1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十二日(水曜日)
午後一時四十一分開会
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委員の異動
五月十二日
辞任 補欠選任
岸田 幸雄君 堀本 宜実者
剱木 亨弘君 山崎 斉君
高野 一夫君 田中 啓一君
野田 俊作君 久保 勘一君
吉武 恵市君 栗原 祐幸君
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出席者は左のとおり。
委員長 阿部 竹松君
理 事
亀井 光君
堀 末治君
大矢 正君
鬼木 勝利君
委 員
川上 為治君
久保 勘一君
栗原 祐幸君
郡 祐一君
田中 啓一君
堀本 宜実君
山崎 斉君
山下 春江君
小柳 勇君
田畑 金光君
国務大臣
通商産業大臣 櫻内 義雄君
政府委員
通商産業省石炭
局長 井上 亮君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/0
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001・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) それでは、ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
委員の異動について報告いたしますが、本日、剱木亨弘君、野田俊作君が委員を辞任され、その補欠として山崎斉君、久保勘一君の二名の方が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/1
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002・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、質疑を行ないます。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/2
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003・鬼木勝利
○鬼木勝利君 これは前回お尋ねしたのでございますが、大臣がお見えになりましたので、大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、これは私、予算委員会で大臣にお尋ねいたしました問題でございますが、九州の筑豊地方に前池田総理がお見えになったときに、造幣局あるいは政府機関の被服工場を誘致すると、こういうお話があったのでございますが、予算委員会で大臣にお尋ねいたしましたところ、大臣も、自分にもそういう記憶はあるとはっきり仰せになったのでございますが、きのう石炭局長の答弁によりまして、基本的な企業誘致の大体方針はよくわかりましたが、いやしくも総理が造幣局とかあるいは政府機関の被服工場というような大企業を誘致するのだと、こういうことをおっしゃったことに対して、今日までそのお話は生きておるのか生きていないのかということをお尋ねいたしたいと思います。きのう石炭局長並びに政務次官は、その話は生きておると、こういう御答弁でございましたが、念を押すためじゃありませんけれども、なお大臣にお尋ねいたしておけばたいへん都合がいいかと思いますので、その点をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/3
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004・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 池田前首相の言われました造幣局誘致等の問題につきましては、ただいま御質問の中にもございましたように、政府委員よりなお技術的問題等の検討中であると、こういうふうにお答えをさせてございますが、私もそのように考えておる次第でございまして、通産省としては、関係方面に、すみやかに造幣局の誘致ができるように、なお今後も努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/4
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005・鬼木勝利
○鬼木勝利君 今日までの関係方面と折衝されたこと、あるいはその計画に向かって努力をされたその点について具体的に、単に抽象的に考えているのだということでなくして、じゃあ具体的にどういうことを——相当もう日数も年月もたっているのですから、ただ考えている、考慮している、含んでいるだけではこれは地元民は承知しないと思う。その点もう少し具体的にひとつお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/5
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006・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 申し上げるまでもなく、造幣局は、これは大蔵省の関係でございまして、大蔵省との間に話し合いを続けているわけでございますが、どういうものをつくるか、また、現在の設備能力が、まあ大蔵省のほうから言えば足りている、今後における見通しをもう少し把握をして考えたいというようなことでございまして、誘致いたしたいという私どもの立場から申し上げますと、まことに歯がゆい点もございますし、また、皆さん方から御批判も受けるわけでございますが、現実にはそういうような状況になっているようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/6
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007・鬼木勝利
○鬼木勝利君 これは昨日から私お尋ねをしているので、先ほども申しましたように、予算委員会でも、大臣は、確かに記憶している、こういうことをおっしゃったので、私はこうして執拗にお尋ねをしているわけでございますから、産炭地域の振興をはかるのに最も必要な大企業の誘致ということは、私は最も大事なことで、さように政府がおっしゃいますけれども、いまだその中核となるべき大企業が一つも進出を見ない。これはまことに私遺憾なことで、単に造幣局、政府機関の被服工場というようなことに私は固執するわけじゃありませんが、産炭地振興の具体策として、他産業の導入ということに対してどういうことをいま考えておられるのか、これを早急にやっていただかないと地元としては非常に困っているわけなんですが、その点を大臣でも石炭局長でもいいですから、いまお考えになっている、計画をされている具体化すべき計画案を、あるいは、ないならないと、その点をひとつもう少し突っ込んで私お尋ねしたいと思います。
〔委員長退席、理事大矢正君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/7
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008・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) お話のような中核企業の誘致ということが産炭地域の振興のために役立つことは当然のことだと思うのであります。現在の事業団の設備資金の貸し付け条件などにつきましても十分でない、こういう判断のもとに、四十年度におきましては貸し付け限度額の一件四千万円の制限廃止をいたしました。また、融資比率につきましても、所要資金の従来三〇%のものを四〇%に引き上げる、あるいは同事業団の貸し付け資金量を、三十九年度二十七億円を四十年度四十億円にする、こういうようなふうに誘致がしやすいように事業団の事業内容を更改をいたしてまいったわけでありますが、お話の、それでは具体的にどういう中核的な工場を考えておるか、こう申されますと、いまの条件緩和に伴う民間企業の進出をまず期待をいたすわけでございますが、ただいまも問題になりましたように、政府関係にもわれわれとしてはおすすめをして、何とかその有効な工場の誘致を、こういうことで専売公社のたばこ工場であるとか、あるいは国鉄の修理工場とか、あるいは造幣局とか、通産省なりの希望はいろいろあり、また、折衝もいたしておるのでございますが、いずれも現状はなかなか具体化しないということで、われわれとしては申しわけなく思っておるのでありますが、しかし、ただいま申し上げましたような産炭地域振興事業団の今後の活動によりまして、御期待に沿いたい、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/8
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009・鬼木勝利
○鬼木勝利君 大臣の御熱心なそのお気持ちはよくわかりますが、私考えますに、石炭鉱業の合理化は、これは石炭対策大綱の線に沿って順調に進展しておると思うのですが、反面、それに即応すべき産炭地域振興対策の成果があがらない、いたずらに合理化を急いで、次に来たるべき産炭地域振興対策ということが全然無方策で進められておる。事実この炭鉱離職者対策とか、あるいは地域産業、商工業の振興育成、あるいは鉱害の復旧とか、数多くの幾多の問題をかかえておる産炭地域の財政事情というものは、私は、今日非常に逼迫しておると思う。ですから、そういう当該地域の財政力をもってしては、とても産炭地域振興という方途さえ私は立たないと思う。これに対して、やはり大臣のおっしゃることはよくわかりますし、その御苦心のほどは大いに私は了といたしますが、やはり早急に石炭産業にかわるべき地域振興の中核となる大企業を、一日も早く早急に誘致する必要があるのじゃないか、私はこういうふうに考えますが、いま考えておる、慎重にしておる、こういうことではいつまでたっても私は産炭地の振興をみることはできないのだ、こういうふうに考えますが、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/9
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010・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 鬼木委員のお考え方については、私としても全く同感でございますが、といって、現実に中核となるような大企業の進出が遅々として進まない、こういうことでございまして、その場合、責任当局としてどう考えておるか、こう責められてもやむを得ないと思うのでありますが、しかし、私どもとしても、ただ手をこまねいておるわけではないのでありまして、これは御説明するまでもなく、十分御承知のことと思いますが、三十七年度以降、本年一月までに六条地域に進出いたしました企業数は二百九十二になっております。必要があれば詳しく申し上げさせますが、大体これらの進出企業によって新たに雇用された人員が二万四千人ぐらい、このうち、炭鉱離職者に該当する者が一万一千五百余になっておるのであります。設備投資額は五百五十七億円、こういうことであります。おもな業種としては縫製品工業、食品工業、窯業、木材加工業、機械、金属製品工業等でございまして、進出企業の規模は従業員五十人から三百人程度、出荷額五千万円から五億円程度のものが中心になってるわけでありまして、これらの点をお含みの上、御了承をいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/10
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011・鬼木勝利
○鬼木勝利君 時間がありませんので、もうちょっといろいろお尋ねしたいのですが、後日にお譲りしまして、問題は、産炭地振興の最も大事なことに政府の計画が私は非常におくれておるように思うのですが、まず、産炭地を開発するというその基礎条件として、交通網の拡充整備、こうした点において、北九州、ことに筑豊炭田は全然そういうことに手をつけていない。御承知のとおり、北九州重工業地帯と直結をする国道、これは一番私は大事なことだと思うのですが、そういう産業開発道路というのですか、バイパスというのですか、バイパス路線というか、そういうことの御計画は通産省においてあるようです。御計画はあるようですが、いっそういうことが実現するのか、いつから着工するのか、どういうふうに考えておられるのか、単にこういう計画があるのだということのみをだき込んで、いつまでもそれを実現に移していただかないと、産炭地域振興事業団等においても工場用地造成なんかをやっておられるようですけれども、ただやっただけで、あとはそのまま放置している、あるいはボタ山あたりでも、私は、もっとそれを用地造成というような点に持っていかれたらいいのじゃないか、そういう点について全然手をつけていない。これは大企業誘致ということに対する皆さん方の案がないのか、それに対するところの熱意がないんじゃないか、かように私は思いますですが、どういうふうにお考えになりますか、その点ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/11
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012・櫻内義雄
○国務大臣(櫻内義雄君) 昭和四十年度を目標に計画を立てて、建設省がこれに当たる考えでございます。お話のように、産炭地域内の工業用地の造成または産業の立地等に関連する道路、これは市町村道も含めて、当然建設整備を促進すべきものだと思います。また、今回の地方公共団体に対する財政援助措置、これは申すまでもないことでありますが、地方公共団体の財政負担の軽減をすることによって、道路等の公共事業が従来以上に促進されることを目的といたしたのでございまして、御質問の御趣旨に沿っての考え方だと思うのであります。
そこで、国道等についてのお話でございますが、北九州産炭地域周辺の主要道路の整備状況を申し上げますと、国道二〇〇号線(八幡——鳥栖線)、これにつきましては、継続施行中の冷水峠の改良工事(四十二年度完了)を除いて、全線の一次改良を完了しておる。舗装も一部を残して完了、残りも四十二年度には完了する予定でございます。
〔理事大矢正君退席、委員長着席〕
国道二〇一号線(福岡——行橋線)、これにつきましては、仲哀トンネル及びその付近八・五キロを除いて、全線の一次改築を完了、これはトンネル工事についても四十三年度までに完了する。田川バイパス二次改良は三十九年度から工事に着手いたしまして、四十三年度完成の予定でございます。国道二〇二号線(福岡——有田線)、これは三十九年度中に全線の一次改築を完了いたしました。国道二一一号線(日田——八幡線)、これは全線の一次改良はすでに完了いたしました。舗装は四十四年度までに全線を完了をする、こういうようなことです。なお、地方道の田川——直方線は全線の一次改良を完了し、三十九年度から直方バイパス二次改良の工事に着手いたしまして、四十三年度完了の予定と、こういうようなことになっております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/12
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013・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) 委員の異動について御報告いたします。本日、岸田幸雄君、高野一夫君、吉武恵市君が委員を辞任され、その補欠として堀本宜実君、田中啓一君、栗原祐幸君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/13
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014・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) 鬼木君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/14
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015・鬼木勝利
○鬼木勝利君 産炭地域振興事業団の事業団そのものを私はもう少し強化してもらいたいというような問題と、それから、産炭地の農業に対する対策、水資源の問題等をお聞きしたいのでございますけれども、二時までということで、もう私四十分もここで自民党諸君を待っておったのですけれども、お見えにならない、まことに遺憾でございますけれども、またいずれ大臣にゆっくりお話を申し上げたいと思いまして、これできょうは私の質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/15
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016・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) ほかに御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/16
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017・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/17
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018・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/18
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019・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/19
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020・阿部竹松
○委員長(阿部竹松君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後二時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814589X01819650512/20
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