1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十三日(木曜日)
午前十時三十七分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 仲原 善一君
理 事
田中 啓一君
森 八三一君
山崎 斉君
矢山 有作君
渡辺 勘吉君
委 員
青田源太郎君
岡村文四郎君
北口 龍徳君
小林 篤一君
温水 三郎君
野知 浩之君
藤野 繁雄君
堀本 宜実君
森部 隆輔君
北村 暢君
北條 雋八君
高山 恒雄君
国務大臣
農 林 大 臣 赤城 宗徳君
政府委員
農林省農地局長 丹羽雅次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 宮川 秀雄君
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本日の会議に付した案件
○開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○八郎潟新農村建設事業団法案(内閣提出、衆議
院送付)
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001・仲原善一
○委員長(仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。
開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題とし、本案について質疑を行なうことといたします。
質疑のおありの方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/1
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002・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 私、まず大臣にお尋ねをいたしたい第一点は、今回の法律案のおもな内容の第一点でありますが、都道府県開拓融資保証協会の会員たる資格を有する者について、今回その範囲を拡大されたわけでありますが、新たに、従来の開拓農協のほかに開拓者をその構成員に含む農業協同組合も開拓農協としてこの協会に加入することを認めている点についてでありますが、この会員資格を拡大したその趣旨について、まず大臣からどういう根拠で会員資格を拡大したか、これをお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/2
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003・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) 開拓者が保証協会を利用するのにつきまして、全国的な開拓農協に入っておるその構成員も利用ができる、こういうふうに総合農協に入っているものも開拓者も利用できる、こういうふうに道を広げたと、申すまでもなくそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/3
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004・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 その内容はいま質問の中で私も触れたつもりでありますが、どういう根拠でこういうふうな範囲を拡大して開拓者の全部または一部が会員となっている総合農協も保証協会の保証の対象にしたかという点を大臣からちょっと承りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/4
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005・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) 農協によっては強弱の差があると思います。開拓農協の基礎が薄弱だとか、あるいは運営が微弱だとか、こういう点で開拓者が保証協会を利用することに力弱い面があろうかと、こういう面がありまして、総合農協に入っておるものでもこれを利用できるという意味は、開拓農協の開拓者の便宜と言いますか、保証協会を利用する度合いを強めたと、こういうふうに御解釈願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/5
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006・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 この開拓融資保証協会の機能を拡大するという点については、御提案の意味はわからないわけではないのでありますけれども、従来の開拓農協の組合員である開拓者が開拓農協からの負債が累積しておる実態にかんがみて、その償還財源である農産物の販売に得てして開拓農協連という系統組織を通ぜずに、その地域の総合農協あるいは系統組織にこれを横流しをしておるという実態が、一そう開拓農協の財政の劣悪化を招来しておる事実が厳然としてあるわけであります。したがって、この際、協会の会員となる範囲を拡大することは、一そう既存の開拓農協の中で開拓農協自体が融資を受ける場合に、保証を裏づけとしても、融資の対象にならないものが一そう農協間の系列を混乱に導くことを私は憂うるのであります。第一、事務的にお尋ねをいたしますが、提案の趣旨のように、総合農協に開拓者が一部あるいは大部分が総合農協で開拓者の共同体を構成しているという実態は、第一点の一部を構成しているというのは、総合農協全体が幾らで、そのうち何割のどのくらいの数が一部の開拓者によって構成されているのか。今度の拡大の対象はどういう全体の中で構成されているかを計数を上げてまず御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/6
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007・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 直接のお答えになるかどうかでありますが、現在、開拓農協の組合員でありまして一般の総合農協に加入しているものは全体の開拓者の七二%に達しております。そこで、販購買事業を開拓農協自体で行なっているものと、総合農協で行なっているものと、両者を利用しているものと、その他農協以外を利用しているものというものにつきまして、三十七年に事例調査をいたしておりますが、開拓農協自体で販購買事業を行なっているものが二六%で、ございまして、総合農協で行なっているものが四六%、両者を併用しているものが二〇%、こういう数字を得ております。そこで、いまの先生の御質問は、今度の措置によりまして総合農協に所属する開拓者が、総合農協がこの地方協会の会員になることによって総合農協を通じて保証資金を流していく傾向が今後どの程度に出てくるか数字をもって示せという御趣旨かと存じますが、昨日も再三申しましたとおり、開拓者を一部にかかえております総合農協が、この地方協会の会員になるならぬは、当然、総合農協の総会、総代会で御意思決定を願うわけでございまして、それらの過程を通じまして会員になる組合が出てまいるわけでございますので、現在のところ、これがどの程度のものが直ちに地方協会の会員にこの法改正によってなるかということにつきましては計数的には測定はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/7
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008・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 いや、もとよりこの法改正によって会員たる対象が拡大するのは、総会の議決を経て加入の手続をとることは言うまでもないので、それを聞いているのじゃなくて、手続をとるとらないにかかわらず、総合農協の中で一部の組合員が開拓者であるというものが総合農協全体の中で一体何割を占めているのか。その数は一体どのくらいかということをお尋ねしているので、そういうバックデータなしにこういう抽象的な法律を改正するとなれば、これはきわめて準備不十分であって、あとはとにかく該当総合農協が総会の議決を経るか経ないかを待たなければわからぬということでは私は済まされぬと思うので、まずそれらの総合農協の意思表示は別として、実態においてこれらの有資格総合農協は全体の総合農協の何割を占めているというデータのもとにこういう法律の改正案を提出されているのか。その数字を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/8
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009・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 総合農協の何割が開拓者を一部分に含んでいるかという点からこれを考える必要も確かに先生御指摘のとおりあろうかと思いますが、私どものほうは、むしろ逆に、開拓者の中で総合農協に所属しているものがどのくらいあるか、そういう角度からものを考えまして、先ほど来七二%のものが総合農協に所属している、そういう角度から考えましたものでございますので、御質問の全体の総合農協の中で開拓者を会員に含んでいるものはどれだけあるかというほうの調査は、遺憾ながら持ち合わせないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/9
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010・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 そういう私の要求する資料がなければまたやむを得ませんが、こういう場合も考えておるんですか。いまは会員の資格のない総合農協だけれども、開拓者の意思によって、今回の法改正に基づいて既存の所属しておる開拓農協を通じての融資というものは期待ができないという開拓者自身の判断によって、新たに総合農協に加入をして、また総合農協がそれらの会員の意思を体して協会に加入をし、融資保証の方途を講ずる、そういう傾向が今後起こり得ると思うのかどうか、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/10
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011・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 私どものものの考え方といたしまして、開拓者にはできるだけこの保証資金を利用できる道を開いて差し上げて御便宜をはかりたい。そこで、考え方といたしまして、開拓農協が実務をりっぱにやっており、現に会員になっておって、開拓農協を通じましてこの保証資金が流れる、あるいはその組合員がこの保証を受けられる、こういう事態は意識的に変更する必要ありとは考えておりません。しかし、今度は逆に、開拓農協が実務が行なえない、あるいは非常に零細で会員にもなれないというような状態で、所属組合員が保証制度を利用できない、こういう組合につきましては、現に総合農協に加入しておりますればその農協に会員になっていただく、あるいはいま先生が御指摘になった、現在は総合農協に加入しておらない、しかし新しく総合農協に加入いたしまして、総合農協の御意思として会員になって組合員にこの保証の恩典を浴させようという意思決定がいただければ、ぜひそういう形において組合員にこの資金が利用できるようにいたしたい、現在うまくいっているものはことさら変える必要はない、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/11
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012・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 それでは、角度を変えてお尋ねいたしますが、提出された資料によりますと、開拓農協の現状は、総数において全国で四千三を数えております。そのうち出資によって構成されている組合は二千三、非出資が二千、こういうデータをちょうだいをいたしておるのでありますが、この四千三の開拓農協の中で、従来の法律ではなかなか保証協会の保証を受け、融資を受けるという可能性がなかった開拓農協は全体の何割と一体勘案をされておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/12
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013・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) お答え申し上げます。四千の組合がございますが、三十八年度で調査いたしましたところ、加入しておる組合は二千八百三十六で、約七〇%でございます。そのうち、加入はしておりますが利用をしていない、あるいは逆に言いまして、加入してかつ利用しておる組合、これが千百七十四組合でございまして、全加入組合の四一・三%、全体の組合に換算いたしますと約三割弱、こういう利用状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/13
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014・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 そうしますと、従来、四千のうち加入は約七割の二千八百三十六が加入しておるが、なお現実に利用して保証を受け融資を受けておる開拓農協は全体の三割にも満たない千百七十四である。したがって、実質的に見ますと、従来の法律の範囲内では四千のうち三割弱の千百、これは二割何分ということでありますから、そうすると、逆に言えば、開拓者として資金の融通を必要としない農家は、私から言えば一人もないと思います。開拓農協の組織の上から見ますと、七割強というものが大なり小なり総合農協というものの組織を媒体としなければ保証の恩恵にあずかりかねる、こういうことが今度の法律改正の計数の根拠であると理解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/14
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015・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) いまお手元に御配付してあります資料で、先生御指摘な部分にからみまして全体の組合数で抑えますと、確かにいまのような実態になります。ところが、この内訳を見ていただきますと、開拓農協は十戸未満の組合が七百三十八、一八%、十戸から二十戸が三八%、二十一戸から三十が一五%、こういうふうに相なっておりまして、組合数で見ますと以上のような形でございますが、零細な組合は組合数として数がふえるが組合員は数が少ない、こういう形でございますので、利用組合というものは、比較的組合としてうまく動いておるものが利用しておると大勢として言えると思います。したがって、この零細な組合で事務能力その他で組合員のめんどうを見れない、こういうところは、先生のおっしゃるように総合農協に依存してまいる、私どももそういう形をとってまいりたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/15
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016・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 まあ数字は別として、動向としては、今後の傾向としてはなかなかどうも開拓農協という範疇ではこの保証の恩恵に浴しかねるので会員の資格を拡大するわけですから、そのことはまあいいとしましても、私はそのことは、実は開拓農協に対する行政の方向が一体どうなるかということを政府にたださざるを得ないのであります。抽象的に申し上げてはどうも問題の実態が明らかになりませんから、私は全国的な動向もさることながら、開拓の一割を占めておる岩手県の実態で、その数字を示しながら政府の所見をただしたいのでありますが、この表にもありますように多少数字は違います。この私の取り上げている数字は、去年の十二月末の岩手県の開拓農協の実態でありますが、二百三十二の開拓農協があるわけでありますが、そのうちに専任職員を持っている開拓農協は四十一組合にすぎないのです。で、あとの大部分の開拓農協は専任職員がいないのですから開拓農協の役員がみずから事務的な処理まで営農の片手間にやっておる。こういう農協の経常というものは、二年や三年で完全に経営の責任を持てるものじゃない。複雑なこれは経済組織であることは、大臣も先般御承知のとおりであります。そういう二百三十二もあるうちで四十そこそこしか専任職員もいないというのが開拓農協のこれは実態であります。いただいたデータによりますと、これらの開拓者の一人当たりの負債額が三十七万円ということになっておる、開括農協自体の負債というもの。これも適正に経理をする能力がないために、結果的に不正ということに事実上つながる開拓農協は、これはもう共通的に指摘せざるを得ない実態であります。意識的に不正を働くつもりはなくても、経理の能力のなさ、ずさんさから債権を適正に記録をしないために、それらが穴になったり、いろいろな結果的に不正という事態が開拓農協にこれは共通する、優秀な開拓農協は別として、あるわけです。専任職員を置かないのは、要らなくて置かないのじゃなくて、専任職員を設置する能力が開拓農協にはないからであると指摘されたように、開拓農協の組合員はまことに部落単位の零細な組合である。この組織整備を岩手県の中でも三十七年から取り上げておるが、その成績は遅々として進まない実態である。何ら開拓農協の組織の合理化、大型化あるいは総合農協に対する組織的な統合というものは何ら進捗を示していない。私はこれは岩手県の特殊事例であれば何をかいわんやでありますけれども、おおよそこれは全国共通の傾向であると見て差しつかえないと思います。そういう事態の中で、さしあたり、開拓農家の融資を便利ならしめるために、総合農協を会員とする等々の手段を通じてこれらの機能を拡大することは、そのこと自体はあまり異論のないところでありますけれども、残された一体開拓農協に対して、政府はどういうアフターケアなり、あるいはもっと積極的な前向きな組織上の行政的な指導をとられているのか、これは局長じゃなしに、大臣に私はお伺いをしたいのであります。ますますそれらの機能が一そう劣弱になり、希薄になる方向をたどることが必至なこれらの法律の改正に対して、農林大臣は開拓農協に対する行政指導をどこに置いて一体指導されようとしているのかをお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/16
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017・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) 専任職員が岩手におきまして二百三十二のうち四十一というような非常に薄弱な基礎の上に開拓農協がある、こういうことでございますが、これは岩手ばかりでなく、全国的にも零細な規模の組合が相当多いようであります。こういう弱小組合に対しましてどういう措置をとってきたか、また、とるのか、こういうお話でございます。大体指導といたしましては、合併というようなことも進めております。あるいは零細規模の組合の合同事務所の設置、総合農協への事務委託、こういうことを進めてきておるのでございますが、昭和四十年度におきましては、財務ないし事務執行態勢が不備だという組合に対しまする組合経費等に対する助成措置を計画いたしておることなどがあります。まあ開拓農協を強化しなくちゃならぬということは私も深く考えておるところでございまして、開拓農協が微弱だから、弱小だから総合農協を利用するという道は開けたといたしましても、開けたから開拓農協はそのままでいいというような考えは持ちません。できることならば、開拓農協そのものが強くなっていくということが本旨でございます。そういう意味におきまして、不十分ながらいままでやってきたことを申し上げておるのでございますけれども、開拓農協の強化につきましては今後とも十分力をいたしたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/17
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018・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 いままでの措置では、全然開拓農協を育成強化するという方向は見当たらないのです、残念ながら。で、私は具体的に大臣にお尋ねしますが、開拓農協があまりに小型で、合併をさせなけりゃならない、まあ当事者もそのことで一生懸命やっているのだが、それができない。何ができないかといえば、合併をさせるにも、それらの開拓農協の財務の内容というものが至って把握しがたい実態にあるわけです。決算を二年も三年もやりかねておる、総会も二年も三年も開かない、そういう経理のずさんさがあり、また、内容的にはどうしても償還でき得ない大きな負債を開拓農協が背負っておる、それらの財務の再建の見通しがつかない点も、大臣がおっしゃったような、小型の開拓農協を適正規模の農協に組織を変えていくことをはばんでおる大きな現実の姿なわけです。専任職員もなければ、借りるだけ借りた借金を返す当てもない、だれもこれを救済しようとする者もない政府も県も上つらをなでるような措置は多少はやっておるけれども、これらに対する財政措置、積極的な再建の行政的な裏づけ、そういうものは遺憾ながら見当たらない、また、県の段階でも総合農協に対する監査、指導というものは、かなり陣容が整備なれているけれども、開拓農協には手が及ばない、これはもう政治から見離された立場に開拓農協が置かれておる実態であります。でありますから、私はこれからは、まず政府当局においては開拓農協の財務の実態、経営の本質というものをすみやかに掌握をする必要があると思う。いや、全部掌握しているといえば、それを伺いたい。掌握をしていない証拠には、それを報告するデータを末端の農協が持っていない。まずそういう実態をすみやかに政府が把握をして、その実態に即した、農協においてかつて取り上げた整備促進法なり再建整備法なり、それらに相応する以上の、これは物的、人的援助というものを政府が中心となってこれに対応しなければ、これは大きな経済上の混乱まで巻き起こしておる実態である。融資をしたその金融機関が、その債権の保全ができない、大きなこれは社会問題になっておるわけでありますが、そういうまず実態をもっと明確に掌握するための万般の施策を講じて、それを把握した上においてこれらの開拓農協に対するあたたかい血のかよった行政指導を取るということが、私は今度の法改正によるマイナスを招来せずに、今度の会員資格を拡大するにつけても、政府としては緊急におとり願わなければならない措置であると思うのでありますが、大臣はこういう具体的な内容についてはどういうふうに今後進められようとされるのか、その意思のほどを伺っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/18
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019・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) いまお話し願ったような実態であるというふうに私も承知しています。しかし、これは総合農協等におきましても、かつてそういう事態を経過いたしておりましたが、最近におきましては、総合農協等におきましては、そういう事態が除去されたような状態だと思います。そこで、開拓農協につきましても、いま御説明のような実態でございまするし、その実態に対してどういうことをしているか、どういうことをするかという前提として、やはりもっと正確に実態を掌握する必要があろうというお話のとおり、私どもも実態を掌握しなくてはならぬと思います。四十年度から、本年度から営農振興計画樹立地域から始まって実施するところの開拓農協の財務内容の確認、調査、こういうことに手をつけていきたいと思います。その中でまた不良債務の実態なども明らかになろうと思いますが、こういう実態を掌握いたしまして必要な対策を構じていく、こういうことをいまお話しのとおりに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/19
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020・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 この開拓農協についてはもうこれ以上お尋ねしませんが、実態は、岩手県の例でみても、第二次開拓農家営農振興計画というものを三十八年度から立ててやっているのですけれども、先ほど申しましたように、四十人程度しかいないような四十組合の開拓農協ではどうにもならぬということで、県がまあかなり無理をして経理指導員というものを県で予算をつけてやろうとして、三十八年度からスタートしているのですけれども、遺憾ながらそれも一人九千円というようなことで、なり手がないというようなこともありますので、私は実態把握をするにも、また、再建をさせるにも、肝心なそういう専任職員を置くための措置も、これはあわせて県だけにまかせることではなしに、政府がやはりこれはもっと真剣にそういう措置まで講じさせ得るような一つの措置をとっていかぬとどうにもならぬ、開拓営農指導員というような配置も非常に手薄である。やっとこれらの手当ても農業改良普及員と同じように、一年おくれで実施をしたのでありますけれども何にせよ私からみれば、開拓行政というものは、戦後もてはやされたあの当時から比べると、まさにどうも冷い措置の連続である。これらの農政の盲点の、これは落とし子として、いま冷い環境の中に運営されているということを、ひとつ実態を見きわめて、いまの大臣の答弁が単に国会における答弁ということにとどまらずに、ぜひそれを具体的な政策の内容をもって積極的に立ち向かうということを強く希望をいたすわけであります。
それから、きのう大よその質問は同僚矢山委員からお尋ねをいたしましたので、私はあと一点だけにしぼって大庭にお尋ねをいたしたいのでありますが、これらの開拓農協の負債の問題も同様でありますが、突き詰めてみれば、開拓農家自体の負債に対して抜本的な措置をとるということが、毎年毎年叫ばれておりながら、何らとるべき、みるべき施策が講じられてこなかったと思います。三十八年の二月に、開拓者資金融通法の一部を改正する法律案で、私もこの農家の旧債についてはいろいろお尋ねをいたしたのでありますが、その当時の政府委員の答弁は、まさにこの旧債に対しては抜本的な施策を講じなければならぬ、こういうことを明確に答弁して、私の指摘したことについては、三十九年度の予算編成にあたっては、十分その点を考慮して編成にあたりたい、こういうことで、私もすなおに期待をし、了解をしておったのでありますが、昨日の政府委員の答弁を承りましても、十年一日のごとく、単に上積み部分のかっこうの手直しというだけで、自作農維持資金で措置をするとか、あるいは債権管理法の対象にするとかいうようなことで、何ら国会で答弁をした、国民の、特に該当開拓関係者の納得する施策は講じられていないのが実態であります。それで、まず私もその際、農家の負債についての実態を把握しなさいということで、これは第一類から第三類までの農家の分類をした中で、もっと具体的に開拓農家の負債の実態というものを精密にこれを調べて、その上に立って抜本的な施策を講じてほしいという意見を申し上げたのでありますが、昨年の二月一日現在で、国が要請したような方向で開拓地の営農実績調査というところで、農家の負債の中に延滞は一体どれだけあるか、開拓農家の負債は全体ではどういう実態になっているかということを調べたその資料が今回提出をされたわけだと思うのであります。これを見ますと、開拓農家の負債の状況というものは、昨年の二月一日現在で約四百八十億、一戸当たりの借り入れ残高というものは三十七万六千円となっております。そのうち延滞額一覧表という資料がありますが、その資料を見ますと、延滞額というのは五十四億で、一戸当たりの延滞額が四万三千円、これが実態であれば私は何をか言わんやであります。しかし、実態はこんななまやさしい状態に置かれていないと思う。私は昨年の二月一日現在で調査をした内容をまあとやかく言うつもりはないのですけれども、こんな程度の延滞であれば、私は繰り返し各国会でこういうことが問題になること自体に、政府はむしろ明らかにそういう実態を歪曲して、だいぶ過大に問題を提起しているということをお示し願ってしかるべきものだと思うのでありますが、私の知る限りでは、岩手県の開拓農家の実態というものは、こんな優良な状態に債権債務の関係が置かれていないと確認をいたしておるのであります。しかしながら、せっかく政府が全国的に地方の自治体を通じて精力的にこれらの調査をされたのでありますから、そのデータをまず一応前提としてお伺いをいたしますが、これらの延滞の中に約定期限経過が一年以上のものがどれだけを占めておるのか、さらにその実態の中から、償還不可能というものもあるわけでありますが、償還不可能の延滞は一体どれだけになっておるのか、あるいは約定期限を経過したが、半年以内に償還が見込まれるものがこのうちどれだけになっておるのか、それらは当然内容的に把握されておると思うのでありますが、そういう実態は、どうなっておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/20
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021・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 開拓者の債務の実態につきましての調査が不十分だものでございますので、毎年二月にやっております調査に、特に項目を設けまして債務の実態調査をやりましたのが、いま先生お取り上げになっておる資料でございます。そこで、これはその形におきまして農家の申告を集計いたしたものでございますので、この債務に関しまして、いま先生のおっしゃいました延滞の、何といいますか、何年の延滞であるか、延滞金の見通しの問題、これは明らかでございません。しかし、別途、先般来御説明いたしておりますように、二類農家に対しましては五ヵ年間の具体的な計画を出していただき、そうしてこの計画の中で現在延滞金が幾らあるのか、これはどういう形で解消をしたい、あるいはこれは解消が困難であるから自創資金を貸してもらいたい、こういう申請書を個別に提出させて個別に決定をいたす事務を取り進めております。それから三類に関しましては、今年の三月十六日に個人から債権管理法によりまして、こういう条件であるのでたな上げをしてもらいたいという具体的な申請書を、様式まで示しまして都道府県知事に出していただきまして、これを個票につきまして個々に審査をいたしまして、債権管理法の定める手続をとるということに決定いたしまして、現在ブロック会議において県にその趣旨を下達中でございます。したがいまして、この二月一日調査におきます債務及び延滞のさらに詳しい内容ということにつきましては、遺憾ながらいま御説明できないのでございますが、この三類に対します現在やっております申請書及び二類に対します認定書の過程を通じまして、いまの問題は地区ごとに個人ごとに明らかにしてまいる、こういう考え方で取り進んでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/21
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022・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 手続はそうでありましょうけれども、私はそんななまぬるいことではどうにもならないという深刻な事態を、これは大所高所からひとつ考えてもらわなければならぬということで、きのうは農林大臣がこの委員会には都合が悪くて御退席の中で、谷口政務次官にその点をお尋ねをいたしたのであります。それは二類農家といえども、これは実態からいえば、県当局もできるだけ三類農家も二類農家にこれを編入する行政指導をしておるという実態がある。なかなかどうも三類農家が多いと、大臣からあまりよく思われないというようなこともあるらしくて、これらの分類には非常にどうも無理をして二類に編入しておるという経過もあるわけでありますが、いずれにしてもこの第一類はさておきまして、二類農家の中でも自作農維持資金でこれを借りかえるということによって一応その負債のさしあたりの計画にマッチする点もありますけれども、これとても、きのう堀本委員からも御指摘がありましたように、自作農資金自体がこれらを完全に解消するだけのワク締めがないわけです。それ自体にも問題があるのですけれども、どうしても返す意思はあっても返す能力がないという二類農家の負債の中にも、そういう底積みの要素が現存しておるわけであります。それから第三類農家においては、まさにもうそのものが償還能力のない負債でこれは大部分が積み重ねられておる。自作農維持資金の金融機関も、さしあたりは帳面づらをきれいにしたいからこれを一生懸命やる、従来、中金がこれを融資しておったのが、自作農資金の扱い機関として県信連がそれを肩がわりするというようなことで、またしわ寄せが金融機関の中で中金から都道府県信連にこれがしわ寄せをされておるという事態によっても、また金融機関の中におけるひずみが出ておる。だれもやりたくない、こういう非常にやっかい千万な開拓金融のあと始末というものは、戦後において政府がとった開拓行政の責任としても、二類、三類を通じてのこの償還不可能な部分に対しては、単独立法を制定して、無利子で長期にこれをたな上げをするという措置をとらずして、これらの開拓農家の負債の抜本的な施策は断じてあり得ないのであります。その点を昨日も谷口政務次官に申し上げたのでありますが、政務次官もまさにそれは肯定されたことでありますので、きょう大臣お見えでありますから、これらの負債農家の実態に照らして、償還不可能の要素に対しては抜本的な施策を講ずる一つの手段として単独立法を国会に出して、これを解決する、これはまた開拓農協の負債整理にもつながる問題であるわけでありますので、従来の抽象的な答弁ではなしに、明確にひとつ大臣、その腹がまえを明らかにしてほしいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/22
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023・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) お話の点も引用さしてもらって、私のほうからも繰り返して申し上げます。第二類農家等につきましては、単独法といいますか、省令がありまして、法律ではございません。自作農維持資金の融通の臨時特例に関する省令、これによりまして自作農維持狩資金による延滞負債の借りかえ措置を講じておることはいま御指摘のとおりであります。貸し付けワクが三十九年度には三億円、四十年度には五億円を予定しております。こういうことじゃだめじゃないか、これが、そういうまだ実態も、私のほうで資料として申し上げた実態より以上深刻なものがある、こういうお話でございます。それはよくなお実態を把握していきたいと思います。また第三類農家でありますが、これにつきましては単独法を制定して思い切ってやったらいいじゃないか、こういうお話のようでございます。こういう第三類農家の負債につきましては、これまた私から申し上げるまでもありませんが、国の債権の管理等に関する法律という、こういう一つの単独法があるわけでございます。しかし、御指摘の意味は、開拓農家に対して単独法律をつくれ、こういうことだろうと思います。しかし、これはほかとの均衡もありますので、いまのところではこれを全面的に活用しまして、大幅な履行の延期等の措置を講じまして、公庫資金とか、系統資金は関係金融機関の協力を得まして、実際の状況に応じまして償還条件の緩和等の措置を講ずることにしておるのも、御指摘のようでもありますし、また、私のほうからも繰り返して申し上げるわけでございますが、これにつきましても、本年の三月十六日、通達を出しまして強力に推し進めておるわけでございます。これがこういう償還不可能のものが二戸当たり大体四万三千円、これはどうも実態に沿わないじゃないかという御指摘のようでございます。それからこういう二つの省令あるいは法律等によって行なっておることも、まあそれほど実際に効果をあげていないじゃないか、こういう御指摘のようでございます。でございますので、お話の点もございますから、この実態の調査もさらに詳しく調査しなければならぬと思います。延滞とか、あるいは一戸の負債額等につきましても相当調査をしたのでございますが、さらに詳しく分類もして調査をする必要があるという御指摘でございます。これはなお調査をさせたいと思います。また、三類を二類に入れているじゃないかというようなこともございますが、これもそういうことのないように調べて調査を進めたいと思います。また、その調査に基づいて、この二つの省令あるいは法律等によって十分でないという点が明らかになるということでありますならば、またそれに応じて措置を講じていかなければならぬと思います。現在はこれを十分に活用して、また実態に即したような方法をとり、ことに第三類の開拓農家に対する条件の緩和、状態の緩和等につきまして、実際にもう取り立てができないということならば、これは免除するよりほかしかたがないと思います。そういうことも実態に即しないといけませんので、お話の点も十分考慮いたしまして、実態の調査、さらに、これらの措置の状況等も探求いたしまして適当な措置を講じていきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/23
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024・渡辺勘吉
○渡辺勘吉君 おことばを返すようでございますが、他との均衡もあって、なかなか私の提起したような開拓者の負債についての単独立法もにわかにやりがたいということでありますが、しかし、いまの国会でこれだけ国民の反対をあびながら農地報償法案を強行しようとしておる。これには一千五百億円ものとにかく金をばらまこうというのに、こういうささやかな私の切なる問題が、他との均衡もこれありということでごまかされたのでは私は承知ができないのです。それからもう一つは、調査ももっとやるとおっしゃいますけれども、何もこれはきょうここであなた、問題が提起されたことではないのであります。われわれの先輩が国会でも何回も取り上げておる。あるいは三十六年の十一月に、いまから四年も前に、開拓営農振興審議会で、時の農林大臣に答申をしている中にも、この負債整理については次のように指摘をしておるのです。大臣、こうですよ。「戦後の緊急入植に起因する開拓者団体の債務であって、これが営農振興上開拓者の大きな負担になっているものについては、」、私の言う以上のことを言っている。「債務の減免又は棚上につき特別の配慮がなされることが望ましい。」、債務を切り捨てろ、あるいは長期にたな上げをせよと言っておる。私は整理の都合もあると思うから全部債権を切り捨てろということを遠慮して、たな上げの特別立法を提案をしておる。そばにおる農地局長のそういう事務的な範囲を離れて、静かにこれをひとつ考えてください、大臣。あなたは特に内閣でも最も実力者の右翼のさらに再右翼の大臣ですから、そういう役人の言うことじゃなしに、ほんとうにこういう開拓者に対して愛情を持つ期待は私は政府の中でも赤城農林大臣しかないから、ここで申し上げておる。調査によってさらに検討するとか、そんなあなた、場当たりの答弁じゃなしに、少し大蔵大臣を押えつけて、これについては参議院選挙もあるからひとつやらなきゃだめだというぐらいのはっぱをかけてもいいから、いかような理由をつけてもいいから、とにかくこれはもっと積極的な措置をこの際講じよう、必要によっては単独立法もやろうと、私はこの農家の負債はこの開拓農家に限らないという実態把握の上に問題を提起しているのでありますが、しかし、何はさておいても、とりあえずは開拓農家のこの救済について償還不能な要素については、単独立法を制定してもらわなきゃならない。次の策としては、第一類なり、あるいは既存農家についても、あるいは林業従事者、あるいは林業経営者、漁業従事者、それにもこれは共通する問題でありますが、何といっても、それらの経済の二重構造の底辺に沈でんしておる中でも、さらに所得格差に悩んでおるこの開拓農家というものに対して、率先して、これは単独立法の措置を講じてでも彼らに開拓の二字を払拭して、既存農家と肩を並べて十分営農のできるような希望を持つ農業経営をやっていくには、何としても、従来政府が責任を持つべき財政負担を農家にしわ寄せしてきている、その責任を政治的に解決していかなければ基本的な解決にはならないので、繰り返しますが、これについて大臣のもう少し開拓者が納得するような答弁を要求します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/24
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025・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) たいへん御懇篤な御注意でございまして、私もよく感じ入るわけでございます。これもおことばを返すようでございますが、地主に対する報償金を出すのだからうんと出せという、実はこの点につきましては、実は農政だとは思いませんので、あるいは別個の観点から政府が考えたことでございますが、そのために農業の振興に対する予算措置等が減るということであれば私もだまっちゃいられない、こう思っておるのでございますけれども、そういう点がないというので、まあそのままにいたしておるわけでございます。しかし、それと比較してではございませんが、お話の点では、思い切って大蔵当局にも話をせい、そういう点は常に御注意もあり、激励も受けておりますので、そういたしておるのでございます。そこで、開拓農家に対する負債のことでございますが、これは私も御進言の、御激励のような気持ちではおります。しかし、一つの徳政というような形を行なうということは、これは債権債務関係におきましては相当影響力も多いことだと思います。開拓農家に対しましてはそれくらいまでしなくてはならぬというような気持ちはありますけれども、初めからそういう意味におきます単独立法ということにつきましは、相当慎重に対処しなくてはならぬと私は考えております。そこで、せっかく国の債権の管理等に関する法律、これも単独法と言えば言えるのでございます。開拓だけに限りません。こういう法律をだいぶ活用をしていけばいいじゃないか。ことに最近これは発足したばかりでございまして、ことしの三月十六日付で通達も出しておる、こういうことでございます。でございまするから、先ほどからも申し上げましたように、たな上げ措置を行なっていって、ほんとうに償還の見込みのないというものにつきましては、これは免除の措置までとっていくという道も開けておりますので、私はこれの十分なる活用によってお話の点は相当目的が達するのじゃないか。ですから、単独立法を行なうか、あるいはいまのこの法律によりましてその趣旨を生かしていくかというところに分かれ目があると思います。そういう意味におきましては、十分御趣旨の点は了承いたしまして、よくお聞きいたしておりまして、その趣旨に沿うようにやっていきたいと思います。また、この結果によって、どうしてもこれでは救えないというようなことでありまするならば、また考える余地が十分あると思います。ただいま発足したばかりでございます。いまのところでは、この法律を十分に活用して、あるいは免除というよらなところまでやっていきたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/25
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026・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 他に御発言もなければ、本案についての質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/26
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027・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 御異議ないものと認めます。よってさように決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/27
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028・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 次に、八郎潟新農村建設事業団法案を議題とし、本案について質疑を行なうことにいたします。
質疑のおありの方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/28
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029・北村暢
○北村暢君 まず、私は干拓事業の今後の方針について承りたいのですが、干拓による造成耕地面積は、最近五ヵ年の年度別にどのような状況になっておるか、まずお尋ねをいたしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/29
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030・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) 事務当局から答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/30
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031・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 農用地の造成事業のうちで、干拓によりまして造成せられました面積、三十六年度は八百町歩、三十七年度が千七百町歩、三十八年度が九百町歩、三十九年度は千二百町歩、四十年度は見込みでございますが、三千二百町歩、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/31
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032・北村暢
○北村暢君 そこで、干拓の大がかりな八郎潟干拓というようなものができれば、相当面積も一時的にはふえるのじゃないかと思うのですが、将来の干拓適地というか、それと関連もしますが、その点からいって、技術的に可能な干拓の将来の見通し、適地との関係もあると思うのですが、今後の方針として干拓事業というものは大幅にやっていくおつもりなのかどうなのか、この点をお伺いしておきたいのですが、最近、干拓事業による土地造成費が非常に高いために、その後の農家には経済的な面から見て干拓による農地造成というものはあまり積極的にやらないほうがいいのじゃないか、こういうような空気があるようでございますが、今後の方針について大臣にひとつお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/32
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033・赤城宗徳
○国務大臣(赤城宗徳君) いまのような状況があると思います。干拓につきましては相当費用がかかりますので、農用地の造成はどうかという議論もございます。でありますので、場所によりましては、多目的ダムと同じように、農用地ばかりでなく、ほかにも使えるような他のほうとの連絡もとりながら干拓をするというようなことも私はこれから必要であると、こう考えます。しかし、何といたしましても、日本の農業が零細農だ、経営規模も小さいというようなこともございますので、一面においては土地の造成ということが必要であると私は考えてます。そういう意味におきまして、このコストの面も相当考えて、いかにしてコスト低下をはかるか、あるいは他との総合的な目的というようなことも考える必要があると思いますけれども、ことしも長崎干拓なるものを採択したように、相当干拓というものを続けていく、こういうふうに方針はなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/33
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034・北村暢
○北村暢君 いただきました資料の八ページに、「大規模国営干拓事業地区別概要」というのがあるのですが、それで、私ちょっと単価がわかりませんけれども、大体、耕地造成のためのヘクタール当たりの単価は平均どのくらいになっているのか。それからいま盛んに工業用地が公有水面埋め立てのような杉でやられておるわけですが、こういう工業用地の造成といったようなものの単価と比べて、農林省の、特に大規模国営干拓をやっている耕地造成の単価とどのような関係になっているか、これをひとつ御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/34
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035・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 反当事業費でございますが、地域によりまして非常に差がございます。大ざっぱに申しまして反当三十万円のものから六十万円、極端なものは九十万円、これは例外でございますが、大体三十万から五十万見当でございます。それから埋め立て等の経費はどうかという問題でございますが、実は農林省の干拓の大部分は堤塘をつくりまして、中の水を抜きまして干上がらせて、底土を農地とするという形でございますから、堤防を外側につくる事業が圧倒的でございます。一方、京葉あるいは東京近くでやっております事業は、御承知のように、サンドポンプでどんどん砂をふきまして、ただ土地を積み上げてまいるという事業でございますから、正確な数字はちょっといま手元に持ち合わせませんが、極端にりっぱな堤塘をあらかじめつくるといったような工事が要りませんので、総体的にははるかに安いと、かように理解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/35
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036・北村暢
○北村暢君 大体、坪で一万円、うんと高いところで坪二万円かかっているところがあるようですね。そうすると、三百万から六百万かかるのが工業用地で、造成のための埋め立てはそんなような状況のようです。したがって、そういう面からみれば耕地造成のための干拓事業による単価は非常に安いのじゃないかと思いますが、しかし、これが今日の農地価格と比較しますというと、これはたいへんな高いものになっているわけですね。今日の農地の売買価格は、大体、普通田で十九万から二十万、普通畑で十二万円ぐらいですか、そういう程度ですね。そうしますと、干拓事業というものは、いま反当たり三十万から六十万、高いものになると九十万、こういうわけですね。これで一体営農ができるような形になるのか、たとえば八郎潟の干拓地に入植する者については、その費用の全額または一部を賦課金として農民が出さなければならないようになっているのですね、入植者が。それで、そういう高い農地を造成して、八郎潟の場合も反当たりこの事業費から計算すると、二十四、五万のようでございますね。二十三万ぐらいですか、安いほうですが、それでも二十三万、なかなかたいへんだと思う。それでいま局長がおっしゃったような九十万の農地をつくったのでは、これはとても干拓をやっても、今後の政府の負担というものはたいへんになると思うのです。そういうようなことで、最低でも三十万というのですが、それでもなおかつ、今後、農林省としては干拓興業というものはやっていく、こういうふうに理解して差しつかえございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/36
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037・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) その前に一言申し上げますが、実は反当事業費は、いま言ったような形でございます。それで干拓事業は特定土地特別会計でやっておりまして、大ざっぱに申しまして二割五分を借入金でやってまいる、七割五分を国費でやってまいる、そうして、この借入金に見合うものが農民負担として、将来二十年賦ぐらいで所有権取得後に返す、したがって、八郎の例について申しますと、二十八万円程度の反当事業費でございまするが、農民負担分としては大体九万五千円見当になる見込みでございます。それにいたしましても、農地というものがもともと二十万円かそこらで売り買いできるのだから、国民経済的に見て、三十万円、四十万円、あるいは五十万円もかけて同じ反をつくることをやる気かという点でございます。この点は財政当局は明らかに非常にいやがっております。私どもといたしましては、一つにはどうしてもその地帯で増反なり経営規模拡大のために農地がほしいという場合におきましては、適当な事業でございますればつくってまいりたい、こういう姿勢をとっておりますが、事業費が高くなりますにつれて、経済効果の問題ということで、大蔵省との関係で非常に問題になることは御指摘のとおりでございます。これは現地の周囲の農民の方々が非常に希望するという干拓事業につきましては私ども今後も進めてまいる、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/37
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038・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/38
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039・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 速記を始めて。
暫時休憩いたします。
午後、零時三分休憩
〔休憩後開会に至らなかった〕
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815007X02219650513/39
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