1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月三十日(火曜日)
午後二時四十九分開会
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委員の異動
三月二十七日
辞任 補欠選任
久保 勘一君 森部 隆輔君
後藤 義隆君 堀本 宜実君
三月三十日
辞任 補欠選任
石田 次男君 辻 武寿君
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出席者は左のとおり。
委員長 仲原 善一君
理 事
田中 啓一君
森 八三一君
山崎 斉君
渡辺 勘吉君
委 員
岡村文四郎君
北口 龍徳君
小林 篤一君
温水 三郎君
野知 浩之君
藤野 繁雄君
堀本 宜実君
森部 隆輔君
大河原一次君
戸叶 武君
北條 雋八君
高山 恒雄君
衆議院議員
発 議 者 笹山茂太郎君
発 議 者 谷垣 專一君
国務大臣
自 治 大 臣 吉武 恵市君
政府委員
農林政務次官 谷口 慶吉君
農林省畜産局長 桧垣徳太郎君
自治省財政局長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
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本日の会議に付した案件
○競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する
法律案(衆議院提出)
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001・仲原善一
○委員長(仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。
まず、委員の異動について御報告いたします。
本日付をもって、委員石田次男君が辞任され、その補欠として辻武寿君が委員に選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/1
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002・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
まず、提案理由の説明を聴取することにいたします。衆議院議員笹山茂太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/2
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003・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、その提案の趣旨を説明申し上げます。
現在行なわれておりまするいわゆる地方競馬は、競馬法第一条に基づき、都道府県または指定市町村がそれぞれその主催者となって施行しておりますことは御承知のとおりであります。
このうち競馬の施行できる市町村は、著しく災害を受けた市町村か、その区域内に地方競馬場がある市町村に限って、財政上の特別の必要を勘案して、自治大臣が農林大臣と協議の上、指定するよう法定されており、昭和三十九年度における指定市町村数は百二十八となっているのであります。
ところで、地方競馬についてのこのような規定は、昭和三十六年に、公営競技調査会が行なった答申に基づき、翌三十七年に実施された法律改正によって設けられたものでありますが、改正法律は、その附則において、「この法律の施行の際、現に指定を受けている市町村は、昭和四十年三月三十一日までは、改正後の第一条第二項の規定による指定を受けたものとみなす。」との経過規定を設けまして、従来の指定市町村の地方競馬施行権を三年間延長し、当該市町村の財政上の激変を避けることといたしたのであります。
自来、三年を経過し今日に至りましたが、いよいよその経過期間が満了し、現在地方競馬を施行している市町村は、すべて新たに自治大臣の指定を受けなければ、四十年三月三十一日限り競馬の施行ができなくなったわけでありますが、法律上、この再指定は、著しく災害を受けた市町村または地方競馬場所在市町村に限られるため、百二十八市町村のうち約八十近くの市町村が再指定ができないと認められるに至ったのであります。
しかるに、最近における地方財政の状況は、経済界の不況によりまして収入の伸びが低下する一方、産業基盤の整備や生活環境施設の整備など、緊急かつ多額の財政需要をかかえてきわめて窮迫しており、とりわけ競馬を施行している指定市町村の多くは大都市あるいは大都市周辺の都市または地方の中心都市であるため、これらの市町村は人口の急増等によりまして、教育施設、街路公園施設、上下水道等の生活環境施設の整備、住宅の建設、各種公害対策等のため、きわめて緊急かつ多額の財源を必要としておりまして、このような財政需要は地方交付税等による通常の財源付与では、なかなかまかない切れない事情にあるのでございます。
このような現状にある指定市町村について、法律の示すところに従い、再指定が行なわれず、いま直ちにその収入の道を絶つということになりますと、いたずらに財政上に混乱を与え、教育、住宅、土木、厚生労働、畜産奨励等に諸施策の推行に著しい支障を生ずることは明らかであります。
したがいまして、以上のような指定市町村の現況にかんがみ、この際さしあたり、昭和四十年三月三十一日限りの施行停止を三年間延長することとして、本案を提出した次第であります。
なお、三年間延期することといたしました理由は、政府において地方競馬を施行している市町村の財政問題及び競馬収益の配分方法や自治大臣の指定基準その他の点に関しまして、根本的な改善を加えるべく検討する期間として三年間が適当であると判断したものであります。
以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/3
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004・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 以上で提案理由の説明は終わりました。これより本案の質疑に入ります。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/4
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005・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 ただいま提案の趣旨を伺ったのでありますが、まず第一にお尋ねをいたしたい点は、地方財政の不足財源として地方競馬を用いるということは、その手段としてはたして適当であると考えておられるのかどうか。他により合理的な方法があるのではないかと考えるのでありますが、この点についての提案者の納得のいく説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/5
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006・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) ただいまのお尋ねでございますが、地方競馬の関係は、相当沿革的に長い間からやっておられる事情であり、それが地方財政の関係におきまして、相当密接な関係があるということは御承知のとおりでございます。もちろん地方財政の確立という点から考えれば、地方競馬というものは不可欠な存在ということまではまいらぬと思うのでございますが、何しろ現在の状況下におきましては、従来の沿革もあり、また、これに依存した経過もありますので、この際、急激な変更を避けたい、こういう趣旨で本案を提案したようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/6
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007・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 政府のほうはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/7
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008・柴田護
○政府委員(柴田護君) 政府といたしましても、競馬、競輪その他の収益金をもって、地方財源のあるべき姿と申しますか、正当と申しますと語弊がありますが、地方財源の本来の財源という形でもってこの収益を考えたわけではございません。できるだけ早くこういうものを本来の財源に切りかえていくという姿をとりたいとは念願いたしておりますけれども、諸般の情勢上、今日まで十分そういうような機会にまだ至らないというのが現状であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/8
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009・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 これはいまさらさかのぼるまでもなく、三年前に、三ヵ年を延長する際にも、当然この期限内に、抜本的に政府自体としても取り組んでしかるべきであって、四十年三月三十一日の時限まぎわにおいて、同様の趣旨の説明をするということは、はなはだどうも、政府の従来とってきた態度としては納得しがたいことなのでありますが、その点は自治省としてはどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/9
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010・柴田護
○政府委員(柴田護君) おしかりを受けるのは当然かと私ども思うわけでございますが、この競馬法の改正が行なわれました当時の地方財政状況といたしましては、いわば経済全体が上り坂にございまして、その調子でまいりますれば、この競馬法の改正法の本法が施行されますときには、比較的スムーズに、完全な新法に切りかえられるだろうということを考えておったのでございますけれども、ちょうど一昨年度の終わりごろから、非常に地方財政が逆調になってまいりました。そして地方団体側も財政運営に苦慮する状態が深まってまいったのでございます。それでこれも切りかえるということが、実際問題といたしまして、逆に地方団体に財政上の激変を与えるといったような結果が憂慮されますので、私どもといたしましては、期限の到来いたします際に、もう少し猶予期間をいただいて、その間の切りかえの調整ということを考えつつあったのでございますけれども、なかなかこの間の調整が、財政が苦しくなればなりますほどむずかしくなっておった。そこでまあ、その間、どのように持っていくかということにつきまして、いろいろ苦慮いたしておったわけでございます。ちょうどそのときに、衆議院側におきましてこの間の事情を御了察になりまして、このような御提案をいただきまして、私どもといたしましては、そういう意味合いでごく正直に申し上げましてほっといたしておるような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/10
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011・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 ただいまの答弁を伺いますと、三年間の期限延長をした時点では経済の上昇過程にあったのである、したがって、三ヵ年中にこの経済の上昇傾向が持続するものと思って、三年の期間というものを理解した。しかるに昨年から経済の動向が逆調に転化したので、幸い議員提案として、さらに三年を延長するということはたいへんけっこうだといういまの局長の答弁でありますけれども、議員提案がなかったらどうしようとしたのですか、それでは政府として。しかも三年の間で、それらの時限法を取り上げた二ヵ年は、経済は予想どおり順調に推移した、残る一ヵ年で逆調に転化したということは、今後三年という期間を延長する根拠にも関連があることでありますから、もっと国民の納得する説明をひとつ求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/11
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012・柴田護
○政府委員(柴田護君) 結局、この問題の見通しが私どもとしては甘かったということを率直に告白せざるを得ません。結局、改正競馬法の趣旨にのっとって、切りかえていくということになりますれば、その間に、従来旧法によりまして競馬をやっておりました団体が、新法に乗り移った場合に競馬ができなくなる、その間の財政的な処理を経過的に考えていかなければなりません。それを一挙にいたしますことは、財政全般が苦しいときにおきましては困難であります。したがって、経過的にやはり考えていかなければならぬ。そういたしますと、やはり二、三年の時日が要るだろう、その間に無理なくその間の調整がつく、こういうことになるわけでございます。そこで、経済が順調でございますれば、そう大きな苦労もなく、そう関係団体に財政的な激変を与えずに済むということが考えられるわけでございますけれども、財政が苦しくなってまいりますれば、その間の調整にいろいろ苦労も出てまいりますし、いろいろ配慮してまいらなければならぬ点もあるわけでございます。そこで私どもといたしましては、実はいろいろ考えました結果、何らかしばらくの猶予をしていただかなければならぬだろうということで、実は政府部内におきましては農林当局ともお話し合いをし、お願いもしてまいったわけでございます。しかし、その間なかなか話が進みませんで、いろいろ交渉を重ねておりましたまっ最中にちょうどこういう御提案がありましたので、非常にこの御趣旨につきましては、むしろ率直に申し上げまして、先ほど申し上げましたように、まあ助かりましたというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/12
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013・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 まあ、かなり問題が答弁の中にはあるわけでありますが、どうも自治省自体の、競馬法がさらに延長されなければならないという地方自治体に対する客観的な認識に基づく抜本的な適正な措置については、非常にこれは責任を回避した経過を何としても指摘せざるを得ないわけであります。ただいまの答弁では。いずれもう少し内容にわたってお尋ねをして、さらに、いまの基本的な点にまた戻ってお尋ねをいたしたいと思いますが、審議の都合上、具体的な内容に入ってお尋ねをいたしますが、この地方競馬がどういう実施の状態にあるかということと、もう一つは、この指定された市町村の財政に占める地方競馬収益の割合と申しますか、そういうものは一体どうなっているかということを詳細にまず御説明願いたいと思います。これは提案者でもいいし、政府でもいいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/13
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014・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 政府のほうからお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/14
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015・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) 地方競馬の昭和三十九年の施行の状態を私からお答えします。施行総数は都道府県が十七、市が百、町村三十、競馬場が三十二、競馬の施行回数は三百四十一回、延べ日数は千九百八十七日、入場人員は九百六十一万五千名、売り上げ金額は八百五十八億八千万円、収益金は三十九年が出ておりませんが、わかっておりませんが、三十八年度で七十億六千万円、売り上げ金額に対しまして九・九%という金額になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/15
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016・柴田護
○政府委員(柴田護君) 競馬の収益関係でございますが、昭和三十七年度決算で見てまいりますと、施行者収益が七十七億、三十六年度がこれは五十二億でございますか、相当伸びておるわけでございますが、したがって、収益率は一割二分くらいであります。これはどういうものに使われているかと申しますと、教育費が一番多うございまして、それから土木、主としてこれは道路、橋梁関係だと思いますが、教育費、道路費といったようなものがおもなものでございます。各施行団体の税収入との比率を見てまいりますと、税収入の一割というところもございますし、二割というところもございます。所によっては税収入をオーバーしておる、税収入の倍近い競馬収益があるところもあるわけでありまして、団体によりその態様は区々でございますけれども、そういう指定された団体におきましてはきわめて重要な財源になっておるということが言えるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/16
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017・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 最低で当該市町村の税収の一割なんですか。それから最高が税収入の二倍、その平均は一体どのくらい、これを三十七、三十八についてもう少し詳しく報告してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/17
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018・柴田護
○政府委員(柴田護君) 平均したものはございませんけれども、一番高い団体では税収入の一九〇%というのがございます。それから一五〇%、非常に少ない団体では一%以下のところもございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/18
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019・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 一%以下ですか、最低で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/19
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020・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/20
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021・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 これは三十七年ですか、三十八年ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/21
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022・柴田護
○政府委員(柴田護君) 三十八年度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/22
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023・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それでは、次をお尋ねいたしますが、これは災害関係のために特に開催される目的があるわけであります。この災害復旧のために支出された競馬収益ですね、その支出状況。そしてまた、その当該市町村の復旧というものがこれによってどれだけ寄与したかということは、本法運用の中心課題でもありますが、その状況はどうなっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/23
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024・柴田護
○政府委員(柴田護君) 収益金の使途別を見てまいりますと、三十三年で、指定市町村の収益七億の中で災害復旧に使われたのが四千万、三十四年度は八億のうち七千五百万、三十五年が十一億のうち六千九千万、三十六年度が二十一億のうち一億、三十七年度が二十八億中七千四百万、これが直接災害復旧に使われた額でございます。したがって、たとえば災害関係の元利償還金等に充てたりしたものがあるわけでありますが、その点はこれには含まれておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/24
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025・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 三十三年が七億のうち四千万ですか、そうして三十七年ころになると二十八億のうち七千四百万、こういうものが直接災害復旧費として総体の競馬収益の中から使われた、こういうふうに理解していいんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/25
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026・柴田護
○政府委員(柴田護君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/26
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027・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 実態をもう少し伺ってから、また意見をまじえてお尋ねをいたしますが、この法律を三年延長しない場合を仮定したならば、指定市町村にどういう影響を与えると想定を立てておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/27
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028・柴田護
○政府委員(柴田護君) 指定市町村の中で突然収益金がなくなってしまうところが出てまいります。そういうところでは、こういうそれだけの財源がなくなっちゃうわけでございます。したがって、先ほど来御説明申し上げましたように、教育、土木等々の事業費用に充てておりました財源がなくなってしまうわけでございますので、非常に財政的にその運営に苦慮するという状態が起こるだろう。しかも、その数が、競馬を現在行なっておる市町村の中で半数以上のものがなくなってしまうということになりますと、そういう団体については相当大きな変化が起きるだろう。その変化を無理なく吸収してしまう方途を考えてまいりませんと、地方財政としては適当でないだろう。そこで、財政が経済全般に伸びているときにおきましては、税収入も相当あるわけでございますので、あまりその辺のところは深刻に考えなくても無理なく移行できるかもわかりませんけれども、経済が逆調になってまいっております場合におきましては、一般の財政が苦しい場合でございますので、それにかてて加えて、かような激変が生じてまいりますと、その団体にとりましては非常な痛苦を与えることになりはせんか。
その間を矛盾なく吸収するためには、しばらく猶予を願いまして、そして、その間にこれを段階的に吸収していくような方途を考えていかなければならぬだろう、かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/28
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029・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それでは、今後の見通しについて伺いますが、この一部改正法律案の趣旨説明にもありますように、今回さらに三ヵ年期限延長した場合に、四十年度以降四十二年度まで毎年度売り上げ代金をどれだけ想定し、毎年度その売り上げ高の何%の収益を見込んでおられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/29
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030・柴田護
○政府委員(柴田護君) この関係のもので四十年度といたしましては約百億ぐらいと考えております。これをどのような形でもって吸収を、ほかの財源と振りかえていくか、あるいは中には府県に吸収されるものもございましょうし、その間の交通整理をして、逐次新法に円滑に移行していくという方途を講じてまいりたいというように思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/30
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031・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 もっと私の質問に適切に答弁してもらわないといかぬですよ。四十年度は百億と見たなら、それに対する収益をどのくらい見ておりますか。四十一年度は入場者数とか、そういうこまかいのはバックベータとしてあるでしょうが、それは伺いませんが、四十一年度、延長二年目はどれだけの売り上げを見込んで、それに対する収益をどれだけ見ておるのか、最終三年目にはどれだけの売り上げに対してどれだけの収益を見ておるのか、その内容をもっと的確に答弁してくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/31
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032・柴田護
○政府委員(柴田護君) 質問を誤解いたしておりまして失礼申し上げました。私どもの推算では、四十年度で約九百七十億前後の売り上げがあるだろう。これに対して収益としては百億前後じゃなかろうか。四十一年、四十二年度のことは的確な推算ができませんけれども、まあ大体二割程度の伸びが予測されるというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/32
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033・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 そうすると、四十二年度の競馬収益は大体百四十数億と、こう見ていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/33
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034・柴田護
○政府委員(柴田護君) 大体そうだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/34
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035・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 そうしますと、この競馬収益の配分というのが非常に大きな問題になるわけですけれども、市町村財政、競馬収益の配分方法、こういうものを十分勘案して、自治大臣の指定基準等を根本的に検討するということが政府当局によって明示されておるのでありますが、一体こういう三年期限延長した場合に、少なくとも百数十億に達する売り上げ益金というものがあるわけでありますが、自治省はこういう指定基準をいかように検討され、具体的にどういうふうにこの配分方法等を勘案して検討され、その成案が出ておるのか、また、その検討の途中であればその状況と、おおよそのあるべき適正配分の基準というものはどういう方向で作業を進めておるのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/35
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036・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私どもといたしましては、やはりいま申されました百億ないし百四十億前後の財源というものには、府県のものもございますれば、市町村のものもある。中には市町村に競馬場がありまして、今後もある程度指定が予想されて、そして競馬をやっていくという団体、それから新法に移りますれば直ちに施行権がなくなってしまう団体、いろいろあるわけでございます。この施行権がなくなってしまう団体については、その財源をほかの財源で振りかえてまいらなければならぬ。やはり事業財源ですから、地方債その他の配分も考えてまいらなければならぬ。交付税の配分等につきましても配慮してまいらなければなりません。あるいはまた、市町村がやりました回数を代替して府県がやりました場合に、その売得金を市町村に還元するというような方向、いろいろな方法がありますけれども、そういう方向をも取り入れてまいらなければならぬ。それらのことを総合的に考えて、無理なく新法に完全に移っていく、こういう態勢をとってまいりたいということで考えておるわけでございます。大体はやはり府県で財源をかわって考えて、そして府県の競馬、市町村が従来やっておりました競馬回数というものを、府県競馬の中にある程度吸収して、それの市町村への還元ということをひとつ中心の柱として考えていかざるを得ないのじゃなかろうか。それがまた新しい競馬法の趣旨に沿うゆえんであろうという感じを持っておるのでございますが、より根本的には、やはりこういったものは本来の一般財源に振りかえるということを頭に置いておるわけでございます。ただ競馬の場合は、財源もさることでございますけれども、その他の、たとえば競輪でございますとか、あるいはモーターボートでございますとかいうものと若干その目的を異にいたしておりますので、その辺のところは十分配慮してまいらなければならぬというふうに思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/36
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037・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 どうもわかったようなわからぬような答弁でありますが、三年はまたたく間に来ると思うんですが、この時限法が新たに本院によって成立した場合、三年後に再び延長するというような、そういうぶざまなことをせずに、この市町村財政が自立し得るように最大の努力を傾注して、今後三年間に取り組まなければならぬ責任が政府にはあるわけであります。その三年の間に、はなはだしいところは税収の二倍もこの益金に依存している市町村があるというような特殊な場合はまあ別といたしましても、かなりその依存度が高いわけです。したがって、よほどこれは精力的に取り組みませんと、市町村財政が自立し得る、こういう競馬益金というようなものに依存しないで体制を確立させるということは、容易なわざではないと思うのでありますが、基本的には、自治省としてはどう対処しようとしているのか、その点をひとつ御明示を願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/37
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038・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私が最初に申し上げましたように、その間の見通しが甘かったために、かような事態を招いたのでありまして、その点は財政当局者としては非常に深く責任を感じているわけでございます。したがいまして、幸いにこの措置が講ぜられました暁におきましては、期限の終期までに、計画的に責任を持って新法に移行できるように財政的な措置の万端を講じてまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/38
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039・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 大臣級の非常に次元の高い答弁でありますが、あなたはいずれ役人としてもさらに出世街道をばく進する優良官僚の一人でありましょうが、あなたはおそらく三年後にはいまのような地位におられないと思うのです。で、いまのことは、こんりんざい政府の責任においてはっきりと明らかにしていただきませんと、また三年をたったころに、どろなわ式といいますか、延長するなどということは、いかに与党の議員諸君でも、これは仏の顔も三度といいますが、できない。市町村財政がこの競馬益金によらなくても自立し得るという、いま三割自治という一般的なことばで表現されているような、一そう中央集権によって地方自治が、その自主性が稀薄になりつつある傾向の中に、よほど政府としてはものごとの本体を踏まえて自立し得る態勢というものを、総力をあげて取っ組んでもらわなければこれは解決できないと私は憂えるから伺っいるのであります。きょうここで何とかまあ一時間かそこら答弁して、それで済めば、あとは廊下へ出て深呼吸をするような、そういうわけにはまいらぬのであります。これは記録にもはっきり載って、政府の責任において、これらにかわり得る地方自治体の自主的な財政の確立という、広範なこれは大きな政治課題を含んでいる課題でありますので、その点については、三年を待たずして、三年以内には確実に市町村財政が自立をすることを、明確に国民に向かって約束ができますか、どうですか。きょうは予算委員会の総括質問で、担当大臣の出席もいただけませんけれども、あなたは政府の代表者として、そのことを国民に明確に約束ができますか。くどいようでありますが、この点についてもう一度明確な御答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/39
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040・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私がお答え申し上げましたのは、衆議院の本法案審議の段階におきまして、自治大臣から御答弁になりましたところと同じことを申し上げたのでございます。いまお尋ねの、地方自治体の財源面からする確立の問題ということになりますと、問題が大きすぎますので、私の手に負えません。しかし、事この競馬法に関しまする問題に関しましては、先ほどお答え申し上げましたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/40
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041・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それでは次に、公営競技調査会、これが去る三十六年の七月二十五日に、政府に対して答申をされておりますが、この中で、三十七年に法律の一部改正が出されまして、答申の中の一、二の項目については、それらの指摘された問題について、改善の措置が講ぜられたことは認むるにやぶさかではありませんけれども、その他、表に出ない答申の中で、政府としてはこの答申を受けて、地方競馬の施行にどのような改善をなされておるかを二、三にわたってお尋ねをいたしたいと思います。
第一点は、答申の第六について伺いますが、「公営競技による収益の使途については、公営競技発足当時との状況の変化に鑑み、次の点を考慮する。」として、「売上金の一部を、関連産業等の振興に充当することとするが、その他に福祉事業、医療事業、スポーツ、文教関係等にも成可く多く充当することとし、この趣旨を法律に明記すること。」とあります。これがいかになされておるのか。
もう一つは、特にこの点について詳細にお聞きをいたしたいのでありますが、「一部の地方団体において、その財政が公営競技に強く依存しているのは好ましくないことであるので、国及び地方団体は協力して出来るだけ早く、かかる事態をなくすよう努力すること。」、この二点にわたって、公営競技による収益の使途について答申をしているのでありますが、この答申を受けて、自来三年を経過した間に、これらの二点についてはいかなる措置を講じてこられたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/41
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042・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) 第一点について私からお答えいたします。
答申の第六の、公営競技による収益の使途について、まず(イ)の答申に関しまして、先生のお話しにも出ましたように、三十七年の競馬法の改正によりまして、地方競馬全国協会への交付金の規定を設けまして、一定の売り上げ金の中の比率の額を地方競馬全国協会に交付をする、そうして、そのうちから一定額のものを畜産振興費に充てるということの規定を設けましたことと、それから同じく競馬法の改正におきまして二十三条の三を設けまして、「収益の使途」というところで「都道府県は、その行なう競馬の収益をもって、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行なうのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする。」という使途訓示の規定を置いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/42
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043・柴田護
○政府委員(柴田護君) 財政関係の点につきましては、この公営競技調査会の答申の趣旨に沿って指導はしてまいっておるのでございますけれども、残念ながら最近の地方財政の状況は窮屈さを増してまいっておりますので、必ずしも十分にその効果はあがっておりません。しかし、私どもといたしましては、大体不拡大方針を強く堅持いたしておりますし、それからまた交付税その他の算定を通じまして、なるべくこうした団体には財政的には措置を充実してまいる方向で努力をしてまいっております。たとえば弱小団体に対しまして、基準財政需要額の算定を通じて財源を傾斜的に配分するといったような措置を年々強めてまいっておりますのもその一助でございます。また、個々の団体が行ないますることが、かえってこういったものに財政を強く結びつける一つの原因でもございますので、なるべくは組合をつくらせまして、組合で競馬を行なわしめるといったような方向で指導をしてまいっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/43
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044・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 とにかくここで答申をしておりますことは、その当該市町村におきまして、その財政が公営競技に強く依存している傾向があるのは好ましくない、そこで、政府及び地方団体は相協力し合ってこういう事態をなくすよう努力するという答申でありますが、その方向というものは、むしろ事態は逆行しておるのですね。たとえば、もう少し伺いますが、この法律が三年延長された場合に、昭和四十年度の益金は百億である、この百億という収入は、この開催市町村の税収の伸び率と見合った場合に、そのバランスがとれているかどうかということが問題になるわけですね。昭和四十一年度は、前年と対比して二割伸び率を見ておる、四十二年度はまたその二割の伸び率を見ておる、その当該市町村の租税収入の伸び率は何%くらいの伸び率を見た中でこの収益の伸び率を二割と見たのでありますか。その点を関連してひとつ説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/44
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045・柴田護
○政府委員(柴田護君) ほぼ二割というように概算をいたしましたのは、過去におきまする全体としての施行者収益なり、あるいは売得金なりの伸び率ということから大ざっぱな計算、通しを立てたわけでございます。個々の団体について一つ一つ計算したものに基づくものではございません。したがって、御指摘のように、団体によりましては税収の伸び率を上回るところがあるかもしれませんし、また、団体によりましては税のほうがはるかに強く伸びるというところもあろうかと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/45
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046・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 もちろんこれは市町村自体によっていろいろ違うでありましょうが、少なくとも、この答申の趣旨を生かしていくために、その依存度を低下させるということに国も地方団体と相協力し合って努力をしなければならぬ——その努力がいかに実績にあらわれるかということがもっと納得のできるような説明でありませんと、事態は一そう窮乏する、自主財政の中でむしろ答申とは逆に依存度が高まるということになれば、先ほどのあなたの答弁の抽象的な表現については、私もそうあるべきであるという考え方のもとに、これを認むるにやぶさかではありませんが、計数的にこれをさらに納得できるようにひとつ説明がありませんと、一寸伸ばし、五分伸ばしというようなことで、またぞろこれは三年をたつかたたないうちに、またこういう時限法の手直しをせざるを得ないのじゃないかと、まあこういう懸念を持つのであります。まあ懸念であることを私は望むのであります。それは渡辺委員の懸念である。事態はかくのごとく、政府も精力的にこの依存の割り合いを低下するように努めておるし、三ヵ年の展望はかくのごときものであるということを、傾向としてもう少し数字を使って御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/46
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047・柴田護
○政府委員(柴田護君) それが数字を使って明確に御説明ができるような状態でございますればいいのでございますけれども、残念ながら現在の段階におきましては、計数的に四十年、四十一年、四十二年という年次を追っての姿というものは、明確には実はいたしかねるのであります。しかし、財政規模は毎年相当ふえておりますし、特に社会開発といったような問題が地方の中心問題になってまいりますれば財政規模はいやでもこれはふえてまいる。地方税の持つ伸長度から申し上げましても、税収入は相当伸びていくわけでありまして、こういったものの、かりに毎年二十億といったような程度の伸びでは、総体の比率からいいますならば税収入の伸びの比率が多少それらを下回りましても、伸びの絶対値が違いますから、依存度といたしましては逆に減ってくるということになることはほぼ間違いがないというように思うのであります。つまり伸び率そのものからいいますならば、税収入を上回るような団体でございましても、伸びる絶対値は、これは問題にならないような懸隔がございますから、依存度から申し上げますならば、その率は逆に減ってくるだろう。したがって、全体としては十分計数をもって詳しく御説明をいたしかねますけれども、傾向といたしましては御指摘のような方向にいくことになる、こういうように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/47
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048・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 まず納得したことにしましょう。
次に、この答申の第十でありますが、「公営競技関係者の雇傭、労働その他の関係を近代化する。」と答申をいたしておりますが、これが三十六年の答申を受けて、どのようにこれらの雇用、労働関係が近代化されたでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/48
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049・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) この答申が出ましてから、それ以前におきましては、競馬関係の労働関係は必ずしもといいますか、非常に非近代的の面が多かったのでございます。特に調教師と廐務員等の関係におきましては、特殊の技術、技能というような問題もございまして、徒弟的な関係が強く、その間の労働条件等について明確を欠く点が多かったのでございますが、その後、廐務員等の労働意識の目ざめもありまして、中央競馬場につきましては、それぞれの競馬場廐舎を中心にしまして労働組合の結成もはかられてまいりましたし、また、その間、固定給の明確化等もはかられ、休日の取りきめ、あるいは勤務時間の取りきめというようなことも進んでまいりまして、当時に比べますと、最もおくれておりましたそのような労働条件の改善は進んでまいっておるものでございます。ただ、地方競馬に関しましては、遺憾ながらまだ労働者の分散というようなことから、組織的な労働条件の改善のための動きというような問題が中央競馬ほど出てまいっておりませんが、中央の労働条件の整備改善という点に刺激をされまして、次第にそういう傾向が見受けられるような状態になっておるわけであります。なお、中央競馬会の職員につきましても、労働組合を結成いたしまして、理事者側との労働協約に基づく労働条件の取りきめというものが行なわれるようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/49
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050・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 この答申の最後についてお伺いしますが、「現行公営競技の根拠法が異なっているため、各種公営競技間に均衡を失している点が少なくないので、所管各省においてこれを是正するよう努力する。」こう答申をしておりますが、これが一体関係各省でどのように是正されておるのですか、その点をお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/50
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051・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) 公営競技の中には、競馬のほかに競輪、それからオートレースあるいはボートというようなものがあるわけでございますが、これはそれぞれの競技の持っております性格なり、あるいは伝統といようなもので、競馬の施行の主体なり、あるいは施行に関する規制なりというものが一部異っている点があるわけでございますが、公営競技調査会の答申は、通じまして、公営競技の持っております射幸性、賭博性と申しますか、そういうものの過熱を避ける、また、競技の公正な実施、秩序のある実施ということを求めておるという点が基本的な答申の考え方でございまして、そういう意味で、私どものほうとしても、たとえば射幸心の過熱を避けるための連勝複式の馬券ないし車券の発売というような点、あるいは場外売り場問題の取り扱いの問題、あるいは控除金に関します考え方の調整というような問題につきましては、関係各省と事務的にも連絡をいたしまして、調整をはかるように努めておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/51
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052・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 この答申で出している問題は、十項目余にわたっておりますけれども、いま四つ、五つの問題を拾ってお尋ねをした範囲では、かなり改善をされたと見受けられる項目もありますし、抽象的過ぎて、ほとんど改善されたと確認し得るに至らない項目もあるのでありますが、これはやはりもっとこの答申の趣旨を尊重して、より改善方向に努力を払うべき問題が多々あるように思います。
それでは、次にお伺いしますが、地方競馬全国協会のやっておる畜産振興のための助成事業の実績は一体どうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/52
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053・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) 地方競馬全国協会の畜産振興のための助成事業の概要を、助成をいたしました件数、事業数、補助額で申し上げてみますと、昭和三十七年は、団体の数は中央団体が六団体、地方及び地域団体の合計が二百六十三団体、合計二百六十九団体。事業の数は中央団体で十三、地方及び地域団体が四百六十二、合計四百七十五事業。補助額は中央団体につきましては千四百二十五万二千円、地方及び地域団体の関係が二億二千六百三十四万八千円、合計二億四千六十万円でございます。昭和三十八年は、団体数で中央が九、地方が二百五十、合計二百五十九団体。事業数が中央二十四、地方五百三十一、合計五百五十五。補助額が中央二千六百八十五万九千円、地方三億七千四百四十万四千円、合計四億百二十六万三千円。昭和三十九年度は、これは多少数字が変わるかもわかりませんが、ただいまのところ団体数で中央十一、地方で二百八、合計二百十九団体。事業数は中央二十二、地方三百六十一、三百八十三事業数。補助額が中央が六千五百五十七万五千円、地方は地方団体と地域団体に分かれますが、地方団体で一億四千六百二十五万三千円、地域団体が三億八千三百七十二万三千円、合計で五億九千五百五十五万一千円ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/53
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054・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 特に最近の、この三十九年についてもう少し詳しく伺えば、補助額の中央六千五百五十七万円、地方は約六億、これは特にどういう内容に使われておるのですか、受けた団体が。そのおもな項目だけでいいですから、全額は要りませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/54
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055・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) いま申し上げましたように、事業数が非常に多岐にわたっておりますので、どういうものということで事項的に申し上げますと、第一は、種馬の登録または整備の事業その他馬の改良、増殖に資する事業、これは馬事関係でございますので、こういう事業に助成をしておるもの。それから畜産の経営もしくは技術の指導の事業というもの、それから畜産の経営もしくは家畜、畜産物の流通の合理化に資するための事業であって、主として地域的な畜産の振興に資すると認められるものということでございます。まあいろいろ地方から申請がありますものの中から、農林大臣の承認いたしました補助基準というものがございまして、特に公益性と緊急性が高くて補助の効果が著しいというものを優先的に対象としてとっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/55
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056・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 たとえば種馬の登録事業とか、あるいは改良指導あるいは畜産経営なり技術指導、流通の改善の指導、これは非常に大事な項目であるわけでありますが、これは政府自体ももっと積極的に、これらの技術指導、まあ総括して言えばそういうことになるわけでありますが、地方競馬全国協会のやる畜産振興のための助成事業、そういうものに政府自体の直接の助成というものももっと積極的にあってしかるべきだと思うのでありますが、どのように政府みずからでは対応されておられるのか。その点を関連してお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/56
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057・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) ただいま項目として申し述べますと、確かに政府自身も助成指導すべき事業であることは明らかでございますが、地方競馬全国協会と国の助成事業との基本的な考え方の区別といたしましては、国の行ないます助成事業はおおむね全国的に助成の対象とすべき事業が存し、かつ、そういう実施が可能なものということで、取り上げている、それから地方競馬全国協会の助成については、全国的な実施に至らざる前の一種の実験的な事業もしくは地域的な性格の強い事業というものも取り上げていくということで、政府が行ないます助成事業と競合する事業は原則として取り上げないという整理をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/57
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058・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 私実は不勉強で、伺うのでありますが、いま畜産局長が答弁したように、重複を避けることはけっこうでありますが、全国的な普遍的なこの馬に対する事業で、それがきわめて適切なものであるということを確認して、政府みずからが積極的に施策を講じておる点は、三十九年度の実績はどういうものが中心に国の施策として行なわれているのか。四十年度の予算ではどういうことがさらに前向きに政府の施策として考えられているのか。いまの御答弁に関連してひとつ伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/58
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059・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) 馬、馬事の振興に関します政府の直接の施策といたしましては、種畜牧場の運営の中で、種畜改良のための事業を行なっていることが一つございます。いま一つは、地方におきます健良馬の生産のための種畜の係養について助成をするということをやってきたのでございますが、三十九年まではその二つの事業が国の事業もしくは助成事業であったわけでございますけれども、地方に係養いたします種馬についての助成は、国としてはかなり長年月助成をしてまいりましたということと、それから非常に限られた地方になってきたという実態から、四十年度からは地方競馬全国協会の助成事業の対象を切りかえてまいりたいということで、国の助成事業としてはとりやめることといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/59
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060・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 三十九年はどれだけやったんですか、種畜改良では。それから地方優良馬生産のための係養の種畜ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/60
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061・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) たいへん申しわけないんですが、予算関係のこまかい資料を持ってまいっておりませんので、ちょっとお答えをいたしかねますが、直ちに調べましてお知らせいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/61
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062・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 いま準備がなければ、これはあとで資料としてひとつこの委員会に御提出願うことにします。
で、伺っておると、どうも年々政府のかまえ方が先細りのような感がするわけですね。たとえば地方の優良馬生産のための費用は、これはローカルであるという理解でも、これは国直接ではなしに地方競馬全国協会のほうにこれを委譲するというようなことで、たいへんこれは残念な方向だと理解せざるを得ないわけでります。こういう点を掘り下げていくと果てしがありませんから、これは関連でありますからこの程度にして次に進みますが、地方競馬をやっておる市町村の間にもこの収益には非常な格差があります。この格差を是正するために、政府は一体どのような配慮をされてきたのか。してこなければしてこない、したとすればどういうような収益配分について監督官庁としては行政指導をされたのか、その点をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/62
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063・柴田護
○政府委員(柴田護君) 特にその使途について事やかましく指導はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/63
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064・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 答弁は簡単だが、だいぶどうもいろいろな基本的な問題の取り組み方がいまの答弁でも不十分過ぎると思うので、たいへん心配です。もしもこの改正案が成立しなかった場合、再指定基準は一体どのようにきめるつもりですか。その市町村の数のどのくらいが最も影響を受けると考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/64
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065・柴田護
○政府委員(柴田護君) 災害の部分につきましては、標準財政収入の一〇%という基準を顧慮いたしておったわけでございます。また、新法による分につきましてはそういうかっこうで、そういう基準で指定をしております。たしか一町村だけ指定したと思いますが、災害の部分につきましてはそういう基準でしております。
なお、先ほどの問題でございますけれども、特に使途について事やかましくは申しておりませんけれども、もとより指定を申請いたします場合には、その使途につきましては一応触れるわけでございます。先ほどるる御指摘のありました公営競技調査会の答申の趣旨もございますから、その趣旨に沿った意見はその場で申し上げていっておりますけれども、特にそれについての事やかましい指導ということは、いままでいたしてこなかったというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/65
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066・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 私の質問はこの程度で終わりますけれども、いままで明らかになったことから明らかなように、幸い議員提案で、三年の延長があった、たいへん政府としてもこれはけっこうであるということで、まるで人ごとのような対応のしかたである。具体的な内容を聞いても、答弁は抽象的であって、その真意をつかむにきわめて困難を感じる。もう少しまじめに、この競馬法なら競馬法の成立の経過、昭和三十七年に三ヵ年を限って時限法を延長した責任というものは、これは特に政府としては大きなものがあるという自覚を私は促したいのであります。何としても、ここで三年の延長をすることは、安易にこれは流れております。いままでのような政府の怠惰なかまえ方では、私は今後の三ヵ年の経緯も非常に憂慮にたえないものであります。この際、政府はえりをただして、この三年以内に、あるいは公営競技調査会の答申の問題にしてもそうでありますし、あるいは地方財政の不足財源として依存している、これらの問題をさらに踏まえて、もっと抜本的に政府としては立ち向こうということを、これは質問ではありませんが、強く要求して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/66
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067・北條雋八
○北條雋八君 私が質問したい点は、渡辺委員から大部分ございましたのでありますが、なお、ちょっと重複しますけれども、先ほどもお話がありましたとおり、この改正法案を急に上程されたことについて、その理由としては、昨年から財政が非常に苦境におちいったということが一つの理由になっているようでありますけれども、そうすると、昨年までは、この三ヵ年間のうちに、何とか前の法案どおり地方競馬は廃止ができるというふうに思っておられたのかどうか、その点があまりはっきりわからなかったのですが、その点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/67
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068・柴田護
○政府委員(柴田護君) 先ほどお答え申し上げましたように、この競馬法が改正になりましたときは、経済状態が上り調でありますし、地方財政も非常に健全化し、安定化したという方向でいわれたのであります。事実また、そういう方向をたどっておったわけでありますが、先ほど申し上げましたように、三十九年度が始まる前後から、調子が悪くなった。最初予想いたしましたような状態で推移いたしますれば、財源的には先ほどのお話ではございませんけれども、依存度も自然低くなってまいりますし、そう大きな変動を地方財政に与えることなくして、新法に移行できたであろうと思ったのであります。しかしながら、昨年の初めごろから、地方財政が非常に憂慮すべき状態になってまいりましたので、新法に移行するについては、いろいろ問題が出てまいったのでありまして、私どもといたしましては、政府部内におきまして、農林省ともいろいろその措置について話し合ってきておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/68
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069・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、法律改正を必要とする理由に、現在、競馬の施行の指定を受けている市町村が百二十八ある。そのうち競馬場の所在市町村が三十一、また、災害の残っておる市町村が十八、これを除いた再指定ができない市町村が七十九になるわけでありますが、その七十九の市町村は全部この財政負担にたえられない、三年前と同じ状態でおるのか、あるいは幾ぶんかはこの競馬の収益によらないでいけるようなものも少しはあるんじゃないかと思うんですが、いわゆる格差といいますか、その状態はどうなんでしょうか。それは程度が違うと思うんです。これだけの中に一つ、二つは廃止してもいいところがあるわけだと思うんですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/69
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070・柴田護
○政府委員(柴田護君) こまかいせんさくをいたしてまいりますれば、お話しのようなところがあるかもしれません。しかしながら、全体としての色調は地方財政全体の色調と同じでございまして、四十年度の財政を想定いたしますれば一段と苦しさを加えてきておるということであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/70
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071・北條雋八
○北條雋八君 そうなりますと、これはきょうになって急に廃止ができないというんじゃなしに、相当前から、この三年以内にはできないということがわかっていたんじゃないか。また、それくらいわかってなければならないと思うんですが、だからもっとそういう見込みがはっきりすれば、何もこの期限が迫った今日この改正案を出さないで、もっと前に政府として出すべきじゃないかと思うんですが、で、幸いにも議員立法であったと、先ほども度辺委員からもお話がありました、もしこれがなかったらどうされるのか、その点をひとつ所信を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/71
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072・柴田護
○政府委員(柴田護君) その点は、昌頭にもお答え申し上げましたとおり、私どもといたしましては見通しを誤ったということでございまして、何と言われましても責任を痛感いたしておるわけでございますが、要するに地方財政全体の見通しが甘かったということであります。したがって、このような情勢になってまいりましたので、単に指定とか、そうでない、指定しないとかいったような問題でもって、それ以外の方法でもって片がつくものならばいいのでありますけれども、こういう情勢になって考えてまいりますと、やはりそのかわりに財政制度的な問題を考えてまいらなければ混乱が起こるのであろうというように、私どはは昨年の秋ごろにそういう見通しを持つに至たのであります。
昭和四十年度の地方財政問題というものを考えてまいりましたときに、とてもこのままではたいへんなことになるんじゃなかろうかというように考えまして、その間の事態の収拾の方策につきまして、主管省である農林省といろいろ話し合いをしてきたというのが今日までの経緯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/72
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073・北條雋八
○北條雋八君 そうすると、どうしてこれ、政府の提案にしなかったのか。議員立法にしたその理由が私にはわからないんですが、それは提案者のほうからひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/73
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074・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) 実はこの法律は、いま問題になっております本年の三月三十一日で今度は競馬法の本則へ帰りまして、都道府県営という事態になるわけでございます。したがいまして、この前の競馬法の改正の審議の経過から見まして、将来の地方競馬とうものを、現在の市町村の経営主体から、施行権の主体が都道府県へ移行するという大きな原則がありますので、その原則について政府が、政府の側からこれをさらに延長するというふうなことは、従来のいわゆるたてまえからもなかなか困難ではないかというふうに察知されるのでございます。ただ、私どもは関係の市町村、あるいはまた関係の知事、そうした方面の陳情によりますというと、早くこの問題をけりをつけてもらいたい、将来の明るい見通しを持って、地方財政の確立に資し得るような状態をつくってくれといったような、たび重なるところの懇請がありましたので、私どもとしましては、これは政党政派を問わず、こうした地方自治の健全な発展ということはきわめて大事なことでございますので、当初、農水委員長の提案をしてこれを運びたいという考えでおったのでございます。ところが、その点におきまして、途中におきまして、まあ急にすぐ話し合いがつくという問題でもございませんで、一方において時日が迫っているというような状態でありまして、特にそうした事情を勘案しまして、議員で提案するというふうな経過になったわけでございます。私の説明の足りない分については、政府側のほうから、補足的に説明があるかもしれません。御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/74
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075・桧垣徳太郎
○政府委員(桧垣徳太郎君) 今回の法律の改正の要旨は、いままで提案者の御趣旨にもございましたように、従来の法律による付則第七条の、法定指定の期間をさらに延長するということでございますが、われわれといたしましては、競馬法第一条の改正に当たりまして、地方競馬の施行は原則として都道府県の施行を適当と考えるという基本的な考え方は変えてないのでございまして、自治省から地方財政上の理由で、さらに再延長が望ましい、法律改正について検討をしてもらいたいというお話があったのでございますが、ただいま申し上げましたような競馬施行の本来の姿、本来の姿勢という点から、再延長についてにわかに農林省としても踏み切れないで、自治省当局と協議を重ねておったのでございますが、たまたま期日も切迫してまいりました関係もございましょうし、地方財政の問題に対する御認識の点からも、急いで議員提案で法律改正を行ないたいという御趣旨のことを、衆議院の国会議員の方々から伺うようになりましたので、私どもとして踏み切れなかった問題が、この形で法案として御審議願うということについては、われわれとしても迷っておりました問題に結論を出していただくという意味で、先ほど自治省からもお話がありましたように、実はほっとしたという心境でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/75
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076・高山恒雄
○高山恒雄君 関連。ほっとしたと言われると、質問できぬのだけれどもね。大体まあこの提案者の説明は、これは政府でつくられたと思うのだがね、こういう災害が残っているとか、市町村の非常に困難な地域があるということが、この趣旨説明であるわけです。こういうことは、地方財政の困難な状態ということがわかり切っていて、議員提案にしなければならないほど政府がこれを考えなかったということは、これはほっとしたじゃなしに、これは全く責任問題ですね。むしろ逆に政府のほうから、こういう事態が起こっておるし、しかも地方の災害に対しては、こういう状態があるということを積極的に出して、そしてこれを延期しなくちゃいかぬというならわかるけれども、いま提案者のほうの意見を聞くと、地方からはそういう陳情もあったと私は思うのです。そういう希望があって、これは当然三月一ぱいで切れるし、これは延期しなくちゃいかぬというので考えたということですね。そうすると、政府が日常こういうものを見ておらなくちゃいけないものが、議員からこれを提案しなくちゃならぬという状態になってくると、政府はあってもなくてもいいじゃないかということになるのですね。この点どうお考えになるのですか。政府のほうはあまり無責任だと思うのだ、私は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/76
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077・柴田護
○政府委員(柴田護君) おしかりをこうむるのはごもっともと思いますが、私どもといたしましても、私どもなりにその必要を痛感し、主管省である農林省とたびたび折衝し、法案の改正につきましてお願いをしてまいったのでございます。結果的に見て、おしかりを受けるような事態になりましたのは遺憾でございますけれども、私どもといたしたしましては私どもなりに極力力を尽くしておったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/77
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078・高山恒雄
○高山恒雄君 その答弁はあいまいにしないではっきり答弁してくださいよ。さっき提案者の御意見を伺うと、ほんとうはそうでしょうけれども、都道府県の財政というものが非常に困難におちいるから、しかも災害等の継続もあるし、困るという状態で陳情もあるし、それで議員として提案するに至った、こうおっしゃっておるのですよ。いまあなたの御答弁を聞くと、実は農林省にも前からこの話はしておった、おったらそれを実現させるのが政府の仕事でしょう。それを実現させないで、議員がやったからほっとした、何かそこに隘路があったのかないのか、あなた方が相当農林省にもそれだけの提案をしなければいかぬということを主張したにもかかわらず、これは反対があったのかどうか、そういう点で聞かしてください、答弁はあいまいでなくてもっとはっきりしてもらいたい、この点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/78
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079・柴田護
○政府委員(柴田護君) 事実をありのまま申し上げておるわけでございまして、私どもといたしましては、先ほど北條委員の御質問にお答え申し上げたような経緯で、昨年の秋に、こういう趣旨の改正をする必要があるという結論になりまして、法案の主管省は農林省でございますので、農林省にそのような改正方をお願いをしておったわけでございます。しかし、農林省といたしましては、競馬法のたてまえ、改正のたてまえ、従来の経緯もあるわけでございますから、その間に意見の調整がつかず、たび重なる折衡を続けてまいったのでございますけれども、法案の改正に関する意見の一致を見ないままに事態が推移したわけでございます。この関係は単に私どもと畜産局との間だけの折衝じゃございませんで、大臣同士の話し合いも行なわれております。話し合いがつかないままに時日が推移してまいったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/79
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080・高山恒雄
○高山恒雄君 それでわかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/80
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081・北條雋八
○北條雋八君 なおその点で伺いますけれども、いま、昨年の秋はじめて農林省にそういう折衝をされたといいますけれども、この財界の不況というのは昨年の秋から始まったわけではないのでありますから、とうにこういうことはわかっていなければならないはずだと思うのです。ですから、そういうように気がついておったら、なぜもっと早くその折衝をしなかったか。昨年の秋なんていうのは、私はおそいと思うのです。その点はどういうふうなお考えですか。秋になってはじめて、これはとても伸ばさなければならないということに気がついたわけじゃないと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/81
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082・柴田護
○政府委員(柴田護君) 昨年の秋ということを申し上げたのは、結論を出すのがその時期になったということでございますが、しかし、実際は人事院勧告の取り扱い等をめぐりまして、昭和三十九年度の財政、昭和四十年度の財政というものが見通される時期というのは大体秋でございます。そのころになりまして、それらの扱い等から、昭和四十年度の地方財政の推移というものを勘案いたしましたときに、いまここで新法にそのまま乗り移るということは、いろいろ手段を考えましても地方財政に激変を与えないわけにいかない。しかも、四十年度の地方財政というものは、普通の年の地方財政と違うという認識を持ちましたので、その結論に従いまして、法の改正ということについて農林省と折衝を始めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/82
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083・北條雋八
○北條雋八君 わかりましたが、そうすると、これはそういう財界の不況がなければやれる見込みであったとすれば、もし廃止になれば、それによってこうむる失業者というのは一体どのくらいになるお見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/83
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084・柴田護
○政府委員(柴田護君) 旧法、暫定措置がなくなりまして新法に移りました場合においては、結局、都道府県営の競馬は、残るわけでございますが、市町村営の競馬と申しましても実際的にやりますのは、競馬場はあるわけでございます、その競馬場を借りて使ってやっているわけでございますので、実際の失業者等につきましては、そんなに影響がないだろうと思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/84
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085・北條雋八
○北條雋八君 売店とかその他、新聞もありましょうし、それはもうあまり気にとめておられなかったわけですね、たいしたことはないと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/85
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086・柴田護
○政府委員(柴田護君) 府県営の競馬が残るものでございますから、そんなに影響はないと思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/86
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087・北條雋八
○北條雋八君 そういうものに対しての、別に予告とか何とかいうようなことは、全然初めからしなかったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/87
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088・柴田護
○政府委員(柴田護君) さようなことはあまり深く考えていませんでした。しかし、事態がもしそのまま移ってしまうということになりますれば、そういうものについての考慮も払わなければならん場合があるかもしらんという程度の認識は持っておったわけでございます。しかし、府県営の競馬は残るものでございますので、そんなに多くの影響はないだろうというふうに考えました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/88
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089・北條雋八
○北條雋八君 もう一点伺いますが、またさらに三年延期をするという、その三年という年数ですが、前からの経過をいろいろ伺いますと、はたして三年がいいのか、五年がいいのか、私は三年の根拠について納得するような御答弁をいただきたいと思うのですが、先ほどこれは渡辺委員からの質問がありましたけれども、なお三年で、必ず今度はさらに三年後に延期しないでも大丈夫なんだ、実行できるんだというその確信を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/89
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090・笹山茂太郎
○衆議院議員(笹山茂太郎君) その点は、私のほうから御説明申し上げます。実は三ヵ年延長ということについては、いろいろ意見を交換するうちには、四年とか五年といったような説もあったわけでございますが、いまの本則に返るという場面におきましては、都道府県に入ったところの収入が今度再配分されて、従来の地方競馬施行主体の市町村に適当に蓄積に回るというふうな条例も新しくつくらなくちゃならぬし、そうした市町村営の競馬が廃止されましても、県によりましてはすぐそのまま都道府県営に移管することを、県のほうとして好まないような県もあるわけでございます。そうするというと、地方財政の全般の問題をめぐりまして検討しなきゃならぬところの事項がたくさんあるわけでございまして、そういう点を考慮するというと、ここ一両年ではなかなか困難ではないか、さらにまたこうした点に触れて、もとに返って競馬法全体の問題にもあるいは波及する問題も出てくるかもしれぬ、そういった点を考慮するというと、三年ということはぜひとも必要ではなかろうか、こう勘案したようなわけでございます。いずれにいたしましても、こうしたことをしばしば繰り返すということは、これはいけないことは当然でございまして、私どもとしましては、この三ヵ年間は最後の問題として必ず取り扱ってまいりたい、そういうことを政府のほうにも強く申し入れておるようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/90
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091・北條雋八
○北條雋八君 自治省としてのあなたの確信を伺いたいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/91
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092・吉武恵市
○国務大臣(吉武恵市君) 競馬法の問題でございますが、自治省といたしましてもこれを財源にするということは、実は好ましくはないのでございますが、今日の地方財政の現状から見まして、いま直ちにこれがやむということになりますると非常に困る問題でございまするから、これが成立をいたしますることは賛成をする次第でございますが、しかし、いまお話がございましたように、できるだけ早くこれを廃止をしていきたいという気持でございまするので、三年間のうちにひとつ何とかいたしたい、かように思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/92
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093・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/93
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094・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 御異議ないものと認めます。
これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/94
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095・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 私は、ただいま提案をされております競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対して、日本社会党を代表して、反対の討論をいたすものであります。
いまさら申し上げるまでもなく、競馬の目的は、中央競馬会法第一条に明らかなように、「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与する」とうたってあるように、その目的はきわめて崇高なものがあるわけであります。しかるに、質疑を通じて明らかになった点は、政府のこの競馬の取り上げ方に対しては、年年その措置がきわめて低下しておるということが質疑の過程において明らかになったわけであります。なお、ただいま自治大臣も答弁の中で述べられましたように、現在競馬を施行している市町村は、いまだ緊急に相当多額の財政需要をかかえておるので、いま直ちにその収入を断つことは不適当である。したがって、提案の理由にも述べてありますように、このような市町村財政の実態から、どうしても三年間を延期せざるを得ないということが内容でありますけれども、この事態というものは、この時点において明らかになったものではなくして、当然この三年間の経過の中に、もっと政府が根本的に取っ組むというその責任を喪失した結果、またぞろこれを三ヵ年も延長せざるを得ないという不ていさい、不面目な内容を国民の前にさらしたものと断ぜざるを得ないのであります。しかもこの競馬そのものは射幸心にこれを依存する運営というものではなしに、あくまでも本来社会的な娯楽の健全化の方面で規制さるべきものであるのに、何らそういう規制に対する行政的な指導の措置が見受けられない。もっとこれらの当該市町村の財政の基本問題に関連して、さらには地方自治体の本来あるべき、憲法でわざわざ一章を独立してうたっておるその趣旨にもかんがみ、もっと基本的に地方財政の確立に前進したならば、これらの付帯的な問題等は、とうにこれは解決すべきものであるのに、それらを遷延今日に至らしめて、議員立法に名をかりて、きわめてこれはありがたい措置であるというがごときに至っては、政府の無責任さに私は痛憤を覚えるものであります。
以上の理由をもって、私は本法案には反対の意思を表明するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/95
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096・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/96
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097・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。
これより採決に入ります。競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/97
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098・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 多数でございます。よって本案は、多数をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/98
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099・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
本日はこれをもって散会いたします。
午後四時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X01419650330/99
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