1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年二月二十四日(木曜日)
午前十時三十四分開議
出席委員
委員長 砂原 格君
理事 秋田 大助君 理事 佐藤洋之助君
理事 内藤 隆君 理事 栗原 俊夫君
理事 畑 和君 理事 森本 靖君
綾部健太郎君 金丸 信君
木部 佳昭君 佐藤 孝行君
志賀健次郎君 大柴 滋夫君
片島 港君 中井徳次郎君
前田榮之助君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 郡 祐一君
出席政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政事務官
(貯金局長) 稲増 久義君
委員外の出席者
郵政事務官
(郵務局次長) 森 圭三君
専 門 員 水田 誠君
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本日の会議に付した案件
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
提出第六一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/0
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001・砂原格
○砂原委員長 これより会議を開きます。
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。栗原委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/1
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002・栗原俊夫
○栗原委員 私は、専門家である森本君が相当質疑を尽くしたあとでございますが、専門家でなくて、しろうとがどうしてもこういうことはわかりたいというような立場に立って、数点お尋ねをいたしたいと思います。
今度郵便振替貯金法を一部改正して、法律の名前から貯金という字を取ってしまう、こういうことのようでございますが、したがって利子を廃止する、こういうことになっておるようであります。貯金であるから利子がつく、貯金でないから利子がつかない、こういうぐあいにしろうと考えでは考えるのですが、利子を廃止する理由は一体どうなのか、こういう点をひとつしろうとわかりのするように御説明をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/2
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003・稲増久義
○稲増政府委員 お答え申し上げます。
わが国の振替貯金制度は欧州の制度を模倣して明治三十九年に制定いたしたわけでございますが、振替制度そのものは本来利子がついていないというのが制度の常道のように相なっております。たまたまわが国におきまして、明治三十九年、振替は利子をつけないのが常道であるのに、利子をつけました理由は、当時民間金融機関におきまして同種の業務でございます当座預金にも利子が若干ついておりました、そういう点と、振替貯金を郵便貯金法の中で根拠を規定いたしましたというような二つの点から一応利子をつけたのでございますが、民間の当座預金も昭和十九年から無利子に相なっておりまして、一応振替貯金本来の本質からも無利子であり、民間の同種業務の当座預金も無利子でありまして、今回無利子にいたしますことは振替業務の本筋に返った、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/3
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004・中井徳次郎
○中井委員 関連。いまの御答弁を伺っていると、振替貯金と当座預金と同じ性質だというお話ですが、ばくはちょっとわからぬのですが、どういうことなんですか。当座預金というものはそんなものじゃないでしょう。振替貯金というのは、それは読んで字のごときものであろうけれども、当座預金というのは振替貯金と同列に考えられる、そんなものでは、私は——私は利子を今度つけなくすることについては賛成なんです。賛成なんですが、その理由としてそんな安易なことでいいのですか。当座預金というのは、これは中小企業なり大企業なり、経済活動をしている人が金を一時預けておく。振替貯金というのはそんなものですか。普通郵便貯金と当座預金、そんなものならいいですよ。振替貯金と当座預金、これは、当座にも利子をつけないから振替にも利子をつけぬ、私はこれは理由にはならぬと思うのですが、どうですか。振替のほうがむしろ利子をつけない強い理由にはなりますよ。しかし、そんな安易な説明を国会で残しておく、私どもはちょっとひっかかりますね。そういう意味で、どういう認識であるか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/4
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005・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま中井先生のおっしゃいましたような当座預金の使命はございますが、債権債務の決済の手段として当座預金が使われておるというふうな面から見ますれば、郵便振替はそもそも貯金という性格のものでなく、送金手段並びに債権債務の決済手段というところにその本質がございますので、そういう観点から見まして同じ機能を果たしておる、かように申し上げたかったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/5
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006・中井徳次郎
○中井委員 これでやめますが、それは当座預金の仕事のうちにありますが、しかしそういうことは理由にはならぬ、それだけははっきり申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/6
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007・栗原俊夫
○栗原委員 同僚の中井委員からも、いま疑問が出たわけなのだけれども、大体同列のような当座預金に利子がつかないから、送金手段である振替の預金にもつかないのだというような説明なのですが、どうもこれは率直に言って納得ができません。送金手段であって、送金の過程における流動的なものであるから、なかなかつけにくいし、いままでつけておったのは無理してつけておったのだ、そういう意味で今回本来の姿に返ったのだ、こう言うなら話がわかるのですけれども、この辺はどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/7
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008・稲増久義
○稲増政府委員 ただいまおっしゃられたとおりが根本の理由でございまして、当座預金はただ一例にちょっと引いただけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/8
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009・栗原俊夫
○栗原委員 そこでお伺いするのですが、そうすると利子をつけないようなお金というものは、本来的には郵政のふところにはとどまらないのが基本的なたてまえである、このように考えますが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/9
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010・稲増久義
○稲増政府委員 一応貯金でないということになりますれば、貨幣とその性質を同じくするのでございますので、とどまらないというのが普通の考え方かと思いますが、事実上いろいろ事務の都合その他の点、あるいは振替の払い込みをいたしまして、また払い出すまでの期間等から、郵便振替につきましては、五日間ぐらいの滞留が生じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/10
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011・栗原俊夫
○栗原委員 私はよくわからぬから、これはほんとうに初めての人に教えるように説明してもらいたいのですが、振替の貯金でなくて、振替ということになれば、送るときに金を持っていって払い込む、そしてそれが相手方に通達されて、そこで払い戻しが行なわれる、どこまでもそういう流動的なものである、こう考えるのですが、そのほかに貯金という字をとった制度のもとにおいても、これは送金手段としてあらかじめ予納しておくのだという取り扱いもするのですか。その辺はどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/11
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012・稲増久義
○稲増政府委員 一応口座を持っておりますので、口座から振りかえるというふうな場合には、その自分の口座に資金が存在していなければならないという意味におきましては、口座振替の場合には資金のたまりがなくてはならないということに相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/12
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013・栗原俊夫
○栗原委員 そうしますと、相手から振り込まれたものを、とりあえず自分の口座へ受ける。受けたものを現金化せずに、しばらくそこへそのまま置いておくという場合もあるし、これから将来送金をしようとするときに、送金の時点で金を払い込まずに、あらかじめ自分の口座へ金を入れておいて、そしてその中から振替手段によって送金する、こういう場合もあるということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/13
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014・稲増久義
○稲増政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/14
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015・栗原俊夫
○栗原委員 いままで利子を払っておった。この利子の計算もなかなかたいへんだったらしいのですが、利子を廃止することによって、年間支払いというものが、大体どのくらい減少するか、こういう点を御積算なさっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/15
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016・稲増久義
○稲増政府委員 四十一年度の予算におきましては、二億四千万円の利子を払わぬでも済む金が出たわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/16
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017・栗原俊夫
○栗原委員 今回振替貯金法を振替に切りかえるということになりますと、これは貯金ではなくなるわけですね。そこはどうなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/17
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018・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/18
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019・栗原俊夫
○栗原委員 これも私詳しくわかりませんから教えていただかなければならぬわけですが、郵政で集めたお金は預金部資金へ持ち込まれることになっておるように聞いておるのですが、それは貯金であるから預金部のほうへ流れていくようなしかけになっておるのか、預金以外の金でも、郵政へ集まった金は一切がっさい預金部のほうへ、余裕金というものは流れ込むような仕組みになっているのか、この辺をひとつわかりやすく教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/19
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020・稲増久義
○稲増政府委員 振替貯金につきましては、資金法第一条に、郵政貯金の中にカッコして郵政振替貯金と相なっておりまして、この貯金の文字をとりましても、この項目からはずれるというふうにわれわれ解釈いたしておりません。郵便振替貯金と申しましても郵便振替と申しましても、名称でございまして、本質は変わらないという考え方から、資金運用部資金法第一条、第二条によりまして、やはり資金運用部に預託せねばならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/20
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021・栗原俊夫
○栗原委員 そうしますと、われわれは、貯金であって、しかも法律的に預金部資金に預託するということが制度的に強制されておったから、当然今日までの振替貯金は預金部資金へ流れるものだと理解しておったわけですが、今度は本来的にはそういうものが発生しない立場にある。振替貯金でなくて、単なる送金手段としての振替の金ということになると、その制約からは抜け出すような感じがしてならぬのですけれども、これはたまたまたまらざるものがたまった場合には預金部へ持っていくのが当然であり、そのほうがいいと考えておるのですか。——ちょっと待ってください。大臣はいま来たばかりだけれども、これはなかなか大事なところだから、しっかり大臣にお聞きしたいのですが、今日まで振替貯金法によって振替貯金に集まる金は、法律によって預金部に預託しなければならない、こういうことで預金部資金に流入しておった。ところが今回貯金ではなくなる、単なる送金手段としての振替ということになって、本来的には、原則的にはお金のたまらない姿の制度になる。そういうときに、たまたま送金の過程において滞留するお金があった場合に、これは当然本来的に預金部へ預託しなければならぬものと考えるほうが、郵政省の立場としていいのか。今日までの法律制度によって、これだけの改正をしても、預金部関係の法改正をしなくても、当然この金は預託しなければならぬと解するべきなのかどうか、また振替の送金過程におけるお金を預金へ預けるほうがいいのか悪いのか、郵政省としては預けぬほうがいいとわれわれは考えておるけれども、郵政大臣の立場としてどうお考えになっているか、この点を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/21
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022・郡祐一
○郡国務大臣 運用全体を通じて考えるべき問題があろうと思います。しかし私、いまの段階では、この利子をつけることをやめにした、振替貯金という形を、むしろ実質に応じて、利子をつけないで貯金という観念からはずしたというそれだけの変わり方で、現在の預託の形を直ちに直す必要はなし、むしろものを確実にするという意味合いで、現在の預託の形をとってよろしいのじゃないだろうか、私はただいまのところはそういうぐあいに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/22
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023・栗原俊夫
○栗原委員 これは、郵便法の改正のときにも大臣にぎっちりと食い下がってお尋ねしたいと思っておるのですが、足らぬ、足らぬといって大騒ぎをしておるときに、運用によって、しかも手持ちの金で運用することによって、より効率な運用ができるということが確実に展望できるときに——片一方が黒字が出てどうしようもないというような郵政全体の経理状況ならば、私はこんなことを言いませんよ。しかし足らぬ、足らぬという姿の中で、運用によってより効率的な運用ができるときに、わざわざそうして鞠躬如として預金部へ金を持ち込む必要はない、こう思うんだけれども、この辺はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/23
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024・稲増久義
○稲増政府委員 ただいまの栗原先生のお考え、われわれ事務当局といたしましては非常にありがたいお考えでございますが、国全体の資金のそういうやり方から申しますれば、政府の特別会計といわず一般会計といわず、あらゆる余裕金は資金運用部に預託するような仕組みに相なっております。(「余裕金じゃないよ、滞留金だ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/24
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025・栗原俊夫
○栗原委員 いまも森本君が言うておるとおり、いわゆる貯金された金でもない、また余裕という姿で出てきた金でもない、送金の過程においてたまたまちょいと滞留するような姿になる金なんです。そういう金を預金部へ持ち込むということが、はたしていいのか悪いのか。それは預金部のほうでは、多々ますます弁ずということで、口を広げて待っているには相違ありませんけれども、特にまた郵政全体として独立会計を仰せつけられて、そしていまや赤字が出るから、物価高のおりにもかかわらず、値上げをいたしましょう、こういうような姿のときに、やはり権利主張というか、そういう立場の主張というものは、あまり惰性に流されることなしに、こうした法改正を機会に、やはりでんと打って出るべきものだ、こう思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/25
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026・郡祐一
○郡国務大臣 私、現在のあり方をすぐ変えようとは思いませんけれども、しかし全体の問題としては確かに、利用してくださる国民の側から考え、したがいまして今後財政当局ともいろいろな点で折衝いたします一つの問題として取り上げることを考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/26
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027・栗原俊夫
○栗原委員 この問題については、いま郵政大臣をはじめ大臣を取り巻く官僚があまり弱腰なので、やはり委員会でしっかり腰を抱いてやらなければ、これはとても話にならぬ、だめだというようなことで、やはり郵政の財政というものを健全化し確立するために何とかしよう、こういうことを考えておる。どうぞ逓信委員会の与野党を越えてのこうした気持ちに対して、ひとつ自信と確信を持って、郵政財政の健全化——一方ではいろいろと非難を受けながら値上げを敢行しなければならぬというときに、しかも堂々と主張のでき得る、しかも効率的な運用によって収益を、収入をあげ得る道がある。こういう道には、ひとつ自信と確信を持って前進していただきたい、このように、特にお願いを申し上げます。
今回、こうした改正に伴って、金額を幾つかにさらに細分化して、そしてその料金をきめておるようでありますが、この振替という送金手段と、いま一方には郵政として現金書留とか郵便為替、こういう送金手段も同時に兼ね行なっておりますけれども、この振替の料金と現金書留あるいは郵便為替、こういう送金手段との料金関係、こういう関係はどういうぐあいに考慮され、配慮されておるのか、この辺をひとつ御説明を願いたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/27
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028・稲増久義
○稲増政府委員 一応われわれといたしましても、郵政省で行なっております現金書留、郵便為替との均衡を考えながら料金をきめておりますが、性格が違いますので、振替貯金としての運用収入もございますし、そういう点を考えまして料金をきめておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/28
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029・栗原俊夫
○栗原委員 こうした改正によって従来の送金金額がどのくらいふえるという予定を持っておるわけですか。金額にしてどのくらいふえるだろうというような積算はなさっておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/29
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030・稲増久義
○稲増政府委員 今回の料金引き下げによりまして、料金を引き下げました結果減収になる部分が多く出てまいりますが、利用増加に伴う増収分といたしましては千四百三十一万円でございます。ただし、減収分に一億一千二百七万円という減収がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/30
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031・栗原俊夫
○栗原委員 私のお聞きしておることがよくわからないとみえて、お答えもちょっとちぐはぐになっておるのですが、こういう制度を変えることによって、従来、年間、振替貯金という姿でどのくらいの送金が行なわれておったか、今回の制度改正によって、どういう送金の内容の増減があらわれるだろうか。利子がなくなる、料金が少なくなる、こういうことによって、収支関係、そうした関係で、増減はどういう姿が予想されるか、こういう点をお尋ねするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/31
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032・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま栗原先生の御質問は、送金金額でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/32
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033・栗原俊夫
○栗原委員 そうです。まず、送金金額は従来幾らであったか、制度改正によってその送金金額がふえるのか減るのか、どのくらいになるか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/33
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034・稲増久義
○稲増政府委員 送金金額といたしましてはふえない、大体同じだということに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/34
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035・栗原俊夫
○栗原委員 それでは、具体的な金額はいままで年間幾ら送金をしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/35
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036・稲増久義
○稲増政府委員 三十九年度でございますが、二兆四千七十六億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/36
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037・栗原俊夫
○栗原委員 それがいまのお答えによると、制度改正によっても金額はふえもしなければ減りもしないだろう、こういう見通しだ、こういうことですが、そうすると、そういう金額を想定して利子はやめた、手数料は——利子をやめたということは支出が減る、消極的に収入がふえる、こういうことですが、そのかわりに、送金手数料は一部は下げた、そのことによって今度は収入が減る。その収支の関係はどんなぐあいに見込んでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/37
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038・稲増久義
○稲増政府委員 郵便振替の利子に伴います経費の節減見込みは二億四千三百万円でございます。料金調整に伴います減収見込みは一億一千二百万円でございまして、ただいま仰せのとおり、利用増加に伴います増加の分が千四百万ほどございますので、減収額は九千七百七十万円、これだけ料金調整によりまして料金収入が減収いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/38
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039・栗原俊夫
○栗原委員 ある程度わかってきましたが、あとはひとつ専門の森本委員に譲って、私はこの程度で質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/39
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040・砂原格
○砂原委員長 森本委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/40
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041・森本靖
○森本委員 大体貯金局長の答弁を聞いておると、勉強は一生懸命しておるけれども、ちょっと筋違いの勉強をしておるようなところがだいぶあるのじゃないかという点があれしますが、ひとつ、先ほど中井さんが言われましたように、あわてずに答弁してもらいたい。そうすればはっきりした答弁ができると思います。
そこで、今回のこの引き下げによりまして、郵便料金の改定案がすでに出ておるわけですね。そこで、今回のこの改定案によりますと、通常振替が十五円、それから五百円以下の場合は二十円、こういうことになっておりますが、五百円をこえ千円以下の場合は依然として三十五円ということになっておりますが、ここで一番問題になりますのは、通常振替が十五円ということになっておりますが、この通常振替の事務的な手続はどういうふうにやりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/41
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042・稲増久義
○稲増政府委員 口座振替は、払い込み者の口座から振り替えの請求がまいりました際に、口座所管庁におきまして、振り替えの帳簿上の決済だけで他の口座のほうに振り込む、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/42
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043・森本靖
○森本委員 その場合に、その振り替えたほうの人とそれから入ったほうの人には通知はしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/43
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044・稲増久義
○稲増政府委員 もちろん通知いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/44
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045・森本靖
○森本委員 その通知は、どういうぐあいに通知をしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/45
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046・稲増久義
○稲増政府委員 それぞれ口座所管庁から両者に対しまして通知いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/46
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047・森本靖
○森本委員 だから、その通知のしかたは何でやるか、こう聞いておるわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/47
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048・稲増久義
○稲増政府委員 郵便でいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/48
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049・森本靖
○森本委員 郵便ははがきもあれば封書もあるわけですから、郵便料金の関連を聞いておるわけでありまするから、その通知は一体何でするか、これを聞いておるわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/49
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050・稲増久義
○稲増政府委員 通知する手段でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/50
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051・森本靖
○森本委員 ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/51
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052・稲増久義
○稲増政府委員 郵便でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/52
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053・森本靖
○森本委員 郵便はわかっておる。郵便の中にははがきもあれば封書もあるのだから、それはいまの郵便法の第何種に基づくような手続をとるのか、こう聞いておるわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/53
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054・稲増久義
○稲増政府委員 失礼いたしました。第一種であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/54
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055・森本靖
○森本委員 第一種の今回の郵便料金の改定は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/55
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056・稲増久義
○稲増政府委員 十五円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/56
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057・森本靖
○森本委員 そうすると、これは運用収入も何もない。それから通常振替が十五円ということになったら、両方に通知したら三十円かかるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/57
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058・稲増久義
○稲増政府委員 お説のとおり、郵便貯金を直接比較いたしますとさようなことになりますが、やはりわれわれといたしましては、口座間振替の利用が増大いたしまして口座の現在高もだんだんとある程度伸びていく、預託収入も多くなるというふうなことを考えまして、十五円でいいんじゃないかというふうに考えました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/58
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059・森本靖
○森本委員 これは当然通信事務として取り扱うわけですね、その郵便については。しかし、それが通信事務でなくして現実に普通の料金を支払うとしたならば、十五円と十五円で三十円要ることになるでしょう。その場合に、通常振替が十五円であるということになるとするならば、実際問題としては今回のいわゆる郵便法の郵便料金の改定とこの問題とがちょっと矛盾をしてきやせぬか。郵便法の場合には、金が足らぬ、足らぬということによって郵便料金を値上げしょうとしておる。ところが、この振替貯金法においては、要するに、利子を全廃をしてそのもうけがあるから、これは料金は安くする。料金を安くするということはまことにけっこうでございますけれども、郵便料金の単価からいくとするならば、そこに大きな矛盾が出てきやせぬか、原価計算において。その辺はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/59
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060・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま申し上げましたとおり、われわれとしましては、振替制度の常道でございます預託利子収入の増収を考えておりますので、それだけ比較いたしますとさような結果に相なりますが、しかしそういう点もありますので、今後ははがきで通信したいというふうなことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/60
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061・森本靖
○森本委員 いままで郵便でやっておって、はがきでやるということをやった場合には、それは何としたところで、郵便としてははがきよりも封書のほうが高等信の取り扱いをするわけでありますから、特にそういうふうな払い出し、払い込みの通知については、これは大事な通知でありますから、本来言うならこれは金額によっては書留通知にしてもいいくらいです。それを通常の郵便で通知するのをはがきに直すということになると、さらにこれはサービスが低下することになるわけです。
それから、これは郵務局長がおらぬからわからぬが、大臣、わかりますか。郵便はがきで年間迷子になったはがきがどのくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/61
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062・郡祐一
○郡国務大臣 私は存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/62
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063・森本靖
○森本委員 確かに郵政省ではがきで迷子になったはがきが相当数あると思うが、これはだれかわかりませんか。わからぬならこれは審議できぬ、はがきに変わるんだから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/63
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064・郡祐一
○郡国務大臣 いま聞いておりますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/64
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065・中井徳次郎
○中井委員 関連して……。先ほどからだんだん伺っていますと、たいへんにこまかい数字のことでありますし、私も詳しいことはよくわからないんだが、何億もうかって何千万減るんだという御説明を伺っておりますけれども、どうなんですか、今度利子をつけないということになれば、これまで利子の計算が行なわれていたところはどこでやっておりましたか。大蔵省の預金部でやっておったのか、あなたのほうの管轄でやっておったか、これをひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/65
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066・稲増久義
○稲増政府委員 地方貯金局でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/66
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067・中井徳次郎
○中井委員 それはたいへん繁雑な計算であろうと思うのですが、これは機械化でやっておったのですか、やはり多数の職員を使って利子の計算をやっておりましたか。そのやり方はどんなふうでありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/67
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068・稲増久義
○稲増政府委員 利子のつけ方といたしましては、郵便貯金などよりも簡単にいたしておりまして、一月の間で一番低い額、たとえば一月のある日に全然残高がない場合には、もうその月はつけないというふうな月単位の、しかもそういうふうなやり方でございましたので、ほかの利子計算よりも簡単でございます。機械化も相当やってまいったのでございますが、なお本格的な機械化は今後でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/68
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069・中井徳次郎
○中井委員 そういたしますと、今度は利子をつけないということになれば、その面だけでも私は非常な冗員が出てくるんじゃないかと思います。むしろそれのほうが経費の節約になるんじゃないかと思うのですが、どうなんですか。各地方の貯金局で計算をしておる定員がどれくらいで、どれくらい人員の節約になるか。何も首を切れというんじゃありません。ほかの積極的な仕事のほうに回してもらえばいいわけですが、そういう計算はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/69
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070・稲増久義
○稲増政府委員 一応そういう計算はいたしておりますが、われわれの計算では、地方貯金局におきまして利子の廃止、そういうことによりまして四十八名ほど人が要らなくなる。なお郵便局の窓口の関係からは二名ほど要らなくなる。約五十名ほどの定員がそのために要らなくなりますが、この定員はすべて料金引き下げによりまして私たちがねらっております口座の増大、利用の増進というふうな点で、口座の開設もふえてまいりますし、今後送金件数もふえてまいりますので、その方面にそういう人たちは回っていただくというふうなことで、プラスマイナス・ゼロという計算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/70
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071・中井徳次郎
○中井委員 五十名というのは一局で五十名ですか。全国で五十名ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/71
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072・稲増久義
○稲増政府委員 全国でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/72
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073・中井徳次郎
○中井委員 どうも非常に粗雑な計算のように思います。それがプラスマイナス・ゼロになるなんというのは、仕事がふえてくれば人間をふやせばいいので、それが五十名定員の減になるというならば、その経費を計算し、将来ふえればふえるという計算をしないことには——私はこの間から伺っていますが、どうもこの制度の利点とか何とかいうときに、何億もうかるとか何千万円プラスマイナス——特別会計だから君たちはそういうことを言いたくはなるでしょうけれども、国全体としてはそんなことはほとんど問題にならぬので、振替貯金の利子をやめて取り扱いを便利にするんだ、こういうことでないことには、私は説明にはならぬと思うのです。そういう気持ちで伺っていました。ですから、経費節減だとか——何十億というのはそれはたいへんですよ。一億何千万円、そんなことを——これだけの全国の送金システムを改めるんですから、ですからそういう説明が願いたかったと思いますので、その収支の計算をなさるのなら、徹底的にやって、私がいま言うような四十八名、二名、そういうことを計算してください。特に二名減るとかふえるとか、そんな計算は問題にならぬ。もっとうんと減るなら減る。そういう四十八名だとか二名はどうするんだ。東京一名、大阪一名、熊本や福岡はゼロ、人間を縦に割るわけにいかないんです。そういう意味のものをもつと素朴にまじめに計算してもらいたい、こう思います。以上のことを私は希望として申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/73
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074・森本靖
○森本委員 郵政省は、いま中井さんが言われたように、人間を〇・二とか〇・三とか、定員を割る計算がうまいわけでありますが、そういうことをやっておるからいまみたいなことになります。ちょっと気にかかることがありますが、窓口で二名減るということの返事がありましたが、それはどんなことですか。全国の窓口の二名というのはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/74
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075・稲増久義
○稲増政府委員 郵便局の事務でございます利子の組み入れ通知書の受け入れ関係だけでございます。それはいま先生のおっしゃいましたとおり、〇・何人方式で二名ということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/75
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076・森本靖
○森本委員 それは君、一体どういう計算をやっているのだ、二名窓口が減るというのは。全国に一万五千以上の郵便局があるのに、〇・〇〇〇一ぐらいをずっと足していって二名になったのかね。どういう計算でその二名という数字が出たのだろう。これは局長どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/76
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077・稲増久義
○稲増政府委員 一応いまおっしゃられたような方式でやりましたのが二名です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/77
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078・森本靖
○森本委員 その方式をちょっと説明してくれませんか。あなた方は大学を出て頭がみないいのだから。私は全国の一万五千何ぼ郵便局の窓口があるのに、それで二名減る、それをどうやって数学的に〇・〇〇〇一というふうにやっていったか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/78
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079・稲増久義
○稲増政府委員 どうも二名までは知っておりましたが、その根拠につきましては詳しくなにしておりませんので、追ってお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/79
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080・森本靖
○森本委員 これは質疑が漫談みたいになる。局長、あなたよく勉強していることはわかるけれども、違ったところばかり勉強しているのではないか、こう思うので、その二名——大体先ほどの答弁がおかしいと思うのだよ。ある程度、貯金局で四十名程度減るということについては、これはわかります。しかし、全国の窓口において二名減るなんという計算は、これは現実にやりようがない。場合によっては、それは東京中郵が一名、大阪中郵が一名というふうな返事ならまだはっきりするけれども、全国の一万五千の中で計算をしたら二名減るなんていう計算のしかたはどうやったって出てくることはないのだ。はっきりいってへち向いた勉強のしかたをしているのではないか、こう思うわけであって、それはひとつ十分に勉強願いたいと思う。
先ほどの問題に戻りまして、郵便の料金の改定と今回の郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、この郵便振替貯金法の一部を改正する法律案は料金を安くする法律でありますから、これはある程度便利になるということであって、国民から喜ばれる。ところが一方郵便法は、郵便の郵政事業特別会計の金が足らぬ、だから郵便料金を値上げをする、こういうことになっているわけです。むろんこの通知書その他については、郵政省の中において通信事務として発送いたしますから、実際には料金は要りません。要らぬけれども、しかしそれは、本来ならば、一郵便物として取り扱う場合には、原価計算としては一種なら一種の原価計算をしなければならぬわけです。そういたしますと、通常振替の場合には、私が言いましたように、第一種によって二通の通知をするということになると、今回の改定料金においてこれは三十円ということになる。そうすると、ここではすでに今回の郵便料金の改定と通常振替貯金法の改定とのちぐはぐが出てくるわけであります。
それからもう一つ、先ほど申しましたように、すべてこの通知についてはどんな金額でも通常郵便の第一種でやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/80
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081・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/81
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082・森本靖
○森本委員 それは高額のものについても全部郵便でやっておりますか。書留ではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/82
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083・稲増久義
○稲増政府委員 書留ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/83
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084・森本靖
○森本委員 そうすると、貯金局においていわゆる残高証明を行なった場合に、その貯金通帳を発送する場合に、あるいはまた貯金の利子の残高についてはこれを為替と同じように組んで発送いたしておるわけでありまするが、まず、貯金の利子の利札の発行については何万円以上が書留になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/84
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085・稲増久義
○稲増政府委員 払い戻し証書については一万円以上が書留であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/85
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086・森本靖
○森本委員 貯金のほうでは一万円以上が書留になっておる、そういうことになるとするならば、この口座の問題についても払い出し用紙については、これはやはり書留でやるというのが普通じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/86
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087・稲増久義
○稲増政府委員 一万円以上につきましては書留でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/87
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088・森本靖
○森本委員 さっきは違う——だからさっき私が聞いたじゃないか。さっき聞いたら君たちは書留じゃない、普通だと言ったから、私は貯金から順番に説き起こしていったわけだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/88
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089・稲増久義
○稲増政府委員 払い出し証書と考えずに受け払い高の通知と感違いしておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/89
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090・森本靖
○森本委員 それで、大体書留ということになると、この料金はさらに高くなってくる。今回の郵便法の改定によるところの第一種の書留料金と第二種の料金は幾らですか、郵務局次長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/90
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091・森圭三
○森説明員 第一種の普通料金は十五円でございまして、書留は簡易な手続をいたしますと五十円を予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/91
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092・森本靖
○森本委員 その場合に五万円の場合は幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/92
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093・森圭三
○森説明員 五万円で約三百円くらいになろうかと思います。補償をつけなければ同額だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/93
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094・森本靖
○森本委員 その補償は、五万円なら五万円という振替の場合はもし書留でやるとするならば当然補償をつけなければならぬ。補償をつければ料金が上がってきますから、書留の五万円の場合の補償がついた正当な書留料金は幾らか、こういうことですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/94
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095・森圭三
○森説明員 三百円くらいになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/95
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096・森本靖
○森本委員 そうなりますと五万円で約三百三十円という程度の郵便料金のかっこうになってくるわけですが、この辺の郵便法の改正と通常振替貯金法の改定との料金のちぐはぐの状態をどう考えているかということです。要するに、郵政事業特別会計では金が足らぬ、金が足らぬといって郵便料金の値上げをしておる、ところがそれに対しては、郵便振替貯金法の改正においてはその赤字をさらにここに倍加しておる。その赤字が出てきておるところを、黒字に転化しようという考え方で運用収入をはかるということについては、今回の郵便振替貯金法の一部改正においては考えておらぬ、こういうことが言えるわけです。
それからついでに郵務局の次長に聞いておきたいと思いますが、全国ではがきで迷子になって配達ができぬというふうになっているのは年間どれくらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/96
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097・森圭三
○森説明員 あて先不明で差し出し人のところに戻るものまで含めますと年間で約三千万通くらいはあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/97
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098・森本靖
○森本委員 お聞きのとおりはがきでは年間三千万通あるということになりますと、これはやっぱり、あなたは安易にはがきに変えようかと思うということを言っておったけれども、私ははがきに変えるべきじゃない、絶対振替貯金法の通知については従来どおり封書でやるべきであると思う。それから一万円以上については書留でやる。こういうことになってくると、これは非常に料金の食い違いが出てくるでしょう。振替貯金法と郵便法と、大臣どうですか、これはおわかりでしょう。明らかに振替貯金法の料金の改定問題とそれから郵便法との関連からするならば、非常に食い違いが出てくる。だから、郵便の赤字をこの振替貯金法については背負っていく、こういう形になるわけですね。通信事務で発送するから、現実には会計法上については損失はないですよ。しかし、それを積算的に根拠づけていくとするならば、今回の振替貯金法の改定においては、郵便法の改定からすれば、実際問題として郵便としての原価計算からいってそうなってくるわけでしょう。どうですか大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/98
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099・郡祐一
○郡国務大臣 例をお引きになり、また森次長がお答えしておりましたように、かりに五万円として補償のついた書留、三百円といたしますと、それと現在の料金との間の差額というものは、自然おっしゃるように郵政事業全体としてはそういう結果になってまいると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/99
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100・森本靖
○森本委員 それからついででありますが、貯金局長に聞いておきます。
先ほど言いました振替貯金の一万円以上は書留で送っておる、それから利札についても書留で送っておるわけですね。利札というか、利子の支払いの通知書ですね。これを書留で送っておる。その場合の書留は無料書留ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/100
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101・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/101
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102・森本靖
○森本委員 その場合の無料書留の補償額はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/102
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103・稲増久義
○稲増政府委員 われわれの事業におきまして、支出の中に無料郵便料を払っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/103
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104・森本靖
○森本委員 だから、その場合の補償額は、これは郵便法の改定のときに十分にやろうと思っておったけれども、今日御承知のとおり、書留といえばみんなこれは安全だと思っておる。ところが書留については、実際には、一万円なら一万円、五万円なら五万円の補償を願おうと思ったとするならば、それ以上の料金を払わなければならぬ。実際あれは補償されてない。その場合に、無料書留の場合においてはその補償がどうなっておるか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/104
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105・稲増久義
○稲増政府委員 普通書留でございますので、補償はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/105
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106・森本靖
○森本委員 それなら最低の補償額ですか。現在の書留の最低の補償額は幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/106
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107・森圭三
○森説明員 現在は千円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/107
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108・森本靖
○森本委員 書留については千円からずっと段階がついておるのでしょう。書留にしたらその金額が全部補償されておる、こう一般国民は思っておるけれども、実はそうじゃないので、現在の書留料金は千円の補償しかない。それ以上の補償をするとするならば、ずっと高い料金を納めていかなければならぬことになっているわけで、この点のPRが実は国民には足りておりません。
いずれこれは郵便法の改定のときにやりますけれども、そういう点がありますが、この貯金局から出る無料書留の場合、その場合の補償額は一体どうなっておるのか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/108
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109・稲増久義
○稲増政府委員 同じ郵政事業特別会計でございますので、補償はない形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/109
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110・森本靖
○森本委員 補償がなかったら書留にしたところで意味がないじゃないか。補償があるから書留という意味があるのでしょう。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/110
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111・稲増久義
○稲増政府委員 送達の責任は郵政省側にございますので、補償ということを考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/111
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112・森本靖
○森本委員 補償を考えぬ書留というのは一体どういう意味の書留ですか、無料書留という意味は。書留にする意味がないのでしょうが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/112
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113・森圭三
○森説明員 補償はございませんけれども、書留にいたしますと、引き受けましてから配達までの間に、一々その郵便物の番号を記録いたしておりますので、確実に届くということが確実にされるということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/113
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114・森本靖
○森本委員 そうすると、これは非常に危険ですね。たとえば郵便貯金の利子を送る。二万円、三万円の利子の支払い通知書というものは、いま、ざらにありますからね。これは、はっきりいいまして、だれが持っていっても引けます。全国の郵便局に、盗難通知書を出したって、これは間に合いませんよ。その場合は、それなら一体だれが責任を負いますか。いわゆる利子の支払い通知書が途中で盗まれた。それが郵便局で引かれた。そうなった場合に、一体これはだれがその責任を負いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/114
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115・稲増久義
○稲増政府委員 その支払いにつきましてわがほうに過失がございますれば、私どもが国損として責任を負うことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/115
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116・森本靖
○森本委員 過失というよりも、これは途中で盗まれたという場合には、それでは郵政省が責任を負うのですか。そういうのが郵便貯金法の何条にありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/116
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117・稲増久義
○稲増政府委員 貯金法には特別規定いたしておりませんが、一般の民法の規定に従うことに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/117
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118・森本靖
○森本委員 民法ということになると、ここにいらっしゃる畑弁護士がこれは専門でありますが、これは質問をすればするほどわからぬようになってくる。そんなのを民法上の責任によってするというふうなのは、ちょっとおかしいのじゃないか。やはりこういう問題については、郵便貯金法なら郵便貯金法にはっきりとあるべきである、こう私は思うのですが、そんな例はいままでないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/118
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119・稲増久義
○稲増政府委員 ごくまれにあることでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/119
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120・森本靖
○森本委員 その、ごくまれにあった例を、ひとつ示してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/120
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121・稲増久義
○稲増政府委員 実例につきましては、後ほど、調べて、お答え申したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/121
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122・森本靖
○森本委員 後ほどということでありますので、ひとつその例を詳細に聞いてみて、もう一回これはじっくり審議をしたいと思います。
ただ、ここで重要な点がありますので、大臣に聞いておきたいと思いますが、この振替貯金事業というものが今回郵便振替になる。今回の場合は貯金の利子が全廃になりますから、料金関係で一億五千万ないし一億四千万程度の黒字になる、こういうことでありますが、元来、この振替貯金の貯金というものがなくなって郵便振替ということになった場合は、料金収入によってこれを補っていくのが正しいのか、あるいは滞留資金の運用収入によって補っていくのが正しいのか、そのいずれがこの根本的な事業経営の主になるものであるか。これはひとつ大臣に私は聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/122
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123・郡祐一
○郡国務大臣 私は、どちらかだけということの言い方もできないと思いますけれど、こういう種類のものは、やはり運用資金そのものが大事な要点になる種類のものだ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/123
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124・森本靖
○森本委員 そういたしますと、運用収入が中心で、料金収入が従になる、こういう考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/124
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125・郡祐一
○郡国務大臣 私はそうであるべきであって、したがって、件数が非常にふえて——前回からの御意見を承り、また私も省内でいろいろとこう聞きながら、なぜふえていかないのだろうか。これを今度料金の引き下げをいたした、それで一体どれだけ魅力があるのか。ちょっと余談のようでございますけれども、先ほど書留の補償の点がございました。それから速達というのは、料金を払えばそのあて先のところにいくつもりだけれども、これは四キロというわりに狭いところに限られている、こういうことを国民の皆さまは御存じない、御存じない方が多いくらいです。これは何かいままでの郵政省の努力の中に加えるべきものがあるのじゃないだろうか、そうして振替貯金の利子を廃止して振りかえにする、そのために料金を下げることができた、しかしこれだけではどうも国民の皆さまに郵便振替というものが非常に便利なものですということがわかっていただけるということはむずかしいのじゃないだろうか、ほとんど不可能じゃないだろうか、したがって、そうすると利用がふえていかない、運用収入も期待ができないということにだんだんなってまいる。これはひとつこの機会にできるところから、先般もお話にありました電電の例やNHKの例もございましたけれども、何とか公共団体などで使ってもらって、そしてなるほど便利だ、やはり国の郵便というものを背景にしておるから、郵政事業に対する信頼で利用が増してまいる、そうすれば料金のほうは順次減らしていく傾向にいたしましても、私はこれが多く利用されればこの郵便振替というものは活用されるし、そうでなければ伸びていかない、そういう大事な問題があろうと思います。それで私自身も何かほかにももっとくふうをこらすべきじゃないだろうか、むしろこのような改正案をお願いいたしましたけれども、これに続いてさらに今後考えなければほんとうの趣旨は達していかないのだ、こんなふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/125
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126・森本靖
○森本委員 最後のほうの大臣のお答えはそのとおりでありまして、この振替貯金法の改正だけで将来の振りかえをやっていこうといたしましてもこれはなかなか無理である。それから大臣がおっしゃいましたように、この料金収入と運用収入の問題の比重でありますけれども、一般の民間銀行はこれは料金無料であります。だから運用収入によってまかなっておるわけであります。たとえばヨーロッパ各国のこの振替事業についても、ほとんど運用収入によって八〇%程度までまかなっておるわけであります。大体残り二〇%程度がこの料金収入によってまかなわれておる。ところが日本の今回の郵便振替貯金法の改正においては、その肝心の運用収入が依然として大蔵大臣にガチンと押えられておる。何にもならぬ。こういう根本的な命題が、本来ならばこの振替貯金法の改正にあたって大臣が大蔵大臣と相当の政治折衝をしたあげくにおいてこの振替貯金法が出されてきたということであるとするならばある程度納得がいきますけれども、私がいろいろの政治情報網から聞いたところによると、まあこれは大体局長クラスが折衝してみて、どうもぐあいが悪いということになって郵政省があとに下がった、これについて郵政大臣が大蔵大臣の机をたたいて談判したということはあまり聞いておらぬわけであります。そこで、そういう点で私は今回の郵便振替貯金事業の改正案そのものについては、これは原則的に賛成いたしますけれども、一番大事なポイントが抜けておりはせぬかというところに大きな問題を投げかけておるわけでありまして、そういう点についてはひとつ次回に質問をすることにいたしまして、なお貯金局長もひとつよく勉強するようにもう一回お願いをしておきまして、きょうの質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/126
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127・砂原格
○砂原委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X00519660224/127
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