1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月十四日(木曜日)
午前十一時四十六分開議
出席委員
委員長 岡崎 英城君
理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君
理事 渡海元三郎君 理事 中島 茂喜君
理事 和爾俊二郎君 理事 秋山 徳雄君
理事 華山 親義君 理事 細谷 治嘉君
亀山 孝一君 纐纈 彌三君
島村 一郎君 周東 英雄君
登坂重次郎君 藤田 義光君
村上 勇君 森下 元晴君
山崎 巖君 井手 以誠君
島上善五郎君 門司 亮君
吉田 賢一君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
自 治 大 臣 永山 忠則君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局次長) 鳩山威一郎君
厚生事務官
(大臣官房会計
課長) 戸澤 政方君
自治政務次官 大西 正男君
自治事務官
(大臣官房長) 松島 五郎君
自治事務官
(財政局長) 柴田 護君
自治事務官
(税務局長) 細郷 道一君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計官) 佐藤 吉男君
文 部 技 官
(管理局教育施
設部長) 中尾 龍彦君
専 門 員 越村安太郎君
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四月七日
地方公営企業の確立に関する請願(秋山徳雄君
紹介)(第二五七八号)
同(佐々木更三君紹介)(第二六三九号)
同(阪上安太郎君紹介)(第二六四〇号)
同(野間千代三君紹介)(第二六四一号)
同(泊谷裕夫君紹介)(第二六七八号)
同外二件(井岡大治君紹介)(第二七一一号)
同(井手以誠君紹介)(第二七一二号)
同(栗林三郎君紹介)(第二七二二号)
同(泊谷裕夫君紹介)(第二七一四号)
同(肥田次郎君紹介)(第二七一五号)
同(泊谷裕夫君紹介)(第二七五二号)
同外三件(山口丈太郎君紹介)(第二七五三
号)
白灯油の少量取扱制限緩和に関する請願(小山
省二君紹介)(第二六二〇号)
公立学校共済組合短期掛金引上げ反対に関する
請願(田中武夫君紹介)(第二六四二号)
同月十三日
地方公営企業の確立に関する請願外二件(大出
俊君紹介)(第二八一九号)
同外三件(大出俊君紹介)(第二八五五号)
同外二件(大出俊君紹介)(第二九一四号)
同外二件(大出俊君紹介)(第二九四九号)
は本委員会に付託された。
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四月八日
交通安全に対する民間の災害補償制度確立に関
する陳情書
(第二三九
号)
地方議会議員の公務災害補償に関する陳情書
(第二四〇号)
消防力の強化に関する陳情書
(第二六七号)
地方公共団体の超過負担解消に関する陳情書
(第二六八号)
町村財政の拡充強化等に関する陳情書
(第二六九号)
地方交付税算定における人口減少緩和対策に関
する陳情書外一件
(第二七
〇号)
地方自治の確立に関する陳情書
(第二七一号)
地方公営企業法の一部を改正する法律案の一部
修正に関する陳情書
(第二七二号)
奄美群島第二次振興計画策定に関する陳情書
(第二七三号)
町村財政の強化確立等に関する陳情書
(第三〇
二号)
地方公務員給与改定の実施時期に関する陳情書
(第三〇三号)
地方交付税の減収補てんに関する陳情書
(
第三〇四号)
国、県支出金の早期交付に関する陳情書
(
第三〇五号)
地方公務員共済組合短期給付に対する国庫負担
制度確立に関する陳情書
(第三〇六号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第六九号)
昭和四十一年度における地方財政の特別措置に
関する法律案(内閣提出第七八号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/0
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001・岡崎英城
○岡崎委員長 これより会議を開きます。
地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案の両案を一括議題とし、質議を行ないます。
質議の通告がありますので、順次これを許します。門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/1
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002・門司亮
○門司委員 当初に自治省に聞いておきたいのですが、いろいろ説明は受けておりますが、納得のいかないのは、どうして一体こういう法律が出てきたかということであります。ほんとうに地方財政をお考えになっているなら、こういう特例に関する法律なんというようなものでなくて、やはりたばこ消費税を改正するなら改正する、それから交付税率をふやすならふやすというようなことが明確にさるべきだと考えておる。また、そのことが私は地方の自治体に対しては非常に親切だと思うのだが、その内容のいい悪いは別にして、取り扱いの上でどうしてこういう特例に関する法律というようなものが出てこなければならなかったのか、この点はどうしても納得がいかない。これはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/2
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003・柴田護
○柴田(護)政府委員 私どもといたしましても、恒久的な措置を明確にとることが望ましいと考えまして、そういう方向で努力をいたしたのでございますけれども、何分、国の公債発行というものが将来どうなるかわからない、経済そのものがきわめて流動的であるという現状におきましては、諸般の措置がある程度暫定的なものにならざるを得なかった、こういう事情にあるのでございます。したがって特例的な措置を特別措置法という形でもって法案にまとめざるを得なかったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/3
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004・門司亮
○門司委員 いま、そういう答弁しかできないのじゃないかと思いますけれども、地方財政の見通しは非常に暗いんです。経済の流動性がどうあろうと、何がどうあろうと、地方財政の見通しは非常に暗いことはもうわかっておる。わかっておるのであるから、ことしだけこういう処置をとればあとはまた何とかなるだろうというような期待は地方財政には持てない。来年はもっと悪くなることはわかり切ったことだ。にもかかわらずこういう、平たく言えば何かごまかしの案みたいなもので、一時しのぎである。これでは決して地方の財政がよくなったとも言えなければ、よくなるとも考えられない。この点は大蔵省はどういうお考えですか。たとえば来年から、うわさされておりますように、この中の一部がたばこ消費税に肩がわりするようなことをわれわれ了承したようなしないような気持ちでいるのだが、来年やれるものなら、ことしどうしてやれないか、どうして一体大蔵省がこれに法律の改正を渋っているか、その理由は一体どこにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/4
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005・佐藤吉男
○佐藤説明員 本年度は折衝の過程がいろいろ複雑であったわけでございますが、その最後の段階におきまして、二百四十億円というものをたばこの本数割りで第一種特例交付金として配付する、こういうことになったわけです。これを御指摘のようにたばこ消費税に四十一年度から直ちにかえるということになりますと、予算の総額その他いろいろ影響するところが大きくて、そこまでは本年度は適当でない、こういうふうなことで、四十二年度にはこれは消費税に振りかえる含みで処理しよう、こういうことになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/5
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006・門司亮
○門司委員 私はこれはやれると思う。金をお出しになるのは同じことでしょう。別に大蔵省のお金が色がついているわけでも何でもない。国家予算の総ワクの中で操作されるのですから、これはたばこ消費税であろうとなかろうと私は何も関係はないと思う。どうしてもいまの答弁だけでは私は納得するわけにいかない。たばこの本数によって配付するというのなら、それから来年度これをたばこ消費税に回すのなら、ことし回しておいてもらえば、地方の自治体はそれだけ安心感が強くなるということです。かりに来年度の予算を策定する場合においても、あるいは来年度の財政状態を推測する場合においても、地方の自治体はやりよくなることは事実です。私が大蔵省に考えてもらいたいのは、国の予算と違って、地方の自治体の予算というのは国の出方によって左右されておることは御存じのとおりであります。だからできるだけその作用が及ばないような安心感を与えるということが、私は政府としては親切なやり方だと思う。ことしはこうしてあげたけれども来年はどうなるかわからぬぞというようなやり方は、これは全く地方の行政を考えていない。ただ大蔵省の財政だけ、いわゆる国の財政だけ考えて、そしてその上で地方は御都合主義でどんなにでもやれるのだということでは、ほんとうの地方行政は財政的に確立するわけにいかない。総理大臣自身本会議でも、地方の財政は非常に大事だと言われている。地方財政が大事なら、どうして安心感を与えないかということです。多い少ないは別にして、安心感を与えるということが私は親切なやり方だと思う。地方財政を大蔵省は一体どうお考えになっておりますか。これはあなたに聞いたってむずかしいかもしれない、これは大蔵大臣に聞くことかもしれないが、もう少し私は親切であってしかるべきだと思う。そうしなければ地方は——あなた方のほうでは、国は一つですけれども、地方は、市町村が少なくなったといっても四千近くある、都道府県だけでも四十六ある。これはおのおの性格を異にしておる、財政状態を異にしておる。したがってそこに及ばす影響というものは、心理的にも実際的にも非常に大きなものであります。それぞれの自治体が心配しておる。大蔵省は国のたてまえからだけものを考えて、地方の自治体の実態についてものを考えないいき方だと私は思う。だからこの問題は、いまのような御答弁だけでは私は納得するわけにいかない。これは自治省はどう考えますか。大蔵省のそういう答弁でよろしいのですか。やれるときはやる、やれないときはやらないのだという御都合主義で地方の自治体の財政運営ができる、あるいは見通しが立って健全にやっていける、一体こういう見方で自治省はよいのだというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/6
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007・柴田護
○柴田(護)政府委員 私どもは実はさように考えていないのでございまして、いろいろ御指摘がございましたが、当局といたしましても、地方財政の問題につきましては、最近は特に配慮を深くしておられるようにも思うのでございます。ただ何分にもこういったような本年度予算編成にあたりましての諸事情が御承知のようなことでございますので、結果的にはおしかりを受けるような結果には相なったのでございますけれども、しかし事に当たりましての私どもの気持ちといたしましては、でき得べくんば当然恒久的な措置をはっきりといたしておきたかったのでございますが、その前提となりまする国家財政そのものがきわめて暫定的な色彩を持って予算編成が始まったものでございますから、結果的にはさようなことに相なったのでございます。しかしながら、将来問題といたしましては、御指摘のように地方財政につきましては、経済が下降線をたどっておるということもございますけれども、そのほかに御指摘のような基本問題もあるわけでございます。できるだけすみやかに基本対策をはっきりさせて遺憾なからしめるようにいたしたい、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/7
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008・門司亮
○門司委員 抽象的なそういう答弁で満足するわけにはまいりませんが、さらに次に聞いておきたいと思いますことは、ことしの財政の中で特別措置をどうしてもしなければならないというような、財政が非常に窮屈になっておるということ、これについて、例の起債をかなりふやされておるようでありますが、これはどういうことですか。千二百億余りの起債を特別にふやせばそれでよろしいというお考えですか。国と地方との財政の関係からいえば、まだ地方は非常に窮屈だ。千二百億もらってみたところでどうにもならない。去年度、四十年度の国の財政の予算と地方の財政計画との開きは、もっと詰まっておったはずである。ことしはそれがやや開いて、一千億余り開いておる。ところが逆に、ことしは早く地方に仕事のできるように何か財政支出を早くするということになってくると、地方自治体はそれに見合うだけの財政というか財源がなければならない。国のほうは七千三百億の借金をして積極的に仕事をしようという、いわゆる景気の回復策をはかられるような行き方をしておる。その反面、地方財政計画のほうでは一千億余りも去年と開きを持っておるということは、どう考えても納得がいかないのです。これは自治省、どうしてつじつまを合わせるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/8
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009・柴田護
○柴田(護)政府委員 お話しのように本年度の財政計画の伸び率、その結果の財政規模が国と地方と開いておることは御指摘のとおりでございます。しかしこれは中身を洗ってまいりますると、社会保障関係の経費でございますとかあるいは災害復旧関係の経費でございますとか、あるいは国の公債費の著増、あるいはその他の国にしかない経費の増加が相当あるわけでございまして、さようなものを除いてまいりますと、この差は非常に接近してまいります。しかし、だからといって地方財政がこれでいいと決して申し上げておるわけではございませんので、地方財政はきわめて苦しいとは思います。思いますけれども、しかし、国も減税をし、しかも国債を発行して景気を浮揚していくために努力しようというときでございます。地方団体といたしましてもそれに即応した態勢をある程度とっていかなければなりません。その結果、起債市場等の状況をいろいろ考えてまいりますと、一般会計の地方債の額といたしましてはこの程度でやっていくよりほかにしようがないのじゃないか、あまりこれがふえてまいりますと、かえってふえるのは政府資金でござませんで公募債がふえてまいる、公募債がふえてまいるということは、昨年度と違いまして起債市場の状況が変わってまいっておりますので、そこに消化の問題がさらに大きく出てくる、こういうようなことを彼此勘案いたしますと、このような本年度組みましたような地方財政計画で必要な事業をやっていくという態勢をとっていかざるを得ない、かようなことを特に考えておるわけでございます。私どもといたしましては、地方債をそうべったんこんとふやすことは考えておりません。地方財政の問題もございますし、地方債の適用ということを考えますと、いろいろ議論もございますけれども、なるべくは従来からとっておりました一般財源の地方債というものは、どちらかと言えば抑制的にものを考えていくという考え方は今日でも捨ててまいっておりません。したがって、本年度わざわざ特別事業債という名前をつけましたのは、それがやはり特別のものだということを明確にしたいがためでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/9
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010・門司亮
○門司委員 このいまの問題ですけれども、国と地方との財源、これは国と地方との間の財源配分ではありませんで、国の予算の中の財源措置と地方の財政計画の中の財政構成の問題を見てまいりますと、これは非常に大きな開きがあるのであります。この開きをどこで少なくしていくかということが一つの大きな課題だと私は思うのです。それに対して今度の特別措置で、どれだけ一体この法律で穴埋めができるかということになると、私はほとんどこの穴埋めに使えるようなものはないのじゃないかというようなことが考えられる。しかもそれはことし限りである。来年度からはどうなるかわからぬ。中の一部分がたばこ消費税に切りかえられるかもしれないというような状態、これで一体よろしいかどうかということです。そういうことを言いますのは、御承知のように、何度も申し上げておりますように、国の財政というのはほとんど税財源で大体まかなわれておる。ことしもやはり八〇%、厳密には七八%ぐらいあるだろう。それを地方では非常に少ない、せいぜい三八%内外ぐらいしか持っておらない。あとは起債でやっていこうというのです。
それからもう一つ。大蔵大臣が見えたから、大蔵大臣にも聞いておいていただきたいのだけれども、国が借金をした、借金をしたとおっしゃるけれども、国の借金高というのはことしの七千三百億が大きいのであって、いままでの累積された借金というのはそうない。したがって、ことしの国の借金に対する支払いの総額は四百八十八億ですよ。地方は少なくとも一千四百億をこえているのです。約一千億近くこの借金に対する元利払いの差額を持っておる。そういうことで、国が借金をしているからといって、何かこれは大蔵大臣もそれこそ盛んにやかましいことを言って、財政が苦しいのだということをおっしゃるけれども、地方のほうがよほど苦しい。地方の借金の累積されたものは、大体一兆二、三千億あるいは一兆五千億になるかもしれない。こういうばかばかしい数字のときに、私はいまのような答弁で満足するわけにはまいりません。
それから次に聞きたいのは、ことしの地方財政計画の中で、政府当局で最も自慢をされておりまする、いわゆるこの超過負担を減らしたということが盛んに言われておりますので、一体ほんとうにどれだけ減っているか、その辺を少し一つ一つについて聞いてみたいと思いますが、いま大蔵大臣が見えましたので、ひとつ大蔵大臣に対する御質問を先にやっていただいて、あとで私の質問をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/10
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011・岡崎英城
○岡崎委員長 この際、大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/11
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012・福田赳夫
○福田(赳)国務大臣 さきに本院におきまして議決された地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議にあります「本法案の修正によって生ずる減収額については、政府の責任において完全に補てんすること。」という事情は、私もよく承知しておるところであります。
すでに私は、この問題について誠意を持って処置すると所信を申し述べておるところでありますが、ここに重ねて、財源につきましては実質的に地方財政の負担とならない方法で処理する所存であることを申し述べます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/12
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013・岡崎英城
○岡崎委員長 細谷君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/13
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014・細谷治嘉
○細谷委員 大蔵大臣に御質問いたしたいのでありますが、ただいまの大蔵大臣の発言中、実質的に地方財政の負担とならない方法とは何か。全額国庫の負担により補てんすべきで、この場合の補てんの方法は一般財源の補てんによるものと思うが、どうか。
第二は、補てん額は初年度五十二億円、平年度五十七億円であって、昭和四十一年度ばかりでなく、昭和四十二年度以降においても考慮すべきものであると思うが、どうか。
三、補てん額の配分にあたっては、交付団体、不交付団体の区別はすべきでないと思うが、どうか。
四、補てんの時期はいつか。
以上について大蔵大臣の明快な御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/14
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015・福田赳夫
○福田(赳)国務大臣 補てんを一般財源でするかどうかという問題につきましては、一般財源で処理する、こういう考えであります。
それから第二に、金額はというのですが、ただいまお話しのような数字というふうに私も了承をいたしておるわけであります。
それから第三の補てん額の配分につきましては、交付団体、不交付団体の区別はいたさない、かように考えております。
第四の補てんの時期につきましては、これは法律あるいは予算を要するというようなことでありますれば、そういう方法と相なるという場合におきましては、次期の国会において処理する、こういう考えであります。
なお最後に、昭和四十二年度以降につきましては、修正の趣旨にのっとりまして、自主財源の増強によって処理するように努力をいたす考えであります。
以上、お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/15
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016・細谷治嘉
○細谷委員 ただいまの大蔵大臣の答弁については、私どもは今国会でぜひという主張でありますけれども、大蔵大臣の誠意の点はわかりましたので、了承いたしたいと思います。
次に、もう一点御質問したいのでありますが、今度の場合には特別事業債に振りかえられた公共事業費等の地方負担分にかかわる元利償還金については、国の責任において処置する必要があると考えまして、当委員会においてもその趣旨の附帯決議を行なうよう申し合わせができておるのであります。この点につきまして大蔵大臣の所見を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/16
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017・福田赳夫
○福田(赳)国務大臣 ただいまの点につきましては、御意見のとおり処置する考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/17
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018・細谷治嘉
○細谷委員 次に、自治大臣に御質問したいのでありますが、地方団体においては、企業誘致条例を制定いたして、誘致企業に対して地方税法第六条の規定による固定資産税等の減免や税額に見合う奨励金の交付で、実質的減免を行なっている事例が数多く見受けられるのでありますが、今日の地方財政窮乏のおりから、誘致企業に対する税の減免措置等について、法律で規定されたもの以外は禁止すべきだと思うのでありますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/18
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019・永山忠則
○永山国務大臣 地方税法第六条の規定に基づく地方税の課税免除または不均一課税は、それが広く住民一般の利益を増進するものである場合に限って、当該地方団体の財政上支障のない範囲内においてなさるべきものであると考えます。したがいまして、工場等を誘致する場合におきましては、地方税法第六条にいう公益上の事由があると認められる場合においても、地方税の軽減措置によらないで、これに相当する財源をもって道路その他の施設の便宜供与を行なう等の方法により、歳出予算の審議を通じて公明かつ有効に論議されることが適当と考えられますので、従来からそのような方針で指導いたしてきたところでございます。しかしながら、個別の地方団体において、地域開発の促進の趣旨から企業誘致に急なるあまり、その運用が乱に流れ、行き過ぎの事態も生じている向きもあるので、税の減免または奨励金の交付の措置については、今後さらにその指導に遺憾ないよう積極的につとめてまいりたい所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/19
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020・岡崎英城
○岡崎委員長 門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/20
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021・門司亮
○門司委員 先ほどお聞きをしておったのでございますが、大蔵省と文部省のほうにお聞きしておきたいと思います。ここに、私のところに実は全国町村会から参っておりますいろいろな調査報告書がございます。この調査報告書を見てみますと、こういうことになっておるようであります。結論的に申し上げてまいりますと、たとえば小学校の建築その他についてどういう負担割合になっているかというと、校舎の場合に大体補助率が、普通統合校舎の場合は二分の一である、あるいは危険校舎の場合については二分の一であるというような形が出ております。ところが実際を見てみますと、三分の一であるべきものが案外そうでない。報告書そのまま読んでみますと、実際の負担というものは、法令に基づく負担として町村負担が五〇%、国庫補助が五〇%、こう書いてありますが、実際の負担としてというところをみてみますと、起債が二九・二%、その他の一般財源が三五・八%、国庫補助は三五%、こうなっている。そうすると、羊頭狗肉ということばもございますが、実際はこの補助額が、その補助額の基礎をなしております算定の基礎に誤りがあるのじゃないかということが考えられる。実際と沿わないものがあるのじゃないか。したがって、本年度の学校建築に対します坪当たり単価は幾らですか。四万八千三百円ぐらいに書いてあったと思うのだが、それでほんとうに学校ができるのだという積算された基礎がもしありますならば、この際示してもらいたい。要するに超過負担を少なくするということ、超過負担をことしは二百五十億減らしたというお話でありますが、これは、小学校の建築に対して一六%なら一六%去年より単価増になっているという積算されたものが二百五十億と私は考えておる。それはそれでよろしいと思う。ここで明らかにしておきたいと思いますことは、いま申し上げましたように、文部省は小学校の建築が一坪五万円でできるのだという具体的の基礎数字をお示し願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/21
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022・中尾龍彦
○中尾説明員 ただいま御質問がございました学校建築の単価が実情を下回っておりますために地方の超過負担を招いておるということでございますが、確かに過去におきましてそういう事例はございました。この点は私ども逐年これを改善すべく努力してまいりまして、四十一年度につきましては、数字をもって申し上げますと、鉄筋は八万二千百円という補助単価になっております。このことは、四十年度の鉄筋の単価平均八万二千十円という実績を若干上回った数字でございまして、四十一年度からは単価の点につきましては御懸念のような負担は発生しないものと私どもは考えております。
ただ、木造の場合につきまして、御指摘のように四十年度実績を調べますと、五万一千円程度になっております。これが予算面では四万七千円ということになっておりまして、木造については若干そういう難点が残っておるという点がございます。この点につきましてはケース・バイ・ケースに何とか負担が軽減されるように予算の範囲内で措置を講じていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/22
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023・門司亮
○門司委員 いまのお話ですが、私の要求しておりますのは積算の基礎、それをひとつ示してもらいたいと思うのです。そうしませんと、いまのような御答弁だけで、鉄筋は上回っているのだとおっしゃるが、それが一体できるかどうかということです。
それからもう一つは、木造について足らないのだけれども、ケース・バイ・ケースだということになりますと、これは法律のたてまえからいってもおかしいですね。法律のたてまえからいくのなら、もしそういう御答弁が願えるのなら、実支出額の二分の一なら二分の一と書いてもらえばケース・バイ・ケースで話がつけられると思う。しかし法律が、単にあなたのほうできめた単価の二分の一あるいは三分の一と書いてあって、そうしてケース・バイ・ケースでいこうということは、実際問題として無理じゃないですか。私はこれはそう簡単にいかぬと思う。もしそういう意見なら、あそこをひとつ書きかえてもらって、実支出額の二分の一なら二分の一、ちょうど学校の先生の給与のようなことにしていただければ私はやれるのではないかと思う。したがって、文部省としてはほんとうにどのくらいの材料を使って、どのくらいの手間賃を払って、どのくらい設計に費用をかけてやればどういう学校ができるのだという明細な資料をこの際出してもらいたいと思う。そうしませんと、百年一日のように毎年毎年こういう議論をしても、一向にけじめがつかないのです。あなたのほうの御都合で単価がきめられて、自治省のほうもどうもそのままこれを財政計画の上へ載せてくるというようなこと、そうして地方では超過負担があって困るということがしばしば言われておる。きょうはもう時間もあまりございませんので、私はこれ以上の答弁は求めませんが、ひとつできるだけこまかい、あなた方がもし学校を建てられるとすれば四万八千円でできるのだ、材木の値段はこれだけだ、屋根がわらの値段はこれだけだ、手間はこれだけだ、設計はこれだけだという基準を示してもらいたい。それによって議論をしませんと、いつまでしたってこの議論は尽きないです。あなたのほうにはなにがあるでしょうから、ぜひそれを出してもらいたい。
もう一つ聞いておきたいと思いますことは、あなたのほうで補助される面はどの辺までかということです。どういう学校かあなた方のお考えになっている学校としてのものかということです。この点もあわせて出しておいていただきたい。なせそんなことを言うかといいますと、たとえば学校教育に必要な特別教室がどのくらいなければならないとか、あるいは職員室がどうでなければならないとか、学校教育に必要な数字はあると私は思うのです。それと両方見合って出してもらいませんと、地方で学校を建てます場合に、実際は、学校自体を見てみますと、必ずしも文部省の言っているような学校はできない。できないということは、結局予算の関係で詰められるところは詰めてしまうというような形になってきます。特別教室が三つなら三つ、四つなら四つ要るはずだと考えられておっても、それを一つ減らすというようなことが財政の関係上どうしても出てくるということです。こういうことでは教育の普遍性というものがなくなってまいります。そういう点もひとつ基準を明らかに示していただいて、そうして算定の基礎を明確にしていただいておきませんと、私はこの問題を片づけるわけにはいかないと思いますので、それをひとつ出してもらいたい。
それから、厚生省会計課長が見えているようですから、聞いておきたいと思います。端的に聞きますが、厚生省の国民健康保険の事務費がことしは幾らかふやされたようですか、ここにも町村会であがってきた資料があります。これは町村会で地方制度調査会に出してきた資料でありますから、私は間違いないと思う。これを見てみますと、その事務費というのが、大体の見当で四百円から五百円くらいかかっていると考えられる。ところが、ことし少しふやされたとはいっても、まだこれにはほど遠い二百五十円である。こういうことになっている。私はこれは必ずしも半分とは言わない。大体四〇%くらい足りないのじゃないかと考える。どういう見積もりでこういう数字が出るのか、その算定の基礎をはっきりしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/23
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024・戸澤政方
○戸澤政府委員 国保の事務費につきましては、市町村のほうから非常に実態にそぐわないということで要望が強いわけでございますが、これは各市町村の事務機構とかやり方、また担当職員の年齢構成等もまちまちでありますので、一がいには標準的な単価というものが出しにくいと思いますが、厚生省で三十八年度に全国的な実態調査を行ないまして、標準的な市町村を相当数とりまして、標準的な事務機構、事務のやり方に対する事務費の単価というものを一応算出いたしたのでございます。それが大体、被保険者一人当たり二百八十八円というような数字が出ております。それをもとにいたしまして予算折衝いたしました結果、新年度は二百五十円ということになりまして、前年度当初の二百円に比べますと二割五分の増額になったわけでございます。二百五十円の事務費で完全にまかなえるとは思いませんけれども、しかし従来の単価に比べますとかなりの増額を見たわけでございまして、市町村によりましてまかなえるところ、まかなえないところ、いろいろあると思いますけれども、標準的な市町村をとってみますれば、十分ではないけれども、まあ何とかまかなえる程度にはなったのではないかというふうに考えておる次第でございますが、もちろんこれは十分ではないということは承知しておりますので、これからもなお一そう努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/24
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025・門司亮
○門司委員 もう一つ厚生省に聞いておきたいのだが、ここにあります資料では約五百円近くかかっているし、また巷そう伝えられております。そしてあなたのほうで調査されたのが二百八十八円だ、ことしの予算が二百五十円だ、こういうことであります。これは国の法令に基づく仕事ですね。地方の自治体がかってに自治体の条例でやっているわけじゃない。法律に基づいてやっている。そうすると、この問題の処置あるいはこの問題の成果いかんということは、国の仕事であるということに間違いはないのだから、したがって厚生省は、これについてはある程度の監督をされておると思います。一体、経費は向こうで負担させて監督だけは自分でするということは、あなた方役人として良心的に許されますか。あてがうものをあてがわないでおいて、監督だけはする、自分の権限だけは主張するという考え方が、私は今日の日本の地方財政を非常に窮屈にしている一つの大きな原因だと思う。あなた方を責めるわけではない。文部省もそうです。どこでもそうです。財政を十分あてがっておいて、そしてなおかつうまくいかないところを監督する、あるいはああやれこうやれと指図をすることはある程度許されるかもしれない。しかし十分に活動できないような財政状態に置いておいて、自分たちの権限だけは一〇〇%にこれを使っていこうというようなものの考え方は、私は誤りだと思うのだが、この点はどうお考えになりますか。これで良心的によろしいというお考えですか。これは人の生命に関する問題です。したがって地方の自治体はこれをおろそかにするわけにはいかないのですよ。この問題は、どんなに財政的に窮屈であっても、お金がなくても、いま目の前でこれをどうするかという問題が起こったをときに、これを処置しないわけにはいかない。そういう問題は、この国民健康保険だけじゃない。厚生省関係のいろいろな救済関係は、ほとんど全部といっていいほどこういう性格を持っている。その場合に、地方の自治体が、自分のほうはこれだけしか補助金をもらっていないからこれだけしかやりませんということはできないのです。そのことを一体厚生省はどうお考えになりますか。私はいま国民健康保険の問題だけを出しましたけれども、これだけではない。あなたのほうで要求があれば、私のほうから実際に調査したものを差し上げてもよろしい。たとえば生活保護、その他の問題の処置に対するお金にしましても十分なものでないことは、あなた方のほうが御存じだと思う。厚生省としてはこれでよろしいとお考えですか。あとで大蔵省のほうにも聞きますが、大蔵省もそれでよろしいということになっているのか、その点をひとつはっきりしておいてもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/25
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026・戸澤政方
○戸澤政府委員 決してこれで十分であるとかいう考えは持っておらないのでございまして、厚生省は非常に補助金行政が多いために、地方公共団体に金をかけている仕事が多いわけでございます。ただいまの国保の事務費等につきましても、かなり改善を見たとは申すものの、まだ実態にそぐわない。超過負担を地方にかけていることはよく認識しておりますので、今後もできるだけ実態に即するように努力いたしたいと思います。国保をあげてみますと、国保全体につきましては、療養費等について一千億以上の国庫支出等をいたしておるわけでございますので、事務費についても、まだ国の負担でもってまかなうというところまではいっていないわけでございます。国保以外のもの、たとえば、保健所の人件費あるいは保育所の措置その他等につきましても、まだ地方に超過負担をおかけしているものがあるわけでございます。そういうものにつきまして毎年改善の努力はいたしておるわけでございまして、実は保健所の医師等の給与につきましては新年度は前年度よりも七五%の増額を見ておりまして、これは知事会等における要望にほぼ沿った線が出ております。それ以外のものにつきましても、まだ実支出に比べて六〇%、七〇%程度のものというものもございますので、随時努力をいたしまして、地方に御迷惑をかけないように進めてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/26
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027・門司亮
○門司委員 答弁としては、この場合はそれ以上できないかもしれないと私は思いますが、一体いつごろこういう問題の解消をはかられるのですか、めどはありますか。ことしは、かりにあなたのほうのやつをそのままいれてみても一人当りについて三十三円だけ足りない、こういう計算になる。せめてここだけでも埋められなかったのですか。私は、国が地方に仕事をさせるには、やはり十分な財政措置をしてやるということは当然だと思います。さっき申し上げましたように、地方自治体の財政のいかんにかかわらず、どんなに財政が貧弱なところでも、今日の厚生省の関係のいろいろな仕事というものは地方の自治体はやらぬわけにはいかぬ。これを延ばしておくというわけにいかぬのですよ。それじゃその負担をだれがするかということになると、やはりこれは地方の住民の負担になってくる。したがって超過負担というのは、単に超過負担といっておりますけれども、これは決して国と地方との関係だけではございません。このしっぽはどこに出てくるかと言えば、自治大臣もよく聞いておいてもらいたいと思いますけれども、直ちに住民の税外負担となってあらわれてまいります。寄付金その他でどうしてもまかなわなければならない。この費用をまかなうことができないならば、寄付金その他でまかなってこれの穴埋めをしていかなければならぬ。学校などは特にそうです。学校を建てれば、その村には必ず寄付が仰せつけられることはわかり切ったことである。国対地方の超過負担ということで済まされる問題ではございません。その次に出るのは、結局地方の自治体のいわゆる税外負担となって、寄付行為となってあらわれてくる。そうでなければ地方の自治体の法定外の普通税という形でやはり住民の負担になってくるわけです。ここで議論しているのは国と地方との議論だというふうにとられては非常に迷惑だ。対住民の問題でありまして、したがって大蔵省に聞いておきたいのだが、いまのような御答弁で一体大蔵省はどうお考えなのですか。これはほんとうに要る費用ですよ。国の専務を遂行するのにほんとうに要る費用です。教育にいたしましてもあるいは厚生省関係の仕事にいたしましても、国の事務を遂行していくものです。国の一つの仕事を遂行していくに必要な財源を大蔵省が認めないというのは一体どこに理由があるのですか。国家財政だけが何とかつじつまが合えばそれでよろしいのか、地方財政の赤字は国の赤字とあなた方はお考えにならないのですか。これは国民の赤字ですよ。国民の負担ですよ。大蔵省自身は、税金をとっているとお考えになっているかもしれない。しかし、いま申し上げましたように、超過負担は必ず税外負担としてあらわれてこなければ、地方の自治体の行政の運営はできないのである。これは大蔵省はどうお考えですか。こういう費用はこういう安い単価で見積もってもよろしい、地方自治体に負担をかけてもよろしいのだというお考えですか。地方行政は国の仕事と別だというお考えですか。事務官では御答弁ができるかどうかわかりませんが、それもひとつはっきり聞かしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/27
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028・佐藤吉男
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
私どもは、大蔵大臣が申しておりますように、国家財政というものと地方財政は車の両輪である、こういう大臣のお考えを体しまして予算編成に当たっておるわけでございます。したがいまして国の負担だけを安くあげて地方にしわ寄せをする、こういう気持ちは持っておりません。現状につきまして、ただいま文部関係なり厚生関係の補助金についていろいろ御指摘があったわけでございますが、私どもとしましては逐次、これを一面において合理化しながら、他面において必要なものは見ていく、こういう基本線に立って考えておるわけでございます。国民健康保険につきましても、本年度は、先ほど厚生省から御答弁がありましたように、二百円を二百五十円にという改定を加えたわけでございます。各地方公共団体におきましては、その所要する経費が千差万別でございまして、その中でどういうふうにやったら一番合理的であるか、こういう問題、それから一体どういうふうに事務を処理すべきであるか、こういう面等についても、それぞれ所管の省とよく相談をいたしまして研究を加えて内容を改善してまいりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/28
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029・門司亮
○門司委員 いま御答弁がございましたが、私、いまここに正確な資料を持ち合わせておりませんが、私の記憶によりますと、四十年度に大体超過負担になるであろうと考えられる千二百億あまりのものの中で、約七〇%くらいのものは基礎的な単価の相違からくるものだと私は記憶いたしております。それが八百八十億くらいあるはずでございます。その他のものについては、たとえば対象のものが違う、あるいは学校なら杉の木でよろしいのにヒノキを使ったとか、あるいは屋根がわらを少しやったというようなもの、それから規模が多少違ってきたというようなことはあろうと思います。そういうものはないとは私は言いません。しかし大体千二百三十何億かの見通しのつく超過負担の中で、七〇何%、約八〇%というものは国の単価の見積もりが安いということが原因だということは大体はっきりしている。これはわかり切ったことである。いまのような合理化とか千差万別であるとかいうようなことは、だれだってわかっている。わかっているけれども、実際に平均してみると、いま厚生省がお話しになりましたように二百八十八円かかっておる。知事会あるいは市町村その他から出てきておるところのデータから見ると五百円近くかかっておる。かりに百歩譲って厚生省の平均単価で正しいのだと考えてみても、まだ足りない。私は、せめて国が平均単価だけのものを出しておって、なお足りない分があって困るという非難については、いまのような答弁でも全然あてはまらぬということはないと思う。しかし、平均単価を下回っていることを承知しながらやっているということは一体どういうわけですか。一体これが許されますか。地方の住民は物価高で非常に困っておる。そういうときに、国はことしは積極的にいろいろな仕事をしようとしておる。そうなってくると、足らずまえは住民の負担というか、寄付行為で補わなければならないことはわかり切っていることだ。どうもいままでの大蔵省の答弁では私は満足するわけにいきません。時間もございませんし、わかり切ったことをいつまでも聞いていることもないかと思いますが、それなら大蔵省あるいは文部省、あるいはここにおいでになっている厚生省も、この超過負担のさっき申し上げましたような二つのもの、いわゆる対象の違いがあるとかあるいは次元が違っておったというようなものを差し引いて、明らかに単価の違いからくる超過負担というものは一体いつごろ解消されるつもりですか。その時期をあらかじめこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/29
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030・戸澤政方
○戸澤政府委員 厚生省関係で申し上げますと、いつまでという時期を申し上げるまでもなく、一年でも早く解決いたしたいわけでございまして、たとえばただいまの国庫の事務費について申し上げますれば、お話のとおり私どもの実調の結果による平均的な単価まで満たないので、せめてこの程度は次年度には必ず実現いたしたいというつもりで努力をいたしたいと思いますし、それ以外のものにつきましても、一年でも早く実態に即するように努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/30
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031・中尾龍彦
○中尾説明員 先ほどもお話し申し上げたとおり、四十一年度におきまして、鉄筋コンクリートにおきましては実情に即することができると思いますが、木造についてはなお若干遺憾の点がございます。この点につきましては、少なくとも四十二年度あたりから十分な措置を講じたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/31
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032・門司亮
○門司委員 大蔵省はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/32
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033・佐藤吉男
○佐藤説明員 超過負担の解消につきましては、従来も逐次努力をしてきたわけでございますが、特に昭和四十一年度につきましては、上司の御理解がありまして、非常に改善を見たと思っておるわけでございます。しかし、これで足りないことは御指摘のとおりでございまして、来年度以降も引き続いて特段の努力をしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/33
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034・門司亮
○門司委員 どうも大蔵省がそういう答弁ですとやっかいだな。ほんとうにさっきも言っておりますように、地方の自治体のものはひとつ直してもらいたいのです。これは農林省の統計ですが、これを見てまいりましても、「農家の租税公課諸負担統計」という報告書の中に、全国平均を見てまいりましても、農村の学校寄付に使っている金が大体一戸平均千十三円と書いてある。これを税金に引き直すと、かなり大きな数字になってくるわけであります。この数字は全体の平均数字でありまするから、低所得者についてはかなり大きいものになろうと私は思う。その他の寄付、国民健康保険、社会保険というようなものも数字がずっと出ておりますから、この数字を読み上げてもよろしゅうございますが、皆さんのお考えになっているような実態ではないということです。今日地方財政が非常に苦しんでおりまする原因はやはりここにあるのであって、国から回ってきた仕事を十分に果たすことができない。ことばをかえて言うならば、義務的経費についての支出が非常に多くて、したがって、それだけ単独事業が減ってくる。単独事業が減ってくるということは、地方住民の意思がそれだけ縮小されてくるということです。もし総理や大蔵大臣がほんとうに国の行政と地方の行政とが単の両輪だとお考えになっているなら、この点はぜひひとつ改めてもらいたい。このことは大蔵省に再度私は答弁を要求いたしますが、いま厚生省や文部省の諸君が言われたような形で、一体いつごろまでにこれをなくするというかっこうですか。来年度は必ずなくするのか、あるいは再来年度は必ずなくするのか、私はさっきから何度も申し上げておりますように、千二百幾らというのを全部だとは私は申し上げません。せめて国が言いわけのたつだけの単価の線だけくらいはぜひひとつ直してもらいたい。これを直すということが言えませんか。逐次これを改善していくとか減らしていくとかいう抽象的なことで、いままでのように大蔵省は見ておるわけにはいかない。ことにいま提案されておりまするような臨時に地方の自治体にこういうものをあげるんだというような、何か恩恵的の、あるいは恩恵がましいようなことで地方財政をまかなっていこうとするような行き方については、私どもは賛成するわけにはまいりません。非常に不満を持っておる。したがって、この際もう一度御答弁を願いたいのは、一体いつごろになればこれをなくするという方針なのか、その点だけはひとつこの機会に明確にしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/34
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035・佐藤吉男
○佐藤説明員 超過負担の解消につきましてその時期を明確にしろ、こういう御質問でございますが、時期についていつまでということを申し上げることははなはだ困難であるわけでございます。ただ本年度は三百三十億の超過負担の解消を実現したわけでございます。来年度も引き続きましてその方向で努力していく、こういうことは非常にかたく考えておるわけでございます。四十一年度は知事会の御要望のありました八つの特定の補助金を中心にやっていったわけでございますが、四十二年度はまた新たな角度から検討してまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/35
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036・門司亮
○門司委員 これ以上私は押し問答してもどうかと思います。もう少しこまかい点についてお伺いをすることもいいかと思いますけれども、もう一時になりますので、この辺で大体質問を終わりたいと思います。
ただ最後に一つ、自治大臣から、いまの各省の御答弁に対して自治省はどういうお考えでどういう形にやられるかということ、それからもう一つ念のために聞いておきますが、池田内閣のときに補助金等の問題についての諮問があって、それの答申が出ております。その答申に対する答弁は、その当時のことは会議録にあると思いますが、自治大臣としてはどういうお考えであるのか、この際それもあわせてひとつ意思表示をしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/36
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037・永山忠則
○永山国務大臣 ただいまお尋ねの点につきましては、補助金の合理化とともに、超過負担並びに税外負担の解消に向かいまして、四十二年度は最善の努力をいたして、地方財政の確立、自治の本質の体制の整備に努力いたしたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/37
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038・門司亮
○門司委員 いま補助金その他の話が出ましたが、非常に抽象的でした。
ここでもう一つ聞いておきたいと思いますことは、補助金の性格について大臣どうお考えになるかということであります。一つは、国のいろいろな仕事を遂行することのためにやらなければならない仕事、それは自主的にそれを行なっていかなければならない仕事で、私どもから言わせれば、さっき申しましたように単価がどうのこうのと言わないで、実支出額に対してどうだという、もちろん基本のものは設けなければならないが、その考え方。もう一つの補助金の性格としては、国の奨励的意味の補助金がある。実際はこういう仕事をやってもらいたい、これをやってくれればこれだけ補助金を出してもよろしいというような、国の奨励的の意味を持った補助金があるわけであります。補助金の中にはそういう二つの性格がある。いま整理されようとするのは、一体どっちをどういう形で整理されるのか。それはおそらくその二番目のほうであって、国が何か奨励的の目的で補助金を出しておるものを削っていくということは、これはある意味においては容易にやり得ることであります。しかし国が一応の方針を立てて、それを地方に浸透させていこうとするには、ある程度の補助金でもつけなければ、地方がなかなかこたえてくれないだろうというような心配が出てきておるものもあろうかと思います。こういうものが結局少額の補助金になってあらわれてきておって、補助金なんというものは実際は、悪口を言えば、当該役人とそれを施行する団体との一回の宴会費とか話し合いの費用に終わってしまうくらいのものがたくさんある。こういうものを整理していこう、こういうことに私はなろうかと思う。したがって聞いておきたいと思いますことは、実際の補助を必要とする公の立場に立った、ここのこういう仕事をやってもらいたい、もしこういうことを地方が選択をしてやるなら、これだけの補助金を出したいという、農林省の関係の補助金というふうなものがございます。と同時にもう一つは、さっきのような国の大きな一つの柱としての教育の問題があり、厚生行政の問題がある。あるいはややそれに近い土木建築関係の問題等がございます。したがって、国は、いま補助金等の整理というようなお話もございましたが、その二つの性格のある問題をどういうふうに処置していこうとされるのか。私どもの意見から率直に申し上げてまいりますと、国が奨励的にただおやりになっているような補助金はできるだけ少なくするほうがよろしいと思う。あるいはなくてもよろしいかもしれない。むしろその分を、少なくとも国がどうしてもやらなければならない、また地方自治体がいやがおうでもやらなければならないこと、これを充実さしていくというような方針がとらるべきだ、こう私は考えているのだが、その点についての大臣のお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/38
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039・永山忠則
○永山国務大臣 負担金的なものに対しましては概して超過負担にならないようにやるべきであると考えておるのでございます。奨励的なものに対しましてはこれが合理化をはかる方向で進んでいかねばならぬと考えておる次第でございますが、概して補助金はできる限り合理化いたしまして、財源を地方に移譲する、そうして地方の自主的な体制において自治体の財政その他自治行政の確立をはかるという方向へ進んでいきたいと考えておる次第でございます。それがためには、場合によれば交付税の大幅な移譲あるいは消費税等の関係の移譲も強く要望をいたしまして、自主性を持つ地方自治体に切りかえるような努力をいたすべきであると考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/39
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040・門司亮
○門司委員 これ一つだけでやめます。これは念のために聞いておきますが、補助金等の適性化に関する法律というやっかいな法律が一つあるわけですが、これを適用した事実がございますか、件数があるなら、その件数をひとつこの機会に明らかにしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/40
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041・佐藤吉男
○佐藤説明員 補助金適性化法の施行状況の資料をちょっといま持っておりませんので、いまここで数字を申し上げることはできないのでございますが、それは後ほどお知らせしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/41
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042・門司亮
○門司委員 それでは具体的に聞きたいと思うか、あの法律は非常にやっかいな法律で、地方の自治体を非常に侮辱した法律なんだ。これは地方の市町村長を信用しないという法律だ。おまえたちは必ずうそを言うだろう、そうしてごまかして補助金を持っていってこれを使うだろうという、地方の自治体に対して非常に侮辱的な法律なんですよ。だからああいう法律は早くなくしてもらいたい。だからこれまで適用した例というのが、どのぐらいあったかないか、そのごまかしたというのがどのぐらいあったかないかということを聞いているのです。あったような気がしますか、それともないですか、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/42
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043・佐藤吉男
○佐藤説明員 補助金の適正化法の施行につきましては、毎年一回大蔵省主計局が幹事になりまして、各省お集まり願いまして、補助金適正化中央連絡会議というものをやっております。本年も三月にやったわけであります。その中の件数を見ますと、罰則の適用ということでははっきりした記憶はありません。ただ不当であるとかいうようなケースにつきましては、その会議の席上に会計検査院それから法務省の刑事局の人に来てもらいまして、補助金関係の説明を毎年聞くという例になっております。不当事項につきましてはいろいろ御指摘があったように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/43
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044・門司亮
○門司委員 私はいまのような御報告だと思います。
もう一つは、あの法律をこしらえるときから問題でありましたけれども、実は会計検査院が検査をいたしておりますので、ああいう法律は必要ないんじゃないかというふうに考えたのだが、あまりにもいろいろな点で補助金のむだづかいがあったり、あるいはその補助金を請求して、それと支出が違っておったというような不祥事があの当時多少あったものですからあの法律は私はできたと思うのですが、ああいう法律というのはもうなくしたほうがいいと思うのです。実際市町村長を信頼するならば、市町村長が何か詐欺的行為で国からお金を取って仕事をするというようなことになると、法律で認めておるといういき方は私はどうかと思うのですが、これに対する大臣のお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/44
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045・永山忠則
○永山国務大臣 地方自治体の行政を信頼をいたしまして、補助金適正化法等の関係はないことが好ましいのでございますけれども、なお現段階におきましては、この法律が存在をいたすことによりまして一そう自粛をいたして進んでおる状況であると考えますが、将来においてはそういうようなものがないような状態に地方自治体のあり方について十分指導していきたいと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/45
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046・門司亮
○門司委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/46
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047・岡崎英城
○岡崎委員長 華山親義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/47
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048・華山親義
○華山委員 ちょっと資料をお願いいたします。昨年もお願いしたのでございますけれども、ついに出ませんでしたので、重ねてお願いいたしたいと思います。
今後、住宅という点につきまして政府も重大な施策をしていく必要があると思うのでございますが、これについての超過負担の問題が起こらないかということを私は心配しております。それで、そのことについて資料をお願いいたしたいのでございます。予算では、調べてみましたけれども、なかなか一定地域についてどうこうということはわかりません。しかし予算を編成される際には、そういう地域ごとの様子を積み立ててやられたものと思いますので、東京都のことにつきまして次のような資料をいただきたい。
公務員アパートの単価は幾らであるか。住宅金融公庫の全部コンクリートの単価は幾らであるか。住宅金融公庫で貸し付ける基準としての単価は幾らであるか。政府補助事業の鉄筋コンクリートの住宅、アパート、こういうものについての単価は幾らであるか。東京都の単独であるものにつきましては私が調べます。
ひとつこの点につきまして資料の提出を願いたい。よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/48
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049・岡崎英城
○岡崎委員長 いまの華山君の資料要求に対しては、政府に私より申し入れておきます。
秋山徳雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/49
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050・秋山徳雄
○秋山委員 ことしは地方税法の審議にあたりましていろいろ問題点が多かったと思います。したがって、私が出てきております神奈川県におきましてもいろいろな悪い例が出ておりまして、先般も新聞紙上をにぎわしたことがあるわけでございます。この事例はもうすでに自治大臣も御存じだと思いますが、鎌倉市の例から申し上げますと、まだ国会で審議中におきまして市会が開会をされました。したがってそこに提案をいたしました予算の中には、政府原案をもって積算をいたしましたものを基本にして市会に提案をいたしたのでありまして、したがって市会の質疑を通じてそれが明らかになったがために、市長も最後には恐縮して予算の出し直しをしたという事例もあるわけでございます。したがってそれが派生をいたしまして、編成の責めに当たった助役は二人おりますが、二人の助役が進退伺いを出したという事例でございます。
またもう一つは、これとは全く逆な立場におきまして、川崎市では四月徴収すべきことになっております条例をそのまま使って、旧法に基づいて一般の市民から固定資産税その他を納めていただく、こういう態度をとったわけでございます。したがって今月の半ばにはこれに基づいての令書を発送をし、四月末までに旧法に基づいて納入していただく、こういうことのようであります。これに対して自治省では、いろいろそれは適当でないから改めなさいというふうな忠告もあったようでございますが、こういうことが起こったことは、いままでにあまり例のないことであります。いままでは、ほとんど自治省の提案になりました原案に基づいて国会を通過していたということでありますから、さしたる問題はなかったと思いますが、今度の場合には、国会の修正がいろいろとありましたので、いま申し上げましたようなことの上に立って各地区でかなり大きな問題があったのではないかということが考えられたわけであります。したがいまして、この際に私は要約をして、簡単にあらためて質疑の要旨を申し上げまして、また自治大臣からも将来を戒めるために御答弁をいただければ幸いだと存ずるわけであります。そういうことを考えのうちに入れて、私はあらためて質問の要旨を申し上げまして、これに基づきまして簡単に御答弁を賜わって、この答弁を基調にして将来の戒めとしたい、かように考えますので、御配慮のほどをお願い申し上げたいと思います。
あらためて要旨を申し上げますと、川崎市における固定資産税の徴収の問題や鎌倉市の市税収入の予算計上に関連する問題等が最近生じているが、自治省の市町村に対する指導方法に問題があるのではないか、以上のことについて自治大臣から御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/50
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051・永山忠則
○永山国務大臣 自治省といたしましては、今回の地方税法の一部改正にあたりましては、その内容の重要性にかんがみまして、市町村に対する指導について十分慎重を期してまいったところでございますが、ただ政府原案の内容につきましては、随時市町村に対しましてその概要を説明いたしてまいったのでありますが、御承知のような事情の性質上、市町村によりましては、予算編成及び税務行政の執行に問題を惹起した向きがあることはまことに遺憾でございます。したがいまして、今後市町村における事務処理の円滑化を期するよう十分気をつけてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/51
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052・岡崎英城
○岡崎委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、両案についての質疑はこれにて終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/52
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053・岡崎英城
○岡崎委員長 この際、委員長の手元に地方交付税法の一部を改正する法律案に対し、奥野誠亮君、大石八治君及び渡海元三郎君提出にかかる修正案、及び細谷治嘉君、秋山徳雄君及び華山親義君提出にかかる修正案が、また昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案に対し奥野誠亮君外二名提出にかかる修正案がそれぞれ提出されております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/53
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054・岡崎英城
○岡崎委員長 これより各修正案の趣旨について、順次提出者の説明を求めます。奥野誠亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/54
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055・奥野誠亮
○奥野委員 私は、自由民主党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。
修正案文はお手元に配付されておりますので、朗読は省略させていただきまして、その要旨を申し上げますと、両法案の施行期日は昭和四十一年四月一日となっておりますが、すでにその期日も経過しておりますので、これを公布の日に改めようとするものであります。
何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/55
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056・岡崎英城
○岡崎委員長 細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/56
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057・細谷治嘉
○細谷委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由を御説明申し上げます。
地方財政は、近来悪化の一途をたどってまいりまして、この委員会を通じての自治省の説明によりましても、昭和二十八、九年ごろの地方財政危機よりもはるかに深刻なものがあるわけでございまして、言ってみますと、地方行財政は戦後最大の危険に直面している、こういうふうに申しても過言ではないと思うのであります。
従来、国税の伸びがありますと、必然的にそれに対して、一〇〇に対して四五%程度の地方税の伸びがあり、国税三税の伸びに対して地方交付税の二割程度の伸びが起こってまいったのでございますが、今年度は、七千三百億という国の財政政策の根本的な変更によりまして、公債発行、したがって地方税は伸びない、交付税は逆に減っていく、こういうことになっているわけでございますから、この一事を見ても、地方財政は全く動きがとれない、こういう事態に立っているということは明瞭でございます。ところが政府が四十一年度の地方財政対策として出されたものは、交付税率を二・五%引き上げて三二%にするということ、もう一つは、地方財政に対する特例措置を設けまして、今年度限り四百十四億の第一種特例交付金、第二種特例交付金で切り抜けよう、こういう方向でございます。このことは、本来税なりあるいは交付税でやってまいった地方財政そのものを複雑化し、混乱化させ、脆弱化させていると申さなければならないのであります。そればかりではなくて、従来基準財政需要額に明瞭に算入されておりました道路なり河川なり、あるいは海岸堤防等の地方負担分を基準財政需要額から切り離して、これを起債に振りかえる、こういう措置もとろうといたしておるのでございまして、言ってみますと、借金において公共事業をやれ、こういうことになるわけでありまして、従来の地方税制度、地方交付税制度の破綻をもたらすものだ、こういうふうに言っても差しつかえないのではないかと思うのであります。
私ども日本社会党は、そういう複雑な、しかもその場限りの、脆弱な財政措置ではなしに、従来のように地方交付税率を大幅に引き上げることによって、この四十一年度の財政危機を切り抜けるということが必要であると確信するものでございます。
そういう観点から、私どもは、特例措置という形ではなくて、それを含めて政府案の三二%という交付税率を五%引き上げまして三七%にすることによりまして今年度の地方財政を切り抜け、四十二年度以降のものについては自主財源の強化、こういう観点で地方財政を守っていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう観点から、ただいま御説明申し上げましたように、地方交付税率を国税三税の三七%に引き上げるべきだという修正案を提案いたした次第でございます。どうか慎重御審議の上、御可決いただきますようにお願いいたしたいと思います。
説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/57
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058・岡崎英城
○岡崎委員長 以上で、各修正案の趣旨説明は終わりました。
この際、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する細谷治嘉君外二名提出にかかる修正案について、国会法第五十七条の三の規定によりまして、修正案に対する内閣の意見を聴取いたします。永山自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/58
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059・永山忠則
○永山国務大臣 この修正案につきましては、国の財政及び地方財政の現況から見まして、にわかに賛成することができないのでございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/59
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060・岡崎英城
○岡崎委員長 これより地方交付税法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案、また昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
まず、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する細谷治嘉君外二名提出にかかる修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/60
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061・岡崎英城
○岡崎委員長 起立少数。よって、細谷治嘉君外二名提出にかかる修正案は否決されました。
次に、本案に対する奥野誠亮君外二名提出にかかる修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/61
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062・岡崎英城
○岡崎委員長 起立多数。よって、奥野誠亮君外二名提出にかかる修正案は可決されました。
次にただいま可決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/62
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063・岡崎英城
○岡崎委員長 起立多数。よって、地方交付税法の一部を改正する法律案は、奥野誠亮君外二名提出にかかる修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
次に、昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案に対する奥野誠亮君外二名提出にかかる修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/63
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064・岡崎英城
○岡崎委員長 起立多数。よって、奥野誠亮君外二名提出にかかる修正案は可決されました。
次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/64
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065・岡崎英城
○岡崎委員長 起立多数。よって、昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案は、奥野誠亮君外二名提出にかかる修正案どおり修正議決すべきものと決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/65
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066・岡崎英城
○岡崎委員長 この際、大石八治君、秋山徳雄君及び門司亮君から、ただいま修正議決いたしました昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案に対し、三派共同提出をもって、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
本動議を議題とし、その趣旨説明を求めます。大石八治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/66
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067・大石八治
○大石(八)委員 私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三党を代表して、昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案に対する附帯決議案の趣旨説明を行ないたいと思います。
附帯決議の案文はお手元に配付されておりますので、朗読は省略させていただくこととし、提案の趣旨を御説明申し上げます。
第一は、来年度以降の地方財政の収支はまことに容易ならざるものがあると認められますので、政府は今回のごとき特例措置によることなく、来年度以降においては国税の移譲等による自主財源の充実強化によって恒久的な対策を講ずべきであると思うのであります。
第二は、従来、交付税の算定ベースに乗っていた公共事業費等にかかる基準財政需要額の一部約五百八十九億円を、交付税の絶対量の不足から特別事業債に振りかえておりますが、地方財政の窮乏にかんがみ、これの元利償還金につきましては、政府の責任において完全に補てんすべきものであると思うのであります。
第三は、都市、特に指定都市の財政負担は逐年増高しておりますが、反面、これに対応する税収等の自主財源の伸びが鈍化して行政機能に支障を来たしている実情にありますので、政府は税・財政制度についてさらに検討を加え、税源の充実、下水道等の差等補助負担率の廃止等、積極的に財源増強の措置を講ずべきであると思うのであります。
以上が提案の趣旨であります。何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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〔参照〕
昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案に対する附帯決議案
政府は、地方財政の現況にかんがみ、特に左の諸点につき万全を期すべきである。
一、来年度以降における地方財政措置については、本年度のごとき特例措置によることなく国税移譲等による自主財源の充実強化により恒久対策を講ずるように努めること。
二、特別事業債に振り替えられた公共事業費等の地方負担分に係る元利償還金については、国の責任において措置すること。
三、都市特に指定都市の財政負担が逐年増嵩している実態にかんがみ、その税財政制度について更に検討を加え、税源の充実、差等補助負担率の廃止等積極的に財源増強の措置を講ずること。
右決議する。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/67
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068・岡崎英城
○岡崎委員長 これより本動議について採決いたします。
本動議のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/68
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069・岡崎英城
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は大石八治君外二名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
この際、永山自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。永山自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/69
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070・永山忠則
○永山国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して善処いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/70
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071・岡崎英城
○岡崎委員長 おはかりいたします。
ただいま修正議決されました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/71
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072・岡崎英城
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/72
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073・岡崎英城
○岡崎委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X02519660414/73
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