1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年五月十八日(水曜日)
午後二時十六分開議
出席委員
委員長 古川 丈吉君
理事 關谷 勝利君 理事 田澤 吉郎君
理事 田邉 國男君 理事 山田 彌一君
有田 喜一君 浦野 幸男君
小渕 恵三君 川野 芳滿君
木村 俊夫君 砂田 重民君
高橋清一郎君 高橋 禎一君
増田甲子七君 山村新治郎君
内海 清君 竹谷源太郎君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 中村 寅太君
出席政府委員
運輸技官
(港湾局長) 佐藤 肇君
委員外の出席者
専 門 員 小西 真一君
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五月十七日
委員砂田重民君辞任につき、その補欠として浦
野幸男君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
委員松浦周太郎君辞任につき、その補欠として
砂田重民君が議長の指名で委員に選任された。
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五月十六日
国鉄第三次長期計画工事に地元業者の入札参加
に関する請願(井出一太郎君紹介)(第四四九九
号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
港湾運送事業法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一一二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/0
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001・古川丈吉
○古川委員長 これより会議を開きます。
港湾運送事業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。内海清君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/1
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002・内海清
○内海(清)委員 前会の質問に続きまして、若干お尋ねしたいと思います。前会、私質問いたしましたが、なお十分理解しがたい点があるので、重複するかもわかりませんが、この問題から始めたいと思います。
今回の改正で、一般港湾事業者に対して港湾運送の行為の種別ごとに一定率以上の直営を義務づける、そうして一定の要件のもとに下請制度を認めて、さらに一方におきまして船内荷役事業者等に対しましては再下請を禁止する、こういうふうになっておるわけでありますが、このことは、責任体制を確立する、あるいは港湾運送の円滑をはかる意味からいたしまして妥当な措置と認められるわけでありますけれども、せっかく一定率以上の直営を義務づけながら、前会お尋ねいたしました例の十六条の二項、この二項におきまして、株式の保有数——これはいろいろ省令で定める事項の中にあるわけであります。あるいは「運輸省令で定める密接な関係を有するもの」、こういうものについて下請を認めるということに相なっておるわけであります。この点いろいろ御説明いただきましたが、どうも私としては、これで下請ができるということについては、今度の改正が何のためにやられたのか、全く骨抜きになるのではなかろうかというような気がいたすわけであります。御承知の港湾労働等対策審議会の答申におきましても、港湾運送事業の集約化の方向として系列ごとの集約を求めているのでありますが、系列化によりまする従属化となってはならぬ、こういう答申がされておるのであります。そういたしますと、この趣旨にも反するのではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。この点に関しまする御所見をもう一度お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/2
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003・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 ただいまのお話は十六条の問題だと思います。十六条は、従来は全部下請の禁止ということでございまして、一部を直営すれば足りる、こういうことであったわけでございます。したがいまして、元請が引き受けました仕事量に対しまして多数の下請がそのときそのときの都合によって集まって作業をやる、そういうことから責任というものが明確でなかったということでございました。答申の趣旨も、一貫作業として行なわれるように集約せよということをいっております。一貫作業ということを強調しておるわけでございますが、現実の問題をこれにいかに近づけるかということではないかと思います。したがいまして、先ほど御指摘がございましたように、直営率を上げましたことは、現在の法律では船内、沿岸、はしけというような作業部門のうち、どれか一つについてその一部を直営すればいいわけでございますが、そのおのおののどれか一つにつきましては、七〇%というものを省令できめて直営率を高めたい。それからもう一つは、その他の作業については、一つの系列という形でもって責任体制を明確にしたい、この系列のあり方につきましては、省令その他に明記するわけでございますが、これが従属化になるかならないかということが御指摘の点だと思います。これは株を持ち合うというようなことも従来からやっておったわけでございますが、そういうような一つの密接な関係を持ったものだけが元請と一緒になって仕事をやっていく、これが現在の港湾事業者の実態から見て一番一貫作業というものを実施し得る体制ではないか、かように考えまして、現実から出発して答申の趣旨を具現したいというのが、今回の改正案の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/3
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004・内海清
○内海(清)委員 どうもやかましくてようわからぬのですが、いろいろのあれもございましょうけれども、答申でも言っておりますように、この港湾運送事業の集約化の方向として、系列ごとの集約は求めているけれども、系列化による従属化となってはならぬ、この趣旨は、あると思うのです。そういうきらいはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/4
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005・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 この株の持ち合い、それからこの法律案にございますように、二分の一以上の株を持つことによって支配するに足る、こういうようなことは従属化ではないか、こういう御趣旨だと思いますが、責任体制を明確にするという観点からまいりますと、このような関係というのは従来もございましたのでありまして、それを生かしてやっていく以外に方法はない、かように考えるわけでございます。また、この従属化ということの定義でございますが、これはやはり支配することによって支配される者が極度にいじめられるといいますか、そういうような形を従属化というように述べたのではないかと思いますが、現在のようにたくさんの業種がある中では、むしろこういう密接な関係ということによって共存をはかるという方法が一番いいのであって、それ以外に方法はないのではないか、かように思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/5
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006・内海清
○内海(清)委員 御説明の趣旨、わからぬことはございませんけれども、結局元請と下請というのは、やはり力関係において違うわけです。しかも密接な関係があるということで、株を持ちましたり役員が派遣されたり、いろいろな関係がある。どうもやはり力の弱いほうは、元請に対して下請のほうは、従属的になりやすいということです。その点が十分配慮されなければならぬと思うのです。そういう点から考えまして、この十六条の二項は、この法案、せっかく改正されたけれども、よほど運用の妙を得なければ骨抜きになるおそれがあるのじゃないか。したがって、いま御説明がございましたが、今後この法の運用にあたっては、そういう点が出てこないように、法の趣旨が十分生かされるように、これはひとつ監督行政について運輸省において措置願いたい、これを強く要望したいと思います。この点は前会もお伺いいたしましたので、この程度にしておきたいと思います。
次でありますが、今度この下請制度の規制が非常に強化された、と申しましても、なお一部下請が残るわけでございます。下請を一部存続するにもかかわりませず、運賃及び料金は、第九条によりまして認可制である。しかも第十条によりますと、割り戻しが禁止されておるということもあるわけであります。運賃も確定運賃であり、料金もさようになっておるわけでございますので、したがって、元請も下請も同一運賃及び料金で収受しておるのか、それともまた、この港湾運送料金の大部分というものは労務費が占めておると思いますが、元請の場合と下請の場合と同じ作業内容でありますが、これは同様な扱いになっておるのか。聞くところによりますと、下請の場合は一0%程度低いのじゃないかというようなことも聞くのであります。その辺の実情をお知らせ願いたいと思いますし、同時にそれに対する御所見をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/6
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007・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 今回の改正におきましては、一貫作業体制を整えるための集約と直営率の向上ということ、再下請の禁止ということがございますが、料金についての第九条の改正はないわけでございます。実情は、私どもがこの法律に基づいて認可いたします料金は、荷主から元請が貨物一トン扱うのにどれだけいただくという料金でございまして、元請一貫作業料金と申しております。それを下請に元請が出す場合には、個々の契約となっておるわけでございます。これにつきましてはいろいろと議論のあるところでございますが、それをどうするかということは、別途港湾審議会に設けられます港湾運送部会におきまして、港湾運送事業の料金体系というものはどうあるべきかということを御審議願った上で、さらに合理的なものにしていきたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/7
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008・内海清
○内海(清)委員 さらに審議会の中でこれは審議してきめたいということでありますが、これは元請の場合も下請の場合も、作業内容というものは私は同じだと思う。したがって、同一労働の同一賃金という一つの原則から見ましても、ここには問題があると思う。現在まで行なわれておりますのは、現実の問題としてはやはりそこに一0%程度の差があるのかどうか、その点をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/8
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009・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 実際に作業をいたす者が料金の中で収受する特に労務費でございますが、こういうものにつきまして、元請の直営する部分と下請の部分とに差異があるとは考えられません。ただ料金の中にも管理的なものがございまして、元請と下請の間におきまして、責任の度合いであるとか、作業の量その他によって、これが配分されている、かように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/9
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010・内海清
○内海(清)委員 もちろん管理費でありますとか、あるいは責任体制をとるために費用が要る、これは元請が当然獲得すべきものだと思います。ただ、大部分は私は労務費だと思う。労務費においてここに差が出てきますと、これはかなりの問題になってくると思う。いまの御答弁によれば、労務費に差があるとは思わぬということでありますけれども、私どもから確かめたわけではないけれども、一般に言われておるのでは、やはり一0%程度の差があるのではないか、そういうふうに言われておる。この点はやはり今後のこの問題の推移において重要なことだと思いますので、事務当局におかれましても十分ひとつ考えられて、そしてこれは公正な処置ができなければ相ならぬと思うのです。もちろん、いまお話しの、審議会の結果によってということでありますが、審議会でこれらも審議されると思いますけれども、それらの点につきましては、運輸当局におきましてもなお今後十分検討されて、公正な料金、運賃というものが設定されるように、これまた強く要望しておきたいと思います。
それから次には、港湾運送の関連事業の問題であります。今度の改正によりまして、直営一貫作業を規定した。これはけっこうであると思うのでありますが、これらの関連事業、特に船内荷役にかかわる事業、これは届け出制になっているわけですね。これはいかがなものであろうか。そのことによって、さらに新しい一つの下請制度ができるのじゃなかろうかというふうな気もするわけであります。その点についてはいかにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/10
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011・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 関連事業につきましては、答申におきましても、これらについて指導を強化していくことが望ましいというようなことがございます。関連事業そのものについては、私どもも実態をつまびらかにいたしておりません。しかし、これらの関連事業につきましては、港湾労働法におきましては、政令指定の事業にもなっておるわけでございまして、私どもは届け出制をとることによって実態を把握して、その上で指導を強化していきたい、かように考えて、今回法案の改正を提案した次第でございまして、これらの実態については、実はまだつまびらかにしてないわけでございます。しかし、これらがさらに下請されるということは考えられないわけでございますが、これらの事業は実際にだれに頼まれるかということになってまいりますと、直接に荷主もしくは船舶の運航業者に頼まれるのが筋であると思います。荷主もしくは船舶運航業者が港湾運送業者に一括して仕事を頼む場合には、港湾運送事業者の下請としてやる場合がある。実態はそうではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/11
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012・内海清
○内海(清)委員 どうもその辺の関係が、私ども実態を十分承知しておりませんので、いろいろ法案の上から考えてさような気がいたすわけであります。もしこの直営一貫作業がベターであるとするならば、この届け出制というものもなくすべきではないかというふうな感じが私はいたすわけであります。しかしいまの御答弁を聞けば、なるほどとも思うのですが、この点に関しましては、私も今後さらに検討してまいりたいと思います。
これらに関連しまして料金、これはいろいろなむずかしい問題があると思うのです。関連作業の料金の設定は、それぞれに違ういろいろむずかしい問題があると思うのですが、今回の改正では何ら規制されていない、こういうふうに思うのです。これに対しましてはどういうことでこうなっておるかひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/12
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013・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 先ほど申し上げましたように、関連事業についての指導、規制を行なうということが答申の中に指摘されておるわけでございますが、まず実態を把握するということが第一だと思いまして、今回はその事項の届け出だけにしたわけでございまして、実態の把握の上で、さらに料金その他についても規制することが必要であれば、その場合には料金その他についての届け出等についても考慮いたしたい、こういう考えであったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/13
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014・内海清
○内海(清)委員 これもおおまかに分ければ、あるいは一般貨物であるとか、あるいは石炭であるとか、あるいはタンカーであるとかいうふうなものは、私は大体標準的なものと考え得るだろうと思う。ただ個々の積み荷の場合には種々雑多でありますから、よほど実態を把握せぬと適正なものが出てこぬと思いますが、そうすると、料金に対しては標準的なもの、あるいは基準的なもの、これもいま何にもないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/14
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015・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 この種のものにつきましては、現状は実費申し受け、こういうことになっておるわけでございます。先ほど御指摘がございましたように、内容は種々雑多、非常に多様でございますので、今回は料金について規制するというところまではとても手が及ばない。こういうことで、実態を把握したあとで、その対策を考えていくべきではないかと考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/15
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016・内海清
○内海(清)委員 しかし、この料金も当然これは何らかの規定ができるべきだと私は思う。いまの場合非常に困難であるから、いずれ実態を十分把握してということでありますが、これもひとつできるだけ早く御検討願いたいと思うのです。
それから次に、本法の施行にあたりましていろいろ改正が行なわれておる。ことに関連事業の届け出制とかいろいろあるわけでありますが、これによって運輸省の港湾局と申しますか、ことに港政課あたりの作業量というものは、かなり従来よりも複雑になり、しかも増加してくるのではないか。したがって、これに当たります係官の増員というようなものも当然出てくるのではなかろうか、見込まれてしかるべきじゃなかろうかと思うのであります。お尋ねいたしますが、現在港湾運送事業者の管理、監督と申しますか、これに当たっておる係官が六大港で大体どのくらいおるのか。また、今回の改正によってどのくらいの増員が必要と思われるのか。これは御承知のような三十四年の改正で登録から免許に切りかえる、この事務にあたりましても、施行後ほとんど六年かかっておる。四十年の六月になって一応完了したというようなこともあるわけであります。したがって、現在の港政課でありますとか、あるいは地方の海運局あたり、これは予算、人員ともそれぞれ問題が起こってくるだろうと思うのです。これらにつきましてのお考えをひとつお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/16
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017・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 御指摘のように港湾運送事業関係の監督につきましては、非常に仕事が忙しくなってまいっておるわけでございます。現在定員といたしましては、本省関係が十四名、それから六大港関係といたしましては、関東海運局が十九名、近畿海運局が十九名、神戸海運局が十一名、九州海運局が十四名となっております。御指摘のように、この四十一年度から新しい法律の施行に伴いまして、集約化のための行政指導ということがございますし、さらに港湾運送部会が設置されますと、その運営のためにも相当仕事量がふえるわけでございますし、港湾運送事業が中小企業近代化促進法の中の指定事業となりましたので、この促進法に基づく近代化計画というものを推進していくということも相当な事務量になるわけでございます。このような観点から四十一年度予算におきましては、本省港政課に四名の増員、それから地方におきましては八名の増員を要望したわけでございますが、定員については、運輸省全体としてもいろいろほかにも増員しなければならない部局がございまして、遺憾ながら私どもの港湾運送事業関係におきます増員というものは認められなかったわけでございます。しかし先ほど申し上げました趣旨によりまして、庁費といたしましては本省関係で三十万、それから地方関係におきましては九十一万円、これだけの増額が認められたわけでございます。来年度以降もさらに監督並びに指導の機能を高めていくために、港湾運送事業関係の定員の要求につきましては強く推し進めていきたいと私どもは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/17
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018・内海清
○内海(清)委員 予算は若干認められた、しかし増員についてはゼロということなんですが、いま局長のお話のように、相当作業量も増大してくるわけなんです。ところが、現在人員でやっていかなければならぬということなんです。この新しくふえた仕事も現在人員で十分、法の趣旨に合うように処理されるということになれば、いままでは少しひまだったということも言えるわけなんです。人がふえずにやれるということはそういうことに相なるわけなんでありまして、この点私は非常に奇異な感じを持つわけです。仕事がふえて、現在人員はいままでの仕事で手一ぱいであるというのであれば、これは当然増員しなければならぬと思う。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/18
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019・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 たいへん残念でございますが、仰せのとおりでございまして、仕事量は忙しくなる一方でございます。とりあえず私どもといたしましては、本省関係におきましては、中のやりくりでもって二名程度増員をし、実際上港政課の仕事量に対応するように人をやりくりいたします。地方におきましては、おのおの海運局の持ちごまの中から融通し合ってこの仕事をやっていっているわけでありまして、御指摘のように来年度においてはぜひ増員高いうものを実現させて、もっと仕事が整然と行なわれるようにしなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/19
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020・内海清
○内海(清)委員 これはことばを返すようですけれども、現在人員でやれるなら来年度も増員する必要はないわけなんですね。現在人員でやっていて、もちろん仕事も適当に、人員に合うような仕事をやっていって、ほんとうに今度のこの法の改正の趣旨が生かされるようなことが行なわれるのなら、これは別です。現在人員でやれるというなら、来年増員の必要はないと私は思うのです。しかも本省におきましても、四名の希望に対して二名何とかやりくりしよう、そうしたら二名でもできるということなんですね、四名増員しなくても。どうもそこらの御説明が首尾一貫せぬように思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/20
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021・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 どうもおっしゃられるとおりなんでございますが、私どもは実際にやらなければならない仕事をやっていくにいたしましても、たとえば中小企業近代化促進法の対象になりまして、近代化計画というものをつくらなければならぬわけでございますが、この人間でやっていけば、私どもが当初予定しておったようなスケジュールではできなくなる。したがっておくれていく。それから港湾運送部会にいろいろな問題を私どもが審議願うにいたしましても、やはり所定のスピードでもって提案をしていくわけにいかない、こういうようなことで仕事のおくれというものは、いかに努力してもやむを得ない点が出てくるのではないか、そういうものにつきましては、来年の増員によって回復をしていきたい、こういう趣旨で申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/21
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022・内海清
○内海(清)委員 現実に人がふえぬのだから、局長の言われるのも無理からぬと思うのでありますけれども、それではせっかく法を改正しても、それが十分生かされぬということになるわけです。そういう点につきましては、現在やっておられる人、これに一そう御苦労願うよりほかに手はないと思いますが、こういう点についてはもっと当局は強くなるべきだと私は思うのです。せっかく法が改正されても、それが十分に生かされぬというのでは、これは意味がないわけなんです。こういうことは役所の人の問題についてはきわめて多いのでありますけれども、法だけ改正して自然によくなるならこれはけっこうです。そういうことには相ならぬと思う。でありますから、この点につきましては、いずれ人員増の問題は来年度の問題になりましょうけれども、もっと当局は強くなっていただかなければならぬと思うのです。この点、これも要望になりますけれども、来年度はぜひとも実現するようにやっていただきたいと思います。
私のお尋ねしたいことは大体終わりましたが、今度のこの法の改正から見まして、やはり全体的に見て一番ポイントは労働力の需給関係というものがこの法の施行の決定的な要因になる、かように考えております。そういう意味から重ねてお尋ねしておきますが、正常な労働力の確保ができるという確信をお持ちであるかどうか、この点につきましてお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/22
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023・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 御指摘のように、港湾労働等対策審議会の答申も、港湾労働者の確保と港湾運送事業の近代化という二本の柱を強く要望しておるわけでございまして、港湾労働者の確保につきましては、昨年成立いたしました港湾労働法がこの七月から全面的に施行を見ることになったわけであります。しかし、私どもはそれだけでこの問題が解決されるとは思いませんで、やはり今回の法律改正の趣旨をわれわれが強力に推し進めることによりまして、港湾運送事業の近代化とその力をつける、こういうことによって労働者を確保することにつとめるべきではないかと思います。それによって初めて、答申の趣旨というものが実現されるものと確信するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/23
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024・内海清
○内海(清)委員 最後に、これは要望になると思いますけれども、いまのわが国の非常に発展しつつある貿易の状況、したがって、海運の非常な発展ぶり、ことに船が大型化してくるというふうな見通しに立ちますと、この港湾施設の近代化、合理化はもちろんでありますけれども、港湾運送の円滑化、これがきわめて重要になってくると思います。しかし、この面が今日わが国におきましてはかなりおくれておる、これは申し上げて差しつかえないと思うのであります。したがって、これをさらにスピードアップしなければならぬ、かように考えるのであります。これら総合的な立場に立ちましてのお考え方、これは大臣来られましたから、大臣にむしろお考えをお聞きしたがいいと思います。それに対しまするお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/24
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025・佐藤肇
○佐藤(肇)政府委員 大臣がお話しになる前に私から申させていただきます。
この問題は、一番最初先生が御指摘になった点でございまして、五カ年計画というものが四十年度から発足いたしておりますが、これの進捗をはかることによって、施設を早く近代化していくということが第一だと思います。それから次に、この運送事業そのものが集約されて、近代的なものとして円滑に動くように、さらに、後方の道路輸送その他につきましては、次々と新しい事態が出てまいりますので、私どもがそれに絶えず目を配って、海陸輸送というものが真に調整されて円滑にいくように、絶えざる努力をしていかなければならないと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/25
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026・内海清
○内海(清)委員 これは五カ年計画の面から見ましても、これで十分とは言えぬと思う。片一方の貿易の面なり海運の面なりは、五カ年間決してストップしていない。ますますこれは増大してくるわけです。したがって、そういう面から申しますならば、この五カ年計画におきましてもできるだけ、ことに重点的に早くこれを施策して、そしてこの海陸の接点である港湾の整備ということがわが国の産業経済のきわめて重要なポイントになると思うので、この点につきましては、今後ひとつ十分お考えいただいて、ただ個々のこういう法案がだんだんと改められていくことによってのみではいけないのであって、やはり総合的な施策が一番必要になってくると思うのであります。これにつきまして重ねて大臣の御所見をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/26
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027・中村寅太
○中村(寅)国務大臣 港湾運送事業の近代化、合理化、これは内海委員が指摘をせられますように、非常に喫緊を要する事態であると政府としても承知いたしておりまして、五カ年計画によって一歩一歩その目的を達していきたい、こういう態勢で現在進めつつあるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/27
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028・内海清
○内海(清)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/28
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029・古川丈吉
○古川委員長 本案に対して砂田重民君外二名より修正案が提出されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/29
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030・古川丈吉
○古川委員長 修正案はお手元に配付してあるとおりであります。
これより修正案について提出者より趣旨の説明を求めます。砂田重民君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/30
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031・砂田重民
○砂田委員 私は港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対しまして、修正の動議を提出いたします。
修正案文はお手元に配付してございますので省略さしていただきまして、要点のみを申し上げます。
修正の第一点は、本港湾運送事業法改正案におきましては、新たに港湾運送関連事業を取り上げて、法規制の対象としておりますことは、港湾運送行政の一大進展と考えますが、その関連事業の中に貨物の船積みのためにする船倉内の清掃を業とする事業が除外されておりますので、この船倉内の清掃業を追加しようとするのが第一点であります。
第二点は、本改正案では料金につきましては何らの規制もなく自由料金となっておりますが、料金が単なる名目で実際とはきわめてかけ離れ、不適正である場合においても政府は何らこれに介入の余地がないようになっております。この点、本改正案の一つの欠陥と考えますので、ここに料金を届け出制にしようとするものであります。
その理由を簡単に申し上げますが、貨物船積みのためにする船倉内の清掃作業は、本来の港湾運送事業であります船内荷役作業と不可分一体の作業であります。貨物積み込みの直前に、あるいは貨物揚げ切りの直後に必ず行なわなければなりません。船倉内という特殊な危険を伴う場所で作業をしなければならない。きわめて短い限られた時間内にその作業を完了する必要もあります。また、いろいろな貨物を積み込みますために、積み荷の損傷、変質を来たす危険が多いのでありまして、船倉内の清掃作業は厳重にこれを行なって、その完了の際には必ず乗組み士官の検査を受け、特に危険品などの積み込みの直前には、港湾運送事業法第三条第七号に掲げる事業に従事する鑑定人の検査を受けなければなりません。
こういったきわめて重要性を持っております船倉内の清掃事業でありますので、港湾運送事業の合理化近代化を目途といたします本法改正の趣意よりいたしまして、法規制の対象に当然入れるべきもの、かように考える次第でございます。
第二の修正点の理由といたしましては、港湾運送関連事業を港湾運送事業法の対象に今回取り上げましたのは、港湾運送事業と不可分の関係にあって、きわめて重要性を持った事業として、その健全な発展を促し、港湾運送における適正な役割りを果たさすためであると考えます。したがって、港湾運送関連事業の料金もまた、適正にして、かつ完全に順守されておるかいないかは、最も重要な事項であると考えるからであります。
以上、述べましたとおりの理由によりまして、本改正法案は冒頭に述べました修正が適切であると考えますので、御賛同あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/31
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032・古川丈吉
○古川委員長 次会は、明後二十日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後三時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105103830X03319660518/32
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