1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十九日(水曜日)
午後六時十六分開会
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委員の異動
五月十九日
辞任 補欠選任
小平 芳平君 鈴木 一弘君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 雅孝君
理 事
上原 正吉君
大谷藤之助君
中田 吉雄君
向井 長年君
委 員
梶原 茂嘉君
岸田 幸雄君
剱木 亨弘君
前田 久吉君
藤田 進君
鈴木 一弘君
奥 むめお君
国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
政府委員
公正取引委員会
委員長 渡邊喜久造君
公正取引委員会
事務局長 竹中喜満太君
通商産業政務次
官 村上 春藏君
通商産業大臣官
房長 熊谷 典文君
通商産業省鉱山
局長 大慈彌嘉久君
通商産業省公益
事業局長 宮本 惇君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○公共料金並びに消費者物価値上げ抑制に関する
請願(第一〇九号)(第二二〇号)
○公共料金値上げ反対に関する請願(第一九六
号)(第一一三四号)(第一一三五号)(第一
二〇三号)(第一二九六号)
○一般物価の値上げ反対及び独占価格の引下げに
関する請願(第三二七号)
○物価値上げ反対に関する請願(第一三八一号)
(第一三八八号)(第二〇五五号)(第二三四
〇号)(第二六〇〇号)(第二六〇一号)(第
二六〇二号)
○中小企業建設業に対する建設機械貸与に関する
請願(第八九四号)
○下請代金確保に関する関係法の整備強化促進に
関する請願(第一五三六号)
○中小企業団体の育成強化に関する請願(第一五
七九号)
○小規模事業の育成強化に関する請願(第一五八
〇号)
○滋賀県に中小企業金融公庫支店開設に関する請
願(第一九九九号)
○政府系中小企業金融機関の資金増額等に関する
請願(第二一九六号)
○公衆浴場業に対する特別融資に関する請願(第
二四九七号)(第二七三九号)
○電気工事業法制定に関する請願(第四一二号)
○盲人世帯に対する家庭電気料金の動力料金なみ
低減に関する請願(第七三四号)
○只見川水系水資源の効率的利用に関する請願
(第一七三七号)
○電灯線引込口に避雷設備設置に関する請願(第
二〇六五号)
○東西貿易の拡大に関する請願(第一七三五号)
(第二一九五号)
○「吉田書簡」破棄及び中国向けビニロンプラン
ト輸出等に対する輸銀融資の即時完全実施に関
する請願(第二二八三号)
○鉱業法の一部を改正する法律案中一部規定の削
除等に関する請願(第一六四九号)(第一六五
〇号)(第一六五一号)(第一六五二号)(第
一六五三号)(第一六五四号)(第一六五五
号)(第一七一六号)
○天然ガスの開発促進に関する請願(第一七三六
号)
○競輪場外車券売場存続に関する請願(第三〇五
号)
○発明、発見者及び考案者にバッジ交付の請願
(第一八四八号)
○「豪雪地帯対策特別措置法」に基づく基本計画
の完全実施に関する請願(第二〇六六号)
○工業用水道事業運営の資金措置に関する請願
(第二七三四号)
○継続調査要求に関する件
○総合エネルギー調査会設置法案(内閣提出、衆
議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/0
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001・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打ち合わせ会の協議事項について御報告いたします。
本日は、まず請願を審査し、継続調査要求の決定をし、総合エネルギー調査会設置法案について審査を行ない、その後の日程については、後刻協議することとなりましたから御了承を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/1
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002・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 第一〇九号公共料金並びに消費者物価値上げ抑制に関する請願外四十二件を一括して議題といたします。
本請願につきましては、慣例により委員長及び理事打ち合わせ会を開きまして、慎重に検討いたしました。以下、お手元に配付いたしました資料によりましてその結果を御報告いたします。
一の物価関係十五件、二の中小企業関係は、第一五三六号を除き七件、三の電気関係は、第七三四号一件、四の貿易関係は、第一七三五号及び第二一九五号の二件、五の鉱業関係は、第一七三六号一件、六のその他につきましては、第二〇六六号及び第二七三四号の二件の請願をいずれも議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
以上御報告いたします。
ただいまの報告のとおり決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/2
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003・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
なお、報告書の作成等につきましては、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/3
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004・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/4
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005・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。
産業貿易及び経済計画等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/5
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006・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、要求書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/6
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007・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 御異ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/7
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008・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 総合エネルギー調査会設置法案を議題といたします。
まず、政府委員から補足説明を聴取いたします。熊谷官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/8
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009・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 総合エネルギー調査会設置法案について、その内容を御説明申し上げます。
御承知のとおり、エネルギーは国民生活及び産業活動に不可欠の重要基礎物資であり、したがって国民経済の順調な発展をはかり、産業構造の高度化を期するためには、エネルギーの安定的かつ合理的な供給を確保することがぜひとも必要であります。
ひるがえって、広く海外におけるエネルギー事情を概観いたしますと、固体エネルギーから流体エネルギーへの移行といういわゆるエネルギー革命の進行、新エネルギー源としての原子力の出現等エネルギーに関する諸情勢は変動を示しつつあり、欧米諸国はこれに応じて、エネルギー供給の確保をはかることの重要性を認識し、このための諸施策を強力に推進している実情であります。特に最近におきましては、北海における大規模な天然ガスの発見、サワラ及びリビアの油田開発、原子力発電の経済性の向上等の実情を反映して、エネルギーの多元的多角的な供給の確保という政策方向が次第に強く具体化されつつあります。
他方わが国のエネルギー事情を見ますと、経済全般の急速な発展に伴い、技術革新の進展、開放経済体制への移行に応ずる産業構造の変化等の諸情勢を背景として、エネルギー源の流体化、輸入エネルギー比率の上昇、新しいエネルギーとしての原子力による発電の実用化等、これまた現在大きな変動を示しつつあります。これに伴いわが国のエネルギー政策に関しましても、石炭についてはその体質改善と長期的ビジョンの確立、石油については低廉かつ、安定的な供給の確保をはかるための国内体制の整備と海外油田の開発、電力については広域運営の強化と原子力発電の開発推進等、解決を要する問題が出覆している状況であります。しかも、これらの諸問題は、個々の種別のエネルギーの問題として検討を進めるのみでは不十分であって、広く国際的かつ長期的視野のもとに、エネルギー全般を総合する観点から施策の検討が行なわれ、国民経済全般の利益に最も適合した望ましい供給体制が確立されるよう配慮する必要があると考える次第であります。
かかる観点から政府といたしましては、従来エネルギー懇談会、産業構造調査会総合エネルギー部会等の審議を通じて総合エネルギー政策の検討を行なってきており、現在は通商産業省の産業構造審議会に設けられた総合エネルギー部会において検討が進められつつあります。しかしながら、総合エネルギー政策樹立推進の重要性と緊急性にかんがみ、一そう強力にかつ抜本的に総合エネルギー政策の検討を行なう必要性を痛感している次第であります。この意味において、さきの第四十六国会の衆参両院の本会議において「総合エネルギー政策に関する決議」が行なわれ、総合エネルギー調査会の設置が要請されましたことは、まことに時宜を得たものと考える次第であります。
政府といたしましては、この決議の趣旨をも体しまして、総合的かつ長期的観点から、各種エネルギーの将来の位置づけを行なうとともに、エネルギー政策の基本的方向の抜本的検討を行ない、さらにエネルギー課税問題等各種エネルギー源間の共通問題の総合調整をはかるため、通商産業省に調査審議のための機関として総合エネルギー調査会を設置することとしたいと考え、この総合エネルギー調査会設置法案を提出する次第であります。
次に法案の概要を説明いたします。第一に、エネルギーの安定的かつ合理的な供給の確保に関する総合的かつ長期的な施策に関する重要事項を調査審議するため、通商産業省に付属機関として総合エネルギー調査会を置くことであります。
第二に、その組織につきましては、本調査会は学識経験者のうちから任命された委員二十人内以で組織することとしておりますが、この他にも必要があるときは臨時委員及び専門委員を置くことができることになっております。また、審議の能率化をはかる見地から必要に応じ部会を置くことができることになっております。
なお、本調査会の運営に関しましては、本調査会が広範かつ多岐にわたる事項について幅の広い総合的な検討を行なう必要があります点にかんがみ、委員の人選については、広く各界からエネルギー問題全般に高い識見と深い学識を待った方々にお願いする方針であり、また本調査会の構成についてはエネルギー種別、事項別に適宜部会を設ける等の措置により審議の充実を期する所存であります。さらに、本調査会には、関係各省の担当官をもって構成する神事会をも設け、各省との連絡にも万遺漏なきを期したいと考えております。
以上が本法案の要旨についての説明であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/9
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010・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 以上で補足説明は終了いたしました。
それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/10
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011・藤田進
○藤田進君 会期末の本日、あと時間も幾ばくもありませんので、至要な点数点にしぼってお伺いをいたしたいと思いますが、会期があるならば、さらに詳細な点についてお伺いをしたいと思うところですが、まず最初に、政府提出にかかる総合エネルギー調査会設置法、案を見ますと、ただいま官房長の補足説明によれば、重要性、緊急性その他情勢を言われたのですが、これに対応するに足る調査会の設置法かと開いてみると、まことにおざなりな、両院本会議における議決があるのでいたし方なくここに提案をいたしましたといわぬばかりのものが出てきたように思われる。しかし、その内容をこれからただして、そうではないのかどうかを明らかにいたしたいと思うのであります。
その第一点は、いわれるように、エネルギーについては、まことに麻のごとく乱れたいまの実情ですが、これを総合的にかつ合理的に安定的に供給施策を講ずるということのようですが、第二条の二項は第一項を受けて、つまり通産大臣の諮問に応じてというワクにとどまらず、諮問はないけれども、調査会の自主的独自の立場で、たとえば石炭企業においては現在の私企業というものを一歩進めて、イギリスでも問題になっている等のごとく、この際は変わった企業形態、資本の所在というようなことを検討する、あるいはその他のそれぞれのエネルギー産業についても同様に、企業そのもののあり方をどうするかといったようなことについても当然作業をし、通商産業大臣にこれが答申をする、単に意見を述べるというだけじゃなくて、一種の建議をする。これを受けた通産大臣はこれを尊重しなければならないと思うのですが、ここにはそんなことはどうも書いてないし、その辺はどうこの法案の解釈並びに答申をする範囲、その答申に関する扱いの基本的態度等をお伺いをいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/11
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012・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 一応私どもとしての、調査会で審議すべき事項といたしましては、第一が各種エネルギーの位置づけでございます。それからまたエネルギー源の相互間の総合調整を行なう、まあそういうようなことを考えて、また同町に石炭とかあるいは石油とか原子力発電とかいうようなものについて、たとえば石炭の適正出炭規模の想定とか、安定的供給の確保とかいうようなこと、あるいは石油産業の自主性の確立というようなこと、また原子力発電の開発推進、まあこういうようなこと、これらを総合いたしまして表現いたしましたのが、「諮問に応じて、エネルギーの安定的かつ合理的な供給の確保に関する総合的かつ長期的な施策に関する重要事項を調査審議」と、こういうことに目的をいたしたのでございます。ただいまお尋ねのように、調査会自体が自主的に種々私、通産大臣に対して意見を述べようということにつきまして、別にそれを拒む理由はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/12
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013・藤田進
○藤田進君 ポイントは、意見を述べたものを拒むなんということは、これは常識上あり得ないことですが、そうじゃなくて、ここには「意見を述べることができる。」と書いてあるが、普通法律用語としては建議するといったようなことがあるのです。これは強くなるので避けられたのかもしれないが、二項にいう、重要事項について必要があるときには、企業形態がこれじゃいかんぞと、こうすべきだという、そういう高次元に立った政策というものを自主的に審議をし、その結論が出た場合には通産大臣にこれが答申をすると、その場合には、諮問している範疇外だとか所掌外であるとかいうような因縁をつけてこれを尊重しないということじゃなくて、これも尊重なさるのかどうかということを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/13
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014・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 多少法律的な問題でございますので、私答えさしていただきたいと思います。
御指摘のように企業のあり方等について審議するのかという問題でございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、各種エネルギーの位置づけを行ないます。行ないます場合は、当然にどういう企業のあり方で、このエネルギーはこのくらいの地位を占めるという基本的な問題に関連してまいるかと思います。したがいまして、そういう点について調査会で審議されるということは当然あり得ると思います。
それから第二点の法文の書き方の問題でございますが、私どもといたしましては、当然そういう意見が述べられた場合に、これを尊重するということは当然であると、かように考えております。したがいまして、先生が御指摘になりました建議というように実質的には考えていただいて差しつかえないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/14
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015・藤田進
○藤田進君 したがって、この調査会がどうも通商産業省の中にばらばらにあるよりも、臨時行政調査会等の結論、あるいはその後に今後検討されるいろいろな事情も新しく出てくるかもしれないが、エネルギー省というか、動力省を設けろというようなこともかなり大きな問題です。国家行政組織に関する問題だが、そういうこともこの調査会では結論を出すことも決してこの法律に違背するものではないと、そういうことは言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/15
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016・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) こういう位置づけをし、基本的な方向でこういう施策をやってもらいたいというのが調査会の結論として出てくる場合に、そういう基本的な方向で行政を進める上においては、どうしてもこういう機構が要るというような調査審議の結果になりますれば、そういう点も入ってくると思います。ただ、先生御承知のように、行政機構改革の問題はいろいろな面の別個の観点からの人員の節約とか、そういう問題がございますので、それは別個の観点から別な機関で行なわれるということにはなろうと思いますが、いまおっしゃったような点は出てくる場合があり得る、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/16
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017・藤田進
○藤田進君 この辺で通産大臣にお伺いしますが、いまの官房長の説明は、これは通産大臣としてもそのとおり了承されているところですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/17
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018・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/18
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019・藤田進
○藤田進君 次に、現在原子力委員会、あるいは石炭産業には石炭産業の、石油は石油の、電力は電気事業審議会とか、いわばエネルギーに関するそれぞれに併置された審議会があります。それに産業構造審議会でしたかね。いまとりあえずエネルギーに関する民間のものは別として、行政審議会というものがどういうものがどのようにあるかお聞かせいただきたい。事務当局でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/19
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020・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) まず総合的なものといたしましては、御指摘のように産業構造審議会の下部機構に総合エネルギー部会というのがございます。これはこの調査会ができました場合は発展的に解消するつもりでございます。それから個別の審議会といたしましては、石油業法に基づきます石油審議会がございます。それから石炭につきましては、合理化臨時措置法に基づきます石炭鉱業審議会がございます。それから電気につきましては、電気事業法に基づきます電気事業審議会が発足する予定になっております。個別には以上の三つでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/20
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021・藤田進
○藤田進君 この通商審議会の項を削るというこの附則の趣旨は、この調査会と全く屋上屋になるという趣旨ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/21
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022・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 通商審議会を削りましたのは、行政簡素化といいますか、行政機構の簡素化を進める上におきまして、一つの審議会なり調査会をつくります場合は、できるだけ過去のものをなくするというのがいままでの方針になっております。この通商審議会というのは、実体的にはエネルギー問題を審議しておる審議会ではございません。これは通商問題を審議しておる審議会でございますが、そういう事情にございますので、われわれといたしまして、これは必要なんでございますが、廃止せざるを得なかった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/22
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023・藤田進
○藤田進君 これは大蔵省が言うのかもしれないが、これは国務大臣とされてどうなんですか。通商審議会というのはずいぶん大臣も引例してこられたわけですが、お気の毒なことになるわけですね。こっちをつくるとこっちは引っ込む、これはちょっと不合理じゃないですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/23
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024・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 御承知のように、産業構造審議会の国際経済部会の輸出入取引審議会、こういうものがございます。それから大体上期下期に一回ずつ最高輸出会議のようなものも設けておりますので、それらのほうで補いがつく、こういう判断に立ちまして、やむなく、新たに総合エネルギー調査会を設けるために通商審議会のほうを廃止する、こういうことにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/24
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025・藤田進
○藤田進君 その点はまた時間があれば後に伺いますが、それぞれ石油、石炭あるいは産業構造、電気等々、御答弁のように審議会がある。私どもが両院議決の際に示しました態度としては、本来こういう通産大臣のもとに審議会がすでにあるので、さらにこれを調整統合して、かなり高度な立場から国の施策を講ずるという意味で、両院本会議は調査会法なるものを議決したのであったのですが、私も提案作業並びに賛成討論をした一人ですが、その点が記録上強調されていないということで、通産大臣のもとに置くことになったことは、きわめて私は遺憾とするものです。しかし、現在この法案を、だからといって日の目を見させないということでなくて、将来漸次これが改正を加えていくなり、抜本的に置きかえるなりというつもりでいるものですが、それにしても、出発いたします場合に、これが委員の任命については、委員なり臨時委員、それぞれ学識経験者の中からという通り一ぺんの文句なわけですが、これはよほど委員の有力なメンバーをそろえて、電気事業審議会、石炭、石油あるいは産業構造、これらの総合的に、さらに上に立つといいますか、そういうもので構成をされませんと、有名無実になって、産業構造審議会のエネルギー部会の学識経験者よりも見劣りのするものがこれをやってみたところで、意味のないものであります。そこで通産大臣は、これが委員の任命にあたっては、どういう考え方で委員の構成をされようとするのか、重要な点でありますから、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/25
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026・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 今回の調査会が、ただいま御批判のように、どうして総理府のほうに置かないのか、もっと強力な組織が考えられたのじゃないかという点があろうかと思います。しかし、この調査会が両院の決議に基づいてつくられるということについては、これはこのつくられる過程を考えますと、間違いのないところでございまして、そういう点からいたしますれば、通常の調査会よりは、そのような裏づけがある調査会であるということで、私は決して弱体なものとは考えておりません。また、そういうことであってはならないということで、ただいまお話のとおりに、この調査会の委員の人選につきましては、慎重に検討していきたいと思います。少なくとも石油、石炭、電力、原子力の関係等を考えまして、それぞれの最も高い見識のある方を選ぶのはもとよりでございますが、また、従来ございます審議会の会長等になられておられる方も、ぜひ御協力を願う意味において委員に参加をしていただきたい。お話のとおり人選につきましては、この調査会が強力なものになるように配慮をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/26
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027・藤田進
○藤田進君 そこで、この委員の二十名という算出の基礎はどういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/27
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028・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 先生御承知のように、従来総合エネルギーにつきましては、現在は産業構造審議会の総合エネルギー部会でやっているわけでございますが、その前のときには産業構造調査会というのがございました。その下部機構として、同じく総合エネルギー部会がございました。その当時の過去を振り返ってまいりますと、大体委員の数が十二名から十五名ぐらいでいろいろ審議をしておられるわけでございます。今回の調査会は、先ほど御指摘のように、各種エネルギーの審議会との関係もございますし、より強力なものにするという意味で、これがあまり多くなりますと、なかなか運営もむずかしいと思いますが、二十名程度ならば、いま申し上げた過去の実績から見ても、あるいは今後の方向から見ても、適当なことではなかろうかということで、そういたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/28
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029・藤田進
○藤田進君 そうすると、二十名は最大のワクであって、二十名でなくて十二、三名で発足して、必要があれば追加するとかそういうことではなくて、二十名と明定する以上、当初の発足から二十名という委員を厳選し任命して、これが調査会の発足をはかる。これが鉄則でなければならぬと思うのですが、そういう扱いでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/29
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030・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 御指摘のようにしてまいりたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/30
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031・藤田進
○藤田進君 いかなる委員会でもそうあるべきだろうと思うのですが、通産大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/31
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032・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま政府委員よりお答えさせたとおり、私も最初より二十名を全員任命をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/32
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033・藤田進
○藤田進君 そこで、補足説明を聞きますと、委員の人選については、学識経験者だが、さらに具体的に指摘すれば、広く各界からエネルギー問題全般に高い見識、深い学識と、こうなるわけです。その各界という意味は、エネルギーの生産あるいは消費、あるいは学問的にといったような、そういう考え方の各界、こういう意味ですか、どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/33
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034・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 具体的に申しますと、いま御指摘がありましたように、生産者の関係も入っております。それから特に私どもが今後重点を置きたいと思いますのは、需要業界というごとも当然入ると思います。それからこういう問題を海外との比較をいたします場合には、海外の調査研究ということも必要かと思います。そういう意味合い、それから過去の調査会の経験等からいいまして、第三者的なといいますか、いわゆる学者の方々、エネルギーの問題について非常に造詣の深いそういう方々にお願いしてまいりたい。大体そんなことを考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/34
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035・藤田進
○藤田進君 これは企業形態なり、このエネルギーの方向性いかんによっては各般の影響を持つわけで、いま言われた、抽象的ではあるが、これは当然の範疇だと思います。同時に、それぞれのエネルギー産業における雇用関係を持つ労働者並びにそれが団体とか、そういうものからも二十名の調査会である以上、これが参加を願うということはきわめて当然だろうと思うのです。この辺は、どういう考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/35
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036・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 総合エネルギーの政策の問題は、御指摘のように労働問題とも当然関連すると思います。そういう意味合いにおきまして、労働問題についての深い学識経験を有する方々を委員としてぜひ選任したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/36
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037・藤田進
○藤田進君 これはどういう考えですか。たとえば、たまたま学識経験者の中に国会議員がいるという場合には、これを任命なり要請なさるのですか。これはもう特定のものについては、あらかじめ選考の範囲から除くということなのか、そういうものがあるとすれば御指摘いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/37
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038・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 非常にむずかしい問題でございますが、私ども事務当局の考え方といたしましては、国会議員の方々でそういう面に非常に御造詣の深いという方々がたくさんいらっしゃることはよく承知しておりますが、ただ、入れました場合に、どちらかといいますと、率直に申しまして、学識経験という面よりは、やはり国会議員という面が強く一般的には出てまいりますので、そういう方々はさしあたりは任命しない、こういう考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/38
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039・藤田進
○藤田進君 まあ社長は社長ということが本来の職務で−そのほかにどんなものがありますか、任命しないというのに。さしあたりは遊んでいる者だけ集めることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/39
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040・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) ほかに別段こういう方がいかぬという考え方は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/40
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041・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 実は国会議員の中でエネルギー問題についての非常に高い見識をお持ちの方ももとよりおられるわけでございますが、実は昭和三十四年の一月二十二日の行政審議会の行政制度の改革に関する答申というのがございまして、行政上の諮問機関たる審議会等の委員に国会議員を当てるべきでないという答申があること、これは御承知だろうと思います。それで今回の場合どうするかということについての省内での打ち合わせ、このこともございますし、先ほど政府委員よりお答えさせたような見地も考えまして、国会議員の本来のお立場でいろいろ御意見をちょうだいするほうがいいのじゃないか、こういう考え方に立っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/41
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042・藤田進
○藤田進君 これも時間があればあとで質問します。
そこで、今国会でこの法案が成立いたしますれば、以上のような委員が構成され、発足されるわけですが、めどとしてはいつごろこれが発足の予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/42
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043・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 国会の議を経て成立いたしますれば、できるだけ早い機会——七月一日からでも発足したいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/43
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044・藤田進
○藤田進君 従来、まあ産業構造審議会のエネルギー部会とか、あるいは民間のエネルギー懇談会とか、いろいろなものがございますが、一応法律の中にあります審議会の中のエネルギー部会とかいうものとの関係ですね。これは別に総合エネルギー調査会ができたら部会は取りやめるということになるのか。並行してそれはそれなりに持っておみえになるのか、どういう扱いになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/44
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045・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 調査会が発足いたしますと同時に、従来の産業構造審議会におきます総合エネルギー部会は解消いたしたい、廃止いたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/45
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046・藤田進
○藤田進君 この「必要な事項」の省令ですが、いま予定されているものは、通商産業省令ではどういうものが考えられておりますか。たとえば調査会の運営のこととか、そういったものが省令で出てくるのか、どういうものを予想されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/46
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047・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 実体的な問題といたしましては、このエネルギー問題は通産省が主力になってやるわけでございますが、各省に関係いたす面もあるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、各省との緊密な連絡ということがぜひとも必要だと、かように考えますので、幹事会制度というのをこの規定によりまして設けまして、緊密な連絡をはかってまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/47
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048・藤田進
○藤田進君 いや、省令は、いま予想されるのは幹事会の定めを省令でということですか。そのほかに、まあこの会は会長を置くんだが、委員の互選で。そして会議の運営はまあ常識的にしていくのか、あるいは省令あたりでその運営規程をおきめになるのか、どういうことですか。予算のこととか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/48
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049・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 予算につきましては、これは別個な問題でございますので、現在これがために四百三、三十万円の予算をすでに御審議を願って成立をはかっていただいてあるのでございますが、別個な問題でありますので、規定ではきめ得ないと思います。運営の問題につきましては、だんだんやってまいりまして、やはりこういう規定ではっきりきめたほうがいいということになりました段階では、そういうことも考えてまいりたいと思いますが、さしあたりは規定でなしに調査会の運営として、運営規程という程度でやっていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/49
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050・藤田進
○藤田進君 そうすると、いまの省令で予定されるのは、幹事会といったような条項が省令で出てくるということと、調査会の議事運営は調査会が自主的に運営規程を創設する、それによって運営をされるということなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/50
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051・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) その予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/51
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052・藤田進
○藤田進君 そこで予算関係は、これは活動いかんにもよりましょうが、相当のエキスパートがこれが審議に当たられるということになれば、その人本来の職務と競合もしますし、まあできるだけこれにこたえるについては手当というか、あるいは専門委員等についても、それぞれ遠隔の地から来れば旅費その他そういうものについては、まずまずこれが十分な運営がはかり得るという予算的見通し——四百数十万だろうが、これが他の委員会との移流用で得られる場合もあろうし、もらう場合もあろうといったようなことで、支障のない裏づけがこれは当然必要だと思うのです。これらについていま試算をされているとすれば、もっと詳しく御説明をいただきたい。年に何回くらい開くとかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/52
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053・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) まず予算について御説明申し上げますと、こういう調査会とか審議会の予算といいますのは、先生御承知のように、なかなか多くの額が取れないというのが例でありまして、平均いたしてみますと、大体七、八十万円というのが普通でございますが、先ほど来から御指摘のように、本調査会といいますものは非常に重要性のある調査会ということで、四十年度の予算につきましては、トータルといたしまして四百二十三万というものを計上いたしておるわけでございます。それから年度間にどの程度開くかという御質問でございますが、先ほども申し上げましたように、この下にいろいろな部会というようなものができるわけでございます。その部会によりましては、いろいろなデータを集めるような作業もございますので、相当ひんぱんに行なわなくちゃいかぬ、かように考えております。ただ本委員会といいますか、調査会としましては大体年四、五回程度予定いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/53
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054・藤田進
○藤田進君 発足せられてその実をあげられる、そのためには委員の任命なり運営というものを適切にはかっていただきたいと思います。
予定いたしました時間も参りましたので、私はとりあえず現段階では以上にとどめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/54
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055・向井長年
○向井長年君 基本的な問題ですが、この第二条に、「通商産業大臣の諮問に応じて、」ということ、それから特に「エネルギーの安定的かつ合理的な供給」、そうして「総合的かつ長期的」とこういうことをいわれておるのですが、これは通産大臣、現在までは通産省所管として石油にしてもあるいは石炭、電力、ガス、すべてが通産省所管です。これが現在までは安定かつ合理的な総合的な長期計画、こういうことがやられておらないのかおるのか。これをお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/55
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056・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 各審議会におきまして、ただ当面の問題についての審議をしておるだけでなく、ある期間の見通しは立てておったと思います。しかしながら今回の調査会が目的としておりますように、総合的な長期的な安定的な計画というようなことについては、これは不足しておると思うわけでございまして、その辺が従来の場合とだいぶん違うと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/56
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057・向井長年
○向井長年君 たとえば先般審議しました石炭の問題ですが、かかるような問題は、一応石炭の合理的ないわゆる安定のためにああいう措置をとったと思うのです。これは長期ではないと思うのですよ。あるいはまた合理的ではないと思うのです。いわゆる一電力なら電力にしわ寄せした、こういう経過が出ておりますね。非常にその業界においても不満を唱えた、こういうことになると、これは合理的でもなければ長期的でもない。いうならば、その場の形としてああいう措置がとられておる。こういうことですが、そういう問題は今後すべてこの総合エネルギーという立場からなくしていくのだ、総合的にそれを考えていくのだ、こういうことになってくると思うのです。だからそういうことを考えるならば、合理的ということばは非常に便利なことばですが、やはりいわゆる資源的な、あるいはそれに対するところの安定的な形で出てこなければうそだ。そういう問題を、通産省としては今日まで考えなければならぬ問題が考え得られなかった。今度は総合エネルギーの中でこういう問題を処理し、諮問をし、答申を経てやるんだ、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/57
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058・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) お話のとおりでございます。石炭の場合、四十二年度を目標としての答申を得たわけでございますが、その答申が他のエネルギー資源との関係の上におきまして、はたして妥当であるかどうか、そういうような点をもう一つ今度長期に展望して考えていくべきではないかと思うのであります。先ほども申し上げましたように、特に石炭につきましては、適正出炭規模の想定と安定的供給の確保ということを他のエネルギー資源との関係においてよく検討してみたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/58
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059・向井長年
○向井長年君 そうしますと、通産大臣が総合エネルギー政策として一応この機関に諮問をするということになれば、どういう答申が出るかは別として、総合的にエネルギーを考えていくならば、いわゆる開発ですね、そういう問題については統制的な方向をとらざるを得ない、ある程度ですね。事業者はほとんどこれは民間企業なんですね、石炭にしてもあるいは電力にしてもあるいは原子力もそのとおり。そうなってまいりますと、日本の産業構造、あるいは国民生活の中で、いわゆる需要がこれくらい五年後には必要である、あるいは十年後はどうだ、こういう一つの想定の中から開発を行なうと思うのですよ。それにはやはり経済性が伴わなければならぬ。こういう中でやっていこうとするならば、いわゆる計画統制というものが出てくると思うのですよ。そういう問題はただ単に一事業あるいは一企業、こういう問題じゃなくなって、統制的な方向をとるというかっこうになってくると思うのですがね、その点を考えれば。この点通産大臣はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/59
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060・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) いまのお話のような点こそ私どもがこの調査会においてどのようにお考えくださるのか、われわれとして期待いたしたいのでございます。ただ、この時点でどういうふうに想像するか、こういうことになれば、おのずからそれぞれの立場で考えはあろうかと思いますが、私といたしましては、まず第一に内外のエネルギー事情、これを詳細に分析してみる、それと国内資源との関係ということが出てくると思います。そうして、そういう現状分析の上に立っての総合的かつ長期的観点からの各エネルギーの位置づけがどうなってくるか、こういうことになってくると思うのであります。たとえば中には電力のように、国内において十分開発が進み、火力ができる、こうなってくれば、これについてそう統制的な事項というものはあまり考えられないのじゃないかと思うのであります。しかし、非常に不足するようなものとか、あるいは海外との関係の上におきまして、原子力のようなものにつきまして、これが自由にやっていいのか悪いのかというような点は問題になってくるかと思いますが、これはいずれもこの新たに発足する調査会において十分御検討を願って、よい建設的な御意見をちょうだいしたい、こう思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/60
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061・向井長年
○向井長年君 建設的な御意見を伺って、それに対して政策をきめるということは、これは当然のことだと思うんですよ。ところが問題は、総合エネルギー政策というものは、諮問はするにしましても、通産省が所管ですから、しかも各産業、エネルギー産業そのものが通産省所管ですから、そういう中で、先ほど言った長期計画の中で開発という問題が出てくるならば、これに対して一つの通産省は試案を持つと思うのです。何かなしに、わけもわからぬでこれはどうしたらいいかというような誤聞のしかたでなくて、やはり局部内においては一つの政策を持つ、そうなってくると、これは経済性が伴っているんですよ。したがって、かりにもっと具体的に言うならば、石油を使って電力の場合開発する、これは経済性は非常に有利である。しかし石炭を使えば経済性は非常に悪くなる。こういう問題が具体的に出てくると思うんです。あるいは原子力問題もそのとおり。これは民間にいま依存しておりますけれども、その問題が五年あるいは十年に一つの計画を持った、それに対してのやはりキロワット当たりの単価がどうなるか、こういう経済性というものを加味して開発というものを行なってくる。そういう場合に通産当局としては、まずそれの裏づけになる資金の問題、あるいは国の政策としてそれをどうするかという問題、いろいろな問題が伴ってくるが、すべてはこれは総合エネルギー調査会に一応諮問をする。こうなってくると、そこで経済性の問題が無責任な形で答申はできない。いわゆるそれに対する開発の資金の裏づけの問題も内部的には出てくるだろうし、あるいは価格の問題が出てくるだろうし、そういう問題について通産大臣はどう考えますかと、こういう質問です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/61
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062・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 御指摘のような問題は調査会でも取り上げられるところだと思いますが、当面私どものねらいといたしましては、いま前段でお話がございましたが、石炭と石油との関係をどう見ていくのであるか、また内外の関係からいたしまして、国内におけるエネルギー資源をこれを重要視することは当然でございます。そういう場合に、石炭とかあるいは電力とか、原子力ではどの程度確保できて、そうして石油関係ではどういうふうに補いをつけていくのかというような、そういう点を総合的に、しかも長期的にエネルギーがどの程度伸びて、どういうふうに確保していくのかというような石炭、石油、電力、原子力、これらを総合したところの調査をまずお願いをいたしたい。そうしていまお話の中には、従来ございます個々の審議会でお願いをする面も相当あろうかと思うのであります。とりあえずのところは、ただいま申し上げたような総合的、長期的な面をひとつ御調査を願いたい、こう思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/62
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063・向井長年
○向井長年君 個々のエネルギー産業についての位置づけというものは現状においては不十分である、まあいうならば十分できておらない、こういう中から位置づけを明確にしなければならぬ。位置づけをするためには、当初言ったように、やはり総合的に検討した中からおのおのの産業の位置づけというものをつくり上げなければならぬということになると思うのです。そうなってくると、位置づけを、これは答申の中で検討される問題かもわかりませんよ、しかしながらその位置づけをしようとするならば、合理的あるいは経済性という問題が伴わなければ位置づけはできないと思うのですよ。その経済性を伴うということになってくると、どういう人たちが、学識経験者がどういう意見を出すかは別といたしまして、われわれ常識で考えると、ある程度の制限、統制をしないと出てこないのじゃないか。現在の企業の形では出てこないのじゃないか、こういう感じがするわけです。これは自由企業の民間企業ですから、そういったような中ではそういう位置づけは困難性がある。困難性があるために今日まで十分な位置づけができなかった、こういう結果が出てくるのじゃないかと思います。そういった意味で、先ほど藤田委員が言ったように、問題は研究の中でそういう問題は出てくると思います。企業自体の問題ではなくて、それに伴う経済性もあわせてそういう問題が出てこなければ総合的な位置づけはできないじゃないか、こういうふうに痛感するのですが、その点はどうですか。こういうことを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/63
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064・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御見解も当然その調査会で出ると思います。しかしこれは従来の場合を考えてみますと、石炭を自由企業でいけるように、四十二年度を目標にこれらの施策をせいということが従来の答申でございますが、しかし石炭の関係を総合的に見ていった場合に、それではたしていいか悪いかというような御議論も出る、あるいは御指摘のようなそういう答申もこの調査会は出すかもしれません。出す場合には、それは当然われわれとしてはその御意見を尊重して、具体的な施策に移していきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/64
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065・向井長年
○向井長年君 通産大臣、非常にりっぱなことを言うておられるが、非常に大きな問題なんですよ。これは産業構造のきわみにまで触れる問題だと思うのですよ。したがって、ただ単に電力あるいは石炭はこうなっておるからこれはどうするかという、そういう簡単な問題じゃなくて、総合的な企業自体の問題から、あるいは今後の国際競争に立ち向かう問題にもなるだろうし、こういう点になってくると、これは非常になんというか、この調査会の任務というものは大きいと思うのですよ。それは答申はしたけれども、それが尊重といっても、事実上現在の事態になれば実施できない、こうなってしまえばおしまいですけれども、本来そういうところまでいかなければ総合エネルギー政策というものは確立できない、そのためにはやはりこの調査会というものは、当初言ったような大きないわゆる次元の高い高度の中でこの調査会は発足しなければならぬ、そうしてやはり重要な日本の産業構造から、あるいはすべてのエネルギー、国民生活、こういうところに及ぶ大きな問題のようにわれわれは取り上げておるわけです。だからいま通産大臣は、そういうことが出れば尊重いたしますと言うが、そういうところまで検討しなければこの意味がないのじゃないかというわれわれ考えを持つわけなんです。ただ単に、おざなり的に一年に五回開きます、あるいは三回やります、こういうことでは本来の総合エネルギー対策というものは確立できない、少なくともいま通産大臣が諮問しようとするならば、私が先ほどから言ったようなものを、まず日本のエネルギー政策をどうするか、企業を含めた中でどうするかということを諮問をして、そういう問題から取りかからなければ実際この意義はない、こういう感じを私は持っておるのであります。だからその点については、何だかどうも国会で決議されたから、それに応じて総合的に考えるのだということで、非常に称賛されたような考え方を持っておるけれども、基本的な問題としてはそういう大きな問題を持っておるということを通産大臣は痛感されておるのかどうか、またそういう問題まで諮問されてやるというお考えがあるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/65
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066・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 私どもとしてこの調査会を設置する以上におきましては、ただいま御指摘になったように、真剣にこの日本の将来のエネルギーが総合的にどう考えられるべきものであるかということについて取っ組んでいきたい、こう思っておるのでございます。またそのようなことを申し上げては恐縮でございますが、海外のエネルギー政策に対処しておる状況を考えますときに、日本もやはり相当真剣に、もう少し突っ込んだ考え方をしなければならないというようなことをしみじみと感じさせられるわけでございまして、昨年エネルギー調査のために海外にまいりました諸君からも御意見をちょうだいしておって、そういう国際的な事情をも考えますときに、今回の調査会が、御指摘のように非常に掘り下げて研究すべき機関である、おざなりのことであってはならない、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/66
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067・向井長年
○向井長年君 基本的な問題はそれくらいにしますが、時間もないようですが、もう一つ小さい問題になるかもしれませんが、こういう調査会が発足する、これに対する事務局はどこでございますか、通産省の中の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/67
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068・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) この調査会の関係事務を処理いたしますのは、単に一部分ではできないと思います。公益事業局に関係し、鉱山局に関係し、石炭局に関係する、こういう広範なものでございます。したがいまして、そういう面の専門家を動員いたしますと同時に、やはり総合的に取りまとめをしなければならないと思います。そういう総合事務は官房でやりたいと思っております。官房の機構といたしましては、これは来年度につきましては、さらに必要に応じて強化をはからなければいけないと考えておりますが、さしあたりは、官房に官房参事官制度がございます。したがいまして、これの特命事項といたしまして、鋭意これに当たらせたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/68
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069・向井長年
○向井長年君 そうすると、それに対して関係部局は一応そういう事務局に加わるのか、あるいは専門委員にでも出てくるのか、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/69
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070・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) これは官房の兼務といたしまして、事務局的に加わってくる、専門委員として加わるんではなくて、事務局的に加わる、こういうことにする予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/70
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071・向井長年
○向井長年君 そうすると、いまの個々の審議会では専門委員のような形で通産省から人が出ておりますが、今度はそれは専門委員には出さない。それで学識経験者の中から法文にあるように専門委員を選ぶことができる、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/71
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072・熊谷典文
○政府委員(熊谷典文君) 仰せのとおりにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/72
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073・鈴木一弘
○鈴木一弘君 一つだけ。これは大臣に伺っておきたいんですが、第二条のところの「諮問に応じて、」「重要事項」ということですがさっきの補足説明を聞いておりますと、重要事項の中に、エネルギーの位置づけとか、政策の基本的方向の検討とか、そのほかに出てくるのは、先ほど答弁にもございましたが、いわゆるエネルギー課税問題というような問題もはかる、そういうことになって、それが大臣のほうに意見として述べられてくるわけです。そうすると、このエネルギー課税というような問題になれば、実際問題としては税金問題になれば通産省の所管でないが、その辺のところはどういう扱いを通産省としてはやっていこうとしているのか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/73
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074・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど政府委員よりお答えさせましたように、これが運営のために関係各省から派遣される者で幹事会を構成いたしますので、その幹事会において処理をしてまいりたい。また必要があれば、その答申を受けました私自身の責任において処理をすべきであると思います。そのためには、いまのお尋ねの税金問題であれば大蔵大臣との間に折衝すべきことであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/74
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075・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/75
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076・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記を始めてください。
暫時休憩いたします。
午後七時二十六分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814461X02019650519/76
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