1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月十八日(木曜日)
午前十時二十九分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 占部 秀男君
理 事
鈴木 恭一君
安井 謙君
横川 正市君
委 員
植竹 春彦君
古池 信三君
郡 祐一君
白井 勇君
寺尾 豊君
野田 俊作君
鈴木 強君
光村 甚助君
辻 武寿君
国務大臣
郵 政 大 臣 徳安 實藏君
政府委員
郵政政務次官 服部 安司君
郵政大臣官房長 浅野 賢澄君
郵政省貯金局長 武田 功君
事務局側
常任委員会専門
員 倉沢 岩雄君
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本日の会議に付した案件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
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001・占部秀男
○委員長(占部秀男君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。
前回に続いて質疑を行ないます。質疑のある方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/1
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002・横川正市
○横川正市君 両案の審査に入るわけでありますが、その中で、きょう大臣の出席時間がわずかですから、大臣に二つだけ最初に質問をいたしたいと思います。
その一つは、佐藤内閣の成立をいたしましたときの重点施策として、たとえば労働省あたりが音頭とりをするのじゃないかと思うのでありますけれども、労働者に財産を持たせる政策、これは土地とか家屋とかいうものを、これを持たせるということを一つの目的として、政治の方向が定められる、そういう重点施策を打ち出したわけでありますけれども、これとこの郵政省の、いわゆる貯蓄業務を担当する非常に幅広い窓口を持っている郵政省としては、それに対処して、具体的に何らかの方策がすでに出発をしておるものなのか、それとも、将来そういったことを目標に置いて、具体的な問題としてこれを方針の中に明らかにしながら、具体策を現在くふうしている中途なのか、この点、どういうふうに貯蓄業務を担当している郵政省として考えておられるのか、まず、それを第一点お聞きをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/2
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003・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) ただいまの御質問、まことにごもっともでございまして、佐藤内閣誕生以来、住宅、生活環境整備等、あるいは中小企業等に対して、極力それに主眼を置いて政治を行なうということを声明しているわけでございます。郵政省といたしましては、今年は、あまり皆さんからよくとれたとは言われないかもしれませんが、住宅関係でございますとか、あるいは生活環境整備等に対する、あるいはまた、業務関係に対する環境の整備とか、そういうものにつきましては、従来よりかは多少重点的に考えておるわけでございますが、何しろ、そういう大きな目標は立っておりましても、佐藤内閣も、すでに引き継がれましたときには、予算も骨格が大体進んでおるような状態でございましたから、思う存分の、こうした政策に対する重点的な資金面の調達があるいはできなかったかとは思います。少なくも来年度には十分そうした問題が行なわれると思いますが、郵政省としましても、そういう線に沿いまして、八年度予算には、やはりほかのほうよりか少しずつ多く重点的に要求いたしまして、予算化されておるわけでございまして、その内訳等につきましては、政府委員のほうから御説明申し上げたいと思いますが、そういう線に乗ってやりつつあるということだけは、ひとつ御了承いただきたいと思います。
数字的のこと等につきましては、政府委員から御説明申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/3
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004・横川正市
○横川正市君 政策問題ですから、数字でお伺いしようとは実は思わないのでありまして、私はこういうふうに考えるわけなんです。たとえばいま郵便貯金とか、あるいは、それに類するところのいろいろな窓口業務というのは、銀行とか、農協とか、漁協とか、社内貯金とか、いろんなかっこうで蓄積をされているわけで、それはそれなりに一つの目的を持って運営されているんだと、こういうふうに思うわけであります。しかし、郵政省のこの貯蓄業務というのは、そういう区分をしてみることは、それは貯蓄の性格上からいうとおかしいかもわかりませんけれども、私は、おのずとその性格は郵便局の貯金と、それから、その他の貯金というのは その内容と性格において分かれるんじゃないかと思っているわけです。というのは、言ってみますと、運用を持っておらない関係もありますから、極端に事業経営ということだけが中心になって、営利を目的といたしておらない、そういう特殊な性格を持った貯金を運営をいたしておるわけですね。ですから、政府はもし労働者に財産を持たせるのだというような方法が出たときには、それは協同組合でもいいし、銀行預金でもいいしというようなかっこうにはいかなくて、郵政省自体がそこに本腰を入れて施策の遂行を行なっていくという、いわば不可分な関係を持つ必要があるのじゃないだろうか。そうしないと、確かに、利殖をして還元をする、こういう方式で貯蓄意欲をかき立てていくという民間のそれぞれの企業そのものにも、私は目的があると思いますけれども、しかし、それとは別個に、国が非常に大きな目的を持って、そして財産を持たせようとする場合には、これはやはりそれはそれなりに、営利とは離れて、労働者に対しての利益享受ということが、政策上あっていいんじゃないか、そういうふうに私は思うわけであります。
そこで、一つの具体的な施策が発表されたら、その裏づけとして、どこがどう担当してそれを実現していくか、そういう政策の具体化の場合に、この方針に関しては、郵政省が最も適任、適当な担当者としての性格を持っているのじゃないか、そう思うものですから、この点について、たとえば貯蓄の月報を見ますと、土地、家屋の買い入れ、あるいは修理その他で、年次的に見ますと、全体の貯蓄の一割以上が貯蓄されておるわけでありますが、その一割以上の貯蓄が、これがまあ割合からすればもっと増強されてくるし、それから、その窓口は郵政省がほとんど担当するというふうに、実際上の業務取り扱いとして、私はあるべきではないかと、こういうふうに思うわけで、その点から大臣にお伺いをいたしておるわなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/4
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005・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 私の答弁がはたして御質問に当たるかどうかわからぬと思いますが、もし当たりませんでしたら、重ねて御質問いただきたいと思いますが、労働関係はもちろん御承知のように、各省にもまたがっておりますから、これは労働省が担当して、そうして施薬を考えながら私どもも協力するということになっておるわけでございます。
貯金等につきましても、財政投融資の大きな原資になっているわけでございまして、その配分につきましては、これまた労働関係につきましては労働省が強い発言を持っておりましょうし、また、この配分に対する重点的な施策につきましては、政府の方針によってそれぞれ配分せられておりますので、今年も住宅とか、あるいは生活環境整備だとかというようなものに対しましては、重点的に配分をするという方針でできてわりますことは御承知のとおりで、予算面にもあらわれておるとおりでございます。
ただ、郵政省が担当する面におきましてはどうかということでございますが、郵政省は極力原資を集めることに努力をいたしておりますが、その努力した原資が、ただ他方面だけに使われて、郵政省関係等に還元できないという点につきましては、国全体の大きなワクの中で操作されるものでありますから、隔靴掻痒の感はございますけれども、しかし、それにいたしましても、やはり郵政省は郵政省なりに、そうした面に沿うて予算の獲得には、大蔵省にも、重大な関心を持ちながら折衝いたしまして、平年よりか、あるいは平年よりか少しずつ多くもらって、そうして、そうした施策の遂行に努力しているということであります。
先ほどお話しになりましたように、この郵便貯金は、一般の商売的に行なう預金、貯金とは異なりまして、非常に高い次元における性格を持っております。そうしただけに、郵政省が取り扱いましても、郵政省が即、預金の利益をこうむるということも困難な面もございますけれども、しかし、働き出す郵政省の努力というものは無にもできないわけでありますから、小さくしましては、郵政省の労務関係につきましても、その資金の割り当て等につきましては、十二分の配慮を大蔵省に要望しておる。大蔵省もこれに対しては、ある程度誠意を持ってこたえてくれると、かように考えておるわけでございまして、その他、言い落とした点がございましたら、御質問いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/5
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006・横川正市
○横川正市君 これはまあ郵政大臣は、資金運用部の運用に対しては、大蔵大臣とともに発言力を持っておるわけですから、私は、国の一つの施策に基づいて金を集められる、そういう性格のものだから、金利というのはそれほど高いものでなくていいのだということだけで事業というのが一貫していてはいけないという点を最近強く感じているわけなんです。ことに労働者、いわゆる零細な貯蓄をしてくれる人の目的というのは、いろいろな目的がありますけれども、いずれもこれは非常に重要な目的を持って貯金をされているものなんですね。ですから、そういう目的を持った貯蓄のうち、今度は一つの方針として財産を持たせるという、そういう方針が出されたわけでありますから、そういう方針にのっとって、資金運用部の資金運用については、できれば、私は、他の貯蓄関係よりかは有利で、しかも、非常に目的に競って参加をさせるような、そういう仕組みというものを考え出して、それが郵便局の貯蓄のうちの一つの業務として行なわれるというような具体性というようなのを持ってきたらどうだろうか。たとえばまあ土地、家屋その他の貯蓄目標というものがもっと出た場合には、いまの金利のうち考えられる金利よりかは有利な金利操作をするとか、何かそういう具体性がなければ、方針というものは出されても、なかなか財産を持たせるということで多くの人たちが、これは強制じゃありませんから、任意で参加をするということはむずかしいのじゃないかというふうに思います。そういうことで、たとえば安い土地を、国心地を開放して、そして、それを労働者に分譲するんだというような、そういう方法はまあ他の官庁がやると思うのです。しかし、郵便局のやるのは、やはり何年か、五年なり七年なり十年なり貯蓄をしてもらって、勤続年数とあわせて、たとえば退職昨については、退職金はまあ老後の生活安定のために使って、それまでには次と土地とはつくられているのだというようなかっこうでの長期のいわゆる預金の種類というものがあっていいだろう。そういう場合には、それについてだけは特別に取り扱いとして有利な取り扱いをするというような方法がとられてしかるべきじゃないか。これは一つの目的として私は考えるので、そのほかにいろいろあると思うのですが、そのいろいろある問題について、政府がこういう方針、施策を発表したのだから、その一端をになう郵政省としては、一体具体的にどういう考え方を持っておられるのか、それをお聞きをいたしているわけなんです。いま、こうやっている、ああやっているということでなしに、将来に向かってどういう考え方を持とうとされているか、検討されているなら、その内容を明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/6
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007・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 最近、各金融機関とも、いろいろな新しい預金の種類と申しますか、新しいもの、新規なものを考えまして、それによって先の夢を持たせながら貯金をさせるというような制度も方々でやっているようであります。そこで、郵政省でも、競争するわけではございませんけれども、いまお話しのような点もございますので、そうした新しい種類のものを考えたらどうかということで研究いたしておりまするし、かつては大蔵省にもそうした問題につきましても折衝したようでございましたが、とうとう本年度のこの法案は予算には間に合いませんで、いま課題にして残しております。しかし、いまお話しのような各金融機関とも、そういうことをどんどんやっているわけでありますから、ただ、性格は一般の金融機関とは違いますけれども、いまお話しのように、老後の楽しみを持たせるためにも、土地と家というようなことが、職員等に、あるいは、それに関連する諸君等が夢を持てるような新しい種別の貯金を創始したらどうかというような考え方もございまして、研究はいたしておりますが、とうとう本年度の予算等には間に合わなかったということであります。今後の課題として十二分に研究させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/7
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008・横川正市
○横川正市君 次の問題で、これは予算委員会でも問題になって大臣から答弁をいたしておるはずなんでありますけれども、日韓会談の交渉の推移というのを、私ども、いろいろ報道機関等の報道等を参酌しながら、議会答弁等とあわせて判断をいたしますと、何か非常に妥結が近いような気もしますし、なかなかむずかしい気持もいたしますが、そういう状態の中にあっても、なおかつ、韓国におけるところの郵便貯金の取り扱いについて、一体これはどういうふうな最終とりきめというものが行わなれるのか。こういう点について、非常に関心がきわめて強く深めておるわけなんですがね。いまもって郵政の場合には、たとえば琉球との関係とか、台湾、それから南洋群島、樺太、千島、そういった旧日本国土であった地域におけるところの、国を相手にして債務行為を行なった貯金のその取り扱いについては、依然としてこれはそのまんまの形に放任をされているのじゃないか。そんな点を含めて、これを一体、妥結の時期を目の前にして、どういう状態なら妥結をするのか、どういう始末をするのか、この方針だけ明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/8
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009・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 韓国との郵便貯金に対する請求権の問題でありますが、これは二億、三億の全体のものが解決いたしますれば、その中に含まれておるようでございまして、それさえ話がつきますれば、それに対する請求権というものは消滅するという原則で話し合いが進んでいるようでございます。その内容につきましては、これは外務省からでないと、私どもでかってに言うわけにまいりませんが、いまそれを含めた交渉をやっているということでございまして、それがおおよそ話し合いがついているやに仄聞をいたしております。
沖繩のことでございますが、沖繩は、私もかつて総理府におりましたときから早く解決したいと思って努力いたしましたし、また、こちらに来ましてからも、しばしば機会あるごとに連絡をとっておりますが、何しろ一円、一ドルのわずかな要求が出ておりまして、しかも、当初におきましては、私が総理府におりましたときにも、何か委任状を集めて、そして、その人々の一つの代表権を持った交渉というようなものもあったようでございますけれども、その後だんだんにそういうものも、どこにその委任状が参りましたか、はたしていまこちらのほうに証拠として持っておりますのが全部委任状となっているか、これも不明であり、あるいは会合等を向こうの政府に話をして求めようとしましても、何しろ金額が少ないものですから、集まってくる人が、そんな金もらうだけじゃ、往復の旅費までもないというような金額が大部分で、集まってもこない。相談のしかたもない。結局、政府のあっせんによって、向こうの一人一人と話をつけて委任状もとるとか、あるいはまたその金額で、多少見舞い全心をつけて話し合いをつけてその預金帳を解消するとか何かという話もちょいちょいあるんですが、なかなか琉球政府でも、そうした面で、私どもがちょっとやれそうもないという話でございますし、私のほうで職員を出して、一軒々々歩かせるというわけにもいきませず、始終、高等弁務官を介して話をしたり、民政官が来たときも話をして、そうして妥結の道がないかということで相談しているのですけれども、非常にこれは困難な問題でありまして、まだ見通しがつきません。私は非常に残念だと思います。ただ、これが何かの形で統合されて、一つの権利みたいにはっきりできておりますれば、まあ一円のものを一円でかりに払いましても、それでは気の毒ですから、見舞い金とか、そういう形で寄付をするとか、あるいは援助資金によって琉球政府に便をはかるとか何かという方法もあるわけですけれども、何しろ、たくさんの人の意思というものが不明のままで転々としておられる、こういうような関係。それから、なくなられた方もありますし、じゃあ、こういう方々の時効はどうかといえば、沖繩では時効がいま適用できぬそうですし、いろいろ困難な問題が伴いまして、誠心誠意やっておりますが、沖繩の問題はまだ解決の糸口がついておりませんのは、まことに残念でございます。
そのほかの地域につきましては、私はあまり詳しく存じませんので、政府委員のほうから御説明を申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/9
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010・武田功
○政府委員(武田功君) その他、台湾、南洋郡島、関東州、樺太、千島といったところの地域の問題も残っております。これはいずれも、たとえば台湾につきましては、日華平和条約に基づきますところの特別取りきめをしなければならないということになっておりまして、この特別取りきめがまだできておりませんので、そのままでございます。
また、南洋群島、関東州というのは、いずれも特別取りきめをした上でこの問題が解決される、こういうような事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/10
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011・横川正市
○横川正市君 私はこれは、当面交渉に当たっておる側と郵政省との間に意思の疎通というものがあって、そして、その相手側が請求権を行使をして、それで納得したことは、国のことですから、外務省と郵政省との間には特段の意見の相違はない、こういうふうには判断はいたしますけれども、郵政自体として、一体、この取り扱い業務をしてきた側の考え方はどうなのか。ことに交渉ですから、韓国との妥結は、それをそのまま樺太と千島に持っていって、同じ条件で妥結をするということではないわけですね。何らかの条件の中に違いがあっても、それはまあ妥結したんだからそれでいいんだということになるものなのか。まあ言ってみますと、今度の、私ども感じからすれば、韓国との妥結条件というものは非常にゆるい。まあいわば譲歩に譲歩した妥結条件であって、その妥結条件でもって、それじゃ、他のところでも同じような妥結条件を出せるのかどうか、この点になると、いろいろな諸条件が違っておりますから、私どもも、どういう結論を出すか判断がつきかねますけれども、しかし、やはり郵政としては、一つの一貫したものを持って、それがいずれの国との場合の交渉であっても、同じ結果であるべきはずだと思うわけです。そんな点で窓口になっておる外務省、あるいは特命を受けた方々と郵政省との間で、そういう話し合いについては、どう話されて、しかも、どういう方針をとっていこうとされているのか、これは全体の関係もありますから、簡単でいいですから、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/11
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012・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) これは国と国との交渉でございますから、その交渉の妥協の方針等は、これはもちろん日本政府のやっていることでありますから、そう方針が二通りに出ることはないと思いますが、しかし、話し合いできめることでございますから、一方のほうはふくれるが、一方のほうは引っ込む場合もありましょうし、両方が納得がいって話し合いができるのです。ただ、郵政省としては、どれだけの請求をされる権利が向こうにあるか、預金はこのくらいありますというような資料は十分提供いたしまして、それを資料にして、外務省が国の交渉として折衝しているるわけでございまして、その中において活がつきました後に、その国が今度は、預金をしておった者に同等の取り扱いをいたしますかどうか、これはちょっと私もはかりかねますけれども、しかし、郵政省としては別に、どこの国にはたくさんあげる。あるいは、どこの国には少ないという考え方は持っておりません。資料は資料として、できるだけ正確のものを出しまして、その裏の基礎の上に立って、外務省は、こればかりではございません、ほかのほうにもたくさん請求権がございますから、そういうものと一緒にしながら、先方との数字と合わせながら妥結するだろうと思います。私のほうで別に、国柄によって請求される金額を甲乙いたしましたり、あるいは作為的なことを言う考え方はございません。正直なものを提供するだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/12
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013・横川正市
○横川正市君 そこで、これは交渉の経過から、結果としての報告ならば、おそらくこれはもらえるだろうと思うのでありますけれども、交渉中ということで明確にされておらない数字の問題なんですが、一体、請求権ありとして相手側はこの問題についてどれだけの請求をされているのか。それから日本側では、これは資料その他確実なものがそろわないまでも、ある程度確実な予想に基づいて、一体、どのくらいの金額というものがあったのか。その点の数字のつき合わせについては、これはいまここで発表できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/13
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014・武田功
○政府委員(武田功君) 先刻の大臣の答弁にもございましたように、目下交渉中の事柄でございますのと、また、私どもと外務省との間では、当時持っております程度の資料でもって、いろいろと打ち合わせはいたしておりますけれども、現在まだ交渉が妥結しておりません段階でございますので、その数字はお答えすることをお許しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/14
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015・横川正市
○横川正市君 いずれにしても、これらの問題は、他との関係もあることですから、妥結後に一番大きな問題になるのは、おそらく樺太とか千島とかの交渉が始まったころに問題になるだろうと思うので、その点については、きょう具体的にされないことですから、要望をする以外には、私どもとしては、政府の考え方を聞く、そういうことはできない状態なので、それは残念でありますけれども、十分ひとつその点について配意をされた交渉をされるように、外務省との関係についても、その点十分打ち合わせて交渉されるように、強くこれは要望いたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/15
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016・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 大臣、いいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/16
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017・横川正市
○横川正市君 大臣、十一時ですから、それじゃ衆議院に行ってください。
そこで、これは非常に月並みなものの聞き方なんですが、貯金の今度の総額を百万円に引き上げるということの提案理由の説明だけでは、現状が百万に上がったことによってどういうふうな影響が出てくるのか、あるいは、それはどういう目的があるのかについて明確ではありませんので、もう一度ひとつ制限額を引き上げる趣旨を説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/17
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018・武田功
○政府委員(武田功君) 現在の最高制限額の五十万円は、昭和三十七年四月に三十万円から引き上げられたのは、御承知のとおりであります。今度引き上げます主たるところは、その後の国民所得及び貯蓄保有額の伸びの状況などから見まして、この際引き上げていいんではないかと、たとえば中央貯蓄委員会あたりでとっております統計を見ますと、一般の方々の一つの貯蓄目標というのが、百万円から百五十万円というところが一番多い比率を占めているといったようなこと、また、現実に私どものほうの現場で働いております職員のいろいろ声を聞きましても、かなり預金者の方から、もっと引き上げたらどうかという御要望もあるというようなこと、また、他面、確かに年々財投原資の需要がふえているというようなこと、そういう点を勘案いたしまして、一般の所得状況から見て、百万円が一番適当ではなかろうかと、また同時に、先般当委員会でも附帯決議をいただいておりますし、そういう趣旨を加味したわけでございます。
また、この百かという基準は、いろいろと見方はございますが、私どもは、一つの見方といたしまして、昭和九年から十一年を基準といたしますところの当時の制限額二千円を基準といたしますと、大体最近の物価指数から見ますと、倍率四百十何倍というところでございまして、そういったような換算をいたしますと、八、九十万円に相なります。また、国民一人当たりの貯蓄の倍率を見ますと、大体九百九十倍近くになっております。これを換算いたしますと百九十万円ぐらい、それやこれやで百万円で過当ではなかろうかと、同時に、これを引き上げることによりまして、一般の貯蓄、国民の方々の貯蓄もふえると同吟に、働く職員から見ますと、非常に募集環境が好転するということも考えまして提案いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/18
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019・横川正市
○横川正市君 現状の最高額から百万円に引き上げることによって、大体推定どの程度の額が増加されるというふうに考えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/19
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020・武田功
○政府委員(武田功君) 私どもは、これによって募集環境が相当よくなりますので、相当伸びるということを期待しておりますけれども、ただ、四十年度の予算におきましては、初年度でもありますことと、また、予算の編成が昨年の夏になっております関係で、四十年度予算の中では、一応純増として百億円増加という見込みで組んでおりま発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/20
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021・横川正市
○横川正市君 これは、増加する額を具体的に勘案しながら考えてみた場合に、たとえばこれは、最近、税の自然増収というようなものが期待どおりに上がっていっておらない、そういう期待どおりに上がらない、原因等について言ってみますと、一つの事業経営ですから、その計画の中にどういう要素があるかということでの検討をされたと思うんですが、一体、最近の税の自然増収というのが上がらない原因というのはどこにあるのかについて検討して、その検討の結果、何らかの結論というものは出ておりますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/21
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022・武田功
○政府委員(武田功君) お尋ねの関係は、郵政省は実は所管ではございませんので、ちょっと私どものほうには、お尋ねのような趣旨の調査も資料も持ち合わせがございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/22
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023・横川正市
○横川正市君 私は、それはたとえば百万円にしたら募集環境が非常によくなって、そうして、おそらくその目標に対して到達することが容易であろう、こういう目の子勘定で、実はこれをやられることはどうかと思うのです。いま貯蓄の一つの目的としては、非常に個人的な意味での貯蓄目的もありますけれども、貯蓄をしてもらわなければならぬという、いわゆる政策的な目的もあるわけですね。両々相まって、それぞれお互いが得をするということで企業というものは成り立っていっているのだと思う。そういう面からすると、私は一面でこういうことが起こってこないかと思う。それは、自然増が減っていけば、それに伴って、それじゃ財投計画その他が減少していいかというと、これはもう、一回策定されますと、パーセンテージにすれば一五%なりあるいは一七%というのは当然ふえていくのであって、そのふえていく財源というのはどこに求めるかと言えば、手っとり早い話が、いわゆる貯蓄に求めるということになると思う。そこで、貯蓄に求めるということになると、私は、期待額というのは、単に額を上げたということだけで期待額が上がるのではなしに、そういういろいろな諸条件というものを分析しながら、それに対して事前に何らかの方策というものを立ててやる、そのことが、より容易に募集する人たちの仕事がきわめてよくなる、だから目的に到達する、こういうふりに相関関係があるんじゃないかと思う。そういうことから私が心配するのは、自然増というものが減っているということは、これはいろいろな要素があると思うのです。それは納税能力の問題とか、収入の減少の問題とか、いろいろな関係があって減っていっているんだと思う。そういう時期に今度は最高額をふやしたから貯蓄がふえると言われるが、こういうことは、実は、貯蓄募集業務という面においては、きわめて困難な一つの要因になっているのじゃないか。こういう困難な要因になっている問題について、これを当局は一体どういうふうに判断をし、それに対して適切な処置を講ずるのか、これが一つ。
それからもう一つは、何といっても財源の確保は必要なので、ただ自然に目標を上げたからということでふえるのを待つというのではなしに、やはり財投その他に必要な財源については確保するという、いわば積極的な姿勢というものがやはり必要になってくるんだけれども、その積極的な姿勢としては、これはどういう具体策があるのか、これはやはり問題点としては出てくるんじゃないか、その点を両者かみ合わせながら、片一方は、募集がしやすくなるような環境を経営者である郵政当局はとるべきであるし、片一方では、そういうことによって一つの目的を持たされた増額ということが、当然一つの責任として負わされるのではないか、その責任をどう果たすか、この両面があるんじゃないかと思うわけですが、その点について、当局ではどういう具体策を持っておりますか、どういう判断をいたしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/23
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024・武田功
○政府委員(武田功君) お尋ねの一つとして、税収の減ということと貯金との関係ということがあったかと思うのでございますが、私どものほうは、この郵便貯金の制限額引き上げによりまして、必ずしも税収減があるとは考えておりません。
それから第二の点の、財投原資の中におきまして郵便貯金等の目標額の設定のしかたというお尋ねかと思います。四十年度をとりますと、四十年度の予算では、目標額を三千八百億円に設定してございます。この設定にあたりましては、従来の実績、たとえば三十九年度、昨年度あたりをとってみますと、純増実績額が三千八百億をこえております、そういったような実績。それから財投原資に対する需要の程度ということ、それからまた、募集能力というようなこと、これらをいろいろと加味いたしまして、さらに、それに今回の制限額引き上げという点も加味いたしまして、三千八百億という目標額を設定したわけでございます。さっきも申しますように、大体昨年の夏ごろにきめましたので多少ズレはあるかと思いますが、私どもといたしましては、かりに百万円に制限額を引き上げて募集環境をよくいたしましたといたしましても、やはり働く職員たちの無理をしいるわけにもいきませんし、そういったようなこともあります。また同時に、この三月末の年度末残高の見通しというものを一応立てましてきめましたので、ちょっと先ほど申しますように、この三月初め現在で、ちょうど三千八百億純増がいっております。それからも御想像いただけますように、この目標額は、財投の非常に多い需要の中にかかわらず、非常に固くと申しますか、固く見た額でございまして、したがいまして、先ほど御指摘のような御懸念はわりあいなく、来年度の募集にあたりましても、おそらく実績としては相当上回った結果が出るのではないか、こういうふうな見通しのもとにやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/24
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025・横川正市
○横川正市君 まあ私はこういう点がちょっとやはりもの足りないような気がするのは、既設の企業のいわば非常に順調さというものに甘えておいて、そうして何か新しい一つのものに飛びつくというわけじゃないけれども、常に企業全体の診断の中で前向きでものごとを、仕事をするというその努力というのがあっていいのじゃないか。だから、一つの目標に向かって、ある金額の設定は、いまのところ達成の見込みがありますと、こう言われれば、なるほど、それで企業の現状としては、これは私は説明がつくと思うのです。百万円にそれじゃなぜ上げるか、これは周囲の情勢その他がそういうふうになってきているから上げるのだ、こういうふうに説明されるわけですね。そうすると、そのことは、より高い一つの目標というものに向かって、一つは貯蓄目的、いわゆる個人の利益、一つは国の目的、すなわち財投その他への資金の需要に対するこたえ、そういうかっこうで、金額が上がってくるだろうと思うのです。その上がってくるということと同時に、今度は、それは自然の上がり方ではなしに、やっぱり企業としてのこの経営の中から、あるいは具体的な募集業務に対するくふうの中から、それを開拓していくという、そういう具体策というのが私はあっていいじゃないかと思うのですよ、考え方として。その点を、実は具体策は一体どういうふうに立てられておりますか、計画としてどう立てられておりますか、ということをお聞きしておるわけなんです。その点で、たとえば税収が、自然増収が少なくなったから、それが貯金に影響するというふうには考えられませんと言えば、これはまあ、より何といいますか、一般の人たちの貯蓄に対する非常に熱意といいますか、そういったものだけが一つのよりどころであって、具体策というものは、これは呼ぶ側の具体策というものはつくられておらないのじゃないか、こういうふうに私どもは判断をするわけです。そういうことから、もっと積極的な一つの方針というのがあっていいのじゃないか。言ってみますと、たとえば銀行とか農協その他は、それぞれ経営していくのにいろいろなくふうや何か加えられております。ところが、郵便の場合は、銀行利子に比べて低い。そういう状態に——普通預金の場合は、一応郵便貯金が有利と言っていますけれども、定期とか定額の場合には低い。そういう状態にあるから、なおその目的が達せられぬ。これは私は、やはり少しそういう状態にいつまでも甘えていていいのかどうかという点もあるのですよ。やはり改善する必要があるのじゃないか。ことに零細な金ですから、そんな金に少しぐらいな利子がふえたからといって、別にたいした影響はない。利子でめしを食ったり、あるいは利子でどうこうという、そういうことでなしに、あまり目的を持たされ過ぎている、郵便貯金に対しては。もっとそういう零細貯金を優遇する、金利等のことも考えていいのではないか、そういうふうにも思うわけです。そういう何か具体策があって、それで貯蓄高というものが増高されてくるというふうに私はなってくるのが、これが形としては非常に望ましい形じゃないか。いまのように低利だけれども予定額はできていますよということだけでは、どうも少し努力が足りないのじゃないかというふうに思うわけで、その点を当局、業務担当者としてどういうふうに将来考えていこうとしておるのか、その点をお聞きをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/25
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026・武田功
○政府委員(武田功君) 非常にむずかしいお尋ねでございまして、私ども現在やっておりますこと、あるいは、いままでやっておりますことがお答えになるかどうか危惧するわけでございますが、確かに、仰せのように、預金者の利益を少しでも守っていくということが大事でございます。それで、郵便貯金は、御案内のように、やはりあまねく国民の各層の方に利用していただく、そうして元本を、利子を、国の責任において保証していくということが、その本来の使命でございます。したがいまして、私どももそういう意味合いから、広く国民の方に利用していただこうというわけで、来年度の、たとえば貯蓄増強対策の方針といたしましても、一つの大きな意味の、広い意味の国づくりという観点からこの貯蓄を進めていこう、そして国民の各層に健全な貯蓄というものをおすすめしようということで、たとえば地方公共団体等の協力も得て、そして広範な増強運動を展開するとか、また、少しでも利用の方の便宜をはかるためにということで、ささいではございますけれども、今回、改正の提案をいたしました中でも、たとえば権利の消滅の中断事由を拡大するとか、あるいはまた、小切手によるところの払い渡し、あるいはまた、証書によるところの、小切手その他の証券によるところの預入とかいうような道も少しでも広げて利便をはかるというようなことも考えておるわけでございます。大体そういうことで、根本の考え方といたしましては、できるだけ広い層に郵便貯金を利用していただくことによって、だんだん貯蓄高もふえ、また、事業経営もよくなっていく、こう考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/26
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027・横川正市
○横川正市君 そうなりますと、私はもう少しやはり積極面が出てきていいんじゃないかというふうに思うのは、いま言ったような金利の面の改善があっていいんじゃないか。
それからもう一つは、これはいずれ後に、一般の業務内容で具体的にお聞きをいたしたいというふうに思っていますが、考え方としては、最近の特定局の窓口業務の取り扱い量が、一体どういうふうな推移で運営されているか。この点なんかの、実は、資料もほしいわけなんです。私は、当てずっぽうでありますけれども、たとえば貯蓄の非常に利便機関としては必要だと思われるような窓口は、だんだん窓口自体が非常に狭くなっていく、あるいは、部分的ではありますけれども、消滅をしていく、そういう傾向が一つあって、それからもう一つの面では、窓口の増強というのは、これは人件費もまかなわれないというふうに、非常に高い公共性だけを要求されて窓口が増強されていっている。これは公共性の面からいえば、非常にいいことだけれども、いわゆる経営の、いわば幾らかでも、何といいますか、企業としての企業性という面からすれば、どうも年次ごとに少しそれは減っていっているのじゃないかという、そういう感じがするわけなんです。これは実際上の貯金局の数字ではどうなっているか、調べていただきたいと思うのですが、そういう点で、私どもは、これに対しても努力する必要があるのじゃないかという点を考えてもらいたい。
それからもう一つは、たとえば犯罪防止などの具体策というものが考えられている。そうすると、犯罪防止というのは、取り扱い件数、金額について、相当の量と、それから相当の金額があるところでなければ、そういう犯罪防止のための機械化ということはむずかしい。しかし、実際に今度は犯罪の起こっているのは一体どこかというと、三人局とか、二人局とかいう、いわばもうそういう機械を備えつけては採算に合わないような窓口までも、この機械を備えつけなければ、いま起こっている犯罪を防止するようなことはできないのじゃないかと思われる、そういう窓口にたくさん大きな、しかも高額の犯罪が起こっている。それに対してどういう対策を立てるのか、言ってみますと、私はまあ現状ではやはり遺憾と思われる点が非常にたくさんいまの業務内容の中にあるのじゃないだろうか。そういう内容についての打開策として、具体策を私は当然持っていいのじゃないか、こういうふうに思っているわけなんですよ。そういう面から、いまのたとえば犯罪なんかの面でこれを防止する方策だけを考える、そうすれば、非常に高い、あるいは人件費のかさむそういったものを、二万数千の局に全部備えつけるということになるのか。そういうことには私はならぬと思うんですね。やはり、ある程度の金額と、それから、ある程度の人員のいるところでなければそれを備えつけないということになると、一体、犯罪防止というのは、いまのままで防止されるのかどうか。三千万も二千万も横領事件があったようなところは、もうたいていが無集配局で、とうていそういうような高度の機械化をするのにはむずかしいようなところで犯罪が起こっている。犯罪阻止といってみても、相当やはり私は困難な、しかも、具体性を持たせていかなければならぬのじゃないか、こういうふうに思われるわけです。そこで、実際上の取り扱いの状態からすれば、貯金というものが持つ意義は、私は少なくとも零細貯金をする人を優遇するというたてまえもとらなければいかぬし、それからもう一つは、より増高しなければならないような一つの国策的な目的も打たれているし、それからより健全化をするためには、現状ではないというような面でのいろいろな改善策も必要だし、そういったことに対して、前向きに、どういう具体性と、それから計画性を持っているのかという点がやはり答弁されなければいけないのじゃないかと私は思うのですがね、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/27
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028・武田功
○政府委員(武田功君) 一つのお尋ねの金利の問題でございますが、私どもがやっております郵便貯金事業は、仰せのように、零細な資金の集まりでございます。したがいまして、これを確実にお預かりするということのみならず、できるだけ有利にしてあげたい。また、国の経営でございますから、利益を全然考えずに、そういう方面に頭を持っていかなければならぬということを平素考えております。また、現在四種ございます貯金のそれぞれにつきましても、平素からそのことは考えておりますが、何ぶん貯金の利子の問題になりますと、これはやはり全体の金利の体系という問題が一つございます。もう一つは、何ぶん国の事業でございますから、国営事業がただ一般の経済情均その他を度外視して、それのみによって引き上げとか、あるいは引き下げとかいうことだけを行なっていいものかどうかという大きな問題もございまして、これについて特にいまどうするということを申し上げる計画を持っておらないわけでございます。
それから防犯の点は、これはもう御指摘のように、防犯は必ずしも採算と見合うものではございませんで、あるいは小さい局で非常に多額の事件が起こるというような事態もございますが、いま私の考えておりますのは、やはり防犯ということのみならず、仕事を的確にやらせる、また同時に、仕事の処理を合理化するというような点から、窓口の事務の機械化をはかりたいという計画を進めております。で、御案内のように、この大きな組織を持ちます事業のことでございますので、ある特殊の部分だけを機械化するというようなことはなかなか困難でございますので、私どもは、やりますならば、全体の窓口を通じてできる機械化ということを目標といたしまして、現在、ある一つの機械を試作にかかっておるわけでございます。そういうわけで、防犯に関係いたしましては、採算との関係なしにやることが、われわれのサービスである、こういう点から進めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/28
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029・横川正市
○横川正市君 そこで私は、現状の資金運用部へ預託されたそれらの利子でもってやられる範囲のことをやっておれば企業としては健全な経営なんだということでは、実はそれらの多くの要請とか要求というのは満たすに至らないのじゃないかと思うのですよ。そういう点からすれば、当然いまのような預託利子の状態であれば、今度は総額がふえてこなければいかぬ。それから、その総額がふえてくる中には、たとえば人件費について将来どうするか、それからもう一つ私は非常に残念に思うのは、一度貯金局上長でも政務次官でも金を預けられて、預かっている預入あるいは引き出しをするような、そういう窓口を郵政と他の企業を比べて見てもらいたいのです。ちっちゃな相互銀行とか信用組合でもいいです、それとも東京都内のそういう貯金や何かを取り扱っている窓口と比べてみると、まず一番に違うのは、片一方は鉄筋コンクリートで、片一方は木造ですね。建物の違いから出てきます。それから、中へ入っていきましても、スペースの問題からこれは全然違う。それから、職員の待遇問題も違ってまいります。それから、待遇問題が違いますから、被服だとか何だとか、そういったものも全く違う。そこで、郵便貯金というのは、国の非常に強い要請というものだけが先に前回に出されておって、そして仕事をしているものと思う。それから、一般零細な預入者というのはそれは忘れられた仕事だ、企業だというふうに見られるんじゃないかと思うのですよ。それでもなおかつ、国だからというので信用しているところに、これまた非常にいい面があるわけですけれども、しかし、いまのままでいいというわけには私はいかないだろうと思う。そうすると、おのずと、現在のワクの中ではとても解決ができない。そうすると、そのワクをどういうふうに広げていくかということでは、これはいまの局長言われるように、ちょっとまだ解決してはおりませんと言いながらも、やはり金利の問題も解決しなければいけないし、それから安心性の問題、国損の問題も、これも来た処理しなければいかぬだろうし、それからまた同時に、資金需要がどんどんふくれ上がってくるだろう、その面についても見ていかなければいけない。言ってみると、事業全体としては非常に大きな問題をかかえて運営されているのだと判断しなければいけないのじゃないか。だから私は、現状認識としては、非常に太平ムードに安心した企業だと見えるが、非常にたくさん問題を持っているけれども、何か、いままでの伝統みたいなものが信用されておって維持されておる企業であると、しかも、それは国からの要請がきわめて強くて、預金者と、それから実際にその事業に携わっておる者については、きわめて冷遇された企業内容を持っているというような、そういう判断に立つものですから、これの改善策というものについては、もっと積極性があっていいんじゃないだろうか。ことに相当多額な金額を取り扱う局なんかは、もう木造建てのああいう窓口なんというのは、もうそろそろ、もっと、よろい戸をおろして、びしんとやれるような、そういうかっこうのものにしていく必要もあるのじゃないだろうかと、こういうふうにも思うわけなんですよ。そういった改善策や何かが当然私は立てられていいのじゃないだろうか。それから、入る面を考え、それから改善される面を考える、その両面というのをやはり問題として持った企業だというふうに考えていいのじゃないかと思うのだけれども、その点は一体、担当局長としてどういうふうにお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/29
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030・武田功
○政府委員(武田功君) 私どもも平素、仰せのような気持ちを持ちましてやっておるわけでございますが、何ぶん非常に大きな組織ということと、国の企業であるということから、いろいろと不如意な点がございまして、確かに、御指摘のような面がございます。特に小局につきましては、何といっても貯蓄関係の窓口が主でございますので、私どもも、省内におきましてもその点を主唱いたしまして、この改善をはかろうということをいろいろの機会に言っております。ただ、昨年来、郵政審議会に対して郵政大臣から事業の近代化等についての諮問が出ておりまして、その中で、近く、そういった窓口機関としての小局のあり方、あるいは近代化ということについて審議が行なわれて、いずれ答申が出ることと思っておりますので、私どもは、またその機会に十分私どもの考え方も御相談し、答申を得た上で、さらに研究を進めたいと、こういうふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/30
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031・横川正市
○横川正市君 これは大臣に私は最後に一問だけ一質問しておかなければいかぬのですが、政務次官、私はやはり郵政事業というのは、きわめてじみな事業だけれども、やっている仕事それ自体は非常に重要だと思うのです。ところが、その重要さというものはどうかすると忘れられてしまつて、貢献する部面だけは、非常に強く貢献度合いというものが国から要請される。言ってみれば、大蔵大臣と郵政大臣とは同じ大臣だけれども、新聞に出る度合いも、ラジオに引っぱり出される度合いも、これはどうも大蔵大臣のほうが多くて、郵政大臣が少ない。社会的な一つの地位の問題というのは、私はそんなところに一つのものが評価されてきているのだろうと思うのですよ。だから、そういう評価をされる、第三者からの評価を高めるのにこれをどうしたらいいかという問題については、私は、大臣とか政務次官というのはもっと積極的にやってもらわないと、ひいては、そのことは一番末端で働いている者が貧乏くじを引くということになるわけなんで、その点も勘案しながら、ことに貯蓄は、言ってみますと、郵政にとっていわば発言力なんですね。その発言力がきわめて消極的であって、これは発言力があまりないような郵便関係にそれな求めるということは、私はどうも少し無理があると思うのです。だから、やはり発言力のあるところから発言力を持っていく。これは何もなわ張り争いじゃないけれども、正当に評価された結論というものがあっていいのじゃないかというふうに思うのですね。ですから、ほんとうはきょうは、たとえば郵便外勤の人の外勤の服装の改善策もやりましたと言うけれども、実際によそのうちに行って玄関先へすわって二時間も三時間もいろいろ募集や何かのことで話をし、あるいは貯金のことで、どっちが有利か不利かというようなことで、いわば家庭の金のことでの相談をやっている人たちの、たとえば服装の問題だとか、あるいは待遇の問題だとか、そういったことまで、もう少し前向きで解決していかないと、いわゆる対社会的に水準をあげていくということはむずかしいのじゃないか。だから、そういうことも、これはもう何回も言われたことだけれども、ぜひひとつもう一回問題にしてもらいたい、こういうふうに私は思うのです。
それからもう一つは、これは私も結論を実は持っておらないのです。というのは、いろいろな人からいろいろな意見がありますから、これが一番最上だというふうには思っておらないのですが、貯金局は、地方貯金局が二十八局あるのですね。これは本省貯金局直轄として経営されているわけなんです。それから、保険の場合には七局、これは保険局直轄になっているわけですが、この組織形態から見て、郵政局の一つの権限の中に本省の貯金局、保険局の、貯金、保険業務を移管をして、郵政局の権限強化によって、この地方局というのはそれぞれ郵政局からの系列で業務が行なえるような、そういうことをやったらどうかという意見があるわけなんですが、この点については、まあ直接には担当の局長だとは思うのですが、政治的には政務次官なんですが、まあ大体考え方としては、どういう考え方を持っておられるのか、それをひとつお聞きいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/31
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032・服部安司
○政府委員(服部安司君) 初めの御質問の問題は、これは非常にむずかしい問題で、確かに、御指摘の点に多々問題があろうと思うのであります。私も大臣とともども、ざっくばらんに言って、これは非常に合わない話だ。職員が努力を重ねてこれだけの原資を集めても、全く大蔵省に持っていかれるばかりであって、矛盾もはなはだしいということは、これは切実に感じております。しかし、これは長年の制度の問題でありまして、実は、われわれも就任間もなく、ひとつ各国の状況を調べてみようということを考えて手を打ってみたのですが、案外、外国は割り切っているのですね。集めるところは集める、これを運用する面は運用というふうです。何か手がかりをつけて、ひとつ強力にまあ大蔵当局とも折衝を進めるべきだという考えで、いろいろと資料の収集に努力したのでありますが、なかなか外国に求めても、先ほど言ったとおりの割り切り方で、いい材料がございません。しかし、それはさておいて、その後も、大臣もみずから出向いて、これを事あるたびに折衝を続けているそうであります。今後もひとつそういった面に大いに力をいたしたいという意欲に燃えておる現状でございます。
なお、そういった努力に末端の職員が報われておらぬじゃないか、また、権威の問題という点について御指摘でありまするが、これもお説ごもっともだと感じますので、大臣からもお活があったと思いまするが、まず服装の問題を思い切って改善をはかろう。いま横川委員の御指摘どおりに、大事な貯蓄の、いわゆる金の運用についての御相談にあずかる、ときには数時間も要するだろうということもごもっともであります。そこで、四十年度に、まあ十分じゃないじゃないかと言われる点があるかもしれませんが、しかし、服装の問題は、これはかなり思い切った改善をはかったつもりであります。まあ大体いままで組合側からも非常にこの問題を持ち込まれて、ひざ詰めで現品を出して、ああだこうだという意見もありました。これを省側もすなおに認めて、本年度は思い切った改善をはかって、これならばまず私はお客と接する場合にも、あまりひけ目を感じない服装であるという確信を持っております。なお、御指摘の点を十二分に参考にいたしまして、そういった線に近づくように努力を重ねてまいりたいと思います。
貯金の問題はちょっとむずかしいので、貯金局長のほうから答弁をいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/32
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033・武田功
○政府委員(武田功君) 地方貯金局を郵政局の傘下に入れてはどうかというお尋ねでございますが、これは従来の経緯並びにその立て方を御説明申し上げますと、地方貯金局の業務を機能的に見まして、そうして発足以来、郵政局の傘下に入れないで、直接本省の系統に入れているわけでございます。と申しますのは、地方貯金局の業務は、貯金原簿事務を中心といたしまして、後方におけるところの整理計算事務でございます。したがいまして、郵便局の窓口事務そのものとの結びつきは、その結果を集計するというにとどまりまして、多少質が違っております。また、地方貯金局は、今度は郵便局に対する計算、監査機関としての機能も持っております。で、そういうような意味合いから、本省の貯金局の直轄機関として原簿を保管させると同時に、計算、監査をさせるというような仕組みでできております。
ただ、最近、たとえば人事の交流の問題だとか、そういうようなことから見まして、あるいは郵政局の傘下に入れてはどうかという意見もあるようでございますが、私どもはよく機構問題を省内で議論いたしますときに、その点も出ております。しかしながら、現在の立て方は、必ずしもその管轄範囲を郵政局と統一しておりません。そういう関係で、やはりいまのところでは、この機能的に立てて分けました分け方でいくのが大体妥当ではなかろうかというところでやっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/33
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034・横川正市
○横川正市君 最後に一言だけですが、総額制限をして、これは百万円に引き上げるわけなんですが、この即時払いの限度が、現行据え置きというのは、これは何か特別な理由があったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/34
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035・武田功
○政府委員(武田功君) 即時払いの限度と最高制限額との関連というのは、必ずしも結びつきはございませんけれども、まあ従来も総額制限を引き上げました際に若干手を入れております。で、この即時払いの制限は御承知のように、規則をもってきめておりまして、そもそもその趣旨は、やはり預金者の方の利益を保護するという趣旨で、間違ってよそで払われないとか、あるいは盗難にあったとか、あるいは忘れたとかいうような場合に、それをもってどの局でも引き出せることは、預金者に不利になりますので、そういう関係で即時払いの制限をつけているわけでございます。
ただ、御指摘のように、今回、最高制限額の引き上げに伴いまして、あるいは確認払いの限度も考えるべきじゃないかということで、目下検討いたしている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/35
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036・光村甚助
○光村甚助君 大臣が忙しそうですから、大臣に先に質問をさしてください。
三十七年度と今度で二回最高制限額を引き上げているわけですが、この引き上げには皆さん賛成なんです。ただ、最高制限額を引き上げるというのだから、そう議論しなくてもよさそうなものなんですが、そのつど附帯決議が出ているのですね。大臣御承知だと思うのです。郵政省で金だけ集めさして運用は大蔵省がやっているじゃないか、そういう面で、大臣、この附帯決議をお読みになっていると思うのですがね。当時の大臣は、まことにごもっともだから善処しますで、一つも善処の実があらわれていないのです。それで郵便局のほうでも非常に不満があるようなんですが、一体、その附帯決議の効力なんというものは、これは附帯決議をつけても全然意味がないというのなら、今後つける必要もないのです。附帯決議というのは、やはり将来はこれを考慮してくれという意味だと思うのです。全然政府のほうで何にも考慮しないというのはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/36
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037・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 附帯決議を尊重しないのではないかというようなおしかりのようでございますが、私が就任いたしましたときに、前大臣から、国会方面の強い要望等につきましては、メモをちょうだいいたしましたし、また、附帯決議等も拝見いたしましておるわけでありますが、全然これは無視しているわけではございませんで、全部が全部よかったというところまではまいっておりませんけれども、その御趣旨、皆さまの決議されました大きな筋には、極力努力をいたしておるつもりでございます。この郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議、これが先回の改正のときにされておりますが、そこに一、二、三とございます。これにつきましては、完全ではございません。まだまだ今後努力すべき点もあると思いますが、一歩一歩前進しておることだけは御報告申し上げられると思います。その内容につきましてどういうぐあいに、じゃ御趣旨に沿うように努力したかという点につきましては、政府委員から御答弁さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/37
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038・光村甚助
○光村甚助君 その前にちょっと。それは水かけ論になりますがね、あなたは実際徐々にやっているとおっしゃいますが、どういうことをやっておられますか。それは政府委員でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/38
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039・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) やっておりますことをひとつ政府委員から御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/39
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040・武田功
○政府委員(武田功君) ただいま大臣から答弁されましたように、前回の三十八年の附帯決議の第一項でございますが、第一項の御趣旨は、預金者の保護についていろいろと万全の措置を講じろ、こういうことでございます。当時の経緯にかんがみまして、私どもいろいろ考えておりますが、現在までいたしましたようなことの第一は、預金者の権利の消滅をできるだけ防止するということから、今回提案いたしております中断事由の拡大、それからその次は、利率が従来法律事項でございましたのが政令に委任されました関係で、その際に郵政審議会に諮問をするということに相なったのに関連いたしまして、郵政審議会の中に新たに為替貯金部会を設けまして、そして、そういったような問題が起こりました際に、できるだけの措置ができるようにというような体制をつくりました。また、三十八年度からは、通常貯金の預金者に地方貯金局から元利金額通知書を送りまして、そうして、これを持って来られますと、郵便局で通帳に利子記入をしてあげる。これは従来でございますと、一々通帳を提出をされて初めてやりましたのが、そうじゃなしに、私どものほうから積極的に元利をお知らせして、そうして便宜をはかるというようなこと。また、今回提案いたしておりますところの、小切手によりますところの払い渡しとか、あるいはまた、証券等の預入の範囲の拡大というようなこと。これもこの附帯決議の御趣旨を体して実施しておると思っております。
それから第二項の点は、不時の金融を必要とする場合に処するための制度をすみやかに検討せよ、こういうことでございまして、この点につきましては、一つの方法といたしまして、たとえば、せんだっていろいろと話題になりましたいわゆる貸し付け制度と申しますか、長期性預金を担保とするところの貸し付け制度でございますが、この点につきましては、いろいろと現在まで関係当局と打ち合わせ、あるいは折衝もいたしておりますけれども、ただやはり、郵貯の財投に占めますところのウエートの大きさというようなところから、財投原資に与えるところの影響、またさらには、郵便局は本来貯蓄機関であって、金融機関ではないのではなかろうか。と同時に、現在の郵便局の能力で、そういった貸し付け業務といったようなことが、実施上問題があるんではなかろうか。こういうような理由によりまして非常に強い反対がございます。したがいまして、なかなかこの点についてまだ話し合いがつかないというような事情でございます。そこで、それならば、その間でも多少でもこういった不時の御要望に沿えるようにしようというので、たとえば定額貯金のように据え置き期間の定められた貯金におきましては、その期間内の払い戻しにつきまして、法律上はたとえば預金者の生計困難等の事由によって特に必要のある場合と、こういったようなきびしい制限がございますが、実行にあたりましては、この附帯決議の御趣旨も体しまして、できるだけその裁量の範囲を広めるようにして、頭金者の御要望にできるだけ応ずるというようなことで、指導しておるわけでございます。
第三点の、制限額の引き上げは、今回提案いたしました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/40
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041・光村甚助
○光村甚助君 御努力はわかっておりますがね、いまの貯金局長の言われたことは、これは付録なんですね。委員会でつけた附帯決議の趣旨というのは、運用を郵政省でやれないか、貸し付け制度を設けられないかとかというのが骨なんです。これはここで議論したら長くなります。衆議院でもずいぶんやっておるようですから議論はしませんがね、附帯決議の趣旨は大臣、そういうことですからね、この小さい付録を功績に並べられても、ちょっと納得できません。しかし、努力はされたということは認めましょう。じゃあ、この点はこれでやめます。
それから三月十五日の朝日新聞ですか、によりますと、いま預金利子から税を取っておるのが五%ですか、ところが、利子課税制度が変更されると一〇%になって、郵便貯金より銀行の預金が不利になる。そこで、民間では新しい新種の銀行預金を考えているということが新聞に出ておりました。これは年利、二年もの六分三厘とか、あるいは三年もの六分五厘にしようというような案、これは大蔵省のほうでは反対しておりますが、先ほど横川委員からの質問でも、優遇措置という面で考えられておりますが、こういう点で、先ほどの質問にもありましたが、銀行では住宅預金なんというのをつくって、利子が非常にいいわけですね。そうすると、一般預金を払い出して住宅預金にするという人もいるわけなんです。そういう面で、私は、民間銀行を圧迫しろとは言いませんが、ただ郵便貯金と銀行との競争というわけではないですけれども、これは親方がやっておるんだから、何でもまかせておけばいいじゃないかということではなくして、やはり事業なんですから、ある程度新しい頭金制度を考える必要があるんじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/41
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042・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) これは衆議院のほうからも御質問ございまするし、先ほど横川委員からのお活もございました。新しい時代に盛るべき案件もこうした案件があると思います。特に最近は、ほかのほうの銀行業者等が新しい定期預金、新種の定期預金というふうなものを考えておるようでございますので、私どもも、性格は貯金でございまして、政府の仕事でございますから、一般金融業者としのぎを削って争うような処置はいかがかと考えますけれども、しかし、旧態依然たる行き方というものもあまりほめたものでもございませんので、ただいま検討をいたしております。その結論を待ちまして、いずれ御相談することができるかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/42
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043・光村甚助
○光村甚助君 衆議院での速記録を見てみますと、三十九年度決算見込み額に百五十億の余剰金が出るということでだいぶ議論されているようですが、この実態をお聞かせ願いたいと思います。そして黒字が出た場合には、それはどうお使いになるのか、その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/43
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044・武田功
○政府委員(武田功君) 三十九年度の郵貯特別会計の収支状況から申し上げますと、予算予定が、歳入で一千二百七十五億、歳出が一千百九十億、当時、歳出、歳入の差額を八十四億と予定しておりましたけれども、三十八年度の決算の結果、三十八年度剰余金が百二十二億に相なりました。したがいまして、現存のところ、三十九年度の決算の見込みといたしまして、歳出、歳入の差額百四十九億五千万円、こういうふうなことを見込んでおるわけでございます。したがいまして、一応これを四十年度の予算の際に剰余金として立てたわけでございます。
この剰余金につきましては、御案内のとおりに、現在の特別会計法からいきまして、一応積み立て金という考え方で整理をするというふうに相なっております。なお、これは貯金事業経営上の必要がありますときは、これを引き当てにして、そして全体の収入の中から翌年度の支出の計画を立てていきますわけでございます。ただ、御案内のように、従来は郵貯特別会計は赤字でございまして、累積四百九十億近くの赤字が立っておりまして、そして、これを三十六年に解消する、一応帳消しをするといりふうな特別措置をお認めいただいて、その結果、なお、それとあわせまして、預託利率も六分から六分五厘に出き上げてもらいまして、したがいまして、だんだんに好転して現在のこれだけの剰余金というふうに立ったわけでございますが、かつての経営実績からかんがみ、また、今後、はたしてこういう好況が維持できるかどうかということも勘案いたしまして、この取り扱いには、十分慎重に検討の上、計画を立てなければならない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/44
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045・光村甚助
○光村甚助君 不況時代に赤字の累積は切り捨てたということは、私もよく知っているのですが、これを積み立てておきますと、大蔵省で以前に五百億切り捨てたから、これを返せというような場合が私は生ずると思う。その懸念はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/45
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046・武田功
○政府委員(武田功君) 現在までの両省との間の中には、そういったことは全然出ておりません。私も今後も、やはり事業経営の実態をよく説明し、かつまた、私どもも、今後長期の事業の近代化をはかるいろいろと計画も目下進めておりますので、そういう点もよく了承してもらってやっていきたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/46
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047・光村甚助
○光村甚助君 そこで、大臣、今度だけでも百四十九億五千万円、百五十億という黒字になるわけですね。そうすると、このままいけば、やはり来年度はもっと黒字になると思うのです。また、こういう黒字を積み立てておいて、大蔵省から返せと言われる危険もありますので、先ほど言いましたように、新しい預金制度といいますか、それよりか、銀行利子よりうんと安いのですから、郵便貯金の利子を一厘でも引き上げるということは考えられませんか。そして一厘引き上げた場合に、大体どのくらいの額になりますか。ちょっと日の子算でけっこうですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/47
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048・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 金が余ったら大蔵省は返せ、あるいは、それは帳消しにして、そちらの金をこっちによこせというような危険があるじゃないかという主張でございますが、ことしの百四十何億、百五十億に近いものは、これは累積でございまして、ことしだけに出たものではございません。累積しまして、ようやくそれだけの黒字が固まったというわけであります。過去において五百億円近いものが帳消しになっておるという関係もございまして、もう絶対赤字は今後出ないのだという見通しがはっきりいたしますれば、毎年黒字が出る場合には、それはどんどん始末してもいいといり考え方も起きると思いますが、何しろ、つい、せんだって、五百億を帳消しにしたのでありますから、多少不安等もございまして、もう少しちょっと模様を見てきめてもいいのじゃなかろうかということで、本年はこれに手をつけなくてそのままにしたわけでございます。
で、おそらく大蔵省でそうした問題に食指を動かすのじゃないかという御懸念もございますと思いますが、しかし、大蔵省もこのごろは郵政事業に対しましては、相当に深い理解を持っておりまして、郵政省のほうのある程度意見も謙虚な気持ちで聞き入れてくれているように思いますから、さような心配はないだろうと私は考えております。また、あってもならぬと思います。しかし、収入、支出が平準化いたしまして、そういう赤字が全然出ることはないということが十分見通しがつきまして安定いたしましたら、こうした問題については、すみやかに検討を加えまして、そういう懸念のないような予算を組むべきであろうと、かように考えております。
それから、ただいま二厘引き上げたらどうだということでございますが、私どものほうでも、そういう要望もほかにもございまするし、ただいまのような委員からのお話もございますので、大体調べてみますと、二厘上げますと、約二十二、四億円くらいかかるそうでございます。これは全体の金利との関係もございますので、非常に関係するところが大きいものでありますから、そうした数字を基礎にして検討をいたしておりますから、どうぞ、しばらくひとつ、こういう問題は検討の結果をお待ちをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/48
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049・光村甚助
○光村甚助君 きのう総理大臣と民間の人との対談でも、土地が高くて家が買えないのだというような話も出ておるのですよ。土地の話——余談になりますが、土地が高いということは、政府でも心配しておるようですが、私は、郵便貯金でも、銀行預金でも、もっと利子を上げるとだいぶん違うと思うのですよ。会社頭金というものがありますね、最近。山陽製鋼では、つぶれましたけれども、大体最高一割三分から最低一割くらいですね。銀行から金を借りるより一割の利子を出してやっても引き合うのですね。そういう時代に、郵便貯金の利子というのが、三分九厘ですか、そんな安い利子で頭かっているのですね。それよりか一厘上げて二十億というのだったら、何十億も黒字になるのだったら、二厘や三厘上げられるわけなんです。そういう面で——これもここで議論しようとは思いませんが、ひとつ物価安定という意味からも、銀行預金でも郵便貯金の利子でもよくなれば、むだづかいするよりも、そのほうに回そうかというのが人間の心理ですから、ただ考慮する、考慮すると言うのではなくて、大臣になれば、政治家のこれは最高峰ですから、何か一つ、あなたも大臣の時代に、郵便貯金の利子を引き上げて大衆のためにはかったのだというような、一つ大きな仕事を残す意味で、調査研究しますじゃなくて、ひとつ考えていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/49
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050・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 先ほども申し上げましたような状態でございまして、これは大蔵省の関係もございますれば、各金融機関との関係もございまして、私だけで独走のできない重大な問題でございます。政府の一貫したやはり方針もございますので、そうした熱望等も参酌しながら、慎重に研究をいたしておりますから、この点も、私がここでどうします、こうしますということを言うことは、あまり各方面に影響する問題でございますので、検討しておるということだけでひとつ御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/50
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051・光村甚助
○光村甚助君 それから睡眠預金というのですか、何というのですか、あれが衆議院でも問題になっていたよりですが、三十七年度の睡眠預金の件数と全額と、何でも、今度あなたのほうで衆議院で答弁されているのとは違うようですが、睡眠の中には、関東大震災のもある、それから戦災のもあるし、もう一つは、その戦災とかそういうのによらない睡眠があると思うのですがね、違っていませんか。そうすると、今日大体どのくらいになっていますか、関東大震災、戦災、普通の睡眠と分けて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/51
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052・武田功
○政府委員(武田功君) 現在、たとえば通常をとってみますと、通常の一億二百万口座の中で、私どもが整理上、睡眠と申しておりますのは、六千八百方口座でございます。で、金額にいたしますと四百十億円、これが一応三十九年三月末で予定いたしました口座数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/52
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053・光村甚助
○光村甚助君 三十七年度のと違うのですよ、今度あなたのほうで発表されたのと。それはどうでもよろしい、あなたのほうでもいまわからなければ。私の言いたいのは、関東大震災のときの原簿をしまっておいて、まだそのときの預金があるとか、あるいは二十年前の戦災の原簿をしまっていて、その金がまだたくさんあるとかいうことは、ちょっとわれわれには考えられないのですよ。貯金局でもたいへんだと思うのですね。この問題は、ここにおられる鈴木委員からも、何とか早く整理する方法はないかというお話があったし、そして、あるいは新聞広告を出すとか、NHKで、こういうものが、あるからといって一般に周知徹底をして、なるべくこういう問題を早く解決したほうがいいんじゃないかという鈴木委員からの質問もあったのですが、その後、やはりそういう質問の趣旨も生かされずに、関東大震災といったら何年ですか、もういまから四十年くらいでしょう。そのときの原簿を置いておいて、そのときの金が、まだ貯金があるということは、どうしても納得できないのですよ。これは事務当局でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/53
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054・武田功
○政府委員(武田功君) ただいまお尋ねの、関東大震災のときの貯金でございますが、これは当時罹災口座は六百十五口座と推定されております。で、御案内のように、この震災貯金として整理いたしておりますものは、当時、原簿も焼け、また通帳も焼けた、こういったようなものを震災貯金として整理してございまして、貯金局の整理の実情を申し上げますと、震災貯金という口座を一つつくりまして、それに口座数と金額だけを書いた整理でございます。これは東京貯金局で所管しております。で、その後、いろいろとお申し出によってどんどん復旧をいたしました結果、ただいまのところは、残っておりますのが百四十三万口座、四百六十三万円、こういう額で、一口当たり三円でございますが、帳簿上の整理でやっておりまして、貯金局の扱いといたしますと、ただ毎年これに利子を記入していくという手続だけでございます。ただ、御指摘のように、もう相当年月がたっておりまして、大体三十二年ころまでは、それでもやはり、どこかに当時避難していかれた方がたまたま出てきたというようなことで、たまに復旧の申し出がございましたが、ただ三十二年まででございまして、それ以降は一件も復旧の申し出がございません。したがいまして、これはこういう震災関係でございますので、現行法の二十九条を直ちに通用するわけにはいきません。したがいまして、確かに、御指摘のように、何らか公示催告をするとかいったような方法を使わなければなりません。私どもも、いろいろ御指摘もあり、また、大臣からも御指示がございまして、この処理方を急がなければならない、こう考えておりますが、ただ、何ぶん国民のお持ちになっている権利でございますので、何年ぐらいが妥当であろうかということは非常に問題がございます。したがいまして、よく検討いたしますが、事務当局といたしましては、大臣の御指示もございますので、今度はできるだけ早急に処理方を関係当局に折衝を始めたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/54
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055・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) ちょっと私からも。ただいまの関東大震災等に対しまする貯金のあと始末でございますが、実は私は全く知りませんで、ほんとうに先般、委員会で聞きまして初めて知ったような状態である。そこで、事務当局に聞きましたら、法制局が反対しておってなかなかうまくいかないのだという話がございますので、そんなばかなことはないだろうということで、すぐ大蔵大臣に会って話をしましたら、いやそんなことがあったのか、こんなばかな話はないということを言っておりました。総理も言っておりますが、しかし、法制局が反対してなかなか所がきまらないと言っているが、法制局長官どうだという話をしましたら、いやそんなことございません、私も帰ってさっそく話を通しましょうということになりました。
そこで私は、きわめて重大ではありますが、しかし、四十何年たっていることでございますから、もう委員会でちょいちょいお話しになっていることでありますししますから、わが党で通信部会にもかけまして、そうして意見が一致しますれば、社会党のほうでももうそれは早くやれよという御意見ですから、あまりめんどうなことやらずに、今度のこの改正にあたりまして、何条か加えて、そうして処理したらどうだというお話もございましたが、いろいろな閣議等の関係もございますし、通信部会やその他の関係もございまして、どうも一日、二日のうちには困難だという事態になったものでありますから、そこで、この修正ということは、やはり単独法でなければあるいはいけぬだろうという説も非常に部内にございますから、次の国会には、必ず私どもの党の方針もきめてもらいまして、そうして、これは一致した意見でございますから、私ども、改正は困難でないと思いますから、次の国会では劈頭に出して解決するようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/55
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056・光村甚助
○光村甚助君 ぜひそうやっていただきたいと思います。
それから、犯罪のことで、さっき横川委員からもお聞きになったのですが、貯金犯罪というのは非常に多いし、額も大きいのですね。この間も新聞に出ておりましたが、おばあさんが貯金通帳を盗まれて郵便局で金を取った、本人は知らなかったが、監察の調査でそれが問題になったといって出ておりましたが、その場合には、どこの損害なんです。盗まれたおばあさんが郵便局へ取りに行ったのじゃないのです。どろぼうが取りに行って引き出したのですが、そういう場合の損害はだれが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/56
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057・武田功
○政府委員(武田功君) ただいまのお尋ねの事件、申しわけございませんが、私、事情を聞いておりませんので、お答えいたしかねますが、たまたま盗難にあいました通帳でございましても、印鑑照合、また、あるいは本人であるということのいろいろと確認方法は講じますけれども、正規に払い出したものでありますと、損害賠償ということはできないたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/57
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058・光村甚助
○光村甚助君 あまりこれを制限をきびしくやられると困ることもあります。それは、主人のやつを女房が取りに行った場合に出せない。しかし、六十幾つのおばあさんの預金通帳を若い人が取りに行って、これは完全にどろぼうであったのです。それは私は、郵便局は確かめる必要があると思うのです。その場合に、そのおばあさんに、郵便局は責任ないのだ、おまえが盗まれたからばかじゃないかということじゃ片づけられないと思うのですがね。本人でなければ払えないという規則になっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/58
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059・武田功
○政府委員(武田功君) 現在の取り扱いは、防犯の上から非常にきびしくやっております。ときには、あまり窓口の扱いがきつ過ぎるという御非難まであるくらいでございます。ただいま先生の御指摘のような事件も、私どもも間々聞きます。まことにお気の毒だとは思いますけれども、いまの扱いでは、その当時いろいろと窓口で質問したり、あるいは、ときには身分証明書等も提出いただくとかいうこともやりますが、かりにそれがなしに払い出してしまいますと、弁済方法はないと、結局、犯人から取り立てるということに相なるし思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/59
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060・光村甚助
○光村甚助君 貯金の犯罪は、大臣、特定局に多いのです。局長が一千万使い込んだり、あるいは局長の姉さんが千八百万使い込んだということは、大臣よくお聞きだと思うのです。それで、この犯罪を防止する上から、いつか大臣が新聞発表されたと思うのですが、特定局長とか特定局員の転勤制度、こういうものを実施すれば、この犯罪もだいぶ防げると思うのですね、この点どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/60
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061・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 特定局と犯罪の関係につきましては、私も数字をとりまして調べているのですけれども、いまお話しのようなぐあいに私は断定しかねる点もあると思います。数字の上におきましては、これはあとから資料等も見ていただいてもよろしいと思いますが、いずれにいたしましても、やはりよどみがあることが、活発な活動あるいは精神作興のできない原因もあるかもしれませんが、そういう点につきましては、今後十分検討いたしまして、そういうことのないように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/61
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062・光村甚助
○光村甚助君 最近、簡易郵便局というのが全国にたくさんできまして、取り扱い件数によって手当が出ているようですが、簡易郵便局に、村の部落の人に頼んで回って郵便貯金をしてもらい、自分の手当をよけいもらう、今度、手当をもらって済んでしまえばまた引き出す、そういうようなことをしますと、地方貯金局の手数というものは非常に繁雑だと思うのです。こういう点に貯金局の指導方法、その面で貯金局に対する定員の増というようなことは、どういう取り扱いをされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/62
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063・武田功
○政府委員(武田功君) 数多い中でございますので、たまに、そういうようなことがある、いわゆる手当かせぎと申しますか、そういう少額の預入をして、そしてまたすぐ払い出すというようなことが間々あるように私も聞いております。それはやはり貯金事業全体といたしましても、非常に不健全になりやすいことでございますし、私どもは現場に対して、いつでもやはり確実な募集ということをやらしておりますので、それを防がなければならない、こうことでございます。これは貯金局なり監察局ですぐわかります。したがいまして、そういったようないわゆる不良局につきましては、受け持ちの集配局がございますので、その局から郵政局にも報告をとるようにしております。また、当該不良局に対しましては、その報告に基づいて文書で注意をする、また、さらに監察にも連絡いたしまして、考査の際等の指導を依願しておりますが、極端な、そういうようなことをやりますところは、私どものほうは貯金関係業務の扱いをやめてもらう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/63
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064・光村甚助
○光村甚助君 それから今度、定期継続振替制度というものができるということを聞いたのですが、これは事業者側の意向も一ぺん打診されましたか、NHKあたりはだいぶこれに反対しているようですが。
それともう一つは、私が利用しているのは、銀行に一定の金を入れておいて、ガス、水道あるいは電気代というものを銀行に取りに行く、そうして、その領収書が預金者のほうへ回ってくるということになっております。そうすると、郵便局の継続振替制度というのは、電気料金がいってきたら、郵便局へ、これは幾ら払い出してくれ、あるいはガス料金がいってきたら、幾ら払い出してくれと、こう言っておくのか。前もって幾らでも、これはたとえば光村の請求書は郵便局へ行って振替から取ってくれというのか、ちょっとわからないのですが、その点をちょっとお聞かせ願いたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/64
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065・武田功
○政府委員(武田功君) この制度を今回企画いたしますにあたりまして、私どものほうも、各いろいろな事業者の、いわゆる大手筋の方の意見を求めております。そのうち、中にはぜひこれができたら利用しようというところもたまにございます。NHK関係も現在、御承知のような集金方法をとっておりますので、できたら補完的な形においてこれを使ってもいいという気持を持っていることを私どもは聞いておりますが、いまのところは、直ちにこれを使うという御希望はございません。
それから第二点の、やり方でございますが、簡単に申し上げますと、料金を払う方が口座を持ちまして、そうしてあらかじめ何がしかのやはり金を入れておいていただいて、そうして今度は事業者のほうから直接貯金局に向けて、たとえばAの方の口座から今月分幾ら振り替えてくれ、こういう通知が参ります。そうしますと、貯金局が自動的にその口座から事業者の口座に振り替えまして、そうして振り替えました額を貯金局が事業者並びにその口座の加入者にお知らせをする、こういう組織でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/65
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066・光村甚助
○光村甚助君 皆さんそわそわしておられるようだから、あまり質問すると——また、くしの歯が抜けたのですが、簡単にいたしますと、これも衆議院でも問題になったようですが、定額ですと、百円、五百円、千円とあるそうですが、あれは定額預金証書を一通つくるのに、どのくらいかかるのですか。
それから、貯金も最低が十円だということですが、貯金通帳一冊つくるのに、どのくらいかかるのか。それよりか、十円貯金というようなことじゃなくて、いまごろ十円ずつ貯金するという人はおそらくないと思うのです。これは小学校の生徒なら別ですよ。それで静は、私たちが子供の時分に切手貯金というものがあったのですが、ある一定の切手を張ると、それを今度郵便局へ持って行くと、貯金通帳に記入してくれるという制度があった。これを一ぺん一ぺん十円ずつ郵便局へ持って行って貯金するというよりか、十円切手を百円なら百円張った場合に、それを郵便局へ持って行って初めてそれぞれの貯金を記入するというようなことは考えられないですか。
百円の定額証書とか十円の貯金ということになれば、郵便局も繁雑だし、経費の回からもたいへんだと思うのですが、その点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/66
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067・武田功
○政府委員(武田功君) 一冊つくるのにどのくらい全体的な経費がかかるかというコストの問題は、ちょっとその資料を持ち合わせておりませんので、申しわけございませんが、お答え申し上げかねますけれども、ただ仰せのように、一件当たりの額なり、あるいは法定預入全額というものが小さいことは確かでございます。ただこの点は、お説のように、一件は百円、千円以上とかいうふうにするのも一つかと思いますが、やはり郵便貯金の大衆性ということ、もう一つは、いろいろこまかい端数を預入する、あるいは振り替えて、たとえば元利金を取りましたときのこまかい端数のつきました金でもって今度は定額を組ませるというような、いわゆる合併とか、あるいは振替とか、振替預入とかということがございますので、そういう際に便利なために現在残してあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/67
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068・光村甚助
○光村甚助君 最後に大臣にお聞きしておきますが、この十五日の日経の夕刊ですか、いまの簡易保険が一定額の限度で運用している金を大蔵省が全部取り上げるのだというようなことが、そういう趣旨のことが日経に出ておりました。これはゆゆしき問題だと思のうです。かえって、われわれとしては、いま貯金の運用もある程度郵政省でやったらいいじゃないかと考えているときに、大蔵省が現在郵政省でやっている保険の運用まで取り上げるのだということは、これはけしからぬ話だと思うのですが、その天体をつかんでおられますか、もしもそういうことがありましたら、大臣はどういう措置をとられようとしていますか。お聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/68
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069・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 日経にそうした記事が出ましたので、私ども驚いたわけでございますが、これはどこから、だれの手から出たのか、私どももつかんでおりません。ただ、大蔵省にこういう考え方があるらしいという抽象的な記事のようでございます。私どもとしましては、そんなことはもう絶対に、向こうで何と言いましても、できるはずがない。むしろ、今日以上に私どもはこの運用面につきまして郵政省の発言権を強くしようということこそ、考えておりますが、縮められるようなことは断じて考えておりませんから、私どもも、そういうときには徹底的に努力いたしまして、さような策に来らないように、いまから十分注意をいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/69
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070・占部秀男
○委員長(占部秀男君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/70
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071・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 速記をつけてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/71
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072・鈴木強
○鈴木強君 いま光村委員から附帯決議に対するいろいろお伺いがございました。私もずいぶんこの曲具体的にお伺いして、対策を立てていただいたのですが、一部は非常に御苦労していただいて、ありがとうございました。ただ、睡眠貯金の四百十億という御報告がありましたが、これは関東大震災当時のものは睡眠貯金に入っておりますが、そのほか、二十九条による時効消滅の分は当然国庫に入ると思うのです。ですから、まあ二十一年か二十二年——資料がありましたら、今日まで、一体、国庫に時効消滅して入っているのはどのくらいあるか。前回の法律改正のときに、そういったことの私の質問に対して御答弁いただいたのがあると思いますから。それから多少なりとも時効消滅が皆さんの努力で減っているかどうか。いろいろ周知も、新聞で出すだけで何千万円かかかるわけですね。なかなか全国で新聞に出すのもたいへんだということを、局長が私のところに来て説明しました。二千万円もかかるからたいへんだ。だから、窓口のほうに、できるだけ周知をして、自分の貯金通帳がどっかにしまい隠されて、これだけあるから、早く引き出しをもう一回改めてくださいというような、ひとつPRをやって、できるだけ時効消滅がないようにするということをお願いしておったのですが、そういう意味で、ひとつ国庫に納入をした額について、資料でけっこうですから、全部で幾らか、そのうち、最近の計数がどういうふうに動いているか、その辺の資料を知らせていただきたい。それだけをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/72
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073・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/73
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074・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより両案に対する討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。(「なし」と呼ぶ者あり)
別に御意見もないようでございますから、面案に対する討論はないものと憾めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/74
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075・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより採決に入ります。
まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/75
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076・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/76
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077・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 全会一致と認めます。よって、本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条の規定により議長に提出すべき両案の報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/77
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078・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X00919650318/78
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