1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月二十五日(木曜日)
午前十一時四分開会
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委員の異動
三月二十三日
辞任 補欠選任
塩見 俊二君 鈴木 一司君
三月二十四日
辞任 補欠選任
鈴木 一司君 塩見 俊二君
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出席者は左のとおり。
委員長 柴田 栄君
理 事
栗原 祐幸君
下村 定君
伊藤 顕道君
委 員
石原幹市郎君
源田 実君
塩見 俊二君
林田 正治君
三木與吉郎君
村山 道雄君
森部 隆輔君
鬼木 勝利君
衆議院議員
発 議 者 八田 貞義君
国務大臣
国 務 大 臣 愛知 揆一君
国 務 大 臣 増原 恵吉君
政府委員
北海道開発政務
次官 大泉 寛三君
北海道開発庁総
務監理官 小熊 清君
科学技術政務次
官 纐纈 彌三君
科学技術庁長官
官房長 小林 貞雄君
科学技術庁計画
局長 梅澤 邦臣君
科学技術庁研究
調整局長 高橋 正春君
科学技術庁振興
局長 江上 龍彦君
科学技術庁原子
力局長 村田 浩君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案
(衆議院送付、予備審査)
○北海道開発法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・柴田栄
○委員長(柴田栄君) これより内閣委員会を開会いたします。
旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案を議題とし、発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員八田貞義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/1
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002・八田貞義
○衆議院議員(八田貞義君) ただいま議題となりました旧金鵄勲章年金受給者に関する特別措置法案の趣旨説明を行ないます。
旧金鵄勲章年金令が明治二十七年勅令第一七三号によって制定されましたことは御承知のとおりであります。その後、この年金令は昭和十六年に至り勅令第七二五号によりまして廃止されましたが、同時にまたこの勅令により昭和十五年四月二十九日以前の叙賜者につきましては、旧令によって年金は下賜されていたのであります。しかるに終戦後昭和二十一年三月に至りまして、これらの勲章年金は、昭和二十年十二月末を限りといたしまして、一切廃止されることとなって今日に至っておるものであります。
戦後二十年、この間幸いにわが国の経済は順調に再建発展しまして、国民生活も年一年と向上をたどりつつあるのであります。この間にあって旧金鵄勲章年金受給者におかれてはかつて支給されていました年金は打ち切られ、その経済的期待権を喪失し、経済的また精神的に不遇のうちに老残の日々を送っている人々も多いのでありまして、まことに惻隠の情にたえないものがあります。よって本法律によりまして、これらの人々の処遇改善をはかるため、特別の措置を講じようとするものであります。
本法律案の要旨は、本法施行の日において生存する旧金鵄勲章年金受給者にして満六十歳に達しておられる方々並びに昭和三十八年四月一日において六十歳に達した者が本法の施行の日までの期間において死亡された方々に対し、旧制の功級による区別なく、その処遇の改善の一端として金七万円の一時金を特別措置として支給しようとするものであります。その認定はこれを受けようとする者の請求に基づきまして、内閣総理大臣が行なうこととしております。
なおこの法律の実施のための手続その他につきましては、政令をもって定めることとしております。
以上をもちまして提案の趣旨説明といたします。何とぞ本委員会におかれましては、慎重御審議の上、御賛同あらむことを御願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/2
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003・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 本案の自後の審査は、都合により後日に譲ります。
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004・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 次に、北海道開発法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。政府側からは増原北海道開発庁長官、小熊総務監理官が出席いたしております。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/4
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005・伊藤顕道
○伊藤顕道君 前回に引き続いて、二、三長官を中心にお伺いいたしたいと思います。
前にも触れましたが、北海道開発庁のおもな機構は開発計画についての調査、企画、立案ということと、これに基づく事業の実施に関する事務の調整と推進、さらには北海道東北開発公庫とか、あるいは北海道地下資源開発株式会社の監督、こうなっておるわけですね。そこでこのことに関連してお伺いするわけですが、北海道東北開発公庫の概要をちょっと御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/5
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006・小熊清
○政府委員(小熊清君) 北海道東北開発公庫の概要でございますが、同公庫は北海道東北開発公庫法という単独の法律によりまして、昭和三十一年に設立を見たものでございます。その公庫の目的ないしおもな事業内容といたしましては、「北海道及び東北地方における産業の振興開発を促進し、国民経済の発展に寄与するため、長期の資金を供給する」ということを目的としております。その業務の範囲といたしましては、したがいまして北海道及び東北における産業の開発に貢献するような企業に対しまして長期資金の融通を行なうということが一番大きな業務になっておりますが、あわせて出資もまた行ない得るということになっております。
最近までの業務の概況を数字について申し上げますと、三十九年十二月末までに発足以来出融資した累計は、北海道、東北合わせまして千五百億以上にのぼっております。また、その残高は千六十億ばかりになっております。
また、公庫の組織でございますが、これは主たる事務所は東京にございます。そして札幌と仙台に従たる事務所がございます。役員が総裁、副総裁、理事、監事合わせて八名、そのほか職員が二百数十名おるかと思います。
簡単にアウトラインを申し上げて、あと御質問によりましてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/6
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007・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、北海道の地下資源開発株式会社、これは詳しいことは要りませんから、ただ資金等の問題を中心におおよそその規模が知りたいと思うので、そのことを中心に簡単に御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/7
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008・小熊清
○政府委員(小熊清君) 北海道地下資源開発株式会社はいわゆる特殊法人でございまして、資本金は十億円ございます。そのうち九億円は政府出資、残りの一億円を北海道及び北海道の民間の企業等で受け持っております。そうしておもな業務は、北海道における鉱区の試錐でございます。その試錐に伴って収入をあげて、それによって毎年度の事業を遂行してまいる。かようなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/8
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009・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、この北海道開発庁の機構を見ますると、国務大臣をもって充てるところの長官、政務次官、それから次官、それから局部制がなくて総務監理官、こういうことになっておるわけですが、国の行政組織と特異な機構を持っておるようですが、これは何か理由があるのですか。特に職制が変わっておるようですが、このことを簡単に御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/9
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010・小熊清
○政府委員(小熊清君) 開発庁の機構は中央に北海道開発庁を置きまして、その他方支分部局として北海道に北海道開発局というものがございます。開発庁、狭い意味の中央部局としての開発庁、ただいま御指摘のように、通常の中央官庁のような局制をしいておりません。長官の下に政務、事務両次官、それから総務監理官、その下に各課ないしは室があります。御承知のように、開発庁は北海道の総合開発計画を調査いたす、立案いたすという、いわゆる企画官庁でございまして、企画官庁の特殊性ということからいわゆる専門官制度というものをフルに活用しております。普通の中央官庁ですと直接業務をやっておりますが、したがって、業務によってそれぞれ局とかないしは部というものがございますが、開発庁は企画官庁であると、したがって、あまり膨大な業務は必要としない。しかも全体で八十人というわずかな定員でございます。したがいまして、ごく簡素な機構で、主として専門官というものを活用いたしまして開発計画の調査、立案をやる、こういうたてまえになっておるのではなかろうかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/10
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011・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、開発庁の地方支分部局として北海道開発局があるわけですね。これのおもな任務はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/11
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012・小熊清
○政府委員(小熊清君) 北海道の開発というものを計画面と実施面と両方に分けることができるわけであります。開発計画の計画面、調査とか立案とか、あるいは調整といったようなことは中央の開発庁が受け持っております。ところで実施面でございますが、実施面は現地の開発局が開発計画全般のうち建設省、運輸省、農林省の公共事業系統に属する直轄工事、これをみずから実施しておるわけでございます。なお、開発計画の中の他の部分、たとえば鉄道輸送でございますとか、あるいは文教施設、厚生施設といったようなものは、それぞれ各省、運輸省なり国鉄なり、厚生省等が実施しておるわけでございます。公共事業系統の国の直轄工事、これは開発局が事業の実施を直接やっているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/12
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013・伊藤顕道
○伊藤顕道君 開発庁の予算ですね。これは開発局を含めて三十六年度から新年度、四十年度までちょっとわかっておったらお知らせいただきたい。三十六年はたしか四百七十三億だったと思いますが、それが今日まで五カ年間でどのように推移してきたかという傾向を知りたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/13
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014・小熊清
○政府委員(小熊清君) 三十七年度から申し上げます。これは事業費もそれからいわゆる事務費も全部ひっくるめた開発庁に計上される予算の総合計でございますが、二十七年は五百六十二億でございます。それは当初予算でございますが、ずっと当初予算を申し上げますと、三十八年は六百七十九億、三十九年が八百十億でございます。ただいま御審議を願っております四十年度の予算案では九百四十五億になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/14
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015・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/15
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016・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 速記をつけて。
大泉政務次官が参りましたので、質疑を続行願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/16
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017・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、臨時行政調査会の第一専門部会の第一班についてであります。第一班の報告書が出ておるわけです。この内容を中心に、二、三お伺いしたいと思います。
この報告書によりますと、北海道開発庁は北海道開発に関する企画調整、そういう機関として置かれておるということ、これははっきりしておる。そうしてこの企画調整の機能は総合開発計画の企画立案については、他の開発計画、長期計画との完全な調整のもとにこれがなされているとはいえないというふうに報告しておるわけですね。それと、さらには相互に体系的なつながりも明らかになっていないのじゃないか、この二点がまず指摘されておるわけです。そこで、この点について、ひとつ北海道開発庁としての御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/17
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018・小熊清
○政府委員(小熊清君) 臨時行政調査会のほうで御検討になりまして、ただいま御指摘のような意見が出されているわけでございます。開発庁といたしましては、現在、三十七年に閣議で決定を見ました第二期の開発計画を実行中でございます。その開発計画の中に道路とか港湾とか治山治水といったようなものが大きな事業となっているわけであります。その道路、港湾あるいは治山治水については、それぞれ別に長期計画が定められております。道路につきましては、三十九年度から五カ年計画が定められております。治山治水あるいは港湾については、四十年度から定められることになっております。かような、それぞれ各事業ごとに定められております長期計画と、それから開発計画の道路なり港湾なり治山治水の事業計画というものは、当然調整をとらねばならないと思います。ところで、開発計画が策定されましたのは、いま申し上げましたように三年前でございます。その後の経済計画全体の調整の結果を開発計画に見込んでおりまするし、各事業の投資額が各事業ごとにそれぞれ策定されております長期計画の投資額と必ずしもぴったり符合しない場合が出てくるかと思います。道路につきましては、北海道全体の、全国投資規模の中の北海道のワクがすでに一応きまっておりまして、それによって試みに試算をいたしますと、開発計画の中に見込んでおる道路の投資額を上回るのであります。港湾とか治山治水につきましては、まだ全国の規模がきまっただけでありまして、北海道のシェアはきまっておりません。今後そのきまりぐあいによって、さらに念査をする必要があろうと思います。いずれにいたしましても、各事業ごとの長期計画、総合開発計画というものが食い違ってくるということは好ましくないことだと思います。したがいまして、現在の開発計画の中に盛られておりまする投資規模というものを各事業ごとの長期計画とにらみ合わせまして、これを漸進的に手直しをするという必要はあろうかと思います。現在のところ、必ずしもそれが全部できておるというふうにはなっていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/18
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019・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまお伺いしましたのは、現在道路とか港湾、環境整備、治山治水、こういう問題についてそれぞれ五カ年計画があるわけですね。この五カ年計画とこの北海道開発計画との相互関係というのは一体どうなっておるか、こういう点を主体にお伺いしたわけですが、一部御指摘もあったわけですが、こういう点は一口に言ってどういうような状況下にあるかということをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/19
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020・小熊清
○政府委員(小熊清君) 道路なり港湾なりが、長期計画を立てます場合には、当然北海道の分につきましては開発計画と全体の方向ないしは大体のスケールとしては食い違わないようにというようなことで、当該各省と開発庁とがよく緊密に連絡をとって、できるだけ総合開発の線に沿って開発目標に到達するように各事業計画も立てていただくという線で進んでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/20
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021・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、北海道開発の予算ですね、予算面についての調整の問題があるわけです。これは北海道開発庁に予算請求権が与えられておる、このことによって保証されているではないかという見方もあるわけですけれども、実際には各省で要求するいわゆる事案別の予算と全く矛盾しないということは言えないというような報告書が出ておるわけですね、この第一班の報告に。こういう点について、予算の請求権はなるほど与えられておるわけですけれども、はたしてその調整がうまくいっているかどうかという点ですね、こういう点については、現状はどうなっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/21
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022・小熊清
○政府委員(小熊清君) 予算の要求、それから財政当局との折衝というような過程全体を通じまして、各省、たとえば道路でありますれば建設省のほうで要求いたしまする予算の規模と、それと北海道開発庁のほうで要求しまする北海道分の予算の規模というものは、十分打ち合わせをして調整をとっておる、その間、できるだけ開発庁のほうで、北海道にはこれだけぜひともほしい、したがって、建設省のほうでもそういうことで全体の規模を策定してくれというようなことで、いろいろ折衝をやって、最終的には各省と調整のとれたところで予算要求をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/22
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023・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この北海道開発局で進めておる事業の実施段階では、結局事業の実施については各省の主務大臣だけが監督するということになっておりますね。そういう関係から開発庁の総合的な調整機能はどうも芳しくないじゃないかと、こういう点があげられると思うのです。この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/23
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024・小熊清
○政府委員(小熊清君) 御指摘のように、開発局で実際に所掌しておりまする事業について、予算の計上は開発庁でしておるわけでございます。ところが、開発局で実際に業務を執行する場合には、その業務の執行についてはそれぞれの省の指揮監督を受けるという法律のたてまえになっておるわけでございます。事業の一貫性という点から考えまするならば、予算の計上から業務の執行、また、その業務の執行についての指揮監督権限もすべて開発庁で一元的に持つということが一番一貫的だというふうに見られるわけでございます。開発庁は先ほど申し上げましたように、開発計画をつくる、また、それを推進するいわば企画官庁でございます。したがいまして、事業の実施そのものについて技術的な指導とか監督というものを行なうスタッフは実は持っていないわけでございます。また、かりにこれを持つということになりますると、建設省の道路関係、河川関係、あるいは運輸省の港湾関係の技術的なスタッフ、指導監督のための要員に近いものを開発庁のスタッフとして持たなければならないということにもなろうかと思います。さような関係で開発計画は開発庁が立てます。また、それに伴う予算は開発庁に計上されます。御承知のように、また予算が決定されましてからそれに基づいてこまかい実行のための計画を立てるわけでございます。さような実行計画も開発庁で実質的には各省と御相談して立てております。その実施計画に基づいて開発局は実行する。ただ技術的な面、指導とかそういう点については開発庁の現在の機構がそれはやらないで各省にやっていただく。各省にそういう面は監督していただくということで、そういう面では確かに何というか、やや迂回路をとっておるようでございますが、開発計画を立案してこれを実行するという大筋のところは通っておるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/24
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025・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この開発庁と地方公共団体である北海道のいわゆる開発行政上の関係を見ると、どうも二重行政的機関であると指摘せざるを得ないわけですね。この大事な開発行政が二元的に行なわれておることについてはよほど慎重な、また緊密な連繋と、相互のいわゆる一体となる面が強く推し進められないと、どうも二元的な弊におちいりやすい、こういうことが指摘されると思う。この点についてひとつ実情をお知らせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/25
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026・小熊清
○政府委員(小熊清君) 開発計画の中には国が直接執行する国の直轄工事、それから道なり、市町村が事業を執行いたしまして国が補助をする、あるいは地方団体が国の補助なしに単独で実行するというようなものが全部入っておるわけでございます。開発局では国の直轄工事を受け持っております。それから北海道ではいわゆる補助工事、それから地方団体単独で実施をいたす工事をやっておるわけでございます。したがって、事業の執行面においてはいわゆる二重行政ということはないと思います。それから開発計画という大きな問題、これは申すまでもなく国としても大きな問題でございますが、北海道としてもさらに重要な問題でございます、このような開発計画そのものの調査とか立案というものについては、もちろん実質的に北海道のほうとよく打ち合わせをいたしまして、その間にそごのないようにいたしておるわけでございます。また、現地の開発局では定例的に道の知事以下の幹部と会合を持ちまして、開発計画の実行についても意思の疎通をはかっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/26
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027・伊藤顕道
○伊藤顕道君 昨年の九月、臨時行政調査会が行政改革に関する意見を出しておる。それに対して、その意見に対して各省庁がまた意見を出すことになっており、この間行管のほうから、ここにも資料がございますが、いただいたわけですけれども、これをよく見ますると、出しているところもあるし、出してない省庁もある。なお、出しておるところは忠実に出したから問題はないわけですけれども、まだ一部出してない、きわめて遺憾なんです。これは北海道庁が出してないと、そういうことではなくして、こういう意見に対する各省庁の意見、こういう面から二、三このうちから大事な問題だけを取り上げてお伺いしたいと思います。
まず、お伺いしたいのは、総合開発庁を新設して、北海道開発庁をそれに統合しようとする意見が出ておるわけです。しかし、これに対して北海道開発庁は反対しておるわけです。その反対の理由はいかなるものかということを明らかにしていただきたい。これは大綱ですから、ひとつ政務次官から御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/27
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028・大泉寛三
○政府委員(大泉寛三君) ただいまお尋ねの臨時行政調査会の答申に盛られておる意思と北海道開発庁の意思とはやはり意見が違いますので、北海道の開発そのものがやはり国全体の立場よりも開発優先の意思が相当あろうと思います。こういう立場から、やはり全体の立場に総合されるということはどうかと思って、こういう立場で開発庁としては独自の方向をたどっておる、こういう意思でおるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/28
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029・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この臨時行政調査会の意見に対しては、これは当時の池田総理をはじめ、これを尊重する、そういう立場に立っておるわけですね。そういう前提で臨時行政調査会というものは、かつてない、行政改革の各面にわたって、十分な長い月日をかけて慎重に検討を進めた。したがって、その意見に対しては、これは結論ですから、結論を意見として出したわけですから、各省庁はこの意見に対して尊重の態度をとらなければならない。以下幾つかの問題をお伺いするわけですけれども、その臨時行政調査会の出しておる意見に対して、ここで資料を見た分野に限って申し上げると、北海道開発庁がほとんど反対しておるわけですね。ほとんどこれも反対、あれも反対、反対が多い、大部分が反対。反対は反対としてそれではいかなる理由に基づく反対かということをこちらで知りたいわけです。ただ反対、見解が違うとかそういうことでなくして、かくかくしかじかの理由でこの臨時行政調査会の行政改革に関する意見には反対だという、そういう反対の理由を明確にしていただかぬと、ただ反対では、見解が違うでは理由にならないと思うのです。そういうわけで、まず最初にお伺いしたのは、臨時行政調査会の行政改革のたてまえから、大所高所から見て、国の総合開発庁をつくって、総合開発庁ですから全国を網羅して総合開発庁をつくる、したがって、当然北海道開発庁もこの中に統合されてしかるべきです。総合ですからね。しかし、にもかかわらず、北海道庁は反対だと反対しておる。したがって、その反対の理由は那辺にあるのか、こういうふうにお伺いしておるわけですから、その反対の理由はこれとこれとこれというふうに御説明いただかないと納得できないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/29
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030・大泉寛三
○政府委員(大泉寛三君) その内容については監理官からお答えいたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/30
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031・小熊清
○政府委員(小熊清君) 初めに、臨時行政調査会からの答申全体の取り扱いにつきましては、申すまでもなく、政府として慎重に検討しておるところでございます。開発庁が行政管理庁のほうに出しております意見は、その検討の材料であるわけです。その意見についてお尋ねがございましたのでお答え申し上げますが、開発庁は、総合開発庁に統合されるということは不適当だというふうな意見を出しておるわけであります。その不適当だという理由でございますが、北海道の開発は、御承知のように、現在では四国とか九州とか、いろいろいわゆる地域開発というものが各地で行なわれておるわけでありますが、いわばその先がけと申しますか、まだ地域開発というものがあまり一般的にならないときに、昭和二十六年ですか始まったものでございます。というのも、結局現在のわが国にとって北海道の開発というものが一つの大きなテーマであるということから、他の地域に先行して始められたものかと思います。北海道の地域的な状況とかあるいは資源が、なお未利用のまま残されている。あるいは第一次産業につきましても、内地に比べて非常に広大な地域が経営規模として利用でき、総じて北海道の置かれた位置はどちらかというと、多少話が飛ぶようですが、ヨーロッパ的な面があろうかというふうに思います。したがって、北海道開発がこれからのわが国の経済の伸長にとって重要だということと、北海道の特殊性から、その開発は内地の各ブロックの開発とはやややはりおもむきが違う。したがって、違う目で、発足当時からの歴史を引き継いで当分やっていく必要があるのではないか、それが一つでございます。もう一つは、これは勧告そのものには必ずしも明記がされていないわけですけれども、総合開発庁の中に、北海道の開発部門が統合されまして、総合開発庁全体としては地方開発計画を調整する、また指導する、こういうようなことがうたってあります。その場合、現在の北海道開発庁が開発計画を推進していく上で、実質的に大きなささえになっておりまするのは、先ほど来御指摘のあります各事業予算を開発庁で一括要求して計上するということかと思います。内地の府県では、これが建設省は建設省、農林省は農林省というふうに別個に要求され成立されておるわけですが、これをいわゆる総合的な開発、開発の総合性ということに重きを置きまして、予算の編成過程で道路あるいは河川あるいは港湾、その間の調整のとれた開発を進めていくという必要から、この予算の一括計上が特に当庁に限って認められているものと思われます。ところで、総合開発庁という機構になりますると、これは北海道だけではなくして、おそらく日本全域の相当部分がこの総合開発庁の対象地域に入ってくるかと思います。その場合、現在北海道開発庁に認められております予算の一括計上権というものをもし総合開発庁に与えますならば、おそらく建設省あるいは運輸省等の公共事業関係の予算は総合開発庁のほうにほとんどいってしまって自分のところにあまり残らないということになるんじゃなかろうか。したがって、おそらくこの総合開発庁という構想は予算の一括計上が伴わないというふうに私どもは推測しておるわけでございます。それで北海道開発庁が現在予算の一括計上という手段を通じて総合的な調整をやっておるわけで、それが相当の効果をおさめているというふうに私どもは考えているわけです。その保証がないということが直ちに総合開発庁構想に同意しかねる第二の理由でございます。おもなのはそういう理由でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/31
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032・伊藤顕道
○伊藤顕道君 どうも以上御答弁をいただいたわけですけれども、それだけの理由なら、やはり臨時行政調査会がせっかく日本全体を大所高所から見て総合開発庁をつくるべきだと意見を出したわけです。で、ここではっきり言っとかなきゃなりません点は、総合開発庁をつくればその中へ北海道開発庁を統合すると、そういうことによって今後の北海道開発は切断されてしまう、もう北海道の開発はできなくなるんだということであれば、これは当然問題ですからね。しかし、全国的な視野から総合開発庁をつくって、その総合開発庁にみな統合してしかも北海道の開拓の行政を推進しようというのであるので、これにそれでも反対かということになると、いま一段の理由づけがないと納得しがたいと思うのです。そういう観点に立ってここでさらにお伺いしたいのは、北海道開発庁としては総合開発庁新設そのものに反対なのか、いや総合開発庁の新設には反対ではないけれども、北海道開発庁を統合することに反対だというのか、そこの点をまず明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/32
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033・小熊清
○政府委員(小熊清君) 北海道開発庁で意見を申し上げましたのは、総合開発庁の中に北海道開発庁を吸収するという点についての意見を申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/33
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034・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そうしますと、総合開発庁を新設しても差しつかえない。北海道開発庁を統合さえしなければ反対はしないと、そういうふうに解釈していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/34
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035・小熊清
○政府委員(小熊清君) 北海道開発庁に対する臨時行政調査会の答申について、開発庁としての意思を固めて一応きめたわけでございます。それ以外の部分につきましては、開発庁としてのまだきまった意思というものは必ずしもございません。したがいまして、総合開発庁をかりに北海道開発庁を抜きにしてつくるかどうかという点は、いま直ちに開発庁としてのきまった御意見を申し上げる段階にまだなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/35
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036・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そうしますと、臨時行政調査会が意見を出したのは、とにかく総合開発庁を新設すると、そうしてその中へ北海道開発庁を統合すると、その時点に立ってこれに反対だ、そういうことであって、北海道開発庁を統合しなければ総合開発庁の新設には反対とか賛成とか、そういうことについてはまだ検討してないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/36
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037・小熊清
○政府委員(小熊清君) 事務的な観点から、いわゆる地域開発、地域の総合開発をどういう機構で進めたらいいかという点についてはもちろんいろいろ常時勉強をしているわけでございます。したがいまして、国全体の開発を一つの機構でこれを一元的に行なうということは構想としてはもちろん成り立つと思います。ただ、当の臨調の答申に対しましては、北海道開発庁の分については先ほど来申し上げましたとおりで、北海道開発庁以外の総合開発庁についてはそういう考え方はもちろんあると思いますが、これに対して賛成とか反対とかいうことではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/37
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038・伊藤顕道
○伊藤顕道君 どうもそこのところがまだはっきりしないようですが、しかし、あとでまた長官も参るでしょうから……。
それと、さらに臨時行政調査会の行政改革に関する意見の中で、国土に関する基礎的・一般的調査研究部門を科学技術庁に統合すべきである、こういう意見を出しておるわけですね。これに対して具体的には北海道開発局の土木試験所、これを統合することには反対とは言っていませんが、不適当であるという表現をしておるわけですね。不適当であるということは結局反対に通ずるわけです。——まあどちらでもいいわけですけれども、不適当であるという以上は、いかなる理由に基づいてこれは不適当なのか、この点を明らかにしていただきたい、その理由がはっきりしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/38
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039・小熊清
○政府委員(小熊清君) 土木試験所は現在開発庁の機関として札幌にあるわけでございます。土木試験所の実際の業務といたしましては、主として北海道のたとえば道路工事についてどのような土木技術が必要かとか、あるいは北海道の港湾について風浪関係あるいは潮流関係はどうであるかといったような基礎的な調査、これを行なっておるわけであります。したがいまして、科学技術庁の支分部局としてかりに土木試験所を置くということになりましても、もちろんそれで土木試験所が事業の実施ができないということはないと思います。ただ、何と申しましても開発事業の執行上生じてくるいろいろな問題、科学的問題、これを直接取り上げている、いわゆる一般的普遍的問題よりもむしろ現地的即事業的な問題を多く取り上げているという観点から、開発局の機関として置くほうがより密接な研究ができるという観点からそのような意見を申し上げているので、必ずしもそうでなくちゃ全然だめだというわけではもちろんないわけでございます。あわせて北海道開発庁自体を総合開発庁に統合することが適当でないという意見のまあ一つのつながりと申しますか、そういう観点もありまして、そのような意見を出しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/39
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040・伊藤顕道
○伊藤顕道君 臨時行政調査会は、政府関係機関の改組、再編成、こういうたてまえから改革意見を出しておる。その改組、再編成すべきものの例示として、例をあげて意見を出しておる中に、こういうふうにあるわけですね。北海道地下資源株式会社は、民間会社として赤字を早期に解消すること、二つとして、民業圧迫は最小限度にとどめること、こういうふうに意見が出ておるわけです。したがって、このことに関連して、まずお伺いしたいのは、この北海道の地下資源開発株式会社の赤字については、一体どういうものがあるのか、どの程度のものがあるのか。そうしてこの赤字はいかなる理由に基づいて赤字ができたのか。その二つの点をひとつ御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/40
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041・小熊清
○政府委員(小熊清君) 地下資源開発株式会社は、北海道における炭鉱業務を行なっている。炭鉱業務を行なうためには相当な固定施設と申しますか、機械設備を必要とするわけであります。その機械設備の償却に追われておりまして、ただいままでのところは毎年赤字を計上するのやむなきに至っております。その数字を申し上げますと、最近の三カ年で申し上げますと、三十六年が五千九百万円、三十七年が五千二百万円、三十八年は二千五百万円ということでございまして、大体五千万円程度、まあ昨年は二千五百万円、そういったような赤字を残念ながら計上しております。その理由はいま御説明申し上げましたように、設立当初設備いたしました試掘用の機械とか、そういった固定資本の償却がその中の相当部分を占めるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/41
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042・伊藤顕道
○伊藤顕道君 長官も非常に御多忙のようですから、まだたくさんありますけれども、問題をしぼって重点的に一つ二つだけお伺いしたいと思うのですが、おるす中に政務次官と政府委員にいろいろお伺いしたわけですけれども、どうもはっきりしない問題がありますから。その臨時行政調査会は行政改革に対する意見を出しておるわけです、御存じのように。この中で、総合開発庁を新設して、それに北海道開発庁を統合すべきである、こういう意見に対して、北海道開発庁は反対しておるわけですね。そこでいまもお伺いしたわけですが、反対しておるのはいかなる理由かということをお伺いしておるわけです。それと、北海道開発庁としては、総合開発庁を新設そのものに反対なのか、総合開発庁は新設してもよろしいと、だがしかし、北海道開発庁を統合しちゃ困る、そういう意見なのか、その辺を、理由とともにその点をひとつ明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/42
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043・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) 御承知のように、総合開発庁の構想が臨調から出ました基本は、何といいますか、国土計画、国土開発を現在の各省のいわば縦割りの形でなくて、そういう意味の総合的な開発計画を立てるところをつくろうというので、国土省的な考え方が第一案であり、総合開発庁の考え方が第二案であります。国土省的な考え方というものは、臨時行政調査会でも論議の過程で、なかなかこれは実行が困難であるかもわからないというので、第二案として総合開発庁というような考え方が出ておるわけであります。総合開発庁ができると北海道開発庁も、これに吸収すべきであるという答申になっておるわけですが、現在北海道開発庁がこの問題について答えをしておりますのは、いまの段階で、北海道の開発を、これは全日本的な経済、産業の開発に大きく貢献できるという意味で、特殊性を主張をしておるわけですが、そういう北海道の開発という観点からしますると、現在の開発庁、そうしてその下に開発局を持つという構想がたいへん有効適切であるので、この形を存置をしてもらいたい、こういう言い方をしているわけであります。総合開発庁に反対であるとかというふうには、そこまで問題を割り切っていないわけであります。これは私が行政管理庁長官と兼務の北海道開発庁長官として、この答申を出すには、私自身としては、相当考えたわけでございます。これは、しかし、北海道開発庁長官の立場としては、現在のところ、しいていえば当分はということばをつけていいと思いますけれども、やはり現在の開発庁というような形でやってもらうことが適切である。そういう面では首都圏庁というものがやはり臨時行政調査会から答申になっているわけですが、この首都圏庁構想も、本来ならば北海道開発庁のように、予算に一括計上をやるという、相当強い権限を持ったものとして答申が出ているわけですが、なかなかその案にまとめかねて、答申よりはたいへんなまぬるいものですが、一案を政府として、行政改革本部でまとめたのですが、この考え方は、臨時行政調査会としては、やはりとりあえず現在の段階において、首都圏庁というものがつくられて、首都圏の区域において、こうした先行投資、公共投資を総合的に計画的に強力にやる必要がある。しかし、この首都圏庁をつくれという答申は、同時に、開発庁に将来は吸収をしろということになっているわけです。理論的には一貫しないと言えるような内容を持っておるわけですが、しかし、私どもも、やはり首都圏庁をつくることが適当であろう、これは残念ながら、いまのところまだ計画がまとまりができないのですが、そういうこととにらみ合ったような考え方で、私どもも現在のところ開発庁はこれを存置をしてもらいたい。しかし、総合開発庁というものが、答申として十分取り上げられて、具体化される段階では、私は首都圏庁がもしできるとして、あるいは開発庁というものが、近畿整備圏というものがこれに吸収されていくべきものであるというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/43
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044・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、最後に一点だけお伺いしておきたいと思いますが、いまの点にも関係しておりますことは、臨時行政調査会は、行政改革の立場からいろいろと意見を出している。それに対して各省庁がこれまた意見を出しているわけです。きょうは北海道開発庁の法案の審議ですから、ただ長官は行管の長官でもあられるので、その総元締めをやっておられるわけですが、各省庁の意見の出しぐあいをここで私、表をつくってみたのですけれども、出しているところもあるし、大部分出しておりますが、出していないところもある、そういうところにも関連するわけですが、大体臨時行政調査会の意見に対して、政府はこれを尊重するという立場が確認されていると思うのですね。そうだとすると、ここにいろいろ北海道開発庁の関係の分だけあちこち散見できるわけですけれども、こういうのを一通り目を通しましたら、北海道開発庁の意見は、臨時行政調査会の意見に対する意見ですね、そういう面で調べてみましたら、検討を要するというのも一部ございますが、大部分は反対になっているんですね。これは内容を一つ一つ申し上げるといいんですが、時間の関係で省略しますが、もう長官はよく御承知ですから、あえて事例をあげませんが、そういうことになると、特に北海道開発庁長官は、いま申し上げたように、行管の長官でもあられるわけですから、率先してこの臨時行政調査会の意見を尊重しなければならぬ立場にあろうかと思うんですね。そういうところで、さて北海道開発庁としての意見を見ますると、ほとんどが反対なんですね。ということについて不審を抱かざるを得ないんですが、この点をひとつ、内容にもよりましょうけれども、ひとつこの機会に解明していただきたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/44
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045・増原恵吉
○国務大臣(増原恵吉君) 基本的には、政府としては臨時行政調査会の答申を尊重するという趣旨を明確に表明をして、現在は御承知のとおり、政府部内限りで法律を要しないでできる、まあ行政運営窓口改善、執務体制の改善というふうなものは、各省庁でそれぞれ答申を検討してもらって、実行できるものから実行に移しておる。大体はこの三月三十一日までにこの方面は見当をつける——できぬものはできぬという見当でいいわけですけれども、なるべく答申を尊重するという形で実行をしてもらうということにしておるわけであります。法律制定を要するもので、機構の統廃合、一番大切な機構の統廃合、簡素化、合理化、経済性の発揚というような面はなかなか急にまいりませんので、これは八月三十一日を目途として検討をしてもらう。八月三十一日までにはどういうふうなものを改正をする、どの問題はなお検討を続けるというものも出てくると思いますが、そういう形でいまやっているわけでございます。そこで政府としても全体について答申を尊重するというたてまえをとって、これは各省大臣異存はないのですが、閣議においてそういう申し合わせをしているわけですが、具体的な問題になりますと、なかなか全部答申どおりにやろうということでは実はございません。各省庁から出てまいりました意見もそのとおりで、十分にこの答申の線に沿った改革が迅速に行なわれるという返事ではないことは実はたいへん残念に思っております。しかし、これは現在のところ行政改革本部で答申を取りまとめまして、各省庁の意見を取りまとめた上で、さらに答申実現の線を推進をしたいといういまたてまえをとっているわけであります。各省庁の意見反対というものは、まあこれを読んで見ますと一応それぞれちゃんとした理由をあげての反対でございまして、たいへん一言でこれはけしからぬとはなかなか言えないと思うのでございます。さらにこれは再考をさせて、臨調答申実現の方向に向かわせるというふうにいたす、そういう手続を踏んでまいりたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/45
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046・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。
北海道開発法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/46
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047・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願います。
午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
午後零時十五分休憩
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午後一時三十五分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/47
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048・柴田栄
○委員長(柴田栄君) これより内閣委員会を再開いたします。
科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案については、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。政府側出席者は、愛知科学技術庁長官、纐纈科学技術政務次官、小林官房長、梅澤計画局長、高橋研究調整局長、江上振興局長、村田原子力局長でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/48
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049・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この法案について、大臣に二、三お伺いしたいと思いますが、お尋ねする前に、日本のように国内の資源が乏しい上に、資金の潤沢でないというそういう条件の中では、生産力を向上させるために、そして、コストを引き下げることがきわめて重要なんですが、それはもう科学技術の振興に待たなければならぬ。あまりにも明確なことだ、そういう立場から、科学技術を世界の水準並みに引き上げなければならない。そういう前提に立って、二、三お伺いしたいと思います。
まず、先般法案について御説明いただいたわけですから、法案自体についてまずお伺いいたします。
この航空宇宙技術研究所の支所の設置は、一つの改正の要旨になっているわけです。そこで、垂直離着陸機ですね。いわゆるVTOLに関する試験研究の推進のために、それが一つ。それからまた、将来はロケットに関する地上試験センターとする、こういう想定で航空宇宙技術研究所に支所を設けることができる、こういうことであろうと思います。
そこで、以下具体的にお伺いしたいと思うのですが、まず、支所の場所として、宮城県の角田市を選ばれたのはいかなる理由であるのか、まず、こういうことからお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/49
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050・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 角田市を選びましたのは、ここで行ないます試験開発研究等に最も適するところということで選ばれたわけでございますけれども、実は昭和三十七年以来こうした研究開発をやりたいと考えまして、全国の国有地を中心にいたしまして調べましたところが、二十数カ所あったようでございます。当時は、私も直接には関係しておりませんでしたが。しかし、結局このVTOL等の試験のためには、まず、相当広い地域が必要である。それから、何ぶんにも騒音といいますか、音響が非常に出る性質の研究でございますので、できれば周囲が山なり丘陵で囲まれているようなところで、長は谷間にある地形が望ましい。それから水が十分得られる。それから交通条件ができるだけいいところ、それから入手が容易であるというような点から申しまして、角田地区が最適であるという結論になったわけでございます。この地区は、御承知と思いますけれども、全部で約六十万坪ぐらいございまして、戦前から戦時中にかけての海軍の火薬廠であったわけでございます。この中の三十万坪が即座に活用できるというふうに考えて、昨年度の予算でも、わずかではございましたけれども、角田地区を適地としてここに研究所の支所を開設するということを前提として、すでに調査費も計上してあったような次第でございます。さような関係で、国有地でもございますし入手は容易である、いま申し上げましたような諸条件に合致するということでこの地を最適と考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/50
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051・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、この角田支所の四十年度の予算は二億六十万円であるわけです。そして債務負担行為は二億二千五百万円ですか、人員は四名と、こういうことになっておりますが、この機構及び人員についての年次計画は一体どうなっておるのかということが一つ。
それと、予算のおもな内容はどういうことなのか。この二点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/51
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052・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 政府委員から答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/52
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053・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) お尋ねの二点についてお答え申し上げます。
まず、機構及び人員についての年次計画でございますが、予算書にありますように、四十年度は現金二億、債務負担行為が二億二千五百万円で出発するわけでございますが、このときの機構といたしましては、管理課と研究室という二本立てでまいるわけでございます。管理課は、文字どおり管理をする、つまり施設を整備をしたり、建て家ができてくる、そういうことの管理をするわけでございますが、その施設の整備状況に応じてVTOLの研究に同時に取りかかりたいということで、研究室を設けるわけでございますが、さしあたり研究室の人員は、本所と人間を兼務させまして、向こうで必要とあらば、長期駐在をさして研究を開始する。
四十一年度以降につきましては、最終案というものはまだ固まっておりませんが、現在考えております一応の計画を申し上げますと、四十一年度は、人員約三十名程度で、一課一部という構成でまいりたい。四十二年度は、人員約九十五名で、一課二部、こういった程度の規模でまいりたい。それから四十三年度は、人員約百六、七十名で、一課三部という程度の機構で研究を進めたい。最終年度の四十四年度は、人員約二百五十名、四部制をしいて研究を進めてまいりたい。
研究内容は、先ほど先生も言われましたように、一つはV−STOL関係、一つはロケット関係、主として液体燃料を中心とした地上試験センターというものをつくっていきたい、こういう構想でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/53
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054・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで、さしあたって、四十年度にはどのような研究をなされ、またどのような試作をなさるのか、この点を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/54
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055・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) 先ほどの質問の中で答弁漏れがございますので、補足しながら答弁いたします。
四十年度の角田の予算の内容といたしましては、一つは土地の整備の関係、これが約六千万円あまりございます。これはもう四十年度じゅうに、土地の整備をしたり、給排水施設を整備をしたり、受電設備を整備をしたり、建て家をつくったりということでございます。それからおもな実験設備といたしましては二つございます。一つは、高度制御試験装置といいまして、ジェットエンジンを二台同時に乗せまして、これをふかしながら上下させつつ高度制御の研究をする。いま一つは、フライング・テスト・ベッドと申しまして、これは飛行機を上からつり上げまして、エンジンをふかしながら飛行特性、高度制御等の研究をする。このために必要なエンジン、これらがおもな施設でございます。そのうち現金で買います分は、現金予算化されておりますのは、ジェットエンジン一台分、それから研究費、それから高度制御試験装置の全額、それからフライング・テスト・ベッド全体の額の一割、こういうものが予算化されております。したがって、債務負担行為の中に繰り越されるという分は、エンジンが、試験そのものには二台でございますけれども、研究の性格上、どうしても一台はスペアが要るということで、三台要りますが、残りの二台は債務負担行為で、これは注文はことしじゅうにできる。それから、フライング・テスト・ベッドの一割は現金化されておりますが、残りは債務負担行為で行なっておりますので、これも全体について四十年度に発注ができる。したがって、来年度の中ごろまでには全部の施設ができる。したがって、四十年度は現金は二億でございますけれども、事業量としては約四億の仕事ができる、こういう計画になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/55
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056・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで四十年度においては大体わかりましたが、将来ですね、将来どのような研究をし、どのような試験をなさろうと予定されているのか、この点を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/56
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057・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) 研究内容はV−STOL関係とそれからロケット関係に分かれますが、まずV−STOLの現段階を申しますと、三十七年度から研究に入りまして従来やってまいりましたことは、いろいろな基礎研究、それからアイアン・バード等の施設による操縦特性の研究、それからVTOL化するためには、ジェットの場合はリフトエンジンというのが要りますが、このリフトエンジンの試作、これはJR100という新しいエンジンが去年実は第一号基ができ上がりまして、前の重量の約十倍程度上げられるという相当すぐれた性能のものが得られたわけでございますが、これをさらに現在改造して新しいJR102型というものの試作を行なっているわけでございます。四十年度といたしましては、角田においていろいろな施設の整備に当たりますほか、本所におきましては、とりあえず単発のプロペラ機を一機購入いたしまして、この飛行機のプロペラを改造したり、翼の改造をしたり、あるいは地上計測装置など整備いたしまして、現実にSTOL機を試作する実験研究でございますが、改造による研究、これを進めてまいりたいということでございます。それから四十年度、四十一年度とかけまして、角田における研究の一応の段階までこぎつけまして、四十二年度からは本格的なものを試作するという段階に入りたい、こういう計画でございます。
それからロケットにつきましては、三十八年度初めて航空宇宙技術研究所にロケット関係の仕事が盛り込まれ、航空技術研究所といっておりましたのが、航空宇宙技術研究所になったわけでございますが、従来やっておりました研究は、主として本所においてまだ小規模な研究でございますが、固体燃料につきまして、現在の固体燃料の充てん率を高めるという研究、現在東大などで使っておりますのが七.五%ぐらいの充てん率だそうでございますが、これを九〇%ぐらいまで高めたいということである程度の成果をあげております。それからもう一つは、ロケット自体の寸法効果の問題、縦、横の比、それをどの程度にしたら最も効果的なロケットが得られるかというようなことでやっているわけでございます。今後の問題といたしましては、これは今後の計画は宇宙開発審議会の計画をまって具体的にきまるわけでございますが、液体燃料を中心として角田地区では液体燃料テスト・スタンド、これをはじめ、各種の施設を整備いたしまして、液体燃料の研究を分担してまいりたい、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/57
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058・伊藤顕道
○伊藤顕道君 日本でV−STOL機の開発については、たしか昨年一月科学技術庁の長官から科学技術審議会に諮問があったと思いますが、まだ答申が行なわれていないわけですね、そうして技術的にも非常にむずかしいと言われているVTOL機の開発は将来の課題として、とりあえずSTOLの開発に着手すべきである、こういう意見も相当出ておろうと思うんです。そこで、航空宇宙技術研究所においては特にVTOL機の開発に取り組んだ理由は一体那辺にあるのか、この辺ひとつ御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/58
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059・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) 特にVTOLに取り組んだ角田支所では、最初VTOLから始めるわけでありますけれども、本所といたしましては最初申し上げましたように、VTOLも同時に研究している。STOLの極限がVTOLになるわけですから、入り口から攻めるのと最終のところから攻めるのと、両方を並行して進めているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/59
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060・伊藤顕道
○伊藤顕道君 このVTOL機の開発についてはアメリカとか、イギリス、西ドイツ、フランス等の国においては現在、いま開発中というふうに聞いているのですが、まだ実用機は完成していないように思いますが、この点はどうなのか。これらの西欧諸国の開発の状況は一体どうなのか、ひとつ概要を国別に御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/60
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061・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) 事柄の性質上突っ込んだ情報は入っておりませんのでたいへん表面的な情報になって恐縮でございますが、アメリカが一番進んでおります。アメリカの研究は、大きく分けまして二つに分かれまして、一つはプロペラ機を使ってティルト・ウイングと申しまして、翼の角度を離着陸のときに変えていくことによってSTOL性を増していくというやり方、もう一つはジェット機でございまして、リフト・エンジンを使いまして、リフト・エンジンで垂直に上がっていこうという考え方でございます。プロペラ機につきましては、バートルとかカーチス、ベル、こういったような各社が研究に取り組んでいる。それからジェット・エンジンを使いますほうにおきましてはX14の研究機から発達いたしまして、現在ロッキードとか、ハミングバードとかライアン、こういったところが研究をいたしております。それからイギリスにおきましてはホーカーシドレー、それからフランスにおきましてはバルザック、ミラージュ、こういった各社が計画を持っております。それからイタリアはワイアット、ドイツはフォッケウルフ、EWRといったような各社がやっている状況でございます。まあ進み方はアメリカが一番であると思いますけれども、いずれも試行錯誤をいま繰り返しているというような段階で・実験機程度のものはできたこともございますけれども、完全に実用化したものはまだないというような現状と聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/61
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062・伊藤顕道
○伊藤顕道君 このVTOL機の開発では、いま御説明の中に一部ございましたが、世界的に開発調査は非常に激しく行なわれているというふうに聞ているのですが、そういう情勢の中で日本が一歩おくれてしまうというとこれは容易ならぬ事態が起きようと思うのです。例の国産中型輸送機ですね、YS11ですか、これが前に世界のそれにおくれてしまったので売り込みに非常に苦慮しているさ中であるということを聞いているのですが、この失敗がまたVTOL機の開発についてもいい教訓になろうと思うのですね。中型輸送機のような取りおくれのないように、いわゆる独得なアイデアを織り込んでやらないとまた失敗を繰り返すということになろうと思う、ということが憂慮される。こういう点はどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/62
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063・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) 全く御指摘のようなことをわれわれも心配いたしまして、世界の進歩におくれないように研究を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。先ほど従来試作エンジンの試作をしたということを申し上げましたが、このJR10というリフト・エンジンの性能は、重量の十倍程度の推力を持っておるわけでございますが、現在世界で一番進んでおるといわれますのは、イギリスのロールスロイスが重量の十六倍程度のものをつくったということを言っておりますが、これは付属施設が非常に重くて、実際の推力は重量の八倍程度というふうに言われておりますので、すでに研究がつくりました十倍程度のJR10というのは世界的に見ても相当の性能のものである。現在は十六倍のものを試作しております。こういったことをできるだけ外国のレベルにおくれないように、できれば追い越すようにわれわれとしては努力してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/63
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064・伊藤顕道
○伊藤顕道君 先ほど先進国のそれの、状況は御説明あったわけですが、日本の技術の開発程度と比べて、これはもちろん努力しなければ追いつかないと思いますが、その距離をものさしではかるわけにはもちろんいきませんが、どの程度——これは表現はむずかしいと思いますが、何とかここをがんばれば追いつき得る公算のあるものですか、それともなかなかもって容易でないのか、その程度の意味を御説明いただきたい。
〔委員長退席、理事栗原祐幸君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/64
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065・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) 私も実は専門家でございませんので、はっきりしたことはわかりませんが、航空宇宙研究所の所長は海軍の技術者でございまして、例の零戦を設計した一人でございます。あの零戦というのは当時世界から驚かれたものでございますから、日本の航空技術というものは、そういった基盤を持っておりますので、私としては必ずしも悲観する必要はないんじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/65
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066・伊藤顕道
○伊藤顕道君 先ほど御説明いただいた角田支所ですね、ここを将来ロケットに関する地上試験センターとするという計画があるんだ、そういう御説明であったわけです。また長官も、昭和四十五年度に国産人工衛星を打ち上げることを目途に研究開発を強化する、こういう趣旨の所見を述べられておるわけです。そこでお伺いいたしますが、四十五年度におけるロケット打ち上げの計画は一体どうなのか、人工衛星打ち上げまでの具体的計画については一体どうなっておるのか、こういう点についてひとつ具体的に御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/66
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067・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) この問題につきましては、いろいろの点で私もたいへん苦慮しておるわけでございますが、宇宙開発審議会が御承知のようにございまして、これは実は最近にも陣容の再編成をすることになっておりますが、宇宙開発審議会で根本的な考え方を各界の権威者で取りまとめて方向を打ち出していただきたい。その計画の線に沿うて、御案内のような東大が従来やっております研究開発、それから科学技術庁が始めております研究開発といったようなものを総合的に推進していきたい。で将来の計画としましては、これはまだ何と申しましても私のしろうと考えでございますけれども、四十五年度には国産の人工衛星、実用的なものを打ち上げたい。そうすれば当然いまからそれまでの間において実験的なものの打ち上げということも当然予想されるかと思いますが、東大のほうは四十年度におきましても、例のミューというものを打ち上げるということに計画をして、予算も二十数億円の予算で進められておるわけでございます。これに対して科学技術庁のほうと申しますか、政府側の宇宙開発推進本部は液体燃料を使用する打ち上げということで軌道に乗せた。東大のほうはむしろ基礎的な研究開発とでも申しましょうか、学術研究を目的にしております。政府側のほうは実用的な、役に立つようなもので、何と申しますか、軌道に乗って回れるようなものを将来つくりたい。それには液体燃料を使用することが適当であるというような観点に立って、このほうはまだ予算といたしましてはわずか四億程度のものでございますけれども、しかし、いずれにいたしましても、両方がその研究の内容その他を相互にジョイント・スタディとでも申しましょうか、やりながら宇宙開発審議会を頂点にして、具体的に計画を進めていきたい、こういう考え方でやってまいりたいと、そこで両者の一体運営ということにつきましては、まず人的な結合からはかってスタートをしてまいる、こういうような体制に現在ようやく進めてまいっておるようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/67
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068・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いいたしますが、宇宙開発に関する新年度の予算を特に調べてみたんですが、米国の航空宇宙局の場合は一兆九千億円ほどになっておるのですね。フランスについては二百二十ないし二百九十億ほどあり、西ドイツは百四十五億ないし百八十億、ところが今度日本の場合を見ると、科学技術庁とか東大、こういうものを一切がっさい含めてわずか三十二億、一兆九千億と三十二億を対比した場合、これは比較すべくもないわけです。こういう少ない予算であるその上に開発の体制を見ると、いまも申し上げたように、科学技術庁は航空宇宙技術研究所で研究をする、東大は宇宙航空研究所で研究をするというふうに二元化されておるわけです。一兆九千億というような膨大な研究費があれば、これはあちこちで分かれて研究することも一つの方法かと思う。わずか三十二億ぐらいの予算をまたこれを分断して、科学技術庁所管と東大の所管の研究所で、それぞれ別々に——もちろん連絡はとるでありましょうけれども、こういうのは研究の余地はないのですか、それとも研究の結果、二元化のほうがいいという結論になったのか、その辺について御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/68
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069・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) これは御指摘のとおり、まず第一に予算の点から言えば、全くこれは残念ながら比較になりませんで、これは米ソあたりの模様はいろいろの関係がありまして的確につかめないところもありますけれども、常識的に言えば、おそらく日本の一年間の一般会計の総予算に匹敵し、あるいはそれ以上のものがこういう宇宙開発的なものに使われているのではなかろうかと考えられるくらいでございまして、これに対してわずか三十数億というものは全く情けない状態であることは御同感なんであります。しかし、せめてそういったような全く乏しい金で追っかけて研究をし、場合によればそれを追い越そうという意気込みなんでありますから、せめてこの開発の体制だけは総合一体化されることが絶対的に必要だと、かねがね私考えておったわけでございます。そこで、先ほどもちょっと申し上げましたが、まず宇宙開発審議会が技術委員会というものを持ちまして、この技術委員会には東大の関係者はもとよりでございまするし、また、宇宙開発推進本部の政府側の関係者はもちろんでございますが、そのほか学者あるいは実際の設計や技術担当に当たるような方々の総意を結集して、この宇宙開発審議会はこういった問題については技術委員会を中心にしてひとつ研究推進をしていこう、
〔理事栗原祐幸君退席、委員長着席〕
同時に、実施部隊とでも申しますか、そのほうは東大と宇宙開発推進本部の両方の実施責任者を同一人にするという、従来から言えばなかなかこれはむずかしかったことなんでありますけれども、ようやくその体制ができたわけでございます。したがいまして、四十年度の予算はいま申しましたように、まことに微々たるものではございますけれども、三十九年度まではそれぞれ東大は文部省を通し、あるいは科学技術庁は大蔵省に直接というふうに、全然その両方の相談なくして予算の要求をやっておりましたが、四十年度は、概算をつくります場合にも、双方の研究者がジョイント・スタディをしてそうしてこれでやっていこうということになりまして、これだけでも私としては相当な進歩ではなかったかと考えているわけであります。ただ、先ほど申しましたように、一方はミュー計画というものを一応の頂点にしているわけですが、何といいましても学術研究、基礎研究ということを基礎にしている、そうして現に固体燃料を使って相当に進んだ実績もあげております。一方のほうは、液燃を中心にして、東大の研究の実績やあるいはその知恵や研究の成果も大いに取り入れながら成果をあげていこうというわけでございますので、ただいまのところは、やはり実施部隊としては両方がそれぞれの立場でやることが実際的である、こういう関係から、いま申しましたような人的に一元化して、そうして予算の使い方その他はもとよりでありますが、これからやっていきます研究推進につきましても、双方がカーテンをおろさないで、平たく言えば仲よく手をお互いに取りながら進んでまいりたい、こういう体制にだけはようやくなってまいりました。
先ほど申しましたように、宇宙開発審議会あるいは技術委員会等の人選等につきましても、きわめて近い機会に再編成をして、現在日本としては求め得る最も有能な人たちをここに結集したい、こういうことをいま進めつつあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/69
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070・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そのことに関連もございますが、高木宇宙航空研究所長が宇宙開発推進本部長を兼ねることになった、これは一体化への一つの動きだと思われるのでございます。さらにこれを一体化して、効率的に宇宙開発を推進する必要がさらに痛感されるわけです。そういう点については、大臣としては前向きにそういう方向でさらに努力しようとするのか、いまの体制で運営さえよくやれば何とかやっていけるのか、そういうことに対するお考えは基本的にはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/70
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071・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) その点は、いまの段階で申しますと、多少具体性に乏しい、多少ビジョン的な話になって恐縮でありますけれども、私は先ほど申しましたように、一応の目標を四十五年度に置いて、そうしてたとえば観測でありますとか、それから航空機や船の航行についての問題でありますとか、あるいは通信関係とか、これはオリンピックのときのシンコム3でございますか、そういったような観測とか航行とか通信とかいったような実用になるいわゆる人工衛星については、何とかひとつ日本も新しい独自の立場で新機軸を出したい、それをターゲットにして関係者が邁進すべきじゃないか、これを関係の人たちにも訴えているわけでございます。それを一つのターゲットにして、そこに到達するまでのプロセスをどうやったらいいかということについては、とりあえず四十年度はこういうことで進めておりますけれども、四十一年度以降、さらに今年じゅうのいろいろの熱心な研究によりましても、大体の将来の体制はこうあったらしかるべきじゃないかというようなことが、具体的にだんだんと積極的な意見が私は出てくることを期待しているわけでございます。現在の段階では、言い過ぎになると思いますけれども、たとえば東大は東大なりに研究開発を進めてこられたけれども、これから将来長きにわたって考えると、大学のいわゆる付置研究所だけでこういったことを引き続いてやるのが適当かどうかという点についても、将来の私は研究の課題になると思います。あるいはまた、実用衛星ということを脳中に描いてこれからのことを考えます場合には、政府が直接の、直営のものとしてやることもいかがあったらいいかということでもいろいろ積極的な考え方もあろうと思いますが、そういう体制の問題をもあわせて、何といっても技術的な問題が一番根本的であると思いますけれども、そういう体制の問題も考えながら、これから大きな意欲をもって進めていかなければなるまいと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/71
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072・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いいたしますが、科学技術庁のロケット打ち上げは、いままで防衛庁の新島実験場を使用しておったようですが、そこで、宇宙開発の一元化を進める意味からいえば、基地建設に大体十二億くらい使ったであろうと聞いておりますが、鹿児島の東大の内之浦試射場は、もうできておると思うのですが、これは宇宙開発一元化を推進するというたてまえからいえば、新島の実験場などを使わないで、せっかく東大がつくったわけですから、そこで実験するのがきわめて適当ではなかろうかと思うのですが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/72
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073・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) それもごもっともな御意見と思います。どこを打ち上げに使うかということにつきましては、先ほど申しましたように、技術委員会でも十分検討してもらいまして、従来の経緯にとらわれないで、そして平和的利用ということを念願にしているこの計画の性格からいいまして、最も適当で、国民的な理解を求め得るというようなやり方で、進めていきたい、そういう観点からこの打ち上げの試射場をどこを利用するがいいかという点を過去の経緯にとらわれないで考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/73
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074・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/74
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075・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/75
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076・伊藤顕道
○伊藤顕道君 長官はちょっと席をはずしましたから、次の定員問題についてお伺いいたします。この提案理由の説明を見ますると、OECD日本代表部に新たに科学技術アタッシェ一名を派遣するために外務省に定員移しかえを行なっていること、いままで科学技術のアタッシェとして、科学技術庁から外務省に移しかえになった人員は、いままでの統計で大体何名くらいになるのか。それとこの国別派遣状況、さらにはそれぞれの活動状況と、こういう三つに分けて御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/76
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077・小林貞雄
○政府委員(小林貞雄君) 現在科学技術アタッシェといたしまして外国へ出しておりますものは、六カ国七名になるわけでございます。すなわち、イギリス、ソ連、フランス、ドイツ、オーストリア、これが各一名でございます。アメリカ合衆国につきましては、二名のアタッシェが出ております。こういう関係になっております。アメリカに二名出しておりますのは、御存じのように、いろいろと活動分野が広くございますので、一般的な技術情報とそれから原子力関係の技術情報、二つに分けまして分担させるというような観点から二名出しておる次第でございます。技術アタッシェ、科学アタッシェの仕事は、御存じのように、技術というものが非常に国際的な分野にわたりますので、さような意味で外国の技術計画あるいは一般的な技術情報等を迅速に的確に把握する、あるいは二国間協定、これはたとえばアメリカと日米科学委員会というような会合をもっておりますが、それから原子力に関しましてもまた同様、そういうようなものをいろいろ打ち合わせたり推進したりする関係、さらにはOECDあるいはIAEAというような国際機関、これらの情報等もいろいろとやらなければいかぬというようなことで、それぞれ積極的にたいへん忙しい仕事をいたしておるわけでございます。さような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/77
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078・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお定員についてお伺いしますが、国立防災科学技術センター、これについて見ますると、これは三十八年の設置以来三年目となったと思うのですが、今回の改正案で十二名を増員して六十三名となるということが、設立当初の整備三カ年計画を見ると、四十年度の人員が百七十三名となる予定であったと思うのです。今度の増員を含んでも当初計画の定員に比べるとだいぶ隔たりがあるわけですね。このような状態では当初の事業計画に大きな支障を来たすのではなかろうか、こういうふうに当然に考えられるのです。これは計画の一部変更なのか、一体どういう事情でこういうことになっておるのか、この間の経過、事情をひとつ明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/78
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079・高橋正春
○政府委員(高橋正春君) お答えいたします。伊藤先生の御指摘のとおり、防災センターにつきましては、当初三カ年計画で研究体制を整備する計画を立てましたが、特に防災センターの機能の中心でございます各省庁が重複して設置をする場合不必要となりますような共用施設でございますけれども、波浪等観測塔でございますとか、あるいは雪害実験所の諸施設あるいは大型耐震装置というようなものを今度の計画で整備するように計画を立てておりましたわけでございますが、研究学園都市の建設のテンポというような問題もからんでございますので、予定よりも御指摘のとおりかなりおくれておるような状態であろうと思います。私どもといたしましては、今後ともさらに整備強化につとめますとともに、現在の予算並びに人員をもちましてもできるだけこれを効用的に活用いたしまして、最大の努力をいたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/79
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080・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この防災センター十二名増のうち三名は昨年設置した例の雪害実験所ですか、この部分をお入れになっているようですが、今回三名増で実験所の定員は一体何名になったのかということと、設置以来二年目に入ったわけですが、雪害対策の研究状況、成果のほどは一体どういうことなのか、こういう点を御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/80
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081・高橋正春
○政府委員(高橋正春君) ただいまの御指摘の三名の増をもちまして十二名の定員と相なります。御存じのとおり、私ども雪害実験所の建設は、昨年十二月に発足をいたしまして、従来は、積雪や雪の質に関しますところの基礎的な研究や、これに対応するための応用的な研究をすることを目的といたしておるわけでございまして、昨年度の予算におきましても、低温実験室でございますとか、積雪の実験装置というようなものを整備いたしました。四十年度につきましては、さらに除雪の試験道路、その他応用的な研究につきましての設備等を増強いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/81
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082・伊藤顕道
○伊藤顕道君 四十一年度に新設が予定されております非金属無機材質基礎研究所、これは仮称のようですが、この設立準備室を金属材料技術研究所内に設けることになっておると、こういうことでありまするが、この仮称の研究所は、将来、一体どういう方向で、どういう内容で実験を進められるのか。そして、その人員は一体何名ぐらいの規模になるのか。こういうことを御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/82
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083・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) このたび予定しております非金属無機材質基礎研究所は、いまの原子力、宇宙、それからいわゆる電子技術、そういう関係の材料といたしましては、金属以外に非金属の研究、これをいたしますと、耐蝕、耐熱材料としての発展が非常に強いわけでございます。これは欧米すべていま手をかけているところでございまして、われわれのほうも緊急にこれをいたしませんと、一般産業の水準も上がってこないのではないか。ただ、これを総合的にグループ研究をいたします総合的な場がございませんので、それを今度まとめてつくったらどうかということから考え出したわけでございますが、これは実は団地化の計画と相なっておりまして、その関係から、ことし準備室にいたしまして、来年から設立にしていきます。その関係で、本年は金属材料研究所の増員のうちの三名をこれに充てまして、われわれのほうの計画局から若干名をこれに加えて、それで準備室をつくりまして、今後の研究の五カ年計画、並びにそれに伴います設備をどうつくっていくか、あるいは研究のグループ体制をどうするかということを検討して、来年の予算を出しますときには、五カ年計画その他が満足されるものができるようにしたい、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/83
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084・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、角田支所については先ほど御説明いただいたわけですが、その組織とか定員は一体どういうことになっておるのか、この点を御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/84
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085・梅澤邦臣
○政府委員(梅澤邦臣君) ただいまわれわれのほうで考えております案では、内容、組織といいますか、これらの部門を考えまして、それから、研究をやります場合にはグループでいたしますので、大学の先生方、あるいは他の国立の研究所の方が手伝いやすいような組織を考えまして、それで進めていくという考えでございます。したがいまして、そういうあり方をどうすべきかということで、検討会と申しますか、そういう会議を、学識経験者を集めまして、その点もこれから早急に検討していきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/85
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086・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なおそのことについて、四十五年度には、管理、ロケットエンジン、ロケット制御、環境試験と、こういう四つの部を設けて体制を整えていくと、そういうふうに聞いておるんですが、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/86
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087・江上龍彦
○政府委員(江上龍彦君) ただいま先生のお尋ねは角田のことであると了解いたしますけれども、角田のロケット関係でございますが、ただいまできております計画は、一応四十四年度までになっております。で、四十一年から逐次整備してまいって、おもな施設といたしましては、液体ロケットのテストスタンド及び付帯設備、推進薬供給系統の試験設備、固体ロケットの多分力テストスタンド及び付帯設備、ロケットエンジンの構造試験設備、ロケット推進薬試験設備、環境試験設備、それからVTOLとロケットに共通な施設というのが若干ございます。こういったものを整備してまいりまして、最終の年にでき上がりますものはバリスティックレンジ、それからデータ処理装置、真空槽、あるいは検査設備、工作設備、こういったものが最後の年次まで一応かかってできる、こういう計画になっております。
これは、しかし、先ほど申し上げましたように、あくまでロケット関係でどういう施設を今後整備するかという問題は、宇宙開発審議会でこれから東大と一緒になって研究してまいるということになりますので、これはあくまでもただいまの一応の計画であって、これからこれは逐次手直ししていく、かように御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/87
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088・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この提案理由の説明を見ますると、定員を四十七人増加する、しかし、外務省へ派遣するのが一名あるから、差し引き四十六名の増加だと、こういう説明でありますので、この増員の内容は一体どうなんですか、おもだったものを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/88
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089・小林貞雄
○政府委員(小林貞雄君) 今年度の、四十年度の科学技術庁の定員増の内訳は、附属機関の研究所が中心でございます。これが四十七名でございます。
その内訳を申し上げますと、航空宇宙技術研究所は、先ほど来問題になっております角田支所を含めまして合計十名の増になります。
それから金属材料技術研究所につきましては、これはかねがね前から金属材料の試験を、テスティグをやれという要望がございますが、それにこたえるための組織を拡充すること、及び先ほど話が出ました非金属無機材質基礎研究所の三名などを含めまして、合計十七名が金属材料研究所の増加分でございます。
それから国立防災科学技術センターにつきましては、御指摘のように、だんだん拡充をしてまいらなければならないので、これを十二名ふやす。
それから宇宙開発推進本部も、先ほど来お話しのように、強化をしなければならない一部門でございます。これが八名。以上、合計いたしまして四十七名が附属試験研究機関の増加分でございます。それにOECDに派遣するための外務省移しかえ一名をマイナスいたしまして、差し引き四十六名というのが内訳でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/89
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090・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、問題を変えまして、原子力開発について二、三お伺いしてまいります。
日本の原子力船開発については、原子力開発利用長期計画、これは三十六年に原子力委員会が決定したようですが、四十三年から四十五年にかけて原子力船一そうを完工する計画だ、こういうことですが、このために四十三国会で成立した法律によって原子力船開発事業団が設立されたわけですね、この事業団では、このほど造船七社に対して、原子力第一船の入札をさせたところが、七社とも応札がなかった、これでは困るので再入札をしたところ、この要請も七社ともそれぞれ拒否してきた、こういう事態があるわけでございます。
そこで、お尋ねするわけですが、この造船関係七社は二回も入札を要請したにもかかわらず、一社もこれに応諾しなかったという事態、これはいかなる理由がそこにあって、こういうことになったのか、その辺の経過と並びにその基本的な問題点について御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/90
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091・村田浩
○政府委員(村田浩君) 御承知のとおり、今回の原子力船第一船の発注につきましては、そのために特に新たに設けられました日本原子力船開発事業団の責任のもとに契約交渉が進められておりまして、それでさきに七社に対して競争入札を求めましたところ、三月一日、これら七社がそろって入札を辞退してまいりました。これにつきまして、この七社個々の辞退の理由はどういうことかということを、私どもで直接これを一々確かめるという筋道になっておりませんが、この件につきまして原子力船開発事業団のほうから報告を受けましたところでは、何ぶん原子力船の建造と申しますことは、しかも可能な限り国産でこれをつくっていく、こういう方針でおりますので、そういうものをやりますことはわが国としては初めての試みでございます。したがいまして、造船各社ともこの点につきましてはまだ経験が一つもないわけでございまして、事業団がこの入札の際に提示しました諸条件のもとで契約を履行して、これについて確信を——契約を履行することにつきまして十分な確信を持ち得ない、こういう判断に立ったようでございまして、これがこの入札要請を辞退した一番大きな理由である、このように報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/91
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092・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで、二度までも造船関係七社が入札を拒否したと、こういう事態を考えてみると、それだけになかなか、この原子力船の開発がどうもなかなか困難に見えるわけですね。そういう中で、またこういうふうに入札がなかった、こういう事態をあわせ考えたときに、将来の原子力船開発の上に非常に大きなこのことが支障となるのじゃないか、こういうことが憂慮されるわけですね。こういう点はどういうふうにお考えであるか。また、この点においてはどういうふうに対策を講じておられるのか、その点を説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/92
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093・村田浩
○政府委員(村田浩君) 御承知のとおり、現在世界全体を見渡しまして、原子力商船として建造され、運航しておりますものは、アメリカの貨客船サバンナ号とソ連の砕氷船レーニン号と、この二隻だけでございます。これに続いて原子力商船の建造計画をこれまで幾つかの国が立ててまいったわけでございますが、現実にその計画を実施に移そう、こういたしておりますのが西ドイツとわが国でございます。わが国の場合は、申すまでもなく、世界第一の造船国であるという実績、さらに世界有数の海運国である、こういうことから、国内造船メーカーにおきましても、早くから原子力商船の建造ということにつきましては、重大な関心を持っておられまして、原子力委員会が設立されました昭和三十一年当時から、基礎的な面から始まりまして、いろいろと原子力船の技術的な研究に進んでまいったわけでございます。しかしながら、なんといいましても、現実に船を自分の手でつくってみるという経験を持つことが造船国としては何よりも大切なことでございますし、そういった点につきまして造船工業会のほうから非常に強い要望もございまして、原子力委員会の長期計画にも、伊藤先生が先ほど御指摘のとおりの、長期計画の中に原子力船の開発のプログラムを入れまして、そのプログラムに従って事業団をつくり、今回の入札要請というところまできたわけでございます。しかるに、ここまで至りまして造船会社のほうがこの応札に自信が持てないといいますか、確信が十分持てないということでまあ辞退されたということは、ある意味では非常に強い要望を出された造船工業会としては、はなはだおかしい形にもとれるわけでございますが、何ぶんやはり原子力商船の建造ということになりますと、軍艦等の場合と違いまして経済性といいますか、採算性ということも大きな問題になってくるわけでございます。
そういった点で、ソ連のレーニン号については別といたしましても、アメリカのサバンナ号につきましては、アメリカはこれは政府が建造したわけでございますが、その際に、どのように金がかかり、どのようにプログラムが長くかかったかということの詳細がだんだん最近情報が入っている。そういった点を勘案いたしました際に、これはなかなかたいへんな仕事だという実感がだんだん強くなってきた。こういうことであろうかと思うわけでありますが、しかし、他面、原子力船開発事業団をつくります前から、造船各社の実際的な考え方につきまして、今度の第一船の基本的な設計につきましては、各社のエキスパートの参加を求めてやってきておりますし、かつまた、その船価をはじき出すにつきましても、そういった専門家の試算等に十分根拠を置きまして、ある程度の余裕を見て積み上げてきております。そういうこともございますので、結局は契約条件のいかんということにあろうかと思いますが、特に原子炉をわが国の手でつくりました際に、これまでたとえば東海村の原子力研究所等において建設されました原子炉のプログラムが実際の工期とかなり食い違った点が多々ございまして、そういったことが原子力船の建造の工数あるいは工期の点にも大きく影響して、つまり幅が相当多く伸びることがあり得るのではないか、そういったことは、結局は船価等にもはね返ってくるおそれがあるわけでございますが、造船会社としましては、船台とか岩壁を長くふさがれるというそういった不確定要素につきまして、いまの段階では確信を持ってこうだと言い切ることがなかなかできなかったことであろうと思います。しかしながら、造船会社の中には、そういった条件等につきまして、さらに事業団と折衝しまして、そうして何とか前向きでこの問題を取り上げてやっていきたいというところも、幸いその後造船工業会のあっせんによりまして出てまいりまして、新聞等にも載っておりましたけれども、昨二十四日から原子力船事業団とそれから造船工業会が推薦してまいりました石川島播磨造船会社と、それから原子炉の建造を担当することを予定しております三菱原子力工業、この三者の間で具体的な契約につきまして交渉が開始されたそうでございますので、私どもといたしましても、この交渉が円滑に進みまして、そうしてできるだけ早く契約が成立することを希望し、期待しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/93
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094・伊藤顕道
○伊藤顕道君 ただいまの御説明ですが、いま入札拒否の問題についてお伺いしたわけですけれども、結局、なければこれは入札はとりやめる以外に道はないと思うのですね。ただそのままでは済まされぬわけで、伝え聞くところによると、随意契約に変更するとか、あるいはまた、造船工業会があっせんするとか、こういうふうに聞いておるのですが、いずれにしても、今後具体的に一体どうするのか、このままほうっておくわけにはいかないわけですね。いま御説明があったわけですけれども、こういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/94
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095・村田浩
○政府委員(村田浩君) 多少説明が前後して申しわけございませんが、三月一日、二日と競争入札を二回やりました結果、全社が辞退されましたので、原子力船開発事業団としましては、これら七社の代表に対しましていわゆる競争入札方式はこれで打ち切らして、自後、一社との間に随意契約で交渉を進めさしていただきたいということを申し出されまして、各社ともそれを了承されました。そこで原子力船開発事業団としましてはその中の一社を選んで随意契約の交渉に入ることと相なったわけでございますが、どの社を選ぶかということにつきましては造船工業会のほうのいろいろ御事情もございますので、造船工業会の会長にその一社の推薦を依頼したわけでございます。で、造船工業会のほうでは、三月の四日に直ちに理事会をお開きになりまして、本件を慎重に検討された結果、まあ七社がそろって辞退したことはきわめて遺憾であるが、わが国の造船工業の将来のためにはぜひやっぱりやっていくべきである、こういう御判断のもとに工業会内でいろいろ御相談の結果、一社または三社をその交渉の相手として選んで推薦いたしますと、こういうことをおきめになりました。その一社または一社のどのようにそれを選ばれるかという点については、佐藤造船工業会会長に一任されたわけでございます。で、たまたまこれを決定いたしました三月の四日に、造船工業会の佐藤会長は外遊中でございましたために、十日に帰国されましてから直ちにあっせんの労をとられることに相なりました。多少時間がかかりましたけれども、最終的に一昨日でございましたか、二十三日に石川島播磨を推薦いたしますということを原子力船開発事業団のほうに御連結いただいたわけでございます。この御連絡に基づきまして昨日、さっそくこの石川島播磨並びに原子炉を担当いたします三菱原子力工業と事業団の間で契約の交渉が開始されたと、これがただいまの状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/95
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096・伊藤顕道
○伊藤顕道君 日本の原子力開発の基本的政策はきわめて貧困であるということ、そして原子力委員会のこれは弱体と無策によるんだと、まあこういう批判を聞くわけです。そこで、このことについてお伺いするわけですが、最近のあの産業計画会議も、原子力委員会の徹底的改組を要望した勧告を出した、こういうふうに承っておるわけです。このことをあわせ考えたとき、基本的政策が貧困であるという批判は根拠のないことでもなかろうと思うんです。こういうことに対して科学技術庁長官としては一体どのようにお考えになるか、そしてこのような批判に対して今後どういう方向へどういうふうに努力をなさろうとするのか、こういう点について御所見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/96
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097・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 私も産業計画会議の二月十日の勧告でございますが、特に原子力委員会の強化と施策の改善ということで取り上げられておりますことは、私個人としては全く御同感なんでございます。ただしかし、同時に、その前に臨時行政調査会からの答申が出ておりますけれども、それはややまた違った角度からお取り上げになっております。で、その辺を調整いたしまして、前向きに積極的にこの原子力政策の立案企画の母体を強化いたしたいと考えておるのでございます。いま申しましたように、私としては産業計画会議の御所見に非常に賛成でございますので、現在なし得ることから現実にやってまいろうと思いまして、たまたま先般原子力委員会の委員の交代もございましたので、その機会にあるいは電力界あるいは学界あるいはまた、国際的な面というようなところで、まあ私からすれば非常に有力な権威者をお迎えして、一段と原子力委員会は現実に強化されたという意見を持っているわけでございます。同時に、いま直ちにこの行政組織の根本にも触れることでございますので、原子力委員長を専任者にするということも実際上実現が困難でございますので、前から総合エネルギー政策の権威者でありまして原子力委員でもあられました有沢広巳氏に委員長代理を委嘱いたしまして、委員会の機能と運営の一貫性を持たせ、これを自主的に格段と強化するように配慮いたしたわけでございます。先ほど申しましたように、現在の組織法のもとでは非常に困難でございますけれども、いろいろ御意見を参酌いたしまして、なるべく早い機会に原子力委員会の機構的な充実もはかりたい、私としてはさように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/97
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098・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま長官からも御指摘があったように、臨時行政調査会の行政改革の意見として、いろいろこういう点に触れて意見を出しているわけでございます。時間の関係で、そういう具体的な面については申し上げませんけれども、こういうのを拝見してくると、相当問題点も残っている。そこで先月政府が原子力委員を更迭した事実があったわけでね。これらもひとつこういう批判、勧告にこたえた一つのあらわれとして、いわゆる原子力委員を更迭したことは考えられるわけですけれども、それも一つの方策でしょうけれども、なかなかもってこの程度のことでは、前向きに発展させるということは容易でないと思うのですが、そういうことについて、さらに具体的にお考えがあればこの際お聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/98
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099・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) 私といたしましては、大体この産業計画会議の勧告に沿うような線が一番いいのではないかと思うのであります。つまり原子力というものは、単なる科学技術の問題ではなく、経済政策としても総合エネルギー政策の将来の中心である、それからさらに原子力の平和利用の問題、国際性、安全性というようなことを考えあわせれば、ますます各省に広くまたがる国家的な問題であるので、そういう役割りにこたえ得るような組織が必要である、一昔にして言えばそういうことであろうかと思います。そうしてまた、現在の設置法もそういう趣旨できめられたものと思いますけれども、率直に申しますと、実情から言いますと、科学技術庁内の一局に逆に付属するようなかっこうがないでもなかった。まずこの点を抜本的に改善をいたしたいと思ったわけでございます。むしろ原子力委員会というものは、一段と高い立場に立って、科学技術庁をむしろ指導し指揮するくらいの運営になっていただかなければならぬのではなかろうか、こういうふうに考えまして、先般の改選に際しましても、その趣旨を可能な条件のもとにおいて十分生かしたつもりでございますが、さらに具体的に、先ほど来申しておりますような臨時行政調査会の答申などもにらみ合わせて、これは政府といたしましても、原子力委員会の問題のみならず、行政組織全般について、前向きに検討しているわけでございますが、特に原子力委員会については積極的に大いにいろいろな意味でクローズアップするような存在にいたしたい、こういうふうに考えて前進いたしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/99
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100・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、大きな問題はまだまだたくさんありますが、幸い科学技術振興対策特別委員でもありますので、また、自余の問題は先に譲るとして、最後に一点だけお伺いしておきますが、原子力委員会を強化するためには委員会に独立した事務局を設置すべきである、こういう強い意見もあるわけです。そしてたびたび科学技術庁長官はかわるわけです。科学技術庁長官に限らず、どうも現内閣の大臣は、あまり長期でなく短期ですから、ときどきかわってしまう。こういう、長官が原子力委員長をかねるという、そういう便法制度はここで廃止すべきである、こういう批判をありまするし、科学技術庁長官であり、また原子力委員長である大臣としては、このことについていかようにお考えになっておられるか、この際御所見を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/100
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101・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) この点は、先ほども申しましたように、産業計画会議の勧告というのが独立の事務局を持つべきであり、それから原子力委員長は長期にわたって専任できることが望ましい、現行のような閣僚の兼任の形は適当でない、こう示されておりまして、これをも含めて私は私見としてこういう意見に非常に同感させられる面が多いわけでございまして、ただこれは先ほども申しましたように、行政機構全般の問題、さらには議院内閣制というような根本の点にも触れるところがあって、なかなか具体的に進捗させることの困難な面もあろうかと、多少の時日もかかろうかと思いましたので、とりあえず実行上この趣旨に沿うように連営をいたしたいと、こう考えまして、改革を考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/101
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102・柴田栄
○委員長(柴田栄君) ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/102
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103・柴田栄
○委員長(柴田栄君) 全会一致に認めます。
よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願います。
本日は、これにて散会いたします。
午後二時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104814889X01419650325/103
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