1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月十七日(木曜日)
午前十時六分開議
出席委員
建設委員会
委員長 田村 元君
理事 井原 岸高君 理事 小金 義照君
理事 丹羽喬四郎君 理事 廣瀬 正雄君
理事 松澤 雄藏君 理事 川村 継義君
理事 下平 正一君
逢澤 寛君 稻村左近四郎君
木部 佳昭君 佐藤 孝行君
湊 徹郎君 山本 幸雄君
渡辺 栄一君 井谷 正吉君
石田 宥全君 佐野 憲治君
三木 喜夫君 稲富 稜人君
山下 榮二君
地方行政委員会
委員長 岡崎 英城君
理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君
理事 渡海元三郎君 理事 和爾俊二郎君
理事 秋山 徳雄君 理事 華山 親義君
理事 細谷 治嘉君
亀山 孝一君 纐纈 彌三君
登坂重次郎君 藤田 義光君
山崎 巖君 島上善五郎君
門司 亮君
出席国務大臣
建 設 大 臣 瀬戸山三男君
国 務 大 臣 永山 忠則君
出席政府委員
警 視 監
(警察庁交通局
長) 内海 倫君
建設政務次官 谷垣 專一君
建 設 技 官
(道路局長) 尾之内由紀夫君
自治事務官
(財政局長) 柴田 護君
委員外の出席者
警 視 長
(警察庁交通局
交通指導課長) 広山 紫朗君
専 門 員 熊本 政晴君
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本日の会議に付した案件
交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案
(内閣提出第五八号)
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〔田村建設委員長、委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/0
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001・田村元
○田村委員長 これより建設委員会地方行政委員会連合審査会を開きます。
先例により、私が委員長の職務を行ないます。
交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案を議題とし、審査を進めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/1
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002・田村元
○田村委員長 本案の趣旨説明については、お手元の配付資料をもって御了承願うことにいたします。
質疑の通告がありますので、これを許します。細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/2
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003・細谷治嘉
○細谷委員 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案というのが、建設省と国家公安委員会の共管という形で提案されたわけであります。今日、交通戦争といわれる時期に、こういう整備事業をやることはたいへんけっこうなことだと思うのでありますが、私は、まず共管だけに、その間に割れ目が起こりはせぬか、縦割り行政の弊というのが起こるのではないかという気がいたします。端的に申しますと、道路管理者というものと交通管理に当たる警察庁との間に割れ目が起こらないようにしなければならぬ。そのためには、それなりに、この法律の中でも、そういうことが十分配慮されて描かれなければならないと思うのでありますが、まずこの点についてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/3
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004・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 交通行政は、御承知のとおり、交通の基礎であります道路の建設整備、これは主として建設省が管轄いたしております。ただ、その実際の交通安全その他交通取り締まり等は警察、公安委員会が扱っておる、こういう状態でありまして、道路を建設し、あるいは道路に付帯する歩道、歩道橋、ガードレール、それから道路の交通の、何と申しましょうか、順序をよくするというような施設は、道路管理者がやるわけでありますが、そのほか信号灯あるいは道路標識等、交通運行の面から見ますると、交通取り締まりその他の安全を期するために、公安委員会が、あるいは警察が担当する、御承知のように、こういうふうな二本立てになっております。従来ともこの点は協議をしながらやってきておるわけでありますが、そういう意味で、交通安全施設についてはおのおの州調和と申しますか、ミックスしていくことが一番大事であります。そういう意味でこの措置法も、両方で協議をいたしまして、しかも、どういう点にこういう施設をし、安全をはかるかということも、こまかく細部にわたって検討して、この案を立てたわけであります。したがって、将来といえども、そういう考え方といいますか、立場でやっていかなければならぬことでありますから、こまかい点については専門家からお答えいたしますが、私どもは、そういう懸念はない、非常にこれはうまくいっておるあり方だ、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/4
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005・細谷治嘉
○細谷委員 むろん十分な協議をしていかなければならないわけでありますけれども、一例を申し上げますと、私は、今日のこういう時期においては、たとえば第二条三項の一号にございます信号機、こういうものは、今日の実情からいきますと、もう道路施設の一部なんだ、こういう考えに立つべきではないか、こう思っております。外国の例も、たとえば今日の現時点における交通事情に適応するような施設を備えつけたものが初めて道路、こういうことになるのでありまして、未完成な危険性のある道路というのは、舗装しただけで道路というわけにいかぬのでありますから、そういうものはやはり交通管理という面からこれを使わせない、これくらいのことでいかなければならぬのじゃないか。これを見ますと、従来は信号機というのは警察庁のほうの予算を通じてやっておったわけでありますが、私は、そういう意味において信号機、それから道路管理者のやるべき二号に書いてあるような問題、こういう問題は、今日の完成した道路という意味においては、道路管理者が道路築造の一要素としてやることが妥当ではないかと思うのであります。これは建設大臣の御所感もお聞きしたいのでありますが、国家公安委員会の関係でございますこの一号の問題について、警察庁当局はどうお考えなのか、具体的にお答え願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/5
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006・内海倫
○内海政府委員 信号機の設置に関しまする所管が、本来道路の付属物として道路管理者の所管にするのが適当なのではないかという御意見、確かに御意見のような考え方も必要であろうとは存じますが、在来の状況並びに現状、さらに将来を考えまして、信号機の機能あるいは今後の信号機を活用していく観点から考えてまいりますと、もともと信号機は、交通事情の状況に対応いたしまして、これが信号機をもって交通整理をする必要があるかどうか、さらにどういう時間のサイクルをもってこれを運用するのがいいかどうかというふうな問題、さらにどこにそういうものを設置することが、最も交通事故防止に、あるいは交通の円滑化というものに役立つかというふうな観点から、これを設置し、かつ管理していく必要のきわめて大きいものと考えます。そういうふうな観点から見てまいりますと、そういう実情を絶えず見ており、かつまたそういう実情の改善に最も努力をいたしておる行政機関である警察そのものが、これを設置し、維持管理していくことが適当ではないか、こういうふうな観点から、道路交通法に、信号機の設置並びに維持管理のことが、都道府県公安委員会の所管として定められたものと私どもは考えております。
さればと申しまして、さらに将来の問題を考えますならば、新しく道路をつくる場合におきまして、こういうふうな状態の交差点においては、前もって信号機を設置しておくというふうな考慮もあってしかるべきであろうと思います。そういう観点だけから申しますれば、道路管理者が信号機を設置するということも意味のないことではないと思いまするので、この点につきましては、なお十分考える余地はあろうと思いますけれども、私ども、現在におきまする信号機の問題については、そういうふうな考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/6
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007・細谷治嘉
○細谷委員 私の考えをまっこうから否定なさっておりませんけれども、ずばり申し上げますと、最近は交通工学ということばもありまして、道路の交通状況によって総合的に道路の設計なりあるいは付属施設とかをきめられるようになって、やはり一元的にやらなければならぬというのが私は一番大切な基本であろうと思うのです。今日の実情は、残念ながら、道路をつくった、そうして交通事故という点からいきますと、不完全な道路を、人力によって、警察の人の手によって、できるだけ交通事故を減らそう、こういうことで努力しております。一向に減らないのであります。警察庁交通局がまめとました今年の一月と二月の統計を見ましても、ふえておるのであります。ですから、私はこの際、抜本的に対策を改めて、完全な道路でなければ走らさないんだ、完全な道路になるように、交通事故が起こらない施設を備えたのをもやらない限りは、道路管理者がやらない限りは、交通管理に当たっておる警察庁は使わせないんだ、これくらいの態度でいかなければ、私は、事故を防ぐことはできないんじゃないか、減らすことはできないんだと思う。そういうことで、信号については、いまおことばを聞きますと、とにかく交通の事情が変わってくるから、それに対応して交通管理をしておる警察庁が握っておったほうがいいんだ、設置したほうがいいんだ、こういうところまで議論が出ております。これは誤りだと思う。そういう問題は、いわゆる交通工学とやらで、総合的に、一元的に建設省なら建設省が当たって、道路管理者が当たって、それが完ぺきであるかどうかというのを、常に交通管理に当たる警察庁がチェックしていく、そうして起こったらば、これは警察庁の責任、交通管理者の責任、設備の不十分で起こったならば、これはやはり道路管理者の責任、こういう形でやることがよろしいのではないか、こう思うのであります。重ねてでありますけれども、道路交通管理に当たっておる警察庁と——これは建設大臣、私が建設大臣の範囲を広げるようなことを言っておりますから、なかなかお答えにくいと思うのでありますが、ひとつずばりとした回答をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/7
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008・内海倫
○内海政府委員 先ほども申しましたように、決して御意見を全面的に否定しておるものではございません。やはりそういうふうなお考えの出る諸条件というものが、日本の交通の実態にはあろうと思います。そういう意味におきましては、私どもは、在来も建設省ときわめて緊密な連絡をとりながら研究もし、また信号機の設置等にあたりましても、決して一方的な立場でなく、十分道路管理者と話し合いもして設置をしてきておるわけであります。ただ現状の問題を見てみますと、されば完ぺきな道路でなければ車を通すことができないということは、なかなか困難でございます。やはり相当不完全な道路でありましても、車を通さざるを得ない。今度の措置法によりましてずいぶん改善はされると存じますけれども、既設の道路の現状から見ますと、やはり現状を常に把握し、また変化する状態に常に対応しながら仕事を進めております警察が、必要に応じて信号機の設置を考え、あるいはその管理のしかたを考えていくということが、現状におきましては私は最も実情に合ったものではないか、またそういう現状を常に最も的確に把握しておる、しかも時々刻々それを把握しておるという組織としましては、やはり現状におきましては警察ではなかろうか、かようにも考えております。そういう意味におきまして、将来の問題といたしましてはなおいろいろ考える余地はあろうかと存じますが、現状のような状態が続きます限りにおきましては、道路管理者あるいは建設省と十分に緊密な連携を保ちながら、その間何らそごすることのない体制を維持しつつ、そういう措置については道路交通法に基づいて都道府県公安委員会が行なうのが適当ではないか、こういうふうな考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/8
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009・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 現状においては、いま警察庁からお答えになったことと私も同じです。しかし、これは基本的に考えますと、やはり私は細谷さんのような考え方であるのが正しいのじゃないかと思っております。外国の事例全部私は知りませんけれども、国によってやはりいろいろあるようであります。道路というものは安全にスピーディに交通ができる、その体制をつくるのが道路の建設であり、道路の管理であろうと思います。かごで行ったり、馬で行ったり、あるいは馬車で行ったりするときには、それに応じてよかったわけでありますが、自動車の時代になりますと、運行者も交通者も安全にいけるようにつくりあげていくのが、理論的には私は道路管理者の責任であろうと思います。したがって、これは小分けをしておりませんで、歩道であるとか、立体交差であるとか、ガードレールであるとか、あるいは交差するところは信号が要りますから信号、安全を保つためには道路の観点からそういうところまで一貫してやるのが私は理想的じゃないかと思っております。これはもとの内務省でありますと警察も道路も同じ役所でやっておった。これはやはりそういう仕事を分解されておるところに、こういう問題が起こってきておると思います。したがって、現状では、先ほども申しましたように、いまも御説明がありましたが、よく調和をとってやるという態勢でありますが、基本的には私は将来はそこまで考える必要があるのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/9
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010・細谷治嘉
○細谷委員 いま建設大臣のおことばでは、やはり道路というのは現在の交通事情に適応した形で道路を築造していく、完成した形で責任を持って一元的にやっていく、こういう原則的な考えに立っていらっしゃるようでありますので、ひとつこの問題はなわ張りという問題じゃなくて、今日の交通戦争というものをどうして解決するかという最も高い立場に立って、ひとつなわ張り根性を改めていただいて、そういう線で交通事故というものをなくするように、せっかくの法律案ができたことでありますから、やっていただきたいということを強く要望したいと思うのです。
これは委員長にお願いしたいのでありますが、ひとつ委員会等で御検討いただいて、この法案に対する附帯決議等もつけていただきたいということを、委員長の配慮をお願いしておきたいと思います。
次に、大臣時間がないようでありますし、大臣の時間に門司委員もぜひということでありますから、大臣のいらっしゃる間に、もう一点だけ大臣にお尋ねしておきたいと思います。
第三条で、今度のこの緊急措置法案は四十一、四十二、四十三年の三カ年計画ということで施設の整備事業を行なうわけでありますが、この法四条に基づく三カ年計画の概要をひとつ御説明いただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/10
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011・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 こまかい点については道路局長等からお答えいたします。
これは御承知のとおり緊急という名前をつけておりますが、現在本格的な改良、新設等をしております道路は、現在の自動車交通に応ずる体制の道路をつくっておるわけであります。ところが、従前のまだ改良が伴わない道路、あるいは改良はしたけれども、まだ今日の状態に至らなかった時代に改良した道路、こういう点が、歩道もないし、跨線橋もないし、ガードレールもない、信号も不足だ、しかも非常に急速に交通が発達した、こういうものに応じ切れない。しかも御承知のとおり、非常に貴重な人命を損じ、あるいは障害を生じ、事故を起こす。これに対しても従来努力をしてきておりましたが、ただ努力をするというような安易な考え方では間に合わない、こういうことで、そういう個所を全国的に警察庁、公安委員会等と共同で調べまして、それを積み上げて、とにかく先ほど来お話しのように、いわゆる近代的ないまの交通事情に応ずる道路につくり上げるということは、言うべくしてそう簡単じゃありませんので、そういう交通安全の問題からだけでも取り上げて緊急に整備する必要がある、こういうことが今度の計画であります。これは計画してやればいいようなものでありますけれども、やはり国として法律上義務づけて積極的にやろうじゃないか、これが今度の計画でありまして、こまかい点はあとで御説明申し上げますが、そういう個所が相当ありまして、三カ年で少なくとも六百何十億かかる。これは警察庁と両方の分でありますが、それで計画的に三カ年でやろうじゃないか、四十一年度は初年度でありますから、事業費にいたしまして百二、三十億でありますけれども、これをどうしても計画的にやる、こういうことが今度のこの法案のねらいであります。もちろん三カ年いたしましても、まだまだいま申し上げました現在調査いたしましたもの以外に、交通事情はますますひんぱんになってくると思いますから、またさらにやるべきところが出てくると思いますが、現在早急にやるべきところは六百四十七億程度の事業費が必要である、こういう計画を立てておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/11
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012・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 交通安全施設等整備事業三カ年計画の内容でございますが、これは第四条の三項にございますように、「三箇年間に行なうべき交通安全施設等整備事業の実施の目標」並びに「三箇年間に行なうべき交通安全施設等整備事業の量」この二項目を定めることになっております。全体といたしまして、事業の規模は、ただいま大臣からお話のございましたように、三カ年で六百四十七億を予定いたしておりますが、そのうち道路管理者が行ないます分がおおむね六百三億、四十四億が国家公安委員会で実施すべき分、かようなふうに考えております。
そこで、先ほど申しました四条にいっている実施の目標でございますが、この三カ年計画の目標といたしましては、交通事故を防止させるために施行すべき事業の重点及びその重点を達成するために必要な方法、そういうようなものを具体的に提起いたしたいということであります。書き方につきましては、いろいろただいま事務当局同士で相談いたしておりまして、まだ申し上げる段階に至っておりませんが、きわめて具体的に書いていきたい、かように考えております。
事業の量につきましては、先ほど申しました六百四十七億によってどれだけの交通安全施設等の設備ができるかということでございまして、ただいま検討いたしておりますことについて申し上げますと、道路種別におおむね何キロくらいの整備ができるかというようなことを具体的に書きたい、こんなふうに事務当局で検討いたしております。もちろん総体事業等につきましても、財政当局とも種々打ち合わせしなければなりませんが、そういうところを目標にいたしまして準備を進める。かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/12
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013・細谷治嘉
○細谷委員 大臣の時間がないから、大臣のいらっしゃる間に、三ヵ年計画、いまのお話では六百四十七億、うち建設省関係が六百三億、警察庁関係が四十四億と承っておる。そのうち今年度四十一年度に措置されたものは、百億と八億五千万でありますから、百九億程度でございます。いってみますと六分の一ということである。三カ年計画でありますから、残りは五百数十億円残っておる。来年度は三百億円近い、一年に二百五十億をこえる事業をやらなければいけないということになるわけでありまして、私は、来年度は、じゃ一体どういう数字なのか、再来年度はどういう数字なのか、こういう点も、三カ年計画という以上は、この四条に基づきまして公表されるわけでございますから、もうすでに腹案がおありだろうと思うのでありますが、これはまあ少し数字になりますし、時間もありませんから、後ほど詳しくお尋ねいたすことにいたしまして、地方の道路についてこれでは私は足らないと思うのです。今後、新しくできるものについては、完全な現在の交通事情に合うような施設をつくっていくということでありますけれども、この三ヵ年計画では、既往の道路の整備ということも、この六百五十億円弱では足らないと思うのでありますが、この三ヵ年が一応ここに消化した後において、これで十分だとお思いか。私は足らないと思うのでありますが、それについては、ひとつ大臣なり警察庁としてはどうお考えになっているか、これを聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/13
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014・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 このほかにいわゆる一般の道路整備は、できるだけ既存の道路の整備は進めます。これで終わりというわけじゃございません。いまおっしゃったように、私どももこれで全部が安全になるとはなかなか考えられない。いわゆる緊急にどうしてもやりたい、やらなければならない、こういう点を拾い上げていま申し上げたように計画を進めております。けれども、いま申し上げましたように、交通事情は、三カ年すると、また予想以上に膨張するといいますか、発展してくる、こうなりますから、三カ年で終われりということをここで考えることは私は間違いだろう。これはさらにまた緊急三カ年計画を延ばす必要がある事態を想定しなきゃならない、こういうふうに考えられるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/14
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015・田村元
○田村委員長 門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/15
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016・門司亮
○門司委員 私は、最初に、この法案が出された趣旨について、ひとつ建設大臣にお伺いしておきたいと思います。
特別のこういう法案を出さなければならないという社会情勢はわかるのであります。しかし、この法案を特に出さなければならなかったということについて、いささか私は疑問がある。それは御承知のように、現在の道路法の中に、たとえば三十条あるいは四十五条、四十八条というようなものをずっと見てまいりますと、こういうものは道路の定義の中にちゃんと入っている。そうして横断歩道、それからさくだとかいうようなものは、三十条には十一項目に分けて、道路というものはこういうものにすべきだということが書いてある。それを実施に移そうということが、大体道路法から考え、建設省の立場から考えれば、そういうことになるだろうと思います。しかしそれだけではぐあいが悪い。そこで、どうしてもそれの必要性のあるところについては、これを公安委員会に相談してこしらえよう、こういう趣旨だと私は実は受け取っております。後段の面については理解ができるのでありますが、道路法の三十条なりあるいは四十五条、八十五条というようなところを手入れをすれば、こういう特別の法律は要らなかったのではないか、かように考えるのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/16
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017・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 もちろん道路にはそういうことは当然必要なのですから、法律がなくてもできるわけです。先ほどもそのことを申しました。道路がなくても計画的にやればいいのではないか、これは私もよくわかります。しかし、それだけの、気持ち的にやるということではなかなか進まない。国家の意思として緊急に整備する、国会で法律をつくってまでも、しかも計画を立ててそれを着実にやりたい、こういう情熱のあらわれだ、これを理解願いたいと思う。何もこういう法律をつくらなくても、計画して財政措置を講じてやればいいのではないか、これもそうだと思いますけれども、御承知のとおり、たとえば道路五カ年計画、あるいは住宅のほうでもいろいろ法律をつくっておりますが、法律をつくらぬでも家はできるのではないか、こう言えばこう言えるわけでありますけれども、やはり国会の意思として、政府といいますか、義務を負わしてこれを着実にやる、こういう強い姿勢をもってやりたい、これだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/17
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018・門司亮
○門司委員 いま大臣の説明を承ったのですけれども、私の感じとしては、さっき申し上げましたように、道路法の中にちゃんと書いてあることであって、その道路法の中に書いてあることを忠実に実行していけば、いまのような状態にならなかったのではないか。だから、結局政府が法に基づいて行なわなかった怠慢をこういう法律でカバーしようという考え方にもし立たれておるとするならば、私は非常に残念であって、この法律自体をもう少し角度の変わった方面から見なければならないと考えられるので、実はいまのような御質問を申し上げたわけであります。道路法の中には、ちゃんと横断歩道からすべての標識、あるいは見通しのきくようにというようなところまで十一項目に分けて列記してある。この列記してあることを十分行なわれないで、そうして今日の状態になったからさあたいへんだということで、公安委員会と相談をするということ。
私は、この法律でもう一つ大臣にお聞きしておきたいと思いますことは、この法律の中には費用の負担区分ということが書いてあります。私は、道路法のたてまえからいけば、国道については当然国が全額を負担しなければならないようになると考えておる。維持管理者である都道府県知事あるいはこの指定地というようなところに費用の半分を負担させるということも、この道路法の考え方からくればあまり感心したものではないように考えられる。したがって、国道という一つの定義の中から生まれてくる施設としては、当然費用は国が負担すべきものだと解釈することのほうが私は正しいと思う。これに対する建設大臣の御意見を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/18
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019・瀬戸山三男
○瀬戸山国務大臣 第一点の、道路法に規定してあるからこれでやればいいのじゃないかという点については、先ほど申し上げましたが、ただ道路法にはもちろんそういうように書いてあります。しかし、その道路法に基づく道路を全国的に計画的にいまやりつつあるわけでありますけれども、これはなかなか時間がかかります。それに応じておらない道路が御承知のようにたくさんあります。そういうところを緊急にこの法律によって、まず交通事故の防止に当たろうじゃないかという新たな考え方といいますか、それに基づいてこの立法をいたしたい。もちろん道路法に基づく道路が完全にでき上がりますと、こういうことは要らないわけでありますけれども、そこまでいかないでおるのがたくさんありますから、そういう点をこれでカバーしょう、こういうことであります。
それから政府の考え方としては、先ほど申し上げましたような意味を含めておる、こういうことであります。
それから負担の問題、こまかい点については道路局長から申し上げますが、これはいわゆる国道その他に負担区分が出ておりますけれども、ここに列挙しております各種の施設は、道路法上の道路を構築する負担区分とはやはり違っておりますので、そういう点を勘案してこの法律案のような取り扱いをした、こういう事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/19
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020・細谷治嘉
○細谷委員 先ほど建設大臣のお答えによりますと、この三カ年計画ではなお足らないのだ。ですから、これを完全に消化した後には、さらに第二次と申しますか、そういうものが当然必要なんだ、こういうお答えを得たのでありますが、ひとつそれでは現状に照らして、現在の交通事情に照らしまして、これならばというところまでやるには、この法案に基づいて建設省なりあるいは警察庁では大体どのくらいの規模の予算が必要なのか、事業の量はどの程度なのか、この辺おわかりになったらひとつ教えていただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/20
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021・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 たいへん大まかな調べに基づくもので恐縮でございますが、私どもと警察庁のほうで大体試算いたしました際に、まあこのくらい必要であろうという数字を出したわけであります。大体千億くらいであろうという数字を出しております。ところが、さしあたり非常に事故の多い、事故多発路線といいますか、そういうものをさらにその中からしぼってみますと、おおむね六百億くらいになる、こういう推算をしたわけです。そこで緊急にそれらは措置すべきである、こういう観点に立ちまして、三カ年でも長いかもわかりませんが、せめて三カ年くらいの間に緊急に措置すべきところだけはやりたいということで、この法案を御提案申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/21
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022・細谷治嘉
○細谷委員 大体千億くらいと見積もった、しかしその中で緊急なものとして六百五十億程度を拾い上げたんだ、こういうお答えでありますが、ことしの一月、二月の警察庁の交通事故月報というのを見てみますと、必ずしも事故は固定しておりませんで、流動的といいますか、去年はここが多かったと思ったところが、今度は一月、二月になりますとこの地域がふえてきておる、こういう状況なんですね。したがって、いまのおことばから察しますと、私は、どうもやはり現状においても、もう一度くらい同じ規模くらいの緊急措置をやらなければならぬのではないかという感じを受けたわけです。警察庁のほうもやはり同じようなことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/22
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023・内海倫
○内海政府委員 私どものほうも建設省と密接に協議いたし共同で検討いたしましたので、その考え方においては同様でございます。ただ、ただいまの御意見の中にありましたように、交通事情の変化というものは決して小さく固定するものではなく、かなり大幅に動く可能性もございますので、将来を考えました場合、今日考えておるものがそのまま妥当するかどうかということにつきましては、やはり一がいに断定することは困難と存じます。しかし、現状におきまして相当程度の見通しを立てたたてまえからは、一応先ほど建設省の道路局長から答弁申しましたような考え方に立って、計画を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/23
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024・細谷治嘉
○細谷委員 先ほど門司委員から道路法との関係が質問されております。私もその点思っておりましたが、すでに出ておりますから、この点は申し上げませんけれども、これについて一点お尋ねしたい点は、この四条等で、三カ年計画というものができますと公表をする、あるいは建設省令なり総理府令というものが出されるわけであります。実施計画、こういうものもできてくるわけでありますが、これができ上がるのはいつごろの御予定か、それだけお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/24
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025・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 ただいま、この法案が成立するというようなことを予想いたしまして、各地方に対していろいろ資料をとっておりまして、この法案成立後はすみやかに計画をきめ、実施計画そのものもきめていきたい、かように考えておりますが、大体時期といたしましては六月前後になろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/25
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026・細谷治嘉
○細谷委員 次にお尋ねいたしたい点は、第七条に「費用の負担又は補助の特例」、こういう点が規定されておりますが、道路管理者についての規定だけで、都道府県公案委員会は、この法律案によりますと、明らかにこの第二条三項一号に基づく仕事を持っておるわけですね。これもやはり設置に関する事業を持っておるわけなんです。これについての費用の負担または補助の特例についての規定というのがはっきりしてないのですが、これはどういうことなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/26
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027・内海倫
○内海政府委員 公安委員会のなににつきましては、いま仰せのように、信号機の設置あるいは道路標識、道路標示等の設置の事業は在来もこれを行なってきておるわけでありまして、これにつきましては、警察法に定められるところによりまして、一応二分の一都道府県負担ということが定められておりますので、今回のこの措置法の場合におきましても、公安委員会側の経費の措置につきましては、特にこの法律をもって規定することなく、警察法の規定に基づいて都道府県の二分の一負担という方針でいく、こういうふうにいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/27
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028・細谷治嘉
○細谷委員 先ほども道路法と緊急措置法の関係について門司委員から御質問があって、建設大臣の答弁があったのですね。当然道路法に基づいてやっておけば、こんなことは必要なかった。そうでしょう。ところが、それが行なわれておりませんから、地方の道路についてこういう緊急措置によって交通安全施設を整備していこう、こういうことになったわけでありますから、道路管理者に対する費用の負担または補助の特例というのを書く以上は、一つの柱であります都道府県の公安委員会が行なう施設についても、当然この中へ規定すべきじゃないかと思うのです。それを警察法でやるというのは私は解せない。道路法との関係は同じでしょう。やっておかなければいかぬことだったのでしょう。この問題についてはさらに具体的にお尋ねいたしますけれども、いまの答弁では私は納得できません。なぜこれを書かなかったか。具体的にあとで聞きますけれども、この負担の問題については、ずいぶん大きな問題があるわけなんです。それを書かないということは、どうも警察権力という形で地方団体に押しつけていく、こういうことが起こるのではないかと私は心配しておる。なぜ書かなかったか、私は理解できない。大臣ひとつ答弁してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/28
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029・永山忠則
○永山国務大臣 これはいま局長が申しましたように、警察法でございますので、この補助率等があらためて変わるわけでもございませんので、そのままになっておると考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/29
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030・細谷治嘉
○細谷委員 大臣の答弁も聞いて、私はますます納得いかない。これは書くべきですよ。ですから、私は冒頭、道路の管理者というものと交通の管理者というものは明確に区分して、おのおの責任が全うできるような体制にすべきだということを主張したのでありますが、それがますます痛感されるわけなんです。
そこで、念のためにその問題についてお尋ねしたいのでありますが、道路の信号であります。昨年も私は委員会でこの問題について御質問したところが、四十年度から四カ年計画でおおよそ五千個程度の信号機をつくるんだ、こういうことをお害えいただいたのでありますが、それとこの三カ年計画とはどういう関係になりますか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/30
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031・内海倫
○内海政府委員 この前に答弁いたしておりますのは、在来私どもの計画に基づきまして信号機を設置いたしてまいりましたが、特に昨年度から損保関係の資金を原資といたしまして地方起債をお願いすることにいたしました。それによりまして、現在一応私どもが予定いたしております二十五億円の起債をもって信号機を設置する、これは四年計画で実施する、こういう考えでございます。これと今回の緊急措置法によります三カ年計画との関係につきましては、すでに法律でも明らかにいたしておりますように、指定されました路線についてはこの三カ年計画による措置をとるわけでございますが、同時に道路が新設され、さらにまた改築されるというふうなものもございますし、またこの指定路線に漏れる、しかしながら都道府県単位で考えてまいりますと、さらに信号機を設置しなければならない個所もあると思いますし、とりわけたとえば小学校あるいは中学校の付近あるいは病院等の付近、そういうような必ずしも指定路線には組み入れられることがないかもしれないが、信号機の設置を必要とする個所も相当ございますので、そういうものを四カ年計画によって実現をしていく、こういうふうな考え方で臨んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/31
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032・細谷治嘉
○細谷委員 四十年から四十三年までの四カ年間ということで、五千個最小限整備するという計画が昨年出たわけでございます。それとこれとは必ずしも一致していないようであります。
それではお尋ねいたしますが、四十年度は信号機関係にどの程度の経費をつぎ込んでいらっしゃるか。補助額でもけっこうであり、あるいは事業費でもけっこうでございます。それから四十一年度はどういう予算の内容になっておるのか、これをお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/32
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033・内海倫
○内海政府委員 昭和四十年度の予算について申し上げますと、これは定周期信号機と申しておりますが、通常ごらんいただくような信号機でございます。これが五百基、三億でございます。それから自動感応系統式信号機、これが三セットでございます。五千百二十七が三千円。これが一応昭和四十年度におきます予算額でございます。さらに四十一年度の予算額について申し上げますと、この緊急措置法に基づきます三年計画内の事業量といたしまして、信号機は、先ほど申しました定周期信号機は四百基、二億四千万。さらに歩行者用信号機三百八十三基、一億六千五百余万円。自動感応系統式信号機二セット、五千七百万円。これが三カ年計画内の事業量として考え、さらに三カ年計画外事業量といたしまして、定周期信号機百華、六千万円。歩行者用の信号機二十基、八百六十四万円、こういうふうな計上をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/33
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034・細谷治嘉
○細谷委員 ことしは、予算書を見ますと、約五億五千万円程度の数字が組まれておるようでありますから、いまのお答えによりますと、この緊急措置の分がおおよそ四億五千万、残りが大体この緊急措置外と、こういうふうに考えられるのでありますが、四十年度は私は一億八千万円なんだ、こういうふうに聞いておったのであります。いまお聞きいたしますと、おおよそ三億五千万円程度をつぎ込んでおるようでありますが、私が一年前に聞いた数字と違いますので、これをちょっと解明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/34
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035・広山紫朗
○広山説明員 四十年度の事業費は、先ほど局長が説明いたしましたとおり、定周期信号機は三億、自動感応系統式信号機は五千百万、こういう事業費を見込んだわけでございます。したがいまして、補助の額でまいりますと一億八千万円、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/35
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036・細谷治嘉
○細谷委員 事業費で言っておったのですね。そうすると一億八千万程度だ、こういうことですね。
大臣、一億八千万ということについて私は異議がある。昨年の五月十八日に、この問題について私は当時の吉武国務大臣に質問をいたした。質問をいたした際に、こういうことで大体五千個、四カ年計画ということになれば一年に千二百個程度の信号機をつくらなければいかぬじゃないか、計画では大体八百個ぐらいしかつくらない、これでは年度の初めにおいて計画はこわれているじゃないか、これではいかぬから、どうして四カ年計画を実現するのかと言った際に、こういう答弁をいただいているのです。「御趣旨の点に沿うて努力をいたします」、これは速記録です。文章ではこう書いてありますけれども、当時は与党の理事の方も集まって、大臣と協議した結果、この文章が出たのですよ。「御趣旨の点に沿うて努力をいたします。」やってないじゃないですか。はっきりしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/36
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037・永山忠則
○永山国務大臣 信号機の昭和四十年度の設置計画は、起債を含めて千百六十基ということになっております。それでこれは実現をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/37
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038・細谷治嘉
○細谷委員 私は、永山大臣に速記録を読むのは苦手なんです。永山大臣を目の前に見ますと、大臣の人柄から、速記録を広げて、こう言ったじゃないかという気が起こらない。しかし、遺憾ながら、この問題については私は速記録を準備してきた。これは永山大臣の答弁ではありませんけれども、やってないのですよ。一億八千万円でございます。と私には非公式には——ここでは言いませんけれども、非公式に、計画に沿うようにという話が大体においてあって、こういう答弁になったと私は理解している。やってないのですよ。これは私は残念でしょうがないし、これではとうてい理解できない。いま大臣のお話しの起債の問題については、大臣は当時御存じないと思うのでありますが、警察庁はこう考えたのです。二十五億円という話でありますけれども、大体において、ことしは五億円程度損保の資金が入った。従来は補助を出しておった。補助を出したところには地元負担というのが起こってまいりますから、これは負担の一助として起債を認めてきたんだ、ところが四カ年計画を推進するためには、補助をつけたところには今度からは起債をつけません、それによって卒業を伸ばすのだ、こういうことでありましたから、それは警察庁の方針であって、今日の地方の財政事情ということを無視したやり方ではないか。いままでは、補助をつけたところに二分の一の地方負担が起こってきましたから、実際には超過負担が二分の一以上なんですよ。ですから、それに対してやはり起債を見てやらなければ、今日の地方財政の実態からいってだめじゃないですか。ですから、補助をつけたときには、従来の慣例に基づいて起債も見てあげなさい。そうなってまいりますと、事業が伸びませんから、ひとつ何とか補助を考えてもらわにゃいかぬということになって、こういう話になったのでありますから、いまの大臣のことばでは私はどうしても理解で孝ない。私にしてみれば、これはもううそをつかれたようなものです。いまこういう重要な時期に重要な法律案も出ているわけでありますから、これは去年のことで、一年間うそをつかれたということでありますが、何とかやはり善処していただかなければいかぬ。大臣、私のそういうたっての願いでありますから、約束でありますから、ことしでもおそくないですよ。こういう措置は出されているわけでありますから、ひとつ大臣の責任ある御答弁を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/38
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039・永山忠則
○永山国務大臣 ちょっと課長から答弁して、あとから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/39
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040・広山紫朗
○広山説明員 信号機の設置の問題でございますが、最初私どもが四カ年計画という御説明を申し上げましたが、これは、大体四十三年度の末には全国で一万二千基ぐらいの信号機が必要であろう、こういう一つの構想から出たわけでございます。そういうことで、それまでにそういう基数に持っていきたい。そこで、一つの割り振りといたしまして、先ほど来大臣から話もございました起債の関係を二十五億見込んでおる。そうしてあとの残を、この三カ年事業計画にも入っておりますが、そういうものをひっくるめまして、それを実現していきたい。この目途に沿って努力をいたしておるところでございます。
なお、先ほど大臣からも話がございました四十年度の問題でございますけれども、これは起債分を含めまして千百六十基というものがすでに設置されているわけでございます。今後この信号機の需要というものがどんどん起こってくるわけでございますので、先ほど申し上げたその構想というものに向かって今後も努力をしていくつもりでございます。
〔細谷委員「だめだ、大臣でなければ」と呼ぶ〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/40
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041・永山忠則
○永山国務大臣 御説のように、起債の分に補助がないのでございますから、事業を伸ばすということに重点を置きましたので、さような結果になっておるのでありますが、起債分を合わせて目的の貫徹に努力をいたしたいと考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/41
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042・細谷治嘉
○細谷委員 大臣、それじゃ私は納得しないですよ。大臣ばかりじゃないですよ。大臣の答弁ばかりではなくて、この回答をいただく前には、途中中断ぐらいしたですよ。そうして与党の理事の方も集まって相談した結果、この答弁が出てきたんですよ。復元していただかなければ私は納得できない、私に対する答えが実現していないですから。私の質問から、ずっとこの答弁を読んでもいいですよ、持ってきているのだから。私が当時質問したことは、今日の地方財政の実態から、警察庁は方針を改めて補助をやったときに起債をつけない、こういうことはよろしくない、従来の方針にのっとってやってほしいというのが一つ。そういうことになってまいりますと、四カ年計画というのが実施できないんだから、補助額は少ないんだから、これをひとつ倍程度にふやしていただかなければいけない、こういうことを申し上げたわけで、これに対して、当時の吉武国務大臣は、御趣旨の点に沿うて努力をいたします、こういうことを約束したのでありますけれども、残念ながらいまのお答えでは実現しておらぬ、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/42
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043・永山忠則
○永山国務大臣 本年度の予算におきましては、歩行者信号機の関係が事業費で一億七千四百九万六千円ほどふえておるのでございまして、おおむね当時の申しましたような線に近寄るように努力をいたしておるのでございますが、なおひとつ十分検討を続けていきたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/43
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044・細谷治嘉
○細谷委員 ことしふやしておるというような答弁でありますが、いまその趣旨を詳細に承らなければ、ふやしたかどうか、私は理解、納得できないのであります。問題は、昨年において起こったことでありますから、この問題についてはもっと数字を詰めて、ひとつこの国会の委員会の場で約束したことはぜひやっていただかなければならないと思います。したがって、いまの大臣の答弁で私は納得できませんから、この問題は留保しておきたい。
そこで、最後にお尋ねいたしたい点でありますが、この信号機について三カ年計画の中では八億五千万という計画なのです。いま府県の予算議会が開かれておりますけれども、この問題ではやはりたいへんな問題が起こっているのです。とてもその数では今日の交通事故を減らす方向に持っていくことはできないのだ。実情は、ぜひここに設けてくれということで、各警察署からも交通担当者からもかなり大きな数が要求されております。そうしてその要求されたものを県警本部等でまとめて、予算要求という形で出ております。その予算要求という形で出たものが、さらに予算査定の段階で相当しぼられておる。新聞にも出ておるとおりであります。これは地方財政の実情からやむを得ないことでありますけれども、私はさっきも申し上げたように、この八億五千万なんということでは、今日の交通事故が何か相当減るのだ、この計画をやれば全体として二十万人近い死傷者が減るのだなんということのうたい文句でありますけれども、これでは緊急必要な部分ですらもカバーできないのじゃないかと思うのです。警察庁としてこれをどうするのか。公家公安委員会としてどうするのか。もう一つこれは自治省の財政当局にも関係があるのであります。超過負担というのがずいぶん起こっておるのです。五千基といたしますと平均七十万円かかったとして三十五億円であります。半分負担するとすれば十七億五千万円の国庫の金が出なければいかぬのであります。どうですか。わずか二、三億でしょう。四年で八倍して八億から十億です。七億五千万も、あるいは十億近い金が超過負担となって起こっておる、こういう問題をどうされるのか。この点をひとつ明らかにしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/44
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045・内海倫
○内海政府委員 信号機の問題でございますけれども、確かに地方における信号機の設置要望というものはたいへん強いものがあることは、私もごく最近まで第一線におりましたので、よく承知をいたしております。それにつきまして、警察庁におきましては、全国から一応必要な信号機の見通しをつけまして、大体先ほど課長からも申しましたように、一万二千セット前後のものが全国に設置されるならば、現状における危険防止の効果をある程度確保できるのではなかろうか、こういうことで、この実現を目標といたしまして、三カ年計画の中における部分と、先ほど申しましたような起債等による措置によりましてこれを実現したい、こう考えておるのでございます。ただ実際問題といたしまして、府県における交通信号機の要望というものは、われわれの目から見る以上に多くのものが要望されるわけですけれども、やはり信号機と申しましても、これは非常にことばは適切でないかもしれませんが、歩行する者あるいは運転する者の側から見ますと、その場所について言いますとぜひほしいということになりますけれども、しかし、客観的に見ますと、ただやたらに信号機がつきましても、一方において円滑というふうな面の阻害も出てまいりますので、そこにおきましては、交通事故助士の観点と交通の流れの円滑化というものとの調和を考えながら、一定の基準を設定いたしまして、これに信号機を設置いたしておるわけでございます。そういう意味で、確かに地方におきます強い要望というものは私どもも十分承知いたしておりますが、まずわれわれとしましては、さような基準に基づく信号機の設置数はどの程度に見るべきかということを考慮いたしまして、一応目標を設定いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/45
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046・細谷治嘉
○細谷委員 一万二千——いまおそらく平均七十万ではできないでしょう。七十万としても八十五億ばかしの金がいるのですよ。さっき大臣は得々として、ことしは一億七、八千万去年よりふやしたぞ——合わせて四億でしょう。一年で四億ですね。そうしますと、これで見てみますと四十四億しか見ていないのです。これは事業費でありますから国庫補助で二十二億です。たいへんな負担が起こるのですよ。法律には書かない。法律を守れ守れとおっしゃる警察庁は、いや、警察法に書いてあるからということでごまかして、そして地方負担を強要しておる。けしからぬことだと思うのです。財政局長さんいらっしゃるが、これをどうしてくれるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/46
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047・柴田護
○柴田(護)政府委員 お話のように、警察関係の行政費は非常に足りないということは御指摘のとおりでございます。これは法律にも関係があるのですけれども、法律は、経費の性質から言いますならば、実質的にはむしろ負担金的な性格のものでありますけれども、警察法のたてまえといたしましては補助金という形になっております。つまり地方財政法で言いますならば、奨励的補助金のような形になっておるわけでございます。そういう意味合いで、具体的に実態は超過負担の中で一番早く是正しなければならぬというふうに私どもは思いまして、実態的には早く是正をするように、前々、もう昔から警察庁当局にはお願いをしてきたわけでございます。その結果はごらんのとおりであります。徐々には直っておりますけれども、まだまだ十分ではないということは、これまた御指摘のとおりでございます。
〔田村建設委員長退席、岡崎地方行政委員長着席〕
しかしながら、超過負担の問題そのものとして考えます場合には、やはり地方財政法上の負担金的なものをまず最初に取り上げる、これをまずきちっとしたものにする、こういう形で私どもは超過負担の是正問題に取り組んできたわけであります。したがいまして、本年度は負担金的なものについて特に重点をしぼって直してもらう、こういう経費でございます。したがって、警察関係の経費まで十分手が回らなかったというのが偽わらざる実情であります。これでいいとは決して考えておりません。むしろ事柄の性質から言いますならば、警察法そのものの経費の負担問題をこそ是正すべきだというように私どもは考えておるわけであります。ずっといままで御指摘になりました信号機の問題も、実際問題といたしましては、そういうかっこうで経費の是正を待っておってもしょうがないだろう、したがって、何かいい方法はないだろうかという話が、前交通局長時代に私どもにございました。それじゃひとつ地方債をフルに使ってみたらどうかということで、損保のワクを一部さいて、そして信号機を設置するような方向でいこうじゃないか、起債もひとつ協力しようじゃないか、こういうことで始めたことであります。したがって、いままでの補助金という形と比べますならば、今度こういう形で安全施設の整備に関する計画をつくって、そして計画の中に織り込んで計画的に整備をしていくということは、少なくとも従来のたてまえからいくならば前進だというように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/47
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048・細谷治嘉
○細谷委員 何度も言うようでありますが、これには非常に大きな問題が私はあると思う。交通問題、地方財政の問題、いろいろな問題があると思う。私はいまのことについてはやはり何らかの財政上の措置、前進した措置、こういうものがとられなければなりませんし、一方においてはやはりこういう施設を強化しなければならぬ。私は、冒頭言ったように、この交通信号機なんというのは、国の道路の予算から見ますと〇・一%弱なんですね。千分の一弱なんですよ。こういう点からやはりなわ張りといいますか、各官庁間の割れ目というのは歴然として出てきている。そこに交通事故は起きている。こういうことでありますから、財政上の問題として、あるいは交通事故をどう減らしていくか、こういう問題として、ひとつ国家公安委員会あるいは自治省においても真剣に取り組んでいただきたい。この問題はいずれまた地方行政委員会等においてさらに突っ込んだ質問をしたいと思いますけれども、きょうは私はここで質問を留保しつつ終わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/48
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049・岡崎英城
○岡崎委員長 華山親義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/49
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050・華山親義
○華山委員 ちょっと関連してお聞きいたしますが、このたびこの法律によります経費が六百五十億あるいは一千億というお話でございますけれども、これは政府が考えられるところの道路五カ年計画の中の一部でございますか。いま四兆一千億というような数も出ておりますが、その経費の中でございますか、その外でございますか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/50
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051・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 三カ年全体といたしまして、道路事業関係は約六百億ほどございます。私どもはこれは四兆一千億の道路整備五カ年計画内の事業として実施する、こういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/51
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052・華山親義
○華山委員 まあ四兆一千億というものも相当高額の面もありますけれども、その中の一部と考えてよろしいのでございますね。そういたしますと、ここに充てるところの財源というものはガソリン税が財源になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/52
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053・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 道路整備五カ年計画の財源につきましては、御案内のとおり国が持ちます分のかなりのものは自動車関係の燃料税で入っております。その他若干の経費が一般財源として入っております。また、地方負担の分も四兆一千億に当然入っておりますから、これは自動車関係諸税でまかなうもの、あるいは交付税でまかなう、その他自己資金が含まれておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/53
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054・華山親義
○華山委員 先ほど信号機のことについて質問がありましたが、その点につきまして私からもお聞きいたしておきたい。大体信号機というふうなものは、これは国と地方とで半々に持つというのが原則なんです。ところが昨年私にお答えになったところでは、国の予算が少ないから、立てたところの四カ年計画は国の予算ではできない、したがってその足りない分は損保の金で地方に借金させるんだ、それによってやるんだということを言われた。ことしはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/54
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055・内海倫
○内海政府委員 昭和四十一年度におきましては、地方起債によります額は五億円を見込み、さらに先ほど申しましたように一億八千万円の国費、したがいましてその半額地方負担、こういう形で信号機体の予算を組んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/55
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056・華山親義
○華山委員 大体信号機というものは警察に関する交通安全に関するものでございまして、これは国と地方が半々に持つというのが原則でしょう。それを地方の単独事業としてそれだけの起債をさせるということは私にはどうしてもわからない。なぜそういうことをしなければいけないのか。これだけの重大な問題であるならば、国が当然警察庁、公安委員会の立てた計画に応じて半々出せばいいじゃないですか。なぜ貧乏な地方にそれを単独事業のような形で負担させるのか、その理由を明確に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/56
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057・内海倫
○内海政府委員 確かに地方における負担が大きいということは私も承知いたしますが、たびたび申し上げておりますように、現在の交通事情から喫緊欠くべからざる問題は、早急に信号機を設置して交通の安全あるいは交通の円滑化をはからなければならない。されば国費による二分の一負担ということだけでやってまいりますと、地方における負担も容易でないというふうなことから、その実現が非常におくれてまいるわけでございます。そういう意味で、先ほど財政局長が説明いたしましたように、いろいろ苦慮いたしまして、地方債を特に自治省と相談いたしまして早急な実現をはかるということで設定いたしたわけでございます。その点は特に御了解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/57
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058・華山親義
○華山委員 私お聞きしておるのは、早急にしなければいけない、したがってそれによって地方のほうが二分の一を負担するのには相当負担が重くなる、それだから起債をさしたというなら私はわかるんですよ。そうじゃないんだ、国が二分の一を負担してないんですよ。国の予算でそれに相当するだけの額を地方に出させたのでは、とてもあなたの言う喫緊のことには間に合わないから、その計画を充足するためには、どうしても地方の単独事業で持ってもらわなければいけない、その単独事業分を起債にした、こういうことでしょう。そういうことはけしからぬことじゃないかと私は言うんですよ。とにかく昨年のことでございますけれども、佐藤総理大臣は、人命尊重、交通安全のためにわざわざ何か審議会ですか懇談会のようなものを開いて審議さした、予算はさっぱりつけない、そして信号機を早くつけなければいけない、地方で持て、こんな姿勢というものは一体あるものじゃない。そういうことを私はこの前の、先ほど細谷委員がおっしゃった日に政府に問いただした。幾ら言ってもなかなかやらない。それで、これは速記録には出ておりませんけれども、地方行政委員会の理事の方々が私のところに来られて、自足党でも善処するからもう質問をやめてくれと言うから質問をやめたんですよ。ことしはどういうふうに改善されておるのか、その割合を示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/58
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059・広山紫朗
○広山説明員 起債との関係でございますが、昨年、先ほど細谷先生からも御質問のございましたような話がございました。その後いろいろ検討いたしまして、結局、現状といたしまして信号機の需要が非常に差し迫っている、これをやはり認めざるを得ないというわけで、いろいろ努力したわけでございますが、先ほど局長が説明申し上げたように、約二億程度の増額ということでなったわけでございます。ただこれは四十一年度についてそういうことでございますので、現在各県の事情、信号機の需要その他の説明をいろいろ聞いておりますが、この説明を聞いた上でさらに関係方面と折衝いたしまして、そうして三カ年計画の設立にあたって努力いたすつもりで準備を進めておるわけでございます。なお、昨年の起債の関係でございますが、これはそういう差し迫ってどうにもならないという非常な悲しい現実でございますけれども、それをやはり起債でその足らないところを補っていこう、こういうことで進めてきたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/59
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060・華山親義
○華山委員 悲しい現実といいますけれども、悲しい現実は国のほうじゃなくて地方なんですよ。現在の財政はどっちが悲しい現実なんですか。国が出さないから単独事業として信号機を地方で持てなんて、そんなばかなことはありっこないじゃないですか。これは国民の大問題ですよ。それで国と地方が半々で持つという原則があるのに、国の予算ではとてもできないから半々のほかによけいな分は地方で借金してやってくれ、そういうふうなことは姿勢の態度が悪いと思うんです。それも何百億とか何千億の大金じゃない、先ほど細谷委員の言ったとおりわずかなものじゃないですか。何でも困ることはそのしりを地方に持っていって、地方でやれ、それがとにかく警察庁が立てたプランでしょう、計画でしょう、四カ年計画という計画でしょう。その計画を遂行するのに、国の機関の考えた計画を遂行するのに、国の予算じゃ足りないからそのしりを地方で持てなどということは、私にはどうしても理解できない。大臣ひとつ政治の姿勢として御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/60
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061・永山忠則
○永山国務大臣 お説の点に対しては、将来ひとつ十分検討をいたして進みたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/61
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062・華山親義
○華山委員 ひとつ元利償還であとでめんどうを見るとか、何か具体的にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/62
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063・永山忠則
○永山国務大臣 それらの諸点に対しましては、基準財政需要額の算定その他のいまお説に述べられましたような諸点を総合的に考慮して、地方財政の安定になるようなぐあいに、十分ひとつ考慮を続けていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/63
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064・華山親義
○華山委員 それはたいへんおかしなものですよ。地方財政が困るから一般的問題として解決するなんということじゃない、この問題は。国が持つべきものを、警察庁の立てた計画を遂行するために、二分の一を国が持つのは当然なんです。これは国の立てた計画なんですよ。それを二分の一を持たないで、地方に持たせるなどということは私はどうかと思う。いまここで御相談ができるならば、具体的に将来元利償還でめんどう見るとかなんとか、ひとつ明確な御答弁を願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/64
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065・永山忠則
○永山国務大臣 やはりこの予算査定にあたりまして、今後も補助金の増額等につきましても、十分ひとつ考慮をいたしまして努力をいたしたいと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/65
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066・華山親義
○華山委員 私はとにかくまことに不満足な答弁なのであって、この問題は速記録ではしり切れトンボのようなかっこうになっているのです。これはその当時の自民党の理事の方御承知のはずでございます。私がこれを追い詰めたところが、そして、佐藤総理大臣というのは口ばかり言っているじゃないか、金を出さないで口ばかり言って、金の要ることは地方に持っていくんじゃないか、こういうふうなことを申し上げたところが、とにかく自民党の地方財政部会としても善処するから、その点はもう質問をやめてくれと言うから私はやめたのです。どれだけの努力をなすったか存じませんけれども、ぜひひとつ宿題として具体的な方法を考えておいていただきたい。この次に私は地方行政委員会でまたほかの問題と関連いたしましてお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/66
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067・岡崎英城
○岡崎委員長 門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/67
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068・門司亮
○門司委員 私は、先ほど大臣に一応の線だけをお聞き申し上げたのですけれども、これから少し具体的のものでお話を申し上げ、意見を聞きたいと思いますが、この法律は御承知のように共管になっていると考えられます。建設省と公安委員会、中央の公安委員会もそうでしょうし、地方の公安委員会も設置場所その他を指定することになっている。こういう共管のものでございまするが、一体その間の調節といいますか、それはどこでやります。公安委員会が指定した場所を建設省は必ず行なわなければならないというような強制力はどこにございますか。これは強制力がないと、先ほどからのお話しのように、どこが一体何をやるんだかわからない。片方は千何百カ所あるいは一万何千カ所あるというが、しかし実際はごくわずかしか実行されていないというような不都合なものになろうかと私は思う。一体このイニシアチブはどっちが持つのですか。その点をひとつはっきりしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/68
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069・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 今回の法案を提出いたします間におきまして、私どもと検察庁のほうと非常に綿密なる連絡、準備を行なってまいりました。これは大体交通事故が非常に発生しておるという事態に対処する施策として考えたものでございます。
そこで特に交通事故発生の形態、それらが道路との関係においてどのようになっておるかというようなことを十分調査してまいったわけでございます。そのために私どもと検察庁のほうと共同いたしまして、全国で五百五十キロほどのモデル路線を選定いたしまして、その路線につきましてただいま申し上げましたような観点からいろいろのケースを調査してまいったのであります。そのケースに従いまして、今後どういうような事故発生の形態の路線にはいかなる対策を立てたらいいかというようなことを具体的に検討してまいったわけでございます。このような形でいきますのが、現在の分担されております両者の立場において最善の方法である、かように考えまして、今後この法律によって実施いたします場合にも、このようなデータを基礎にいたしまして、両者で十分打ち合わせました指導方針に基づいてそれぞれの分担の事務を実施していきたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/69
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070・門司亮
○門司委員 批判するわけではありませんが、きわめて月並みな答弁であって、そういうことだろうと思います。私がこういうことを聞きますのは、さっき大臣に質問いたしましたように、道路法によって規定されたことが実施されておらない。これは道路法を読んでごらんなさい。ちゃんと書いてある。車どめから横断歩道、いわゆるオーバーブリッジまで、これを含むようにちゃんと書いてある。その実施を怠っておいて、いまになって困るから調査してこういう法律をこしらえられるということは、これは明らかに政府の怠慢であって、それを糊塗する以外の何ものでもないと思っているのだが、いまの御答弁のようだと、事故その他についての発生を責任上なすり合いをするようなことができやしないかと私は思うのです。だから私の聞いておりますのは、そういうことでなくて——この法律をそのまま読めば、建設大臣にあると書いてあるのです。そうして公安委員会の意見を聞いてと書いてあるのです。いわゆる道路管理者の意見を聞いてと書いてある。少なくともすなおに読めば、建設大臣に責任がすべてあるように書いてありますが、このことは道路法に基づいて当然の措置だと私は考える。しかし実施にあたっての問題は、現在の状態でいろいろ批判されておる問題は、警察あるいは地方の自治体で信号灯が足りないとかあるいはオーバーブリッジが足りないとかいうことで、地方の自治体、公安委員会あたりが非難を受けておる。建設大臣は今日あまり非難を受けていないと思うのです。
そういう状態でありますから、時間もございませんが、さらに突っ込んでお聞きを申し上げておきたいと思いますことは、道路の設備が不十分であったことから起こった事故の責任は、一体だれが負うべきなんですか。私は、さっきから何度も申し上げておりますように、現行の法律でよろしいと考えておるのだが、あらためてこういう法律をお出しになって、そうして責任の所在を明らかにされようといたしておる限りにおいては、道路の設備が不完全で事故が起こった場合には、これはやはり道路管理者の責任ですか。建設大臣の責任ですか。どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/70
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071・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 この法律の実施の責任でございますが、建設大臣がイニシアチブをとっておるということでございませんので、各条とも道路の指定、計画の策定、すべて「国家公安委員会及び建設大臣」と並記してございますので、やはり共同責任であろうと存じます。
それから、ただいま御質問ございました道路の施設の瑕疵によります事故、それに基づきます責任はどうかということでございますが、これは従来とも私どものほう、道路管理者であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/71
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072・門司亮
○門司委員 これは、私がそういうことを聞きますのは、最近、これははっきり私は名前も言っていいし、指摘してもよろしいと考えておるのだが、道路の照明が非常に暗い、というよりもむしろない。これは京浜間ですよ。はっきり言えば産業道路です。産業道路に行ってごらんなさい。照明はどこにもありやしない。そこで、運送業者の中には、日が暮れたら産業道路は通らぬようにしろという指令を運転手に出しているところがある。ガソリンが少しよけい要っても、回り道をしても、明るい道路のほうが事故がなくてよろしいからそうしなさいということで、ある業者は、訓令というほどじゃありませんけれども、ちゃんと運転手にそういう指示をしているところがある。それほどやはり事故防止のためには協力している連中もある。ところが、国道であり、当然照明がなければならぬのに、京浜間の産業道路を通ってごらんなさい。照明なんか一つもありやしない。こういう状態に怠られておる。こういうものについて、事故の起こった場合の責任は、今日では道路の管理者も、あるいは建設大臣もちっとも責任を負っていやしない。事件の処理はすべて被害を受けた人と被害を加えた人との間に行なわれてきておる。一体公安委員会あるいは警察庁は、この問題に対してはどうお考えになるのですか。私は、当然法律で規定されたものが実行されておらない、そのことが一つの原因になって事故の起こった場合の責任というものは、やはり道路管理者なり建設省が負うべきだと考える。それがこのごろちっともそういうことを考えられておらない。昔のずっと古いといいますか、私はっきり番号を覚えておりませんからここでは申し上げませんが、裁判の結果そういうことになった事例があるように私は記憶はいたしております。場所も大体記憶をいたしております。あすこの事故であったなとは思っておりますが、事例がないわけではない。しかしそれは裁判の結果である。今日の交通事故を考えてまいりますときに、道路の整備の欠陥からくる事故の責任というものを、あまりにも政治といいますか、当該道路の管理その他の責任者のほうで負わないで、これを民間に負わせておるという実情は、はなはだしいと思うのです。こういうものに対する警察庁の考え方、あるいは建設省の考え方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/72
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073・内海倫
○内海政府委員 門司委員の御意見を承っておりまして、まことに同感する点もあるわけでございますが、ただ、現状におきまして、交通事故が起こった場合、それが施設の不十分ということがあるいは原因になっておることもあろうと思いますけれども、現在の交通というものが、結局現在の道路諸条件のもとにおいて交通を行ない、したがって、自動車を運転する人も、それを前提として注意をし、あるいは法令を守って運転をしない限り、やはり事故の起こる可能性は、場所によって、時によって、あるわけでございますので、その場合におきましては、やはりそういう条件のもとにおいて不注意な運転をしたという点において、運転をした者の責任を追及せざるを得ないのが現状でございます。したがいまして、私どもとしては、そういうふうな条件ができるだけ改善されるように、できるだけそういう点における問題の起こることのないようにということで、強く建設省と話し合いをしまして、今回のような措置に持ち来たりましたのも、ひとえにそういう観点からでもあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/73
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074・門司亮
○門司委員 私はなぜそういうことを聞くかといいますと、この法律の趣旨は、あげて道路に対する付属の設備といったほうが私はよろしいかと思いますが、この道路法の三十条に書いてあるもの等の完備をすることが、大体主体になっておるように考えられる。主としてオーバーブリッジであるとかあるいは信号灯であるとかいうようなものがこれは考えられておると思う。しかし、道路の関係からくる事故を防ごうとすれば、道路構造にもきわめて大きな影響がある。たとえば今日までの日本の道路構造というのは、御承知のように、カメの甲のような形になっておって、道路の使用効率というものはきわめて限定されており、左の端を通れといったって、車が左の端を通れないところがある。これは岐阜県の方がおればおわかりだと思うが、岐阜県のある一部に行ってごらんなさい。トラックのダブルのタイヤの一番端のタイヤが道路についておらない。こんなになっておって、つこうったってつきようがない。走っているものをそばにいて見ていられない。いつひっくり返るかわからないような状態で道路を通らせている。これが国道であるか県道であるか、私は地理に暗いからわかりませんが、しかし、これはいずれにしても道路改良に触れておらない。これではほんとうの交通の安全は保てない。同時に、歩道のないところがある。だれが何といったところで、歩道は整備されていないし、そこには草もはえておるし、どうしても歩けないから下におりなければならないというところができておる。道路の整備もしないで、ただ上っつらだけの付属設備だけを完備したからといって、私は交通事故はなくならぬと思う。ほんとうに建設省なり政府が交通事故をなくしようとするなら、今日の道路の改造といいますか、それから始めなければ、私は本物にはならぬと思っておる。その点について、この法律は、形から見ますと時限法でありまして、三年間でやると書いてありますから、私は恒久法ではないような気がする。廃止するとは書いてありませんが、三年間で整備すると書いてあるから、時限法のように考えられる。そういう点について、一体建設省はどうお考えになっておりますか。ただ非常にやかましいから表面だけのものさえこしらえればそれで交通は安全だとお考えになっておるのか。あるいは、道路の使用効率が非常に落ちているところにいろいろな問題が今日あると思う。そういうものまではこの法律に含まれないのでしょう。含まれないとすれば、これだけで交通安全になるとはわれわれには考えられない。この点についての建設省の意見をひとつ承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/74
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075・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 この法律は、先ほど建設大臣も申し上げましたように、現在道路上で現実に起きております事故のうちで、特に未改良道路であって、なおかつ安全な施設が十分されておらぬというところに重点を置きまして、そういう道路についての施設を促進しよう、こういう趣旨でつくられたものでございます。ただいまお話しのように、交通安全がこれで万全だということではございませんので、もちろん道路本来の構造改良、道路構造令に基づきますものも整備をしていかなければならないわけでございます。私どもは従来道路整備費の中でかなりそういうものをやってきておるのでございますが、これは一にかかって事業の規模等に押えられるわけでございますけれども、従来、ややもしますと、交通安全というよりも、少しでも道路の屈曲の整備、あるいは勾配の整備、あるいは舗装、そういうものを伸ばすことに重点を置いておりましたために、いま御指摘のような、当然道路をつくる際になすべき必要なところにおける照明、あるいはガードレールその他の歩道の整備、そういったものがややおくれておったということは事実でございます。したがいまして、この法律に基づきますもの以外に、当然、一般道路改良事業といたしまして、これに匹敵する、あるいはそれ以上のものをやっていかなければならぬという観点に立っておるのでございます。道路交通安全がこれで万全だ、こういうものではもちろんございません。その点は私ども十分心得ておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/75
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076・門司亮
○門司委員 それと、これは公安委員会と警察側と両方に聞いておきたいのだが、この法律は、すなおに読みますと、いま答弁のありました、五百五十カ所ぐらい調べてというようなお話がございましたが、同時にこれは、ここに緊急という文字が使ってあったり、あるいは、「交通事故が多発している道路その他緊急に交通の安全を確保する必要がある道路について、」こう書いてあります。表題も、緊急措置法と書いてありますが、これでは私はほんとうの意味の交通安全の法律では、この法律はないのじゃないかということを解釈しても、ちょっとも差しつかえがないと思います。私はむしろ、さっきから言っておりますように、道路法に書いてあることを、こういう書き方でなくて、全部を一応道路の整備をするというたてまえに建設省も立ったほうがよろしいのじゃないか。そうしてそれに公安委員会が協力していく、あるいは管理者が協力していくというたてまえをとるべきじゃないか。私がなぜこういうことを言いまするかというと、ここに「事故が多発している道路その他緊急に」と書いてありますけれども、これは認定でしょう。道路なら道路全体としての意義がありますが、これは認定なんですね。認定であるところに、先ほど冒頭に聞きましたように、イニシアチブをどっちが持つかというところに私は問題の所在があると思うのです。建設省ではここはやらなければならぬとお考えになる。あるいは公安委員会はここをぜひやっていただきたいとお考えになる。しかしその場合には、いやそれは緊急でないとか、あるいはそこは事故がまだ少ないとか、これは住民のほうから見るときわめて迷惑ですよ。この事故の多発がどういう定義になっているか私にはわかりませんが、一年に何回事故のあったところを多発と見るか。その定義については、きょうは私は聞きませんけれども、そういう理屈が私はどうしても議論の中に生まれてくると思う。そうなりますと、せっかく法律はできても、一方は、ここはぜひやらなければならぬと考えるし、一方では、そこはたいした緊急の要務ではないと考えられる。その際、われわれはそれならいま言ったように一年間あるいは三年間統計をとってみて、何回以上あったところを緊急と見るかということになると、これまた満足なものはできない。したがって、ここで私は答弁願いたいのは、いま予定されておりまする、先ほどからもいろいろ議論はございまするが、予定されておりまするものがどの程度一体緩和されるのか。五百五十カ所調べられたというのだから、そういうデータがあるならばデータを出してもらうことは一つの方法でありますし、それからこの事故の発生の数字というようなものがある程度おわかりだと思いますので、そういうものをお出しになるなら出していただくことも私はけっこうだと思いますが、一体この多発という字句の意義は、どの程度をお考えになっているのです。概略だけでいいからひとつ聞かしていただきたい。そうしないと、住民のほうはきわめて安心ができませんからね。ここは一年に二回しか事故がなかったから多発じゃないのだ。緊急を要しないのだ。ここは五回あったから緊急ということになると、だんだん範囲についての問題が出てきて、住民側から考えればここは早くやってもらいたい、事故のないうちにやってもらいたいというのが住民の意思ですから、事故があったらやるのだというものの考え方は、私は間違っていると思う。住民のほうから言わせれば、事故のないことを念願しているのですからね。あなたのほらは多発のところ、事故のあったところということを念願にしているが、多発のところ、事故のあったところというのは既成の事実があったということですよ。こういうものの考え方は、私は法律のたてまえ上おかしいのじゃないかと思う。これは、住民の意思は、さっき申しましたように事故の起こらないことを念願している。あなたのほうは事故が起こってもかまわない、事故がたくさんあればそこを安全にしてやろう、順序としてはそういうことになる。しかし、書かれる文句は、私はこれは適切ではないと思う。この考え方はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/76
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077・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 事故が多発しているところとそうでないところとどうかという御趣旨の御質問かと思いますが、私どもは、非常に多発しているところはとにかく緊急に手を打たなければならぬということに、第一義的に立つわけでございます。しかしながら、いま事故が起きておりませんが、警察官が指導なりあるいは学校の学童の横断のために警察官のいるところ、いろいろ手を打っておるようなところ、これは将来ともそういう事故が発生すると考えられる危険な地域でございますので、そういうことも含めまして、現在事故の起こっておるものを起こらないようにする、あるいは起こっておりませんが起こる可能性のあるところを防止しよう、こういう観点に立っておるわけでございます。そのほかに、もちろんどこで起こるかわかりませんけれども、いろいろ施設の不備のために予想されることはあると思いますが、それらは従来の方法によりまして道路の改良の促進あるいは道路管理者がおのおの管理の万全を期するというような指導をいたしまして、多角的に防止をしていくべきであろうと考えております。まだ数字を申し上げる段階ではございませんが、この方法によりまして私どもは三カ年間に全国で主万キロないし四万キロくらいのものにつきまして緊急に取り上げてみたい、かようなことでただいま準備を進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/77
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078・門司亮
○門司委員 警察側はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/78
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079・内海倫
○内海政府委員 ただいま道路局長から説明がありましたのと同じでございますが、私どもは、交通事故が多発しておる道路というものに対しまして、建設省と十分相談討議いたしまして、その基準を定めまして、そういう基準に達するものをいわゆる交通事故の多発しておる道路というふうに設定いたしまして、それらを指定していくという、こういう考え方に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/79
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080・門司亮
○門司委員 私の心配しておったのもそこなんですよ。だから事故が多発するということになると、住民の感情とは全く違うということなんですね。もちろん住民は多発しているところは早くやってもらいたいという気持ちを持っています。しかし住民のほんとうの気持ちというのは事故が起こらぬことを念願している。だから私は、この法律の書き方について先ほどから聞いております。冒頭に「この法律は、交通事故が多発している道路その他」と書いてある。これはこういうことを書いておりますから私はいまの質問をしなければならぬし、また答弁もされなければならぬ。それは住民の感情とは食い違ってくる。むしろ「緊急に交通の安全を確保する必要がある道路」とお書きになったほうがよろしいのではないか。そういうことになると、事故があろうとなかろうと緊急の必要のあるところは全部、おそらく私は地方の公安委員会あるいは管理者は必ず出してくると思う。問題はここにあるのです。費用の問題も非常に大事な問題でございますが、設置場所の問題等について、おそらく地方自治体の管理者あるいは公安委員会は地方住民の意思を代表いたしますから、現在までの間に事故のあるなしにかかわらず、緊急に必要のあるところはこことここだ。事故の起こらぬうちに早くやりたいというような気持ちはみな持っている。その場合に本省のあなた方の意見と食い違っておる。問題は、事故が三回しかなかったからあと回し、ここは五回あったから先にやる、こういう基準が定められてくると、住民の意思と管理者の意思と全く食い違った形になってきて、その場合に、先ほどから聞いておりますように、だれがこれを認定し、だれがこれを施工するかということになると、役所の関係だからなかなかうまくいかない。先ほども役人のなわ張り争いというものがありましたけれども、私はなかなか役人のやつ——やつと言うとおこられるかもしれないけれども、意見の一致を見ることは困難だ。地方では、ぜひひとつここは早くやってもらわないと事故が必ず起こりますよ、こういう事実に基づいて認定をしてくる。ところがそこは事故が起こっておらない。事故多発の場所ではないということになると、そこはあと回しになる。そのうちに事故が起こってくる。その責任は一体だれが負うか。事故にあった者だけ、被害者だけがそれを全部——いい悪いにかかわらず被害者がそれは負わなければならない、こういうことでありますから、個々の認定のしかた、あるいはその他についての責任の所在というものはもう少し明確にしていただいて、そうしていまのような事故のあった件数によって多発順序をきめるのだということではなくして、問題は、主として私は地方の公安委員会やあるいは道路の管理者の意見を全部取り入れるように法律を直していただかぬと実際の効果をあげることはできないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、どうなんですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/80
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081・内海倫
○内海政府委員 一応私、ごく最近まで第一線におりまして、第一線の実情もよく見ておる立場からもあわせて申し上げたいと思いますが、確かにおっしゃいますように、そこの住民の目から見ますと、どうしても自分の見るところが非常に安全でない道路であるという意識が強い場所が多々あろうかと思います。しかしながら、緊急に整備し、しかも年限を切って早急に重点的に措置をしていく、しかもそれを全国的な観点からながめましてこれを見ていくということになりますと、やはり一々具体的に各県ごとの資料はとりますけれども、それについてまずこの緊急措置法によって指定すべき道路の区間あるいは場所はどういう基準によってこれを算定していくかということは当然考えられなければならないと思いますので、そういう危険な要素を十分考慮して一応の認定基準をつくるわけでございますから、確かにそういう基準に漏れたところが、あるいはこの法律の施行の対象として出てくるかもしれませんけれども、それをすべて完全におおい切るということについてはなかなか困難なことではなかろうか、こういうふうに私は一線の実情を見まして考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/81
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082・門司亮
○門司委員 どうも一線の実情を見られた感じは、私も地方にいるのだが、私の感じと違うのですが、それは追及はいたしません。
もう一言だけ建設省側に聞いておきたいと思います。いまのお話では、建設省のお考えはどうも道路自体を頭の中に描いておやりになっているようでありますからああいうキロ数という問題が出てくるのであります。しかし、事故はキロ数によって比例しているものじゃ決してない。いわゆる事故の発生する場所というものをキロ数で割り出されては私はかなり迷惑だ。どういう道路を五百五十キロ調査されたか、あるいは四万キロ調査されたかわかりませんが、事故は決してキロ数によって制限されるものでもなければ発生するものでもない。したがって、調査については、何方キロやったのだというような学者の言うようなことを言ったところで事故はなくなりはしませんよ。それよりもむしろ現実に沿った——地方の公安委員会なりあるいは管理者の要請に基づいて何万キロやるんだ、いやどうするんだといったところで、そういうことでは事故の絶滅にもならなければ、事故の防止にもならない。むしろこの際は、地方の公安委員会なりさっきも申し上げておりますような管理者の意見を十分聞いて、そしてあなたのほうの言われる道路の長さでものを考えるというような考え方はひとつやめておいてもらったらどうかと思うのです。あなたのほうではこの道路は何キロあるからこの道路をやるのだ、道路はみんな番号がついていますから、その番号順くらいできめていけば大体きまるかもしれない。しかし事故は必ずしもその番号に即して起こっているものではない。したがって、住民側から見ますと、あそこには安全装置はなくてもあるいはがまんができるかもしれない、しかし、ここにはぜひこしらえてもらいたいというようなものが必ず私はあると思う。そういう点、道路の何キロといわれているのは路線について算定されようとするのか、もしそうだとすると、私がいま申し上げましたような実際に沿わない面ができやしないかと考える。これは現実の問題ですからね。ただ道路をどう改修するとかなんとかいうのと違う、事故を防止しようというのですから。ただ単に建設省がお考えになっていままでやっているような、何キロ道路をこしらえたからというだけでは済まされない問題だと私は思う。その点に対する考え方はどうなんです。いま言ったような具体的な問題で措置をされようとするのか。どうもいままで聞いていますと、五百五十キロといって、今度また三万か四万キロくらいやるつもりだということで、何か機械的に問題を処理されようとするような気が私はするのです。この問題は機械的に処理されては問題の解決にはならぬ。具体的に解決に踏み切ってもらいたい。こういう考え方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/82
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083・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 ただいま三万キロないし四万キロと申しましたが、もちろん交通安全施設として整備いたしますものは、どちらかと申しますと点であります、点あるいは短い区間の個所であります。そこでたとえば歩道でございますと延長何キロというような数字になります。歩行者の立体横断施設ということになりますと何カ所と言います。あるいはバスの停留所をつくるというようなことになりますとそれも何カ所、そういうふうに道路標識で申しますと全国で何基というような数字になるわけであります。それらを一つの交通安全対策からできた道路の延長として、いろいろほかのものもあるいは各地点ごとのものを積み重ねますとそのくらいの延長になるという意味で申し上げたのであります。もちろん全部の点を集めればもっと多くなると思いますが、さっきも申し上げましたように、実際に交通事故が多発しておるものの対策が第一であります。どうしてもそういう個所、それはやはり路線としてかなりまとまった延長で、たとえば十キロ、この十キロの間は非常に交通事故が多いというような区間があろうかと思います。特に幹線道路の場合そういうところが多いのでありますが、そういうようなところをまず第一義的にやることが目下の急務であるということで、それらは全国的に統一をとりまして——この辺のところはこのくらいで考えておるが、他の地域ではこう考えておるというようなことで、やはりその辺の認識判断の誤差も出てまいりますので、大体このくらいはどこでもやらなければならぬ最低限のものではなかろうかというようなことで基準というものは必要であろうと思います。そういうことで、決してこれで押しつけるという意味ではなくて、ただいま私ども各地区におきまして、道路管理者と公安委員会のほうとで共同でブロックでいろいろ会議をしておりまして、いろいろ各地方の管理者の意見を聞きまして、これらについてただいまお話しのような点も十分注意いたしまして指定すべきものである、かように考えておりますので、どうか今後ともよろしく御指導願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/83
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084・門司亮
○門司委員 私の聞いておりますのは、さっきの御答弁の中にありましたように、これは何といっても点です。その場所、その場所であって、道路のキロ数で考える筋合いのものではないと思う。
最後に、これはこの法律が通るまででよろしいかと思いますが、資料が出せたら出していただきたいと思いますことは、あなた方がいま予定されております日本の道路の延長と、それから道路法にいういわゆる整備のされた道路はどのくらいの割合であるのか。私はどう考えても整備された道路というものはきわめて少なくて——しかも舗装だけではありません、こういう付属設備が全部でき上がっておる道路はどのくらいあるのですか。日本の国の道路の延長がどのくらいあって、ほんとうに交通安全上整備されておる、道路法にいういわゆる道路の付属設備その他の安全になっておるものがどのくらいの割合であるものか、その数字をごまかさないで、ひとつ率直にあるなら出していただきたい。これはきょう別に御答弁を要求するわけではありません、この法律が通るまででよろしゅうございますから、一応そういうものを出していただきたいと思いますが、これはできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/84
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085・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 これは、私どもの統計によりますと、道路が構造令によって整備されたものはわかります、道路を示すことはできるわけでありますが、こういうような交通安全施設から、万全の策をされた道路がどれだけあるかということになりますと、資料はこれから調べてみますけれども、出して非常に申しわけないような数字になろうかと思います。そういうことをあらかじめ御承知願っての上で、ひとつ資料をつくって提出させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/85
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086・門司亮
○門司委員 これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/86
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087・岡崎英城
○岡崎委員長 石田宥全君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/87
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088・石田宥全
○石田(宥)委員 先ほど来大体同じような問題が取り上げられておりますので、なるべく重複を避けるようにいたしたいと思うのでありますが、この法律のそもそもの意義と申しますか、位置づけと申しますか、この点に私は疑問を持っておる。先ほど来お話しになりましたように、道路法というものがある、公安委員会がある、国、自治省あるいは県、市町村等、道路法ではそれぞれ建設についても維持管理についても規定があるのです。何を好んでいまさら特に立法をしなければならないか。行政措置で十分やり得るのではないか。政府は自分がやる気になれば法律をつくらないでも相当大きな事業をやる。一例をあげれば農業構造改善事業もその一つ、法律は何にもつくっておかない。そして相当な、これは十年間でありますけれども、三千億を投入するという事業を法律なしでやっておる。一面においては法律がありながら——たとえば国民健康保険の事務人件費の負担のごときは、全額国庫が負担をするというたてまえになっておるにもかかわらず、五〇%も国は負担をしていない。こういう点から考えてみると、この種のごとき法律はしいてつくる必要がないのではないか。細谷委員も指摘されましたように、建設省と自治省と共管でやっておるが、これは割れ目ができるのではないかという御指摘がありましたが、私は根本的に、しいて立法をする必要がないのではないかと思う。先ほど建設大臣は、立法をすることによって事業を促進することができる、法律がなければ進まない、こういう答弁をしておる。しかしやる気があれば、こんなものは簡単にできる、ちゃんと所管がきまっておるのですから。そこでまあその点についてかれこれ答弁は求めません。これは私の見解です。
〔岡崎地方行政委員長退席、田村建設委員長着席〕
だが一点お聞きしたいのは、建設省と自治省が共管で出しておられるけれども、走る凶器ともいわれるところの面を担当する運輸省との関係はどうなのか。なぜ運輸省も共管関係を持たせなかったのか。私は運輸省もやはり重大な責任を持たなければならないのではないかと考えるのでありますが、この立法過程において、運輸省との関連をいかようにお考えになったか。大臣の答弁を求めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/88
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089・永山忠則
○永山国務大臣 この立法をやります上におきましては、運輸省とも十分協議をいたして、その他関係各省とも関連のあるところは十分内部的に協議をいたして出したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/89
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090・石田宥全
○石田(宥)委員 内部的に協議が行なわれたといたしましても、これは自治省と建設省が共管だというならば、やはり運輸省も一枚加えることが、走る凶器を所管しておるのですから、これはもう当然じゃないかと私は考えておりますが、この点も、もう時間がありませんし、自治大臣の答弁を求めてもあまりはっきりしたものは出ないようでありますから、この程度におきます。
いま門司委員から質問がありましたが、事故多発地帯を中心に云々ということが記載されておる。大体私考えるに、この法案による施設というものは、都市が中心に行なわれるのではないか、都市中心ではないか。危険地帯必ずしも都市だけではない、農山村においても、やはり危険地帯は相当ある。けれども、それは第二次、第三次にあと回しにされるのではないかと思うのでありますが、その点についてはいかようにお考えになっておりますか。交通局長は現場におられたということでありますから、御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/90
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091・内海倫
○内海政府委員 事故多発ということにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございますが、そういうふうな考え方に立ちまして、一定の基準を設定いたしますと、やはり交通量あるいはその特定路線区域内におきまして生ずる死者、傷者というふうなものの数というものがおのずから基本の要素になろうと思います。そういたしますと、現状から考えますと、都市、または農村地帯でありましても都市に比較的近いあるいはそれと関連する地域の道路というふうなものがおのずから対象になってくる。しかしながら現状から見まして、ただ単に農村地帯と申しましても道路それ自体の条件が都市と都市を結ぶ道路であり、それがたまたま農村を通過いたします場合におきましては、やはり交通量もきわめて多く、かつまたそこにおいて事故の起こる可能性も非常に大きいものもあるわけでございますから、そういう面はもとよりこういうものに入ってくる、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/91
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092・石田宥全
○石田(宥)委員 交通局長、御承知のように農村もだいぶ機械化が進みまして、特に農村で使う軽自動車というものは非常な事故を起こしておるわけで、そういう面もやはり今後運営の面で十分ひとつ配慮を願わなければならないと思います。
次にお伺いいたしますのは、ここの御説明の中では国の負担または補助については特別の定めをするということになっておりますが、その内容は政令か何かできまっておるかどうか。先ほどの答弁によりますと、信号その他の施設は従来もやってきたように二分の一の負担であるということでありますが、そうするとこの負担金、補助率はこの法律ができても従来と変わりがないのかどうか。これをひとつ、どなたでもいいですが、お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/92
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093・内海倫
○内海政府委員 国家公安委員会の所管いたします信号機、道路標識、道路標示等についての補助につきましては、警察法に定めておりまする二分の一ということで行なうのでありますので、在来と変わりありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/93
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094・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 道路管理者の行ないます施設に対する国の負担の割合は現行とやや変わりまして、国道におきましては従来三種類ございました。改築としてやっておりましたものは四分の三、維持としてやっておりましたのは二分の一でございますが、今回それは三分の二、また指定区間外においては二分の一ということになります。それから地方道におきましては、従来改築と一緒にやっておりますのは三分の二でございます。維持としてやっておりますのはゼロでございます。ただ三十九年、四十年は予算補助といたしまして、わずかでございますが四分の一の補助をしてきたという事例がございますけれども、これらを総合いたしまして今回二分の一にしたわけでございます。そういたしますと地方の負担もかなり軽減した、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/94
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095・石田宥全
○石田(宥)委員 自治省に伺いますが、道路法に定められている市町村道、そのほかに林道とか里道というような、市町村道に編入されないものがあるわけですが、これはどこの所管になるか。その土地の所有と維持管理はどうなっておるとお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/95
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096・柴田護
○柴田(護)政府委員 制度その他のたてまえから申し上げますならば、道路につきましては建設省、林道につきましては林野庁、それぞれその行政を所管する省が行政についての責任を持つわけであります。しかしこれは中央官庁におきまする行政事務の配分でございます。実際は、補助金も何もないものにつきましては、それぞれ市町村、府県でそれ限りの意思でもって管理をし修理をやっておるわけでございます。また林道等になりますれば、市町村でない組合で工事を施行し維持補修をしているというものもございます。実はその辺のところは、特に農道等になってまいりますとこれは農業協同組合でやっておるものもございますれば市町村でやっておるものもある、あるいは部落でやっておるものもあり、その維持管理の態様はきわめて複雑でございまして、実態は明らかでございません。しかし林道等は大体市町村か県かあるいは組合かでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/96
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097・石田宥全
○石田(宥)委員 ある程度御承知のようだけれども、実は地建当時からの林道とか里道というようなものはきわめて特殊のものであるけれども、これは非常に里程が多いのです。それは法的に必ずしも明確でないのです。そういうものについての所有の関係と維持管理というものはいかにあるべきか、実際はどうなっておるとお考えになるかということを承っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/97
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098・柴田護
○柴田(護)政府委員 むしろ私どもから教えていただきたいとふだん考えておることでございますが、実は私どもが財政措置をいたします場合に、実際は組合が維持管理をしておるのでございますけれども、またその管理権は組合にあるのでございますけれども、市町村が何がしかの援助をしておる、また援助をしてやらなければやれないといった事態が特に農道とため池に多うございます。話がそれますけれども、道路のみならずため池になりますともっと複雑でございます。したがって実はこの辺の実態を知りたい、実態を調べてもらいたいということをそれぞれ所管省でございます農林省にお願いをし、あるいは道路関係については建設省にもお願いをしておるわけでございますけれどもなかなかわからない。したがって市町村に対します財政措置のけじめというものがなかなかむずかしくて困っておる、これが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/98
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099・石田宥全
○石田(宥)委員 それでは次にお伺いをしますが、少なくとも市町村道の維持管理というものは市町村がこれを負担すべきものであることは法の明記するところであります。しかしながら市町村道の維持管理表が市町村の基準財政需要額に当然算入さるべきであるにもかかわらず算入されない区域があるということは御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/99
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100・柴田護
○柴田(護)政府委員 算入されない区域があるのではございませんで、むしろ算入額が足らぬということだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/100
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101・石田宥全
○石田(宥)委員 算入額も足らないが、算入されないものがあるのです。そこで、市町村道として認定をしたこの市町村道の維持管理費、これは当然基準財政需要額に含まれ、したがって、平衡交付税でこれは見るべきものでなければならないと思うのですが、実際はどうお扱いになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/101
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102・柴田護
○柴田(護)政府委員 交付税法のたてまえでは、市町村道の延長も面積もすべて一定の時点で押えまして、基準財政需要額の数値に入っておるわけでございます。したがって、もしお話のような事実があるとするならば道路現況調書の不備だ、そこに調査漏れがあったということでお話のような事態が起こったのではないかと思います。現に私どもが監査をいたしまするとそういうことを発見することがございます。これは毎年、たしか四月一日現在の数値をとりまして算定をするわけですから、およそ市町村道なるものは漏れなく入っておるわけでございますけれども、漏れておるところがあるとすれば現況調書の不備だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/102
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103・石田宥全
○石田(宥)委員 そこで、次にお伺いいたしますが、農免道路というものは農林省がこれを建設されて市町村に移管をされておる。
〔田村建設委員長退席、岡崎地方行政委員長着席〕
建設省も本年度の予算では三百十八億八千八百万円を市町村道の予算としてつけておる。これはでき上がれば市町村に移管されるわけです。ところがいまお話しのような維持管理費が必ずしも市町村でまかない切れないというか、普通の道路らしい道路でなくなってしまうんですね。維持管理費というものは、いまお聞きいたしましたようにこれは当然市町村が負担すべきものであり、基準財政需要額の中に入り、平衡交付税で見るべきものであるというこのたてまえは明確になっていなければならないと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/103
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104・柴田護
○柴田(護)政府委員 明確になっておるのでございます。なっておるのでございますけれども、御承知のように交付税にはひもがついておりません。また、ひもをつけるべきものとされておりません。したがって、お話のように十分入っておりまする維持管理費というものは、実際に市町村が財政運営をいたします場合にはほかのほうに回るということはあり得ると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/104
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105・石田宥全
○石田(宥)委員 実はこの維持管理費は農業を経営しておる者には非常に大きな問題なんです。きょうはこういう場面だから呼んでおりませんけれども、市町村道の維持管理費は非常にたくさんの部分を農民が負担をしておる。私はうちが農家ですからお盆休みなどにうちへ帰りますと、毎日毎日道路普請に夫役というか奉仕をしておるわけです。まあそれは自分たちが利用するんだからよろしいじゃないかという議論もあるだろうけれども、法律のたてまえではそうではないのです。それが一つあるけれども、もっと大きな問題は、その維持管理費を、奉仕をしたその経費を、住民税の所得算定の場合に必要経費として見ないということが行なわれておる。それから所得税の場合もそういうことがあるんです。そこで、私はこの点を確認しておく必要があるのでお尋ねをしたわけですが、それは法律的にも明確なんでありますから、はっきりした御答弁でそれでよろしいと思います。
そこで、これは自治大臣にお伺いをいたしますが、国営土地改良事業、基盤整備事業が行なわれると、農地が道路の拡幅をいたしますから二メートル道路が五メートルになり、五メートル半になる。農地が道路になる。これが非常に大きな面積になるのです。同時に、基盤整備事業の場合には、これは完全な農道として維持管理費は土地改良区が当然負担をするのです。しかし、都市が拡大いたしまして市街地になるようなことがあります。宅地や工場敷地になる場合がある。そうすると、その道路はこれは国のものだといって、道路の売却費は国庫がとる。国有財産だから国がとっちゃう。そこで、われわれはその矛盾を長い間ついてまいりましたが、これは土地改良法に基づいて維持管理費を投入した範囲においてこれを土地改良区に譲与することができるということの規定があって、それに基づいて、ある地域では最近国有財産局で一たん国が代金はとったけれども、それは土地改良法によって——六十九条だったかと思いますが、それによって土地改良区にその代金をくれたのです。そういう事例から考えてみると、市町村道の維持管理費をほとんど農民がやっておるような場合において、いまのような事例が起こったときに当然維持管理の責任に当たっておった土地改良区なりあるいは部落なりにその所有権というものは譲与すべきものではないか、こう思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/105
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106・柴田護
○柴田(護)政府委員 少しこまかい問題でございますから、私からお答え申し上げます。
お話のように、昔は夫役現品という制度がございました。そして、夫役したものはすべて金銭にこれを換算して予算に計上すべし、これが府県制、市制、町村制時代からのたてまえでございました。しかし、先般の改正で自治法が変わりまして夫役現品制度はなくなりました。したがって、維持管理の責任あるところは維持管理の責任ある者が経費を出して維持管理に当たるというたてまえに変わっております。したがって、制度上は石田先生が御指摘になったような事態は、むしろ寄付金であるというならば労役の寄付ということになるわけでございますが、そういう事態は望ましくございません。ほんとうを言いますならば、そういうことを部落の方々に要請をいたしますれば、むしろそれに対して村側から応分の支出をなすべきだと思うのでございます。したがって、いまだにはやり、昔の美風といえば美風と言えぬでもございませんけれども、部落の奉仕形体というものは残っております。それを乱用してその上にあぐらをかいて維持管理を怠っては、これはやはり市町村としてはいけない。自発的な奉仕ならば、これはむしろ喜んで受けるべきかもしれませんけれども、しかし、それにあぐらをかいて維持管理を怠るということは適当ではない。そのような方向で指導し、維持管理の近代化をはかっていくべきであるというようにわれわれ考えておるのでございます。
〔岡崎地方行政委員長退席、田村建設委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/106
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107・永山忠則
○永山国務大臣 いま局長の申しましたように、地方財政におきましても超過負担が非常に多い状態でございますので、できる限りそういうような夫役奉仕の関係等はこれを漸次に少なくいたしまして、そうしてまた、地方財政計画におきましても、これが負担過重にならないような方向に算定基準を持っていくように努力せなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/107
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108・石田宥全
○石田(宥)委員 所有権とその代金を維持管理費を払った者にそれは譲与することができるような措置をすべきではないか、こういう点はどうですか。土地改良法ではちゃんとやっているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/108
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109・柴田護
○柴田(護)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、やはり市町村道でありますから、それはまあ管理の主体はこれは市町村でありますけれども、所有権云々ということになりますと、やはり市町村そのものにあるわけでございます。それを、奉仕したからその所有権を移すというのは私どもは適当とは考えません。やはり、もしそういう形で市町村が要請をして夫役的なことをしたのでございますれば、市町村からそれに応ずる代金を支払うべきであって、それが直ちにその土地の所有権につながるということはいかがかと考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/109
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110・石田宥全
○石田(宥)委員 もう一、二問で終わりますけれども、道路局長にちょっとお伺いしますが、この法律と関連いたしまして、日本では土地の利用区分というのが明確でございませんから、社会党はかねて数年前から土地の利用区分をきめろという主張をしておりますけれども、まだ国土調査法に基づく調査も不十分だということでいつまでこれが伸びるかわからないのです。けれども交通安全ということを考えてみた場合に、国道の舗装ができる。そうするとすぐ道路わきにぞろぞろと住宅ができ工場ができて、全く見た目も悪いが交通安全上非常な支障を生ずるわけです。私どもは、これはやはり前段申しまするような土地利用区分が明確でないというところから起こる一つの問題ではあるけれども、一般国道のような場合にはある一定の区域だけは建物は建てさせないという思い切った措置が必要なんじゃないか。たとえば高圧線がずいぶん高いところを通っておるけれども、その下は補償も何もしないで建築物を建てることは許されない、木も太らすことはできない、これはやはり国がやろうとすればやれるんですね。だから一定の区画、区域だけは住宅は建てさせない、工場は建てさせないということになれば、使用の制限を受けるわけだけれども、それについてはそれなりのやはり若干の補償をすることによってその区域はあけておく、あるいはまた農地にするなり、交通の安全を確保するための区域というものを一線を引くべきではないか。私はいま高圧線の例を引いたわけでありますけれども、これらは全くその所有権を無視するようなことになっておりますよ。大臣御存じですか。ずっと高いあの高圧線の下には建物を建てさせない、木が大きくなるとみなちょん切っちゃうということを安全のためにやっておる。一般国道の安全のためにそういう区域を思い切って設けることが交通安全を確保する上にきわめて重要な点ではないかと思うのでありますが、そういう点についてすでに御検討もなされたことであろうと思いますので、ひとつ御意見を承りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/110
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111・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 建設されました、改築されました道路の両わきにどんどん家ができる。そのためにまあいまお話しのような事態がある、確かに現状はそうでございます。私どもはこれをどういうふうに考えるかということでいろいろ内部でも議論をいたしておりますが、現在道路整備をやっておりますのはいわゆる封建時代の道路、それを第一次的に改良するというたてまえでやっております。その第一次的改良の際に沿道に家が建つことまで制限すべきものと考えるかどうか、その辺の考え方であろうと思います。つまり市街地が造成されてまいりますと、その周辺にいろいろ土地の利用度が高まってまいりまして、工場、人家ができるわけでございますが、そういうものができる以上どうしても出入りということを抑制するわけにいかない。主要な幹線には交差点以外出入りするなというような考え方もございますが、そういたしますと、現在あります道路というものは非常にそれに比べて貧弱であるというようなことから、いま改良事業で行なっております道路というのは、やはり最小限度民衆に、一般民家に接着すべきものであろう、かように考えておるわけでございます。そこで、人家が、あるいは工場が沿線につきますようなところについては、当然これは車道と歩道とを分離して、いまお話しのような問題が起こらないように、自動車の通行にも、あるいは歩行者の通行にも安全なように道路をつくることが大事であろうと思います。そこで、都市計画で決定されております市街地、あるいは今後市街地となると予想されます地域につきましては、私どもはつとめて歩道の道路用地を確保するような余裕を持って、普通の人家がついてくるにつきましては、歩道を整備するというような基本方針でいっております。これはいま申し上げましたような観点に立って、現在の道路が、やはり民衆に接する道路であるという考え方に立っておるわけでございます。しかし、今後それ以上にやります道路についてはどうかと申しますと、やはりお話のように、一般民家あるいは商店、工場等がそれに直接接しない、いわゆる自動車専用的な道路でいくべきであろうというふうに考えまして、道路周辺あるいは都市間、そういうふうなところでもっぱら自動車が通行するような道路につきましては、むしろ沿道のそういう制限をいたしまして、自動車専用道路として、道路の構造そのものも、物理的に、沿道と遮断する、こういう考え方に立っておるわけでございます。その他の方法でまいりますと、どうしても沿道付近地を指定しまして、それに対しては補償あるいは買収というような方法でいかざるを得ないわけでございます。いずれがいいかにつきましては、いろいろ私どもで議論いたしておりまして、大体いまのところはそういうような考え方に立っておるのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/111
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112・石田宥全
○石田(宥)委員 ちょっとついでのようで恐縮ですけれども、もう一つだけ道路局長さんに伺いたいのですが、古い話なんで恐縮ですけれども、この前、新潟地震のときに昭和大橋が落ちましたね。あのときに橋脚が一本なくなった。地下へ埋没したのか流失したのかわからぬということでだいぶ問題になっている。当時の河野建設大臣は視察においでになって、まあ、あの橋は新潟国体のためにつくったのだから、落ちてもよかったというような話をされて、新聞をだいぶにぎわしたわけです。そんなことはどうでもいい話なんですが、しかし、県民は何か奇異感を持った。そこで、先ほど申し上げたように、コンクリートの橋脚が一本埋没してしまったのか、流失したのか、とにかくずいぶん尋ねたけれども見つからないということであった。ところが、三カ月ほどたって、新潟の新聞の投書欄に、あの橋脚は見つからないということであったが、暮夜ひそかにそれは引き揚げられたという投書が出た。ところが今度その次の投書には、いや、あの橋脚は引き揚げると同時に、夜半新発田の、県の土木部の材料置き場に運んである、こういう投書が出た。私の友だちの県会議員が新発田のその材料置き場を見に行ったら、そこにあった。その後、実は県会でもあまりはっきりされておらないし、国会でもあまりはっきりされておらないのですが、河野さんの言ったことは別として、冗談話としても、古い橋が健全であったのに、新しい橋が落ちた。それは一体、計画設計にミスがあったのか、工事施工の際に手抜きがあったのかは、今後究明されて、今後の資料として重要な問題の一つであろうと実は考えておるわけです。どうも県会でもあいまいではっきりしない。そこで、あれほど大きな問題になった問題だから、道路局長は御承知だと思うのですが、一体その計画設計にミスがあったのか、工事に手抜きでもあったのか、その点だけを、お聞きになっておられたならば、ひとつ承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/112
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113・尾之内由紀夫
○尾之内政府委員 昭和橋の落橋の原因につきましては、非常に技術的な調査をいたしまして、私どもが報告を受けております内容によりますと、決してどこかで消えてなくなったということではございません。これは御承知のように、あの地域の地質が非常にこまかい砂で、クイックサンドと申しまして、それがああいう地震によりまして沈下した、沈下の際また折れた、こういうことでございまして、その点は明らかでございます。
そこで、そういうようなほかの古い橋が落ちなくて、なぜあれが落ちたかという点でございますが、最近橋梁を早く施工する、あるいは比較的安く施工するという手段として、この数年来パイル基礎、くい基礎——それが鋼管であったり、あるいはコンクリートのパイルであったりしますが、そういうパイル基礎というものが最近かなり使われるようになった。そうして、それによって急速に施工できるというようなことで、あの昭和橋はたまたまパイル基礎によって施工されたものでございます。したがって、従来他の橋で行なわれましたように、深い井筒を沈めまして、長年月かかってつくったものと若干構造が違っておる。それだけ早くできるし、また経費の点おいてもやや安いということでできたわけでございます。そこで、ああいう地震を想定してやったとすれば、それは確かに設計上のミスと言えるかと思います。ただ、あの当時新潟の信濃川沿いに鋼管パイル基礎が適当であったか適当でなかったかという判断につきましては、これはもう少し別の角度からその妥当性を検討しなければなりませんが、事故の原因というものはそういう点から技術的にも究明されております。したがいまして、私どもは、今後そういうことがないように、特にパイル基礎をやる場合には、少なくともそういうような地質上においてはやるべきではない、また、やる場合においては、斜くいを使うとか、いろいろ他の補強方法を併用してやるべきである、こういうようなことを大体結論を出しまして、また私どもの研究所から各方面に昭和橋の落橋についてもいろいろな報告をいたしております。政府といたしましても、今後の架橋に対して、設計審査に当たりまして、そういう観点から指導いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/113
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114・石田宥全
○石田(宥)委員 もう答弁は別に求めませんけれども、県民が注視している中で河野さんがそういう発言をされたのみならず、夜間にそれを引き揚げて、そうして夜間に、二十キロほどある新発田の県の土木出張所の材料置き場に運んで、そうしてむしろをかけておったというように、なぜそれを明らかに出して、その原因究明の資料となるようにやらなかったか。県民は非常に疑惑を持って見ているわけです。今後そういうようなことがないように、あったならばあったで堂々と昼間中から揚げて、それはどこに原因があったかということも明らかにすべきであって、夜間ひそかに二十キロもある新発田まで運んだ、しかもそれがたまたま見ておった人間の投書によって明らかになったというようなことはまことに不明朗きわまる問題で、道路行政上にも問題があろうかと思うので、今後そういうことのないような御配慮をお願いしたいと思います。
以上で私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/114
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115・田村元
○田村委員長 これにて本連合審査会は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104173X00119660317/115
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