1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年五月十日(火曜日)
午前十時四十六分開議
出席委員
委員長 岡崎 英城君
理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君
理事 和爾俊二郎君 理事 秋山 徳雄君
理事 華山 親義君 理事 細谷 治嘉君
亀山 孝一君 纐纈 彌三君
中馬 辰猪君 森下 元晴君
山崎 巖君 井手 以誠君
重盛 寿治君 島上善五郎君
安井 吉典君 門司 亮君
出席国務大臣
国 務 大 臣 永山 忠則君
出席政府委員
警察庁長官 新井 裕君
警 視 監
(警察庁保安局
長) 今竹 義一君
自治事務官
(行政局長) 佐久間 彊君
委員外の出席者
警 視 長
(警察庁保安局
保安課長) 雨森 和雄君
通商産業技官
(重工業局航空
機武器課長) 加藤 博男君
専 門 員 越村安太郎君
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四月二十八日
委員田村良平君辞任につき、その補欠として根
本龍太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員根本龍太郎君辞任につき、その補欠として
田村良平君が議長の指名で委員に選任された。
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五月二日
地方公営企業の確立に関する請願外一件(赤路
友藏君紹介)(第三六三九号)
同外三十一件(阪上安太郎君紹介)(第三六四〇
号)
同(坂本泰良君紹介)(第三六四一号)
同(前田榮之助君紹介)(第三六四二号)
同(泊谷裕夫君紹介)(第三六九三号)
同外十二件(山内広君紹介)(第三六九四号)
同(岡田春夫君紹介)(第三九五八号)
同(坂本泰良君紹介)(第三九五九号)
同(吉村吉雄君紹介)(第三九六〇号)
同(野間千代三君紹介)(第三九六一号)
人車左側統一通行に関する請願(肥田次郎君紹
介)(第三六四三号)
風俗営業等取締法等の一部改正に関する請願
(中村高一君紹介)(第三六四四号)
同月七日
地方財政の確立に関する請願(八田貞義君紹介)
(第三九九三号)
地方公営企業の確立に関する請願(井岡大治
君紹介)(第三九九四号)
同(石橋政嗣君紹介)(第三九九五号)
同(岡本隆一君紹介)(第三九九六号)
同(中嶋英夫君紹介)(第三九九七号)
同(山崎始男君紹介)(第三九九八号)
同(横山利秋君紹介)(第四〇五六号)
同(泊谷裕夫君紹介)(第四〇五七号)
同(石橋政嗣君紹介)(第四〇九八号)
同(五島虎雄君紹介)(第四〇九九号)
同(西宮弘君紹介)(第四一〇〇号)
同(横山利秋君紹介)(第四一〇一号)
同(横山利秋君紹介)(第四一八四号)
地方公共団体の超過負担解消に関する請願(池
田清志君紹介)(第四〇八二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法の一
部を改正する法律案(内閣提出第一一三号)(参
議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/0
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001・岡崎英城
○岡崎委員長 これより会議を開きます。
この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
内閣提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案、安井吉典君外九名提出にかかる地方公営企業法の一部を改正する法律案、地方公営企業財政再建促進特別措置法案及び公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案、以上四案の審査のため、来たる十二日午前十時三十分から、また、十三日午前十時から参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/1
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002・岡崎英城
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/2
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003・岡崎英城
○岡崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/3
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004・岡崎英城
○岡崎委員長 次いで、銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。島上善五郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/4
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005・島上善五郎
○島上委員 この法律の改正のおもなねらいと申しますか、銃砲刀剣類等を所持することによって起こる犯罪事故というものを防止しようとするのがおもなねらいであるのかどうかという点をます伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/5
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006・今竹義一
○今竹政府委員 お答え申し上げます。
今回の法改正は、改正の主眼点を許可銃砲による危害の防止、その取り締まりということに重点を置いております。銃砲刀剣類所持等取締法の基本的な理念といたしまして、不法な所持銃砲の取り締まりという点が最大の一つの点でありまして、もう一つの点が、許可をいたしました銃砲による危害の防止という点でございます。この第一の点につきましては、いろいろと拳銃の取り締まりとか、その他許可を得ていない銃砲刀剣類等の取り締まりを従来とも強力に行なっているところでございますが、最近の銃砲の所持許可者の増加の状況並びに銃砲による犯罪及び事故の発生状況を見ますと、所持許可を得ました猟銃及び空気銃による犯罪、事故がふえておりますので、そういうものによる危害の防止をはかるということを今回の改正の主眼点にいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/6
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007・島上善五郎
○島上委員 銃砲の所持許可を正式に受けている者と不法に所持しておる者とあるわけでしょうが、所持許可を受けておる者の中で、犯罪もしくは事故等に悪用される場合に、正常な精神の持ち主の犯罪、事故それから精神異常の犯罪、事故、それから暴力団というような組織に流れたりあるいは一時悪用されたりというような場合等があろうと思いますが、その統計等がありましたらお示しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/7
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008・今竹義一
○今竹政府委員 犯罪に供用された銃砲の状況で申しますと、昭和三十九年の場合、拳銃が九十四件、これはすべて無許可のものでございます。それから猟銃が七十四件でございますが、このうち無許可のものが二十一件、五十三件が許可によるものでございます。空気銃におきましては三十七件で、このうち無許可のものが二十件、残りの十七件が許可によるもの、こういうことになっております。
それから事故の状況でございますが、三十九年の場合、猟銃によりますのが百八十三件で、そのうち無許可のものが七件で、残りは全部許可によるものでございます。空気銃は四十九件で、うち無許可のものが十九件、その他が許可によるものと、こういうことに相なっております。
それから精神病者の関係でございますが、昭和三十九年の状況で申しますと、精神病者で許可を得ておりまして取り消しを受けたものが七件でございます。この七件のうち四件が事件、事故を起こしまして精神病者とわかって取り消されたもの、三件は警察の活動によりましてわかって取り消したものでございます。なおこのほかに、精神病者が無許可の猟銃を使いまして事件を起こしたものが一件ございます。
それから暴力団の関係でございますが、この点については必ずしも確実な統計資料に基づくものではございませんが、大体以上申しました事件のうち、拳銃の関係につきましては五五%程度が暴力団の犯罪、猟銃は三〇%程度が暴力団の犯罪、こういうふうに理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/8
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009・島上善五郎
○島上委員 無許可のものが非常に多いのですが、こういう無許可のものがどういう経路で手に入ったものか、たとえば外国から密輸されたものであるか、国産を、無許可のものは正式に店から買うことはできないわけですね、そうだとすると、製造するところから、店を経由しないで不法なルートで手に入れるか、あるいは密輸のルートで手に入れるかということになろうと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/9
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010・今竹義一
○今竹政府委員 拳銃につきましては、ごく一部の例外を除きまして、全部許可をいたさないというたてまえになっておりまして、現在までの押収拳銃の出所等を調べてみますと、昭和四十年の場合、九百五十丁の拳銃を押収いたしておりますが、うち二百八十六丁がはっきり密輸である、これはどの船によって運ばれたということまで確認しておる密輸でございます。次いで駐留軍関係から流れましたのが四十、それから戦前の旧軍人等が持っておりましたのが三十一件、それから手製というのが十九、その他拾ったというのが三十件ございまして、その他が出所不明になっております。しかし、大体押収拳銃は外国製の拳銃が主でございますので、何らかの形で外国から流れてきたもの、こういうふうに考えております。
それから猟銃、空気銃についての無許可のものでございますが、これは猟銃、空気銃の所持の許可の制度が戦後できた制度でございますので、無許可のものは、大多数は戦前から猟銃を持っておる、また空気銃については昭和三十年から所持許可の対象になったものですから、その前から持っておったものが大部分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/10
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011・島上善五郎
○島上委員 拳銃は許可しないたてまえである、ごく例外の場合に許可しているというのはどういう場合ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/11
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012・今竹義一
○今竹政府委員 現行法の第四条第一項第二号、第三号及び第四号によりまして、第三号の場合は、「国際的な規模で開催される政令で定める運動競技会のけん銃射撃競技に参加する選手」、いわばオリンピックの拳銃競技選手のような場合、もう一つは、そういう国際的な規模で開催される政令で定める運動競技会に使うスターターの信号用の拳銃、それからもう一つは、政令で定める試験または研究の用途に供するため必要な拳銃でございまして、国内の生産業者のようなもの、この場合でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/12
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013・島上善五郎
○島上委員 許可しないたてまえの拳銃がかなり多数不当に所持されておる、そして暴力団で何か事件があると、猟銃でけんかをするという場合はごくまれでもって、たいていの場合は銃撃が使用されておる。その不許可のものがこのように多数流れており、問題があるつど使用されておる、こういう事実に対して、これを発見するために、あるいは流れることを防止するために、ふだんどのような実効ある手を打っておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/13
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014・今竹義一
○今竹政府委員 拳銃につきましては取り締まりの方法を強化いたしまして、取り締まりの陣容を整備して徹底的にこれを摘発するという方針をとっております。たとえて申しますと、いろいろな方法がございますが、一つは、最近の事例で申しますと、カナダの騎馬警察あるいはその他国際刑事警察の機構等を通じまして、海外の警察と緊密な連絡をとりまして、いろいろそういう国際的な情報によりまして密輸の検挙をする。また、一たん密輸されたものにつきましては、暴力団等の摘発を通じまして拳銃を徹底的に捜索していく、こういう形でこれをなくするということに努力いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/14
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015・島上善五郎
○島上委員 拳銃を国内でつくっている状況、そして、それはおそらく警察官とか自衛隊とか、そういう方面のためにつくっているのだろうと思いますけれども、拳銃の製造業者、製造能力というのは、現在どのようなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/15
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016・加藤博男
○加藤説明員 お答え申し上げます。
四十年の国内の生産が約七千丁でございます。そのうち約二千五百丁が、正確に申しますと二千二百丁がアメリカに輸出されております護身用の小型の拳銃であります。したがいまして、国内向けの出荷は四千五百丁でございまして、これはすべて国内の警察官に交付される。なお、輸入が千五百丁ございます。これも警察庁が輸入されております。したがいまして、国内が合計六千丁、そのうち四分の三が国内製、これはすべて警察用でございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/16
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017・島上善五郎
○島上委員 先ほどあげられました拳銃の中に、拾ったものだとか、そういうような出所不明のものがあるようですが、これは、たとえばおまわりさんの拳銃がとられたとか落としたとか、そういう形でなくなったものが相当あると思いますが、そういう数はわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/17
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018・今竹義一
○今竹政府委員 警察官の拳銃につきましては、すべて拳銃の番号を登録し、かつ拳銃にはそれぞれ銃口の中に傷の特色がございまして、それが弾痕に残るということになっております。その弾痕も全部登録してございますが、警察官の拳銃がなくなった場合に、それが出所不明拳銃になって戻ってくるということはございません。全部照合いたしまして、どういう機会になくなったかという、そのなくなった拳銃であるということははっきりいたすことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/18
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019・島上善五郎
○島上委員 先ほど、暴力団のことについて伺いましたが、暴力団とは多少似ているようなところもあるけれども厳密に言うと多少区別されなければならぬいわゆる右翼団体というものが存在しているわけです。これは、ときには政治的な方面に動き、ときにはその他の方面に動くという物騒きわまりない団体が存在しておるわけですが、その右翼団体もしばしば拳銃を悪用するという場合があるのですが、そういう方面の調査は何かできておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/19
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020・新井裕
○新井政府委員 お尋ねの趣旨がよくわかりかねますので、あるいは見当違いなお答えになるかもしれませんが、暴力団の取り締まりを通じまして、みずからは右翼と称しておるものの一部が取り締まりにかかりまして、拳銃を押収された例はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/20
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021・島上善五郎
○島上委員 右翼団体でも暴力団でも、両方のことでもよろしいのですが、何か事件があって捜査するとピストルが出てくる、こういうような場合が非常に多いのですね。つい二、三日前の新聞にも、元松葉会の幹部がピストルを五丁所持しているのを押収したという記事が載っておりますが、犯罪なり事故があって捜査すると出てくるという場合が非常に多いのです。そういうピストルをはじめその他の凶器を常時不法に所持していると思われる団体に対して、日常どういうような捜査なり監督なり内偵なりをしておりますか。積極的に内偵をし、捜査をし、あるいは事件、事故が起こる前に発見して押収するといったようなことをやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/21
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022・新井裕
○新井政府委員 御承知のように、この数年、いわゆる暴力主義的な団体につきましてある程度一斉的な取り締まりを行ないまして、使用せられる前にこれを捜索、押収した件数が相当ございます。最近の拳銃の押収が非常にふえたのは、一つはそういう件数がふえたことでございます。したがいまして、そういうような疑いの非常に濃いものにつきましては、この数年内偵を強化いたしまして、取り締まりの重点を武器の不法所持の取り締まりに置いておることを御報告いたします。なお、そのほか、銃を黙って持っておるというようなことでありますとなかなか発見しにくいことはいまお話しのとおりでございまして、何らかの形で動いたときをねらって取り締まりをするというのが重点にはなりますけれども、いま申しましたように、そういう疑いの濃いものに対しては、ここ数年相当積極的な取り締まりをし、また成果があがっておると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/22
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023・島上善五郎
○島上委員 正式に一たん許可されたものが、必要がなくなった。これは猟銃の場合ですが、たとえば猟をやる人が年をとって猟をやらなくなったとか、あるいはその他からだに障害を起こして猟をやらなくなったという場合に、俗に眠っている銃を本人が自発的に届け出て、不要になったからと言ってくる場合もありましょうけれども、そういう人はおそらくごくまれであって、眠った銃がそのままの状態で悪用されるということがあると思うのですが、そういう眠っている銃に対して、取り締まりの当局から積極的に調べて、あるいは勧告して取り消すというような措置をとっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/23
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024・今竹義一
○今竹政府委員 現行法のたてまえでは、銃の所持の許可は永久制、こういうことになっておるわけでございます。そこでただいま御指摘のありましたような眠り銃がかなりあって、それがいろいろ悪用されておる。それに対して何らかの手を打たなければならないという考えで、提案いたしました法律案は五年ごとに更新の制度をとりまして、その機会にそういう継続所持の意思のない者についての銃は、その際所持をやめてもらう、こういうようにしたわけでございます。なお平素の警察活動を通じましても、私どもとしてはそういう眠り銃が発生しないように極力努力いたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/24
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025・島上善五郎
○島上委員 継続所持の意思のない者を更新の際にやめてもらうようにする、こういうことですが、これは微妙な関係になると思うけれども、実際に猟に行けない、また行かない。行かないけれども、ちょうど釣り師が釣りができなくなっても釣りざおをときどき出してながめて楽しんでいるといったようなもので、実際には使わぬけれども持っていたい、そういう場合が私は往々にしてあると思うのですけれども、そういう場合に、あなたはもうすでに猟に行けない、からだの状態がそうであるし、また実際にも行ってないしするから所持をおやめなさいと、積極的に勧告するような措置をとっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/25
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026・今竹義一
○今竹政府委員 現行法は、狩猟の用途に供し得るような属性の銃、いわゆる猟銃でございますが、猟銃というものであれば持てる、こういうことになっておるわけでございます。そこで、それの用途が何であるかということについては必ずしも直接触れていなくて、その点不明確でございますので、現行法のもとで、あなたは狩猟に使わないのだからおやめなさいということを積極的に勧告することはむずかしい。今度の提案いたしました案は、そういう猟銃は狩猟の目的あるいは標的射撃の目的という、こういう目的を明示してございまして、そういう目的以外の場合には猟銃は持てない、こういうことになっておりますので、そういう客観的に見て当然狩猟ができないというような状況であれば、狩猟目的のための猟銃の所持をやめるということは積極的に勧告できるもの、またすべきもの、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/26
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027・島上善五郎
○島上委員 そうすると、いま私が指摘したようなことは現行法のもとではできない、だから法律を改正しよう、こういうわけなんですね。永久所持ですから、一ぺん許可を受けた者に対しては、死にでもしない限りは許可取り消しということは現行法ではないわけですね。それからいま言ったように、猟銃をただ飾っておいてながめて楽しんでいる、あるいは友だちが来たら自慢話の極にするというふうにかりにしておっても、現行法ではどうにもならぬ。そこで、そういうことも改正の一つのねらいである、こういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/27
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028・今竹義一
○今竹政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/28
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029・島上善五郎
○島上委員 そうしますと、五年ごとに更新をする際に、今度改正した法律によりますれば、不要になったと思われる者に対しては積極的に勧告できる、勧告するというお考えなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/29
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030・今竹義一
○今竹政府委員 もう一度申しますと、現行法は「狩猟、有害鳥獣駆除」「の用途に供するため必要な銃砲」となっておりまして、そういう用途に供されるような銃砲、こういう趣旨でございます。改正案は「狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃の用途に供するため、猟銃又は空気銃を所持しようとする者」ということで、目的と銃砲の極数というものを明確にいたしております。したがってこの法律をお認めいただいた場合は、更新の場合にはそういう銃砲が狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃の用途に供するためであるかどうかという所持の目的を確かめる、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/30
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031・島上善五郎
○島上委員 有害鳥獣駆除のための猟銃——銃ですね、この銃の場合、たとえば許可を受けた親が年をとって実際使用できなくなっている、むすこが使用するという場合には、許可を受けた人間が違うわけですね。そういう場合は許可を取り消しにするとか、実際に使用する人間が新たに許可を申請する、そういう手続が当然必要なわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/31
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032・今竹義一
○今竹政府委員 親が年をとって、むすこさんが狩猟をやる、あるいは有害鳥獣駆除をやる、あるいは標的射撃をやるという場合には、親からむすこに譲渡いたしまして、むすこさんがあらためて所持許可の手続をとる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/32
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033・島上善五郎
○島上委員 つまり物は譲渡できますけれども、許可は新しい人が新たに申請をして許可を受けなければ、銃の譲渡は受けてもその使用はできない、こういう関係がはっきりしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/33
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034・今竹義一
○今竹政府委員 御指摘のとおりでありまして、あらためて許可をとる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/34
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035・島上善五郎
○島上委員 五年ごとに更新するというのですが、現在所持している者はこの法律改正によって一斉に更新する、こういう措置をとるわけですか。現在所持しておる者を五年間かけて年次的に全部更新する、こういうふうにするわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/35
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036・今竹義一
○今竹政府委員 改正法案の附則の五項に書いてございますが、現在所持の許可を受けております猟銃及び空気銃は八十八万丁ございますが、これはこの法律をお認めいただきました場合、昭和四十二年から昭和四十六年までの五年間に、古い順番に割りまして、たとえて申しますと、昭和二十一年から二十九年までに許可を受けた者は昭和四十二年の四月三十日までに更新を受ける、こういうふうに五年間に割りまして更新の手続をとる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/36
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037・島上善五郎
○島上委員 精神病者はもちろん当初から許可しないわけでしょうが、許可したときは正常な人であって、途中で少しおかしくなるという場合が大いにあり得ると思うのですが、そういう場合には、本人は精神がおかしくなるくらいですから、おそらく届け出たりすることはなかろうと思うのですが、これを発見して取り上げなければ、それこそ気違いに刃物ということばがあるように、一番物騒だと思います。いままでの法律ではそれすらもなかなか困難だと思いますが、法律を改正することによって、そういう点に対しては実効ある措置が行なわれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/37
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038・今竹義一
○今竹政府委員 現行法によりましても、精神病者になれば当然取り消し得るわけでございまして、昭和三十九年の一月から四十一年の三月までの間で、精神病であるということがわかって取り消したものが十七件ございました。このうち半分の九件は、事件を起こして精神病ということがわかったのでございますが、残りの八件は、警察で精神病院に入ったということを認知いたしまして、積極的に取り消しております。ただ、今度の改正案で更新という制度をお認めいただきますと、更新の際には、新規許可と同じ方法で十分に精査をする予定をいたしておりますので、こういう精神病者の発見の機会はもっとふえる、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/38
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039・島上善五郎
○島上委員 本人が精神病者である場合には、いま言ったような取り消しの措置をとれるわけですが、家族にそういう者があって、物騒な状態があるという場合にはどういう措置をとりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/39
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040・今竹義一
○今竹政府委員 所持許可は本人に与えるものでございまして、本人が精神病者でなく、家族が精神病である場合について、これをどうこうし得る規定は現行法にはございません。ただ、改正案では保管の義務という条項を十条の三で規定いたしておりまして、許可を受けた者は、「許可に係る銃砲を自ら保管するものとし、」云々、こういう規定がございまして、そういう精神病者にいじられないように保管をすべきもの、こういうふうな規定を盛っておりますので、その点の対策がとれる、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/40
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041・島上善五郎
○島上委員 みずから保管するものということは、みんなの共通の保管の義務であって、家族や近親者あるいは出入りする者の中に精神病者があるという場合に、特に適用される条項ではないわけですね。これは一般全部に共通的に適用される。そういう家族やあるいは出入りする近親者の中に精神病者がおるという場合には、この改正法だけでは不十分なような気がします。行政的に指導監督をして、特別に保管を厳重にさせるというふうにでもしなければ不十分ではないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/41
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042・今竹義一
○今竹政府委員 ちょっと説明が不十分でございましたが、現行法でも五条一項六号に、精神病者のほかに、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」という者が同居の家族でおる場合には許可をしないことができる、こういう規定がございます。精神病の態様によりまして、非常に危険な精神病であるというような場合には、この規定を活用いたしまして措置することができると思います。また、そういう規定の活用ができないような場合でも、そういう点につきましては所持許可者に十分行政的な指導を与えまして、事故が起こらないようにつとめてまいりたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/42
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043・島上善五郎
○島上委員 所持の許可の効力を失った場合、物に対してはどういう措置をとっておりますか。猟銃とか空気銃とか刀剣とか、そういうものの所持の効力を失った場合に、どういうふうに処置しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/43
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044・今竹義一
○今竹政府委員 一般的には、これを正当に所持できる者に売却あるいは譲渡させる、こういう措置をとりまして、ただ、それだけ待つひまがない、もっと早く処置しなければいかぬというような場合には、提出命令で提出させるという措置をとるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/44
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045・島上善五郎
○島上委員 提出命令に直ちに応じない場合には、没収するという措置でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/45
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046・今竹義一
○今竹政府委員 前に没取という制度がございまして、それにかわる制度として、提出命令を現行法はつくっております。効果は全く同じものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/46
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047・島上善五郎
○島上委員 裁判の結果でなければ没収できないというふうに、現行法ではなっておるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/47
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048・今竹義一
○今竹政府委員 裁判の結果による没収の場合と、そのほかに行政的に行なう二十七条の提出命令の制度、二つあるわけでございます。大体の場合は裁判の結果によるわけでございますが、特殊の場合に提出命令の制度が認められておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/48
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049・島上善五郎
○島上委員 大体は裁判の結果でなければ没収できない、特殊な場合は提出命令。裁判の結果というと、かなり時間がかかるわけですね。ですから、応じたくない人は、裁判までずるずる引き延ばすということができるわけですね。それにかわる措置としてすみやかに没収する、効力がなくなった、必要がなくなったからすみやかに没収するという措置が、この提出命令でできるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/49
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050・今竹義一
○今竹政府委員 たとえば猟銃について、昭和三十九年の場合で申しますと、第三条違反で裁判の結果没収いたしましたものが八百二十丁でございます。そのほかに、いま申しました提出命令によるものが十一丁、それから二十五条の規定によります仮領置の物件が六百五十二丁、こういうようになっておるわけであります。この提出命令あるいは二十五条の規定によります仮領置の場合、これは二十五条のはちょっと特殊な規定でございますが、必ずしもその財産権を消滅させるというものでございませんで、裁判の場合大体証拠品として押収いたしますので、その物は警察が預かる、こういうことで大体だいじょうぶなんでございますが、それで措置ができない場合について提出命令によりまして提出をさせる、こういう指貫をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/50
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051・島上善五郎
○島上委員 裁判の場合が非常に多いわけですが、裁判の結果でなければ没収できないということは、所持者が提出を拒む、あるいは不法所持ではないということで所持者が争う、こういうことから裁判になるだろうと思うのですが、そうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/51
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052・今竹義一
○今竹政府委員 そうではございません。銃刀法違反としての刑事裁判にかけまして、そうしてその証拠品として押収したものについて裁判の結果没収する、こういうのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/52
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053・島上善五郎
○島上委員 このごろ狩猟の場所がだんだん少なくなったり、あるいはえものがだんだん少なくなったりしていると、私はしろうとですけれども、聞き及んでおります。それに反して猟銃の許可申請をする数が年々非常な勢いでふえているということですが、その間に何か、しろうと判断で考えると矛盾を感じますが、どういう理由でしょうか。それから場所やえものが年々少なくなっているという私の想像が事実であるかどうか。それから申請者が年々ふえているかどうか。特に申請者がふえておるのが数字で示されたら示していただきたい。それからその間の矛盾と申しますか、そういう点はどういうふうに解釈されるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/53
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054・今竹義一
○今竹政府委員 狩猟鳥獣が減っておるということにつきましては、私も新聞以上の知識を持っておりませんが、狩猟を行なう者、つまり狩猟免許を得る者の数は毎年ふえております。乙種狩猟免許、これは猟銃で行なう狩猟でございますが、これが昭和三十八年度の場合に県内、県外両方合わせまして二十八万三千六百十八人で、狩猟免許の数が二十八万三千六百十八件であったものが、昭和四十年の場合二十八万九千四百二十九件、こういうふうになっております。これがどうしてふえておるかということは必ずしも確実に申せないのでございますが、やはり一種の狩猟についてのブームがある、こういうふうに考えております。農林省の統計等を見ましても、まあ昔から狩猟をやる場合は山村等のお百姓さんと金持ちというようなあれだったのですが、最近の狩猟免許を得ておる人の層を見ますと、それ以外にいろいろな人が狩猟免許を得ておるということがあらわれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/54
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055・島上善五郎
○島上委員 猟銃による犯罪、強盗とか殺人とか猟銃による犯罪、事故、こういうようなものについては数字がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/55
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056・今竹義一
○今竹政府委員 猟銃によります犯罪でございますが、昭和三十九年の場合、全体で七十四件でございます。そのうち無許可の猟銃によるものが二十一件、それ以外のものが許可によるものでございまして、その結果死者が十四名、負傷者が四十六名起こっております。それから事故でございますが、昭和三十九年の場合百八十三件で、無許可のものは七件、それ以外が許可によるものでございます。この被害者が死者で三十四人、負傷者で百五十七人、こういうことになっております。毎年の傾向を見ましても、この事件についてはそれほどでもございませんが、事故が猟銃の数と相対応しまして非常にふえておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/56
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057・島上善五郎
○島上委員 その事故がふえておるということと関連して、今度の法律改正によってその事故の防止にどういう効果がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/57
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058・今竹義一
○今竹政府委員 現行法は、猟銃を所持しようといたします際に一定の欠格条件がなければこれを許すというたてまえをとっておりまして、猟銃を扱う心得あるいは法令の知識等についてはみずからこれを修得するというたてまえをとっておるのでございますが、このたび講習の制度を設けまして、銃砲の法令あるいは狩猟法、火薬類取締法等の法令の知識及び銃砲取り扱いにつきましてのいろいろな危害予防上のマナーがあるわけでございますから、そういうものについての知識を十分に得てもらう、こういうことを予定いたしておりますので、講習によってこういう事故はかなり防げるもの、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/58
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059・島上善五郎
○島上委員 講習は全部でたしか四時間だと聞いておりますが、全部で四時間で、いまお話しのような講習の目的を達することができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/59
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060・今竹義一
○今竹政府委員 現在これの範といたしましたのは、狩猟免許を与える際の狩猟者講習でございます。狩猟者講習の時間等ともにらみ合わせまして、一応現在の考え方では法令の知識二時間、取り扱いの知識一時間、考査が一時間ということで四時間を予定いたしておりますが、私どもこの講習のほかに、平素から猟友会あるいは防犯協会等を通じまして十分にそういう法令の知識等を徹底してまいりたいというふうにも考えております。講習は猟銃の取り扱い知識の限度から申しますと四時間で十分である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/60
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061・島上善五郎
○島上委員 無許可が二十一件もあるということですが、ピストルのような小さいものなら密輸するということも考えるでしょうけれども、猟銃みたいなでかいものになると、密輸といっても簡単に密輸はできないだろうと思うのですが、たとえば二丁持っておった人が許可を受けない人に一丁を譲るとか、そういう関係が多いんじゃないかと思います。無許可の二十一件というのは犯罪が起こってからの二十一件であって、実際に無許可で猟銃を所持している数はこれから類推すると相当多量にあるんじゃないかと思いますが、全体として無許可で猟銃を持っていると思われる推定の数が考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/61
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062・今竹義一
○今竹政府委員 どのくらい無許可のものがあるかということはちょっと推定数がございません。ただ、ただいま先生のおっしゃったような実情がございまして、昭和四十年の八月一日現在で許可をしております銃砲の検査をいたしておるわけでございますが、全部で九十一万丁の許可銃砲のうち、この検査の手続を受けたものが八十九万丁でございまして、残りの二万丁ばかりが、こういう検査を受けていないという実情がございます。これは引っ越してどこへ行ったかわからない、あるいはその他の理由によって検査ができないものでございますが、こういうものが無許可の猟銃として流れるおそれがある、こういうふうに考えまして、私どもとしまして昭和四十一年度からこういう猟銃、空気銃について全部電子計算機に登録いたしまして、こういう銃砲が流れた場合、それを追跡して調査をしていくということを考えて、無許可のそういうものが流れないようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/62
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063・島上善五郎
○島上委員 所持の許可と狩猟の免許とは別ですね。それで、所持の許可を受けたもののうちで狩猟の免許を持っておるものはどのくらいの割合になりますか。私は六〇%程度と聞いております。もしそうだとすれば、所持の許可は受けているけれども四〇%も狩猟の免許はない、これはどういう関係ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/63
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064・今竹義一
○今竹政府委員 これも推定でございまして、必ずしも当たらないかもしれませんが、四十年の三月現在で猟銃の許可証が四十九万件ございます。そのうち狩猟に使っておると考えられますのが大体三十万ではないか。これは農林省の統計その他による推計でございますが、三十万弱だ、こう思います。そのほかに射撃だけをやるという猟銃の層がございます。これは非常につかみにくいのですが、大体四万くらいではないか。そこで狩猟と射撃合わせて三十四万ぐらいで、四十九万の猟銃全体から申しますと、七〇%くらいが狩猟か射撃か何かに使われておって、残り三〇%くらいはいわゆる眠り銃ではないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/64
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065・島上善五郎
○島上委員 これも私のしろうと判断ですけれども、眠り銃が非常に多いということは、事故がそういう方面から主として発生するという危険があるんじゃないかと思うのです。眠り銃、狩猟にも射撃にも使わない、しかし銃はある、あれば何かのときぶっぱなしてみようかという、精神的にそういう気持ちになりやすいのではないかと思いますが、事故や犯罪、その他事件が起こる場合に、眠り銃の方面に多いか、正式に狩猟免許を持っておる方面に多いかということはお調べになっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/65
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066・今竹義一
○今竹政府委員 眠り銃であるから特に危険であるとか、あるいは眠り銃であるから特に危険でないとかということはないと思っております。眠り銃とそうでない銃との犯罪供用状況等を見ましても、眠り銃がちょうどいま申しました三〇を占めておりますが、眠り銃の危険性は使われておる銃の危険性と同じである、こう考えております。ただ使われておる銃は何らかの役に立っておるものでございますが、眠り銃はそういう所持するに足る有用性を持たない銃でございますので、こういう眠り銃はなくなればなくなるだけ事故は減る、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/66
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067・島上善五郎
○島上委員 今度の法律改正によって、眠り銃をなくする、あるいは少なくする、だんだん少なくするという効果をあげることができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/67
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068・今竹義一
○今竹政府委員 今度の改正案には、銃砲を持つ場合の目的としまして、四条に、狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃という三つの目的にのみ猟銃、空気銃が持てる、こういう規定を明示いたしております。また五年ごとに更新制をとるというたてまえをとっております。したがって、更新の際、あるいは平素の検査その他の機会を通じまして、そういう所持目的のない銃砲を持たさないという方向に持っていくように考えておりまして、かなりの効果があるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/68
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069・島上善五郎
○島上委員 これで最後にしますが、銃を持っておっても、銃だけでは犯罪や事故に使われるということは少ないと思う。銃とたまとくっつくことによって使われるわけですが、狩猟の免許を持っておる者は一定のたまを購入できるわけですが、その購入した火薬と申しますか、これは許可なしで他の者に譲渡することができるわけですね。——できないのですか。狩猟免許を持っておる者は、一期間実包、空包合わせて千個、火薬五キログラム、銃用雷管二千個、これだけが買えるわけですね。その買ったものを他の者に譲渡する場合に許可が必要ですか、必要でないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/69
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070・今竹義一
○今竹政府委員 狩猟免許を持っております者が狩猟免許証を提示いたしまして、実包あるいは空包を千個、火薬を五キログラム等を無許可で譲り渡しを受けることができますのは、銃砲店から購入するときに認められておる制度でございまして、普通の個人から個人の場合には、その制度は適用がない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/70
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071・島上善五郎
○島上委員 そうしますと、もう一ぺん念を押して聞きますが、いま私が言った数量は、一期間に免許を持っておる者は買えるわけですね。購入できるわけですね。一たん購入したけれども、実際にそれだけ使わないという場合がしばしばあるわけですね。一回しか行かなかったとか、二回しか行かなかったとか、あるいは全然行かなかった。それを他の者に譲渡する、譲り渡す。これは規定がないわけですね。規定がないということは、自由にできるということじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/71
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072・今竹義一
○今竹政府委員 火薬類取締法第十七条の一項三号によって、譲り受けることは無許可できるわけでございますが、譲り渡すということは無許可でできませんので、火薬店から買うことは無許可でできますが、その買った者が他の者に譲り渡すということはできないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/72
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073・島上善五郎
○島上委員 できないということになっておっても、これだけの数量のものを買えるのですから、余ったら、お前のととろはだいぶ残っているから、おれに譲ってくれ、こういうようなことで実際上は黙って譲り渡しされているのじゃないですか。それを防止する法的なあるいは行政的な措置がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/73
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074・今竹義一
○今竹政府委員 法律的には、そういう残火薬ができました際には、第二十二条の規定により正規にそれを譲り受けることができるような者に譲り渡す、あるいは廃棄しなければならぬ、こういうことになっておりまして、お互いの間でこの譲り渡しが行なわれるということは違法な行為であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/74
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075・島上善五郎
○島上委員 それから保管の際、私さっき言ったように、たまと鉄砲と別々になっておれば、これは危険の度合いがほとんどないといってもいい。たまを込めて撃つから危険なんです。保管の際たまを装てんしてはおけない、こうなっておるわけですね。装てんしておけないけれども、たまを鉄砲の場所の近くに置くことについては何らの規制がないわけですね。そうすると、少し物騒じゃないのですか。そういう点、規制を加える必要はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/75
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076・今竹義一
○今竹政府委員 その点につきましていろいろ検討いたしたのでございますが、日本の住宅の事情その他からいって、法的に規制することは困難ではないか。しかし、ただいま先生のおっしゃったとおりでございますので、講習の際等には十分そういう点についても指導、教養いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/76
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077・島上善五郎
○島上委員 どうも私は、今度の改正だけでは、いま指摘したような本来の目的以外に悪用されるという危険性を完全に防止できるかどうかという不安を持っております。それから、更新期間五年でよろしいかどうか。五年というのは、事務的に人手の関係等でどうしても五年かかるという関係なのか、期間として五年で十分だというふうにお考えなのか、その点も多少不安がありますので、最後に重ねて伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/77
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078・今竹義一
○今竹政府委員 この猟銃、空気銃についての更新は、一つはその間における所持許可を得た人間のいろいろな性格あるいは身体的条件等の変化を確かめるということと、もう一つは、その間における猟銃及び空気銃の物のほうの変化がないかどうかということを確かめるためのものでございます。人の変化の点から申しますと、三年ということも考えられるのでございますが、物の変化というものはそう三年という期間ではないので、むしろその点からいうと五年のほうが適当であるというのが一つの考え方でございます。と同時に、この更新は継続所持の意思を確かめるということが主たるねらいでございまして、銃砲の所持許可を得ました者の継続所持、さらに持ち続けるかどうかということを確かめるにはやはり五年程度の期間が最も適当である、三年では早過ぎる、こういうことに考えておるのでございます。また現行法でも検査の制度がございまして、この検査だけでは不十分であるので、このたび更新の制度をお願いしておるわけでございますが、この検査との組み合わせ、それとの併用という点から申しましても、五年が最も適当である。なお、いま御指摘のございましたように事務的にもやはり新規許可と同じ程度の手数がかかりますし、また現在の八十八万丁の猟銃につきましては、いわゆる講習も同時に行なうというたてまえをとっておりますので、そういう講習及び更新の手続というものが、かなりの事務量を要しますので、かたがた国民の負担等も考えて、五年が最も適当である、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/78
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079・岡崎英城
○岡崎委員長 華山親義君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/79
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080・華山親義
○華山委員 このたびの法律改正で、講習をやるということになっておりますが、講習については大体何人ぐらい受講者があるお見込みか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/80
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081・今竹義一
○今竹政府委員 府県の状況によってもかなり違ってくる、つまり猟銃、空気銃の所持許可を得ようとする人間の状況によってもかなり変わってくると思いますが、大体毎年新たに猟銃、空気銃の所持許可をとる人間が十万人ございます。このうち七六万人は狩猟免許を持ち、狩猟者講習会のほうへ行く、残りの四万人が、この法律によります講習を受けると推算いたしております。そこで、一府県に割り返しますと大体年間九百人ぐらい、なるべく毎月どこかの警察署でやっておるというように、申請者の便宜を考えますと、三十人ぐらいの単位に分けてみれば、年間三十回ぐらい各府県ごとに実施する、こういうことに考えておりますが、必ずしも、こちらの事務の都合もございますが、申請者の便宜も考えまして、クラスの何人という数にはこだわりませんで、なるべくひんぱんに講習会を催したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/81
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082・華山親義
○華山委員 講習を受ける人は五百円出すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/82
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083・今竹義一
○今竹政府委員 手数料として、法律の最高限として五百円ということを予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/83
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084・華山親義
○華山委員 各地方はこれで経費はまかなうわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/84
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085・今竹義一
○今竹政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/85
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086・華山親義
○華山委員 これは大体仕事は、警察官のほうでおやりになるでしょうし、また講習のほうも警察官がおやりになるのでしょうから、経費もあまりかからないと思いますし、場所等も警察をお使いになるのだろうと思いますけれども、いろいろマナーの点、扱い方の点につきましては、専門家に委嘱するということにもなっておりますし、パンフレット程度のものは配らなければいけないと思うのですけれども、これで地方に負担のかかるようなことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/86
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087・今竹義一
○今竹政府委員 現在の狩猟者講習会等にも範をとりまして、五百円と定めたのでございますが、その場合にも地方に負担をかけておるという事情はないようでございます。私どもいろいろ積算をいたしておりますが、これで十分いける、かように考えております。なお、パンフレット等につきましては、猟友会その他の向きともいろいろ相談いたしまして、いい。パンフレットを私どものほうでひな形をつくりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/87
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088・華山親義
○華山委員 私はその点につきまして、やはり地方のほうが負担するということになりはしないかと思うのでございます。その額はたいしたことはないかとも思いますけれども、こういう点につきまして、地方に新しい仕事がふえる場合には細心の注意をもって、負担のかからないように、国で法律をきめられる場合には気をつけていただきたいと私は思うのであります。いまここで五百円をどうこうするというわけにもいかないのかもしれませんが、実際を見られて、これはとても足りないというふうなことでありましたならば、国のほうでこれに対して講習のための補助を与えるとか、何らかの道を十分に考えていただきたいと思うのでございます。大臣からちょっとその点、地方財政のことにも関係ありますので、お聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/88
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089・永山忠則
○永山国務大臣 お説のように、実施の状態を見まして、地方財政に負担が、あるいは事業がオーバーするような場合においては、財政的処置に対して善処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/89
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090・華山親義
○華山委員 国のほうでやることを見ておりますと、たいしたことはない、たいしたことはないと言って、いろいろなものを地方に押しつけるのですね。たいしたことのないことが積もれば、やはりちりも積もれば山となるで、大きくなっちゃうのですよ。そういうことにやはり気をつけて、ひとつ地方には負担をかけないように十分にお願いいたしたい。この点は警察庁のほうでもよく気をつけておいていただきたいと思います。
それから、先ほど島上委員からお聞きになりましたので、その点は私の質問はざっぱくになりますが、ひとつお許し願いたいのでございます。やはり具体的に自分の場合を仮定してお聞きしたほうがいいと思いますので、お聞きいたしますが、私が護身用とかなんとかいうことで拳銃を持つことは、絶対にこの法律上できないのでございますね。私が持ちたいという意味じゃありませんよ。私の場合に引き比べれば一番わかりやすいからお聞きするのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/90
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091・今竹義一
○今竹政府委員 拳銃につきましては、そういうことは認められておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/91
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092・華山親義
○華山委員 そうしますと、私がひとつ空気銃を打ってみようかというふうなことで、空気銃を手に入れてスズメでも山に行って取ってこようかという気持ちを起こしました場合は、私はどういうことをすればいいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/92
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093・今竹義一
○今竹政府委員 現行法では、猟銃及び空気銃につきましては、一定の欠格条件がなければ所持できる、こういうことでございますので、所持許可申請をすればそれでいい。今度の新しい改正案では、これを狩猟、有害鳥獣駆除または標的射撃という目的のため、そういう猟銃、空気銃を持とうとする場合に、また一定の欠格条件がなければ許可が受けられる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/93
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094・華山親義
○華山委員 その場合に、何か農林省のほうの狩猟関係の許可か何かもなければいけないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/94
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095・今竹義一
○今竹政府委員 銃砲の所持につきましては、銃砲刀剣類のこの許可を取る。さらに狩猟につきましては、猟銃の場合乙種狩猟免許、空気銃の場合丙種の狩猟免許を取らなければいけないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/95
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096・華山親義
○華山委員 どっちが早くなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/96
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097・今竹義一
○今竹政府委員 私どもの考え方では、まず狩猟免許は銃砲の許可を受けた者について与えてもらいたい、こういうように農林省に申し出まして、先方のほうでもそういう方針で行政指導をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/97
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098・華山親義
○華山委員 そうしますと、私知りませんが、一定様式のものを書いて出しまして、講習を受けますのですね。講習を受けたときには、その日に試験をするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/98
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099・今竹義一
○今竹政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/99
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100・華山親義
○華山委員 そうしますと、その日のうちに試験を受けて、その試験に及第すれば許可証をくださるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/100
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101・今竹義一
○今竹政府委員 その講習の結果、出ますのは、講習の修了証書でございまして、その後は銃砲の許可につきましては、そのほかに年齢の問題とか、あるいは精神病者でないかどうか、あるいは住所不定の者ではないか、その他いろいろな欠格条件がございます。この欠格条件の調査に日時を要しますので、大体二週間ないし四週間ぐらい日町がかかるのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/101
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102・華山親義
○華山委員 そういたしますと、このいただいた許可証で鉄砲屋に行って鉄砲を買うわけで、鉄砲屋では売ってくれる、こういうことになるわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/102
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103・今竹義一
○今竹政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/103
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104・華山親義
○華山委員 そうしますと、この鉄砲が、許可証に書いてある鉄砲と合っているのかどうかという確認は、どうしてなさっておるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/104
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105・雨森和雄
○雨森説明員 猟銃を猟銃店から受け取りました後十四日以内に、許可証を出しました公安委員会のほうにその猟銃と許可証とを提出いたしまして、許可どおりの猟銃であるかどうかという確認を受けねばならぬことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/105
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106・華山親義
○華山委員 私、こういうことをお伺いいたしますのは、これは一般の人々がわからなければならない法律なんですけれども、この法律がむずかしくて、さっぱりどうしたらいいのかわからないのです。だから私はこの法律につきまして、なお別にわかりやすいものをおつくりになるのかもしれませんけれども、こういう一般の人に適用される法律がこんなにむずかしいのじゃだめなんじゃないかと思うのですよ。一ぺんもう少し平易に、そしてたとえば刀剣なら刀剣、猟銃なら猟銃、拳銃なら拳銃というふうに分離して、総則的なものは総則的に書いて、そしてきちんと整理なさってごらんになる気持ちはございませんか。あまりむずかしくてこれはわからないですね。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/106
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107・雨森和雄
○雨森説明員 先ほど局長が説明しました講習会のテキストをつくる予定でございますので、その中には、そうした銃砲を所持しようというときの手続、その書類の様式等を詳細に書きまして、わかりやすいようにいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/107
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108・華山親義
○華山委員 私は、法律がむずかしいから、そういう必要もあるのでございますし、あらゆる法律につきましてそういうことはあると思いますけれども、少しこの法律はむずかし過ぎる、そういうふうな気持ちがいたしますので、私の申し上げたこともひとつ御参考にして、もっとわかりいい法律をつくっていただきたい、こういうふうにお願いします。
それでは、その許可証を持ちますね。許可証は、ほかの者が持って行ってもいいのですか、鉄砲屋に。どうなんですか。本人が持っていかなければならないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/108
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109・雨森和雄
○雨森説明員 もちろん本人が持ちまして、猟銃店に行って購入することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/109
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110・華山親義
○華山委員 本人だという証明は、何か写真でもつけるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/110
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111・今竹義一
○今竹政府委員 現在は写真をつけておりません。と申しますのは、いま永久許可制度になっておりますので、年が二十ごろの者が四十になるというようなこともございまして、写真をつけておりませんが、今度五年ごとの更新制をとります機会には、写真を貼付して本人であることを確認する、こういうふうにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/111
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112・華山親義
○華山委員 それでこの鉄砲というのは、猟銃でも空気銃でもそうですが、これは一人が何丁でも持てるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/112
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113・今竹義一
○今竹政府委員 一人で数丁持ち狩るたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/113
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114・華山親義
○華山委員 法律的にいうならば、たとえば、私はそんなことはありませんけれども、私が銃、剣を集めるのが好きで、たまには鉄砲打ちにも行く。銃、剣を集めることが好きで、金があって、外国の鉄砲とか、いろいろな鉄砲を集めてみようというときには——極端なことを言えば、私はそういう人もあると思うのです。外国にはあるそうですが、何十丁、十何丁集めてもいいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/114
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115・今竹義一
○今竹政府委員 ただ、その所持の目的が「狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃」こういうことになっておりますので、その目的を著しく逸脱する程度にまでこういうものを持つということは、このたびの改正でできないように、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/115
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116・華山親義
○華山委員 ただ座敷に飾っておくだけならそうでしょうけれども、やっぱり鉄砲打ちは鉄砲打ちするのですよ。ただ、きょうはこの鉄砲持っていこうか、あしたはこの鉄砲持っていこうか、鉄砲マニアだっていますからね、金のある人で。そういう人があったときには、何丁でも願い出れば許可をして、そして鉄砲を使うことは認められるのかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/116
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117・今竹義一
○今竹政府委員 現行法では、そういう狩猟の用に供するような銃砲を持とうとする場合、許可が与えられることになりますので、極端に申しますと十数丁でも持てるかと思いますが、改正の案では、狩猟の用途に供するためという目的がございますので、その目的以上に著しくたくさん持つというようなことは認められない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/117
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118・華山親義
○華山委員 そうしますと、あなたのところでは鉄砲をもう三丁持っているのだからこれ以上は要らないじゃないか、そういうことで、狩猟のためには三丁あればたくさんじゃないか、そういうものは許可しません、こういう権能が公安委員会にあるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/118
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119・今竹義一
○今竹政府委員 お尋ねの三丁かどうかは別といたしまして、著しくたくさん持つような場合は、狩猟目的のために必要なものとは考えられない場合もある、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/119
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120・華山親義
○華山委員 私は何らかの意味で、あぶないものなんですから、凶器なんですから、よけいなものが世の中にあるということは、やはりとめていいと思うのですよ。それですから、たとえばこれは二丁以上持っちゃいけないとか、何らかのことでそこに制限があってしかるべきじゃないか、こういうふうに思うのでございます。現在、大体統計的に見ますと、持っておる銃とそれから許可されている人との割り合いからいいますと、どのぐらいの数字が出てまいりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/120
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121・今竹義一
○今竹政府委員 一人当たり一・一丁、こういうのが統計上出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/121
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122・華山親義
○華山委員 私は、そういうふうなことで、近い将来によけいなものが世の中にないようにひとつ御研究をお願いいたしたいと思います。
それから伺いますが、先ほど島上委員がお伺いしたかとも存じますが、猟銃の一年間の製造、それから輸入、輸出、そういうふうなことは数量的にどうなっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/122
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123・加藤博男
○加藤説明員 お答えいたします。
昭和四十年の猟銃の生産を申し上げますと、七万二千七百丁でございます。そのうち輸出が三万七千六百丁、大ざっぱに申しまして約半分輸出されておる。反面、輸入が一万八千丁ございます。したがいまして、国内向けの全部の供給量、合計約六万丁でございます。
大体以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/123
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124・華山親義
○華山委員 この六万丁と、警察のほうで新しくお認めになっている猟銃の所持とは大体合致するようでござますね、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/124
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125・今竹義一
○今竹政府委員 新規許可の場合、そういう新しく製造になりましたものと、それからいわゆるセコハンの銃をだれかが所持をやめまして銃砲店等へ売りまして、それをまた買うというのと両方ございまして、この数は私どもの統計の内訳と一致いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/125
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126・華山親義
○華山委員 私、そういうことをお聞きするつもつもりはなかったのですが、セコハンといって、猟銃店で古いものは売ってもいいのですか。公安委員会の許可を得ないで猟銃店に自分の鉄砲は売ってもいいということになっておりますですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/126
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127・今竹義一
○今竹政府委員 所持許可を得ております者が所持をやめまして、それを所持許可証と同時に譲り渡すことは認められておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/127
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128・華山親義
○華山委員 そうしますと、その所持許可証は公安委員会のほうに返ってくるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/128
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129・今竹義一
○今竹政府委員 さようでございます。猟銃店から公安委員会に届け出る、こういう義務が法律で定められております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/129
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130・華山親義
○華山委員 大臣が御用事で退席されるそうですから、その前にお聞きいたしたいのでございますけれども、私は機会あるごとに右翼あるいは暴力団と、どこに違いがあるのか存じませんけれども、そういうことばで言われるところのものにつきましては、もういかなる大臣、公安委員長がなられようとも、あるいは警察庁長官がなられようとも、ゆるめることなく断じてやっていただきたいということを申しておりますが、またそういうことを申し上げる機会がこの法律に関連して出てきたわけでございますが、国家公安委員長も警察庁長官もかわられたわけでございますので、これからも断じてやるんだということをひとつここでおっしゃっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/130
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131・永山忠則
○永山国務大臣 お説のように、不法所持あるいは法に許されないこの刀剣関係の諸問題に対しましては、断固取り締まりを厳にいたし、良民に安心した生活を送らすように最善を尽くしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/131
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132・新井裕
○新井政府委員 ただいま委員長のお答えいたしたことに尽きておりますけれども、私ども暴力団の取り締まりは最も重点事項の一つとしていままでもやってまいりましたし、今後も引き続きやるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/132
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133・華山親義
○華山委員 それからちょっと私わからないのですが、こまかなことでございますけれども、スポーツの選手に対しては所持を認めるというんですけれども、選手になるまでにやはり相当練習しなければいかぬと思うのですが、それはどうなるんですか。選手ということに推薦されたという過程で、ある程度練習して、この人は有望だということで選手に推薦されるのであって、選手に推薦される間の選手育成のためのピストルというのは一体どうなるんですか、拳銃なり猟銃。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/133
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134・今竹義一
○今竹政府委員 選手の育成の現在の形でございますが、まず空気銃から入っていくのが通常の形でございます。これにつきましては、一般の十八歳というのが十四歳まで、そういう選手の候補者の場合加盟団体から推薦を受けまして、許可を受けて空気銃射撃を始める、これもやはり許可を受けてから空気銃射撃を始めるわけでございまして、その前にそういうことをいたすことはございません。それから空気銃で実績を積みまして、有望な者はさらにライフルに進む。拳銃の選手は、これはもっぱら警察官あるいは自衛官の場合でございまして、一般人の場合はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/134
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135・華山親義
○華山委員 そういう場合には、、十四歳ぐらいの子供が空気銃を持っていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/135
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136・今竹義一
○今竹政府委員 現行法でも認められておりまして、全国で二百人くらいだと思います。推薦されて所持許可を与えられておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/136
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137・華山親義
○華山委員 推薦ということばにこだわるわけじゃございませんけれども、推薦される以上はやはりある程度の有望な人だと思う。こういうことにつきましては、何か体育会とか学校とか、そういう信頼のできるところにその責任を持ってもらう、子供に持たせるよりは、そういうふうな方法が考えられないでしょうか。かえって本人に持たせたほうが安全でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/137
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138・今竹義一
○今竹政府委員 現在の方法で個人的に推薦を受けまして——もちろん推薦するのは日本体育協会加盟のそういう団体でございまして、非常に信頼の置けるものでございます。実施の状況も、過去一回も事件、事故を起こしたことはないという状況でございまして、十分信頼が置ける、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/138
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139・華山親義
○華山委員 それでは私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/139
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140・岡崎英城
○岡崎委員長 細谷治嘉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/140
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141・細谷治嘉
○細谷委員 初めにお尋ねいたしたい点は、この法律は昨年も改正を行なったわけでありますが、今年はどういう観点から改正を行なおうとするのか、まずお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/141
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142・今竹義一
○今竹政府委員 御承知のとおり、昨年の七月に神奈川県及び東京都の渋谷におきまして、少年によるライフル銃の乱射事件が起きたわけでございます。その機会にいろいろと検討をいたしたのでございますが、まずその少年が十八歳になって直ちに猟銃の許可を受けて、しかも二丁持っている、こういう年少の少年に猟銃というような非常に危険なものを認めるべきかどうかということ。それからこの少年の場合、十八歳に達する以前は姉の名義で持っておりまして、そして十八歳に達しまして直ちに自分の名義に変えておる。これはどうも身がわりの許可であったようでございます。そういうものについて何らか規制する必要があるのではないか。さらにまた、あの事件の場合、渋谷の銃砲店で、三十発の弾倉がございまして、これを銃砲に適合して使っておるわけでございます。こういう事件がございましたので、さらにそれを機会にいろいろと最近における猟銃、空気銃による事件、事故、特に事故の状況を見ておりますと、法令の不知に基づくもの、特にさっきも申しましたが、猟銃の所持許可者がふえておりまして、そういう人たちの間で法令の不知によるいろいろな事件、事故が、特に事故がふえている状況でございますので、これに対して長期的な観点から対処すべきことをいろいろと検討いたしまして、このたびの改正案となったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/142
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143・細谷治嘉
○細谷委員 昨年の渋谷の十八歳の少年の銃砲店における事件というのが直接のきっかけになっておるようでありますが、これに関連いたしまして、昨年の二月十五日名古屋で事件を起こしておるのですね。これは精神異常者だと判断されて無罪になっておるのでありますけれども、これについてその後の経過はどうなっておるのか、知っておる範囲内でお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/143
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144・今竹義一
○今竹政府委員 現在入院治療中である、かように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/144
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145・細谷治嘉
○細谷委員 あの名古屋で起きた事件というのは、三十一歳の、名前は西村貞助という人でございますが、これはやはり人殺しをしているのですね。鉄砲を撃って、そして一人が死んで、重傷者が二人できておると思うのでありますが、本人は精神異常だということであります。これに対しまして被害者のほうから六月二十三日に、精神分裂症患者に猟銃の所持を許可したことは重大なミスがあるということで訴えが出ているのですね。そして五百三十万円をこえる損害賠償請求訴訟が名古屋地裁に出されておるわけです。これはたいへん重大な問題でありますが、どうしたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/145
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146・今竹義一
○今竹政府委員 現在訴訟の係属中であると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/146
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147・細谷治嘉
○細谷委員 ミスがあったとは思ってないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/147
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148・今竹義一
○今竹政府委員 所持許可に関する調査について、警察側の過失があったというようには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/148
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149・細谷治嘉
○細谷委員 新聞の記事ですから正確かどうかわかりませんけれども、告訴いたしました被害者側の三人の言い分によりますと、西村というのが猟銃の所持許可を警察から受けたのは昭和三十九年十二月十二日なんですね。ところで本人は三重県立大学で昭和三十九年七月十八日に精神分裂症の診断を受けておるわけです。これはミスでしょう。ミスじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/149
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150・今竹義一
○今竹政府委員 所持許可の際の調査では、身元といたしまして本籍と勤務先を調査いたしたのでございますが、当時三重県に住んでおったという前住地がわかりませんで、そこで三重県の調査をいたしておらなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/150
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151・細谷治嘉
○細谷委員 三重県の調査をしていなかったということですが、三重県に住んでおったということ、しかも三十九年十二月十二日に許可を受けたおけです。その半年前、七月十八日に精神分裂症だという診断を受けているわけです。これは被害者がミスだと言うのはやはり当然なことじゃないでしょうか。いま交通事故等がいろいろありまして精神分裂症、精神病患者に対する対策というのは、電子計算機等で万遺漏なきように体制を整えようとしているわけです。これは明らかにミスでしょう。これは人間わざの届かなかったことだ、こうおっしゃれば別のことです。しかしその三、四年前のことならともかくとして、十二月に許可を受けた。七月には精神分裂症と診断を受けているのですから、これは法的にそれがどう追及されるかは別として、ミスと認めざるを得ないんじゃないでしょうか、しかも被害者は死んでいるわけですから。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/151
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152・今竹義一
○今竹政府委員 前住地を当時必ずしも調査しなかった。前生地までを調査すればそういう事情もわかったのでございますが、前住地に対する調査を当時の要件としておりませんで、本籍、身元と現在の勤務先についていろいろ調査をいたしたのでございます。二回に及んでやっておるのでございますが、当時としては精神病者であるということがわからなかった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/152
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153・細谷治嘉
○細谷委員 精神病がわからなかったということは、ミスということばはお認めにならぬわけですけれども、これはやはりミスだと申し上げる以外にないと思うのです。渋谷のロイヤル銃砲店における対策は、この法律の改正によって、それが直接契機となって講じようとしているのでありますが、現実に起こっている西村貞助、これはどういうふうに講ずるお考えでしょうか。これはひとつ長官がいらしゃるからお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/153
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154・今竹義一
○今竹政府委員 この点につきましては、当時の本委員会でも附帯決議の趣旨もございまして、銃砲の所持許可の申請をする際には、精神病者でないという医師の診断書を添付するように総理府令の手続を改めまして、そういう手続によりまして精神病者を排除する、こういう措置をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/154
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155・細谷治嘉
○細谷委員 それで確実が期せられますか。だれだって精神病者ということは隠したいのですから、何年前かにそういう精神分裂症だということを診断されて、私は精神病でございますと申告してくる者はおらぬでしょう。いまのものは警察庁としてはミスじゃない、不可抗力であった、こうおっしゃるのでありますから、今後も同じような不可抗力が同じ頻度で起こると考えなければならぬのでありますが、この辺いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/155
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156・今竹義一
○今竹政府委員 精神病でないという医者の診断書を添付することにいたしたのでございます。これは他の立法例でもそういうような場合の診断書は医師、こういうことになっておりますので、医師の診断書を添付することにいたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/156
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157・細谷治嘉
○細谷委員 その医師の診断書というのは、その人が生まれてからの一生を通じてのそういう診断でございますか。そういう精神病であるかないかという医師の診断というのを必ず添付するという義務になっているのですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/157
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158・今竹義一
○今竹政府委員 医師の診察を求めて、その医師に、精神病でない場合は精神病でないという診断書をもらって許可申請の書類に添付してくる、こういうふうに総理府令を改めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/158
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159・細谷治嘉
○細谷委員 そうしますと、許可するにあたっては、精神病であるかないかというぴしゃっとした医者の診断書をつけなければ許可申請の条件は整わない、こういう形でやっておるということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/159
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160・今竹義一
○今竹政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/160
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161・細谷治嘉
○細谷委員 なおその辺は不安心なところがありますけれども、かなり慎重にやっておるようでありますから、これはその程度にいたしたいと思います。
次に、順を追ってお聞きしたいのでありますが、許可の基準の五条と五条の二と三というのはどういう関係なんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/161
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162・今竹義一
○今竹政府委員 五条は一般的に銃砲刀剣の許可の場合の一般の基準であります。五条の二は、そのうち猟銃及び空気銃についての許可の基準の特例でございます。五条の三は五条の二を受けまして、講習会の規定を定めたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/162
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163・細谷治嘉
○細谷委員 五条は一般的なもの、二は特例、そういうことであります。この特例で二十歳ということで線を引いた理由はどういうことでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/163
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164・今竹義一
○今竹政府委員 猟銃につきましては、その威力も相当なものでありまして、きわめて危険なものでございますので、一般の銃砲以上に年齢を高めたのでありますが、二十歳と定めました趣旨は、狩猟法による狩猟免許を得られる年齢が二十歳である、及び少年法の適用の上限が二十歳未満である、さらに一般の私法上の権利においても、二十歳において成人に達するというような、他の法律の例にもかんがみまして二十歳が適当である、かように判断したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/164
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165・細谷治嘉
○細谷委員 資料としていただいておるものに、銃砲の所持の年齢別の許可状況というのはわかるわけでありますが、これに対して、年齢別の事故の状況というのはおわかりになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/165
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166・今竹義一
○今竹政府委員 年齢別の事故の問題でございますが、これは所持許可を未成年者に与えた場合及び成年者に与えた場合、その猟銃あるいは空気銃の事故でございますが、昭和三十九年の場合で、未成年者に所持許可を与えた猟銃の事件が三件、事故が四件、合わせて七でございます。そこで、年度は必ずしも一致しておりませんが、昭和四十年七月末の許可総数が三百二十九丁、こういうことになっておりますので、それで割り返しますと、二・一%の事件、事故が発生いたしておる、こういうことになるわけであります。同じ昭和三十九年の猟銃の成年者に与えたものによります事件が五十、事故が百七十二でございまして、総計二百二十二、これをその当時の許可数五十万丁で割り返しますと〇・〇四%、こういう統計になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/166
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167・細谷治嘉
○細谷委員 この成年者、未成年者というのは、二十を境にしたのでしょう。この成年者のたとえば二十五とか、二十五から三十、三十をこえた者、こういうような状況はわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/167
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168・今竹義一
○今竹政府委員 いまの私が申し上げましたのは、二十歳未満の者に所持許可を与えました銃砲の事故、あるいは二十歳以上に所持許可を与えました銃砲の事故でございますが、これと離れまして、一般的に年齢別にどういう事件等を起こしておるか、自分の許可であり、あるいは他人、無許可のものを全部一切がっさい含んでおりますが、その状況を申し上げますと、十八歳未満の猟銃による——これは犯罪のみでございますが、犯罪も殺人強盗、強盗強姦、強盗傷人、普通強盗、強姦、傷害、恐喝に限定いたしておりますが、十八歳未満のものが五件、それから十八歳から二十歳未満のものが七件、二十歳から二十五歳までが十八件、二十五歳から三十歳までのものが二十八件、三十歳以上のものが三十九件、全部で九十七件、これは員数でございまして九十七人、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/168
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169・細谷治嘉
○細谷委員 私はいまのお答えで、必ずしも二十歳というのは、ただ成年男子ということで切ったので、現実的ではないのじゃないか。これを見ますと、二十五歳から三十歳ぐらいに山があるのですね。あるいは二十から二十五で十八もあるのですから、かなり多い。十八から二十は七でありまして、二十から二十五では十八ですから、ちょっと三倍近い事故になっていますね。先ほどお答えの未成年者と成年者、これは五十万丁の中と三百二十九丁のこれを比べて割ってみますと、一方は二二%だ、一方は〇・〇四%だというのは、ちょっと竹と木をつないだような議論じゃないかと思うのですよ。ただ割合で、いや未成年者が圧倒的に多いのだ、一方は〇・〇四%だ、一方は二二%だ、竹と木を比較して議論しているような感がある。三百と五十万とは比べようのない数字なんですね。その比率を出して、それでこうですというのは、ちょっと飛躍した議論ではないか。私は、現実の問題としては、二十というのはどうも法律を改正する趣旨からいきますと、この動機からいきますと、必ずしも当たっておらないのじゃないかという意見を持っているのですが、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/169
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170・今竹義一
○今竹政府委員 あとで申しました数字は、自分が許可を得ておるもの、あるいは無許可のもの一切がっさい含めて、そういう猟銃で犯罪を犯したものの数字でございます。ただ、ここで、所持許可を与えるか与えないかという年齢を定めます際には、やはり所持許可を与えた年齢で判断をいたしまして、そして若年の者には率が高いから与えない、こういう許可とその犯罪との関係、こういう数字をとったわけでございます。
なお、二十歳よりももっと高年齢でいいんではないか、こういう御趣旨でございますが、狩猟免許も二十歳から入れる、こういうことになっておりますので、私どもは二十歳の限度が最も適当である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/170
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171・細谷治嘉
○細谷委員 長官にお尋ねしたいのですが、どうもやはり二十歳が適当だという判断だけなんですよね。狩猟というのは、これは生計を営むわけですからね。たとえばおやじがなくなった、二十歳から家を立てていかなければならぬ、こういうことになるのですから、いいと思うのですが、この銃砲を持っている人は商売じゃないわけですね。趣味で、先ほども華山さんの質問にあったように、鉄砲を何か並べていれば気持ちがいいというのがおる、撃っていれば気持ちがいいというのがおるのですからね。そういう趣味なんですから、生計と直接に関係ないわけなんですから、必ずしも狩猟年齢が二十歳だということにこだわらないで、もっとやはり安全という意味において、狩猟は二十歳でもけっこうでありますけれども、この年齢は二十歳ということに狩猟と合わせるという形じゃなくて、やはり安全ということが大切でありますから、上げる御意思はないかどうか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/171
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172・新井裕
○新井政府委員 先ほど保安局長からお答えいたしましたように、私は、現状とすれば、二十歳が一番適当じゃないか。いま細谷委員の御意見もございましたけれども、狩猟目的ですね、今度は銃砲の機能、それから目的というものを適合させて管理をきつくしよう、こういうことでございますが、狩猟というものは相当大きな目的の中に入っておりますので、それと平仄を合わせるのが一番いいのじゃないかということで考えております。
ただ、御指摘のように、二十歳から二十五歳までの犯罪が非常に多いじゃないか、こういうことでありますが、犯罪全部について見ましても、昭和四十年に全部で七十万人の検挙がございましたうち、二十歳から二十五歳の年齢が一番多くて、約十六万七千ございます。これに対しまして、十六から二十までのものを含めまして、十二万九千でございますから、確かに御指摘のように、これに対応する人口と比べまして、二十歳から二十五歳というのは活動的であり、したがって犯罪を犯す。これは同じように猟銃その他による事故の数字にもあらわれていることは、確かに御指摘のとおりでございますけれども、われわれとしては、そういうふうに一般的に相関連したものを考えれば、二十歳というのは最も妥当じゃないかということで御提案を申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/172
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173・細谷治嘉
○細谷委員 立案者としてはそう答える以外にないと思うのですけれども、私は、狩猟等は別といたしまして、趣味でおやりになる方は、すねっかじりのうちに鉄砲を持って歩くというのは好ましくないのじゃないか。やはり心身ともに一人前と考えられているのは二十五歳ぐらいですから、どうも先ほどの事故の数字等からいきまして、せっかくこれを踏み切ったのでありますから、二十五歳ぐらいに上げたほうが、法の目的が達成できるのじゃないかと私は思う。これは趣味なんですからね。業とする人は私はいままでどおりでいいと言っているのです、そういう人はあまり事故を起こしておらぬのですから。私はそういうふうに思っております。思っておるというよりも、確信しているのです。それのほうがよろしいのじゃないか。どうもやはりこういう法律をやりますと、先ほどお聞きしたように、あとを追っかけていっているのですね。毎年毎年法律を変えて、何かというと、前年必ず事故が起こっておる、それにヒントを得たというとおかしいのでありますけれども、それがきっかけになって法律改正をやっている。何のことはない、事故を追っかけていく。一向、一歩でも半歩でも先に出ようというお考えはないと私は言わざるを得ないのであります。昨年の改正もそのとおりですね。今度の改正もそうです。事故を追っかけていっている。追いつき追い抜く、こういう心がまえがないんじゃないかという気がいたすのであります。私は、この二十歳というのは、この法律改正の趣旨からいきますと十分でないという意見を強く申し上げておきたいと思うのであります。
そこで、次にお尋ねしたいのでありますが、今度は五条の二、五条の三というものを新しく設けまして、基準の特例というのをつくったのであります。講習会というのをやるわけでありますが、この講習会というのは政令にゆだねられているわけであります。どういう形でおやりになるのか、お尋ねしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/173
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174・今竹義一
○今竹政府委員 講習会につきましては、まずその講習期間でございますが、法令の講習が二時間、猟銃等の構造、取り扱いが一時間、考査が一時間、全部で四時間程度予定いたしております。また、警察署で実施する予定でございまして、県内の警察署をたとえばブロック単位等に割りまして、そうしてどこかの警察署で毎月一定の日に行なわれておるというふうに、各府県における受講者の数、交通の便その他の事情等を勘案しまして、実情に即するよう実施いたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/174
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175・細谷治嘉
○細谷委員 何か仄聞するところによりますと——大体これは都道府県単位でおやりになるのでしょう、公安委員会がやるわけですから。月一ぺんくらいやる。年間三万か四万くらいだろう、こういうふうな想定に立っていらっしゃるようでありますが、私が仄聞しておる数字というのは当たらずといえども遠からず、こういうふうに考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/175
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176・今竹義一
○今竹政府委員 大体十万人くらいが新規許可の対象でございまして、うち六万人くらいは、狩猟者講習を経て銃砲の所持許可を申請しており、残り四万人くらいがこの講習の対象になる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/176
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177・細谷治嘉
○細谷委員 四万人。そうしますと、これはたいへんな事務ですね。後ほど、また附則の問題で御質問したいわけでありますけれども、講習をやるわけですから、一回の講習というのは、いろいろな点について実技なりあるいは原理なりを教えるということになっておると思うけれども、五百円の手数料を取るということですね。四万人とすると大体二千万円くらいなんですが、人間もふやさなければいかぬでしょう。これはどうなんですか。既定の人間でおやりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/177
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178・今竹義一
○今竹政府委員 全国では四万人でございますが、一府県に割りますと大体九百人くらいになる、八百七十人くらい、こう考えておるわけでありますが、これを三十人くらいの単位でやりますと年間三十回、こういうことで、一警察署に割りますと、大体年間一・五回程度講習を実施する、こういうことになるのではないか、こう考えております。この程度の事務量であれば既存の定員で処理できる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/178
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179・細谷治嘉
○細谷委員 既存の定員でやってけっこうでありますけれども、この前私は長官に御質問したんですが、警察官はふやさなければいかぬ。交番勤務なんてたいへんなことだ。これも三交代制にしなければ警察として十全を期すことはできない、こういうことでありましたので、そうすると、ただもうけとは言いませんけれども、二千万円といえば、これは人間はふやさぬわけですから、ほとんどただもうけということになりますね。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/179
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180・今竹義一
○今竹政府委員 いろいろ算定をいたしておるのでございますが、講習のためには光熱、水道その他各種の印刷、製本のたぐい、あるいは施設の問題等もございますので、五百円という金額はこの講習に必要な経費である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/180
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181・細谷治嘉
○細谷委員 実は二千万円と申し上げたんですけれども、これから四十六年ぐらいまでにわたって、長期計画で再交付するわけでしょう。そうすると、銃砲が五十万丁、空気銃が三十万丁ありますから、合わせて大体九十万丁ぐらいあると思うのですね。そうすると、五百円以下、幾らにきまるかわかりませんけれども、たいへんな金が入りますね。九十万丁で五百円というと、四億五千万の金が入ってくるわけですね。これも人間はふやさないんでしょう。五億円ばかりの金が入ってくるわけですね。ただもうけとは言いませんけれども、大体実費だとこうおっしゃるんですけれどす……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/181
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182・今竹義一
○今竹政府委員 先ほども申しましたように、講習を受けますのは十万人のうち四万人と言いますように、六万人ぐらい、つまりこれからの八十八万丁の際にもかなりの数の、六割程度以上の者が狩猟者講習会のほうの手続を経てきますので、その者はこの講習を受けなくともいい、かように考えておりますので、その九十万人の四割程度ということになりますので、さような金額にはならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/182
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183・細谷治嘉
○細谷委員 今度の附則の五項ですね、「この法律の施行の際現に旧法第四条第一項第一号の規定による」ものについては、一定の期日までに更新をしなければ失効するということになっているわけです。これを見ますと、私は、これだけ大きな問題が起こり、そして法改正をするということになったわけですけれども、ずいぶんスローモーだと思うのですね。この法律が効力を発するのは四十二年の一月一日でありますから、それからすぐ事務を始めまして、二十一年から二十九年までの十カ年近いものは四十二年の四月三十日まで一ずっと一覧表ができております。私はふしぎに思いますのは、最初は二十九年まで一緒にやる。それから三十年から三十一年まで、三十二年から三十三年まで、三十四年から三十五年までと、二年ずつやる。そうしてそれは四十三年の十月三十一日までやるというわけですね。そうすると、その後の三十六年以降と三十五年までの許可の銃砲の数を見てみますと、三十五年までに三十六万丁の猟銃と二十八万八千丁の空気銃をやっちゃうというわけですね。そうしてあとの三十六年から四十一年まで、三十九年の統計によりますと、大体猟銃が五十万丁、空気銃が三十八万五千丁でありますから、その差なんです。そうしますと、猟銃というのが、差し引いた十三万丁くらい、それから空気銃が十万丁くらい、これをどのくらいかかるかといいますと、今度は一年ごとくらいにやっていくのです。新しいのは少し息を抜いてもいいということなんです。これはそうもいかないでしょう、西村貞助みたいなのがおるのですから。いかがです。私は端的に言えば、二年分ずつを消化していくということでありますから、件数からいっても四十五年の四月三十日までに終わるはずだ、そう思うのでありますが、この点いかがですか。これは早いほうがいいのですよ、法律はそのためなんですから。永久の許可権というのをぴたっと今度更新するわけなんですから、早いほうがいいのです。なぜここで延ばしたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/183
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184・今竹義一
○今竹政府委員 八十八万丁でございますので、単純に五年間で平均いたしますと、約十七万六千、こういう数に相なるわけでございます。そこでこの割り方は、そういうのを事務的に考えまして、五年間にできるだけ事務量として均等にするという考え方と、それからまた三十四年から三十五年までというようにはっきりと銃砲の所持許可者にも明確にわかるという年ごとに割ったのでございます。そこでたとえて申しますと、最初の二十一年から二十九年までのものが約六万二千丁、三十年から三十一年までのものが約七万九千丁ございまして、これを両方合わせますと、約十四万丁くらいある。またその次の四十三年に行ないますのも、前半が六万丁で、次が九万六千丁で、約十五万六千。それからその次の四十四年に行ないますのも、前半が六万九千で、後半が十一万一千というようなことで、約十八万丁くらい。こういうように実態の調査をいたしまして、そういうことで各府県ごとに調べまして、こういうふうに割ったわけでございます。なお本則のほうで更新の期限を五年、こう定めておりますので、附則の期限に所持許可になっておりますのも全部五年である、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/184
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185・細谷治嘉
○細谷委員 五年ときめてあるから五年に割り振ったというのでありますが、いま数字を大体どのように分けたのだということで、私が申し上げたようなきちっとした年度ごとの資料に基づいたということでありますが、三年半くらいでできると思うのですよ。これは参議院でも問題になったでしょう。せっかくのことなんだから、ひとつロイヤルのようなああいう事件が起こらないように早くやってほしい。二年か三年くらいでできないものかということは参議院でも非常に強くいわれたと思うのです。私も全く同感なんです。四億前後の更新の金が入ってくるわけですし、やればできるんじゃないかと思うのです。やればできるでしょう。これは、五年というのはずいぶん長いですよ。その間にまたロイヤルのような事故というものはないとも限らぬ。現にもうこの間、京都では警官が拳銃をとられてやられておるのですから。西村貞助の問題がある、この間の渋谷の事件もある、こういうことであります。そのほかにたくさんの事件がおたくのほうの資料であるわけでありますから、早いほうがよろしいのではないでしょうか。ただもうけじゃありません、そのくらいの金は要るということでありますが、若干の金は出しても一年でも早くおやりになったほうがよろしいのではないでしょうか。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/185
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186・今竹義一
○今竹政府委員 本則が五年の更新制をとっておりますので、附則のものについても五年の更新制によるのが妥当である、かように考えております。なお、この間における眠り銃その他の所持をさすべきでないような銃砲の問題につきましては、検査の際あるいはその他の機会を通じまして、法改正の趣旨を十分徹底いたしまして、更新と相まちまして検査その他の方法によって、そういう不測の事故が起こらないように十分に、懸命に努力してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/186
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187・細谷治嘉
○細谷委員 私が言うのは、本則がおかしいんだと申し上げておるのですよ。おかしいと言いません、本則をもっと急ぐべきだということを申し上げておるのですよ。それにお答えがなくて、本則が五年なんだから、それに合わしたんだ、表をつくったんだということになると、私の答えにならない。本則を三年くらいにしたらどうかというのが私の主張なんです。この附則の五項の表からいっても、三年くらいでやり得るのではないか、また、それのほうがこの法改正の目的に沿うじゃないか、だから本則を改めなさい、こう言っておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/187
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188・今竹義一
○今竹政府委員 私どもも立案の過程におきまして、いろいろ三年、五年の問題を慎重に検討してまいったのでございます。その一つは、この更新制の対象が銃砲という、物の変化の時期を見るものとしてはどういう年限が適当であるか、またそれを所持しておる人の性格あるいは身体的条件の変化を、区切って、更新をする時期としては何年が適当かという問題をいろいろ検討いたしまして、対物許可という面から、物はそう早く変化するものではないから五年が適当である。さらに、また、このねらいが継続所持の意思があるかどうかということを確認するものでございますので、そういう継続所持の意思の確認の区切りとしても五年が適当である。さらに、検査という制度がございます。それと両々相まって取り締まりの密度を高めるという趣旨でございますので、そういう点からかんがみても五年が適当である。かてて加えて、更新に際しましては十分慎重な調査の手続その他が要りますので、かなりの事務量と相なる、新規許可ほどではないと思いますが、新規許可に類する程度の事務量もございますので、そういう事務の負担の問題、また新たにこういう制度をつくりますので、国民の負担等も考えまして、五年が適当である、かように判断いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/188
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189・細谷治嘉
○細谷委員 話が平行線であって、これも人はふやさないのですね。ずばり言うと片手間にやっていく、そういうことでしょう。現員でやっていくということでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/189
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190・今竹義一
○今竹政府委員 片手間ではございませんが、現員でやってまいるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/190
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191・細谷治嘉
○細谷委員 片手間ということは、少しことばが過ぎたのでありますが、やはり私は若干の人間はふやしても、これほどの重要な問題でありますから——だれがやられるかわからないわけですね。やられた人は、それは数は少ないですよ。一億の民がおるのですから、数は少ないのでありますけれども、それはもう物騒でかなわないだろうと思います。きのうはこまどり姉妹が刺されたのですからね。だれがやられるかわからぬわけですから、これはやはり治安という形からいっても、人をふやしても、どうせ警察は人は要るのですから、これが終わったら次の仕事に発展的に解消してもよろしいわけですから、あくまでも五年に固執するというのは、原案をつくったのでメンツにかけて理屈を述べているような感じがするのです。私はどうもいまの答弁では納得できない。まあしかし時間もありませんから次に進みます。
ところで、片手間じゃない、とにかく本職としてやるのだ。ただもうけでもない、そのくらいの経費が要るのだ。お尋ねしたい点は、今度は手数料を取ることになるわけでありますが、二十九条に都道府県の規則で定めろ、とこう書いてあるのです。都道府県条例によらないで、どうして都道府県の規則ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/191
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192・今竹義一
○今竹政府委員 各都道府県におきましては、都道府県条例によって手数料を徴収する根拠規定が設けられるわけでございますが、その金額は都道府県規則で制定されるもの、かように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/192
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193・細谷治嘉
○細谷委員 そうしますと、手数料は幾らということは規則できめ、そうしてその根拠規定というのは条例でいく、二本でいくというわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/193
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194・今竹義一
○今竹政府委員 さように理解いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/194
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195・細谷治嘉
○細谷委員 佐久間局長見えておりますからお聞きしたいのでありますが、自治法二百二十七条「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる。」二項は、これはまあ委任事務のことになるわけでありますが、一体手数料というのは自治法でどういうふうにきむべきだというお考えに立っているのか、どういうふうに指導しているのかお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/195
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196・佐久間彊
○佐久間政府委員 手数料につきましては、この条文に書いてございますように、特定の者のためにする事務につきまして徴収することができるということになっておりますので、特定の個人の要求に基づきまして、主としてその者の利益のために行なう事務については手数料を徴収することができる、かような解釈で指導をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/196
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197・細谷治嘉
○細谷委員 これは別表三の機関委任事務ということでいまおっしゃったような手続をとろうということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/197
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198・佐久間彊
○佐久間政府委員 この銃刀法の関係は機関委任事務ということになろうかと存じます。したがいまして、二百二十七条の関係では第二項の場合でありまして、第二項で、「他の法律に定める場合のほか、」その「他の法律」が銃刀法に当たるものと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/198
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199・細谷治嘉
○細谷委員 理屈は自治法の別表三の四の(七)に「銃砲刀剣類所持等取締法の定めるところにより、狩猟等の用途に供する銃砲又は刀剣類の所持等の許可に関する事務等を行うこと。」となっているんですがね。これに基づいて合法的に当然これはこの二百二十七条の二項で、規則でいいんだということであるならば、先ほど言ったように基本は条例でやって、そうして金額は規則できめる、そんな手間どる必要はないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/199
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200・佐久間彊
○佐久間政府委員 条例を要するかどうかという点につきましては、なお私もよく検討をしてみたいと存じます。御指摘のように二百二十七条の第二項の規定によりますと、これを受けまして二百二十八条におきまして「法律又はこれに基づく政令に定めるものを除くほか、規則でこれを定めなければならない。」こう書いてございますので、その関係ではどっちでも規則でいいということになろうかと存じます。なお、いずれにいたしましても、この銃刀法が法律自体で「規則で定める。」こういうことに明確に書いてございますので、その点は問題がないんじゃないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/200
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201・細谷治嘉
○細谷委員 この「保安警察全書」というのの百六十八ページにこう書いてあるんですよ。「国の機関委任事務たる右の事務に関する手数料の徴収は、別に都道府県に団体委任する趣旨を示しているのである。したがって、都道府県は、地方自治法の定めるところに従って、この権限を条例で規定し金額については都道府県規則で定めることとなるのである。」答弁のように書いてあるんですよ。自治法の二百二十七条とそれから二百二十八条の関係でいけば、こんな警察全書に書いてあるようなまだるっこしい必要はないでしょう。二項のように機関委任だから、まだるっこしい必要はないでしょう。私が質問したいことは、大体自治省の手数料等のものについては、条例なり規則のいずれでもいいんだけれども、大体そういうものは条例によるべきだ。選択権はあるけれども条例によるべきだというのが、住民負担等に関連する手数料に関する基本的な自治省の指導方針だったんじゃないか、こう思うのです。これは機関委任事務でありますから、違法だとかなんとか私は言っているんじゃないけれども。しかもこういう問題というのは、知事だけじゃなくて、公安委員会だけじゃなくて、やはり議会も広く認識していただく、こういうことが世論を喚起する意味において効果があるのだろうと私は思うのです。そういう点について私は問題点を投げかけておるわけです。佐久間局長、もっと検討したいということでありますけれども、どうもこの辺がはっきりしてない。権限は条例できめる、金額は規則できめる、こういうふうに警察は解釈のようでありますけれども、法律そのものを適用していくのならそんな必要ないでしょう。これはもうちょっと解明していただきたいと思います。私ももっと調べてみなければいかぬのでありますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/201
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202・佐久間彊
○佐久間政府委員 二百二十七条の第一項は団体事務についてのことでございますから、これは、団体が徴収するかどうかということにつきましては、二百二十八条で当然条例の根拠がなければならない。二百二十七条の第二項は、これは機関委任事務についてでございまして、この場合には他の法律で根拠があるか、あるいは政令の定めるところ——これはまあ地方公共団体手数料条例でございますが、そこに根拠がございますれば手数料を徴収することができる、そしてその額等については二百二十八条の第一項で規則で定める、そういうふうに読んでもよさそうに思うのでございますが、しかし機関委任事務の場合におきましても、その法律なり政令の定めに基づいて文部省にその団体で徴収するかどうかについてあらためて条例をやったほうがいいのだ、こういうような御解釈もあるようでございまするし、その点につきましては、なお私ももう少し検討をしてみたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/202
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203・細谷治嘉
○細谷委員 その点、私も疑問を残しつつ、きょうはこれ以上申し上げないのでありますが、最後に一点お聞きしたいのであります。
空気銃のたまはどうするのでしょうか。火薬の取り締まりは昨年名古屋の事件があって問題になって、そして火薬の取り締まりをしなければ、いかに鉄砲のほうだけかまってもだめだ、こういう附帯決議もついて、今度はこの火薬類取締法が改正されて、この部分については都道府県公安委員会に権限が移ったわけですけれども、これは火薬だけであって、空気銃のたまはどうなんですか。この資料によりますと、空気銃も事故を起こしているのですね。死んでいる人もいるのですよ。たとえばこの資料の六〇ページ、空気銃で二人死んで、傷ついた人が四十二人おるわけです。空気銃のたまは野放しですか、お尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/203
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204・今竹義一
○今竹政府委員 猟銃のたまにつきましては、現行法におきましても火薬類取締法の規制の対象でございまして、その譲り渡し等の許可の権限を今回知事の権限から都道府県公安委員会に移しまして、猟銃を一元的に管理いたそうというものでございます。空気銃のたまにつきましては、たまそのものは金属のかたまりでございまして、それ自体に必ずしも危険性はないものでございますので、現行法でも、たま自体は取り締まりの対象になっておりません。私ども、空気銃のたまについては、そのたまの譲渡を法規制の対象にするということは困難ではないか、その面においては空気銃の所持そのものを規制して事故等の起こらないようにしていく、こういう考え方でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/204
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205・細谷治嘉
○細谷委員 理屈がおかしいでしょう。それなら火薬のほうも銃砲そのもので規制していけばいいでしょう。火薬なんというのはおたくの関係じゃないでしょう、通産省の関係でしょう。それをわざわざここに持ってきて改正しているでしょう。あぶないのは空気銃だってあぶないでしょう。たまはなぜ規制しないのです。筋道からしておかしいじゃないですか。片手落ちですよ。なるほど一番あぶないのは銃砲でしょう、散弾等あぶないのですから。しかし空気銃だってあぶないということは統計に出ているのですよ。なぜ入れられないのですか。それは火薬類取締法等の中に書くことはできないでしょうけれども、あぶないことは事実ですよ。鉄砲のほうだけやったって、たまが幾らでもあればどうでもなるのですから、あぶないじゃないですか、これは。死人はなるほど火薬のほうほどありませんけれども、空気銃のたまを見落としているのは、これは上手の手から水が漏れていますよ。筋道からいけば、そうでしょう。銃を押えて火薬を押える、空気銃を押えたら、たまを押えるのはあたりまえでしょう。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/205
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206・今竹義一
○今竹政府委員 空気銃が危険なのは、もちろん空気銃だけで危険なのではなくて、たまによって危険であるという御趣旨はよくわかりますが、ただ、空気銃のたまそのものを規制していくということは法律的にはかなりむずかしい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/206
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207・細谷治嘉
○細谷委員 どうして空気銃のたまが法律的にむずかしいのですか。むずかしいことはないと思うのですよ。同じことでしょう、火薬だって規制することは。たとえば空気銃を持っている人が許可証を持ってきたならば、この程度と、量を規制するとか、こういうことは必要でしょう。その辺を規制しませんとこれはつまらぬと私は思うのですよ。せっかくの法律でありますから、そこまでやはり安全をとったほうがよろしいのじゃないか。まだほかにありますけれども、これは片手落ちなので私は申し上げている。空気銃で事故が起こったら、また来年たまを規制しますなんということになるとこれは困るのですよ。片手落ちなのですから、ちょっとお考えいただいたほうがいいのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/207
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208・今竹義一
○今竹政府委員 確かにたまがあることによって空気銃の危険性が出るわけでございますが、空気銃のたまそのものは鉛のかたまりというようなもので、類似のものがどこにもかなりいろいろございまして、それをどういうふうにして法的に規制していくかという規制の法的技術の面で慎重に検討を要するものがある、かように考えております。御趣旨の点につきましてはさらに検討してみたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/208
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209・細谷治嘉
○細谷委員 私は最後に申し上げておきたいのでありますけれども、各官庁のなわ張り争い、たとえば火薬類の取り締まりについては通産省が持っておって警察は手が及ばぬ、こういうことから、銃は取り締まったけれども火薬は野方図、今度は幸いそれを規制する方途を講じたわけですけれども。それはなるほど鉛だまでありますから、そのこと自体はあぶなくないでしょうが、そういうことをおっしゃるなら、火薬だって、こわいのは鉄砲のたまに詰められてからこわいのである。もっとも火薬は爆発します。爆発しますけれども、鉄砲のたまのあれにならぬ限りは、そのこわさは違うんですよ。そういう点で、空気銃というのは現にかなりの事故を起こしているし、死人も生じているわけですから、この法律の趣旨からいって規制すべきだ。しかも、これは通産省とか、どこにも関係ないでしょう。関係ないんですから、警察庁としてやはり規制をしていくべきじゃないか、私はそう思うのです。これは法律全体の形態、各官庁のあり方、こういう問題との関連もありますけれども、私の率直な意見を申し上げておきたいと思います。
答弁についていろいろ不満な点がありますけれども、きょうのところは、この問題はこれで打ち切っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/209
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210・岡崎英城
○岡崎委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104720X03119660510/210
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