1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月十三日(火曜日)
午前十時二十八分開会
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委員の異動
四月八日
辞任 補欠選任
松本賢一君 秋山 長造君
四月九日
辞任 補欠選任
植竹 春彦君 沢田 一精君
秋山 長造君 松本 賢一君
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出席者は左のとおり。
委員長 天坊 裕彦君
理 事
石谷 憲男君
西郷吉之助君
竹中 恒夫君
林 虎雄君
委 員
井川 伊平君
大野木秀次郎君
小林 武治君
高野 一夫君
中野 文門君
前田 久吉君
加瀬 完君
鈴木 壽君
政府委員
総理府総務長官 臼井 莊一君
総理府総務副長
官 古屋 亨君
警察庁長官 江口 俊男君
警察庁交通局長
事務代理 鈴木 光一君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
説明員
警察庁交通局交
通企画課長 宮崎 清文君
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本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提
出)
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001・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。三月九日付植竹春彦君が辞任され、沢田一精君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/1
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002・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましてはすでに提案理由及び補足説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/2
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003・井川伊平
○井川伊平君 ちょっとお伺いいたしますが、運転免許をちょうだいする受験資格の点で、何か今度年齢が引き上げられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/3
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004・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 運転免許の資格年齢の点でございますが、今回の改正でお願いいたしております点は二点ございます。一点が自動三輪車の免許でございますが、これが現行法上は十六歳になっております。これを、今回の改正で自動三輪免許を普通免許に統合いたす予定にいたしておりますので、その結果といたしまして、自動三輪免許が普通免許になりますと、普通免許の資格年齢が十八歳でありますので、現在の自動三輪車を運転しようとする者は、十八歳でなければ免許がもらえないということになります。もう一点は、現行の四輪、三輪の軽自動車でございますが、これを三年後にやはり軽四、三輪車に関します免許な普通免許に統合いたすことにお願いいたしております。この点につきましても、現行の法律は、十六歳で軽四輪、軽三輪の免許を取得することができることになっております。三年目にこれが普通免許に統合されますと、先ほど申し上げました自動三輪と同様に、十八歳でなければ免許が取れない、現在の軽四輪とか三輪を動かすことができない、このようになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/4
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005・井川伊平
○井川伊平君 いま、物を販売する商店が、若い、十六歳を過ぎたばかりの者に、三輪車とか、こういう車を運転させて物を配達させておる。そういう者は給料も安い。それが受験年齢を引き上げられることになると、当然に、高い給料を払わなければ雇えない。そうしてくると、同じ価格で物を売ることができなくなって、物が高くなる。高くなっても売れればいいが、売れなくなると困る。言いかえれば、商売に非常に影響する。こういうことで、一般商家におきましては、こうした受験資格の年齢の点の引き上げに対しまして、非常に困るということを言っておるのですが、これはどうしても踏み切ってやらなければならぬのですか、そういう面につきましても。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/5
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006・鈴木光一
○政府委員(鈴木光一君) ただいまのような御心配があるのはごもっともでございまして、私どものほうでもその点に配意いたしまして、軽四輪と軽三輪につきましては三年間の猶予期間を置いたわけでございますが、その三年間にそういう雇用上の諸問題について配慮していただくということで、三年間の猶予期間を置いたわけでございます。なお、そういう心配があるにかかわらず今回の改正をお願いいたしましたのは、やはり、十六、七歳の年齢層におきまして事故が非常に多いということがありますので、それをあえてやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/6
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007・井川伊平
○井川伊平君 先ほどの、第一の三輪のほうは十六歳を十八歳にして、第二の軽四輪、三輪のほうは十六歳で三年間猶予するというお話でございましたが、これはどういうように区別するんですか。実は私は車のことは全くしろうとなんですが、どういう区別があるんですか、車は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/7
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008・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 外見上はなかなか最近区別がつきにくくなっておりまして、自動車の区別は、それぞれ排気量の大小によって区別いたしております。軽自動車と申しますのは、排気量が三百六十cc以下の車でございます。三百六十ccをこえますと、四輪の場合は大型ないし普通自動車、それから、三輪の場合は自動三輪と呼ばれております。三百六十cc以下のものは軽と呼ばれておりまして、この三百六十cc以下のほうの車に四輪のものと三輪のものと二種のものがございます。これらがいずれも軽でございますが、先生方がごらんになってよくおわかりになりますのは、たとえばスバルとか三菱三六〇という、小型の非常にかわいらしい四輪車がございますが、これが軽でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/8
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009・井川伊平
○井川伊平君 あの三輪のほうは、現在十六歳で受験されたのが十八歳になった。これは直ちにやるという意味ですね、施行されれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/9
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010・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/10
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011・井川伊平
○井川伊平君 そのほうは直ちにやらねばならぬ。それから、軽三輪、四輪のほうは直ちにはやらないで、三年後に施行するという、そういうふうな区別は、どういう点から出ているのか、詳細御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/11
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012・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 先ほど局長も申し上げましたように、危険の度合いから申しますと、自動三輪も軽四輪も、十六歳の者に運転させることは、私たちの立場から見ますと、やはり危険性は同じではないかと思っておりますが、これも先ほど局長が申し上げましたように、自動三輪については、社会実態上、これをいま免許年齢を引き上げることについてはほとんど問題がございませんが、軽四、三輪につきましては、先生から御指摘がありましたように、中小企業に雇用されておる十六、七歳の者が軽四、三輪を使っている場合が比較的多いとか、あるいは、それがしたがって小型自動車工業の生産にも多少影響がある、こういうような社会実態を考慮いたしまして、警察といたしまして、自動三輪同様に直ちに改正をいたしたかったわけでございますが、そのような社会実態を考慮いたしまして三年間延期することにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/12
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013・井川伊平
○井川伊平君 そうしますと、第一の説明の三輪の、直ちに十六歳を十八歳にするほうの車と、軽四輪、三輪の車の用途ですね、車の構造やなんかじゃなしに、車の使われておる用途は、おもに三輪はどういう方面に使われて、どういう仕事をしておるか。それから軽四輪、三輪はどういう方面に使われてどういうことをしておるかといったような、全然しろうとですから、説明してくれませんか。その用途がはっきりしませんと、ここに受験の資格の直ちにというのと三年後にということの区別が出てこないから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/13
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014・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 車両の用途別の資料につきましては、実は私たちも的確なる資料を持ち合わせておりませんので、きわめて常識的なお答えになろうかと思いますが、自動三輪は、御承知のように、一種の貨物車でございまして、乗用車ではございません。したがって、一般に荷物の運搬に使っております。ただ自動三輪は、御承知のように、相当大きいものができておりまして、排気量で申しますと、千九百cc、これはトヨペットとか日産のセドリックと大体同様の排気量でございますが、このように非常に大きなものもございます。したがいまして、通常の大型トラックとあまりたいした性能の差はございませんので、通常のトラックよりやや小さい程度で、そういう荷物、貨物の運搬に使用されております。それから軽四輪のほうも、先ほど申し上げましたように、排気量も非常に少のうございますし、したがいまして、自動車も非常に小型でございます。したがって、小さな荷物の運搬、そういうものに主として使われておるものと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/14
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015・井川伊平
○井川伊平君 三輪の場合と軽四輪、三輪の場合で、運転に従事しておる者の年齢別で従業員の数がどうなっておるか。そのうちで、事故の数は十八歳以上の者と十八歳以下の者とでどうなっておるか。そういうような調べはできていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/15
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016・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 軽免許につきましては、今回このような問題がございますので、一応調査はいたしております。現在軽免許を持っております者がざっと四百万ございます。そのうち、十六歳で軽免許を持っております者の数が約二十五万でございます。その二十五万のうちに、はたして中小企業に雇用されておる者が何人いるかということでございますが、これは実は私のほうで的確な資料を持ち合わせておりませんが、大体の推定によりますと、二十五万のうち七割程度が学生だろうというふうに推定されております、免許を持っております者が。したがいまして、その残り六、七万があるいは勤労少年で軽免許を持っておる者であろうと、このように推定いたしております。したがいまして、もちろん、十六、七歳で軽免許を持って軽自動車を運転している者は相当ございますが、その数は全体から申しますと比較的少ない、こういう数字が出ております。
それから次に、同じ軽免許を持っております者で、十六、七歳の者と十八歳以上の事故率がどうなっているかということでございますが、これは大体のところ、事故率が十八歳以上の者が〇・六に対しまして、十六、七歳の者は一という数字が出ております。大体におきまして、十七歳の者のほうが十八以上の者に比べまして一・六倍事故率が高い、こういう数字が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/16
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017・井川伊平
○井川伊平君 十八歳以上と十六、七歳はわかりましたが、十七歳と十六歳の比例、十七歳と十八歳の者との比例の率はどうなっておりますか。事故率は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/17
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018・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 十六歳と十七歳の比較はちょっと出しておりません。ただいま申し上げましたのは、十六、七歳を込みにいたしまして、十六、七歳の者と十八歳以上の者との比較でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/18
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019・井川伊平
○井川伊平君 そういたしますと、現在十六歳の者を十七歳にすればいいとか、十八歳までにしなければいかぬとかということはどうして判断できましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/19
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020・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 免許年齢をどこで線を引くかということにつきましては、いろいろの議論もございますし、いろいろの御意見がございます。もちろん、それにはそれぞれ一長一短の理由がございますが、私たちといたしましては、現在の免許年齢が、御承知のように、十六歳と十八歳の二本立てになっております。したがって、また国際的にもほとんどの国が十六歳というものを一種の免許年齢の基準にいたしておりますので、それに合わせるのが常識的かつ妥当であろうと考えました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/20
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021・井川伊平
○井川伊平君 実際、経済に関係のあります実業界が十六歳の者も使い、十七歳の者も使い、十八歳の者も使い、それ以上の者も使っている。それを十六歳の者は事故率が多いからというのであるとすれば、十七歳にしてみたらどうかということの考え方は当然すべきでないか。世界が一般的に十八歳以上にしているという、一般的だということの考え方をして、日本の実業界の使っていることの迷惑さを考えないというのはちょっと不親切ではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/21
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022・鈴木光一
○政府委員(鈴木光一君) ただいまの軽自動車を普通自動車並みに扱うという問題でございまして、普通自動車になりますと、したがって普通免許になるということになりまして、普通免許が現在十八歳以上ということになっておりますので、それに合わせたわけでございまして、御指摘のような問題でございますけれども、一応日本の免許年齢というものは、十八歳以上というのが普通免許につきましては原則になっておりますので、それに合わせたわけでございます。
なお、補足いたしますと、先ほどの事故率の問題につきましては、十六歳と十七歳を込みにしたものが、十八歳以上よりも約倍事故が多いという計算をしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/22
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023・井川伊平
○井川伊平君 取り締まりやなんか、あるいは法の形式からいえばきわめて簡単になるわけでありますから、ていさいはいいかもしれませんが、実際に国民の多数の者が迷感するのだということであるとすれば、そういうような便宜主義だけできめるのじゃなしに、もう少しまじめに研究してやって、十六でいけぬとするならば十七でどうか、十七でいけぬとすれば十八歳にしようか。あるいは私は質問をしていないけれども、満二十以上の者と以下の者と考えてみれば、十八、十九でも、この二十以上の者よりも事故率が多いかもしれないでしょう。調べていますか。そういうものをまじめに考えてみれば、もう少し親切に考えてもいい問題じゃないかと思うがいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/23
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024・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) いきさつを申し上げますと、十八歳ということについても、私のほうの公安委員会等では非常に議論がございます。これはやはり責任を十分とれる、そういう特典を与えるとすれば、反面、責任能力というものを考えねばならぬのであって、むしろ普通免許も二十くらいまで引き上げたらどうかという議論は相当ございます。しかし、現在の日本の実情からいって、一たん十八にしたものを引き上げるということはなかなか困難だということで、今回の改正にはわれわれ入れませんでしたけれども、そういう議論が片方にございます。そのときに、私、数字はここに覚えておりませんけれども、確かにおっしゃるように、十八ないし二十、未成年の事故率というものが、それ以上の成年の事故率より多かったことを記憶しております。だから、年齢が低ければ低いほど現在におきましては事故率は高いというふうに御承知願いたいと思います。
それから、ただいまの十七にしたらどうかというようなお話でございますが、十七にするか十八にするかというのは、るる申し上げたように、十八にこちらはしたい。しかし、三年間猶予するのをどこにするかというのは、おっしゃるようにあるいは十七歳はもうほとんど事故率が十八以上と変わらない。十六歳が特に多いというようなことであれば、その十六歳だけは三年を待たず引き上げ、十七歳については三年間おくとか五年間おくとかというこまかい操作はできると思いまするが、とにかく、理想として少なくとも普通免許にしようという立場をとっておりまするから、その十七で切ろうという考えは初めから持たなかったのは事実でございます。十七と十六の事故率というものは、時間をかしていただければ、それはいまある事故を分析すれば出てくるわけでございます。まあ、ほとんど変わりはないのじゃなかろうか、こう言っていいのじゃないかと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/24
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025・井川伊平
○井川伊平君 なお、私引き続き質問をしたい点多々あるわけでございますが、いろいろ御都合があるそうでございますから、きょうは私の質問はこの程度にいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/25
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026・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/26
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027・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/27
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028・鈴木壽
○鈴木壽君 自動車事故が絶えない。いろいろな心配な事態ですが、いろいろ事故の原因等についても検討なさっており、また、それに対するいわゆる対策という面でも政府としてもいろいろ御苦労しておられると思うのですが、最近の三十九年中の事故及びその事故の原因となったもの、こういうことについては何かまとめたものがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/28
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029・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 三十九年の事故の概要につきましては、お手元に、これは「道路交通法の一部を改正する法律案についての資料」というのをお配りしてあると思います。その末尾に、大体の概要の統計が載っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/29
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030・鈴木壽
○鈴木壽君 そこで、事故の原因となったいろいろな違反ですね。こういうことで事故が起こったんだというようなことについて、この中にございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/30
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031・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) ページで申しますと、七十二ぺ−ジに、これは死亡事故だけでございますが、死亡事故がいかなる状態で起こったか、いかなる原因で起こったかということの一応の統計がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/31
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032・鈴木壽
○鈴木壽君 死亡事故だけでなしに、これは死亡に至らない、けがをしたあるいは物がこわれた、こういうようなこともいろいろあると思うのですが、そういうことについての全般的なのはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/32
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033・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 全数の統計につきましては、これを整理いたしますのに相当時間がかかりまして、たいへん申しわけございませんが、いつも半年ぐらいおくれませんと完全な統計が出てまいりません。三十八年のはできております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/33
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034・鈴木壽
○鈴木壽君 三十八年度のを、何かプリントしたようなものでもございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/34
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035・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/35
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036・鈴木壽
○鈴木壽君 いまいただいておる、このたびの法改正に付随した資料としては、それは配付になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/36
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037・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 今回の法改正の資料といたしましては、いまお手元に差し上げている分だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/37
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038・鈴木壽
○鈴木壽君 それひとつ、じゃ三十八年度のでもけっこうですが、いただきたいと思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/38
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039・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) ただいまでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/39
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040・鈴木壽
○鈴木壽君 これはなければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/40
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041・宮崎清文
○説明員(宮崎清文君) 役所のほうにはございますから、至急取り寄せます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/41
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042・鈴木壽
○鈴木壽君 私それを見たいし、また、それに対するあなた方のいろいろな考え方なんかをお聞きしたいのは、事故対策としていろいろなことがあげられているんでありますし、特に、「交通事故防止の徹底をはかるための緊急対策について」という、交通対策本部が一月に出しました、相当広範囲にわたる対策がありますもんですから、その場合に、一体事故をなくすることが最大の急務だということでありますが、原因とそれに伴う対策というものがやはり当面一番早く出てこなければいけないんじゃないかと、こう思うわけですね。たとえば、各地でいろんな事故の原因になった違反を調べていった場合に、たとえば、ある地区では事故の原因として一番大きなウエートを持つものが徐行の違反だというようなことが述べられておる。あるいはハンドルの操作、いわゆる運転技術の面からのそういうことが第二番目だというようなことが出ておるわけなんですね。ですから、こういう点からしますと、いろいろいま言われている事故対策というようなことから、かりに自動車の事故の原因が、いま言ったようにある地区でこういうものが大きな原因になっているんだと、こういうことであるとするならば、それに対してどうしなければならぬのか、どう対処すべきであるのか、どういう対策を持つべきであるのかということが、さっきも言いましたように、とりあえず取り上げていかなければならない問題だろう、こういう意味で、さっき申し上げたような資料があり、また、それに対する考え方をお聞きしたいと思っておったわけなんです。そこで、あとで資料もいただきますが、いま私が言ったような自動車事故の原因となるいろいろな違反といいますか、違反が、もうすでに事故でしょうが、原因になるいろいろな問題があろうと思うのですが、そういうことについて、大まかな点でもよろしゅうございますが、どういう事柄によって事故が起こるんだ、多く起こるんだと、それに対してどうすべきだというような考えを、まあ概括的でいいですが、ここで聞かせていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/42
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043・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 三十八年度の事故の分析はできるだけ早く、差し上げますが、一応七十二ぺ−ジの死亡事故の表のところをごらんになりながらお聞き取りを願いたいと思います。
いわゆる交通違反というのは、年々約五百万件くらいございます。ただ、違反で申しますと、それが事故を伴っておるものとおらないものとございますが、総じて五百万件の違反があり、そのうちで、その違反によって五十万件くらいの事故が起こっております。その中の一万数千件が死亡事故と、こういうふうに相なっておりますから、事故の約五十分の一、四十分の一くらいの一つのモデルにこの表がなろうかと考えます。その原因を原因別に見ますというと、やはり自動車の側から申しますと、酔っぱらい運転、あるいはわき見運転というのが大部分でございます。それから、やられるほうの、被害者の側から見ますというと、死亡事故の分析の一番上にございまするように、原付運転同乗中とか、あるいは横断歩行中というようなものが非常に多いわけでございます。これは被害者の側から見た原因と言っておかしいのでありますが、状態別のものであります。したがいまして、事故の対策としては、運転者の側における多くの原因になっているものをとりあえず重点的に取り上げて、そういうことのないよう指導なり、制裁なりをして規制していくということが一つ。
それからもう一つは、被害者になる者についても注意を喚起する。たとえば原付運転同乗中、あるいは二輪車運転同乗中、あるいは自転車乗車中というようなものにつきましては、その一部について、今度はヘルメットを法的にかぶせようというようなことを考えたのもその一つでございます。
それから、横断歩行中というのが非常に多いのでありますが、これは私は、主として施設の面から来る部分が非常に多かろう。横断施設というものがぴしっとあって、そこを必ず通る。横断施設がそばにあるのに、そこを通らずに、ほかのところを通っていてやられるという例もございますけれども、必要なだけの十分安全な横断施設がないために、環状七号線等で事故が多発しましたのは、まあそういう意味であったということでございまするから、道路を改良し、道路をつくる場合におきましては、必ず横断のできるもの、あるいは別個に歩道を設けるというような施設の面の改良、改善というものがそれに伴っていくという必要があろうかと考えます。
まあ、以上要約いたしますというと、運転者の側に対しまして、事故の多くの原因になっているものを除去するようにつとめますと同時に、被害者の側に立っている者に対しましても、本人の不注意による面がありますれば、十分その面の啓蒙をする。それを今度はさらに物的な裏づけをして、そういう注意さえすれば事故が起こらない、あるいは急激に減少できるというような方途に持っていくということが、私はせんじ詰めれば、交通事故対策の大要ではなかろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/43
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044・鈴木壽
○鈴木壽君 私のお聞きしたいのは、事故の原因になった違反ですね、違反全部じゃなくて。たとえば、スピード違反というようなこと、これは違反をとがめられてどうのこうのといっても、それはしかし事故を伴わない場合がずいぶんありますが、そこで、いわゆるいろいろな自動車の事故の原因を分析していった場合に、いわゆるその事故を起こす原因となったそういう事柄に対するしさいな的確な追及が行なわれておるのかどうかを私お聞きしたがったし、そういう資料なんかがあればいただいてと思って、そうしてそれに対して一体どう対処していくのかということがほしいのだと、こういうことなんです。申し上げていること、お聞きしていることわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/44
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045・鈴木光一
○政府委員(鈴木光一君) 事故分析につきましては、昨年来本庁に事故分析官というものを置きまして、それから各都道府県の警察にも事故分析官を設置いたしまして、事故につきましての原因分析というものを昨年から徹底してやることにしておるのでございます。それで、その結果、現在事故の非常に多発している地点につきましては、その事故の原因を分析いたしまして、それに対する対策を漸次講じておる次第でございます。建設省とタイアップいたしまして、全国にモデル地区を、事故の多発のモデル地区を設定いたしまして、その原因を究明し、それに対する対策を講じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/45
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046・鈴木壽
○鈴木壽君 たとえば、事故の原因となったものを追及していった場合に、スピードの出し過ぎが一つあげられると、こういうことですね。そうした場合に、ところが、そのスピードの出し過ぎということが事故の大きな原因になることは、これはそのとおりだと思うのですが、必ずしもこの各地区の、たとえば東京を中心にした調査の場合、あるいは大阪、あるいはもっと、何といいますか、別の地区をやった場合に、その事故を起こす原因となったそういう事柄を拾っていった場合に、必ずしもスピード違反が、どこでもそのために事故が起こっているという原因の順位からしますと、必ずしも上位でない場合がありますわね。そこで、まあ私何べんも言うように、一体その事故の原困なりそういうものをやっていく対策を立てて、く場合に、どういうふうでなきやならぬのかという問題が私当然起こってくると思いますからね。ただスピードの出し過ぎだと、これだけで片づけられないいろいろな問題があるのじゃないかと、こう思うのですがね。そこら辺について、まあひとつ、これはじゃあとで資料を見せていただいてから、さっき、事故の原因なり、原因分析、三十八年度のがあるということですが、そういうのを見せていただいてからもう少しお聞きしたいと思いますから、その問題は一応保留にしておきたいと思います。
そこで警察の立場から、交通対策本部でいろいろ決定した緊急対策、こういうものの実際の仕事の面での進みぐあいですね。これをどういうふうにごらんになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/46
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047・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 昨年答申になっておりまする基本問題調査会のあの対策、非常にりっぱなもので、あのとおりに行けば、絶滅とまでは行かないにしても、大幅に事故が減るだろうということで期待をいたしておりまするし、また、あの中にある、警察のつとめとして十分な取り締まりなり指導なりをすべき分については、私たちも及ばずながら一生懸命やっているつもりでございます。また同時に、物的な施設の面でいろいろ言われておりまするが、これも、先ほど来お答えいたしておりまするとおり、いままでほとんど道路というものを、単に車を通すだけという観念でつくられ、あるいは整備されておったものが、やはり交通安全という要素を強く中に盛り込んでいくという機運は十分認められまするし、今度の道路の五カ年計画でございましたか、四カ年計画でございましたか、その年次計画でも、従来以上に相当の費用をつぎ込むという計画になっておりますることは、私たちとしても十分敬意を表しております。しかし、あの答申に盛られたことが、いま何%ぐらい実現されておるかというようなことにつきましては、遺憾ながら、その十分な点まで行っていない、いまからの問題だ、そういうふうに私たちは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/47
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048・鈴木壽
○鈴木壽君 私の聞き方がどうもまずかったので、交通基本問題調査会の答申のことでなしに、交通対策本部でいろいろこういうことをやっていくという緊急対策めいたものが何度にもわたって出されておりますね。三十八年にも出ておりますし、これは別に今回の四十年一月に出されたものほど具体的なものじゃありませんけれども、いろいろなことが載っている。そこで、とりあえず四十年の一月に出された緊急対策、こういうものが実際にはどう具化されておるのかということをあなた方の立場でどうごらんになっているのか、こういうことをお聞きしたがったんです。いろいろたくさん載っておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/48
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049・鈴木光一
○政府委員(鈴木光一君) 対策本部の決定につきましては、各省にわたる事項が盛られているわけでございますが、私どものほうといたしましては、とりあえず、あの中にあります警察として実施しなければならない事項につきまして、目下その決定の線に沿いまして強力に推進しているわけでございますが、その内容の要点を申し上げますと、一つは、御承知のように、昨年の交通事故が史上最高ということで、たいへんたくさんの犠牲者を出したわけでございますが、その事故を何とかして減らしたいということが一つ大きな眼目になるわけでございます。その事故の中で、特に死亡事故を何とかして減らしたいということで、死亡事故の分析をしたわけでございますが、その結果によりますと、歩行者と自動車の犠牲者がその半分を占めているということで、この歩行者、自転車によるところの死者を何とか減らしたいということを最大の眼目といたしまして、その線に沿いまして取り締まり、指導の面、それから安全教育の面、それから施設の面で施策を講じてまいりたいと存じているわけでございます。
まず、取り締まり、指導の面につきましては、御承知のように、最近、無免許運転、酔っぱらい運転、ダンプカーとか二輪車によるところの無謀運転、ひき逃げ事犯というような、いわゆる交通秩序を破壊し市民生活を脅かすような、いわば交通暴力というものが非常に増加しておりますので、その交通暴力に取り締まりの重点を指向しようということで、取り締まりの重点をその面に注いでいるわけでございます。その際に、こういったような事案を取り締まります場合に、制服による白バイ、あるいはパトカー等によります警察官を街頭に出すわけでございますが、制服の警察官が出ておりますと、比較的問題がないのでございまして、やはりこれは一般の市民の御協力を仰がなければ、これらの事故、いわゆる交通暴力の取り締まりというものはなかなか徹底してできない面がありますので、その際に、国民の御協力を仰ぐという方針でやっているわけでございます。
それから、第二番目の交通安全教育の問題につきましては、やはり地方の公共団体の地域住民に対する問題と、それから学校関係者、特に学童生徒等に対するところの安全教育、それとあわせまして、運送事業者等の各事業者の雇用運転者に対するところの安全教育を促進したいということで、その面に重点を注いでいるわけでございます。なお、事業者の雇用運転者に対する安全教育の面に関連いたしまして、今回の道交法の改正の中に、事業者につきましては、運行管理者の制度がございますけれども、相当数の自家用自動車を持っている者につきまして、事業者の場合の運行管理者に相当するようなものがございませんので、それを、制度的な安全運転管理者という制度を置くように、今回の改正案でお願いしているわけでございます。それから、その安全教育の一環といたしまして、交通違反者に対するところの講習を強化するという方針で、今回の改正案の中に、講習を実施する場合に、手数料を徴収することにいたしまして、その手数量を徴収することによりまして、講習の内容、陣容を充実して、いままでよりもさらに進んだところの講習を実施して、運転者の改善対策に資したいという考えでお願いしているわけでございます。
それから、第三番目の交通安全施設の整備拡充でございますが、安全施設のうち、警察がやらなければならない交通信号機、道路標識等につきましては、わがほうといたしまして、特に交通信号機につきましては、本年度の予算で全国約五百機の信号機の予算を計上しております。これは補助金の形でお願いしておるわけですが、それ以外に地方債で交通信号機をつくるということで、約五億の予算を地方債の形で取っておるのでございますが、これによりまして、五億になりますと約八百機——定周期の信号機で約八百機でございますから、本年度中に千三百機程度の信号機が全国に設置されるということになろうかと存じます。そのほか、道路標識等につきましても、相当程度の予算を今度は増額していただきまして、安全施設の充実につとめたいと思っております。
なお、そのほかの横断歩道橋あるいはガードレール等につきましては、建設省と十分打ち合わせいたしまして、先ほど申し上げましたように、事故分析の結果、横断歩道橋があったほうがいい、あるいはガードレールがあったほうがいいという場所につきましては、私どものほうから建設省に申し入れをいたしまして、そういう場所に設置するよう強力に申し入れるというようなことを実施しておるのでございます。
なお、以上のようなことが警察として実施している事項でございますけれども、これらの事項を実施いたします場合に、やはり警察だけでやれる事項と、警察以外の関係機関と協力してやらなければならない事項とございまして、われわれといたしましては、事故分析の結果、どうしても各省関係の事項についてお願いしなけりゃならないということは、側面的に強力に関係各省と連絡を密接にいたしまして、対策本部で決定した事項に関連すると存じますが、それを側面的に推進していくという考えで実施しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/49
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050・鈴木壽
○鈴木壽君 いまの、この緊急対策にあげられておることのうち、警察の直接しなければならない事柄についていろいろお話承ったんでありますが、私は、それと同時に、その他の、このいろいろあげられておる事柄、あなた方だけでなしに、建設省なり運輸省なり、各省にまたがるものが広範にわたっておるわけなんでありますが、そういう事柄についての実際の進みぐあいなり、効果の点なりを警察としてはどう見ておるのかということをお聞きしたいと、こういうのでした。事故を起こしたくないし、特に人命にかかわるようなことは極力防止しなきゃならぬ、こういうたてまえでやっている、まあ、いわば取り締まりといいますかね、こういう立場にある皆さんのほうで、そういう点から見て、ほかの省庁で担当しなきゃいけないようなたくさんの仕事がありますが、そういう仕事が一体どう進み、どう効果をあげておるというふうにごらんになっておられるかと、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/50
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051・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 先ほど私からちょっと触れましたとおり、総理の初閣議における御発言を端緒にしてああいう対策本部の決定が出たわけでございます。現実に、あの結論の中で、すぐ実施されましたのは、先月行なわれました交通安全国民会議、これは開催するということを書いてございますが、これは現実に開催をされたわけでございます。ただ、地方公共団体も、それに準じて漸次知事なり市町村長というものを中心にああいう形の会議が持たれるということを期待いたしておりますが、これはまだ全国にわたって十分行なわれておるというふうには聞いておりませんが、東京都等では行なわれたようでございます。なお、対策本部に出ております各省の、文部省とか、あるいは運輸省、労働省、建設省、あるいは科学技術庁というようなところから、自分のところではこうやる、あれを受けて自分のところではこういう計画がある、こういうことに努力をしたいというのは、対策本部のほうに出ているようであります。みんなが力を入れてやり始めた状態であって、いままでよりはとにかくよく進んでおると、こういうふうに警察としては見ておりますけれども、何ぶん大きな問題でございますから、現在の段階で十分行っているというふうにはもちろん言えもせぬし、その緒についたところであろう、こういうふうに見ているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/51
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052・鈴木壽
○鈴木壽君 いろいろな対策があげられておるのですが、これに伴う四十年度予算なんかを見た場合に、はたしてこれでいいのかと、これはこまいことまでいまのところ検討できませんけれども、そういうような心配が実はあるので、従来からもいろいろ、たとえば踏切の問題だとかなんとかいうことで問題になって、今度からこういうふうにやります、こういうふうになっておったんだが、しかし、なおかつ、踏切の現況からしますと、この程度では何ともできないというふうに言わざるを得ない状況だと思うわけですね。私、そういう気持ちがあるものですから、こういうきまった事柄、これからこれをやっていくんだというふうなことになっておるんだが、現在の状況なり、あるいは予算的な関係なり、そういうものからいってどうなんだろうか、それを、私はさっき言ったような不安を持っておりますが、あなた方一体どう見ているのか。警察は警察の担当のところをやればいいということでなしに、もっと広い立場からいろいろ皆さん見るところが私はあるだろう、こう思うのですから、それを率直なところを聞かしてもらいたいと思ったわけです。たとえば、安全施設のうちで踏切の問題がありましたね。建設省にも踏切除却というようなことで、相当な金のそれが予算上措置されておる。運輸省、国鉄関係でも、踏切道の改良促進とか、あるいは踏切対策というようなことがあげられてあって、四十年度予算にそれぞれ何がしかの措置をしているわけですね。これはもちろんこういう予算の中で、四十年度の年ではやられると思いますが、しかし、現在の踏切の状況、第一種、第二種、第三種、第四種と見ていった場合、特にひどい事故の起こるこういう踏切の状況からしますと、はたしてこれでどうなのかな、いつになったら第三種、第四種の、こういう問題の起こる踏切での——これは例としてですが——三種、四種だけでありませんけれども、こういう問題が解決するだろうかと、非常に心配なわけです。私は、そこで、あなた方は一体こういうことをどう見ておられるのかを率直にひとつこういう機会に話してもらえないだろうかと、こう思っての私の聞き方なんですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/52
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053・江口俊男
○政府委員(江口俊男君) 私のお答えがあるいは抽象的で御了解がいかないのかと思いますが、たとえば踏切をいまお持ち出しになりましたから申し上げますが、国鉄につきましては、あの決定の出ます前からずっと交渉いたしておりまして、踏切自身の数はそのために多少減って不便をかけておるというようなことにはなりましたけれども、踏切事故の多いところについての整備ということを促進いたしまして、たぶん昨年は国鉄の踏切における事故はそういうことのために従来より減っておると思います。数は私いま覚えておりませんけれども、昨年は減ったはずでございます。ただ、国鉄につきましても、さらに十分整備すべき点がありますから、それは十分整備をしていくことでありましょうし、なお、私鉄等につきましても、同様の指導をこれは運輸省関係においてやっていくものと期待いたしております。なお、道路審議会等に私たちも出まして道路を審議いたします際には、必ず、その交通の安全という点からの配慮が加わっておるかどうかということを、中央におきましては私たち自身、また、地方におきましては地方警察機関がその中に加わりまして、道路管理者あるいは道路を造成する側と一緒になって計画を進めていくということにいたしておりますから、私は、各省の持ち場、持ち場において交通安全のために従来以上の努力というものが出てき、そのために、従来以上のいい結果が出るものと期待をいたしておりますけれども、現状におきましては、何と申しましても、そういうことをみんなでやろうということの気合いが入っておる当初の段階でありまして、私は十分行っているとはもちろん考えません。緒についたという感じでございますから、ますますそれを強化していくことによって、私はある程度期待すべき結果が出るものだと、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/53
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054・鈴木壽
○鈴木壽君 総務長官にお尋ねをしますが、いま実は警察のほうにお聞きしておったところなんでありますが、今年の一月に交通対策本部で決定したいわゆる「交通事故の防止についての緊急対策」というのがございますね。まあ、ひとつこれについて長官から概括的でけっこうでございますから、最初にお伺いをしたいのですが、いろいろな事項が述べられておりますが、これについての考え方、どういうふうなことでこういうふうになってきたとか、そういうところをひとつお話しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/54
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055・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) この交通安全問題につきましては、古く三十五年ごろ、すでにこちらからも当委員会におかれて決議もございますし、また、その後交通対策本部を総理府に置きまして、そして総務長官がその長となりまして、種々対策を続けて講じまして、また、三十六年には臨時交通問題閣僚懇談会をつくりまして、政府が関係閣僚一体となって交通安全問題に対してもいろいろ施策を通じて努力してきたわけでございますが、ただ、いかんせん、予想以上の急激な自動車の増加、これに伴なう環境の整備とか、また、運転者をはじめ、歩行者の心がまえ、経験等の未熟といいますか、そういうようなこと等のために事故がますますふえてくる三十五年、三十六年にかけてのいろいろいまのような対策や、キャンペーン等によって、三十七年にはだいぶ下がったようですが、また、その後、いま申し上げたような事情でふえてくるというようなことで、そこで総理の発言等もあり、一そうここに拍車をかけて、マスコミ等でも御協力いただいて、そうしていろいろやっているわけでございます。そこで、ただいまお話しの一月十三日は、いまもお話しの一月五日の総理の人間尊重、人命尊重ということから交通問題について特に力を入れべきだという御発言に基づきまして、交通対策本部で事故防止のための徹底をはかるために、まず第一には、道路及び交通環境の整備、それから第二には交通安全活動の推進、第三には交通秩序の確立、第四には被害者救済対策、第五には交通事故防止に関する総合的な研究、そうしてもう一つは、これをやるには政府だけではなかなか効果があがることが少ないので、国民のひとつ協力を十分に得なければならぬ、こういうことから国民の御意見を伺うとともに、その安全に関する方々のお集まりをいただいてさらに協力を願うという意味におきまして、総理が議長となりまして、交通安全国民会議というものを催すことに取りきめたのが第一でございまして、その後これに基づきまして、各省で一体どういうことをこれに基づいてやっているかという、各省庁のそういう計画等も調べまして、それから、国民会議が三月十三日に開かれましたが、その前に各種類の運転者にお集まりいただいて意見を聞く、こういうようなことで、続いて対策を講じ、また、政府でやるべきものはやる、国民に御協力願うものはさらにこれを徹底して御協力願うような方向でいきたい、こういうことでございます。実は、これは毎年やっているのでございますが、今年五月十一日から二十日まで十日間、春の交通安全週間には特に歩行者に重点を置いてこの運動をいたしたい、ざっとこういうようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/55
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056・鈴木壽
○鈴木壽君 ここにあげられてある道路及び環境の整備拡充なりあるいは交通安全活動の推進等のことになりますと、一昨年の三月に出た交通基本問題調査会の答申、こういうものが尊重されてと申しますか、尊重されて出てきているだろうと思うのですが、それはそういうふうに交通基本問題調査会の答申を受けているんだというふうに見てよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/56
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057・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) お説のとおりでございまして、昨年の春に、三月でございましたかに、約一年有半にわたって調査をした答申が出ました。交通基本問題調査会の答申の第三点に、交通安全に関する問題が出ております。これに基づきまして直ちに各省庁でそれぞれその趣旨にのっとってやっておるのでございますが、さらにその趣旨を徹底して、その趣旨に沿ってひとつやっていきたいということで、これを基本にいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/57
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058・鈴木壽
○鈴木壽君 たとえば交通安全施設の整備拡充という問題でありますが、こういう問題について、四十年度の予算ですね、これは、ことしの一月十三日に出されたこういう対策が固まる前に予算編成が行なわれておると思うのでありますが、四十年度は、ただそれをそのまま受けて、すでに決定されておる予算に従ってこういう施設の整備なり拡充をやっていくと、こういうことなんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/58
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059・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) この予算の面で見ましても、相当に環境の施設設備の改良、増強、たとえば国鉄等における、先ほどお話の出ておりました踏切の立体化とか、その構造の改良とか、それから踏切安全施設の整備——警報機、遮断機等のやり方とか、それから踏切の勾配の道路を直すとか、そういう予算の面を見ましても相当にふえつつございます。ただ、しかしそれで必ずしも十分かどうかということになりますると、まだこれはいろいろ財政資金の面での制限といいますか、制約等のあることは事実でございますので、そこで、必ずしも十分だとばかりは言い切れない面が多かろう、こう考えますので、今後ともその面につきましては十分検討いたしまして、逐次ひとつ整備をしていきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/59
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060・鈴木壽
○鈴木壽君 四十年度の予算におけるこれらの安全施設の整備拡充のための経費というのは、従来から、もちろんこういう問題について非常に重視してやってまたその結果だろうとは思いますが、いずれにしてもこの一月に決定された対策にそのまま沿っておるというような意味での予算措置ではないだろうと思いますので、そこで、対策本部としては、何か、たとえばこれは一つの例でございますが、踏切対策でも、あるいは道路その他の構造の問題にしても、こういうことに対して現状から見て、これをたとえば三年計画でやるとか、五年でやるとかいうような計画的な案、見通しというものをお持ちなのかどうか。そしてこれからの、たとえば四十一年度以降の国の予算では、あるいは地方も関連してきますけれども、予算措置としてこれからの問題としてはそういう計画に沿った予算措置がなされることが私は望ましいと思うのです。そういう意味で、そういう点はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/60
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061・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) お説のとおりでございますが、ただ、先ほど申し上げましたように、交通基本問題調査会の答申も出ておりまするので、特に運輸省方面、国鉄等におきましては、私鉄等に対しても、政府でも助成をさらに強化して踏切の安全を一そう講ずるというようなことで、相当に予算の面でも増額を前年度よりはいたしておるのでございますが、しかしながら、先ほど申し上げたようなわけで、必ずしもこれはもう十分でございませんことは、ある程度やむを得ない面があるわけです。そこで、いまお説のような年度計画を立てるということも必要かと存じますが、私どものほうといたしましては、いまいろいろ御意見を、国民から伺った点や何かも参考にいたしまして、そして踏切道、また横断歩道とかガードレールとか、そういうものに対しての施策を、場合によっては年度計画を立てるということも必要だと存じます、これはおそらく国鉄等においては年度計画をずっとやっているかどうかわかりませんが、非常にその点では、従来の事故の発生率個所等も検討が済んでいるようでありまするので、何年間にという年度計画はあるいはないかもしれませんが、しかし、今度の改良五カ年計画、こういうような拡充計画があるのでございますから、これに見合っての私はやはり計画が逐次なされていくものと、こう考えます。で、私どもといたしましても、各省庁にわたってのそういう問題について、ひとつ十分検討いたしまして、少なくとも四十一年度の予算等においては、年度計画を立てるべきものについてはやはりお説のように立てる必要がございましょうと思いまするので、それらの点についても十分ひとつ検討してみたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/61
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062・鈴木壽
○鈴木壽君 お話わかりましたが、どうもこれは、まあ予算編成の時期と、この対策が決定されてこれからやっていこうというふうなことになったその時期がずれておるから、これはやむを得ないと思うのですが、心配な点があるわけなんです。たとえば、これはちっぽけなことなんでありますが、踏切道の改良促進についての補助が、いままで運輸省の中にあった、各施設等に対する……。それが三十九年度より四十年度になると少なくなっておる。これは、みんなできて、あと要らなくなって少なくなったのか、これはわかりません、ただこういう数字をちょっと見ただけではね。あるいは厚生省関係で児童遊園地をつくるということが対策の中にありましたね。そうすると、厚生省の予算を見ますと、児童遊園地の補助というものが今度は削られている。まあ何か他の融資によってやるということらしいんですがね。こういうようなことでありますと、はてな、一生懸命これからやるというときに、むしろ増額しなければならないようなものが減額になったり落とされてしまったりというようなことになると、ちょっと奇異な感に打たれるわけですがね。それから、たとえば警察庁の関係で、交通安全事業の委託事業で、去年もかなりやっておりますけれども、四十年度には同額しかない。しろうとが外から見ておると、安全事業に対するこういうような仕事に、もっと金を出してやってもいいんじゃないか、こういうふうに思うし、まあ、あげてくると、小さいような問題だけれども、そういう事柄が幾つもあるものですから……。さて、政府の姿勢としてやっていくんだぞというなら、それにふさわしいような予算的の裏づけなり施策の面における強力な推進なりというものがなければいけないんじゃないだろうか、こういうふうに思うところがあるものですから、それで、これは、さっき言ったように、あるいは予算編成の時期と、こういうものの決定の時期がずれているために、やむを得ず出てきたことだろうとも思うのだが、これからほんとうにこの対策を強力に推進するというのであれば、そういうことがやっぱり形にあらわれるようなことがなければならぬと思うし、また、計画も当然あってしかるべきじゃないだろうか、こういうふうに思って質問したわけでございますが、その点について何かありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/62
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063・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) いろいろ御心配いただいて恐縮でございますが、事実、項目によっては減っているのもございまして、たとえば踏切道の改良促進補助金は、今度は減っているわけですが、しかし、国有鉄道の踏切対策におきましては、非常に大幅に伸びておるというわけです。しかし、私鉄のほうがそれだけ要らなくなったかどうかということについては、補助金等も問題だと考えますが、国鉄等においては非常にふえております。
それから厚生省の児童遊園地の補助でございますが、これは項目を切りかえまして、これをやめて国民年金融資によりまして整備をする、このほうがむしろ強くできるではないかというので、項目を切りかえましたので、それが消えているということの事情があるわけでございまして、いずれにいたしましても、そういう点についても、従来、いろいろそれぞれこの答申に基づいて各省ともに努力はしております。ただ、いまお話のように、昨年度の死者が一万三千三百十八名という、いままでの記録を破ったということで、非常にこれが一般に注目を引きまして、やはり一そうこの機会に、いわゆる交通戦争というようなことで各方面で努力をする必要があろう、こう考えまして、いま申し上げたような促進の方法等をいろいろ講じておりまするので、そういう意味においては、予算面でも今後ひとつ十分注意をより一そうしていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/63
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064・鈴木壽
○鈴木壽君 まああまりたいした問題じゃないから、私別にこれにどうのこうの申し上げるつもりはありませんが、それから本質的に考えていった場合に、たとえばいまの児童遊園地に対する補助費が国民年金の融資に切りかえられた、補助金のあり方等の問題からしますと、非常にまあ基本的な問題がありますから……。しかし、いまこういうことをやろうとして、従来もやってきたこういうものを、私はすなおに見れば、当然増額していいのじゃないだろうかという感じがするわけなんですね。そういうようなことから、大体政府がいろいろな対策の項目をあげ、これをやっていくというのに、本気にどれほどやるつもりなのかということに、ちょっと心配な点があるわけです、率直に言って。まあしかし、その問題は、さっきも言ったように、むしろこれからの問題でしょうから、以上でその問題についてはやめます。
そこで、これからの問題として、各省庁にまたがるいろいろたくさんの項目があるわけなんですが、これに対する交通対策本部での仕事のやり方、あるいは必要な資金の問題、予算的な問題、こういう問題に対して、どの程度あれですか、何といいますか、対策本部として権限を持っておるのか、この点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/64
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065・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) 私のほうの役所は、各省庁の仕事の連絡、総合調整、企画立案ということが基本的な仕事でございますので、したがいまして、いろいろ各省から報告を求め、それに基づいて検討して概括的な立案もし、そうしてこれを各省庁のほうに連絡をしてやってもらう、こういうことになるのですが、実際に申しまして、率直な話が、私のほうの審議室等でいろいろ企画立案するのですが、こういうだんだん大きくなってくる仕事については、人手等も必ずしも十分ともいえないように私ども見受けますので、そこで、そういうふうに企画立案をし、各省庁でもこれを了承して進めていただいて、実際どれだけやったか、こういう一つの追跡的な結果までこれを見ていくということが実際上は必要だと、こう考えますが、この権限という問題になると、なかなかむずかしいのでございますが、しかし、この交通の問題については各省ともに非常に力を入れておりまするので、したがいまして、各省においてもそれぞれの計画、立案を持っておりますから、これを集めて、その各省庁間でばらばらにならぬように密接な連携をとって、重点的に力を添えていく、私どものほうでもこれに対してはできるだけ力添えをするわけでございますが、そこで、いま考えておりますことは、やはりある程度機構を整備して、交通対策本部で幹部会がございますので、幹事会等でその基本問題等につきましては、いろいろいま言ったような仕事、作業をいたして、対策本部にかけるわけでございます。何かそれだけで、はたしていいかどうかという問題も、実はいま考慮中でありまして、ことによったら、これはまだ検討中でございますから、わかりませんが、各省庁のほうからひとつ応援をいただいて、もう少し交通対策本部か、あるいはその別の機構をつくるかどうかは別といたしまして、充実させて、連絡調整がうまくいくようにしたいということでありまして、検討を早急にいたしておるようなわけであります。ただ、先ほど出ました予算等の面については、一応現在きまっておりますし、また、いま欠員さえも不補充というようなときでありますので、まあ余っている人員はないのですけれども、やはり目的は同じでございますから、そういう省庁のほうの関係は、特にある方面から、ひとつ人的な面を、借りてでもやりたい、こういう考えで、いま検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/65
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066・鈴木壽
○鈴木壽君 長官に失礼なようなことを言うのですが、率直に言うと、こういった本部があって、それぞれ対策なんかが決定され、発表されているのですが、それはそこだけの話で、実際ばらばらに行なわれておる。ただばらばらに行なわれておる項目なり、あるいは予算なりを集めて、そこで調整をやっているにすぎないのじゃないか。企画立案といっても、企画立案の際に対策の発表する項目についてのそういうものだけであって、それ以上に出ないのじゃないかというふうに感じ、当たらないかもしれませんけれども、率直に私そういう感じを、いま始まったわけではない、当初からそう感じているのですが、連絡調整ということももちろん必要でしょう。その限りにおいては存在の意義はあるかもしれませんけれども、いまの交通事故をいかに防止し、というようなことになりますと、それではいまのような形にして置いたのでは私はいけないと思うのです。もっと企画なり立案なりということも、それから実施の面においても、相当権限を持って、いまの各省ばらばらに行なわれておるこういうことを、あなたのほうで、コントロールということばは悪いかもしれませんけれども、ほんとうにそこで調整して、効果あらしめるようにやっていかないと、これはなかなか苦労ばかりしておって効果が一向あがらぬということになりゃしないか。たとえば道路の問題一つ取り上げてみましても、ちょっとしたところで、ガードレールがあればいいということがわかっておっても、ないために、しかもそれはちゃんと、いわゆる改良事業道路としてやっておって、そのガードレールがないために、しょっちゅうそこで事故が起こるんだというようなことがあるわけな叫んですね。ですからそういうところに、一つのこまかいことになりますけれども、例として申し上げたわけですけれども、何かもっときちっとやって、各省ばらばらでやっておるこういうかっこうを正さないと、何をやっても効果があがらないのじゃないか、こう私率直に思っているのですが、その点、あなたも大体お認めになったようなところもございますけれども、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/66
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067・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) 御心配はごもっともだと思いますが、最近は、ことに総理がみずから議長になられて、交通安全国民会議を進めるというように、先頭に立たれておることもございましょうし、各省庁で非常にこの点については協力をしていただきまして、たとえば、こまかいことでも私どものほうで気づいたことは、これを連絡いたしますと、直ちに実行していただいております。たとえば先般七号線のほうを視察に行った際に、ここのところに横に学校がある。そうしてその横のほうにどうも車が入ってきて困る。それで、そこの入口に禁止の札を立てると、今度はわきのほうに入って来て困る。ここに交通巡査でも一人いれば、これがまあ朝と夕方、学校の始まりと終わりのときに行ってもらえば、これは直ちに非常に役に立つのだと。事故が起こらないとどうもやってくれそうもないので困ると、こういうようなお話でありましたので、私帰ってまいりまして、警察のほうへ連絡いたしましたら、直ちにそれはもう実行すると、こういうことで、一名その時間に警察官を、まあ忙しい中をさいてでもそういう必要と認めれば直ちにやっていただけるというように、こまかいことでもやっていただいております。まあ大きな重大な計画等につきましても非常にその点はよくやっていただいておりまするので、したがいまして、まあ各省がやるのだからばらばらであろうという、また事実そういうことも過去においてはあったかと思うのでございますが、少なくともこの交通安全に関しましては、特に最近におきましては、その協調が非常にとれて、活発に活動もいたしておりまするし、まあ東京都につきましては、警視庁のほうの、また各署のいろいろな御努力で、新しい公開取り締まりと、こういうような方式もあってか、ことしは死者も昨年度から比べると非常に減っていると、こういうことで、まあこれで決していいわけではないわけですが、非常にその点はよく進行しているということ、これはもう確信を持ってこの点については申し上げられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/67
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068・鈴木壽
○鈴木壽君 一、二の起こった、あるいは長官が見たそういう事例についてはよくいっているかもしれませんが、長官から何かこう言われたりすれば、びっくりしてやるというようなことになるかと思うが、全般の問題としてそうじゃないですよ。道路標識一つの問題とってみても、いろいろ問題があるのです、各地に。ですから、そういうことを私は申し上げるので、まあしかしこの問題は、ひとつ私の心配でないようにやってもらうためには、やっぱりあなたのほうで、もっと強いその権限——ということばがここで適当かどうかわかりませんが、やらなけりゃ、依然として改善されないままにいってしまうのじゃないかということなんですから、まあこれはひとつこれからの問題として特に御検討をいただくと同時に、いい方策をひとつ生み出していただきたいと思うのです。
まあ時間もありませんから、あと一、二の点簡単にしてやめますが、交通安全国民会議、まあ先ほどお話ありまして、三月に行なわれたようでありますが、これひとついろいろな意見を聞くと同時に、まあ協力を求めると、こういうのですがね。これ各都道府県、まあ地方なんかでも開催するように要請することになっていますね。第一回の会議を開いて、それについてあなた方の意図したこと、ねらったこと、こういうことについてどういう御感想をお持ちでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/68
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069・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) この点は、すでに各全国的な規模においての交通に関する団体の方の代表を主としております。それにまあ特殊の被害者、それからまあ緑のおばさんというような方も加えて、四十七名で、少し数は多かったのですが、それでもまあ相当に選択して出したわけで、全部の方が発言できたわけではありませんけれども、すでにその考え方等をあらかじめ出してもらっておりました。その結果、非常に貴重な意見がここにいろいろ得られました。まあ総理も、金がかからぬでもすぐに実行できるようなこともあるじゃないかというようなお話もあったくらいで、でございますから、実行できることは、つまり資金の裏づけがなくてもすぐできることはやると、また資金の裏づけの必要なことについても、これをどうして将来生み出すか。いろいろの、たとえば資金の面などについても罰金などは少し引き上げて、その分は安全施設へ回したらどうだというような意見も、これは大蔵省がにわかに賛成を基本的にできない問題かとは思いますけれども、そういう意見とか、それからアメリカなどでもずいぶんこれには金をかけているんでしょうけれども、市によっては、アメリカではこの交通安全方面に一ドルぐらいかけているのが平均だと。ところがある市においてはこれを二ドルにして、そしてまた税金を増徴して、それを安全方面に使って、何でもペイントをえらくたくさん買い込んで、町中を塗りつぶすくらいに一番手っ取り早いペンキで標識等を書いて、それで非常に成績をあげた。そこで発案者である人は何か国のほうのそういう方面の枢要な長官か何かに採用されたというような話も聞いておりますが、各地方においても、県、市町村ともにやはりそれぞれくふうをこらしてやっていただきたいというのが趣旨で、少なくとも県においても国民安全会議のような方式で意見を聴し、また県民あるいは市町村民に協力を得るようなことにしていただきたいということで、行政的な指導でこれをやるように——さっきお話の出ましたように、東京都じゃもう三月十三日に国民会議の前に都民会議を開いたようなわけで、これは逐次やっていっていただけるものと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/69
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070・鈴木壽
○鈴木壽君 私は、国民会議、しかもそれが地方にまでということに考えておられるようでありますが、これは考え方としてはいいアイデアだとも思うんですが、ただ、これは会議そのものでなしに、やはり会議から出てくるいろいろなその後のそれが、私は大事なことだと思うんです。会議を開いたから事故防止がすぐできたりなんかという問題ではないですから、一つのそういうことに対するアピールにはあるいはなるかもしれませんけれども、事故対策そのものではないですので、ですからこういうものの運営なりというものについては、やはりよほど考えていかないと、ただ何かのろしを上げたような、景気のいい会議を持ったようなことだけで終わっては私はうまくないと思うんです。どうもわれわれには一つの悪いくせがあって、何か会議というものがあると、わあっとして、どこでもみんなやるんだと、しかし、いま言ったようなその後の、一体どうするかということまで考えないんですね。いい例が交通安全都市宣言。何もしないで、ただ看板だけかけておいて、町の入り口とかあるいはどっかにそんなことをやっておいて……。こういうことを日本人は実に好きなんですが、役に立たないことを好んでやって……。私は、交通安全都市の宣言をするならば、交通安全対策のためにその都市でやはりじっくり対策を立てて実際にやらなければいけないと思うのですが、そういうことが何も伴わない宣言なり看板なりというものが行なわれていると思うので、私は、国民会議の場合にでも、会議を開いたからどうのこうのということではないと思いますから、この点はひとつ長官十分にお考えになってやっていただきたいと思うのです。
それから、時間がありませんからいま一つ考え方だけを聞いておきたいのですが、この中にあげられた、さっき長官もおっしゃっております被害者救済対策の確立というところで損害賠償の確保ということがうたわれております。これについて、たとえば自動車損害賠償保険制度の改善とかいうことがうたわれております。あるいは法律扶助及び交通相談活動の強化、こういうことがうたわれておるのですが、まあ一つの例として自動車損害賠償保険制度の改善ということ、これを一体どう考えて、どう改善しなければならぬというふうに考えておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/70
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071・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) ことしからでございましたか、昨年からですか、賠償金が死者については——保険でございますが——百万円というふうに引き上げられたのですが、これは欧米各国に比べても非常にまだ低いので、そういう保険をまずもっと引き上げることが必要であろう。
それからもう一つは、保険は保険でございますが、そのほかに損害賠償を法律によって訴えるという場合につきましても、やはり現在でも法人組織で法律扶助事業と申しますか、別に金がのっけになくても、ある程度訴訟のできるようなことを引き受ける団体もありますけれども、金がないから裁判に訴えるわけにいかぬとか、あるいはまた、そういう方面の知識がないのでどうしたらいいかわからぬというようなことで、いわゆる示談屋等にいいかげんにされてしまうということのないような方法をやはり講じて、正当な賠償の要求に対しては正当な賠償をするような、また、その手段に訴えられるような方法を、たやすくできるような方法を考えなければいかぬ、こう考える次第であります。最近の裁判の実例を見ましても、非常にこの点は被害者のほうを擁護するというような判例が行なわれておるわけで、そういうふうになってきますと運転者のほうも、もし事故を起こしたらたいへんだ、こういうことになって、これがまた事故を防ぐ一つの方法にもなるわけでございますので、これにつきましては、ひとつなお今後検討して、できるだけすみやかにその対策を講じたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/71
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072・鈴木壽
○鈴木壽君 抽象的なことしか言われませんが、たとえば今度の賠償の額が百万円になった。いままでの五十万円のものが百万円になった。これでもお話のように、欧米のそれと比べたらもうまことにこれは低い額であって、もちろんこれは人間の命なりからだというものを金にすぐ換算できないかもしれないけれども、命一つで百万円じゃ何と言ったってこれはばかばかしいことですわな、こんな考え方は。どうも日本人は物とか何かというよりも人間の命やからだを粗末にする、あるいは大事なものと思わないような風があるんじゃないかと思うのですがね。いま言ったように、もちろんそれじゃ金で何百万出せばいいのか、何千万出せば正当な代価とせられるのか、これもまたなかなかむずかしい話だけれども、それにしてもとにかく低い。やはり私はこの額を大きくし、あるいは任意加入の保険金の場合であっても、これはもっと引き上げてやっていくという、しかもそういうものを運転者にやはり大きな責任として義務づける必要が私はあると思う。そういう方向で御検討なさるのかどうか。ただ訴訟のやり方がどうとかということでなしに、やはり私は問題はそこだと思いますけれども、どうです、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/72
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073・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) お説のとおりでありまして、これは保険の額を、いま申し上げたように引き上げるとともに、いま賠償が、手続がたやすくできるような方法にということで、この点につきましては、この間の国民会議の際にも日本弁護士連合会のほうからもそういう意見も出ておりますし、それからまた被害者のほうの側の代表からも、やはり同様な意見も出ておりました。そして、さらに、この事後の対策としては、賠償だけ済めばそれでいいというのではなく、治療のほうも、戦時中の頭部専門の負傷者に対する病院が千葉県においても下総療養所等がございます。現在でも私の近いところでは国府台の病院でもそういうものを研究いたしておりますけれども、特に都市を中心とした地区にそういうものの研究を一そうやっていただいて、そして予後の回復のほうの治療等の面についても、あるいは負傷した即時のその手当てをどうするか、また精密検査をどうするかというようなことも、やはりこれは主として厚生省関係でございますが、やっていただきたい、こう考えて、あちらでもいろいろ研究しておるようでございます。そういうふうにいたしまして、一つは、何といっても基本は人間を尊重するということでないと、実際道路にいたしましても、また損害賠償の面にいたしましても、従来はどうもその点が薄いのじゃないか、どうも自動車優先という感じがしてならないというのが、これは一般の批判でございますので、この点についても、そういうことでないように、ひとつ各方面協力してやってまいりたい、そういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/73
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074・鈴木壽
○鈴木壽君 これでやめますが、いまの問題ですが、諸外国の例では免許を取る際、免許状の交付の一つの条件として強制的に多額の保険に加入することになっておりますね。もしそういうものに加入しないと免許を没収するというのが西ドイツあたりではありますね。そういうようなところまで、これから検討の一つの点としてやっていくべきだと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/74
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075・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) 諸外国の例等もそれぞれ関係方面で調査いたしておりまして、国民会議を今度やりましたのも、実はアメリカでだいぶ前にいたしました故智にならってやったわけでございまして、私ども、いまその国民会議のあとに、大統領の行政命令の交通安全委員会、こういうもので先ほど申し上げたようなことをアメリカではやっておるようでございますが、日本は、多少そこに、現在の大統領の行政命令というようなもので簡単にできる筋合いのものではない事柄も含んでおりますので……。
でございますが、いずれにしても、やはり自動車そのものが欧米各国のほうが非常な先輩的な経験があるわけでございますので、その対策等も、わが国においても十分研究して、しかも急速にふえた自動車に対して対策を講じてまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/75
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076・加瀬完
○加瀬完君 ちょっと資料請求ですが、いま鈴木委員が御指摘になりました自動車の賠償保険といいますか損害保険といいますか、この外国の具体的な御調査をなさいました例、特に日本でこの際参考としようとする点、それから現在政府として自動車の損害保険について考えておられます構想でもございましたら、その概略をひとつお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/76
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077・臼井莊一
○政府委員(臼井莊一君) では資料として調べてお出しいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02219650413/77
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078・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 本日の質疑はこの程度にいたしまして、次回は四月十五日木曜日午後一時に開会の予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十四分散会
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