1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年五月二十五日(水曜日)
午前十時四十分開議
出席委員
委員長 三池 信君
理事 金子 一平君 理事 原田 憲君
理事 坊 秀男君 理事 山中 貞則君
理事 吉田 重延君 理事 平林 剛君
理事 堀 昌雄君 理事 武藤 山治君
岩動 道行君 大泉 寛三君
奥野 誠亮君 押谷 富三君
木村 剛輔君 木村武千代君
小山 省二君 田澤 吉郎君
谷川 和穗君 地崎宇三郎君
西岡 武夫君 羽田武嗣郎君
福田 繁芳君 村山 達雄君
毛利 松平君 渡辺 栄一君
渡辺美智雄君 有馬 輝武君
小林 進君 佐藤觀次郎君
只松 祐治君 日野 吉夫君
平岡忠次郎君 藤田 高敏君
山田 耻目君 横山 利秋君
春日 一幸君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
出席政府委員
大蔵政務次官 藤井 勝志君
大蔵事務官
(主計局次長) 武藤謙二郎君
国税庁長官 泉 美之松君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 畠山 一郎君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計局給与課
長) 辻 敬一君
日本国有鉄道常
務理事 豊原廉次郎君
日本電信電話公
社厚生局長 飯森 実君
専 門 員 抜井 光三君
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本日の会議に付した案件
地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、
税務署の設置に関し承認を求めるの件(内閣提
出、承認第一号)
昭和四十年度における旧令による共済組合等か
らの年金受給者のための特別措置法等の規定に
よる年金の額の改定に関する法律等の一部を改
正する法律案(内閣提出第七七号)
昭和四十年度における公共企業体職員等共済組
合法に規定する共済組合が支給する年金の額の
改定に関する法律等の一部を改正する法律案(
内閣提出第一二三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/0
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001・三池信
○三池委員長 これより会議を開きます。
地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
御質疑はありませんか。——御質疑もないようでありますから、本件に対する質疑はこれにて終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/1
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002・三池信
○三池委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
おはかりいたします。
本件を承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/2
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003・三池信
○三池委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は承認するに決しました。
ただいま議決いたしました承認案件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/3
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004・三池信
○三池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
〔報告書は附録に掲載〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/4
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005・三池信
○三池委員長 昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/5
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006・横山利秋
○横山委員 まず最初に、特殊な問題でありますが、かねて国鉄並びに大蔵省に調査を依頼しておきました事案について、政府側の意向をただしたいと思います。
時間の関係上、同僚諸君にも聞いてもらいたいのでありますから、趣旨を朗読いたします。「昭和十六年大東亜戦開幕に際し、国鉄当局の命令に依り外地派遣となり、南方軍の指揮下に入り、開戦と同時に仏印、泰、マレイ、ビルマと日本軍の進む所へ行を共にして、破壊された鉄道、発電所等の復旧並びに鉄道業務の管理に励み、更に十八年三月泰面鉄道建設工事の主力となり、無人の大森林地帯、猛獣ほゆる天険の地に、四百二十五キロメートル鉄路建設につくした。あたかも工事は雨期に当り、軍は全く天候に対しては無防備にひとしく、遮二無二工事を進めた。加えて悪疫の流行を招いた。特に悪性マラリヤ、コレラの大発生で甚大な犠牲者を出した。日本軍属労務総員一万五千名、死者千余名、捕虜五万名の内死者一万五百六十余名、現地人労務者十万の内、死者三万余名の犠牲者を出し、十月中頃に完成した。路線開通と同時に方面軍の兵たん線の確保に連日の敵機をものともせず修復に努め、ひたすら勝利と平和を信じて死力をつくし、派遣職員の責任を果した。然るに戦い遂に利あらずして敗戦となり、又終戦後は連合軍の下で一年二ケ月余も無俸給で終戦業務に従い、中には二年余ケ月も戦犯の容疑でとどまり、ようやくにして内地の土を踏んだ。」これが経歴、次に経過で「昭和三十三年法律第一三四号恩給法一部改正になり新しい適用を受け、派遣当時任官者のみ一ケ年が三ケ年の加算になり、多人数の鉄道手、雇員は何一つの恩典もなく該当人員二千余名、内六十%は既に退職、交渉結果は任官者に恩給法に従い、雇員は、共済制度に従うので戦地加算の資格がない。」とのことであるが、このような適用を要求して関係個所に陳情を続けている。「三、要求事由」終戦処理としてさきの立法措置がとられた。「(イ)、国鉄を退職し外地鉄道に入り、終戦後引き揚げ後、国鉄に就職した者の外地鉄道期間の通算措置が行なわれた。(口)、国鉄就職以前の軍隊期間を国鉄就職に通算した。(ハ)、退職者の年金が十月より二〇%の増額法案が実現された。(二)、軍人恩給は全面的に復活し、総べて社会保険の一環として考えられ立法される今日、当時国鉄派遣軍属鉄道手、雇員だけ取り残されるのは不当である。又軍属派遣当時就職五年以上すれば任官の資格がありながらその措置をとられないまま内地の後輩が任官し、派遣職員は捨てて省られず、全く国鉄当局の手落ちであり戦地加算を準用適用するのが当然であると考える。」以上が陳情でありますが、これを要約いたしますれば、ビルマ、タイの鉄道建設、同僚諸君も御存じのように、あのたいへんな鉄道建設の際に、国鉄から行きましたうち、任官者は恩給法の命ずるところに従って一年の期間が三年になったけれども、鉄道手、雇員、用人等は、当時参りますときに、向こうに行ったら任官をさせる、こういう約束を信じて向こうに行ったところが、いま申しましたようにたいへんな苦戦で、指揮系統もめちゃくちゃになって、約束が履行されなかった。したがって、戦地におきましては任官がほとんどなかったために、諸君の言い分によりますと、判任官以上は後方部隊であるが、鉄道手以下それらは前線部隊で、ほんとうに敵機の爆撃のもとに仕事をした。しかるに、判任官だけは一年が三年になって、われわれだけがほうりっぱなしにされて、やはり一年は一年として加算されない。これが、向こうに行ったら任官させるから、国のためだから、さあ行ってくれという約束である。それを信じて行ったけれども、混乱のままに約束が履行されないから何とかしてもらいたい、こういう要求なのであります。
本問題を、すでに本委員会で議論をしてもらいまして、理事会ないしはわがほうの理事と政府委員で御協議をしてもらったわけであります。その結果、私の承知するところによりますと、真にそういう約束があるならば善処をしようというようなお話を承って、まことに好意あるその回答であると承知しているわけであります。
そこで、その約束というものについて、何とか客観的な当時のいきさつ、あるいは口述書等々の収集に鋭意つとめているわけでありますが、ただ、何にせよ、多くの諸君が承知するとおりに、戦争後その書類はほとんど灰じんに帰し、またわざと焼いた。——私も当時焼いた一人でありますが、焼いたというようなことがあり、現実に向こうへ行っておった上長の人の十数通に余る当時こういう経緯であったという口述書を入手することができました。しかしながら、官庁における証憑書類等については、国鉄なりあるいはその他の官庁の協力が得られなければ、これはなかなか入手できないような状況であり、また官庁においても、私もその一人でありましたからわかるのでありますが、焼いたり何かして、実のところを言うと、協力してもらっているのだけれどもなかなか入手しがたい。まあ、ないというような状況があるのであります。
そこで、あらためて政府側に公式にお伺いをしたいのでありますが、本件に対する政府側の好意ある見解、今後どういうようになさろうとするのか、承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/6
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007・福田赳夫
○福田(赳)国務大臣 これは恩給の期待権という問題にからまってくると思うのです。したがって、その期待を与えたか与えないかという事実認定ですね、そういう角度の検討を必要とする、こういうふうに考えるわけであります。私が承知しているところでは、そういう点について国鉄の見解を聞きたい、こういうことになっており、国鉄においては調査中であって、なお大蔵省としてはこれが回答に接しておらぬ、これが現状であります。
当局の態度としては、国鉄の回答を待って処置する、かように御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/7
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008・横山利秋
○横山委員 そういたしますと、期待権は尊重する、期待権の裏づけになるようなものを出してもらえば尊重する、こういうわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/8
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009・福田赳夫
○福田(赳)国務大臣 大筋はそう御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/9
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010・横山利秋
○横山委員 大筋はそうというと、小筋が何かあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/10
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011・福田赳夫
○福田(赳)国務大臣 それは期待権が一体どういう内容のものであるとか、まあ、いろいろこまかい検討があると思います。そういうことをよく判定し、そして郵便官署にもそういうような同種の問題があろうと思います。そういう問題ともにらみ合わせ、適切な結論を出したい、かように御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/11
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012・横山利秋
○横山委員 それじゃ大筋のところで了承いたしまして、しからば、国鉄側でありますが、私は私で当時の約束が那辺にあったか、あらゆる人に連絡をして、関係者にも努力をしてもらっておるのですが、どうも国鉄側の協力が、いまごろ何もありゃせぬというあきらめといいますか、あきらめにかかっているのではあるまいかという感じがしてならぬのでありますが、国鉄もまた大筋はどういう考えで、小筋はどういう努力をしておるか、伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/12
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013・豊原廉次郎
○豊原説明員 ただいま横山先生がおっしゃいましたように、当時の状況というものは、公文書の上ではもちろんある程度のものは残っておりますけれども、しかし、国鉄鉄道隊を編成をいたし、国鉄から所属が変わっていくというようなことでございますので、公文書のあるものを私どもいままで調査いたしました段階では、そういうような約束というものを裏づけるようなものは出てこないわけでございます。具体的に当時責任者としてやりましたような方々は大体において退職をしておるわけでございますが、それらの方のうち当時本省等で仕事をしておった者につきましては、どうも記憶もさだかではございませんけれども、そういう積極的な根拠になるようなものはない。ただ、だからといって、そういう行かれた雇用人の方との間に全然そういうものがないと言い切ることも、具体的にその人たちが派遣され、現地においてどういうことがあったかということは、私どもあきらめておるわけではございませんで、調べる努力はいたしておるわけでありますけれども、残念ながらいまのところそういう裏づけになるような資料を得られないというような状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/13
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014・横山利秋
○横山委員 私も国鉄出身でありますから遠慮なくものを言っておるのですけれども、あなたのほうでほんとうにやる気になって、全努力をあげておると見られる節が乏しいのであります、率直に言うと。私は国鉄の経歴からいってあなたの後輩でありますけれども、私のようなものでも、次から次へと人をたどって、当時の責任者はだれらしい、その人に聞いて、さらに教えてくれ、それはだれだ、それはこの人が知っておるかもしれぬ、それではそこに電話をかけるというふうに、すでに十数人たどっておる。ところが、十数人の人たちの中で国鉄から照会があったという人はいないのであります。やってないということを私は痛感したのであります。あなたのほうはやってない。私のアンテナとあなたのアンテナとがどこかですれ違わなければならぬはずであるのにかかわらず、どうもあなたのほうが誠意がないというか、消極的だというか、てんから、おそらくそういうものはもう焼いてしまったからないだろうということで、少なくとも公の文書か当時の責任者の口述書か何か、どちらかの角度であらゆる努力をもって収集するという誠意に欠けておると私は感ずるのでありますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/14
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015・豊原廉次郎
○豊原説明員 お尋ねの、照会のあったところで国鉄から照会を受けたところはないということでございますが、私どもも照会のできるところはやっておるつもりでございますが、そういうアンテナとアンテナの触れ合いがないということで誠意がないとおっしゃられるのはまことに残念でございますが、今後とも努力を重ねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/15
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016・横山利秋
○横山委員 それはあらためて、いつもあなたに電話をかけてくれとは言いませんよ。しかし、あなたも当時から国鉄におられ、あなたの先輩になる人たちがお心づきであるから、このためにもう一ぺん国鉄の機能を発揮しまして、当時におけるあらゆる先輩に書面を出して、この問題についてどうしても当時のいきさつを知りたいという公文書を出してくださって、その資料の収集を求められんことを望みますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/16
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017・豊原廉次郎
○豊原説明員 ただいまのお話のことは実行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/17
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018・横山利秋
○横山委員 私が提起いたしました問題は、国鉄の特殊事情であり、そういう約束があってなおかつ約束が混乱のために守られなかったという特殊事情であります。
他方、それ以前の、ひるがえって、そもそも恩給制度と共済組合制度との比較論、一般論について意見をただしたいのでありますが、そういう約束がある、ないは別にしまして、一般の恩給制度とこの共済制度について、戦時加算やあるいはそのほかの通算制度において相違があるということは諸君御存じのとおりであります。先般、内閣委員会において、通算及び加算の措置について、共済組合制度と恩給制度との間に取り扱いに相違があることについて調整をはかる趣旨の附帯決議が付せられたのであります。
〔「定足数を欠いている、五分間待つから……」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/18
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019・横山利秋
○横山委員 いま入場された同僚の諸君に警告を発します。
いやしくも質問をしようとするときには、同僚諸君御存じのとおり、苦心惨たん難産苦産、説得力のある質問を少なくともしょうと思ってわれわれは努力をいたしておるのであります。しかも、理事会におきまして、わがほうの理事も好意をもって、せめて成立後このくらいまではおれということをそちらへ言うておるのに、それが待てないようなことではいかぬですぞ。これは委員長になりかわって十分警告を発します。委員長いいですな。委員長の御同意を得ましたものですから……。
そこで、先ほどの質問ですが、共済組合制度と恩給制度との間に取り扱いの相違があることについて調整をはかれとの内閣委員会の趣旨は全く同感でございますが、この点について政府側に異存はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/19
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020・武藤謙二郎
○武藤政府委員 恩給と共済と、先生御承知のように、たてまえがだいぶ違っておりまして、いまの共済制度というのは保険数理でできております。ところが、恩給のほうで期待権のあるものを、今度新しい制度に吸収するときに、その期待権は尊重せなければいかぬだろう、そういうことで、その関係だけが共済制度の中へ入ってきております。したがいまして、過去においてそういう期待権がなかったものを、いまさかのぼって直すというようなことは、制度の根本に関係しますので非常に困難なことだ、そう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/20
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021・横山利秋
○横山委員 内閣委員会の附帯決議は私が読んだとおりでしょう。御存じですね。それに従わないという意味の答弁をしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/21
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022・武藤謙二郎
○武藤政府委員 これは制度の根本に触れる問題ですので非常にむずかしい問題だ、そういうことをお答えしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/22
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023・横山利秋
○横山委員 私の聞いておるのと違うのですよ。理屈を聞いておるのじゃない。あなたのことばは、別な角度で言いますと、内閣委員会の附帯決議には従わないということを言っていることじゃないかと聞いているのです。内閣委員会の附帯決議に従うのか従わないのか。附帯決議が付せられたときには、大蔵大臣は、趣旨を尊重し、努力いたしますと言っているのです。それはあなたはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/23
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024・武藤謙二郎
○武藤政府委員 政府のほうで尊重ということは言っていると思いますが、また同時に、非常にむずかしい問題があるということもお含みおき願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/24
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025・横山利秋
○横山委員 ちょっと、内閣委員会の附帯決議をさっそく入手してください。同時に、そのときに大蔵大臣がどういう答弁をしたか、正確なあれをすぐに取り寄せてください。——あの附帯決議につきましては、政府を代表し安井国務大臣が「ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿うよう極力努力をいたしたいと存じます。」これは何ですか。これは政府を代表しておらぬのですか。大蔵大臣だけはこの政府を代表した安井国務大臣の答弁に対して異議を申し立てているというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/25
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026・武藤謙二郎
○武藤政府委員 内閣委員会の附帯決議の二番目は「通算及び加算の措置に関する恩給制度と共済組合制度との間における不均衡是正について、その総合調整を図ること。」ということで、非常に抽象的な表現になっております。それにつきましては、政府としては、安井長官が答弁したようなことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/26
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027・横山利秋
○横山委員 あなた、日本語を知らないの。あなた自分で言っておっても心中じくじたるものがあるでしょうが。大体顔を見ればわかるですよ。ここに言う「通算及び加算の措置に関する恩給制度と共済組合制度との間における不均衡是正について、その総合調整を図る」という不均衡是正ということは、恩給の一年を三年にするものを下げろといっているわけじゃないでしょう。そんなことができると思うのですか。これは共済組合を、調整だから上へ上げるということじゃないの。それをあなたは理屈を言って、こちらは期待権がある、こちらは期待権がないということだけ二回も言った。そんなことは百も、まあ承知か承知でないかわからぬけれども、それを通り越して附帯決議ができ、安井長官が、極力努力をいたします、趣旨に沿うと言っている。あなたの言っていることはまるで逆の話で、それはとてもできない相談ですよと、そういう趣旨じゃないの。それは政府を代表した答弁について政務次官はいかにお考えあそばすか、一ぺん御答弁あそばせ。政務次官、そんなことわからぬことないでしょう。あなたが安井長官と同じ答弁をしなければ、ここへ安井長官を呼びますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/27
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028・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 日本語というのはなかなか表現が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/28
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029・横山利秋
○横山委員 ちょっと、安井長官を呼んでください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/29
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030・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 答弁を求められたから立って言いかけたら、何ですか、言わなくていいんならやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/30
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031・横山利秋
○横山委員 委員長、安井長官をぜひ呼んでいただきます。
それで政務次官、いまちょっとあなたむくれて答弁しなかったようだけれども、むくれたわけじゃないの。——むくれていなければ、安井長官と同じ答弁をきちんとなさいよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/31
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032・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 これは、内閣委員会において安井長官が答弁された答弁と同じ答弁をせよという前提の答弁なら、私ちょっとできにくいと思うのです。同時に、一応安井長官は政府の立場において御意見を述べられた事実を私は否定するものではない。ただ問題は、結局は先立つものは金なんです。そこで、安井長官としてみれば、政府の一つの立場においてできるだけこれが実現をはかりたい、こういう願望の意思表示だったと私は思う。それに対して、やはり大蔵省の立場において鳩首協議して結論を出す、こういう場合、極力決議は尊重していったけれども、財源上この程度でごしんぼう願わなければならぬという場合もあろうと思うのです。どうしてもやらなければならぬ問題でも、金がないためにできない場合もありましょうし、また、どうしてもこれは実現しなければならぬということで、決議がすべて決議どおりということは、過去に長い経験のある横山委員十分御理解いただける、このように思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/32
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033・横山利秋
○横山委員 長官を呼んでいただけますね。——長官のいらっしゃる前に一矢報いておきますが、めがねをはめた次長さん、その人の言うことは、あなたとはまるっきり逆なんです。つまり、めがねは何を言おうとしておるかというと、要するに、できませんと言っている。片一方は、期待権があるからやる、片一方は、期待権がないからできません、恩給法と共済組合の骨格を乱すものだ、こういうことで、できませんという答弁ですが、あなたのは財源論です。財源論なら、譲るつもりはないですけれども、まだ趣旨を尊重して極力努力をいたすという方向に前向きです。あの人はうしろ向きなんです。言語道断というのはそこなんです。決議をびた一文も尊重する気持ちがない、理論的にないと言っているのだから。だから私はめがねはけしからぬと言っておる。これはちょっと保留いたしまして、安井長官の御出席を待って、さらにただしたいと思います。
次は、共済組合の財政の中で最も問題となる過去勤務債務の問題であります。私の手元にありますのは国鉄共済組合収支計画策定審議会の答申、四十年六月、この答申によりますと、三十八年度末過去勤務債務の内訳は約五千百五十五億円、その中で新法施行前の過去勤務債務が八百三十六億円、新法施行時の増加額が千百九十四億円、ベースアップによる増加額が千六百八十五億円、年金改定による増加額が三百八十六億円、軍人期間算入による増加額が百五十億円、過去勤務債務の利息増加分が九百四億円、まさに、だれが負担するか、この論争の焦点となっております過去勤務債務は、三十八年度末で実に五千百五十五億円の巨額に達し、しかも、将来これは増大の一途をたどり、また、これについての負担並びにその追加をなしくずす方式についても、何ともいま見通しがつかぬという状況であります。
そこで、国鉄の数字はわかっておりますが、ほかの二公社は、同年度末のがあれば一番よろしいのでありますが、一体その内訳はどのくらいあるか、まず他の二公社の過去勤務債務を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/33
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034・畠山一郎
○畠山政府委員 電電公社の過去勤務債務の内訳について申し上げます。
時点は三十九年度末現在であります。新法施行前の過去勤務債務百七億円、新法施行時の増加分三百八十四億円、給与改定による増加分七百七十五億円、年金額の改定による増加分十三億円、軍人期間等の算入による増加分三十億円、過去勤務債務の利息増加分二百七十五億円、合計いたしまして千五百八十四億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/34
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035・横山利秋
○横山委員 専売がいらっしゃらないそうでありますが、このような膨大な過去勤務債務について、収支計画策定審議会の答申によりますと、これらの発生原因並びにこの負担を本来どこが負うべきであるかということについて、それぞれ恩給者の吸収においては国鉄が負担しろ、軍人期間の問題については国庫が負担しろ、ベースアップのうち生活水準向上の問題については労使が負担せよ、物価変動については国庫が負担せよ、年金改定についても、ベースアップと同様に労使ないしは国庫が負担せよ、こういっておるのでありますが、電電関係についてもこの負担をだれがするかについてはこの審議会と同じ答申の内容でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/35
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036・畠山一郎
○畠山政府委員 電電公社の場合におきましても国鉄の計画策定審議会と同じ趣旨の答申が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/36
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037・横山利秋
○横山委員 それで、この答申の扱いについては、政府部内は答申をどういうふうに扱っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/37
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038・辻敬一
○辻説明員 ただいま御指摘のございました過去勤務債務の負担関係の問題は非常に重要な問題でございまして、政府といたしましては今後慎重に検討する方向で考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/38
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039・横山利秋
○横山委員 答申の出たのは去年の六月ではないですか。きょうは五月の二十五日、一年になんなんとして、きのう出たような話をしてもらっては困る。共済組合の法案、その中で一番問題となりますのが財源、過去勤務債務の件が、一年たった今日、重要な問題でございますからなんて、きのう答申が出たようなばかな話では納得できません。この答申の過去勤務債務のあり方について政府内部の意見がまとまっていないということは納得できない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/39
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040・辻敬一
○辻説明員 この問題は共済制度ばかりの問題ではございませんで、たとえば、民間におきます厚生年金の同様な過去勤務債務の取り扱いその他にも関係することでございます。つまり、公的年金制度全般の問題と関連いたしますので、その全体の問題の一環としてやはり慎重に検討する必要があるというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/40
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041・横山利秋
○横山委員 そうであろうと何であろうと、いま法案が出て、その骨格となる過去勤務債務について政府の態度やいかんというのに、一年たっても、慎重にだとか、右だとも左だとも言えぬ、前ともうしろとも言えぬというて、ぽうっとしておるのは納得できない。これはすみやかに政府部内でひとつ本法案が上がるまでに意思の統一をせられんことを要求いたしますが、政務次官どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/41
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042・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 御趣旨の点はよくわかりますので、できるだけ早く結論が出るように努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/42
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043・横山利秋
○横山委員 この共済組合の中の最も焦点である問題がどちらになるかということがわからなければ、私ども掛け金論もできない。財源率の議論もできないわけだ。この汽車はどこへ行くかわからないじゃないですか。ですから、最も早い機会というのは、この法案が上がるまでだ。この法案が上がるまでに、この答申の過去勤務債務の負担の割合、しかも長年かかって答申が出たのですから、電電も専売も国鉄も答申が出て、こういうふうにせよと言っているものを、右にするか左にするかきまらぬでは困る。結論を出してから法案を上げましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/43
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044・辻敬一
○辻説明員 若干補足して説明さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/44
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045・横山利秋
○横山委員 補足といったって、まだ本文にいっていないのに補足というのがありますか。私の聞いているのは、法案が上がるまでに態度をきめろと言っているのに、何が補足ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/45
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046・武藤謙二郎
○武藤政府委員 それじゃ、事実の関係だけをちょっと説明さしていただきたいと思いますが、給与課長からの説明をお聞き願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/46
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047・横山利秋
○横山委員 やむを得ないです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/47
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048・辻敬一
○辻説明員 ただいまお示しの国鉄、電電の収支計画調査委員会の答申の扱いにつきましては、答申の中に、整理資源については当分毎年前年比で千分の五ずつ負担率をアップしてくるというようなことが示されておりますが、予算措置につきましては、その線に沿いまして千分の五ずつ整理資源の率を引き上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/48
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049・横山利秋
○横山委員 そんなことは関係ないじゃないですか。それは私の質問に対する回答ではない。別な角度で、こういうこともやっておるから、これを延ばしてもまあまあだというような意味ですね。私の聞いているのは、この過去勤務債務の負担区分というものを明確にするべき旨答申が出ているのだから、それを政府として態度をきめろ、こう言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/49
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050・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 給与課長が答弁をいたしましたのは、東実上答申の趣旨を尊重して今度の予算にも措置しておるという、こういう趣旨の答えだと御了解いただきたいと思うのでありまして、御趣旨の点よくわかりますので、極力早く……。(横山委員「法案の上がるまで」と呼ぶ)その点は時間的に、いろいろ他の全体の制度との関係がございますから、極力早くやるということで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/50
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051・横山利秋
○横山委員 電電さんと国鉄さん、あなた方いま答弁をなかなかしにくいところだ。前にめがねの人がおるし、答弁しにくいところだけれども、ここは国鉄と電電にはっきりしてもらわないと困る。
そこで、遠慮なく答えてほしいのですが、電電並びに国鉄として、この答申について政府に何を望んでおるか、このことをはっきりしてくださいよ。電電、国鉄も出ましたといって知らぬ顔をしているわけじゃないでしょう。財源率その他の問題について何を政府側に公社として要望しておるか、その辺、後日のためにはっきりしておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/51
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052・豊原廉次郎
○豊原説明員 私どもといたしましては、収支計画策定審議会の答申を十分に尊重いたしたいという立場から、その中にあげられております、いま御指摘のような国庫負担という問題につきまして、関係の政府当局にお願いをいたしておるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/52
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053・飯森実
○飯森説明員 お答え申し上げます。
ただいま国鉄のほうから御答弁のあったとおりでございまして、監督官庁のほうに追加費用を毎年五%ずつ上げていただきたいということをお願いいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/53
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054・横山利秋
○横山委員 ちょっと、いまのあなたの話はおかしいね。私の聞いているのは、この過去勤務債務、あなたのほうから言うならば、三十九年度末において千五百八十四億円という過去勤務債務、この問題の扱いについいて、答申は、これは国鉄が負担しろ、これは国庫が負担しろ、これは労使が負担しろと書いてある。私は、その負担のあり方についてずいぶん意見があるのです。端的に言うならば、国と公社が負担すればいいと思っている人間だけれども、しかし、答申ではこういう負担区分をあげておるということについて、電電公社はこのことに関してどう言っておるのか。答申をこの部分について実現してもらいたいと政府に言うておるのか、言うておらぬのか、どっちでもいいと思っておるのかという意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/54
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055・飯森実
○飯森説明員 ただいまの先生の御質問、あるいは誤解したかもしれませんので申しわけございませんでした。
実は、その過去勤務債務の最後の負担の調査委員会の言っておりますことにつきましては、具体的にいま組合としてもなかなかむずかしい問題でございますので、具体的な案をもって政府にお願いしていることはございません。ただ、ここで答申で言っておりますように、先生も御承知のように、いわゆる修正賦課方式がとりあえずいいということを言っておりますものですから、これをまず確実にきめていただくことがまず最初である、そのあとで、私のほうでもこのいままでの過去勤務債務の発生原因別に、だれがどういうぐあいに負担すべきかということは、組合としても慎重に検討する必要があるということで、鋭意いま検討しているところでございます。まだ政府に、関係方面に具体的にそれをどうしてほしいということを意思表示しておりません。
〔「そんなことではいかぬ」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/55
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056・横山利秋
○横山委員 同僚諸君からやじが飛んでおりますけれども、ほんとうにそれがいけないのだと私も思うのですよ。
共済組合の財源が赤字である。これをほかっておけばたいへんになる。その赤字をどういうふうになしくずしにしたらいいか。五%ずつ上げたらどのくらいになるかというめっそみたいなやり方で、理屈抜きでやっていくやり方に私は問題があると思っているのです。ですから、大蔵省はもっと——日ごろから理屈か好きなんでありますから、それなら理屈で、答申でこの負担割合はこうなっているのだから、これを積み上げてこういうふうにしろ、答申が出ているじゃないかという立場において、一つ一つ基礎を置いてやっていかなければ、こんな抽象的なやり方で解決するとは私は思わないのであります。そこで、あらためてひとつ電電公社にはよくお考え直しを願って、いまのそういうやり方で一体理論的にも共済組合の運営がうまくいくのかどうかという点についてはひとつ御検討をわずらわさなければいかぬけれども、大蔵省としても、先ほどからるる申し上げておるように、この答申のきわめて明白な負担割合について、一年もたってなおかつほかっておくという態度については、どうしても私は納得できない。政務次官ができるだけ早い機会にと本気でおっしゃるならば、少なくとも本法案が上がるまでに大蔵大臣から一そんなところで首をひねらんでもいいですよ。私の言うことを最後まで聞きなさいよ。牽制するとは言語道断だ。少なくとも、私ども野党が満足するようにこの答申についての考え方を——あなた方のいまの話だと、どうもうしろ向きだ。これをほかっておくという考えだ。それではいかぬ。政務次官ができるだけ早い機会ということであるならば、少なくとも本法案が上がるまでに過去勤務債務の扱いについての考え方の大綱を大蔵大臣から承知をいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/56
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057・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 ただいま現業機関のほうから答弁がありましたような状態で、この問題、せっかく答申が出ておるわけでございますけれども、ただ、期限つきで、この法案があがるまでにということにいかない場合、政務次官として公の席でうそを言ったことになりますので、極力御趣旨に沿うて努力する、こういうことでひとつ御了承をいただきたい、重ねてお願いをいたします。
〔「そこら辺でかんべんしてやるか」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/57
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058・横山利秋
○横山委員 私はかんべんできない。私は一つ一つを、ここ数日の間にああするこうするとまでは要求してないのです。少なくとも、いまの大蔵省の考え方は、このままほかっておくという考えだから解しかねる。この過去勤務債務の発生原因並びにそれによって負担をどうすべきかという考え方がひとつ出ているのだから、出ていることについて、大蔵大臣は前向きか後向きか、そのことを明確にしてもらいたいということを言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/58
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059・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 先ほども給与課長から答弁をいたしましたように、追加費用の負担について答申の線に沿うて一部実施いたしておるわけでございます。したがって、その他の答申に盛られた問題点は、公的年金全体に関係する重要な問題だと思うのでありまして、そういう点から、せっかくの重ねての御質問でございますけれども、私としては極力御趣旨に沿うて早期に結論の出るように努力をさせていただく、このように、ただ同じことを繰り返して恐縮ですけれども、御了承を重ねてお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/59
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060・横山利秋
○横山委員 納得ができかねるのでありますが、しかし、これであまり時間をとっても私の言いたいことが言い尽くせませんから、それは強く主張するにとどめます。
次は、予定利息の問題ですけれども、この五分五厘ということがあまりにも少な過ぎる。答申だったかどこかで見ましたけれども、三十五年の運用の実績は七分一厘八毛、三十六年は七分四毛、三十七年が七分、三十八年が六分三厘八毛、三十九年が六分二厘九毛、確かに多少は低下しておりますけれども、五分五厘ということは絶対ない。ところが、この予定利息を五分五厘として算定をいたしますために、これは非常に計算が違ってくる。だから、掛け金だとか負担だとかなんとかということになってくると、過去の実績、ここ五年とっても、最高七分一厘八毛、最低六分二厘九毛、何で五分五厘でなければならぬのですか、その理由をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/60
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061・辻敬一
○辻説明員 ただいま御指摘の問題は、やはり他の公的年金制度全般の問題でございまして、厚生年金におきましても五分五厘で計算をいたしておるわけでございます。それから、やはり金利は長期的に見ますと低下傾向にございます。したがいまして、ある程度そこのところに安全率を見ておく必要もあるわけでございます。そういうような点を考えて、従来から五分五厘ということで予定利回りを計算しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/61
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062・横山利秋
○横山委員 そうすると、安全値を見つくろって、実際は五分五厘ということではないけれども——過去の実績は二分も違いますからね、実際は五分五厘ということはないけれども、安全値をみつくろって五分五厘にする。五分五厘で計算をすることによって、数字は砂上の楼閣ができる。それはお認めなんですな。五分五厘で組み立てられたいろいろな数字は、これは最高一分六厘八毛、最低七厘九毛、それだけは砂上の楼閣であって、安全値ということは実態とかけ離れている。もっと掛け金を上げぬでもいいかもしれぬ。もっとあれをせぬでもいいかもしれぬ。あるいは別な角度で言えば、給付がよくできるかもしれぬということは承知の上でこの五分五厘にしておる。他の関係といいますけれども、他の関係は別に絶対拘束性のある問題ではないでしょう。現に、公共企業体の共済組合が五分五厘以上の運用ができるというならば、これはやっていかぬのですか。どこに抵触があるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/62
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063・辻敬一
○辻説明員 保険数理につきましては、ただいまお示しの予定利回りのほかに、脱退率でございますとか、あるいは死亡率でございますとか、いろいろ要素がございます。脱退率等につきましても、たとえて申しますと、だんだん在職期間が長くなりまして、年金の受給資格がついてからやめる者が多くなりますと、年金の数字といたしましては持ち出しが多くなるわけでございます。それから、死亡率等につきましては、たとえば年金受給者の平均寿命と申しますか、残存余命が延びてまいりますと、それだけやはり保険数理といたしましては持ち出しになるというような要素もございます。したがって、そのような保険数理のほかの要素もあわせ考えまして、現在の段階では五分五厘が妥当であろう、こういう考えに立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/63
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064・横山利秋
○横山委員 死亡率がどうだとか、やめる人数がどうだとかいうのは、これは別に正確な数字を出せばいい。私が言っているのは、その中の一つである予定利息の五分五厘が妥当であるかどうかに限定して聞いているのである。ほかの、死亡率は一体どのくらいが妥当であるか、脱退残存表はどのくらいが妥当であるかということは別の角度です。少なくとも予定利息の五分五厘というのは現状と違っているぞと言っているのですよ。あなたは安全値を見つくろっているというならば、その安全値とは一体何か。実態に近い数字、実態と離れていない数字を使っていって、収支計画なり、いろいろなものを立てるのが普通ではないか。五分五厘は、その意味合いにおいては低過ぎるではないか。過去の実際からいっても七分一厘八毛、少なくとも三十九年の六分二厘九毛からいうと、五分五厘は実態から離れているではないか、何で実態に近いようにせぬのかと言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/64
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065・辻敬一
○辻説明員 その点は、繰り返しになりましてたいへん恐縮でございますけれども、やはり長期的な金利の低下傾向というようなことも考慮に入れる必要がございますし、他の制度とのバランスと申しますか、これもやはり保険数理の他の要素との関連もございまして、総合的に考えまして、現在の五分五厘が妥当であるという判断に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/65
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066・横山利秋
○横山委員 そうしますと、あなたの立論は、将来金利が低下して五分五厘になるであろう、だから五分五厘だ、それならば私はまだ納得できぬことはないのです。低金利時代だから将来五分五厘になるだろう、だから五分五厘が正しいというなら私は納得しますけれども、安全値を見つくろっているとか、他が五分五厘だから五分五厘だという理論では私は納得できぬというのです。あなたは、将来この予定利息が大体五分五厘になるから、いまこのままにしておいたほうがいい、こういう理論ですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/66
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067・辻敬一
○辻説明員 どうもその点につきましては、再三繰り返しになってはなはだ申しわけないのでございますけれども、やはり先ほど申し上げましたいろいろな要素をあわせ考えて、現在のところは五分五厘がいいという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/67
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068・横山利秋
○横山委員 常識豊かな政務次官、私の話と向こうの話とどうも歯車がかみ合わぬですな。そう思いませんか。私の聞き方が悪いのですか、向こうの言い方が悪いのですか、どっちですか。ちょっと解明してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/68
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069・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 相当技術的な込み入った問題でございますので、私も、専門的なお立場の横山先生の御質問に対して、これの解明的な答弁はとてもできないと思いますが、ただいま給与課長から御答弁いたしました趣旨は、現在金利というものはだんだん低下傾向にある、また低下させなければならない、こういう一つの線と、同時に預かっている金の運用というものは、その構成メンバーの全体の利益ということを考え、いろいろな要素を入れた場合、五分五厘という線が、現時点に立って考えた場合は、将来の見通しも含めて適当ではないだろうかというふうに、私は両者の御意見を聞いて思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/69
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070・横山利秋
○横山委員 ぼくの言っていることはこういう意見だろうなと言っているのは、あなたの言っているのと違いはせぬ。それをちょっとひっかかるかと思ったのかもしれぬが、何か逃げて話をなさるからぼくは前へ進めぬのですよ。課長は、いま政務次官のおっしゃったことと同じことを言っているのですか、違うことを言っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/70
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071・辻敬一
○辻説明員 同じことを申し上げているわけでございます。
それから、御承知のように、この財源率の計算は、国家公務員共済組合の場合でございますと、五年目ごとに再計算をいたしまして、新しい要素を考えまして、料率、掛け金率なり負担率をきめるということになっております。したがいまして、御指摘の問題も、次の機会には全体の一環として検討いたすことになるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/71
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072・横山利秋
○横山委員 では国鉄に伺いますが、お聞きになって私の主張はおわかりだと思うのです。国鉄の立場として、五分五厘がいいか六分がいいか、いろいろ議論はあると思う。議論はあると思うが、しかしながら五分五厘という予定利息が過去の実績と離れている。離れていることは何といったって事実でしょう。だからぼくは、過去の実績から押して五分五厘も改定すべきではないか1過去の実績はこうであるけれども、将来五分五厘になるから、お説はお説であるけれども五分五厘にしておいたほうがいいということなら、まだ私は話がわかると思うのです。国鉄は五分五厘が妥当だと思っているか、思っているなら、どういうところで妥当だと思うか、聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/72
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073・豊原廉次郎
○豊原説明員 この問題は、御承知のように非常にむずかしい問題でございますが、理論的にはいま給与課長が答弁されましたことと同様のことを私どもも思っておるわけでございます。先ほど来お話の中心になっております収支計画策定審議会においてもそのことは非常に議論になったわけでございますが、この答申の中にも「現行の予定利率五分五厘は、最近の資産運用の実績からみて多少低いので、引上げの議論もあるが、今後の経済金融情勢を考え、今回も五分五厘にすえおいた。」ということがございます。私どもも、いろいろな要素がございまして、こうでなければならぬという結論を出すのは非常にむずかしい問題でございますが、いろいろ専門の方の御意見も伺い、ただいまのところ五分五厘が妥当であろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/73
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074・横山利秋
○横山委員 そういうふうに言ってくれれば話は別で、あとは意見ということになるのだが、どういうわけだか、給与課長の話はどうもはっきりせぬ。要するに、ぼくも、少数意見だったかどうか知りませんけれども、その予定利率を引き上げろという論者なんです。現に審議会でもそういう話があったという。だから私は、過去の実績から考えてみて当然五分五厘は検討さるべき問題だと言っているわけですよ。ですから、これはそういう意見もあったけれども、いろいろなことからいって五分五厘に据え置いたというが、私は上げるべきだと思う。これは実態とかけ離れておる。三十五年と比べると一分六厘八毛も違うし、三十九年だって七厘九毛も違う。そういうことをほかっておくことがおかしいのであって、実態とかけ離れた予定利息を基礎にして計算を積み上げることは砂上の楼閣だということを言っておる。将来低金利の方向へ行くというけれども、しかしそれが五分五厘まで落ちるということは、大蔵省全体の展望で間違いないですな。これはほかの金利の問題にずっと発展していきますが、それは確信を持って将来予定利息が五分五厘の水準になる、だからこのままにしておくという考え方は、一給与課の意見でなくて、大蔵省全体の金利の見方の中から発生しておる、こう見てよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/74
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075・武藤謙二郎
○武藤政府委員 ただいまの話、将来そこまで金利が必ず下がると言えるかということですが、先生の御指摘は、そんなむちゃなことを言ってはいかぬということだと思いますけれども、それは非常に困難なことだと思います。そこで、先ほど御指摘のように、いままでの実績は食い違っております。五分五厘というのは、実績に比べると低過ぎる、それで、この次の改定のときに、それまでにまた新しい実績も出るでしょうし、それからまた、金利がどういうふうに動くかという見通しもいまよりは立ちやすいと思います。そのとき、そういう実績とこれからの見通しを考慮に入れて、もう一ぺん勉強し直すということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/75
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076・横山利秋
○横山委員 そういうことなら話はわかりました。そういうことを初めから言ってもらえば一分で片づいてしまう。何か私の言うのがむちゃなような話になりそうだから、この点は共済組合運営の一つの重要な問題として、いまのあなたの答弁を頭の中に入れておきましょう。
それから、定年の問題ですけれども、これはやめてから死ぬまでの年限が非常にふえたから、共済組合の財源その他計算上に非常な行き違いが生じた、こういうことが問題の重要な要素になっていますね。これは電電もいま五十五歳ですか。いま定年はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/76
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077・飯森実
○飯森説明員 私どものほうでは、定年といってはっきり制度的にきまったものはございませんが、労働組合と話をしまして、満五十八歳になったら、強制にわたりませんけれども、一応趣旨を話して勧奨するという制度がございますので、それをもし定年というならば、満五十八歳でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/77
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078・横山利秋
○横山委員 国鉄は五十五歳でしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/78
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079・豊原廉次郎
○豊原説明員 私どもも、いまお話のございましたように、定年というのは少しおかしいかもわかりませんが、慣例として五十五歳で退職をいたしておるのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/79
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080・横山利秋
○横山委員 これは単に共済組合の問題で議論をするとたいへん問題があるようではありますけれども、かりに電電の常識的五十八歳、国鉄も常識的五十五歳という定年を一年くらい延長すると、財源率にどういう影響を与えるか、参考のために伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/80
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081・豊原廉次郎
○豊原説明員 ただいまの五十五歳の慣例を五十六歳にいたしますと、計算上、千分の〇・五財源率が低くなるという計算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/81
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082・横山利秋
○横山委員 本件について、国鉄における職員の需給状況、その他共済組合以外の立場から、定年延長について国鉄並びに電電はどういうお考えでありますか。議論は俎上にのぼっておりませんか。共済組合の運営でそういうことを議論するということはいささか場違いかもしれませんけれども、また他方、今日、中高年齢層の退職後の就職が非常に困難視されるときに、定年延長についてはどういうお考えであるか、両者から承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/82
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083・飯森実
○飯森説明員 お答え申し上げます。
電電公社におきましては、いまその問題がそう焦眉のあれとして俎上にのぼっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/83
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084・豊原廉次郎
○豊原説明員 国鉄におきましては、いま電電公社と比べましても、うちのほうが年齢が低くて退職しておるという実情でございます。これは作業並びに仕事の実態から申し上げまして相当激職もあるというようなことも影響しておるわけでございますが、私どもとしては、この問題は、共済組合の問題を別にいたしましても、大きな問題であるということは認識をしておるわけでございますが、ただいま具体的にどうするというところまでまだ検討が進んでおらない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/84
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085・横山利秋
○横山委員 この法案の改正の第一に、昨年二割アップしたけれども、六十五歳まで、七十歳まで、七十歳以上と三つに分けて、その一部を停止いたしました。当時私は、本委員会において、何たるみみっちいことをするか、上げるなら上げるで一ぺんに上げろ、六十歳から六十五歳までは三分の一、六十五歳から七十歳までは三分の二、七十歳以上は満額ベースアップするというようなみみっちいことでなく、どうして一ぺんにやれぬのかと言いましたところ、国鉄は財源関係でちょっと首をひねっていましたけれども、専売も電電も、わしのほうは銭があります、こうたんかを切られたことを記憶しておる。それで附帯決議をもって、年寄りに、あなた幾つかね、わしは六十四歳だ、そんならまだ三分の一だな、そういうようなことを年寄りの退職者に言わせないように、そんなみっともないことをするなと言うておいたら、今回の改正をもってしてちょっぴりそれを改善した。これは院議を無視するものだ、われら大蔵委員会が満場一致できめて、かかるびっこなやり方はやめろと言っておいたにかかわらず、院議を無視して、またこの措置を、六十五歳以上の者及び六十五歳未満の妻、子については昭和四十一年十月分、その他の者については昭和四十二年一月分以降撤廃する、まことにみみっちいものだ、全部一ぺんになぜベースアップができないものか。この前大蔵委員会できめて、またここできめて、またその次に時間がたったら全部上げる。現職の人たちは全部一ぺんにベースアップができているんだから、こういう年寄りの退職者なんかには、一度に何で上げてやれぬのか、この点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/85
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086・武藤謙二郎
○武藤政府委員 御趣旨の方向には一歩前進したと思いますけれども、御満足のほどにいっていない、それはどういうわけかということだと思います。非常に簡単に申しますと、財政上困難だ、したがって、恩給と共済とあわせて御満足いかなかったことは残念でございますが、この程度の前進をした、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/86
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087・横山利秋
○横山委員 それでは、一度にこれを実行すると、国鉄、専売、電電はどのくらいの財源が必要か、またその財源はそれぞれ公社の共済組合で満たし切れないものであるかどうか、それぞれ御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/87
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088・辻敬一
○辻説明員 国家公務員共済組合の関係について申し上げますと、旧令年金につきましては、対象人員が二万五千名でありまして、四千九百万円でございます。それから旧法年金及び新法年金につきましては、対象者が一万七千名ほどでございまして、四千百万円程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/88
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089・畠山一郎
○畠山政府委員 三公社の分について申し上げますと、対象人員が三公社合わせまして九万七千百九十八名でございまして、増加額は合計が九億八千四百万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/89
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090・横山利秋
○横山委員 一ぺんにやるとこれだけになるのでしょう。この一ぺんにやるということはどういう意味か知っているのですか。今回やる政府の額を控除したあとに残る分だけを私は聞いているのです。あなたは全額言っているのではないか。電電さん、そうでしょう。そこのところはうまいこと答弁しなければだめじゃないですか。これは一ぺんの金額でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/90
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091・飯森実
○飯森説明員 はなはだ申しわけありませんが、いま先生のおっしゃった差のところがちょっといま私わかりませんので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/91
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092・横山利秋
○横山委員 大蔵省の給与課長のところでわかっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/92
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093・辻敬一
○辻説明員 先ほど私申し上げました国家公務員共済組合関係の数字は増差額だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/93
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094・横山利秋
○横山委員 あとの三公社の九万七千名、九億八千四百万円というのは増差額か、それとも全部の額かわからぬですか。——三公社のほうをお調べ願ってもらうことにして、国公関係の四千九百万円と四千百万円、次長、本気に財源ないというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/94
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095・武藤謙二郎
○武藤政府委員 これ一つだけ見れば、それだけできないことはないんじゃないかという御質問だと思います。しかし、御承知のように、これはほかにもいろいろ関連する問題ですので、それを全部見まして、恩給も考え公社の関係も考えて、この辺でやむを得ない、そういう計算をいたしたわけでございます。
〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/95
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096・横山利秋
○横山委員 そんな言い方は大臣級の言い方で、いい意味での官僚の言い方とは違うと思う。役人というものは、どことどこが違うか、もうちょっと事務的に詰めてもらわなければいかぬ。私はいまこの法律案を審議しているのだ。この法律案を一ぺんにやると、何法の何がどういう関係があって、全体で幾らだというのはともかくとして、あなたのは一般的に常識論じゃないですか。たった四千九百万円、たった四千一百万円、それはこれだけに限定すればあるとあなたはおっしゃる。しかも対象者は六十五歳のやめたじいさんですよ。六十五歳のじいさんがやっと与野党協力して二割ベースアップになったわけだ。なって、そのあとは三分の一しかもらえぬ、三分の二しかもらえぬ、七十歳になったら全部二割もらう。どれだけ年金出しているの。だから、他の関連ありと言いながら、このぐらいのことはおじいさんのためにやってやったらどうなんですか。どういう関連があるか知らぬけれども、あなたはぴちぴちして働いて生きている人間ですよ。じいさんとばあさんが孫を抱いて生活しているのだ。よぼよぼで働いておるわけだ。その人たちに二割ベースアップとうれしがらせておいて、ちょい待ちだ、六十五歳までは三分の一しかやらぬ、七十歳までは三分の二しかやらぬ、そんなみみっちいことがあるかといってぼくらがおこって、与野党満場一致で、早くそんな差別待遇はなくしてやれと決議したのだ。そうしたら、今度できたのがまたそれをちょびっとプラスしただけで、骨格はちっとも変わっていない。どういう親心——親心じゃない、子心だ、向こうは年寄りだから……。一つの同情、愛情もないやり方だ。しかも、金額はべらぼうもない金額かというと、たったこれだけじゃないか。しかも、財源はそれだけならあるというのだ。他に何かこれに優先する問題があるかね。どうなんですか、これはやってやりなさいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/96
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097・武藤謙二郎
○武藤政府委員 お話でございますが、これは恩給にも関係しますし、先ほど出ておる公社の関係もございます。そういう点を考えまして、御希望どおりでないのは残念でございますけれども、しかし従来よりは一歩前進をした、それで四十二年の一月からはこういうことが終わる、そこまで勉強いたしたつもりでございますので、この点でやむを得ない、そう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/97
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098・横山利秋
○横山委員 委員長、ここのところが一つ問題だと思うのは、委員長も聞いてもらいたいのだが、恩給法と共済組合法とは理論的には一つの共通のベースがある。それで、本委員会で附帯決議も出したのだけれども、恩給法が改正になったら、それにもたれて共済組合法も改正になる。この前の附帯決議は、それはそれこれはこれだという意味の附帯決議を同志諸君とともに本委員会満場一致決定したことがあると思うのです。いまこの論争の焦点は、金がないとは言わさぬのです。あると言っている。ところが、最後に言うことは、恩給法の改正に準じてこうしたのだと言うわけですね。自主性が何もないのです。だからいま、よろしい、共済組合法についてはこれくらいの金で、しかもあるから、この際年寄りのために出してやろうときめても、法律上は何ら差しつかえがない。恩給法の問題が残るということはあり得るけれども、恩給法は恩給法、共済組合法は共済組合法であって、しかも、とにかく年寄りのことである。しかも財源はあるというのだから、この際、委員長どうですか、この質疑応答、残念ながら大臣も政務次官もおらぬものですから、私の年寄り同情論について、権限を持っていない人を相手にどんなに論争してもしかたがないので、委員長の御裁断を願いたいのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/98
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099・吉田重延
○吉田(重)委員長代理 横山委員にお答えいたします。
委員長もいま代理でございます。この問題につきましては、非常に含蓄のある御意見であり、また御質問であり、当委員会でも、お話のように附帯決議をつけたことにもなっておりますし、また政府としても、非常に慎重にと申しますか、そういう線に沿って研究を進められて、多少ではございますが、いま武藤主計局次長が答弁いたしましたようなことで、一歩一歩、遅々としてと申されるかもしれませんが、前進はいたしておるわけでございます。この問題については、委員長が裁断というようなこともできませんので、質疑応答の間にさらにお詰めを願い、また、詰めができない点につきましては、与野党の附帯決議もつけたこともございますし、さらに理事会で御研究を願って前進させたいということを御答弁申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/99
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100・横山利秋
○横山委員 委員長の御同情あるあれは感謝いたしますが、向こうに同情してもらってはいかぬのですよ。向こうも前進をしておったというのだけれども、その前進のやり方がきわめてみみっちいやり方で、かっこうをつけただけであるということなんですが、委員長が、結論としてもう少し詰めてくれ、詰められなかったら理事会で一ぺん相談してみるというお話でございますけれども、もう詰めば何ぼ詰めても詰まらぬのですよ。この詰まらぬということは、つまらぬという意味なんですね。やっても詰まらぬで、つまらぬというのですから、この際、委員長の御手配によりまして、本問題についてひとつ理事会で御検討願わしいと思いますが、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/100
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101・吉田重延
○吉田(重)委員長代理 そういうことで理事会にはかることに本委員長に申し伝えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/101
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102・横山利秋
○横山委員 まだたくさんあるのですが、あまり私ばかりもいかぬので、最後に、こういう陳情が出ておるのであります。
陳情者代表、財団法人満鉄会「元南満洲鉄道株式会社職員であった公務員等の恩給共済問題に関する陳情」として、「恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」として、「−略 外国政府及び外国特殊法人職員の恩給最短年限を超える在職年並びに抑留期間及び留用期間の通算等さらに検討すべき問題が残されている。−略−政府はこれらの問題について速かに検討の上善処するよう要望する。右決議する。」という決議があり、また三十九年六月第四十六回国会の参議院内閣委員会におきましても「−略−外国政府職員並びに外国特殊法人職員の殉職者の遺族に対する公務扶助料の支給、これら職員の軍人としての在職年、低額の恩給を受ける者の在職年、恩給最短年限をこえる在職年の通算、終戦時在職条件の撤廃その他第四十三国会における本委員会の附帯決議中未解決の問題ともに従来から重大な懸案となっている。政府は−略−この格差の是正をはかるとゝもに前記諸懸案解決のため適切な方途を講ずべきである。右決議する。」という両決議を基礎にいたしまして、財団法人満鉄会の諸君が、第一に「満—日ケースの通算に当り在職年を恩給共済最短年限で打切る規定を改め、実在職年数は完全通算して頂きたい。」第二番目に「終戦後ソ連又は中共に抑留された期間を在職年に通算して頂きたい。」第三番目には「終戦後の留用期間を在職年に通算して頂きたい。」第四番目には「共済組合法の長期給付に関し、非更新組合員にも在職年の通算を講じて頂きたい。」この四項目の陳情が出ておるのであります。
私もこの説明を聞きまして、非常に熱心でございますから、一応受け付けまして、政府の意向をただすということを約束をいたしました。本件につきまして、政府側にすでに陳情があったかどうか、あったとするならば、この種の問題についての政府側の見解はいかなることであるか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/102
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103・辻敬一
○辻説明員 ただいまお話の趣旨の陳情は承りました。
そこで、第一の、いわゆる満−日ケースの問題、それから第二のソ連の抑留期間の問題、あるいは第三の留用期間の問題、これは恩給法の処理と密接に関連いたす問題でございます。従来の共済のたてまえといたしましては、これはやはり社会保障制度に基づきます制度でございまして、保険数理に基づく新しい年金制度でございますが、給付と拠出とが密接に関連するというたてまえになっております。したがいまして、拠出と無関係に特定のブロックについての給付をふやしますということについては、原則としてなかなかむずかしいわけでございます。しかしながら、もちろん一方におきまして、現在の共済制度は旧恩給制度と旧共済組合の制度とを統合した関係がございますので、昔の制度の期待権につきましては、できるだけこれを尊重して配慮してまいるという仕組みになっております。そこで、恩給のほうで措置されました問題につきましては、期待権の問題として共済制度にも取り込んでおるわけでございますが、期待権の問題を離れて、新しい制度として実行いたすというのは、御承知のようになかなかむずかしい関係にあるわけでございます。
それから、一番最後に御指摘になりました非更新組合員についても措置をとるようにというお話でございますけれども、これはやはりいま申し上げました共済制度のたてまえから申しまして、更新組合員でございますと期待権の問題はあるわけでございますが、非更新組合員、つまり、施行日現在に退職し、いなかった職員につきましてはそういう問題がございませんので、冒頭に申し上げました新しい共済制度のたてまえ上なかなか困難ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/103
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104・横山利秋
○横山委員 いろいろきょうお話を聞いてみますと、担当者として、いわゆる期待権というものについては尊重するが、他の問題については、骨格を乱すものとして、検討の材料としてはなかなかむずかしいということに終始一貫をいたしておる模様であります。この点については、私はずいぶん議論のある問題だと思うのであります。そういうお考えであればこそ、この内閣委員会の決議に対しても、身をもって反抗すると言っては語弊があるけれども、釈然としない態度であり、あるいはその他今日的な目で恩給なり共済組合を見るということができなくなっているのではあるまいか。昔のつながり、昔の期待権、それを一歩も出られないということは、新しい近代社会における新しい目でものを見ることをできなくさしているのではないか。新しい矛盾、新しい調整ということに担当者としてもう少し角度を変えて見る必要があるのではないかということを私は考えるのであります。この満洲の問題も、私は陳情を聞きまして、簡単なことではないとは思いますけれども、しかしながら、実情掬すべき点もありますので、十分にひとつ検討を願いたいし、また、いま言った根本的なお考えが、共済組合の担当課長としてはあまり視野が狭くはないか、これは主計局として、もうちょっと角度を広くして見ろというふうにお話をなすったらどうかと思うのですが、どう思いますか。
〔「委員長、安井長官はどうした、どこに行ったんです」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/104
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105・吉田重延
○吉田(重)委員長代理 ちょっお答えいたしますが、安井長官は外出中でございまして、外出先に連絡をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/105
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106・武藤謙二郎
○武藤政府委員 先ほどのお話でございますが、確かに先生のおっしゃられるように、いまの共済制度というものが恩給時代の、あるいは旧令時代の期待権そのほかは全部保険数理でやる、こういうたてまえでできております。そのために、実情では非常に気の毒な結果が出るのじゃないかというお話で、それは確かにいろいろな問題が起こると思います。しかし、私どもとしては、これはいろいろ検討された結果こういう制度ができている、その根本は先生がおっしゃったようなことでございます。その根本をどうするかという問題、非常に簡単に、軽々にいろいろ言うべきことじゃないと思います。しかし、先生のおっしゃった点、よくわかりますので、これからもなお勉強したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/106
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107・横山利秋
○横山委員 次の質問に移りますと時間がたくさんかかりそうでありますし、ちょうど時間でありますから、私の質問はこれで一応終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/107
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108・吉田重延
○吉田(重)委員長代理 次会は、明後二十七日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04419660525/108
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