1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年四月二十七日(火曜日)
午前十時五十三分開会
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委員の異動
四月二十一日
辞任 補欠選任
郡 祐一君 小林 英三君
四月二十二日
辞任 補欠選任
野田 俊作君 赤間 文三君
安井 謙君 鈴木 一司君
四月二十四日
辞任 補欠選任
赤間 文三君 野田 俊作君
小林 英三君 郡 祐一君
鈴木 一司君 安井 謙君
四月二十六日
辞任 補欠選任
久保 等君 鈴木 強君
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出席者は左のとおり。
委員長 占部 秀男君
理 事
白井 勇君
新谷寅三郎君
鈴木 恭一君
横川 正市君
委 員
植竹 春彦君
古池 信三君
郡 祐一君
寺尾 豊君
野田 俊作君
鈴木 強君
光村 甚助君
国務大臣
郵 政 大 臣 徳安 實藏君
政府委員
郵政政務次官 服部 安司君
郵政大臣官房長 淺野 賢澄君
郵政省郵務局長 長田 裕二君
郵政省電波監理
局長 宮川 岸雄君
郵政省人事局長 曾山 克巳君
事務局側
常任委員会専門
員 倉沢 岩雄君
説明員
郵政省電波監理
局無線通信部長 藤木 栄君
日本電信電話公
社総裁 米沢 滋君
日本電信電話公
社職員局次長 稲本 孝君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
関する調査(郵政事業及び電気通信事業の運営
に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/0
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001・占部秀男
○委員長(占部秀男君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
委員の異動についてお知らせいたします。
四月二十六日、久保等君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が選任せられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/1
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002・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 次に、理事の補欠互選を行ないます。
委員の異動に伴い、現在、理事 名が欠員となっております。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/2
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003・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に白井勇君を指名いたします。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/3
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004・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本法案は、去る四月二十二日、衆議院送付、本院に本付託されました。
まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。徳安郵政大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/4
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005・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
この法律案は、国際電気通信条約に付属する無線通信規則の改正に伴いまして、電波天文業務等の用に供する受信設備の運用を混信から保護すること、電波監理の実績にかんがみまして、無線従事者国家試験に関する制度の合理化及び地震、津波等、非常の場合の通信体制の整備をはかること等の必要がありますので、これらの事項につきまして所要の改正を行なおうとするものであります。
次に、その要旨を申し上げます。
改正の第一点は、受信設備の保護でありますが、これは、電波天文業務等の用に供する受信設備で一定の条件に適合しているものにつきまして、郵政大臣が指定して公示し、無線局の運用による混信その他の妨害からこれを保護することとしようとするものであります。
第二点は、無線従事者国家試験に関する制度の合理化でありますが、これは、特殊無線技士等、下位の資格の無線従事者の免許に関しまして、必ずしも国家試験の合格を要するものでないこととし、郵政大臣が郵政省令で定める基準に適合するものと認定した無線従事者の養成課程を修了した者であれば、それぞれの資格の免許を取得することができることとしようとするものであります。
第三点は、非常の場合の通信体制の整備でありますが、これは、郵政大臣は、非常の場合の無線通信の円滑な実施を確保するための体制を整備いたしますため、必要な措置を講じておかなければならないことといたしますと同時に、その体制の整備に際しましては、無線局の免許人に協力を求めることもできることとしようとするものであります。
なお、以上のほか、国際電気通信条約に付属する無線通信規則の改正等に伴いまして、若干の規定の整備をすることといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/5
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006・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 本案に対し質疑のある方は、順次、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/6
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007・白井勇
○白井勇君 ただいま御説明がありました電波法の一部を改正いたしまする要旨は、四点ばかりにあるようでありますから、私、ごく簡単に二、三の点につきまして御質問させていただきます。
まず一つは、この無線従事者国家試験の点であります。これは従来、四十条の資格別に毎年少なくとも一回郵政大臣が行なうということになっているようでありまするが、これは実際上、いままでのやり方は、どういうかっこうになって実施をされておりまするのか、最小限度年一回ですから、約十二種ぐらいあるはずですから、月一ぺんずつやっていけばそれで済んでしまうというものなのか、あるいは、そうでなしに、やはり地域的に年に何回か分けて、相当延べ数多くやっていらっしゃいますのか、その実態をちょっと御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/7
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008・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 無線従事者の国家試験の実施状況の御質問でございますが、無線従事者の国家試験には、いろいろの資格がございます。無線通信士、無線技術士、アマチュア無線士、特殊無線技士等に大体分けることができるわけでございますが、無線通信士は、定期試験と臨時試験とあるわけでございますが、定期試験につきましては、全資格につきまして年に二回ぐらいやっております。それから無線技術士につきましても、アマチュア無線技士につきましても、大体資格は全資格について二回ぐらいやっておるわけでございますが、特殊無線技士につきましては、非常に数多くやっております。郵政大臣が必要と認めるときに行なうことになっておりまして、特殊無線技士につきましては、そういうことでございますので、二百三回というものが、これが三十九年度の実績でございます。試験場所は、その場合にいろいろな地点で同時に数多く行ないますこともございますので、試験の場所といたしましては、四百五十カ所というような、これは特殊無線技士についてでございますが、そういうふうになっております。アマチュア無線技士につきましても、場所は相当やはり全国にありますので、場所は多くなっております。それから一回当たりの試験の日数でございますが、これはまあ大体短いものでは一日、多くて四日ぐらいというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/8
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009・白井勇
○白井勇君 これは、いまのお話のとおり、たとえば特殊無線技士というものが、場所として四百五十カ所ぐらいでやられるということは、やはり需要者が非常に多くて、技術者が足りないというかっこうになっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/9
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010・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 先生御指摘の点もございますが、この特殊無線技士の資格につきましては、学校等がありましてそこで大量に卒業生が出るというものでもございませんので、やはり全国に必要な場所が散在しておりまして、その場所に行って試験をしませんと、そういう人たちを特に中央まで呼んできて試験をすることも問題がございますので、現地で必要に応じてやるというたてまえをとって、なるたけ受けやすいように、受ける人がまた、あまり仕事に差しつかえないようにするというような配慮からやっておりますので、このように数もひんぱんにやりますし、また、全国的に散在してやる、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/10
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011・白井勇
○白井勇君 今度、国家試験を免除しようという範囲の、つまり、アマチュアの初級と特殊無線技士ですか、この関係は、全体ではあれですか、先ほどのお話の、去年二百三回やられたうちのどのくらいを占めるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/11
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012・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 二百三回と申しますのは、特殊無線技士だけの数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/12
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013・白井勇
○白井勇君 ああ、そうですか。
それで、初級関係はどのくらいあるのですか。アマチュアの初級です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/13
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014・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) アマチュアのほうの初級と申しますのは、電信級また電話級かと思いますが、これは電信級、電話級も、それから、もっと高度のものも同じでございますが、先ほど申しましたように、全資格につきまして、アマチュア無線技士は年二回ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/14
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015・白井勇
○白井勇君 あれですか、今度は、アマチュアの初級と特殊無線技士だけにつきまして、国家試験免除の措置を講じようというわけでありますが、ここに線を引きました理由というものは、行管の勧告もあったわけでありましょうけれども、これはどういうふうに解すればいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/15
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016・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) この二つの試験課目の実績を見ておりますというと、非常に他の無線通信士、無線技術士の試験の合格率と比較しまして格段に合格率がいいということは、結局、この程度の知識技能の程度でございますというと、その試験の前に当然これは現在でも講習ということが実際に行なわれておりまして、その講習を受講いたしまして勉強いたしますと、その知識技能の程度がそれほど高度でないということとあわせまして、非常に成績がいいということは、まあ養成を受けますれば、大体において国家試験の目的に必要な知識技能は修得している。この二つのクラスについては、そう判断してよろしいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/16
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017・白井勇
○白井勇君 従来やっていらっしゃいますおたくの試験の成績をずっと見せていただきますと、合格率というものが、無線通信士なり無線技士になりますと非常に低いんですね。これは、ほかの類似の国家試験、私よくほかのものは知りませんけれども、そういうものと比較した場合に、これは非常に合格率が低いものなのか、あるいは、ほかの国家試験等におきましても、こういう資格試験というものは、大体この程度のものなのかというその点と、もう一つは、だんだんに上のほうにいくに従って非常にむずかしいものだというふうに考えられましたところが、従来の過去五カ年間ぐらいのずっと合格率を見てみますと、無線通信士におきましても、一級及び二級が一番合格率が低いんですね。無線技術士におきましても、やはり二級が一番低い。それからアマチュア無線技士になりますというと、やはり上のほうがわりにむずかしいんですか、そういうようなかっこうになっていますがね。その点もひとつあわせて、どういう理屈のものか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/17
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018・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 確かに、無線通信士の一級、二級というようなところは、相当に合格率が低いといえば低いわけでございまするが、各種国家試験が現在行なわれているわけでございますが、たとえば電気事業主任技術者国家試験というようなものなど、あるいはその他、計量士関係、あるいは高圧ガス作業主任者関係、いろいろな試験に対しましてわれわれも一応検討しているわけでございますが、そういうものと比べまして、特にそういう無線通信士だけが特別に合格率が非常に低いというほどの数字でもない資料を得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/18
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019・白井勇
○白井勇君 それから、いまの二級関係が一番むずかしいというのは、何ですか、段階がありまして、三級から二級に上がります間は非常にむずかしいけれども、二級とってしまいますと、一級はわりあいに合格率が高くなるというのは、そういう何か一つの内容があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/19
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020・藤木栄
○説明員(藤木栄君) いままでの統計からいいますと、三級の合格率が大体一〇%内外、それから二級がそれよりちょっと低目でございますが、やはり大体一〇%内外になっておりまして、一級のほうは一五、六%から二〇%ぐらい、そういうわけでございまして、多少よくなっておりますけれども、特に先生がおっしゃったような、二級から一級が受けやすいということではないと思います。ただし、従来、郵政省令におきまして、実務経歴者に対して一部の試験課目の免除をやっておりますので、そういった関係からすれば、わりあいに受けやすいということはあるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/20
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021・白井勇
○白井勇君 ほかの類似の試験と比較しまして、あまり困難でないという局長さんのお話でありますけれども、ちょっと見ますと、非常に合格率の低いものだなという感じもするのですよ。
それから、先ほどお話のありました、今回まあ国家試験の免除をしようといいまするものを、アマチュアの初級と特殊無線技士と、これに限定したわけですけれども、先ほどお話がありましたとおりに、大体その試験の前に講習をやりまして、そうして合格率というものを過去のことを振り返ってみますと非常に高いから、その高いものは免除してもいいのじゃないかというようなお話でありますけれども、私の手元にいただきました資料で見ますと、これは特殊無線技士というものは、過去五カ年間の合格率を見ますと、七八・八%になるのですね、私が計算しますと。ところで、このアマチュアの初級になりますと、過去やはり五年間で五三・一%、正確にいいますと。しかも、これはよく見ますと、たとえば三十六年なんかを見ますと、合格率は三九・九で、約四割ですね。あとは大体五割、あるいは六割の場合もあるわけですけれども、とにかく常識的にいえば半分落ちているのですね。半分落ちているものを、とにかく、八割くらいの合格率あるものと一緒に扱って、国家試験を免除していいのだという、ちょっとそれだけの理屈ではならないように思うのですが、これはどういうふうに解釈したらいいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/21
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022・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 合格率の数字を先ほど高いと申し上げましたけれども、先生ただいま御指摘のように、特殊無線技士は大体現在七〇%から八〇%をこえるような実績が出ておりますし、それから初級のアマチュア技士の場合で見ましても、電信級、電話級につきましても、やはり六〇%程度のものが出ております。それで、それ以外の一般の無線技術通信士は、先ほど数字を申し上げませんでしたけれども、大体まあ一〇%から二〇%でございまして、やはりそこに一つの大きな違いがあると考えてよろしいかと思っております。それからアマチュアのほうの点につきまして、合格率が四〇%程度であったこともあるというふうなお話でございますけれども、このアマチュアの場合におきましても、全部講習を受けている者の合格率につきましては、もう少しよろしいかと、われわれの手元にある数字でございますと、受講者は大体六〇%以上であるというようなこともございますし、また、アマチュアの講習というものは、現在二日か三日ぐらいしかやっておりませんので、そういうようなことに対しまして、もう少しほんとうに試験にかわるものとしての講習をやれば成績もあがるのじゃないだろうかということも考えられますし、そういうようなことを考えまして、この二つのクラスだけを、講習認定という形に踏み切ったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/22
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023・白井勇
○白井勇君 いまお話がありましたけれども、ちょっと考えますと、少なくとも、いまお話しのとおり、五割こしまして六割近い合格率だということを考えましても、とにかく四割なり五割近いものは落ちているわけですね。そうしますと、今度はこれは、一定の養成課程を持ったものの講習を受けますれば、これは国家試験は免除されるわけですから、そうするというと、これは質の低下というのは、どうしても避け得ないのじゃないかと思いますが、初級関係というものは、多少これは質が落ちてみたところが、一向差しつかえないというような、これはアマチュアですから、そういう実体を備えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/23
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024・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 質が落ちていいかというようなお話もちょっとございましたけれども、われわれといたしまして、決して質が落ちていいとは考えておらないのでございますが、ただ、アマチュアの場合の電信級、電話級というのは、その使用いたします電波の性質上、国内の通信でございますし、それから特にアマチュアの場合におきましては、そのバンドの中でもって、科学技術のためのアマチュアというものの通信だけやっておりまして、周波数を他の事業通信と共用しないというようなこともございますし、そういうような点から、現在から質が落ちていいということではありませんけれども、講習によりまして現在程度のものが確保できるという見通しを持ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/24
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025・白井勇
○白井勇君 ちょっとそれを一緒にしてしまってどうかなという感じがするのですけれども、今度、郵政大臣が養成課程というものを示すわけですね、その基準を。その場合、おそらく教程とか、先生の資格であるとか、講習時間であるとかいうものがきめられるわけでありましょうが、それは一定の養成課程を持った養成機関というものは、これは一体どういうものを考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/25
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026・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 講習によりまして講習の結果を認定するわけでありますから、当然、講習機関というものはしっかりしたものでなければなりませんので、その認定の場合の基準は、相当しっかりしたものにしていきたいと考えておりますが、特に、ただいま御質問の、機関の主体でございますが、これにつきましては、やはり相当厳重な査定をしていかなければならないと思っておりますが、そのうちで特に大事なことは、営利的な機関であるというようなことでないということを前提として考えていきたいということが一点ございます。それからまた、現在、漁業関係等におきましては、漁業組合というような公共的な機関がやっておりますし、それから特殊無線技士の、そのほかの多重無線あるいはレーダー関係であるとか、そういうようなものは、当然それを使用しております電電公社あるいは警察庁でありますとか、そういうような機関にやってもらうということになるかと思っております。ただ、非常に少数の実施主体に限ってしまいますと、受講者がまた迷惑をしますから、そういうような点も考えながら、営利的な目的でない、そして、しかも公共的なものであって、しっかりしたもの、しかも、できるだけ全国的な形がとり得るようなもの、これから十分養成も——養成といいますか、そういうものの育成も考えなければなりませんが、現在、そういうようなものもすでに講習として存在しておりますので、そういうようなものを利用しながらやっていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/26
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027・白井勇
○白井勇君 いま例を引かれましたが、たとえば漁業関係の場合、これはあれですか、地方の単位漁業組合みたいなものが主体に実際なれるのですか。あるいは県漁連というようなものが主体になるのですか、それはどうなるのですか。申し込みさえすれば、一応養成課程について不十分な点がないとすれば、主体は単位漁業組合であろうが、あるいは県の連合会であろうが、その点は一向おかまいなしに、どれでもやれるということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/27
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028・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 個々の漁業組合におきましても、その規模が大きくてしっかりしておれば認めていきたいという考えは持っておりまするが、できれば、それが県で統一された団体ということになっていけばいくほど、しっかりした責任のある団体であるということが言えるかと思いますので、個々のものではいけないというふうには考えておりませんが、できれば、県とかあるいはもっと大きな組織というふうなようにしたほうがいいんじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/28
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029・白井勇
○白井勇君 これは私の意見になりますけれども、やはり申請します場合に、おたくの大臣の示します養成課程に達するものを出しましても、あとだんだん低下していくということにもなりましょうし、これは、こういうやはり国家試験というようなものを肩がわりするような場合は、たとえば、いま同じお話のありました漁業組合の例を引きますれば、やはりそれの全国機関である全漁連というようなものもあるわけでありまするし、試験をする、講習をやる主体というものは、やはり全国機関がありますれば、できるだけそういうものに責任を持たしてやって、そして実際、地元においては、県漁連なり、あるいは単位漁業組合という場合もありましょうしね、しかし、どこまでもやはり責任主体というものは、全国を区域とする団体、そういうようなものに責任を持たせるかっこうがいいのじゃなかろうかというふうに私は思いますね。これは何も漁業関係に限ったことではありませんけれども、いずれの場合でもそういうものはあり得る。そういう方向でいきますれば、やはりそれに相当したようなものが順次育成をされてくるんじゃなかろうかという感じを持つのですが、まあ、これは私の意見です。
去年いろいろ試験の問題につきまして問題の出たことがありましたが、あれはこの資格で言いますというと、無線通信士関係ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/29
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030・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) あれは新聞紙上をにぎわした問題かと思いますが、航空級とか、あるいは無線通信士、そういったものの問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/30
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031・白井勇
○白井勇君 あれにつきましては、ああいうことのないようなふうに、どういう措置をとられておるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/31
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032・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) あの問題につきましては、出題、それから採点の基準、それと採点というようなことにつきまして、いままでよりももっと完全にしたほうがいいという点は、全部、いろいろと完全なものにいたしたのでございます。と同時に、地方に移管してあったようなものにつきましても、航空の通信士関係の試験等につきましては、これは本省の責任において出題をするというようなこと、それから採点等につきましても、上位者をもって充てるというようなこと、それから、こまかい点では、試験の答案用紙の形式の問題等にまで配慮をいたしまして、ああいうような問題の漏洩というようなことのないように、万般の措置をしてきているような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/32
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033・白井勇
○白井勇君 今度の国家試験免除に伴いまして、行政事務的には非常に大幅な改正なり、合理化されるといいますか、合理化されるというわけですが、従来の、先ほどお話あったような試験の回数と比較してみますというと、どういうかっこうに合理化されるわけですか。従来の試験は試験でやっぱりあるわけですね。それに今度は一応、一定の教育課程を経た者は、それは試験免除ということになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/33
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034・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) この講習認定が行なわれましても、それだけがこの資格を得る道というわけではございませんで、それを受けなくても、国家試験だけによって資格認定をするという道は残しておきたいと思っております。その回数は当然少なくなるかと思います。仕事のしかたといたしましては、従来、先ほど申しました二百三回、四百五十カ所というような、非常に数の多いところへ試験の問題を持っていきまして、そして実際に試験をして、そして持って帰ってくる。しかも、その場合に、全国的に問題の漏洩といいますか、同一問題を一日か二日のうちに試験をしなければならないというようなことで、非常にいろいろ事務的な繁雑な配慮をしておったわけでございますが、今度は、講習会そのものの認定業務というその仕事はふえますけれども、実際の非常に回数の多い、しかも、厳正にやらなければならない国家試験の業務ということ自体からは、その煩瑣なこと——煩瑣と言ってはこれは申しわけないことかもしれませんけれども、その点におきましますが、今度は、講習会そのものの認定業務というその仕事はふえますけれども、実際の非常に回て、いままでよりも合理化ができるかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/34
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035・白井勇
○白井勇君 さっきお話しになったとおり、たとえば特殊無線技士の場合は二百三回、四百五十カ所もやるというようなことがなくなってくるわけですね。したがって、事務から言いますというと、その何分の一かに減っちまうわけでしょう。そう極端には減らないわけですか、このことによって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/35
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036・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) この試験関係につきましては、相当事務量が減るかというふうに考えております。その余剰は、高級的な無線通信士、無線技士等の試験の厳正な施行ということになるかとも思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/36
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037・白井勇
○白井勇君 おたくでいままで無線従事者の免許を与えておりますもの、大体三十万余りあるようですが、これは免許を与えれば与えっぱなして、あとは途中で、いまのことばで言いますれば再教育をやるというか、というような措置とか、あるいは非常にいろんな面におきまして功労のあった者については、やっぱり免許を与えた者に対しまして表彰でもやるとかなんとかいうような、そういう措置というものは従来とられているのですか、とられていないのですか。全然ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/37
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038・藤木栄
○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。
特にそういった措置はとっておりません。ただし、先ほど申し上げましたけれども、たとえば二級の通信士で、実務に一定の期間ついておれば、一級の資格を受けるときに、ある程度の試験の免除があるということはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/38
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039・白井勇
○白井勇君 それから、試験を全然受けないで、いわゆる何年間か実績を積みましてこういうことに従事をした者については、そのうちのどれかの資格を与えるというような、そういう制度というものは従来考えられなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/39
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040・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 現在の日本の国家試験を通じまして、全体的な考え方として、あくまで国家試験というものを受けまして、そうして資格を得るということになっておりまするが、この無線通信士技術関係におきましても、単なる実績だけでもって資格を得るというようなことは、現在は全然行なわれておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/40
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041・白井勇
○白井勇君 それから、改正のもう一点の、「電波天文業務等の用に供する受信設備」中の郵政大臣が指定をいたしまするものの混信防止、これは実際、いま日本におきましてこういう設備というものがあまり多くないようでありまするけれども、それはどういうものがありますものか。それから、「電波天文業務等」の「等」というものは、どういうようなものが入るのか、あるいは、いままでありまするもので、そのいわゆる混信防止等、その他の妨害をこうむっておるという実態にある場所が実際あるものかどうか、それをひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/41
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042・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 電波天文業務は、現在、日本では六カ所で行なわれておりまして、東京大学の東京天文台、名古屋大学の空電研究所、京都大学の宇宙物理教室、新潟大学、国立科学博物館、電波研究所の平磯の観測所というようなところで行なわれておるわけでございます。電波天文業務というものはまだ歴史がそう深くないので、必ずしもこれら全部が活発な活動を現在しているかどうかにつきましては、今後のむしろ問題かと考えております。
それから「電波天文業務等」ということの「等」の御質問でございまするが、これは気象衛星の業務であるとか、あるいは宇宙通信関係の業務であるとか、あるいはまた、特別な科学技術の研究のための業務であるとか、そういうようなもの、そのほか、人工衛星関係の受信だけの設備、しかも、それが非常に弱い電波を受けるということのために、どうしても特別に保護しなければならない、大体以上のようなものが考えられるのでございます。それらを「等」という字で書いております。
それから、現在こういうものが混信を受けているかどうかということでございますけれども、現在のところでは、電波天文業務が直接にその周辺の電波、あるいは遠くでも妨害を受けるおそれはあるわけでございますが、現在のところ、そういう実際そこまで被害をこうむっているというところまではまだきておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/42
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043・白井勇
○白井勇君 こまかいことですが、混信のほかに、その他の妨害ということはどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/43
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044・藤木栄
○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。
その他の妨害と申しますのは、いわゆる人工雑音、人工的な電波雑音というものがございまして、たとえば、先ほどの東京の三鷹の天文台あたりは、わりあい周辺に住宅が建っておりまして、そういうものから人工的な雑音が相当あるというようなこともございます。そういったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/44
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045・白井勇
○白井勇君 その次の点は、改正の「非常の場合の通信体制の整備」という点ですね。これは従来、郵政省というものは、この非常の場合の無線通信の整備ということにつきましては、この法律の七十四条でしたかなんかを中心としまして、どういうことを従来やっていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/45
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046・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 非常の場合におきまする無線通信の計画というようなものは、やはりふだんからこれをつくっておかなければなりませんし、また、この通信訓練というようなものもできればやらなければならないことでございます。法律によりまして、そういうことを非常の場合において命令によって無線通信を行なわせることができますけれども、ただいまのようなふだんからの計画訓練ということがむしろ大事でございますので、そういう点につきましては、従来は関係の無線局、これは運輸省、建設省、法務省、警察庁、海上保安庁、気象庁、国有鉄道、日本電信電話公社、放送協会、それから日本アマチュア無線連盟、各電力会社、考えられますところの無線局の免許人、そういう方にお願いをいたしまして、非常無線通信協議会という団体をつくっております、そこへ協力をお願いいたしまして、、そうして、ただいま申しましたような関係の団体の方においでをいただきまして、あらかじめ、そういう計画を練って、そして感度がどのくらいあるかというようなことの、実験というようなこともやりまして、まあ、非常の場合におきますところの法律の発動に備えているのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/46
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047・白井勇
○白井勇君 それは今度何といいますか、七十四条の二を設けまして、法律的な裏づけをしようということであると思うのですが、この中にありまする「その他の必要な措置」というのは、どういうものをいま予想しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/47
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048・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) まあ、言うならば通信系の設定というようなこと、それから、先ほど申しました感度の把握というようなことなどを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/48
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049・白井勇
○白井勇君 それから2の「免許人の協力」ということばがありますが、その「協力」というのはどういうことなんですか。われわれ選挙で、お願いします、御協力願います、これも協力であり、慈善なべで、御協力願いますという、金をなべに入れてもらうのも協力になるのですが、この場合の「協力」というのは、どういうようなことを考えていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/49
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050・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) 現在やっております非常無線通信協議会の内容の仕事に率先協力してもらいまして、ただいま申しましたような通信の無線局の選び方であるとか、そのほか、通信系の設定であるとか、そういうようなことにつきまして、それぞれの免許人がデータを持って、自分のところは大体こういうことができる、自分のところからあすこにこういう通信系を設定することができるというようなことなどを十分協議してもらいまして、いわば積極的な参加という立場でもってそういう協議をしてもらう、そういういわゆる計画を立てておくというような、そういう意味の協力でございます。非常に実質的な協力でございまして、ただ金を出すとかなんとかいうようなことでない、もっと実体的な協力のことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/50
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051・白井勇
○白井勇君 今度できました第七十四条の二というのは、郵政大臣に課せられた何といいますか責任というものは非常に大きいものだと思うのですね。そういうことで、非常の場合における通信計画の作成とか通信訓練の実施とか、いまお話しのような、その他の必要な措置を講じておかなければならないということなんですが、これはさて具体的にはどういうことなんでしょうかね。いろいろな考えられる災害ごとに、災害の結果的には同じ姿であらわれるかもしれませんけれども、国全体じゃなしに、地域的にやるものなのか、府県別にやるものなのか、何といいますか、もっと詳しく言えば、町村別、あるいは山の奥あたりまでも、ずっと何か計画を全部郵政大臣はあらかじめ立てておかなければならぬ、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/51
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052・藤木栄
○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。
現在、先ほど申し上げました非常無線通信協議会自体におきましても、すでに全国的な非常事態の通信計画、あるいは地方に電波監理局ございますけれども、地方の電波監理局単位の計画、さらにこまかくは府県別の計画、そういった詳細な計画を全部網羅して熟知いたしまして、それに必要な通信の訓練その他を実施いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/52
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053・白井勇
○白井勇君 まあ、われわれはいろいろ現場に行きますと、豪雪とか、通信だけで非常にみんな助かっているわけですね。そうすると、ああいう場合、相当僻地のところにも、何かあらかじめ計画がなければいかないものだと思うのですが、地方の電波監理局において、そういう山の中までも、非常事態においてはかちっとこういうかっこうになるのだというようなことを、郵政大臣の命によって具体的には全部きめておかなければならぬということなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/53
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054・藤木栄
○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。
現在もそういうふうにやっておりまして、ただし、これはあくまでも無線通信の範疇でございますので、無線局がないところはそういうふうにいきませんので、無線局があるところは地方の監理局で十分に把握しておりますので、それとの間の非常無線の計画というものは十分に樹立いたしておるような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/54
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055・白井勇
○白井勇君 従来ありました、関係者の協議会ですね、非常無線通信協議会という任意団体があって、それで、先ほどのお話のとおり、一つの準備行為をやっておられるということですが、今度、この法律改正に伴って、これは何か、あれですか、郵政省の一つの正式な、かりに法的の根拠ないものにせよ、何かそれに準ずるような強力な協議会に編成がえをするということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/55
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056・宮川岸雄
○政府委員(宮川岸雄君) まあ現在の非常無線通信協議会に免許人の協力を求める場合の根拠が、法律に今度、もとができたということでございまして、ただいま申しましたような関係公共機関の団体が主でございますので、そういう方たちに集まっていただいて、何か一つのここに新しい組織をつくるというような、そういうことを当面は考えているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/56
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057・白井勇
○白井勇君 そうしますと、この従来ありまする任意機関である協議会の運用をしようということは、これはそう金がかからないということなんでしょうが、たとえば四十年度は四百万円くらいですか、何か特別の予算を組んでいるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/57
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058・藤木栄
○説明員(藤木栄君) 大蔵省の予算としましては、大体四、五百万円見当でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/58
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059・白井勇
○白井勇君 それで十分、あれですか、そういう大事な仕事をやるのにうまくいくということになっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/59
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060・藤木栄
○説明員(藤木栄君) お答え申し上げます。
従来は十分ではございませんで、こういった法律に根拠を置かしていただけますと、さらに強力に予算の獲得もできるかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/60
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061・白井勇
○白井勇君 そうしますとね、これは三十六年の四月なんですかな、行管の勧告がありましたね。それを読んでみますと、「非常通信の万全を期するためには運営費の予算化、」ですね。
〔委員長退席、理事鈴木恭一君着席〕
これは協議会のことを言っているのですね。そのちょっと前から読みますと、「非常無線通信協議会の過去における実績はみるべきものがあるが、非常通信の万全を期するためには運営費の予算化、」です。予算化せいということを言っていますね。「可及的広範囲の参加要請関係機関相互の連絡体制の整備等協議会の強化をはかるとともに、」ということで、とにかく協議会というものを、予算もつければいいし、関係者もうんと集めて強力なものにしなければいかぬじゃないかということを言っているようですね。そうして、「電波法第五十二条のみに依存することなく、同法第七十四条を活用しうる体制の整備についても努力する必要がある。」という、まあ勧告が出されているわけですね。その結果かと思うのですが、七十四条の二というものが入ったということで、これにこたえることになろうかと思うのですけれども、せっかく七十四条の二というものを置くのですから、やはり従来の協議会というようなものをもう少し法的裏づけをしますとか、あるいはもう少しここに、行管の指摘のとおりですよ、予算化をやるとか何かしないというと、これはたいした働きを——私は、何か今度できましたのは、七十四条の二というものは、郵政大臣にしましては、これはたいへんな責任だと思うのですが、これは「講じておかなければならない。」と、こういうのですからね。それをただいいかげんな任意団体に、現場の監理局長さんが中心になって、協議会の委員長になっていくというような、従来の運用のしかたで、はたしてそういうものができるかどうかですね。行管からこういう勧告をもらったわけでありますが、このあたり、どうなんですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/61
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062・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 従来、電波局のほうでも予算の編成にあたりまして、こうした、従来、自主的に向こうの費用で非常事態に対しては協力してもらうようなことを指導しておったようでありますけれども、しかし、こういうことではいかぬということで、予算化につきましても骨折っておったようでありますが、なかなか大蔵省認めるところまでに至らなかったようであります。そこで、いままではたいした大きな非常事態もありませんで、局部的なものでありましたから、それでどうにか役に立っておったかと思いますが、しかし、将来はそういうことに甘んじ得ないような事態も出てくることも考えなきゃなりませんので、そこで、法的な根拠をここで持たせるという考え方にいまなったわけであります。
そうしますと、それぞれ予算措置はどうなのかということでございまして、衆議院におきましても、この点を強く質疑がございまして、郵政省のほうでは、こうしたものを実際やれば、大蔵省もまさかいやだとは言えないだろう、もっと理解してくれるだろうという考え方で、まあこういうものをつくったように思いますが、しかし、これはまあ明年度以降のことでございまして、じゃあ、さしあたってはどうするかという問題も出るわけであります。これにつきましては、本法が通りましたら、ひとつ大蔵省とも相談いたしまして、そうして予備費との関係もございますから、非常事態に関する問題につきましては話し合いできるんではなかろうか、また、それをやるべきだという御意見が衆議院でもございました。お説ごもっともだと考えますので、そういう方針で今後善処してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/62
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063・白井勇
○白井勇君 最後に私からもお願いしておきますけれども、先ほどから申しましたように、いま私たち豪雪とか、いろんな災害を見ますと、やはり通信がとれるかとれないか、それだけでもたいへんな安心感を与えるのですね。まあ、せっかくこういうふうに七十四条の二というものを新たに入れたのですから、やはりそれをうまく運用できるような協議会の体制というものが、これは法律によって設立するものがいいのか、あるいはそうじゃなしに、あるいは省令か何かでできるかもしれませんが、やはりあれをひとつ強力なものにしていって、そうして、それに関連をして予算をとるというようなことを考えないと、私はこれは、せっかく法律ができましても、十分な運用ができないんじゃないかと思いますから、これは十分ひとつお考えおき願いたいと思います。
以上で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/63
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064・鈴木恭一
○理事(鈴木恭一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/64
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065・鈴木恭一
○理事(鈴木恭一君) 速記をつけて。
本案については、本日はこの程度といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/65
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066・鈴木恭一
○理事(鈴木恭一君) 郵政事業及び電気通信群業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
郵政聖業及び電気通信事業の運営に関する件について、御質疑のある方は、順次、御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/66
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067・横川正市
○横川正市君 先般の委員会で、私のほうから強く要望をいたしておきました件で引き続いて質問をいたしたいと思うのでありますが、これは速記を見ていただければ、よくわかるわけでありまして、春闘の組合側からの要求を解決するということについて、大臣としては一そうの努力をいたしたいということを言われておったのでありますが、問題解決の一つの方法として、しかも重要な要素として、少なくとも組合側との、それから組合の代表者との間に政治責任が伴うであろうと思われる約束。ことが行なわれておるわけであります。その約束ごとというのは、社会党の労働局長の野々山君と、国対副委員長の下平代議士と、それから官房長官との間に、政府は調停段階において事態を解決をすると、これに努力をするという、そういう約束ごとが行なわれているわけであります。これは十九日ですね。そういう約束ごとがあるにもかかわらず、現在はどうなっているかといいますと、まず第一段階で、五百円ないしは五百円何がしかの金額を示したきり、今日の段階では何らの意思表示をされておらない。第一の質問は、前回の逓信委員会で私が、紛争を解決する最も重要なかぎとして、これらの解決の努力は、やはり要求に対して誠意を持った回答を出すことである。それについてはぜひ努力をしたいという約束をされておりました。前段では、少なくとも政治責任の伴われるような約束ごとがあり、その後において事態の紛糾は異常に高まりつつあるのに、一向に解決のための誠意ある態度というものが見受けられないのは、これは私どもとしては非常に心外なわけであります。そういう点から、一体、前回の大臣答弁からどういう努力をされてきたのか、この点をまずひとつお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/67
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068・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 春闘の問題につきましては、ひとり郵政関係ばかりではございませんので、三公社五現業の問題でもございます。また、政府の統一した一つの大きな責任のあることでございます。それで、私どもは政府の一員としての立場と、それから三公社五現業の一部を分担しておりまする役所のたてまえから、二重な責任があるわけであります。政府関係の統一した関係につきましては、労働大臣が主役になりまして、そして官房長官、大蔵大臣等がこれに加わって審議されておるわけであります。私どもはそうした機関につきましては、郵政大臣としての立場から、強くただいまのおっしゃる件につきましては意見を申し上げてございます。そうして、従来のような、ただ一回限りの回答というものでなくて、すでに続いて回答するような話し合いもしておられるそうでありますから、すみやかにそういう方向へ進んでほしい、前進してほしいということを数回にわたりまして努力いたしておるわけであります。たぶん、もうこの時間で、あるいは政府のほうの見解を発表しておるのじゃないかと思いますが、先ほどの閣議におきまして、労働大臣から発言を求められまして、最終的に調停委員会に対して次の意見を表明するということで了解をしてほしいという話がございました。それは、公労法適用職員の四十年度の基準内給与について、定期昇給並びにすでに回答した金額を含めて六・五%の改変を行ないたい、
〔理事鈴木恭一君退席、委員長着席〕
定期昇給は、俸給及び暫定手当に対して四・五%とする、こういう意味のことを本日は回答したいということの了解のお話がございます。私としましても、個人的にはいろいろ意見ございますけれども、政府として統一された見解でございますので、一応これに従って今後も善処してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/68
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069・横川正市
○横川正市君 私は、紛争を解決する一つの努力の方向としての時期は、これは電電公社の場合も、それから郵政の場合も、言ってみますと、事業官庁ですから、一般の大きな影響力を持つ仕事を担当しているそういう責任の地位にある人は、労働大臣が大体当面の責任者だからということで、それに話をする、それに強く意見を出す。出したということでは、これはのがれられないものがあるのじゃないかと思うのです。政府全体の問題だけれども、その全体の中の主たる役割りを示すのは関係大臣であります。ですから、関係大臣ということになれば、郵政大臣の持っております責任というのは非常に大きいわけですね。なぜならば、国労は運輸大臣、それから郵政大臣は郵政、それから電電公社、こういう少なくとも五十万以上の職員の関係を担当いたしておりますし、そのやっている仕事は、御案内のように、非常に公衆に多くの影響力を持つ仕事なんであります。私は、この二度にわたって電電公社は実力行使が行なわれ、それから郵政は一度実力行使が行なわれ、そういう段階で、その前に問題を提起する誠意というものはあってしかるべきじゃないか。それをおくらせた理由というのはどこにあるのか、それをひとつ明確にしていただきたいと思うのです。なぜならば、今日の段階で、額はともかくとして、二次回答をするというのならば、これは三日なり五日なり早く政府の態度というものを表明できた段階だと思いますね。なぜ、その実力行使が行なわれたあとに、こういうような一つの解決に対する努力といいますか、そういったものが表明されなければならなかったのか、その間の事情をひとつ明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/69
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070・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 先ほど申し上げましたように、私ども郵政省は郵政省なりの考えもありますし、電電はまた電電公社としての立場もございましょうし、意見もあるでしょうが、私どももそれ相当ないろいろな意見をまとめまして、現段階におきましては、関係次官会議等におきましても、私どもの考え方を強く述べ、また、閣僚関係におきましては、私どもみずから、そういう点につきましては、数回にわたって意見を述べてございます。しかし、結論は、やはり政府の統一したものにしなくちゃいかぬという考え方から、労務関係につきましては労働大臣が中心になり、まあ金のこともございますから、大蔵大臣がこれに加わるというようなことで、話し合いを進めておったわけであります。その間に、労働大臣もしばしば私どもにも意見を言われますし、私どもも強く意見を述べておりました。そこに、政府部内の意見の調整が少し長引いて、そうして、いまお話しのような時限において発表することができなかったということではないかと思います。私も、非公式にも、公式にも、ちょいちょい、そうした意見の調整につきましての話も承りましたが、しかし、これは政府部内の話し合いのことでございますから、一々批評することはいかがかと思いますが、やはり部内にいろいろな意見の対立もございまして、その調整に手間どったということではないかと思います。
きょう労働大臣の話では、今朝、いま申し上げましたような、その関係者によってこうした回答をすることの案ができましたという報告でございましたので、一応私どももこの段階においてこれを了承せざるを得ない立場に置かれておるわけでございますが、その間における労働省あるいは大蔵省等との折衝等の内容につきましては、詳しくは、毎日毎日の会合に出ておるわけでもございませんし、断片的に話を聞き、さらにまた、私ども強くこれに意見を述べておったという段階でございますから、御満足のいくような、経緯に対する答弁はできないと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、やはり政府といたしましては、統一した見解を定めるべく、最善の努力をされた、しかし、それが非常に手間どったということではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/70
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071・横川正市
○横川正市君 私は非常に遺憾に思うことは、たまたま労働大臣が、どこの席かわかりませんけれども、これは新聞記者諸君の立ち会いの場所であったと思いますが、電電公社については、相当額のスト資金を積んでおり、全逓も相当額のストライキ資金を積んでおるから、これを使わせて、そうして、からになってからでなければ話し合いというものはうまくいかないでしょう、こういうことを放言しているわけですね。言ってみますと、あなたのまかせている労働大臣は、労働行政上の問題では、あるいは自民党の一つの代表意見としてそういうものはあるかもわかりませんが、私は、事業官庁の長は、そういう労働大臣の意思に動かされて、実力行使というものが矢つぎばやに行なわれてからでなければ第二次回答ができなかった、これは大臣、どういうふうにお考えになりますか。
〔委員長退席、理事鈴木恭一君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/71
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072・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 私はさようにも考えておりませんし、また、そういうことは邪道だと考えております。したがって、労働大臣がそういうことを言われたかどうかにつきましては、つまびらかにしておりませんが、たぶん、それも何か聞き違いではないかというふうに思うんでして、そういう卑屈な考え方で労働行政を行なっておるものとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/72
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073・横川正市
○横川正市君 この考える考えないという問題でなくて、これは新聞にも載っておりますし、記者が明確にその点をとらえて報道しておるわけですから、間違いだということではないわけですね。
ただ、私の強く言いたいのは、政府一般のことは労働大臣が問題を解決する、そういう責任の衝にあるから、郵政大臣は労働大臣の意見を聞かれ、ないしは意見を言いながら、ものごとを解決するんだという、そういう機構上のことについては、別に私は触れておらないんです。ただ、その紛争の段階におけるものの解決のしかたとしては、これは郵政大臣に解決をするべき責任と義務と、それだけの力があるんだというふうに私ども判断をするわけです。なぜなら、本会議の席上で、野上君の質問にあなたは答えられて、当事者能力については、これは明確にあるという答弁をされておるわけですね。私は、この当事者能力というものは、電電公社が五百円を出したことは何かとんでもない努力で、いままではゼロだったのを五百円出したのだから、おれたちの誠意というものは、これは認めてくれなければいかぬと、いろいろな新聞で総裁が言っておりますけれども、五百円が当事者能力でそれで誠意かというと、これはだれもがそうとっておらないのです。やはり郵政大臣なり電電公社の総裁なりが組合側と話しをして解決をされた時点が、片やにおいては、公衆に迷惑をかけない時期であり、一方においては、雇用者であるところの郵政や電電公社が、組合に対して納得のいく形で問題が解決したとき、これがやはり当事者能力だと思う。解決のつかないものが当事者能力ではないと私は思うんですね。
そこで、そういう当事者能力というものを持っておられる郵政大臣としての努力としては、私はこれは明確に言って、時期は失しておるし、それから事実上の努力というものは足りなかったと判断をするのです。大臣としては、いま、いまの春闘の状況からいって、たとえば三十日に全逓が二波をかまえ、全電通は三波をかまえる、そういう段階でこの問題をどういうふうに解決されようとしておりますか。努力の一つの方向として、まあ、たとえば、いま労働大臣が六・五%を出した、いま金額はどのくらいになるのですか、実際には。おそらく、私ども聞いておるところでは、すでに出された五百円ないしこれに該当する金額プラス定期昇給、そうして、そのプラス何がしというものは、非常に少ない金額だと聞いておるのですが、実際上はどのくらいの金額になるのですか。そうして、それは一体、問題を解決するのに、それだけのものがあったら解決するという考えですか。どういうお考えですか。それをあわせて答えてください。
〔理事鈴木恭一君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/73
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074・曾山克巳
○政府委員(曾山克巳君) ただいま先生御指摘になりましたように、すでにきょうの午前中に公労委のほうに回答——私どもの省の意見として表明しようとしておりますところの私どもの態度は、御指摘になりましたように、従来の定期昇給及びすでに回答いたしました結果、全逓につきましては五百二十円でございますが、それを足しましたものと六・五%との差になるわけでございます。数字の問題につきましては、いろいろと計算しておるところでございますが、大ざっぱに申し上げまして約百円になろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/74
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075・横川正市
○横川正市君 大臣はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/75
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076・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 先ほど当事者能力の問題につきまして御質問があったわけでありますが、私は、当事者能力が現段階におきまして制約は受けておりますが、団体交渉をする当事者としては、私以外には一応は郵政省関係にはないわけでありますから、その意味におきましても、やはり結局でき得る限り、制約をされている範囲での能力はあるという考え方でありまして、すべて普通の企業体のようなぐあいに収支ともその企業の責任においてなし得るような体制に置かれていない関係から、やはり支出権という問題もございますれば、あるいはまた、収入の点につきましても、これを決定するのには、国会の承認を得なければならないという問題もございますので、そうしたような大きな制約をかぶせられている範囲内においての能力であるということは、だれがこの地位につきましても、いまの法律がある限りは、私はやむを得ないと思います。ですから、完全なものではもちろんございませんが、しかし、当該者ではあるし、団体交渉の相手方でございますから、完全な能力はもちろんあり得るはずはございません、いまの法のたてまえからしまして。が、しかし、制約を受けておりますが、能力はあるのだという考え方で従来とも政府の見解を統一してお話ししているわけであります。
いまの、なぜ、それならば、もう少し早くしないかというような問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、政府部内の意見を統一いたしますのにも、いろいろな賛否両論があり、硬軟がございまして、そうして非常に手間どったということが一つの大きな原因であります。むしろ私は、労働大臣の肩を持つわけじゃありませんが、労働大臣は一日もすみやかに、その金額の多い少ないは別問題といたしまして、第二次回答を出すべきだという考え方で、私どももその考え方で常に連絡をとりながら話し合いを続けてまいっております。決して組合の金をあるだけ使わして、くたびれたときにやろうというような考えは、私は労働大臣にはまあなかったではないかと思います。顔を見るたんびに、早くやろうじゃないか、君のほうも事務的にもどんどんひとつ話をしてくれ、私のほうもやるからということで、話し合いをしながら、事務的には事務的、政治的には政治的な高い立場において話し合いを進めておった経緯等から考えまして、そういうことはおそらくないではないかと私は思います。しかし、金のことでございますので、ただ私どもだけで、あるいは労働大臣だけですべてが解決し得る問題でございません。あらゆる面において了解があり、また協議をしなくちゃならぬ点がございまして、その協議等について非常に手間をとったということが一番大きな原因でございます。
じゃあ、私どもにはその責任がつとまっておるかというお話でございますが、個々の意見を申しますればいろいろございますが、これは今日の段階において、私どもがあれこれ申すべき筋合いではございませんので、ただ政府の一員としましては、あとう限りの努力をしておるつもりでございますが、しかし、それが満足であるか不満足であるかという点につきましては、また別の角度で考えるべきことでございまして、今日、政府が統一見解を定め、そして回答をいたしました以上は、まず一応それに乗りまして、そして最善の今後努力を続けたいと、かように考えておるわけであります。決してこれをおくらしたことを私ども望んでおったわけでもございませんし、また、できることなら、せんだってのストのようなことも避けることが必要であるし、また避けるべきであったと、かように考えております。また、今後におきましても、何とか三十日のスト並びにこれに類するような行為がないように、できるだけひとつ話し合いを進めて努力いたしたいものだという気持ちには、いささかも変わりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/76
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077・横川正市
○横川正市君 大臣、私どもはここで意見のやりとりをして、それが全然空転するようなやりとりならば、これはやらないほうが私はいいと思います。そこで、一番重要なポイントは、いま政府で考えております昇給に対しての回答案——従来これは定期昇給というのは別の性格を持っておりますから、経済情勢の変転に伴うところの賃金要求について、定期昇給を含めて幾らというような回答をしたのは、私は例がないんじゃないかと思うんですがね。ただ計算上としては、定期昇給というのは、たとえば私鉄が賃上げをした、定期昇給を含めて幾ら、公務員が幾ら上がったから、実は定期昇給が幾らあるから幾らになるんだというような、あとの話は私どももたびたび聞くことがあるんですが、いままで公務員関係のベースの改定その他については、こういうやり方というのはないんですね。たとえば予算上、定期昇給原資として何点何%組み込んでおく。それはあなたのほうが雇用をされたときの雇用条件の中に、何カ月したらあなたに幾ら昇給してあげますよ、初任給は幾らですよ、こういうことで一定の年限をきめられたものが、勤続すると自然と上がっていくわけなんです。しかし、普通、社会情勢は、あなたのほうと雇われたものとの雇用条件というものは変わっていく。ベースの改定ではなしに、賃金の引き上げというのは一般の経済情勢の変化から来る、いわゆる雇用者として当然働いてもらうためには、特別にこれだけのものをやらなければいけないというところに、賃金の要求と賃金の解決に対するあなたの回答があるわけなんです。だから、定期昇給を含めまして六・五%ですという見せかけは、これは大体問題の解決に対する本質のとらえ方が間違っていると思うんです。いままでこういうことはないんです、実際上。私も何回かこういう問題にタッチしてきましたけれども、上がったものは、やはりたとえば二千円上がった、定期昇給含めると二千七百円だと、こういうようなことをわれわれは言ってきたわけですから、もののとらえ方として今度の出し方も、まず私は、これは不満なんです。
それからもう一つは、大臣の努力をするということは、少なくとも組合側が要求として七千五百円要求しているわけですね。この七千五百円がまるまるかりに出せないというにしても、去年は池田さんとそれから総評の幹部とが会ってストライキを回避する努力をしたんです。これは何回か現職の大臣は警告もしました。しかし、とどのつまりは、総理大臣と総評との幹部の間で話をして、何項目かの約束ごとをしてストライキを回避して問題を解決したんです。ことしは、のんべんだらりと実力行使をやらせておいて、そして陰では言ったか言わないか大臣わからぬと言いますけれども、明確に言っているのは、努力しようとする、その努力がないんですね、政府の中に。こういう状態というものを、実は郵政大臣という五十万以上の人を雇っている立場に立つ現職の大臣としては、私は、これは解決に努力をしておらぬ、こういうふうに言われてもしかたがないんじゃないかと思うんですがね。一体、いま百円プラスいたしましたと人事局長は言うんですが、百円プラスしたということが、現状を解決する額ですか。百円という金は、いまどれだけの価のものになっていますか。電電公社の笠原委員長が、タマネギ三個とか二個とかいうことをこの間新聞に出していましたが、そういう情勢にはないというのが、いまの郵政に働いている者、電電公社に働いている者の労働者の実感じゃないですか。そして、よって起こる日常業務の正常化がこれができてこない。こういうふうに業務にはね返ってくる責任というのは、今度はこれは一体だれがとるのですか。私は、そういう問題をからめて、あなたも何回か警告の中には、正常業務をしなさい、私も一生懸命努力している、こういうふうに言っておりますが、この額で一体、あなたの警告だとか、訓示だとか、あるいは職員に対するいろんな約束だとか、これを果たしたと、こう思われておるとは私は思わないんですね。そういうものが果たされないで、今度は片方には、実力行使をやると処分する、これだけは一〇〇%当事者能力を発揮する。あなたもこの間どこかで談話を発表しておりましたが、談話を見ても、立場としてはつらかろうと思うんです。しかし、金は出すということは一言も触れないでおいて、処分するだけは厳重処分、解雇を含めて厳重処分と言っているわけですがね。私は、当事者能力というものは、処分にだけあるのでなくて、金を出すほうに能力がなくちゃならぬと思っているわけですよ。私の言っていることは無理じゃないと思うんですがね。大臣どうでしょうか、いまの私の意見に対して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/77
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078・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) お話を承っておりますれば、御意見ごもっともな点もございますし、私どももうなずかれる点もあるわけでございますが、まあ、それは私さっき申しましたように、理屈を言いっぱなしの議論でないということでございますから、私どもも気持ちよくお話として承りまして、できるだけ努力をいたしたいと考えておるわけであります。まあ本日の説明によりますと、先ほどお話ししましたように、うちのほうでは百円ということでありますが、大体二千円近く従来よりか上がるという数字を今朝示されているわけでありますが、これがはたして他の民間企業と比較いたしましてどの程度に差がありますか、今後研究、検討さるべきだと思います。ただ、これはざっくばらんに申しまして、こういう仲裁の中においてものごとがきまるということで、双方とも納得する。まあ少ないながらも調停の線で組合側も納得しようというような段階になれば、何かもう少し話し合いが両者の間にできるのではないかという気持ちも、これは個人です、国務大臣としての答弁ではございませんが、ざっくばらんに申しますと、そういう気持ちもせぬではないのですけれども、これがもし相変わらず従来のような関係でまいりますというと、結局は最後の点にもっていかなければならないのではないかというふうな懸念もありますし、それから、いまあまり私らのほうで愚見を述べましても、つまり、調停の段階におきましては、やはり御承知のように、補正予算を国会に出さなければならないというような点もありまして、悪く言えば、私は、過去の行き方はゼロ回答をしておったということは、少しぐらい話し合いをしてみたところで、国のほうでも、政府のほうでも、いろいろな手続の関係もあって困難だ。話し合いをしてよかろうと言われても、日本ではすぐに国会がずっとあればいいのですけれども、国会が済んだりなんかしますと、また臨時国会なんかを開きますと、そのときまで待たなければ法案は出せないわけですから、そうなりますと、ずっとあとにさかのぼってやるような法案を出すことになるししますから、そうなると、結局、両方なれ合いというと語弊がありますが、最後はやはり、そういう処置をとらなくても政府のほうでも出せるし、受けるほうもこれならしようがないといってあきらめてもらうしというような気持ちから、従来からゼロ回答をしておったのではないか、こういうふうに私は思うのです。これは私の考えですけれども、今回の場合も、これで話がつくのであれば非常にけっこうでありますけれども、あるいはつかぬかもしれぬけれども、そうすると、やはり裁定に早く持ち込んでもらって、そして、そこできまってしまえば、これは政府は尊重すると言っているのですから、この金額でどうはね上がりましょうとも、この尊重する気持ちには二つはないわけでありますから、そうすれば、別に立法措置をとらなくても、予算措置をとらなくても、借金してでも必要なものは払えるというような形になるわけでございます。そこに、日本のいまのこういう問題をきめる形においての行き方が、非常に窮屈な行き方になっておるものですから、そういうような段階に最後は進むのではなかろうかというような気持ちも多少手伝っておるのではないかと私は思うのです。
これは政府の見解がそうだというのではないのですが、過去の実績から申しますと、そういうふうに考えますので、結局、私どもとしては、もう三十日の前に話し合いをつけて、そういうことはないようにしたいという気持ちで一ぱいでございますし、また、私は、全逓の諸君にも話をしているのですが、諸君がかりにストをやられたといっても、じゃストをやられてから裁定に持ち込んだ場合も、そのストをやられた方だけ高くなるというのは今日の常識ではないと思うのです。やはりほんとうに科学的に研究されて、そして出し得る点は、政府もこれならやむを得ないと納得し、また、組合側もそれでこれならよかろうと言って納得する線がおそらく出ると思いますが、そういうときには、何もストとか、そういう争いが原因になって、しなかったからうんと下がる、したから上がるというようなことはないと思いますから、そういうような時期があるとすれば、あまりお互いけんかをせずにいいのではないかという話し合いを私は機会あるごとにしているわけで、これは政府の見解だとは言いませんが、しかし、従来のゼロ回答をしておったところの考え方から、ずっとそういう考え方が続いてきたのではないかと思うのです。必ずしも、これで政府のほうはこれならやり得るだろうということで、大蔵大臣も了承し、労働大臣もきめられたと思いますけれども、だから、これは私どもとして否定することは申し上げられません。これは統一的な見解であるということはやはりおもて立って言わなければならないと思いますけれども、やはりこういうものは従来ゼロ回答をやっておりましたけれども、少し過去の考え方を変えてきているということと、二次回答という誠意を御了承願いまして、そうして今後はできるだけ話し合いを進めるように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/78
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079・横川正市
○横川正市君 私は、ものごとを解決するのにはおおよそまあこれくらいというやつがあると思うんです。これはおおよそですね。決してびた一文もというようなことは、これは解決の常識にはないわけです。おおよそのことで大体解決しているわけです。そのおおよそのことで解決する努力としては、昨年は池田・太田会談ですか、があってストライキの回避が行なわれた。今年は一向にそういった動きもない。これはもうきわめて問題解決について努力の不満足な点です。
それから第二は、大臣知っているように、定期昇給というのは一年四回に分けて上がる。もちろん定期昇給しない者もある。ですから、平均べースで言いますと、たとえば郵政の定期昇給が四・二ですか、四・五ですか、これを一人頭にすれば千何がし、こういうふうになろうかと思いますけれども、実際には、それほどのおそらく予算財源には組んでいないわけです。そうすると、ある人はたとえば四月から上がった、ある人は九月から上がった、ある人は一月から上がった、こういうことで実際上の問題は、その人によって六百二十円ですか、六百二十円の上下の差があって、一人頭の一カ月の昇給を含めてベースの上がり方というものは、非常に個人で大きな差がある。しかも、四段階に分かれて出てくる、こういうことなんですね。これは十分ひとつ検討してもらいたいと思う。だから、私の考え方としては、定期昇給というようなものをこの要求資金の中に入れて明示するなんというやり方は、そもそもこれは間違いだと思うんですが、これは修正すべきだと思う。そこで、あと残された六百二十円、これは一体、いままで当面のまあまあという数字になったのか、ならないのか。当事者能力の問題と含めて、これもひとつ十分検討してもらいたいと思います。
それから時間がないから急ぎますが、大体ものには理屈があって、相手方が首を切られたり、停職になったり、減給になったりするものが、理屈があってやられるならばこれは納得するんです。ところが、相手側が全然誠意を示さないでおいて、実力行使をしなければ金を出さないという前例があるわけですね。もう何かこうやらないと金を出そうとしない。だから、予算書を見てごらんなさい。今年はびた一文もベース改定のための賃金というものは組んでおりません。要求しなければ出さない、実力行使をしてくれなければ出せない、これがあなたのほうの立場なんですよ。いま大臣は、話し合ってまあまあの数字が出てきそうなことを言っておりますが、話し合っておったんじゃ、まあまあの数字どころか、出てきたのは、実力行使をやっても今度は百円ですからね。やらなければゼロですよ。そういう状況というものを判断されながら、一体、処分だけは敢然と当事者能力を発揮するということは、これは妥当な解決でしょうか。実際これは、職員全体に大臣としてのいわば敬愛と尊敬と、そうして後々までも徳安郵政大臣というものを思いとどめるというやり方でないと私は思うんです。だから、問題の解決をはかる時点で、一体、努力がどれだけなされて、相手側に、どれだけその努力が無理なものであったかということを十分勘案した上で、その上に立ってあなたのほうの意思表示を私はすべきだと、こういうふうに思うんですがね。ひとつこれに対して答弁をいただいて、今日のところは、私の質問はこれにとどめておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/79
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080・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 私も人間でございますししますから、血も涙もない考え方は持っておりません。したがって、今回の争議等につきましても、結局、同じ措置によって順次段階を経まして、どうしても仲裁で話し合いがつきませねば、次に来たるべきものは裁定、この裁定の線につきましては、政府は尊重しますという、ちゃんとした一つの表題も掲げてございますし、また、その順序を法律的にずっと進めることになっているわけでありますから、その段階において、やはり違法なストをやられるということはやっぱり組合側も考えるべきではなかろうかと思うのであります。もうそうしなければほかに手段がないのだ、やけくそだということなら別でございますけれども、やはりそれには段階がありまして、そうして最後の段階のときには政府もこれを尊重いたしますということを天下に声明しておりますし、また、その間には話し合いを続けようという形で来ておるわけであります。ですから、その裁定が出ましても、政府はこれを尊重もしなければ、実行もしない、けしからぬということで、また処置を考えなさることも、ときによれば情状やむを得ぬかと思いますが、その手続の間だけは、やっぱりお互いに自重しながらいくことがほんとうではなかろうかと実は考えておるわけであります。その間における違法行為はなるべく慎んでもらいたいという考え方を持っておるわけであります。今後におきましても、お互いの仲でありますから、何もけんか話で、将来永久にけんかしておるわけでもございませんので、ただ立場が違うために、ほんとうに言いたいことも蓄えないし、話し合いしたいことも、ときによっては話し合いできないこともあるかもしれません。しかし、政府としては、昨年のああした問題等の経緯もございますから、今後の進展いかんによりましては、おそらくは政府全体がいかなることも拒否するという考え方ではなかろうし、労働大臣もほんとうにお骨を折っておるように私は見えます。私の意見も十分いれてくれているように思いますが、ただ遺憾ながら、それが皆さんの御満足のいくような筋でないし、また、時期がおくれておるということにつきましては、私どももほんとうに当事者として決していい気持ちではございません。しかし、これはやはり政府の統一した見解でまいりませんというと、何しろ三公社五現業というものは各省にまたがっておりまして、一方だけで独走し得ない事情であることは、よく御存じでございますから、そういう苦衷のあるところもひとつ御了承願いまして、なるべく、話し合いが最後の段階に至るまでの間に、国民に迷惑のかかることのないように御協力を願い、また、私どももできるだけ、そういう点につきましては慎重な態度で、組合側をあまり刺激しないように、協力し合う態勢は忘れないように努力してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/80
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081・鈴木強
○鈴木強君 私も横川委員と同じように、ことしの春闘に対してたいへん憂慮をしているものの一人でございます。したがって、三十日にさらに強力な実力行使を敢行しようとしている今日、私は郵政大臣と電電公社の総裁に、当面のこの紛争を解決する御所信について、もう少し伺いたいと思います。
電電公社の総裁は、ただいま郵政省に政府のほうから連絡がありましたような、現在調停段階で作業が進行中の公労協の紛争に対して、御連絡がございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/81
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082・米沢滋
○説明員(米沢滋君) 電電公社といたしましては、昨年来のこともありまして、先生も御承知のように、本年の二月にいわゆる五百円の有額回答を他公社に先がけまして組合に回答した次第であります。見方によりまして、五百円という額は非常に少ないという御意見もございましょうが、しかし、従来三年間ゼロ回答、あるいは検討中検討中ということで、最後にゼロ回答とする仕組みよりも、私は、とにかく有額回答ができたということは一歩前進したものというふうに考えておる次第でございます。ただいまの時点で考えますと、この問題はすでに電電公社だけの問題ではなくて、いわゆる総評とそれから政府というような関係にもなっておるのでありまして、先ほど郵政大臣がお答えになりましたように、私どもといたしましても、本日、公労委の調停委員会に、公社としての最終態度を表明したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/82
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083・鈴木強
○鈴木強君 その態度は、どういうふうに政府からあなたのところに伝わってきているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/83
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084・稲本孝
○説明員(稲本孝君) 実は昨晩でございますが、三公社五現業の労務担当局部長の会議がございまして、その席で三公五現、前々からこの問題につきまして早く結論を出す、こういうことでいろいろやっておったわけでございます。先ほど横川先生の御質問にもございましたわけですが、ただ、ことしは、予想外に民間の賃金が出そろう、こういう点がおそいというような事実がございました。例年でございますと、鉄鋼関係の回答がございますと、これに続きまして、民間の賃金が逐次出てきますので、二十二日ごろ——二十日ごろでございますが、そのころになりますと、大体民間のおも立ったところが出そろってくるというのが実情でございますが、ことしは、先ほども申し上げましたように、経済界の見通しもあまりよくない、こういう関係があるのではないかと思うわけでございますが、相当やはりおくれている、こういうような関係がございまして、昨晩、先ほど郵政大臣からのお話がありましたように、結論が出まして、私たちのほうもその席で聞いてまいったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/84
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085・鈴木強
○鈴木強君 そのことは、もう二十二日の日におおよそ政府の態度はきまっておった、あなたのほうにゆうべ連絡があったそうですがね、そういうことでなくて、もっと具体的に一体どういうふうに、電電公社には、公労委の調停段階においてどういうふうに公社が発言をするのか、そういうふうな指示はなかったのですか。それは一切公社にまかされているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/85
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086・稲本孝
○説明員(稲本孝君) 先ほど申し上げました、昨晩の会議の席におきまして、どういうように公労委に申し上げるか、こういう点も議論がされたわけでございます。その内容は、先ほど郵政大臣のほうからお述べになりました同じ内容でいこう、こういうことに意思統一があったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/86
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087・鈴木強
○鈴木強君 曾山人事局長が言われたように、六・五%パーで各それぞれの基本給にかけて、それから定期昇給を五百円を差し引いたその残りが郵政は百円だ、こういう話でした。おそらくそういう同じ内容だと思います。したがって、百円なんというのはばかばかしくて話しするのもちょっとおかしいのだが、一体、そういう、あなた方は政府からの話を聞いて、従来、定期昇給というのは、これは横川委員の言ったように、全く別の性格であって、年四回それぞれ昇給していくということは、官吏時代からこれはずっと長い日本の伝統ですよ。それが三・六%か、あるいは四・二%か、最近は非常に大蔵省でシビアに削ってきているようですが、われわれがやっておった当時、四・二%あったはずなんだが、大蔵省の算定は三・六%とか言っているそうです。そういうものは、いずれにしても、もう当初の雇用契約の際に約束されておったものであって、物価の変動その他によるベースアップという名前のものではない。私は、その観念が、いまの郵政大臣のお話を聞いておっても、もうまるっきり違ってるんだ、われわれと。だから、民間のほうは定期昇給というものを含めて、従来、ベースアップは年間幾らというふうにやってきた、それがいつの間にか、公務員や公労協のほうにうつってしまって、悪い面がうつってしまって、それが今度は正当化されるような発言が最近やられてきている。これはまことにけしからぬ話で、そういうような定期昇給を除いて、郵政の場合ですと六百二十円——七千五百円に対して六百二十円のベースアップでお茶を濁そうと、そんなことで経営者として実際責任を持って、労働組合に対しても、あるいは調停段階においても、これで当面の紛争を解決してほしいというような、そういう考え方がよく言えるもんですね。こういう点について率直に私は皆さんの気持ちを聞いておきたいのですよ。そういう百円か、あるいは電電公社は八十円か知りませんけれども、その程度のもので問題を解決してもらいたいという考え方に対して、唯々諾々として、公労委の調停段階で言おうという公社の諸君の気持ちも気の毒だと思うし、郵政省はだれが行くか知らぬけれども、これは気の毒だと思うんだが、そういうことに対するあなた方のほんとうの気持ちはどうなんでしょうかね。なかなかむずかしいと思うんだが、率直に私は聞きたいのです。郵政大臣はどうですか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/87
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088・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) 政府の案として出ておりますものですから、一応今日の段階では、これを御答弁する以外には私どもとしては方法がないというように御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/88
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089・鈴木強
○鈴木強君 電電公社の総裁どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/89
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090・米沢滋
○説明員(米沢滋君) 私、公社としましては、やはり、ただいま郵政大臣がお述べになりましたように、この回答を公労委に出したい、出さざるを得ないというふうに考えております。ただ、しかし、何といいますか、前々から制度の問題といたしまして、この当事者能力問題については、いろいろ昨年来議論がありまして、私も次官会議等に呼ばれたときにも、いろいろ意見を表明したのでありますが、この問題については、将来の問題として、すでに労働大臣もいろいろな委員会で述べておられますが、審議会を設けて根本的に検討しようということになっておりますので、私は、将来の問題としては、むしろ、その審議会で根本的に検討いただいて、その上でやらなければならないのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/90
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091・鈴木強
○鈴木強君 大臣の御発言は、人情大臣といわれるだけあって、多少ニュアンスが違うのですね。これは個人的な見解というふうに、国務大臣でないという立場を表明した上で言われたのだが、全くもっともだと思う。私が大臣になってみたって、五百円出して、あと百円足して、それで春闘を倒してくれなんと言われたって、これは責任を持って公労委へ行っても言えないし、労働組合に対してだって、これは恥ずかしくて言えませんよ。そういう気持ちは率直に、言わなくても出ていると思うのです。それぞれの政府の立場に、あるいは政府機関の立場にありますから、いま今日政府がきめた段階で、私がここで総裁に聞いても、大臣に聞いても、なかなかいまの発言以上は出ないと思うが、まあ大臣のいま述べられた気持ちの中ににじんでいるニュアンスの点を私は多少理解をして、この点はもちろん今後、三十日の実力行使を回避するために最善の努力をするということにつながっていくと思うのですが、ひとつ米沢さん新総裁になられて、これからの電電公社の仕事をやっていくということはたいへんな私は御苦労だと思います。特に設備の近代化が、他の企業と違って相当にスピードアップされている企業ですから、労働問題、人的問題あるいは技術の革新等についての御苦労があると思いますが、私は、二十日、二十三日のストライキを前にして、あなたと全電通の笠原委員長との見解が表明された新聞を全部拝見いたしましたがね、この中であなたはこう言っているのですね、有額回答の五百円を出したものに対して、「どうして満足できないんだろう……」ということを率直に言われているのです。五百円でどうして満足してくれないのだろう……。ところが、政府の石田労働大臣は、三月の終わりに公労協と会ったときにすでに、五百円で満足とは政府も考えておらぬ、私も考えておらぬ、しかし、第二次回答を出すと言っても、団体交渉中であるから、なかなか第二次回答という形では出せないが、少なくとも調停段階で考えますと、そうして、あくまでも調停の段階で問題の解決をはかりたいと思うという考え方を表明されておったですね。そういう矢先に、二十日にストライキをやる、二十三日にストライキをやる、その前夜に、総裁の気持ちの中に、なるほど、五百円というものが従来と違って有額回答されたということは、われわれも評価しております。また、たいへん御苦労いただいたことも、よく了承しているのです。しかし、五百円で満足しているとはわれわれは考えておらないし、一つの当事者能力の一歩前進として積み重ねていただいた苦労はわかるのだが、それで私は、あなたが新聞に書いているように、「どうして満足できないんだろう……」という、そのことばを聞いたときに、非常にさびしいものを感じたのですね。政府当局すら五百円では十分だと思っておらないというような石田労働大臣の見解が発表されて、これは公労協が会っておりますから、これは全電通も参画しておる、そういう一般的な政府の受けとめ方に対して、交渉の相手である公社——団交は決裂しておっても、調停段階で相手方になる公社の総裁の御発言を全国の諸君が見たときに、非常にわれわれの努力に対して、率直に言って、五百円でこれで満足してくれないかという総裁の気持ちがあるのかという私は受けとめ方をしたと思うのですよ。そのことが、二十数万のやっぱり全電通労働者の怒りになってあらわれていると思うんです。そういうことは新聞の発表ですから、あなたの真相を聞かないで私が論評するのは、多少僭越であり、多少言い過ぎになるかとも私は思いますが、政府当局の機関としてのあなたの立場から、そう言わざるを得なかったかもわからぬが、新聞なんかに発表されますと、これは多数の人が読んでおりますし、何で電電公社の総裁というものは、五百円でベースアップをごまかそうとしているのか、血も涙もないじゃないかという率直なやっぱり感じを受けますよ。そういう点が私は非常に今度の闘争をこじらしている、これは政府の優柔不断等もありますけれども、原因じゃないかと思いますけれども、これらに対しては、率直に、米沢さん総裁になって、たいへん最初からこういう問題で御苦労だと思いますけれども、もうちょっと愛情あふれる気持ちというものが全職員に吐露できないものでございましょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/91
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092・米沢滋
○説明員(米沢滋君) いま鈴木先生の御指摘ありました新聞の記事でありますけれども、私も実は、私の真意が必ずしもそこに出ていない、たとえば、その記事に、いわゆる版がいろいろ出るようであります。たとえば第一版から印刷されてまいりますと、版によりまして非常に違った内容が出ておるというようなことからいいましても、私は、五百円の有額回答をやったということ自体が、五百円の数字というものは決して高い数字とは思っておらないわけですが、しかし、こういう、いままで何といいますか、昨年の例をあげますと、約四十回、公社と全軍通の間で団体交渉をやって、そうして、それでその間よく検討中検討中ということで、最後にゼロ回答をする、こういう仕組みは何といいますか、労使の信頼感をそこなうという意味でよくない。したがって、根本的には、先ほど申し上げましたように、当事者能力の問題については、政府も審議会をつくって御検討くださるようになっておりますので、そこでやらなければならない。しかし、従来といいましても、昨年、一昨年等に比べて、とにかく一歩前進したという意味において意味があるのだということをお話ししたつもりなんでございますが、速記ではなかったので、その点が十分伝わっていないのは遺憾だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/92
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093・鈴木強
○鈴木強君 いまの御所信で、新聞にわずか何行かに書いてある中でのあなたの気持ちとそぐわないものがあったことはわかりました。そういう気持ちがあるならば、やはり公社総裁としてのこの紛争解決に対する御所信というものを十分に組合幹部の諸君にもよう話をしていただいていけば、私はおのずから問題の解決の方向に行くと思うのですが、それは私は、当事者能力というものはほとんど公社にはないのであって、まあ準禁治産者的な立場に置かれておると。政府からのお墨つきがない限りは、公社は率直に言って何もできないと、こういう立場に、いまの公社だけでなくて、国鉄でも、専売でも、あるいは五現業の場合でも、そういう立場になっていると思うのです。ですから、なかなか当事者間において紛争解決ということが非常にむずかしい。私はそういうことを十分承知の上で、いまこの質問をしておりますが、根本的に毎年毎年こういう紛争が続いておるのは、やっぱり当事者能力の解決に対して政府が一つも真剣になってやってくれてない、こういうことが私は原因だと思うのです。昭和二十四年の国鉄発足以来もうすでに十数年間、十五、六年たっているし、電電が発足してからでも、もう十二年半たっている。そして給与総額からはしばられて、公労法上の団体交渉権が認められても、その給与総額の幅を広げない限りは交渉ができないというシステムがずっと続いてきておったわけですね。当時は、国鉄、専売でそういう苦しみを味わいながらも、事業発展のためにみんな努力してきた。そして政府のほうでも、日本の公共企業体というものをスタートさせてみたんだが、いろんな労使関係について問題が起こるので、私は何回も何回も言うのはいやですけれども、昭和二十九年の臨時公共企業体調査会に当時岸さんが諮問をして答申を得て、また三十一年にも諮問をしてそういう答申を得た。ところが、その答申には目もくれないで、われわれが質問すれば、検討中検討中ということでたな上げにされて、この当事者能力には触れなかった。それで積み重ねて、昨年四月十七日のストライキの太田・池田会談における当事者能力の解決ということが約束された。しかも、これが、八、九月ごろまでは次官会議を積極的に開いて、どうにかこれは今度の通常国会の所定の手続ができるなあとわれわれは期待しておったのですが、中途はんぱになってしまって、大蔵省あたりから少し言われるとすぐぐらぐらしちゃって、次官会議は雲散霧消。そして今度は新しく、いまILOと一緒に出ております国家公務員法の改正の中に、総理府設置法一部改正で公務員制度審議会が生まれてくる、今度そこで問題解決しようと。一体、この審議会は、いつ持たれていつ答申を出すのか知らない。そこに付託をしてその結論を待ってまたやろうとしている。私は、いままでのいきさつからするならば、また答申が出たって、検討中で、政府は無責任な態度をとるかもしれない。要するに、従来十何年間、一つもそういうことに対して真剣にやってくれなかったじゃないですか。われわれ社会党は、非常に僭越ですけれども、そういう経緯の上に立って、三公社五現業の労使間の自主的判断に基づいてやること、そして事業を発展させるためにはそれではいけないということで、社会党は議員立法を出して御審議願ったんですが、それが自民党の御賛成がなくて、二回、三回と審議未了になってきている。一体、どこに責任があるのですか。今日までのことを、公労協の諸君が、十数年間この問題の解決に対して、どうして政府は真剣にやってくれないかということに、ベースアップ以上に恨みを燃やしていると思うのですよ。なぜそこを解決してやらないのですか。労働問題は自主的解決だということは、口を開けば言っておる、政府は。しかし、一体、当事者間で何ができますか。そういうふうな無責任な経営形態を続けておって、しかもまた同じことを繰り返しておる。しかも、去年の四月十七日に約束があるだけに、絶対われわれはこれを納得できないのです。しかも、百円くらい第二次回答で出して、そしてお茶を濁そうなんて、われわれが聞くところによれば、政府は五百円出したのは多過ぎるので、逆に百十七円戻してもらうということもあったそうじゃないですか。そういうことでこの問題をお茶を濁そうというのは、佐藤内閣のセンスを疑いますよ。こんなことじゃ、だれが責任を持ってこの経営が遂行できますか。ほんとうに私は、そこに今度の根本的な原因がある。その原因をいま私が声を大にして言ってみたってこれは間に合わない。だからこそ、私は、そういうことをやらない罪滅ぼしのためにも、政府がほんとうに公労協の七千五百円の要求が高いなら高いで、もう少し誠意のある態度を示すべきですよ。定期昇給なんか、これはもう横に置いておいていままでやってきたのに、ことしはこっちに持ってきて、それをもとにして六・五%だと。どこから持ってきた数字か知りませんけれどもね。昨年は七・九%の公務員のベースアップがあったはずなんです。それよりもまだ一・四%も低いようなものをどこかから持ってきた大蔵省の事務官僚諸君の数字をいじくり回した中で、そして、そんなものを閣議で了承して、そして、これでもって春闘解決しようなんということは、もう佐藤内閣は労働問題の私は能力がないと言っても過言でないと思うのですよ。郵政大臣はどうぞひとつ、そういった経緯を十分理解していただいている一人でありますから、私は閣議においても、そんな、労働大臣と大蔵大臣と官房長官で相談したかどうか知りませんけれども、そんなものを聞かされて、ああそうですかとまさかやったとは思わぬですけれども、一発かまして、責任ある大臣の一人として、一体どうだというくらいの私は御発言があってしかるべきではないか思うのですよ。いまでも私はおそくないと思いますね、閣議も持たれるでしょう、どうかひとつ、こんな子供だって、これは百円くらい上げてみたって何が買えますか。タマネギ三つ買えば百円終わっちゃうじゃないですか。百円なんという金は何の価値がありますか、いま。そんなことじゃだめですよ、これは。ですから、まあ三十日の日というと、あとわずかしかないですからね、ひとつ誠心誠意、公社の総裁も、またそれを監督しているあなたも閣僚ですからね、どうかひとつ、私の言っていることは、私は絶対無理だと思っていません。私は、そういうことをひとつぜひ肝に銘じて、調停段階で解決するというその御所信を貫いていただいて、この事態の解決のために努力してもらいたいと思うのですよ。もう調停は二十二日、三日で切れていますよ。政府がそういう解決を望むことはおくれているから、公労委は何にもできないのじゃないですか。公労委だって、やはりこれはたいへん失礼だけれども、そういう政府の考え方が出ない限りは、おそらく作業が進まぬと思うのですよ、なかなかむずかしいですからね。ですから、そういう点でひとつ、公労委が仲裁に持ち込むなんということをちょっと触れられたんだが、調停で解決しようという所信を貫いていただくように、これもひとつあわせてお願いしたいと思うのです。この私の考え方が間違っておれば、指摘してもらいたいし、大臣と総裁の所信をこの際伺って、まあ、これ以上言ってもしょうがないから、奮起を促し、解決のための努力を最大限に要望して、私はきょうは終わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/93
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094・徳安實藏
○国務大臣(徳安實藏君) お説はしばしば伺っておりまするし、私も、なるべくこの段階において話し合いのつくものはつけたいという政府の方針には全く同感でございます。したがって、今後におきましても、熱意とその希望を捨てないように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/94
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095・米沢滋
○説明員(米沢滋君) ただいま鈴木先生の御意見、ごもっともなことが多いのでありますが、私といたしましても、できるだけ努力してみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814816X01419650427/95
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096・占部秀男
○委員長(占部秀男君) 本件については、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
午後零時五十九分散会
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