1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月十三日(火曜日)
午後一時四十九分開会
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委員の異動
四月十三日
辞任 補欠選任
岸田 幸雄君 大谷藤之助君
吉武 恵市君 堀本 宜実君
田上 松衞君 田畑 金光君
出席者は左のとおり。
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委員長 小柳 勇君
理 事
亀井 光君
堀 末治君
阿部 竹松君
大矢 正君
委 員
石原幹市郎君
大谷藤之助君
川上 為治君
剱木 亨弘君
郡 祐一君
徳永 正利君
野田 俊作君
二木 謙吾君
堀本 宜実君
山下 春江君
阿具根 登君
大河原一次君
石田 次男君
田畑 金光君
国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
政府委員
通商産業政務次
官 村上 春藏君
通商産業省石炭
局長 井上 亮君
通商産業省鉱山
保安局長 川原 英之君
通商産業省公益
事業局長 宮本 惇君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案付
○派遣委員の報告
○電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/0
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001・小柳勇
○委員長(小柳勇君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
委員の異動について報告いたします。本日、田上松衛君が委員を辞任され、その補欠として田畑金光君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/1
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002・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
このたび当委員会が行ないました日鉄鉱業株式会社伊王島鉱業所爆発事故の実情調査のための委員派遣について、派遣委員から御報告願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/2
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003・阿部竹松
○阿部竹松君 日鉄鉱業株式会社伊王島炭鉱の災害に対する委員派遣につき報告申し上げます。
去る四月九日六時ごろ発生した日鉄伊王島炭鉱爆発災害を調査するため、石炭対策特別委員会上り小柳委員長、鬼木理事、二木、田上の両委員と私の五名、社会労働委員会より阿具根委員が派遣されまして、災害発生の当日である四月九日出発、現地の実情を調査をして、昨十二日帰京いしまして、本日ただいまその調査の結果を報告申し上げる次第でございます。
初めに、調査日程を簡単に申し上げますと、四月九日、羽田より空路福岡に到着、直ちに福岡通産局並びに福岡鉱山保安監督局より資料の提出を求め、一応の説明を聞き、翌十日朝福岡出発、信崎港外の伊王島に直行いたしました。現地において宇野日鉄伊王島鉱業所長、川原通産省鉱山保守局長及び大関福岡鉱山保安監督局石炭第二課長より説明を聴取した後、災害発生坑口におもむき、黙祷をささげて犠牲者の冥福を祈り、次いで、日鉄伊王島鉱業所病院を訪れ、副島院長から犠牲者及び負傷者の状況並びに医療処置等について説明を聴取した後、病室の被災者を見舞い、次いで、日鉄伊王島労働組合をたずね、大野組合長から意見を聴取いたしました。同日は長崎に泊まり、翌十一日長崎発博多経由、十二日帰京いたしました。
次に、調査の概要について申し上げます。
日鉄鉱業伊王島炭鉱は、長崎湾の西方約十一キロメートルに位置し、高畠炭田に包含され、炭質は七千六百カロリーの弱粘結原料炭で、推定埋蔵炭量は約一億二千八百万トン、総可採炭量約四千万トンといわれております。出炭量は昭和三十五年度三十八万トン、本年度採炭予定量は四十万トンが予定されており、いわゆるビルド鉱であります。なお、鉱山労働者は三月未現在で千二百二十名であります。
災害の発生個所と推定されている場所は、伊王島鉱業所の本卸し坑口から四千三百メートル下の三区D八号払いの地点でありまして、この炭層は三尺層で、払いの長さは百四十メートル、採炭方式はホーベル採炭であります。当払いの人員は、一方四十五人程度で、日産約五百ないし六百トンを出炭しております。通気は本卸しを入気とし、第四本卸し、第四幹線を通り、上述のD八号払いを経て排気口に至っております。通気はD八号払いにおいては毎分約三百立方メートルを確保していたといわれております。
爆発事故は九日六時ごろ発生したものと推定されますが、当日の三番方は百七十三名入坑し、D八号払いは四十五名配番されておりました。三番方は八日午後十一時入坑、九日午前五時四十五分ごろ作業を終了し、ホーベル機等、一切の動力をとめ、交代の準備を始め、すでに一部の者は作業場から坑口に向かって帰りかけておりましたが、六時五分ごろ突如としてガス爆発が起こり、四十五名の入坑者中、死亡三十名、重傷四名、軽傷十名の被災者を出し、一名は事故発生前に昇坑のため無事でありました。
事故発生直後、直ちに鉱業所の救助隊は作業を開始し、負傷者は坑口から約百メートル離れている鉱業所病院に入院せしめ、応急措置を行なう一方、長崎大学医学部に救援を求めたところ、麻酔学教室後藤助教授ほか二名の、医師及び看護婦二名がバート麻酔器、酸素吸入器等を持参して救援にかけつけ、応急措置に協力されました。負傷者のほとんどが顔、腕、頭等に火傷の上、打撲、骨折等の負傷を受けていましたが、一酸化炭素中毒におかされていることも予想されるので、さらに九州大学神経内科黒岩教授、加藤助教授に福岡より自衛隊のヘリコプターにて来県協力を求め、これらの処置のほか、医療用耐圧酸素容器を必要とする場合には急送できるよう佐世保米軍に依頼いたしましたが、医師による負傷者の診断では、現在までその必要はないとのことでありました。以上のほか、長崎大学医学部、日赤嘉穂鉱業所病院等の医師及び看護婦の協力を得て応急治療を行なうとともに、三十名の遺体の収容にも全力をあげ、九日午後十一時までに全員を収容したとのことであります。
被災者の死因は、爆発時の外傷によるもの及びあとガスによる一酸化炭素の中毒死も予想されるが、副島鉱業所病院長等の説明によれば、まだ診断所見等が明らかとならないので、明確な死亡原因は発表できる段階に至ってないとのことでありました。
今回の事故の被災者は、皆日鉄伊王島鉱業所の従業員であって、死亡者は二十九歳から五十歳までの年齢で、四十歳前後の者が最も多く、職種別では採炭夫十六名、採炭係員二名、掘進夫八名、仕繰り夫二名、坑内機械夫一名及び坑内電工一名の合計三十名であります。
次に、今回の被災者の一人当たり平均賃金は千三百六十六円であるから、遺族補償、葬祭料、療養補償費等は合計約五千万円と見込まれており、補償費は、この災害の原因に会社の責めに帰すべき理由がない限り、労災保険より支給されることになっているので、長崎県労働基準局では、遺族補償及び葬祭料の支払いが一週間以内に可能となるよう手配方措置済みとのことでございした。また、災害発生とともに、沖田福岡通産局長、麻田福岡鉱山保安局長、泉九州大学事務局長、名取長崎大学事務局長、森剛長崎労働基準局長及び長崎県民生労働部長、衛生部長等にて長崎市臨時伊王島災害対策協議会を設けて災害対策に当たるとともに、通産省川原鉱山保安局長以下関係者も現地に急行し、災害対策並びに事故の原因を究明するため、調査を始めていました。坑内は十日午前六時ガス排除が完了しましたので、坑内全域の調査を開始したが、十日午後二時現在、爆発事故はガスによるものと推定されるが、何の原因によるガス爆発であるかは明確でなく、現場は捜査中で、まだ保安要員以外の入坑は禁止されておりました。坑内の再開は保安検査の上、安全が確認された後になるので、見通しはつかないとのことでございました。
次に、日鉄伊王島鉱業所労働組合大野組合長は、今度のガス爆発の原因はぜひ究明しなければならない。最近、三井三池、北炭夕張次いで今回と、ガス爆発による大災害が再三にわたって発生している。災害の発生のたびに同じような事故対策では今後の事故防止は絶対にできない、もうこれ以上労働者の犠牲を出さないようにしなければならない。したがって、坑内のガス対策についても、鉱山保安法の改正その他必要な措置をやってもらわねばならない。それとともに、鉱山保安の監督行政も徹底的にやっていただきたい。また、鉱山保安は労使の区別なく、共通の問題としなければならない等々の意見が述べられました。なお、四月十日午後、被災者の弔慰金その他の補償について事業主と団体交渉を行なう予定であるとのことでございました。
以上が今次災害の概要でありますが、最近における三井三池、北炭夕張とガス爆発が相次いで発生し、多数の犠牲者を出していることは、まことに遺憾にたえないところであります。われわれは犠牲者の冥福を祈り、遺族に対する援護法措置の全からんことを念願するものでございます。
今回のガス爆発の直接の原因は徹底的に究明されなければならないことはもちろんでありますが、重要なことは、このガス爆発は、当時坑内にガスが規制以上にあったから爆発したという事実であります。直接発火の原因は何であったか、常に明確にはなりませんが、爆発するに都合のよい適量のガスが坑内にあったからだと想像されるのであります。そして多数の労働者が犠牲になっているわけであります。今日、石炭鉱業全体が合理化政策の進行の途上にありながら、ビドル鉱において直次いで重大な災害を発生させたことは、業界全体及び石炭労働者に甚大な影響を与えたものであると考えます。
石炭鉱業における生産と保安の関係において、政府の施策に何らかの重大な欠陥が指摘されるのではないかと思うのであります。保安法規の上で欠陥があればこれを改正しなければなりませんが、石炭鉱業における災害、特にガス爆発事故は防止しようとすれば防止できるという固い決意と安全確保の万全を期すべき対策を持って臨まなければ、将来石炭鉱業から災害の発生を防止しようとすることは不可能であります。
以上とりあえず御報告申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/3
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004・小柳勇
○委員長(小柳勇君) ただいまの御報告に対し、御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/4
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005・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。——ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/5
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006・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/6
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007・田畑金光
○田畑金光君 この法案について、私、実はいままで委員会に出ていないので、あるいは若干重複するかもしれませんが、二、三お尋ねしておきます。
結局この法律の成立が若干おくれてきたわけで、さてこの法律が通ってから、施行については三カ月以内と、こうなっておりますが、最小限どの程度の準備期間があれば電力用炭販売株式会社の発足ができるのか、最小限努力すればどの程度で発足できるのか。また、それがためにはどのような準備などが必要であるのか。公益事業局と石炭局の話し合いもありましょうし、あるいは特に電力業界との、また、技術的な問題点についての話し合いも必要と思うのですが、そういうことを考えた場合に、どの程度の準備期間があればできるのか、それをまず御説明願いたいと、こう思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/7
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008・井上亮
○政府委員(井上亮君) この会社につきましては、この法案が国会をもし通過さしていただきますれば、私ども直ちに政省令の改正をいたしたいというふうに考えております。それから、同時に、電力用炭代金精算株式会社の臨時株主総会の招集通知の発送をいたしたい。これによりまして法定の期間を経まして——大体二十日でございますが、臨時株主総会をいたしまして、新しい社名、定款等の変更をいたしまして、所要の準備を終えて登記をいたしまして正式に発足をするという段階になろうと思います。この間、私どもといたしましては、一カ月あれば十分そういった事務的な仕事は終わる予定でございます。ただし、その間に、大体価格問題については先般も当委員会におきまして御報告いたしましたが、暫定価格は決定いたしております。したがいまして、この会社が発足いたしますと、今度は正式のプールの価格というものをきめるわけでございますので、ただいま申しますような政省令を出しますこと、それから株主総会を招集し、かつ、定款変更等をやる間、そういった価格改定についての両業界の話し合いに入りたい。したがいまして、最小限一カ月あればできるわけですが、その価格の話し合いにあるいはそれよりもう少しかかるかもしれません。そういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/8
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009・田畑金光
○田畑金光君 そうしますと、特に最後の価格についての話し合いというのは、おそらく相当まあ調整に時間も要するかと、こう見るわけですが、その話し合いを調整するについては、通産大臣、石炭局長の段階で話し合いをつけていくのか、あるいは石炭鉱業審議会等で、たとえばまあ植村審議会会長のあっせんという形でまた進めていくのか、その辺の技術的な作業というのはどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/9
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010・井上亮
○政府委員(井上亮君) 大筋の価格改定につきましての話し合いはすでに終わっておりますので、今後は植村会長のあっせんを待たずして事務的に話を詰めてまいりたい。特にこまかい点等につきましては両業界の話し合いもあろうと思いますが、しかし、今後の段階は事務的な段階になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/10
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011・田畑金光
○田畑金光君 いまお話しの、価格については大まかな話はついておるというのは何を意味しておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/11
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012・井上亮
○政府委員(井上亮君) 御承知のように、暫定価格につきましては——暫定価格と申しますのは、この会社が新しく発足するまでの間の価格につきましては、九州、北海道の電力会社は価格は据え置く、それから、揚げ地につきましては三百円値上げするということで決定いたしておるわけでございまして、この新会社が発足いたしますれば、今度は全体として九州、北海道の電力会社を含めまして、九電力全体として石炭業者の手取りが平均三百円になるような価格をきめるという線はすでに決定いたしておりますので、あとはこの九電力の価格配分、これは負担増対策とのからみ合わせもにらみましてきめていくという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/12
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013・田畑金光
○田畑金光君 いまのお話は私も新聞で拝見いたしましたが、三月三十一日付で植村石炭鉱業審議会会長があっせん案を出して、電気事業連合会の会長との話し合いができて、四つの内容についてのあっせんができた、その趣旨をいま説明されておるわけですね、局長のお話しは。そこで、私あの四つの内容を読んでみて感じたことは、第二次答申の趣旨というものは、御承知のように、炭鉱企業の経営の改善、これを柱にしておるわけですね。そしてこれがために炭価の引き上げ措置と、さらには、また、利子補給措置などをその重要な経理改善の柱にしておるわけですね。こういう答申の趣旨から見た場合、植村あっせん案の四つの内容を見ますと、これは答申の趣旨を完全に生かしておるのかどうか。生かしていないで私は後退しておる、こう見るわけですが、この点はどのように局長としてはお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/13
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014・井上亮
○政府委員(井上亮君) お説のように、植村あっせん案、これは電力業界は、御承知のように、七月一日から価格価上げをやってくれというような条件を当初出しておられたわけです。それに対して、私どもとしましては、答申の線に沿って四月一日から平均三百円の値上げをお願いしたいという線で折衡を続けてまいったわけですが、その間に立たれまして、植村会長が通産大臣の委嘱を受けられてあっせんに御努力いただいたわけでございますが、決定しました案は先ほど申しましたような線でございまして、これは田畑先生御指摘のように、調査団の答申のラインからしますと、やはりやや後退しておるという実情でございます。この点については、私、石炭局長といたしましては、はなはだ遺憾だと思っておりますけれども、しかしながら、一方、電力会社につきましては、また電力会社側の言い分もございます。これは同じく調査団の答申の中にうたわれておりますけれども、負担増対策について格別の配慮をやはりしてやるべきだということばがあるわけでございますが、この負担増対策について格別の配慮をするということについての考え方の相違があるわけです。電力会社とされましては、本来、この負担増については国がみてくれていいはずであるというお考え方であり、調査団並びに私どものほうの見解としましては、国がやはり最大限の努力をするというような考え方でおるわけでして、そこにやはり若干の意見の相違、あるいは答申の解釈等についての意見の相違もあり、そういったことで植村会長あっせん案のようになったわけでございます。これが実情でございます。私どもとしましては、率直に申しまして、やや後退した感があるのは、はなはだ遺憾でございますが、電力業界と石炭業界は、先生も御承知のように、やはり従来も相当電力会社に御協力をいただいたわけでございますし、今後も取引の面でやはり緊密な相互に理解し合った態度でおつき合いしなければいかぬという立場もありますので、むしろ円満妥結を望むという意味で、やや後退した線を私どもとしてものまざるを得なかったというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/14
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015・田畑金光
○田畑金光君 それはお互いに取引の売り手、買い手の関係、相互関係ですから、相互の立場を考慮しながら調整をはかるということは当然と思いますけれども、ただ、私がいまお尋ねしておる趣旨は、答申の線から見た場合にどうかという尺度からお尋ねしているわけで、いま石炭局長もお認めになったように、答申の趣旨からこのあっせん案の内容について見ると、若干後退しておるとお認めになったわけですが、どういう点がしからば答申の内容からこのあっせん案の内容が後退しておるのか、どの点とどの点なのか、その点を御説明願いたいと、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/15
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016・井上亮
○政府委員(井上亮君) 先ほども申しましたように、価格のような点につきましては、答申の際の考え方は、四月一日から平均三百円の値上げを電力業界に要請したわけです。それが先ほどお答え申し上げましたように、九州、北海道につきましては、この電力用炭販売会社が成立するまでの間、従来の価格を据え置くというふうにいたしたわけでございまして、その分だけが石炭業者の予定手取り額よりも減少になることになろうと思います。その点が違うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/16
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017・田畑金光
○田畑金光君 低品位炭価格については石炭業者と電発と、さらに九電力の間で話し合ってきめる、こういうことになっておりますね。これも私は答申の趣旨から言うと後退しておるのじゃないかと思うのですがね。この点はどうですか、答申の趣旨はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/17
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018・井上亮
○政府委員(井上亮君) 低品位炭の問題につきましては、これは答申に際しましても、何といいますか、三百円値上げそのままを必ずしもこの低品位炭について考えておったわけではございません。特に低品位炭につきましては、先生御承知の常磐共同火力、あるいは九州におきましては西日本共同火力、あるいは電発というような特殊な電力会社、特に共同火力につきましては、電力業界と石炭業界が共同出資してつくった会社でございますし、それから、この共同会社につきましての低品位炭の値段は、従来千二百円引きラインというような話で政策もやっておったわけですが、この線からも別ルートで考えておったわけでございまして、そういった経緯で価格がきめられておりましたので、必ずしも三百円というふうに考えておったわけではございません。やはり従来の商慣習、あるいは従来の考え方からいたしまして、三百円よりも若干下回る弾力的な配慮はやむを得ないというような見解をとっておったわけでございまして、そのように理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/18
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019・田畑金光
○田畑金光君 答申の中で、低品位炭についてはいま局長の説明されたような趣旨で書かれておるわけですね。私のお尋ねしておることは、答申のたてまえが具体的にどの場合にも生かされているのかどうかという基準でお尋ねしているわけで、それがいいかどうかということは、確かにいまお話のように、電発若松の火力発電を見ても常磐の共同火力を見ても、あなたのお話のような趣旨というものは十分これは尊重されなければならぬと、こう思いますが、答申の趣旨からいった場合にどうなのか、こういうことを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/19
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020・井上亮
○政府委員(井上亮君) 答申の内容は、一般炭についてはトン当たり三百円、原料炭についてはトン当たり二百円の価格が必要であると判断し、電力業界に要請するという書き方でございまして、低品位炭とか精炭という区別をいたしませんで、一般炭についてはトン当たり三百円という表現でございますので、考え方といたしましては低品炭も一般炭の範疇に入るわけですから、その意味では低品位炭もトン当たり三百円というふうに読みとることも可能でございます。答申の基本的な考え方は、これは大体目安としまして、少なくとも一般炭については三百円、原料炭については二百円程度の要請が妥当ではないかというような考え方でございまして、特にこれを精炭、低品位炭に分けた考え方ではございません。したがいまして、低品位炭につきましても、私どもはこの答申の線からしますれば、できるだけ三百円に近づけたいという努力は、今後の電力業界との折衝についてもいたしたいというふうに考えております。しかしながら、実情は、先ほど申しましたように、特に電力、石炭両業界で共同出資しておる電力会社、こういうようなものについては先ほど申しましたような経緯もございますので、必ずしもやはり品位別に見て妥当な精炭の値上げと、妥当なやはりカロリーとのメリット等を考えまして妥当な値上げを考えざるを得ないのじゃないかというふうに実際問題としては考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/20
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021・田畑金光
○田畑金光君 私も西日本共同火力とか常磐共同火力については、いま局長のお話のように、値段をきめるについては政策的な配慮を講ずることが、これは必要だと思うのです。ついこの間、西日本共同火力へ行ったときも、実際千二百円引き下げについては、低品位炭においては必ずしもそのまま値段を引き下げて引き取っているというような実情にないというようなことも承りましたが、また、電気事業者と石炭業者とが共同でやっておる常磐共同火力などについても、その趣旨を生かして炭価についても考慮を払うことは必要だと思いますが、問題は、私の心配することは、低品位炭の価格について石炭業者と電気事業者と電発の関係者だけで話し合いをする、そうなってくると、これは売り手、買い手の契約関係として相談をしていくということになりますですね。そうなってくると、特に電力用炭についての価格の安定と需要の確保などの趣旨から電力用炭株式会社を設けたわけでしょう。そういう趣旨からするなら、これを売り手、買い手の両者の話し合いだけにまかしていくということは、この法律の全体の趣旨から見てどうでありますか、こういう疑問を私は一面において感ずるわけなんですよ。ところが、あなたのいまの御答弁の中では、そういう低品位炭についてもできるだけ三百円に近い値段で、また、必要に応じては売り手、買い手の関係だけでなくして、政府のほうでも必要とあればあっせんするなり助言するなり、こういうようなこと等もやるやにお聞きしたわけですが、そのように理解してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/21
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022・井上亮
○政府委員(井上亮君) 大体先生のおっしゃるとおりに考えておるわけでございまして、特に植村さんのあっせん案の一番最後に、低品位炭の価格は両業界で話し合いできめ、話し合いがつかないときは石炭鉱業審議会の需給部会長のあっせんによるというようなことにいたしておるわけでございまして、話し合いがつかなければ石炭鉱業審議会があっせんをするという考え方でございまして、ただ、これは最初の話し合いのプロセスを言っているわけでございまして、特に九電力が買います低品位炭につきましては、これはやはり本法に基づく最終的には通産大臣が価格をきめるわけでございますから、そういった意味合いでも、もちろん通産省がこのあっせんといいますか、あるいは最後の決定というような点については通産省の了解なしにできないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/22
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023・田畑金光
○田畑金光君 先ほど局長の御答弁の中にもありましたが、この暫定措置は、電力用炭株式会社が発足しますと、取り消して新しい値段の告示がなされるわけですね。これは過日私は新聞で見たわけですが、そういう場合に北海道電力は五十円、九州電力は百円、その他電力平均三百八十円値上げして、これが全体平均として三百円になるのだ、こういうふうな、これは新聞で私は読んだのですが、これはなにですか、この作業というものは、これはすでにそこまで結論的に成熟した内容なのかどうか、あるいは単なる試案程度のものなのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/23
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024・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) ただいま田畑先生から御指摘ございましたように、確かに新聞では北海道五十円、九州百円という数字が出ております。これは要するに北海道と九州につきましては、いわゆる今度のとられました負担増対策の関税還付というものがございません。つまり重油の発電所がございませんから、結局関税が返らない。したがって、関税の返りますのは、東北、東京、中部、関西、中国、四国、この六社だけでございます。したがいまして、特に北海道につきましては石炭専焼の発電所しかございませんので、この値上がりが三百円ということになりますと、まあ経理にも相当響くということで、関税の返るところはむしろある程度値段を高くして、関税の返らない北海道、九州の負担を軽くしようという趣旨でございます。ところが、御承知のように、負担増対策の今度の総額は二十七億円でございます。これをどう分けるかということになりまして、まだ最終的にはきまっておりませんが、大体北海道が五十円、九州が百円のアップ、残りを平均して中央の揚げ地各社が負担をする、平均いたしますと大体三百七十八円くらいのアップをすることによって北海道が五十円で済み、九州が百円、こういうような形になるわけでございます。これは一応われわれはそういう方針で電力業界に示したわけでございまして、その点は今後電力業界内部といたしましては、どちらにいたしましても、トータルの五十七億円というのは、つまり五十七億円と申しますのは、千九百万トン四十年度に使いますから、三百円をかけますと五十七億円、これは電力業界として負担することは間違いないのでございますが、その内部のどこがどう負担するかということは、最終的には電力業界内部の話し合いできめるということで、われわれの段階では、現在北海道五十円アップ、九州百円アップで、残りを平等に三百七十八円アップというような形でそういう案を示しただけでございまして、今後、先ほど石炭局長からお話がございましたように、電力用炭代金精算株式会社法がきちっとできるまでに内部の調整を済ませまして、これが今度は通産大臣の基準価格になってまいるわけでございますが、それまでに電力業界の内部としてきちっとまとめたい、こう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/24
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025・田畑金光
○田畑金光君 そこで、事業局長にお尋ねいたしますが、いま言ったような、かりに北海道電力五十円、九州電力百円、その他七電力ですか、三百七十円値上げをした、これが平均三百円になるというのですね。北海道電力や九州電力は重油を使っていないから重油関税の還付はない、これはあれですか、そうしますと北海道と九州はそれぞれ上がって、その負担増については何らの措置も取られていないのだ、四十年度については何らの措置もないのだ、こういうふうに理解してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/25
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026・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) つまり北海道が五十円アップ、かりにでございますが、九州が百円アップということ自体がつまり負担増対策になっているわけです。本来ならば三百円上げるととろをということは、いま申し上げましたように、つまり電力業界全体として五十七億円の負担があります。そうすると、お金の返るのは中央の六電力会社だけでございます。したがいまして、これがよけいに負担してこっちを安くしてやろうということは、つまりそれが産炭地に対する負担増対策という形を結果としてはとっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/26
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027・田畑金光
○田畑金光君 それは北海道と九州二社を、要するに積み地の電力会社と揚げ地の電力会社ということばで表現しているようですが、その二つの関係から見ると、なるほどその点調整とれておりますが、しかし、私どものお尋ねしているのは、要するに、今度とにかく三百円値上げの結果、各電力会社がそれぞれ負担増になるのだ。その負担増については、今度は政府の責任で政策的な措置をとれと、こういうのが答申の趣旨だと思うのですよ。そういう立場から見た場合、とにかく少なくとも北海道と九州電力は五十円と百円というのがいままでに比べると負担増になるわけですから、こういうこの二電力会社については二十七億のうちから幾らも——全然配分がいかぬとすれば、二十七億は全然還元されないとすれば、負担増に対する政府の軽減措置というものは北海道と九電へはいかないのかどうか、こういうことを言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/27
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028・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) 実は、この負担増対策というのは答申にうたわれておったわけでございますが、御承知のように、有沢報告が出ましたのが予算がきまるぎりぎりの十二月のたしか末でございました。したがいまして、電力業界全体に対する負担増対策というものは、結局現在あります関税の還付制度しかほかに方法がない。田畑先生のおっしゃるような意味で、たとえば北海道と九州はたとえば固定資産税を減免するとか、そういう措置がとれればいいのでございますが、今回はこのいわゆる関税の還付措置しか負担増対策にならない。そこで、結局電力業界全体と申しますか、いま申し上げましたように、二十七億円返るのだが、そのままほうっておけば九州と北海道へはいかないわけです。そこで、この電力用炭代金精算株式会社を共同販売会社にいたしまして、その返る二十七億を九電力でプールして、したがって、それによって初めて負担増対策というものが九州、北海道に均てんをする、こう考えておるわけであります。したがいまして、われわれとしては、九州、北海道に対しては負担増対策は適用になる、この機能を発揮することによって初めてできる、こういう解釈でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/28
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029・田畑金光
○田畑金光君 説明でおおよそのみ込めましたが、そうしますと、このあっせん案の第二項にある、炭価引き上げに伴う四十一年度以降の負担増に対してはできるだけ軽減措置を講ずると、こういうことが一項目入っておりますが、この趣旨は、まあ負担増対策だから、五十七億も要するに九電力が負担増になった、それに対して一〇〇%軽減措置を講ずればこれは理想的だが、なかなかそうは国の財政もあっていかぬ、ならしてみると、いま公益事業局長の御説明のとおりしかいまのところならないのだ、それがまあ揚げ地、積み地の火力発電の調整をした結果こうだと、そこまでわかりました。そうしますと、四十一年度以降にさらに軽減措置を講ずるということになれば、いまお話のように、固定資産税その他の面等もここで考慮しながら、たとえばもっぱら石炭だけ使っておる北海道とか九州等についても来年度以降については何らかの措置を講じようということをこの第二項で約束しているのだ、このように解してよろしいわけですね、あっせん案の第二項。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/29
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030・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) それは第三項だと思いますが、植村あっせん案の第三項は、「炭価引上げに伴う昭和四十一年度以降の負担増に対しては、昭和四十年度の取扱以上に出来得る限りの軽減措置を講ずることに努むること。」ということで、もちろんまあ今年度は、先ほど申し上げましたように、時間の関係から関税の還付しかできなかったわけでございますが、来年度は何かいろいろいい知恵を出してやるように努力をしようということで、いま必ずここで、この間石炭局長の御答弁もございましたけれども、われわれとしては、できるだけ各方面とお話し合いの上でもう少し負担増対策をふやしたいとは思っておりますが、何ぶんにも相手のあることでございまして、いまからどうなるかということは、この段階ではちょっと申し上げられないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/30
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031・田畑金光
○田畑金光君 この段階では申し上げられないということでしょうけれども、少なくとも、もっと現在のことしの昭和四十年度の原重油の関税還付が二十七億だが、それ以上に来年度以降はひとつふやして電力会社の軽減措置をはかろうというのがそのたてまえなんでしょう。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/31
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032・井上亮
○政府委員(井上亮君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/32
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033・田畑金光
○田畑金光君 この間の、すぐ前の石炭対策特別委員会で電力業界と石炭業界の代表者に来てもらって意見を聞いたようですが、先ほど私はその速記録を見まして、特に九州あるいは北海道の電力会社の社長さん方が心配しておることは、積み地の会社と、積み地の発電に送っている石炭の炭価ですか、それと揚げ地の炭価とは現在でも二百円の開きがある。そこで、今度暫定措置として、三百円については北海道と九州には適用しないということになれば、その開きが五百円になる。こうなってくると、この五百円の差で石炭が円滑に九州、北海道の電力会社にくるかどうか、こういうことを非常に心配しておりますが、こういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/33
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034・井上亮
○政府委員(井上亮君) 石炭業界と電力業界、特に産炭地におきます電力会社と石炭会社の間は、これは先生御承知のように、多年にわたる取引関係がございますので、暫定的にまあこういう価格にきまったわけでございます。この値差のために石炭が集まらないのではないかというような心配が産炭地の電力会社にあるわけでございますが、私は、石炭業者はそういう意地悪はしないだろう。当然従来の取引関係がございますし、今後のまた友好な取引関係ということも石炭業界としてざひ必要なことでございますので、まずその御懸念はないのではないか。もしあるような場合には私どもやはり善処して、電力業界に迷惑をかけないように指導しなきゃいかぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/34
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035・田畑金光
○田畑金光君 局長のお話のように、心配がなく済めばけっこうだと思うのです。また、長い商慣習ですからね。それはまた石炭業者といっても、商業の義理からいってもそんなことはあるまいと思いますが、もしそのようなことがあれば、時節柄、ひとつ十分に行政上の指導をもってそんなことのないようにやってもらうべきだと思うし、また、やってもらわねば困ると思うのです。
それから、この答申の趣旨は、特に従来大手と中小の間に値差があるわけですね。ことにこの中小の山の保護ということをやはり今度の答申は重要な精神に私はしておると思うのですが、こういう面等については、大手と中小の石炭の値差については、このプール制でいった場合に未然に防止できるのかどうか、その辺はどのように指導されるのか、ひとつ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/35
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036・井上亮
○政府委員(井上亮君) 中小炭鉱と大手炭鉱につきましては、現在百五十円程度の値差があるわけでございますが、これにつきましては、答申をつくります段階で調査団の方々がお考えになりました。やはり値差解消をできるだけこの販売会社ができることによって実現できるようにというような意見が込められておったわけでございます。しかしながら、先ほど申しましたような電力業界との炭価折衝に際しましては、これは電力業界の強い御希望で、植村あっせん案の中にもたしか書いてあったと思いますが、現実の価格から三百円値上げをしてもらいたいという意見になっております。で、この線を冷厳に貫きますれば、値差解消はしばらくお預けになるというふうになろうかと思います。しかしながら、私どもといたしましては、中小炭鉱と大手炭鉱の値差解消につきましては、やはりまあ私どもの今後の政策といいますか、そういうふうな見地からいいまして、一挙に値差解消はできなくても、逐次解消の努力を続けてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/36
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037・田畑金光
○田畑金光君 一気にはできぬとして、徐々になくしていこうということですが、価格のプール制をとるわけでしょう。そのプール制の中でいまの大手と中小の値差を具体的にはどういう方法で、漸進的でもけっこうだが、解消していくという御方針なのか、その辺をもっと具体的にというか、また技術的な問題も出てきましょうが、その辺をどうなさるのかということをもうちょっとわかりやすくひとつ説明願いたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/37
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038・井上亮
○政府委員(井上亮君) 植村あっせん案によりますと、まあ価格以外の取引条件は現状どおりとし、価格は銘柄ごとに昭和三十九年度実績を基礎とし、これに値上がり額を加算したものとするということでございまして、これは現実の三十九年度実績を基礎として取引される。で、御承知のように、三十九年度におきましては電力用炭代金精算株式会社、これは現在あるわけですが、ここで基準価格をきめて、それによってこの精算会社が現在価格チェックをいたしているわけです。これを基礎にいたしまして三百円値上げするということでございまして、いままでにも、私ども、中小炭鉱の値差解消につきましては、この基準炭価の改正を通じまして、いままでも相当な改善はさしてきております。たとえば三十八年度には、これは下期の値差でございますが、全国で平均トン当たり百二十四円の値差があったわけです。これを三十九年度には百円と、約二十円ほど値差を解消いたしたわけでございます。従来でもやってはおるわけでございますが、今後におきましても、基準炭価の作成等を通じまして、こういった努力をしてまいりたい。ただ、しかし、先ほど申しましたように、植村あっせん案によりますと、三十九年度実績を基礎としてということになっておりますので、この点少し私ども苦慮いたしているわけですが、しかし、これはやってやれないことではございませんので、先ほど申しましたように、従来のような逐次解消の線をできるだけ織り込んでまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/38
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039・田畑金光
○田畑金光君 この植村あっせん案のいま読み上げられたその趣旨を見ますと、三十九年度実績を基礎としてということになってきますと、一率三百円値上げしろと、こういうことになるでしょう、そういう意味になりますね。そうしますと、いまの値差の解消なんということもこの考え方ではできないような仕組みになっているんじゃないか。とにかく一率実績にプラス三百円と、こういうように解釈するのがほんとうだと思うんですが、この点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/39
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040・井上亮
○政府委員(井上亮君) ですから、端的に申し上げますれば、もし値差解消するとすれば、この覚え書きによりますれば、石炭業界内部でくめんするような形になる。これがなかなか至難のわざでございますから、私は一挙に解消はなかなかむずかしいということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/40
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041・田畑金光
○田畑金光君 この合理化臨時措置法に基づく基準炭価によって値段をきめていくと、こういうことですね。四十年度の基準炭価というのはもう出ているわけですか。いつごろ出るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/41
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042・井上亮
○政府委員(井上亮君) 四月一日付で基準炭価の告示をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/42
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043・田畑金光
○田畑金光君 そうしますと、一応基準炭価も出ているわけだし、従来の三十九年度の実績も出ているわけだし、この法律が通って、いよいよ実施について、先ほどのお話の各社別の炭価の展開ということになってきますと、そう長い時間これはかからないような感じもするんですが、これほどうなんですか。やっぱり一カ月とかそれ以上かかるということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/43
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044・井上亮
○政府委員(井上亮君) 先ほども申しましたように、この会社設立の所要期間というのは約一カ月かかりますが、これは絶対的なものだと思いますが、価格は努力すればそれ以内にも可能性はある、電力業界の協力があれば私は可能性があるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/44
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045・田畑金光
○田畑金光君 その点、公益事業局長はどう見ていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/45
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046・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) 先ほど石炭局長のおっしゃいました四月一日現在の基準価格は、今度は実は会社ができましていよいよプール制度に移りますと、もう一ぺんやり直すわけです。どういうふうにやり直すかと申しますと、先ほど申し上げました負担、つまり関税がよけい返ってくるところはそれだけ高く買うわけであります。ですから、今度は九電力会社、九電力と申しますか、ことに相当なでこぼこになるわけで、したがって、先ほど申し上げましたように、電力内部のきちんとした話し合いがつくと、それに基づいて今度は四月一日に出た基準炭価をもう一ぺんやり直すわけです。したがいまして、やはりそっちがぴしりときまりませんと新しい基準炭価もきまらないということになるので、われわれといたしましては、早く電力業界内部の話し合いをつけて、そしてこの会社設立の日までに間に合わしたい、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/46
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047・田畑金光
○田畑金光君 電力用炭の購入価格及び販売価格の決定は、通産大臣が毎年電力用炭の動きに応じ、基準炭価に準拠して会社の電力用炭の購入価格及び販売価格を定めるようにする、価格決定がとにかく経済の需給関係によって自由に決定されるのでなくして、あくまでも通産大臣が最終的には売り買いの値段をきめる。この点ですが、この問題は、確かに自由経済の原則から見た場合、価格決定が契約の当事者によってきまるのでなくして、政府の介入によって値段がきまるという、この点です。これは一面から言うと、自由経済じゃなくて統制経済じゃないかという批判、あるいは、また、これがすでにこの価格決定がこういうふうな形になることは、私企業のワクをこえて、もっと企業の社会性という面が浮き彫りにされていくのではないかという意見等々が出ているわけですが、自由経済の原則をとっておられる政府として、この点についてはどのような説明をされておるのか。これは通産大臣に私はむしろお答え願ったほうがいいと思いますが、一番私はやはりここあたりに議論の分かれる点があろうと思うんですが、この点についてはどのようにお考えになっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/47
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048・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) お尋ねのような御疑問が出るのはやむを得ないと思います。現在、石炭産業を四十二年に自立をさせようと、そのために需要者側である電力側に協力を求めておる。ですから、この四十一年までの石炭産業それ自体が手厚い保護の上に立っておる。その保護の一部を需要者にひとつ協力をさせよう、こういうようなことから、過渡的なやむを得ない施策ということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/48
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049・田畑金光
○田畑金光君 大臣の御答弁のとおり、私もこういう政策的な措置は、いまの石炭産業の自立と安定を将来に期待する点からいうならば賛成なんです。また、そのように需要者側にも協力を要請しなくちゃならぬということもわかるのです。ただ、私のお尋ねしておるのは、自由経済の原則というのは、価格の決定が需給関係によって、契約の当事者によって自由に決定されていくというところに私は一番大事な本質があるんじゃなかろうかと、こう思うのです。ところが、この石炭の値段のきめ方を見ると、売り手も買い手も、結局最終的には通産大臣が価格の決定をすると、こういうことになってきますと、自由経済の価格決定の法則から大きくこれは逸脱しておる。そこまでまあ見方によっては石炭産業というものは私企業のワクをこえて、これは言うならば社会化の方向に私はもう足を突っ込んでおると、こういう見方が出ると思うのですね。こういう方向に進むことは当然だし、また、もっと強化すべきだという意見すら私は持っておるんですが、政府の立場において、自由経済をとっておられる政府の経済運営のたてまえから見ますと、これはどういうように御説明されるかということなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/49
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050・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 先ほども申し上げましたように、政府の考え方も、また、第一次、第二次の石炭調査団の答申も、石炭産業をして私企業として成り立たしめたいと、こういう方向でものを考えておる。四十二年におきましては、予定どおりいきますれば各会社が自営できる、まあそういう方向に持っていこう、そのための過渡的な施策である。それで、過渡的な施策ではあるが、それは自由経済の本質とは違うじゃないか、とすればそういう御批判が出ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/50
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051・田畑金光
○田畑金光君 私は、最後に、次の点だけを大臣にお尋ねしておきたいと思うのですが、第一次調査団の答申を見れば、五千五百万トンの生産体制で石炭の自立安定をはかっていくということを強く打ち出しておりますね。ところが、第二次調査団の答申は五千五百万トンということではあるが、現在のいろんな条件から見て、五千二百万トンで生産体制を維持していこう、こういう考え方に立っておると思うのです。ところが、この間の石炭鉱業審議会の、これは通産大臣に対する四十年度の生産計画などの答申を見ますと、四十年度の石炭供給は五千九百カロリー換算にして五千百六十万トン、こういう答申ですね。量については五千三万トン、こういうようになっておるのですが、だんだん生産体制の推移を見れば、五千五百万トンから五千二百万トン、さらに五千百六十万トン、こういうふうになってきますが、結局これは縮小均衡という形で石炭業産というものを将来自立安定さしていこうというのがねらいなのか、あるいは調査団の答申にあるように、総合エネルギーの立場から見て、国際収支の立場から見て、あるいはエネルギーのセキュリティーという観点から見て、やはり目標というものはあくまでも五千五百万トンということを想定しながら石炭産業の自立安定をはかっていこうとするのか、どっちに政府は向かおうとするのか、その辺のことが、どうもだんだん見ておりますと、ぼやけてきているような感じが強くするわけですが、要するに、縮小均衡という形で石炭問題は扱っていこうというのが政府の方針なのか、どっちがほんとうなのか、その点をはっきりひとつ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/51
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052・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 昨年十二月十六日に今回の第二次の答申をいただいたわけであります。そして第一次当時の目標五千五百万トンはあくまでこれを堅持しつつ、しかし、現状においては五千二百万トン程度がいいのではないか、平たく言えばこういうようなことであったと思うのです。しかるところ、この四十年度の需給計画はさらに下回ったと、この下回った姿というものは大体五千二百万トンと、こういうふうに見込んだ有沢報告と五千百六十万トンの需給計画、なるほど下回っておるが、おおむねまあその見当は同じ方向ではないかと思います。私としては、やはり四十二年度の五千五百万トンのこの目標に向かってすべてが考えられておるのでありますから、それに対して政府としては施策を講じていきたい。しかし、四十年度、四十一年度のその年その年の施策としては、現実の姿をよく直視しながらやらざるを得ないのではないか、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/52
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053・大矢正
○大矢正君 昨年の十二月の暮れに第二次調査団の答申が出されました。その答申に基づいて政府が予算及び法律的な措置を講じてこの国会にそれぞれ提出をされたものと思うのでありますが、そこで、本来でありますれば、石炭政策の政府の柱となっております法律的には合理化臨時措置法が議論されて、その中で石炭政策はいかにあるべきかという、その立場から具体的な一環としてただいま議題になっております電力用炭販売株式会社の法律が議論されるべきが筋であろうと私は思います。しかし、いろんな事情があって合理化法がおくれてあとになり、先に電力用炭販売株式会社の問題が提起されましたので、やむなくこの法案の内容の質疑に入りますが、この法案とは直接関係はありませんが、そういう私の立報から、当面する石炭政策の基本的な問題について一、二点大臣と局長にお伺いをしておきたいと思うのであります。
その一つは、いま田畑委員からも質問がありましたが、第二次調査団の答申、そして、また、現在の所管官庁である通産省が考えておりまする出炭の規模、そして計画というものは、五千五百万トンという看板を取り下げるものではない、できる限りこれは到達をさせるように努力をするんだというお考えが示されております。そこで、私は非常に疑問に思いますことは、先般問題になっております日炭高松問題、また、ごく最近労使間において議論をされております三菱美唄問題、それぞれ考えますと、現状ですら五千百六十万トンの確保はむずかしい段階の中にあって、さらに石炭の需給状況は別といたしましても、会社の経理状況から推して、これ以上企業の存続ができないという立場でスクラップされていく山が徐々にまたあらわれ始めている。こういうことを考えて、はたして一体五千五百万トンという目標に向かって到達をすることができるのかできないのかということについて疑問を持たざるを得ないわけです。政府は本気になって、五千五百万トンはぜひ必要だし、これだけは確保しなければならぬという考え方がありまするといたしますと、今日内閣において、また、政府においてとられているような措置だけをもってしては、とうてい五千五百万トンを確保するための現状の山を維持することすら私は困難だと思うのであります。したがって、政府が五千五百万トンの看板を下げない限り、五千五百万トンを確保するためには具体的にどういう措置があるのか、もし今回のこの国会に提案をされておりまする石炭対策の五、六木の法律、これで五千五百万トンというものが確保できるとお考えになっておられるのかどうか、まずこの根本問題についてお伺いをしたいと、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/53
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054・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 答申を受けましたのが予算折衝の最後の段階でございましたので、私としては、答申が全面的に今度の予算の上に、あるいは法案の上に反映ができたか、こう申しますと、率直に申し上げまして、労務対策などで年金制度のようなものがまだ足らない点がございます。明年度にさらに答申の線に沿った諸施策を若干加えるべきがあろうかと思いますが、当面、この範囲であるならば、答申のいう四十年度五千二百万トンの生産の線には持っていけるものと、こういうことで予算も法案もお願いをしたようなわけでございます。
なお、大矢委員もお話のように、この石炭対策以外の法案で前向きの施策を検討してみますと、新鉱開発などに相当力を入れられるようにくふうもいたしておるわけでございまして、こういう開発が、われわれの考えておるように、あるいは調査団の答申のように進んでいきますならば、五千五百万トンの理想に向かって進み得るものと、かように存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/54
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055・大矢正
○大矢正君 いま大臣は、一つの例として労務者対策といいましょうか、労働力の流出を防止する手段、方法として年金制度というようなお話もございましたが、今日石炭企業が置かれている問題、石炭産業が置かれている問題の大きな点で見のがすことができないのは、一つは、いま大臣が言われたように、労働力の流出ないしは若年労働力をどうして確保するかということが一つあると思います。それに対しては、具体的には賃金がどうの、退職の条件がどうの、将来の保障がどうの、あるいは、また、日常生活の上における環境がどうのという問題もあると思うのであります。しかし、もう一方には今日赤字状態に追い込まれている石炭企業——若干黒字に転換しつつある山もございますが、通産省から提出された資料によりましても、炭価の三百円アップではとうてい黒字にならぬといわれておる山がかなりあるのでございます。だといたしますれば、採算が合わないのに企業の存続だけができるはずはありませんから、当然のこととしてつぶれる山がかなり出てくることは申し上げるまでも一ないところであります。したがって そういう抜本的な企業の再建をどうしてはかるかという問題と、労働力をどうして維持するかという問題の二点が今日の石炭産業の重要な課題であります。その一つの方法を申し上げますると、いま言ったように、三百円の炭価アップではとういて黒字にはならない、黒字にならないということは、遠からずつぶれるということを意味しているわけであります。しかも、その山がわずかではなく、かなりの数にのぼっている。一説によると、いまの石炭産業の約三分の一を整理しなければ石炭産業は黒字の体制でこれからもなお存続していくことは困難だ、こういう話すら出ているのでありますが、そういう現状の中にあって、どうして一体五千五百万トンというものを確保する気なのか。大臣は新鉱開発云々とおっしゃっておられますけれども、新鉱開発などというものはそう簡単にできるものではないし、しかも、多額の投資が必要であります。これはまあ二カ月や三カ月で新鉱が開発されるのではなくて、少なくとも二年なり三年なりの長期の投資も必要で、そして初めて新鉱が開発されるわけであります。それまではたして現状の石炭産業、山の数がもっていくかどうかということになりますれば、もち得ないことはもう明らかなんであります。にもかかわらず、五千五百万トンはぜひ必要だというその唱え方というものが、もしそういう唱え方をするならば、当然のこととして裏づけがなければならぬ、その裏づけがあまりにも今回の法律と予算措置をもってしては薄弱であるという考えを私は持つのでありますが、もう一回念を押して聞きますが、もっと具体的に裏打ちがあるかどうかということについてのお考えを聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/55
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056・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 抽象的なお答えでたいへん失礼かとも存じますが、ただいまも申し上げましたように、私としては五千五百万トンの目標に向かいまして、なお補強すべき施策があるではないか、また、答申に沿うても足らざる点があったということを率直に申し上げたのでございます。五千五百万トンの目標については、現在の炭鉱の状況からいたしますと、大矢委員の言われるように、私が手放しに楽観をしておるという立場ではございません。やはりこれは相当打ち込んだ施策がないとなかなかむずかしいのではないかという気がいたしますが、当面、四十年度におきましては利子補給、三百円、二百円の炭価の引き上げ及び今回の財政金融措置によりまして、まず本年度においてはこの施策でいっていいのではないか。しかし、現実に石炭産業の実情というものが変わってまいりますから、それに対応して五千五百万トンの目標を達成すべく、さらに施策を強化していく必要があるのではないか、こういうふうに見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/56
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057・大矢正
○大矢正君 大臣は御存じあるかどうかわかりませんが、石炭企業というのは、四月から五月にかけて、特に最近のような状況になりますと、非常に危機的な状態といっていい段階にくると思うのであります。それはこの四月、五月というのは非常に労働力が移動しやすい時期になるわけであります。北海道なんかの場合になりますと、雪が消えて気候的に非常によくなるこの時期が最も労働力が流出する時期であります。特に御了承のとおり、三井三池の爆発、夕張の爆発、先般の伊王島の爆発等、爆発が相続いております。坑内保安の確保が不十分であるということから生命に危険を感ずるという点もありましょうし、それから、また、労働条件の問題、さらに労働密度の問題、福利厚生問題等々、考えてみますると、他の産業に移っていっても十分同じような生活の維持ができるという考え方が漸次炭鉱労働者の中に蔓延をしてきております。ところが、身近な給与問題に限ってみますれば、いま労使間においては賃金の交渉が行なわれておりますが、調査団の答申によりますると、七%しか予算を組んでいない。そういたしますと、七%以上の賃金の値上げは認められないという結果になる。こういうこともますますこの労働力の流出に拍車をかけるという結果に私はなると思うのであります。したがって、大臣としては、単に合理化法、あるいは、また、電力用炭販売株式会社の問題、あるいは、また、その他二、三の法律を提出したから、これで何とか石炭産業はやっていけるという考え方ではなしに、もっとやはりこういう突っ込んだ検討をしていただきまして、将来に対する石炭産業の安定対策というものを私はこれからもなおつくるために努力をしてもらいたいということを希望しておきたいと思います。いろいろまだまだ申し上げたい点がありますが、本日の法案は電力用炭の法案でありまするからして、基本的な問題についてはその程度で終わりたいと思います。
そこで、私が一つ心配をいたしますことは、最近の動向を見ましても、当初電力と炭鉱企業との間にどの程度の電力用炭の受け渡しをするかという話し合いのまとまった数量から実際の取引数量というのは大きく後退をしておるわけです。それは供給が間に合わないというようなことに尽きると思うのであります。しかも、いま私が申し上げましたように、これからそれでは電力用炭を十分確保する体制にあるのかといいますれば、必ずしもそうではない。通産大臣からお出しになっておりますスクラップあるいはビルド計画を見ましても、かなりのスクラップ化が計画されておりまするからして、そうなりますれば、電力用炭の需要を確保するといいましても、おおよそ確保は困難だという見方が今日成り立つのであります。そこで、大臣にお伺いしたいのでありますが、電力会社をねじ伏せてかりに炭価を値上げをしても、その必要とする需要を供給できない場合に一体だれがこれの責任を負うのか、こういう問題が将来必ず出てくると思うのであります。この点についての大臣の御見解を私は承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/57
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058・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) お尋ねの点は、この共販会社が石炭の販売をプールでやります。そこで引取量が変わってきた場合に、その炭価に対する影響等も出てきましょうし、不足の問題とか、いろいろな問題が考えられるわけでありますが、いまわれわれとしては、すでにお答えがあったんじゃないかと思いますが、おおむね千九百万トンを電力用炭に確保したい。しかし、なかなかむずかしいと思うのでありますが、その点については、行政上の責にある通産省としては、不足のないようにあっせんはいたしたいと思うのであります。ただ、これをざっくばらんに申し上げてみますわば、プール計算の価格を一応きめております九ら、引き取り量が大きく狂って価格面に対する問題が出てくることはできるだけ避けたいということで今回の引き取りに伴う関税還付は約二十七億円と計算をしておるわけでありますが、そういうことはないと思いますが、もし引き取り量が狂うような場合においては、基準量、すなわち、その下限をいじるということによって関税還付は確保するようにしたい、そうしなければこの共販会社のプール計算は成り立たないということで、その点について大蔵当局とは大体了解点に達しておると私は聞いておるのであります。そのほかに何かお尋ねがございますればなお申し上げますが、私の気づいておる点はそういう点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/58
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059・大矢正
○大矢正君 先ほど田畑委員から質問がありました電力用炭の価格の決定に関連して二、三お尋ねいたします。これは石炭局長ないしは公益事業局長にお伺いしておきたいと思うのですが、改正案によりますと、炭価の決定は通産大臣がやるということになっており、それから、法律の条文からまいりますと、品位に応じて、基準炭価に準拠してきめられることになっておる。その基準炭価は合理化法に基づく基準炭価だと、こう思いますが、それに準拠してきめると、こうなっております。私は、いままでの実際の電力と炭鉱との石炭取引の関係というものは、品位によって炭価がきまっておるものではないと解釈しております。これは俗にいわれる銘柄と称されるものによって炭価がきまっておると思うのであります。そういたしますると、従来銘柄によって炭価がきめられていたものが、今度は品位でありますから、カロリーなり灰分に応じて炭価がきめられる。それをさらにせんじ詰めてまいりますと、言うなれば銘柄の整理と申しますか、石炭の内容というものを統一していく、小さくまとめていく、こういう方向だという解釈が成り立つと思うのでありますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/59
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060・井上亮
○政府委員(井上亮君) 御指摘のように、石炭の従来の価格は銘柄によって考えられて取引されておるわけでございますが、御承知のように、電力用炭代金精算会社が三十八年度に発足いたしまして、今日まで業務運営をやっておるわけでございますが、この精算会社ができまして以来、石炭業界と電力業界の取引につきましては、先ほど御指摘の合理化法に基づきます基準炭価をつくりまして、これは電力会社別に基準となる品位、これはカロリーを一応想定しておりますが、東京でありますと六千カロリー、北海道であれば五千カロリーというような基準となる品位についての価格を決定して、これをもとにして電力用炭代金精算会社がチェックプライスをつくっている。これはカロリー別に価格をきめて、それで取引をお願いしておるというのが実態でございまして、精算会社ができまして以来、そういった実態で取引が行なわれておりますので、今後販売会社になりました場合にも、カロリー単位で一応値段を決定いたしましても、従来の取引関係には私は大きな変化とか混乱というものは起こらないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/60
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061・大矢正
○大矢正君 電力用炭の購入価格ないしは販売価格については、毎年通産大臣がこれを定めて公示をするということになると思うのでありますが、通産大臣の立場に立って考えてみた場合に、今回の炭価の値上げ問題につきましては暫定措置がとられ、さらに、また将来新会社が発足いたしますれば本格的な炭価が決定をされると思いますが、この炭価決定のよって来たったところは、言ってみますれば調査団の答申であったということに私はなると思うのであります。ところが、毎年毎年調査団に答申を出していただいて炭価の決定をするというわけに私はまいらぬと思います。そこで、四十年度の炭価の決定は第二次調査団の答申尊重ということでどうにかまとまりはできますが、四十一年度は自力で販売価格ないしは供給価格をきめなければならぬと、こう思いますが、自力と申しますとちょっとことばは行き過ぎでありますが、言うなれば、第三者の力を借りないで通産大臣は価格をきめなければならぬ、こう思います。その際に、一体何を基準にして炭価をきめようとお考えになっておられるのか、この点を伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/61
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062・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 基準が何かということについてはちょっとお答えしにくいのでありますが、かりに四十一年度の炭価をきめます場合に、これは御承知のように、石炭鉱業審議会のほうにはかりますから、四十年度の炭価を基礎にして、勘案すべきものをつけて出す、こういうような方法もありますし、また、この共販会社は需要者と供給者が話し合ったものを受ける、もちろんそれは卵と鶏のようなことになりますが、政府の基準価格が基礎で話し合うのでありますが、業界同士の話し合いというのもその場合考えられると思うのであります。しかし、石炭審議会のほうにはかる場合には、四十年度、ここに一応の基礎がございますから、それに対しての勘案ではかる、そうして通産大臣がきめると、こういう順序がよかろうと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/62
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063・大矢正
○大矢正君 通産大臣は従来と異なって炭価を決定するだけの力を持つわけで、言ってみれば、自由主義経済のもとにおいては非常に重要な立場になるわけですね。しかし、それではその炭価をどうしてきめるかということになると、その炭価のきめ方というものは、これまた不明確である。たとえば電力の場合でありますとコスト主義でありますから、コストが幾らかかるから、したがって、電力料金は幾らというふうに計算ができるのでありますが、石炭というものはそういうものがない中で、しかも、通産大臣が炭価の決定をするという非常に重要な意味があると、私はこう思うのであります。したがって、いまあなたは簡単に、しかも、抽象的に述べられておられますが、私は、そんなことではなかなか業界は納得しないと思います、電力にしろ石炭にしろ。もっと具体的にどうやって炭価を決定するのかという手順なり、その基礎となるものをこの際お聞かせ願いた
いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/63
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064・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 手順、規則、事務的に取り運びようがなかなか私は困難ではないかと思うのでありますが、両局長おりますので、私の説明が足りませんでしたら補足をさせますが、私は今回のこの答申を受けて、三百円、二百円の引き上げをやることにしたその前に千二百円の引き下げということもあったわけであります。で、四十一年度の問題については、ここに四十年度の一つの実績というものがございますから、この四十年度の分を詰められると私困るのでありますが、四十一年度については、四十年度のこの実績ということがあって、そして四十一年度に改定すべき必要があるなしとか、どうするのだということになると、これを基礎にして勘案すべき要素をしていくならばそれでいけるのじゃないかと、こういうふうに、非常に私のは何か政治的なお答えで恐縮でございますが、しかし、現実的の取り運びが結局そうなるのじゃないか。あるいはもう一つ、いま言う石炭と需要者側の話し合い——まあ四十年度は三百円、二百円であったが、その後こうだからもうちょっと上げてくれと、こういうようなことが基礎になって、そして審議会にはかり、最終的には私が決定をする。私としてはきわめて遺憾でございますが、こまかいこういう計算でこういうことになるということは言いかねますので、こういう政治的な答弁でお許しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/64
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065・大矢正
○大矢正君 まあ、あなたはさっき、かりに電力と石炭の両会社で話し合って、その話がまとまったら、それも販売価格ないしは購入価格ということになっても不思議ではないじゃないかというお話も承りましたが、電力と石炭の両方の意見が合って、合ったらそれに従っていくのだというくらいならば、あらためてここに官僚統制と悪口を言われるような法律をつくる必要はないでしょう。やはり利害が相反して、炭価問題についてはなかなかまとまりがつかない場合も想定されるので、そういう意味において、最終的には調整役として通産大臣が一つの権限を持ってこれを解決しようという御意図がおありになるのじゃないですか。たとえば現状、この法律が通るまでの以前の問題は、幾ら調査団が答申を出そうが、政府が何を言おうが、取引をするのは石炭と電力でありまするから、両者の意見が不一致である場合にはいつまでも炭価がきまらないと、こういうことになるわけで、悪く言えば、片方は石炭を供給しない、片方は受け取らないということになるかもしれませんが、そういうこと以外に解決の方法がないというところ、この一項目が出てきたのじゃないかと、こう私は思うのであります。さすれば、それなりにあなた方の立場でいかに合理的に炭価というものをきめるかという基準がなければならないのじゃないですか、ものさしがなければならないのじゃないですか、私はそのことを申し上げて、おるのです。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/65
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066・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 大臣の答弁の前に、委員の変更について報告いたします。
本日、岸田幸雄君、吉武恵市君が委員を辞任され、その補欠として大谷藤之助君、堀本宜実君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/66
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067・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 櫻内通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/67
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068・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) お話のとおり、基準価格の決定が先に行なわれなければならないと思います。しかし、その基準価格の決定に際しましては、石炭鉱業審議会にはかります。その審議会のメンバーには需要者側も供給者側も入っておりますので、この基準価格について答申を受ける段階には、やはりその辺で話し合いが行なわれる要素があると思うのであります。しかし、いろいろと御指摘の点については、私わからないではないわけでありますが、現実的な取り運び方といたしましては、明年度の場合は、何といってもこの四十年度の価格のきめ方に伴ってその後の情勢の変化が問題になるのじゃないか。ですから、そう私は困難性を認めておらないのであります。なお、それならばこういう会社はあまり価値がないのじゃないかという御批判もこれは出るかもしれませんが、しかし、実は、これはもう申し上げるまでもないのでありますが、今度このプール計算についてこの会社の効果があると思うのです。また、そういう点で今回の改正案になってお願いをしておると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/68
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069・大矢正
○大矢正君 どうも大臣と議論していてもさっぱり要領を得ないから、もうこれ以上私はやる気はありませんが、そこで、新しい会社を設立して、重油還付を織り込んでこれをプールにしながら、各社ができるだけ平等な負担をしよう、炭価の値上り分は。で、この構想は、なるほど一つの構想として私どもは理解ができるのでありますが、問題は、いつまでこの重油還付という方向を続けていかれようとするのか。それから、また、重油還付というものは必要ないといたしますれば、それなりでどうやって電力の負担増を補おうとしておるのか。私は、今日のように非常に物価が変動している段階におきましては、一年と言えないほど諸物価の値上がりがきびしいし、激しいと思うのであります。それなればこそ、通産大臣は毎年電力に対する販売価格、購入価格というものをきめなければならぬと、こうなっておるわけですから、そういたしますると、四十一年度も重油還付をそのままのかっこうでやっていくのか、やっていかないのか、それによってまた負担増というものはかなり大きく変動していく。これも将来電力会社にとりましては重要な問題であるし、逆に、石炭会社にとっても、これもまた重要な問題でありますが、その点が非常に不明確であります。将来どのような方向でこの問題を解決していこうとするのか、重油還付を将来続けていくことはなかなかいろいろな意味で問題があるから、新たな方向を出すという考え方をもっていこうという気持ちでおられるのか、そういう点が私どもには理解ができない。この点どうされようとしておるのか、お答えを願いたい。
もう一つは、公益事業局長にお尋ねをいたしますが、先ほど申し上げたとおり、重油の還付によってプールいたしまするから、平均三百円の炭価の値上りも、重油の部分だけ下がるわけです、実際の炭価というものは。そこで、実際にはトン当たりどの程度の炭価が引き上がることになるのか、重油還付を除いて計算すると。その数字をお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/69
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070・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 関税還付のほうは今回二年延長ということになっておりますので、四十一年度まではこの関税還付を財源とすることができるわけでございます。私としましては、いまの国家財政の上から考えまして、このような財源措置は好ましいことではございませんが、石炭産業の安定をみるのもある期間のことでございますので、一応関税還付を財源として対処していく考え方に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/70
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071・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) 先ほど申し上げたのでございますが、先般の五十七億円の負担増に対し、二十七億円ということでございまして、一応われわれの計算といたしましては、全体を平均いたしますと百八十円の負担増、ただし、北海道、九州を五十円、百円で押えますと、残りをもし平等に負担すれば百九十円というような計算になろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/71
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072・大矢正
○大矢正君 そこで、最終的にお尋ねをしておきますが、当初北海道は五十円、九州は百円という案があって、それは暫定措置としてもこれをとらないということになって、五十円、百円という話は暫定措置からは除かれて、すべてが新会社発足後の新しい炭価構成の中でこれが出てくるわけでありますが、新しい会社ができた場合に想定をされる北海道と九州、すなわち産炭地の炭価というのはどのくらいのアップになるのか。私はなぜこの質問をするかといいますと、かりに北海道なり九州なり、それぞれ産炭地の炭価が大幅に上がりますれば、かなりのコスト高になってまいりまするし、そのことは、将来、電力料金の値上げの口実にもなりますから、十分考えなきゃならぬ意味ももちろんありますが片方でかりにその上がり方が非常に少ないという場合に、これが電力用炭ではない他の一般炭の市場価格をある程度きめる上においての重要な要素になるわけであります。相反することでありまするが、この二つの問題があって、非常に私どもも心配をしているのです。その点について局長はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/72
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073・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) 御質問は二点あると思うのでございますが、あとのほうの問題はちょっとこれはむしろ石炭局長からお答えをしていただいたほうがよろしいかと思いますが、先ほど申し上げましたように、北海道を五十円、それから九州を百円といたしましたゆえんのものは、北海道の場合は重油はほとんど使っておらないという関係で、やはりできるだけ値上げを少なくする、それから、九州の場合は全体に使う量も多いのと、それから、かつてすでに電力料金も値上げをいたしておりまして、まあ経営的にだいぶ楽であるというようなことで五十円、百円というような一応の数字を出したわけでございます。この辺は、先ほど申し上げましたけれども、電力業界内部の問題として、電力業界で自主的に今後きめるべき問題かと思います。
それから、あとの御質問でございますが、まあわれわれの立場からいいますと、この電力用炭販売会社によりましてプール制度いたしますので、この販売会社から石炭業者に渡る金は一律トン当たり三百円ということでございますが、しかし、現実に北海道電力がそういう安い、とにかく五十円しか払わないということがほかにどう影響を及ぼすかということは、ちょっとこれは石炭局長からお答えいただいたほうがいいんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/73
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074・井上亮
○政府委員(井上亮君) かりに北海道電力会社の炭価が五十円上がった、九州は百円である、揚げ地は三百数十円になったといいます場合には、一見しましたところ、価格差がありますので、石炭業者としましては高いほうに売りたいというふうに一見してなろうかと思います。しかしながら、今度この法律が通りまして販売会社が成立いたしますと、石炭業者の手取りは平均して三百円程度ということになりますと、北電渡しの際にも、手取りとしては三百円返る仕組みになりますので、その価格差はございません。したがいまして、北海道電力に売れば損をして、揚げ地に売れば得をするという関係ではございませんので、まずそういう懸念はないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/74
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075・石田次男
○石田次男君 簡単に三点お伺いしたいのですが、いまの電力は、申し上げるまでもなく、水主火従、火力のほうが圧倒的に少ないのですね。今後原子発電なんかもおいおい出てくるでしょうし、火力はオイルのほうがやりやすい、まあ単価も安くて、炭のほうが悔い、これが実際の発電所の常識になっているようです。そうして石炭業界のほうを見れば、大体五割近いものを電力業界に引き取ってもらわぬと生きていかれぬ、これは電力業界のほうの事情です。そうした場合、両方見合わせて炭価なんかをきめても、両方の操作をしていくのは通産大臣だと思います。この電力用炭の需要の伸び縮み、それから電気需用の増大ですね、全国的な電気需用の増大、その中に特に石炭による火力発電の伸びの計画、そういったものと見合わせていってこの法律をおつくりになったものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/75
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076・井上亮
○政府委員(井上亮君) 直接的には石炭の需給の数字とこの法律とは関係ございません。この法律は、この目的にありますように、やはり価格の安定という問題、それから、同時に、電力につきましては、先ほど来議論が出ておりますように、負担増対策との関係で、特に産炭地電力会社と揚げ地電力会社との間に価格のプールをする必要があるというような点から、この機関がそのプール機関だというようなこと、そういう必要性があるということ、あるいは、先ほど来やはり議論も出ましたが、万一不測の事態によりまして電力会社に石炭の供給が円満を欠くような場合には、この販売会社がそのあっせんの任に当たるというようなことが今回この法律の改正の要点になっておりますので、直接的には、ただいま先生おっしゃいました長期需給計画といいますか、に関係はないわけであります。しかし、そういった電力業界、石炭業界、両業界の長期引き取り体制というものが背後にはございます。そういうふうに理解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/76
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077・石田次男
○石田次男君 背後には計画があるということですが、背後というのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/77
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078・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) 先ほど先生が水主火従とおっしゃいましたけれども、現在実は火主水従でございまして、たとえば九電力だけで申し上げますと、昭和三十九年度末で二千五百万キロワットのうち、千四百六十万が火力でございます。それから水力が千五十万、こんなあれになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/78
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079・石田次男
○石田次男君 どうも失礼いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/79
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080・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) そこで、問題は、これからますます火力が重点になってくるということで、電力業者の側から申し上げますれば、灰捨て場も要らないし、熱効率もいい重油を使いたがる。また、そのほうが安いということでございますが、かねがね石炭の事情もございますので、石炭業界とのお約束によりまして、引き取り部分は引き取ってきているわけでございます。第一次の石炭対策大綱によりますれば、昭和四十二年度には二千五百五十万トンの石炭を引き取る。昭和四十五年度には三千万トンの石炭を引き取る、こういうお約束だったのですが、現実に三十八年度が千八百四十七万トン、三十九年度千八百五十一万トンというふうに、現実に石炭が出てこないということでございますが、しかしながら、今後も電力用炭がとにかく一般炭の最も大きな需要を占めておるという意味で、電力業界としては、来年度千九百万トン、再来年度も上回るかどうかは別にいたしまして、その程度のものは必ず必要とする、こういうことで、いわば国内エネルギー資源を十分保持していくという立場から御協力しておる、これが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/80
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081・石田次男
○石田次男君 ちょっとその点突っ込むようなんですが、いま設備投資やなんか、そのほかいろいろ民生関係でもって、国全体として電力需用は伸びているわけですよ。そのうち、火力発電による電力開発の伸びを見込んで、その上で炭価のほうも見合わせて考えているものなのか、そっちのほうとは全然関係なしに、現在の石炭業界を助けるという、そっちのほうからだけ考えたものか、炭価をきめることの考え方の基点をはっきりお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/81
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082・宮本惇
○政府委員(宮本惇君) 結局先ほど大矢先生もおっしゃいましたけれども、どういう形で基準炭価をきめるかということになるわけでございますが、先ほど石炭局長も答えられましたように、すでに現在ベースとなる基準単価というものは毎年きまっておるわけでございます。特に電力用炭代金精算会社ができまして以降は、きちっと毎年通産大臣がきめる、さらにそれをカロリー別に展開するといういままでの実績があるわけです。したがいまして、今度フール価格になりましても、三百円アップという場合には、そういうものを上に三百円を積み重ねていくという形をとるわけで、全体の需給といいますか、そういうものがわりあいに今後ともそう急激には伸びないという形から、需給が安定しているという意味で、大体その値段も、今度のような三百円アップの問題があれば別ですが、そう変わらないのだ。これは石炭価格のいろいろな矛盾はあるにしても、片一方では基準炭価というものはきちっときめられておる関係上、そちらが根本的に事情が変わらない限りは、大体それでいけるのではないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/82
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083・石田次男
○石田次男君 その点はわかりました。
第七条によれば、毎年大臣が購入販売の価格を定めなければならぬと、こうなっています。これは何月にやるのですか、年一回だろうと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/83
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084・井上亮
○政府委員(井上亮君) 年一回でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/84
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085・石田次男
○石田次男君 何月にやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/85
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086・井上亮
○政府委員(井上亮君) 四月一日を一応原則にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/86
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087・石田次男
○石田次男君 四月一日——電力会社にせよ石炭の会社にせよ、たいてい三月決算で、三月で年度切りかえすると思うのです。それに対して四月の決定はちょっとおそいのじゃないでしょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/87
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088・井上亮
○政府委員(井上亮君) 炭価を決定いたしますと、先ほどもお話し申し上げましたように、基準炭価を一応告示するといういま制度にいたしておりますので、毎年この炭価を改めますときに、一応年度がわりという意味で四月一日に告示することを原則にいたしておりまして、本年も四月一日に基準炭価の改正をいたしておる。ただ、石炭業界との話し合いはずっともっと前から、一月くらいからいろいろ折衝して、大臣がお話しになりましたように、石炭鉱業審議会にはかって最終的に通産大臣がきめるというような形でやっておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/88
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089・石田次男
○石田次男君 特に石炭業界のほうとしては、炭価によって収入が変わってくるわけですから、御存じのとおりに、どの業界も春闘はいまですよ。会社によりましては五月というところもありますけれども、たいてい三月が年度の切りかえで、そういうことになりますと、一年間の経済的なプランというのは、どの会社でももう少し早く見通しをつけないとあちこち障害が起こる点も考えられるわけで、四月にきめるというのは私はおそいように思うのですけれども、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/89
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090・井上亮
○政府委員(井上亮君) 大体電力だけでなく鉄鋼とか国鉄とかいろいろございますが、大体年度の初めに価格をきめるのが通例になっております。ただし、国鉄は慣例によりまして、大体六月くらいにきめて四月にさかのぼるというような、大体年度の初めと了解いたして、おります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/90
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091・石田次男
○石田次男君 ちょっと質問に答えてないようですが、通例はそうですよ、その通例自体を問題にしているんです。つまり四月一日なら一日、そこのところでこういう炭価を決定するとかいう通例そのものが、それが実情に合うか合わぬか、会社のほうの都合を考えてみれば、もっと早くきめてやるのが便利じゃないか、こう申しているわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/91
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092・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) いま御指摘の点は、私も実情に即してよく考えるべきだと思います。ただいま局長が言われておるのは、この年度がわりに告示をする、こういうことを言っているのでございますから、石炭鉱業審議会の審議を早目にやって、年度がわりには告示をするが、おおむね一カ月か一カ月半くらい前には大体見当がつくというような行政上の取り計らいは可能かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/92
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093・石田次男
○石田次男君 この問題はそれで打ち切ります。大臣の答弁ではっきりしたと思いますが、実際会社のほうでことしの炭価幾らとわかるのが二月ないし三月、こういうわけですよ。私に言わせると、もう一歩突っ込んで、年末までにわかっていなければ不便じゃないかと思うのです。この点、ひとつ今後の問題として御一考願いたいと思います。
次の質問は、大矢さんも触れておりましたが、電力用の炭価をきめるということは掘り出す石炭の半分の値段をきめることでして、ということは、結局石炭全部の値段を統制するという意味になる、そうなんですね。実際的にはそういう効果が発生してくるように私考えますけれども、その点はどういうものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/93
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094・井上亮
○政府委員(井上亮君) 御指摘のように、石炭の需要の五分の二は大体電力関係に相なっておりますが、そういう意味では、特に一般炭の価格につきまして、電力用炭の価格をきめますことは相当支配的な価格になろうかと思います。その意味で、特に価格の決定につきましては、通産省といたしましては石炭鉱業審議会にはかりまして、ここにはほとんど全需要部門が一応委員として入っておられますから、こういった中で慎重に検討いたしまして価格をきめてまいるようにしていきたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/94
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095・石田次男
○石田次男君 この炭価をきめれば、全体に対して確かに統制力がある。そういう効果が発生することは認められるはずですね。そうなりますと、その価格をきめるについては、どうしても業界の意見というものを相当に尊重しないと一方的裁定になる、あるいは電力業界の言い分を聞き過ぎたということになって、さまざまの問題が出てくると思います。そこでお伺いしたいのは、電力業界よりも、石炭業界の意向のほうをより慎重に聞く必要が出てくると思います。それに対する大臣の御用意はどういうものでしょうか。
第二点として、大臣がこの炭価をきめるというのは、将来はやめたらどういうものでしょうか、それはできませんか。あるいはそれを裏返しにして言えば、どうしても大臣がきめなければしようがないものですか、トラブルが起こってきまらぬものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/95
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096・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 供給側の意見を十分反映させるがよろしかろうという御意見、これは先ほどから申し上げておるとおりに、石炭鉱業審議会で検討いたしますので、そこには供給側も入っております。御意見のようにいたしてまいりたいと思います。
それから、大臣がきめるという問題について御批判がございますが、四十五年までの時限立法になっておりますので、まあその時期には私の権限はなくなるわけでございますが、いまのところ、法律に基づいてやりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/96
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097・石田次男
○石田次男君 その点わかりましたですが、政府としては、しようことなしに大臣がきめるという方法をとったのか、積極的姿勢でとったのか。しようことなしにならば、四十五年になれば、それまでに解決をつけて、大臣は炭価決定に関与せぬ、こういうことになりましょうか。そうでないと、四十五年の期限がまた延びるということも考えられますから、そこの関係をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/97
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098・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) いま石炭産業の建て直しの目標を四十二年度に置いております。その間、行政指導の必要がいろんな面であろうかと思うのであります。したがって、四十五年度まで時限立法として大臣の認可権があるわけでございますが、この範囲でおそらくその必要がなくなるものではないか、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/98
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099・石田次男
○石田次男君 最後に一つお伺いしますが、第四条の取締役の人数の変更です。現在何人ですか。「五人以内」ということですが、五人ちゃんとそろっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/99
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100・井上亮
○政府委員(井上亮君) 現在取締役は五名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/100
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101・石田次男
○石田次男君 その五人の取締役の前歴と給料をちょっと教えてもらいたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/101
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102・井上亮
○政府委員(井上亮君) 五人の中には社長が入っておられるわけでございまして、社長は三井鉱山からおいでになりました。それから常務は、前に通産省の官房の審議官をやっておられました方が一名入っております。あとは石炭業界の出身の方々でございます。給料は、社長が二十五万五千、常務が二十一万、取締役が二十万というふうなことに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/102
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103・石田次男
○石田次男君 今度これを「六人以内」に改めるわけですね、奇数から偶数に変えるというのはちょっと問題があるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/103
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104・井上亮
○政府委員(井上亮君) 今回役員を一名追加いたしたいというふうに考えているわけでございますが、これは実は電力業界から少なくとも常務以上の方にお入りいただきたいというような意味で改正を提案しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/104
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105・石田次男
○石田次男君 この「五人以内」というのは奇数ですよ、六人になると偶数ですよ、奇数から偶数に簡単に変わるというのは、私は常識からいってちょっとおかしいと思うのです。五人が七人になるならわかるのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/105
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106・井上亮
○政府委員(井上亮君) 現在五人の取締役のうち、二名は非常勤でございますので、したがいまして、社長を入れまして三名、それに今回追加をお願いするというような形になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/106
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107・石田次男
○石田次男君 今度この業務内容が変わり、出資額も五割方ふえるというような形ではありますけれども、この取締役をどうしてもふやさなければだめなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/107
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108・井上亮
○政府委員(井上亮君) 現在、精算会社の形で業務を行なっておりますが、今回販売会社ということに改正いたしますと、業務内容は、電力業界との非常に密接な関係、緊密な度合いが一段と加わるわけでございまして、特に石炭業界と電力業界との橋渡し的な一つの機関にも相なろうかと考えますので、現在常勤が三名でございますが、これに一名、電力業界からぜひ常務以上の立場でお入りいただきたいというような意味で一名追加をお願いしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/108
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109・石田次男
○石田次男君 ですから、さっきも言ったとおりに、奇数から奇数に変わるのはわかるけれども、奇数から偶数に変わるのはどうもちょっとおかしいのです。意見が対立したらどうするのですか。その人数で二対二のときどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/109
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110・井上亮
○政府委員(井上亮君) この会社の業務は法律に定められた業務を事務執行するような形になっておりまして、万々意見の対立はなかろうかと思いますけれども、万一先生御指摘のような事態には社長が決裁するということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/110
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111・石田次男
○石田次男君 ですから、これは表面的な意見の対立といいますか、派閥争いみたいなことになったら妙なことになると思うのです。「五人以内」なら五人以内ということでいいんじゃないですか。ふやさなくて、つまりはっきり言えば常務一人おろして、必要な電力業界なら電力業界の人を一人入れたらどうですか。こういうことはこの会社だけではありませんで、官庁に関係したこういう種類の会社その他で役員を増加するというのは、各省にわたって見ますと非常に多いわけですね、毎年出てきますよ。これ一つきり見ていえばどうということも感じないわけですけれども、全体的に見るとどうも問題がある。そこで、簡単に法改正というだけでこういう種類の取締役、理事クラスをふやしていくという各省の現在の考え方が基本的に問題だ、私はこう思っているので質問して、いるのです。どうしてもこれはふやさなければならなかったのですか。おまけに、どの取締役を見ても、たいした給料取りですよ。人一人の分だったらそう文句は言いませんけれども、こういうものの経費というものはなるべく詰めるのがあたりまえだと思うのです。ところが、お役所でやる仕事というものは簡単に増員が出てくる。ことし一年間の各省関係のそういった増員を調べてみたら、その経費もけっこうばかにならぬと私は思っています。そこで、「五人以内」から「六人以内」にどうしても改めなければならなかったのか、万やむを得ない事情なのか、改めなければ改めなくても押し切れるものではないのかと、私は思っているのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/111
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112・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 基本的には、ただいまの御意見は私どもが尊重し、人員増をできるだけ避けるのが本来だと思います。今回の場合は、御審議の過程でおわかりのように、従来の会社の性格から、大幅に業務もふえ、性格自身も変わってきております。そういうようなことから、この際、新たな業務に責任を負うような者を一人加えようというような見地に立ったのでございますが、いまのように御批判を受けますれば、反省すべき点も多々あろうかと思いますが、私としては、現在の機構の上に新しい業務が加わった、そういう点から一人を許していただいたらどうかと、きわめて単純に考えまして、この点は今後十分気をつけていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/112
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113・石田次男
○石田次男君 質問けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/113
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114・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/114
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115・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 御異議ないものと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/115
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116・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 御異議ないものと認めすす。
それでは、これより採決に入ります。
電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/116
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117・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 総員挙手、全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/117
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118・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/118
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119・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 連合審査会に関する件についておはかりいたします。
産炭地域における公立の小学校及び中学校の学級編制及び教職員設置に関する特別措置等に関する法律案について、文教委員会に対し、連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/119
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120・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、連合審査会の開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/120
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121・小柳勇
○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01419650413/121
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