1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月二十五日(金曜日)
午前十時五十八分開議
出席委員
委員長 砂原 格君
理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君
理事 上林山榮吉君 理事 佐藤洋之助君
理事 内藤 隆君 理事 栗原 俊夫君
理事 畑 和君 理事 森本 靖君
綾部健太郎君 浦野 幸男君
大野 明君 金丸 信君
木部 佳昭君 佐藤 孝行君
志賀健次郎君 徳安 實藏君
服部 安司君 湊 徹郎君
山村新治郎君 片島 港君
中井徳次郎君 原 茂君
前田榮之助君 佐々木良作君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 郡 祐一君
出席政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政事務官
(大臣官房長) 鶴岡 寛君
郵政事務官
(監察局長) 山本 博君
郵政事務官
(郵務局長) 長田 裕二君
郵政事務官
(経理局長) 淺野 賢澄君
委員外の出席者
専 門 員 水田 誠君
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三月二十五日
委員小渕恵三君、星島二郎君及び本名武君辞任
につき、その補欠として山村新治郎君、浦野幸
男君及び湊徹郎君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
同日
委員浦野幸男君、湊徹郎君及び山村新治郎君辞
任につき、その補欠として星島二郎君、本名武
君及び小渕恵三君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
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本日の会議に付した案件
郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/0
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001・砂原格
○砂原委員長 これより会議を開きます。
郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。畑委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/1
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002・畑和
○畑委員 今度審議を始めることになりました郵便法の一部を改正する法律案、このことにつきましては、本会議におきましてわが党の栗原委員からすでに概略のことにつきまして総理あるいは郵政大臣その他関係の大臣に質問をいたしましたけれども、以下、われわれはこの委員会におきまして、詳細にしかも慎重にこの法案を審議いたしたい。
御承知のように公共料金の値上げの法案の第二弾でございまして、そのほか米とかあるいは私鉄運賃とかいうものは、これはもう法律事項でないということで早々と値上げをされた、続いてこの間問題になった運賃法、これがああいう形で通りました。そこで第二弾として打ち出されたのがこの郵便法の改正、値上げの法案でございます。たまたま物価きわめて騰貴をして底止するところを知らずといったような現況において、政府が、あえてそういう状況であるのに出さざるを得ないということに追い込まれた事情はわからないではないですけれども、われわれとしては大衆の利益を守るというような立場からもこの法案には絶対反対をせざるを得ないという立場でございます。
そこで、今度の値上げの理由というのは、最近郵政事業がだいぶ赤字になった。昭和四十年度においてもすでに予算面に五十六億という数字の赤字を計上せざるを得ないということになって、ますますその赤字が拡大する傾向にあるので、独立採算制というたてまえから、赤字を黒字に転化させるということには料金の値上げ以外にないということで踏み切られたというのがこの間の提案の趣旨の説明でございました。
そこで、私、まずお尋ねいたしたいのは、実はもっと時間がありますれば、資料等を求めまして質問の資料にするということで、お互いによかったかもしれないのですけれども、非常に自民党さんのほうが急がれるものだから、きょうも私は質問をする予定でなかった。ところが、どうしても私に質問しろということになったものですから、とりあえずやるわけです。したがって、資料を求めている余裕がなかったので、ここの場でひとつ一問一答でお聞きいたしたい。
まず、これは郵務局長でよろしいと思いますが、過去五年間の収支状況、これを数字で示してもらいたい。五年間というと昭和三十五年からお願いしましょうか。三十五年の黒字はどうか、黒字が幾らあって、その翌年は黒字が幾ら、その趨勢をずっとまず知らしてもらいたい。——表にしたものはないかね、まだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/2
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003・長田裕二
○長田政府委員 郵便事業だけを取り分けまして、収入と支出の使い残しの利益というものを整理しましたものをただいま手元に持っておりませんが、これは至急つくりまして御提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/3
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004・畑和
○畑委員 そういうものを承知した上でないとなかなか質問ができないのだよ。では、概算でもいいからやってみてください。値上げの根本理由だからな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/4
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005・長田裕二
○長田政府委員 郵便事業の収入、昭和三十六年に値上げして以来の金額を申し上げますと、三十六年度が八百十九億円、三十七年度が九百七億円、三十八年度が千二十五億円、三十九年度が千百三十九億円、四十年度が千百七十七億円の見込みでございます。支出のほうは、実は三十六年度以来の収支計算の結果、ただいま正確に記憶しておりませんが、毎年十億を上回る、大体平均しましておそらく三十億前後ぐらいの利益を残しておりますので、支出は、ただいま申し上げました収入からその金額を差し引いた額ぐらいに相なるかと思います。ただし、四十年度につきましては、収支計算は、先ほどのお話にもございましたように、当初から持ち越し資金を五十六億円使うことになっておりますし、まだはっきりいたしませんが、相当変わった数字になるかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/5
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006・畑和
○畑委員 いまも収入のほうだけはわかったのです。あなた方は、入るほうは簡単にわかるだろうけれども、支出のことがはっきりしないということはどうも怠慢だと思うのです。しかも三十六年、三十七年ごろは全部決算が済んでおるはずだと思うのです。しかもこれが一番の値上げのあなた方が主張する——収入がこれだけあって、支出がこれだけある。その結果こういう傾向に、毎年の資料がなっておる。
〔委員長退席、加藤(常)委員長代理着席〕
物の数はこうなっておる。それで結局四十年には五十六億円も赤字だということをあらかじめ見込まざるを得ないということなんです。しからば四十年の前の三十九年はどうだったのか、急に赤字がそういうふうにふえるはずもないというので、私はそのたどり方、足取りを実は聞きたかったのです。ところがそういう点がはっきりしないで、ただ三十六年からずうっと十億から上で三十億くらいというのではきわめてばく然としている。それは、初めのうちは三十億くらいで、二十億、十五億、十億、ゼロ、最後には赤字、こうなってきて、この趨勢だと物のほうも案外ふえない、それでほかの人件費等がかさむというような関係でこうなるということでなければならぬと思うのです。そこでそういうふうに私は聞いたのですけれども、さらに詳しいものはないのですか。まだそれだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/6
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007・長田裕二
○長田政府委員 お説全くごもっともでございますが、実は郵政事業特別会計は、御承知のように郵便と貯金、保険、それから電気通信の持ち合い世帯のような形になっておりまして、郵便に直接支出いたします経費というものはわりあいに出しやすうございますけれども、結局本省経費とか郵政局の経費とか、総掛かり費に当たりますものは、各事業それぞれ一定の比率で持ち寄ったり、その年の状況によって少し変わったりいたしますので、決算をいたしまして、しかも法定決算、法律で要求されております決算以上に事業別の分計という作業をやりますと出てまいりますが、その事業別分計という作業はいわば内輪の参考にするという形に現在たてまえがなっておりまして、あまり表にその数字が出なくてもいいということになっておる事情もございまして、いま手元に持ち合わせておりませんが、これは帰りますればすぐわかる数字でございますので、この次の機会に必ず持ってまいりまして差し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/7
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008・森本靖
○森本委員 関連。いま三十六年からの収入の分が明らかになりましたが、そこで支出が明らかにならなければ、これははっきりしたことが出ないわけでありますので、支出を明らかにしていただきたいということと、それから、三十六年から四十年にかけて八百十九億から千百七十七億になっておりますが、その三十六年から四十年までの間の収入の中の種類別の内訳を明らかにしていただきたい。そうでないと今回の料金問題に入れぬわけでありますので、この八百十九億、九百七億、千二十五億、千百三十九億、千百七十七億の種類別の内訳というものを明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/8
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009・長田裕二
○長田政府委員 かしこまりました。ただいまの種類別というお話は、これは郵便物の種類別のほうでございますか、収入の種類別のほうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/9
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010・森本靖
○森本委員 これは郵便の総収入とするならば、この一種から五種までの収入と、さらに記念切手のような収入というものがあると思うのですが、その収入の内訳を明らかにしていただきたい、こういう意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/10
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011・長田裕二
○長田政府委員 御趣旨の資料をつくって差し出します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/11
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012・森本靖
○森本委員 これは資料をつくって出すようであれば、審議をやめたいと思います。はっきりいいまして、これだけの重要法案については、いかなるところから質問があっても答弁ができるという態勢でなければならぬということは、しばしば私どもは、公式、非公式に言ってあるはずであります。要するに、いま言いましたような収入と支出の内訳が、あとでなければ資料が出せぬというふうなことでは、これはもう審議になりません。要するに、これは即座に答弁ができるということでなければ意味がないわけであります。だから、それが答弁ができるまで、ひとつ暫時休憩をするなり何なり、委員長のほうで処置していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/12
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013・畑和
○畑委員 私も、いま関連質問の森本君と同じ意見なんです。私はこういうことくらいはあなたはわかっていらっしゃると思ったのです。それで、非常にせかれたものですから、資料を求める余裕がなかった、やむを得ないから、ここで一問一答式にやろう、長田郵務局長はなかなか鋭敏な人だから、もうそういうことはすべてわかっていると思ったんだ。これがすべて基本ですからね。こういうわけで足りなくなりました、いままでこういう傾向でしたが、こういうことで足りなくなりましたということがやはり一目瞭然とせないと、それはどんぶり勘定でどうでもいいということには、値上げのときにはまいらぬ。ほかの場合ならともかくも、値上げをしてください、国民の皆さんに協力を求めますというのだから、それであるからには全部そういうところを原価計算をして、ほかの科目と混同するというのだが、それをはっきりして、それくらいのことをしておかなければいかぬと思う。私もそのあとのこまかい一種、二種、三種、四種、五種、そういったものの内訳がほしい。それが出ないと審議は進められないのです。それというのは、本会議におきましても栗原委員が質問しましたが、第三種郵便が今度はほとんど据え置きだ。いままでそれがほとんど欠損の中心だ。なるほど文化政策的な考えがあることはわかっております。ところが、明らかにそれの欠損がもう六十億近くある。それをほかの第一種あたりで背負う理由がどこにあるかということなんです。そういう点で、その経過、種類別の収支が全部一目瞭然としてないと、なかなかその先の質問が進まぬ、こういうことでありますから、待ってますから、ひとつ資料をつくってもらいたい。
〔「議事進行について。定足数の関係もあり、資料の不備の関係もあり、暫時休憩。」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/13
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014・加藤常太郎
○加藤(常)委員長代理 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/14
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015・加藤常太郎
○加藤(常)委員長代理 速記を始めて。
服部君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/15
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016・服部安司
○服部委員 郵便法の一部を改正する法律案について若干の質問をいたしたいと思います。
まず第一に、郵便料金の改定について、国民は必ずしも郵便事業の実情を十分に理解していないように思うわけでありまするが、今回の改正の必要性、理由について説明を賜わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/16
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017・郡祐一
○郡国務大臣 いま、服部委員のおっしゃいますように、郵便事業が国の独占事業である意味合いから申しましても大切なことで、ぜひ国民の皆様に、このたびの郵便料金の改定をいたさなければならないことを御理解をいただくことがまず第一だと思うのであります。
すでにある程度申し上げたことではございまするが、郵便料金の改定をいたしますのは非常に古く、十五年前にいたした状態で、その後一部分の改正だけしかいたしておらない。そのために四十年度において、すでに五十六億という赤字を出しておりまするが、その間とにかく持ちこたえてまいりましたところは、何といっても物の増加がささえてきてくれておったわけであります。これからも国民の皆さんにぜひ御理解を願わなければならない点は、何と申しましても、大部分を人件費に支出しておりますこの会計におきましては、物の増加を今後も期待してまいる、このことが大切でございます。それでこのたび現実にはそのように収支の不足の状態ということが非常に深刻になって、このままでは現状も維持できないという状態に相なったことも事実でございますが、同時に、収支の補てんだけでなく、事業の近代化ということをどうしてもはかってまいらなければいけな、これについては、すでに一昨年末郵政審議会から近代化についての御答申をいただいております。その近代化の趣旨にのっとりまして、施策を進めてまいりたい。それでその中で特に私といたしまして重要に思いますことは、何と申しましても利用者のために送達の迅速、適確をはからなければならない。まず重点はここにあると思うのであります。さようにいたしますと、このたびの予算の上にも、また郵便法の改正の精神もそうでございますけれども、料金を引き上げていただきまして、それによって得た財源によりまして、遠距離については航空機の搭載をいたす、近距離については自動車専用便の増加もいたす、こういうことによって送達速度の適正をはかってまいる。さらに郵便局舎の改善が何といっても利用者のためにも、また従業員のためにも必要でございます。その郵便局舎の改善という点に——すでに予算でも五十数%の大幅な局舎の建設費の増加をいたしております。こうした局舎と、それから各種の物的な施設というもの、こうしたものを充実してまいる。そのほかに大きい命題として機械化という問題がございます。これは小包局なり大型普通局なりというものもすでに進めておりますが、そうした機械を入れるところには機械を入れる。そうして窓口についてもでき得る限り機械力と、それから窓口をもう少し利用者のために御便宜をはかる。これは御指摘もあろうかと思いますが、一昨年の近代化の答申をそのまま一拳に現実には移せてまいれませんけれども、しかしこれを機会にそうして進めてまいる。したがいまして、ただいまも御指摘ございましたが、収支の補てんだけではない、近代化、特に送達の正確ということに重点を置いてまいっておる次第でございます。御注意のありました国民の皆さまへの徹底ということについては、さらに努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/17
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018・服部安司
○服部委員 大体改正の必要性と理由については理解できましたが、この増収によって大部分を人件費に、またあわせて近代化、これは答申に基づくところのいわゆる事業、さらにこの財源によって合理化をはかって送達を迅速、適確にするためにいろいろな施策をやる。それによって、現在のいわゆる郵便の送達に対して国民がいろいろな機会に批判をいたしておりますが、いま御説明がありましたが、そういった面も十二分に考慮に入れられて、これが国会を通過した後にはひとつ十二分の留意をはかってよい結果が上がるように努力をしてもらいたいと思います。
なお、この料金改定が行なわなければ四十一年度の収支状況はどのようになるのか、この点をひとつ伺っておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/18
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019・郡祐一
○郡国務大臣 五十六億円の持ち越し財源を使いました状況から考えますと、ただいま申し述べましたような近代化というようなことをでき得る限り押えるような形にいたしましても、なお二百億の赤字が出てまいるのではなかろうか。このたびの提案申し上げております改正案によりまして、七月からの実施で二百八十六億、平年度化いたしまして三百六十四億、この増収が期待できます。したがいまして、放置いたしました場合の赤字というもの、これは必要と思う事業も十分しないという前提を置きましても、なお二百億の赤字が四十一年度は出てまいるような状況に相なるだろうと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/19
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020・服部安司
○服部委員 今回の料金改正は、先ほど来の説明によりますると、今後の郵便事業の運営のためにやむを得ない措置と思うが、料金改正が国民生活に与える影響についてはどのように考えておられるか。また、これは私は的確な比率は把握いたしておりませんが、何か総理府の統計によりますると、平均一家族の郵便料金が六十五円と聞いておりまするが、こういった点について御存じであればひとつこの機会にあわせて御説明を賜わりたい。
また、個々の料金について、どういう考えに基づいてきめられたかという点も、お聞きしておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/20
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021・郡祐一
○郡国務大臣 御指摘のように、総理府の家計費調査の統計によりますると、通信費は三十九年度六十五円となっております。これは、その場合の総支出、月四万四千円ばかりのうちで、そういう額になっております。それで〇・一四という割合になっておりまするが、これは、このたびの料金の改定をいたしましても、これは四十一年度で家計費の総支出がどのくらいになりまするか総額がわかりませんので明瞭に出てまいりませんが、私どもの推定いたしておりますところでは、〇・一四が〇・一七くらいに相なるのだろうかと思っております。したがいまして、これは家計費調査ではさした比率にはなってまいりませんし、その家計費調査をもとにしてこしらえております消費者物価指数、これは家計費調査よりもちょっと高くなってまいりますが、消費者物価指数でも、これはほかの、よそに属さないものを省きますために率が高くなるのでございますが、家計費調査をもとにしておりますから、消費者物価指数に〇・二という通信費が込めておりますが、これもほとんど増加をいたさないという程度になっております。したがいまして、物価の構成上大きい影響はないということは考えられるのでございまするし、それからその家計費調査の実績から見ましても、一般の御家庭に御負担を願う郵便料金というものは、大体一般の家庭は二割程度の方が郵便料金を負担していただいて、残りの八割程度は大企業になっております。したがいまして、どう見ましても家計費調査なり消費者物価指数に大きい影響は出てまいらないと思っております。
個々の料金についてどのような考え方かという御指摘でございまするが、何と申しましても大宗を占めておりますのは一種の手紙、二種のはがきでございます。それで、三種の郵便物についてのいろいろな御議論があると思います。しかし、企業的に経営しろと申しておりまする郵政事業特別会計法第一条から見ましても、私は、何と申しましてもこの郵便事業という独占事業は、特別会計で企業的に経営させるのだ。そうだといたしますれば、第三種は確かに国の政策的な意味合いで料金を低めております。この低めておりますることは、これは私それなりに理由があると思います。御議論としては、そういう理由で、文化的、社会政策的な意味を込めての軽減をいたすなら、それを一般会計または他会計で負担したらどうかという御議論はあろうかと思います。しかしながら総括原価主義をとりまして企業的な採算をいたしますれば、そのほかの三種で軽減をいたした、四種で幾らか赤になるというふうに、こうしたものはやはり会計全体で負担をいたさなければ相ならぬと思います。大宗を占めます一種、二種 二種はほとんど原価どおりでございます。一種については確かに原価よりはやや高くなっております。おりまするが、こういうものは会計全体を見ながら、ことに三種の社会的文化的意義というものはこれをでき得る限り維持する、そういうぐあいにいたしまして、またそのほかに一種と五種の種類体系の整備の問題もございますが、そのように各種類につきまして判断をいたしまして、そして全体に総括原価主義に基づきます価格の改定をきめた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/21
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022・服部安司
○服部委員 国民の家計費に及ぼす影響について、数字で、また統計に基づいて詳細に御説明がありましたが、私は、この程度の国民に与える負担において、現行のいわゆる郵便事業のあり方から考えますと、なるほど二八・八%という上げ率になりまするが、これによって国民の期待するところの郵便業務が実際に行なわれるとなると、いわゆる国民の側が受ける利益が、これは私の判断でありまするが、相当大であると思う。私は、この料金改定の暁には、先ほど説明のあったいわゆる送達の迅速、また国民から信頼されるところの郵便業務が行なわれる確信があるかどうか、あわせてこの機会に聞いておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/22
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023・郡祐一
○郡国務大臣 これは服部さんのおっしゃいますとおりでございまして、私ども国民の御要望を拝見いたしておりますと、広い意味での送達速度の確保というような問題もございますし、また個々にいままで承りましたところでは、地方で勉強いたす者が、送ってくる書籍が高いとか、それから書き損じはがきは交換してもらえぬものであろうか、速達の配達区域をもう少し広げてもらえぬだろうか、個々の御要望がかなり出てまいります。したがいまして、このたびの法的措置の中でも書き損じはがきの交換などもいたしましたし、法条にいたしましても、政令できめます書籍小包の規定も置きました。また速達の配達区域も原則的には四キロから五キロに広げようといたします等、そうした個々の御要望にも即してまいりまして、そして、何と申しますか、料金の値上げを国民にお願いしておきながらややかってなことを言うような感じでございますが、私気をつけてものを言っておりますが、料金を上げていただいたよりも、もっと国民への日ごろの御要望に即することができる、こういうぐあいにこれからの郵政行政を進めてまいりたいと思うのであります。ことに私ども拝見いたしましても、大都市周辺におきまする郵便業務というものは、受けられます利用者の側も、団地等ができましたりいろいろなことのために御不便があるのであります。送達が不完全であるということもございます。また従業員の方も、どうも従業員の配置が少ないとか、それから非常に仕事が過重であるという訴えがございます。そうした点について、大都市周辺などについては利用者と従業員の両方のために改善を加えていく。こうしたことが、ようやくこの度の郵便料金の改定をお願いすればできるように相なってまいると思います。そして何と申しましても十一万人の従業員を持ちましてやっている仕事でございまするから、私はこの機会に、これは私も機会のあるごとにお願いをいたしておるのでございますが、幸いに従業員の方も共鳴していただいておるのでございます。この郵便料金の値上げというのを、何かかねがね収支が不足しておったので、ここで終着駅のようなつもりじゃなく、それではたいへんな間違いで、収支が足りないということは何といっても私どもが責任を負わなければいけないことでございまするが、むしろこれを出発点として、国民へのサービス、同時に十一万の従業員が全部一致いたしまして国民への奉仕という気持ちで、職場規律を高めていく、そうしたことを心がけようじゃないかということを申しまして、幸いに共鳴していてくださるのでありますが、そういう点について私は一段と精神的な面と、ことにときどき、多い数の中で、一部ではありまするけれども、やはり非難されるような不正事件等もございます。そうしたことを根絶いたしまして、そうして物的にも整った、また人的にも規律のある郵政行政をいたしてまいりたい、その機会にいたそうと思いまして、まあ服部さんの御指摘のとおり非常な責任とまた重い荷を負ったつもりで、これからやってまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/23
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024・服部安司
○服部委員 このたびの改正案の中に、第一種と第五種と統合する旨の説明がありましたが、この理由は何か、またその統合の結果はどうなるのかという点について御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/24
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025・長田裕二
○長田政府委員 技術的なことにもわたりますので、私からお答えさしていただきます。
この第一種と第五種と統合いたします点は、今度の郵便法改正の非常に大きな眼目でございます。第一種郵便物は御承知のように筆書した書状を中心といたしまして、現在昭和四十一年度の予想をいたしますと約二十三億通くらいございます。五種は、これも御承知のように印刷書状とかダイレクトメールとかあるいは業務用書類、小型物品などを内容といたしまして約二十二億通くらいある予想でございます。二種とともに郵便物の一番主流をなすものでございまして、この取り扱いは非常に重要なわけでございますが、一種と五種とは内容と数量はただいま申し上げましたとおりですが、料金、取り扱い方法は相当違っておるのでございまして、五種につきましては比較的安い料金をつけ、そのために内容が正しいものかどうかということを見分けますために、開封にしているわけでございます。で、送ります方法につきましても一種のほうはできるだけ早い方法で送ることにしておりますが、五種のほうはある程度まとめて送る、まとめて手数を省きながら送達するというやり方をとっておりまして、少し送達速度では劣る面があるわけであります。これが両方合わせまして四十四億通あまりの通数として、まあ年々増加しているわけでございますが、郵便物全体が相当ふえ、労働力との関係等で処理がだんだん困難になってくるということからしまして、今後これを全体としてどういうふうに能率的に処理していくかということが、私どもの当面する非常に大きな問題でございます。そういう観点からながめてまいりますと問題が四つばかりあろうかと思うのでございます。
第一は、五種は比較的早くない方法で送っておりますが、その中の印刷書状、通知とかそういうような印刷書状のようなものは第一種とほとんど同じくらいのスピードが要求されている、それがたまたま扱いを異にするために現在十分機能を発揮していない面があるということが第一点でございます。
それから第二の問題といたしましては、五種は開封になっておりますために機械にかからない、現在書状自動押印機は相当職場に行き渡っておりますが、それからもう試作期を脱しまして四十一年度からは自動選別機とか自動取りそろえ押印機を職場にぼつぼつ設置してまいりますが、これらにつきましても、開封のものはつかえたりいたしまして、なかなか困る。それから現在各国とともに私どもが開発に非常に努力しております自動区分機の問題になりますと、これも開封ではなかなか困るということになりまして、郵便の能率化、機械化という観点から見ますと、開封である五種というものが非常に問題になってくるわけでございまして、結局そういう面からも、むしろ封はしてもらわないとなかなかうまくいかない。封をいたしますと、もう内容で区別するわけにまいりませんから、したがいまして、一種と同じく目方とか形とかで区別をしていかなければならぬ、そういうふうになるわけでございます。
それから料金の面につきましては、ただいま一種と五種では料金の差をつけておりますけれども、コストの面から見ますと、むしろ現在では五種のほうが相当高いわけでございまして、形も大きい、目方も重い、その上ただいま申し上げましたように開封というようなことで、コストも高うございますので、特に五種を安くしておくという理由がだんだんなくなってまいります。五種を安くいたしました理由は、おそらく、当初、一、二種を送っております間に、相当輸送力にも余力があり、労力にも局舎にも余力があるという時代に、経済を発展させようということで助長的に料金を安くしたものと思われますが、現在はそういう事情は変わってきておるということがございます。
それから第四といたしまして、合わせたほうが作業能率がだいぶ上がるということがございます。一種と五種とを分けております体系では、ポストから取り集めてくる、あるいは窓口で郵便を引き受けます際に、第一にやらなければならない作業が一種と五種とに分けることでございますけれども、これをまとめて形や目方で分けることにしますれば、第一段階の作業を省いてすぐに次の段階に移れるということがございますし、また一種と五種とが別々でございますと、これは内部の実情でございますが、把束——同じあて先に行きますものをまとめてひもで縛る、これを、同じあて先が十通くらいあると一つの把束にいたしますけれども、全体の量がふえて込みになりますと、把束し得る比率が非常に高くなる、あるいは一つの郵袋の中に詰めて同じあて先に向けることのできるものの比率が高くなる。
以上四つの点から考えまして、この際どうしても一種と五種とは統合して、別の観点から、内容によらないで形や目方によって差をつけて運ぶほうがよろしいということになると考えまして、今回こういうような提案をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/25
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026・服部安司
○服部委員 次には郵便物の重量、容積の制限の改正内容はどうか、またその理由はいかがかという点について御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/26
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027・長田裕二
○長田政府委員 ただいまの御質問の点もこのたびの改正の非常に大きな要素でございます。お手元に配りました法律案の資料の四八ページのところに、現行の大きさ、重量等が書いてございます。現在では、第一種につきましての大きさは、長さ四十五センチ、幅三十センチ、厚さ十五センチ、それが最大限でございまして、最小限が、長さ十二センチ、幅七センチでございます。重量は六キロということになっておりますが、現在の作業の実態を見ますと、四キロをこえて六キロまでの通常郵便物はほとんどございません。それから長さにつきましても、この四十五、三十の限度一ぱいのものはほとんどありませんで、非常にたくさんの数を検討いたしてみましても、一種の限度は、一般に使用されます用紙の大きさに少し余裕をつけたものが大体限度でございます。そういうような観点からいたしまして、長さ四十センチ、幅二十七センチ、厚さ十センチというように最大限を縮めることにいたしたわけでございます。実際に郵便物があまりないということと、それから制度を残しておきますと、郵便物はなくても、いろいろな機材、郵袋にしろ区分だなにいたしましても、大きなものを用意しなければならぬという事情でございますので、全体の作業能率を上げるという観点から、あまり支障のない範囲でこのように最小限を少し狭めるというようにしたいと思ったわけでございます。
それから最小限を引き上げました点は、これは一昨年ウィーンで開かれました万国郵便会議におきまして、封筒の最小限を長さ十四センチ、幅九センチまで引き上げようという決議がなされておりますし、今後各郵政庁もそういう努力をいたすことになっておりますので、この機会にさようにすることにしたいと思ったわけでございます。
なお最小限につきましては、これは現在一般に使われております封筒の中にも幅が九センチ以下のものもございます。これはメーカーがほとんど製造を中止しておりますので、いずれはなくなるかとも思いますけれども、現在まだ相当世間にございますので、法律実施後二年半の猶予期間を置いてこれを実施いたそうというふうに考えておるわけでございます。
重量の六キロと四キロの間のものも、先ほど申し上げましたように、もうほとんどございませんので、そういうように直してあるわけでございます。
小包のほうにつきましても、差し上げました資料の五〇ページにもございますが、現在の長さが百十センチ、長さ、幅、厚さの合計が二メートルというふうに、最大限のほうはなっておりますが、一メートルをこえる小包はほとんど職場で扱われておりません。これまた通常郵便物と同じく実態に即しまして最大限を縮めようというふうに考えたわけでございます。
重量につきましては、現在まだ四キロ——六キロの間のものが相当ございますので、五キロ以上六キロ未満のものは年間三百万個くらいございますので、重量につきましては、六キロの制限をそのまま残したいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/27
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028・服部安司
○服部委員 そうなりますると、容積、重量の制限の改正によって支障は生じないか、またそれに対してどのような措置を考えておられるか、この点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/28
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029・長田裕二
○長田政府委員 現在すぐこの制限に抵触いたしますのは、先ほど申し上げました封筒の、従来官庁などで使っておりましたが、幅が八・五センチのものでございます。これはことしの二月まではJIS規格の中にも入っておったものでございまして、これが今度の大きさと抵触するわけでございます。先ほど申し上げましたように、紙製品工業協同組合では、去年の十一月から製造を中止いたしまして、ことしの二月にはJIS規格からはずされておりますので、遠からず市場からもなくなるというふうには思っておりますが、その面につきましては、先ほども申し上げましたが、二年半の猶予期間を置きまして、四十三年末まではいままでどおりの最小限の大きさということにいたしてございますから、大きな面での支障はほとんどないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/29
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030・服部安司
○服部委員 小包郵便の料金の免除を行なう理由及び免除を行なう場合はどのような場合か、またあわせて料金を免除される小包郵便物は、年間どのくらいの引き受けが予想されるか、この点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/30
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031・長田裕二
○長田政府委員 天災その他の災害を受けました被災者の方々に対しましては、災害救助法の発動等によりまして、政府その他各方面からいろいろ救助の手が差し伸べられることになっておりまして、従来からも郵政省としましては一世帯について通常はがき五枚、簡易てがみ一枚の範囲内で無償配付しておるのでございますけれども、今回それに加えまして、国鉄等でも実施しております救恤用の小包も市町村や日赤等、被災者の救助にあてました救恤用の物品を内容とする小包は無償にいたしたいと思ったわけでございます。なお、これは災害救助法が発動され、郵政大臣が必要だと判断いたしました場合に、期間並びに取り扱い郵便局を限ってやるわけでございます。
今後の個数の見込みにつきましては、これは災害の見込みとも関連いたしまして、はっきりただいまからは予測はできませんが、新潟地震等の場合におきまして大体十万個くらい、料金にしまして千五百万円前後でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/31
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032・服部安司
○服部委員 次に、かねがね各方面から要請の強かった、すなわち、書き損じはがきや郵便書簡の交換を行なう旨の説明がありましたが、省としての理由、考え方ですね。また、これを取り行なうにあたっての手数料は幾らか。また、すべての郵便局でこの書き損じはがきまた郵便書簡の交換を行なうのか。この点について御説明をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/32
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033・長田裕二
○長田政府委員 はがきや郵便書簡などを書き損じまして、料額印面には何らよごれも何もないのに全然これをむだにされるというのは、非常にお気の毒なことでもございますし、また、かねてから当委員会等におかれましても、書き損じはがきの交換をするようにというような強い請願等の取り扱いとしてそういうような御意向も示されておりましたので、このたび全面的な法律改正を機会にしよう、この交換に応ずることにしようというふうに考えたわけでございます。
交換をいたします郵便局は、最初普通局程度を考えておりましたのですけれども、この利用者のことも考えなければならないかとも思いますので、もう少し範囲を広めなければならないのではないかと考えておりますが、ただいま省内で、どの程度まで広げられるか検討中でございます。集配特定局くらいまでは広げなければならないのではないかというふうに考えております。したがって、省令でこれを規定することになっておりますので、さらにそれまでの間十分に検討してまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/33
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034・服部安司
○服部委員 初めての試みで、たいへん手数のかかる問題だと予想いたしますが、やはり数量に一定のワクをはめて、いま御相談中との御答弁でございましたが、できるだけ国民の利便を考えて、特に、市街地は集配特定局または集配局に限定されてもそうあまり支障はないと思いまするが、地方に参りますと、かなり距離もありましょうし、したがって、先ほど申し上げたとおりに数量のワクを設定されて、ひとつできるだけ国民の立場に立って利便を供するような対策を考えてもらいたいということを要望するとともに、この手数料はどのくらい取られるか、あわせて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/34
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035・長田裕二
○長田政府委員 これも省令事項にさしていただこうと思っているわけでございますが、大体一枚につきまして二円程度の手数料をいただきたいということにいたしたいとただいま考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/35
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036・服部安司
○服部委員 手数料は二円という御見当のようでございまするが、まずはがきを例にとりますと、このはがきの用紙、印刷、いわゆる輸送費原価はどの程度かかっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/36
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037・長田裕二
○長田政府委員 はがきの製造原価、それから配給費、それから窓口その他で売り渡しの経費、売りさばき所も含んでおりますが、そういうものが、ただいま大体一円六十五銭かぐらいのコストでございます。だんだん経費も上がってきている状況でもございますので、二円ぐらいの手数料ということにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/37
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038・服部安司
○服部委員 その点はよくわかりました。一円六十五銭の原価であれば、これはもう手数料もかかりまするし、二円でけっこうだと思います。
次に、定形郵便物設定の基準はどこに置かれたか。またあわせて、定形郵便物の四つの条件についてそれぞれの根拠と理由は何か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/38
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039・長田裕二
○長田政府委員 定形郵便物の規定も、今回の法律改正の非常に重要な眼目でございますが、これは二十一条の第二項で定形郵便物の内容を規定してございまするが、一種と五種とを統合いたしまして、内容によらず重量や形によりまして取り扱いやすいものと取り扱いにくい郵便とに分けるということにしているわけでございますが、その分ける点を境目をどこに置くかということが非常に重要な点でございます。いまの郵便物の実態を見ますと、そのほとんどもう九九%程度、信書に当たりますものの九九%程度は五十グラム以下というような状況でもございまするし、機械処理の面から見ましても、あまり重いものを含めることはなかなか能率があがりませんので、目方の点では五十グラムを区切りとする。その中で二段階設けまして、二十五グラムと五十グラムということで料金にも差をつけてまいろうと思っているわけでございます。
なお、重量以外の形の面につきましては、長さが十四センチから二十三・五センチ、幅が九センチから十二センチまでの郵便物と考えておりますが、これはおととしの先ほど申し上げました第十五回の万国郵便会議の際に、今後こういう範囲の大きさの封筒を標準の規格として各郵政庁ともそれぞれ推奨していこうという決議の内容でございます。そういう趣旨でもございますし、また、実際の作業の面から見ましても、従来の小さな区分だなもそのまま使える点もございまして、長さ、幅はそういうようにすることにしたいと考えております。
なお、機械処理等も予想いたしまして、表面にあまりいろいろなところにものを書かないでもらう、それからまた、添付物も省令で相当制限をいたしたいというふうに考えております。
その他、かな文字の活字で、あて先を書きます場合も、これも非常に読みにくくて作業能率を阻害している点もございますので、かな文字の活字を使います場合には、これはパイカ活字といっているそうですが、一センチメートルの間に四字入るという大きさを限度にいたしまして、しかも書き方は、途中で一字くらい区切ってもらう、あるいはボーダーラインというか、わきに線を引いてもらう、そういうようなことも省令の内容といたしまして、定形郵便物の条件にいたしたいというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/39
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040・服部安司
○服部委員 従来の簡易てがみを郵便書簡に改め、法律に明記する理由は何か。また、年賀状の低料扱いの廃止に伴って寄付金付の発行はどのようにするのか、この点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/40
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041・長田裕二
○長田政府委員 実は簡易てがみの改正につきましては、一つは名前の問題がございまして、簡易てがみというと、いかにも軽い気持ちで出したというような印象で、簡易てがみをもって厚く御礼申し上げますというと、あまり、お礼の気持ちが込もっていないようなことがあるからというような声が各方面からございまして、これは名前をかえようということになったわけでございます。その結果、郵便書簡というような名前が、いろいろ考えました末に、一番適当じゃないかというふうに考えたわけでございます。なお、従来は、簡易てがみは全然法律に記載されておりませんでしたのを、今回初めてそのものの名前を法律に規定することになったわけでございますが、実はいままでの簡易てがみは、いわば切手つきの封筒というようなものでございまして、十円の一種の料金をつけた封筒を郵政省がつくって発行しているということでございますので、格別それ自体を法律で規定いたしませんでもよかったのでございますが、今回は一種と同じ料金の十五円——失礼いたしました。先ほど簡易てがみは十円の料額のほかに、製造費等を込めまして売価二円で、十二円で売っておりましたので、格別法律の根拠が要らなかったわけでございますが、今回の郵便書簡におきましては製造費や印刷費はもらわない一種の料金で全部をまかなえるということにいたしますので、財政法三条の関係もございまして、これは法律で書かなければならないというようなことから、郵便書簡という字を関係の規定の中に挿入したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/41
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042・郡祐一
○郡国務大臣 年賀状につきましては、従来の議論なり、またその原価の点から申しまして、低料扱いを廃止をいたしたのでございまするけれども、寄付金つきのはがきの発行ということは、幸い国民の間にもかなり慣熟をいたしてまいりました。またそれが社会福祉団体等の上にも非常に期待をされ、喜ばれておることでございます。そこでこの点はだんだんと各方面の御意見を伺うべきことと思いまするが、ガンの征圧のために寄付金つきの切手も発行をいたすのでありますが、そうした特殊の目的のために寄付金つきの切手を発行いたしますほかに、年賀状に伴っておのずから社会福祉のために寄付ができる、このあり方というものは好ましいあり方と思います。郵政審議会の御意見等を聞きまして、私どもといたしましても、どうかいままでのいい面を残すようなぐあいに考えたいと思っておりますが、これらについては広く各方面の御意見を今後も伺ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/42
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043・服部安司
○服部委員 特にこの年賀状の寄付金つきでございまするが、ただいま大臣から目的が明らかで、しかもこの種のいわゆる寄付金によって社会福祉の向上に非常に寄与するところが大であり、各方面の意見を十二分に聞いて、ぜひこれを存続したいという趣旨の説明であったと私は理解をするわけでありますが、この年賀状の寄付金によって、日本のいわゆる谷間にある、特に児童福祉に貢献するところが大であることは言うをまたないのであります。したがって、大臣は各方面の意見を聞くというおことばがありましたが、そのうちにはぜひやるのだという意欲も見受けられまするが、勇気を持って、この寄付金つきはがきを発行し、その寄付金によって、国民の浄財によって、こういった谷間にあえぐ方々が少しでも幸福に導かれることであれば、ちゅうちょ逡巡することなく、ぜひ在来どおりの方法をとってもらいたいことを、あわせてこの機会に強く要望いたしておきます。
次に第三種郵便物について、発行回数が月二回以下のものの認可の審査期間を、二カ月以内から三カ月以内に改めた理由は何か。この点も簡略でけっこうですから、私も逓信委員ですからよく了解できておりますから、そのお気持ちでお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/43
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044・長田裕二
○長田政府委員 第三種郵便物の審査を相当しっかりやるようにということは、かねがね行政管理庁などからも勧告されているところでございますが、現在の制度でございますと、日刊のものは一カ月で三十日分審査ができます。それ以外の月刊以上のものにつきましては、二カ月というふうになっているのでございますが、月刊につきましては二回しか審査の期間がないということでございまして、しっかりした審査をするのには、回数がほかのものと比べて少な過ぎるというように考えられますので、月三回以上のものは二カ月、それからそれ以下のもの、月に一回もしくは二回しか発行しないものは三カ月というふうにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/44
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045・服部安司
○服部委員 第三種に関して、審議会から審査基準の明定、認可の有効期間の設定等、有益な答申がなされているが、これらについてはどのような考えを持っておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/45
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046・長田裕二
○長田政府委員 審査基準は、ただいまは内規のような形で規定して、それを各郵政局が一つの重要な参考というような形で運用しているわけでございます。行政管理庁からの勧告もございますし、また郵政審議会から近代化に関連しての答申などにも記載されておりますように、今後は省令の内容にしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。法律自体に規定すべきかどうかということにつきましては、以前、非常に前でございますが、法律改正の際に当委員会でその点の御審議がありました際に、まだ時期尚早というような御意見もあったように聞きましたし、省令で規定をすることにいたしたいというふうに考えております。
なお有効期間をつける。現在は認可を受けますと、その期限がございませんものですから、これを三年ぐらいで切ったらどうかというような答申もございましたのですが、実はこれは事務的な関係からもなかなかむずかしゅうございまして、全国一万二千件のものは、特にその大半は東京に集中しております。これを三年ごとに更新することにいたしますと、三年間発行されたものをとっておいて、一応見なければならない。それの場所の問題、要員の関係等もございまして、なかなか仕事への要員の配分の面からも困難でございますので、個々のものの審査を、時に応じて厳正にやるということで、期間の更新は、今回の法律改正の中に織り込まなかった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/46
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047・服部安司
○服部委員 学術に関する刊行物を第四種とし、低料に扱う理由は何か。またどのくらいの物数があるのか。なお郵政審議会の答申では、農産物種苗等の低料扱いを廃止することとされておりますが、これを存置した理由は何か。この点について御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/47
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048・長田裕二
○長田政府委員 学術研究の振興は非常に重要なあれでもございますが、この関係者は経済的な余力のあまりない方々が多いようでございまして、特に学会雑誌等につきましては郵便料の負担も会員を広め維持していくのに相当大きな問題になっているというようなことから、低料にするような要請がかなり前からございました。郵政審議会からの答申にもございましたし、今回の法律改正を機会に第四種に入れまして百グラム十円という低料金にしようと思ったわけでございます。なおこの対象になりますものの年間見込み数は二百五十八万通ばかりでございます。
それから農産種苗につきましても、実は一昨年の郵政審議会の近代化の答申の中で、これは廃止したらいいだろうということでございました。その理由は、ほかの輸送手段も相当あって、こちらで運ばれるものが比重がそう大きくない。これは一通当たり相当コストが高いのに、たしか四十数円くらいのコストがかかっておりますのに、一通平均二百何十グラムかで四円二十八、九銭の収入しかないということ、それからまた発送者が相当な企業であって格別安い料金でなくてもいいじゃないかということがその理由であったわけでございますが、先般の料金改正の際に、その問題につきまして農林省はじめ関係の者といろいろ打ち合わせてまいりますと、特に農産物の品種の改良、それから改良されました品種の普及というようなことにこの料金が相当深い関係があることをあらためて痛感させられました次第で、そういうようなことから、これは前回の三十六年の改正のとき、に料金据え置きでしたので、二円から三倍の六円という料金くらいにきめますことが妥当ではないかというふうに考えまして、さような案にしたわけでございます。
なお、内容につきましては、非常に特殊な木の皮とかキノコとかあるいはアヒルの卵とか食用ガエルとかいうものなど非常に扱い数も少ない特殊なものもございましたが、これらはほかの手段でも十分送られますし、そちらのほうが多うございますので、今回削除して扱わないことにいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/48
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049・服部安司
○服部委員 第一種、第二種郵便物について料金割引をする理由は何か。また料金割引について具体的な説明をされたいと思います。現在区分協力等について報償金を支払っているようであるが、この制度は今後どうなるのか、この点について御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/49
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050・長田裕二
○長田政府委員 先ほど申し上げました一種と五種との統合に伴いまして、従来は一種と二種を比較的優先扱いをして処理しておりましたのが、今度は一種の定形郵便物、二種というものを優先して送達するということになるわけでございますが、従来の一種よりも合わせました上の定形郵便物の量のほうが若干多くなってまいる点もございます。また相当程度の都市などにあります郵便局におきましても、利用者の会社の決算期とかあるいは夏季、年末とか、季節によりまして非常に大量の郵便物を一度に出されることがございます。そういうような郵便物をさばきますために、ほかの郵便の処理にも支障を及ぼしてくるというようなことなどがございまして、いわば郵便の一つの悩みでございます。自主的に作業量を調節できない、他動的にやらなければならない、しかも超勤、アルバイトの手配その他が現在そう楽にできるものでもございません。この制度を設けまして利用者の側で区分等の協力をしたもの、あるいはまた送達についてそれほど優先送達をしなくてもいいというようなものにつきましては、一割の範囲内で料金を割り引くということにいたしますと、かなりの郵便物がこのような形で処理されて敏速に片づき、ほかの郵便にも支障を来たさないという効果が期待されますので、こういう制度にいたそうと思ったわけでございます。
なお従来も年額二千万円余りを報償費として予算成立させまして、これと似たようなことをやっておりますが、その報償費の金額が料金の一%か、せいぜい一・五%くらいの範囲でございますので、利用者の側でもさほど積極的でない、こちら側でも十分目的を達せられないということもございますので、はっきり義務費的に法律で規定することによって全体の金額も確保し、利用者の側もこちらの予算事情などで左右されないような見込みが立って協力できるというふうにしようと思ったわけでございます。
〔加藤(常)委員長代理退席、委員長着席〕
なお報償金制度を今後残すかどうかということにつきましては、この法律でも小包については料金割引のことを考えておりませんので、小包の面については今後とも報償制度で参ることにしたいと思ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/50
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051・服部安司
○服部委員 官製はがきや選挙運動用のはがきについては割引をしていないが、その理由は何か、この点についてお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/51
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052・長田裕二
○長田政府委員 官製はがきにつきまして割引制度を採用いたしませんのは、実は区分等の協力をしてくれましても、官製はがきですと消印をしなければなりませんので、一たん区分されましたものを、またほどいて消印をするということからしまして、協力の実があまりあがらない、こちら側の負担もあまり軽減されないというような事情もございますので、大体料金別納並びに後納のものに割引制度を適用するというふうに考えたわけでございます。
なお選挙運動用のものでございますが、選挙運動用のはがき全般につきまして、送達の速度とか、あるいは区分等について利用者の方にいろいろ御協力をいただくのも一つの方法でございますが、選挙運動用の郵便物につきましてはともかく非常に慎重な厳正な扱いが要請されますので、その結果についても省側が全部責任を負い得ますように、初めから全部こちらの手で処理をするほうが妥当ではなかろうかというふうに考えましたことと、なお選挙の無料郵便物につきましては、これは料金の割引の問題も非常に複雑な形になってまいったりいたしますので、あわせまして選挙郵便物については適用しないことにいたしたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/52
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053・服部安司
○服部委員 郵便私書箱の使用料を免除できる規定を設ける理由は何か、簡単にお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/53
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054・長田裕二
○長田政府委員 従来郵便私書箱はもっぱら利用者の利便ということを中心にして考えられてまいりまして、利用者が便益を得るから手数料を払うということで参りましたが、ただいまのように交通難あるいは労働力確保難等からしまして配達作業にいろいろ問題が生じております際には、むしろ私どものほうから利用者のお受け取りの郵便物あるいは利用者側の御意向なども加味しまして、進んで私書箱を利用していただけまいかということを勧奨したほうがいいかと思われますような事情がだんだん出てまいりましたので、そういう場合には料金を無料にすることが妥当と考えられまして、このような制度をつくった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/54
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055・服部安司
○服部委員 現金を普通郵便の中に入れて差し出した場合、書留料の二倍をとって還付することとする理由は何か、また普通郵便の中に現金を入れて送られる事例は現在どのくらいあるのか、また書留の損害要償額を現金十万円、物品百万円に引き上げた理由は何か。またその引き上げに伴って犯罪を誘発する要因が増加することはないかどうか、この点について三点あわせて御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/55
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056・長田裕二
○長田政府委員 普通通常郵便物の中に現金を入れて送りますことは長く禁止になっておったのでございますけれども、昭和二十六年にこれを認めることにいたしまして、自来十年間、昭和三十六年までその制度が続いたのでございますけれども、硬貨が郵便の中に入りますと、脱落したりすることが相当ございます。脱落したりして紛失いたしましても、書留でありませんために、どこでどういう事情でそうなったのかということがなかなかわからないということからしまして、差し出し人の側にも非常に問題が起こりますし、また部内でも犯罪の疑い等もかかってまいるというようなことからしまして、三十六年の制度改正の際に廃止ということに決定していただいたわけでございます。その後の実情を見ますと、まだ現金が封入されて送られるということがあとを断ちませんし、これらに関連しまして、職場の中にも、また利用者の方にもいろいろな問題がございますので、この際、現金は普通通常の中には封入しないのだということを一般に強く理解してもらいますためもあり、また、これは違則郵便物といたしまして、発見しました場合は差し出し人に戻すことにしておるわけでありますが、戻しますのに、現在は普通通常の場合に現金の入っているものを戻すことにしておりまして、その送り方としてもあまり適当でありませんので、今後は書留にして戻すということに改めることにしております。その際、料金の未納、不足等と同じように二倍料金をいただいて認識を深めたいというふうに考えたわけでございます。
なお、損害要償額を現金で十万円、物品で百万円にいたしましたのは、昭和二十六年以来据え置きのままでございましたので、この際実情に合わせることにいたしまして、二倍に引き上げることにいたした次第であります。
残りの問題は監察局長から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/56
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057・山本博
○山本(博)政府委員 ただいまの二番目の御質問にお答え申し上げます。
普通通常郵便物の中にどのくらい現金封入の郵便物があるかということにつきましては、これは一々あけて見るわけにまいりませんので、厳密な意味での数字というものはつかむことができません。ただ、二つこれを推定する手段がございまして、一つは現在起こっております犯罪の発生状況から考えますと、件数にいたしましてここ数年来年間約二百件から三百件ぐらい起こっております。その通数は約三万件になります。そういたしますと、犯罪だけからの計算によりますと、約二十三万通に一通というのが推定されます。それからもう一つは、利用者のほうからの申告がございまして、普通通常の中にお金を入れたんだが、どうも着いていないという申告がございます。これは監察局に、そういう不着申告といたしまして年間約八万通の申告がございます。この八万通の申告の中に現金が入っていたけれどという条件と言いますか、そういう内容で申告のあるものが年間にして約四千通ございます。これをパーセントにいたしますと五%ということで、その二つの数字が大体現在私たちがつかんでおる数字でございます。これは過去五カ年逐年減りつつありますので、ただいま郵務局長が申し上げましたように、特に新しい書留制度が設けられたからふえるというようなことはないのじゃないかと私たちは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/57
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058・服部安司
○服部委員 この引き上げによって犯罪を誘発するいわゆる要因の増加の心配はないかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/58
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059・山本博
○山本(博)政府委員 ただいま申し上げましたように、現在の要償額そのものの金額におきましても年々、おっしゃるのは現金書留だと思いますが、現金書留の犯罪、現金書留の内容を窃取するという犯罪も減りつつございます。五年間相当急激に減りつつございますので、要償額が上がったから直ちにふえるという予想はいたしておりません。私たちはそういう面でいろいろな施策を講じて減らす努力をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/59
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060・服部安司
○服部委員 速達を「当該郵便物をこれと同一の種類に属する他の郵便物で速達としないものに優先して送達する。」ことに改めた理由は何か。異なる種類の郵便物との送達関係の明確を欠くと思うがどうか、この点について御説明願いたいとともに、速達料に重量段階別を設けた理由は何か。このため速達料が非常に高くなるものがあるが、この点はどうか。この点についての御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/60
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061・長田裕二
○長田政府委員 郵便法六十条の改正内容といたしまして、速達の取り扱いについて、「当該郵便物を他の郵便物に優先して送達する。」という規定が従来ございまして、これは普通通常、小包を問わず、速達としたものはすべて他のものに優先するのだという規定でございましたが、今回の制度改正並びに取り扱いの改正によりまして、一、二種につきましては、飛行機を利用できる区間については航空搭載をするということにしております。他方、小包につきましては、ただいま検討中でございますが、まだ航空搭載をするというところまで至っておりませんので、従来と少し条件が変わってまいりまして、速達の小包と航空搭載されました普通通常の一、二種との間ではどちらが早いか。遠距離になりますと普通通常のほうが早くなるというような事情もございますので、この規定そのものが実情に合わなくなってくるということからしまして、このように新しく「これと同一の種類に属する他の郵便物」一種相互、小包相互というふうな規定に改めたわけでございます。
なお、速達料に重量段階を設けましたのは、従来普通通常一種につきましては、四キロまで速達扱いで、飛行機にも載せ得るということにしておりましたのですが、一種につきましては、御承知のように二十グラムまで十円ということで、以後全部その倍率で参りまして、重い郵便物につきましては料金そのものも非常に高くなっておったわけでございます。今回料金の改正に伴いまして、最初の段階は上がりましたが、一種につきましてはあと五十グラムをこしますものについて五十グラムごとに十円ずつしか上がらないということから、重いものについては相当料金が安くなってきておるような事情もございまして、もともと重い速達につきましては、飛行機に載せるものについては相当の赤字になるということからしまして、むしろこの際、速達料三十円で全部をあれしまして重いものについて赤字を大きくしていくよりは実情に合ったように改正をしたほうが妥当ではないかというふうに考えた次第でございます。
なお、速達料が非常に高くなるものも、確かに重いものについては出てまいりますが、先ほど申し上げましたように、一種の料金はむしろ逆に目方の重いものは安くなっておりますので、合わせますとやはり従来から横ばいあるいはまた安いというくらいになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/61
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062・服部安司
○服部委員 高層建築物の受箱設置の猶余期間を昭和四十二年限り廃止する理由は何か、また受箱設置の状況はどのようになっているのか、この点についての御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/62
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063・長田裕二
○長田政府委員 高層建築物の受箱設置につきましては、三十六年の法律改正の際に、当委員会の御審議もございまして、受箱を設置しなければならないということになったわけでございますが、ただ当時建築中のもの、あるいは既存の建物につきましては、当分の間受箱をつくらなくてもいいということにいたしまして、その後三十九年の五月末まで、受箱設置について郵政省が補助金を出す、あるいは半額こちらで持って受箱をつくってあげるというような措置を講じてこれを促進してまいりまして、お手元に差し上げましたこの法律案の資料の五五ページのところにちょっと書き入れましたように、そういう努力等も効を奏しまして、現在公団住宅や官公営の住宅、その他の高層建築物のうち九八・五%までは全部受箱がつくられているような状態でございますので、建設省とも相談いたしまして、今後当分の間をさらに長く引き続かせまして受箱をつくらせずに置くより、この際法律改正を機会に、全部受箱をつくらなければならないという本来の法の趣旨を実現するようにしたいと思ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/63
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064・服部安司
○服部委員 大体私の質問に対して的確な御答弁と存じまするが、二、三検討中、また各方面の声という御意見がございましたが、そのつど私が要望いたしました趣旨を十二分に尊重されることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/64
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065・砂原格
○砂原委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれをもって散会します。
午後零時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X01419660325/65
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