1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十一年二月二十二日(火曜日)
午前十時三十五分開議
出席委員
委員長 砂原 格君
理事 加藤常太郎君 理事 上林山榮吉君
理事 佐藤洋之助君 理事 内藤 隆君
理事 栗原 俊夫君 理事 畑 和君
理事 森本 靖君
綾部健太郎君 小渕 恵三君
大野 明君 金丸 信君
木部 佳昭君 佐藤 孝行君
徳安 實藏君 服部 安司君
本名 武君 片島 港君
中井徳次郎君 前田榮之助君
佐々木良作君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 郡 祐一君
出席政府委員
郵政事務官
(貯金局長) 稲増 久義君
委員外の出席者
専 門 員 水田 誠君
—————————————
本日の会議に付した案件
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
提出第六一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/0
-
001・砂原格
○砂原委員長 これより会議を開きます。
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。森本委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/1
-
002・森本靖
○森本委員 今回の郵便振替貯金法の改正については、昨年の十月に為替貯金事業の近代化に関する答申が郵政審議会から出されまして、この答申を受けておそらくこの改正案が出たと思うわけでありますが、ただここでまずお尋ねしておきたいと思いますことは、この審議会の答申そのものについて一体どういう取り扱いをしたのか。この郵政審議会の為替貯金事業の近代化に関する答申というのは、単に郵便振替だけでなしに、郵便為替さらに郵便貯金、この全般についての答申をしておるわけでありますけれども、現実に今回の改正案として出ておりますのは、この中で郵便振替貯金に関する事項だけでありまして、その辺の内容についてひとつ御答弁を願いたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/2
-
003・稲増久義
○稲増政府委員 お答え申し上げます。
答申案の大きな点は四つございますが、為替につきましては現金書留制度との関連を考慮せよというふうな点でございます。二点の振替は、今回法案を提出しましたように料金を下げ、そのかわり利子を廃止しろというものでございます。三点は郵便貯金関係でございますが、これは利子のつけ方等の示唆もございましたが、大きな点は、貸し付け制度を何らかの形で考えてはどうかということでございます。四点といたしましては、郵便貯金の機械化を合理的に推進すればどうか。以上四点が大きな点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/3
-
004・森本靖
○森本委員 その大きな四点を何ぼ説明したところで、今度の法律の改正案に出てきておらぬのはどういうことかと聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/4
-
005・稲増久義
○稲増政府委員 第一点の為替の点は、省といたしまして、郵便為替にしろ現金書留にしろ、いろいろ一長一短はございますので、国民にその選択をゆだねるほうがいいというふうな考え方で、これをどうこうしようという考えは持っておりません。振替につきましてはただいま提案をしたような案でございます。貸し付け関係につきましては、われわれは一応郵便貯金金融公庫案をもちまして大蔵省と折衝を続けたわけでございますが、いろいろな予算編成上の方針から日の目を見なかったというのでございます。機械化につきましては、これは事務的な段階で鋭意開発につとめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/5
-
006・森本靖
○森本委員 貸し付けはわかったけれども、そうすると、この為替貯金の答申の八ページの「定期性貯金で最も利用の多い比較的短期間預入のものに対する郵便貯金の利率が、民間に比べて低く定められていることに基因するものと思われる。零細貯金保護の見地からいえば、短期の貯金利率についても、民間金融機関との均衡」云々、これはいいわけですが、その次のイの項ですね。「利子付与方法の改善」、「通常郵便貯金の利子は、現在年利の月割計算の方法を採用し、十五日までの預入金には当月から、十六日以後の預入金には翌月から利子をつけ、また、払いもどしの月には利子をつけない仕組みとされており、他方、民間金融機関の普通預金は、預入の日から払いもどしの日の前日まで利子がつく日歩計算によっている。」こういうことについては一般の民間銀行と同じようにしたほうがよろしい、こういう答申が出ておるわけであります。これは非常に重要な点でありますが、これについてはどういうわけで今回改正をしていないか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/6
-
007・稲増久義
○稲増政府委員 この点につきましてはもちろん、この答申が金融機関の利子の付与の方法といたしましては常道でございますが、現在私たちの事務的な点から日歩計算ができないというので機械化をやりました暁には、この点を解決し得る。この点の解決は将来の機械化にゆだねておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/7
-
008・森本靖
○森本委員 事務的にできないというのはどういうところで事務的にできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/8
-
009・稲増久義
○稲増政府委員 日歩計算にいたしますれば、地方貯金局におきましてそのために相当数の要員が必要になってまいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/9
-
010・森本靖
○森本委員 どの程度の要員が全国で必要ですか。ええことはどんどんやることにしなければいかぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/10
-
011・稲増久義
○稲増政府委員 ただいまちょっと手元に数字がございませんので、さっそく調査いたしまして御答弁いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/11
-
012・森本靖
○森本委員 これほど大事なことを、手元に数字がないとは法案の審議はできません。これはちゃんとれっきとした郵政審議会の答申案として郵政省に出ておるわけであります。しかもそれを受けて今回の法律の改正案が出ておるわけであります。この審議会の答申については、郵政省としては相当詳細にこれを審議したはずでありますので、私は聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/12
-
013・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま概算にいたしますと、三千人から四千人の間の数字になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/13
-
014・森本靖
○森本委員 それではちょっとお聞きしますが、過日私は軍人恩給をもらうことになりまして、軍人恩給証書がきたわけであります。この軍人恩給証書は熊本の貯金支局が発行しておるわけですが、これはどういうわけでそうなっておりますか。これは元来徳島貯金支局が発行する問題であろうと思いますが、それが熊本からくるということはおそらく二日以上おくれると思いますが、これはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/14
-
015・稲増久義
○稲増政府委員 これは地方貯金支局の業務の分担の問題でございますが、集中処理というふうな関係から、熊本に全部同種の事業を集めておる関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/15
-
016・森本靖
○森本委員 それはそういうことでなしに、熊本貯金支局と徳島貯金支局とでは業務の内容と人員が違うからそういうことになっておるのじゃないですか。熊本貯金支局にそれじゃ全部集中するということになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/16
-
017・稲増久義
○稲増政府委員 集中処理というたてまえから、熊本に全部集中するたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/17
-
018・森本靖
○森本委員 それでは郵政省の便、不便によって国民に不便をかけてもかまわぬ、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/18
-
019・稲増久義
○稲増政府委員 便、不便の点から申しますれば、いろいろ見方もあろうかと思いますが、われわれとしてはなるべく不便をかけないようにやってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/19
-
020・森本靖
○森本委員 なるべく不便をかけないようにと言っても、高知市にいる私がこの恩給をもらうのに、徳島貯金支局のほうからこれの通知がくるほうが早いことは、これは理の当然です。何も熊本貯金支局を経由してやらなくても徳島貯金支局というものがあるわけですから、それを経由してやれば早いわけです。郵政省の都合によってそういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/20
-
021・稲増久義
○稲増政府委員 そうおっしゃられればさようでございますが、事務の処理をする点から考えますれば、一カ所に集めたほうがいいというふうな考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/21
-
022・森本靖
○森本委員 それなら軍人恩給は全国的にどこでどういうようになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/22
-
023・稲増久義
○稲増政府委員 軍人恩給全部合計いたしまして、件数といたしますれば三十九万件、金額では一千四十八万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/23
-
024・森本靖
○森本委員 その口座は、どこどこの貯金局に分かれておるか、こういうことです。まさか熊本だけじゃないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/24
-
025・稲増久義
○稲増政府委員 熊本だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/25
-
026・森本靖
○森本委員 それはどういうわけで全国に分けないのですか。それなら北海道の人のものも熊本なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/26
-
027・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/27
-
028・森本靖
○森本委員 大臣、なぜそういうことを直そうとしないのですか。軍人恩給軍人恩給といって、軍人恩給の支給そのものについては相当やかましいことを言っておるわけです。しかし実際に支給をする段階になって、北海道の人がそんなら熊本貯金支局から通知をしてくるといろことについては、これは郵便の通知でありますから、相当日数がかかるわけであります。それぞれの地方に貯金支局があるわけでありますから、それぞれの貯金支局にこれをまかせばずっと早くなるわけであります。これをもらう人はやはり待ちかねておる人も多いと思うのですよ。そういう人については、全国のものはほとんど熊本貯金支局に一つにまとめることについてはおかしいのではないかと思うのですが、どうですか。確かに人員の配置転換その他についてはあろうと思います。だからそういう点については無理のないように何らかの考慮をすれば私はできるのではないかと思うのですが、その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/28
-
029・郡祐一
○郡国務大臣 私も森本さんのおっしゃることを承っておると、これは何かもっと便利な方法はないだろうかという気はいたします。ただ、おそらくこれは御指摘のとおりやはり要員の点の問題であろうと思います。要員の全体の問題とからめて考えなければいかぬことだと思いますけれども、これはなるほど軍人恩給はさようになっておったのかとお話を承りながら私考えておったのでありますが、こうした問題はほかにも起こり得るだろうと思います。要員全体の問題とからめて考えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/29
-
030・森本靖
○森本委員 この際要員問題もあろうと思いますが、やはり前進する方向において考えなければならぬと思いますし、それから利子の付与の方法についても三千名から四千名の人が要るということでありますが、三千名ないし四千名の人がおっても、いま言いましたように、民間金融機関は日歩計算でやっておるわけでありますから、これは便郵貯金も日歩計算においてやるということをしなければ、やはり民間金融機関との太刀打ちはできないと思います。何も競争する必要はありません。必要はありませんけれども、国がやるところの郵便貯金というものが民間の銀行よりも利子のつけ方が悪いというのでは話にならぬと思う。だからせっかくこの答申案というものが大臣になされておるわけでありますから、その答申を尊重するということでなければならぬと思います。だからいま申しましたように、利子の日歩計算についても、かりに三千名から四千名の人が要るんだからできないということでなしに、それをできる方向に前進づけていくということが大切ではないか。たとえば今年度の予算編成のときにも三千名から四千名を一挙にやるということはむずかしいにしても、それを五百名でも六百名でもふやしていく、あるいはいま言った軍人恩給問題もこれとからめて、そういう点の人員配置も考えていくということを総体的に考えていったならば解決するのではないか、そう強制的な配置転換をしなくてもできるのではないか、こう考えるわけであります。
具体的に聞きますが、熊本貯金支局の軍人恩給を取り扱うための要員は何名ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/30
-
031・稲増久義
○稲増政府委員 約四十名と承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/31
-
032・森本靖
○森本委員 四十名程度の人間であったら、いま言った三千名から四千名の増員をしなければならぬということと兼ね合わせて考えていくとするならば、全国の貯金支局にこれをばらまくということは現実的にも事務的にもできるでしょうが。あなた方は何でもむずかしいことにぶっかかったら、まあまあと前へ置いておいて、そのうち貯金局長から保険局長にかわれば責任はない、こういうことでは困る。国民的立場に立った場合には困る。いまたったの四十人のおかげで全国の軍人恩給が——北海道の人が熊本貯金支局から受けなければならぬことはない。その四十人を強制的に配置転換する必要はない。日歩計算の問題を考えていくならば四十人以上の人が要るわけだ。そういうことを兼ね合わせてやはり前進する方向にいかなければならぬ。そうでなければ、こういうふうに答申をもらっても、この郵政審議会の答申が何ら名をなさぬのではないか、こういう意味ですよ。大臣、これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/32
-
033・郡祐一
○郡国務大臣 私も、ことに貯金全体がいまいい伸びはいたしておりまするけれども、やがて、現在も激しい競争でありまするけれども、民間の預金との激しい競争をいたさなければ相ならぬと思います。そういたしますならば、利子の付与方法で差異があるということでありますと、これはやはり郵便貯金の職員を督励いたしてまいりましても、不利な点が明らかだと思います。したがいまして、一方で機械化を極力進めますと同時に、やはりこれは確かに、私がこう実務をよく知らずに考えましても、手作業でやっていくときに三、四千の人員でできるものであろうかどうかという気が少ししながら、貯金局長の御答弁申し上げるのを聞いておったのでありまするが、機械化と並行いたしまして、しかし必要な職員も確保するということで、利子の付与方法については改善を考えてみたいと思います。あわせて、ただいま御指摘の軍人恩給の点は、先ほど申しましたように、一体とした問題として何とか国民への不便を取り除くようにしなければ相ならぬものだ、こう伺って感じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/33
-
034・森本靖
○森本委員 私は、従業員が強制配置転換になるということについては絶対反対をするわけでありますが、そういう強制配置転換をやらなくとも、いま言ったようなやり方をすれば十分にできるじゃないか。さらに、国民も便利になり、国民も喜ぶことではないか。全国に貯金支局が相当ある、そういうところに配分をしていくとするならば、この問題の解決をつけると同時に、日歩計算についてもやはり解決をつけていく、こういう前進をする方向において私はいってもらいたい、こう思うわけでありまして、この点はひとつ十分に貯金局としても検討願いたい、こう思うわけであります。
それから七ページの「郵便為替および郵便振替貯金事業の経営改善」の最後の項についての考え方であります。これは私は場合によっては附帯決議で出そうと考えておりますが、この七ページにありますることは、郵政審議会が郵政大臣に答申をしておるところの内容であります。「事業の飛躍的振興、取扱金額の大幅な増加、多額の残高から生まれる運用利子収入の増大を図り、もって健全な経営に資するよう努力すべきである。」これについての、この答申案に対するところの態度は、今回の振替貯金法の改正には全然出ておりません。これは大臣、どうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/34
-
035・郡祐一
○郡国務大臣 私は、国民の生活から考えていって、こうした郵便振替のような形が生活の改善に伴って広く普及してまいるということが、事柄として望ましいことなんだと思います。十分、他の当座預金等のあり方と並行しながら、伸びることができるのだと思いまするが、実はいま私、感じておりますと、運用利子収入の状況等から見ましても、むしろ非常に伸びにくい状態に郵便振替というものがあるような気がいたします。したがいまして、事業全体をもっともっと、国民それぞれが日常の支払いをいたしますものと結びついて郵便振替というものが活用されますように、ここに答申のありますことは背景に非常に大事なことを持っていると思うのであります。ただ、この方法についていまなかなか貯金局のほうでも、こう的確な案を持ち得ないような私は感じがいたして、このたびの法律の改正のときも感じておったのでありまするが、これは十分くふうさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/35
-
036・森本靖
○森本委員 これは郵政大臣は勘違いしておると思うのですが、これはこういうことですよ。この「なお、郵便振替貯金経営のあり方としては、事業の飛躍的振興、取扱金額の大幅な増加、多額の残高から生まれる運用利子収入の増大を図り、」ということは、いまの預託運用のやり方を変えなければならぬということを暗に郵政審議会は答申をしておるわけです。いまのように預金部に全部六分五厘の形においてやられるよりかは、これは郵便振替でありますから——今回は郵便振替貯金がなくなる。だから、郵便振替におきましても郵政省が自主的に運用することで利子の増大がはかれる、そのことによって郵便振替を利用する国民に対してもサービスを改善しろ、これが郵政審議会の、あなた方が任命した審議会委員の答申に出てきておるわけであります。ところが、その一番肝心なところは、今回の振替貯金の法改正のときには出ていない。だから、ぼくは場合によっては、与党の御協力を得て、このとおりにやれという附帯決議でもつけたい、こう考えておるけれども、一体郵政大臣はこの振替貯金法の改正の際に、この問題については閣内におけるどういう取り扱いをしたか、大蔵大臣との話し合いはどういう話し合いであったか、こういうことを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/36
-
037・稲増久義
○稲増政府委員 森本先生のこの点に関する御指摘に対するわれわれのこの答申を受け取りましたときの気持ちは、大臣のおっしゃられたとおりでございまして、現在の制度で運用の利子収入をふやせ。つまり、利用の増進をはかりまして、残高を多く取り、その残高で運用いたしまして収入をふやせ、こういうぐあいに受け取ったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/37
-
038・森本靖
○森本委員 そんなものは、残高を運用したところで、運用利子収入——そんなら一体振替の単価は何ぼになっておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/38
-
039・稲増久義
○稲増政府委員 まことにおそれ入りますが、単価の意味が的確に把握できないので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/39
-
040・森本靖
○森本委員 それは郵便振替貯金の、要するに、たとえば貯金の場合には、貯金の利率が何倍なければだめだ、こういう一つの率があるわけです。郵便振替の場合は、いわゆる原価計算によるところの単価が、この資金の運用利回りというものがどの程度に回れば一番スムーズにいくかという単価です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/40
-
041・稲増久義
○稲増政府委員 単価というものは特別ございませんが、現在の収支状況、四十年度大体収支がとんとんになりますので、そういう意味におきましては、現在でも経営上は差しつかえないということに相なろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/41
-
042・森本靖
○森本委員 経営上はさしつかえないというのは、今度利子を全廃するからそれによって一億五千万円程度浮いてくるわけだ。しかし従来の利子をつけたとするならば、必ずしもこの運用金が多くなっても、いまの預託金の六分五厘でははっきり言ってそれほどもうけにならぬわけだ。だから、ここの七ページに出ておるところの問題は、あなた方がとるような取り方もあると同時に、これは郵政省独自の運用においてやったほうがいいということは明らかなんだ。そういう点についての大臣と大蔵大臣との話はどうかということを聞いておるわけであって、貯金局長の御答弁は、そんな折衝をしたことはありますまい。大臣が大蔵大臣とどういう話し合いをしたかということを聞いておるわけだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/42
-
043・郡祐一
○郡国務大臣 このたびの四十一年度の予算を前にいたしまして、いろいろとかけ合いをやることがございまして、そうしてそのかけ合いの経過で、御審議を願う運びに至りましたもの、あるいは、簡易保険の運用のようにこの国会には間に合いませんでしたものもございます。そのような意味合いで、いろいろ大蔵大臣との折衝にのせました点は非常に幅広くございましたが、振替貯金についてはこのたび談判をいたす運びに至っておりませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/43
-
044・森本靖
○森本委員 そこで、貯金局長の問題なんです。大臣がそういう折衝をするように貯金局長としては、郵政省として考えた場合しむけていくべきだろう。実際問題として、この郵便振替貯金というものは、今日まで郵便振替貯金という名前であった。二分何厘にしても、一応預金の利子をつけておった。しかし、今回はその利子を全廃して、そうして料金を安くして郵便振替を国民一般に広く利用してもらおうという考え方に立っておる。そうすると、郵便振替貯金ではなくなってくる。郵便振替ということになる。そういたしますと、いまの郵便貯金の預託金と同じように取り扱わなくても法律上はかまわぬということになる。場合によっては、いま百八十億円程度あるものが、百五十億円程度は長期に回しても何ら差しつかえない。そうすると、この百五十億円程度というものは郵政省の自主運用によって七分程度に回るとするならば、これはかなりの増収になってくるわけであります。こういうことこそ、貯金局は総力をあげて大臣に陳情し、大臣は大臣として大蔵大臣とかけ合ってこそ初めて郵政省としての事業の伸展が考えられる。むずかしいことは大臣に言っておこられてはいかぬからやめておこうというようなことでは、将来次官にもなれない。これはやはり、そういう点についてははっきり言って、大臣にも督励し、叱咤激励をして、そうして大臣が腰を上げて大蔵大臣と折衝をする、場合によってはそれは政治折衝に持っていく。どうしてもそこで政治折衝までいかなかったということであるとするならばやむを得ぬ。しかし、いまの大臣の答弁では、そんなことは折衝したことはありませんと言っている。これは大臣の責任ということよりも、私はやはり事務当局の責任だと思うのです。この辺はやはり大臣に御進講をしたことはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/44
-
045・稲増久義
○稲増政府委員 この点につきましては、まことに申しわけございませんが、大臣に申し上げたことはございません。ただ振替制度のビジョンといたしましてはそういうふうにありたいという気持ちはわれわれ全員持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/45
-
046・森本靖
○森本委員 そういうふうに持っておるけれども、ひょっと大臣に言っておこられたらいかぬからというので遠慮をした、こう解釈するよりしかたがない。いまの応答を聞いておって、はっきり言いまして、これは大臣、やはり郵政省としては、こういうふうな運用権をとりたいというのは、これは長年の悲願ですよ。しかも、今回の郵便振替貯金というものが郵便振替という名前に変わったということが絶好のチャンスだ。こういう機会をのがしたら、これは二度と戻ってこないのですよ。だから、やはり大臣がこういう問題については、いまからでも来年度の予算編成にかけておそくないから、やはり事あるごとに大蔵大臣と政治折衝をすべきだ、こう私は思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/46
-
047・郡祐一
○郡国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。私もよく事務のほうに中身をきわめまして、そして必要なステップをとってまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/47
-
048・森本靖
○森本委員 それからその次の項の中の「窓口取扱時間の検討」、これも国民に非常に関係が深い事項でありますが、一〇ページにありまするように、銀行の取り扱い時間よりも郵便局のほうが長い、しかし、一方、無集配特定局については正午から三十分間窓口を閉鎖するごとになっておる。
そこで、私は貯金局長にお聞きしたいのは、郵便貯金と銀行の預金と比べて、郵便貯金がこれだけ全国的にふえんをしておるというところは、一体那辺にあるのか。その点の原因をいわゆる貯金局長としてはどう考えておるか、これをちょっとお聞きしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/48
-
049・稲増久義
○稲増政府委員 何と申しましても、普通局と特定局、簡易局合わせまして二万の窓口を持っていることであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/49
-
050・森本靖
○森本委員 いま局長の答弁のとおりでありまして、国がやっていることとその信用の面、それからもう一つは、全国至るところに取り扱いの窓口がある、このことがこの郵便貯金事業に対する非常な便利さであります。その点からいって、これは郵政省が教えたかどうか知らぬが、この審議会委員のメンバーはおえら方ばかりでありますけれども、よくいいところに目をつけたと思う。無集配特定局については、正午から三十分窓口を閉鎖することにされておる、そういう観点から見たならば望ましくない、しかし要員の配置もあろうから、そういう点については十分検討しながら窓口の利用者については考えていかなければならない。この審議会のアイデアというものは、しろうととしてはまことにいいアイデアと思う。だからそういう点については一体郵政省としてどういう検討をせられておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/50
-
051・稲増久義
○稲増政府委員 この問題につきましては、われわれも利用者からたびたびそういう声を聞きますので、そのほうが事業としてはいいと思いますが、ただ勤務時間の関係でありますので、対組合との話し合いのつかない限りはできないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/51
-
052・森本靖
○森本委員 組合との話し合いがつかなければできないということでなしに、組合は組合でこれは労働基準法に定められたとおりの要求をしておることであって、その問題とこの問題とは別なんですよ。組合とは関係なしに、これだけの人員が——たとえば全国の無集配特定局で正午から三十分間やったとしたら、換算をして一体何人になりますか。そんな計算もあなたのほうはやったことはないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/52
-
053・稲増久義
○稲増政府委員 この三十分の休憩をいたさないことになりますと、勤務時間の関係で就業時間に響いてまいるわけでありまして、そういう人員的な検討はまだいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/53
-
054・森本靖
○森本委員 だから三十分の休みについてこれほど国民から要望の声があるとするならば、それを実際に三十分の間休みをかりにやったとするならば、人員にしてどの程度人間が要るのか、あるいは超勤にしたら大体どの程度要るのか、そういう点をこまかく検討してみる必要があると思う。実際問題として現在巡回要員というものがある。だからその巡回要員というものを実際にもっとフリーに活用するということを考えていったならば、この問題についてもできないことはない。だからそういう問題を具体的に、せっかくこういう答申が出ておるのだから、その答申の線に従って全国でどの程度要るということを検討すべきではないか、こういうことなんですよ。それをあなたのほうでは一つも検討しておらないということであるとするならば、もうこれから先郵政審議会なんかに諮問をしなさんな。諮問をして、せっかくいい答申案が出てきたならば、それについてはこれはこういうふうにやりたい、こういうふうにやりたいけれどもこういう隘路があるという、一つ一つ明確に態度をきめていくべきだ。そうでなければ答申するほうがばからしい。これはひとつ早急に——窓口取り扱い時間の検討については私は労働組合が云々という問題ではないと思う。労働組合も文句を言わないように人員の配置あるいは超勤の問題、そういう問題を十分に考えてやればこれの紛争はないはずです。それを、現行の人間で現行の手当で無理にやらそうとすれば当然紛争が起こる。これは労働基準法によって三十分の休みはきめられておるわけでありますから、それをやらそうとすれば別途考えなければならぬ。別途考えるにはどういう方法で考えたらいいかということを検討しなければならぬ。貯金局には局長もおればりっぱな次長もおる、各課長もおる。それくらいのことは十分に局内において検討してしかるべきだ、こういうことであります。今後ひとつ検討してみますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/54
-
055・稲増久義
○稲増政府委員 この問題につきましては、いままでの指摘されました点については不十分でございますが検討は続けてきたのでございますが、今後、ただいま御指摘いただきましたような各点を中心にいたしまして検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/55
-
056・森本靖
○森本委員 それからその次の「権利消滅の防止」の点でありますが、これは昭和三十九年度にはどの程度ありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/56
-
057・稲増久義
○稲増政府委員 八億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/57
-
058・森本靖
○森本委員 そうすると四十年度は大体どの程度になる見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/58
-
059・稲増久義
○稲増政府委員 大体同じくらいの金額になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/59
-
060・森本靖
○森本委員 八億円というのは、これは国民が忘れた金でありまして、これはもともと国民の金であります。十年間いわゆる預金もしなかった、引き出しもしなかった、催告をしても返事がなかったというものが年間積もり積もって八億円とは驚くべき数字です。そこでこの最後のほうに、これについての答申案が出ておるわけであります。「なお、これらの措置を講じたうえ発生する権利消滅金については、」というのは、催告通知その他についても、とにかくいろいろの手段を尽くせ、尽くしてもなおかつどうしても没収しなければならぬ金がある。その金が八億円ということになるわけであります。「その性質上これを一般の歳入金として処理する現行制度の当否をも含めて、あらためて検討されたい。」確かにこれは急所であります。なかなかこの審議会の答申を出した人はベテランだと私は思う。ここで年間八億円も国民から郵便貯金として没収される金額があるとするならば、これは確かにこの審議会が言っておりますように、これを一般の歳入金として処理するということは、これは罰金なんかとは全然意味が違いますからおかしい。これの使い方については当然考えなきゃならぬ、こういう意見でありますが、これに対するところの郵政省の検討した内容をひとつ御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/60
-
061・稲増久義
○稲増政府委員 この金につきましては、従前から御指摘いただいておりまして、福祉事業団等の構想をも御指示いただいたこともある次第でございます。こういう点につきましても検討はいたしましたが、各関係方面との折衝の結果、郵便貯金事業としてはそこまでやるべきでなく、また法制上も無理じゃないかという御意見がございまして、目下停とんの状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/61
-
062・森本靖
○森本委員 目下停とんの状態ということだが、答申案にははっきりと検討せよということが入れてある。検討せよということは、これはこのまま一般の歳入金として処理せよということとは違う。何らかの形で国民に還元する方法を考えなさい、これがいわゆるこの答申の趣旨なんです。だから、いまの貯金局長の答弁では、停とんしているということですから、それ以上一向に進まぬということに日本語で言えばなるわけでありますが、これは停とんをせずに前進をする方向に考えるべきだと私は思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/62
-
063・郡祐一
○郡国務大臣 先ほどの振替貯金そのものの経営の改善とあわせて、これはやはりおっしゃることはまことにごもっともだと思います。こういうものが、資金としてと申しますか、何らかの形で貯金の利用者のために活用できますなら非常に望ましいことと思います。これも先ほどの問題と一緒にひとつ勉強さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/63
-
064・森本靖
○森本委員 あんまり勉強ばっかりしておったら、大臣在職中にやれるかやれぬかわからぬことになるかもしれませんが、とにかく年間八億円没収金があるということは、郵便貯金事業にとっては考えておかなければならぬと思うのです。
この際ちょっと参考に貯金局長に聞いておきたいと思います。こういう場合、一般の銀行、民間金融機関はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/64
-
065・稲増久義
○稲増政府委員 一般の銀行にはこういう没収金はほとんどないそうでございまして、いつでも払うという体制に一般金融機関はなっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/65
-
066・森本靖
○森本委員 そうすると、一般の民間金融機関よりも郵便貯金のほうのサービスが悪い、こういうことになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/66
-
067・稲増久義
○稲増政府委員 私のほうも申し出がありますれば、若干法律的には問題があろうかと思いますが、できるだけ預金者保護のたてまえから払うことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/67
-
068・森本靖
○森本委員 それは詭弁で、一ぺん催告をして歳入金として入ったものはもう払ってはならぬですよ。何言ってるんだ君は。そんなことができるか。一ぺん歳入金として入って、没収金としてぴしゃっといわゆる原簿所管庁において処理をしたやつは、これは払おうにも払えぬはずだよ。そんなむちゃくちゃな答弁をするもんではないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/68
-
069・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま申し上げましたその件数はきわめてわずかでございまして、そういう便宜をやっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/69
-
070・森本靖
○森本委員 その便宜は、要するに催告を発して戻ってくる、その催告が実際にはあて名人が行方不明で戻ってくる、そういう場合には、これは場合によっては一、二年置いておくこともあり得るけれども、現実は没収金として歳入金として入ったものは、永久に現行の法律では取り出すことはできませんよ。そうでしょう。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/70
-
071・稲増久義
○稲増政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/71
-
072・森本靖
○森本委員 あまりいいかげんな答弁をしてはいかぬ。
それから、この郵便振替貯金法の第六条の「郵便振替貯金に関し条約に別段の定のある場合」ということですが、これは一体どの程度、条約に別段の定めがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/72
-
073・稲増久義
○稲増政府委員 これは万国郵便条約の郵便振替に関する約定をさしておりまして、大体最高これまでとってもいいという料金が条約にきまっておりまして、その条約に基づきまして、われわれが省令で料金をきめております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/73
-
074・森本靖
○森本委員 ひとつそれをあとで資料でお出し願いたいと思うのです。
それから十四条の「真偽を調査するため必要な証明を求めることができる。」こういうのでありますが、この「必要な証明」というのはどういうぐあいにやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/74
-
075・稲増久義
○稲増政府委員 これにつきましては、正当な本人であるかどうかの身分証明書とかその他をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/75
-
076・森本靖
○森本委員 日本には身分証明書というのはないのです、ベトナムと違うから。どういう身分証明書ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/76
-
077・稲増久義
○稲増政府委員 たとえば通勤証明書とか、官公庁の発行いたしますものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/77
-
078・森本靖
○森本委員 そういうことならそういうふうにはっきり言わぬと、身分証明書といえば戦争でもしているところしか出していないのですから。
それからこの第十六条でありますが、「郵政省は、左の場合において、郵便振替貯金の取扱の遅延があったときは、これに因り生じた損害を賠償しない。」この一、二はいいのです。三号がちょっと問題になる、こう考えるのであります。それは「還付すべき郵便局において現金に余裕のないため」云々と、こうなっておりますが、これは、こういう事例がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/78
-
079・稲増久義
○稲増政府委員 ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/79
-
080・森本靖
○森本委員 なかったら、こんな条項は私は要らぬと思うが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/80
-
081・稲増久義
○稲増政府委員 御承知のとおり郵便局の窓口は非常に多量の資金を取り扱っておりますので、こういう場合も起こり得ないとは限らないので、われわれといたしましては入れておいていただいたほうがありがたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/81
-
082・森本靖
○森本委員 まあこれは、郵便局で払う金がないから払わぬということは、現実にあってはならぬことであって、予防的に、万が一こういうことがあってはということで入れておいてもらったほうがいいということは、あなたの答弁としては聞いておくけれども、こういうことはすべて国民の問題ですから、ものごとを考えるのに、郵政省の立場、やる人の立場になって考えるということよりも、利用する人、国民側の立場に立ってものごとを判断するということが行政官としては必要だということを、私はこの際特にこういう点から言っておきたい、こう思うわけであります。
それから二十一条でありますが、この二十一条の二項の「前項の請求は、その料金を納付した時から一年を経過したときは、これをすることができない。」これはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/82
-
083・稲増久義
○稲増政府委員 こういうのはごくわずかの件数でございますので、一つの除責期間、責任をのがれる期間として置いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/83
-
084・森本靖
○森本委員 もう一ぺんちょっとわかりやすい日本語で言うてくれんかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/84
-
085・稲増久義
○稲増政府委員 時効でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/85
-
086・森本靖
○森本委員 ちょっとこれはおかしな答弁ですが、まあ次回にひとつ譲ることにいたします。
それから第二十四条の「口座の開設」でありますが、第二項に「その料金として五十円を納付しなければならない。」とあるわけですが、これは今回の料金の改定については関係ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/86
-
087・稲増久義
○稲増政府委員 関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/87
-
088・森本靖
○森本委員 これはどういうわけでこれを改定しなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/88
-
089・稲増久義
○稲増政府委員 これはむしろ五十円はそのためにいろいろ事務的な物品、手続等から安いのじゃないかというふうな議論が多いようにわれわれ承っておるのでございますが、そういう観点からこれについてはそのままにいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/89
-
090・森本靖
○森本委員 それじゃこの口座開設の単価はどの程度になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/90
-
091・稲増久義
○稲増政府委員 五十円よりはたくさんかかっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/91
-
092・森本靖
○森本委員 そんな答弁があるか。要するに、全国の口座というものはどの程度ある、それに対するところの費用がどの程度かかっておる、それを単価で割れば、大体一口座どのくらいの原価計算になるということが出てこなければ商売にならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/92
-
093・稲増久義
○稲増政府委員 約七百円ぐらいかかっておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/93
-
094・森本靖
○森本委員 七百円ということになると、そうすると五十円ということになると六百五十円損をしておる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/94
-
095・稲増久義
○稲増政府委員 そういうふうな計算ではそのように相なりますが、われわれは口座をたくさん持ってもらうということが事業の伸長並びに運用収入の増加と関係ございますので、その点は六百五十円の損とは直接考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/95
-
096・森本靖
○森本委員 頭が悪いから、君の答弁はわからぬ。単価が七百円かかるということであったとするならば、その料金が五十円だったら、常識で考えたら六百五十円入るたびに損をする。もっともそれがだんだんふえてくれば、その単価が安くなるということは考えられる。だから七百円の単価が、要するに三百円になり四百円になる、口座が多くなれば機械的になって安くなるということは考えられるけれども、実際に単価が七百円である場合には、六百五十円損をすることは間違いない。
じゃ、具体的に聞くが、現在の振替口座は一体幾らあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/96
-
097・稲増久義
○稲増政府委員 四十三万でございますが、そのうち普通口座というのは二十五万ぐらいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/97
-
098・森本靖
○森本委員 そうすると、四十三万の口座で、その四十三万の口座の場合には、この口座加入開設費というものは単価が七百円程度だ、こういうことだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/98
-
099・稲増久義
○稲増政府委員 口座を開設したときはさようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/99
-
100・森本靖
○森本委員 そうすると、これが百万程度になったらどの程度になる。そういう計算をしていかないと出ないだろう。大学出の頭のいい人ばかりおるだろう……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/100
-
101・稲増久義
○稲増政府委員 実は、この料金を高くいたしますと、口座加入の意欲をそぐというふうなことを考えておりますので、結果から見ればかような料金になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/101
-
102・森本靖
○森本委員 私が聞いているのは、四十三万口座で一つが七百円の単価であるとするなら、一体その七百円の単価が、百万くらいになったらどの程度下がるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/102
-
103・稲増久義
○稲増政府委員 ただいますぐ計算ができないようでございますので、暫時時間をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/103
-
104・森本靖
○森本委員 わしらが貯金局長だったら、そのくらいのことは宙に覚えておりますよ。そういうことはある程度頭の中にたたき込んでおかないと、この経営全体が目に届かないわけです。今回は振替貯金法の改正で、要するに料金を安くしておるわけでありますから、口座開設についても、できれば若干でも安くすれば筋が通るわけだ。しかしそれは安くできないということは、口座開設についてはこの程度の口座開設の費用がかかるから安くできない、こういう答弁であるとするならば、将来その口座が、この郵便振替がだんだん発達をしていって大きくなるとするならば、場合によってはその五十円の単価を安くしてもいい。あるいは別個の利子の運用収入がふえてきた場合には安くしてもいいわけです。とにかくそういう前進的な方向に向いていかなければならぬ、こういうことを私は言いたいわけなんです。だからその点もあとでひとつよく研究をしてもらってから聞いてみたいと思います。宿題に残しておきます。
それから次に第五十条でありますが、この消滅をした金額ですね、これは三十九年度にどの程度ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/104
-
105・稲増久義
○稲増政府委員 二千四百七十一万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/105
-
106・森本靖
○森本委員 二千四百七十一万円というのは、これは結局郵便貯金事業特別会計の歳入に入っているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/106
-
107・稲増久義
○稲増政府委員 郵政事業特別会計の歳入に入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/107
-
108・森本靖
○森本委員 これは郵政事業特別会計の歳入ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/108
-
109・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/109
-
110・森本靖
○森本委員 そうすると、郵便貯金事業特別会計から郵政事業特別会計への繰り入れ金とは違って、頭から郵政事業特別会計の歳入金として入っておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/110
-
111・稲増久義
○稲増政府委員 為替振替は郵政事業特別会計で処理されておりますので、さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/111
-
112・森本靖
○森本委員 郵政事業にとっては、そうするとこれはさっきの貯金の問題と違って、結局二千四百七十一万円もうかっておるということになりますが、これはあと味の悪いもうけ方になるわけですね。はっきり言って、さっきの貯金の没収金と同じ性格のものでありますから、まことにこれはあと味の悪い没収金になりますが、この二千四百七十一万円のうちで、最高金額と最低金額はどの程度ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/112
-
113・稲増久義
○稲増政府委員 まことにおそれ入りますが、ただいまわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/113
-
114・森本靖
○森本委員 わからぬことばかりでありますので、わからぬことは一応全部保留をいたしまして、それで次へ進みます。
第五十条の四の、「支払通知書の金額は、一枚につき、五万円以下とする。」これは今回も改正しませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/114
-
115・稲増久義
○稲増政府委員 改正いたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/115
-
116・森本靖
○森本委員 これは現下の経済情勢からしたとするならば、この五万円以下とこの法律できまったのはいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/116
-
117・稲増久義
○稲増政府委員 三十六年でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/117
-
118・森本靖
○森本委員 三十六年とすると、あれから貯金の最高額が五十万円から百万円に上がっております。それから保険も百万円に上がっております。そういう観点からいった場合に、この五万円は上げる必要があるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/118
-
119・稲増久義
○稲増政府委員 仰せのとおりであろうかと思いますが、今回はこの点について触れずに、利子の問題と料金の問題だけに限定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/119
-
120・森本靖
○森本委員 めんどうくさいことは全部抜きにして、とにかくやりやすいことだけさっさとやって、さっと通そうという気持ちがどうもあるのじゃないか。むずかしいことは全部あとへあとへ残しておるという気が私はしてならぬわけであって、これは現在の経済状態からして、やはりこれは十万円以上にしてしかるべきだと私は思う。いまの郵便貯金、それから簡易生命保険の最高額から見ても、私は、これはそういうふうにする必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、おそらくこの問題については貯金局では検討しなかったのでしょうが。実際検討してみたかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/120
-
121・稲増久義
○稲増政府委員 これは大体株の配当金関係が多いので、大体これで間に合うのじゃないかという考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/121
-
122・森本靖
○森本委員 株の配当で間に合うというても、三十六年のときから経済状態がだいぶ変わっておるから、当然この改定を考えなければならぬのです。ところが、あれもこれも改正すると、答弁するのにうるさくてたまらぬ、とにかく問題のないやつだけをそっと出してさっと通して、ひとつ景気を上げようということで、この振替貯金法についてもむずかしいところは全部避けておる。私は、今回の振替貯金法の改正にあたっては、郵便振替貯金法を全部初めからしまいまで見てみた。相当改正をしなければならぬ点が多々ある。ところが実際には、いま言ったところだけしか改正をしていない。たとえば第六十二条の「即時払の料金は、三十円とする。」、これもそのままでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/122
-
123・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/123
-
124・森本靖
○森本委員 これなんかは、安くするというのだったら、これは安くしてもいいのでしょうが。これは公金の場合でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/124
-
125・稲増久義
○稲増政府委員 すでに現在安くなりまして、今度改正いたしました料金と比較をいたしましても、なお安いというのが現在の料金でございますので、据え置きとしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/125
-
126・森本靖
○森本委員 それはどういう意味ですか。この第六十二条の三十円というのは、一般の人の料金とは違うのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/126
-
127・稲増久義
○稲増政府委員 違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/127
-
128・森本靖
○森本委員 だから、いまの一般の料金とつり合いがとれる、とれぬという問題じゃないでしょう。要するに「公金に関する郵便振替貯金の口座に当該口座の加入者並びに市町村及びその組合」以外のものが云々ということがあるわけですから、これは公金ですから、一般の振替貯金の場合とは違うのでしょうが。だから、この分が他と振りかわって安くなっても、何ら均衡がとれるとかとれぬという問題じゃないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/128
-
129・稲増久義
○稲増政府委員 そういうお説を聞きますとなるほどでございますが、先ほど申し上げましたとおり、現在の料金でも安いというふうなことでございますし、今回料金値下げをいたしましたのは、御承知のとおり、利子の廃止との見合いでございまして、そこまで値下げする——もし値下げするということが正しいとなりましても、原資がそこまで及ばないというふうなこともございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/129
-
130・森本靖
○森本委員 それでは今度の改正で増収は何ぼになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/130
-
131・稲増久義
○稲増政府委員 料金の改正によりまして減収に相なるわけでありますが、それは九千八百万円ほど減収になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/131
-
132・森本靖
○森本委員 減収になることだけだれも聞いておらぬ。利子が全廃になるから、差し引き一億四千万円ぐらい得になるでしょうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/132
-
133・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。一億四千五百万円プラスマイナスふえるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/133
-
134・森本靖
○森本委員 だから一億四千五百万円程度今度は増収になるわけですから、そういう増収になるという金額があるとするならば、この第六十二条、さらに第六十三条なんかは、ある程度安くしてもいいのじゃないか。すべてこれは地方公共団体その他に該当するものである。そういう積算をあなたのほうはやったことがないのでしょうが。たとえば第六十二条のこれを安くしたらどの程度減収になるという積算をやってみましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/134
-
135・稲増久義
○稲増政府委員 今回の法改正におきましては、これはもう改正料金よりもさらに安いというふうなことと、先ほどの原資の関係等から、そういう積算はいたしませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/135
-
136・森本靖
○森本委員 一億五千万円程度もうかるわけだから、その分については国民に還元をするという考え方に立って、さらにこの二千四百七十一万円というただ取りの金があるということになると、やはり国民に還元をする。しかも地方公共団体の問題であるとするならば、この六十二条の料金関係についても、その原資のワク内において考えてもいいのじゃないか。だから、その一億五千万円程度もうかったあと、それをとらの子のように大事にしまっておこうということをやるから、大蔵省に対して自主運用ということを言っても、あまり迫力がなくなる。郵政省としては安くなるものは全部安くしたのだ、しかし金が足らぬ、それがためには自主運用してもらわなければならぬ、こういうふうにいくのが郵政省の行き方ではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/136
-
137・稲増久義
○稲増政府委員 一億四千五百万円ほど収入増に相なるわけでございますが、口座振替を三十円から十五円にすることによりまして、現在株の配当金等の簡易払いという制度がございまして、この制度が現在平均三十円の料金でございますので、この簡易払いの制度が口座振替のほうに移行してくる、いわゆる利用形態の変化が起こりまして、それで約八千万円ほど、もとの収入から言いますれば減になるということのほかに、非常に近代的ないい制度であろうと思われる振替制度が普及しない理由といたしまして、今回の料金値下げの問題が一つそれに関連いたしておりますが、処理日数が長過ぎるということが、利用者の方々の大きな声であります。そういう処理日数をなるべく少なくするというふうな観点から、郵便局あるいは地方貯金局の振替の取り扱いにつきまして機械化をしてまいりたい。それに六千万円ほど要る。かような結果、収入増になりました一億四千万円は、ほとんど現在の利用形態の移行並びに事務の敏速化の処置のために消えるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/137
-
138・森本靖
○森本委員 やはり郵政省のお役人は引っ込み思案だ。要するに郵政省はこういうことを考えておるのだ。これをぜひ実現したいのだという気魄がぼくらはほしいわけだ。まあまあこの程度でというのが、郵政省の官僚の伝統的というか、なるべく問題が起きぬように起きぬようにという考え方ではないだろうかという気がしてしかたがないということは、私がいま読み上げたように、現行の郵便振替貯金法でもかなり直さなければならぬ点が多いわけです。ところが、今回の改正は、この料金の改正をやっておるだけでありまして、あとは全部この郵便振替貯金という貯金の字を抹消するだけであります。具体的な改正というものはほとんどなされておらぬ。やはりこういう際に、私は郵便振替貯金法そのものについて全般的に検討する必要があるのじゃないかと考えるけれども、あなた方のほうはもう料金だけに気をとられてしまって、そのことだけしか考えておらぬというふうに私はとるわけであります。
以上総括的な質問をいたしまして、今度は具体的に改正法案の内容について一つ一つ入っていきたい、こう思うわけでありますが、ただ注文をしておきたいことは、いま私が質問をいたしましたことについて大臣が答えたこと、貯金局長が答えたこと、こういう点については、ひとつ次期の通常国会までにはかなりめどをつけておいてもらいたい。そうでないと、この委員会において発言をし答弁をしたことが、何の意味もないことになる。特に郵便貯金の八億円の没収金の問題、振替貯金の二千四百万円にのぼるところの没収金の問題、こういう問題については、いま少し国民全体に還元をする方法をとるということを考えてみなければならぬ。八億円もあるとするならば、これはかなりの事業ができる。これを歳入金にそのまま入れておくなんということは、私はもってのほかだと思う。そういう点については十分に今後考えていってもらいたい、こう思うわけであります。
それでは、具体的に今度の改正案について質問をしていきたいと思いますが、現在の振替貯金のいわゆる口座の加入者数、さらに現在高、取り扱い件数、取り扱い高、こういうものについて、四十年度はむずかしいと思いますので、三十九年度はどの程度になっておるか、ひとつお答えを願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/138
-
139・稲増久義
○稲増政府委員 四十年三月末現在の口座数は四十三万七千口座、口座の現在高は百七十九億円でございます。また昭和三十九年度中の取り扱い高は、受け払い件数が七千四百三十七万件、金額は二兆四千八百六十一億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/139
-
140・森本靖
○森本委員 大体そういたしますと、平均常時口座の現在高として残る金額は、将来、これはまあ今回貯金の利子を全廃するわけでありますから、ほとんど口座に金を入れておく分が少なくなると思いますが、この法律が改正されたあとにおける口座の現在高というものはどの程度になると思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/140
-
141・稲増久義
○稲増政府委員 まあ時点によって異なると思いますが、昭和四十年十二月末現在で三百三十億の振替の金がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/141
-
142・森本靖
○森本委員 四十年の末でそうでありますが、この法律が改正されたあとにおいては、大体どの程度になるという見込みを持っておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/142
-
143・稲増久義
○稲増政府委員 口座数にいたしますれば一万五千口座とふんでおりまして、金額といたしましては三千万円ぐらいふえます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/143
-
144・森本靖
○森本委員 そうすると、三百三十億で、三千万円ですか。どうも質問と答弁が食い違うわね。私が聞いているのは、要するにこの法律が改正をされたあとにおけるこの口座に入っているところの現在高が常時どの程度になるか、こういうことを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/144
-
145・稲増久義
○稲増政府委員 大体三百三十億円前後と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/145
-
146・森本靖
○森本委員 その三百三十億円というのは、いままで二分二厘の利子がついておったからそういうことであるけれども、今後利子が全廃になったとするならば、口座預金というものはみんな引き出してしまうだろう、もうそのまま入れておいたら損なんだから。そういう場合に定期継続の振替というものがある。そういう場合には口座に入れておかなければならぬ。定期継続振替のようなものを考えた場合に、この法律改正がなされたあとにおける常時口座現在高というものはどの程度になるか、その予想はどうか、こういうことですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/146
-
147・稲増久義
○稲増政府委員 大体変わらないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/147
-
148・森本靖
○森本委員 私は、これは変わらないとは思わぬですがね。変わらないという答弁はちょっとおかしいと思うのですよ。そうすると、定期継続の振替なんかは、これはもうそのまま残りますよ。いままでは一般の振替口座に一カ月くらいそのまま残しておく、あるいは半月くらい残しておくということがあったと思いますが、今後、二分何厘にせよ利子が全然つかぬということになると、口座の中に入れておくということは、全くこれはたんすの中に金を入れるのと同じ理屈になるわけでありますから、おそらく口座に入っていたのはすぐ引くと思います。そうなってくると、この三百三十億円というものは、ある程度推定としては減るという予想をすべきじゃないか。それがやはり同一であるという推定であるとするならば、それはどういう根拠でそうなるだろうか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/148
-
149・稲増久義
○稲増政府委員 やはり利用の増ということになりまして、口座も一万五千口座このために新設されるというふうなことになりますと、資金の出入りが多くなりまして、大体滞留は五日ぐらいはあるのじゃないかというふうに考えておりますので、総残高が減るというようなことはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/149
-
150・森本靖
○森本委員 わかりました。そういたしますと、三百三十億円ということになると、このうちの大体三百億、まあ確実に見て二百億ないし二百五十億円程度は貸し付けに回しても何ら差しつかえないということは言えますか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/150
-
151・郡祐一
○郡国務大臣 言えるんじゃないかと思いまするが、私もよう事務に聞いて調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/151
-
152・森本靖
○森本委員 そうすると三百三十億円ということになるとするならば、大体二百億円ないし二百五十億円程度というものは貸し付けに回しても差しつかえないということは、私は常識で言えると思います、かたく見て。これは結局先ほどの答申案の問題にからんでまいりますので、大体二百億ないし二百五十億円程度は一応貸し付けに回しても何ら差しつかえない、こう見てもいいんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/152
-
153・稲増久義
○稲増政府委員 けっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/153
-
154・森本靖
○森本委員 それでは、このいわゆる昭和三十九年におけるところの振替貯金の収入、支出というものはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/154
-
155・稲増久義
○稲増政府委員 昭和三十九年度におきましては約三億八千四百万円程度の赤字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/155
-
156・森本靖
○森本委員 赤字というのは収入と支出があって赤字であるわけであって、収入が何ぼで支出が何ぼということがなければ、三億八千四百万円の赤字であっても、それが一千億円であっても二千億円であっても、わからぬじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/156
-
157・稲増久義
○稲増政府委員 収入で四十四億三千九百万円でありまして、支出で四十八億二千三百万円でございます。差し引き三億八千四百万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/157
-
158・森本靖
○森本委員 四十年度の見通しはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/158
-
159・稲増久義
○稲増政府委員 収入で五十一億六千九百万円、支出で五十一億三千五百万円でございまして、差し引き三千四百万円の黒と、かような計算になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/159
-
160・森本靖
○森本委員 三十九年度の三億八千四百万円というのは、一体どういうわけでこんな赤字が出たんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/160
-
161・稲増久義
○稲増政府委員 もう少しさかのぼりまして、三十七年度は九億一千四百万円の赤字、三十八年度は五億九千七百万円の赤字、三十九年度はただいま申しました三億八千四百万円でございますが、だんだんと赤字が減ってまいりましたのは利用増の関係でございまして、年々一〇%ほど利用がふえていっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/161
-
162・森本靖
○森本委員 この振替貯金の周知徹底はどういう方法で国民に周知徹底しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/162
-
163・稲増久義
○稲増政府委員 チラシとかポスター等で周知をやっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/163
-
164・森本靖
○森本委員 そのチラシ、ポスターはどういうふうに配っておりますか。私はこの十二年間見たことないんですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/164
-
165・稲増久義
○稲増政府委員 郵便局の窓口に置いておくのが大部分でございます。そのほか大口利用者に配布したりしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/165
-
166・森本靖
○森本委員 この振替制度というものは、非常にこれは安全確実で、送金手段としてはいいわけです。ただ、一般の現金書留と比べると日数が若干かかる。どうしても日数を縮めることを考えていかなきゃならぬということが言えるわけでありますが、具体的に例をとった場合、たとえばそれじゃ私の選挙区の高知から東京に振替を払い込んだ場合に、日数はどの程度になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/166
-
167・稲増久義
○稲増政府委員 大体高知から東京に参ります輸送の日数がある程度かかると思いますが、局に入りましてからは二日ないし三日というところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/167
-
168・森本靖
○森本委員 全部入れてどのくらいで手に入るか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/168
-
169・稲増久義
○稲増政府委員 大体まあ六日前後でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/169
-
170・森本靖
○森本委員 それは六日前後で間違いないかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/170
-
171・稲増久義
○稲増政府委員 平均でございますので、間違いないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/171
-
172・森本靖
○森本委員 これは今度の郵便の機械化、それから郵便の高等信の、要するに飛行機搭載その他にも関連をしてくるわけでありますが、この郵便振替についての通知その他については、やはりこの郵便の機械化と同じように、速達便と同じくらいの早さを持たせなければ、この郵便振替というものについては、だんだん現金書留、そういうものに圧縮をされていくのではないか。今後のこれが生きる道は、定期継続の振替制度にあると私は思いますけれども、これもなかなか——この前の国会で私がだいじょうぶかと、こう聞いたところが、その当時の貯金局長はたしか武田君だったと思います。課長はそこにおられる同じ課長であったと思いますが、だいじょうぶだという答弁をしておきながら、ちっともその後これが進展をしておらぬ。私が追及したとおり、この定期継続振替というものがちっとも進展をしておらぬ、こういう状況になっておるわけです。そこでこの定期継続振替の現在の利用状況はどういうぐあいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/172
-
173・稲増久義
○稲増政府委員 残念ながら当方の定期継続はまだ利用者がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/173
-
174・森本靖
○森本委員 この前の法律改正はいつだったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/174
-
175・稲増久義
○稲増政府委員 四十年七月でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/175
-
176・森本靖
○森本委員 そのときにこれは間違いなく早急にやりますという答弁をしたわけでありますが、局長がぐるぐるぐるぐるかわるから、責任を持たぬような答弁になるけれども、定期継続振替については、そのまま進展をしておらぬと言っても、ある程度はやっておると思うのです。だから、どの程度現在定期継続振替がやられておるか、こういうことを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/176
-
177・稲増久義
○稲増政府委員 定期継続振替といたしましては、まだ利用の申し出がございません。ただし、現在東京、大阪、京都、神戸等の水道局あるいは住宅の家賃等に関しまして、この料金が安くなった機会に実施したいような意向は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/177
-
178・森本靖
○森本委員 それは現在全然ないかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/178
-
179・稲増久義
○稲増政府委員 定期継続振替はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/179
-
180・森本靖
○森本委員 これはだから私が去年の法律の改正のときにだいじょうぶかと念を押したら、だいじょうぶでございますと大臣と貯金局長が言っておきながら、これが一つも利用がない。あなた、そんなばかなことが実際問題としてありますか。それじゃもう一つ聞いておきたいが、電電公社、NHKその他については、この問題について折衝したことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/180
-
181・稲増久義
○稲増政府委員 数回にわたりまして折衝いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/181
-
182・森本靖
○森本委員 向こうはどう言っておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/182
-
183・稲増久義
○稲増政府委員 一つは、現在集金制度をみずからも持っておりますし、また郵便局を通じての集金制度もございますし、特にみずから持っている集金制度の要員に対する問題が一番多いかと思いますが、さらには三十円では少し——集金コストが大体十五円前後であるのに、三十円の料金じゃ云々というふうなこともございまして、まだ利用の段階に至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/183
-
184・森本靖
○森本委員 しかし君らはあのとき三十円でやれると言ったじゃないか。わしがやれぬだろう、こう言ったら、やれますと、こう言ったじゃないですか。
それから、電電公社の電話料については、電電公社との折衝はどうなっておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/184
-
185・稲増久義
○稲増政府委員 これも折衝はいたしておりますが、まだ実現の段階に至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/185
-
186・森本靖
○森本委員 NHKにしても電電公社にしても、はっきり言っていわば一つの逓信のワク内ですよ。その電電公社、NHKすらやらぬのに、水道から電気、ガスをやろうなんて言っても、はっきり言ってやれるはずがないですよ。せめて電電公社とNHKの料金くらいは定期継続の振替に入って、それから水道、電気、ガスと、こういうふうに持っていかなければ、大体逓信委員会に関係する事業ですからそっぽを向いておるというようなことでは、定期継続の振替制度ができぬのはあたりまえだ。一体、電電公社はどういう理由でいやだと言っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/186
-
187・稲増久義
○稲増政府委員 いろいろ理由はあろうかと思いますが、一つの大きな理由は、こういう同種の制度を銀行を通じて電電公社はやっておりますが、その料金が無料ということでやっておりますので、太刀打ちできないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/187
-
188・森本靖
○森本委員 そうしたら、今度の料金改定の際に三十円を十五円に引き下げたって意味がないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/188
-
189・稲増久義
○稲増政府委員 電電公社の点はいま申し上げたとおりでございますが、水道その他の関係では、十五円に下げてもらえば集金コストと大体似てくるから、補完的な意味でも実施に踏み切りたいというような意向を伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/189
-
190・森本靖
○森本委員 そんなこと言ったって、無料のところの銀行があるとするなら、無料のところにいきますよ。またうその答弁をする。来年の通常国会になって、あなたがいくと言いましたけれども、結局無料のほうに全部とられてしまいましたという答弁だ。そのときは局長がかわっている。これではものごとがちっとも進まぬ。これは大臣、はっきり言ってどうですか。電電公社はあなたの指揮下、監督下にありますよ。その電電公社すらが、銀行のほうは無料ですから無料のほうでやります、こう言っておるにかかわらず、今度郵政省が三十円を十五円に下げたって十五円だ。電電公社はその十五円取られるよりは無料のほうがましだということになる。大臣、あなたの指揮下にある電電公社においてすらいやだと言うものを、十五円に下げたって意味がないですよ。その辺、局長から十分に御進講になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/190
-
191・郡祐一
○郡国務大臣 本日の森本さんの御質疑の応答にあらわれておりますのと似たような論議を私も——あなたのように詳しくないのですけれども、どういうわけでこの郵便振替というものが伸びないのであろうか。ことに定期継続制度の周知はしたけれども、その利用の開始に至っておらぬ。この点は私も部内でかなり疑問を持った点であります。それで、水道だとか住宅の使用料だとか、こうした点については、利用される方は非常に自他ともに便利だ、こう思いながら、しかもどこかに事業者の内部に動いてこないものがある。これはさっき周知徹底というお話がございましたが、どうも普及のしかたがまずいのじゃないだろうか。あるいはこっちのほうが確かだし便利だというひざ詰め談判の努力が足りぬのじゃないだろうか。たまたま電電のお話がございました。これはひとつ私が先に立って、どういうぐあいに考えるかということを折衝してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/191
-
192・森本靖
○森本委員 これは大臣、そういうことじゃないですよ。銀行は無料でやっておりますから、郵便局のほうは、今度安くなっても十五円ですから、それは無料のほうにいくのはあたりまえですよ。だから、今回三十円の分を十五円に下げても、やはり銀行に負けるのじゃないか。もし下げるのなら、このものはやはり無料程度にしなければ、とてもじゃないが太刀打ちできぬのじゃないか。ただしその場合は、かなりその運用収入が入ってくると思う、無料にしても運用収入をうまいことやれば。その辺の考え方が、どうも郵政省としては、こそくな考え方ではなかろうか。一方は無料でやっておるわけですからね。それはやはり十五円取られるよりか、無料のほうへいきますよ。試みに、ちょっと参考に聞いてみたいと思いますが、銀行の定期継続振替というものはどの程度行なわれておるか、資料がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/192
-
193・稲増久義
○稲増政府委員 銀行の定期継続振替の取り扱いは、現在のところ電電公社の電話料、それから放送協会の放送料がその対象でございます。無料と申しましたのは電電公社の場合だけで、NHKは有料のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/193
-
194・森本靖
○森本委員 電電公社は無料でNHKが有料だというのは、どういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/194
-
195・稲増久義
○稲増政府委員 これは銀行と公社なり放送協会との契約によるものでございますが、われわれの想像するところでは、電電公社は非常に資金を持っておりますので、その電電公社の資金の恩恵をこうむっているというような点から、サービスしているのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/195
-
196・森本靖
○森本委員 それはひとつそういうふうな法的根拠を明らかに次会までに調べておいてもらいたいと思います。それは、同じ電電公社の料金とNHKの料金と、一方の電電公社の料金が大きいからこれを無料で引き受ける、一方はかなりなにするというようなことは、ちょっとふに落ちぬ点がありますので、ひとつどういう法律的見解なのか、これは十分に御調査を願っておきたいと思うのです。
それから、先ほど来私が質問をいたしまして答弁ができてない点も多々ありますし、まだあとこの法律改正の各条項について相当の質問の内容が残っておりますが、ちょうどお昼となりましたので、本日の質問はこの程度で終わりたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/196
-
197・砂原格
○砂原委員長 次会は明二十三日午後二時より理事会、二時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00419660222/197
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。