1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月三十一日(木曜日)
午前十時三十五分開議
出席委員
委員長 岡崎 英城君
理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君
理事 渡海元三郎君 理事 中島 茂喜君
理事 和爾俊二郎君 理事 秋山 徳雄君
理事 華山 親義君 理事 細谷 治嘉君
亀山 孝一君 纐纈 彌三君
島村 一郎君 田澤 吉郎君
登坂重次郎君 野呂 恭一君
藤田 義光君 村上 勇君
村山 達雄君 森下 元晴君
山崎 巖君 吉田 重延君
井手 以誠君 安井 吉典君
門司 亮君
出席国務大臣
自 治 大 臣 永山 忠則君
出席政府委員
防衛庁事務官
(防衛施設庁施
設部長) 財満 功君
農林政務次官 仮谷 忠男君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計官) 佐藤 吉男君
運輸事務官
(航空局監理部
長) 町田 直君
自治事務官
(大臣官房参事
官) 宮沢 弘君
専 門 員 越村安太郎君
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三月三十日
委員村上勇君委員辞任につき、その補欠として
徳安實藏君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員徳安實藏君委員辞任につき、その補欠とし
て村上勇君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十一日
委員周東英雄君、田村良平君及び森下元晴君辞
任につき、その補欠として吉田重延君、田澤吉
郎君及び野呂恭一君が議長の指名で委員に選任
された。
同日
委員田澤吉郎君、野呂恭一君及び吉田重延君辞
任につき、その補欠として田村良平君、森下元
晴君及び周東英雄君が議長の指名で委員に選任
された。
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三月三十日
首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のた
めの国の財政上の特別措置に関する法律案(内
閣提出第一三四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
る法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七
一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/0
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001・岡崎英城
○岡崎委員長 これより会議を開きます。
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。安井吉典君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/1
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002・安井吉典
○安井委員 ただいま議題となっております法案に関しまして、一昨日、自治大臣の御出席はいただけなかったわけでありますが、今度法案の上に明記されておりません国有林に関する交付金が、民間の資産に対する固定資産税と均衡がとれていないのではないかという点を中心にいたしましていろいろお尋ねをしたわけであります。きょうは永山自治大臣御出席でございますので、その点をさらに詰めて質問を続けたいと思うのでありますが、農林省のほうからあとでお見えだそうでございますので、その問題はあと回しにいたしまして、同じく一昨日、工場誘致条例の問題をあわせてお尋ねをしていたわけでございますので、その問題のほうを先にお尋ねをいたしたいと思います。
先日も税務局長その他の方々にお尋ねをし、いろいろ御答弁をいただいていたわけでございますが、工場誘致条例という名前で都道府県や市町村が自分の地域に工場を誘致するためのいろんな条件を、地方税の減免やその他の便宜供与、奨励金の交付等によりまして続けてきております問題については、自治省も従来から、違法とは言えないが好ましくないというふうな趣旨の見解をしばしば示しているようであります。しかしながらこの傾向は縮小をされず、むしろ拡大をされている傾向にあります。一昨日も申し上げたところでありますが、現状を見ますと、ほとんどのものが大企業に対してだけの優遇措置というふうな形で行なわれております点の問題が第一点であります。それぞれの地域の中における税負担の均衡をはかっていくということが、自治体の税務行政における重大な問題点だと思うのでありますが、設備投資が何千万円以上でなければ該当させないというふうなことで、したがって、その地域の地場の中小企業は何ら恩恵に浴さない。ただ大資本だけが恩恵に浴する、そういうふうな形で適用いたしております。ですから、地域のもともとからいる地場の中小企業家や、あるいはまた農民や一般住民のほうが負担をして、大企業に金を出していく、こういうふうな形である点が第一の問題です。
それから第二には、それが高じて契約減税というふうな形になっている例さえあります。企業が来たら、来るということの前提に立って、そこの市長と企業の社長とが契約をして、企業が来たらこれだけ税金をまけますというふうな取りきめをしている例もあります。企業誘致にはやるあまり、税金を私するというふうな形で行なわれることは、これも明らかに地方税法の趣旨に反するわけです。こういうふうな傾向さえ生じている点の問題があります。
それから第三には、最近ではその誘致条例が各地にできているわけです。一昨日いただいた自治省の資料によりますと、全国すべての市町村に、あるいは都道府県にこの条例が置かれているとは記載されておりませんけれども、この調査はまだまだ不十分で、自治体の側も、何かそのことによって補助金がよけい出るとか、そういうふうな含みの資料ならどんどん出しますが、この工場誘致条例の問題等については、財政的なゆとりがあるから工場誘致条例をつくっているんだというふうにとられがちですから、なかなか正確な調査ができないというのが実態ではないかと思います。しかし、それにいたしましても、七十億円をこえるそういうふうな措置の支出があるわけでありますが、今日のように、至るところにこの誘致条例ができてしまったということになりましたら、この条例があるということの意味というのはもうほとんど薄れてきているのではないかと思います。つまり、条例のないところは、たいていもう既存の工場がたくさんあったり、あるいはまた工場の来る見込みの全くないところということであり、そうでないところに全部誘致条例があるということは、それによって有利な条件を自分のところにつくり出すということにはならないわけです。全く意味がなくなってしまっている。こういうふうな実態もあるのではないかと思います。
それから第四には、工場は、条例の有無というのが誘致をきめるきめ手の唯一のものではないということです。工場は立地条件が大切なので、いろいろな形の立地条件こそが工場の設置を結論づけるわけであって、誘致条例の存在というものがそういう決定的なものではなくなってきているというふうな事情もあるのではないかと思います。
それから第五番目には、今日の地方財政の危機の問題です。これまでの自治省のこの問題についての見解からいうと、財政の余力のあるところはこういうふうな条例措置をやってもしかたがないというふうな書き方でありますけれども、そういうことになりましたら、地方財政の能力のないところは一切工場なんかの誘致ができないということにも、裏返しをいたしますと、そうなってしまうわけです。貧乏市町村にはいつになっても工場は来ないわけです。自治大臣もずいぶん苦労されております今日の地方財政の重大な危機、こういうふうな実態を考えてみますと、工場誘致条例のような形で、私がいままで申し上げてまいりましたような、条例のあるなしというものが工場の誘致を決定づけるものではないし、しかも、数々の欠陥を持っている、こういう実態を踏まえて考えてみますと、財政危機の実態対応策としても、七十数億に上るこの支出をやめることが地方財政の健全化に役立つ一つの道ではないか、私はそう思うわけであります。特に新産都市建設、あるいはまた工業整備特別地域等の立法、あるいは低開発地域工業開発に関する立法、こういうふうな特別立法が幾つもできてまいりました。これによると、法律の裏づけを持って、地方団体が税金を安くするというふうな措置に対する保障がはっきりできてきたわけです。ですから、そういう裏づけができたという時点に立って考えてみましたら、この工場誘致条例も新しく考え直さるべき段階に来ているのではないかと思います。つまり、いままでこの問題に対する自治省の考え方は、好ましくないが、特定の場合にはいたし方ないというふうな考え方でこれまで来られてはいますものの、特殊な立法がどんどんできており、さらにまた地方財政のきびしい事態、こういう事態を踏まえて考えましたならば、きわめて問題の多い工場誘致条例のごときものについては、勇断を持って、こういうものはやめるべきではないかというふうな見解を示すべきではないかと思います。私は、できれば地方税法等の法律的な規制でやるべきだと思うのですが、それにはいろいろ問題があろうと思いますが、当面自治省としてのきちっとした見解を示して、好ましくないいまの事態に対して、これを正しい方向に向ける御努力を自治省としてなさるべきだと思うのであります。この前の私の質疑事項とだいぶダブる点もありますけれども、大臣はきょう初めての御出席でありますので、若干問題点を繰り返しながら、自治大臣としての御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/2
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003・永山忠則
○永山国務大臣 御説のごとく、この地方税法第六条の規定に基づく地方税の課税免除または不均一課税は、それが広く住民一般の利益を増進をするかどうかということをまず第一に十分検討せなければならぬと思うのであります。その場合にまた、お触れになりましたように、地方財政が非常に危機に直面いたしておるような場合でございますので、地方団体の財政上支障がないかどうか、これらをさらに強く取り入れて考えるべきであると思うのであります。また、大企業中心主義に流れたり、あるいは市長が個人的に会社と契約をして、そうして議会へ圧力をかけるとか、民意を十分尊重しないというような逸脱行為があったりするようなことは絶対に避けなければならぬと思うのでございます。したがいまして、これが実施にあたりましては、まず第一にやはり地方税の軽減措置によるということを第一義にせずに、これに相当する財源をもって道路その他の施設の便宜供与を行なう等の方法によりまして、企業に対する地方団体の援助の方策が、議会を通じてその関係住民によくわかり、しかもこれがきわめて公明かつ有効に適用されるようにすることを第一義にするようにすべきであるということを指導してきたのでございますが、今後の指導にあたりましては、特に地方財政の苦しい状態等を勘案をいたしまして、その運用が乱に流れ過ぎるようなことのないように、いな、もっときわめてシビアーに十分ひとつ検討をいたしまして、適正なる措置をとらなければならぬと思います。なお、逸脱をしておるようなものに対しましては、個別的な指導をいたしましてでも、旧来のような弊におちいらないように厳にいましめて取り扱いを注意をいたすように指導をいたしたいと考えておる次第でございます。なお、低開発地区の工業開発地域並びに新産、工特等のように裏づけの法律保障があるもの等も出ております関係におきまして、これらの点を総合いたしまして、将来本問題に対して、お説のように十分真剣に検討を続けていきたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/3
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004・安井吉典
○安井委員 ただいまの大臣の御答弁、それなりに了解をいたしたいと思いますが、しかし今日、工場誘致条例から起きておりますさまざまな矛盾や問題点に対するお答えとしては、どうも迫力がないし、真剣さがないような気がいたします。従来から自治省が示されております見解も、一般的な見方としては好ましくないという考え方を基礎に置いておられるようでありますが、いまのお答えからも察せられるように、その点はお認めになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/4
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005・永山忠則
○永山国務大臣 地方財政がお説のような非常な窮迫な状態でございますので、この取り扱いに対しましてはきわめて慎重を要するものでございまして、なお本質的にはすでに低開発あるいは新産、工特の問題等も進んでおるような状態でございますから、抜本的にこの問題をひとつ検討をする時期が来ているのではないかというように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/5
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006・安井吉典
○安井委員 一般的な言い方として、こういうのは好ましいか好ましくないのかということを私は伺っているわけですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/6
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007・永山忠則
○永山国務大臣 基本的に、問題の検討を積極的にする必要があると思うのでございますが、現段階におきましては、やはり地方住民の利益並びに地方財政等を勘案をいたしまして、地方自治体が自主的に考えることが第一義であると考えております。しかし地方財政窮迫のおりから、先刻申しましたようもな法律の裏づけがある保障等のないような状態のものについては、必ずしも私は好ましくないと考えておりますので、根本的に検討をする必要がある、こういうように申しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/7
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008・安井吉典
○安井委員 わかりました。その点はわかりましたが、そういう事態なら、いま自粛通達というような形で通達をお出しになって、一般的に拡大する傾向にありますいまの問題について当面の措置を講ずるという必要があるのではないかと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/8
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009・永山忠則
○永山国務大臣 この運用に関しましてはすでに通達を出しておるのでございまして、その乱に流れないように、そうしていたずらに減免措置ということよりは、むしろ企業に対する地方団体の援助方策という方法が好ましいというように言っておりますので、今後の方策といたしましては、個別的な指導等も十分いたしまして、これが適正な処置をはかるようにさらに努力いたしたいと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/9
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010・安井吉典
○安井委員 いまの事態があまり好ましいものじゃないのだから根本的な検討をされるわけなので、いまの事態が非常にいいものならもう検討する必要ないわけです。そういういろいろ好ましくないような事態があるということを中心にして検討されるのだろうと思うのですが、根本的な検討の結果をいつごろまでにお出しになるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/10
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011・永山忠則
○永山国務大臣 通達にも、一部の地方団体においては特定の工場等を誘致するに急なるあまり、法の趣旨に反して競って地方税の免税等の処置をとっている向きがあるように仄聞するが、こういうことのないようにという点も通知をいたしておるのでございますが、本問題は地域開発と非常な関連を持っておるのでございますから、工特その他の関係等の関連もございますので、それらを総合をいたしまして早急に省内でまず意見を調整をいたし、さらに関係機関ともよく連絡をとって、地方財政の圧迫にならないように、しかも住民の喜ぶような、利益になるような誘致関係が考慮できるようなことについて、早急にひとつ検討を進めていきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/11
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012・安井吉典
○安井委員 大臣に参議院のほうから来てくれという御要求があるそうですから、これ以上、時間がありませんので詰めることはやめますが、この問題についての現状の認識といいますか、そういう点においては大臣も私もあまり変わりがないようで、現在におけるいろいろな問題点を把握し、好ましくない事態だ、特に財政難や特殊立法措置のある現在においては、そういう点が言えるというところまでは似ていると思います。ただ、それへの対策ということになりますと、どうも、それこそ勇断を持って事に当たるというような態度が見えないわけで、その点いささか遺憾でありますが、現実の事態に対して個々指導をするとか、あるいはまた根本的な対策についての検討を至急進めるとか、そういうお答えがありますので、それにひとつ信頼をつなぐことにいたします。
さらに、いまの質問に対するお答えとしてなされましたように、第一義的には通路や住宅やそういうふうな一般的な行政施策をもって当たるべきだという点は私は全く同感です。ですから、そういう方向でやるべきものを、私企業に対する助成だとかあるいは免税だとか、そういう形でやっているところに私は問題があるのではないかと思います。そういうふうな御指導が非常に大切であるということが一つと、それからもう一つ大事なことは、何か工場が来ればその町が発展をするのだというふうな理解のしかたを市町村等においてしているという点にも問題があると思います。これはやはり政府の高度経済成長政策の中でそういう方向がとられて、すでにそういう傾向へいってしまっているようなことでありますが、農村は農村としての緑豊かな地域開発という道があるはずです。工場が来て公害がやってきて、四日市みたいに町がどこかへ移らなくてはならないというふうな事態が起きている。そういう点から考えても、地域開発についての正しい考え方をもう少し政府は指導もしなければいけないし、政府自体の施策の中にも生かしてこなければいけないと思うのです。工場が来ることによる町の発展ということだけではなくて、その地域、地域に即した住みよい豊かな地域社会をつくり上げる、そういう展望を与えること、これが非常に大切なことではないか、それがどうも欠けているような気がするわけです。そういう点についても、ひとつ十分な指導を自治大臣にお願いをしておきたいと思います。
時間だそうでありますが、最後に、先ほど保留をいたしました国有林の問題について自治大臣の御見解だけを伺って、それからあと農林政務次官もおいでになりますから、農林省の方へのお尋ねに移したいと思います。
国有資産についての交付金、納付金の問題については、今度は空港だけについての措置でありますけれども、現在ある国有のもろもろの資産についての交付金は、本来は固定資産税にかわるものとして当該市町村に交付する、そういう趣旨でこの仕組みができたものだと私どもは理解しているわけであります。ところが現実には、それに類似する民有の資産についての固定資産税と、それから国有資産についての交付金、納付金とが、どうも均衡がとれてないという事態がずいぶんあって、市町村の側では不満が大きいわけです。とりわけ国有林についてそういう問題がある。山村は、もう自分のところの民有資産というものが非常に少ないわけです。山村ではほとんどが国有林で、私の知っている北海道のある村などは、国有林の中に川が流れていて、その川のふちの沿岸地帯だけが民有地になっている、そういう村もあります。そういうところは税金の入る余地はない、固定資産税の入る余地はなくて、その国有林があるということでその村は経営が成り立っている。だから、そういう場合における国有林の交付金というものがその村の非常に大きな財源になっている。もし国有林がなければ、それが民有林であれば、その村は膨大な固定資産税が入るわけです。それが国有林であるために、ほんのわずかしか固定資産税が入らない。こういう矛盾があるわけです。全国で幾つものそういう例があるわけです。ですから、山村地帯の財源難という実態を踏まえて、国有林の問題についてははっきりした措置をやはりこの際講ずべきではないかということを私はおとといも質問したわけですけれども、自治省のほうでも農林省のほうでも、この問題については評価のしかた等についてもう少し検討するというお答えがあったわけでありますが、きょうはひとつ大臣から直接お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/12
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013・永山忠則
○永山国務大臣 国有林野の土地評価は、御存じのように、申し上げるまでもなく昭和二十九年度以来台帳価格が据え置きになっておりますので、したがいまして、やはりこれに対しましては非常に不均衡でございますので、第八条の規定によりまして価格の修正が本年も一億五千万行なわれたのでありますが、自治省といたしましては、やはり本年は財政上いろいろな関係でやむを得ぬ措置であると思いますけれども、なお十分でないというように考えておりますので、関係各省と協議いたしまして、民有林の土地にかかる固定資産税負担と均衡のとれるような増額をはかるべく、今後一段と努力を続けたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/13
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014・安井吉典
○安井委員 同じ質問につきまして、きょうは仮谷農林政務次官がおいででありますので、御見解をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/14
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015・仮谷忠男
○仮谷政府委員 国有林野所在市町村交付金の問題については、関係町村から私どももずいぶん陳情も受け、いろいろ意見も聞かされております。私どもも実情は十分にわかっているわけでありまして、そういう意味で、本年はもちろん十分ではありませんけれども、従来の型を破ってかなり大幅な増額をいたしたわけであります。しかしそれで十分とは決して考えておりません。将来は、ただいま自治大臣の申されましたように、そういった面を十分に検討いたさなければならぬと思っておるわけであります。ただ、国有林と民有林の場合には、御承知のように国有林は、たとえば北海道とか東北地方に非常に多い。しかも国有林はその地域でも比較的奥のほうに位置がありまして、そういった面から、民有林と均衡をとるということについてはいろいろ問題点もあるようでありますが、しかし国有林が所在する市町村は、財政的な面からいって、これに依存する面が非常に多いわけであります。そういう面から、今後は積極的に考えていかなければならぬ問題だというふうに私どもも承知をし、そういうふうに今後善処をいたしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/15
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016・安井吉典
○安井委員 一昨日、法律の適用に関する技術的な問題について、いろいろ論議をいたしておりますので、こまかな論議は仮谷さんにはいたしませんけれども、国有林の現状は、その地域の住民の協力によって経営が行なわれていると言ってもいいぐらいです。膨大な地域について、山火事が起きないかとか、その他の事故が起きないか、そういうふうな点については、とても職員では足りないものですから、地域全体の住民の協力のもとに成り立っていると言ってもいいぐらいです。そういうふうな事態にもかかわらず、あまり恩恵がない。しかも、従来は人力で国有林の伐採その他の作業が行なわれていたのが、最近ではもう機械がどんどん入って、人間の力は自然に不要になってきているというふうな実態があります。国有林への稼働ということで生計が成り立っていた人たちも、そこで一種の失業的な事態にもなってきています。そういうことからいうと、地域の住民と国有林との関係が阻害されてきて、しかも国有林があることによって、市町村の財政は固定資産税が入らないために苦しいというふうな事態もあるものですから、国有林の開放運動というふうな形で問題が出てきているのではないか。それも一因で、無理からぬことだと思います。いま私が一例だけを申し上げましたけれども、こういう事態を踏まえて考えてみても、国有林所在市町村については、お礼の意味からも、やはり林野庁は相当の交付金を支払うというふうな義務があると思います。これは恩恵的なといいますか、人情的な側面からいま申し上げているわけでありますけれども、しかも本質論からして、これが国有林でなければ当然固定資産税という形で徴収できる、それにかわるものとして、この交付金という仕組みができたので、単なる恩恵的な意味を通り抜けた、はっきりした法律的な義務を伴った制度であるわけです。ところが、その制度における趣旨が十分に生かされて運用されていないという現実があるわけで、この間も申し上げ、また御答弁もいただいたわけでありますけれども、たとえば一ヘクタール当たりの交付金が八十五円から九十円ぐらいであるのに対して、山林に対する固定資産税は三百二十円程度になっています。だから、一般の山林のやつは三百二十円程度で、国有林のやつは、四十一年度若干上がったとはいえ、九十円ぐらいだという、この数字の中から不満が起きてきているのではないかと思います。しかも固定資産税のほうは、御承知のようにこれからも毎年二割ないし三割の幅でずっと上がっていくわけです。ところが国有林のほうは、相変わらずそういうふうなものに対する担保がない。この間の御答弁でも、台帳価格と実際の価格との幅が五割以上のものについて、その程度に応じた計算をすれば一億何千万かふえるのです、こういうような御答弁でありますけれども、そういうふうなことだけでは納得できない事態に今日来ていると思います。ですから、この際私は、台帳価格そのものについても根本的な検討が必要な段階に来ておると思いますけれども、これはいろいろ関連するところが大きいわけですから、直ちにこれをおやりなさいとは言えないかもしれませんが、しかしこの点も慎重に検討される必要があるし、それから台帳価格をすぐ直すことができないにしても、現実評価額——二通りあるわけで、台帳価格と現実の評価額と二通りあるわけでありますが、後者のほうを実情に即したものとして計算をし直して、この不満を絶対避けるべきだ、こういうふうに考えるものですから、お尋ねをいたしているわけでありますが、明年度並びに明年度以降において、いま申し上げましたような措置を必ず講じていただきたいと思うわけであります。この点、重ねて一般的な事情を御理解になった上での仮谷さんの御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/16
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017・仮谷忠男
○仮谷政府委員 実は、私の県も非常に国有林の多いところでありまして、しかも一村全部国有林というところもあるわけであります。そういった面については、先生と全く同じ考え方を持っておるわけであります。われわれ実はこういう問題について、かねがね要望をいたしてきておる側の一人でもございます。したがいまして、本年はそういう事情を承知しておりましたものですから、もちろん不十分でありますけれども、従来よりはかなり思い切って増額をするという措置を講じてまいったわけであります。ただ市町村には、単なる交付金というだけでなくして、国有林は国有林の活用をすることによって、その町村が開発できる方法があれば、どんな方法にでも応じていこうという態勢をとって、そういうふうに進めてはおりますけれども、しかしそれだけで決して十分とは考えていないので、先祖のおっしゃる点は十分にわかるわけであります。したがって、今後民有林の固定資産税の推移に応じまして、それに対する適切な処置を考えなければならぬことは当然でありまして、御趣旨に沿って今後努力を続けてまいりたい、かように存じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/17
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018・岡崎英城
○岡崎委員長 華山親義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/18
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019・華山親義
○華山委員 この前の委員会におきまして、私のお尋ねすることが途中になったのでございますが、引き続いてお尋ねをいたしたいと思っております。
それはこのたびの改正の法律と、そのほかにいわゆる基地交付金といわれるところの国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律がございますが、この法律におきまして、本年度計上せられた金額は幾らでございますか。大蔵省の方でも自治省の方でもお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/19
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020・宮沢弘
○宮沢説明員 いわゆる基地交付金の本年度の予算は十五億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/20
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021・華山親義
○華山委員 大蔵省の方がおいでにならないのでなんでございますが、自治省のほうで、この十四億というものはどういう積算の基礎によって積み上げられたものか、そういうことがおわかりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/21
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022・宮沢弘
○宮沢説明員 本年度の予算は、先ほど申しましたように十五億でございます。この基地交付金は、過日もいろいろ御議論がございましたが、従前から沿革がございまして、当初から予算の範囲内で基地交付金を交付するといういまの法律制度のたてまえになっておるわけでございます。ただ、私どもといたしましては、基地交付金がいわば固定資産税にかわるものというふうに考えておりますので、資産価格に応じまして固定資産にかわるような地位を与える。ただ資産の性質自身が特殊なものでございますので、一般の固定資産相当額までこれを持ってまいりますことはなかなかむずかしいといたしましても、少なくとも固定資産に準ずるような地位を与えたいということで、毎年資産価格を中心に積算をいたしまして予算要求をいたしてきたわけでございます。当初、昭和三十二年でございますか、この制度が発足をいたしましたときは、五億で出発をいたしたわけでございますが、その後資産価格の改定その他がございまして、三十七年に十二億になったわけでございます。それから三十九年に十三億五千万、それから四十年が十四億、本年度はさらに一億追加になりまして十五億に相なったわけでございます。先ほど申しましたような沿革その他がございますので、法律のたてまえも予算の範囲内になっておる、必ずしも今回御提案を申し上げております市町村交付金のように資産価格に即して予算をとって配分をするというわけにはまいっておりません。ありていに申しますと、いろいろ国家財政の事情その他予算がきまってまいりますので、それに応じまして私どものほうで資産価格に応ずる案分率を定めまして交付をする、こういう実態になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/22
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023・華山親義
○華山委員 ただいまお話しのように、この基地交付金もまた市町村に対する固定資産税にかわるべき性質のものでございますから、その評価額等を基準としたきちんとした算定の基礎でやっていただきたい。そのことをいままで自治省のほうは御努力だそうでございますけれども、今後もそういうふうな原則が立っておりませんと、土地の評価が上がりましてもなおつまみ金というふうなことでは、市町村には気の毒だというふうなことも起こると思いますので、その点は今後とも努力していただきたいと思います。
なお、この前に、このたびの法律によるところの市町村に対する交付金と、いま申し上げました基地交付金との間にバランスを失しているようなことがないかということを心配いたしまして、飛行場等についての同じ条件の坪当たりというものについて、この両方の法律の単価がどんな計算になるのかということをお聞きしたのでございますが、試算でもございましたならばお示しをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/23
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024・宮沢弘
○宮沢説明員 基地交付金のほうは、御承知のように総額を八割分と二割分に分けておりまして、八割分のほうは資産価格にそのまま案分をいたします。それから二割分のほうは資産価格を基準にいたしまして、その施設の種類でございますとかあるいは用途でございますとか、その他の事情を勘案いたしまして配分をいたしているわけでございます。今回の市町村交付金は、資産価格を、その資産の特殊性にかんがみまして半分にいたしまして、それに百分の一・四をかけているわけでございます。したがいまして、お尋ねの、たとえば同じ面積と申しますか、飛行場なら飛行場の施設がありました場合を想定をいたしまして、その評価額が、価格が一〇〇といたしますと、今回の市町村交付金のほうは、まずその資産価格を半分にいたしますので、五〇が基礎になるわけでございます。それに百分の一・四がかかりますので、結局一〇〇につきまして〇・七というものが交付されるわけでございます。基地交付金のほうは、先ほど来申し上げておりますように、予算の範囲内できまってまいります。四十年度ベースで申し上げますと、大体資産価格が千六百億ぐらいであったと思うのでございます。先ほどもちょっと申し上げましたように、八割分は資産価格、資産の評価額に応じて配分をいたすわけでございます。その案分率がございます。その案分率をかけますと、大体〇・六九八ぐらいになるわけでございまして、したがいまして同じ飛行場の土地なら土地というものについて見ました場合に、今回の交付金のほうが〇・七でございます。四十年度ベースで申しますと、基地交付金のほうが〇・六九八でございますから、ほぼ同額である、こう申し上げてよかろうと思うのでございます。ただ先ほど申し上げましたように、基地交付金のほうには特殊な事情を考慮する二割分というのがございます。これがいわば基地交付金のほうのプラスの要素であります。ところが今回の市町村交付金のほうは、飛行場の土地ばかりでなくて建物、工作物をその対象に加えております。したがいまして、交付金のほうは建物、工作物のプラスの要素、したがいましてその辺のプラス、マイナスは個々の施設についての計算をいたしてみませんと、多少の出入りがあろうと思います。たてまえといたしましては、先ほど申し上げましたように、〇・七と〇・六九八でございます。今回の制度と四十年度ベースで計算をいたしますのはほぼ同額である、こういうふうに申し上げてよかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/24
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025・華山親義
○華山委員 この〇・六九八、〇・七というものは、私は基地交付金のほうがつまみ金でございますから、偶然の一致であるというふうにも考えられます。それで大蔵省の方にもお願いしておきますけれども、この基地交付金というのはいろいろな沿革できまっているのであって、必ずしも積算の基礎が明確でないということでございますけれども、これは市町村に対する固定資産税のようなもののかわりになるものでございますから、ひとつ今後予算を計上される場合には、本年はたまたま大体のところ、この両方の法律による計算が一致するようでございますし、今後ともその点を十分に勘案されまして、基地というものと飛行場というふうなものについてのバランスを失することのないようにお願いをいたしたいと思います。大蔵省の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/25
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026・佐藤吉男
○佐藤説明員 御趣旨に沿いまして努力してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/26
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027・華山親義
○華山委員 それから防衛庁の方にお聞きいたしたいと思いますけれども、私、ほかの委員会のことでございますのでよく存じませんが、基地に対する新しい助成金ですか交付金ですかを与えるというので、別の何か法律をこの議会に提出されているという話を聞きますが、その法律はどういう法律であって、どういう趣旨のものでございますか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/27
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028・財満功
○財満政府委員 お答えいたします。
ただいま先生がお尋ねになりました法律は、防衛施設周辺の整備等に関する法律というものでございます。今国会に提出されることになっております。その中で特に、新たに市町村に与えるものというふうなことばがございましたが、それに該当いたしますものは、この法律の第四条に、民生安定施設の助成とうたいまして、防衛施設の周辺地域を管轄する市町村で、その防衛施設の運用によって障害を受けておるものがございます。それが阻害されていると認められるものがありました場合に、その障害の緩和に資するために生活環境施設または事業経営の安定に寄与する施設の整備について市町村が必要な措置をおとりになる場合、予算の範囲内におきまして一部を補助するということにいたしておるものでございます。この法律の趣旨といたしますところは、そのようなものを通じまして、かつまた相当因果関係の濃いものにつきまして障害の発生いたしましたものについてその防止措置を講じて、もって基地周辺の民生の安定、福祉の向上に寄与いたしたいと申すものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/28
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029・華山親義
○華山委員 お話を聞きますと、基地周辺は人心が安定していないようでございますが、まことに困ったことだと思います。
そこで、もっと詳しくお聞きしませんとわかりませんけれども、いまお聞きいたしたところと、このたびのいわゆる基地交付金というものは、性質が異なるようであります。片方のほうは固定資産税にかわるという色彩が濃いし、片方のほうはその他その人心の不安定をなくすためにいろいろな施設等に補助を出すか、金をお出しになるということでございますから、目的が違う。これを将来一つにまとめるというふうな御意向は防衛庁のほうにはございませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/29
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030・財満功
○財満政府委員 ただいまのところそのようには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/30
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031・華山親義
○華山委員 その点につきましては大蔵省にもお聞きいたしたいのでございますけれども、ややもするというと、同じような金だからまとめちゃったほうがいいじゃないかという考え方におちいる場合が多いのでございますが、大蔵省の方針といたしましてもこれは両方まとめちゃって、そして自治省だか防衛庁だか知りませんけれども、そっちのほうにやっちゃうというふうなことはしていただきたくないのでございますけれども、今後の大蔵省の方針を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/31
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032・佐藤吉男
○佐藤説明員 今後の方針につきましていまはっきりしたことを申し上げることはできないのでございますが、今年度御承知のような経過がございまして、一応落着を見たわけでございます。落着を見たものを、そうすぐに朝令暮改というわけにはいかないのじゃないか、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/32
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033・華山親義
○華山委員 私、珍しいことをお聞きいたしました。落着を見たというのは、何かそこに権限の紛争でもあったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/33
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034・佐藤吉男
○佐藤説明員 両者を一本の所管に計上したほうがいいのじゃないかというような意見が出まして、それについて始終予算接衝におきまして議論が取りかわされたわけでございます。そのことをさしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/34
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035・華山親義
○華山委員 私の所見を申し上げるならば、これは自治省の所管のものは固定資産税にかわるという性質のものであり、防衛庁のものは人心の不安定をなくすというふうな性質のものであって、自治省のものは固定的なものであり、防衛庁のものはこれは臨時的な、そのときそのときによって違うものなんです。私は両者を混同するということになりますというと、ますます予算の性格を不明確にして積算の基礎をあいまいにすると思いますので、将来とも断固としてそういうことをやっていただきたくない、そういうことを一つ申し上げたいと思います。私は知らなかったのでございますが、偶然お尋ねしたところが紛争があったようなお話でございますけれども、その心配を強くいたします。そういう意味におきまして、今後十分に大蔵省は考えていただきたいし、それから、おそらく紛争が起きたとすれば、それを主張した初めは私は防衛庁だと思う。防衛庁は防衛をやっていればいいのであって、市町村の財政のことまで考える必要はないのだ。それは防衛庁の仕事によってその市町村にある程度の損害があるという点は考えなければいけないけれども、固定資産税にかわるるようなところまで防衛庁がくちばしをいれることはおかしいのだ。その点は、そういう紛争を巻き起こしたもとが大蔵省なのか防衛庁なのか知りませんけれども、もし防衛庁であるならば、今後十分に戒めていただきたいと私は思います。防衛庁の御意見を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/35
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036・財満功
○財満政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもは自衛隊等の行為によりまして防衛施設の周辺に障害を発生させております。したがいましてその障害の新たな発生を防止する、それから発生したものにつきましてあとう限りその障害を緩和していくような施設の整備を行なうということに専念いたしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/36
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037・華山親義
○華山委員 そうしますと、固定資産税にかわるようなものをおれのほうによこせなどということは、これはあり得べからざるものと私は了解をいたします。
次に伺いますが、この飛行場というものを民間航空のために使う場合と、あるいは自衛隊、そういうものが使う、共用しておるところがございますが、全国でどういう場所に幾つほどございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/37
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038・財満功
○財満政府委員 米軍の使っております飛行場は現在八つございます。その中で民間航空と共用いたしておりますものは四つでございまして、三沢飛行場、調布の飛行場、岩国の飛行場、それから板付の飛行場、この四カ所でございます。それから自衛隊の飛行場は全部で三十七でございますが、その中でいわゆる航空法の定めるところの公共施設の指定を受けております飛行場は四つでございます。それから公共施設の指定を受けておりませんけれども、自衛隊の任務の遂行に支障のない限りという意味で共同使用いたしておるものは二つでございます。前のほうは千歳、札幌、小松、徳島、あとのほうは八戸、美保でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/38
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039・華山親義
○華山委員 そうしますと、この両方の法律によりまして、その中にある程度の調整が必要だと思いますけれども、その調整のことにつきましては、この前にお聞きしたときに局長からお聞きいたしましたから、私ここでは省略いたします。それで、この点について伺いたいのでございますけれども、国といたしまして、民間航空の飛行場とアメリカあるいは自衛隊の飛行場、こういうものは共用ということは、これは好ましくないけれどもやむを得ずやっているのでございますか、あるいは当然のこととしてやっていらっしゃるのでございますか、国の方針としてどちら側でございますか。これはひとつ航空局のほうにお伺いいたしたい。また防衛庁のほうにお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/39
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040・財満功
○財満政府委員 米軍の飛行場につきましては、いわゆる地位協定に共同使用をするという場合のことがうたってございます。したがいまして、そのような関係につきましては、常にわれわれは検討を続ける義務を与えられております。その地位協定の二条四項の(a)で、米軍が一時使っておらない場合に、支障のない限り民間にお使いいただく、それから第三条で、米軍の認めるところによって使うというもの、こういうものがございますので、根拠といたしましては、そのようなものによっておるわけでございます。
民航につきましては、航空局からお答えがあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/40
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041・町田直
○町田説明員 米軍の飛行場につきましては、ただいま防衛庁から御説明がございましたが、防衛庁の飛行場につきまして民間にも共同使用する法律上の根拠は、航空法の五十六条の五で、これはここに書いてございますように、公衆の利便を増進するため必要があると認める場合に、防衛庁長官と協議をいたしまして、両方が十分使えるという範囲で指定しておるわけであります。
また、先ほど御説明ございました民間の空港で、防衛庁のほうが民間の空港を共用するという場合につきましても、それぞれ民間空港の支障のない範囲で使っていただくように協議して使っているわけでございます。したがいまして、本来、本質的にはそれぞれ別にあったほうがいいということが言えるかもしれませんけれども、現実の問題といたしましては、支障がない範囲でお互いに使っておる、こういうふうに御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/41
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042・華山親義
○華山委員 私は、本来からいいますと、別々にあるべきものだと思いますが、それにつきまして、現実の問題といたしまして、防衛庁のほうの計画で、民間飛行場を使用したいというような具体的な場所でもありましたら伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/42
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043・財満功
○財満政府委員 自衛隊のほうで民間空港を使いたいという計画があるかというお尋ねだと思いますが、神町の飛行場がございます。神町の飛行場と申しますのは、元来旧海軍の予科練の飛行場であったものでございますが、昭和三十九年に民間に払い下げが行なわれたものでございます。その際、県知事と施設庁との間で協定がございまして、将来これを共同使用する場合、民間の空港を自衛隊のほうで共同で使いたいという場合には、差しつかえのない限り協力いたしましょう、こういうふうなことになっておりまして、この点について、あるいは将来のわれわれのほうの基本計画の中でそういうふうなことをきめるようになるかもしれないという程度のものでございます。ただいま私のほうで、神町飛行場の使用の基本計画ができておるという程度にはまだ立ち至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/43
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044・華山親義
○華山委員 ほかにはございませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/44
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045・財満功
○財満政府委員 ほかにはただいまのところございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/45
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046・華山親義
○華山委員 これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/46
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047・岡崎英城
○岡崎委員長 門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/47
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048・門司亮
○門司委員 ただ一点だけ聞いておきたいのですが、最初にお聞きをしておきたいと思いますことは、これは資料があれば資料を出していただきたいのですが、この場合に、国有資産等の所在市町村の交付金、納付金という問題で、民間航空の使っておる部分が含まれている法律案でありますが、実はそのほかに、日本の国有財産でないものがある市町村が実はあるわけでございます。いわゆる米軍のドル施設によって建てられたものがあるわけであります。これらの問題については一体どういうことになっているのか、そしてそういうものが一体日本にどれくらいあるのか、もしわかっておれば、施設庁からでも、どちらでもよろしゅうございますが、ひとつ教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/48
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049・財満功
○財満政府委員 ただいま御質問になりましたのは、米軍がドルでもってつくりました資産に関する御質問かと存じますが、私どものほうの所管でその実数を調べましたところ、全国的には現在約七千五百棟でございます。それから坪数にいたしまして四十三万七千坪程度の建物がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/49
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050・門司亮
○門司委員 そうしますと、これにはこの法律の適用がないものだと考えるのですが、そのとおりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/50
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051・宮沢弘
○宮沢説明員 いわゆる基地交付金は、国が所有している資産で米軍に提供しているものというものについて適用がございます。したがいまして、ただいま御指摘のアメリカが自分のドルで資産を保有しているものは適用は直接ございません。ただ、ドル資産と申しましても、やはり当該資産と一体をなしている点もございますので、基地交付金の配分にあたっては、先ほども八割分と二割分ということを申し上げたのでございますが、二割分を配分するにあたって、米ドル資産というようなものの要素も加味して配分はしております。しかしこの法律自身は、国が所有している資産でございますので、直接には対象にはなっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/51
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052・門司亮
○門司委員 問題の所在はそこにあるのです。御承知のように基地交付金というのは、ことしは十五億ですが、去年は十四億、たった一億くらいを大蔵省の都合でふやしたが、これの算定の基礎はあいまいであって、ほとんど算定の基礎は何もない。大蔵省のそのときの考え方で、はっきりつかみ金と言ったほうがよろしいかと思いますが、したがって市町村に対しては、やはり所在市町村は算定の基礎のあるものについては十分にまかなってもらわないと、基地交付金というような形だけではなかなかうまくいかないのではないか。その十四億の金が、全部そういう建物を持っているところにいったわけではありませんので、市町村にとってはかなり不均衡が実はあろうかと思う。それで、これについては施設庁としてはどうなんですか。これは国有資産等の所在市町村に対する交付金、納付金というような範疇に私どもは入れるべきだと考えているのだが、施設庁の考えはどうですか。これは同時に自治省のほうにも同じく御答弁を願いたい。同時に大蔵省がそれを認めるかどうか。三者でひとつ御答弁を願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/52
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053・財満功
○財満政府委員 ただいま自治省のほうから御説明がございましたように、これはその存置並びに使用の形態が国有資産と相似たものでございます。この基地交付金に関する法律の中で十分に御配慮をいただきたいというふうにお願い申しているところでございます。
なお私どもとしましては、そのほかに、先ほど御質問がございました新しい周辺整備に関する法律の中では、施設の周辺に対して損害を与えているものについて助成の措置を講じてまいりたいということもあわせて考えておる。私どもはそちらのほうへ専念いたしたい。自治省のほうにはこれについて御考慮を願いたいというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/53
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054・宮沢弘
○宮沢説明員 米ドル資産でございますが、御承知のように行政協定に基づきます地方税法の特例等の法律もございまして、米軍に直接課税をいたすとか、あるいは直接そこから金を出してもらうというたてまえではいかぬと思うのでございます。したがいまして、御指摘のことは、政府がそれについて措置すべきではないか、こういう御趣旨であろうと思うのでございますが、先ほど申しましたように、現在法律のたてまえは、いわゆる国有資産について交付金を交付をする、こういうことになっておるわけでございます。しかし、これも先ほど申しましたように米ドル資産自身が、その使用の実態その他、ほかの資産と類似している面もございますので、私どもといたしましては二割分について措置をいたしているわけでございます。私ども、今後基地交付金の総額自身、なお増額について努力をしてまいりたいと思うのでございます。したがいまして、そういう場合においては米ドル資産につきましても考慮を加えたいと思うのでございます。いま直ちにこの米ドル資産自身を直接法律の対象に加えるということはなかなか困難な問題であろう、こういうふうに私どもは思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/54
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055・佐藤吉男
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
米ドル資産につきましては、ただいま自治省から御答弁があったような扱いになっておりまして、私どもも米ドル資産について直接これをどうこうするということは、現行法ではむずかしいわけでございますが、基地交付金の性格からいきまして、その配分におきまして二割の弾力的な運用のワクがございます。そういうものを通じて、これらの米ドル資産についても十分配慮してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/55
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056・門司亮
○門司委員 私が聞いておりますのは、現行でそういう処置がとられているということはわかりますが、実際はかなり大きな建物、大きな場所があるのですね。数は七千五百棟、こう言っておりますけれども、土地についての四十三万七千坪というのはあまり小さい土地ではありませんし、それから建物によっては、たとえば神奈川県にあるあそこの町は、たしか海老名町になろうかと思いますが、米軍のかつての司令部があるのですね。この司令部が御承知のように鉄筋コンクリートで、ちょうどアメリカのペンタゴンにそっくりのかっこうをしている。アメリカのワシントンにあるペンタゴンを小さくしたようなものと見れば間違いのない建物である。階数も大体同じような階数で、そういうようなものがある。大体これは固定資産税相当額に見積もれば、かなり大きな額になろうと思う。ところがこれについては、いまお話しのような例の基地交付金の中でかげんをしておるという程度であって、したがって所在市町村でこれを要求することができるかどうかということについてもやはり問題がある。同時に、この算定の基礎になる固定資産税相当額というものとの間にかなり大きな開きが当然出てくると私は思う。これは一方において、国有資産について全額保障しているわけじゃない。あるいは半分のものもあるし、いろいろ私はあろうと思いますが、こういう法律が出ているからには、基地交付金の中でこれを操作するというようなことは当該自治体にとっては実際はきわめて迷惑だと思う。だから、どうです大蔵省、最後に聞いておきたいのだが、これは国有資産等の交付金、納付金と同じような算定の基礎の上に立って、この分を、たとえば、これはむずかしい相談かもしれませんが、基地交付金の中にやはり特別にこれを繰り入れていく。これは国有財産ではありませんから、国有財産のいま審議しております法律の中でそれをやるということは困難かもしれません。またこれはアメリカから税金を取るわけにもまいらぬかもしれない。したがってアメリカにこの金を出させるかどうかということも私は問題になろうかと思う。しかし措置としては、基地交付金の中にその分だけやはり画然として入れていく、そうして所在市町村のある程度の要求というものをやはり受け入れてあげるというような措置は、大蔵省の当局としてはできませんか。いまこの金はつかみ金ですから、何も算定の基礎はないですからね。ことしは予算の範囲内でこのくらいやろう、ことしは予算の範囲内でこのくらいにしておこうというようなことで、その過程においては自治省と折衝は行なわれているかもしれないけれども、予算の範囲内ということで、算定の基礎があいまいになっておる。したがって、せめてこの分だけについても算定の基礎をはっきりするというような措置はとれませんか。そうしてこの中からはっきり交付していくという措置はとれませんか、大蔵省に聞いておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/56
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057・佐藤吉男
○佐藤説明員 十五億円の配分につきましては、自治省のほうでいろいろお考えをお持ちになって私どもと相談してやっていく、こういうたてまえでございます。したがいまして、いま御指摘の米ドル資産につきまして、これをどういうふうにやっていったらよいか、現状で必ずしも満足すべきものではないじゃないか、こういう御指摘でございますが、この点自治省とよく相談しまして研究してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/57
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058・門司亮
○門司委員 そういう形で逃げられると困るんで、私の聞いておりますのは、配分をどうしようというのではない。十五億のワクの中から、それをここにたくさんやろうということになるとほかが減るわけですからね、十五億というワクですから。十五億は十五億として、予算の範囲内でということだから、明らかにつかみ金である。そのほかに、こういうものについての固定資産税相当額というものがやはり織り込まれる、たとえば十五億は国が予算の都合で配分しようと思えば、この分が二億出れば二億だけはそれに加えていく、配分の方法としては加えていくという方法がとれませんか。そうしないとどこまでもつかみ金のワク中で、配分だけで考えろと言われても、配分は片方がふえれば片方が減るんですから、ちょうど大福もちのあんみたいに、片方が出っぱれば片方がへこむにきまっている。そういう官僚的の操作でなくて、その分だけは明確にしてもらいたい。国有財産のほうで配分ができないならば、その分を基地交付金の中に加えて、そうして間違いのない金高を必ずそこに配分する、いわゆる役人の手心でこれを配分するというようなことではなくて、数字だけはきめてはっきりさせる、こういうことはできませんか。これがやれない限りは国有資産所在市町村の交付金、納付金は片手落ちのものがあるとどこまでも言わなければならぬ。これは国がアメリカに提供している。これは条約によってそういうことになっている。国が承諾をしてアメリカにそういう施設をさせておるのであるから、私は責任の所在はあくまでも国が負うべきだと考えている。もしこれが条約上アメリカに税金を払わせることができるというのならば、この国有資産等のいま審議している法律に準じてアメリカさんに出していただければいいのである。アメリカさんに出させることは困難でしょう。事実そうだとすれば、やはりこれは一応の国有資産とみなして、国が承認して建てさせているんですから、国の責任においてこれをカバーしてやっていくか、どちらかだと思う。これを国有資産の中に入れるか、あるいは基地交付金の中にそれだけ加えていくか、どちらかだと思う。私はむしろいまのたてまえからいけば、国有資産等所在市町村のほうに入れても理論上はたいして矛盾はないんじゃないかと考える。国が承認して建てさせておるものであるから、国がその責任を負うということについては差しつかえないと考える。しかしそれがどうしてもできないというのならば、いまその基地交付金の中であんばいして分け前を考えますからなんということは、これは大福のあんの議論と同じことになって、片方が出っぱれば片方がへこむにきまっているのだから、そういう操作でなくて、特別にそれだけのものを支給することができないのか、どういうことですか。大蔵省はどっちがいいと考えているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/58
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059・佐藤吉男
○佐藤説明員 現行のいわゆる基地交付金のたてまえから申しまして、米ドル資金をそのまま特別に扱うことは、たてまえ上なかなかむずかしいのでございます。これをどういうふうにするかというのは制度の問題に帰着いたしますので、大蔵省で進んでどうこうということにはまいりかねるわけでございます。自治省のほうともいろいろ御相談してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/59
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060・門司亮
○門司委員 大蔵省は金を出すときにはぐずぐず文句を言うけれども、そういうところになると逃げてしまって、自治省の責任のようにもっていくように聞こえてあまりおもしろくないのですが、それじゃ自治省はどういうふうにお考えになりますか。私は、当然国が承認をしてアメリカに建てさしておるというならば、やはり国が国有財産と同列にこれをみなしていくことのほうが正しいのじゃないか。そうしないと当該の市町村は、つかみ金の中でかげんして分けてあげるからなんということでは、片方にこういう法律がありますから、やはり済まされないのではないか。この辺は自治省のお考えはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/60
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061・宮沢弘
○宮沢説明員 こういう問題をもし入れる場合に、ただいま門司委員は、国有資産のほうか、国の提供施設のほうか、二つお出しになったわけでございますが、私どもはもし入れるとなりますと、やはり基地と一体となっておるものでございますので、いわゆる基地交付金の概念の中で考えるべきだろうと思うのでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、現在のたてまえが、国が所有する固定資産について基地交付金を交付をしている、こういうたてまえになっておりますので、このたてまえを変えていくという必要があるわけでございます。変えていくといたしますと、そのほか同種類のものというようなものについても、なお研究をしなければならない問題があるいは出てくるかもしれないと思うのです。
なお、先ほど大蔵省にも御質問になりましたが、基地交付金自身の予算も限られておりますので、予算上の問題も出てくることであろうと思うのでございます。御趣旨はわかるのでございますが、きわめてむずかしい問題ではなかろうかと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/61
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062・門司亮
○門司委員 これはむずかしいといえばむずかしい問題ですけれども、やはり所在の市町村にとってはかなり大きな問題なんです。ことしは幾らもらえるかわからぬというような形でもらえるもの、つかみ金の中からあんばいして分けろなんということと、当然このくらい入るであろうという概算のできるものとは——これは当該市町村としては実際は困るのです。だから、これは私がさっき申し上げましたように、できれば、国がアメリカに許容している事項なんですから、その責任は国が負うべきだというなら、当然この国有資産等の中に加えてしかるべきだと私は思う。ただ問題になるのは、片方に基地交付金というものがあって、しかしこの基地交付金の性格は、そういうものに相当する額でないことは、私は大蔵省のほうがよく知っていると思う。この基地交付金のできた経緯から考えてみれば、こういうものを対象にしてやったわけではないのである。これ以上私は、きょうここで質問すると長くなりますから聞きませんが、この点はやはり十分ひとつ大蔵省も考えて、そんなことは向こうできめてくれというような立場でなくて、もし大蔵省がそういう考え方だとすれば、自治省できめれば大蔵省はお金を出すかどうかということです。お金を出す段になると、大蔵省がああでもない、こうでもないと言って理屈をつけて、なかなか渋ってくるところに私は問題があろうかと思う。自治省のほうとしては、自治財政を守るたてまえからいけば、当然私は国に要求すべきものだと考える。その場合の処置として、大蔵省が踏み切ることができるかどうかということが、やはり解決する一つのかぎだと私は思う。したがって、きょうは担当参事官だけでありますからあまりやかましいことは聞きませんが、この点については、せっかく大臣おいでになっておりますから、大臣にもひとつお考えを願いまして、そうして大蔵省との間に問題の解決をはかってもらいたいと思う。そうしないと、つかみ金の中でおまえのところにはそれだけよけいやってあるはずだなんということで、なかなかその市町村を納得させるわけには私はまいらぬと思う。この点だけを一つ強く申し上げておきまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/62
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063・岡崎英城
○岡崎委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、本案についての質疑はこれにて終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/63
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064・岡崎英城
○岡崎委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/64
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065・岡崎英城
○岡崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/65
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066・岡崎英城
○岡崎委員長 この際、大石八治君、細谷治嘉君及び門司亮君から、三派共同をもって本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
これより本動議を議題とし、その趣旨説明を求めます。大石八治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/66
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067・大石八治
○大石(八)委員 ただいま議題となりました自民、社会、民社の三党共同提案にかかる国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、三党を代表して提案の趣旨を御説明申し上げます。
附帯決議の案文はお手元に配付されておりますので、朗読は省略させていただきます。
御承知のとおり、本制度は、国や地方公共団体等の所有する固定資産について、所在市町村との受益の関係等から、これらについても固定資産税相当額の負担を求めることによって、現に固定資産税が課されている同種の固定資産との負担の均衡を確保し、あわせて地方自主財源の増強に資することを目的として創設されたものであります。
国有資産等所在市町村交付金の算定にあたっては、原則として、国有財産台帳の価格が用いられているのでありますが、本制度の創設の趣旨に照らして、対象資産の評価については、常に経済情勢の推移に対応し、固定資産税負担との均衡を失わないよう、実務の上においても適正なる評価をなすべきであると思うのであります。
次に、国有林野の土地にかかわる土地につきましては、昭和二十九年度の評価以来、台帳価格が据え置かれておるのであります。ただ、三十九年度以降の交付金は漸次増額を見ておりますものの、固定資産税の対象資産は三年ごとに評価がえを行なってきておりますために、民有林の固定資産税と国有林の交付金の差が著しく拡大しているのであります。したがいまして、国有林野の評価を適正化することによって、国有林野交付金を早急に増額し、民有林に対する固定資産税との均衡をはかるとともに、所在市町村の財源充実をはかる必要があると思うのであります。
以上が提案の趣旨であります。何とぞ皆さまの御賛同をお願い申し上げます。
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〔参照〕
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本制度創設の趣旨と経緯にかんがみ、左の点について遺憾なきを期すべきである。
一、本法の対象となる国有財産については、経済情勢の推移に即応し、固定資産税負担との均衡を失しないよう評価の適正を期すること。
二、国有林野の土地に係る交付金については、民有林の土地に係る固定資産税負担との均衡を失しないよう検討のうえ必要な措置を講ずること。
右決議する。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/67
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068・岡崎英城
○岡崎委員長 本動議について採決いたします。
本動議のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/68
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069・岡崎英城
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、大石八治君外二名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。永山自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/69
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070・永山忠則
○永山国務大臣 政府といたしましては、附帯決議の御趣旨を尊重して、善処いたしたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/70
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071・岡崎英城
○岡崎委員長 おはかりいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/71
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072・岡崎英城
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/72
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073・岡崎英城
○岡崎委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02119660331/73
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