1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年五月二十七日(金曜日)
午前十時五十九分開議
出席委員
委員長 三池 信君
理事 金子 一平君 理事 坊 秀男君
理事 平林 剛君 理事 堀 昌雄君
理事 武藤 山治君
岩動 道行君 大泉 寛三君
押谷 富三君 木村 剛輔君
小山 省二君 田澤 吉郎君
谷川 和穗君 地崎宇三郎君
西岡 武夫君 羽田武嗣郎君
毛利 松平君 山本 勝市君
渡辺 栄一君 渡辺美智雄君
小林 進君 佐藤觀次郎君
只松 祐治君 野口 忠夫君
藤田 高敏君 山田 耻目君
横山 利秋君 春日 一幸君
永末 英一君
出席政府委員
大蔵政務次官 藤井 勝志君
大蔵事務官
(主計局次長) 武藤謙二郎君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 畠山 一郎君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計局給与課
長) 辻 敬一君
日本専売公社職
員部長 園部 秀男君
日本国有鉄道参
与
(厚生局長) 中西 幸雄君
日本電信電話公
社厚生局長 飯森 実君
専 門 員 抜井 光三君
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五月二十七日
委員有馬輝武君辞任につき、その補欠として中
村高一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員中村高一君辞任につき、その補欠として有
馬輝武君が議長の指名で委員に選任された。
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五月二十五日
土地対策のための税制改正に関する請願(井岡
大治君紹介)(第四九一七号)
同(加藤常太郎君紹介)(第四九一八号)
同(菅野和太郎君紹介)(第四九九〇号)
同(渡辺美智雄君紹介)(第五〇六九号)
国民金融公庫環境衛生部融資による公衆浴場業
者の借入金利子減免に関する請願(今澄勇君紹
介)(第四九一九号)
同(荒舩清十郎君紹介)(第五〇六一号)
同(鴨田宗一君紹介)(第五〇六二号)
同(古井喜實君紹介)(第五〇六三号)
同(山本勝市君紹介)(第五〇六四号)
公衆浴場業に対する所得税及び法人税減免に関
する請願(今澄勇君紹介)(第四九二〇号)
同(鴨田宗一君紹介)(第五〇六五号)
同(熊谷義雄君紹介)(第五〇六六号)
同外一件(小宮山重四郎君紹介)(第五〇六七
号)
同(山本勝市君紹介)(第五〇六八号)
国民金融公庫都城支所設置に関する請願(川野
芳滿君紹介)(第五一〇一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
昭和四十年度における旧令による共済組合等か
らの年金受給者のための特別措置法等の規定に
よる年金の額の改定に関する法律等の一部を改
正する法律案(内閣提出第七七号)
昭和四十年度における公共企業体職員等共済組
合法に規定する共済組合が支給する年金の額の
改定に関する法律等の一部を改正する法律案(
内閣提出第一二三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/0
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001・三池信
○三池委員長 これより会議を開きます。
昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。山田耻目君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/1
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002・山田耻目
○山田(耻)委員 本委員会ですでに共済組合法の改正につきましてはかなり質問が続けられておりますので、本日は若干重複をすることもあろうかと思いますが、何といたしましても、当該組合員にとりましては、共済組合法がいかに円滑に、しかも、いかに矛盾なく実施をされるかということは、他に財力を持たない組合員にとっては非常に大切なことでございますので、そうした立場で、若干の重複はお許しをいただきまして、具体的によくわかるように御説明をいただきたいということを冒頭にお願いいたしておきます。
まず、短期の関係についてでございますが、最近短期の財政が非常に窮迫を告げておる。御存じのように、共済組合の短期財源につきましては、組合員と事業主のほうで折半をいたして負担をいたしております。これは特に三公社の関係でございますが、それだけに、財源が苦しくなってまいりますとどうしても掛け金率を高めていかなくてはならない、こういうことになってまいります。短期の財政がなぜこのように苦しくなっておるのか、事業運営等についてどういう支障が起きておるのか、こういう問題点について、まずお聞きをしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/2
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003・武藤謙二郎
○武藤政府委員 お尋ねの、短期の経理がどうして苦しくなっているかという点でございますが、これは、御承知のように、他の医療保険も同じでございますが、何といっても医療費が高くなっている、こういうことでございます。それで、どうして医療費が高くなっているのかということの原因になりますと、非常に簡単に申しますと、一日当たりの診療費がふえている、それで、それはまたどうしてそういうことになっているかといいますと、薬剤費が上がっている、こういう状況で短期の経理が非常に苦しくなっている、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/3
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004・山田耻目
○山田(耻)委員 短期の場合は、中心が医療に関する問題が多いのでございますが、御指摘のように医療費の高騰が短期給付の財源を著しく窮屈にさせておる、そのことが他の組合員の福祉事業に対してどういう影響をもたらしてきておるか。三公社のほうで具体的にひとつお話をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/4
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005・飯森実
○飯森説明員 お答え申し上げます。
電電公社の厚生局長でございますが、私どもの共済組合の短期におきましては、いまのところ収入、支出と申しますか、掛け金、負担金の額で総支出といいますか、医療関係の支出を何とかまかなっております。ただ、まかなう程度が、年度を経るに従いまして、ただいまお話のありましたような医療費の増高によりましてだんだん少なくなっておりまして、これでいつまでももつという確信は持ちませんけれども、三十九年度、四十年度の決算はまだ出ておりませんが、三十九年度の決算、四十年度の決算を推定してみたところ、まあ何とかもっておるということでございまして、先生のお話のように、いま掛け金を上げるということは、もう少し様子を見てから考えたい、いまのところそう思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/5
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006・中西幸雄
○中西説明員 国鉄のほうでございます。ただいまの御質問でございますが、ここ数年来、国鉄におきましては医療費が異常なまでの増高をいたしておりまして、昭和三十八年度におきましては九千万円にのぼる赤字を計上するに至りました。それで、三十九年四月に財源率の改定をいたしまして、千分の五十二から千分の七十、すなわち負担金千分の九、それから掛け金千分の九の値上げをいたしました。このため四十年度の決算見込みは一応黒字の見込みでありますが、最近の医療費増高の傾向は依然としてとどまるところがありませんで、楽観することはできない状態になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/6
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007・園部秀男
○園部説明員 専売公社からお答えいたします。
専売公社の短期経理につきましては、医療費の増高がここ数年、毎年一五%前後ふえておりますが、経理といたしましては黒字になっております。四十年度につきましても若干の黒字で経過しておりますので、当面の支障はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/7
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008・山田耻目
○山田(耻)委員 短期財源の苦しい事情が医療費の急速な高騰にあるということは、それぞれ三公社とも共通をしておりますけれども、財源内容につきましては、国鉄は昨年度九千万円も赤字を出しておる、しかし電電なり専売は黒字である。こういう立場で、若干財源内容は違っておるようでございますが、おしなべて医療費が高騰してきておるということに結論はつくものだと思うのです。
そこで、若干私も話を進めていくのに必要でございますので、三公社とも、短期の組合の掛け金、負担率、それぞれ幾らになっておるのか、この際明らかにしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/8
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009・飯森実
○飯森説明員 電電公社からお答えいたします。
短期は、掛け金、負担金とも千分の三十・五でございます。福祉は除いてありまして、ほんとうの医療関係だけで千分の三十・五、財源率としては千分の六十一ということでございます。福祉を入れますと、全体の短期としては千分の六十四でございますが、医療関係をやっているいわゆる狭い意味の短期は千分の六十一でございます。
掛け金のほうは折半でございますから、千分の三十二、三十二でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/9
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010・中西幸雄
○中西説明員 国鉄におきましては、ただいま申し上げましたように、福祉を入れまして千分の七十でございます。すなわち、負担金千分の三十五、掛け金千分の三十五でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/10
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011・園部秀男
○園部説明員 専売におきましては、医療費のみで掛け金千分の三十二・五、福祉が別に千分の一・五でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/11
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012・山田耻目
○山田(耻)委員 同じ共済組合法の適用でやられておるわけでございますが、電電が千分の三十二、国鉄が千分の三十五、専売が千分の三十四と、それぞれ掛け金に差がありますけれども、いずれにいたしましても、かなり医療費の高騰が短期財源を脅かしておるということは明らかになっておると思います。そのことによって、本来短期共済の持っておる医療関係と一般の福祉活動、こういう両面の中で片寄せられていきながら事業運営がされておるという方向に進みつつあるということが言われるわけでございまして、組合員にとりましては、従来持っておる権益というものからもっと伸ばしていきたい、こういう欲望について大きな制限が出てきておるのじゃないかという気がしてなりません。そのために、医療給付以外には、たとえば埋葬料だとか、傷病手当金だとか、あるいは災害見舞金、出産だとか、こういういろいろなものがございますけれども、こういう問題のほかに、なお住宅だとか、あるいは寮だとか、あるいは物資部などの経営もされておるわけでございますが、こういう福祉諸活動が非常に制限を受けてきておる。こういうことで短期共済の持っておる性格がゆがめられてくるということを私は非常に心配するわけでございます。
ですから、こういう一般の福祉諸活動というものが停滞をしたり、あるいは弱められていったり、そういう方向をたどらなければ高騰する医療費の措置ができない、こういうふうになっていったのでは困るわけでございますので、一般の福祉諸活動なり、その他の短期の事業というものはどのようになっておるのか。これらについて、ひとつそれぞれ三公社から答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/12
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013・飯森実
○飯森説明員 あるいは資料が先生のあれとは合わないかもしれませんが、いま手元にある資料だけで申しますと、福祉事業といたしまして、保養所及び託児所の運営、それから貯金の取り扱い、それから住宅の建設、修繕、子弟の教育、結婚、災害、療養等についての資金の貸し付け、大体大まかに申しますと、そういう事業を福祉活動としてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/13
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014・山田耻目
○山田(耻)委員 それがスムーズにいっておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/14
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015・飯森実
○飯森説明員 いまのところは大体問題なくいっております。ただ、ここで貯金の取り扱いにつきましては、積み立て貯金はやっておりますが、定期貯金は昨年受け付けを中止した、そういう問題は、一般金利の動向その他から見てやめたわけです。そのほかにつきましては、それほど大きな問題というのは、これまでのところ出てまいっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/15
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016・中西幸雄
○中西説明員 国鉄の共済組合におきましては、いま電電公社から申されましたことと同様に、保健経理で、組合員及び家族の各種予防給付並びに保健、保養または教養に資する施設の経営等をいたしております。
それから住宅経理は、組合員に住宅または宅地を分譲することをいたしております。
それから貯金経理におきましては、組合員の貯金を扱っております。
それから貸し付け経理におきましては、組合員の臨時の支出、すなわち医療、結婚、災害等に対して行なう普通貸し付け並びに住宅の建設、購入、増改築、修理及び土地の購入に要する費用を貸し付ける住宅経理というものをいたしております。
そのほかに、物資経理におきましては、組合員の生活用品の買い入れ及び販売を経理いたしております。
大体以上が福祉関係の活動でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/16
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017・園部秀男
○園部説明員 専売におきましては、福祉事業といたしまして、貸し付け経理、宿泊経理、住宅経理、主としてこの三本立てで行なっております。
貸し付け経理といたしましては、一般貸し付けと住宅貸し付け、宿泊につきましては、組合員一般の保養その他につきまして、公社で直接行ないますそういった施設とかね合いを考えながらやっております。住宅経理におきましては、住宅の土地分譲を行なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/17
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018・山田耻目
○山田(耻)委員 大体御説明がございましたように、短期給付の持っている中軸というものが医療の給付でございますが、最近の医療費の異常なる高騰によりまして、今日の短期給付の財源では、本来ならば、疾病を予防するという立場に共済組合の医療諸活動というものが行なわれていくべきものでございますけれども、現実には発病をして療養をする立場がなされておるのです。何としても、一点単価というものが急速に高騰してまいりましたために、そういう予防措置のほうに医療制度として充足をし、補てんをし、拡大をしていくということがなかなか困難になっておるという現状が、いまのお話の中にも推測できるわけであります。それをやろうとすれば掛け金を上げなければならない。こういうふうに、本人負担、事業負担というものがかなり重たい状態になってくる。ここに今日の短期給付の行き詰まった状態があるというふうに理解できるのであります。
いま一つの点につきましては、最近、国民健康保険などにつきましても、大体本人以外の家族の医療給付につきましては五割、その五割の段階から七割に近づく段階が非常にふえてまいりました。ところによっては、本人、家族とも含めて十割の給付をしているところも見えてまいりました。これらは国民皆医療制度という立場が貫かれておるということで喜ばしいことだと思います。当然国としても、国民の疾病については、憲法で示しているように、健康で、文化的な生活を営まして差し上げる義務があるわけでございますから、けっこうなことだと思うのであります。それに比べてみて、共済組合の家族の医療給付は五割程度ではないか。そうなりますと、国民健康保険よりはるかに長い歴史を持ち、そうして営々として築き上げられてきた今日の共済組合の短期給付の中の医療部分というのは、まさに停滞というよりか後退を続けておるといっても私は過言ではないと思う。そういう立場から、三公社とも、今日の家族の医療給付がどの程度のパーセントになっているか明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/18
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019・中西幸雄
○中西説明員 国鉄の共済組合におきましては、家族の医療付加給付金が二割でございますから、基本の五割と足しまして——基本に対して二割でございますから六割でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/19
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020・飯森実
○飯森説明員 電電共済の組合の場合は、付加給付まで入れて大体七割でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/20
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021・園部秀男
○園部説明員 専売公社の共済組合の場合は七割でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/21
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022・山田耻目
○山田(耻)委員 どうも、こうして三つ並べて比べてみますと、いいところ、悪いところが目立ってきて、はっきりわかるのでありますが、いまの国鉄、電電、専売の基本の給付は五割でございましょう。それに対して、付加として一割ないし二割つけておる。それが六割ないし七割になっておるということでございますけれども、御存じのように、国民健康保険も家族は七割に近くなります。こういう状態が共済組合の中でどうしたら改善できるのか。今日まで熱心に家族の医療給付についても十割にしてくれ、そういう主張がもう長年続けられてきておるわけであります。しかし、依然として六割ないし七割程度の給付しかできない。どこに前進があるのか。いま一つの点は、この医療給付には一体国庫の負担がどのようになっておるか。当然国民健康保険と対比してみながらこの問題については考えられなければならない問題であります。三公社の職員については、いわば国民は手前でやれ、しかも、その手前でかける掛け金率は、さっき御答弁ございましたように、千分の三十二、三十四、三十五という高額の掛け率である。今度の賃金のアップで三公社全体の平均賃金が幾らになるかわかりませんけれども、四万円ちょっとこしたものと私は思っております。これだけのものを千分の三十五でかけてみますと、短期だけで毎月千二、三百円程度のものを掛け金としてかけておるわけであります。国民健康保険と対比してみますと、私ははなはだしい相違だと思う。それほど自分の負担で共済組合というものをつくり、健康管理をしていかなくちゃならぬ。国民健康保険と並べてみて、これがあたりまえと思うのかどうか。大蔵省の見解を述べていただきたいし、一体、三公社五現業は、今日まで大蔵省に対して、この矛盾に対してどのような追及をなさったのか、どのような意見を具申されたか、そうして組合員の健康管理を考えていこうとする共済組合の意思を伝えられたのか。大蔵省の答弁のあと、三公社からみずからの意思を述べてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/22
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023・辻敬一
○辻説明員 共済組合の制度は、公務員あるいは公共企業体職員の相互共済を目的といたします制度でありますから、社会保障制度の一環をなすものでございますことは、御承知のとおりでございます。社会保険に対する国庫負担の問題は、非常に重要な問題でございまして、いろいろと御議論なり御意見があるところでございますが、現在の段階におきまして、一般的に申しますならば、社会保険制度相互間の均衡を考えながら、国庫負担の緊要度、国の財政能力等に応じまして、低所得層等を対象として、重点的、効率的に行なうべきものではなかろうか、そのような考え方に立っておるわけでございます。先ほどお示しのように、現在医療保険制度において定率の国庫負担がございますのは、国民健康保険と日雇いの健康保険の二つでございます。国民健康保険につきまして定率の国庫負担をいたしておりますのは、これが地域保険でございまして、その性格上事業主というものがございません。事業主負担というものがないという特性がございます。それから、対象が比較的零細な所得層であるということもございます。そういう点に着目いたしまして定率の国庫負担をいたしておるわけでございます。なお、日雇健康保険につきましては、申すまでもなく、対象が低所得層であるわけでございます。このような日雇健康保険の例外を除きますと、現在職域の医療保険制度におきまして定率の国庫負担がある制度はないわけでございます。なお、政府管掌の健康保険におきまして、本年度は百五十億円の国庫負担をいたしておりますが、これは御案内のように、四十二年度以降抜本的な対策を講ずるということを前提とした措置でございまして、一方におきまして、保険料の引き上げでございますとか、あるいは標準報酬の限度額の引き上げでございますとか、そういう一連の施策と関連いたしましてとった措置であるわけでございます。
そこで、国家公務員共済組合について申し上げますと、現在定率国庫負担の行なわれております国民健康保険や日雇健康保険の場合とはこれは事情を異にするわけでございます。なお、その給付水準を考えてみますと、政府管掌の健康保険よりもかなり高い水準にございます。また、そのからみで考えてみますと、現在の掛け金のレベルは、政府管掌の健康保険等に比べましてそれほど高くないという問題もございます。また、経理内容につきましても、現在の政府管掌健康保険ほど経理内容が逼迫しておる問題ではございません。
そのような点を総合的に考えまして、現在の段階におきましては、社会保険に対する国庫負担のあり方であるとか、あるいは共済組合の制度のたてまえであるとか、他の社会保険制度とのバランスでございますとか、そういう点を考えますと、直ちに国庫負担を導入する段階ではないのではないか、このように考えておるわけでございます。
しかしながら、先ほど申し上げましたように、この問題は非常に重要な問題でございまして、四十二年度以降医療費体系を抜本的に検討する際にその一環として慎重に検討することになっております。政府といたしましては、臨時医療保険審議会を設けることにいたしておりまして、別途、法律案の形で御審議をいただいておるわけでございますが、その審議の結論等を待ちまして、なお慎重に検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/23
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024・飯森実
○飯森説明員 私どもの共済組合といたしまして、先ほどからお話がありましたように、医療費が相当増高しまして、短期経理の財政が悪化の一途をたどっておる、早晩相当大きな赤字になるであろうということで、いま政府側からもお話がございましたが、健康保険に対する国庫負担がふえるというような情勢も考慮いただきまして、三公社の共済組合についても、ぜひとも国庫負担というような道をお願いしたいということは、関係方面にお願いはしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/24
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025・中西幸雄
○中西説明員 ただいま電電公社の厚生局長からお話がございましたように、三公社連名でお願いの陳情書を出しております。このように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/25
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026・山田耻目
○山田(耻)委員 いろいろと医療給付の問題について将来にかけて非常に大きな危惧があるので、国庫からの負担というものを強く要請するということで三公社も言っておるようでありますけれども、大蔵省側のいまの辻さんの御回答の中には、国家公務員共済組合なりと比べたら、掛け金にそう違いはないけれども、若干条件がいいという言い方に尽きておるのでありますが、その中で一つ気になりますのは、確かに、国家公務員共済組合にいたしましても、三公社の関係にいたしましても、早晩、全体について抜本的な検討をいたすことによって何とか結論を出したいということばの中にそういう問題が含まれておるものと私は理解しておりますし、当然解決してもらわなくちゃなりません。そうしませんと、やはり全体との均衡というものが特にこの種の問題に欠けておるところに絶えずこういう不満が出てくるわけであります。ですから、バランスがとれて、しかも、国民の健康の管理というものには国が至大な熱情を持っておるのだという立場がこの中に通っていませんからこういう問題が提起されてくるわけです。
これらについては、委員長のほうで十分お受けをいただいておきまして、理事会でも相談をいただいて、一体、抜本的な検討というものをどのように具体的に進めていくのかということになりませんと、言いっぱなし、しゃべりっぱなしになってしまって、少しも前進がありませんから、これらについては、十分ひとつ御配慮をいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
それから、いま一つつけ加えておきたいのは、大体、全体が社会保障的な性格を持っておるものでございますから、それらについては、国、事業体、本人、今日の段階ではそのバランスをどのようにつくり上げていくかということを、どうしても具体的に念頭に置いて話が進められていかなくちゃならぬのでありますが、しかし、原則的にはこういう医療の問題については国庫の負担である、しかしながら、今日の段階で直ちにそこまで、理論の展開はできましても、実際的には見つけ出せるものじゃありません。だから、一応私の考え方を述べておきますと、やはり短期の医療の問題につきましても、国庫が二〇%、本人が三〇%、事業体が五〇%、この程度のそれぞれの負担でバランスをとりながら、医療の短期の中身が充足をされて、そうして、将来に向けて安定、向上していき、将来は国庫の負担に切りかえていく、こういう姿がやはり一番望ましいものでございますし、今日の現実の問題として、そういう段階の検討というものを特に強く求めておきたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/26
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027・堀昌雄
○堀委員 関連。
いま三公社のほうの短期給付の給付率について、山田委員の質問に対して、専売公社及び電電公社は七〇%、国鉄六〇%という話がありましたが、国家公務員共済組合はどうなっておるのか、地方公務員共済組合はどうなっておるのか、ちょっと政府のほうからお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/27
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028・辻敬一
○辻説明員 国家公務員共済組合の場合には、御承知のように、単位共済として二十五組合ございまして、それぞれの実情に応じまして付加給付を行なっております。いろいろなやり方がございますので、一律に何割ということにはなっておりません。ただ、全体の総医療に対します保険医療費、共済組合で見ている医療費の割合を出してみますと、本人と家族をひっくるめまして七八%程度になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/28
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029・堀昌雄
○堀委員 いまの答弁では、私の伺っていることは全然わからないのです。要するに、いま国家公務員共済組合であっても、本人の場合には全額費用は負担をされておるわけでありますが、家族は五〇%の負担になっておるのか、いまの電電その他のように七〇%、六〇%のような付加給付があるのか、その点をお伺いしておるのですから、それは全体についてあなたのほうもつまびらかでなければ、わかっておるところを例示していただいてお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/29
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030・辻敬一
○辻説明員 家族療養費の付加給付につきましては、先ほど申し上げましたように、個々の組合でばらばらでございます。たとえば、総医療費の一五%を付加給付でつけておるところもございますし、あるいは医療費、療養費から何千円か引きました残りの分については、全額あるいはその一部というようなやり方をいたしております。そこで、一律なお答えはちょっとむずかしいわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/30
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031・堀昌雄
○堀委員 これは私は、いま三公社の話を聞いておりましても非常に疑問があるわけなんです。三公社のようなところならば、七〇%が二つもあれば、当然やはりこの残りの国鉄も七〇%になるような何かの措置がなければ、これは表の賃金の問題とうらはらの問題になっておるわけですね、こういう医療費の負担その他の問題は。そこにも私は問題を感じておるのですが、国家公務員共済組合は二十五もあって、その比率だけでなくて、いま話を伺うと、金額は仕切り式といいますか、いろいろなパターンがあるなんという付加給付のあり方が、はたしてそれは適正なのかどうなのか。一体そういうことは何に基因しておるのですか。財源がおのおのの組合にあればそういう付加給付をやってよろしいということになっておるのか。そのパターンその他についてもある一つの方向がきまってきて、そして財源処置を含めて考えていくということでなければ、同じ国家公務員においてそんなに家族給付の間にクラシフィケーションがあるなんということは、これはちょっとわれわれの側からいうと納得がいかないことなんです。大蔵省はどんな考え方で今日まで指導してきたのか、これをちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/31
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032・辻敬一
○辻説明員 付加給付につきましては、共済組合審議会でいろいろと御議論をいただきました結果、法定給付に対して一割というワクの範囲内でいたしております。もちろん、家族療養費の付加給付以外にいろいろな付加給付がございます。それらをひっくるめまして、財源としては法定給付の一割ということをめどにいたしております。その範囲内において、それぞれの組合の経理の実情でございますとか、その他を勘案して、付加給付の方法をきめて実施をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/32
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033・堀昌雄
○堀委員 実は、地方公務員共済組合の互助会というのが現在あるわけです。先般、これの所得税法上の取り扱いに関して私と山中理事との間に取りきめさしていただいて、その覚え書きは大蔵大臣まで送付をしてありますから、一応お調べをいただきたいわけでありますけれども、私どもは、いまの国家公務員及び地方公務員のいろいろなそういう付加給付という問題は、ある程度その他の、たとえば国民健康保険が七割給付になっておるという現在からするならば、当然この七割という線はめどにして、これはやはりレベルアップをする方向で処置をされるのが至当である、こう考えておるわけです。
そこで私どもは、その覚え書きの中では、現在の付加給付というものは、当然国家公務員及び地方公務員共済組合の給付となるべき性格のものであるから、それがなるまでの間はひとつ所得税法のメリットを与えよう、こういうことで取りきめを行なったわけでありますけれども、やはり先ほど山田委員も指摘をいたしておりますように、現在は、御承知のように皆保険になったわけです。医療は、皆保険になるまでの前段の処置としては、それぞれの保険、保険によっての処置がなされてきたと思うのですけれども、皆保険の段階においては、国民がそういう保険の給付を受ける場合にはやはりできるだけ公平平等になる姿が望ましいのであって、職域なり、あるいはいろいろなものによってその中に非常に差があるということは、これは国民の側から見ると、私どもはどうも納得のできない問題ではないのか、こう思います。幸いにして、国民健康保険が今度七割給付ということに全国的にほとんどいまなっているわけです。この段階では、まず前段の措置としては、七割にだけは全部そろえてやるというぐらいの措置を早急にとるのが至当ではないのか。それを七割にとったあとにおいてでこぼこのできたいろいろな共済組合における問題については、また別途財政的にも考慮を払うという形が当然なことであって、これを全部一挙に十割給付にしろということは問題がありましょう。ですから、段階的に、ともかくどこかの一番前へいっておるレベルにはそろえるのだという考え方は私は当然ではないかと思うのです。これは事務当局の問題ではなくて、非常に政治的な問題でもありますから、ひとつ政務次官、そういう共済組合に対する医療費の家族給付の給付率の問題について、いま私が申し上げたように、当面はまず七割にそろうような措置を大蔵省として考えるべきだ、こう思いますけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/33
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034・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 社会保険に対する国庫負担に関する問題が先ほどからいろいろ出ております。国民健康保険が七割給付がもう具体化しておるわけですから、その線に合わせて、均衡を失しないように調整しろという御意見はしごくごもっともだと思うのでございまして、この問題につきましては、臨時医療保険審議会においても検討するという運びになっておるわけでございます。その答申を待って早急に善処いたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/34
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035・堀昌雄
○堀委員 ちょっといまのは私おかしいと思うのです。臨時医療保険審議会というのは、医療の問題をやるところなんですよ。医療の問題と、いまの給付——現実に片方に給付ができておるものを、そこまでそろえるのがなぜ臨時医療保険審議会と関係があるのですか。そんな問題じゃないです。これは全然次元の違う問題です。これは要するに、国民健康保険という非常に大きな保険が七割になった、あるいは電電なり専売公社も七割になった、国鉄は六割だ。いまの話では法定給付の一割ということになっておゃても、これは非常に抽象的だから、中身は一体どういう給付にそれがいっているのか私どもとしてはわからないわけです。
まず第一点として、資料要求をいたします。
まず、二十五共済組合の医療の付加給付は現実にどういうふうになっているのか、それをいまのような給付率で出していただきたい。これが第一点です。これを全部出していただくと同時に、地方公務員共済組合についても早急に調査をしていただいて、回答をいただきたいと思う。
負担率も、さっき三公社だけ聞きましたから、これについて、同じような形で、千分の三十四とか、三十五とか、いろいろお答えがありましたが、国家公務員共済組合についても、ひとつ負担率を含めて資料として提出をいただきたいと思います。
それは資料でありますが、問題は、要するに七割すでにあるものをこれから十割にするということになれば、そこでは医療費のあり方との関係がありますから、これは当然私は問題があると思います。しかし、現実に国民健康保険はいまの医療費の中で七割にしたのです。いまの医療費のあり方の中での七割、専売公社も電電もいまの医療費のあり方の中で七割までにしておるわけですよ。これは電電や専売や国民健康保険とその他の共済組合が違う医療給付を受けておるかというと、そうじゃないのです。医師の側からは、国民皆保険の中では、みな同一の診療基準に基づいて、同一の診療方法でやっておるのだから、そこには差がないのです。その差がない中で七割があるならば、とりあえず七割までそろえるというのは、医療費のあり方とは別個の問題ですから、それは政務次官、あなたの御答弁は訂正をなさらないと大蔵省の権威にもかかわると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/35
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036・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 私は、堀委員のいまの御意見に対して、私の先ほどの答弁をもう少し補足させていただきたいと思います。
国民健康保険は、先ほども給与課長から答弁がありましたように、地域保険として、事業主がないわけでございます。片一方は負担の割合ですね。国民健康保険の場合には国と公共団体、それに個人、こういうことになるのですけれども、共済の場合は事業主が一枚加わっておると思うのです。したがって、国民健康保険が七割になったからいきなり一律にやるということについては、やはり検討の要があるのではないか、こういうふうに私は理解をいたしますので、先ほど御答弁したわけでございます。ただ、国民健康保険もかつての五割から六割、七割というふうに前進をしておりますので、そういう社会保険の進歩とともに、国家公務員、地方公務員、こういった組合の健康管理に対してもひとつ体制を整備すべきである、こういう点において検討を要する、早急に検討すべきである。同時に、内部的に、三公社あるいはまた地方公務員を含めまして、この医療給付の統一といいますか、不均衡是正、こういった面については検討をすべきである、このように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/36
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037・堀昌雄
○堀委員 関連ですから終わりたいのですが、いまのお話、藤井さんはわりに医療問題は詳しい方ですから、もう少し私申し上げておきたいと思いますのは、国民健康保険は、御承知のように、この前も私当委員会で取り上げましたが、相当赤字が出たわけです。それについては国も配慮をして、赤字が出ておりながらなおかつレベルアップをしているわけです。あれは黒字だったから上げたのじゃないんですよ。赤字なんだ。赤字なんだけれども、しかし、家族の七割給付ということは、逆選択を防止する意味でも要するにしなければ、金をかけても現金化できない低所得の者もある、こういうことになってそれが上がってきたわけですね。だから、その趣旨というのは、国民にできるだけ平等に医療が受けられるようにしたい、こういうことにほかならないわけです。ところが、国家公務員にしたところで、いまの収入の状態というのはピンからキリまであるわけですよ。地方公務員であっても同じです。
私どもはこの間秘書のベースアップの問題で給与の皆さんと相当話をしたことがあるのですが、私どもの第一秘書は今度のベースアップで七千五百円ですか、上がりました。これは秘書官号俸の何とかということでそれだけ上がった。ところが第二秘書は九百円しか上がらなかった。そのために、第一秘書と第二秘書の格差は二分の一以下になってしまった、こういう事実があるわけです。同じ仕事をしておる私どもの秘書ですら七千五百円と九百円ベースアップで違うように、国家公務員も上から下まできりがないわけです。そう考えてみると、低所得の国家公務員は、家族が病気になった際の負担というのはいま非常に大きいわけですね。そして、いま周囲の物価が上がっているわけですから、家計は非常に苦しい。その中で、もしこの五割が七割になるということは、その人たちが病気になっても医者にかかりやすい条件をつくることになる。早くかかれば早くなおるということで、費用の負担も助かってくるわけです。そういう全体的な視野に立つならば——いま、国民健康保険の場合は、何か国と地方自治体と個人だとおっしゃいましたけれども、いまの負担のあり方の問題としてはそうでありましょう。しかし、私が申し上げておるのは、負担のあり方の問題の前に、被保険者の家族というものは同じ国民であるから、同じ国民の立場から見るならば、七割のものがそういうふうにあっちこっちに出てくれば、国家公務員といえども当然七割にしてあげるのが至当ではないのか、こう言っているわけです。だから、その点においては、まず七割を考えて、そうして七割にしたあとで負担の状態がどうなるかということを考えるということにならなければ、私は、社会保険、社会保障に対する基本的な考え方というのは逆になってくるのじゃないかと思う。財源がなければともかくだめなのではなくて、財源は国民全体のものですから、つくり方でつくられるものだと思うのです。それが何千億円というものではないわけです。だから、それは政府の考え方をどこに置くか、国民の福祉に置くのかどうかというところからきまってくると思うから私はこう申し上げておるわけです。ですから、これ以上は申し上げませんが、まず第一段階の措置としては、国民健康保険並みに医療費の付加給付は七割に早急にレベルアップをするということでひとつ考え方をきめていただきたい。ここで私はいつもの私の方式でお伺いいたしますが、一体時間がどれだけあったら国家公務員共済組合の付加給付は七割にできるのか。それはいま答えられないとすれば、それを答られるのはいつなのか。調査をして、いつ答えられて、その答えられるときに、じゃあと半年でやれます、一年でやれますという答えを含めて、要するにその答えをするための期間、いつあなたのほうで答弁ができるのか、その時間をここで詰めて答弁をいただいておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/37
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038・辻敬一
○辻説明員 ただいま御指摘の点でございますが、御承知のように、被用者保険におきましては、法定給付は五割というたてまえになっておりまして、政府管掌健康保険は付加給付はございませんから、御案内のように、家族につきましては五割の給付、になっているわけでございます。したがいまして、この問題は社会保険医療全般の問題でございまして、先ほど政務次官から申し上げましたように、臨時医療保険審議会等におきましても議論がなされることになっておりますので、やはりその審議の状況等を見まして、総合的に検討すべき問題ではなかろうかと考えております。
なお、一言補足させていただきますと、国民健康保険の場合には、御案内のように、被用者保険の本人に当たる分が七割でございますから、総医療に対する保険医療費の割合は全体で七割ということでございます。私が先ほど申し上げましたのは、国家公務員共済組合の場合には、本人と家族とをひっくるめました総医療費に対する保険医療費の割合は七八%程度になっておることを御参考までに申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/38
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039・堀昌雄
○堀委員 どうも、私やめようと思ったのだけれども、いまのような答弁が出るとやめられないのは、なるほど私は公平であるほうがいいと思うのです。しかし、社会保障のようなものは、高い何かがあれば、できるだけそこへそろえる努力をするというのが福祉国家という概念の基本的なものじゃないのでしょうか。ともかくも、下にこういうものがあるから、下のほうにだけ足を引っぱられてそういうものの前進をはばむということであってはならないのじゃないかと思うのです。特に、いま私が申し上げたように、これは所得間に格差がありますから、言うならば、高額所得の人は私は必ずしも七割にしなければならぬとも思いませんよ。しかし、実際には国家公務員といえどもピラミッドになっているわけですから、底辺に非常にたくさん所得の不十分な方がおられて、その方たちは場合によったら国民健康保険の優位の人よりもずっと悪い人がたくさんいるわけですから、そういう中身を考えないで、ただ概念的に、一律にそういう議論をするのは私はやや問題があろうかと思うのです。だから、やはり現在の物価の非常に高くなっている条件の中では、国としては、健康を守るためくらいにはあたたかい配慮をするのが当然ではないか。その場合には下を見ないで——そんなに現実にない上を見ようとは言わない、現実にある一つのレベルを考えるならば、そこまではひとつ早急に検討して、どうすればやれるのかという問題を考えるべきで、それは私は医療保険審議会の問題とは別個にあっていいし、同時に国家公務員共済組合二十五の中で一番高いところがどこなのか私はわからないのです。あなたもわからないけれども、私もわからない。それを精細に資料で出していただいて、その中でさらに検討して、もし高いレベルのものがあるとすれば、国家公務員としてそこまで持っていくのが当然ではなかろうかと思うのです。そういう意味で、働く人たちの中にできるだけ公平の原則が作用するようにするためには、一体どれだけの期間に皆さんのほうで調査をし、いろいろされたら、その次に、じゃいつまで大体できますというめどが立つのかという、ここを聞いているわけですから、それはそれで答弁していただかなければ、これは私のほうでは下がるわけにはいかない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/39
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040・武藤謙二郎
○武藤政府委員 まず、先ほどの資料の件でございますが、国家公務員のほうは、これは読み上げますとたいへん時間をとりますけれども、手元に資料がございますので、すぐに差し上げます。それから、地方公共団体のほうは自治省のほうに連絡をいたしますので、これは少し時間がかかるかと思います。
それから、方向としてなるべくいいところに持っていくべきだ、これはおっしゃるとおりだと思います。そこで、それをどういうふうに持っていくかということを、時間を切ってそれまでに答えろということですけれども、これはなかなか難問題でございまして、公務員の共済組合だけではなくてほかにも波及する問題でありますので、その点について、いつものでんで時間を切るぞとおっしゃられるのですが、その点は私ら誠意を持って検討いたしますから、いつまでに出せるのかどうかという時間の点は、ひとつ御容赦願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/40
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041・堀昌雄
○堀委員 私が当委員会でいつも時間を切って伺うのは、こういうことなのです。できない時間を区切ってあなた方に与えたことは一回もないのです。だから、あなたのほうで検討をする時間が要りますから検討をしていただく、その検討には、たとえばいまからほぼ二カ月なら二カ月いただけば検討は全部済む、その検討の中で、その時点からスタートして大体一年半なら一年半で、全体の情勢から見て、内部のそういうアンバランスを是正するためにはこうこうこうすればこうなる、それはあなた方のほうの判断に私はまかせるのだから、そこであなた方のほうで一年半と言えばそれでよろしい。そのかわり、この時間で検討をやりたいと言った以上は、それでやりなさい、こういうやり方でこれまでずっと私はやってきておるわけです。だから私は、一週間以内にやって回答を出せなんていうことは一つも言っていない。あなた方の検討にまかせる、まかせるけれども、そういうことをただ黙って誠意に待つというのは、これは私の性分としてはまず許せない。だから、あなた方が早急に各省の資料を検討し、財源のめどを検討して——これは現状の範囲のことですよ。医療保険審議会が何をやるか、そっちのほうがいつやるかわからぬものをいつまでも待つわけにはいかない。だから、これは現状の範囲の中でこうできます、特に国家公務員共済組合のアッパー・リミットのところに全体をそろえるにはどういうふうにすればできるという検討を皆さんがしたら、これはめどが出てくるでしょう。そのめどを、たとえば、いまあなた方のほうで二カ月くれと言われれば、私は二カ月後に委員会を開いてその先のめどを聞きましょうということで、決して無理な要求をしているわけではない。その点のけじめだけをまず一点だけお伺いいたします。第二点のことはその次に伺うのですから、その調査、検討を進めるに必要な時間は幾らですかと聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/41
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042・武藤謙二郎
○武藤政府委員 まず、どこのところが第一段階になるかということの問題があると思いますけれども、次会までに第一段階がどのくらいまでにできるかということを、これは共済関係だけではございませんので、中で相談いたしましてからお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/42
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043・堀昌雄
○堀委員 では、第一段階の意見は次の委員会で答えていただく、こういうことですね。——では、けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/43
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044・山田耻目
○山田(耻)委員 アンバランスの問題でだいぶ詰められた話が出ましたが、特に国鉄にお伺いするのですが、いまの大蔵省と堀委員とのやりとりをお聞きになりまして、国鉄は一割低位にありますので、これらは私は早急に改善されるものだと思っておりますし、国鉄の共済組合の運営委員会でもその方向に話が部分的にはあるものと私は理解をしておるのですが、一体、国鉄が少なくとも他の二公社並みに家族給付が引き上げられていくということはいつになりますか。これはあなたのほうで十分お答えできると思いますから、その点について答えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/44
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045・中西幸雄
○中西説明員 御質問の点についてでございますが、先ほど申し上げましたように、三十九年四月から掛け金並びに負担率を上げましたために、その後短期経理がどういう結果になってまいるか、その結果を見まして、私どもは鋭意七割までは上げるように努力をいたしたいと考えております。しかしながら、この結果がどのように——特に四十年度の決算がまだ出てまいりませんので、そういうような数字をにらみ合わせ、また今後の見通しをつけて努力いたしたいと考えております。
それからもう一つ、医療費増高は、われわれの仲間でも、地方に対しましてもむだな医療費がふえている面もあるのじゃないのか、何とか医療費のふえるのを防止するほうと、両方でよその七割のレベルまで上げるようにわれわれも努力したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/45
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046・山田耻目
○山田(耻)委員 話を伺っておりますと、努力し検討するということですが、大体、国鉄の共済組合が他と比べて劣っておるということを承知をしながら今日まで放置をしておったということにも問題があるわけですよ。きょう私はそれをとやかく言おうとは思いません。しかし、あなたの答弁ではなお満たされないものがあるわけです。いろいろと医療機関の末梢段階を十分検討して合理化をするというふうな意図も聞こえるのでありますけれども、病気を合理化するわけにはまいりませんからね。それがやはり診療を受ける側と診療する側との立場の違いだと私は思うのです。ですから、私は十分あなた方の御検討はいただいてもけっこうだと思いますけれども、少なくとも、いつごろまでには七割給付にしていくという確固たる立場というものをいまあなた方がお持ちにならなければ、やはり私は依然としてこういう状態が続いていくと思うのです。だから、これらについては、少なくとも他の二公社並みにはすみやかにする。もちろん区切りの時期があるでございましょうから、その区切りの時期をちゃんと整理をして、四十年度決算を見て、そして七割給付に引き上げていく、この立場だけは、私はきょうひとつお約束を願っておきたいと思いますが、いかがですか、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/46
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047・中西幸雄
○中西説明員 お話のありましたように、先ほどのとおり掛け金その他を上げまして四十年度の決算でどのような結果が出てまいるかということを検討いたしました上で、見通しがつけば早急に実施いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/47
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048・山田耻目
○山田(耻)委員 これは私の意見ですけれども、さっきからも繰り返されていましたように、赤字だからということを理由に処理していかないということの中に間違いがあるわけですから、料金を上げたあとの四十年度の決算がどのようになっておるか、もちろん大事でございますが、しかし、そのことを精査され、検討されるということと同時に、他の二公社並みに引き上げていくということは、その前提としてひとつ整理されて、四十年度決算を見ていただきたいということを特に申し添えておきます。
それから、原爆の関係がかなりあるわけでございます。これはそちら側からその数を答弁願ってもいいのでございますが、時間がかかりますから私のほうで調べたのを申し上げてみますと、国鉄関係で原爆にかかった者が約千七十名でございます。他の二公社をお調べになっておるかどうかわかりませんが、国家公務員共済組合を含めて、かなりの数がまだ被爆者健康手帳の交付を受けて診療を受けておるわけであります。これはすでに御存じのように、被爆者健康手帳が交付をされましてから、それによってかかる医療診療については全額国庫が負担をするということになっておるわけであります。だから、三公社、国家公務員の中にあるこうした被爆者の人たちが、直接診療機関を利用する場合がもちろんほとんどでございますが、それをした場合に、かかる経費というものは当然国庫で負担すべきものではないか。それを本人が掛け金をかけた共済組合で負担をするということは筋が合わない。この点は短期給付の国庫補助等についての全般的な議論とは別に、当然国庫で負担をすべきであると考えておりますが、大蔵省いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/48
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049・辻敬一
○辻説明員 原爆障害者に対する措置としては、原爆医療法という法律があることは御案内のとおりでありますが、それと共済の関係の問題につきましては、なお十分検計いたしまして、後ほどお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/49
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050・山田耻目
○山田(耻)委員 こんなわかり切ったことも御検討いただかなければならぬということでございますが、それはそれでもけっこうでございますから、当然明確なことでありますし、原爆医療法もあるのですから、当然それに該当する人々は国庫の側から負担をしていく、こういうことを前提に、委員長、ひとつ十分御理解いただきまして、理事会で御相談いただきたい。そのように取り扱いをお願いしたいと思います。
それでは、一応質疑はこれで終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/50
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051・武藤山治
○武藤委員 いま山田委員の発言された原爆の患者に対する負担は当然国庫が出すべきである、これは理事会において煮詰めることにいたします。
それにやや似たような問題でございますが、北海道のような寒い地帯では暖房料というのが医療費の中に付加されて取られる。これを共済で払っておる金額が相当の金額になりますが、給与課長は実態を知っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/51
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052・辻敬一
○辻説明員 この問題は、共済組合だけの問題ではございませんで、医療保険制度全般を通ずる問題だろうと思います。したがいまして、北海道地域における暖房料を共済組合の場合だけ負担するというわけにはなかなかまいらぬ事情があるのではないか、いまのところそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/52
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053・武藤山治
○武藤委員 いまはっきり最後の語尾がわからなかったのですが、共済だけは負担しているわけですね。
まず一つ聞きますが、国鉄、専売、電電が現在暖房料として共済組合のほうから給付金の中で払っておる金額はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/53
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054・飯森実
○飯森説明員 私、いま急の御質問で、資料もありませんし、わかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/54
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055・中西幸雄
○中西説明員 私のところでも現在資料を持ち合わせませんので、ここでお答え申し上げることはできかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/55
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056・園部秀男
○園部説明員 私のほうも資料の持ち合わせがありませんので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/56
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057・武藤山治
○武藤委員 給与課長、北海道開発庁ではその費用だけでも共済組合から支出している金額が一年間一千万円、膨大な金額であります。したがって、国鉄、電電、専売、その他共済制度に加入しておる団体の負担は相当の金額にのぼると見なければなりません。これもすみやかにひとつ実態を調査して——私の見解によれば、暖房料というものを組合費から取るということは、いささかいかがなものかと私は考えるのであります。当然そういう法のもとに平等であるべき国民が、寒い地帯であるからといって特別な負担を負わされるというのは公平に反する、憲法の精神にも反する。当然そういうのは地域的な条件であるから、国庫負担で、国の補助でそういう問題は解決すべきである、こう私は考える。すなわち、短期給付に対する国庫負担というようなものも定率ではないけれども、こういうものだって、当面すぐ解決しなければならぬ問題が私はころがっていると思う。これらの問題についても、給与課でもし全貌をまだ把握していないという段階であるならば、今後十分ひとつ注意をして検討を願いたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/57
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058・辻敬一
○辻説明員 暖房料につきましては、十一月から四月の間だと記憶いたしておりますが、入院につきましては一日八点の加算であるとか、あるいは外来につきましては一件五・八点でございますか、そういう加算があることは承知いたしております。しかし、これは先ほど申し上げましたように、共済組合だけの問題でありませんで、健康保険その他を通じます全般の問題でございます。したがって、共済組合だけその分を特別な措置をすることはむずかしいのじゃなかろうか、そういう趣旨で先ほどお答え申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/58
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059・武藤山治
○武藤委員 それは国保もあるいは会社保険もすべてそういう形で公平に負担をしておりますか。それはどういう規定で、どういう約束で、どこと契約をしてそういうことが出ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/59
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060・辻敬一
○辻説明員 私どもの持っております資料によりますと、健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法第六項の規定に基づく北海道の知事の告示というような形で行なわれているように承知いたしております。したがって、共済だけではなくて、社会保険医療全般の問題であると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/60
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061・武藤山治
○武藤委員 されば、社会保険全体の問題として、私はやはり地域的に知事の告示で全国民が公平に取り扱わるべきものが、寒い地帯である北海道だけ負担させられるのは、どう考えても納得いかぬのです。これは憲法の公平の精神にも反する。したがって、今後問題にするということで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/61
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062・堀昌雄
○堀委員 いまの暖房料加算問題は、実は非常に古い沿革からきているわけです。しかし、今日われわれ考えてみますと、それじゃ北海道だけが暖房をして、私ども、東京や大阪におる医者は真冬の最中に暖房もしないで診療ができるかというと、全部暖房しているわけです。だから、それは北海道だけの特殊性の問題ではない段階に実はきておるのではないか。しかし、そうだからといっても、暖房に要する費用の問題は、やはり北海道のような寒いところのほうがあたたかい地域よりは費用が多くなるのは当然でありましょうから、こういう問題こそ、やはりいま武藤君の言ったように、寒いところにおる北海道の者だけが暖房料の負担をさせられて、そうして、その他の地域の——まあ本人については、これは共済組合全体の負担になるとすればよろしいですが、裏返していえば、その他の地域におる人たちの掛け金で北海道におる本人は暖房料を払ってもらっておるという不公平な問題が、保険内部の問題として実は出てくるわけです。そしてその地域だけはその半額分だけ——いま付加給付の問題はちょっと複雑だけれども、半額分だけはやはり全国の者が負担をして、残る半額分を北海道の者だけが負担をする、こういう問題があるんですね。だから、これはやはり厚生省の問題でありましょうから、次回の委員会に厚生省を呼んで、こういう問題は、私は、さっきから触れておる公平の原則からするならば、もう少し整理がされるべきであろう、こう考えておるわけなんです。だから、いまの国庫負担というのは、単純に共済組合の国庫負担問題だけにはならないかもしれないけれども、次回にひとつ厚生省を呼んで——いまの負担の公平の問題は再検討を要する段階にあるのではないか、こう思いますので、その点を含めてひとつ検討をしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/62
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063・山田耻目
○山田(耻)委員 次に、長期の給付についてお伺いいたしたいと思います。
これは一昨日、わが党の横山委員のほうからかなり議論を広げて追及をしておりますので、若干重複すると思いますが、御了解いただきたいと思います。
昭和三十七年に資金計画策定審議会が設置されまして、自来三年半ばかり、十回以上にわたって審議してきた結果、いわゆる財源率について適当であるという決定をいたしまして、御存じのように千分の九十五から千分の百十三に引き上げられるということに答申が出てまいりました。ただ、この策定審議会で言っておりますのは、所要財源率、追加費用及び国庫負担等、大体この三つに分けまして答申をいたしておるのでございますが、長期給付のそれぞれの問題に検討を加えてまいりますと、何としても一五%の国庫負担率では少な過ぎるという結論に到達をするわけであります。特にこの中で、共済組合が負うべきでない、当然国庫負担のほうで行なっていかなければならない軍人期間の算入に伴う財源の問題、所要額の問題、あるいは物価等の騰貴に伴って、あるいは社会的な生活水準の向上に伴って起こる物価の値上がりについての国庫負担の問題、あるいは年金の改定やベースアップによって生ずる問題など、当然これらは国庫の負担としてやるべきであると答申が出ておるわけであります。これらについて、政府の立場というものはまだまだ十分な検討がなされていないということで、具体的な国庫負担についての決意というものをお持ちでないのでございますが、一体これらについて大蔵省はどのようにお考えになっておるのか、その立場をもう一度明確にお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/63
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064・武藤謙二郎
○武藤政府委員 国鉄についての共済組合の収支計画策定審議会の答申というものが四十年の六月に出ております。それから電電につきましては四十年の十二月に年金財政の収支計画に関する答申というのが出ております。それについて国鉄、さらに電電のほうで研究をされまして、また大蔵省にどうするかという話があると思いますが、まだそういうことで、これは御承知のように、国鉄の総裁、それから電電の総裁に出ております答申でございますので、私どもはいますぐに意見を言うというのは時期尚早だと思います。それから、御承知だと思いますけれども、同じ問題につきましても、国鉄と電電と答申の内容に違いがございます。そういうことで、これは慎重に検討いたしたい、いまのところどうするかとおっしゃられた御質問でございますけれども、いま直ちに私どもが意見を述べる準備はできていない、そういうことで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/64
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065・山田耻目
○山田(耻)委員 国鉄の側の方に伺っておきたいと思いますが、いま私が申し上げました軍人期間の算入の問題、年金改定、ベースアップによる問題、物価上昇による問題、こうした事柄で、当然国庫が負担をすべしという内容について御検討なさっておるものと思いますけれども、大体これらの三つ、それぞれがどの程度のパーセントが国庫負担となることが正当であるというふうにお感じになっておられるか、すでに検討なさっておると思いますので、お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/65
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066・中西幸雄
○中西説明員 この答申に基づきます国の負担と、国鉄の負担、それから国鉄と組合員と両者で負担をすべきものと、この三つの分け方の表現があるのでございますが、そのうち一番大きなベースアップによるものが、この答申でも実は表現が明確でございませんで、物価上昇に基づくものは国が負担すべきもの、生活水準の向上によるものは国鉄と組合員が負担すべきものというような表現になっておりまして、私どものほうは、この収支計画策定審議会の委員方にも、観念的にはわかるけれども、事務的にはどういうふうにしたらいいかというようなことを諮問いたしまして、さらにこの考え方を煮詰めていきたいと考えております。ただ、この策定審議会の答申をそのことばのとおりに一応当てはめてみたと仮定いたしますと、答申にございます過去の債務の五千百五十五億円のうち、国鉄の負担と考えられるものは、新法施行時の発生の千百九十四億円とそれから債務の利息増加分九百四億円のうちの一部、それからベースアップによる千六百八十五億円というものはどう分割していいか全然わからないわけです。それから新法施行前の債務八百三十六億円、これは、答申によりますと、国庫負担にしたらどうか等の分析ができる程度でございまして、われわれのところも、この措置について具体的には大蔵省のほうにもまだ申し上げておらない段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/66
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067・山田耻目
○山田(耻)委員 考えようによってはたいへんな問題なんですね。それがあなたのほうにも考えがつかない、こういう事実がずっと続けられてきておったということは御存じのことなんです。それが計画策定審議会の答申を経て初めてわかったというしろものじゃないのです。しかも、問題がかなり大きいものだから何とかしなくちゃならぬけれども、何ともならなかった、私は、こういう推移をたどって今日に至っておると思うのですね。しかし、ここで策定審議会の結論が総裁あてに出ているのですから、ここでやはり共済組合の運営委員会としては責任ある措置をとっていかなければ、それは組合員がかわいそうです。それらについても、私は気持ちとしては当然整理をされておるものだと思いますが、いまあなたの述べられたこうした事柄がいつまでに整理をされて、そうして、国に対して国庫の負担をしなさい、こういう具体的な要求書をお出しになるのか、これからの手順、作業についてお考えを述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/67
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068・中西幸雄
○中西説明員 この問題は、一に国鉄ばかりの問題でございませんで、三公社それぞれやはり影響するところがございますし、さらに、よその共済組合制度とも関連がある問題でございまして、これの扱いにつきましては、国鉄のみならず、関係方面とも協議いたしました上で措置いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/68
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069・山田耻目
○山田(耻)委員 こういう問題は、組合員の利益に直接関係する問題でありますから、私は作業を急がなくちゃいけないと思います。いままで放置されておったのがよくなかったのでありますから、事実がはっきりしておる部分が、私のようにしろうとでも指摘できると思うのです。ですから、そういう問題はすみやかに作業を急いで、組合員の利益を守っていくというのは共済組合の使命でなくちゃならぬと私は思うから、あなたのおっしゃっているようなお気持ちだけで十分だと言えません。すみやかにこういう作業を進めていただいて、もちろん他の公社とも相談をいただいて、統一した見解、意見をまとめて政府に対して要求なさるように、この点は、きょうここであなたにいついつまでにやるということを聞くことは若干無理のようでありますから、いずれ機会ある委員会で聞きたいと思いますから、すみやかに作業を進めておいて、正常な国庫の負担というものを明らかにしていただかなければならないと思いますので、そのようにひとつお願いいたします。非常に国鉄は組合員の数も多うございますし、それだけに旧軍人軍属、こういう関係もたくさんございます。だから、五千百五十五億円という膨大な債務の責任という立場も余分にかぶっておるわけでございますが、そういうことが災いをしておるものと私は思うのでありますけれども、国鉄の場合は短期もそうでございましたが、長期の場合も掛け金率がやはり高いのであります。掛け金率が高いから、それならば与えられる年金も金額は高いかといったら、そのほうは逆に低いのであります。いまの医療費と同じように、医療費も、掛け金は千分の三十五も掛けてなお家族給付は六割である。他の公社は千分の三十二、三十四と、国鉄より低いけれども、家族給付は両方とも七割である。長期の場合も、一昨日の横山君の質問を見ましても、国鉄の掛け金が一番高い、にもかかわらず長期の給付は低い。
ここで一つの数字を申し述べてみますとよくわかるのでございますが、新法になりまして国鉄の場合の平均の年金額は二十二万六千百六十四円、電電は二十八万四千八百三十一円、専売は二十二万二千四百円、旧法の金額を見ますと、国鉄の場合は七万六千九十円、電電が七万五千九百八十三円、専売が九万二千二百四十一円、こういうふうにして、年金の平均額は特に新法になりまして国鉄は著しく低い、掛け金は高い。一体こういう結果はどこから起こってくるのか、この点がやはりわかりやすく説明されなければ、私はどうしても承服できないものがあるのであります。その点についてお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/69
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070・中西幸雄
○中西説明員 国鉄共済組合におきましては、御承知のとおり、まず一番に問題なのは男子の組合員が全体の九八%を占めております。それで、男子の組合員の占める割合が高ければ必然的に年金者が多くなりまして、したがって財源率も高くなってくる。しかしながら、年金者が多いからといって平均年金額が必ずしも高いということにはならないのは、いまお話しのあったとおりでございます。それで、同じ制度間におきまして、平均年金額の高低は、主として年金者の組合員期間の長短によるものでありまして、旧法及び新法の年金者につきまして組合員期間を比較いたしますと、ただいま御指摘になりました旧法の関係でございますと、国鉄は平均七万六千九十円とおっしゃいましたが、平均の組合員期間は二十二・七年でございます。それから電電は二十七・一年でございます。専売が二十六・九年でございます。ところが、新法になりますと、国鉄が三十二・四年、電電が三十六・三年、専売が三十一・五年でございます。それで、新法で特に電電と開いておりますのは、勤務年限が平均四年差ができているということでございます。それからなお、旧法年金者について国鉄共済組合の年金者の組合員期間が特に短いのは、国鉄は他の二公社に比べて任官の時期がおそかったために、年金受給資格期間である二十年に到達するとともに脱退する者が多く、したがって、年金者のうちにはこれら最短の資格期間の者が多かったということが考えられる理由と存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/70
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071・山田耻目
○山田(耻)委員 男が多いというのは理由になりませんけれども、一つは、在職年数、組合員としての期間年数が長いということは私は寄異に感ずるのでありますけれども、それは退職勧奨年齢を国鉄は五十五歳に置いているし、その他のほうは五十八歳程度じゃないかと思いますけれども、そうしたことが災いしているわけです。その点は表を見ればよくわかるのでありますけれども、平均勤続年数、賃金のラスパイレス、こういうものを比較してまいりますと、やはり国鉄の賃金が低い。だから、最終年度において年金の算定の給与というものが低いところに問題があるというふうにもこの理由の一つを見つけることができるわけです。ここらあたりは給与全体のベースアップをからめて議論をいたしませんと、ただこの年金額は低いということだけでは、私は結論が出ないと思いますけれども、しかし、受ける側の組合員にとってはやはり不利益ということを避けるわけにはまいりません。これらについては、十分そうした特殊の事情というものを、しかも、国鉄の場合、経営者として考えなければならぬ。賃金が低いということ、こうしたことなどは当然国鉄側の責任でありましょうから、そういうものを含めて、この問題について私はなお一そうの検討をいただかなければならぬというふうに考えておりますので、それらについては十分今後検討していただきまして、取得する年金額というものが全体と公平を失しないように配慮していただかなくてはならないというふうに考えて、これは注文をいたしておきたいと思います。
次に、スライドの問題についてでありますが、これはすでに武藤委員のほうからかなり詳細にわたって議論が行なわれております。私はこまかい点については申し上げないつもりでありますが、ただ、このスライドの問題について、公務員関係の組合員については審議会において相談をして、できるだけ早く具体的な方向を示すというふうに結論がつけられておるようでございますが、三公社のほうはこの中に入っていないわけです。一体、三公社の関係のスライドの問題についてはどのようになさるのか、少なくとも、原則的に考えるのは、国あるいは使用者側、そうして組合側三者の構成によって、客観的に物価の上昇等を把握して生活水準等を考えてスライドをきめていくという機関が当然設置されなければならないものだと私は思います。これらについてどのように考えておられるのか、これは三公社側、特に大蔵省側を含めてそれぞれから御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/71
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072・畠山一郎
○畠山政府委員 年金額の調整規定の具体化につきましては、この規定は、御承知のとおり、恩給法あるいは国家公務員共済組合法関係と同じ表現の改正案になっておりますが、それぞれ恩給審議会あるいは公務員年金制度連絡協議会において検討されることになっておりますので、それによって三公社の分につきましても検討していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/72
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073・山田耻目
○山田(耻)委員 それじゃ何ですか、公務員年金制度連絡協議会で相談をして、そこの審議の結論を三公社にも当てはめていくというやり方ですね。そういうことではいけませんよ。そういうことでやられるところに——恩給関係は、御存じのように、軍人恩給から遺族年金から、いろいろと広範囲な武官、文官含めて持っておる。そういうことと対比しながら共済組合制度をながめておる。ここにやはり一つ問題があるんですよ。共済組合の制度というものは、むしろ独立して自主的にきめられていくものでなければならぬということは、これは当然の原則であります。きょうは私はそれの原則論をここで述べようとは思わないけれども、三公社の共済組合の運営という独立した一つのものに対して、公務員なり恩給なりの連絡協議会の中で得た結論をもって三公社について、ということは、私は権威がないと思う。やはり三公社に対しても、権威のあるそうした審議機関を設置して、そこで調整問題については、申し上げたような物価の問題あるいは生活水準の問題等々を検討して一つの結論を導き出していくというのが当然な一つの措置だと私は思う。これらについて、もう一度、今度は大蔵省の側から答弁いただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/73
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074・武藤謙二郎
○武藤政府委員 お話の点でございますが、大蔵省は別に三公社の監督官庁ではございませんので、よく三公社とこの問題については相談いたしまして、具体的に妥当な方法を見つけたいと思っております。いままだ三公社と相談しておりませんので、ここで軽率な答弁をすることは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/74
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075・山田耻目
○山田(耻)委員 武藤さんのおっしゃっていることは、わかったようなわからぬようなことでありますけれども、要するに、いまの電気通信監理官が申されたような立場とは違って、三公社にも設置をしたい、そのために具体的なことを意見を聞きながら相談をしてまとめ上げていきたい、こういうふうな御意見だというふうに受け取ってよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/75
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076・武藤謙二郎
○武藤政府委員 これはなかなかむずかしいと思いますのは、別々につくるのがいいのかどうか、そういう問題もあると思います。それで、でき上がった姿がまたばらばらというのもこれはおかしな話であります。そこで、そういうことも含めまして、どうしたらいいかということをよく相談いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/76
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077・武藤山治
○武藤委員 関連して。
武藤さん、それはこの前の答弁と違うじゃないですか。この前、私がこの問題はどういう機関で検討するのかと詰めたときに、あなたたちは、共済組合審議会でやります、こう答えているわけだ。それに今度は、新たに三公社五現業の問題をどうするのだという質問がいま出てきた。だから、私はこの前のときも言ったように、現職の国家公務員の問題、これからやめる人の問題は、恩給審議会に引き回されずに別なきちっとした機関をつくって検討すべきではないか、こういう意見を提言しながらあなたたちの意見を聞いていたわけだ。そのときには公務員共済組合審議会でやります。こう言っているわけだ。だから、この際三公社五現業をも含めたきちっとした審議機関を持つべきだというのが私の持論だ。しかもそれは、理事者側と組合員側とさらに公平な中立委員、そういう三者構成で今回の規定を十分生かせるような審議会を新たに考える構想を至急つくらなければならぬのではないか、こう考えてこの前言ったわけだ。この前のやつときょうのあなたの答弁とは違うような気がするのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/77
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078・武藤謙二郎
○武藤政府委員 この前御答弁いたしましたときは国家公務員のことだけ考えておりました。しかし、ただいまお話がございましたように、公社の関係もございます。そこで、いまの共済審議会では国家公務員のことだけを審議することになっております。そこで今度、それならば公社は全部別々につくったらいいという意見も出ると思います。あるいは、それはおかしいから、三公社一緒がいいんじゃないかという議論もあるだろうと思います。それから、それと共済審議会とどういうことになるか、たいへん先走ったことを言うようですが、落ちついた形としては、バランスがとれた、大体同じようなことにならなければいかぬと思います。これはどういうふうにしてやったらいいか、いまここですぐに即答いたしますのは非常に軽率だと思いますけれども、御趣旨はよくわかっておりますから、どういうふうにいたすか、それはまたよく三公社とも相談し、そのあとで御返事申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/78
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079・山田耻目
○山田(耻)委員 結局、武藤さんのおっしゃっていることは、スライド、調整の具体策については、この前は、国家公務員共済組合審議会で相談をして、近いうちに、四十二年くらいですか、何らかの具体策を得たい、こういうお話のようだったと思うのです。そこで、残されておるのは、三公社が始まっていないということでありますから、そこで三公社も何らかの方法でそういう会議を三者で持って、そうして具体的な対策というものを生み出していく、そういう意思統一をする、あるいは、結論を得る機関を設置しなければならぬということについて、私は意思はお持ちだと思うのです。ただ、それを別個に持たすのか、全体の調整をとったほうがいいということで合同のものにするのか、これは軽率には言えないという。だから、つくるという意思は当然である、だけれども、どういう方法を選ぶべきかということについてなお検討したいということのように受けとめてよろしいですね。そうして、その検討をなさって、お答えできる時期は一体いつになるのか、これもあわせてひとつ御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/79
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080・武藤謙二郎
○武藤政府委員 まだ郵政省その他が答弁しておりませんので、一応そちらの答弁を聞いていただいてから、あまり先走って、監督官庁でない大蔵省がいろいろと申すのもぐあいが悪いんじゃないかと思いますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/80
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081・畠山一郎
○畠山政府委員 先ほど申し上げました、公務員年金制度連絡協議会は、先生のおっしゃいましたように、きちっとした組織ではございませんが、責任の官庁が集まりまして、連絡調整をとるための組織として総理府に設置されているものでございます。その中に三公社そのものは入っておりませんが、三公社の監督官庁であります大蔵、運輸、郵政と入っております。一応いままでの考えでは、それによって調整をとってやっていく考え方で進んでまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/81
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082・山田耻目
○山田(耻)委員 いかがでございますか。監督官庁の意見を持ち寄って、そうして、いまは郵政省が当番だから、郵政省が顔を出していろいろ指導をする——私は共済組合制度というものをそういうふうにながめておるところに根本の間違いがあると思う。これはあなたさっきから何ぼか詰めてきたように、短期の場合は掛け金が半分半分、長期の場合はごくちょっとその掛け金率が低いという程度で、全く双方共通の立場で共済組合の運営などについては論議されてきておるわけです。それが原則でしょう。そうして運営委員会を持ってやっておるのです。ところが、あなた方の意思というものは、あたかも監督官庁が優位な立場にあって監督官庁の指導のもとにすべてが行なわれておる、こういう理解を共済組合にするところに、恩給とちゃんぽんにしたり、幾つかの過去の弊害が生まれてきておるのですよ。だから私は、そういう観点でこのスライドの問題、調整の問題を将来考えるということは、より誤りを拡大することになると思う。これはひとつ監督官庁はあまり出しゃばってもらわぬで、むしろ監督官庁は諮問に応ずるという立場を越えてはならぬと私は思うのです。だから、その意味で、三公社関係の共済組合の運営委員会の意見、そうして大蔵省側の意見などなども含めたところに監督官庁としても意見を出してもらう、それが共済組合運営の一般的な姿でしょうね。いまここで求めておるのはそういうことではなくて、国家公務員の共済組合に関するスライド、調整の問題については、大蔵省側の答弁では、国家公務員共済組合審議会で近い将来結論を出したい、こうなっておるわけです。取り残されておる三公社は一体どうするのか、これがいま問題になっておるのでありますから、あなたのそういう監督官庁優位な立場からものを申されるということではなくて、三公社の共済組合の運営の中で長い間問題になってきた調整の問題が、今回ようやく抽象論ではあるけれども法律として一項起こされてきた、実際にこれをどのように具体化していくかということは大切な問題であります。その大切な問題を、三公社はつんばさじきに置かれているというのではいけませんから、公務員共済組合審議会と同じようなものをつくって、三者がそこで協議をするのか、それがどうしてもバランスの関係でいけないというのなら、国家公務員共済組合審議会との関係をどのように結合させていこうとするのか、そういうことについて答弁をするのが、いまの私の質問に対する答えですよ。何という答弁をなさるのか、実に不見識だと思う。これらについて、当番省である郵政省として、もう一ぺん私の質問に的をはずさないように答えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/82
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083・畠山一郎
○畠山政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、いままで私たちが考えてまいりました具体化の方向でございます。いま先生のおっしゃいましたようなことにつきましては、これから関係方面とも十分打ち合わせまして、早急に結論を出すようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/83
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084・山田耻目
○山田(耻)委員 それでは、武藤さんにお答えいただいた答弁も、いま畠山さんからお答えいただいた答弁も、私は同じものだと思います。それで十分御協議いただきまして、次の委員会に構想というものをひとつ発表願うようにきょうは注文をつけておきますから、委員長、そのようにお計らい願います。
最後に、横山さんのときにかなり話をされておりました例の国鉄関係の中のビルマ派遣の問題であります。いろいろと組合の側あるいは使用者である国鉄の側からも調査がなされておるようでありますが、少なくとも、この問題については、組合員の側は一つの既得の権益と考えておりますし、しかも、戦時中のことでありますので、ビルマ方面に派遣をされる場合には、両親にも言わずに黙って行けということで、軍事機密の立場から両親にも会わぬで外地に出向いていった多くの職員もおるわけであります。そのときにいろいろと条件が示されておりました。それらが客観的に証明される具体的な資料がいま調査をされ、準備をされておるものと思います。こうした事柄が他の官庁においては約束どおり実行されておって、既得権、期待権というものがすでに消滅をしておる。しかし国鉄の場合は、終戦後の混乱の中で復員の関係もおくれたりいたしまして、いまだに未処理であるということは明確になっております。こういう立場が少なくとも具体的にすみやかに調査をされて、そうして客観的な証明の資料等もつくられていきます中で、十分ひとつ国鉄内部で御相談をいただきながら、必要な措置については大蔵省などの助言なり意見をいただく、こういう立場で処理されるというふうに作業を進めてもらっておるものと理解いたしますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/84
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085・中西幸雄
○中西説明員 ただいま先生が御指摘になりましたように、国鉄当局におきましても、当時の模様、それから該当人員、具体的にどういう方が該当しておられるか等の調査を目下鋭意いたしております。それで、これが出てまいりました暁に大蔵省御当局とも御相談申し上げまして、これらの措置をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/85
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086・山田耻目
○山田(耻)委員 これで終わりますが、委員長のほうに二、三点、理事会などで御相談いただく問題を申し上げておきましたので、処理をどうぞひとつよろしく願いたいし、問題の措置はまた来週お願いいたしたいと思います。
これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/86
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087・三池信
○三池委員長 次会は、来たる三十一日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104629X04519660527/87
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