1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十一日(火曜日)
午後一時四十七分開会
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委員の異動
五月八日
辞任 補欠選任
中上川アキ君 村上 春藏君
北口 龍徳君 沢田 一精君
五月十一日
辞任 補欠選任
大野木秀次郎君 北畠 教真君
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出席者は左のとおり。
委員長 天坊 裕彦君
理 事
西郷吉之助君
竹中 恒夫君
林 虎雄君
委 員
北畠 教真君
中野 文門君
鈴木 壽君
松本 賢一君
二宮 文造君
市川 房枝君
国務大臣
自 治 大 臣 吉武 恵市君
国 務 大 臣 高橋 衛君
政府委員
自治省財政局長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
説明員
経済企画庁総合
開発局参事官 高見沢二郎君
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本日の会議に付した案件
○新産業都市建設及び工業整備特別地域備整のた
めの国の財政上の特別措置に関する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
新産業都市建設及び工業整備特別地域のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題といたします。
これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/1
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002・鈴木壽
○鈴木壽君 この新産都市の、それから工特地域も含めてでありますけれども、主管は、やはり経済企画庁なんでございますか。その点いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/2
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003・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 主管は経済企画庁でいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/3
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004・鈴木壽
○鈴木壽君 では長官のほうにお伺いいたしますが、今度のこの国の財政措置、こういうことにつきまして、主管の企画庁の長官として、どういうふうにお考えになっていられますか。というのは、これはもっぱら自治省が中心になってやっておるようにも見えますし、こういう点、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/4
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005・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 御承知のとおり経済企画庁は、経済政策の総合調整をはかるところと相なっておりまして、新産業都市につきましても工業整備特別地域につきましても、それぞれその事業の内容が、あるいは建設、農林、通産、厚生その他各省に関係いたしているような次第でございます。もちろん自治省もその中に含まれますが、そういうことで、それらの各省大臣を申請大臣ということにして、そしてそれらの各省庁の御意見も伺って、政府全体としての総合的な計画もつくりあげていくという観点から新産業都市の指定をし、また工業整備特別地域の指定をし、さらにこれが基本方針を決定し、また基本方針に基づいて各それぞれの地域からの申請に基づきまして基本計画を新産業都市につきましても昨年の暮れに、また工業整備特別地域については今年の二月に、それぞれその計画の承認をいたしたような次第でございます。しこうして、これが実際の仕事を実行する段階になりますると、それぞれその計画に基づいて各省庁がそれぞれその責任の範囲を分担して実行いただく、こういうふうに相なっておる次第でございます。しこうして、今回御提案申し上げました国の財政措置に関する問題は、これは地方財政に関する問題でございますから、自治大臣が主管大臣として御提案を申し上げておるのでございますが、これはもちろん政府が承認いたしました基本計画の線に沿ってその事業を実行する上において、どうしてもこの程度の財政措置を必要とするという観点から御提案を申し上げている次第でございます。もちろんこの財政措置のみをもって新産都市なり工特なりの目的が完全に達成できる、さように考えておるわけではございません。しかし、各省庁にそれぞれございますところの予算の実行にあたりましても、それぞれ新産、工特等に重点を置いてそれぞれの予算の配分をする、これらの経費については。その場合に、地方の負担分が少ないためにその事業が実行できないということになっては困りますので、すでに御承知のとおり後進地域については結局後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律というような法律もございますが、これも適用をはかる、または負担の割合が違っておりますところの地方港湾を重要港湾に一これは負担の割合が違っております。格上げするということによって地方の負担を軽減するとか、各般の措置を総合的に各省に実行していただきまして、それと相呼応して、今回の法律を活用することによって新産都市並びに工特の法律の企図するところを実現していきたいというのが今回御提案申し上げました趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/5
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006・鈴木壽
○鈴木壽君 私ども新産都市の建設あるいは工特地域の、何といいますかね、ねらうとおりにうまく建設されていくようにということを願う立場からいろいろ考えてみますが、端的に言って、今回のこの法律案に示されておりますような、こういういわゆる財政上の国の措置、これで、はたして新産都市の建設、工特地域の整備というものができていくかどうかということについて非常な大きな心配を実は持ちます。前に私予算委員会でお聞きした際に、自治省のほうでは、まあこういうことで何とかやっていけるのだ、やっていかなければならぬ、こういうふうなことを言っておられますが、どうも、私は、現在の地方財政の状況なりあるいはまた計画に示されてあるこういう目標を達成するためには、今回のこれではきわめて不十分ではないか、こういうふうに思うのでありますが、それはともかくとして、いずれそのことにつきましては、あとでもう少し具体的にお聞きしなければならぬと思っておりますから、あとで触れることにしますが、長官いかがですか、この新産都市あるいは工特地域のこういう建設ということに対して、国がどの程度の責任を負うべきものであるのかどうか、私はこれが非常な大事な点だと思うのです。もちろん数字的に一〇〇%国がやっていくとか、あるいは九〇%あるいは何十%というようなこまかい数字までこれはあげられるものでもないかもしれませんけれども、こうした新産、工特、こういうものの建設には、これは国の経済全般の上からいって、あるいは国の国土総合開発、こういう立場からいって、必要なものとして指定をし、その地域のいろいろな施設その他を整備していく、こういうことでなければならないとすると、私は、やはりその責任の大部分はこれは国でしょうべきものではないかと、こういうふうに思うのですが、端的にその点についてひとつ政府の考えておるところをお示しいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/6
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007・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) ただいま御質問の点は、この新産業都市建設促進法並びに工特法の審議の際にも、ずいぶん国会において論議された点でございますが、御承知のとおり国総法に基づきまして国土総合開発計画を政府で決定いたしましたのが昭和三十七年の十月でございます。実に法律ができてから十年間を要したくらい長年月を要してつくられた計画でございますが、その際にも、いわゆる整備地域と開発地域というものの区分をし、また、いわゆる四大工業地帯に産業人口の過度の集中があるというふうなことも指摘いたしまして、国土全体の総合的な開発をはかるためにはどういう方向でいくべきかといういうような事柄を、この国土総合開発計画において指摘をいたしておる次第でございます。御承知のとおり東京、大阪等におきましては、いわゆる過密化の弊害が相当顕著にあらわれてまいっておることも事実でございます。同時にまた、ここ数年前から各地方におきましていわゆる総合開発ブームと申しますか、各府県ともに非常に積極的にそれぞれの地域の開発を総合的にやっていこうというふうな気風が盛り上がってまいっておった次第でございます。ところが、それらの実際の実績のあとを検討してみますると、たとえば交通機関の関係とか、または厚生関係との関係とか、また道路との関係、いろいろな各種の施設の間に相当なアンバランスが生じてきているという事実を私どもは非常に重視いたしました次第でございます。したがって、この法律のたてまえにおきましても、もちろん国が基本方針を示し、また、建設基本計画について政府が承認を与えるという趣旨に相なっておりますけれども、どこまでもその計画をつくり上げる主体は、それぞれ新産都市であり、工特整備地域である、こういうたてまえをとった次第でございます。言いかえれば、各地域のそれぞれ自発的な盛り上がるそういうふうな考え方というものを総合調整して、そうして国総法に基づくところの国土総合開発の目的に沿った方向にこれが着実に、また円滑に、しかも相互の施設の間に総合性を持ち、調和を保ちつつ建設していけるという方向に持っていくのが、国としてあるべき姿だろう、かような観点から、この二つの法律ができまして、そういうような観点から基本方針を示し、また基本計画についての承認が行なわれたわけでございます。そういう点から御了解がお願いできるかと存ずるものでございますが、どこまでも計画をつくります主体は、新産都市自体であり、また工特整備地域自体でございます。しかし、それは同時に、国土総合開発計画全体の立場から、こういうふうな法律が円滑に実行できるということによってその目的を達成できる次第でございますから、したがって、国としても、ことに基本計画を承認いたしておるという観点から、これが円滑なる実施を助成するという責任は、これは当然国としても担当すべきである、こういうふうな考え方のもとに今回の法律も提案申し上げておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/7
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008・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣、せっかくですが、どうも少しはっきりしないところがあるのですが、計画をつくります主体が各地域であり、地域の自発的な考え方、自発的な構想に基づいた計画というものを、国としては単に国土全体の上から、あるいは日本の産業の将来の展望に立って若干の調整をするんだ、そういうたてまえに立ってやっていくんだから、やはり主体は地方の各それぞれの指定された地域であるべきだ、ただ、国としてもできるだけ協力していくんだ、こういうことのように聞いたのですが、そういうことなんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/8
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009・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) そのとおりでございます。ただ、なお一、二つけ加えさせていただきたいと存じますが、新産都市等におきましても、それぞれ整備基本計画を実施する段階におきまして、それぞれの地域に各出先機関の基本計画を持ちまして、また地方公共団体をも構成員に入れたところの協議会を持ちまして、そして、それぞれの立場から全体が、つまりむだのない総合調整のとれた、その目的を達成できるような方向に力を総合していっていただきたいという趣旨の機構に相なっておる点も御了解願いたい、かように存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/9
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010・鈴木壽
○鈴木壽君 確かに地域開発ブームといいますか、数年前からのそういう地方での動き、あるいは盛り上がりというものはあったのでありますが、しかし、この新産や工特の場合は、そういうブームに乗ったことは確かにそのとおりでございましょうが、これは国として、たとえば過密都市の解消なり、あるいは地域格差の是正というような立場、広くいって国土の総合的な再開発というような、そういう立場で取り上げられた問題だと思う。それに地方が、そういうものだったらおれのところを指定してやってもらいたい、こういう形であったと思うのですね。現に経済企画庁なりあるいは建設省なり自治省なり、いわゆるこの新産というものになる前に、広域都市であるとか、工業開発都市であるとか、いろいろな名前でそれぞれの各省庁で構想を発表しておったのですね。これが、地方における、自分たちの地域の開発というようなものに熱心といいますか、一生懸命になっておった人が、そういうものに飛びついていったのですね。これは私はまぎれもない事実だと思うのです。しかし、いろいろのいきさつがありまして、最終的には新産都市ということになったのでありますが、それは、さっき言った各省庁でそれぞれ取り上げておりました広域都市であるとか、工業開発都市とか、いろいろな名前で示されておったそういうもの、これはしかし国がやはり現在の過密化あるいは地域格差の是正、資源の再開発、こういう点からいって、ぜひこうなければならぬというような見地で打ち出したさまざまな構想であったと思うので、それがたまたま最終的には新産都市あるいは工特地域というような形で固まって、その結果、指定を受けたのだ、指定がなされたのだ、こういうことで、私はその理解が誤まっていないと思っています。そうしますと、やはり確かに計画としては、地方でこういうこともやりたい、ああいうこともやりたいという要望もあり、あるいは自主的ないろいろな考え方もあったには相違ありませんけれども、やはりいま言ったように、国土総合開発という全体の立場から、国が開発の拠点地区としてこれらのものを設定をし、指定をし、建設をしていこう、こういうものがやはり私は中心にならなければいけないと思うのです。それが、私から言わせると、どうもだんだん少しぼやけてきているのではないか。事業建設の主体はあくまでも地方なんだ、国はできるだけの援助をしていけばいいのだというふうな形に、すりかえられてきているようには私は思うのですがね、その点いかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/10
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011・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) この二つの法律ができました経過については、鈴木先生御指摘のとおりでございます。しこうして、この二つの法律には、特に新産都市建設促進法には、地域格差の是正ということも第一条の目的に特にうたっているような次第でございます。したがって、この二つの法律が、単に地方にまかせっきりでいいという性格のものでないことは、これはもうきわめて明らかでございます。かような観点から、基本方針を示し、そうしてその基本方針に基づきまして、地方がそれぞれの機関と協議をせられて、そうして総合開発計画をつくって持ってこられ、それを地方としては各省庁に御相談申し上げて、そうしてこれを承認する。基本計画を承認した以上は、その基本計画が実行できるようにしていくという一半の責任は、国にもある次第でございます。しこうして、それらの総合開発計画の中には、たとえば鉄道の建設でありますとか、または港湾の建設であるとか、または国道の場合とか重要河川であるという場合におきましては、これは国の当然の直轄の仕事として、国がこういうふうな地域に先行的に投資をしていく、事業を実施する、こういうことが当然に国の責任として起こってくるわけでございます。そういう意味におきましては、これはもう当然に国の責任でございまして、その点は、各省庁においてそれぞれこの基本計画を承認する場合に、各省庁に御相談申し上げてきている問題でございますから、各省庁の責任においてこれを実施していただく、こういうたてまえになっているのでございます。ただ、それらの国の事業におきましても地方負担分がございますし、また、国の事業のほかに、地方単独でその新産業都市建設地域の先行投資を必要とするものがございます。その他、それに付随するところのいろいろな、たとえば産業公害を防止するための施設であるとか、上下水道とか、工業用水とか、そういうふうな各種の施策が、地方団体の負担においてなされなければならぬものも相当あるわけでございます。さような観点から、国は国としてそれぞれ重点的に、政府が承認いたしました基本計画の線に沿って実際の予算の配分をしていく。同時に、これに対応して地方においてもそれをやっていただく。それについては、地方の現在のその地域の財政状態ではなかなか困難な面もございますので、そういうようなところを補うために今回のこの財政措置に関する法律を御提案をした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/11
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012・鈴木壽
○鈴木壽君 この基本計画ですね。これを見ますと、たとえば四十五年の工業生産の目標、五十年の工業生産の目標、こういうものが掲げられてあるのでありますが、もちろんこれは国全体の工業生産を目標に置き、その中に位置づけられたこの各地区ごとの工業生産の一つの目標であろうと、こういうふうに思うのですね。こういう点からいっても、もしこれらの地区の、あるいは新産都市、こういうものの地区の工業生産の目標なり、これは四十五年であれ五十年であれ、これが大きく動いてくるということは、やはり国全体の経済あるいは工業生産の目標そのものがぐらついてくるということにもなりかねない問題だと思うのですね。それで、新産都市にこういう目標を与え、こういう目標を掲げて、それを達成することのできるようないろいろな施設、仕事、事業というものをやっていくということが、いま言ったように、私はほんとうに国の立場でやらないと、これは地方まかせではできないことだと思うのですね。まあいまの大臣のお話で、国の持つべき責任といいますか、あるいは感じている責任、こういうことについては、いままで私ども他の場所において、他の機会においてお尋ねしてきたことよりは相当前進した形で、私了解できるのでありますが、それにしても、私は、やっぱり新産都市の建設あるいは工特地域の整備、この問題はもっと国が——単に道路とか港湾とか、そういうことだけでなしに——財政的な面まで責任を持った考え方、そういう施策で進めなければ、せっかくのこういうものが、五十年という一つの目標年度でありますけれども、五十年になっても、実態はどうもうまく進んでおらなかったということになりはしないかということを心配するのであります。
そこで、一つお聞きしますが、この四十五年の工業生産の目標を五兆四百三十億円、五十年の工業生産の目標を七兆二千九百七十億円と、こういうふうに置いておりますが、これは国全体として、この場合に工業生産の目標をどの程度に置いており、そしてこれらの地域の、国全体のその中に占める割合というものは一体どの程度になっているのか、これをひとつ局長のほうからでもよろしゅうございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/12
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013・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 鈴木委員御承知のとおり、政府はさきに所得倍増計画を樹立いたしましたが、その後、その計画期間中の昭和三十九年度から四十三年度に至る五ヵ年間をもって中期経済計画というのを新たに策定いたしました。そしてこれを政府の計画として今年の一月に閣議決定いたしましたが、四十三年までの計画については一つの計画を持っておりますけれども、四十五年の、つまり所得倍増計画の目標とされているところの数字は、もうすでにある程度現実の姿と離れてきているというのが実態でございます。したがって、これはそう遠からざる時期にさらに検討を要する対象になろうかと思うのでございます。しこうして、新産法並びに工特法に基づくところの基本計画は、いずれも大体約十年間、事柄によりまして十年をこえる部分もございますが、約十年間を目標にしてそれぞれその十年間において施策すべきところのいろいろな事業というものを予定し、もちろんその前提としてその地域におけるところの工業出荷額をどの程度求めるべきかということも検討いたしました上で、その工業出荷額を確保するためには、いまからどの程度の先行投資を必要とし、またはそれに付随するところの公共投資を必要とするかという計画を検討いたしまして、そうしてそれを承認いたしましたのが先般の基本計画でございます。鈴木委員も御承知だと存じますが、新産都市につきましては、その総額は大体四兆三千億、それから工特につきましては総額が約二兆円ということになっておりますが、しこうして、これらの事業の規模を、さきに申しました中期経済計画の規模と照し合せてみますると、大体この程度まではこの期間においてこういうふうな新産都市、工特地域に重点を置くという考え方でもってこの計画が実現し得るというふうに、政府としては認めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/13
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014・鈴木壽
○鈴木壽君 中期経済計画の四十三年までの分については、国全体としてのそれはあるんだが、この新産業都市の建設基本計画にあるように、四十五年あるいは五十年の工業生産の目標、こういうことにすぐ比べられるような国全体としてのものは、いまのところはないんだ、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/14
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015・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 政府として決定いたしましたそういう資料はございません。ただ、通産省等において一応推算したものはございますが、これはどこまでも一応の推算でございまして、政府として決定したものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/15
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016・鈴木壽
○鈴木壽君 これは新産都市の五十年までということですが、三十九年度から五十年度までということですから、一応五十年度までの生産の目標なり、出荷額の目安なりというものは、これは当然立てなきゃいけなくて立てたものだと思うのだが、国全体の工業生産、そういうものから割り出された一つのものじゃなくて、この地区においてこの程度のものは達成できるであろう、また達成しなきゃならぬ、こういうことなんでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/16
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017・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) もちろんこの基本計画を承認するにあたりまして、大体各地域ごとの、たとえば四十五年度において、または五十年度において、この程度の出荷額を予定し、それを達成するのにはどの程度の事業を必要とするかということを検討いたしました、その基礎として、大体全国的にどの程度の出荷額が見込まれるかという見込みの数字を持っていないわけではございません。これは推定として申し上げますならば、昭和四十五年度においては四十三兆円、それから昭和五十年度においては六十兆円という数を全国の出荷額として一応政府の推計は立てております。しかし、これはどこまでも一応の推定でございまして、政府として計画としてつくり上げたものではないという数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/17
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018・鈴木壽
○鈴木壽君 私は、こういうお話を聞くとちょっと心配なんですが、少なくとも五十年度のことはともかく、四十五年度に工業生産の目標を掲げておるのでありますが、せめて四十五年度の中のこのくらいは、国全体としての工業生産なり出荷額なり、そういうものから見たこの地域の、何といいますか、割合なり、そういうものがあってしかるべきじゃないだろうかと思っておったのですが、どうもそういうことがまだはっきりしないようであります。
そこで、他のほうに移りますが、この経費の概算が新産都市のほうで四兆三千億、それから工特地域で二兆億円と、こういうふうになっておりますが、このほかにも、おそらくは、特に工特地区なんかのこの基本計画を見ますというと、この経費のほかに、まだ、たとえば水資源の開発施設等に必要な経費が要るだろうというような注釈がついておりますから、もっとふくれ上がらざるを得ないと思うのですが、こういうこの数字から見まして、私は、あまり膨大な数字だというふうなことでもないんだけれども、しかし、地方にとってはたいへんな数字だと思うのですね。何べんも申し上げますように、地方にこういうふうな開発、あるいは建設のために必要な経費というものは、どの程度これは負担しなければならないか、これは問題だと思うのでありますが、こういうことについて、詳しく地方のたとえば県負担分、市町村の負担分、こういうものがはっきり数字として出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/18
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019・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) これはどこまでも十年間の問題でありまして、各年度の所要経費等については、各年度ごとに具体的に御決定願う、こういう考え方に基づいておるのであります。しかして、国でその地域についてどの道路をどれだけにするかというふうな問題につきましても、その実施についてはそれぞれそのときの財政事情もございますことでございますし、また、予定された企業がいつそこに実際に開発され、操業を開始するかというふうなタイミングも、それぞれ実情としては計画どおり、または予想されたとおりいかないことが相当ございます。そんなような点から、そのときどきの最も実情に近い状態のもとにおいて、各年度ごとにひとつ支障のないような措置を講じていくという考え方を持っておるわけであります。しかして先ほど御指摘のありましたとおり、一応約十年間ということにいたしておりますけれども、この中の仕事によりましては、たとえば下水道計画等については、これは国全体の問題としてもそうでございますが、必ずしも十年間でこの地域の完成をなし得るというわけには予想できませんので、そういう問題は多少年度を越えて残るものもあり得るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/19
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020・鈴木壽
○鈴木壽君 四十五年度までのは一応あれですか、経費の概算の上で、めどをつけておりますか。およそ十年間で、まあ当初の出発では三十九年度から五十年度まで、ですから十二年間にわたりますわね。しかし、実質的にはこれはもう四十年度からと見ざるを得ないと思うのですね。そうしますと十一年ですか。かりに十年なり十一年の間の全体の経費の概算だということで、しかも年度ごとのやつはむしろきめられないのだというようなお話ですが、しかし、こういう計画に基づいて、さっきも触れましたように、たとえば四十五年度なら四十五年度に工業生産の目標がこうだというような、そういう目標を達成する上からいっても、少なくとも四十年度あるいは四十一年度、二年度でどういう仕事をするかということを初めから私はやっぱり一応設定して置くべきじゃないかと思うのですがね。それは全然触れていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/20
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021・高見沢二郎
○説明員(高見沢二郎君) いまの御質問の点に関しましては、十二年間の全体の計画を政府として承認しましたわけで、年次別の区切りは、目下のところつくっておりません。計画としましては、弾力的に、弾力性を持ってやるという考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/21
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022・鈴木壽
○鈴木壽君 弾力的にというのは、いいことばなんですがね。まあ来年度とか再来年とかならともかく、四十年度は一体これはどうするのですか。それもまた弾力的にやるためにまだきまりませんか。四十年度はどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/22
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023・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、この建設基本計画は各省庁とよく御協議を申し上げた上で、政府全体として承認した計画であります。しかして、各地域ごとに必要の緊急度というものをそれぞれ各省庁でも御検討願って、そして各省庁で具体的に新産都市なら新産都市、工特地域なら工特地域それぞれについてどこまでやるかという具体的な予算の配分については、まだ全体として決定はいたしておりませんが、これはもう予算もすでに成立したことでございますし、できるだけ早急に全体として取りまとめをいたしたい、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/23
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024・鈴木壽
○鈴木壽君 もうこれはたよりないような、高橋さん悪口になるようなんですが、たよりないような感じがしますね。まあ五月ですからね、予算成立してからわずか一ヵ月とちょっとしかならないといえばそれまででありますけれども、しかし、各省庁で持っておるその予算、あるいは仕事の配分等については、もうすでに相当のところまで進んでおるのですがね、もう予算があがる前に、ある場合においては地域ごとの配分も、内輪の作業としては終わっておるという段階のところがたくさんありますわね。特にこういう大事な問題で、いまもって四十年度に一体どういう仕事をどの程度するのか、必要な経費はどのぐらいあるのかいう、そういうことがはっきりしないということになりますと、一体これはどうなるかということを、ますます私は実は心配になるのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/24
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025・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 各省庁だいぶ実行計画をお組みのようでございますけれども、何といたしましても、これは全体を総合したいろいろ確定した数字を私どもいただいた上でないと、その姿を御説明申し上げることができぬものでございますから、先ほどさような御答弁を申し上げたような次第でございます。決して消極的な立場でものを言っているわけじゃないのでございます。経済企画庁といたしましては、御承知のとおり四十五億円という調整費を特別に計上いたしまして、そうして各省庁間においてバランスの取れぬというようなものができてまいりまして、または、企業の進捗度とそれからそれに必要なところの公共投資というものとの調整がうまくいかないというような見通しの立ったものについては、経済企画庁が持っているところの調整費を活用いたしまして、そうして全部を能率よく運営していきたいと、かような趣旨をもちまして実は各省庁の御決定の数字をできるだけ早急に取りまとめたいと、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/25
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026・鈴木壽
○鈴木壽君 まあそういう段階だとしますと、私は今度の新産都市建設及び工特地域の整備のための国の財政上の特別措置というこういう法律案も、ちょっとこれは審議できなくなるんじゃないんですか。一体どの程度の仕事をするのにどの程度の助成なり援助なりの措置をするのか、はっきりしない。こういう段階で、たとえば起債の四十億新しくつけるとか、補助率をどうするとかと、こう言っても、これはどうなるかわかりませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/26
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027・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) これはあるいは自治省のほうからお答えすべき筋合いかもしれませんが、何と申しましても全部必要な経費が出そろって、全部これだけ要るんだからということで準備をしたのでは、これはもう手おくれになってしまいまして、その手当てができないということは鈴木委員もよく御承知のとおりだと思います。これはどうしたってある程度幅を持ってそして準備をしておいて、しかもその準備でなおかつ足りるか足りぬかは自後の問題として、さらにそういう問題も起こり得るかと思いますけれども、政府といたしましては、とりあえずこの程度の準備をしておけば、国の施設と相呼応して地方の新産都市なり工特地域の整備についてもまずまず遺憾のない措置がとりあえずできるだろうという観点から、こういうような御提案を申し上げておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/27
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028・鈴木壽
○鈴木壽君 まあ例えば四十億起債、これで、はたしていいのかどうかということの計画なり、あるいはそこにどの程度の投資をし、どの程度の経費をかけて仕事をするのかということがわからないで、四十億とか四十五億とかということを論議をしても、これは無意味だと思うのです。大臣のいまおっしゃったようなことだとしますと、その四十億というのは相当幅があって、四十億というこれで十分その消化ができるんだという目安を得ての四十億かというと、私はそうじゃないと思う、この四十億という額からしましても。これは市町村に対する補助の精算払いならどうでもいいわけだ。どうでもいいと言えば悪いけれども、これは後年度で措置をするんでしょうから、これはこれとしてわかりますが、この四十億というのは、これは地方財政計画の上にも、特に地方債計画の中にちゃんと載っかっている数字なんですね。その載っかっている数字というのは、やっぱりかってにそうそのときどきによって変動していいものだというふうな計画であってはいかぬと思うのですね。ですから、そういう点から言うと、何かこう、まあ何とかしてやらなければならぬと、国としても財政措置、特別な措置をしてやらなければいかぬという、その気持ちはくめないわけじゃありませんけれどもね。どうもそこら辺、きちっとかみ合うところがないということに対して、私はもどかしさを感じますね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/28
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029・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 鈴木委員も御承知のとおり、わが国は自由主義の経済のたてまえをとっておる状況でございますので、したがって新産都市も工特整備地域も、ともにそれぞれそこに企業が誘致され、または新しい企業ができ上がるということが一つの非常に重要なポイントに相なっておるわけでございます。そうしてこういう問題は、国全体の経済の動きとも関連がございまするし、また、それぞれ各地域間において、いずれの地域を先にするかというふうな順序の問題も、それぞれの企業について当然あり得るわけでございます。これは政府においてコントロールできる問題じゃございません。したがって、そういうことを全部計画的にきちんとできるならば、何も経済企画庁に調整費として四十五億円計上する必要がないわけでございます。全部がきちっと、そういうふうな調整を月後に必要とするような準備をする必要がないという問題であろうと思います。しこうして、地方財政計画についても同様でございまして、今年度しからばどの地域について具体的にどういうふうな企業がどういうふうに動いて、そのためにこの道路がどうしても必要だ、この工業用水が必要だ、この下水工事が必要だというふうな、または学校が必要だというふうな具体的な計画を、いまから確定的に予定するということは非常に困難であるというような関係上、これを積み上げて、そうして四十億円でどの地域に何億円、どの地域にどれだけということで積算をいたしまして、これで十分だ、これで完全にいけるのだというふうな考え方は、わが国の経済組織の上におきましては、非常に困難であろう。しかしながら国といたしましては、どこまでもこの新産都市並びに工特法に掲げておりまするところのその目的とするところの事柄をぜひ実現いたしたいという決意をもって、それに対する準備は万全の措置を講じておきたい。そうして時々そういうふうな必要の度合いに応じてこれは措置をしていく、こういう考え方を持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/29
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030・鈴木壽
○鈴木壽君 だから大臣、たとえば起債が四十億だと、こういうふうないまの数字が出ておりますね。場合によっては五十億なり六十億なり百億なりになるのだという、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/30
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031・柴田護
○政府委員(柴田護君) 数字のことでございますので、私からお答え申し上げます。先ほど来長官からお答えございましたように、具体的には四十年度の事業量というのは、具体的に各省庁で各事業について個所づけができてまいりませんと、その地方負担額もわからない。したがって補助率のかさ上げ額もきまりませんし、起債の充当額というものもきまらない。四十億円という計数は、一応正直に申し上げまして腰だめの数字をあげております。したがって、もしそれで余れば余ったでよろしゅうございますし、不足する場合においては別途の措置を考えなければならぬということになるわけでございます。地方債計画で一応きめておりますけれども、年度の途中で毎年補正、訂正はいたしておるわけであります。全然その機会がないわけでもないわけであります。問題は、事業をやってまいります地方財政の立場から申し上げますならば、事業をやるにしても、どういうような財政的な影響がくるかというのが非常に心配になるわけでありまして、財政的な仕組みと事業量というものが相関的なにらみ合いで考えられていくだろう。そうしますと、現在の財政の仕組みからでは、とうてい負担が膨大になるのがきまっているから、なかなか仕事が進まない。したがって、問題は、その財政的な援助の仕組みというものを明確にしてやることによってその間の調整がついていくだろう、国庫補助事業等につきまして、その上で打ち立てた計画というものがうまくいかぬという場合には、先ほどからお話がございました調整費の活用ということも起こってまいりましょうし、あるいはまた、地方債が十分じゃないということがわかりますれば、地方債計画の弾力的運用という問題も起こってまいりましょうし、その辺は、実際の事業の決定とその施行状況ということとかね合いまして弾力的にやってまいらねばならないのじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。また、この法案を提案いたしまして御審議をわずらわしておりますのは、やはり早く財政的な仕組みをつくってやりませんと、事業が一向に進まない、そういう状態は国としてもほうり出しておくわけにはいかない、こういうことから、こういうふうな制度的な援助の仕組みをつくろうと、こういうところにその趣旨があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/31
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032・鈴木壽
○鈴木壽君 長官ね、あなた現在の日本の経済機構といいますか、あるいは自由主義経済のもとで、そうきちっとした計画というのはでき得ないんだと、こういうようなことをおっしゃった。それはそのとおりですね。しかし、こういう一つの目標を置いて仕事を進めていこうとする場合には、だからといって、年度年度ごとの計画も足りなかったりということは、私は許されないと思うのです。その計画どおりいくかいかないかは、これはいろいろそのときの事情によることでもあるし、やむを得なくて変更しなきゃならぬということもあると思いますが、しかし、いま言ったように、ある目標設定をして、それを実現するためには全然年度ごとの計画なり目標なりをつくらないでおいていいということには私はならぬと思うのです。やっぱりいまの自由主義経済のワクの中でも、これは一つの計画的にやっていくことなんでありますから、部分的なことでありますけれども、これはやっぱり少し、ある限られた十年なら十年、十二年なら十二年という中で処理をしなきゃならぬという、そういう目的を持っておるものなんですから、私は、やっぱり年度ごとのそれを設定をしておいて、場合によっては年度半ばの修正ももちろんあり得るでしょうし、変更もこれはやむを得ないと思いますけれども、しかし、当初の進み方としては、そういう年度ごとの計画を持つことが私はぜひ必要だと思います。その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/32
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033・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 各年度ごとの具体的な計画ができることが望ましいという点については、鈴木委員と全く同感でございます。ただ、国の計画等におきましても、経済計画というものは常に計画に盛られた見通しと現実とが相当な間隔を示すということは、これは過去の実績が示すところでございます。もとよりわれわれはこれをできるだけ現実の姿に近いものにして、そして実現性のある目標を立てて、それに向かって政策的な努力を集中していくということが、これは政治のあるべき姿だと、かように考え、こういうふうな新産法をつくり、また工特法をつくって、そして、それに基づくところの建設基本計画を承認いたしました次第でございます。ただ何分にも十二年間の長期にわたる基本計画を承認したばかりの段階でございまして、さて具体的にどの企業が何年にどの程度どこに誘致され、またはそこにでき上がって、そうしてそのために必要な具体的な道路なりその他の公共投資というものがどこに必要になるかという問題になりますと、なかなか具体的にはむずかしい問題である、したがって、この問題ももちろん等閑視することはできない問題でございますので、できるだけ現実に近い姿で各年度についての計画も、少なくとも二年、三年先くらいのものは各地域ごとに設定をしていただきまして、そうしてそういうふうな見通しをつけながら国の仕事もやっていこう、先行投資と申しましても、道路一本つけるにいたしましても、そう短期間に全部できるものではございません。したがって、少なくともその程度の見通しを立てながらこの実行を具体化していくということでなければ、ほんとうにこの法律の所期した目的を達成することが困難であろう、そういう趣旨におきまして、各年度についての計画がだんだんできていくようになることは非常に望ましいことである、また、そうしていただきたい、かように考えますけれども、しかし、今年度のただいまの段階において、それでは四十年度はどうだ、四十一年度どうだ、そういうことになりますと、これは各地域ともまだそこまで具体的な計画ができ上がっていないというのが実情である、かように申し上げておくような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/33
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034・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、新産とか何とかということも、これはまことに先行きは暗いものになりそうですね大臣。どうですかこれは。目標も、十年後の目標だとか何とか掲げてありますけれども、一体どこをつかんで各地域でたとえば計画を立てるとかなんとかと言われても、これでは立てようがありませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/34
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035・高橋衛
○国務大臣(高橋衛君) 各地域ごとに十二年間にわたるところの基本計画がちゃんとできておるわけでございます。これが一つの長期にわたるところの計画でございまして、この計画に基づいて具体的に各年度ごとに努力をしていく。しかしながら、経済の情勢その他各般の条件が変わることによって将来変わることは、これは当然あり得べきことではございますが、しかし、とにかくその目標に向かって政府としてはあらゆる努力を集中していく、これは当然のことでございます。しこうして、そういうようなことが完全に計画としてでき上がりますならば、これはもう何も経済企画庁に調整費なんという経費を置いておく必要がないわけでございまして、そのために経済企画庁に四十五億という調整費を置き、また地方財政におきましても、ただいま御提案申し上げておるような措置を講じておる次第でございます。決して政府としてはこれに対して熱意を持っておらぬというような問題じゃなしに、むしろ、何とかしてこれを育て上げていきたいという非常な熱意に燃えながら措置を前向きにやっていこうという熱意を持っていることをぜひ御了解願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/35
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036・鈴木壽
○鈴木壽君 熱意を持っておられるかもしれませんが、さっぱり出てこないので、内にばかり熱意を持っても、やっぱり具体化してもらわないと困るのですね。私も、実は本質的にはいろいろ問題があると思うのですが、しかし新産も工特も私ども賛成をして通った法案でございますし、こういうものをやっぱり目標どおり、当初考えたとおり、りっぱりなものに建設をしていかなければならぬという、こういうことを私は自分の気持ちとしては前提にしながら、さて、しかし考えてみると、どうもわれわれが、あるいはまたあなた方も、十分熱意を持っておられると言うが、どうも熱意の出方がはっきりした形でわれわれに認めることができないのじゃないかということで、私実はいろいろお聞きしているのでありますが、大臣は、どこかの委員会にお行きになると聞きましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/36
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037・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/37
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038・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/38
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039・鈴木壽
○鈴木壽君 まず自治省にお聞きしますが、高橋さんも聞いておっていただきたいのですが、これらの地区の三十九年度、これは決算はまだできておらないでしょうが、指定されました新産なり工特なりが、この地区でこれらの法律に沿うような仕事をいろいろやってきただろうと思うのですが、これについてのお調べはついておりますか、どの程度の仕事をどうやったのかという。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/39
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040・柴田護
○政府委員(柴田護君) 新産業都市建設関係の経費の三十九年度の実績を調べましたところでは、実績見込みになるわけでございますが、事業費総額は千八百三十五億円、それの国庫負担が三百九十二億円、地方の負担が、県が三百七十四億円、市町村の総額が三百三十八億円ということになっておりまして、この財源内訳は、県の三百七十四億円という内訳が地方債が二百四億円、一般財源百七十億。それから市町村の地方債が百七十二億円、一般財源が百六十六億円ということに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/40
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041・鈴木壽
○鈴木壽君 総事業の見込み額千八百三十五億円、国が三百九十二億円、県が三百七十四億円、市町村が三百三十八億円、残りはどこでこれは負担しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/41
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042・柴田護
○政府委員(柴田護君) その他の負担が七百三十一億になるわけでございますが、これは公社とか国鉄とかあるいは電電公社その他民間事業でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/42
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043・鈴木壽
○鈴木壽君 四十年度では、あなた方は一応の推定をしておりますね。約二千三百四十億円程度の推定をしておりますが、その根拠は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/43
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044・柴田護
○政府委員(柴田護君) 三十九年度から四十五年度までの総額は新産都市関係で二兆三千四百十六億円というのが大体きまっておるわけでございます。これを三十九年度から四十五年度までの間で全部が二兆三千億になるように等差級数的に年率約二〇%程度の伸びを見ながら推計をいたしますと、四十年度が二千三百四十億円程度が見込まれる。こういうような前提で推計をいたしたわけでございます。実際にどういうことになっておりますかということは、現在各地方団体の予算計上額を私どもで集めております。まだ全部は集め終わっておりませんけれども、私どものところにいままで集まっておりますところの状態から推しますと、ほぼこの程度を前後するものだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/44
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045・鈴木壽
○鈴木壽君 関係地方団体からあなたのほうでは集められたのだと思うのですが、これは各関係地方団体、その地域のほうでのいわば任意的な、国のほうとは何らの連絡もない形で予定している仕事なんじゃないですか。これからたとえば道路なり港湾なり、その他一体どうなるかということ、さっきからの話だと、全然わからないのでありますね。ただ、地方ではこうあってほしいとか、これだけはしなければならぬとかいうような、地方だけの考え方で予算計上をしておったものだというふうに思わざるを得ないのですが、その点どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/45
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046・柴田護
○政府委員(柴田護君) 御指摘のように、予算の計上額でございますから、したがって、それが即確定した額だとは言えません。しかし、まあ地方が計上する場合に、国の予算がきまりましてから見込みをつけておるものもありますし、ある程度打ち合わせがついておるものもあります。全部が全部じゃありませんけれども、単に国と全く無関係に、適当にあげたんだという額じゃございません。やはり相当の推計の根拠を持った数字だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/46
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047・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、大体地方で計画した、あるいは予算化した事業費というものは、当初あなた方が三十九年度の実績、あるいは四十五年度までの建設に必要な経費、それから推計をした四十年度の二千三百四十億円と大体一致するようなお話でしたが、もう一度そこら辺、一致しているかどうか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/47
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048・柴田護
○政府委員(柴田護君) 先ほど来いろいろお話がございましたが、私ども実は四十年度がどういう姿で出てくるかということを非常に心配をいたしておりました。そこで、法案の御審議をわずらわしております途中でございますけれども、ともかく当初予算がきまったんだから、当初予算で計上されておる新産、工特関係の事業費を洗い始めたわけでございます。現在全部集まっておりませんけれども、現在まで過半以上が集まっております。その集まっておりますものを基礎にして推計をいたしますならば、三十九年度は、推計の一つの基礎になるわけでございますけれども、大体二千三百四十億前後の数字が出てきそうだということでございます。私どもといたしましては、もっと大きな数字が出るんじゃないかという心配を実はいたしておりました。ところが、やはり国の補助事業そのものが財産計画で御審議をわずらわしましたように、経済の影響を受けまして、ある程度しぼられております。また、地方財政も御指摘のように苦しゅうございます。それやこれやの要因が作用して、そういうような計上額になっていやせぬだろうかと思うのでございまますが、しかし、何ぶんにも当初予算でございまして、今後どうなるかということは十分注意を要する、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/48
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049・鈴木壽
○鈴木壽君 大体当初予算の中に、地方団体で計上する際には、基本的な事業、こういうものについては一応見るけれども、いわば、何といいますかね、あとでいろいろ国の関係等からくるそういう事業なんかでは、六月県会とか当初予算ができ上がったあとの追加として、補正として出てくるのが通例ですね。そこで、いまのところで、当初予算にあらわれたところが大体二千三百億程度だ、こういう話ですが、六月あるいは七月になったら、しかも国のほうでいわゆる予算配分がずっと終わったという段階でのそういう時期になったら、もっともっとこれはふえてくるという見通しに立たざるを得ないのじゃないかと思うが、その点どういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/49
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050・柴田護
○政府委員(柴田護君) むしろ新産、工特の事業だけから考えますれば、御指摘のようになる、なってほしいと私は思うのでございますけれども、どうもことしは事情が違うような気がいたします。それから地方の当初予算の傾向につきましても、鈴木先生御指摘のような傾向をいままで持っておりましたけれども、最近は、こういう事業をやります場合には、当初からわかりきっていることとして財源を措置いたしておきませんと、むしろほかの事業が困ってしまう。したがって、私どもといたしましても、当初予算の計上の場合には、なるべくわかりきった事業は年間額を、年間を通じて予算を組むように指導いたしております。地方側も、そう国の補助金額の決定を持ってどうこうという態度をとるところは、こういう事業につきましては最近減ってきているのではないかというふうに思うのでございます。うんとふえてしまうというようなことは、どうもことしは起こりそうもないというように私は現在考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/50
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051・鈴木壽
○鈴木壽君 これからのことは、ちょっとこれはここでどうのこうのと言っても始まらぬでしょうからやめますが、三十九年度の実績見込みが、先ほどのお話ですと千八百三十五億円、こうありましたね。千八百三十五億円だといたしますと、四十年度では大体五百億円程度の増ということになりますね、二千三百三十九億円程度と見ておられますから。そこで三十九年度、四十年度で、いわゆる新産あるいは工特地区として普通の年に行なわれるいろいろな公共事業その他の仕事、こういうものの上にどの程度積み重ねられたものがあるというふうに見ておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/51
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052・柴田護
○政府委員(柴田護君) ちょっと私御説明がまずくて、誤解があったかと思いますが、いまの二兆三千億という数字は新産だけでございます。したがって、千八百三十五億という数字も新産だけでございます。四十年度の数字も新産だけでございます。工特の計算はここには入っておりません。工特につきましては、具体的に四十五年までの計数が明確じゃございませんので、推計の立てようがない、そういう前提がありますことを御承知願いたいと思います。
お尋ねでございますが、これは今後ともどうも見当がつきかねる。四十年度の調査、三十九年度の決算見込み、これも調査中でございますが、それらを通じまして明らかにしていかねばならぬと思うのでございますが、そう大きく補助事業がびっくりするほど新産地区、工特地区で伸びているというふうには実は思えない。多少そちらのほうに幅は厚くなっているようでございますけれども、特にそこだけきわ立ったというような傾向はないように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/52
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053・鈴木壽
○鈴木壽君 通常のベースとあまり違わないということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/53
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054・柴田護
○政府委員(柴田護君) 結局、新産地区とそれ以外の地区、同じ県の中でどうなっているかということを見なければなりません。したがって、事業の採択がそういうところに新しく多くなっているということはいえるかと思いますが、そのふえ方というものは、きわだって新産地区だけこんもり盛り上がっているようなかっこうには、どうもなっていない。もとよりその地区に事業が集中的に投下されているのは事実でありますが、これは、どうなっているかということは、むしろ四十年度の予算のつけ方を見てまいらねば判断つかないのじゃないか。三十九年度は、初年度とはいいながら、御指摘ございましたように、いわば三十八年度からの惰性の続きみたいな傾向がございますので、もちろん四十年度になりますと、その点変わってくると思いますけれども、現在の段階では、明確ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/54
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055・鈴木壽
○鈴木壽君 しかし、三十九年度の実績が千八百三十五億、四十年度のが二千三百四十億程度、約五百億の増になっているのですが、この五百億くらいの増というのは、大体いわゆる新産都市として指定を受けた地区がその建設のために特に仕事をするための必要な経費、こういうふうに見るべきでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/55
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056・柴田護
○政府委員(柴田護君) 昭和四十五年までに二兆三千四百億の仕事をするためには、四十年度に、お話しのように二千三百四十億程度の仕事をしなければどうにもならない。ある程度の年率を見ながらの計算でございますので、その程度のものが要る、こういうぐあいに考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/56
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057・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっとあれですね、これはどうも計画なりあるいはそれに対する所要経費、また、それに対する国の特別な財政措置、これをやるにしても、どうもつかみどころがございませんね。あなたのお話だと、さっきは、財政なり、何といいますか、仕組みということばをお使いになったが、国なら国でどういう財政措置をするのかということが明らかにならなければ仕事もはっきりしてこないのだ、というようなことをおっしゃったと思うのですが、しかし、仕事がどういうものがある——これは一つの目標として仕事のそれができているのですから、それに基づいて財政的な措置をどうするのかということだろうと思っておったのですがね。ちょっとこれは、そっちのほうの、肝心の仕事のほうが固まっていないで、財政措置の道だけを開いてやるという、こういうことになってきそうですね、いまのところは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/57
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058・柴田護
○政府委員(柴田護君) こういう大きな、ぼうばくというと語弊がありますが、大きな計画を立てる場合に、どうしてもある程度やむを得ないことかと思うのでございます。特に財政措置も、これもいろいろ前々からおしかりがございましたように、国庫補助、負担事業を中心としたものでございます。このほかに、その相互の間をつなぎ合わす単独事業もございましょうし、あるいはまた、県、市町村があっせんの場に立って民間が行ないます事業もあるわけでございます。それらを総合して、この基本計画に示されておりますような出荷額とかなんとかいう問題を達成していくわけでございますので、どうしてもそれを、初めから鈴木先生おっしゃるようにぴしっとしたものに固めていくことは、実際問題としてむずかしい。しかしながら、ある一定年度にその目標を達成しようといたしますれば、勢い事業量はふえてまいりますし、それがある特定地域に集中する。しかも、それが貧乏な団体におおむね多いということになってまいりますと、財政的仕組みというものを明確にいたしておいてやりませんと、実際に事業をやります市町村の場合、困ってしまう。そこで、どうしても何らかの仕組みが要るということを、一年半がかりでいろいろ議論をし、折衝を重ねてきたわけでございます。したがって、つかみどころがないとおっしゃられますれば、つかみどころがないかもしれませんけれども、少なくとも財政的な制度といいますか、仕組みといいますか、というものだけははっきりつかんでおる、これだけはつかむことにしておきませんと事業ができなくなってしまうと、こういうことで、こういう法律案をまとめたのであります。また、地方側の要望といたしましても、何らかの制度的な仕組み、援助というものの方式をはっきりしておいてもらいませんと、どだい財政計画も立たぬじゃないかということで、非常に困惑いたしておりましたし、国に対する措置というものについての要望も、そういう意味合いで強かったわけでございます。一々こまかく詰めてまいりますと、ウナギみたいなことになってしまうことでありますけれども、背骨だけははっきりしておきたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/58
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059・鈴木壽
○鈴木壽君 財政の仕組みはそういうふうな考え方でいいでしょうが、しかし、その仕組みといっても、それを、何といいますか、どうそれを実際の場に乗せていくかというような、その本体がさっぱりないものだから、一体これはどうなるのかということですね。
ではもう少し聞きますが、四十年度の事業量として、何べんも言いますが、二千三百四十億程度だと。そのうち、いわゆる国の負担分がどの程度、県の負担がどの程度、市村町の負担がどの程度、公社、民間のやつがどの程度、こういうことは一応試算してありますね。それから県あるいは市町村負担といっても、いわゆる補助事業の場合の県の負担とか、市町村の負担、あるいは単独事業の場合と、こういうふうなものまで拾ってありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/59
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060・柴田護
○政府委員(柴田護君) 補助事業と単独の区別は明確ではございませんが、二千三百四十億という推計を立てました場合の基礎になる額、これもやはり基礎そのものが推計でありますから、総額は推計になるわけでございますが、それは、御参考に申し上げますと、国庫負担が五百十三億、それから県の負担総額が四百六十七億円、市町村が四百二十一億円、その他負担が九百三十八億円。これの中身でございますけれども、中身の推計は、県の場合の地方債が二百五十三億、一般財源二百十四億、市町村の場合は地方債が二百十五億、一般財源二百六億、こういう推計を立てておるわけでございます。これに対して具体的に地方債の割り当てがどうなるか、あるいは一般財源の割り振りはどうなるかということは、もう少し地区別、団体別に洗っていきませんと見当はつきませんけれども、この程度の伸びということから推してまいりますと、この援助措置というものを適用してまいりますれば、そう大きな波乱が起こらずに済むんじゃなかろうかという気持ちを持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/60
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061・鈴木壽
○鈴木壽君 十分あなた方は地方団体の財政の実態をつかんでおる立場からのお話でしょうから、私も信頼をしたいのですが、たとえば県の負担、四十年度における四百六十七億のうち地方債が二百五十三億、一般財源二百十四億、それから市町村の場合の地方債が二百十五億円と、それから一般財源が二百六億円。これですね、各地区ごとの事業について一々当たってみないと、もちろんこれはわかりませんが、起債の面で四百六十八億円、一般財源、市町村、府県合わせて四百二十億円ですね、これは決して地方にとって軽い負担じゃございませんね。この地区だけの、これだけの金を投入するということは、軽い負担で済むことじゃないですね、実際は。そこで、たとえば地方債のうち四百六十八億円推定しておる、これなんですが、これはいままでの地域開発その他の起債ももちろんこれに投入されるのでしょうし、新たに今度はこれはしかし新産都市だけですね。工特地区にも、これとは数字は多少比べると低くなるのでしょうが、相当な、地方債なり一般財源の持ち出しであるということになりますと、ことしの地方債計画からして四十億のそれで、さっきもちょっと触れましたが、はたしてこれでいいのかどうかという、実は私端的に心配があるのです。従来の地方開発なり、そのために必要ないろいろな起債なり、あるいは公共事業に対する起債を財源とする場合のそういうものを考えてみて、そこらあたりを十分洗ってみて、あまりたいしたことじゃなくて、心配なしでやっていける、こういうことなんですか。特に一般財源の二百十四億、二百六億、合わせて四百二十億円の金ですね、特に町村の場合、これもその地域の各団体がどういうような負担になっているのか、あなたがたもつかんでいないでしょうし、私どもわかりませんが、総括的に見た場合に、これは必ずしも楽なものだとは言えないと思うのですがね。この点について、もう一度少し見通しというものを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/61
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062・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私がいま申し上げました数字は、三十九年度の実績を基礎にして伸長度をかけて出したものでございます。したがって、県の地方債にしましても、一般財源にしましても、それから市町村の地方債、一般財源にしましても、三十九年度の財政システムというものに立って推計をしたものでございます。したがって、御指摘のように、このままじゃ心配があるわけでございますので、こういう援助方式の制度をつくりまして、その間の苦痛をやわらげよう、こういうことであります。で、これで具体的に団体ごとに見てどうなるかということが次に問題になるわけけでございますが、これは具体的な事業計画というものの内容というものをつかんでみませんと、各団体ごとの内容が明確ではない、なぜならば、いま当初予算を集めておるのでございますが、それが基礎になってきまってまいりますれば大体中身がきまってくる。そうしますと、その援助措置の当、不当と申しますか、十分か不十分か——先ほど来御議論になっておられます点も明確になってまいりましょうし、四十一年度以降の推計もつけやすいということになるのじゃないか、何分にも四十年度初めてのことでございます。きわめて大ざっぱな推計しかできないというのが、残念ながら実情でございます。私どもの感じでは、こうして推計を終えてみますると、この援助措置を頭に置いて考えますれば、この程度のものであれば、この程度の仕組で行き得るのじゃなかろうか、特にこの制度は、事業量がふえてまいりますればまいりますほど、援助の額といいますか、援助の姿が高くなってくるような仕組みをつくっておりますので、その点はある程度救えるだろう。また、地方債が足るか足らぬかという問題が一つの残された問題でございますけれども、これは先ほど来申し上げましたように、年度の途中で実態が明確になりますれば、また計画も弾力的運用を通じてこれを補正していくという手段も残されておるわけでございますので、それはそれで救えるだろう。市町村の一般財源の幅という問題が、御指摘のように一番心配なわけでございますが、これは何分にも団体がたくさんにわたっておりますし、一つ一つの団体を通じて洗ってまいりませんと、その結論が明確ではございません。したがって、まあ制度といたしましても精算払いにいたしておるわけでございますが、この程度のかさ上げ率でありますれば、たいていの市町村で大きく事業を、何か一つ事業が起こってまいります場合、つまり何か一つ事業がその市町村に生じた場合には、たいていの場合は、特殊の市町村でございません限り、かさ上げの対象になってしまう。仕組み上は、標準負担額をこえませんと補助率のかさ上げが起こりませんけれども、大体どの市町村でも、何か一つのものを大きくつくるというふうなことが起こってまいりますれば、たいていかさ上げになるだろう、そうすれば一般財源の苦痛もやわらぐということになりはせぬかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/62
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063・鈴木壽
○鈴木壽君 もうこれは単なる、何といいますか、具体的なものに即してのものの言い方でなしに、大まかなこういう数字の上から心配だとか心配でないとか言っても始まらないと思いますがね、いまの地方財政の状況というのは、私申し上げるまでもなく、三十八年度あたりから三十九年度、四十年度だってこれは苦しくなる一方ですわな。税等の自主財源だって、期待できないし、さればといって、そういうものを穴埋めするほどの国からのそういうことも期待できない。こういうふうになりますと、非常に苦しくなる。苦しくなるときに、こういう新産なり工特のいろいろな事業を進めていって、目的とするところあるいは目標に掲げてあることを達成しなければならぬとすれば、市町村にとっても府県にとっても、これはたいへんなことだと思うのですね。そういうときであるからこそ、国はもっともっとこういう市町村財政の実態に照らして、この仕事の建設、遂行にあたっては財政的な特別措置というものを大きく取り上げていかなければならないのじゃないか。たとえば、かさ上げの問題にしても、それは確かに何か仕事をした場合に補助率のかさ上げがやられている、若干緩和された形にはなりますけれども、新しく仕事をするために全部がかさ上げによって、市町村なり府県なりが、府県の場合のかさ上げはいま申し上げないで市町村の場合だけ申し上げますが、かさ上げで全部まかなえるかというと、やっぱり持ち出しがある、どっかそういうようなことから他に影響をする、しわ寄せが出てくるところが出てきやしないか、苦しいときであるだけに。ですから、これはあとでひとつ、もう少したってから、あなた方のほうで各地域における——新産、工特各地域における——仕事の量なりその地区の団体の財政負担なりこういうものをきちっとしてから、もう少し私そういうものを踏まえた上で、こういう措置でいって、はたしていいのかどうかということを考えてみたいと思うのです。そうでないと、これは国として相当な援助じゃないかと、こういうふうな形でやっても、私はそう甘いものじゃないと思うのですがね。実は各地区で大体予想をしておる、たとえば岡山の地区なりあるいは八戸の地区、仙台地区、常磐地区、各地区で四十年度あるいは四十五年度までに一体どの程度の仕事をするのか、こういうことについて計画を立てておる、それに基づいた国あるいは県、市町村の各負担、それが一体いまの地方財政にどういうふうな影響を及ぼすかということについて、多少調べていることもありますが、しかし、何といってもこれはまだ事業そのものがきちっとしておらない段階ですから、私はやめますが、私は全体からいって、やっぱり地方財政の面でこれはたいへんなことになってくる。目的を達成しようとすればするほど、地方財政の面で非常な重圧が私は来るというふうに見るのですがね。ですから、私は大臣にひとつそういう意味での要望をしておきたいのですが、今回のこの法によってやられたこういう程度では、私は目的とする新産なり工特の建設というもののそれはできっこないのだ、やるとすれば、地方団体がひどい目にあってしまう、そういうことになるのではないだろうかという私は心配を持つのですから、もっと国が、冒頭私が申し上げておきましたように、責任をもって財政的な措置をするということ、こういう姿勢であらためてこれはひとつ検討してもらわなければいけないと思うのですが、そういうことに対しての考え方はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/63
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064・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) 先ほど来、企画庁長官に対しての御質問なり私どもに対する御質問の趣旨は、私も実は少なからず気にしておる問題でございます。そこで、大体十年間の計画は、新産都市につきましても工特にいたしましても、取ってまとめたものが、先般申し上げたような形でございまするけれども、はたしてそれでは、それが具体的に各地区について年次別にできておるかというと、先ほど企画庁長官の話されましたように、なかなかそこまでいっていないということであります。具体的にきまれば一番いいことでありますけれども、相手もあることでありまするし、具体的にどの工場がどこへ来てどういうふうにというところまでいきかねておるところでありまするから、やむを得ないところとは思います。しかし、そうかといって、ばく然として取っ組むというわけにもまいりませんので、私どもも鈴木さんの御趣旨を体しまして、まあ体するまでもなく、お聞きするまでもなく、気にしておるところでありますが、少なくとも十年間の振り当てがきっちりできませんでも、まあ二、三年間の計画でも取りまして、それから必要性に基づいて進めていくというふうな扱いをしていきたいと思っております。
もう一つ私が心配いたしますのは、名前をあげるとはなはだおもしろくありませんが、ある新産都市におけるように、あまりに早く声が立ち過ぎて、大きく取っ組んだために赤字が出て非常に困っておるというところもあることでありまするから、非常にいいことでもあるし、当然やらなければならぬことでありますけれども、あんまり無理やりに計画を立てさせて、それを先走ってやらせるというと、そごを来たすおそれもありまするので、そこのかね合いが非常にむずかしいかと思いますが、できるだけじみちに、そして必要の度合いに応じて進めていきたいと思います。で、幸いというわけでもございませんけれども、当初私どもが考えましたように、最初から補助としてやるということになりますと、具体的な事業がないとできませんが、今度は精算払いになりましたから、その点は精算によって補助ができるようになりはしないか。それから、府県のほうの起債のかさ上げの点は、本年度はさしあたり四十億ということでありますけれども、これは仕事が進みますれば、とうていそれで済むわけじゃございません。そうかといって、あまりに膨大なものをやって、そして抜き差しならぬようになってもいかぬと思うのでございますが、鈴木さんのおっしゃるように、雲をつかむようなことでは仕事になりませんから、私どもといたしましても、企画庁と連絡をとりながら、できるだけ具体性のあるものをつかみまして、これに取っ組んでいきたい、かように存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/64
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065・鈴木壽
○鈴木壽君 これはある地区で、具体的に計画に基づいて策定した総事業費並びにそれに伴ういわゆる地元負担ですね、これを相当綿密に調べておる地区があるんですが、約二千億円程度の総事業費を必要とする地区であります。こまかい数字を省きますが、これに対して七百三十億ぐらいの地元負担が必要なんですね。今度この法律によって、それからこの法律以外の何ですか、後進地域に対する公共事業の補助率のかさ上げ、こういうものを計算に入れてやっても、これは相当な大きな地元負担を伴うということなんですね。ですから、私いま申しましたように、大臣にお聞きしましたように、これはこの程度で何とかやっていけるのだというふうに考えても、いまの地方財政の状況からしますと、とんでもないことだ、ある場合によっては、これはもう返上したいというような空気が出ておるところもあるんです。せっかく土地をつくったけれども、工場も来ないし、これ以上仕事を進めるためには金がないし、過去のやつだって相当な持ち出しになっておるんだというようなことで、何といいますかね、一時はあのくらい熱を上げて誘致運動をしたんだが、しかしこれはどうもさっぱりじゃないだろうかと、こういうようなところも出ておるような状況。それでは私は残念だと思うので、繰り返して申し上げますが、ひとつもっと国が積極的に、これは国の責任でやるんだというふうなかまえでないと私はいけないということを特に申し上げておきたいと思うのです。
きょうはその程度にして質問を終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/65
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066・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 委員の異動について御報告いたします。本日付、大野木秀次郎君が辞任され、北畠教真君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/66
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067・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 本日の審査はこの程度にいたしまして、次回は五月十三日木曜日午前十時開会の予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十五分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X02619650511/67
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