1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年三月九日(火曜日)
午前十時三十九分開会
委員の異動
三月八日
辞任 補欠選任
迫水 久常君 上林 忠次君
三月九日
辞任 補欠選任
上林 忠次君 迫水 久常君
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出席者は左のとおり。
委員長 石井 桂君
理 事
木島 義夫君
後藤 義隆君
稲葉 誠一君
和泉 覚君
委 員
植木 光教君
源田 実君
迫水 久常君
中山 福藏君
柳岡 秋夫君
岩間 正男君
国務大臣
法 務 大 臣 高橋 等君
政府委員
法務大臣官房司
法法制調査部長 鹽野 宜慶君
最高裁判所長官代理者
最高裁判所事務
総局総務局長 寺田 治郎君
最高裁判所事務
総局総務局第一
課長 長井 澄君
最高裁判所事務
総局人事局給与
課長 宮崎 啓一君
事務局側
常任委員会専門
員 増本 甲吉君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/0
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001・石井桂
○委員長(石井桂君) これより法務委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
三月八日、迫水久常君が委員を辞任せられ、その補欠として上林忠次君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/1
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002・石井桂
○委員長(石井桂君) 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。
ただいま委員の異動について御報告いたしましたとおり、迫水久常君が委員を辞任せられましたため理事に欠員を生じておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/2
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003・石井桂
○委員長(石井桂君) 御異議ないと認めます。
それでは、理事に木島義夫君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/3
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004・石井桂
○委員長(石井桂君) 次に、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本法律案については、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/4
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005・稲葉誠一
○稲葉誠一君 きょうは、第一回の質問ですし、予算委員会のほうへ行かなければならぬものですから、資料を要求するというのを中心にして短い時間しかやれないので申しわけないと思っておりますが、最初にお聞きをしておきたいのは、その資料という意味じゃなくて、裁判所職員定員法が法務省からの提案という形になって出ているわけですが、これは裁判所の職員の問題ですから、裁判所の問題だと、こう思うのですが、それが法務省の提案という形になってくるその根拠はどこにあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/5
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006・鹽野宜慶
○政府委員(鹽野宜慶君) その点につきましては、御承知のとおり裁判所には法律案の国会に対する提出権がないというふうに考えておりますので、法務省がこれをまとめて国会に提出するという手続をとっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/6
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007・稲葉誠一
○稲葉誠一君 裁判所に法律案の提案権がないというのはわかっているのですが、憲法上なりその他の法律上の根拠はどこにあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/7
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008・鹽野宜慶
○政府委員(鹽野宜慶君) 最高裁判所に法律案の提案権がないということを明確に規定した法律はないと存じます。しかしながら、御承知のとおり、憲法に政府は議案の提出権があるというふうに規定されております。さらに国会法には国会の各議員が提案権があるというふうに規定されているのでございまして、最高裁判所につきましてはさような規定がないことから申しまして、提案権がないというふうに考えるのが相当だと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/8
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009・稲葉誠一
○稲葉誠一君 憲法の七十二条で「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、」云々と、こうあるわけですから、ここで言っているのだと思いますが、憲法上の現行法の規定そのものは別として、こういうような裁判所の一種の自律権というか、ことばはいろいろあると思いますが、裁判所の判事を何名ふやすとか、そういうふうなことを裁判所自身がきめて国会の同意を求めるというふうなことは、基本的に三権分立というふうなものからはずれるというふうになるわけですか。そこはどういうふうになるんでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/9
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010・鹽野宜慶
○政府委員(鹽野宜慶君) 基本的に申しますと、そういうふうな三権分立というような考え方からいまのような制度になっていると存じますが、諸外国の例を見ましても大かたこういう、ふうな形が通常のように聞いているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/10
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011・稲葉誠一
○稲葉誠一君 しかし、予算の場合はいわゆる二重予算という形で直接国会に対する請求権が、例外的かもしれませんけれども認められているわけです。それから言うと、法案、ことに裁判官の定員をふやすというようなことは、場合によっては直接提案というものも認められていいんじゃないかというふうに考えるのですが、二重予算の場合だけ特にそういう例外を設けて、そしてこういうふうな判事をふやすというときにそれが認められないというのは、何か根拠があるのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/11
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012・高橋等
○国務大臣(高橋等君) ちょっと速記をとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/12
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013・石井桂
○委員長(石井桂君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/13
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014・石井桂
○委員長(石井桂君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/14
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015・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判所としても一応の意見を申し上げたいと存じまするが、これは十分な裁判所としての公式のというふうに申し上げられるかどうか疑問でございますが、一応の意見というふうにお聞き取りいただきたいわけでございますが、私どもの考えとしては、憲法はむしろ法律は国会みずから御制定になるものだという前提をとって、しかし内閣も法案をお出しになれる、こういう考え方ではないかと思うのでございます。それに対しまして、予算のほうは、これは明らかに内閣のみ予算の提出権があるわけで、これは財政問題がいろいろございますから、そういう意味ではっきりと内閣の権限の中に予算提出権というものがございますので、それで内閣がその提案権を持っている。予算については、やはり三権分立からいって、最高裁判所も、二重予算と申しますか、これをチェックすると申しますか、意思表示をする機会を国会に対して与えていただくという考え方ではないか。それに対して、法律案のほうは国会みずから自主的に御制定いただけるわけでございますので、もし裁判所のそういういろいろ必要がある場合には国会が御制定いただくのである、必ずしも内閣でチェックされることはない、こういうような考え方も一つあるのではないか。そういう点で、法律に関しては国会が何としても最高の機関であるから、国会がみずからおやりになることについては最高裁判所がいわば横から口を出す必要はないけれども、予算は内閣がお出しになるので、最高裁判所としての意思表示をする機会を与えていただく、こういう考え方も一つあるのではないか。それですべてと申すわけでもありませんが、いま稲葉委員お話しの法律案と予算の違いは、あるいはそういうところも一つの問題点ではないかと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/15
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016・稲葉誠一
○稲葉誠一君 最高裁判所の規則との関連なんですが、法律でやらなければならぬところと、最高裁の規則でまかなえるところと、その限界点というものをどこに設けるのか、そこら辺のところがはっきりしないのですが、裁判官をふやすというようなことは、これは予算にも関係することだと思いますが、それは最高裁判所の規則でやって、予算は予算案としてもちろん国会の議決を経ると、そういうふうな形ではこれは筋が違ってくるわけですか。規則で定められる範囲の限界は一体どこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/16
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017・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 便宜私のほうからまず裁判所の考え方を申し上げてはと存じますが、この規則制定権の範囲ということは、何ぶん終戦後の憲法でできました制度でございますし、英米、特にアメリカの制度を取り入れておるものでございまして、必ずしもその限界が明確であるとは申し上げられないと存じます。これは、学者によりましても、非常に広く解釈される方もあれば、非常に狭く解釈される方もございますし、また、その範囲ばかりじゃなしに、効力についてもいろいろ法律の間にどういう効力を持つかという議論があることも承知いたしております。ただ、しかし、どのような説をとりましても、いまここで問題になっております裁判所の総定員をどうきめるかというような問題は、これは憲法七十七条の規則制定権には入らないんじゃないか、つまり裁判所の基本的な構成の問題でございますから、これは何といってもやはり政府というよりむしろ国会でおきめいただく、こういうたてまえをとるべきであるという点はおそらく学説的にも異存のないところであろうと存じます。ただ、それ以上進みまして手続法その他に関しましてどの範囲までということになりますと、これはなかなかむずかしい問題であると考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/17
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018・稲葉誠一
○稲葉誠一君 いまのお考えは、それはよくわかります。そのとおりだと、こう思うのですが、そうすると、高等裁判所の支部、たとえば函館にある、秋田にある、松江にある支部、いまこれは廃止の問題等が起きているわけですが、これはルールで高等裁判所の支部は設けられているわけでしょう。そうなると、これはやはり裁判所の一つの基本的な構成に該当するわけだから、当然法律事項でなければならないというふうに考えられるわけですが、それがルールできめられているのは、これはどういうわけなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/18
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019・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) その点はまことにごもっともでございまして、およそ一つの裁判所をどこに置くか、あるいはどういうものを置くかということは、これは当然法律事項であろうと存じます。そしてまた、事実、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律でお定めいただいておるところでございます。ただ、その裁判所の内部における一つの事務分配と申しますか、こういうことは裁判所の自律権にゆだねられていることもこれまた御承知のとおりでございまして、当然のところであろうと存じます。たとえば第一民事部をどういう構成にするか、どういう人を配置するかというようなこと、それからどういう権限を与えるか、たとえば特殊事件を扱うかどうかというような問題、すべてこれは当然裁判所の自律権でございます。いまお尋ねの支部の問題のごときは、ちょうどその境目にある問題だと存ずるわけでございまして、支部というものが全く独立の自主的な権限を持つということでございますれば、これは法律事項であって、たとえば簡易裁判所のような小さなものといえども法律でおきめいただくわけでございますが、支部は、いわば訴訟法上は管轄が競合していると申しますか、たとえば支部の事件を本庁でやっても別に訴訟法上違法にはならない、こういうようないわば一種の内部的な事務分配的な要素を持っているわけでございます。しかしながら、そうは申しましても、実際上特定のところに支部があるということは、これは国民の利害にも非常に関係する問題でございますから、単なる第一民事部、第二民事部という関係よりは非常に重要な問題であることもまた事実であろうと存じます。そういう点で裁判所法では支部について最高裁判所に委任規定を置いていただいておるわけでございます。この委任規定がございませんと、自由にそういうものを設けることができるかどうか疑問でございますが、現行法は裁判所に委任規定がございますので、これは憲法七十七条から直接という説明をしなくとも、法律委任によっても説明のつく形になっているわけでございます。そういうところで調整をはかっている、こういうことではないかと考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/19
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020・稲葉誠一
○稲葉誠一君 そうすると、いまの憲法七十七条の一項で言うと、どれに該当するわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/20
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021・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) これは七十七条一項のいろいろな事項の中のどの項目というふうにさい然と分けることができるかどうかやや疑問でございますが、「裁判所の内部規律及び司法事務処理」というところに入ろうかと思いますが、ただ、いま申し上げましたように、そのいずれかにより直接と申しますよりは、裁判所法の規定によって最高裁判所にいわば委任をしていただいているわけでございます。もっとも、委任と申しましても、全然裁判所の権限にないことを法律といえども委任はできないわけでございましょうが、広い意味においてこの七十七条一項に入るということで法律で委任していただいておる、こういうことであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/21
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022・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それはきょうのあれではありませんから……。
そこで、法務大臣がせっかくおいでになっておりますからお聞きをしたい。これは裁判所職員定員法という形で出ているわけですが、これにも関連すると思うのは、二つの法律、たとえば裁判所の事物管轄をどうするかという法律、これはこれにも関係すると思うんです。それと借地借家法の改正、これは一応最高裁としては裁判官の増員を要求して認められておらないわけですが、それが施行されれば認められるというふうに話し合いもついていると聞いておるわけです。ですから、下級裁判所の事物管轄の問題、それからいま言った借地借家法の改正、この二つは現在どういうふうになっているのか。新聞紙上にはいろいろ出ておりますが、どういうふうになっているか、それだけお聞きしたいと思います。それが済めば法務大臣けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/22
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023・高橋等
○国務大臣(高橋等君) 簡易裁判所の事物管轄、これはいろいろと臨時司法制度調査会の答申に基づきまして検討を加えているわけでございますが、各方面でこれに対する反対の意見も相当強いようでございます。また検討をもう一度せねばならない点もあるかと思いますし、また、反対方面とも十分に調整をいたさなければならぬという考えのもとに、今国会に提案はこの内容は見合わすことに実はいたしているのでございます。
それから例の借地借家法の関係ですが、御指摘のようにこれはこのたびの増員とは関係がないわけでございますけれども、これをやりますれば、増員という問題に関連があることになります。目下借地借家法につきましてもいろいろな意見があり、各方面に賛否両論があるわけですが、その調整もやっておりますが、一応めどがつけば提案の運びにいたしたいと考えておりますけれども、まだ提案するかどうかということの最終的な考えは固まっていないし、情勢も固まっていない。もし提案をいたすといたしますれば、その施行期日等を考えまして定員の問題との調整をとってみたい、こういう考えでいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/23
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024・稲葉誠一
○稲葉誠一君 いまのに関連するのですけれども、そうした法案を法制審議会、法務省の省議で決定しているのでしょう。法制審議会の構成の問題はあとで資料をいただきたいと、こう思うのですが、これはいろいろ議論があるわけですね、この構成という問題に関連して。これは佐伯さんか何か論文を書いておりましたが、いろいろ議論があるわけです。法制審議会の構成はどうなっているか、総会部会はどういうふうになっているか、その構成についてはあとで資料をいただきたいと、こう思うのです。それを法制審議会でやっているうち、あるいは法務省の省議の決定前とか、こういう形の中で十分な各方面からの意見の聴取というのはやらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/24
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025・鹽野宜慶
○政府委員(鹽野宜慶君) 各方面からの意見の聴取の点でございますが、法制審議会に要綱をかけます前に各方面の意見を聴取するという手続が行なわれることもございますし、それから法制審議会は各方面の権威者を集めて構成しておりますので、そこで審議していただくことによって各方面の意見がその場に反映するということも考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/25
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026・稲葉誠一
○稲葉誠一君 それできょうはいろいろ今後の審議に必要な資料を十分私のほうでも精査したわけではありませんが、要求して、それをいただいてからあとに本格的な審議に入りたい、こう思うのです。一つは、裁判所の職員の増員に関連して最高裁判所が要求した人員、これは判事から判事補、簡易裁判所の判事、書記官、調査官、事務官、あるいはいろいろその他ありますけれども、そういうふうなものの人員の内容と、それからそういう人員を要求した根拠ですね、それからその結果がどういうふうになったのかということ、これは最高裁判所側と法務省側と両方にお願いしたいと思います。法務省は直接あれではありませんけれども対比するという関係もあるので、ぜひいただきたいと、こう思うわけです。
それからいま言ったような人員の要求なり何なりが年次計画の形の中での要求という場合が相当あるんじゃないかと、こう思うわけですね。そういう年次計画というか、たとえば三カ年計画とか、四年計画とか、そういうふうな中で何人くらいふやすのか、こういうふうな形のものもいただきたいと、こういうふうに思うわけです。たとえば裁判官を一定の年限を限ったその間に何人くらいふやしたいという目標を立てておるのか、こういうふうなところからもくると思います。
それから次は、現在員と欠員の状況がどういうふうになっておるのか、これは一番新しいところでいただきたいと思います。ことしになってから、なければ去年の暮れ現在でもいいと思うのですが、裁判所側と法務省側と両方に。それは、こういうふうな人員の増も出ておりますけれども、その前に、一体欠員がどれだけあって、その欠員がある理由はどこにあるのか、それをどのような形で埋め合わすということを考えておるのか、こういうふうなことを知りたいわけです。
それから次は、裁判所法といいますか、裁判所職員定員法ですか、両方含めますが、その制定以来何回となく改正が行なわれておるわけです。その改正の行なわれておる経過を知りたいわけです。
それから裁判所法の中ですか、事物の管轄などの場合で、提案されたものと国会でそれが修正をされて違ってきた場合がたしかあるわけです。たとえば簡裁の事物管轄で三十万円までというふうなことで法案を提出をしたらば、国会の修正で十万円以下になったというようなことがちょっと書いてあるのですけれども、どうもちょっと私も真偽のほどははっきりしませんが、もしそういうふうなことがあれば、それを明らかにしていただきたいと、こういうふうに思います。
それから簡易裁判所の現在の状態——これは簡裁の判事十六名をふやすという法案ですから、簡易裁判所の現在の状態、たとえば民事と刊事と両方の裁判を行なっておる裁判所がどの程度あるのか。これは普通の形だと思いますけれども、しかし、その中で、刑事はやるけれども民事裁判はやらないという簡裁も相当あるように考えられますし、また、民刑の裁判は両方ともやらなくて調停しかやらない、こういうふうなものもあるのではないかと思います。それから名前だけはありますけれども、実際には廃止同然になっていてやっておらないところも簡易裁判所であるのではないかと考えられる点と、それからもう一つは、実際には何か存在しておる、裁判所としての名前はあるのだけれども、実際にそういう裁判所がないという裁判所が過去にあったというふうなことを聞いておるのですが、現在でもそういうふうなものがあるのかないのか、その点ですね。それから裁判官がそこに常駐といいますかしておるものがどの程度あるのか。全然裁判官がおらなくて、それで一週間に一回かそこらの法廷を開いて、あるいは調停をやって、兼補でいく場合が相当あると思うのです。これが相当多いんじゃないかと思うのですが、その点がどういうふうになっておるのか、そういう点を簡易裁判所の現況という形で明らかにしていただきたい、こう思うわけです。
それから簡易裁判所の判事の現在の状態、これが資格別にどういうふうになっておるか。これは計算するというと、六百九十九人、約七百人ということになっておって、三百九十二人が特任判事で、それから判事補が百五十六人、裁判官をやめて来られた方が五十四名、検察官出身が十八名、弁護士出身が七十九名というふうなことが一応いわれているんですけれども、ここら辺のところがはっきりしたものがつかみたいわけです。
それからこれらの裁判官を任用するについてどういうふうなやり方で簡易裁判所の判事を任用しておるのか明らかにしていただきたい、こう思うわけです。特に特任判事の場合の試験の方法とか、いろいろな点ですね。これに関連して副検事の場合はどういうふうにしてそれを任用しているのか、試験をどうやっているのか、こういうふうな点を明らかにしていただきたい。
一応考えついたところはこの程度ですが、またあとで考えつけば資料を要求したい、こういうふうに思うわけですが、その程度のことだけを一応きょうは資料の要求という形でしておいて、それからいただいてから本格的な審議に入りたい、こういうふうに考えるわけです。こういうふうな資料は大体できているのがあると思うのですけれども、裁判所側なり法務省側はどの程度の日にちでできるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/26
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027・鹽野宜慶
○政府委員(鹽野宜慶君) ちょっとお尋ねいたしますが、いまの増員関係、それから現在員と欠員の関係、これは法務省関係の御要求がございましたが、法務省関係は、裁判所と対応する意味で検察関係だけを御希望でございましょうか、それとも、たとえば矯正とか保護観察官とかいうようなものも含めるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/27
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028・稲葉誠一
○稲葉誠一君 便宜、全部のものを出していただけませんか。そのほうがいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/28
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029・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) ただいまの点、ちょっと一点だけ伺わせていただきたいのですが、先ほど裁判所職員定員法の沿革とおっしゃいましたが、これは裁判所法の沿革でいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/29
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030・稲葉誠一
○稲葉誠一君 裁判所法、これはおもに管轄でしょう。裁判所の定員法も、どういうふうにふえているのか、その経過を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/30
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031・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 定員法はただ定員の増減の数字でよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/31
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032・稲葉誠一
○稲葉誠君 ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/32
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033・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) それから裁判所法は相当改正が多岐にわたっておりますが、事物管轄に集約してよろしゅうございましょうか、それとも全般にわたる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/33
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034・稲葉誠一
○稲葉誠一君 裁判所法の改正というのは、事物管轄以外にどの程度あるのですか。そんなにたくさんありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/34
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035・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 六法全書を見ましてもおそらく二十回近いような改正があるように出ておりますが、事物管轄だけでございますれば、これはせいぜい五回以内だと思います。御審議がほかのほうにもわたりますようでございますれば、それも全部提出いたしますが、特に問題が事物管轄でございますれば、事物管轄に集約して出させていただけたらと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/35
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036・稲葉誠一
○稲葉誠一君 二十数回改正になっているというのは、おもに何でしょうか。たとえばどこにどういう裁判所を新しく設けるというのはあまりないのでしょう。そんなにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/36
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037・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判所を設けるという関係は、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律でございますから、そうではございませんで、これはいま一つ一つ検討いたしますとあれでございますが、たとえば、速記制度を始めたときに速記官を置くというのが入りますし、それから家庭裁判所が——そもそもから申しますと、最初は家庭裁判所がございませんでしたから、家庭裁判所を置くというようなのがございまして、そういうのが非常にたくさんあるわけでございます。この資料はそろっておりますから、何でも出せるわけでございますが、あまり複雑になってかえってごらんになりにくいかということだけでございますが、出すのは簡単でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/37
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038・稲葉誠一
○稲葉誠一君 これはあれば一応全部出してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/38
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039・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 最高裁判所としては、大体今週中くらいあれば資料は整えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/39
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040・鹽野宜慶
○政府委員(鹽野宜慶君) 法務省側に御要求の資料につきましても、できるだけ裁判所と歩調を合わして提出するように努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/40
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041・稲葉誠一
○稲葉誠一君 じゃ資料をいただいてから、これはちょっと今週は無理だから、来週また審議したいと思いますが、その前にちょっとこれに関連してお伺いしておきたいのは、簡裁の民事については控訴は地方裁判所でやっているわけですね。刑事については高裁でやるわけでしょう。それを区別したのはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/41
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042・寺田治郎
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) その点も十分資料等を調べました上で正確なお答えをしたほうがよいかと思いますが、私どもの聞いております範囲では、民事のほうは訴訟法上続審形式をとっておりますのに対しまして、刑事のほうは新刑訴法で事後審という方式をとりまして、事後審という性格自体にもいろいろ議論はあるようでございますが、これは多分に法律審的な性格を帯びたもの、つまり判例統一的な作用をかなり持っているといわれておりまして、そういう点でできる限りその裁判所の数をしぼったほうがいいんだというふうに一般的にはいわれておりますが、なお提案理由等を詳細に検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/42
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043・稲葉誠一
○稲葉誠一君 きょうのところはこの程度にして終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/43
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044・石井桂
○委員長(石井桂君) 他の委員から御質疑はございませんですか。——本法律案の審議は、本日はこの程度にいたします。
ちょっと速記とめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/44
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045・石井桂
○委員長(石井桂君) 速記を起こしてください。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/45
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046・石井桂
○委員長(石井桂君) 次に、三月四日、当委員会で電話通信の秘密の侵害に関する調査を行なった際、岩間委員から要求のありました関係物件の提出について委員長及び理事打合会で協議いたしましたので、その結果を申し上げます。
国会法第百四条について
憲法第六十二条は国政調査権について規定しているのであるが、国会法第百四条はこれを受けて「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」と規定している。すなわち、議院または委員会がこの規定によって提出要求をすることによって、相手方がこれに応じる義務のある場合を規定しているものと考えられる。したがって、この第百四条の規定によって求められたものが「報告又は記録」と考えられる範囲内のものであれば、相手方はこれに応ずる義務があるものと考えられる。しかし、求められたものが「報告又は記録」と考えられるものの範囲を越えているものについてまでこれに応ずる義務があると考えるのは困難であろう。
本件の盗聴器らしきものについては、一般的にはここにいう「報告又は記録」と考えるのは困難であろうと思われる。
なお、証拠の保全については、万全を期するよう関係当局に委員長から要求することにいたしたい。
こういうのが委員長及び理事打合会の結果でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/46
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047・岩間正男
○岩間正男君 一応いまのような見解が理事会から出されたわけでありますけれども、この問題についてはわれわれも十分に検討してみたいと思うことが一つ。それからあとのほうに付記されました証拠の保全の問題は、この前の委員会でも私がとくとその経過については触れましたように、これは全く電電公社とわが党との間に紳士的に取りかわした協約を一方的に破棄して、しかも信義を無視して警察に引き渡すという事態が起こった。しかも、その引き渡される警察につきましては、いままで盗聴問題が起こる場合にはいつも警察あるいは公安調査庁が引き合いに出されている。そういうところに渡ったのでありますから、これは非常にやはり重大なことだと考えております。ある場合には電電公社と警察がぐるになってこういうような証拠隠滅をはかったと言われても返すことばがない問題だというふうに思います。この問題については、八日に、わが党の宮本書記長から東京地裁に対しまして証拠保全の訴えがなされておるのであります。そういうことからも考えまして、ことに憲法にも規定された通信の秘密保持の問題は、基本的人権の中でも非常にまた重要なことであります。したがいまして、当委員会としてもあくまで法を守る立場からこれについて真相の究明に御努力いただきたいことを重ねてお願いをつけ加えまして、私の意見だけ述べさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/47
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048・石井桂
○委員長(石井桂君) 本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時二十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/104815206X00819650309/48
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