1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年五月十三日(木曜日)
午前十一時四分開会
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委員の異動
五月十一日
辞任 補欠選任
近藤 鶴代君 館 哲二君
北畠 教真君 大野木秀次郎君
五月十二日
辞任 補欠選任
大野木秀次郎君 北畠 教真君
館 哲二君 近藤 鶴代君
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出席者は左のとおり。
委員長 山下 春江君
理 事
久保 勘一君
二木 謙吾君
吉江 勝保君
小林 武君
委 員
植木 光教君
近藤 鶴代君
笹森 順造君
中野 文門君
中上川アキ君
野本 品吉君
柏原 ヤス君
国務大臣
文 部 大 臣 愛知 揆一君
政府委員
文部政務次官 押谷 富三君
文部大臣官房長 西田 剛君
文部省大学学術
局長 杉江 清君
文部省管理局長 齋藤 正君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
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本日の会議に付した案件
○私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
○教育、文化及び学術に関する調査
(学徒援護会に関する件)
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001・山下春江
○委員長(山下春江君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
なお、政府側より愛知文部大臣、押谷政務次官、西川官房長、齋藤管理局長が出席いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/1
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002・小林武
○小林武君 文部大臣にちょっとお尋ねいたしますが、この前時間の都合がありましたので、時間の区切りのいいようにというわけで、資産の運用のことについて若干お尋ねをしておる。その尋ねたのはこういう項目であります。私学振興上必要と慰められる貸付というものが、貸付の約半分を占めておるし、その貸付は、この種のあれだから適当だとも思うけれども、ちょうど三年間くらい返済のあれがなかったというのですから、このままでいくとあまりに多くなるというようなことにはならぬか。全体のバランスがくずれるというか、運営上のいろいろな問題に支障はないのかということを尋ねたわけでありますが、この資産運営について大体の原則というのはどういうことになっておりますか。たとえば短期運用のものとか、長期運用のもの、不動産はどのくらいとか。組合の貸付なんというのはわりあいにそう大きな額にはなっておらないと思いますが、特に目に立つのは私学振興会の貸付、私学振興会から補助も受けておるわけでありますから、そういう大体のあれで、三十七年、三十八年、三十九年と、三ヵ年は返済金というものはゼロになっております。で、四十五、六億に現在なっておるのだが、そういう点についてはどういうことかというようなことを尋ねたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/2
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003・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 長期経理の運用につきましては、これは御承知のように、将来にわたって年金の受給者が出てきました場合に支障なく支出できるという長期的な見通しと、それから掛け金ないし補助金というものとを考えて五年ごとに再計算をするわけであります。そこで、資産につきましては、これは五分五厘以上の運用をするということで財源計界をいたしているわけでございます。それによりまして、掛け金率等もきまってくるわけでございます。したがいまして、私学振興会の行なっております運用につきましても、全部五分五厘以上、先般お答えいたしましたように、利回りとしては七分以上の利回りに現在なっているわけでございますが、そこで、私学振興会に対する貸付は、これは全体の比率といたしましては二四%程度であって、そうして三十一年からの振興会に対する貸付を行なっておりますが、その償還がない年次がありますのは、これも先般お答えいたしましたように、二年据え置き五年償還でございまするので、そこに償還金として収入に入ってくるときがないということでございますが、全体の長期経理の資産の運用につきましては、財源計策において穴があくことのないように配慮しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/3
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004・小林武
○小林武君 これはあれですか、大体の割合というのはあるのですか、短期運用にはどのくらいとか、長期運用にはどのくらいとか、不動産にはどのくらいとか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/4
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005・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 現在の比率につきましては、先ほどの私学振興会の貸付が二四%、それから組合の行なう事業に対する貸付金が九・七%、不動産が四・八%、貸付信証もしくは有価証券が五二%、現金または短、期の預貯金、金銭信託が六・五%という割合になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/5
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006・小林武
○小林武君 そうすると、これは三十八年度のやつを見たんですけれども、一九六四年のこれを見ますと、この中に三十億七千二百万円私学振興に出しているのだが、三十八年度ということになるともっと事実は多いのじゃないですか、この表からいえば。というのは、三十七年、三十八年というのは返還をしていないわけですから。三十億でいいんですか、これで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/6
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007・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 三十九年の十二月三十一日現在の資産の運用の区分がございますが、教育の振興上必要と認められる貸付金といたしまして三十一億七千万となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/7
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008・小林武
○小林武君 三十一年から三十九年のやつが、若干、これはこの間の質問でわかったけれども、十二億じゃなくてもっと多い。そうすると、累計が五十七億で返済金が約十四億、そうすると、三十九年度においては四十二億九千六百万ということになっておるが、このあれは違うということですね。これは三十九年九月現在のあれですね。この数字はひとつ、あとでよく調べてみます。
この前から申し上げましたように、この面で貸付をやるということは私はやはりいいと思うのです。これは私学振興のためにこの点はけっこうです。しかし、全体の運用の問題からいってやはりある程度のバランスがとれなければならぬし、それともう一つは、やはり返済金がないということが、将来こういう二年ごとということが守られればいいですけれども、このぼくの表では三年連続ゼロなものですからね、これはだんだん私学も金が要ることだし、まあ片っぽうが補助団体でありますから、内輪同士のことで、だんだんルーズになるようなおそれはないかということを若干心配して、そういう意味でお尋ねをしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/8
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009・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 先ほど申しましたように、二年据え置き五年で償還でございますが、この貸付条件は厳格に守ってまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/9
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010・小林武
○小林武君 この組合員は、一体、現在正確な数は幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/10
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011・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 一三十九年十月一二十一白現在の組合員数が十二万八千八百七十四人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/11
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012・小林武
○小林武君 十二万八千幾らあるわけですが、その男女の比率というのはどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/12
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013・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 十二万八千八百七十四の総数に対しまして、男子が六万三千五百四人、それから女子が六万五千三百七十人でございますから、大ざっぱに言いまして半々ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/13
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014・小林武
○小林武君 これは私立学校、いま私が言うのは。私立学校といっても各種学校を含めないのですがね。全体がもし入ったら、これは幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/14
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015・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 実は適用除外校と申しておりますものが百十七校ございます。で、適用除外校の中には、長期、短期ともに入ってないものが七十七校、それから短期のみ入っているものが二十一校、長期のみ入っているものが十九校ございます。で、その百十七校の教職員は二万九千五百五十八人でございます。ただ、私学の全体の数字と、このいまの加入校と適用除外校を足して、そうして現在の全私立学校の全教職員とのあれがぴったり合うかという問題になりますと、これは新設もございますし、若干、非常に小さいものについてまだ落ちこぼれ等もあるかもしれませんので、厳密な意味で数字は合っていないかもしれませんけれども、学校ごとに、これに加入しているものと適用を除外されているものの数字は、加入しているものが七千三百八十一校、適用除外校が百十七校というのが、三十九年十月三十一日現在の実数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/15
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016・小林武
○小林武君 別にその数がきちんと合わなくてもいいのですが、ただその人数というものが、やはりこの共済組合を運営していく上においてかなり大きなあれになりますから、全部入ったら、大体、概数としてはどれくらいになるかということになると、そうたくさんにはならぬわけですね.それから各種学校というのはどの範囲まで入れているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/16
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017・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 各種学校は法人立のもののみを入れることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/17
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018・小林武
○小林武君 法人立のものを入れる。——この各種学校というのはどのくらいのものが入っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/18
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019・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 各種学校で入っておりますのが五百九十一校でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/19
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020・小林武
○小林武君 いわゆる適用除外校の加入問題でありますが、これは衆議院でもいろいろ質問もあって、私もその内容については若干聞いておりますけれども、加入しない原因ですがね、この原因は、あらまし何か説明されたような気がするけれども、納得のいかぬところもあるんですよ、どうして入らないのかということがね。聞くところによると、入らないところは私学としてはわりあいに基礎のしっかりしたところで、むしろ私学教育の振興なんという立場から見たら、ある程度指導的な立場をとらなければならない学校に多いようにも聞いているのですが、これはどうなんでしょうか。どうしても原因になるものを取り除いて入れるということが不可能なんですか、どうなんですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/20
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021・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 適用除外校のうち、長期、短期とも私学共済に加入せず、健康保除ないし厚生年金に加入しているものが比較的歴史のある大きな大学であるということは御指摘のとおりであります。これの原因でございますが、やはり私学共済組合の制度の発足以前から、厚生年金、それに加うるに、あるものは学内の年金というようなものを持っている。あるいは健康保険につきまして掛け金の負担が必ずしも一律でなくて、必ずしも折半ということでなくて、その負担の割合が学校ごとによって異なっているというような心情がございまして、一両年の間、強制加入の問題を議論いたしました際にも、これらの関係の教職員の方々の中には、一種の期待権あるいは既得権というものについて受けるべき利益が減少するのではないかという懸念があったわけでございます。しからば、これをそれでは現在適用除外校になっているところが全部そうかと申しますと、必ずしもそうではございません。現在直ちにでも入りたいというところもあるわけでございますけれども、それではそういうつまみ食いが可能かと申しますと、実は厚生年金の制度あるいは共済制度の関係で、自由に出たり入ったりということは、これはむずかしい問題でございますし、政府部内でもそういうことは、これは意見が一致いたさないことでございます。でございから、この問題はなお学校法人ないし教職員の方々に御理解を願って、たてまえとしてはこの強制加入の方向に努力いたしたいと思いますが、その間には学校自体でやっております特有のそれぞれの福祉事業でありますとか、年金制度というものが、その私学共済に入ることによってどうなるかという問題ともからんでくるわけでございます。現在の事情は以上申したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/21
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022・小林武
○小林武君 そこなんです。いまのお話しだというと、おもに組合員のほうが問題点を持っているようなのですがね。たとえばこっちのほうに切りかえた場合に不利益になるというような懸念、まあ懸念ですが、懸念を持っているというようなことがおもな原因だとすれば、これはすぐ明らかにできることではないですか。たとえば、この面では多少こうなるとか、こっちの面では利益になるとか、全体のあれから言ったらやはりこっちのほうがいいのではないかというような、そういう結論は案外はっきり出る問題であるから、どうなんでしょうか。組合員に納得させる、これをちょっと見ただけでも大体納得するような資料は示されているような気がするのですがね。それをいままで何かもたもたしているというのはどういうのか、ぼくもよくわからぬのですよ、だから、組合員にもしそういうあれが徹底しないとしたら、そういう教育を積極的に学校を通してやってもらう。学校当局にあるとすれば、一体どういうところにあるのか。何か聞くところによると、私学出身の方々の中にも、やはりこのあれに入るというとぐあいが悪いというようなことを感じている人があるようにも聞いているのですが、これは私学の学校側あるいは関係者というものの中にそんなやはり問題点があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/22
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023・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 学校側の意見として正式に出てまいるならば、やはり教職員の意見というものが分かれているときに、そう簡単に経営法人側とかいうふうには出にくいと思いますけれども、大体言いますれば、これに踏み切ることにちゅうちょする意見というものは教職員側にある、多いというふうに考えていいと思います。これは先ほど申しましたように、なかなか簡単に数字で比較できないのでございますが、主要な適用除外校につきまして、主としていま長期の問題につきましても、厚年とそれから学内の年金等を計算してみて有利とか不利とかいうのは、その受けるべき年金の額ということと、それからそれに至るまでの掛け金のかけ方とか、いろいろな複雑な要素がございまして、こう一表になかなか示しにくいところがあるわけでございますけれども、やはり教職員の意見の中には、現在のままの私学共済にすぐ移るということについて、現在における学内の年金と厚年との足したものから見て期待権が薄れるのじゃないかという考え方があるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/23
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024・小林武
○小林武君 そうすると、こういうふうに理解してよろしいですね。適用除外校というのがまだやはりあって、解決をしようとしてもなかなかできないのは、主としてやはり教職員側にその原因がある、こう理解してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/24
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025・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/25
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026・小林武
○小林武君 そうすると、学校側は教職員側が了解してくれれば大体一緒になれると、こういうふうになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/26
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027・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 正確にそういうふうにそうだと言うことは、いろいろの個々の話を伺っている感じでございますから、一切がそうだとここでお答えすることも行き過ぎかと思いますけれども、やはり教職員——昨年この問題が政府提案をすべきかどうかということについて論議になったときの事情から申しますれば、教職員の意見が多かったということが正確だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/27
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028・小林武
○小林武君 まあ感じというのはね。感じならばやはり私は踏み込んでいくべきだと思うんです。その私立学校共済組合側も感じだけじゃまずいので、感じでなくて、とことんの話ができないようですけれども、私はやはり適用除外校の問題を長い間取りきめながらなかなか解決しないというところから考えると、ちょっと手ぬるいという感じがするんですね。もっとやはり腹をさらけ出して原因をつかまなければならぬし、つかませてもらわなければならぬ。そうすると、何とはなしに教職員側にあるという、こういう言い方はちょっと理解がぼくらいかぬと思うんです。やはりもっと積極的な働きかけというのが必要ではないかと思うんです。ぼくは非常にこの問題についてよくわからない者の一人として考えることは、私立の学校ということになると、数が大体限定されている。いくら大きいマンモス大学か知らぬが、教職員の数からすれば知れている。たとえば公立学校の共済組合なんかになってくると八十万くらいいるんじゃないですか、職員。これだけの数を集めるということは私は非常に有利であって、その意味では私立学校の場合においては、何ぼ一生懸命集めてみても二十万にもなるかならぬかという数、そういう点ではいろいろな面で、運用上にも利益の面でもそちらに劣るような結果になる。そういう数のほうのあれから常に考えるんですけれどもね。そういうことを考えると、どうしてばらばらになって一緒にならぬのだということが、学校側としても、教職員の側としても踏み切れない理由がはっきりしないのですが、やはり事実あるのですから、これはやはりこの法律案が早晩みんなに討論されて通ることを機会に、やはりこれはもっと積極的なあれが必要じゃないかと思うのです。
それから、政府部内の問題点があるのかどうかですね。いまなお政府部内の問題があるのかどうかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/28
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029・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 私立学校が全部私学共済に入るということについては異論はございません。ただ、入りたいものが入って、残りたいものが残るというようなことになりますと、それはまとまらないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/29
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030・小林武
○小林武君 何ですか、全部入れば問題はないというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/30
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031・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/31
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032・小林武
○小林武君 それはどういうことになりますか。全部入れば問題はないというのはどういうわけですか。これは厚生省の関係でしょう、厚生省では全部入れば問題ないというのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/32
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033・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 私立学校共済組合が発足いたしましましたときに、一定の手続を経て入らないものを認めたものが適用除外校でございます。そのときに、出発点を分けたという形になっておるわけであります。で、法律を改正いたしまして、私立学校の教職員が全部入るたてまえをとるということ自体については政府部内に異論はございません。ただ、適用除外校のうち、あるものは入り、あるものは厚生年金に残るということでは話はつかないということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/33
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034・小林武
○小林武君 そうしますというと、やはり政府部内のいろいろな問題の解決というのは、早急にやはり学校間の問題を解決するということが必要になるわけですね。そうすれば、もう一そう適用除外校の問題は、かかってやはり私立学校自体の問題だということになりますね。そうならば、一そう私はその点に重点を置いてやるべきだと思うのです。ただ、いまの御説明だというと、とにかく損をするのではないかという懸念がある。それと同時に、また提案されているいろいろな趣旨を見ましても、やはり公立学校の共済組合のあれに一歩でも近づきたい、その他のこの種の共済組合の線に近づきたいというのがねらいだとすれば、その線を明らかにして、私は大いに宣伝するというか、慫慂するような運動を、組合自体もそうでありましょうし、それから文部省側としても、私立学校振興という立場が表裏の関係をするわけでありますから、やはりやるべきだと思います。そういう点については、ひとつこれを機会にやはり強力にやるべきだ、こう思うわけです。そこでお尋ねいたしますが、一体、一歩でも近づけたい、たとえば公立学校共済組合に近づけたいと、こう言うと、おもに一体その問題になっているところはどういうところですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/34
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035・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 改正の内容として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/35
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036・小林武
○小林武君 内容でなく、あらゆる面から見て、いまここに出している法律案に、こういうこととこういうことはひとつ改めていただきたいということだけは出ている。これは読んでいますからわかりますが、たとえばいろいろな面から、公立学校共済組合並みにするということになったら、どの点とどの点は根本的にどうしてもやらなければならぬということをやはりはっきりしにゃいかぬわけですね。たとえば掛け金はどうなのか、あるいは給付の問題ではどうなのか、貸付の面ではどうなのか、福祉事業では一体どういうあれが劣っているのか、そういう点が、入る組合員のほうにぱっと出れば、ぼくはちゅうちょなんかしないと思うのですよ、だれだっていいところに入りたいにきまっているのですから。だから、そういうのの一番の問題点はどこなんですか。だから、それを今度の法律案の改正で全部やってくれというのじゃないということはぼくもわかっていますからね。だから、その点をひとつ説明してもらいたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/36
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037・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 長期給付の年金の立て方につきましては、今回の改正で国公立の先生と同じ水準になります。それから掛け金の問題でございます。長期のみについて申しますれば、この改正によりましても、なお私学共済が不利だということはございません。長期の掛け金につきましては、文部共済あるいは公立学校の共済等に比べまして現在も高くはございません。それから長期の給付につきましては、都道府県の補助という、他の共済組合にないものが千分の八程度ございますから、実際の形式上の掛け金率よりも、実際上の法人ないしは組合員の負担は下がっおりますから、その面だけ加えれば問題はございませんが、ただ、適用除外校等の問題につきますれば、そういう特殊な事情で、さらに付加の給付がなせるかどうかというような点は一つあろうと思います。それから短期の問題につきましては、これは公立学校の共済のように、多い組合員を擁するところよりは掛け金率として高くなりがちでございます。また、給付の内容につきましても、公立学校の共済でやっております法定以外の付加給付等につきましては、公立学校のほうが有利だという点があるかと思います。で、こういう点につきましては、今後給付の内容の改善ということにわれわれとしては努力してまいらなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/37
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038・小林武
○小林武君 長期給付についてはあれですか、退職給付についても、廃疾給付についても、遺族給付についても、これは全く同じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/38
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039・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 年金の計算の方法でありますとか、あるいは年金の額の基準でありますとかは、今回の改正によりまして、同一の水準になるわけでございます。ただ、こまかくさらに申しますれば、給与の体系が異なりますから、片方は統一的な給与によってそのものを基礎としておる。片一方は標準給与制度をとっておりますから、その私学によりまして給与体系が異なることによって、個々の人を考えたならば、まあいろいろな比較が行なわれるかもしれませんけれども、たてまえとして同一水準の給付ということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/39
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040・小林武
○小林武君 まあその標準給与の問題については、これは債金そのものの問題から入らなきゃならぬことですから、このことは一番根本の問題だと思うのですよ。これはしかし、将来それを、それじゃ私学の場合にはどうやって考慮していくのか、あるいは配慮していくのかということになると、これはいろいろなやり方があると思いますけれども、それはまたあとでやることにして、短期の場合に、いまお話しを聞くと、この保健給付、休業給付、災害給付のうちで、ぐあいの悪いところはどれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/40
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041・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 法定給付は、国家公務員の共済、地方公務員の共済と同様でございます。先ほど申しましたのは、公立学校等で付加給付として行なわれているようなものが私立学校共済組合で行なわれないものがある、こういうことでございまして、法定のものは同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/41
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042・小林武
○小林武君 法定のものは全く同じと、そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/42
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043・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/43
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044・小林武
○小林武君 そうしますというと、あれですね、問題というのはわりあいに解決しやすい状況にあると判断していいですね。これはもう何というか、特に格段の相違がありまして、魅力を感じないというか、これに加入するのに二の足を踏むというような、そういう大きなあれはむしろないんじゃないですか。だから、これに対して宣伝をし、それから内容をよく説明すれば、必ずしも未加入者をほとんどの数入れるということは不可能なことではないように思いますが、これは間違いありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/44
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045・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 給付の水準等につきましては、今回の改正によりましてすべて他の共済制度と同様になるわけでございますので、その点では吸引力を増すということは言えると思います。ただ個々の事情になれば、比較的大きいところで給与水準の高いところということが、まあわりあいに小さいものまで入れているところに入るわけでございますから、そういう面で考えれば個々の問題としての感じ方はいろいろあるだろうと思いますけれども、給付水準としてはいままでよりは全体として高くなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/45
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046・小林武
○小林武君 その点についてはこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/46
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047・山下春江
○委員長(山下春江君) 他に御発言がなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/47
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048・山下春江
○委員長(山下春江君) 教育、文化及び学術に関する調査中、学徒援護会に関する件を議題といたします。
質疑の申し出がありますのでこれを許します。なお、政府側より愛知文部大臣、押谷文部政務次官、杉江大学学術局長、齋藤管理局長が出席いたしております。小林委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/48
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049・小林武
○小林武君 一、二点だけ大臣にちょっと質問いたしたいのですが、ちょうど大臣がこの間退席された後に問題になりましたので、若干その経緯を説明いたしますというと、学徒援渡会の新しい会館ができてこれに入る者の選考をやっておる、こういうことでありますが、何かこの間の杉江局長のお話を承りますというと、現在あそこへ入っておるのは四百何名かおられるそうでございますけれども、大体今度新しくできました寮にそれらのものを全部入れられるようなことになっておるようでありますが、その場合、学生側の言う意見を聞いてみますというと、とにかくいままで学徒援護会の学生会館の中に入っておった。だからわれわれをそのままそちらのほうに入れてもらえると考えるのはこれは当然じゃないか、そういう意向を昨日聞いておるのです。われわれはそう考えているのであるが、一体入られないようなことになるというのはどうも納得がいかぬ、こういうわけです。その点私ももっともだと思うのです。なお、この問題についてこの間も話しましたが、これはかなり紛糾するおそれもあるしするから、文部省側も、それから学徒援護会側も十分学生と話し合って、必要以上に摩擦を起こさぬほうがいいんじゃないかというぼくの意見を述べたのでありますが、そういう角度からいっても、やはりこの学生側の意向というやつを十分聞いておく必要があると思う。聞いて、筋の立ったことについてはやっぱりこれを認めるということをやらなければ私はいかぬと思うのでありますが、そういう点では、きのう学生の諸君の訪問を受けて聞いてみると、その点はどうも私はなるほどという感じがするのです。現在古いのがあって、それを取りこわして新しいのができたとなると、それにいま入っている者は新しいところに入れてもらえると考えるのは当然だと考える。しかし、自分の都合で入りたくないというのはこれは別ですけれども、そう私は思うのですが、それをどうして制限をつけるというのか。必ずしもみんな入れるんじゃないのだというようなことにする理由がはっきりわからぬのですが、その点について、これは私は杉江局長じゃなくて、文部大臣の方針としてそういう原則は正しいとお思いにならないかどうか聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/49
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050・愛知揆一
○国務大臣(愛知揆一君) すなおに考えました場合には、私は従来在館しておった人を原則的に優先させるということはこれは当然じゃないかと思います。私の承知しておりますところでは、いままで在館しておった者を優先的に扱うということで入寮の申し込みを取って、そうして——しかしながら、移転反対その他の問題もだいぶあったようでございますが、その一定の申し込みの期限までに入寮を希望しなかった人については、これはむろん優先的な扱いをすることはできない。そういったようなことが何かこうごたごたしたような印象を世間に与えているんじゃなかろうか。こまかい点まで私承知いたしておりませんけれども、大体いままで私もこの問題については相当の関心を持っておりますから、いままで理解しておりますところではそういうことであると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/50
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051・小林武
○小林武君 すなおに考えるというお話ですが、当然、教育上の問題になりますから、すなおに考えてもらわなければならぬと思います。私が入寮申し込みを受けたものは全部入れるというようなことかと質問しましたら、これは全部入れるとは限らないのだ。それからいまお話がございましたが、反対運動だとか何とか、いろいろいままでいざこざがございましたから、それらの者についてさらに選別して、当事者のお気に召さないような者については入寮を拒否されるというような、こういう考え方が学生諸君の中に非常に根強いのです。これは非常に根強い。ぼくはだからきのう来た学生に率直に話しました。君らあまり勉強しないでわあわあ騒ぐから入れられないのではないかというような失敬なことを聞いてみた。そうしたらその学生の諸君は、代表二人来ておりましたが、冗談じゃない、ぼくらこそ一生懸命アルバイトやってまで勉強するものだと思っている。受付を受けて入った者の中にだって相当な、長くいたから学生が悪いということはないけれども、八年間も学校に通っている人もいるというような話も出ました。私はどういうあれで一体それが選出されているかという疑問も起こるわけです。すなおに考えればという、かりにすなおに考えられない理由というのは一体どこにあるか。すなおに考えてやるべきでは私はないかと思う。まずすなおに原則を立ててすなおにものを考えてやって、そうしてその上で起こるいろいろな問題については、ひとつその事態で処理したらいいんじゃないかと思うのですが、一体問題点はどこにあるのか。あんまり大臣は御存じがないようだから、杉江さんは一体どういうことなのか、その点明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/51
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052・杉江清
○政府委員(杉江清君) 先回も申し上げましたように、現に在館しておる者をできるだけ多く収容したい、こういうことでしばしば会合して、希望する者についは、一月末までに申し込んでくれということで進めたわけでございます。ただ、そのときに新館に移ることに反対する、あるいは新館における規則そのものに反対であるとかいうことで、その希望者が少なかったのであります。そこに至りますまでには、いままでできるだけ円満に移転をしたいということでかなりな努力をされたのでありますけれども、結果においては希望者は少なかった。しかし、援護会としては、なおその後もいろいろできるだけ多くの者が円満に移るようにという努力をされたのでございます。しかし、現在に至るまでもまだかなり多くの者がその入寮希望の手続をしておらないわけであります。そこで、現段階におきましては、特に新規応募者と区別して在館者に特別な阻止する理由が前と比べれば薄くなったということはできると思います。ことに新館に入れる者については、やはり原則的には新しく制定されました学生会館管理規程、これを承認し、この選定方針に基づいてやはり選考するという立場を当然とるわけでございます、そういうふうなことから、新しく希望する者についても、これはいろいろな選考をいたすわけでありまして、これはすべてを入れるということは部屋の関係でできない。現段階においても、なお現に在館している者については、できるだけこれを収容しようという気持ちには変わりないのでありますけれども、しかし、それじゃその管理規程に反対しておるというような者までもすべてこれを入れるということは、これはできないことだろうと思います。そういった点で、現段階において希望すればすべての者を必ず入れるということは、やはり館の立場として必ずしも取り得ないことじゃないか。その辺、それじゃどの程度にするかということについては、これは具体的な判断になってまいると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/52
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053・小林武
○小林武君 それじゃ具体的にお尋ねしますが、何か管理上の規則にいままで一度でも反対の態度を表明したり、反対運動をやった者はいけないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/53
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054・杉江清
○政府委員(杉江清君) そういうことではございません。それはその程度によります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/54
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055・小林武
○小林武君 その程度というのはどういうことですか。ぼくはいまここでことばじりのやりとりをやりたくないのです。反対運動、皆に選ばれて、たとえば役員か何かになります。お前が代表になれといって代表になった者、そういうような者はだめだということですか、程度というのは。たとえば役員の代表に選ばれた者はぐあいが悪い、そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/55
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056・杉江清
○政府委員(杉江清君) その辺はやはり側々具体的な場合に即して総合的に判断されるべきことだと思います。基本的な考え方は、できるだけ多くの者が円満に移ることを館としても希望し、いろいろと努力されてきたわけであります。それにもかかわらず現在まで手続をしておらない。そういう事態の上に立って諸般の事情を総合的に判断してきめられるべきものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/56
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057・小林武
○小林武君 選考の基準は、まずひとつわかったことは、管理規則に反対した者はぐあいが悪いということ、それからあとのところはないわけですか。管理規則に反対したような者、これはとにかく程度によって考慮されることになりますね。入れないということの対象になるでしょう。そのほかどういう者ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/57
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058・杉江清
○政府委員(杉江清君) 管理規則には選考の方針も書いておりますし、それからまた退館の規定も明らかにされているわけであります。こういうふうな条項からみて、全く不適当であるというのは、やはり考え方の上からいって、その者までも入れるという考え方にはならない。しかし、それは個々具体的な判断において、やはり若い者ですから、一時のあやまちもあるでしょうし、いままでのことも今後改めるというような見通しのある者については、できるだけその点をあたたかい気持ちでくんでやって、入れるべきだと思います。ただ、その点において、いままでのいろいろな点を考慮し、また、現在の事情を考慮して、すべての者を入れるかということになれば、やはりその辺はいろいろ判断の余地があるということを申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/58
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059・小林武
○小林武君 選考の基準を言っているのです。基準は、一つはわかりました。それからあとがわからないのですが、私は書類を持っていないから、書類のことはよくわかりませんけれども、たとえばこういうことをあなたのほうでやっているという話ですが、ほんとうですか。たとえばある大学、前は法政大学という名前があがっておりましたが、法政大学の学生はだめだ、これは入れないという、あそこはどうも教授もみんな何だかぐあいが悪いのか何だかわかりませんけれども、そういう法政大学という名前をあげてやったということなんですが、法政大学とか某大学とか名前をあげて、具体的に例をあげて、そういうところの学生はここに入れられない、こういうことはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/59
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060・杉江清
○政府委員(杉江清君) 私はそういうことはないと思います。聞いてもおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/60
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061・小林武
○小林武君 そういう事実があるとすれば不当ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/61
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062・杉江清
○政府委員(杉江清君) それはやはり一般的にある大学の者を全部個々の事情を考えずにシャット・アウトするということは適当でないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/62
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063・小林武
○小林武君 いずれ私は手続をとって、言ったか言わぬか、そういうことについては明らかにするようにしたいと思います。それは騒ぎを大きくするというような意味ではなくて、もっとやはり根本的にこの問題を解決する姿勢をつくらなければいかぬと思うのです。あなたのおっしゃることの中で肯定していいこともあるのです。それはもう何ぼ学徒援護会といっても、入っている人がみんな迷惑するようなことをやる者は入れられないというようなことは、私はそれはあると思います。しかし、そんな完ぺきな人間でもなし、あなたのおっしゃるとおり、若い者でもあるから、やはりある程度、自分の子供を育てるような気持ちで、ある程度あたたかいあれがなければ、それはもう修身の教科書に出てくるようなことを若い者に期待することは無理です。おとなのわれわれでも、あまりろくなことをやっていないのでありますから、その点は私どもあたたかい気持ちを持っていなければならないと思います。それはやはりそういう配慮を常に忘れないで、この点についてはやらなければならないと思います。いまのような問題、私もちょっと、何々の学校は入れない、この学校は思想的に傾向が悪い、そういうようなことを言ったことを、事実を確かめなければいけないと思いますけれども、あなたのほうはないということは明らかになりましたからけっこうだと思います。
それからこの際にもう一つお尋ねしておきたいのですが、この種の統一、館の規則ですか、管理規則というのですか、この問題で、全国的にやはり問題があるでしょう。何か静岡大学の問題もこれに関連してあるように考えますし、東京の学芸大学なんかにも何か起こったようだし、それから一橋、それから工業大学だとか、そういう国立の大学でも相当起きておるように思うのですが、そういうところに起こっておる、あっちこっちに起っておる、これはやはり拡大する傾向にあるように思うのです。みんな教育の問題としてやはり若い者は注目しているのですが、これはどういう点に問題があるのですか。私はその規則はちょっと見たのです。私はきのう学生の諸君に、この中に書いてあることをみんな悪いと言うのはおかしいぞと言ったのです。この中に書いてあることをみんなおかしいというなら君らもどうかしている。しかし、私の気にくわないことが一つこの中にあるということをぼくは話したのです。その一つあるということは一ヵ条あるということじゃないのです。それは何かというと、この中で一番問題にしなければならないことは、学生は、少なくとも大学生ですから紳士です。私はみんなりっぱなおとなとして扱わなければならないと思う。ここにも、昔、高等学校の寮の中で生活された方もたくさんいらっしゃると私は思うのだが、そういう青春時代を顧み、いろいろ楽しい思い出をお持ちの方が、いまの半生のことを考えてやった場合に、私はあの規則の中にはあまり賛成されないかと思うのです、規則を見て。それは何かといったら、学生がやはり寮を自治的に運営していく、運営について学生が非常に学生らしい考え方で寮を運営し、自分の最も何かいい思い出になるような寮をつくろうというそういうあれがあの中には出てこないような仕組みになっている。どうも陸軍幼年学校か陸軍士官学校、あれのような傾向があって、これは問題点だとぼくは思う。全部が悪いとはぼくは思わない、あの中にあることが。ぼくはそう思ったのだけれども、全国にいろいろな問題が起こったのだから、共通の問題として一体どういう点が問題になっておるか聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/63
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064・杉江清
○政府委員(杉江清君) まず、学徒援護会の会館の管理規程とそれから大学の寮の管理通常の規則とは一応別でございます。基本的な考え方は似ておる点が多いのでありますけれども、一応、性格も異なりますから別であります。そこで、いまの御質問の点は、大学の寮の管理運営についてのお話でございます。この規則については、これはまだ私ども一つの事務的な試案としていろいろ大学の学上部の方々と御相談している案でございます。しかし、この案については、いままで学徒厚生審議会等のいろいろなお考えを基礎にして事務的に一つの案をつくって、各大学で規則をつくられるときの参考にしていただいておるわけであります。だから、この表現等について適切でないものは今後改めていきたい。また、いろんな御意見をお伺いして、やはり改めるべきものは改めていきたい、かように考えております。そこで、それじゃいろんなところで問題が起こっておるその問題点は何かということでありますが、やはり基本的には、ここで寮は大学の教育施設なんだ、人間形成の場として大学がこれを経営しているのだ、その管理の主体は大学なんだ、そういう基本的な立場からやはりこの寮を運営していただく。もちろん学生に自治能力を育成させるということは教育の全面を通じて当然配慮しなければならないことでありますから、そういった学内の通常について学生がやることはもちろん認めるわけであります。ただ、管理の主体は大学にあるのだ。だから重要なことの最終的な決定はこれは大学が責任を持たなければならない、そういう筋をやはり通すことが適当である、こういうふうに考えております。その点がやはり反対の最も重要な点になっておると思います。その表現等については私はいろいろ考えるべき点もあろうと思いますけれども、しかし、学校が経営しておる、そういう施設の最終的な責任がどこにあるかわからないような、そういう寮のあり方はやはり反省しなければならないということが現在の寮一般の状況から見て言えるだろうと思います。
それからもう一点、具体的な問題として起こっておりますのは、いわゆる経費の負担区分の問題であります。経費の負担区分としまして、たとえば、ガス、水道、電気料等について、これは個々の生徒に直接かかっている部分のそういう共通経費は学生に負担していただく、それから、しかしそうでない、たとえば共通的な、個々に直接かからないと思われるそういったいわば共通経費ですね、そういったものはやはり大学が負担する、こういうたてまえをとっておるわけでありますけれども、そういった点が具体的な問題として問題になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/64
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065・小林武
○小林武君 時間もきますから、またいずれこの問題ではやりますが、私はいまの答弁の中に問題があると思うのは、やはりあなたたちのねらっていらっしゃることは、話を聞いていると全部わからぬことはないのです。それは学校の一つの教育の施設を、どう考えても責任はどこにあるかといったら、あすこの中に起こったことに、たとえば大学なら学長があすこで起こったことはわしは知らぬということは言えないわけでしょう。教育に携わる者は無責任なことを言えないことはそれは当然のことです。それをその中において、ほんとうに大学という場所を大学の学生の年齢関係とかいろいろな点から考えて、一体どういうふうに自治的に運営するかという具体策がここの規則の中に出ていないのです。これはあなたのほうで刷って各委員側に出してもらいたいと思います。この問題が出るときのそうした検討の資にしてもらいたいと思います。そうしなければ、あなたのほうでは口では学内の自治とか何とかおっしゃるけれども、一体、学生が発言するということがあの中に出ているか、あまり出ていないでしょう。それはひとつ今度具体的に討論いたしましょう。
それからもう一つは、経費の問題ですが、ふろ銭を上げてもあのくらい騒ぐのですが、大学の学生が一銭も納めていないことはないのですね。寮費はたしか百円納めておった、それを三百円にするとかいうのでしょう。そうすれば、これは大学の学生が騒ぐのはあたりまえです。ある程度まるっきり上げないことはいかぬにしても、一体この程度でどうだというようなことは納得づくでやらなければいかぬのです。ふろ代が上ってもあのくらいの騒ぎになったじゃないですか。とうふの問題から何の問題から奥さん連中がきりきり柳眉をさか立てておこるくらいの問題になるわけです。学生にしてみれば、もっと深刻な問題かもしれぬ、その点についてもっと親切な配慮というものが必要じゃないかと思います。そういう点についても反対するからぐあいが悪いというようなやり方が、どうもあなたたちの場合には多過ぎると思います。
それからもう一つ、学徒援護会の問題についても、その成り立ちからある程度考えなければならないと思います。一体、学徒援護会のいまの状況、あれについてはだれの力でなったかというと、学生の力が非常に大きいことはあれの沿革を見てみればわかることです。彼らの中には、学徒援護会のいろいろなものについてはおれたちに発言権があるという考え方があるのは当然だと思います。もちろんそれはいつまでも持ち続けていけるような状況にあるかというと、状況の変化は認めぬわけにいかないのです。新しいものが新しいところに建ったように、一つの変更があることはそれは私は認めないのはおかしいと思います。その点は学生にもはっきり言っておる。しかし、そういういろいろな過去の成り立ちから考えて、あそこにいる学生が入れるか入れないかはっきりわからぬ。あなた出さない出さないというけれども、みんなの気持ちの中に何があるかといったら、われわれが出しても受け付けてくれないと思っているんですよ。とにかくそういうやはり疑心暗鬼がある。そうして何人かは必ずはずれてしまう。ところが、あなたももう御存じのように、あそこに入っているのは、大学の学生からいえば、アルバイトの一番強度の方です。七%に入る方ですよ。そういういわゆるほんとうに親の仕送りも全然もらえないような人が入っておるとすれば、これは生活協同組合の問題はどうなるかとか、学生協同組合はどうなってくるかとか、あるいは金の問題等について、そんなに簡単にはい、はいと言って賛成できない事情もある、そういう点を私はいろいろ配慮してやるべきだと思う。これはひとつ文部大臣にお願いしたいのですけれども、この問題で私たちも、いろいろ学生の諸君がくるものですから、突っ放してほったらかしておくわけにもいかない、きょうも、これから意見を聞くわけですけれども、なるたけ私は変ないざこざが起こらないようにして、あるいは警察を呼んだとか、あそこの人間が警視庁のブタ箱にぶち込まれたというようなことを起こさないで、やはり気持ちよくいくように、そういうやり方に持って行くようにしてもらいたいと思う。だから、文部大臣にお願いしたいのは、学徒援護会の当事者も、それから文部省も、ひとつそういう面ではこの際思い切って、若者のことだからという気持ちで、もっと親切なあたたかい気持ちで話し合いをしていくというようなやり方にしてもらいたいと思うんです。ぼくらもやっぱり甘いことばかり言ってはいけない、そういうことではやはり常識的なことを常識的に理解してもらってやるというふうに、ぼくら中へ入ったらやはりそういう態度でいかなければいけないと思っていますが、責任は十分感じております。そういう点でひとつ、今後急に二日や三日でこれがすぱっと解決するということは私もとても自信もない。しかし、ほっといて、先ほど言ったような事態を引き起こすということはわれわれも避けなければならぬと思いますから、どうぞひとつ文部大臣も関心をお持ちいただいて、解決についてはひとつ大きな援助を与えてもらいたいということを希望いたしまして、これ で終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815077X01819650513/65
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066・山下春江
○委員長(山下春江君) 他に御発言がなければ、本件に関する質疑は本日はこの程度にいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十二分散会
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