありまして、これに対しまして、取り締まり——容器検査等によって得ます収入が約三億二千万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/69
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070・中田吉雄
○中田吉雄君 この都道府県の、いただきました資料の、あるいは皆さんには配付してないかもしらぬと思って恐縮ですが、「都道府県の高圧ガス保安行政に対する財政的裏付けの実情」というのを見ますると、地方交付税の算定基準は、人口百七十万の県を対象にして計算しているわけですね。一体、対象県は何県ありますか。そうして、そういう算定方法が、たとえば鳥取県のような六十万しかない弱小県にどういうような影響を及ぼすと思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/70
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071・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 交付税の算定基準の人口百七十万の標準県は、十九県だと思います。したがいまして、その百七十万以下の府県につきましては、ある程度補正が行なわれておると聞いておりますが、なかなか十分ではないのではないかと察せられるわけでございます。したがいまして、通産省といたしましては、各府県に対して、収入が支出よりも上回っておるわけでございますので、極力高圧ガス取り締まり関係の人員予算について増強するように要請をいたしておりますし、また、昨年の暮れにおきましては、全国の都道府県のうち、特にそういう意味で成績の悪い八府県につきましては、特別の要請をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/71
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072・中田吉雄
○中田吉雄君 このいただきました「都道府県取締官の内容」というものは、地方交付税法によるたしか商工行政の費目に入っていると思う。一体、それだけ各府県は置いていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/72
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073・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 現在、都道府県の取締官の総人員は、兼任者を含めまして、その分は事務量に応じまして〇・五人というような計算をいたしまして、約百七十名でございます。先ほどの人口百七十万の標準県の場合でございますが、大体これに見合います四府県の平均をとりますと、定員は二五人でございます。交付税の算定基準では、人員が三名となっております。〇・五人少ないわけでございますが、この交付税の基準になっております一項目としましては、高圧ガス、電気用品及び家庭用品品質表示取り締まり費ということで一本になって三人ということでございますので、その辺を考えますと、ただいま申しました四府県におきましては、まあ基準に近い姿ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/73
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074・中田吉雄
○中田吉雄君 それでは、大臣の島根県や、私の県の鳥取県は、これは算定上合っていますか。たった一人で、専任一人、兼任一人で、これほど普及している高圧ガスの取り締まりが一体やれるものでしょうか。島根県は二人ですが、これは基準に合っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/74
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075・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 鳥取県の場合は専任一名、兼任一名でございますので、一・五という勘定をいたしますと、これは基準よりも低いわけでございます。島根の場合は二人に一人で、二・五と計算いたしますと、これは基準には合っておると思います。確かに、御指摘のように、基準自体も、三人というのでは実際われわれ少ないと考えておりますので、先ほど申しましたように、収入が非常にあがっておりますので、各府県で大いに努力をして取締者の増員増強をはかるようにということは、かねがね要請をしてまいっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/75
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076・中田吉雄
○中田吉雄君 私も長い間、地方行政に所属していましたが、地方交付税法の理論体系というものは、いろいろ商工、農林、水産、教育、ずっと個別に積み上げていって、そして県の自主性を侵さないために一本でやってしまうわけなんです。四千億ぐらいな、五千億ありますか、地方交付税交付金が。それを、厳密な計算をやっては出すんですが、それをひもをつけて出さぬわけなんです。それは知事と県会議員の裁量で、どっちでもゆれるわけなんです。そして、最もはでなほうに、選挙地盤の培養に役立つように流れることは、私も県会議長をやっておったからよく知っているんですが、たとえば、保母の経費というようなものがある。これは圧力もないし、交付税の計算では組まれておっても、実際なかなかそれだけの定員をくれない。たとえば、日教組のように、教組の中では、小教組の予算がどこの県でもたいてい多い。小学校の教員の数が一番多いから、どうしてもそっちに教育費というものが回るようなことがあって、ですから、保母とかいうようなものはひもつきにしてくれという点を、絶えず私たち陳情を受けたものです。ところが、そのことは県の自主性を侵すというような面でやりにくい点があるし、収入は三億あるんだが二億円しか使わない。危険物関係、ただいまの取締法の対象になるものからは、三億の県税収入、都道府県収入がありながら、二億円しか使っていないというような点を考えてみますと、やはりこれは、地方交付税法の持つ趣旨である自主性を侵さずに、どうして、少なくともそれだけの税収のものを、危険物担当の人をふやすなり事務費をふやすなりして完ぺきを期するような措置をとるかということが、私は、法の改正とともに重要な問題ではないかと思うんですが、その点は大臣、いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/76
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077・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 御所見につきまして、ただいま私として承っておる間に、まことに当を得ておると思うのであります。私どもが各府県に対して慫慂しておりますことは、取り締まりの重要性にかんがみまして極力督励をしておる点について、先ほど来局長からも申し上げておるところでございますが、さらに、ただいまの御所見は非常に参考になりましたので、今後私どもが県を指導するに際しましても、御意見を尊重してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/77
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078・中田吉雄
○中田吉雄君 ちょっと伊藤局長にもう一ぺんお伺いしますが、地方交付税法には、経費の種類と測定単位と単位費用と三つあって、一体、これは何人置くようになっているんですか、合計としては。電気器具等を取り扱う者等も含めて何人置くようになっているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/78
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079・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 標準府県の場合に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/79
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080・中田吉雄
○中田吉雄君 標準府県でなく全体でです。四十六都道府県で何ぼ置くようになっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/80
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081・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) これは、私ども承知をいたしておりますのは、標準府県の場合の人数を出しまして、それに補正をして計算をするということで、全部の数字は、全府県の合計数字は出していないと承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/81
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082・中田吉雄
○中田吉雄君 まあ実際は、専任が百三十と兼務が七十九人、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/82
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083・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) これは三十九年でございますが、現実の数字は、いま御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/83
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084・中田吉雄
○中田吉雄君 私は、商工行政の職員のそういうことについてはあまり知らぬですが、大体交付税の基準から言えば、教員のことについてはよく知っているのですが、各府県の定員なんかをずっと積み上げていって出ているのですが、どうもそういうことが、実際は専任百三十と兼任七十九となっているのですが、その辺はどうもはっきりしないと思うのですがね、どうなんでしょう。やはり出るべきだと思うのですよ。教育費ははっきり出ますから、各府県別の商工行政というのも、ちゃんとそういうふうにして出てくると思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/84
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085・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 現在、昭和四十年度の各府県の歳出予算を集めておるわけでございますが、これは現実に計上した予算額の集計でございます。ただいまのような交付税の算定基準による人数は何人になるかという点は、各府県に照会をいたしまして集計をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/85
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086・中田吉雄
○中田吉雄君 それはおかしいと思うのですよ。やはり、たとえば、各府県の定員は幾らになるかということは、自治省なり通産省なりの、どこが総括的にやるか、自治省と折衝してこれはきめるものだと思うのです。それは、やはり経費の種類とか、あるいは単位費用とか測定単位があって、その場合に、出すときにやはり幾らになっていますか。五千億なら五千億の交付税を、島根県は商工行政の担当者が何人だから幾ら、商工業の従事者が幾らだからどうだということが出てくると思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/86
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087・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 通産省で、通産行政関係の府県の全定員が何人になるかというようなことは自治省と折衝しておるということは、私は承知いたしておりません。私、以前、県に勤務した経験もございますが、商工行政関係におきまして、交付税の算定基準によれば何人になるかというようなことは、あまり議論をいたしませんで、従来あります定員を基準にして、いろいろその増員なり予算の増額を財政当局と折衝したというふうな記憶でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/87
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088・中田吉雄
○中田吉雄君 私は、今回の地方交付税の一部改正法案をけさもらってきて、そして見ると、たとえば、小学校については、経費の種類として小学校、それから測定単位として教職員の数、単位費用として一人について幾ら、こういうふうな計算になって、たとえば、商工については、商工行政費という費目があり、商工業の従業者の数、あるいは単位費用は一人について幾らというふうになって、そういう計算を積み上げて出ているわけですよ。私、けさ全部もらってきて、そういうふうになっていますよ。教員一人について幾らとか、児童一人について幾らというふうになって、きちんと出ているわけですよ。そういうふうにしてはじいているわけなんで、そういうことは、ここで議論はやめましょう。それよりか私は櫻内大臣に御希望したいことは、とにかく高圧ガス関係の都道府県収入は三億あるんです。二億円しか使っていない点について私は、やはりこれは行政的な御指導によって、危険物を取り扱うんだから、少なくとも——あるいはもっと県税を加えて、足して、危険を防止して、人命を守るというようなことをすべきだと思うんです。ところが、いま各県とも工場誘致に急なあまり、もう工場誘致——固定資産税を何年もかけぬとかいうふうに、工場側ばかし見て、住民の側を見ずにやるために、こういうことで三億の都道府県収入があるのに二億しか使っていないというようなことについてひとつ、少なくとも危険物——人命に関することですから、そういうものは、それぐらい入ればそれぐらいは使うという程度の御指導を願いたいと思うんですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/88
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089・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 私も全く同感でございます。おそらくこれは、需要の急速な伸びにより手数料収入もまた上がったものと思いますが、御所見の点については、十分考えて善処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/89
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090・中田吉雄
○中田吉雄君 それから、この一つの問題は、手数料収入の偏在なんですがね。ボンベをつくる工場が非常に偏在して、手数料収入が偏在しているという問題が非常にあるんで、これを調整するというような考えはありませんか。これはまあ自治省が主として問題だと思うんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/90
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091・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 御指摘のように、容器検査をやっております府県の収入は多いわけでございますが、ただ事務量も——手数料に比例してとは申しません、まあ事務量も多いわけであります。でありますが、そういう偏在についての調整というのはなかなか困難な地方財政の状況でございます。そういう点につきましては、今後検討を進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/91
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092・中田吉雄
○中田吉雄君 その点に関連して、そういう製造する工場のある県は、十分置いていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/92
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093・伊藤三郎
○政府委員(伊藤三郎君) 必ずしもそういうわけではございません。一番いいのは東京都でございまして、担当者は三十数名おりますし、四十年度には、さらに十名以上増員するというような予算の組み方をやっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/93
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094・中田吉雄
○中田吉雄君 では、最後にもう一点だけ櫻内大臣にお伺いしますが、今回の改正は、特定化学工業保安法の一環として、こういうふうな改正をやられたんじゃないかという新聞記事も出ておるし、やはりそういう全体の体系の一環としての改正でないと十分でないと思いますが、先日はまあ、当初予定した特定化学工業保安法についてはやるべきだと思う、という御意思でしたが、この危険物の取り扱いについて、主管官庁が非常にばらばらになっておって、主務官庁の集約化をしてほしいという意見が出ているんですが、なかなか関係各省が多くて困難だと思うのですが、そういう主務官庁が多岐にわたることによって起こる災害を防ぐために、何らか調整するような御意思はありませんか。この日本化学工業協会は、主務官庁を集約化してもらいたいということを言っているのですが、この点を質問して最後にします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/94
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095・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御質問のような御意見は、相当強いと思うのであります。私どもとしても、労働省あるいは自治省、通産省の間をもう少し調整すべきだと思いますが、現実にはなかなか困難な面がございますので、こういう各省にまたがっている取り締まりの状況を、私としては、そういうようないろいろな角度から取り締まりがあるのだと、まあ各省ともに、いまの災害の実情からいたしまして、徹底して行政をやっていくと、こういうことによって現状に即していきたいと思うのであります。
なお、お尋ねの、高圧ガス取締法と特定化学工業保安法の接点につきましては、これは全く別個の考えでいたしました。高圧ガスの実情に伴う今回の改正でございますし、また私どもが、非常な技術の進歩に即応した保安技術を確立するために、できれば特定化学工業保安法のようなものが必要ではないかと、こういう意見を持っていることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/95
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096・中田吉雄
○中田吉雄君 私も、別個だということは、御指摘をまつまでもなく知っています。しかし、そういうものとの関連なしにはやはりいけぬのじゃないかということを申し上げたので、あえて答弁は求めません。これで、皆さんがお急ぎのようですから、余儀なく質問をやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/96
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097・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 他に御質疑がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/97
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098・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/98
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099・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/99
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100・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/100
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101・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
午前の審議はこの程度にとどめ、午後は一時半再開することとして、これにて休憩いたします。
午後零時三十八分休憩
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午後一時五十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/101
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102・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/102
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103・向井長年
○向井長年君 大臣、私もすわって質問いたしますから、どうぞひとつすわって答弁してください。
三案一括して上程されたのでございますが、具体的な問題に入る前に、中小企業政策の基本的な問題について、大臣に質問をまずいたしたいと思います。
そこで、三十九年度は中小企業にとっては非常に苦しい年であり、四十年度、本年度はますますきびしいのではなかろうか、特に、実際最近におきましては六月危機が叫ばれておると思います。したがって、こういう中小企業の危機に対して、政府はどういう施策をもって臨もうとしておるのか。いま出された三法案もそういうことを意味しておるものとは考えまするけれども、しかし、具体的に金融の問題なり、その他労働力不足の問題なり、あるいは手形問題なり、いろいろな問題がふくそうしておると思いますが、基本的に、政府の中小企業政策は、この危機に対してどう乗り切ろうとするのか、この点をまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/103
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104・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 皆さんの御協力によりまして、先般四十年度の予算が国会を通っております。この予算の実施に伴いまして、財政面におきまして各種の施策が講ぜられることは、御説明申し上げるまでもないと思うのであります。また、金融の面につきましても、三機関のワクを二千四十五億円に拡充をいたしておりますので、この面からする、政府機関を中心とする金融施策の遂行が行なわれるわけでございますが、私としていま重点的に考えておりますことは、昨年十三月以降、段階的に金融緩和の措置が講ぜられまして、四月当初来、一昨年の十二月当時に戻ったわけでございますが、しかしながら、ただいまお話がございましたように、二月、三月の倒産の状況も非常に高水準でございます。さらに四月に入りましてからも、依然としてその度合いというものはあまり緩和されておりません。そういうことからいたしまして、三機関における金融措置を、なるべく上半期に繰り上げて、実情に沿うようにしていきたいということが第一でございます。また、労働力の不足は、引き続き非常に強化されておると私も観測をいたします。これに対しまして、今回の予算の実施に伴うところの、また、金融面からいたしますところの施策を促進せしめたい。中小企業の持っておる構造的な欠陥と申しましょうか、特に労働問題に関連する事項につきましては、たとえば厚生施設について、特に中小企業が積極的に努力のできるように行政指導をしていきたいし、また、いま申し上げた財政金融の面を積極的に活用してもらいたいと、こういうように思います。当面する一番問題は、この金融の点と労働力不足に対処する問題であろうと、かように思うのであります。
さらに一般的に申し上げますと、私どもは、この金融緩和を前提といたしまして、過去におけるような過剰投資が行なわれる、あるいは二重設備が行なわれるようなことを避けたいということから、昨年の金融緩和の第一段階を踏む当初から、企業全般に対して相当自粛やら反省を要望してまいったのでございますが、どちらかというと、これが少しきき過ぎておるように思うのであります。いわば、この経済界全般に萎縮した状況があるのではないか、こういうことをおそれておるのでございまして、国内の新規の需要の喚起につとめるとともに、何としてもこの輸出意欲をさらに高めるようなこういう施策によりまして、消極的になりがちな産業界全般の気分というものを、この辺でひとつ積極的に動いてもらうように持っていきたい。もとより国際情勢、国内情勢全般が——私がそう考えても、現在の環境が非常に悪うございますが、できるだけ環境の改善にもつとめまして、沈滞しぎみな企業全般、特に中小企業の振興には意を用いていきたい。大体以上のような方向が私としての現在の中小企業に対する今後の方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/104
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105・向井長年
○向井長年君 昨年の八月以来、毎月倒産の新記録がどんどんと出てきつつあるのですが、これは私の調べでは、東京興信所の調査では、昨年中に倒産したのが四千百件、一昨年と比較いたしますと二・三倍、負債総額が四千六百億円、約二・七倍になります。そのうちの倒産は、九割が中小企業である、こういうような私の資料があるわけですが、大体この原因というものは、ほとんどがこれは売り掛け金の回収難という、そういうことが最大の原因だと思うのですが、この点について、通産省はそういう実情をどう把握されておるか、あるいはこういう原因はそれ以外にあるといわれるのか、その点まず聞きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/105
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106・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 詳しい資料につきましては、長官から御説明を申し上げさせますが、直接の金融引き締めによる売り掛け金の回収難等による原因が、いま御指摘の三十九年度における倒産の一番大きな原因であるということは、私もそのように認めておる次第でございます。ところで、この倒産の中で過去における放漫経営の場合、あるいはこの設備投資が非常に過大であったという場合、そういうような場合も、数字的に見ましても相当になっておると思います。これらの点を考えていかなければならないと思うのでありまして、ただ単に、金融引き締めということでなくて、中小企業の持っている構造的要因と申しましょうか、この辺にわれわれとしては注目をすべきではないかと思うのであります。したがって、こういう倒産の実情に対処いたしまして、今後の中小企業の振興施策を講ずる上におきましては、何といっても中小企業の近代化や、あるいは合理化が円滑に行なわれまして、しかも、現在金融緩和を講じておる際でございますので、その間にありまして、この売り掛け金の回収難というような問題も解消しながら、今後においての倒産の緩和ができるだけできるようにつとめたいと思うのであります。ただ、最近における引き続いての倒産の高水準ということから考えますと、一応は昨年の十一、十二月の年末金融の諸手当てがちょうどこの辺で期限が来ておると思うのであります。年末は切り抜けたがその後の改善も思わしくなく、現在それに対する手当てができずに倒産をしておるというような点も、ときどき見られるわけでございますが、前段で申し上げましたような措置によりまして、倒産が今後なお引き続いて深刻化することのないように善処いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/106
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107・向井長年
○向井長年君 金融の面でございますが、特に昨年の一月から八月若干引き締めを緩和された、こう言っているのですが、これは実情は、中小企業では緩和されておらない結果が出ておると思うのであります。ということは、全国の銀行の中小企業向けの貸し出し増加率は、前年度よりも四二%減っている。あるいはまた相互銀行や信用金庫のような中小企業向けの金融機関が、これまた二七%の減を見ている。三公庫等においても二八%下回っている。こういう状態が、貸し出し額の比率というものが出ておるのですよ。それで、大企業においては六%程度しか減っておらない。こういう実態はどういうところから出ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/107
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108・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) これはやはり金融機関が貸し出し先に対して非常に慎重であると、こういうことからかような傾向を持っているのではないかと一応私は見るのでございます。そして金融引き締めの施策がとられておって、そのために貸し出し先に対する警戒心が旺盛であったのじゃないかと思います。現在におきましても、私どもとしては、相当金融の緩和をしておるつもりでございますが、また、現実に金融機関に相当の資金がありながらも貸し出しが円滑に行なわれていないというような面が相当見受けられます。これは、一貫しての金融機関の警戒心の旺盛にあるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/108
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109・向井長年
○向井長年君 これが一般の市中銀行以外の三公庫でも二七%減っておるのですよ。これはやはり何ですか、政府機関的なそういう三公庫においても、やはり警戒心を持ってそういう形をとられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/109
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110・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 政府機関においては、そういう考えは持っておらないと思います。少なくとも、私どもの指導方針からいたしますならば、何としても、中小企業の金融の実情からいたしまして、できるだけ貸し出しをすべきであるという見地に立っておるわけであります。また、中小企業の信用力の不足については、御承知のように、信用補完制度を拡充しておるのでございまして、われわれの方針としては、そのようなことは考えられないのでございますけれども、しかしながら、何としても金融機関が相当警戒心が強いということは事実でございまして、それがために、先ほども申しましたように、これ以上金融機関があまり神経質にならぬよう、また、企業者のほうにおいても相当萎縮した面を、持っておりますので、そろそろこういう行き方、考え方は少し改善をするのがよかろうということで、金融緩和の機会をとらえて、私は相当積極的な発言をしておるのであります。本来は、こういう緩和をされたときには、どちらかというと放漫に流れやすいのでございますが、昨年の四月以降の開放経済の実態というものを身にしみて感じておられるのか、あるいは、いたずらに警戒心が旺盛なのか、その辺のところはにわかに把握がしかねますけれども、現に、相当に貸すほうも借りるほうも警戒心が強いということは、いなめないと、こう思うのでございます。この辺が、私として、また行政指導の上で、特に今後考えてやらなきゃならない点かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/110
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111・中野正一
○政府委員(中野正一君) 向井さんがさっき申されましたように、去年の一−九月で、これは中小企業白書に書いてございますが、中小企業向け貸し出し残高の増加額は、その前年同期に比べて約三三%滅っております。ところが大企業のほうは、同じく三十九年の一−九月で、前年同期比二五%の減にとどまったわけでございます。その結果、金融機関の貸し出し残高増加総額の中に占める中小企業向けの比率が、この前の金融引き締めのときは四四%であったのが、今度はもう三割を切るというところまで著しく低下を示しておる。したがいまして、去年の金融引き締めにおきましては——金融引き締めのときは毎たび中小企業向けの貸し出しの増加が減るわけですけれども、特に昨年の場合は影響が大きかったんじゃないかというふうに見ております。
それからもう一つ、政府関係三機関の貸し出しが減ったじゃないかということ、これは減っておりませんで、相当ふえております、去年一年間を通じまして。たとえば去年の十—十二月で見てみますと、中小企業向けに貸し出しがふえた分のうちの約二割が、政府関係金融機関の増加分でございます。大体、現在の全体の中小企業向け貸し出し十兆七千億ぐらいございますが、そのうちの約八%が政府関係機関であります。一割弱なんです。しかし、去年の十—十二月で見ると、ふえた分の二割が政府関係三機関でふえたということで、全般的には引き締まったが、三機関の分は比較的順調に伸びておるという実績になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/111
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112・向井長年
○向井長年君 いま長官が言ったけれども、私の質問は、一月から八月までの問題としていま指摘しておるんですよ。したがって、一月から八月までの分で三機関でふえておるかということです。それと、同時にこれはやっぱり選別融資ですね。これがやはり中小企業に向けられずに大企業に向いておる、こういうことだと思うんですがね。一月から八月までのやつはやっぱり減っておると思うんですよ、三機関でも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/112
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113・中野正一
○政府委員(中野正一君) そういうことはないと、こう私は思っておりますが、いま正確に数字を算出させましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/113
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114・向井長年
○向井長年君 そういうことで、大体金融緩和がなされつつあるけれども、事実上は、中小企業においては金融緩和になっておらない、こういう現状が私は現状ではなかろうかと思うのです。そこで、いま貸し出しの増加額というような問題を言っておりますけれども、特に、従来から問題になっている相互銀行等、あるいは最近においては、商工中金まで歩積み、両建て等をとらなければ貸し得ない、こういう現状は、幾ら大蔵省がやかましい通達を出してもまだそのままになっている。これは全部の件数の中で八〇%というものは、これはやっぱりとっておるじゃないですか。この点いかがですか、歩積み、両建て。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/114
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115・中野正一
○政府委員(中野正一君) 確かに一般の市中の金融機関については、大部分のものが歩積み、両建てをとっておるのが現状でございます。しかしただ、このうちで、いわゆる不当な歩積み、両建て、これは大蔵省のほうでその基準をきちっとつくりまして関係金融機関に通達を出して、いま自粛させるように指導いたしております。大体市中の銀行につきましては、一年以内、それから相互銀行等については、二年以内にいわゆる不当な歩積み、両建てをなくするということで通達を出してやらしておりまして、相当最近大蔵省も厳重に銀行検査をやっておりますので、逐次改善されていっておるのじゃないかというふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/115
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116・向井長年
○向井長年君 通産大臣に、いま長官がそういう答弁をしておりますけれども、これは必ずしも大蔵省の所管だけじゃなくて、中小企業政策として考えなければならぬ問題があるのですよ。この問題についても、したがってこれは逐次減っておるのじゃ、なくて、昨年は五三・七%が本年度は五五・二%にふえておるのですよ、その問題が。だから、不当であるとか不当でないとか、そういう意見はあっても、中小企業向けの件数にすれば、八〇%それをやらしている。そして、それについては五三から五五までこれはふえておる、こういう現状なんですよ。したがって、事実上、中小企業が金を借りるといっても、そういう状態がやっぱりここで数字的にあらわれてきておるのです。この点、通産大臣どう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/116
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117・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) この五五・二%という数字は、ちょっと私、それを掌握しておらないのでありますが、お話のように若干でもふえておる傾向にございますれば、これは非常に問題だと思います。歩積み、両建ての問題が国会でもやかましく取り上げられ、通産省としても、中小企業を擁護する立場からいたしまして、さようなことのないように極力金融機関にも働きかけておるのでございまして、また、これは大蔵当局との間でわれわれの立場から大いに主張をしておるところでございます。現に、私も就任以来、各地の経済界との懇談会などにおきまして、それには当然金融機関の代表も入っておりまして、歩積み、両建ての問題もやかましく批判をしてまいったのでございます。私どもとしては、いま長官が申しましたように、逐次改善されておるものと、かように信じておるのでありますが、しかし、お示しのような数字になっておるといたしますれば、きわめて遺憾なことでありまして、近い機会に、さらに大蔵当局に対しても、われわれの立場で厳重にこの歩積み、両建ての何と申しましょうか、不当なやり方、そういう画については抗議を申し込み、反省を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/117
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118・中田吉雄
○中田吉雄君 関連して。櫻内大臣、あなたの県のことですが、ある相互銀行が、私が先日知りましたのは、七千五百が貸して、これはまた大口の貸し付けですが、四千万両建てさせられておる。七千五百万借りて四千方両建てさせられておるというので、実際使わしてもらっているのは三千五百万です。なかなか高い金利です。形態としては健全なんですが、その金利負担のためによたよたして、私が農林中火金庫から世話をしてやっと両建てをある程度くずしていったのですが、これなんかまだいいほうなんです。こういう点、ひとつぜひ大臣の地元のほうから、足元のほうからひとつ大臣の威力を及ばしていただきたい。こういうひどいこと、これじゃもうどんなに経営が健全でも、金利負担で——まあそれは実際担保がないしするから保証のような意味もあって余儀ない点も私は了解しますが、あまりにもこれはひど過ぎると思うのです。こういう点、ひとつ御記憶にとめて御指導いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/118
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119・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 島根県の実情の詳細を存じませんが、具体的におあげになったことでございまして、今後におきまして、私の郷里のほうでそういう事態がございますれば、これが改善のために十分努力をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/119
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120・中田吉雄
○中田吉雄君 銀行はあげません、相互銀行です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/120
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121・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/121
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122・向井長年
○向井長年君 本年度の政府の中小企業対策費は、これは二百十七億円、前年度より五十二億円ふえておるのですね。まあそういう結果を示しておったと思うのです。これで中小企業の積極的な推進をはかるのだ、こういうことを政府は意気込んでおるようにも見えますけれども、これは十分じゃないですね。農業対策費は、これは九百二十億とっておるのです。そこで、もちろん農業は必要でございますが、中小企業予算の約四倍半大きいわけです。農民の人口は、中小企業よりももういまは下回っておるのですよ。こういう現状でそういう比率にあるわけなんですが、この五十二億というなにが今度ふえたから、いわゆる中小企業に対する、それで強化するところのあれができるかということは、非常にこれは私は疑問だと思う。政府は、五十二億ふえたから中小企業に対しては抜本的にやれるという考え方を持っているのですか、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/122
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123・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 予算折衝の過程におきまして、中小企業の振興につきましては特段の考慮を払うことに政府の方針もきまっておりまして、私どもも、その見地で大蔵省と折衝いたしたのでありますが、すでにしばしば御説明をいたしましたように、四十年度の予算が、全体としての伸びが非常に少なかったわけであります。その中にございまして中小企業については、この額そのものは少のうございますが、伸び率からいたしますと、三二%の伸びで、他の諸予算に比較いたしますればまずまずというところであったと思います。しかしながら、いま農業関係の予算との比較、あるいは中小企業の置かれておる現状からいたしますれば、その責任の衝にある私といたしまして、決してこれで満足をしておるわけではないのでありまして、財政、金融、税制その他を通じまして一そう中小企業のために努力をしなければならないと、かように感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/123
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124・向井長年
○向井長年君 それは特に政府関係の国民金融公庫と中小企業金融公庫それから商工中金、この三機関で四千三百七十三億という予算ですが、これは前年度より約二割程度増加していると思うのですね。そこで、金融引き締めの中で、中小企業向けの総貸し出しのワクは三割減っているのじゃないかと思うのですよ。そうすると、実際財政投融資というかっこうで二割ふえても、事実上は減ることになるのではないかと思うのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/124
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125・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘いただきましたように、政府関係三機関に金を相当ふやしましても、これの全体の中小企業向け貸し出しの占めるウエートというものは小さいわけであります。先ほど申し上げましたように、貸し出し残高でいうと、一割以下、八%から九%。したがって、全体が減るときに三機関がふえても、全体として減るじゃないかということは、御指摘のとおりだと思います。
それから、先ほど三機関の貸し出し純増額が、昨年はどの程度であったかと申しますと、昨年の一−三月、三十一億、四−六月、二百四十三億、七−九月、三百九十五億、十−十二月が千五十三億というふうに、この三機関につきましてはこういうふうな純増になっております。したがって、一年間で千七百二十二億ふえておる。これはふえたのですが、毎年貸し出しはふえはするが、ふえ方が前のとしに比べてどうだというと、先ほど申し上げましたように、金融引締め期の昨年においては、ふえ方が減った、こういうことでございまして、ちなみに、これを千七百二十二億を前のとしに比べますと、前のとしは千百十二億ふえておりますから、したがって、三機関については、昨年一年間引き締め期にもかかわらず、前のとしに比べると、ふえ方が五四%よけいふえたということになっております。全体を見ると、このウエートが小さいから、増加額の割合は減っておる、こういう形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/125
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126・向井長年
○向井長年君 それでは、大体このワクといいますか、四半期に分かれておるのですか、三金津は。そうすると、事実上、私先ほど冒頭に言いましたように、六月危機といわれておるのですが、こういう時期に分けられたこの予算というものは、実際問題としては不足してくるのではないか。したがって、これは少なくともその時期には十分貸し付けて、予算をオーバーしてもいいから、ワクをオーバーしてもいいから貸し付けて、それに対する補正を後に行なう、こういう態勢をとるべきだと思うのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/126
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127・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 昨年の六月でございましたか、やはりそのとしの計画を繰り上げて実施をした経験がございますが、今回の場合は、先ほど私がお答えしたとおりに、また、御指摘のとおりの実情にあろうと思いますので、できるだけ計画は繰り上げて実施をいたしたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/127
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128・向井長年
○向井長年君 次に、労働力の問題でございますが、これについては、これは徐々に改善しつつあると言われるけれども、そうではない。現実にこれは昨年の中学卒業者が大体三・六倍、あるいは高校卒が四・六倍、こういう中で平均いたしますと、求人一〇〇に対してわずか八%しか来ない、こういう結果があるのですね。これはなぜかというと、やはり中小企業の実態から考えて、不安定ということもいえるでありましょうし、あるいは賃金が低賃金である、こういうことも蓄えると思うのです。実際は最近におきましては、大企業では初任給、中学出にしましても相当中小企業との初任給は開いていると思うのですよ。こういう点は、これは労働力確保の意味から考えて、政府の中小企業政策としてどう対処していくつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/128
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129・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 大企業の中卒の初任給、いま幾らになっているか、ちょっとここに資料がないのでございますが、中小企業におきましても、雇用困難なおりから、初任給は相当に改善をされておるということは事実であろうと思うのであります。また、大企業に比較いたしまして福利厚生施設などに欠ける点もございます。そういう点についてできるだけ改善をすべく、予算あるいは金融の面におきまして、住宅や保健施設や給食施設等の設置や整備に要する援助施策を講じてきておるようなわけでございまして、現在の経済事情に伴う自然に改善されてる面、それからまた、こういう施策によって改善されていく面と、両々相まちまして中小企業の労務逼迫に対処すべきではないかと、かように考えておるようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/129
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130・向井長年
○向井長年君 事実われわれが知っている範囲で申し上げますと、まあ百人なり百五十人程度の中小企業が——仕事は大体まあ、もちろん下請になりますけれども、あると、あるけれども、これを消化しようとするならば人員が足らないと、人員を入れるためには大企業並みの賃金を払わなけりゃ来ないと、それを払っておると下請のわずかなマージンですから、結局内部の経理がうまくいかない、こういうことが事実上のいまの実態じゃないかと思うのですよ。だから、まあ厚生施設もけっこうだけれども、やはり根本は中小企業の労働力の不足というものはそういうところから来てると、これをやはり賃金をある程度、大企業並みといわず、それに近い賃金を支給して、そして企業を繁栄さし、あるいは仕事をやっていかれると、こういう態勢をつくらなければ、中小企業はこれはどうしたって労働力の不足は免れないと思うんですよ。こういう問題については、労働省も関係すると思いますけれども、やはり基本的に中小企業の労働力をどう確保するか、こういう問題は、やはり根本論として通産省も考えなきゃならぬのじゃないかと思うのです。いかがですかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/130
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131・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) これは、お手元にも差し上げてあると思うのでありますが、「昭和四十年度において講じようとする中小企業施策」として、労働力の確保について列記されておるのでございますが、やはりこれは簡単に即効的な方法というものはないと思うのであります。先ほど来申し上げるような福利厚生施設の拡充ももとよりでございます。また、職業紹介などの充実についても考えるべきであると思うのであります。あるいは公共職業訓練の拡充なども必要であろうと思うのであります。さらには、従来しばしば言われておりますように、中小企業自体の近代化、合理化というものも促進すべきではないかと思うのでありまして、その多くの施策を、現に非常に労働需給が逼迫しているのでありますから、これが厚生省といわず、労働省といわず、通産省といわず、集中的にやることによって初めて効果が生まれてくるのじゃないかと、こう思います。したがって、この問題には、私どもとしても、より一そう真剣に取っ組んでいかなければならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/131
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132・向井長年
○向井長年君 先ほど大臣も言われたように、まあ厚生施設というか、やはりそういう人たちは全く中学を出て間なしの独身の若い人たちばかりですが、これに対して、中小企業が十分なその通勤費も払えないと、こういう状態もあるだろうと思うのです、したがって、そういうところには、政府がある程度金融を行なって、施設を持って——まあ寄宿舎のような寮のようなものをつくらせて、そうして何といいますか、食事もそういうところで総合的に行なうという形も、一つの方法だと思うのですよ。そういう問題もやはり政府は指導し、あるいはそれに対する裏づけの金融というものを考えるということも大きな一つのやり方ではなかろうか、こういう点はどうですかね。こういう問題は、私はたくさん全国にあると思うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/132
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133・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) これは、私がお答えしては多少行き過ぎかとも思うのでありますが、雇用促進事業団の融資などにおきまして、いまお示しのような各種の施設についての貸し付けの規模が、中小企業により多く利用のできるような措置も講ぜられていると思います。あるいは年金福祉専業団などにおきましても、中小企業に対して配慮をしているようなわけでございます。また住宅金融公庫が、産業労働者の住宅につきまして、特に中小企業について考慮も払っていると思うのでございまして、先ほども申しましたように、各種の施策が総合されて初めて労務確保の対策になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/133
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134・向井長年
○向井長年君 適当な機会にこの問題はいろいろと討議することといたしまして、それと同時に、もう一つ、きびしい状況下にあって、やはり中小企業を圧迫する大企業の進出という問題は、これは常にあるわけなんですが、この点はわれわれがたびたびの中小企業問題を討議する中から主張しているのですが、通産大臣、特に産業分野の確立という立場から、職種によって、これは中小企業の職種を大企業はやってはいけないというような、そういう一つの分野の確立の立場から、そういうことを法文化し、やらなければ、最近におきましては、すべて大企業が中小企業の分野まで全部入り込んできている。これはまあ一般、農業にも言えるわけでございますが、こういう点については、中小企業政策の中でどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/134
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135・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 従来大企業が中小企業の分野に進出をしてまいる例がしばしばございます。現在かような場合に対処するために、御承知のように、中小企業団体組織法によりまして、法的根拠をもちまして、大企業と中小企業とのそういう分野調整のでき得るようにしているようなわけでございまして、これらの方法をもっと活発に活用いたしまして、中小企業の圧迫にならないようにすべきだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/135
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136・向井長年
○向井長年君 いや、すべきはわかるのですが、それに対しては、やはり法文化でもして業種をはっきりする必要があるんじゃないかという気がするのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/136
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137・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 法律によってはっきり分野をきめるべきかどうか、こういう点につきましては、なお検討をさせていただきたいと思います。ただいま申し上げたとおり、現にある中小企業団体組織法を活用するとか、また、不当に中小企業に対する圧迫のある事実がございますれば、また、そういう事実が現にあるのでございますが、こういう点については、行政指導によりまして改善措置を講じていきたい。この組織法を活用することによって相当その大企業の進出を防げるではないか、こういうふうに私は観察をしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/137
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138・向井長年
○向井長年君 その大企業の系列化といいますかね、下請ですね、そういうことをどんどんどんどんとやってくると、一方においては、業種によっては大企業が直接やる、こういうことになってくると、系列化以外のところはこれは幾ぶんか、組織法で若干救われると、こういう意見がありますけれども、これは全般の業種にわたって非常に問題があると思うのです。きょうも、私、この委員会が始まる前に相談に来ておった人が、これは中小企業ですが、オリンピック前は、東京においては相当小企業も中企業も仕事があった。いまそうなればもう大企業のどっかとタイアップするか、下請にならなければこれは立ち行くことができないということの相談がありましたが、事実上これは全国的にそういうことは出てくると思うのです。それに対して、やはり一つ、中小企業政策として今後具体的に大企業の進出なり系列化だけの擁護というかっこうだけでなくて、そういう問題を真剣に取り組まなければならぬ私は時期が来ていると思うのですよ。これはひとつ、専門的に長官はどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/138
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139・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま向井先生から御指摘になったとおりだと思います。特に従来中小企業が一生懸命分野を開拓したようなところへ大企業が進出をする、もちろん、そういうことは技術革新、あるいは大量消費といいますか、大量生産というか、そういうものに適するような品物がだんだん開発されていくということによって、自然に大企業がそういうところに出ていくということが国全体の経済の発展の立場から見て好ましいということもあるかと思います。しかし、そういうふうないわゆる商品の需給構造の変化というようなことから、中小企業の分野がだんだん侵食されるということが、やはり中小企業が最近非常に経営が困難になっておる一つのいわゆる構造的な要因であるということは、白書でも指摘しておるわけでありまして、これに対処いたしまして、いま大臣からも申されました、昨年の国会において、中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正いたしまして、大企業の進出によりまして中小企業が非常に影響を受けるというような場合に、これを緩和する意味で、その中小企業者が商工組合をつくっておるというような場合には、その商工組合から、いわゆるその進出しようとする大企業に、いわゆる団体交渉といいますか、交渉をして、その協議がととのわないというときには、これは主務大臣が当事者の申請に基づいてあっせんをやる、あるいは調停をやるという規定ができておりますので、われわれは、中小企業の皆さま方には、ぜひこれはせっかく国会でそういう改正が行なわれたのですから、こういう規定をひとつ活用してどんどん役所に申し出るようにということを申し上げております。従来はこういうような規定等をもとにいたしまして、問題が起こりますというと、役所のほうで中へ入りまして、大企業のほうも呼び出して注意をするというようなことで、両者の間に入りまして話し合いをさせることによって、相当部分の案件が一応片づいておるというようなものもございます。したがいまして、われわれとしては、この法律を十分役所としても活用して行政指導をさらに強化をしてまいりたい。したがいまして、法律によってこの分野を確定をするというようなことは、経済全体の発展という観点から必ずしも——いろいろ問題があるんじゃないかというふうに見ておるわけでございまして、現在の法制というものの活用、それでどうしても十分効果があがらなくてだめだということになれば、また何か別の措置を考えなければいかぬのじゃないか、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/139
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140・向井長年
○向井長年君 今国会で下請代金支払遅延等防止法が出ておると思うのですが、これは非常にけっこうだと思うのですが、それとあわせて、特に昨年から本年にかけたこの危機に備えて、あるいは不渡り手形等の問題を考えて、不渡り手形整理協会等を設置して、中小企業のいわゆる資金融資という問題ですね、これを考えるべきではなかろうかと思うのですがね、この点どう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/140
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141・中野正一
○政府委員(中野正一君) これも実は民社党のほうから御提案がございまして、われわれのところだけではなくて、大蔵省等とも一緒になりまして研究いたしておりますが、これは実はそういう組織をつくってそこに持ち込んでそれを整理して取り立てをするというようなことが、はたして実際的にどの程度効果があがるかどうかということで、また、実施上いろいろ問題があるかとも思いますので、いませっかく関係省と一緒になって検討しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/141
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142・向井長年
○向井長年君 まあ検討はけっこうなんですが、特に中小企業の関連倒産を未然に防ぐということも、あわせてこれはひとつ早急にこれに対する対策を講じていただきたい。これは要望いたしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/142
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143・鈴木一弘
○鈴木一弘君 関連して。大臣にお伺いしたいんですが、先ほどのことで、金融の問題が向井さんから出たわけですけれども、まあ公定歩合が引き下げになりましたけれども、中小企業の扱っておるような手形、これは普通の並み手形になるわけです。それに対しては、いわゆる日銀で推奨するといいますか、扱っているような優良手形といいますか、優良手形に対しての歩合というものは、今度の公定歩合引き下げでもやはり差がある。やはり並み手形のほうが優遇をされていないわけです。そうしますと、選別融資ということが一そう強くなるということは考えられるわけですが、一向変わらないといいますか、強くなる傾向は変わらないということになるのですが、その点については、大臣として、通産省のほうから何らかの働きかけを大蔵省になさるなんということはなさっていらっしゃるかどうか、これを伺いたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/143
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144・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) いままでのところ、特に御指摘の問題について大蔵省に働きかけておりません。これにつきましては、なお研究させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/144
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145・鈴木一弘
○鈴木一弘君 これは大蔵省関係の問題でしょうから、非常にたいへんだと思うのですけれども、この前の金融引き締めのとき、第一回目の引き下げのときにも優遇されなかった。それで選別融資が強化されたということで大騒ぎになったわけです。そういう事態には絶えず気を配って積極的に働きかけてくれない。選別融資の強化ということばかりになって、非常につらい目にあわなければならない。全銀協の調べを見ましても、全体の中小企業向けの貸し出し残高の中では、都市銀行の分がどんどん減ってきている。また、相互銀行あたりも三十九年の九月に比べると、昨年の十二月の構成比はやはり下がってきているというような傾向にあるわけです。本来中小企業向けの専門金融機関である相互銀行でさえも、三十九年九月には中小企業向け金融一〇〇%のうち二二・五%だった。それが三十九年十二月には二二・三%に下がっている。もちろん、これは資本金一千万円以下のやつを調べたわけですけれども、五千万円以下ということになれば変わってきますけれども、前々からの比較でいけば一千万円以下で見ないというとわからないので、それを申し上げるのですが、相互銀行でさえもそのように中小企業向けの総貸し出し残高の中に占めるパーセントが下がっている。そこにもってきて都市銀行も下がっている。相対的に政府三機関あたりが上がってくるということになるわけですけれども、こういう傾向と本格的に取り組んでいかないと、先ほどの構造的要因のほうに注目をしなければ、またそのほうに手を打たなければ、中小企業金融緩和ということだけでは片づかないといったことで何もならなくなる。金融のほうもきちんと中小企業に対して手当てをしてある、さらにその上に構造的要因に手をつけていくというならわかるのですけれども、一方だけで金融のほうは思うようにまかせないからということでいたんではならない。特に相互銀行がこういうように下がった。これは非常に問題なのですけれども、その後改善されたかどうかわかりませんが、この点についてはどうでしょう、いまの考えについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/145
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146・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 実は繰り返し私どもが言っておるところでございますが、選別融資ということばそれ自体も、当初来、通産省の側ではこれをきらってまいったのでございます。先般宇佐美総裁が新たに日本銀行総裁に就任されました以後、産業政策の見地からする意見も聞いてもらうようにということで、日本銀行との懇談もやる、あるいは銀行協会との間にも懇談をするというようなことで、産業政策上の見地からの意見を金融機関へ反映させるように努力をしてまいっておるわけであります。その場合に、個別の企業の実情を訴えるとともに、特に中小企業金融については特段の考慮を払ってもらうよう、金融機関のほうにしばしば意見を申しておるようなわけでございまして、それにもかかわらず、御指摘のように、金融緩和が行なわれても、なお中小企業の末端にまだそれが浸透していかないということは、きわめて遺憾なことでございますが、私どもとしては、いま申し上げるような見地、立場におきまして、今後におきましても、中小企業金融緩和の上にあらゆる努力を払ってまいりたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/146
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147・鈴木一弘
○鈴木一弘君 大臣が行かれますから、さっきの組織分野のことでちょっと長官に関連して伺っておきたいのですが、組織はわかりますけれども、向井さんの言われるように、法制化しないとなれば、まあ大臣も指摘しているように、構造的要因ということになれば、業種別に細分化してこれは手を打っていかなければだめだということですから、そうなるとこれは組織分野というものを確立しなければならない。いまのお話ですと、国内の産業に対しては、話し合いができるような感じを受けるのでありますけれども、コカコーラの進出、あるいはそのほかのことも出ておりますけれども、そういうような外国資本との競合の場合、この場合は、どのような手を打ったらいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/147
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148・中野正一
○政府委員(中野正一君) 従来からも、いま御指摘のように、外国の資本あるいは外国の技術が入ってきて、それが従来の中小企業の分野に非常な影響を与えるというような場合には、これは御承知のように外資法あるいは為替・貿易の管理法という法律があって、現在はまだ資本の導入、それから技術の提携については相当規制ができる体制になっておりますので、そういう法律をバックにして、進出しようとする大企業、主としてこれは大企業でございますが、外国と手を握っての進出でございますが、これに善処していっておるつもりでございます。ただ御承知のように、昨年の四月にOECDにも入って、いわゆる開放経済体制に向かって本格的に入っていったわけでありまして、今後、世界の先進国のいわゆる仲間入りをしたという関係もあって、今後はどちらかというと、資本とか技術の導入等については、できるだけ自由化の方向で考えていかなければならぬという情勢でございますので、実際問題として、こういう法律の活用ということは、従来よりはそういう国際的な関係も考慮して運用せないかぬというようなことになってきておりますので、非常にむずかしい問題もあるかと思いますが、特に中小企業庁としては、こういう問題の中小企業に対する影響ができるだけ少ないような方法で進出してもらうように、そのつど交渉しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/148
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149・鈴木一弘
○鈴木一弘君 再び金融の問題に戻って長官にちょっと伺いたいのですけれども、信用金庫のコールが非常に大幅にふえたということで、今回の国会ではずいぶん問題になったわけです。最後には自主規制をするということで、お互いに申し合わせをやったわけですけれども、この実績等については、これは筋が違いますので、あらためて大戒告のほうからでも来てもらって伺いたいと思っておりますけれども、相互銀行のほうあたりも、コールがかなり増加しておったようですが、その辺について自主規制をやったとかやらなかったとか、お聞きになっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/149
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150・中野正一
○政府委員(中野正一君) この点については御指摘のとおりで、本来の中小企業専門の金融機関が、そこに集まった金を都市銀行等へ高い金利を取って出すと、それは結局大企業に向いていくと、こういうことになって、これは一つは都市銀行に対する金融を日銀が非常に窓口で締めたものですから、実際の需要がなかなか減らない、そこで、しかたなしに都市銀行もそういう方向になったわけであります。最近はだいぶ情勢は変わってきていると思いますが、しかしそれかといって、そういう金が、すぐ中小企業向けに適切に流れておるかというと、必ずしもわれわれそうは見ておりません。この点については、むしろ大臣の指示もございまして、大蔵省のほうへ、昨年の末以来やかましくわれわれのほうから申し入れをしまして、大蔵省としては、行政指導によってそういうことはやっておると思います。まあどの程度効果があがっているかということについては、もう少しわれわれとしても調べてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/150
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151・鈴木一弘
○鈴木一弘君 一番、長官が中小企業には愛情をお持ちですし、持っていなければならぬ。それがいわゆるコールが問題になって、これが中小企業を倒産させていく一つの大きな原因になっているということで騒がれたわけです。そういうことに敏感でなければならない。もう少し愛情を持ってぶつかっていくようにしてもらいたいと思うのです。この問題は、あらためて委員長にお願いですけれども、大蔵省のしかるべき局長あたりに来てもらって、そうして質問を続行していきたいと、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/151
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152・中田吉雄
○中田吉雄君 関連して。実は私も昨日、日歩十銭から十五銭まで高利貸しから高い金利の金を借りて、何とかこれならぬものだろうかという相談を受けて、これはもう市中銀行も政府関係の中小企業の金融機関も相手にしないので、せっぱ詰まってそういうところから借りて、そういう金利で借りていれば、もう計算では七年くらいすると十倍くらいになるそうですが、やはり中小企業がどのような金融の手当てをしているかという一つの実態調査もあることと思いますから、火曜日の委員会にはそういうお尋ねもしてみたいと思いますので、資料をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/152
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153・向井長年
○向井長年君 大臣が行かれて、幸い次官が見えられておりますが、先ほどから中小企業の基本的な問題について大臣に質問しておったのです。政務次官も、特に中小企業というのは、統計上わが国においては中小工業者ですね、約四百万あると思うのですよ。その中で働く人たちがたとえば五人平均といたしましても二千万おるのです。その家族が少なくとも二人かあるいは三人近くおるわけなんです。そうすると日本の人口の半分が、中小企業でめしを食っている、生活している、こういう現状であるわけなんです。特に中小企業の金融面なり、あるいは税制面なり、あるいは労働力なり、あるいはその他の諸問題が非常に重要視されて、いまやかましく言われておる中で、きょうの三法案が提案されているわけです。こういうことでわれわれがしばしば言っておるのだけれども、通産省は大企業も持っておるわけなんです、行政面で指導監督。したがって、少なくとも中小企業は、この際やはり中小企業省を設置して完全な中小企業の育成強化につとめなければならぬ。貿易の率を見ましても、中小企業が半分以上、六判までそれを受け持っている、こういう現状なんですね。これについて私たちは少なくとも一口も早く中小企業省が大企業と分離して、そしてやはり行政に当たるべきじゃないか、こういう基本的な考え方を持っているのですが、政務次官はどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/153
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154・岡崎英城
○政府委員(岡崎英城君) 通産省といたしましても、大臣からもお話があったことと思いますが、中小企業の問題については、いままでの努力もうんとやってまいりましたが、それで十分し尽くしたと私ども思っておりませんけれども、将来とも、中小企業の問題について全力を傾倒してやっていきたい、こう思っておるわけでございます。それで、私も政務次官になります前に、中小企業者というようなものに昇格させていったほうがいいんじゃないかというような考え方も持っておったわけでございますが、通産省に参りまして、いろいろ諸般の情勢をよく調査いたしますと、中小企業の問題を解決するには、やはり大企業または基本産業との関連ということもよく見てまいらなければなりませんし、また中小企業のうちで厚生省の主管関係のもの、農林省主管関係のものというようなものの中小企業の分野が非常に多いのであります。通産省の中小企業庁でやっていますけれども、やはり農林省、厚生省方面の主管しておる面も非常に多いのでございます。中小企業者をつくるということにつきましては、農林省、厚生省、そういう方向ともよく打ち合わせをして、そして政府全体として政治の姿勢、体制として中小企業省をつくるのには、よほどしっかりした用意をし尽くしていかないと、ただ独立したというだけで効果があがらないのじゃないかというような実は感じをいたしております。しかし、こういう問題につきましては、いまお説のように国民の大部分に大きな影響があるものでございますので、いまの中小企業庁で十分であるかどうかということについては、私は若干の研究を、若干というより、大いに研究を要するものであると思っておりますが、現在の段階においては、通産省のいまの機構をますます充実いたしまして中小企業の問題の解決に全力を傾倒していくというところの段階にあるのじゃないかと思いますから、この問題は一通産省だけじゃなく、政府全体、政治全体の大きな姿勢の問題として大いに考慮しなければならない問題だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/154
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155・中田吉雄
○中田吉雄君 関連して。次官はこういうことを思われませんか。中野さんはどこに栄転されるか知らぬが、中小企業庁の長官で中小企業に入った人は一人もないわけなんです。みんな巨大産業がもう手を受けて待っておるわけであります。私はやはりこういうところに、基本的な問題があると思うんです。前にやっぱり私は、いま向井さんが言われたように昇格して、輸出の六割を占め産業分野の非常に広範なものを占めているが、なかなか退職後に、通産行政をやるおえら方を雇用するような中小企業はないんです。だから、なかなかこれは本腰入らぬと私思うんです。そこらに大きな問題があるのです。歴代の中小企業の長官を調べてみても、デパートの重役に行ったり、そこらが、やっぱしなかなか重点の入らない大きな問題だと思うんです。農林省は御案内のように、なかなか農林官僚の諸君が退職後にするものはないんですが、なかなか長い伝統があっては、やはり農本主義的なといいますか、そういう情熱を傾けてやるという、いわば農業は中小企業ですわね。そこらの姿勢がだいぶん違うので、何とかそういう問題の解決なしには——今度の通産省の予算は、農林省の予算は全体の三割ぐらいもあるのに、中小企業の予算は全体の予算の〇・四か五くらいでしょう。こういう予算がつかぬというのも、なかなか自分の将来を考えると、情熱をそこらに傾けていいかどうかというようなことは、良心的な中野さんだからないと思うが、私はやっぱりそこらに一つの問題があると思うんです。なかなかやっぱし自分の将来のことを考えますからね。これは非常に私は、中小企業の持っている宿命的な悲劇といいますか、これはたいへんな問題だと思うんです。そういう問題も考えて何とか画期的な手を打たぬと、私は次官のうまい答弁だけではどうにもならぬと思うんです。歴代の長官の行き先を見てください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/155
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156・岡崎英城
○政府委員(岡崎英城君) ちょっといまの問題について私の意見を述べさせていただきます。私もちょっと十数年役人をやったという経験があるからというわけじゃございませんが、役人の職におる人は、自分がやめてから、どういうところに行くから、そこに情熱を注ぐという観念では、少なくとも私おらないと思います。通産省の人々でも、やはり通産省の自分の職分に与えられたところは、一生懸命やっていこうというところに大いに努力されておって、やはり中小企業の長官はじめ中小企業に携わっておる方は、おれがやめてから中小企業に行けるのだから中小企業のために一生懸命やろうというような観念は、私は毛頭見受けませんが、それは私の知っておる川上参議院議員でも小笠さんでも、中小企業庁の長官をやっておりましたが、やはりそんなような気持ちよりも、中小企業という問題について熱心にみんなやっておられるし、この委員長もそういうようなお気持ちでやっておられるということを私聞いておりますが、少なくともやめた先がこうであるからどうだということは私はないと思いますがね、絶対に。ないと思いますが、ただ通産省として中小企業の問題に対しての、もっと大きく努力しなければならない点がまだまだあるというようなことは、大いに私も痛感をいたしておりますし、大臣も痛感しておられて、省全体としても考えておるわけでございますので、予算その他の獲得の面についての努力も、相当に省をあげて一生懸命やったわけでございますが、まだまだ、これでは不足だと私も思っておりますし、大いに研究する余地があると思いますが、ただ、自分の先が中小企業に行って、うまく働けるからそこに情熱を傾けるのだというようなことで、私はいまの日本の官僚はないと思います。少なくとも、通産省の諸君は、一生懸命情熱を傾けてやっておると思いますが、ただ、いままでの予算獲得そのほかの問題について、または国の政治全体の問題が、農業のほうに与える分野と、いわゆる産業問題に対して与える分野のところにおいての力の注ぎ方が、ことに都市を中心としたような中小企業の面が多いものですから、その点においての政治力の結集という点について、まだまだ足りない点があるのじゃないかと私は思っております。ことに、私も東京選出の代議士でございますから、その点については痛感をしているわけでございますので、その点について、将来とも大いに努力をしていきたいと、こう思っております。答弁にはならぬと思いますが、感じを一言申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/156
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157・向井長年
○向井長年君 答弁になっておらぬ。政務次官、中田先生言われたのはそういう意味で言っているのではないのですよ。日本の各省は全部関連を持っております。何も通産省だけではない、すべて関連を持って政治を行ない、あるいは役所の指導行政を行なっているのですよ。そういう中で特に中小企業、産業界の中で中小企業で持っているということですよ。輸出量を見ましても、あるいはまた人口の比率、あるいはこの事業全般を見ましても、そういう重大な状態にあるこの産業を、いわゆる中小企業を、通産省という一つの省で担当して、各部門はあります。しかし、どうしてもやはり大企業の圧力というのは強いわけなんです、各省においては。したがって、やはり中小企業を独立して一つの省なるものを持って、そしてそれを推進するという形が望ましいということを言っておると同時に、最近の状況を見ましても、通産大臣はちょこちょこかわって、六カ月で早い者はかわりますね。あるいは長くても一年はない。これは政治家ですから、場合によってはやむを得ないかもしらぬが、中小企業庁長官なんかも、これはいままでの例を見てみなさい、何年やっておりますか。ようやく熱を入れてやろうとすれば、すぐ、栄転はけっこうですが、栄転はけっこうだけれども、すぐかわってしまう。そういう状態が現在までのやり方ですよ。これは人の問題を言うわけではございませんが、中小企業が、金融面においてもあるいは税制面においても、すべていま貧弱な形で危機を迎えつつあるのですよ。これをどう打開しようかとするならば、行政機構というものも一考しなければならぬ時期にもきているのではなかろうか、こういうことを言っているので、必ずしも長官をやった人が行く先を見てどうだとか、そんなことをだれも言ってない。そういう意味で真剣に中小企業の将来の強化なり、育成を考えるならば、そろそろ中小企業庁というものを省にして、一つの独立した機関として行政指導、予算化、こういう問題に踏み切っていく時代じゃないかということを、これは質問しているのです、おわかりですか。だから、そういう各省にみな関係があるのです。そういうことを言っておるがために、常に先ほどから、大胆にも質問したように、金融面にしても、国家予算にしても、わずか五十二億ぐらいふえて、それで革新的な中小企業政策をやるということは大間違いなんだ。そういう立場を特に、たまたま熱心な次官が来られたから、次官の意見を聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/157
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158・中田吉雄
○中田吉雄君 関連して。私も、役人の人は、通産省にしても大蔵省にしても、みなエリートです。将来の職なんていうものは求めて行けるものじゃないです。働いているうちにおのずから開けるものだということは、私も若干の人世経験から知っているわけですが、やはり向井さんが言われたように、中小企業省でもつくって、その雇用人数からいって、輸出のパーセントからいっても、基幹産業ですからね。それに比べれば、いかにこの中小企業庁が努力されても、予算がつかぬという点で、私は不熱心なことか——農林省の予算を見なさい。あれは一種の中小企業ですよ、農業は。それがもう予算の三〇%ぐらい取っている、三〇%こすぐらい取っているでしょう。普通でも二割ぐらい、どんなに少ないときでも。食管の赤字なんか加えるとたいへんなものだ。ところが中小企業庁の予算はたしか〇・何ぼだと思う、中野さんどうなっていますか。全体の予算の何%ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/158
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159・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘があったように、中小企業対策費として計上してあるものは、昭和四十年度で二百十七億九千万円、これは前年度に比べましで三二%アップでありますから、一般会計の予算の伸びからいえば、これは相当ウエートをかけられたという感じが出ておりますが、全体の予算の何%かというと、わずかに〇・六%にすぎない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/159
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160・中田吉雄
○中田吉雄君 次官、この点を私は言っているのです。農林省の予算は、あれも一種の中小企業でしょう。先ほど申しますように、それが二割も三割も、多いときは三割八分ぐらいのこともありました。それがやっとふえて、三二%ふえたって、まあ二割ですから、伸び率からいえば多いでしょうが、〇・六をもって、この池田さんのあと始末の経済のひずみを是正するというようなことは、まあ参議院選挙には言ってもらいたくないと思う。そんな宣伝はやめたほうがいい。いかに中野さんなんかが努力し、次官、大臣が努力されても、たった〇・六%でしょう。輸出の六割を占め、全産業に従事する、九割幾らでしょう。それがたった〇・六%で、この数年間の池田さんの経済のひずみを是正するという愛情のある政治をすると言われる、人間尊重の政治をやられている佐藤総理のもとにおいては、何といったってO・六%が、どんな言いわけをしたってこれは成り立たぬです。とにかく選挙だけには、中小企業をかまっていると言うようなことは取りやめてもらいたい。答弁を求めませんが、私は、この予算を前年度に比べてという、大体大蔵省が前年度より二割増しとかいうようなことの線を引いて、それに拘束されるから、これはけたはずれの思い切ったふやし方をされんといけぬと思う。そういう点では、さきに次官が言われたようなプレッシャーが、農民なんかに比べてききませんから、そういう点もありますが、〇・六%、たしか去年は〇・四。〇・三のときもありました。そういうことでは、私はもう実際あとで、火曜日にいろいろお尋ねしますが、全体の予算の〇・六%であるということは、佐藤内閣が、次官も含めて中小企業に対する愛情がどの程度であるか、真剣であるかということを私は雄弁に物語っておると思う。これは答弁のことばもないでしょう。これはもう予算で、全体の二割というようなワクが三割二分になったのだからがまんせにゃというようなことでは、これは私はいけぬと思う。それはあとでいろいろまあ質問したいと思いますが、この予算を何とか画期的にふやすには、やはり省でもつくって本格的に取り組まれぬと、私はもうどうにもならぬじゃないか。前年度の増がこうだから来年度はこうだというようなことでは——答弁は求めませんか、とにかく〇・一六%ですからね。この点をひとつ肝に銘じて、もっと中小企業対策に熱心に取り組んでいただきたいことを御希望申し上げます。失礼しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/160
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161・鈴木一弘
○鈴木一弘君 関連して。いまのと私は全く意見は一致ですけれども、中小企業が納めている税金を計算をすると、大蔵省で調べると、約四千億をこえているわけですよ。四千億をこえているのに、二百十何億でしょう。あまりにも愛情がなさ過ぎる。それから先ほどの、長官が大企業のほうへ御栄転なさるというお話だったのですけれども、いろいろいままでの例が、アメリカの基本法を見てみるというと、中小企業に情熱を持ち、愛情を持ち、理解したものでなければ長官はできないという一項が設けられている。残念ながら、こちらの中小企業の基本法にはないのですけれどもね。ほんとうならば、いま中田さんが指摘されたように、やめた後でも中小企業に身を挺していくようなかっこうでなかったら、ほんとうのことはできない。そういう身分保障も与えられていないわけですけれども、こういう姿勢では、ほんとうの中小企業というものの対策はできない。先ほどの大臣の答弁では、金融問題だけじゃなくて、構造的要因を解決しなければだめだと言うけれども、二百億ばかりで構造的要因の解決はとうていできないのです。そういう基本的な問題すらも、口で幾ら唱えていても、できないのではしようがないと思うのですね。この点は姿勢を正していく必要が私はあると思うのですよ。もっと本格的に、確かに省にもしていかなければならない、そういう構造的要因を画して、そうして日本のもとになっているわけですから、中小企業を育成していくというかけ声だけに終わらないようにしてもらいたい。これは答弁は要りませんけれども、そういう姿勢を正していくということについては、本格的に取り組んでいただかなければならないし、次官も理解されておることと思いますけれども、一そう努力をお願いしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/161
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162・中田吉雄
○中田吉雄君 これは櫻内大臣おられたら言いたいと思うのですが、せんども関西に行っておられるのですが、あっちこっちに出ておられる新聞記事を見ると、中小企業者と懇談されたというような記事は一つもない。みんな経団連とか、日経連とか、同友会というような、そういう業界の大物はかりと懇談して、ほんとうにそういう人と会われたような記事を見ないのですが、そういうことにもやはり問題があるのじゃないかと思うのですが、まあ新聞記事より実際は違うかもしれませんが、私はやはり旅先に出られたら、代表的な中小企業者等にもお会いになって、その苦衷を聞くというような態度も必要じゃないか。次官におかれてもそうだと思うのです。そういうことはどうなんです、実際。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/162
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163・岡崎英城
○政府委員(岡崎英城君) いや、私の聞いた範囲においては、いまも長官からもお話もあったと思いますが、大阪でも名古屋でも、やはり商工会議所等に顔を出して、中小企業の方とお会いしたり何かして、その点については非常に大臣も心を傾けておられますがね。たまたま新聞に出たのがそういう記事だけで、そういうところは出ていなかったのじゃないかと思いますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/163
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164・向井長年
○向井長年君 時間もだいぶ過ぎまして、基本的な問題につきましては、また大臣が来られたときに質問をすることといたしまして、君子、三法案の質問をちょっとやっていく必要があるのじゃないかと思いますので、私質問いたしたいと思います。
そこで、まず近代化資金助成法の問題でございますが、これについては、大体、高度化資金の償還期限は五年を七年、あるいは汚水処理、ばい煙等の施設に対する貸し付け金の償還を七年から九年、非常に償還期間だけの改正の法案ですが、これは具体的にはやはり少なくとも省令というのですか、政令、これで具体的ないろいろ問題が出てくると思うんです。で、いまこれに対して省令、政令を具体的にどう出そうとしているのか、これを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/164
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165・中野正一
○政府委員(中野正一君) お答え申し上げます。このたびの中小企業近代化資金助成法の一部改正は、いま向井先生が御指摘になったように、団地——これは工場団地、商業団地及び商店街近代化資金の二種類の高度化資金について、従来は償還期間が五年であったものを七年、それから公害防止施設については七年であったものを九年に延ばすという改正でございますが、これに関連をいたしまして関係の政令を出す。それからなおその政令以外に実際上の措置でやる、こういう点がございますので、三つに分けて御説明をいたしたいと思います。政令の案はいまお手元にお配りしてございますので簡単に御説明申し上げますが、第一は、工場等の集団化計画の場合は、従来は政令によりまして、この中小企業者あるいは企業組合が二十企業以上集まらないと国、府県の助成の対象にはならぬということになっておったのでありますが、これもあまり窮屈じゃないか。特に後進地域等につきましては二十企業以上集まるということは、なかなか実際問題としてむずかしいという声がございましたので、ここにありますように、次のような場合には二十人でなくても十人でもよろしいということで、たとえば東京都とか、近畿地区のような過密地帯からほかへ出ていく場合、それから二ページ目のところにございますが、いわゆる低開発地域あるいは産炭地振興法による産炭地域、こういうふうないわゆる後進地域といいますか、こういうところでは十企業以上でいいということにしたいのが第一点でございます。
第二の点は、これはごく技術的な問題でございますので、第三にまいりまして、いま言ったように、償還期限は五年から七年にするのでありますが、これは高度化資金のうちで、工場の集団化資金、店舗の集団化資金、商店街の近代化資金の償還期間をこういうふうにする。それから特にそのうちで汚水処理施設、ばい煙処理施設にかかわる貸し付け金、これは高度化資金だけでなくて、そこにありますように中小企業設備近代化資金、これにつきましては七年を九年に延ばす。同時に府県が国に金を返す場合、これは現在は六年ないしは八年ということになっておったものを八年ないし十年に改める。これは前の分が延びましたから、民間から返ってくるほうが延びましたのでこういうふうに延ばす、これが政令でございます。
なお、政令以外で処理していること等については、お手元に「中小企業高度化資金の貸付状況および貸付条件等」というこまかい横書きの表があると思います。これをごらんいただければわかりますが、左のほうから昭和三十八年度、三十九年度、四十年度の予算と貸し付け実績見込み等が出ておりまして、右のほうに貸し付け条件が出ておりますが、このうちで、この前の委員会で資料として提出してあるようでございますので、口頭で申し上げますが、いま先ほど申し上げましたように、償還年限延ばすということが一つ。もう一つは従来は建物の貸し付け率が三分の一だったのです。全体の所要資金の三分の一であったものを二分の一にする、これは法律改正は要りません。政令も要りませんので、実際問題として建物の貸し付け率を土地、共同施設等の貸し付け率と同じように三分の一を二分の一に上げるという点が第一点。それからこれも省令も政令も要りませんが、いわゆる予算単価といいますか、県がこの高度化資金を貸し付ける際に、土地、建物等についてやはり標準的な単価というものを見ておりまして、それ以上、の標準単価以上でやる場合は、自分の金でこれをやりなさいということになっているわけでございますが、これが土地等につきましてもあまり標準単価が低すぎやしないか、実際に合わないじゃないかという要望がございましたので、これはカッコの中に書いてあるほうが昭和三十九年度までの単価でございまして、その外側に出ておるのが今度の改正でございます。たとえば土地については、工場の場合は、現在は二千五百円であるものを四千五百円に上げる。それから商業団地でありますと、現在坪三千五百円、それを七千円に上げる。建物等につきましても一坪当たりの建物の単価を上げております。こういうふうにして貸し付け条件を改葬しようというのが今度の計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/165
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166・向井長年
○向井長年君 そこで、これはどうなんですか。従来近代化資金助成法の中で資金が貸せられる場合においては、これは都道府県との関連を持ったと思うのですね。したがって都道府県が出すそれの半分を国が持つ、持ちます、こういう形になると思いますよ、そうですが。——そうなると、都道府県でまず第一に中小企業、——そういう都道府県はないと思いますが、非常に中小企業に対して不熱心な都道府県あるいは都道府県の財源難なところ、こういうところにおいては、こういう資金の融資を受けられない状態が出てくると思う。特に中田さんの貧乏県である鳥取県であるとか、私の県は奈良県ですが、これまた貧弱な県、こういうところでは県自体の予算がとうていない。こういう場合においては、政府資金が借りたくても借りられないという現状が出るのじゃないですか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/166
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167・中野正一
○政府委員(中野正一君) いままでのところは、中小企業対策費のうちで非常に大きな部分を占めております、いま御審議を願っております中小企業の高度化資金、それから設備近代化資金、この二つについては、御指摘のように所要資金の半分を国が出して、半分を関係府県が出す、こういうことでございます。ただ従来からの実績からいいますと、各府県とも非常に最近中小企業対策ということに熱意を入れていただいておりまして、まだどちらかというと、各府県の要望に十分沿いかねる。まあいろいろ申請があっても、それを幾ぶん査定をしなければならぬというようなふうな状況でございます。しかし、だんだん今後この金が大きくなってまいりますので、いわゆる何というか、財政力の貧弱な県等については国の補助率というか、国の負担する分をもう少しふやしてくれ、こういう要望の出ているところもございます。しかし現在のところは、それよりはまず国の金をもうちょっとふやしてもらいたい、こういうことでございまして、特に今度の中小企業高度化資金の貸し付け条件の改善ということでありますというと、御指摘のように府県の負担は幾ぶんふえるのでございますが、この程度のものは、関係府県で十分予算化し得る見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/167
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168・向井長年
○向井長年君 もっとふやせというかっこうで、非常に強い要望が各府県からあるということなんだけれども、事実上やはり半分は都道府県が持ち、半分は国が持つという制度であるとするならば、これは大阪のような大きいところと貧弱県とにおいては、その貸し付けの率も自然少なくなって、ますますやはり格差がふえてくるのじゃないか。特に県としては貧弱な県のほうが中小企業は多いわけなんですよ、大企業は少なくて、逆の立場を持っておるわけですよ。そういう中で特に近代化資金という問題が国と都道府県の半々という形は、非常にギャップというか、格差はますます生じる傾向にあるというふうにわれわれは考えるのです。その点は、都道府県の財政状態とにらみ合わせて、こういう県においては半分以上貸すとか、あるいはまたそれに対しては若干減らすとか、こういう形ができるわけじゃないんでしょう、この法律は。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/168
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169・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘のように、国の助成の率というものは二分の一ということで、所要資金の貸し付け金の二分の一ということになって、各府県の実情というか、財政力というか、そういうものを考慮してやってはおりません。この問題は私のほうへも二、三そういう意見も出ておりまして、今後の問題として十分検討してまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/169
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170・中田吉雄
○中田吉雄君 来週の火曜日にお尋ねしたいと思っているんですが、各府県の財政力とこの近代化資金の使い方との関係の一覧表をいただきたいと思います。希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/170
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171・中野正一
○政府委員(中野正一君) 資料として提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/171
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172・向井長年
○向井長年君 特にこういう無利子な金は、これはだれでも借りたがるですよ、借りたがるというよりも回してほしいですよ。だからいま長官は、一応そういう要望があるから検討すると言っておりますけれども、これは事実上そういう格差が生じてくるということは明らかだと思うんですよ、二分の一ですからね。そういう問題をやはり先ほど言ったように、中小企業の多いところは貧弱県が多いんだ、そういうところをやはり力を入れるためにも、これはやはり検討ではなくて、早急にこれを何らかの措置をとる必要があるんじゃないか、こう思うわけなんですよ。それは中小企業に熱心だというけれども、これはやはり中小企業の育成強化という問題については、冒頭に質問しておるように、県自体ではできませんよ。事実上政府の力をからなければ、あるいは国の力をかって予算化しなければ、金融を十分ならしめなければ、これは実施できない、こういうところにあるから、これはやはり非常にぼくは、何といいますか、格差が生じてくるおそれがあると思うんですがね。これは検討だけじゃ困ると思うんです。何か具体的に長官考えられていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/172
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173・中野正一
○政府委員(中野正一君) まだこの問題は検討段階だと、いますぐ、これはもちろん本年度予算のきまるときに、こういう問題は決着を一応つけておりますので、今後の問題として早急に検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/173
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174・向井長年
○向井長年君 これは無利子ですからね、問題は。前に池田総理が近代化資金については利子を若干取っても、低利を取ってもひとつその額を多くしたほうがいいじゃないか、こういう意見が前に出されておったと思うんです。これについては現在は何ら考えておらないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/174
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175・中野正一
○政府委員(中野正一君) これも一種の、金融ではございませんが、金融に類した措置でございますので、貸し付け金でございますので、当然これは安い金利でもいいから金利を取るべきじゃないかという議論は前々からございます。しかしこれをかりにやります場合には、相当もとの原資というものをふやさなければ意味がないんじゃないかという議論も成り立つわけでございまして、はたしてそういうふうにうまくいくかどうか、むしろ無利子のこういう金——主として金融ベースに乗りにくいような業者というものの近代化をやりたい、あるいは一方では中小企業の共同化ないし協業化を大きく進めていくという大きな政策的な意味があるわけでございますので、われわれとしてはやはり無利子の金で元金をもっとふやしてもらうということが、政策的にはベターではないかと現段階では考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/175
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176・向井長年
○向井長年君 それは理想としては元金をふやして無利子ほどいいことはないんですよ。しかし産業公害防止、汚水処理ですか、こういう問題にしても七年から九年になる、こういう期間を非常に長くしておるが、これは非常にけっこうだと思うんですが、償還期間を長くすることは。ところが事実上、その資金の調整をはかって出さなければできない、こういう結果が出てくるんじゃなかろうか。いうならば、総額が少なくて、県が用意しても国が出し得ない、その調整をはからなければならぬ、こういうかっこうになれば、幾ら償還期間を延ばしても、何ら意味がないじゃないか、こういう感じもするし、あるいは先ほど言ったように若干の利子を取っても総額がふえてくることによってその価値を深める、こういう問題とのバランスというものはどう考えられておるのか。幾らでも財源はあると、県さえ半分負担すれば国は幾らでも出すのだ、こういう態度であるのか、やはりこの償還期間が延びた以上は、やはり総ワクというものはある程度制限されてくる、これはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/176
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177・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘の問題は、非常にいろいろ関連するところが多くて、通産省としてもいろいろ研究はいたしておりますが、現在のところではやはり無利子のこういう貸し付け制度を続けたほうがいいんじゃないかという結論になっております。かりに金利を取るということになりますと、いわゆる金融ベースというものとの差がなくなりまして、むしろ現在ある中小企業金融公庫等農林関係のものをやっておりますが、そういうものにたとえば利子補給等をやって、安い金利の金を金融ベースで考えていったらいいじゃないか、こういう問題にも及びまして、現在のこういう非常に中小企業の皆さん方からは喜ばれておるところの制度の存立そのものにも響いてくるというふうなこともございまして、なかなか簡単には結論が出しにくいわけでありますが、いま先生御指摘のような点も考慮いたしまして、この点も今後の問題として検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/177
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178・向井長年
○向井長年君 そうすると、長官は先ほど言ったように都道府県が国に要請をして二分の一は持つから二分の一はぜひ出してもらいたいということは、全部この償還期間であってもまかなえるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/178
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179・中野正一
○政府委員(中野正一君) それは十分まかなえるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/179
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180・向井長年
○向井長年君 ところで、先ほど言った検討するということですが、いわゆる弱小県と大企業とのそういう比率をどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/180
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181・中野正一
○政府委員(中野正一君) 先ほど申し上げましたように、弱小府県というか、財政力の弱い府県等でそういうことをしたらどうかというふうな要望も出ておりますが、いまどういう県についてどの程度の差をつけたほうがいいのじゃないかというような案は、現在のところまだ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/181
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182・中田吉雄
○中田吉雄君 このいただきました「中小企業高度化資金の貸付状況および貸付条件等」という中に償還期間というのがございますね。これは農林省の農林漁業金融公庫等と比較してみて、いかにも償還期間が短いわけですね。私の世話をした農業倉庫なんかは据え置きを含めて二十年なんです。ひとつ私はやはり、きょうは答弁を求めませんが、償還期間を七年とされた理由、これで十分ペイしていくようなことになるのか。なぜ農林省には農林漁業金融公庫は二十年というようなのが、農林漁業金融公庫の業務規程を見てもそうなっているのです。そうして中期融資だといわれている農中ですら、もう今度は十二年くらいに償還期間を延ばしているのです。私は、中小企業に対しては、やはりこの償還期間では無理じゃないかと思うのですが、ひとつそういうことについて尋ねたいと思いますから、農林漁業金融公庫などのものと比較して、どうも商工関係は、それは回転率も早いでしょうしするが、少しシビアー過ぎやせぬかということで御質問しますから、ひとつ農林漁業金融公庫、農中等のほうも見てきていただきたいと思います。希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/182
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183・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/183
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184・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) じゃ、速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/184
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185・向井長年
○向井長年君 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案が先般提案説明されておりますが、これまた先ほど言ったように、省、政令が相当出されると思うのです。これは問題は、税金の完納とか、あるいはまた事業の同一場所とか、そういう問題が中心になるようですが、この政令について、まず説明いただきましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/185
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186・中野正一
○政府委員(中野正一君) いまお手元に、今度の法律案の改正は、特別小口保険制度を通じていわゆる無担保無保証の、担保も取らず保証人も取らずに、地方にありまする保証協会が三十万円を限度として無担保無保証で保証して、これを市中の金融機関にあっせんをして融資をさせよう、こういう制度でございまして、この政令のほうは、特別小口保険の保険料率をきめるということでございまして、これは政令に譲ってございます。法律にございません。したがって、これは百万分の十四、それから第一穂保険は、百万分の十九を十八に下げる、こういう内容の政令でございます。
それから、いま申し上げました特別小口保険につきましては、小企業者、これは従業員五人以下、商業、サービス業については二人以下のものを小企業者という、従来からそういう規定になっておりますが、これにつきまして、保証協会が保証した場合に、これを中央にありまする中小企業信用保険公庫に補てんするわけでありますが、この補てんの限度額が三十万円、これは事故が起こった場合に保険公庫のてん補率といいますか、損害をてん補する率を、一般の場合は百分の七十、七割をてん補するわけでありますが、この小口保険については、危険が多いというので八割をてん補しようという、災害並みでございます。
それから対象となるものは小企業者であって、一定の要件を備えておるもの、すなわち、通商産業省令で定める要件を具備しておるもの、その要件がいまお手元にお配りいたしました横書きの「小企業者の具備すべき要件」でありまして、これは同一市町村——特別区を含むといいますか、同一市町村の区域内で、最近三年間同一の事業を行なっておること、二番目に、所得税、法人の場合は法人税、及び地方税でありまする事業税を最近一年間納付しておること、この二つの要件がある場合には、ごく簡単な審査で保証協会が三十万円まで保証をして、これを銀行等の金融機関にあっせんをして金を借りられるようにしよう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/186
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187・向井長年
○向井長年君 非常にわれわれ歓迎すべき法律だと思うのですが、しかし、これは金融の常道から考えて、無担保、無保証という問題については、これは非常に何といいますか、けっこうな方法である。しかしながら、これによって保証が非常に安易に流れるおそれがある、あるいは協会自体の、何といいますか、協会自体が危機になるおそれがあるのじゃないか、こういう憂いがあるのですよ。非常に歓迎すべき一つの改正ではありますけれども、しかしながら、そういうことによって基礎が危うくなるのではないかと老婆心的に感ずるのですが、この点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/187
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188・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御心配のような点もございますので、いま資格要件をある程度しぼっておるわけでありますが、この程度の資格を持っておるものであれば、人的信用で、保証人とか担保なしに保証協会が保証してもいいのじゃないか。その保証協会の保証状によって金融機関が金を貸す、こういうことになるわけであります。実は各地に、いま保証協会が全国に五十一ありますが、各保証協会とも、ぜひこの制度をやらしてほしい、そのかわり、保険公庫のてん補率を上げてほしい。七割でなくて今度は八割にしたわけでございますが、災害補償並みでございますが、したがって、このために保証協会はむしろ非常にこの制度の実現を喜んでおるというか、協力するような態度でございますので、そう心配はない。この程度の資格でしぼっておれば、そんなに事故率が非常に多いというようなことはない。もちろん、こういう証明書を持ってまいりましても、たとえばその金を、これは例が悪いかもしれませんが、何か競輪の金にでも使うとか、そういうようなことがないように、そういう審査はやります。それから、その業者が過去において協会で事故を起こしてはいないかというようなふうに、簡単な審査は、これはもちろんやるような仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/188
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189・向井長年
○向井長年君 同一市町村で同一事業、あるいはまた納税、こういう二つの要件ですね、この要件さえ満たせば必ず借りられると、こういう形になっておるわけなんですが、これはもう特に簡易に迅速に金が借りられるということが特色だと思うのですね。ところが、そうすれば、まず考えられることは、中小企業の中で零細企業です。小規模ですね。こういう中で、納税ということを言われるけれども、実際、納税できないところがあると思うのですよ。この全国的な納税比率というものはどうなっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/189
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190・中野正一
○政府委員(中野正一君) 申し上げます。昭和三十五年度の数字を申し上げますと、この対象となるいわゆる小企業者、従業員五人以下のものと目されるものの数が、二百六十二万程度あるわけでございます。このうちで、所得税、事業税両方納めておるものが八十万、事業税だけを納めておるものが二十万、したがって、税金を納めておるというものは、二百六十二万のうちの百万ということになります。それから、これは昭和三十八年度の部分的な調査でありますが、これによりましても、事業税、所得税、法人税等を納めておるものは、小企業者のうちで約百万人ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/190
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191・向井長年
○向井長年君 そうすると、二百六十二万の中で百万の諸君が借りられる要件を備えておるが、あと百六十二万の諸君は借り得ないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/191
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192・中野正一
○政府委員(中野正一君) 今度の制度の恩典には入れないわけでございます。したがって、そういうものについて何か別の資格基準というようなものを検討せなければいかぬのじゃないかということはいま研究いたしております。ただ、従来からある制度によりまして、いわゆる保証人を、たとえば身寄りの者等の簡単な保証によって貸すというような制度は従来からございますので、従来からある制度をこういう方々は利用していただく。しかし、これはもちろん保証協会の保証でございますので、全然相手方がすぐもう事故を起こすというようなことのはっきりしておるというようなものについては、実際問題として、ある程度の利益をあげておるものでないと、それは保証の対象にならぬというようなことは、これはケース・バイ・ケースで考えていかなければならぬと思うのですが、従来からある制度にこの制度をプラスをしたということになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/192
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193・向井長年
○向井長年君 そうすると、長官、これは若干税金を納めてまあやれるというのは、その中でも、ある程度いいところなんです。二百六十二万あって、百万以外の諸君はそれ以上に困っているというところなんですよね。そういうところは、従来のかっこうでやるとか、その他でやりなさい、また将来検討しようということであるとするならば、そういう小規模の諸君の全般を考えた法律じゃないということになるのですからね。これはちょっと不合理じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/193
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194・中野正一
○政府委員(中野正一君) これは御承知のように、中小企業の信用力が不足しておるので、それを補完しようというので保証制度というのができているわけでございまして、その意味で、いま御指摘のように、何といいますか、そういう非常な零細な困った、金融的にも非常に借りにくいというようなものにどうするかというようなことは、別個の問題としてこれは考えないと、今度の保証制度というのは一種の金融でございますので、それに、幾ら保証にしても、やはり限度はあるというふうに考えざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/194
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195・向井長年
○向井長年君 税金が、納税の範囲に入らない中小零細企業でも、これはやはりまじめな企業があるはずなんですよ。したがって、そういう問題についてはやはり審査等もして、そういう中からやはりこれを適用するということを考えないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/195
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196・中野正一
○政府委員(中野正一君) いまのところは、こういう税金を納めておる程度の、この程度のものであっても、相当人数の会社もございますし、また、そういう方々にも、なかなか実際、担保提供とか保証人をとるというようなことで、非常に実際問題として保証協会の保証制度が利用しにくいという声が非常にいままであったものですから、そういうことを考えたわけでございまして、いま先生の御指摘のような、免税点以下の収入のあるもの、これはいろいろ控除がございます。大体いまの計算では、一年間所得が三十万円以下のものは、いろいろな基礎控除がございます。そのために、かりに健全な経営をしておっても、御指摘のように、免税点以下になるために借りられないというものも出てくることは事実でございます。こういう点については、今後この制度を運用いたしまして、各地の保証協会の保証の実情等を見まして研究してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/196
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197・向井長年
○向井長年君 どうもちょっとそれがわれわれ納得できないんですがね。一応そういう納税ということを基礎にいたしたことはわかりますけれども、しかし、せっかくこういう無保証で三十万円迅速に簡易に借り得るという道を開いて、実際借りたいところは、その百万以外のところに相当多いんじゃないか。国民金融公庫のいまの貸し出しの例を見ましても、そういうほんとうの零細なところが非常に利用価値を持っておる。そういうところには、もちろん保証人さえ立てれば考えると、従前どおりですね。ところが、それ以外のところは、こういう一つの基準をもって無担保で貸すんだというかっこうであるならば、それが大半であるならば当然私はいいと思うんですよ。しかし、金国で二百六十二万あって、百万程度の諸君だけを優遇するというかっこうになれば、半分以下ですよ、これは。そういうことはいいことであるけれども、該当者がほとんどはずれる、大半はずれるということについては問題があるんじゃないかということですよ。だから、一つの基礎として納税というものを出しておることはわからぬことはないけれども、それ以外においても、やはりまじめな小規模の事業者が無担保で、しかも迅速に借りたいという要望があるものに対しては、これは保証はしないんだ、いままでどおり保証人を立てるとか、あるいは担保を入れなさい、こういうかっこうになるということは、ちょっと片手落ちじゃないかということなんですがね。それに対して、この法律を改正する前に、そういう問題は疑問にならなかったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/197
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198・中野正一
○政府委員(中野正一君) そういういま御指摘のような問題も出てまいっておりますが、これは保証協会といろいろわれわれも相談いたしまして、こういうことに踏み切ったわけでございまして、まず、これでも、先ほど言いましたように、百万程度以上対象はあるわけでございまして、まずこの程度のものであれば、ごく簡単な迅速な手続でやれるということでございますので、踏み切ったわけでございまして、自後の問題については、今後の実施の状況を見まして、これは三、四カ月あるいは半年ぐらい実行してみれば相当実績も出てまいりますし、実情も十分把握できますので、その上で、さらに研究してまいりたい。というのは、この資格要件は——いまこういう資料をお出ししておいて、そういうことを言うのは不見識じゃないかとおしかりを受けるかもしれませんが、この資格要件は通産省令できめるということになっておりますので、また、保証協会の一部では、もう少し条件を緩和してもらったほうがいいじゃないかというふうな意見もございますので、実施してみた上で、ひとつそういう点も、いま御指摘のような点も、どういう方向でやったらいいのか、一部には住民税を納めておるということを要件にしたらどうかという御意見もございますが、住民税を納めておるというだけでは、いわゆる健全な経営をやっておるかどうかというメルクマールにはやや足りないのではないかという気がしておりますので、そういう点も今後の問題として研究してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/198
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199・向井長年
○向井長年君 そういう場合ですね、これはいまでも国民金融公庫で、そういう一つの団体というか、私的な保証協会ですか、相互扶助的ななにをつくっておるところもあるのですがね、言うならば、保証人を、そういう保証協会なるものを私的につくって県に届け出て、それで認可を得てやっておるところもあるのですよ。そういう形をこういう場合も利用できるかどうかということですよ、免税点以下の諸君にも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/199
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200・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘のような保証制度でございますね、そういうものを利用できる方は、その保証をもとにして、保証協会がさらに保証し、金融のあっせんをすることは十分考えられることでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/200
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201・向井長年
○向井長年君 いや、私が言っているのは、この二つの要件を満たしておる人は、もう要らないわけですね。要件を満たさない、いわゆる税金を納めていない諸君が、ほんとうはこれは適用できないわけです。ところが、そういう諸君のみが寄って相互扶助的な相互保証協会のようなものをつくって、そうして、こういう無担保で無利子で無保証で借り得るのかどうかということですよ、できるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/201
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202・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘のような場合は、今度の制度というのは御承知のように、こういう対象のものに保証協会が保証をして、そして銀行へこれの融資のあっせんをした場合に、国で保険をしようという意味で、中小企業信用保険公庫で保険をしてあげよう、危険率が少し高くなるから。したがって、いまの御指摘のような場合は、いまの保険制度には乗らないというようなことになるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/202
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203・向井長年
○向井長年君 そうすると、結局、この二つの該当以外の人は、この適用は全然だめだ、こういう結果になりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/203
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204・中野正一
○政府委員(中野正一君) そういう結果になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/204
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205・向井長年
○向井長年君 そうすると、これは、その第一段の要件はどうもわれわれ納得できないのですが、納得できないというよりも、非常に適用範囲が少ないから、何とか方法を講じなければならぬという感じをするわけですが、次に、この同一場所の問題、これは、同一場所というのは、どういう同一のことを言っておるのか、行政区画を言っておるのか、いわゆる市町村的な行政区画であるのか、この点どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/205
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206・中野正一
○政府委員(中野正一君) 同一の市町村の区域内ということでございますから、その間に移動してももちろん差しつかえありません。同じ行政区画の市町村を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/206
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207・向井長年
○向井長年君 行政区画と言えば、府県もそうですがね、行政区画に入りますがね、府県あるいは区あるいは市町村というようなかっこうになってくるわけです。そういう点、何をもって同一場所と言われるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/207
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208・中野正一
○政府委員(中野正一君) 同一の市町村というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/208
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209・向井長年
○向井長年君 そうすると、言うならば、大阪なら大阪をたとえて言うならば、その市町村で現在の事業所がその範囲内で移転されておってもいいということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/209
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210・中野正一
○政府委員(中野正一君) 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/210
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211・向井長年
○向井長年君 しからば、こういう同一事業所という単位をとったのは、どういう理由なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/211
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212・中野正一
○政府委員(中野正一君) これは、先ほど申し上げました、保証人もとらずに、人的信用だけで金を保証して貸そうというわけでございますので、少なくともやはり同一市町村に三年間も同じような仕事をやっておるものであれば、相当やはり健全経営と見ていいじゃないだろうかという、そういう意味のメルクマールにしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/212
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213・向井長年
○向井長年君 健全事業というものは、必ずしも同一場所じゃなくても健全事業は営まれると思うのですよ。若干場所が変更されても、最近におきましては、事業が拡大すれば変更する場合が多いのですよ、そういうやつはいけないと、一応見方としては、三年以内に同一市町村でなければならぬと、こういう規定づけですが、これはその趣旨に反するのじゃないですか。変更しても健全であるならば、これはやはり適用してもいいというかっこうになるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/213
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214・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘になったようなこともあると思いますが、これはなかなか、できるだけ客観的な基準によって処理するようにしたいと考えているものですから、それで、全然同じところというのは、零細企業者でございますので、これはお気の毒だと。それで、まあ同一の市町村の中であればいいじゃないか。また、証明等も、調査したりするときも、そういうものが簡単にできますし、それで、同一の市町村の区域内であれば、移動しておっても差しつかえないと、こういうふうにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/214
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215・向井長年
○向井長年君 一応の基準と考えていいんですか。それとも、やはり調査をして、まあ納税の証明書があると。それから、それの場所については、変更しても、いま言った一つのいろいろな要件を持って場所を変更すると、そういう場合においては、やはりその実態に即応して適用するかしないか判断するのですか。それとも、絶対いけない、市町村だという考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/215
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216・中野正一
○政府委員(中野正一君) これについては、例外は認めないつもりでございます。ただ、これは本人の申告というか、疑わしい場合には協会のほうで調べるというようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/216
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217・向井長年
○向井長年君 基準としてはわかりますけれども、しかし、それが絶対的なものであるということはどうかと思うのですがね。場合によれば、この区は、あるいはこの町は、最近非常に細分化されたり統合されたりして、町村の区画変更がだいぶあるわけなんですよ。そういう場合に、川一つ隔てて向こうへ行って、大きいから、若干の店を持った、こういう場合においては、町村が変わってしまった。そういうことはあるでしょう、事実。そういう場合には、川向かいに移転したからだめだ、町村が変わったからだめだ、こういう結果が出てくるのですが、そういうこともいけないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/217
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218・中野正一
○政府委員(中野正一君) 具体的ないろいろなケースにつきましては、また保証協会とも十分連絡をとりまして、いろいろ通達においてこまかい実施要領というようなものをつくりたいと思いますので、そういう際に、非常に不合理なことのないように措置したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/218
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219・向井長年
○向井長年君 そうすると、若干そういう実情に即応して、それはやはり協会とも連絡しつつ、その趣旨に沿うようにやろう、原則はあくまでもこれだと、こういうかっこうで理解していいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/219
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220・中野正一
○政府委員(中野正一君) これは省令で要件を出しますので、この要件自身は、このとおりにやはりやっていただきたいと思います。
ただ、いま申し上げましたように、いろいろこういうふうに書いてありましても、たとえば同一事業というものはどの範囲だというようなこともございますので、そういうこまかい点については、実施面の詳細な通達等で実態に合うような措置をしたいと。これが原則で、例外は幾らでもあるのだというふうにお考えになると、ちょっとやはりぐあいが悪いかと考えております。もう少し実情等も調べまして、解釈等についても、できるだけやはり明確にするように通達を出したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/220
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221・向井長年
○向井長年君 その通達の案はできていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/221
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222・中野正一
○政府委員(中野正一君) まだ実は、これはいま研究中でございまして、一つは、できるだけ簡易迅速なもので措置するようにということもございますので、そういう点も含めまして、この法案が通れば、すぐそういう実施面の点について、まあ、いろいろ打ち合わせはやっておりますが、保証協会の意見はやはり十分聞かなければいけませんので、そういうふうにやってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/222
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223・向井長年
○向井長年君 そうすると、その同一場所の問題については、まず、あくまでも原則は市町村区画単位である。しかしながら、実態に即応しない問題もあるかもわからぬから、これは十分研究し、実態に合うように、通達なり政令で出したいと。そうすれば、若干のやはり例外もあり得るということですね。そういうふうに解釈してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/223
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224・中野正一
○政府委員(中野正一君) そういうふうに御了解いただいてけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/224
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225・向井長年
○向井長年君 次に、同一業種の問題については、どう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/225
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226・中野正一
○政府委員(中野正一君) これも同一事業をやっているかどうかということは、社会通念というか、常識的な基準があると思いますので、それで差しつかえないと思いますが、これもいま研究しておりますが、産業標準分類の表がございます。あの表に従って一応の基準というものをきめたいというふうに考えております。これも一応そういう基準でございまして、保証協会が申請を見まして、実際にこれを適用していく、これで差しつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/226
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227・向井長年
○向井長年君 業種が変わったからいかぬというのは、どういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/227
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228・中野正一
○政府委員(中野正一君) これも要するに、三年程度大体同じ系統の仕事をやっておるということであれば、相当信用力があると見ていいじゃないかという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/228
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229・向井長年
○向井長年君 そういう一つの見方もありましょうし、その業種が発展的に拡大して、若干その業種が、言うならば、いままで小売り商をやっておった、それが若干資力を増して製造加工場になっていく、こういうこともあり得ると思うのです。したがって、これはただ単に画一的に同一業種ということでなくて、実情にやはり合った形を考えているのではないかと思うのですが、こういう点は、いま私が言ったようなかっこうでよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/229
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230・中野正一
○政府委員(中野正一君) いま御指摘のような点も、これは同一系統の事業をやっているというような場合は含めても差しつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/230
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231・向井長年
○向井長年君 長官、同一系統の事業しかいけませんか。その事業が三年の間に、ある程度変わった業種をもって営業をやっている、しかも、同一場所において納税をしている、こういうところは、それが該当しないということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/231
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232・中野正一
○政府委員(中野正一君) 全然分類上違った業種をやっておるということになりますというと、一回その事業をやめて、また別の事業をやっているという考え方になるわけでございますので、そういう場合には、極端にもう業種を違ったものに転換しているというものは、この基準に該当しないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/232
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233・向井長年
○向井長年君 そういうことを、これは百万と言われておるが、そういう実情をやはり調査しなければ貸し得ないということになるのではないですか。一方的な申告じゃだめでしょう。申告しましても、ほかにいろいろ手続をしましても、やはりその実態調査をやるということになりますね、事実上。そうすれば、簡易迅速ということがモットーであるけれども、やはり調査をしなければならぬという結果が出てくるのではありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/233
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234・中野正一
○政府委員(中野正一君) これは同一市町村の中に三年間住んでおって、大体同じ系統の仕事をやっておるということでございますので、本人の申告によって、ごく簡単な調査でわかるのではないかというふうに協会あたりは見ておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/234
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235・向井長年
○向井長年君 協会で、どれくらい人がおるか知りませんけれども、金の問題であれば、これは金融の常道だと思いますが、ある程度本人の申告だけで、はい、よろしい、貸してあげましょうと、すぐ借り得るということは予想できない。政府の資金であろうが、銀行であろうが、いま国民金融公庫が非常に簡便ですけれども、あれでも実態調査が非常にやかましい。そういう形で、今度この保証なり担保も要らないという形の、非常に簡易な形で一つの改正が出ておりますけれども、やっぱり事業所の問題とか、あるいはその他の信用状態とか、そういう問題はやはり個々に信用協会等が調査に行くのではなかろうか。また、当然行くべきであろうという考え方を持つわけですよ。そうなれば、ある程度の制限された人員ですから、相当、やはりあと回しというようなかっこうで、期間が長くなるということも予想されるのですが、この点は、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/235
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236・中野正一
○政府委員(中野正一君) ちょっと、現在の保証協会の保証制度でどのぐらい日にちがかかっておるかということをアンケート調査によってとって見ておるわけでございますが、全体の保証を通じまして平均しまして、窓口に来てから保証をするまでに要する日数が、これは従来からある小口保険ですね、それから第一種保険、第二種保険と、こうございますが、全体を通じて二十日ぐらいになっております。ところが、小口保証については、所要の日数はうんと短くなっております。たとえば東京の保証協会の例によりますと、これは御承知かと思いますが、保証には、いわゆる金融機関に金を借りに行って、それじゃ保証協会の保証をとっていらっしゃいというふうに言ってきて保証協会に来る分と、これは追認保証と言っておりますが、それから、そうでなくて、最初に保証協会に来て、何とか借りたいんで、保証して金融機関にあっせんしてもらいたいと、あっせん保証と言っておりますが、この追認保証とあっせん保証と二つございまして、この小口保証で、金融機関のほうから回ってきたもの——追認保証する場合は、これは即日決裁ということで、現在でも一日二日でやっておるようであります。それから協会の窓口に最初来たものは、これは金融機関にあっせんしなきゃいけませんので、金融機関からの要するに承諾通知が来ないと保証しません。したがって、これでも大体一週間程度で小口保証は現在でもやっておるわけであります。今度の制度になりますと、もちろんこれは、税務署等に行って証明をとってこなきゃいかぬという手続はございますが、保証人を立てる必要はございませんので、その証明書を持ってくれば、先ほど言ったように、その人が過去においてその保証協会で事故があったかどうか、それから金の使途がやはり事業資金にちゃんと使うものかどうかというふうな審査をいたす程度にいたしまして、また、三年同じ場所に住んで同一市町村で同じような仕事をしておったということの調査も、比較的簡単にできるんじゃないかと考えておりますので、現在の小口保証よりもさらに短い期間で——二、三日でこのあっせん保証の場合でもできるんじゃないか。これは、相当部分が今度の場合ではあっせん保証になるんじゃないかと思いますが、これも従来の小口保証の半分程度の日数でやらせるように、保証協会を指導したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/236
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237・向井長年
○向井長年君 その指導はけっこうですけれども、それは長官、ちょっと甘いと思うのですよ。いままでであるならば、私も世話した経験ありますが、保証人を立てているから——保証人を立てなければ、あるいは場合によっては、担保を入れなければ、協会が保証しないのですよ。したがって、保証人というものは、ある程度経済的な能力のある人が立っておりますから、これを信用してそういう手続も早い場合があるのですよ。今度は保証人がないから、かえって保証協会は、いま言った調査というものが出てくるということなんです。だから、そのいままでの例を金城湯池のようなかっこうで言われることは、私は逆な場合があり得ると思う。それはいままではみなそうですよ。保証人はりっぱな保証人を立てているから、若干簡便に借りられるわけです。そういう点が、今度の場合は、私は逆な場合があり得ると、それは二月も三月もかかるとは言いませんけれども、しかし、簡易迅速という場合においては、そういう問題がやはり調査対象になって時間を食わざるを得ない、こういう結果が出てくるのではなかろうかということです。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/237
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238・中野正一
○政府委員(中野正一君) これは実際、保証協会の窓口のやり方の問題になりますので、いま保証協会と打ち合わせ中でございますが、先ほど私が申し上げたように、これはごく簡易な審査によって保証しようと、そのかわり、先ほど申し上げておりますように、この保証の対象になる要件というものは、ある程度しぼっているわけでございますので、審査等は簡単に早くやるということでなければいけないのじゃないか、そういうふうに持っていきたいと、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/238
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239・向井長年
○向井長年君 次に、この信用保険の小企業者の定義の中に、企業組合を今度新しく挿入しましたね。これはまあ協同組合的ないわゆる団体だと思いますが、これは、今度新しく入れたというのは何か理由がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/239
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240・中野正一
○政府委員(中野正一君) これは御承知のように、企業組合というものは、主として零細な業者の方々が集まられて、資本と労働をその組合に投入して、各組合員というものは従業員に半分以上なるというようなことで、まあ事業者としての資格を失うというくらいな形になっているわけでございます。したがって、企業組合というものは、一種の会社に近い経営をやっているわけでございまして、かりに小企業者——中小企業のうちで特に零細なものについて、こういう制度をやろうということになると、やはり中小企業者のうちの零細企業者の一員として企業組合は当然扱っていいのじゃないかという議論になってくるわけでございます。これは申しわけないわけですが、従来からこれはむしろ入れておくべきものであったものを、落ちておったというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/240
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241・向井長年
○向井長年君 ちょっと速記を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/241
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242・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/242
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243・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて。
他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後四時二十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X01419650422/243
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