1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年六月一日(火曜日)
午前十一時十一分開会
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委員の異動
五月二十七日
辞任 補欠選任
永岡 光治君 野々山一三君
五月三十一日
辞任 補欠選任
野々山一三君 永岡 光治君
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出席者は左のとおり。
委員長 天坊 裕彦君
理 事
石谷 憲男君
西郷吉之助君
竹中 恒夫君
林 虎雄君
委 員
井川 伊平君
小林 武治君
高野 一夫君
中野 文門君
鈴木 壽君
松澤 兼人君
松本 賢一君
二宮 文造君
基 政七君
市川 房枝君
衆議院議員
地方行政委員長 中馬 辰猪君
修正案提出者 亀山 孝一君
修正案提出者 川村 継義君
修正案提出者 門司 亮君
国務大臣
自 治 大 臣 吉武 恵市君
政府委員
自治大臣官房長 松島 五郎君
自治省行政局長 佐久間 彊君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○公衆浴場業に対する固定資産税、償却資産税減
免に関する請願(第二七五九号)
○人命救助並びに火災防止のための諸設備に関す
る請願(第二八〇九号)
○不動産取得の課税標準額に関する請願(第二七
六九号)
○労働組合の事務所及び資産に対する固定資産税
等を非課税とするための地方税法改正に関する
請願(第二八二〇号)
○地方公共団体の議会の解散に関する特例法案
(衆議院提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/0
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001・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
まず、請願四件の審査を行ないます。
先刻、委員長及び理事打ち合わせ会において御協議をいただきました結果につきまして、専門員から簡単に御報告いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/1
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002・鈴木武
○専門員(鈴木武君) お手元の資料によりまして御報告いたします。
請願四件のうち、第二八〇九号人命救助並びに火災防止のための諸設備に関する請願、採択。その他は留保となりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/2
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003・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまの報告どおり決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/3
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004・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決します。
それでは採択と決定いたしました請願は、議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものとし、他は留保することと決定することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/4
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005・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
なお、審査報告書につきましては、先例により、委員長に御一任願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/5
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006・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 地方公共団体の議会の解散に関する特例法案(衆議院提出)を議題といたします。
本日は、自治大臣のほかに、中馬衆議院地方行政委員長、亀山、川村、門司衆議院議員が出席されております。
まず、提案理由の説明を願います。衆議院地方行政委員長中馬辰猪君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/6
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007・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) ただいま議題となりました地方公共団体の議会の解散に関する特例法案につきまして、その提案の理由並びに内容の概要を御説明申し上げます。
まず、本法案の提案の理由を申し上げます。御承知のごとく、現行地方自治法では、議会の解散の方法として、第一に首長に対する不信任決議が議決され、これに対し、首長が議会を解散する場合と、第二に、住民の解散請求に基づく解散投票が成立した場合に限られており、別に議員の総辞職による事実上の解散ができるのみであります。
しかしながら、たとえば、このたびの東京都議会の場合のように、議会が自主的に解散することによって、選挙を通じ、その構成を新たにする必要が生じたような場合におきましては、議会がこれを行ない得る制度上の道が開かれていないのであります。
本法案の目的は、こうした事態に対処し、地方公共団体の議会がその構成を新たにする必要が生じた場合におきまして、みずから進んでその解散による選挙によって住民の意思を聞くことができるものとする方途を講ずるため、地方自治法の特例を定めようとするものであります。
次に、本法案の内容について御説明申し上げます。
第一に、地方公共団体の議会は、当該議会の解散の議決をすることができること、第二に、この解散の議決は、議員数の四分の三以上の者が出席し、その五分の四以上の者の同意を要すること、第三に、その議決があったときにおいて議会は解散することといたしております。
さらに、議会の議決による解散に関する制度につきましては、地方自治の基本に関する重要な事項であると考えられますので、この法律の施行の日から起算して一年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるべきものといたしております。
なお、本案につきましては、衆議院におきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党共同提案により第一条の「この法律は、地方公共団体の議会が自らすすんでその解散による選挙によってあらたに当該地方公共団体の住民の意思をきく方途を講ずるため」とありましたのを、「この法律は、地方公共団体の議会の解散の請求に関する世論の動向にかんがみ、当該議会が自らすすんでその解散による選挙によってあらたに当該地方公共団体の住民の意思をきく方途を講ずるため、」と修正いたしました。
その趣旨は、議会の議決による解散の制度が住民の世論と無関係に、議会のみの判断によって乱用されることを防ぎ、地方自治の本旨にもよりよく沿い得るようにするため、議会の議決による解散を、当該地方公共団体の住民が議会の解散を要求して、直接請求の手段に訴える運動を開始するなど、特に世論が著しい高まりを見せた場合にみずから進んで行ない得るものとした次第であります。
以上が本法案の提案の理由並びに内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/7
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008・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) それではこれより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/8
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009・松本賢一
○松本賢一君 御質問申し上げますが、衆議院のほうからお見えになっておりますので、一応お尋ねしてみたいと思いますのですが、この法案がこういう形で衆議院のほうを通過いたします前に、社会党あるいは民主社会党から別の案が提案されたというふうに聞いておりますのですが、その案の内容について概要御説明いただけたらと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/9
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010・川村継義
○衆議院議員(川村継義君) 社会党の提出いたしました法案の概要を申し上げます。
社会党は、東京都のこの解散というのが主目的であると考えまして、憲法第九十五条の住民投票によって特別法を制定をして、その特別法が住民の意思によって認められるならば、議会構成の四分の三、出席議員の五分の四というような議決によって解散ができる、こういう趣旨でございます。そこで、あくまでも社会党が提出いたしましたのは特別法でございまして、その法律を一地方公共団体に適用されるものだと、そうすべきであると考えて、憲法九十五条の趣旨に基づいた手だてを講じたい、これが私のほうから提出いたしました法案の概要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/10
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011・門司亮
○衆議院議員(門司亮君) 私から民社党としての提案をいたしました法案の御説明を申し上げます。
私のほうは、法案の命題といたしまして、地方自治法の一部を改正する法律案ということにいたしました。
その内容は、と同時に、経過は、先ほど委員長からお話もございましたように、地方議会がみずからその構成を新たにするという、内容的にもあるいは客観的はも、いろいろな事情で迫られました場合においても、現行法におきましては総辞職をする以外にその構成を改めることはできないのであります。その他は、住民の意思によっていわゆるリコールの成立によって解散が行なわれる、この二つの道しか開けておりません。したがって、議会がみずからその機構を改正する必要に迫られた場合に、その行為の行なわれますようにするということが一つの地方行政の運営の形の上において必要ではないかということで、現行地方自治法を改正しようとしたものでございます。
その内容は、したがいまして、きわめて重大な地方行政にとりましては問題でございますから、最初に当該地方公共団体の議会が議会を解散することのできる発案権を議会に与えて、そうしてその議決に基づいて地方住民の投票を行ないます。その過半数の同意を得た場合に議会は解散されるという、こういう要旨にいたしたのでございます。内容は、議会の解散という地方議会の組織、運営にとって最も重要な問題でございますので、現行法には、八分の一の議員の賛成を得てそしていろいろ動議が出せることになっておりますが、この八分の一をそのまま利用いたしてまいりますと、そこに乱用される危険がございますので、少なくとも議会の解散をみずから議決しようとするには、その議員定数の半数以上の人が議会を解散すべき時期であると認めたときにその発案権を認める。そうして、その発案の上に議会は、定数ではございません、総数の六分の五の出席によって、四分の三の賛成を必要とする。議員定数の六五%の賛成によって議決することができるというように、かなりきつい規定にいたしたのでございます。これは、先ほどから申し上げておりますように、乱用の危険を防ごうとするものでございます。
そうして議決されましたものを、さらに住民投票に付するということは、皆さんも御承知のように、憲法の第十五条に、公務員の罷免権は国民固有の権利とするということが明記されております。このことは、公務員の罷免に対しまする、あるいは任命に対しまする天賦の人権と申し上げても私は差しつかえないかと考えるほど、固有という文字を使っておりますほど、大きな住民の権利でございます。これを受けた地方自治法の十三条には、議会の解散請求は、当該地方公共団体の住民の権利とするということを明確に規定をいたしておるのでございます。したがいまして、議会の解散は、あくまでも住民の意思によって解散をさるべきであるという考え方のもとに、議会に提案権を認めまして、その意思決定は住民が行なうというようにいたすことによって、今日の議会がみずから解散することのできないような事態に対しまして、地方自治法の改正によって、何と申しまするか、均衡のとれた私は制度になると、こういう考え方のもとに、以上申し上げましたようなことを内容とする法律案を提出いたしたわけでございます。したがいまして、特別法あるいは特例法と異なりまして、地方自治法の八十八条の二以下にそれを加えると、こういう手続をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/11
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012・松本賢一
○松本賢一君 ありがとうございました。
そこで、いま社会党の案と民社党の案とを伺ったのですが、この二つの案に対する批判とか論議というものは、いま私はしないことにいたしまして、ただ二つの案の持っておる共通のものとして住民投票ということがあるわけでございます。この住民投票というものによって地方自治の住民の意思を聞いた上で解散するのだということは、私は非常に考え方としていいように思うのです。それも一今日の場合、ある意味で東京都の場合は火急の場合とも一いえるので、結局はこういったような、きょう提出されたような法案になっていったと思うのでございます。この最終的な、きょう出されております案の修正された部分が、やはりいまの社会、民社両党の提案とも関係あってこういう修正が行なわれたのだと私ども考えるわけですが、この修正の文章は抽象的なので、提案者のほうから御説明がなされたわけですが、これをもう少し具体的に御説明いただけませんでしょうか。修正部分についてのいわゆる「地方公共団体の議会の解散の請求に関する世論の動向にかんがみ、」というところを、もっと具体的に、たとえば、これが乱用ということが行なわれるとすれば一番いけない問題になりますので、現在の東京都のように一〇〇%に近い世論が沸騰しておるときに、これは問題はないと思いますけれども、一般的に、もし他の地方公共団体でこの法律が乱用されるといったようなことも、それはまあないではありましょうけれども、あることも予想した上でやはり法律をつくらなければならぬと思いますので、そういう点、ひとつ提案者のほうで、もっと具体的に御説明いただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/12
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013・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 実は、ただいまお尋ねの点につきましては、私ども衆議院におきましても党派を越えて非常に心配をいたした問題であります。たとえば考え得る乱用の問題といたしましては、先ほど門司衆議院議員のほうからも御説明がありましたように、ただいまの自治法では八分の一の賛成による提案権があるわけであります。そうしますと、たとえば二十四名という議員定数に対しまして八分の一は三名でございます。三名の地方議員が団体を組みまして突如としてある種の売名行為という目標を持ちまして提案をいたす。もちろんこういう場合においては成立をしないということは当然予想してのことでありましょうけれども、そういう乱用のしかたもあるのではないか。また逆に、その三名の者が、平素他の党派の方々あるいは同じ党派の中におきましても、好ましくないという印象を与えておるような場合におきましては、その三名を除外いたしまして、ひそかに超党派的に二十一名の者が謀議をこらしまして、突如として提案をいたしまして、解散をして、その一二名を一種のまあ除名といいますか、そういう形で、たとえばやり得る方法としては、二十一名の者が超党派的に共同戦線で次の選挙に臨む。その三名に対しては擬制候補者をぴたりとくっつけまして……。知らない間に謀議をこらして可決多数でもって成立させるというようなおそれ等がなきにしもあらずということが、実は自民、社会、民社三党の間における共通の心配事でございました。そこで、これを防ぐ意味で共同修正をいたしたわけでございまして、そのためには、議会の独自の立場で世論と全く無関係に、突如としてそういう解散権ということを行使することがないようにという意味で、実は「地方公共団体の議会の解散の請求に関する世論の動向にかんがみ、」という一項を実は入れて、一種の戒めといいますか、訓示規定といいますか、そういう意味でこの修正案をいれたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/13
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014・松本賢一
○松本賢一君 修正案をおいれになったいきさつについてはそれでわかるのでございますが、この「世論の動向にかんがみ、」ということを、いまの東京都の場合のように、もうリコール運動もどんどん行なわれてきたし、これからもまた大いに行なわれようとしておる、また、新聞、ラジオ、テレビあるいは町のうわさと、どこを聞いてもほとんど一〇〇%に近い解散要求の気持ちが都民にあるわけです。こういう場合は、もう世論ということは問題ないですけれども、そうでない場合に、この「世論の動向」というものをどういうふうに判断してこの法律が行なわれるかと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/14
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015・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 具体的には、いわゆるリコールの請求が始まった場合というふうに解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/15
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016・小林武治
○小林武治君 ちょっといまの関連ですが、そうすると、いま「運動を開始するなど」、「など」ということは要らないじゃないのですか。そういうことは、たとえばリコール運動だけをさすのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/16
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017・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) リコールだけをさしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/17
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018・小林武治
○小林武治君 そうすると、この説明の中に二開始するなど」の「など」は要らぬですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/18
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019・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/19
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020・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、リコール運動が開始されたということをもって世論が解散を求めておるというふうな判断をして、そういう場合なら地方の議会が手続を経て解散を行なった場合にはそれが有効だと、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/20
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021・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/21
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022・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、そのリコール運動というものがごく小部分、少数というか、小部分のところからリコール運動か起こされる場合もあり得ると思うのです。そういう場合に対する配慮というものはどういうふうになされておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/22
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023・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 「世論の動向」というのは、具体的にはリコール運動が始まった場合でございますけれども、あくまでも議会の解散というものはリコールが主眼でございまして、この特例法は補充する意味でつくったわけでございまして、リコールの請求があったから、特にたとえば少数のものの住民によるリコールがあっても、議会はみずからのことでございますから、おそらく解散ということは具体的には実行しないだろうと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/23
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024・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、リコール運動が相当広範囲に行なわれて、そうして、それをバックアップするというような意味でこの法律が考えられておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/24
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025・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/25
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026・松澤兼人
○松澤兼人君 関連。いわゆるこの法律の一番弱いところは、「世論の動向」ということ、この内容といいますか、あるいは条件といいますか、これが不十分なところにあると思うのです。いまの小林委員なりあるいは松本委員なり、質問がありましたように、住民がリコールを始めたということが、これが解散の必要な要件であるというように言われておりますけれども、しかし、これはやってみなければわからぬことじゃないですか。いま申しました少数の人がやって、成功しない場合もあるし、また、多数の人がやって成功しない場合もある。ただ、そういうリコール運動が始まったという時点で、それが「世論の動向」だということを判断することは、これは早計じゃないかと思いますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/26
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027・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) これはあくまでも前提条件でございまして、修正案の提案理由の中に「特に世論が著しい高まりを見せた場合にみずから進んで行ない得るものとした次第であります。」と書いてあるように、一部のそういう運動がございましても、おそらく議会みずから、今度の東京都の議会に見るごとく、ほとんど一〇〇%に近い解散の要求があるのにかかわらず、それでもなおかつ、なかなか解散をしないということが現実の姿でありますから、おそらく一部の人たちのリコールの請求がございましても、議会みずからはそれによって簡単に解散するということはまずないのではないかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/27
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028・松澤兼人
○松澤兼人君 法律案の条文からいえば、「議会の解散の請求に関する世論の動向にかんがみ、」とある、この「世論の動向」ということは、具体的にいえばリコール運動の開始ということになるかもわかりませんけれども、それが成功するか成功しないかということは、やってみなければわかりません。反面、また新聞とかあるいはテレビ、ラジオなどで、どうも都議会の状態はけしからぬと、こういうこともやはり世論だと思う。それで、具体的にリコールが成功したという、この必要な署名を取り得ないでも、また外の新聞、世論等が非常に高まってきたということも考えられるわけでありまして、それが一本のものなのか、あるいは請求ははかばかしくいかなくとも、非常に都民大会をやったり、あるいはまたは新聞、ラジオ等でじゃんじゃんと解散すべきだというような世論が出てくる、そういうことで、どちらに比重を置くかということは非常にむずかしい問題じゃないかと思うのです。法律的にいえば、いま中馬委員長が言われましたように、具体的法律の手続としては、もう直接請求の手段ということが、これが本筋であろうと思います。しかし、それも成功するか成功しないか、ただ出発だけで判断するということは、ちょっと冒険じゃないかと思うのですけれども……。ですから、直接請求をやっている、法律的な手続をやっている、それを取り巻くやはり新聞、ラジオ等の世論というものがバックアップしなければならないわけですね、そういうところに非常にむずかしい、最も一微妙な関係があるのじゃないか。これを法律にあらわすということは非常に困難だと思いますけれども、そういう広い意味のいわゆる世論というようなものも含めているのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/28
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029・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) おっしゃるとおり新聞、ラジオあるいは住民の高まる意思等がなければ、リコールの問題は具体的に実行されないと思いますけれども、この法律をつくった意味としては、いろいろそういう条件がございましょうが、その最も大きな典型としては、やはりリコールの請求権というものが発生しなければ、具体的に住民の意思がどこにあるかということは明確に法律上するわけにはいきませんので、やはりリコールの請求権ということを一つの大きなポイントにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/29
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030・松澤兼人
○松澤兼人君 そのリコールの請求権の発動というだけで「世論の動向」というふうに割り切って考えることが適当であるかどうかという問題ですね。ただ出発したというだけでは、私は、先ほども問題がありましたように、一部の人がリコールの請求をした時点、それが「世論の動向」だと考えることは、少々これは無理だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/30
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031・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) おっしゃるとおりでございまして、あくまでも世論が著しく高まったかどうかということは、当該議会の自主的判断でございまして、当該議会としては、そういう世論の高まりということを軽く見る場合があるでしょうし、あるいはかりにリコールがございましても、これはほんの一部の人のリコールであって決して真の意味の大きな広がりのリコールではないというふうに解釈すれば、当該地方議会がみずから解散することはなかろうと思います。しかし、具体的に何が世論の高まりの前提であるかということは、リコールの請求権以外にないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/31
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032・小林武治
○小林武治君 ちょっといまの問題、こんないいかげんな文章の抽象論の法律なんかあまり見たことはありませんが、「世論の動向」とは何か、もしあなた方がリコール請求の開始だけだということなら、それだけはっきり書けばいいじゃないか、全くこれじゃだれが判断するんですか、「世論の動向」ということを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/32
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033・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) それは当該地方公共団体の議会が判定することにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/33
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034・小林武治
○小林武治君 どうも私は「世論の動向」なんということが法律文として、そうしてそれが条件になるなんという——条件になるのなら、もっとはっきりしたものを書かないと、こんな抽象論じゃおかしいと思う。これは私の意見だけですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/34
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035・基政七
○基政七君 同じようなことですが、リコールということは、住民の議会解散の重要な権利ですね、それはそれとして、議会がそういう動向をどう判断するかということは、これは地方議会の自主性にまかせるのはしかたがない、その意味では私は賛成するのですが、この場合は、まあ議会のほうはそういうことについては乱用しては困る、かえって住民の意思にそぐわない結果を招来するおそれがあるという観点から、それをとらえてあると思うのです。その意味では動向というのを条件にとらえて……。ですからリコール権というものは、この際、別な重大な権利ですから、これは簡単に否定できない。その意味では議会の良識を求めようとすれば、その議会が乱用することを第一義に考えようじゃないかという考え方は、私はいいと思う。その際に、それだけで完全にそれがだれにも理解できるかどうかというと、いまのような質問がたくさん出てくるのです。ですから、動向を判断するというのは、もう少し何か表現に強いものがあっていいのじゃないかと思います。すぐ私は出ませんけれども、そういうようなことについては議論は出なかったですか、衆議院では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/35
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036・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) ずいぶん出ました。ところが、そういう議論は、具体的には「一年以内に検討を加える」ということにいたしておりますので、逃げたわけじゃありませんけれども、この際、そこに譲って、慎重に今後検討を加えたい。たとえば基先生のおっしゃった八分の一の提案権をもっと引き上げたほうがいいかどうか、あるいはリコールの請求権というものはどの程度にとどめていくか、いろいろな問題が今後一年間、当局を交え、また学識経験者の意見を聞いて検討を加えたいということで、一応この程度に押えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/36
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037・基政七
○基政七君 そこまで衆議院で配慮されているなら、私はこれ以上言うことはないと思います。乱用の規定が両面にまたがっているように思われておりますけれども、私はそうじゃないと思う。リコール権は住民にありますから、これを侵すことはできないと思います。その意味では乱用の危険があるのは、むしろこれは議会のほうが、えてかってにやるおそれがあるということで、その意味の乱用の防止ということは私は理解できます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/37
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038・松本賢一
○松本賢一君 この問題は、もう私質問しませんが、いま中馬委員長の御説明の中にも一出ておりました附則の二番目の問題ですね。「一年以内に検討を加え、」、こういうことが付け加えられたということも、私はこの法律は実質的にはこれは東京都のためにつくられた法律だと思う。それはそれでいいと思うのですが、ほかの地方自治体は、もうなるべくこの法律を適用してもらいたくないという気持ちが、私は含まれていると思うのです、現実には。それで特にこういう地方公共団体の議会の議決による解散というものについての今後一年間の検討ということが附則に加えられて、そしてまあ東京都の場合はこの法律で解散してもらいたいが、ほかのところはじっくり腰を落ちつけて一年間考えた結果を待ってひとつ考えてもらいたいというようなことだと思うのです。そこで、この附則の第二というものは、具体的にはどういうようなことをお考えになられているか、そういう点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/38
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039・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) これは政府及び国会に対する規定だと考えております、根本的には。でありますから、政府及び議会は、この法律に基づいて、たとえば特例法を恒久立法にするかどうかということ、並びに特例法を廃止して地方自治法の中に本則として入れるかどうかというような問題等について検討を加えるべきものだ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/39
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040・松本賢一
○松本賢一君 そうしますと、検討の結果、地方自治法そのものを改正するということになるか、あるいはこの特例法を廃止する法律でもつくるかということにもなるわけですね。これは時限立法でないのですから、廃止されなければ、いつまでも残るということでございますので、そういう点ですね、まあ一年ということが書いてありますが、少なくとも一年以内ぐらいにはその結論を出していただいて、そして地方自治法そのものを改正するかどうかということを決定していただきたいと思うのですが、そういう点について、まあ今後この法律に対する検討にもなると思うのですが、議会の議決による解散というものに対して、どういう方法で御研究なさるお考えがあるか、そういうことを自治省当局のほうでは何か成案を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/40
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041・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) ただいまの成案というものは持っておりませんけれども、国会で立法なさいました御趣旨をよく検討いたしまして、慎重に検討を加えてまいりたい。私どもといたしましても、今回のような自主解散の制度というものは、これは立法論といたしましてもあり得てよい制度かと思っておるのでございます。ただ、これの要件その他につきましては、先ほど来もいろいろ御意見の出ておりましたような点につきましては、さらに慎重に検討を加えてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/41
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042・小林武治
○小林武治君 ちょっといまの関連で。これは「講ぜられるものとする。」というのだが、必ず講ぜられるんですか。講じなくもいいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/42
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043・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 必ず講ずべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/43
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044・小林武治
○小林武治君 これは提案者の責任ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/44
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045・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 三党共同の責任だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/45
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046・小林武治
○小林武治君 これは、まあできるときは共同で議決はされたが、提案者は自由民主党の方々がおやりになった。だからこれは自治省にも聞きたいが、こういう書き方をするのは、だれが講ぜられなきゃならぬかと、こういうことについてはどういうふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/46
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047・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 法律的に申しますと、特に「政府は」というふうに断わってありませんので、政府におきましても、あるいは国会におきましても、その拘束を受けるものと考えております。しかし、第一次的には政府におきまして検討の責任を持つものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/47
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048・松本賢一
○松本賢一君 私ももう打ち切りますが、最後に自治大臣にお尋ねしたいのですが、現在の東京都の情勢等をお考えになって、この法律ができたということに対する全般的な自治大臣の御感想なりお考えなりをお伺いしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/48
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049・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) 本日も本委員会でいろいろ御議論がございましたように、いろいろ問題はあろうかと思います。しかし現在の情勢におきましては、この方法はやむを得ないものじゃないかと、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/49
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050・松本賢一
○松本賢一君 すると自治大臣は、本来はこういう議会による解散といったようなことに対する自治法の改正とか、あるいは特例法、特別法の設定とかは、やるべきも一のでないというお考えを持っておられた上で、やむを得ないとおっしゃっておるのか、それとも、まあそれは一年かかってゆっくり研究した上で決定するのだが、いまの段階ではやむを得ないとお考えになっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/50
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051・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) 私といたしましては、できれば自主解散が、みんなの総辞職の形式で行なわれれば一番けっこうだと思っております。しかしながら、現実はなかなかそうもいかない情勢でございまするので、こういった自主解散の道もやむを得ないかと、かように存ずるわけであります。したがいまして、この一年間において、こういう問題をどうするかということは検討すべきものだと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/51
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052・松本賢一
○松本賢一君 それでは、いよいよ最後ですが、この「検討」ということの具体的な構想等を、まだ大臣は持っておられぬかもしれませんけれども、なければいいんですが、もしあったらお伺いしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/52
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053・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) いまのところは、具体的にどういう方法ということまでは考えておりません。けれども、こういった自主解散の道も考えなければならないかという考えは持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/53
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054・松本賢一
○松本賢一君 これで私は質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/54
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055・二宮文造
○二宮文造君 関連。いまの乱用のことで。先ほど乱用を防止するということで、だいぶ議論があったわけです。この提案理由の説明の中に「たとえば、このたびの東京都議会の場合のように、議会が自主的に解散することによって、選挙を通じ、」云々と、この一項についてですが、「東京都議会の場合のように」と、こう指定された内容ですが、たとえば総辞職の気配にあって少数の人が辞表を出さないがゆえにこういう道を開いていかなければならぬということに解するのか。あるいは総辞職をしなければならぬような要件、たとえば今度の東京都議会のように議長選挙にからんで贈収賄の事件があった、それに対して世論の高まりがあった、そういうものを前提にした総辞職という狭い範囲の考えでいらっしゃるのか。あるいは総辞職をしなければならない要件が、今回の場合よりももっと広い、たとえば各会派の意見の対立、そういうことまで含むのか。この点はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/55
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056・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 私どもとしては、極力狭い範囲に解釈したいのでありますが、しかし、これはあくまでも当該議会の自主的判断にまかしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/56
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057・二宮文造
○二宮文造君 そうしますと、今度の場合のように所属の議員が逮捕された、あるいは起訴されたというふうなこと、やはりそれに限るというふうな考え方じゃないんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/57
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058・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 限るわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/58
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059・市川房枝
○市川房枝君 私はこの特例法案に対して必ずしも根本的に賛成ではないのですけれども、しかし、東京都議会の腐り切った今度のような状態で、非常に都民が憤慨をしておる現状から見まして、私自身も東京都民として、一日も早く都議会を解散して、そして都民の意思を選挙に反映せしめることが東京都政の立て直しに必要だと思いますので、衆議院の地方行政委員会での三党の一致の修正案に対して賛成をするものでありまして、一時間でも一早くその成立を願うものでありますが、この法案の内容については、先ほどからいろいろ御質問がありまして、私重ねての重複は避けたいと思います。ただ、この法律がいよいよ成立をする。そうすればこの法の中の条件によって都議会が解散をして選挙が行なわれる、一応はそういうたてまえになっておりまするけれども、都議会の現状から、はたして解散になるかどうか。たとえば四分の三の出席があって、五分の四の賛成者が得られるのかどうか、こういう心配が、やはり都民の中にあるわけでございます。そこで、その問題については、この法をおつくりになりました自民、社会、民社の三党の方々は、必ずこの法律によって解散させられるというお見通しでございますかどうか。その点をはっきりひとつ伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/59
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060・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) この法律は、東京都のみを対象にした法律ではもちろんございませんで、全国の議会を対象にいたしたものでありますけれども、しかし、法案をつくったきっかけは、東京都議会でございます。そこで、私どももいろいろ、内輪のことでございますが、心配をいたしておりますけれども、この法案が成立をすれば、必ず四分の三以上の者が出席をし、ほとんど満票に近い方々の御出席があって、解散の議決があるものだと、このように確信いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/60
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061・市川房枝
○市川房枝君 都議会の議員の中には、民社の方は、いまおいでになりませんので、自民党と、それから社会党の議員はおいでになりますから、そういう方々に対しては、党としてそれぞれお話し合いもされておることと存じます。ひとつ、自民党と社会党で責任をお持ちくだすって、都民の期待しておる解散ができますようにお運びを願いたい。もしそれができませんと、国会は笑いも一のになると思います。法律をつくっても一解散できないじゃないか、こういうことになりまするから、その点をひとつお願いを申し上げたいと思います。
それから、先ほどからもちょいちょいお話が出ておりましたが、都民の立場から都議会の解散を要求するのは、リコールが本筋だというお話がございました。それは私もよく承知しておるわけなんですが、しかし、いまのリコールの制度は、自治法の規定しておりまするのは、住民の三分の一の署名が必要である、しかも、それはリコールを始める許可を得ましてから二カ月間にしなければならないという規定がございます。私はこの委員会の前に、ちょっと自治省に質問したことがあったと思いますけれども、渋谷区の区議会においての議員の報酬の問題に関する条例の再審査を請求するための署名運動に実は参加した一人なんでございます。で、条例の再審査は五十分の一でいいわけでございます。渋谷区でいいますと、一万何千名でございますから、それほど困難ではないのですが、しかし、とりましたあとの選管の検査が非常に厳重といいますか一これは厳重でなくちゃならぬかもしれませんけれども、非常に厳重でございまして、パスしないのが相当あるわけでございます。そこで、東京都内において二百三十万の有権者の署名を、しかもパスをするのをとるというのは、これは二カ月間では不可能だと、こう言っていいと思います。ですから、今度リコールの議論が起こりまして、まあ始まっておりまするけれども、私が関係しております団体なんかでは、ちょっとリコールをやるとは言いかねておるわけです。やる以上は、これを成功させたい。しかし、いまの法の規定では、ちょっとなかなか成功させることがむずかしいのじゃないかということで、足踏みをしておるわけなんです。これは私は自治大臣にお願いしたいのですが、都民といいますか、あるいは市民、県民のそういう意思が、もっとすなおに反映できるように、この制限の数をもつと少なくする、あるいは検査をもっと簡単にするといいますか、そういうことをどういうふうにお考えになっておりますか。私は今度の問題で、ほんとうは各党が御相談になるときに、リコールの問題そのことが、なぜもっと問題にならなかったのかということを、市民の立場として、むしろ疑問に思っているくらいなんでございますが、自治大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/61
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062・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) 東京都のような大人口を控えておりまするところにおきまして、御指摘のような三分の一というものを二カ月間にということになりますると、相当困難な事情があろうかと思います。これは衆議院の段階におきましてもいろいろ御検討になったようでございまして、この問題は、今後、政府といたしましても一検討していきたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/62
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063・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 実は、いま自治大臣がおっしゃったように、各党間におきましても、ずいぶん真剣な議論をいたしたわけであります。ところが、何といっても、時間の制約ということが一つと、それから、自治法の改正の根本に触れる問題でありますから、これは従来の手続からいいましても、地方制度調査会等の議を経て法律改正ということが望ましい姿でありますから、一応この際は、三党間においては十二分に議論をいたしましたけれども、法文化という点においては、まだ意見の一致を見なかったということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/63
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064・市川房枝
○市川房枝君 今度の法案の附則の第二項に、先ほどから皆さんの間で問題になっておった、一年間に再検討するというのが出ておりますが、これはこの文章だけ見ますと、私も、どこが責任を持つのか、一体、やってもいいし、やらなくてもいいしというふうに……。実はこれを拝見して、それを伺おうと思ったのですが、そのことは先ほどの御答弁でわかりましたが、その検討のときに、この問題とリコールは、やはり関係が深いので、一緒にひとつ私はお考えを願いたいと思います。
それから、私ども住民の立場でいえば、リコールは、もちろんそのまま条件を緩和して残すべきですが、議会自身の発議による解散も、これは一つの解散の形式としてあっていいのではないか、いや、東京都だけでなく、ほかの都市にも必要だと思いますので、自治法の中に入れてほしいと思うのです。ただ、さっき松本委員の御質問に対して、民社の門司さんから御答弁がありましたが、民社のほうの最初にお出しになりました自治法の一部改正案は、議会自身が解散の議決をしたあと一カ月以内に住民投票に付する、その上で効力を発生する、こういう内容になっております。住民投票はめんどうであり、金がかかりますが、そういうときには、やはり住民の自治に対する政治的関心を高める意味において、投票をやったほうがいいのじゃないか。そうして住民の意思によって、それを有効にするということであれば、これを乱用することも防げるし、反対者に対して、その意思に反して解散したことも解消すると思うわけです。そういう点も含めて、ぜひ一年以内に御検討いただきたい。今度の案は少し不満でありまするけれども、緊急やむを得ざるものとして賛成をするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/64
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065・松澤兼人
○松澤兼人君 先ほど来お話がありました、「一年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。」ということでありますが、法律の用語としては、どうもだれがやるのかという責任の所在が明らかでないのですね。そこで、国会で議員発議というような形でやるのか、あるいは自治省でやるのか、ここに何か適当な主語を置くべきだと思うのですけれども、この点は、もう一度委員長なり、あるいは自治省、両方の御意見を聞いて、はっきりと、だれがどういうふうにやるとかということを言明いただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/65
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066・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) おっしゃるとおりでございまして、最初私どもとしては、「政府は」という一項目を入れる多少の準備をいたしたこともございます。ところが議員提案でございまして、政府にそういう要求をするならば、国会みずから当然こういう問題を検討すべきではないかということに、最終的には意見の一致を見ましたので、だからといって「国会」というのを入れるのも多少どうだろうか、国会がみずからつくる法律であるならば、「国会及び政府」というふうに入れるくらいならば、初めからそれをなぜ検討しなかったのかという結果論等も出てまいるということを考慮いたしまして、「国会及び政府」という文言を入れるということを削除いたしまして、こういう変則的な文章になったのでありますけれども、あくまでも提案者の気持ちとしては、本法律は、政府及び国会が責任を負うべきものである、かように解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/66
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067・松澤兼人
○松澤兼人君 そこで、これはまあ三党とも一致して、この修正案という形で衆議院を通過してきたわけですが、これは衆議院の地方行政委員会の中における意見の一致なんですか。それとも党間の話し合いの結果、党の責任をもって一年以内に検討を加えて「必要な措置が講ぜられるものとする。」という結果になったのですか。その辺のところを………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/67
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068・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) これは当然各党間の責任だというふうに解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/68
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069・松澤兼人
○松澤兼人君 地方行政委員は、必ずしもいつまでも一年間そのまま委員として続けていられるかどうか、これはわかりません。やはり各党間の申し合わせなり確約なりというものを取りつけておかなければいけないと思うのです。それはできているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/69
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070・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 法案自体を共同の責任で修正をいたしたのでありますから、当然各党間において責任があると考えておりますし、また、国会対策委員長会談等を開きまして、いろいろ協議をいたしましたので、当然責任があるものだと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/70
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071・松澤兼人
○松澤兼人君 行政局長にお尋ねしますが、自治省としては、この法案を、一年以内に必要な措置を講ずるという場合に、自治省としての発案といいますか、こういうことをしてもらいたいという、そういう積極的な御意思がありますか。あるいは当然これは国会のほうから話が出てきて、その相談に自治省が乗るというふうにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/71
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072・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 先ほど申し上げましたように、法律的に申しますと、政府と国会双方が拘束を受けるわけでございまするが、実際の検討といたしますると、執行の責任を持つ政府におきまして、いろいろ資料等も集めまして検討をいたすことが第一次的には当然の責務ではなかろうかと存じまするので、自治省におきまして十分検討をいたしまして、国会あるいは各党に御相談をいたしまして、その扱いをおきめいただくというふうに運ぶのがよろしかろうと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/72
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073・松澤兼人
○松澤兼人君 それじゃもう一度だけ確認しておきたいと思います。衆議院の中馬委員長からお答え願いたいと思います。
法文には、はっきりと政府及び国会が責任をもって必要な措置を講ずるということはないけれども、実質的には、「政府及び国会」という字があると同じような意味であるというふうに了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/73
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074・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) そのように了解してもらってけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/74
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075・松澤兼人
○松澤兼人君 もう一つだけ。これは現実に東京都議会の場合、解散の議決をするときには反対があると思う、その反対があった場合に、反対を主張する立場にある人たちは、自分の意思としては必ずしも一解散に賛成ではない、しかし、先ほどお話のありました四分の三の五分の四ですか、その議決があれば、自分の意思にかかわらずやめなければならぬ、こういうことになるのです。そうしますと、少なくとも反対の意見を持ち、反対の行動をとった人の背後には、やはり有権者というものがあるのです。そういう人たちは、あるいは反対であるかも一しれない。そうすると、有権者という立場からいえば、自分の意思にかかわらず、自分が選挙した議員が議席を失うということになって、いわゆる住民の自治ということからいえば、少しく不穏当だという意見を持つかもしれない、この点はどうですか、心配はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/75
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076・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 事実問題としてそういうことがあり得るかもしれませんけれども、ただ実際は、世論がこれくらい高まってきて、初めてこの法律の発動があるわけでございまして、世論の中に一部、あるいは少数といえども辞職をすることに反対である、あるいは解散の議決をいたすことに反対であるという世論が、あるいは一分なり、二分なり、あるいは三分なりあるような事態におきましては、おそらく議会は解散することはあるまいと思われますから、ただいま東京都の場合をとってみれば、世論の、ほとんど一〇〇%に近い人々の世論があるから、こういう議会の議決になってくるのではあるまいかというふうに判断いたしておりまして、ただいまの松澤先生の御質問の御心配ももちろんございますけれども、それはもうある程度やむを得ないのではなかろうか、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/76
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077・松澤兼人
○松澤兼人君 ある程度やむを得ないということでなしに、やはり筋から考えますというと、住民のある人たちから投票によって選挙された議員、もちろん自分の意思によらず、そして自分はもともと総辞職という話があったときにも反対である、だからして自分が悪いのではない、ほかのほうが悪いのだ、まあ自民党と言っては悪いですけれども、そういう人たちが悪いのだから、自分は何も悪くない、こういう法律ができても、議会で議決をする場合反対である、どこまでも反対であるという人たちの意見も、やはり一定の数が出席して、一定の数が議決をすれば、自分はやめる必要は少しもないにもかかわらず、やめさせられるということは、やはり住民の自治ということから考えてみると、いささかどうも正しくないという気がいたしますけれども、現実の問題は、やむを得ないと言われるとしようがないですが、この点は何か考慮するような方法はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/77
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078・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 一〇〇%の出席、一〇〇%の賛成があることが最も望ましいと思いますけれども、これは言うべくしてなかなか困難な問題でありますから、今後そういう問題等を含めて、政府及び国会において検討を加え、その慎重な議論の結果、法律の上において生かすべきものは生かすという方向に持っていきたいと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/78
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079・松澤兼人
○松澤兼人君 行政局長にお尋ねしますけれども、都議会、まあ現在の都議会以外に、こういったような法律の制定の必要があったというケースはありますか。こういう法律があったらいいなと思うようなケースが過去にあったことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/79
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080・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) ございます。一つは、北九州五市が合併をいたしまして、御承知のように二年間当時の議員がそのまま残留をすることになったわけでございまするが、一年ほど経過をいたしました際に、住民の間からも早く選挙をやって議会の刷新をすべきだと、そうでないと、いつまでも従来のなわ張りがそのまま残って、新市建設の運びが進まないというような批判があり、議員の方々におかれましても、早く選挙をやりたいというので、もう一度法律を改正して、途中で選挙がやれるようにしてくれぬかというようなことを非公式に一部の議員の方から私どものほうに漏らしてこられたことがございます。そのような場合、今日から考えてみますと、このような制度があればよかったかと思うものの一つでございます。
それからもう一つは、これはこれまでの議会解散のリコールの事例を見ますというと、これは市町村段階でございまするが、相当数ございました。その場合に、最終的に投票によって結果が出ますまでの途中の段階におきまして議会が総辞職をいたしましたケース、これも、ただいま数字は記憶いたしておりませんけれども、ございます。そのような場合には、今回のような法律がございますれば、もっとスムーズにこの段階におきまして世論の動向を察知をいたしまして解散をする、それで事態を早く収拾をするということが可能になるのではなかろうかと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/80
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081・松澤兼人
○松澤兼人君 もうこれで終わりますが、どうもこの特例法の形式及び内容ということについては、いろいろ不満があります。ただ都議会だけに限定して適用するということであれば、まあ暫定的にこういうほんとうの特別の特例法というような性格のものを認めるということはやむを得ないことですけれども、先ほども一松本委員からお話がありましたように、いろいろこの法律の乱用ということも考えられるわけですから、一年以内という期限を切ってありますから心配はございませんけれども、必ず一年以内に成案を得て、こういう形式、内容等も不十分な法律は廃止して、すっきりとした姿にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/81
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082・小林武治
○小林武治君 さっきから問題になっているこの「世論の動向」なんていう、こういうあいまいなことばを、この大事な解散の議決の条件にするというようなことは、私はあまり賛成ではないが、まあこの際としてやむを得なければ、先ほどのお話のように、この「世論の動向」とはリコール運動の開始だと、こういうようなことを、ひとつ委員長ははっきり報告の中に入れてもらいたいと思います。それだけが一つ条件だと、こういうふうにはっきりされておるのだから、せめてそういうことぐらいはひとつしてもらいたいと、こういうことを希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/82
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083・井川伊平
○井川伊平君 私先ほどおそく参りまして、この説明を承らなかったので、黙って、おって皆さんのお話によって理解しようと努力してきたのでありますが、その後のお話によりますと、「世論の動向」とはリコールを意味するのだと、だからリコール以外の世論の動向がどのような激しいものであっても、この法律を適用するわけにはまいらぬということ、それから他の世論としては、リコール以外にはほとんど見るべきところの世論というものは何もないんだと、リコールだけ始まったと、そのリコールが、この説明によりますと、「著しい高まりを見せた場合」とあります。「著しい高まりを見せる」というのには、客観性は何もうたってない。議員諸君がそう思えばいいんだという、主観だけできめようとしておる。はなはだ危険千万なものではないかと思いますが、それで、第一には、「世論の動向」というところに、そのようにリコールというものを入れるのなら、なぜリコールということばを用いることができなかったか。リコールということばを避けねばならぬ理由はどういうところにあったかという点が一つ。
それからあとの、「世論が著しい高まりを見せておる」ということを主観だけで決定するということは、どうしてここに客観性を持たすことができなかったのか。第三者の批判によりますと、客観性で批判する。この二点をひとつ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/83
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084・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) あくまでも地方議会の自主的判断に待って解散をするかしないかということの決定をいたしてもらうわけでございまして、むしろ私ども一がこの法律を提案いたしたときの心配は、議会みずからが乱用するのではないかという心配のほうが実は大きかったのでありまして、その点につきましては十分検討を加えた結果、リコールの請求ということ以外に、世論の高まりということが実際はあるかもしれないけれども、あくまでもその議会の解散の本旨は、リコール運動にある。これは特例法でございまして、リコールによって解散をしてもらうことが地方自治の本旨であるけれども、リコールが具体的に実行不可能である、たとえば東京都のごとく、あるいは大都会のごとく不可能であるという場合等を考慮して、そういう問題を、高まりを地方議会みずからが判断して、みずから解散の道を開くというふうにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/84
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085・井川伊平
○井川伊平君 いまのお話でよく理解がつかないのですがね。第一の問題は、リコールということばを避けた理由いかんということが一つ。「世論の動向」といえば非常に範囲が広くて、いろいろと、何と申しますか、解釈に困難を来たすが、それがリコールであるというなら、リコールということばを用いたらきわめて簡単である。しかるに用いなかったその理由いかんということを聞いているのです。リコールということばを使わない理由はどういうことかということを第一の問題として聞いている。それを一つだけお答えいただいて第二の問題を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/85
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086・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) この法律案は、「地方公共団体の議会の解散の請求に関する」という意味は、リコールということだと解釈します。法律用語ではリコーールということはございませんから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/86
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087・井川伊平
○井川伊平君 そうすると、「解散の請求に関する世論」というものは、リコールそのものの同じ意味だというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/87
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088・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/88
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089・井川伊平
○井川伊平君 その点了承しました。その次の問題としましては、そのリコールが著しく高まっているかどうかということを、全く地方議会の自主的な判断にまかせるのだとすれば、客観的そこに標準がないのだとするならば、いつやっても差しつかえないことになるという——違法じゃありませんね。そう思ったのだということだけでいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/89
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090・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 今度の東京都の議会の例に見るごとく、一〇〇%世論解散の請求があり、世論の非常に著しい動向があったにかかわらず、なおかつ議員心理としては、解散の議決をしたくないということのほうが強いのではないかと考えておりまして、乱用という点は、むしろ別のほうから規制をすべきではないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/90
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091・井川伊平
○井川伊平君 東京都のようにと申しましても、それ自体が、東京都の内容がどうだったかということは、きわめてはっきりしたようであって、一般人ははっきりしていない。この「特に世論が著しい高まりを見せた場合」というならば、こういうことであるという、ここに客観性を持たす必要がほんとうはあるのじゃないですか。客観性なしに、われわれの地方議会では、こういう高まっているのだと思ったのだといっても、事実高まっていないという世論のほうが、あとで多くなっても、われわれはそう思ったのだというので、適法化されるわけですか。そこを聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/91
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092・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) そのために、実は民社党あるいは社会党のほうからの御意見がございまして、いたずらに解散することができないようにという意味で、たとえば議案の発議権を八分の一では少ないからもう少し高めたらどうだとか、あるいはリコールの三分の一ということでは多過ぎるので、もう少しこれを減らしたらどうだというような議論等を含めての結果の私どもの議論でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/92
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093・井川伊平
○井川伊平君 「特に世論が著しい高まりを」、高まってきたということの判断を主観だけにまかすということは危険のように私は思う。何かここに客観性を持たせたい、このことばの中に客観を含んでいるのだという御趣旨かもしれませんが、そういう客観的な事実があるかないかの判断は、解散をやります地方の議会の全くの自由意思でしょう、そういう点は客観性がないのだ、われわれは高まったと思ったというだけであって、高まっていないほうの見方、見方というのは議員以外ですよ、世論ですよ、高まっているほどじゃないというのであっても、地方議会で、われわれは高まっていると見たという、それだけでいいのか、そこにちょっと疑問を生ずるのですね。それでよろしければ別にどうこうと申し上げるのではありませんが、私は疑問に感じられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/93
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094・中馬辰猪
○衆議院議員(中馬辰猪君) 解散したくないというのが各種の議員を通じての本能的な心理ではないかと思っておりまして、その心配はあまりないんじゃないかと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/94
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095・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑もなければ、本法律案に対する質疑は終了したものと認め、これより討論を行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますので、討論は終局したものと認め、これより採決をいたします。
地方公共団体の議会の解散に関する特例法案全部を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/95
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096・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
本案の審査報告書につきましては、先例により、委員長に御一任願いたいと存じます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十二分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814720X03019650601/96
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