1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年十二月二十五日(土曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 内田 常雄君
理事 浦野 幸男君 理事 小川 平二君
理事 始関 伊平君 理事 田中 榮一君
理事 中川 俊思君 理事 板川 正吾君
理事 中村 重光君
小笠 公韶君 小渕 恵三君
海部 俊樹君 神田 博君
小宮山重四郎君 田中 龍夫君
田中 正巳君 中村 幸八君
藤本 孝雄君 古川 丈吉君
三原 朝雄君 早稻田柳右エ門君
島口重次郎君 田中 武夫君
麻生 良方君
出席国務大臣
通商産業大臣 三木 武夫君
出席政府委員
通商産業政務次
官 進藤 一馬君
中小企業庁長官 山本 重信君
中小企業庁次長 影山 衛司君
委員外の出席者
中小企業信用保
険公庫理事 菅 博太郎君
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十二月二十四日
委員麻生良方君辞任につき、その補欠として西
村栄一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員西村栄一君辞任につき、その補欠として麻
生良方君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十五日
委員小沢辰男君及び佐々木秀世君辞任につき、
その補欠として藤本孝雄君及び小渕恵三君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員小渕恵三君及び藤本孝雄君辞任につき、そ
の補欠として佐々木秀世君及び小沢辰男君が議
長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九号)
中小企業信用保険臨時措置法案(内閣提出第一
〇号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/0
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001・内田常雄
○内田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案並びに中小企業信用保険臨時措置法案を議題として審査を進めます。
右両案に対しましては、昨日の本委員会において趣旨説明のありましたとおり、始関伊平君外二名よりそれぞれ修正案が提出されました。
本修正案に対しては質疑討論の通告がございませんので、直ちに採決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/1
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002・内田常雄
○内田委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
始関伊平君外二名提出の修正案に対し賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/2
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003・内田常雄
○内田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
次に、ただいまの修正部分を除いて原案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/3
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004・内田常雄
○内田委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては原案のとおり可決され、本案は修正議決いたしました。
次に、中小企業信用保険臨時措置法案について採決いたします。
まず、始関伊平君外二名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/4
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005・内田常雄
○内田委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
次に、ただいまの修正部分を除いて原案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/5
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006・内田常雄
○内田委員長 起立総員。よって、修正部分を除いては、原案のとおり可決され、本案は修正議決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/6
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007・内田常雄
○内田委員長 次に、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、中村重光君外二名から、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案並びに中小企業信用保険臨時措置法案に対して、それぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
まず、提案者代表より、趣旨の説明を聴取いたします。中村重光君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/7
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008・中村重光
○中村(重)委員 ただいま議決されました両法案に対するそれぞれの附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行にあたり、左記事項につき所要の措置を講ずべきである。
一、特別小口保険の付保限度額については、経済情勢の推移に対応してこれを百万円程度に引上げるよう努力すること。
二、特別小口保険と他種保険との関係については、併用が可能となるような方向で改善措置を検討すること。
三、特別小口保険の対象となる小企業者の具備すべき要件のうち納税要件の緩和については、更に検討すること。
中小企業信用保険臨時措置法案に対する附帯決議(案)
政府は、本法施行にあたり、左記事項につき速やかに適切な措置を講ずべきである。
一、倒産関連中小企業者の範囲に関し、倒産企業等に対する通商産業大臣の指定基準及び対象中小企業者の認定基準を定める場合には、できる限り広い範囲の中小企業者が対象となるようにするとともに、再下請中小企業者にも及ぶよう配慮すること。
二、中小企業信用保険公庫への出資の増額に努めること。
三、経済情勢の推移によっては、本法の有効期限を延長する等、所要の措置を検討すること。
以上が案文でございます。
以下、事項別に補足説明をいたしますと、中小企業信用保険法改正案に対する附帯決議の第一点は、特別小口保険の付保険限度額についてであります。
今回の改正によって、これが三十万円から五十万円に引き上げられることになりましたが、当委員会においては、すでに、本年春の国会でこの引き上げを決議しているのでありまして、むしろおそきに失したと言わなければなりません。経済不況の影響が、もっぱら中小企業特に零細企業にしわ寄せされている今日、小企業者の金融難を救うためには、信用補完制度を重点的に拡充することが第一でありまして、特に小企業者を対象とする特別小口保険については、今後すみやかに付保限度額を百万円程度に引き上げることが望ましいのであります。
第二点は、特別小口保険と他種保険との関係であります。
現行制度では、特別小口と、第一種あるいは今回新設される無担保保険とを並行して付保することができないことになっておりますが、これでは小企業者にとっては金融の道が制約されることになり、信用保証協会にとっては、いたずらに事務の煩瑣を来たすのみでありまして、明らかに制度の欠陥であります。すみやかに、特別小口保険と他種保険とが併用できるような制度改善をはかるべきであります。
第三点は、特別小口保険の対象範囲であります。この制度を利用する小企業者が具備すべき要件、すなわち居住要件と納税要件については、現在、発足当時に比較すれば相当緩和されてはおりますけれども、なお納税要件を満たさないために、制度の恩典に浴さない小企業者があることは、法案審議の際に明らかになっておるところであります。すなわち、所得割りのつかない住民税の納税者がそれであります。これらほんとうの零細業者を締め出すことは、何としても忍びないのでありまして、均等割りを納税した小企業者にも制度が均てんするよう要件緩和をはかるべきであります。
大臣は、昨日の本委員会における質疑にあたりまして、予算委員会出席のために退席されたのでありますが、私がこの点に対しまして指摘いたしたのでありますけれども、専従者が一人であります場合におきましては、三十一万円以下というのは住民税の所得割りを認めない、専従者が全然いない場合は、二十六万円以下でありますならば、これは所得割りがかからないのであります。月収にいたしますならば、月に五万円あるいは四万円の所得があります者は所得割りが除かれておる、こういうことになってまいりますと、そのような人たちはこの特別小口保険の対象から除外されるということになってまいります。ところが特別小口保険というものに対しましては、当然これは特殊部落的で、何としても、このような企業というより、生業というものを救済していく、そうして生業、さらに企業にとこれが発展をしていくように、十分助成措置を講じていかなければならない、私はこのように考えるわけであります。
したがいまして、所得割りをはずすべきであるということを主張いたしましたが、しかし均等割りだけということになってまいりますと、保証協会のリスクの問題、あるいは事務上の煩瑣の問題等々いろいろ出てくるといったような長官のお答えがあったのであります。その点もないとは言えないのであります。だからといって、煩瑣であるから、あるいは資金上のいろいろな問題点があるからといって、そのような人たちをむげに冷たく扱っていくということは適当ではない、それは政治のあり方ではないと思うのであります。したがいまして、この点に対しましては十分検討を加えて、このような人たちを何としてもこの特別小口保険の対象の中に入れていくということを、十分検討して措置していただきたいというのがこの趣旨でございます。
次に、中小企業信用保険臨時措置法案に対する附帯決議の第一点は、倒産関連中小企業者の範囲であります。親企業の倒産または操短によって危機にさらされた中小企業者をどの範囲まで救済するかは、すべて本法の運用いかんにかかるような条文規定になっております。このことは立法的にも疑義があることも論議になりましたが、それはさておくとしましても、最も問題とすべきは政府の運用方針であります。審議の際に政府は、倒産親企業については金融機関借り入れを除く負債額十億円以上を指定基準とし、対象中小企業者については債権五十万円以上、または、取引依存度二〇%以上を認定基準とするのが当面の方針であることを明らかにされましたが、このようなことでは本法によって救済される中小企業者の数は、まさに暁天の星であります。負債額十億円以上の倒産企業数は、実績によれば全体の二%足らずであり、その上中小企業者のほうまで制約されるならば、本法制定の意義はほとんど失われると言わなければなりません。さらに、再下請の中小企業者は、主として本法第二条第二項第二号によって対象に含まれ得るはずでありますが、この点も政府は方針を明らかにしていないのであります。これらのほかにも種々問題がありますが、要は、本法が羊頭狗肉のものとならないように、本決議案の趣旨に沿って弾力的に運用すべきことをぜひとも強く要請をいたしておきます。
第二点は、中小企業信用保険公庫に対する政府出資の増額でありますが、これについてはいまさら申し上げるまでもありません。信用保証協会の基盤強化と公庫の保険準備基金増強のために強力にこれを推進すべきであります。この点も昨日強く主張いたしましたが、保険公庫の準備基金というのは昭和三十九年七十九億でありました。ところが今日わずかに八十一億四千万円にすぎないのであります。この準備基金というものを増額をしていくというのでなければ、保証協会が、この信用補完制度がいかに強化されたという形になりましても、中身がそれに伴わない。独立採算制でありますので、なかなか焦げつき等を心配をして、この信用補完制度というものをほんとうに実施していくことにちゅうちょするという形が起こってくるのであります。いまこの準備基金というのは運用益という形においてこれが利用されておるというところに問題があるわけであります。十分この点大臣はメスを入れられ、準備基金制度が真に信用補完制度の大きな役割りを果たすということになりますように十分留意していただきたい、このように要請をいたしておきたいと思います。さらにまた、中小企業全般に対しましての財政を強めるように格段の努力を要請をいたしておきたいと思います。
第三点は、本法の恒久化が趣旨であります。本法の有効期限が昭和四十二年三月末までとなっておりますが、この程度の期間内に本法の使命が達成されるのははなはだ困難であると考えられますし、本法の目的、内容から見て、本来恒久法とすべき性質のものであることも、再々指摘したところであります。今後の経済情勢の推移に即応し、中小企業者の要請にこたえて随時期限延長等の措置をとっていくべきであります。
最後に、両法案に通ずる問題として、信用補完制度拡充のための財政措置について政府に特に要望いたします。
今回の第三次補正予算に十億円の信用保険公庫への出資が計上されておりますが、必ずしも十分ではありません。それはただいま私が申し上げたとおりであります。信用補完制度を拡充するためには、公庫の保険準備基金の増強、融資基金の増強による信用保証協会の保証機能の強化、信用保証協会への出捐金の増額等々、各般の施策を総合的に強力に推進しなければならないのでありまして、政府は、明四十一年度予算等において、重大な決意をもってこれに対処すべきものと考えます。
以上、提案の趣旨を御説明いたしましたが、何とぞ全員の御賛同をお願い申し上げるとともに、各項目ごとに通産大臣の所信を表明されんことを要望いたしまして、説明を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/8
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009・内田常雄
○内田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
直ちに採決いたします。
まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付するの動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/9
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010・内田常雄
○内田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
次に、中小企業信用保険臨時措置法案に対する附帯決議を付するの動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/10
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011・内田常雄
○内田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、通商産業大臣より発言を求められております。これを許します。三木通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/11
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012・三木武夫
○三木国務大臣 ただいま二つの附帯決議案が議決をされたわけでありますが、特別小口制度あるいは小口制度と他種保険との併用の問題、あるいは中小企業者の小口保険に対する要件の緩和、さらに臨時措置法案に対しては倒産関連企業の負債認定基準を下げるという問題、あるいは保険公庫への出資金の増額、有効期限延長の処置を講ずるようにせよ、いずれもその精神はよくわかります。その精神を尊重して、その精神が今後生かされるように努力をすることをお約束いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/12
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013・内田常雄
○内田委員長 おはかりいたします。両法案に関する委員会報告書の作成に関しましては委員長に御一任を願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/13
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014・内田常雄
○内田委員長 御異議がないと認めます。よってさよう決しました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/14
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015・内田常雄
○内田委員長 次会は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104461X00419651225/15
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