1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年二月二十五日(木曜日)
午前十一時九分開会
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委員の異動
二月二十五日
辞任 補欠選任
源田 実君 後藤 義隆君
林田 正治君 山本 利壽君
鬼木 勝利君 浅井 亨君
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出席者は左のとおり。
委員長 柴田 栄君
理 事
栗原 祐幸君
伊藤 顕道君
委 員
石原幹市郎君
後藤 義隆君
塩見 俊二君
森部 隆輔君
三木與吉郎君
村山 道雄君
山本 利壽君
中村 順造君
國務大臣
大 蔵 大 臣 田中 角榮君
國 務 大 臣 小泉 純也君
國 務 大 臣 増原 恵吉君
政府委員
行政管理庁行政
管理局長 井原 敏之君
行政管理庁行政
監察局長 山口 一夫君
防衛政務次官 高橋清一郎君
防衛庁長官官房
長 小幡 久男君
防衛庁防衛局長 海原 治君
防衛庁教育局長 島田 豊君
防衛庁人事局長 堀田 政孝君
防衛庁衛生局長 軽部彌生一君
防衛庁経理局長 大村 筆雄君
防衛庁装備局長 國井 眞君
防衛庁参事官 志賀 清二君
防衛施設庁総務
部長 沼尻 元一君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○昭和四十年度における旧令による共済組合等か
らの年金受給者のための特別措置法等の規定に
よる年金の額の改定に関する法律案(内閣送
付、予備審査)
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
査(派遣委員の報告に関連する行政管理庁当局
の所見に関する件)
○国の防衛に関する調査
(自衛官の募集に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/0
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001・柴田栄
○委員長(柴田栄君) これより内閣委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。本日、鬼木勝利君が委員を辞任せられ、その補欠として浅井亨君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/1
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002・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。小泉防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/2
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003・小泉純也
○国務大臣(小泉純也君) 今回提出いたしました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の提案の理由及び内容の概要について御説明申し上げます。
まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。
前年度に引き続き、第二次防衛力整備計画にのっとり、防衛力の内容充実につとめることとし、昭和三十九年度の定員を改め、防衛庁本庁の職員を千五百五十三人増加することとしております。その千五百五十三人のうち千四百九十八人は自衛官であり、残りの五十五人が自衛官以外の職員であります。
自衛官の増加は、海上自衛隊及び航空自衛隊の自衛出でありまして、海上の自衛隊における増員は五百九十八人で、艦艇の増強並びに航空部隊の整備及び後方支援部門等の充実のために充てるものであり、航空自衛隊の増員は九百人で、飛行部隊及びナイキ部隊の新編等を行なうにあたって必要となる人員であります。
自衛官以外の職員五十五人は海上自衛隊の要員に充てるものであります。
次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
第一に、自衛隊の予備勢力確保のため、予備自衛官三千人の増員を行なうこととしております。
第二に、第七航空団の司令部の所在地を移転することとしております。
以上、法律案の内容を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/3
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004・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/4
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005・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。田中大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/5
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006・田中角榮
○国務大臣(田中角榮君) ただいま議題となりました昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
この法律案は、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法、昭和三十三年に廃止された旧国家公務員共済組合法及び現行の国家公務員共済組合法の規定により、現に支給されている年金につきまして、このたび、別途本国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて、年金額の引き上げを行なうとともに、所要の整備を行なおうとするものであります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一は、年金額の引き上げであります。
まず、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法の規定により支給されている年金につきましては、従前と同様に、今回も、恩給法の改正措置にならい、一律二割の年金額の引き上げを行なうことといたしております。
また、現行の国家公務員共済組合法の規定により支給されている年金につきましても、今回の恩給法の改正措置に準じ、受給者の退職時の俸給を、いわゆる二万円ベースに換算した場合の年金額を、二割引き上げた額が、既裁定年金額を上回るときは、その差額相当額の引き上げを行なうことといたしております。
第二は、今回の改正による増加額の支給の一時停止についてであります。
まず、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法の規定による年金受給者のうち、七十歳未満の者については、今回の恩給法の改正にならい、受給者の年令に応じて、今回の改正による増加額の一部または全部の支給を三年の間停止する等所要の措置を講ずることといたしております。
また、現行の国家公務員共済組合法の規定による年金につきましては、現行法施行日前の期間に対応する部分についてだけこれと同様の取り扱いを行ない、現行法施行日以後の期間に対応する部分につきましては、保険制度のたてまえ上、直ちに全額支給することといたしております。
第三は、今回の年金額の改定に要する費用の負担についてであります。
旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法の規定による年金額の改定に要する費用は、従前と同様に、全額国が負担することといたしております。
また、現行の国家公務員共済組合法による年金額の改定に要する費用のうち、現行法施行日前の期間に対応するものについては、全額国が負担することとし、現行法施行日以後の期間に対応するものについては、国及び組合員の負担とすることといたしております。
第四は、現行の国家公務員共済組合法の一部改正であります。
現在、職員団体等に専従する組合員に対する長期給付に要する費用のうち、職員団体等は、百分の五十七・五を負担しておりますが、このうち百分の十五に相当する額につきましては、国が負担することといたしております。
第五は、国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正であります。
まず、高額所得者の年金支給停止基準につきましては、恩給法の一部改正と同様の是正を行なうこととしております。
また、現に在職する組合員が、旧国家公務員共済組合法の適用期間において常勤的非常勤職員として在職した期間を、組合員期間または年金受給資格期間として取り扱うこととするほか、厚生年金保険の被保険者であった期間に対応する年金額の計算方法等について所要の改正措置を講ずることといたしております。以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。
何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/6
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007・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の直後の審査は、都合により後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/7
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008・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 委員の異動について御報告いたします。
ただいま源田実君、林田正治君が委員を辞任され、その補欠として後藤義隆君、山本利壽君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/8
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009・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。
質疑の通告がありますのでこれを許しますが、その前に、前回の委員会における政府側答弁に関連し、増原行政管理庁長官から発言を求められておりまするので、まずこれを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/9
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010・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) 先般の御審議の際、御答弁に不十分の点があったようでございまするので、たいへん恐縮でございまするが、この機会に補足的に御説明をさしていただきたいと思うのでございます。
伊藤委員の御質問に対するものでございます。行政相談委員につきまして、たいへん熱心に御視察をいただき、御質問をいただいたわけでございまするが、行政相談委員は、御指摘の法制化の問題については、管理庁としても、ただいまこれを十分に検討をいたしておる段階でございまするが、発足いたしまして四年間、だんだん一般にも周知をされるようになりまして、その相談を受ける件数も非常に増加し、成果も、およそ相談をかけていただいた方に納得のいく形で九〇%数が処理できるというようなことでございまして、制度本来の趣旨をだんだん充実して発揮をしつつありますが、まだ、いわば過渡的段階とも申すべきところでございまするので、現在における相談を受けまする実態、相談を処理しまする委員の行動等を具体的にあとずけしてみまして、この実態の推移とにらんで、適切な法制化をいたしたいというふうにいま考えておる段階でございます。他の似たような種類の委員の職が法制化をされておる点等も考え合わせまして、御指摘のように、早い機会に、現実を分析した上で、軌道に乗った形に持っていって、これを法制化をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
行政相談委員の増員のことについても御指摘があったわけでございまするが、三年がかりでだんだんと増員をしてまいりまして、三十九年度で、いわば一段落、全市町村に少なくとも一名の相談委員が行きわたるという形にしていただいたわけでございます。したがいまして、四十年度は、一応増員の問題はお願いをしておらないのでございまするが、現在の、三十九年度で増員をされた状態で、四十年も、さらに内容を充実強化という方向で勉強をし、努力をし、そのあとでさらに若干の増員についてまたお願いをすることにいたしたい、こういうふうに考えておるのでございます。
実費弁償がたいへん少ないという御指摘で、まことに恐縮でございます。年間三千円というふうな実費弁償でございますので、まことにこれは軽少に失するわけでございます。四十年度予算の際に若干額の増額を要望をいたしまして、これはまあ実はわずかのものでありましても、最後大臣折衝まで残しまして獲得に努力をしてまいりましたが、四十年度は成果を得られなかったわけでございます。次の年度には若干でも実費弁償は、これを増額をしたいというふうに考えておるのでございます。
次に、建設省設置法に関連をいたしまして、出先に大幅な事務委譲をすることが二重行政というふうなことになり、あるいは臨調答申の方向と反するものではないかという御指摘があったわけでございます。御承知のように、臨調の答申は、この点に関連をしましては、中央省庁の仕事の相当思い切った整理を答申をしておりまして、企画事務と実施事務を分けるという、たいへん重要ではございまするが、なかなか、実施に相当問題もあり、考究を要する点を指示しておるわけでございます。そうして分けた実施事務については、思い切って地方公共団体にこれを委譲をする。もちろん同時に十分の財政措置をやれという趣旨であることは御承知のとおりでございます。この方向は十分に考えてまいらなければならぬと考えております。そして今度の建設省設置法案に見まする出先への権限の委譲は、そうした臨調の答申の方向と反するものではないわけでございます。御承知のように、これはもう過去何回かにわたる提案が残念ながら実を結ばぬで、また今回に及んでおるわけでございます。地方公共団体に対しましても、その行政上のむしろ利便があることをねらい、念願をしてできましたのが建設省設置法の改正案でございます。いたずらに出先を固めて中央の権限を強化、固執するというたてまえでは、これはないわけでございます。したがいまして、臨調答申の方向、地方自治団体、地方公共団体に現地性、総合性、経済性というような観点で事務を委譲するという方向は、これは十分にその方向に沿って、各省設置法の改正の場合は行管としては措置をしてまいるつもりでございます。この方向にたがわざるものとして、今回の建設省設置法の趣旨も成果を得ておるというふうに御了承を願いたいと思うのでございます。
地方事務官制度に対しては、従来からのまあいわば一つの懸案のものでございます。こうした機関委任事務遂行上地方事務官制度を置くことは、一般的方向として、これは私ども整理をすべきものであろうというふうに考えておるのでございます。行政事務配分の整理と臨調答申にありまする整理の方向に従いまして行政改革本部で現在検討をいたしているものでございます。十分その成果を得るように急いでやってまいりたいと考えるわけでございます。
その次は、地方公務員給与を改定する財源についてのお尋ねがあったわけでございます。御承知のように、最近地方公務員給与改定と申しましても、人事院勧告に基づく国家公務員の給与改定、これに準ずる地方公務員の給与改定の際の問題であろうと思うわけでございます。最近数回の例が、年度途中に人事院が勧告をいたしました。しかも、相当額の引き上げをする。最近までは財政の伸びが相当に大きかったので、国はもとより地方も交付税のはね返りで曲がりなりにもこれを処理をしてまいったのでございますが、三十九年の十一月における改定の際には、たいへんむずかしい問題に逢着をしたのは御指摘のとおりでございます。この問題を基本的に解決をしまするのには、申すまでもなく、給与改定の勧告というもの自体についての考慮を要するわけでございます。政府としても、人事院に勧告の時期その他について検討をしてもらうように申し入れをいたしているのでございます。現在までのところ、人事院としても、なかなか検討の時期その他についてまだ政府に回答をよこしてくれるというところまで至っておららぬようでございます。したがいまして、この問題は一応の考え方は、地方の財源がいま独立の財源が十分にないという現実に即しまして、改定の際には国の措置、国費をもってする措置を要請をするということが一つの筋でございまするが、現実には昭和四十年度等を見通しました場合の財政の伸びから考えまして、四十年度にどの程度の勧告が出てまいるか、まだ残念ながら予測ができぬことでありまするけれども、しかし、七、八%のもし勧告が出ますると、御指摘になりましたように、非常にむずかしい問題が出てくることは確かでございます。この場合、現在の段階において国のほうで十分そのめんどうを見ることに措置をするということを申し上げる段階には残念ながら至っておらぬわけでございます。大蔵省としては、この財源を基本的に国でまかなうということには、なかなか賛成いたしかねるという立場をとっておるわけでございます。したがいまして、本年度のように借り入れ金をしてこれをあと三年間に償還をするというような、あまりりっぱでない便法を講ぜざるを得ぬことになりましたが、この点については、給与勧告の処理の問題として、ただいま関係省庁の間で検討をいたしておるという段階でございまして、御趣旨のあるところは十分に考えまして結論を得るようにいたしたいと、たいへん不明確な御答弁になって恐縮でございまするが、実情はさようなところでございます。
以上、先般の御答弁の補足をさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/10
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011・柴田栄
○委員長(柴田栄君) では、これより質疑を行ないます。なお、政府側からは増原行政管理庁長官のほかに、井原行政管理局長、山口行政監察局長が出席いたしております。伊藤委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/11
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012・伊藤顕道
○伊藤顕道君 前回の質問に対しまして、ただいま長官からやや具体的に御答弁があったわけですけれども、まだ不明のところもありますし、不十分の点もございますから、そういう点を拾って二、三引き続いてお伺いをしたいと思います。
まず、法制化の問題ですが、お答えでは目下熱心に検討中ということでございますけれども、これは他の国民に密着したこういう相談部門の方々ですね、たとえば民生委員とか保護司とか、あるいは人権擁護委員、こういう人方の活動を私実際に見てよく承知しておりますし、また、この行政相談委員の方々の実際の行動の面も、委員派遣の際、実際の場面をこの耳でよく聞いておるわけです。しかも、いまお伺いするというような点は、ただ一地区の問題でなく、全国的に地方行監を通して実際にその現場で見てきた。しかも、それら関係者の非常に切実な要望であるわけなんです。そこでこの問題をあえてお伺いしたわけですが、これらの民生委員、保護司、擁護委員、こういうものに比べて現状は何ら遜色がないと思うのですがね。この段階で法制化することによってそれらの相談委員の方々のさらに励みとなって、国の政治の簡素化、効率化、そして特に民主化の点で相当な成果をあげ得るものと考えておるのですが、何とか大臣の在任中にこれを実現しようとするお考えはないものか、この点についてお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/12
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013・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) 御指摘のとおりで、お述べになりましたような民主委員とか保護司、人権擁護委員等と比べまして、現実に地方における適任の方々といいまするか、有力な方々にお願いをしてこの委員をやっていただいて、十分に成果をあげていただいており、この方々の中からも会合がありました際など、法制化についての要望が出ておるわけでございます。申しましたように、発足して四年という歳月で、当初は法制化の前に、現実のいい動きを、指導を、まずつくるというような心持ちでまいっておるのでございまするが、もうぼつぼつ、仰せのとおり、法制化に進んでいい時期であると考えます。これはこの通常国会に提案をするということは、準備の都合上いたしかねると思いまするが、次の通常国会までには十分検討をし、案をまとめてみたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/13
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014・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次の通常国会にはひとつぜひ法制化したいということでございまするが、大臣がそれまで在任されれば安心なんですが、なかなかそういうことは、首相もひんぱんにかわりますからね、なかなかそういう御答弁だけでは安心がならぬわけです。行管の使命は言うまでもなくやはり国の政治の組織の簡素化とか効率化とか、民主化、こういう点を大きな使命としておると思うのですね、その線に沿うて、しかも地方では相当の成果をあげておる。特に私どもは、この行政相談委員の組織並びに活動について相当評価しておるわけです。現実にこの面を見て、国民の苦情、不平不満と現実に取り組んで、ある程度、部門によっては相当こういう不平不満を解決しておるわけですね。これは相当評価していいと思うのです、率直に言って。やはり国民に不平不満を持たしてそのままに置くことはよくないと思う。そういう面では、相当、この部門を担当してある程度成果をあげておることは現実の問題として考えられるわけですね。しかもそういうことを使命とする行管が、これしきの問題を実現し得ないということはあり得ないと思うのですがね。さらにひとつ熱意も持って具体的に前向きの姿勢で早急に実現するよう、さらに努力していただきたいと思います。
それと相談委員の問題ですが、三年がかりで増員計画を進めて、一応、三十九年度で一町村一名の時点まで達したと、先ほどそういう御答弁があったわけですけれども、町村によっては、町村合併によって相当大きい町も村もあるわけですね、とうていこの大きな町、地域も広い、そういうところに一名ぐらいじゃどうにもならぬという——まだまだPRが足りないので、この行政相談委員はこういう問題をやるのだということを国民がまだあまり知っていないわけですね。だからこの程度で済むでしょうけれども、やはり国の政治の効率化、特に民主化という点を評価した場合に、これはどんどん、どんどん、後ほどお伺いしますが、PRを盛んにやって、積極的に国民の中の不平不満を排除して明朗な政治とする、こういう面は、これは行管の一つの大きな使命ですから、こういう意味からも一応一町村一名の原則で満足することなくして、やはり合併によって相当大きな広域の町村もあることだから、ひとつそういうものから順次増員していくよう、この問題にひとつ前向きの姿勢で、取り組んでもらいたいと思います。この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/14
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015・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) 御指摘の点まことにそのとおりに考えます。ことしは、ことしというか四十年度は一応増員を差し控えましたが、一町村一名ということでは不十分なところがあることはもうお説のとおりでございますので、四十一年度には特に相談案件、苦情案件の多いと認められるところについて、これは現在でも相当の都市については、一名でなく二名、三名の配置をしておるところがございますが、一名を原則とするということでなしに増員をするように私どももぜひいたしたい。次の年度においては、これを実現をしてまいりたい、さように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/15
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016・伊藤顕道
○伊藤顕道君 さらに法制の問題ですがね。先ほども御答弁があったように、この問題についても十分認識しておるので努力してきたけれども、四十年度には実現の時点に至らなかったということでありますが、これは実費弁償金は年額三千円というのは、どう考えても文房具とか通信費、旅費、こういった点を考えると、どうにも考えられないわけですね。三千円というとちょっとまとまった金のようですが、月額にすると二百五十円、これは一体年額三千円というのはどこに根拠があるのか。そうしてあわせて伺いたいのは、民生委員とか保護司、人権擁護委員もその額なのか、それぞれについても関連がございますので、この際承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/16
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017・山口一夫
○政府委員(山口一夫君) 実費弁償三千円の積算の基礎といたしましては、これまでの実績から見まして、一委員の年間処理件数が二十件、一件の処理に百五十円の通信費、交通費、その他の雑費がかかっているという積算の基礎で一応その数字を出しております。しかし、お話のとおり、決して十分ではないということは、その後の実際にどのくらいかかったかという調査等を見ましても、三千円の倍近くをいわゆる自腹で出していただいておる委員もある状況でございますので、私ども決して十分とは思っておりません。特に実費弁償の中で最近交通費あるいは通信費等非常にかかるようでございます。この点につきましては、御指摘の線に沿いまして、今後さらに努力をいたしたいと思っております。
なお、お尋ねの他の委員でございますが、人権擁護委員あるいは民生委員、職業安定協力委員等のそれぞれの委員がございますが、いずれもこれらの委員は、それぞれの法律によりまして、給与の関係におきましては、いわゆる名誉職でございまして無給である。給与を給しない。ただし仕事に必要な実費弁償をするというたてまえになっておりまして、たてまえといたしましては、行政相談委員と同じような方法で実費弁償だけをいたしております。その実費弁償の額は、保護司につきましては、一件について百六十円ないし百九十円という積算の基礎で予算を計上されております。民生委員については、年間千円、職業安定協力委員については同じく千円というような数字でございます。人権擁護委員が千五百円というような状況で、いずれも低いのでございますが、これと比べては高いのでございますが、しかし、決して私たちは十分でないと考えておりますので、今後さらに一そう努力をいたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/17
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018・伊藤顕道
○伊藤顕道君 大体の様子はわかりましたけれども、どう考ても労苦に見合うところの報酬は、どなたがどう考えても当然なことであろと思うので、ひとつこの問題も早急に実現するようさらに努力をしていただきたいと思いますが、もちろんこのような額を実費弁償を当てにして奉仕している人は考えられないわけですけれども、だからといって、幾らでもいいということは言えないと思うのですね、逆には。そういう人であればあるほど、少なくも手出しをしないで、実費でりっぱにやっていけるという、いわゆる十分な実費弁償、こういう線で額をひとつきめていただきたいと思います。
次に、行政相談のPRの問題ですが、この問題は前々からこの内閣委員会でも、先ほどの法制化の問題とともに相当論議されてきた問題であります。そういう目で地方に委員派遣の際調査してきておるわけですけれど、行政相談委員がこういう不平とか不満とかをとり上げて相談に乗ってくれる、そういうことを知っておる国民はまことに、まだまだ少ないと思いますですね。せっかく国の行政民主化を担当しておるわけでありますから、そういう民主化の点で一段と努力していただかなければならないわけですが、結局PRがまだまだ少ないという感を深くしておるわけなんです。
そこで具体的な問題として、たとえば地方行監に小型の宣伝カーでも一つあったら、これはたとえばの話ですが、相当効率的に成果をあげ得るのではなかろうか、こういうことも話に相当出てきておるわけです。前の長官も、これはけっこうだからさっそくひとつ実現するように努力するということであったのですが、かわられてしまったのですが、こういうようなPRの問題はまだまだ不十分ということは認められておられると思う。だからこれはいいことでも知らなければ結果はないことと同じことですから、したがって、広く国民に知らせて、そういう不平不満、苦情をどんどん解消していくと、こういう前向きの姿勢で努力するということは、一つはPRの点にもかかっておると思う。この点をさらにお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/18
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019・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) PRについては全くお説のとおりで、十分心がけは行管としてはいたしておるつもりではありますが、まだまだ不十分であることは認めざるを得ないのでございます。いろいろビラ、ポスター等も努力をして出しておりまするし、印刷物、機関紙等もだいぶんくふうはこらしてはおります。有線放送等も活用をすると言っておりまするが、仰せのとおり十分ではございません。小型宣伝カーなどがあるということになりますると、これは現実に考えれば非常に有力な武器と思いまするが、まだこれを備えつけるには至っておらないわけで、まあせんだっては、私が幹部一同を帯しまして、いままでやっておらぬ四国へ出かけまして、一日相談を受けるということで街頭に立って、その機会に、一応の報道機関等に依頼をしてPRを一生懸命やってきたりしたわけでございます。PRについては十分くふうをこらし、また、少々金ももらいまして、なお一そう努力をしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/19
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020・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、国の出先機関に関連して、いろいろお話を地方で聞きますと、合同宿舎ですね。宿舎が足りないで非常に困っておるという要望が強いわけです、どこえへ行っても。それと、特に独身寮、この独身寮については省庁別の宿舎として建てることになっておるので、小さな機関ではなかなかこの独身寮ということは考えられない。いつも看過されてしまうのですね。相当の人数を持った大きな機関なら独身寮ということは考えられるが、小さな省庁の出先ではだめなんだな、そういうものは考えられない。そこで合同宿舎にすれば一挙にそういう問題は解決するわけなんですね。こういう問題については、もちろん建てるのは建設省その他になりますけれども、その考え方は行管としてはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/20
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021・山口一夫
○政府委員(山口一夫君) 独身寮の設置につきましては、前回お尋ねに対して申し上げましたように、非常に人数が少ないというような事情がございます。ただ役所によりまして、役所全体の中の何%が独身寮なりあるいは宿舎なりに入っておるかという実情を概観いたしますと、各役所によりましてかなりアンバランスがあると思います。お尋ねのように、比較的人数の少ない出先機関等におきましては、単独でできない、合同の独身寮もなかなか話が進まないというようなことで、かなり寮に入る人、病舎に入る人の入り方も不均衡があるような感じ力がいたしておるのであります。実はただいま行政監察局におきまして住宅行政に関する全般的な監察をいたしております。その項目の一つといたしまして、国家公務員の宿舎の状況についていろいろ検討いたしております。ただ監察の途上でございますが、一応いま申しましたような点が感ぜられますので、その結果何らかの結論が出ました際には、それに沿いまして、できるだけ公平に入れるように、また、できるだけ多く施設を供給できるようにというようなことを検討いたしてみたいと思っております。確かにお話のようなアンバランスが地方においては見られるということも私ども痛感いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/21
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022・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、先ほども御答弁ございましたが、臨時行政調査会の答申とも関連し、そうしてまた、今後地方行政調査会でも十分検討する、そういうことにも関連するわけですが、国の出先機関と地方公共団体との関連ですね。これはもう多くを申しませんけれども、どこの県へお伺いしてもこれは必ず異口同音に、多少のニュアンスの違いはございますけれども、その大筋はみな各県で同じように強い要望があるわけです。結論的には、国の出先機関をどうしても経由しなければ問題は解決しない。ところが、それだけで解決しないで、ブロック別の出先機関がある。今度はそこにも行かなければならない。たとえば九州ですと、福岡へ行ったり、案件によっては熊本に行ったり・それから北陸なら新潟に行ったり、金沢に行ったりあるいは大阪へ行ったり、ときには名古屋にも行かなければならない、その案件によっては。出先機関、さらにブロック別の出先機関を経由して、そうして最終的には各省庁まで、結局東京まで来ないと一つのまとまった案件は処理できない。こういう声は異口同音にどこへ行っても繰り返し強い要望があるわけです。こういう点も行管が十分考えるべき問題だと思うんですね。国の行政のいわゆる簡素化、効率化、そうして民主化ということをたてまえとしておる行管としては、当然当面の一つの大きな課題であろうと思うんですね。こういう点を、これはもう毎回地方へ行けば必ず、県に寄れば必ずこういう要望は申し合わしたようにあるわけです。こういう問題も具体的にひとつ取り組んで善処すべきではなかろうかと思うんですが、重ねてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/22
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023・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) 御指摘の点、まことにそのとおりでございます。現在各省設置法で、出先へ権限を委譲するということをやります場合には、われわれとしてもこれが出先へ行ってまた本省まで来なければいかぬというようなものではたいへんぐあいが悪いので、出先へ権限を委譲する場合には本省へは来ないという、出先限りで事が完全に処理されるという形でやってもらいたいという方針であります。各省庁も原則としてはそれを認めてやってくれておるわけでございますが、現実はなかなかそうまいらぬで、出先だけで済まないで、結局本省庁へ来なければいけないということでございますので、これは臨調答申の大きい方向としての行政機構の合理化といいますか、簡素化に沿いまして、いま非常にこれは大きい問題でもあるし、多岐にわたる問題でもあります。行政改革本部で臨調答申の処理という方向でいま検討を進めておるわけでございます。一応の目安を八月三十一日に置きまして、そこで、この全体がそれまでに処理できるとは思いませんが、少なくとも全体の方向、方針だけは八月三十一日までに各省庁で検討をしてもらい、これを行革本部で取りまとめるということにいたしたいと思うのでございます。筋は、御指摘のとおり、少なくとも出先に本省庁が権限を委譲する場合、出先で完全に処理ができて片がつくということは必ずやってもらう。そうしてさらに基本的にはなるべく多くの、特に実施事務というふうに分けました場合は、これを出先でなくてさらに地方公共団体へ権限を委譲してしまうという方向をひとつできるだけ実現をするということで具体案をつくりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/23
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024・伊藤顕道
○伊藤顕道君 このことに連関して資料の提出をお順いしたいのですが、昨年たしか九月だったと思いますが、臨時行政調査会が各省庁に対して勧告を出しております。それに対する各省庁がそれに対処して報告しなければならぬことになっておると思うんですが、各省庁の何といいますか、報告だと思いますが、これは取りまとまっていると思います、昨年の九月ですから、そういう資料を各省庁の分をまとめてひとつ当内閣委員会に御提出いただきたいと思います。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/24
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025・井原敏之
○政府委員(井原敏之君) 昨年の九月の終わりに行政改革全般につきましての臨時行政調査会の答申が出まして、行革本部でこれを処理するにあたりまして、いま御指摘のように、各省の意見を行政改革本部として照会したわけでございます。これはおおむね年末までにすべて出そろっておりますので、ただいまの御要求によりまして提出させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/25
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026・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、いまの問題に関連して地方自治法の附則第八条にある、いわゆる社会保険とかあるいは職業安定ですか、こういう事務に従事している、いわゆる地方事務官の制度があるわけですが、これはこの前もお伺いしたのですが、予算権、人事権は国にあって、そういう地方事務官が同じ県庁の職員と同じ屋根の下にあって、そして仕事をしている。知事は監督を委任されているけれども、人事権と予算権は国にあるので、その監督が意にまかせない。そこで経理上の監督の不十分なところから大きないわゆる問題、経理上の大きな問題を起こしたというような府県も聞いているわけですが、これはこういうことも各県で必ずといってもいいくらいに要望のある点なんです。同じ県庁の庁舎のもとにこういう異質の、知事の手の届かない職員がおって、そして同じように机を並べて仕事をしている。監督は表面上だけで、予算権人事権は知事にはないわけです。これは何とかどっちかにはっきりさせないと、いまのような経理上の問題があとを断たないと思います。こういう点はどのようなお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/26
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027・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) その点先ほど申し述べましたが、臨調の答申では、こういうものはやはり機関委任事務遂行上は異例に属するので、整理をし廃止をしたらどうかという答申が出ているわけでございます。これは現在行革本部でその答申の趣旨に沿った検討をいたしておる、まあ、いわば長年のものでございまして、こういうふうな一見どうかと思うものが、いまだ残っておるわけでございます。これは臨調答申の線に沿った検討をいたしております。なるべく早く結論を得たい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/27
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028・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間がもうございませんから、この点で本日のところは、この問題についてはやめたいと思いますが、以上数項目について繰り返しお伺いしたわけですけれども、これは先ほども申し上げましたように、私のただ単なる考えでなく、地方を回って何回か繰り返して、至るところで強い要請のあったものを、また、私どもの立場でよく検討して、うのみでなく検討した上で、これはこうすべきだという問題についてお伺いしたわけです。したがって、これは今回だけ論議された問題でなく、前々から当内閣委員会の課題として検討された問題も相当あるわけです。ひとつ検討中とかせっかく努力中ということでなく、ひとつ早急に熱意をもってこの問題と取り組んでいただきたい、こういうことを最後に強く要望を申し上げたいと思います。これに対する大臣の決意のほどを承って、この問題を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/28
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029・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) 熱心な御提案をいただいたことでございまして、私も単に答弁として検討をいたし、あるいは実現に努力すると簡単に申し上げたつもりはございません。十分実質的に、次の通常国会に提案をいたしたいと申し上げたものについては、必ず具体案を得てそういう運びにする。増員その他の問題も、成果を得るように十分誠意をもってやるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/29
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030・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ほかに御発言がなければ、本件の調査は、この程度にとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/30
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031・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、国の防衛に関する調査を議題といたし、質疑の通告がありまするので、これを許します。
なお、政府側からは、高橋防衛庁政務次官、海原防衛局長、島田教育局長、堀田人事局長、軽部衛生局長、大村経理局長、国井装備局長、沼尻防衛施設庁総務部長、志賀参事官が出席しております。伊藤委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/31
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032・伊藤顕道
○伊藤顕道君 防衛庁に対して、前回に引き続いて二、三さらにお伺いしたいと思うんですが、きょうは長官が御都合で出席ないので、基本的なことはさておいて、具体的な問題について二、三お伺いしたいと思います。
まずお伺いしておきたいのは、いま第三次防衛計画を検討中だろうと思うんですね。これは四十二年度から始まって。第二次防衛計画は四十一年度で終わろうとしておるわけです。この前お伺いしたいわゆる定員の欠員の問題ですが、これは相当あるので、一体第三次防衛計画を立てる際にも、これは大きな一つの問題となろうと思うんです。これは言うまでもなく基本的問題ですから、その内容についてはお伺いいたしませんけれども、政務次官がお見えになっておるので、この程度のことは当然おわかりだろうと思います。第三次防衛計画は相当具体的に進んでおるのか。また欠員の問題についてはどういうふうに計画と結びつけて、どういうふうに考えておられるのか、そのことだけをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/32
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033・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) お説のごとく、第三次防衛力整備計画につきましては、部内におきまして基礎研究はいたしておるのであります。見通しといたしまして、それぞれ各局分かれて真摯な態度で当たっておるのでありまするが、六月ごろ成案を見るのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/33
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034・伊藤顕道
○伊藤顕道君 此の前この欠員の問題についてお伺いしたわけですけれども、この問題と当然結びつけて考えられることは、結局募集という問題と結びつくと思うんですが、防衛庁としていまどのような手を打っておられるわけですか、この欠員に対する募集ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/34
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035・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) 伊藤委員御指摘の募集難に対しまする対策は、かねて防衛庁でも大きな問題だと考えまして、非常なる重点を置いて推進をいたしておるのでありまするが、大きく分けますると、現在ございます募集の体制、自衛隊がそれぞれ各県に持っております地連並びに出張所、この組織をさらに強化をし、もちろん場所もふやし、人員的にもこれを強化し、活動をいたしまする予算等もこれを増額し、そうしてさらには市町村等に事務の委託をいたしまして、募集の協力をお願いいたします。これについても、さらに委託の費用を増額等をいたしまして、引き続き市町村の協力をさらにお願いする、といいましたような良質の若い青年を幅広く手を広げて獲得するという外の態勢を整えますとともに、内ではやはり一般の企業の労働条件、生活環境等になるべく劣らないような生活環境を与えますよう、たとえて申しますと、ひどく老朽をしております隊舎等を建てかえたり、あるいは娯楽、レクリエーションの設備をよくしてやる、食事等もくふうしてやるといったような万端の生活条件を整えるということによりまして、いまよりもさらに魅力のある生活が送られるようにくふうするといったような努力をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/35
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036・伊藤顕道
○伊藤顕道君 戦前にはむろん徴兵制がしかれておったわけですけれども、その面を担当しているのが連隊区司令部であったわけですね。いまそれに匹敵するものとしては、防衛庁には地方連絡部というのがあるわけですね。これはいま何カ所あるのですか。四十七カ所という記事もあるし、七十九カ所という記事を見ているのですが、どちらが正しいのですか、そういう点についてもこの際承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/36
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037・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) 地連は四十九でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/37
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038・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この募集難の対策として、いま地方連絡部、これが地方では中心になって募集業務に当たっていると思うのです。むろん市町村にも依頼して、さらには入った場合に職業教育をやって、除隊してからその技術が有効に使えるように、こういう配慮もあろうと思うのですね。あるいはまた、職業のあっせん、こういう問題もあるし、また、一面自衛隊はこういうところだ、ということでPRもやっているでしょうし、ゴムのスペアタイヤに黄色いビニールを巻きつけて、それにいわゆる自衛官の毎月受付、毎月入隊というのを都内で見たこともある。それも二つの方法だと思う。あるいは流行歌手に楽しい自衛隊というレコードをつくらせて、それを各地でばらまいたり、あるいは有線放送、農村の有線放送を利用している、いかにも楽しそうな音楽を流している。こういう問題が幾つかの具体的な例だと思うのですが、こういう問題それぞれについては現在どうなっているか、その概要を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/38
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039・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) ただいま伊藤委員御指摘のようなくふうを現実にいたしております。その内容はいろいろございますが、大体予算の数字で申し上げますと、こまかくなりますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/39
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040・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いや概要でいいです。あまりこまかい点はいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/40
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041・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) それでは概括的なところを申し上げますと、いま御指摘になりました、たとえば除隊者の就職の援護等につきましては、三十九年度で一千二百万円の予算措置をいたしております。これは自動車の運転手の免許をとります試験場を整備するといったようなこと、あるいは公資格の付与をいたします施設をつくるといったようなことに充当しております。なお、自動車のうしろに黄色のカバーをつけて自衛官募集中といったようないわゆるPRのくふう、これにはいろいろございますけれども、三十九年度で二億二千万円の経費を使っております。これはパンフレットをつくり、スポット放送をやり、いま御指摘の有線放送、そういうすべてのことに使うわけでございます。なお、市町村にいろいろ依頼をしておるという御指摘がございましたが、これは市町村に委託費を出しましていろいろな事務の支援をいただいております。これが四千万。そのほかいわゆる器材費と申しますか、先ほどの黄色いビニールの袋をつくりましたり、のぼりをつくりましたり、あるいはポスターをつくりましたり、そういう点に充当いたしておりますが、これらを全部含めて二億二千万の金を出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/41
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042・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこでこの際お伺いしておきたいのは、本年度の募集経費はたしか二億二千万円くらいだったと思うのですが、新年度は合計でどのくらいですか、そういうものを総括して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/42
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043・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) 募集経費全体で五億二千八百万円です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/43
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044・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこでさらにお伺いしたいのですが、直接隊員の勧誘業務に当たっておる、たとえば都内では市ケ谷に東京地方連絡部がありますね。これは毎月二百人から三百人くらいという隊員に目標を与えて、二百六十人ばかりの係員がそれぞれ担当して、いうなれば一つのノルマともいうべき目標に向かって努力しておるということですが、その実態を概要でけっこうですが、実際どういう要領でどのようにしてやっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/44
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045・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) お尋ねは、東京地連の活動状況について説明せよというお尋ねだと思いますので、東京地連について申し上げます。東京地連は現在部長以下二百三十二名でございます。この二百三十二名のうちで外に出て活動をいたしております者が概括的に申しますと半分、その時期々々で多少出入りがございますけれども、大体半分が外に出て働いておるというふうにお考えいただいてけっこうだと思います。この外に出ます者が、街頭に立つ者が大体二十七名、それから職安に参りまして職安にテーブルを置いて業務をとっておる者、これが二十一名、それから連れてきた者の試験をやりましたりあるいはいろいろ調べたり、そういうことをいたします者が十七名、市町村との連絡に当たっております者が八名、大体そういった組織で募集活動をいたしております。それからいま御指摘がございました一人々々に大体ノルマを与えておるのではないかというお話がございましたが、これは大体年度の初めに長官名で全国的な募集計画が出まして、その募集計画に基づきまして陸上幕僚監部でさらに方面別、師団別、さらには各府県地連別の計画を立てまして、そうして今年度は年間を通じて大体この地連は、東京地連は何名という目標を与えるわけです。その目標に基づきまして、地連は月別、期別の計画を立てます。したがいまして、東京地連には何名という一応の目標が参りますと、先ほど申し上げました九十人の隊員がいろいろなくふうをいたしまして、年間それだけを仕上げる。ただ、時期的な目標状況の変更がございますので、街頭に重点を置くとか、市町村に重点を置くとか、あるいは地連の窓口に重点を置くとかいろいろその状況によってそれが変わってくるわけであります。一人々々のノルマということは、私はまだ聞いておりません。大体地連自体としての責任目標、責任数というものはございますけれども、一人々々にノルマを与えて叱咤勉励をするということはいたしておりません。
それから先ほどお尋ねのございました大体どんな区別割合で募集がなされておるかという点でございますが、これは三十九年度は全部集計ができておりませんので、三十八年度について申し上げますと、職業安定所を通じて東京地連へ入隊いたしました者が一七・四%、街頭で募集をいたしまして入隊した者が一〇・三%、市町村にお願いをいたしまして市町村の窓口を通じて入隊してまいりましたのが四五%、そのほか地連へ参りましたり、あるいは学校等であっせんをしていただいて参りました者、これが三〇%、その他というような比率です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/45
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046・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで職安とか市町村役場、そういうところを通してという御説明ですが、ここでお伺いしておきたいのは、直接街頭でやる場合、どんな要領でやるのか、この点、たとえば上野公園の西郷さんの銅像の下の階段には常時私服の係員の方が数名行っておって、ここへ来る青年をよく観察してというようなことを漏れ聞いておるわけです。たとえばそういう方法は実際にやっておるのかどうか。駅のホームとか、あるいは銅像の下とか、そういう具体的な問題を二、三どういう要領でやつおるのか、この際伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/46
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047・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) これはただいまお話がございましたが、もちろん上野の西郷さんの銅像の下にも参りますし、それから松阪屋の前にも参りますし、渋谷のハチ公の銅像の前にも、パチンコ魔の前にも立つということで街頭班は知恵をしぼるわけであります。私、実は街頭募集をしておるのを見て回ったことがございますけれども、やはり西郷さんの銅像の下にたくさん青年が集まってくる時期というのがあるそうです。いなかから出てきて、ぽっと上京してきてぶらぶらしている、あるいはつとめは持っているのだけれども、何となく西郷さんの銅像の付近に集まってくるという青年の流れが実はあるそうです。それを書き分けまして、やはり街頭班の地連の職員がそこへ行って、よさそうな青年に呼びかけて自衛隊へ入ったらどうかという募集をしておる、あるいは渋谷のたとえばハチ公の前にあそこは青年たちの待ち合わせの場所になっておりますけれども、その若い男女の待ち合わせばかりでなくて、やはりふらっと来てたばこをすって集まっておるというそういうやはり時期があるそうでございます。これを見のがしてはいかぬというので、やはり行っておるということを聞いておりますが、これは、私どもがここへ行ってこうしろということではございませんので、たとえば街頭で今月はこのくらい集めようじゃないか、集まるのではないかという相談をして、そうしてそれぞれがいろいろ知恵をしぼりまして、パチンコ屋の前に行ってみる、あるいは駅の前に行ってみるとか、御指摘の西郷さんの銅像の下に行ってみるとかいうようなくふうをして募集をいたしておるというのが実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/47
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048・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間もだいぶ経過しておりますから、最後に一点だけお伺いいたしますが、いろいろ承ると、防衛庁内部にこういう募集難の批判意見も出ておって、こういうような意見があるというように聞いておるのですがね。たとえば、少ないのは一士、二士ですね。一士、二士の自衛官、これが三万近くもおってなかなか募集できないと、そういうことならばむしろ空、海の装備を充実、経費と努力をそちらのほうへ向けたほうが効果があるじゃないかと、そういうような意見があったり、あるいは十八万の目標達成しようというのがどだい無理な数字であるから、もっと縮小して、精鋭な軍隊を、自衛隊をつくったほうがいいのじゃないか。そうかと思うと、いやいまのままでけっこういまの自衛官は効果をあげておるのだからそういう考えはないと、こういうふうにいろいろ意見がまちまちであって、その帰趨はこんとんとしておる。そういうようなことをこれは漏れ承ったのですが、こういうような点がはたしてあるのかないのか。そうして防衛庁としては一体基本的にはこういう問題をどうお考えなのか。この点を最後にお伺いして、あとは次回に譲りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/48
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049・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) 防衛庁内部で現在の募集方法につきまして批判云々のおことばがございましたけれども、寡聞でございまするが、私その声を聞いたことがございません。また、内部におきましても、今後その方法を変えて新しい方向づけをとろうじゃないかというようなことも実はまだ聞いておらぬのでございます。いままでの実効果を大体見たのでありますが、この四十九の地連におきましてもそれぞれ職分を全ういたしまして、非帯な今年度におきましては成果見るべきものがございました。おそらくは、この結果を見ましたからには、現在の態度を持続すべきであるというようなものでなかろうかと私は思うのでございますが、なお、もっと具体的な、先生のせっかくの御意見でございますからひとつ人事局長からもう少し細部にわたりまして御説明をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/49
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050・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) いまの問題についてお答え申し上げます前に、先ほど伊藤先生にお答えいたしました募集経費の数字、私間違っておりましたので訂正さしていただきたいと思います。五億二千五百万は実は当初の要求数字でございます。大蔵でいま予算案の固まっておりますのは三億三百万でございます。失礼いたしました。
それからいまの募集の状況では、もうだめではないか、したがって、これは海空の装備の充当に予算を充てたらいいんではないかという意見が、防衛庁の中にありはしないかというお話でございますが、まあ人事局長、おまえは無能だからという非難に相なりますので、私に直接言って来る者がないのかもしれませんけれども、少なくとも防衛庁の公開の席上では、そのような話はいまだ聞いたことがございません。ただ、一般の大衆雑誌等にはそういったような議論が間々書かれているのを読んだことがございます。庁内では全然そういうことはないというふうに御判断いただいていいと思います。
それから募集の方法について、一体こういうことでやれるのかという問題でございますが、これは私どもは三十九年度の四四半期のいま募集をいたしておりますけれども、この募集は、大体年度の当初に予定をいたしました計画数は確保できる。四十年度も一応計画を立てております。これは二士の募集数を大体三万一千百ないし五百ぐらいに置く予定でいるのでございますが、これはもうすでに先生の御承知のとおり、二士の適齢人口が四十年度は二十八万ふえることになっております。また、新規の高校卒で就職可能になる青年が十五万人ぐらいふえるという数字が出ております。したがいまして、いまいろいろくふうをいたしております募集の方法をもっと徹底をして、いわゆるがんばってやるということをいたしますれば、やはり目標数は何とか確保できるんではないかと、そうどうにもならない状況にはならないのではないかというふうなことを考えております。しかし、これはまあもちろん私どもが募集のほうの努力、あるいは四十年度の予算で実施をいたします、先ほど申し上げた自衛隊の隊内生活をもう少しここちよくするという努力が欠けなければという条件つきでございますけれども、努力を私どもがして、何とかがんばりさえすれば、大体目標は確保できるのではないかというふうに現在では思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/50
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051・中村順造
○中村順造君 質問されている伊藤さんがやめましたので、私は関連して一つだけ、いままでのずっと質問を聞きまして、お伺いしたいのですが、最後ですが、いまの答弁聞ましても、何か数だけそろえばいいというふうな感じを、われわれは聞いて受けるわけですよ。また、パチンコ屋の前で集めるとか、西郷さんの前だとか、ハチ公の前だとか、そういうことはやるべきじゃないんじゃないかと私は思うんですよ。そういうことをやるから、自衛隊に入り手がないので、やはりいま新しい新制高校を出る人が十五万人ふえているというがね、いまそういうところに目をつけてやっぱりやる、数さえそろえば、頭数さえそろえばどうでもいいという考え方そのものが、結局自衛隊そのものに入る気をなくするのですよ。私は三日ぐらい前ですか、神田で、いまの伊藤さんが言った、自動車の、ジープのうしろに黄色のマークなんかをつけたのを見たんですよ、品がないんですよ。皆さんが、せっかく一生懸命に地方連絡部がやっているかもしれませんが、そのことがむしろ逆な効果になるような気がするんですよ。もちろん社会党は、自衛隊に対する考え方は違っています。違っていますが、現行制度をそのまま認める認めないは別にして、一応三万人という欠員は長い間のことなんですが、それが、ものの考え方が違っているのじゃないか、やはり国民に理解をされ、しかも好んで入れる自衛隊にするという考え方が当事者にあるかどうか、それはもちろん局長のところでは無理かもしれませんがね、いうなれば長官以下、全体をあげてやはりそういうものの考え方、ハチ公の前だろうが、西郷さんの銅像の前だろうが、どこでも入る者は呼んでくるという考え方をやめない限り、私は自衛隊の数の欠員はなくならないと思うんですよ。むしろ学校とか、あるいはそういうふうな正規に、やはり私は皆さんのことばで言うなら、誇りを持って自衛隊に入れるという、そういう形を整えることが先決だと思うんですよ。そういう点の努力が、これから先、重ねられなければ、ただ頭数だけそろえればいいと、まっ昼間に、まだ二十前後の青年が、パチンコやるような人間を、幾ら集めたって、そういう集団にはその人は入らないんですよ。これは一体、私は先ほど来質問を聞きまして、私の感じたことを率直に質問するんですが、政務次官どうですか、私のいま申し上げたような内容で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/51
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052・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) いまのようなお説は、ごもっともしごくと実は思うのでありますが、現状から見まして、見ばのいい、わきから見ましてきれいな募集方法で目的が達成できるという状況でないことをまことに悲しく思います。ただ関係者といたしましては、きめました目標に向かって年度に定められた定数を確保しよう、今年度の計画数はここにあるのであるからというようなことで、それはもう私どもも見もし聞かされてもきたのでありますけれども、きわめて熱心に係り官におきましては、非帯に真摯な態度で鋭意この問題に取り組んでおります。毎委員会におきまして、この問題、充足ということにつきまして、おことばがございますが、実はそのたびに身の締まる思いがいたすのでございます。再度申し上げますが、現況におきましてはやむを得ない募集方法だと思います。ただ、かりに質といたしましてはあまり程度のいい者が入らないにいたしましても、最初はそのような青年諸君でございますが、入隊いたしまして非帯に翻意をし、かりに質のどうかなと思われますような者でも、入隊以後は、周囲の環境その他によりまして、非帯に見違えるような心がまえになる、いろいろな面について向上進歩のあとがあったというようなことがきわめて多いことを聞かされました場合、必ずしも私どもの企画しております方法に大きな間違いはないというような気持ちもするのでございます。まあ現況におきましてはやむを得ないことかもしれませんけれども、お説のごとく、誇りをもって、自衛隊があこがれの的であるというようなところまでまいりますならば、その前提といたしましては、お話しございましたように、隊舎の修築をはかる、あるいは日常訓練の場が非帯に潤いのある、気持ちよく隊舎生活ができるような環境に仕向けるということがもちろん前提であらねばならぬと思います。ぜひそういう方向で大いに今後も努力をはかりまして、長官ともひとつよくお話を申し上げまして、先生の御趣旨に沿うように、これはもう今後全力をふるわなければなりませんが、年ごとにその方向にまいりますことが大きな課題でもあろうと思いまして、私は鋭意努力したいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/52
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053・中村順造
○中村順造君 もう申し上げませんが、いろいろ週刊誌にもそういうことが出ていましたが、それはうそだろうと私は信じておった。まさかそんなことはないと思っていた。ところが、いま人事局長の話を聞きましたら、そういうことをされておるというので驚いたのです。実際はそういうものの考え方をやめられることが私は先決だと思うのです。それはかりに精神条項は別にしても——精神条項がどうなければならない、こうなければならないということは私は言いません。考え方が違うのですから。われわれは考え方が違うから言いませんが、かりに待遇が悪かったら待遇を上げてやればいいじゃないですか。中身が悪ければよくしてやればいい。そうしておりやすい、入りやすい自衛隊にするということが、これは私はおかしいととられるかもしれませんけれども、まず人を任務につかせるというには、そういう考え方がなければ頭数だけをそろえてもだめだ。この前、説明を聞きますと、入っておった人が年間一万人やめるとおっしゃる。二万人減る中で、一万名は定期の除隊、一万名はすでに入っておった人がやめる。これは私ならやめますよ。私が自衛隊員ならやめますよ。私がかりに自衛隊員としてまじめにやっておって、そのあとへどこから来たのかわからぬ者をパチンコ屋の門口から引っぱってきたり、西郷さんの前から拾ってきた人が私のグループに入ってきたら私はやめますよ。誇りも何もないじゃないですか。政務次官がいろいろ御趣旨に沿うというようなことをおっしゃるけれども、その考え方をやめなければ、そのやり方をやめなければこれは幾らでもやめますよ。まあ、これは私の意見ですから、しろうと考えではそう言うけれども、しかしそれは違うのだとおっしゃるかもしれませんけれども、一万名やめる中で、アンケートをとってみなさい。おそらくそういう理由の人もいると思うのです。せっかく誇りをもって、その待遇で満足してつとめようとしてても、あとに続く者がそうであってはどんな気持ちになるか。前に入った人は、先輩は非帯にきれいな考え方でまじめにやろうとして入ってきても、あとがそれでは……。手配師ですよ、それは。この船舶の、舟のほうの労働者にそんなのがありますよ。手配師が上野へ行って、地下たびをはかして、トラックで拾ってきて、その日だけ済めばいいというのがあるんです。あなたのほうでやっていることはまるで手配師です。そういうことはやめるべきですよ。私はあえて意見を申し上げておきますが、そのやり方でやるからには、いつまでたっても三万人という募集はできませんよ。もっと抜本的な問題を先輩としてあるいは中堅幹部として考えられなければならぬと私は思うんですよ。答弁は別に要りませんが、あるならばひとつしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/53
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054・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) 弁解じみるのでございますが、私がちょっと説明をいたしますのを落としましたのでつけ加えさしていただきますと、いま御指摘の街頭募集は、先ほどもお答え申し上げましたように、約一〇%でございます。数からいってもたいしたことはないわけでございます。そこで、われわれはやはりいまおっしゃったとおりの理由でこれは漸減していくべきである。漸減をするためには、四十年度の予算においてそれを組み直さなければならないという相談をいたしまして、四十年度では地方連絡部の事務所、これを募集事務所という名前にいたしましてこれをふやす、あるいは新聞広告、ポスター等による広報の手段をもっと緊密にやり、市町村、区役所等にお願いする、あるいは学校等にも働きかけるということに重点を置く予算措置をお願いしております。これがもし可能になりますれば、おそらくここ数年で、街頭でいま御指摘になりましたようなことはしないで済むようになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/54
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055・中村順造
○中村順造君 どうも私の言うのがわからぬようだが、やめなさいと私は言うんです。それをやるから入った人が出ていく。そんな街頭募集をやめなさいと言うんです。やめて、実際に誇りを持って入れる自衛隊である、また、その自衛隊にすることが先決だ。あなたはやめると言っていない、私はやめなさいと言うんです。せっかく入った人がやめていく、いわゆる街頭の手配師のやるようなことはやめなさい。それに対する意見を私は聞いている。それを五年、六年続けてまいります、そのうちには満ぱいになります、そういうことじゃないんだ。私の言うのは。その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/55
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056・堀田政孝
○政府委員(堀田政孝君) 現在私どもが事務的に相談をいたしますところでは、一〇%ではございますけれども、一〇%確保できるのでこれを全廃するという意見は出ておらなかったわけでございますが、方向としてはやはりやめるべきであり、やめる措置はやはりとるべきであるということで、四十年度では予算措置をお願いしているということでひとつ御了承をいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/56
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057・中村順造
○中村順造君 了承するとか、しないとか、私は担当でないからそれはいいんだけれども、一〇%とあなたは言うけれども、一人入ったために二人いや気がさしてやめたらどうします。昼の日中パチンコ屋から外へひょこっと出てきたやつを、おまえ自衛隊へ来い、ハチ公の前でデートしているやつを片方だけ引っぱってきてもだめですよ。そういう考え方をやめなさい。そういうことをやめたら自衛隊に質のいい有望の青年がたくさん入ってくる、方々から。私は担当者じゃないから、私の意見を言っただけだから回答は要りません。けれども、それをやる限りにおいてはいつまでたったって、この委員会でも長い間これはそういう話が出ている。これをやりませんと言わぬ限り同じ議論を何回もやらなければいかぬから言っている。政務次官、どうですか、やめますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/57
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058・高橋清一郎
○政府委員(高橋清一郎君) やめる方向にあとう限り善処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/58
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059・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ほかに御発言もなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十九分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X00719650225/59
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