1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月七日(木曜日)
午後一時二十五分開議
出席委員
委員長 砂原 格君
理事 秋田 大助君 理事 加藤常太郎君
理事 上林山榮吉君 理事 佐藤洋之助君
理事 内藤 隆君 理事 畑 和君
理事 森本 靖君
綾部健太郎君 小渕 恵三君
金丸 信君 木部 佳昭君
志賀健次郎君 徳安 實藏君
星島 二郎君 本名 武君
南 好雄君 安宅 常彦君
中井徳次郎君 原 茂君
前田榮之助君 松井 政吉君
佐々木良作君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 郡 祐一君
出席政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政事務官
(大臣官房長) 鶴岡 寛君
郵政事務官
(監察局長) 山本 博君
郵政事務官
(郵務局長) 長田 裕二君
郵政事務官
(貯金局長) 稲増 久義君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 武田 功君
郵政事務官
(人事局長) 曾山 克巳君
郵政事務官
(経理局長) 淺野 賢澄君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計官) 荒巻与四郎君
郵 政 技 官
(大臣官房建築
部長) 奥山 恒尚君
専 門 員 水田 誠君
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四月七日
委員小渕恵三君辞任につき、その補欠として地
崎宇三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員地崎宇三郎君辞任につき、その補欠として
小渕恵三君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
委員派遣承認申請に関する件
参考人出頭要求に関する件
郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第三
一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/0
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001・砂原格
○砂原委員長 これより会議を開きます。
この際、参考人招致の件についておはかりいたします。
ただいま本委員会において審査中の、郵便法の一部を改正する法律案の審査の参考に資するため、参考人を招致し意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/1
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002・砂原格
○砂原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
なお、参考人の人選及び日時等については、本委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/2
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003・砂原格
○砂原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/3
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004・砂原格
○砂原委員長 次に、本委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。
現在当委員会において審査中の、郵便法の一部を改正する法律案について、委員を派遣し、審査の参考にいたしたいと存じます。ついては、議長に対し委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/4
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005・砂原格
○砂原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
なお、派遣地、日時、派遣委員の人選、その手続等はすべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/5
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006・砂原格
○砂原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/6
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007・砂原格
○砂原委員長 郵便法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑を続行いたします。安宅常彦君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/7
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008・安宅常彦
○安宅委員 大臣に質問いたしますが、この間からこの審議の状況などを拝聴しておりますと、どういう理由から郵便法の改正つまり郵便料金の値上げに至ったかというようなことが、まだ私にはぴんとこない。審議会の答申にはどう書いてあるとか、いろいろなことを言っておるのですが、赤字だから値上げするのか、何か設備を改良してサービスを向上させるためにやるのか、両方だとあなたは答えておるのですけれども、中心点というのはどっちなのでありますか。そこをちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/8
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009・郡祐一
○郡国務大臣 おっしゃるとおり両方なんでございます。と申しますことは、郵便料金の値上げというようなことをいたしませずにずっとがまんをしてきましたから、設備その他にしても非常に陳腐化した状態のなりで仕事をしてきた。なすべきことをせずに今日に至った。それでその観点から見ますならば、金が足りなくなったから今度お願いするんだということになるのかもしれません。しかしながら実情を申せば、もしなすべきことをしておればもっと早くお願いしなければならない状態になるのを、たまたま物の増加等もわりに思ったよりあったというようなことでややその年々をしのぎながらきておったけれども、予算を編成します際等も、特別会計苦しいのだからというようなことで、財政当局からも査定を受けるとかいろいろなことがありまして、全く近代化、合理化ができないなりにどうやら収支を合わせてまいった。したがって、半ばはどうしても収支が合わないということ、それから半ばは近代化をいたす、そのうらはらはサービスをよくするという点、この二本立てが偽らざる改正の理由でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/9
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010・安宅常彦
○安宅委員 たいへん飛躍した質問になるかもしれませんが、そうしますと、あなたのほうの原案は、半分は赤字だからの値上げの分であり、半分は、陳腐化しておるかどうかというのは客観的に論議しなければなりませんが、いわゆるサービスを向上しなければ、いまのままの状態でいくならば、値上げをしない分も入っております、こういう意味でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/10
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011・郡祐一
○郡国務大臣 どうにも動きのつかない状態にきておる、しかしこれは機械化や何かは、資料をごらんいただきますと出ておりますように、大体三割程度の近代化、合理化というものは、このたびの二百八十六億、平年度化いたしますと三百六十四億、その三百六十四億の八割くらいはそうしたことに充てられていく。初年度二百八十六億の約三割というぐあいになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/11
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012・安宅常彦
○安宅委員 幾らと言っても、それは政治的な発言としてはそれでいいでしょう。いいですが、国民の側から見ればこの提案をよく説明をして——知らないならしようがないですよ、説明をした上で意見を——国民のほんとうにたくさんの人の意見というものはたいへん正しい方向にいくのですが、それならば、当面物価を値上げしたくないということを天下に公約しておる現内閣でありますから、合理化はちょっと待ってくれ、もう少し中の仕組みを変えたりいろんなことをしてみるから、だから赤字になった分だけかんべんしてくれ、こういうふうに言うのが、公共料金は何とか押えなければならない、物価は値上げをしないだろうということを国民に約束しておる現内閣の方針から言うならば筋が通っているのじゃないでしょうかね。どうなんですか。この際値上げをするというのは、郵便事業がどうにもならないからだと国民は受け取っていますよ。そうでしょう。赤字でどうにも、にっちもさっちもいかないから値上げするんだと、こう思っているのです。ところが内容はそうではなくて、値上げをする分は赤字になった分、そのほかに、好意的に言えば意欲的なサービス向上をしたい、こういう部分も入っておりますと言ったら、ぜいたく言うな、こんなひどいときに何言ってやがるのだ、当面赤字解消だけでいいじゃないか、こういうふうになってくるのが、これが庶民の願いであり心境ではないかと思いますが、そういうことについて何か部内で論議をしたことはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/12
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013・郡祐一
○郡国務大臣 部内でも論議をしましたのは、どうもわれわれのPRが、実情の訴え方が不十分だという点は論じました。それで確かに、サービスの悪いこともがまん願います。施設の古いこともがまんをお願いしますというて今日まで国民の方に御迷惑をかげながらしのいできたというのが、四十年度までの状態だと私は思うのであります。いまある程度の機械化なり何かいたしませんと、これをこのままほおっておいたならば——だからぜいたくで二百八十六億の三割くらいの見当を近代化に使うのじゃなくて、それを放置いたしますと、後年度に至ってもうまことに国民の郵便事業といえないような非常な御不便をかけることになる。決してぜいたくなことをするんじゃなくて、やむを得ない、将来に御迷惑をかけないための改善の手初めをいたすのだということ。そしてこれはぜひ国民の皆さんにわかっていただかなければならぬ点で、それがどうもわれわれのものの言い方、確かに私のところへ投書いただくのでも、郵政省から配っているリーフレットみたいなものもまことにまずいぞ、ほんとうの姿をもっと訴えろというのがありまして、そのことは部内にも言うておりますが、確かにいま申しましたような意味合いを国民の皆様に理解していただきませんと、これからの何カ年計画というものものみ込んでいただけないと思いますから、その点はよく気をつけます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/13
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014・安宅常彦
○安宅委員 今度は郵務局長に聞きますが、あなたのほうの資料をずっと見てみますと、サービスの改善というのは到達する時間を短縮するためにいろんなことをするのだということで、いろんな機械を買うのだとか、自動販売機をつけるのだとかごちゃごちゃ書いてあります。ところが私どもの見る常識的な考え方は、郵便というものは何もきょう出してあしたについてもらいたいという期待を国民は持っておりません。大体三日から四日だろうと思っておりますよ。そういうことならばたとえば東京都内の、日本の首都であるそういうところで一週間に一ぺんぐらいしか配達にならないところがあるのですね。そういうところを早く何とかするために増員もしなければならない。従業員の訓練もしなければならない。人が集まらないのは月給が安いのだったら月給も高くしなければならない。そういうところをやるのだったら郵便はもう少し早く着きます。大体国民が予想している、自分の頭で考えている電報というのは、一時間か二時間で着くものだ、郵便というものは次の日かその次くらいに着くものだと思っている。こういうのがサービスの大体の常識の基準だと思います。ところがそれを改善するために自動選別機をつけたりあるいは自動販売機をつけたり、そういう目に見えるサービス向上のためのあなたのほうの資料というのは、郵便を早くするためというよりは、切手をどこでも買えるようにとか、局内のいろいろおくれた施設というものを人力によらないで機械でやったらたいへんいいではないか、ただこういうところに重点が置かれておって、一週間に一ぺんくらいしか東京都内でさえ配達にならない区域を何とかしようなどというサービス向上のための案というものは、あまりないような私は見受け方をいたします。そういうことは郵便の事業を、サービスを向上するといっても、中に働いておる人は事業を経営する経営的な立場で、何か設備を近代化してやりたい、働く環境をよくしてやりたい、こういうところはわかりますが、それはどこまでも部内の問題であって、大衆には何ら影響がない。何らないといっては語弊があるかもしれませんけれども、ほとんど影響がない。こういうものだけあなたのほうでは書いてきておる。これは本末転倒じゃないか。私はそう思うのですが、そんな気は全然しませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/14
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015・長田裕二
○長田政府委員 今後の近代化の資料ともいたしまして、お手元にお配りいたしましたのは、全体の収支とそれからその中の特に機械化の部分を取り出しまして、お手元へお配りしたわけでございますが、ただいまお話しのように大部分の郵便というものは近県、東京でいえば東京都内あるいはこの近間との往復が一番多いわけでございまして、やはり事業全体として力を注ぎます主力は、こちらにあるわけでございます。近代化のほうの代表としまして、機械化を四十年度で約二十億、局舎の建設百七十億の財源のうち約六十億ばかり、これを値上げいたしました金額から出す、合わせて八十億ばかりを一つの象徴的なものとして出しましたのですが、人力を主とする郵便事業の特徴から申しまして、それ以外のところに実態の主力がまだ相当あるということはお説のとおりでございます。それらにつきましては実は四十年度自体で相当収支が逆ざやになっている。郵便物数は四十年度におきまして約九十五億通前後になる見込みでございますけれども、この郵便物数がふえずにこれをそのまま四十一年度でやっていくというためだけではどうなるかということになりますと、やはり若干の郵便物の増加、また増加に伴う収入というものもあるわけでございますが、すでに四十年度で赤字になっております部分はそのまま引き継がれ、さらに人件費の上昇部分というものが上積みをされていくというようなことで、その赤字自体もかなりふえてくるわけでございます。一方ただいまのお話のように今後の問題といたしますと、四十年度から四十一年度にかけてやはり五億近い郵便の増加というものがあるわけでございまして、これを処理するために先般予算で御審議いただきましたように郵便事業定員四千二百二十六人という増加あるいは集配運送費その他物件費の増加というものもあるわけでございます。こういうものを、値上げによりまして得ました財源でまかなうことによりまして、はじめて四十一年度に私どもが直面しております増加した郵便物というものを普通に処理できるわけでございます。機械化の部門は当面の手数をなるべく少なくするという面もございますが、より長期的に申しますと、将来だんだん郵便物がふえてくるのに対しまして労働力の需給関係が逼迫してくる、そういうのに備えていまから開発をしていくという要素も、あの中にはかなりあるわけでございます。仰せのように主力はまだ、きわ立ったものとしては局舎なり機械なりがございますが、主力は四千二百二十六人の増員あるいは集配運送費その他物件費の増加、そういうようなものにまだ経費の比重がかかっておりますことは、先ほど大臣も、三分の一は近代化という面にきわ立ったものとして使われるけれども、残りはいままでの赤字の問題あるいは増加する郵便物の処理というふうに使われますと仰せのとおりかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/15
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016・安宅常彦
○安宅委員 まあいいでしょう。それはそれとして、たとえば、こまかいことになりますが、前から当委員会であなたのほうで答弁しているのを聞くと、東京——大阪間の航空機搭載の問題、これに一番先に手をつける。それから周辺はその後だんだんやっていく、こういう答弁ですね。どうもその辺がおかしいのじゃないかと思うのです。というのは、周辺の、配達ができない、非常にとまっちゃって困っておる、それを先にやって、東京——大阪間の航空機なんかそのあとでいいのであって、それが国民に手紙が早く着いたり、はがきが早く着いたりする直接の原因なんですよ。飛行機に積んでいったって、大阪の局まではちょこつと行くかもしれぬけれども、あとつかえているのでは話にならないでしょう。
たとえば、この間新聞にちょっと出ておったのですが、どこの郵便局でしたか、きょうちょっと資料を忘れてきたのですが、やはり山形県の山形郵便局じゃなかったかと思うのです。配達不能の郵便物が一カ月に相当の数になっているのですね。これは山形あたりでさえもそうだと思いますから、特に住居の表示なんかを変えた東京なんかだったら、ひどいものだと思うのです。こういうものは極端にいまふえているのじゃないのですか。どうなんです、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/16
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017・長田裕二
○長田政府委員 住居表示の進展に伴いまして、過渡的な現象かと思いますけれども、お話のような郵便物がある程度ふえていることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/17
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018・安宅常彦
○安宅委員 ある程度では困るので、これは住居表示ということを私が言ったから、それにあなたうまく便乗したのですが、そうではなくて、都会がどんどん発展していくと、新しい団地ができる。いままでの常識では、郵便の配達をする側も、何番地というのはあすこのうちだというので覚えておったのが、今度は同じ番地にとんでもない大きな団地ができたり、それからその辺がもうまるっきり変わった市街地になってみたり、そういうことのために迷子になってしまう。言うならば、そういう番地には人がいるのだけれども、郵政省がわからなくなっちゃって、現場の局がわからなくなってしまって、それでしょうがないという手紙がたくさんある。
たとえばこういうこともあり得るのです。出かせぎに東北からたくさん冬になると来ますね。大体東北地方から、政府の統計というか見込みだけで、二十万人来ているといわれております。山形県あたりは五万人かそこらだろうといっていますが、そうじゃありません。私どものいろいろな調査では、山形県だけで十万人近いですね。二十万なんというものではありません。そうしますと、たくさんの現場がある、飯場がある。こういうところに私が手紙を出しますと、ほとんど戻ってくるのです。行ってみると、ちゃんとあるのです。現場がありますよ。宿舎もあります。だけど戻ってくるのです。その中には届かないのもあるのです。これはあなたのほうの責任じゃありません。あて所に配達すればいいのですから。その棒がしらみたいなのが、親書の秘密も何も、そんなもの知りませんから、あるいは社会党の安宅代議士から手紙が来たなんというと、これは何かストライキでも指導されるのかと思ってびっくりして押えてしまうのか、それは別として、とにかく本人に届かない郵便物、それは私どもから見れば郵便局に迷っているのかどこに迷っているのかわかりませんが、そういうのは、私どものほうで出してもすばらしい数なんです。こういうことは、ある程度ふえていますというのでは困るので、たとえば東京都内の郵便局の中でそれを集計したら、最近の六カ月間くらいでいいですが、一カ月にどれくらい迷子の郵便物があるか。これはひとつ、ある程度ではなくて、具体的に、どなたかから説明願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/18
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019・長田裕二
○長田政府委員 全国で、一日に二十万ぐらいあて先不明といいますか、配達のできない郵便物があるということが私どもの調査から出てきております。ただし、その内容を見ますと、実はあて先がはっきり書いてないものが大部分でございます。あるいはどこかへ転居して転居先がはっきりしない、そういうようなことによるものが大部分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/19
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020・安宅常彦
○安宅委員 たとえば、このごろ郵便局も、局員の人も頭が近代的になってきたのかもしれませんが、いなかなどでは、私だったら私ですね、山形県の村山市大字楯岡一千九百九十九番地の第二号、こういう番地なんです。ところが、一千九百九十九番地の第二号なんといったら、かえって普通の人にはわからない。通称何とか町だと教えておくから、何とか町と書いてよこす。そうすると番地がわからない、あて先不十分だといってぽんと返される。仕事が忙しい、人が足りない、そうすると、番地が不明確だから返すのだということは合法的ですよ、その従業員を私は非難するのではありませんけれども、まことに窮屈な仕事をしているために、ちょっと調べれば——何町というのは小さな町、だけれども、番地が書いてないからああめんどうくさいというふうにやられるものがたいへん都会には多いのです。聞けば昔の郵便屋さんは、こういう町内に何とかという人が大体どの辺にいるかということは、八百屋とか酒屋とか米屋さんあたりで聞くとみな知っていますよ、番地なんか書かなくてもと言う。だけれども、郵便局に行けば、番地を書いてないと、そのまま、あて先不十分だ、こういうふうに処理される。それがいいのか悪いのか別として、そういうのがたまりたまってあて先不十分だという報告があなたのほうのえらい人にはくるのです。そういうところを改善する方法が、信頼されて確かに届く郵便物、こういうふうになってくるのだと思うのです。そういうふうにならない逆な方向を今日たどっておるから、小包なんか出す場合には、私のお婆ちゃんでも細君でも、ほとんど普通小包にして出しませんよ。届かないとたいへんだから、金がかかってもしようがないから書留にしよう、みんなそうなんです。ということは、早く着くかおそく着くかは別として、基本的な、到達するかしないかということについて国民が信頼してない証拠なんです。そういうところをサービス向上という名のもとに改める、こういう手だてをするのだったら、私はサービス向上に少しぐらい予算をとったって文句は言わないつもりです。だけれども、あなた方の頭の中にあるのはそういうものではなくて、たとえば、いま三十人の局員がいる、それを二十人に減らしたならばたいへん赤字が減るだろう。したがってこれを減らすには自動選別機が必要だ、そういう頭で考えておるから、大衆とかけ離れたところであなたのほうの方針というものばから回りしているのじゃないかと思うのです。そう言われてみればなるほどそうかという気持ちになりませんか。特に政務次官なんか盛んにうなずいているから、政治的な立場であなたもあとで、郵務局長とどう答弁が違うか、おもしろいと思うのですよ、ひとつ二人で答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/20
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021・長田裕二
○長田政府委員 実はただいまのお話のあて先を通称とか何かで書いたりしたものが突っ返されてしまうというような点でございますが、確かに一時正確にあて先を書いていただきたいという運動を郵便局を中心として相当強く展開いたしました結果、少しでも違ったあて先を書けば配達しなくてもいいのじゃないかというような空気が、ごく一部の郵便局にびまんと申しますか、そういう空気になった点がございます。それで、少し丁寧に探せばわかるのに、通称などで書かれたものあるいはちょっと飛ばして書いたものなどを返してしまうということなどがございまして、こういうことでは非常に困りますので、郵便物を、配達ができない、あて先に尋ね当たらぬということで返す場合には、当務者限りで還付のほうのかごに入れないで、そこの班長なりあるいはその集配課の主事なんかの責任ある者にちゃんと見せて、その判をとって返す、そういうふうに手続の面でも相当変えましたし、昨年来の郵便正常化運動、相当強力に展開しておりますものでも、ただいまの点を運動の主要な部分としてやっているわけでございます。
それから小包の配達について、非常に心もとないので書留がふえておるというお話、確かに小包、通常とも書留あるいは速達の増加率が一般の増加率をはるかに上回っていたということがございましたが、昨年あたりから、これは景気の関係もあるいは少しあるかもしれませんけれども、書留の数はずっと減ってまいりました。去年の年末あたりではもう絶対数も、むしろ一昨年よりも書留小包の数は減るというような事態にもなってまいりまして、収入の面から言うと少々問題でございますが、一面非常に事業に対する信頼度が回復してきた証拠ではないかということもみんなで話し合っている次第でございます。
なお自動選別機等の開発に力を入れておりますのは、特に現在おる人間を減らすというようなことよりも、むしろ将来労働力の需給関係がだんだん逼迫してくるのにもかかわらずたくさんの郵便物を処理しなければならないということなどに備えましての措置でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/21
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022・亀岡高夫
○亀岡政府委員 特に御指名でございますのでお答え申し上げます。
私も実はたくさん手紙を出しまして、あそこに確かにいるはずなのに戻ってきたという経験は何回かございます。やはり小包を出す場合にもそういう経験を私自身も味わっておるわけでございまして、たまたま昨年政務次官を拝命して郵政省に参りまして以来、何といっても確実に早く届けるというのが郵便業務に携わっておる者の責務であることは、もう申し上げるまでもないところでございますので、その責務を果たすだけの対策をわれわれが考えなければいけないという気持ちで今日まで指導してまいっておりますし、またそういう対策を立てるためにも、ぜひともこの際料金を改定していただきたいということで、ただいま御審議をいただいておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/22
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023・安宅常彦
○安宅委員 実務を担当しておる者と実生活の中で体験してきた政務次官の答弁と、それだけ違うのです。私はこういうことをあとで詳しく数字で言い出すかもしれませんが、一応それでけっこうだと思います。ただ私がまだ頭の中にこびりついてどうしても疑惑を持っていることがあります。審議会といえどもあなたのほうの諮問機関ですから、資料は郵政省でみな出したのでしょう。それで何かおえらい方々が論議をしたことにして、隠れみのみたいなそういう答申をしたような気がいたしますが、そういう中でもやはり利用者としての実感というのはあるのです。そのために、値上げしない値上げしないということを公約している内閣でもあるし、最小限度にとどめようとか、あるいは値上げせぬでもいいじゃないかとか、こんなふうに審議会の諸君に言われたらたいへんだ、そんなことを考えたのかどうか私はわかりませんが、郵政省が審議会の結論を出さないうちに郵便料金値上げを発表したような記憶が私はあるのです。審議会の結論が出てから郵政省が出したのじゃなくて、郵政省は審議会の結論が出る前に、もう開かないうちに郵便料金の値上げを公表したのじゃなかったですか。そうでないとすれば、そうでないでもけっこうです。
なお、郵政省が値上げを発表したのは昨年の末だと思いますが、いつだったかその日にちもひとつ答弁していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/23
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024・郡祐一
○郡国務大臣 確かに郵政審議会の答申をいただく前ではあったのです。ただ十二月九日に答申をちょうだいしました。そうして政府で経済政策会議を開きましたのが十一月の二十七日でございました。十一月二十七日に経済政策会議を開きましたのは、もう四十一年度の予算の見当をつけなければならない状態になってまいりました。それで郵政審議会がそれまでに十三回財政改善の小委員会を開いていてくださいました。そうして十一月の末になりまして、答申は十二月の九日になるが、中間答申をいたしてもよろしいけれども、大体結論めいたものは出てきたから報告をするということで口頭で御報告をいただきました。それに基づきまして、大体郵政審議会の結論はもうそういうことであるということを承知いたしましたので、それを待って、十一月の末にいたしましたので、郵政審議会の御意見は十分実質的に尊重いたして経済政策会議を開いた次第でございます。どうぞ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/24
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025・安宅常彦
○安宅委員 そういうのを官僚独善というか、郵政審議会などという国民の中から選んだ人々の意見を聞いて政府は上げたのでありますから、あるいは郵政審議会の結論はそうなっておるのでありますからということを、あなたのほうでは答弁の中に盛んに使うのです。この議事録を見ると、何回も使っていますよ。ところが郵便料はこういう方針で値上げする、封書は何ぼにする、はがきは何ぼにする、そういう重大な骨子を郵政審議会の結論を待たず、いきなり発表しておいて、そうしたら泣く子と地頭には勝てない、しょうがない、審議会も大体そういうことに合わせようかということになるのはあたりまえなんだ、どうせ諮問機関なんだから。こういう悪さをするのは——郵政省、そういう例がいままであるのですか、このたび初めてですか。それからほかに審議会がたくさんありますよ。私ら、いま議院運営委員会の中でも隠れみのみたいなわけのわからぬ審議会はもう切ってしまおうかという話まであるのです。郵政審議会は非常に重要な審議会だと私ども思っておりますから、そこまではまだ論議はしておりませんが、そういう重要だと思われる審議会の意見を待たずして郵政省が値上げを発表するなんというのは、これは越権行為じゃないですか。これは大臣が答弁するとごまかすから、郵務局長どうですか、こういうことがいいか悪いか、あなたは役人として答えてくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/25
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026・長田裕二
○長田政府委員 形の上で答申が出ましたのは十二月九日でございましたが、委員会の実質的な御意見というものは、もう十一月の末にははっきり固まっておりまして、小委員長が会長と打ち合わせられた上でそういう意見の表明が、たしか大臣はじめ関係の向きになされたというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/26
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027・安宅常彦
○安宅委員 前例があるか、各省ごとに審議会があるが、そういう前例は各省にあるか、あなたは知っているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/27
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028・長田裕二
○長田政府委員 私、どうも寡聞にしましてあまりよそのことをよく存じません。私が承知しておりますのでは、四十一年度の予算の編成の方針を十一月中にきめておく必要が、経済企画庁長官の外遊等にからみまして生じまして、そういう関係だったと思います。
以前のことは、そういう例があったことを私よく存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/28
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029・安宅常彦
○安宅委員 そんなことは前例がありませんよ。それじゃ審議会というもの、あんなものはやめてしまえ。たとえば、そんなことを言うたら、自民党の理事さんに聞いてみたら、大体この法律は通りそうだから、はがきのでかいのを刷っておこうじゃないかというのと同じじゃないか、そうでしょう。佐藤洋之助さんから聞いてみたところが、大体通るだろうというお話でありましたから、七円のはがきをちゃんと印刷しておった次第であります、こういうことと同じで、これはたいへんなあなたのほうの法律的な間違いじゃありませんか。法律的にいって、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/29
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030・郡祐一
○郡国務大臣 郵務局長に対するお尋ねはまた局長からお答えいたしますが、先ほど申しましたように郵政審議会が郵便事業経営問題特別委員会というのをつくられまして、そうして十一月の末までに大体の結論を得られて、そして経営問題特別委員会としては特に中間答申はいたさないがこのような方針である、こういうことを承り、それに応じて大綱を、料金の値上げをせざるを得ない、値上げ幅は極力低位に押えるということを、政府の経済政策会議で相談をいたしまして、そして御承知のように十二月末になりまして政府といたしては郵便料金の値上げを決定した次第でございます。
それでつけ足しておきますが、郵政審議会はまことに御熱心な御討議をしていただいておりまして、これを絶えず尊重いたしまして、非常にいい審議会でございますから、一言申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/30
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031・安宅常彦
○安宅委員 それはおかしいよ。私はそんなこと聞いていない。法律的にどうだ、法律的には問題がありませんとあなたのほうでは言うかもしれませんが、政治道徳上おかしいじゃありませんか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/31
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032・郡祐一
○郡国務大臣 政府として大体の方向というのは、予算の編成も非常に急いでおりましたし、政治的に、郵政審議会を尊重しながら、したがいまして十二月の末に大体政府の方針をきめ、閣議決定をいたしましたのは本年の一月十一日に閣議決定をいたしました。大体十二月九日にちょうだいいたしましてから、形の上ではひと月たって閣議決定をいたしておるような経過でございます。しかしとにかく政治的に申しまして、実質的にきめなければいけないときに、郵政審議会の御意向を、かくあるであろうということをうかがいながら、必要な時期に必要な限度のことをきめましたので、急ぎませんときはもちろん御答申いただいてからすべきでございましたが、当時はそういう状況でございましたので、御了承いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/32
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033・安宅常彦
○安宅委員 了承できません。御了承いただきたいといったって了承できますかね。そうなったら郵政審議会は要らないじゃないですか。郵政審議会というものはあなたのほうで諮問をしているのでしょう。諮問案が出ないうちにこのとおりでございますといって政府で発表したら、これは、逓信委員会はわりあい穏やかだから皆さん黙っているけれども、与野党ともにこういう手続はけしからぬということを言うのがほんとうじゃないですか。私はそう思いますね。それが議会政治だと思うんですよ。そうだったら審議会の同意を得てから発表するとかなんとか法律を改正しなければ。一々それは議会でやってもしようがないから、そういう原案をつくるのはまずいとかいうので、設ける理由があって審議会を設けたと思います。あるいは、皆さんの意見を聞いておって、ちょっと何かの団体の代表を審議会に加えたかもしれませんが、審議会の結論が出ないうちに郵政省が、こういう値上げをするという発表をすることは、まことにけしからぬことだと私は思うのです。御了承願います。御了承願いますとあなたは言うけれども、一本とろうとは思いませんよ、ここで社会党退場なんて私は言いません。しかし、いいことですか悪いことですかと言ったら、悪いことですと言うのがあたりまえじゃないですかな。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/33
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034・郡祐一
○郡国務大臣 おっしゃることまことにごもっともでございます。これからはつとめて答申をいただきます時期等もにらみ合わせ、そうして答申に応じて政府としてものをきめてまいるように、十分御趣旨に沿うようにいたしてまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/34
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035・安宅常彦
○安宅委員 つとめて努力されたって困るのです。そういうことを今後いたしませんと言ってもらわなければ困る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/35
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036・郡祐一
○郡国務大臣 確かに非常に大事なこと、根本のこと、こうしたことについては、私こういうふうに考えております。ものごとはいろいろな事態が起こってまいろうと思います。今度も中間答申を出そうかと委員会もおっしゃる、中間答申を出すまでもなくもうあと十日ばかりでものが出るから口頭でいくぞというお話を承っていたしたことでございますけれども、やはり審議会の中間的な答申をいただくとか一部一部の答申をいただくとかいうことにいたしまして、そしてほんとうに審議会を尊重いたすという形を整えてまいることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/36
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037・安宅常彦
○安宅委員 わかりました。そうすると諮問機関である郵政審議会なるものは、あなたの自家薬籠中のものみたいだな。これはほんとうの道化役者です。したがって今後こういう連中が郵政審議会を構成しているうちは郵政省の民主化ができないと私は思う。こんなものは全部任命がえをしなければいかぬと思う。私は議員の一人として、そういう者を議会に同意を求めてきたり何かした場合には断固として拒否せざるを得ない。こんなことをしておったら、たとえば米価をきめる米価審議会に諮問した、諮問は大体の結論が出そうだから大体いいだろう、政府やりなさいなんていうことをやったら、これは農林大臣の首が飛ぶのですよ、ほんとうは。郵便料金というものは、郵政省というものは、政治的にあまり重く見られてないからみんな騒がないのかどうかわかりませんけれども、そうなれば大臣というのは、郵政大臣というのは大したことない大臣だということをみずから証明するようなことを私が言うようになりますから、あまり言いたくないけれども、こういうルールというものがある、しきたりというものがある、法律的にきめられた事柄がある、これを厳に守ってもらわなければならない、これはあたりまえだと思うのです。私はこれは速記録に残しておきますが、そういう郵政審議会の委員は、これは任期中であるといなとにかかわらず、あるいは任期がきたならば全部かえてもらわなければ、審議会の委員としては職務を遂行することができないであろうということを、はっきりここで言っておきたいと思うのです。
それで次に移りますが、その審議会そのものは郵政省の資料でいろいろなことをやったこういうふうに私はどこまでも理解いたします。あなたのほうでも、郵政省の資料とも一致しているのですが、郵便物の物数ですね、その伸び率を四十三年、四十四年あたりになるとたいへん減るようにあなたのほうは書いていますね。これは過去の委員会あたりでは、景気の変動などによって不景気な年は郵便物は減るだろう、それで伸び率はずっとダウンしたような五カ年の大体の見通しをあなたのほうは出しておると思うのです。過去において景気の変動によって郵便物が減ったりふえたりしたというのは統計上あまり出てないのじゃないですか。郵務局長どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/37
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038・長田裕二
○長田政府委員 景気と郵便物の数との関係はなかなかむずかしゅうございまして、はっきりとしたものを私ども持っているというところまでまいりません。半年おくれで景気の動向が郵便の数にあらわれるとか、あるいは不景気になると逆にふえるというようないろいろな説がありまして、結局戦後の大きな伸び、日本の経済なり社会なりの変わりぐあいの大きな波の中にいろいろ小さな数の変動がのみ込まれておりまして、まだこれについての原則なり方法なりを見出すに至っておらないのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/38
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039・安宅常彦
○安宅委員 あなたのほうの一覧表ですね。将来五カ年でどういう郵便物は伸びるだろうか、物数とか、そういう表に、こういう、何といいますか直線的に伸びていくのじゃなくして、カーブを描いてあまり伸びないようになるのはどういうわけかという質問があったようです、議事録を見ますと。そうすると景気の変動などで伸びないだろうということをいっておるのですが、ああいう過去の答弁は間違いないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/39
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040・長田裕二
○長田政府委員 郵政審議会の審議の際の郵便物数の伸びは、昭和四十一年度は前年に比べて四・五%の増、四十二年度は四%、四十三年度が三・五%、以下横ばいというような数字で一応見込みまして、そういう従来と比べまして比較的低い数字を当時見込みましたのは、外国の例などを見てみますと、イギリス、アメリカなどが過去六年間二・六%の増加にとどまっている、あるいはドイツ、フランス等もほぼそれに近いような数になっておりまして、日本の郵便も、相当ふえてきましたあげくに、あるいはそれに近づいてきているということも考えなければならないのじゃなかろうか。だんだん年々逓減してまいりましたので、そういう観測も持ったわけでございます。他面、一人当たりの通数から見ますと、ヨーロッパやアメリカから比べて日本の通数は非常に少ないということなどから、景気の動向なりあるいは企業努力の結果、業務が正常化すれば郵便に対する信頼も回復して、ある程度物数も伸び得るのではないかということなども考えられますし、現在私ども考えておりますのは、政府の景気対策あるいは物価対策等もからめまして、四十二年度対前年比四・五%を底にいたしまして、四十三年度以降〇・五%くらいずつ持ち直していくという見方をとっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/40
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041・安宅常彦
○安宅委員 経済成長率と合わせた、こういうことに大体あなたのほうの答弁を理解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/41
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042・長田裕二
○長田政府委員 むしろ一人当たりの物数、それから外国の動向、そういうようなものを考え、それに今後の経済活動の活発さ、それから企業内部での努力によりまして業務が正常化していく。たとえば翌日配達もそうでございますが、その他都内あるいは近県との郵便の確実な送達、そういうようなことなどによりまして、郵便の信頼度を回復させ得るならば、四十二年度あたりを底にして、その後逐次まだ回復する余力というものを日本の郵便は残しておるのではないか、そういう見方になったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/42
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043・安宅常彦
○安宅委員 どうもその辺わからないのですけれども、四十三年、四十四年となっていくうちに、あなたのほうの表を見ると、郵便物は増加率が鈍化していくような表になっておったのじゃないですか。どうなんですか。そうじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/43
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044・長田裕二
○長田政府委員 郵政審議会の御審議の際には、私どもそのような見方もとったわけでございます。その後企業内部の努力のいろいろな問題、あるいは政府の諸施策等も考えまして、四十三年度以降逐次回復していくという見方を現在とっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/44
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045・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、あれは郵政審議会の資料であって、あなたのほうは違う、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/45
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046・長田裕二
○長田政府委員 あの当時そういう見解、私どももあまり甘く見るということもひとつあれでございますし、当時そういう見方で私ども自身もある程度おりましたが、その後企業努力等についても思いを十分いたしまして、さらに政府の施策等もからみ合わせまして、四十三年度以降ある程度回復する、〇・五%くらいずつは回復させ得る、そういう考え方に立ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/46
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047・安宅常彦
○安宅委員 過去においての増加率というのは全然下がっていない、絶対ダウンしていない。だからそれがダウンするということはおかしいというのだったら、郵政審議会の資料と違うというのだったら、物数の増加、それから収入の予想、これは私どももらっているのでしょうか、郵政省の資料としてもらっていないとすれば、あなたのほうから発表してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/47
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048・長田裕二
○長田政府委員 三十六年ごろから年々郵便物の増加率が下がってまいりまして、八%近く、七・数%からずっと五%台にまで下がってまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/48
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049・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、企業努力か何かであなたのほうはふやす、信頼度が増せば郵便物はふえる、この法律を提案するときは、そういうかまえでものを見ていたのか、郵政審議会でいう、将来も鈍化の方向にいくであろうというものの見方でここの委員会に臨んでいるのか、どっちなんですか、郵政省は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/49
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050・長田裕二
○長田政府委員 三十六年度は七・六%で、以下七・四、六・七、五・七というふうに下がってきておりますが、この下がってくる傾向と、それからまだ日本の一人当たりの物数が百通に満たない。アメリカの三百何十通、イギリスその他ヨーロッパ諸国の百何十通、二百通に近い数、そういうようなものと比較いたしますと、このままずっと英米のように二・六%あるいはそれに近いところまで下がるということではなしに、これはある程度一時的な現象である、五%台くらいまでは日本の郵便というものは戻り得る段階にまだあるのだ、そういうような見方に立ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/50
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051・安宅常彦
○安宅委員 それでちょっと聞きたいのですけれども、今度は物数でなくて増収の予想、そういうものについて、私の前の質問者に対していろいろあなたのほうで答弁をしておるのですけれども、その中で私が非常におかしいのじゃないかと思ったのは、郵政大臣がこういう答弁をしておるんですね。独立採算制で郵政事業をやっておるのだというんですね。しかも原価主義でやるのだ、こういう答弁をやっておるのです。それで民社の佐々木さんが独立採算制と原価主義とは違うじゃないか、こういうやりとりをしているようです。私はそういう議論は別として、ほんとうに大臣、これは原価主義というものが取り入れられて、それが中心になって郵政事業特別会計というものは運営するのが正しいのだといまでもお考えなんでしょうか。原価主義ということばを盛んにあなたは使っておりますが、それはそのとおりだ、いまでもそういう答弁をなさる心境ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/51
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052・郡祐一
○郡国務大臣 私が申し上げておりますのは、総括原価主義で各種割り振っておる、だから三種の赤が出てそれをほかの一種等でまかなう、これも、総括原価主義をとっておれば、そういうやり方で割りつけていけばこれは当然であろうということを一つ申し上げました。
それから、確かに、この会計を企業的に経営していく考え方としては、一般会計からの繰り入れということも考えられないことはございますまい。また事実終戦後それでやっておった時代がございます。しかしながら、いまとしては郵便事業に一般会計から繰り入れをすることが財政的に困難ということもございますし、そしてまかなっていく種類のものではないということは——ここは議論になりますが、特別会計法の第一条の企業的に経営するということからも出てくるのではないだろうか、そのような意味合いで事業会計自身が事業収入でやっていくというたてまえでこの会計はできているのであろう、こういうぐあいに申し上げておったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/52
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053・安宅常彦
○安宅委員 総合原価主義とはうまいことを言ったものだと思いますが、こういうところに本質が隠されておると思います。郵便料金というものは国民全体のものなんです。私はそう思いますよ。そうすると、どういうことが私の頭にぴんとひらめいたかというとこういうことです。総合原価主義というのだったら、大体郵政事業が少し赤字になってあわを食っておるが、いままでささえてきた大宗というものは何かというと第一種じゃないですか。書状でしょう。いまでも大体黒字くらいですね。それからはがきというものは少し赤字になっておる。大きな赤字をしょい込んでおるのは印刷物とか第三種、ああいうものでしょう。印刷物とかそういうものをたくさん出すのは庶民じゃない。安宅常彦じゃない。やはり自分ではがきを書いて出す。それから書状ですね。ところが庶民の生計費に〇・〇何%しか、家計費調査によれば影響がございません、こういう限定した形で盛んに大臣は逃げておられるのですが、そうではなくて、これは家計費調査をしたり何かすれば、郵便というのは家計費の中に何%かしか占めていない、その中でちょっと上がるのですからなるほど影響がない、こういうことを言って、野菜から何から、基礎産業、鉄鋼からみんなそういうふうに言ってしまっておるが、その合計というものは大きいのだと思うのです。郵便物が上がったならば、郵便物が上がったから今度新聞も値上げしなければならない、電話が上がったからシナそばも、いままで五十円のところを、七円の電話料を加えたら六十円くらいで売らなければならない、そういうふうになっていくのがおそろしいんですよ。それが物価の値上がりの大きな原因になるのです。政治の力でそういうことを排除するのがほんとうのあなたの任務なんだけれども、郵便料金を値上げするときには〇・〇何%しか影響がありません、そこのところだけ一生懸命強調して、盛んにのがれようとしているのですね。そういう数字の魔術をいえばこういうことも言えるわけですよ。たとえば総合物価指数では、消費者物価の指数では六%、七%くらいいま上がっているではないか、こういう野党の質問なんかあります。それからいろいろな学者なんかもそう言っております。経済学者もそう言っております。ところが六・七%というのは国民の実感にそのとおりなっているか、そんなことありません。みんなぶんならしてしまえば六・七%になりますけれども……。今度物品税がかからないからというので、カラーテレビだとか自動車だとか、そういうものが安くなるのです。ところが庶民の生活に自動車やカラーテレビというのは、ほとんど影響ありませんよ。そういう値下がりしたものも含めて平均六%消費者物価が上がったというのが政府の発表であり、そういう統計になってあらわれるわけです。ところが庶民が食べなければならない、着なければならない、住まわなければならない、こういうどうしても必要な生活必需物資というものは三〇%も上がっている。大学授業料も上がる、税金も上がる、みな上がっているのです。そういう中で〇・〇一四%しか影響がありませんなんという理屈は通らないわけです。そうすると、これは物価が六%しか上がらないというときでも——しか上がらないというのはおかしいのですが、たいへんな値上がりだといっているのですが、庶民はもっと値上げされている。実生活の中では二〇%から三〇%くらい上がっていますよ。そういうことになると思うのです。と同じように郵便料金を値上げした、総合的原価主義だという理屈のもとに、庶民が出すものは、書状というものは十円でも大体黒字、とんとんか黒字くらいになっているのだったら、庶民に迷惑をかけないようにするのが郵政事業、そして郵便法の趣旨とするならば、それは押えておいて、実際原価主義をとるとおっしゃるのならば、そういうダイレクトメールであるとか、郵政事業に携わる人の一番いやなのがそれなんですから、大きなぐさぐさした広告みたいなものを一ぱいかばんに詰め込んで——いまかっこいい若い衆が東京の中を歩いているときに、郵政省に奉職している哀れさで、汗びっしょり背中にかいて自転車で——みんなバイクか何かばっと、神風なんかで飛ばしているときに、よっちらよっちら歩かなければならない。郵政省の仕事はもういやだ、こういう若い人がいるから、郵政省は人が足りなくて、手当くれてまで郵便配達さんをさがしたりする、こんなけちなことをし始めているのじゃありませんか。要するに、私は何を言おうとしているかというと、原価主義をとるならば、原価に合わないものは値上げして、原価とんとんくらいな——庶民の生活を考えてやろうとするならば、庶民の生活に響くものは上げない、こういうふうにするのが原価主義の基本じゃありませんか。私はそう思うけれども、郵務局長、どうなんですか。そう思いませんか。しかしこれは学術的に公共的にいろいろ問題があるからという理由のもとに、赤字になっているものはあまり上げないでそのまま赤字のままにしておいて、そうして赤字でない、庶民が使う書状やそういうものはいきなり上げるというのは、これは本末転倒じゃないかと思うのですが、そのものの考え方です。これは何ぼ上げたか何ぼ下げたかなんという、二円上げるの反対だとか賛成だとかいう立場を離れて、そう思いませんか。私の言うこと間違っていますか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/53
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054・長田裕二
○長田政府委員 個々の種別ごとの原価計算でそれに適応した料金をすっぱりきめていくというのはそれなりに割り切れている姿だと思うのですが、たとえば第三種郵便物も、郵便料などは辺地の北海道とかその他いなかの人たちが日刊新聞に触れるために避けることのできない経費として毎日かかってくるというようなこともございますし、そういうようなことも、あるいはまたはがきをどのくらいきめるかというようなことも、また少し別の観点からいろいろな考慮が加えられるのもやむを得ない場合もあり得るかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/54
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055・安宅常彦
○安宅委員 いま薬なんか製造しているところありますね。それから化粧品なんかありますね。これは広告費というのはばく大なものでしょう。それをコストの中にみな入れていますね。だから今度どこかに団地ができた、居住するためには一カ月家賃どれくらいだ、とても快適な住宅です、どうでしょうかなんという広告が私のところに、ほんとにどうにもならないほど入ってまいりますね。それは国家的な立場から見たら、あんなものまことに浪費だと思いますよ。私はとんでもない国力の消耗だと思います。そういうものは大きな、金を持っている人々が出すものです。そういうものがたくさん出るからあなたのほうは赤字が累積していくのでしょう。こういう人々の料金を上げないでおいて——新聞だってそうですよ。新聞記者の諸君はあまりいい顔しないか知らぬけれども、それは新聞記者の諸君がいい顔する、しないよりも、たとえば朝日新聞だとか、毎日新聞だとか読売新聞だとか、そういう大きな独占的な大新聞社が郵政省のルートに新聞の配達を乗せれば、新聞配達を雇うことも、あまり企業的な努力をせぬでもいいし、これはしめたと思って乗せているかもしれませんよ。そうしますと、郵政省の従業員は、いなかにいけば、新聞さえ来なかったら配達なんかしないでもいい。ことに郵便配達じゃなく新聞配達みたいになってしまっているのです。こういうものを、なぜ黒字になるまでもっと値上げしないのですか。そうしたら、新聞料金が値上げになるだろうなんて、人の企業努力することを郵政省がかぶる必要はありません。そんなことは郵政省は郵政省でぴちっとしていればいいのです。ほんとうにものを合理的に考えるならば、それが正しいのではありませんか、正しくありませんか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/55
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056・長田裕二
○長田政府委員 先ほどお話のダイレクトメール等につきましては、いまのような形のままで今後続けられますと、相当割り高な料金になってまいるわけであります。
なお、新聞の料金のお話は、現在のたてまえでは、御承知のように購読者の負担になっております。そういう事情も考慮しなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/56
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057・安宅常彦
○安宅委員 購読者の負担にするかしないかは新聞社のかってですよ。そんなことは郵政省何も人のせん気を病む必要はないじゃありませんか。あなたのほうがそういうものを取り扱うから赤字になっているでしょう。そうして郵便料金を値上げしなくちゃならぬというのでしょう。値上げするものはどういうものかというと、そういうものは押えておいて——少し上げるかもしれないけれども、そうして庶民の使う書状や何かにしわ寄せをさしておいて、まあ新聞社に奉仕するために一般の人の手紙を値上げするような、そういうかっこうになりませんか。理屈はそうでしょう、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/57
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058・長田裕二
○長田政府委員 新聞の料金につきましても、御承知のように二十六年の改正によりまして一円になり、三十六年の改正で二円になり、今回三円になるというわけでございまして、前からのいきさつ等も考えますと、やはり相当の上げ幅、上げ率になっておるというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/58
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059・安宅常彦
○安宅委員 だからそれはあなたのほうで配達してくださるから、新聞社としてはたいへん助かっておると思うのですよ。記者じゃありませんが、新聞を経営している人は何とかして広告を増したり何かしようと思って努力しているでしょう。そうすると、今度の新聞は何ページ立てになりましたから料金値上げします。これこそ審議会も何もないです。国会議員の月給上がったなんて大きなことを書くけれども、新聞社は上げるときにはいきなり黙って上げますよ。そうしておいて、そんな新聞社にあなたのほうでなぜ協力する必要があるのですか。(「それは農業新聞だよ」と呼ぶ者あり)それは農業新聞だって何だってそうですよ。それは新聞社は広告の料金を上げてもっと取って、あるいは部数を減らして、あるいは企業努力をしてそしていなかのほうでは、いまテレビが発達して、おるのだから、新聞が一日おくれてもしようがない、あたりまえだというふうに宣伝をするか何かして、新聞社のほうでは、自分の経営の内容を変えるか何かして——これはいま私の言っておることは、当たっているかいないか別ですよ。新聞の経営者として、何か考えて、採算が合うようにするのが新聞の任務です。少なくとも公共的な立場をとっておるという新聞社なら。そのほかに、第三種として今後上げさせる郵便物がたくさんありますよ。こういうものをそのままにして、そして庶民がどうしても、おやじが死んだからどうだとか、結婚式がどうだとか、あるいは嫁さんもらうからどうだとか書いておる書状は、ほとんど赤字になっていないのに——郵政省は企業努力をせいと大蔵省からぎゃあぎゃあ言われておると思うのですよ。あなた方もそういうふうに考えておると思うのですよ。お互いに企業同士が考えることですよ。それでなかったら、独立採算というよけいなことをやらなければいいのですよ。赤字になったから助けてくださいと言えばいいのです。ところが、財政がなくていま出せない状況だと大臣は言う。それだったら、国が出せないなら、郵政省の独立採算制の企業会計が赤字にならないようにするにはどうしたらいいかというのは、あなた方の最大の任務ですよ。そのために、いま赤字になっておるものを上げるというふうになったら、これはよほど理屈は通りますよ。それを、黒字になっている書状まで上げる必要はないじゃないですかと私は言っておるのです。それはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/59
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060・長田裕二
○長田政府委員 総体として経費をまかなうようにいたしますその中で、若干の、何と申しますか、文化政策的な要素とか、そういうような考慮というものがある程度なされますのは、各国の例にもございますし、日本でも前からのいきさつもございまして、ある程度やむを得ないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/60
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061・安宅常彦
○安宅委員 だから、それは独立採算制をとっておる事業としては理屈には合わないでしょう。それだったら、それは国が文化を育てるために、新聞という公器というものを守るために、これは一般会計から出すのが、理屈としてはその通りじゃありませんか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/61
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062・長田裕二
○長田政府委員 アメリカにはそういう例がございますが、ほかのほうにはあまりそういう例はございませんし、私どもは、全体の郵便の利用者のワク内で現在の状態でまかなっていくのもやむを得ないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/62
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063・安宅常彦
○安宅委員 アメリカでやっておるとか、イギリスでやっておるとか、人のことを聞いておるのじゃないですよ。いまあなた方は、独立採算制というワクをはめられておるのだ。そうでしょう。独立採算制というワクをはめられておるならば、独立採算制というものを合理的にあくまでも考えていったときには、そういう文化的な要素、社会の公器的な要素が新聞にあるという判断を政府がしておるならば、それは政府が出すべきであって、独立採算制におんぶすることはないはずだと私は言っておるのです。たとえば——まあいいでしょう。そういう理屈にはなりませんか。大臣、純理論的にいったらどうですか。アメリカの話は聞く必要はない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/63
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064・郡祐一
○郡国務大臣 純理論的に申しまして、私は、第三種郵便物は将来はもう少し原価に近いような値にしてもよろしいのじゃないかと思います。ただ、いままでのところ、沿革から見ましても、この上げ幅の経過から見ましても、このたび三円にいたしておきました程度、これはそう特に、いままでが確かに赤字であり、文化的意義とかなんとかはいまは申し上げませんが、とにかくいままである程度特典と申しますか、過度のサービスと申しますか知れませんが、安くいたしておったそれに比べては、上げる割合としてはそうおかしいものじゃないように思います。ただ、将来は、やはり事業でありますから、事業の上からもう少し強く上げていってもよろしいかとは思います。しかし、このたびのは、この程度のことで、一種でそれをかぶってもらいますること、これはやむを得ないのじゃないだろうか、こういう判断をした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/64
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065・安宅常彦
○安宅委員 私は、理論のことを言っておるのですから、何も新聞社からにらまれてまで、私どもの歳費の上がったのを書いたのを言うことはない。私は、歳費が上がったのは反対だ。国会議員によけい金を出すことはありません。堕落しますから。そういう傾向がありますから、それはそれとしてまた別なんですよ。だから、やはり新聞社が上げるという形をとったときは、そんな話をしましたが、それは別。ただ、私が聞きたいのは、純理論的に言ったならばそのとおりだ、しかし現在は、というのがほんとうなんであって、あなたには、将来は少し上げてもいいんじゃないかというようなそういう答弁は、おかしいのじゃありませんか。逆じゃありませんか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/65
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066・郡祐一
○郡国務大臣 いや、私が申しましたのは、それぞれ理由があって、三種とか四種というのを設けておりますから、そうすると、今度は、四種の廃止論も御承知のようにあったわけです。しかしながら、とにかく三種、四種というものを——四種全部じゃありません。四種の中の一部をです。しかしながら、そう五種を一種に統合いたすのに比べてもっとドラスチックになる改革をこの際することはいかがであろうか。そうすれば、料金の点でも特に低率にしておくのも一応、考えようでありまするが、理屈も立つのではないだろうか。しかしながら、おっしゃるように採算というところから考えれば、もっともすぐそれで完全に赤字を出さないような料金までもらうということが不可能であるにしても、もう少し赤字を少なくするようなところで料金をきめるということは私は、それは筋だと思います。ですから、私は、現状を是認しながら、しかし筋としては安宅さんのおっしゃるような筋だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/66
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067・安宅常彦
○安宅委員 私は、新聞だけ言っておるのじゃないのですよ。そういう議論をいいますと、新聞は文化的な、社会の公器的なそういう立場があるとするなら、それに限ったらどうですか、政府の一般会計で補助して。あと、第三種の認可を受けているのは有象無象、ごしゃごしゃとあるじゃありませんか。それは国家のためにいいのか、国民のために利益になるのかならないのか、判定もつかないもの、いまの基準じゃそうならざるを得ないと思うのですね。将来にわたって廃止する意思もなくて定期的に刊行するのは、千部以上やればみんな第三種にできるわけです。はなはだしいのは、たとえば国会議員でもそうですね。私は、金がなくてそんなことはできないけれども、定期的に発行してやれば、自分のことを一生懸命に宣伝するみたいな第三種郵便物だって、それはできないことはないのですね。できますよ。やっている人もあるでしょう。郡という大臣はえらい人物でございまして、今度の選挙も皆さんから御支持願いたいということばかり書いてあるやつも、毎月毎月出せば、週に一回ぐらいずつ出せば、それも第三種だ。そんなものまで安く扱う必要がありますかね。これは郡さんの例を出してはいけません。安宅常彦でけっこうですが、そういうものは私は、そのためにあなたのほうは損をしているんじゃありませんか。新聞やあるいは文化的ないろいろな学術雑誌とか、そういうものは安くします。しかしそれは独立採算制からいってやれませんから、ある程度国が出すなり負担します。そういう有象無象は、わけのわからないものは——たとえばぼくらの立場でいえば、中には頭にくるやつもあります。紀元節をつくらなければならないという団体が第三種郵便物の認可を受けてじゃかすか出された日には、こっちは頭にくるのですね。そういうものまで保護しておいて、国民がどうしても必要な書状、黒字である書状を上げなければならないという理屈はないだろうと私は言っておるのです。どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/67
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068・長田裕二
○長田政府委員 第三種郵便物の中でそれにふさわしくないものにつきましては、ときどき調査して警告をいたしましたり、また中には第三種の認可を取り消したりしているものもございまして、その運用につきましては規制に努力をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/68
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069・安宅常彦
○安宅委員 あなた、それはしろうとに答弁するということだったらそういう答弁でも間に合うかもしれぬけれども、郵務局長、ばかなことを言わないでくださいよ。例をあげればまだある。人のことばっかり言うと非難されると思うから、国会議員の例を言ったのだが、そんなことは幾らでもありますよ。第三種郵便物を認可する基準というのは、そういう内容に立ち入って、ちゃんと一カ月に三回だったら三回発行して、発行の終期を予定し得ないものであり、相当広範に発行しているというならば、警告の発しようも何もないじゃありませんか。認可せざるを得ないじゃありませんか。そういうものの負担まで大衆に負わせて、黒字の書状を上げなければならないのかということを私は聞いているのです。理論的に私のほうが正しいのじゃないかと思うのですが、正しいか正しくないかだけ答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/69
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070・長田裕二
○長田政府委員 内容が第三種郵便物の要件を満たさないようなものの排除につきましては、これからも極力努力をいたしまして、そういうことのないようにしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/70
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071・安宅常彦
○安宅委員 そんなことできないだろう。できますか。それじゃどういう理由でできますか。内容のけしからぬということは、法律的事情に基づいて、いまの第三種の認可の基準から言って、どういうことでできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/71
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072・長田裕二
○長田政府委員 現在の第三種郵便物の要件の一つは、「政治、経済、文化その他公共的事項を報道し、又は論議することを目的とし、あまねく発売されるものであること。」というのがございまして、自己の宣伝とか、あるいは同窓会誌のようなものとか、あるいは機関紙のようなものとか、そういうものは入らないたてまえになっております。これは判断が非常にむずかしいボーダーラインのものもございますことは仰せのとおりですが、自己宣伝が非常にはっきりと出てまいるようなもの等につきましては警告を発し、また程度のひどいものについては取り消しを現にある程度やっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/72
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073・安宅常彦
○安宅委員 政治、経済、文化と言ったら、あらゆるものが含まっておりますから、それが宣伝であるか宣伝でないかなんということは、いまあなたのほうより出すほうが頭がよくなっていて、自分の会社の宣伝だというふうに全然思わせないで、そうしてぴしゃっと大衆の中に食い込んで、そこだけを覚えさせるという方法はいまたいへん進歩しています。そんなことはできません。そんなことはできないのですから、そういう判断はあなたのほうですべきじゃないのですよ。そんな答弁を聞こうとしているのじゃなくて、私の聞いているのは、そういう郵便物は、政治に関係し、経済に関係したらいいんでしょう。そうして文化的にも——文化だっていろいろあります。エログロ文化まであるのですから、そういうものを掲載し、たまに終わりのほうに発行者が何か書いて、たとえば、ただたいへんりっぱな自動車ができました、しかも世界の自動車の趨勢はこうなっておりますというように書いて、わが社のを買ってくれとは一つも書いてないけれども、ぴんと印象づけるようにすることは幾らでもできますよ。そういうものも認めざるを得ないでしょう。あなたのほうでは、大きな事業会社が出すそういうものは安くしておいて、黒字になる書状をなぜ値上げしなければならぬか。私の言うことは理屈に合っているかいないかということだけを聞いているのです。取り締まることを要請しているのじゃありません。私の理屈が通っているか通っていないかだけを答えてください。そのために郵便料金を値上げする足並みを乱されては困ったことになるのじゃないかというようなよけいな心配をする必要はないのですから、いいか悪いかだけを答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/73
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074・長田裕二
○長田政府委員 第三種郵便物の中にいろいろございまして、はっきりした判断をくだせないものの中にいろいろなものも十分あり得ると思っておりますが、第三種郵便物総体といたしましては、まだ日本の社会では相当の意義を持っておるわけでございまして、それらにつきまして先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、いままでのいきさつ等をからめまして考えますときに、このたびの改正案に盛られましたような料金というものが、現在の段階におきましてはまあまあ妥当なところかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/74
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075・安宅常彦
○安宅委員 独立採算制といい、原価主義といい、そういうことを言っておるならば、それをはっきりしなさい、それがほんとうじゃありませんか、ただこれだけ聞いておるのです。第三種郵便物の中でおかしいものは排除しろなんという質問は一つもしておらないんですよ。純理論的に言って私の言うことが間違いかどうかを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/75
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076・長田裕二
○長田政府委員 一つ一つの種別ごとに原価をまかなう料金をきめるという行き方も、非常にはっきりしてよい点が十分ございますが、現在の日本の郵便事業におきまして、若干あるものは原価を割り、あるものは原価に少しプラスされるということも、いままでの経過あるいはその他の事情からまたやむを得ないものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/76
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077・安宅常彦
○安宅委員 あなたが原価主義というようなことを言うから、そう言うんですよ。ほんとうは大衆が出すもの、庶民が出すものはある程度政府がかばって、大きなところが出すものは少し高くするのがあたりまえです。医は仁術と昔は言ったが、貧乏人からは少なく取って、金持ちからはとんとんと二、三回胸をたたいてもいきなり取る、これがりっぱな人だと昔からいわれておるのは、昔からの東洋的な道徳ですよ。そうでしょう。わが国の政治、経済の事情から言って、それはあたりまえでやむを得ない、こう言うけれども、それは裏返して言えば、貧乏人、一般大衆が出すものは少しくらい上げてもよいが、大事業家、独占的な大資本が出すものはかばってやらなければならない、こういう理屈になるんですよ。それが現在の内閣の方針なんですね。何でもそうですよ。山一証券には金を幾らでも貸すが、駄菓子屋がつぶれそうだと言っても政府資金は貸さない。同じ思想です。これは絶対に許すべからざる方針だと思います。そういう方針がとられるのはやむを得ない、こういうふうに答弁したものと私は理解するのですが、大臣はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/77
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078・郡祐一
○郡国務大臣 第三種について、先ほど申しましたように、さらに限界に近づけるということは、将来の問題としては考えなければならない問題もあろうと思います。しかし五種を一種に統合いたしましたような点なども、これからの事業を能率的にするということと、おっしゃるような公平の原則ということも考えながらやったということで、この一種と五種との種類体系の整備というのもその一つのあらわれで、そっちに一歩進んでおるのだと私は思います。ただ第三種というのは、いまいろいろな例をおあげになりましたが、確かにいろいろな種類があるのであります。あの第三種について、明治の初めからずっと特別に扱っておったあの考え方というものは、いまのところ、やはり考え方としては維持しておく意味があるのじゃないか。しかし、それがある部分では、確かに必ずしも低料扱いにする必要のない部分もあり得るのだということは認めますが、第三種全体としては、これを特殊扱いにするということは、決して現内閣がどうとかいうようなことじゃなくて、日本の現状として郵便事業の上で是認すべきものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/78
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079・安宅常彦
○安宅委員 簡単に言えば、大きな事業をやっておる人が出す郵便物は、郵政省はえらい赤字をしょっておるけれども、赤字を消すまでの値上げはしない、大衆が出すものは黒字になっておるけれども値上げをする、こういう結果になる。あなたは現内閣の方針がどうとかということでなしにということなら、それを頭に置かないでも結果的にそうなりますね。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/79
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080・郡祐一
○郡国務大臣 どうも第三種郵便物の中で、さっき申しましたいろいろなものを出しておりますから、あるいはおっしゃるような部分もございましょう。しかし一番いい第三種郵便物というのはそういいますより、やはり新聞でありますとか言論だとか、国民と非常につながりの深いもの、これがやはり第三種郵便物の低料扱いの大宗なのであるという考え方で見たほうが正しいのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/80
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081・安宅常彦
○安宅委員 そんなことで議論しているともう時間がなくなりますから、これはあなたはその通りですと言ったら自民党内閣ひっかかるから言わないだろう。あとはやめます。結果的にそうなっているのです。第三種だったら、公共的にこれは重大なものだとするならば、一般会計から出したいということをあなたは言っておる。ただ財政がいまないのでしょう。財政をどこから持ってくればいいのです。その金の余りぐあい、それは今度は大きな問題ですから、私はここで論議しようと思いません。結果的にそうなっていることだけは、局長や何かうしろのほうに並んでいる人も一生懸命うなずいている人もおるようですから、私は安心して質問をやめますが、そういうのは、どうして値上げをしなければならないという理屈は、まずそこから間違いだ。手続的に郵政審議会のきまらないうちにぽんと方針を出して見た、根本から間違っておる。上げ方も間違っておる。その次に、企業の努力をしなければならないとか何か言っておるのですけれども、しかし郵政省というものはあまり何でも遠慮し過ぎているのじゃないですか。いま言ったように、たとえばある新聞なんかは社長のことばかり書いておる。そういう新聞も中にありますよ。だけれども、ほんとうにそれは公共的な新聞かどうかといったら、たいへん大きな議論のあるところです、民主主義の今日の日本において。だから、そういうことに遠慮をして、公共的なものだ公共的なものだという、何か支配をしている人がそう考えているから、それに追随をしていることばかり考えているんじゃないか、そして自分の独立採算制をみずからこわして言うところには文句は言えないで、一番値上げのしやすい書状やはがきあたりにその活路を見出す、こういうようなばかな政策を逓信事業の政策としてとられているうちは全くうまくいかないと思うのです。その例はいろいろあります。たとえば、あなた方のほうで業務外収入というのは、ここに書いてありますが、ことしは前年度の予算額に比べて減っておる、これは日雇い労働者健康保険収入が減少したためであると書いてありますが、そういう理屈も成り立つでしょう。郵政省が国から委託を受けて仕事をしておるもの、それはたくさんあると思います。しかもその会計は郵政事業特別会計の中に入っていて、しかも貯金や保険の特別会計二つ別にありますが、それとは別に郵政事業の特別会計で経理的に扱う。しかし、仕事は貯金のほうでやっておる。複雑怪奇な取り扱いのしかたをしておる。会計自体がおかしいと思うのですよ。保険事業、貯金事業というものはもうかっておるのか損をしておるのか、郵政省の本省の経理局長はよくわからない。だから、大出君あたりの質問にもおろおろしてしまう。実際、全省の経理というものを掌握できないのが本省の経理局長なんですね。なかなか偉いと思っていたが、たいしたことはないんだと思ってこの間私はぴんときたんですが、そういうことがあるために掌握できないから、たいへん伸びておるところがあるような気がしてしょうがありません。窓口で国からこれをやれ、あれをやれといわれておるもの、郵便貯金だったら貯金しかやらないでもいいのに、窓口でやらされておるもの、これはたくさんあると思いますが、どれくらいあるか、それをずっと並べてみてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/81
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082・淺野賢澄
○淺野政府委員 他会計からの受け入れということになるのでありますが、貯金保険それから厚生保険特別会計からの受け入れ、船員保険特別会計からの受け入れ、労働者災害補償保険特別会計からの受け入れ、失業保険それから開拓者資金融通特別会計、国有林野事業特別会計、森林保険特別会計、その他十二くらいでございます。それ以外に専売公社、電電公社それから共済組合、NHK、こういったものがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/82
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083・安宅常彦
○安宅委員 厚生年金から国民年金の事務から恩給から児童扶養手当から精薄児の手当の支給から船員保険取り扱いから失業保険から——これは掛け金だけですから。遺族年金、労災保険から、あらゆるものを郵便局は、おまえさんのほうでやれといわれておる。ところが地方自治体なんかも、いま国民年金制度ができ、国民年金制度ができたから金を集めなければならないし登録もさせなければならないし、そういう所要経費を自治省からもらう。そうすると、大体いまは所要経費の半分もこない。大部分地方自治体の持ち出しできゅうきゅうしているから、交付税をよこせとか何だとか知事会や市町村の議会、町村長会、こういうところから陳情がひっきりなしで、いやだいやだというのにこういうものをいただいたばっかりに、これはたいへん大きな地方自治体の財政の圧迫になっておる。そういうことが郵政省にあるかないか、これは私は非常に疑問だと思う。ちなみにお伺いいたしますが、こういう制度ができたときに郵政省が引き受けた——一つの契約だと思いますから、一件取り扱いについて単金があると思うのです。たとえば地方自治体ならば、財政需要額の中に単金表があると同じようにそういうもので交渉して、そしてまかなえる範囲でオーケー、こういうふうに出すのだと思いますが、そういうことをやっておるのでしょうか。その内容はどうなっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/83
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084・淺野賢澄
○淺野政府委員 一件当たり単金等によってきまっておりますが、詳細につきましては貯金局長からお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/84
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085・稲増久義
○稲増政府委員 国庫金に関しましては百四十円、年金恩給に関しましては百六十円、共済年金等に関しましては九十七円、そういうふうに単金がそれぞれきまっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/85
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086・安宅常彦
○安宅委員 全部言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/86
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087・稲増久義
○稲増政府委員 いま申しました特別会計、全部国庫金ということに該当いたすわけであります。百四十円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/87
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088・安宅常彦
○安宅委員 これは郵政省がやりなさいといわれた年次をずっと言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/88
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089・稲増久義
○稲増政府委員 法律一々見ればわかるのでございますが、すぐ資料がございません。法律成立月日を見ればすぐわかるのでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/89
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090・安宅常彦
○安宅委員 それでは一番古いのはどれですか。大体わかりませんか。一番古いのを二、三あげて、一番新しいのを二、三あげてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/90
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091・稲増久義
○稲増政府委員 一番古いのは、年次はちょっと失念いたしましたが、年金恩給一般会計からでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/91
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092・安宅常彦
○安宅委員 そういうもので最近改正になったというのはいつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/92
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093・稲増久義
○稲増政府委員 本年大蔵省と相談しまして改正いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/93
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094・安宅常彦
○安宅委員 いままでは幾らでことしから幾らになったか、二つばかし例を言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/94
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095・稲増久義
○稲増政府委員 国庫金につきましてはいままでは単金三十五円、金額に対しますいわゆる料率千分の五というふうなやり方でございましたが、今年度は料率のほうを廃止いたしまして、すべて単金百四十円ということに改正したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/95
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096・安宅常彦
○安宅委員 国庫金以外の分はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/96
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097・稲増久義
○稲増政府委員 恩給は五十円の千分の七でございましたが、それを先ほど申し上げましたように百六十円という単金一本にいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/97
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098・安宅常彦
○安宅委員 そうすると、これまで何年かはそのままやってきたが、ことし初めてそういう改定が行なわれた、こういうふうに理解してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/98
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099・稲増久義
○稲増政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/99
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100・安宅常彦
○安宅委員 長いのは同じ単金でどれくらい続きましたか、たとえば国庫金などに例をとって。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/100
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101・稲増久義
○稲増政府委員 一番長いものは十年くらいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/101
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102・安宅常彦
○安宅委員 こういうことはたいへん大きな問題だと思います。あなたのほうの実感としては郵便料金は何回も、昭和三十六年か何かに小包と特殊とをちょっと上げましたね。やはり苦しいからでしょう。そういうものを、いろいろな仕事をまかされているそういう仕事の単金というものは十年も変わらない。そうするとこういうところにあらわれてくるのですよ。どこかの研修所や何かに配置転換になった。そうするとそのあと補充なんというのは郵便事業の場合には一カ月分——一カ月研修所に行くのだったら一カ月分保障してくれるけれども、貯金や何かの場合には半分しか来ないとか、そういう結果になって、非常に苦しい会計を貯金なんかやっているのじゃないですか。そういう傾向がいままであったのじゃないですか。具体的にそういうことを——たいへんこまかい話ですが、そういうことを何回も聞きましたが、そういうことありましたね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/102
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103・稲増久義
○稲増政府委員 国庫の場合はそういうことがあったかもわかりませんが、二、三年前に会計検査院からもこの種預託業務で五十億ほど不足とかいうようなお話もございましたが、その後逐次定員の組みかえ、あるいは共通の費用の分担あるいはベースアップ等を勘案いたしまして、四十一年度におきましては正確な経費をもらうというようなことに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/103
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104・安宅常彦
○安宅委員 これは総がかり費か何かで郵政局に届けておいた。それからいろいろなかっこうで定員なんか配算していると思いますが、そうすると郵政事業の本来の特別会計の定員のはじき方と、貯金や保険なんかの人たちが窓口でやっている、そういう人々の定員のはじき方と違っているのじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/104
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105・稲増久義
○稲増政府委員 定員のはじき方は郵便もすべて同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/105
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106・安宅常彦
○安宅委員 それじゃよくわかりました。
では大蔵省の方に聞きますが、これは諸物価が上がる、経済成長率が年に一〇%をこえる、人件費は上がる、そういうときに国庫金の取り扱いというものをさせておる郵政省に対して、十年間も単金を変えないでそのままにしておったなどということは、大蔵省ひどいじゃありませんかね。どう思いますか。そんな気はしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/106
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107・荒巻与四郎
○荒巻説明員 この単金につきましては、従来の実績によりますと、一口当たりの単金によるものと、それから料金の取り扱い高による、二本立てになっておりました。それを改めまして、従来二本立てだったものを一口当たりの単金に直すというやり方をやりまして、そうして最近における物価の動向を見まして四十一年度において引き上げるという措置をとりました。従来据え置いたのはその点不十分だったと申されれば、今回直してありますから、まあ、まことにやむを得ないところがあったかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/107
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108・安宅常彦
○安宅委員 これは地方自治体あたりで国民年金を取り扱わせるのですね。その場合自治省が算定する一件当たりの、取り扱い数量に対する単金と、郵政省で取り扱う場合の単金と同じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/108
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109・荒巻与四郎
○荒巻説明員 自治体の関係は、私いまちょっと承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/109
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110・安宅常彦
○安宅委員 自治体と同じだとすると、もう自治体は持ち出しできゅうきゅうしているのですよ。その証拠には郵便局だってもうこんなものがあるから忙しいのだということで、現場の従業員はあわてふためいているですよ。何もかにもまた引き受けさせられて、そのために人員が足りない、非常に困っているのです。こういう状態というもの、同じだとすれば、地方自治体と同じ立場に郵政省はあると思うのですね。私はそういう意味で大蔵省に聞きたいのですが、大体予算の折衝というのがありますね。こういう定員のはじき方、単価のきめ方について郵政省はどのくらい改定を要求し、大蔵省はそれをどのくらいに押えて、その差はどれくらいになっているか、これを大蔵省ちょっと発表していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/110
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111・荒巻与四郎
○荒巻説明員 この単金につきましては各法律によりまして郵政省と関係各省で協議して定めることになっておりまして、大蔵省としてはそれを受けて了承するという形になっております。いまどのくらいの要求があってどのくらいという御質問でございましたが、その点はそういう関係がありますのでちょっとお答えいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/111
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112・安宅常彦
○安宅委員 貯金局長、それではあなたにお伺いしますが、この改定によっていままでよりも実質上何%上がったのか。それからあなたのほうで要求したものはどれくらいあるか。押えられたものとの差はどれくらいになっているか、答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/112
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113・稲増久義
○稲増政府委員 為替貯金業務では全体といたしましてこの個々の繰り入れにつきましての支出を大蔵省に要求いたすというやり方を現在とっておりませんで、為替貯金業務費といたしまして概算要求五百二十三億を要求いたしまして、この為替貯金業務費の中にこれらのすべての支出はそれぞれ含まれてくるわけでありますが、成立予算といたしましては五百四億ということで、為替業務費全体の査定におきまして十九億の査定を受けましたが、それが貯金為替、振替、この付帯業務すべてにかかっていくわけでありまして、これ一つ一つにつきましての支出要求というような方式はとっておりません。なおどのくらいふえたかということは、この付帯業務の収入といたしまして、前年度より約二億円金額でふえております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/113
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114・安宅常彦
○安宅委員 二億円ふえたというのは何%に当たりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/114
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115・稲増久義
○稲増政府委員 五十五億中二億でございますから五%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/115
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116・安宅常彦
○安宅委員 郵便料金は上げなければならない。五%ぐらい上げなければならないというのだったら、五%ぐらいしか上がらぬでもあなたのほうで業務支障ないのだったら、そういう諸要求も理屈は合うのです。五%ふやされて、貯金局長、にこにこしていたら、あなたはだめじゃないですか。だから、人件費はどれくらい上がるか、これは賃金の上昇率、それから物価の問題、いろいろあるでしょう。用紙も買わなければならない。いろいろなことがある。そうしたら、少なくとも一五、六%上がるのがあたりまえじゃないですか。それをどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/116
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117・稲増久義
○稲増政府委員 ただいま申し上げましたとおり、為替貯金業務費といたしましては、前年度四百三十億が本年度五百四億に伸びておりますので、そういう意味におきましては、為替貯金業務費といたしましては四百三十億が五百四億に伸びております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/117
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118・安宅常彦
○安宅委員 さっきの二億というのをもう少し詳しく話してください、何がふえたんだか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/118
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119・稲増久義
○稲増政府委員 先ほど申し上げた付帯業務の単金改定による収入増が二億であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/119
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120・安宅常彦
○安宅委員 あなた、だんごで要求するのでそういう積算なんかしておりませんということを言いましたが、ほんとうですか。積算基礎がなくて、大蔵省これぐらい要る、何とかしてくれなんて、あなた言うの。そんなばかな話があるかい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/120
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121・稲増久義
○稲増政府委員 為替貯金事業全体といたしまして予算要求するというたてまえでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/121
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122・安宅常彦
○安宅委員 それに対して、要求するときの積算基礎をあなたのほうでつくるのでしょうが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/122
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123・稲増久義
○稲増政府委員 その概算要求の積算基礎は、その事業全体に対してつくります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/123
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124・安宅常彦
○安宅委員 大体時間もきたようですから、私は最後に聞きたいのは、電電公社の委託業務の折衝を毎年しますね。あれはあなたのほうの出した金額と、電電公社が言った金額と、それから妥結した金額と三つ言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/124
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125・長田裕二
○長田政府委員 大体電気通信の委託業務の関係は、御承知のように施設が基本になっております。設備が基本になっておりまして、従来の基本のものに対しまして、新規の計画がどうふえ、どう減るかということで経費も動いてくるわけでございます。四十一年度のものにつきましては、結局一般加入電話が五万九千二百加入、それから有線放送に接続いたします局線が千四百三十回線、地域団体加入が三百四十三局線、農村集団電話が三万八千百加入、これが増加の部分でございます。
他方、減の立ちますのは、自動改式直営化が百三十七局、加入数にしまして五万三千六百六十加入、自動集中合併が四十九局で七千六百二十加入、市外集中六百七十二局、電配の直営化が百九十局、こういう施設関係の増減を見まして、これは初めからそう意見の食い違いがあるわけではございません。こういうものの増減を見まして、それに必要な人員というものが算出されます。人員がきまりますと、従来の電気通信関係も単金の増加がございますので、(安宅委員「そんなこと聞いてないよ」と呼ぶ)大きな意見の相違は、初めからそうございません。計算していけば自然に出てくるというようなことでございます。その間もちろん初めからぴしゃっと両方の金額が一致している、全部こまかなところまで一致しているというわけではございませんが、公社との関係、その経費の受け入れにつきまして、非常に大きな対立があって、それが長い努力の末にまとまるというような性質のものではあまりありませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/125
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126・安宅常彦
○安宅委員 答弁するんだったら、質問のみに答えてくださいよ。そんなことは私は聞いていないよ。何を言っているのだ。金額を三つ言えばいいんだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/126
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127・長田裕二
○長田政府委員 郵政省が概算要求をいたしましたのは、約四百五十億でございました。予算が決定いたしましたのは四百四十九億余りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/127
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128・安宅常彦
○安宅委員 電電公社が主張したのは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/128
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129・長田裕二
○長田政府委員 いま電電公社が幾ら要求したかということを、私はっきり正確につかんでおりませんが、非常に大きな差があったということではないようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/129
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130・安宅常彦
○安宅委員 あなたのほうが初めから四百五十億しか出さない、そういう話しか出さなかったのですね。これはあなたのほうの見積りです。あとで話になって何回かやるでしょう。その途中のやつですか、初めからのやつですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/130
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131・長田裕二
○長田政府委員 ごく最初の段階では、いろいろ資料の未確定なこともございまして、四百八十億程度の話をしておったそうです。だんだん資料が確実になりまして、設備計画等も固まってまいりましてからは、四百五十億ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/131
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132・安宅常彦
○安宅委員 これは答えたくないから君はそういうことばかり言うのです。私は、当初要求したのは何ぼで、電電公社が主張したのは何ぼで、きまったのは何ぼかと聞いているのです。それを言うとあなたは差しさわりがあると思うから、途中の金額を出してみたり、電電公社が言ったことは最後まで言うつもりはないようですから、私は聞きません。大体知っているからなんということを言うたらおかしいから、私はあと追及しないけれども、そういうもの、たとえば委託を受けているもの、それから大蔵省あたりから頼まれるもの、各省から頼まれるもの、これをたくさんあなたのほうで引き受けているのですから、こういうものを第三種と同じように遠慮してはだめだということを私は言いたいのですよ。あなたの顔を見ていたら非常におそれおののいているんだ。私のところにきているのですよ。大蔵省からおこられるから、はっきり言わないでくれというようなことまできているのです。これはおもしろいですね。たとえばこの改正案を見ますと、何条でございましたか、災害地に無料の郵便物を出す。そういう場合に、大蔵省と協議しなければならないと書いてありますね。災害のときに出す無料の省令をつくるとき、なぜ大蔵省と一々協議しなければならないのですか。大蔵省というのは、郵政省の上にあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/132
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133・長田裕二
○長田政府委員 三十六年の改正の際にあの規定ができたわけでございますが、国の財産を無償で交付する、そういうような観点から、財政法との関係がありまして、ああいう規定ができたというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/133
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134・安宅常彦
○安宅委員 はがきは郵政事業の特別会計のものじゃないのですか。そういう法律を立法したのは私らの先輩ですから、何も文句は言いたくないけれども、いまの日本の風潮というのはそうなっているのです。これは大蔵官僚くらいいばっているところはないのです。昔陸軍いま労働組合というが、昔陸軍いま大蔵だ。一々大蔵省に頭を下げていかなければならない機構がどだい間違っているのです。そのために締められるところは締められておって、仕事が円滑にいかない。その証拠には、たとえば農村集団電話なんというのは続々出てくる。そうすると八つも九つもぶら下がっているのだから、話し中になって通話が込むとつながらないのです。そうすると大きな電話局には文句がいかないのです。そこではないと思っているから、住民は郵便局に文句を言いに行くのです。さっぱりつながらない電話をつけやがって、このやろうと言って行くのです。郵便局の人はそんなことは何も知らないのです。ただ局線を通過していくだけですから、赤ランプがついているだけですから、私ら何ともいたし方がないと言ったって、住民は知らない。郵便局長出せなんて言って、いばっているのです。そういうことになるのです。そしてまた恩給だって、年金だってみなそうですね。本来郵便貯金だったら郵便貯金さえやっていたらいいのです。そういうものを引き受けておいて、郵便貯金で余剰金が出たら、今度は何に使ってはいけないというのです。余剰金として残しておかなければならない。こういう制度になっていますね。そうでしょう。そうして剰余金は次の年度の収入に入るというのですが、あれは幾らふえても収入に入れていいのじゃなくて、これも大蔵省と協議しなければならないでしょう。経理局長、どうですか、そうじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/134
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135・淺野賢澄
○淺野政府委員 九条によりまして、積み立て金に入れるように相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/135
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136・安宅常彦
○安宅委員 積み立て金はわかった。私が聞いているのは、その積み立て金は次の年度の収入の中に入れて、予算の中に入れることができるのでしょう。ところがどんどんふえていって総額何百億となった場合に、それも次の年度の収入に入れて、そうして貯金の特別会計というものをふくらましていって、あなた方のほしいままにいろいろなことができるというふうになっているのかいないのか、それを聞いているのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/136
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137・淺野賢澄
○淺野政府委員 その点につきましては、事業上必要な額だけを郵政特別会計に入れるようになっておりますから、見方によりましたら、おっしゃいますように、収入があるからと言って自由には使えません。しかし、大体必要なものは郵政事業特別会計のほうに繰り入れまして、それによって事業をやっていくというふうに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/137
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138・安宅常彦
○安宅委員 大体もう時間が過ぎたから私やめますけれども、金貸しをやって、そうして金を集めて、そうして損したなんというのは、よほど頭の悪い商売のへたなやつばかりですよ。郵政事業というのは、郵政事業特別会計と簡易保険と貯金と、別にはなっているけれども、総合的な原価主義だと大臣が言うならば、もっと大きな意味で言えば、郵政事業が扱っているものはいろいろありますよ。一つ保険会社をやっているのだ。そうして貯金をやって、金融機関をやっているのです。金融機関をやって、保険会社をやって、赤字になって局舎が建てられないなんというのは、ばかばかりそろっているということです。そうでなかったら、それを自由にさせないために重大な規制が行なわれているということです。だから独立採算制といっても、郵便料金を上げなければならないということになるのです。いま日本の中でりっぱな建物の建つのは、保険会社や銀行とあと刑務所だけですよ。そういう中にあって、あなたのほうの金融機関は、もうかった金は押えられる。集まった金は大蔵省に全部まき上げられる。そうしておいて、赤字になったから大きな会社が出す郵便物はあまり値上げしたくないけれども、庶民が出す番状やなんかは、いきなり上げてつじつまを合わせよう。こういう郵政事業であるということなんですね。たとえば、こまかいことを言うようだけれども、ある郵便局で金を扱う。余った金は過超金ですね。私が郵便局におったときも過超金と言ったが、いまでもそうだと思うのですが、過超金ができる。郵便局に置いたらたいへんだというので、それを上の局にあげてある。そうしてまたその局は銀行にその金を預託という形じゃないと思うけれども出してある。それを、日本銀行にその金が集まるということになるわけです。たとえば、私ども労働組合だったら、労働組合の集めた金をどこの銀行で取り扱わせるかと言ったら、競争して来ますよ。私どもに取り扱わしてください。なぜかというと、結局中央の労働金庫あたりにいくだけで、労働金庫の体制ができていないから、日本勧業銀行なら勧業銀行あるいは一般の市中銀行のルートを通じて、そっちにおさめるのだったら、おまえのほうはそんなにもうからないだろうと言ったら、一日でいいから銀行の口座を通過してもらっただけでけっこうですといって、そうしてお茶菓子の一つも包んで願いに来ますよ。郵便局から過超金としてできた金はどういう経路をとるかね。日本銀行便局とかいう局に行ったら、あとはもうただであの金は動いているでしょう。そうじゃありませんか。経理局長どうですか。そういうふうになっていますね。あれはただだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/138
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139・淺野賢澄
○淺野政府委員 日本銀行に入りまして、日本銀行預託、ここに入りました場合はただでございます。ただ一定量翌日払い等の操作を考えまして、それを越しました分につきましては、余裕金としまして預金部に入れております。これにつきましては一定の利子をつけておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/139
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140・安宅常彦
○安宅委員 そうではなくて、余剰金として市中銀行に入るものがありますね。そうでしょう。それは市中銀行は利息をつけるのでしょう。そうですね。それから電報で決済をするために、日本銀行に入る前に若干の日にちがあるでしょう。その金はただでしょう。どうなんですか。決済までの間……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/140
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141・淺野賢澄
○淺野政府委員 各末端の郵便局にありますお金は、翌日支払う分等を考慮いたしまして、収支の二日分とか三日分とか、その局によって相当幅がございますが、保管等のために市中銀行に預けております。それからそれは収支の差額の何日分でありますから、額は非常に少のうございます。それを越しましたものは、いまおっしゃいました日本銀行便局まで持ってまいりまして、そこから日本銀行に入るわけであります。入りますと、これは利子がつきません。市中銀行の分につきましては、大体日歩六厘くらいがついております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/141
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142・安宅常彦
○安宅委員 こまかいことを言うようだけれども、日本銀行便局でも、日本銀行の本店かどこかと決済のための手続をしますね。一日か半日かあるでしょう。三日か二日か知りませんが、その間のやつは日本銀行の代理店か何かでやるのでしょうから、日本銀行はその間その口座の中に郵政省の金を持っていることになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/142
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143・淺野賢澄
○淺野政府委員 その分はなっておりますが、額はそうたいしたものじゃございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/143
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144・安宅常彦
○安宅委員 たいしたものじゃなくないよ。あんた何言っている。だから経理局長ぼやっとしているというのです。たいした金だ。ただ期間が短いということだけです。そうでしょう。金額は多いけれども、期間が短い。ただそれだけです。それだけでも市中銀行はもうかっているのです。そうなんですよ。そういうことから全部計算していったら、自動選別機を設けたり、それから定員を減らしたりすることばかりして、内弁慶みたいな政策をとらないで、電電公社あたりからもう少しとらなければならぬときはとらなければならない。国民年金なんか仕事をあずけられたら、高くその手数料をもらわなければ郵政省では引き受けません。こういうふうなことをずっとしていったら、何も郵便料金を値上げしないでもいけるような、そういうことを考えなければだめじゃないかということを私は言っているのです。強いほうには頭をぺこぺこ下げっ放しで、そうして今度弱いところには、郵便料金を上げておいて、どうかひとつ通してくださいといっても、そう問屋はおろさないのです。どうなんですか、そういう考え方は改めてもらわなければならない、私はそう思うのですけれども、郵務局長、そういうことを言われて感ずるところありませんかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/144
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145・長田裕二
○長田政府委員 いろいろ問題になっておりましたダイレクトメール等、五種の料金などが非常に割り高だといって、その差し出し人等から苦情も出ておりますし、確かに仰せのような幾つかの問題点はあるかと思いますが、総体としては御趣旨の方向にも沿っているのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/145
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146・安宅常彦
○安宅委員 最後までそう突っぱねるのだったら、私は最後にもう一回言う。
こまかいことを言うようだけれども、はがき一枚返すか二十枚しか返さないかということも、庶民を守るためにではなくて、印刷会社を守るためにつくった法律じゃないか。そうだろう。印刷業者から陳情がございましてと、あなた正直に言っているじゃないか。そういうところからの陳情だったら何でも聞くけれども、はがきを上げないでください、手紙を上げないでくださいという庶民の願いは、一つもあなたのほうでは考慮してないのが、このたびの郵便料金の値上げですよ。だから、一枚だって返しますということは、なるほど庶民の願いを聞いたということになるけれども、二十枚以上まとまらなければかえないなんというやり方は、印刷会社、印刷業界からの陳情があったから、あなたのほうではそういうことを考えたまでの話じゃありませんか。そうしておいたらていさいが悪いから、書き損じまで書かないとぐあいが悪いだろう、こういうふうになったじゃありませんか。何でもそうなんです。何でもそうなんですよ。
この間私が関連質問で言ったことを忘れてしまうところだった。あれはどうですか。会計課長のところにやはり一々行かなければなりませんか。そうすると、窓口を設けないで、どこへ行くのです。窓口へ一番先に行って、かえてくださいと言っていくでしょう。私の係じゃありませんから会計課長のところへいってくださいと言う。会計課長のところへ行く。階段がどこか、入り口がどこか、郵便局はわけがわからないじゃないか。全逓のオルグその他部外者は局長の許可がなければ入ってはならないと書いてあるところばかりだ。そんなこと書いてないところといったら、便所のくみ取り口だけじゃないか。何言っているのだ。どこから行くのだ。最後に聞いておく。あれも最後まで御趣旨に沿っていると思っているのか。御趣旨に沿ってないから質問しているのだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/146
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147・長田裕二
○長田政府委員 私は書き損じはがきの問題につきまして、印刷業界と接触したことは全然ございませんが、しかし業界からのこともあったということは承知はしております。ただ、私ども、先般申し上げましたようなやり方を考えましたのは、ひとえに都市の無集配の窓口などが狭くて相当混んでいるというようなことからああいうことを考えましたわけで、その後いろいろ御審議の過程に出ました内容等をよく考えまして、今後の取り扱いについては検討し、案をつくってまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/147
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148・安宅常彦
○安宅委員 最後に私は、こんなばかな改正案はだめだということだ。こんなものを出してくるあなたは、頭が少しうしろ向きについているみたいな気がするね。そうでしょう。あなたは、私が要求した資料を出さないね。会計課というのは、二階にあるのと、窓口から離れているか離れていないかは別として、一階にあるのと、調べてこいと言った。建築部長、いま郵便局を設計しているのは、局長とか会計課長なんというのはみな二階だろう。大きい局だったら、窓口から離れている別な部屋になっているだろう。窓口の付近で、そういう大衆の要望にこたえてはがきを返したり何かできるような位置にありますか。設計をまるっきり変えなければなりませんな、こういう省令が出たら。そう思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/148
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149・奥山恒尚
○奥山説明員 先般の先生の御要求の資料でございますが、全国に、集配局と申し上げますのは、普通局、特定局合わせまして五千七百数十局ございます。これについて、先生のおっしゃいましたように、会計を扱う部屋が二階にあるものもある、三階にあるものもある。それから一階の場合で、窓口と距離がどのくらいかというのを全部精査するのは、一々図面を広げてチェックしなければなりませんので、すぐまとめるというわけにはまいりません。それでとりあえず東京郵政局と長野郵政局管内の分につきまして、庶務会計を扱っておりますのが、二階以上にあるのはどのくらいあるかということだけを調査いたしました結果を申し上げますと、別々に申してもあれでございますので、東京と長野を合わせました数で申し上げます。それによりますと、個々の数はあれでございましょうから普通局で二階以上に会計の担当がある場合、割合で申し上げますと九七・一%が二階以上にございます。二・九%が一階。それから特定局の場合は逆でございまして、二階以上にありますのが一一・八%、一階にございますのが八八・二%。総平均で申し上げますと、一階にございますのが七〇・四%、二階以上が二九・六%、こういう数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/149
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150・安宅常彦
○安宅委員 だから、はがきを取りかえるのだったら、かえって無集配の郵便局のほうが、局長さんといって、ああそうか、また書き損じかといって取りかえてくれるのですよ。それを集配郵便局しかだめだとばかなことを言うから、頭がうしろについているというのです。私はこれで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/150
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151・砂原格
○砂原委員長 松井政吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/151
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152・松井政吉
○松井(政)委員 理事諸君のほうから、あまり夕方おそくまでやるなと言われております。だから、端的に伺いますから端的にお答えいただきたい。
委員長に一言釈明をかねて申し上げておきますが、どだい逓信委員会というのは、与野党仲がいいというので評判の歴史がある。これはしたがって、反対の法案もずいぶんあるし、共同して修正したものもずいぶんある。野党の委員長がなったのも郵政、逓信委員会が一番多いと思う。ところが、そういう中で運営した中に、重大なる根本的なものの考え方から対立している法案がかけられておるわけだ。その委員会は、野党の委員長のときでも与党の諸君はずいぶん勉強していただいた。定足数を欠いたなんというのはございません。ごく最近は存じませんけれども、長いことやっておりましたが、そんなにございません。だから、昨日も私は申し上げましたけれども、実際のわれわれの先輩である、大臣、政務次官、常任委員長等を歴任いたしました方々が、ずっと野党の質問を黙ってすわって聞いているのはつらいだろうと思うのです。私はむしろ敬意をすら払いたい方もおります。連日ちゃんと出席なさっておる。しかしながら、それは国民に対して、それから国会法、衆議院規則、憲法の定めるところによって立法者としての責任を果たしたいから——もし採決の日になったら委員長どうするつもりですか。この状態ではおそらく採決しますまい。一日も出席しない者がだあっと来て採決するでございましょう。その運営が、こういう重要な法案がかけられているのに、正しい委員長としての運営の方法であるかどうか、委員長としての姿勢について一言お伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/152
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153・砂原格
○砂原委員長 お答えいたします。
松井先生のお話、しごくごもっともと思います。私の委員長としての職責は、当然、与野党を問わず、委員である限り御出席を願うことが委員会の運営の当然のことだと考えております。ただ与党のみが定足数に満ちたらいいという筋のものではないと考えておりますので、与野党のいずれへも御出席方を督促をいたしております。特に与党側のほうの出席が悪いようでございますから、その面に対してはあらゆる手段を講じて出席方を督促をいたしておるのであります。
私は、委員会の運営にあたっては、当初ごあいさつを申し上げましたように民主的な運営をして、野党の諸君の御意見は十分に論議を尽くしていただきたいという考え方をもちまして委員会を御勉強願うように最初からお願いをいたしておるのであります。与党の議員も野党の議員も、国会に議席を持つ者の当然の義務でございますから、ただ委員長だけが人を首へ綱をつけて引っぱってくるわけにはいきません。これはおのおの国会議員の職責を全うしていただくことに委員各位の御理解をお願い申し上げるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/153
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154・松井政吉
○松井(政)委員 委員長、よくないということを一言言えば済むのに、あなたがいろいろ理屈を言うなら一言申し上げますが、社会党のほうは五人出れば過半数です。あなたのほうは過半数と言えば十名出なければならぬ。常任委員長が野党にまで議員数によって割り当てられたときには、与党、野党円満にいっておった。ところが定足数は与党が責任を持つから、常任委員長は全部与党にくれというのでそういう形がとられている。そうすればそのときから定足数に対する責任は与党にあるのです。あなたは与党の委員長でしょう。そうしたら、定数を欠いたら、委員長がいま申し上げられたりっぱな姿勢ならば、やはり休憩をしてまたやるということが妥当なんですよ。そうでしょう。——答弁は要らないですよ。与党の理事の諸君はどれだけ努力しているかわからないですよ。ぼくはよくわかるのです。だから委員長はそう思っておるが議員が来ないようなことを言わぬほうがいい。理事の諸君はどんなに心配して毎日やっているかわからないのです。だからもし定数がない場合は、委員長は議事をやめられて、休憩をして理事の諸君に頼んだらいいですよ。だから理屈は言わぬほうがいいですよ。私はそう思いますけれども、与野党とも出席しないほうが悪いようなことを言わぬほうがいい。これははっきりケリをつけておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/154
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155・砂原格
○砂原委員長 決して与野党の委員がいいとか悪いとかいうのじゃないですよ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/155
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156・松井政吉
○松井(政)委員 私は答弁は要らぬというのに答弁しますか。答弁するつもりならなさってけっこうですよ。——答弁は要らぬけれども、その点は考えておきなさい。
私は与党の議員諸君の悪口を言おうと思わぬ。むしろ感謝している。毎日出席しておる顔ぶれはきまっておる。理事の諸君は心配しておる。それは長い間の国会議員である以上われわれもちゃんとわかる。だけど委員長としてはそういう心がまえも必要だということを申し上げたい。よろしゅうございますな。答弁は要らないですよ。あなたは答弁しないほうがいい。
それじゃ質問に入ります。
それで郵政省の当局者にお願いをいたしますが、郵政業務全般にわたると思います。ただし直接郵便法の改正に関係がないと思われる電波、放送、電電公社の企業運営等には触れませんから、郵政事業とは何ぞやというその中身の問題を中心にやりますが、広範にわたると思います。だから御了承のほどを願いたいと思います。
最初に、大臣にお伺いしますが、あげ足をとる考えは一つもございません。けれども、大臣の考え方の基本になる問題でありますからお伺いしますが、一部改正する法律案の大臣の提案理由の説明の中で、利用者に対するサービスをあなたは本会議でも強いことばで説明なさった。そのサービスの内容が値上げですか。この点についてあなたの基本的な考えをひとつ聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/156
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157・郡祐一
○郡国務大臣 郵便事業が非常に苦しい状態で推移をしてまいりまして、四十年の当初ですでに実質赤字を出しておりました。それで郵便料金の値上げをお願いせざるを得なくなりました。そこに至るまでに郵便事業のサービスの面でもやむを得ず著しく低下いたしておりました。したがいまして、郵便料金の値上げの機会に——もちろんなかなか一挙にサービスの向上はできません。むしろサービスの前提になる局舎の改善でありますとか、機械化とかいうようなこともありますから、それをとらえてすぐ利用者へのサービスの向上とは言えないで、むしろささいな窓口の事務でありまするとか、それから専用自動車便の増強だとか、主として送達速度を確保します点をさしてサービスの向上と申しておりますが、将来は次第によくなってまいるとは思いまするけれども、ただいまのところはいままですべきことができずにおりましたが、それをこの機会に改めてまいりたい、そういう程度で、非常に高度のものがまだできないことを残念に思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/157
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158・松井政吉
○松井(政)委員 そうすると大臣はただいま申し上げたようなサービスの改善をしたい、しかし料金値上げをさしてサービスの改善だと言っているのじゃないという解釈でいいのですか。あなたの説明はそうなっていませんよ。そういう解釈でよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/158
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159・郡祐一
○郡国務大臣 料金値上げ即サービスの改善というようなつもりではございません。ただ料金の値上げをお願いして収支のバランスを得ることによって、いままでの赤字の穴埋めもいたしますが、同時にサービスの改善なり企業の合理化ができるように相なります。こういうぐあいの考えでございます。もしことばの足らぬ点がございましたら、そういうぐあいにお聞き取りを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/159
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160・松井政吉
○松井(政)委員 それではお伺いしますが、赤字になった理由を強調されておりまするが、五十六億円の赤字というのを、その内容を具体的につまびらかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/160
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161・淺野賢澄
○淺野政府委員 昨年の予算におきまして当初から五十六億不足をいたしております。それが五十六億円の赤字であります。——内容でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/161
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162・松井政吉
○松井(政)委員 なんで赤字になったか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/162
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163・淺野賢澄
○淺野政府委員 それはここ数年来人件費が上がってきております。それから物数の伸びが、このごろは大体とまってきておりますが、去年、おととし年々減ってきておったわけであります。それよりもまして人件費の増加があったという点が赤字の大きな原因である、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/163
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164・松井政吉
○松井(政)委員 大臣にお伺いしますが、いま経理局長は肝心な基本には触れないのです。一体物価の上昇というのが影響があるのかないのかということに一つも触れないのです。物価の上昇があったので人件費が増になったということになるのじゃないですか。物価の上昇が赤字の原因を刺激したのかしないのか、その点をはっきりしていただきたい。あとで関連がありますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/164
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165・郡祐一
○郡国務大臣 郵政事業が、その大部分が人件費である事業であることは申すまでもございませんし、それから人件費が上がってまいりまするときには、当然民間の賃金でありまするとか、物価の動向だとか、こういうことを考えて賃金がきまってまいります。そういう意味合いでは人件費の要素の中に入っていることは当然だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/165
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166・松井政吉
○松井(政)委員 そうしたら物価の値上げが原因だということはお認めですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/166
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167・郡祐一
○郡国務大臣 賃金全体が、そうしたいろいろな要素を御案内のように含んでおります。その中の一つに物価が入っておることはそのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/167
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168・松井政吉
○松井(政)委員 物価の上昇率とあっさり答えてもらえば文句はないのですが、物価の上昇率とベースアップの上昇率というのは違うのです。だから物価が原因だと答えてもらえばそれで済むのに、あなたのほうは人件費だ、人件費だというからまた理屈が出てくるのです。そうじゃないですか。物価の上昇率とベースアップの上昇率は違うのです。違うからあなたのところの従業員も、ベースアップの高額要求をしているのです。だから、物価の上昇が要するに料金の値上げを招いたんだと明確に答えてもらえば、事はそれで済むのです。私のほうは理屈は要らないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/168
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169・郡祐一
○郡国務大臣 私が申し上げておりますのは、去年の暮れの組合との話し合いの話でありますが、いつの場合でもそうでございますけれども、民間賃金と同じようないろいろな要素で考えておりますこと、したがいまして、それが結局事業全体の要素の八割以上というものは人件費で占めておって、その賃金の要素の中に物価が入っておるのでございますから、そういう意味合いで私申し上げましたので、そういう意味合いで御理解いただければそれで十分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/169
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170・松井政吉
○松井(政)委員 それは逆でしょう。物価の上昇が人件費の増をあおったのでしょう。生活の指数からいっても物価指数からいってもそうでしょう。だからあなたのおっしゃるのは逆なんです。だから物価の上昇が勢い生活の安定のためには人件費を上昇しなければならないことになった、こういうことなんでしょう。こんなところで時間とりたくないのです。そのとおりなんだから、そのとおりだと言ってもらえればいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/170
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171・郡祐一
○郡国務大臣 私の、人件費が全体の収支に響いてまいる、その人件費の要素に物価が入っている——それはおっしゃるように、賃金の上昇率と物価の伸び率とがそのまま一緒になっておらぬこと、そのとおりでございます。ですからそういう意味合いで、物価というものを要素にしておるんだという私の答え方でひとつ御了解願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/171
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172・松井政吉
○松井(政)委員 それではお伺いをいたしますが、今度の値上げの理由となったのはいま答弁なさったような理由で、赤字になったから値上げをするのか、物価の変動、経済の動き等に基づく社会情勢のたてまえから値上げを考えられたのか、このところの基本的な考え方についてお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/172
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173・郡祐一
○郡国務大臣 先ほどの安宅さんのお話の中にもございましたが、物の伸びというものはやはりある程度健全な伸びをしておりますけれども、しかしながら物の伸びが異常に好調に伸びて、それが近ごろそれまでの伸びのような伸びをしなくなってきた、鈍化してまいった、こうしたことは事実でございます。したがって、それが景気の影響を受けておるということで、結局収入の大部分というものはほかにないのでございますから、そうするとそれが物に影響しておる、物の伸びがやや鈍化をした傾向を近時見せておる、それは景気の動向の影響を受けておるという意味合いにおいては、景気の影響を強く受けておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/173
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174・松井政吉
○松井(政)委員 そうすれば、やはり社会情勢の変動もお認めのわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/174
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175・郡祐一
○郡国務大臣 景気、したがって社会情勢。ただここで申し上げたいことは、賃金全体と郵便料金というもの、公共事業の料金というものが大体一つの傾向を持っておりますから、郵便料金だけが特殊の影響というものがあったのじゃなくて、ただ一時非常によくて、そうして最近また鈍化したというところに、社会事情なり景気なりが特に端的にあらわれておるということは言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/175
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176・松井政吉
○松井(政)委員 郵政大臣からそれ以外に収入がないというおことばがございましたが、それはあとで間違いであることを指摘していきたいと思うのです。
御承知のように、郵政事業特別会計法に郵政事業とは何たるかという範囲が明確にきめられております。その中には簡易保険も入っております。貯金も入っております。全部入っております。これが郵政事業全体でございますね。だからその中で——あとで具体的に説明しますが、そこで、どうしても郵政事業とは何ぞや、郵政事業全体を考えて事業を経営することについてどうやったらいいかという考え方の質問に触れざるを得ないのです。
そこでお伺いいたしますが、世界各国で郵政事業を国営事業でやっておらない国がございますか、ちょっと答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/176
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177・郡祐一
○郡国務大臣 私は、こうした独占事業を国営以外でやっているところはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/177
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178・松井政吉
○松井(政)委員 そうすれば、外国の事業内容も当局は勉強されておると思いますから、きわめて質問がしやすくなるのですが、まず簡易保険関係についてお伺いをいたします。
現在簡保の加入者に対する保険料金が総額で幾らあって、——それから財投関係のほうはわかっておりますから、こまかい説明は要りません。総額は幾らあって、財投に回した分が幾らあって、その他の部分について運用している金額が幾らかということをひとつ御説明願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/178
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179・武田功
○武田(功)政府委員 いまのお尋ねの第一点は、保険料収入のことかと存じますが、個々の保険料といたしますと、保険の種類は非常にたくさんございますので、ちょっとそれに一々御説明申し上げかねます。
お尋ねの趣旨を保険料収入といたしますと、四十一年度の保険料収入は、四十一年度予算額といたしまして二千七百七十一億でございます。
それでお尋ねの第二点の、今度これの運用関係でございますが、運用関係は四十一年度千七百億を財投関係に出しまして、そうしてなお契約者貸し付けをそのほかに百億、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/179
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180・松井政吉
○松井(政)委員 契約者関係に運用している部分は、額にしてどのくらいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/180
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181・武田功
○武田(功)政府委員 四十一年度は百億を予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/181
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182・松井政吉
○松井(政)委員 そうすると、保険事業全体として採算の結果はどうなっていますか。欠損になっておりますか、利益になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/182
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183・武田功
○武田(功)政府委員 お尋ねの利益というようなことは、財投の立て方でもって少し違いますので、簡単に申しますと、私のほうの特別会計からいきますと、一応剰余金が四十一年度で百五十億出るという予算を立てております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/183
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184・松井政吉
○松井(政)委員 百五十億の剰余金の使途はどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/184
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185・武田功
○武田(功)政府委員 この剰余金は年々翌年の積み立て金にまた繰り入れるものでございますが、保険加入者の利益をはかるために、ある程度の額に達しますと配当を増配するということを考えております。したがいまして、ただいまのところ一応百五十億でございますが、四十年の年度末決算の状況を見ました上で、多少配当を考えてもいいかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/185
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186・松井政吉
○松井(政)委員 それではこの中身について、郵政事業、まあ郵政省当局ですか、郵政省としてこの金を運用しておる金額は幾らですか。四十年度、四十一年度の見通しについてお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/186
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187・武田功
○武田(功)政府委員 簡保は御案内のように郵政大臣が直接管理運営いたしておりますので、先ほど申し上げました額が四十一年度の予算の額でございます。四十年度は千百億を財投に計上いたしまして、そしてやはりそのほかに契約者貸し付けを百億見込んで実施いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/187
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188・松井政吉
○松井(政)委員 私の質問はそうじゃない。質問が悪かったのですが、財政投融資の中で郵政事業に使う金は幾らか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/188
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189・武田功
○武田(功)政府委員 取り違えまして失礼いたしました。郵政事業特別会計には四十年度に五十七億、それから四十一年度は三十億を予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/189
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190・松井政吉
○松井(政)委員 その使途の内容を説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/190
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191・淺野賢澄
○淺野政府委員 建設勘定借入金にそれを郵政事業のほうで借りております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/191
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192・松井政吉
○松井(政)委員 なぜ四十年度五十七億を四十一年度三十億に減らしたのか。それとも大蔵省で減らされたのか。このいきさつと減らした原因について御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/192
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193・淺野賢澄
○淺野政府委員 郵政省の四十年度におきます建設勘定は総ワクで百十五億でございます。本年度は百七十五億になっております。百七十五億のうちに、ことしは郵便事業のほうから剰余金が出るものとして、それを六十億持ってまいっております。したがいまして借入金は三十億ございますと、ちょうど現在の建築能力その他からいきまして十二分である、こういったところから昨年度の五十七億に対しましてことしは三十億に減らしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/193
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194・松井政吉
○松井(政)委員 郵便事業の剰余金というのは出ると思っていますか。赤字になって値上げしておるのでしょう。ちょっと説明の内容が違うのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/194
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195・淺野賢澄
○淺野政府委員 今回御了承いただきました予算におきまして、三十億郵政事業特別会計において計上していただいた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/195
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196・松井政吉
○松井(政)委員 計上したことを聞いているのじゃないのですよ。赤字になって値上げをしなければならない郵便事業から剰余金が出る。財投からくる郵政事業に使う金を五十七億から三十億に減らしたというあなたの答弁でしょう。郵便事業から剰余金はどうやって出るんですか。(森本委員「七月一日に値上げするから出るんだろうが」と呼ぶ)それならそれではっきり言いなさいよ。そうするから剰余金が出るとはっきり言いなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/196
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197・淺野賢澄
○淺野政府委員 自己資金として出すように相なっておりますが……(森本委員「七月一日から値上げするからそういうふうになってくるんだろう、値上げするから、それだけもうかってくるんだよ」と呼ぶ)百七十五億といたしましては、償却と借入金と……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/197
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198・松井政吉
○松井(政)委員 そんなこと聞いているんじゃないんだよ。あなたは郵便事業から剰余金が回るから財政投融資から郵政事業に回す金が五十七億から三十億になったと答弁したでしょう。それならば、郵便事業の剰余金というのは値上げをしたから利益になって剰余金が出るのか、値上げをしなくても剰余金が出ると見て建設資金の中で減らしたのか、この点ははっきり答えてもらったらいいのです。聞いたことだけ答えてもらえばいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/198
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199・淺野賢澄
○淺野政府委員 値上げを前提といたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/199
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200・松井政吉
○松井(政)委員 それじゃ、値上げを前提としているというのは、今度の値上げによってどれだけ剰余金が出る見通しか、その点ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/200
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201・淺野賢澄
○淺野政府委員 五十九億余り剰余金を得るものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/201
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202・松井政吉
○松井(政)委員 それならば大臣、大臣は先ほど五十六億の赤字が出ておる、それを補てんしなければならぬことが一つ、経済情勢の動きが一つ、そういうものを加味して今度の公共料金としての郵便料金の値上げをするとおっしゃいましたね。そこで五十六億赤字があるのに値上げをして五十九億剰余金を出すというのは、値上げをしたら一体国民負担の総額は幾らになるのか、これをひとつお答え願いたい。おかしいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/202
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203・郡祐一
○郡国務大臣 私が申しましたのは、四十年度でそれまでの持ち越しの五十六億というものを持ち越しで埋めました。それで四十年度の収支というのを合わせたわけでございます。今度現年度で二百八十六億増収という収支の見込みを立てました。二百八十六億の郵便料金値上げ分を含めまして収支の見込みを立てました。そうするとただいま申しました五十九億というものが出てまいります。それを建設に回しました。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/203
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204・松井政吉
○松井(政)委員 それじゃここでお伺いしますが、建設勘定の中における特定局を中心とした局舎の建設には、どれだけの予算を取っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/204
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205・淺野賢澄
○淺野政府委員 約十七億余であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/205
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206・松井政吉
○松井(政)委員 この十七億というのは、四十年度と四十一年度を比べて増になっていますか、減っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/206
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207・淺野賢澄
○淺野政府委員 二億余りふえております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/207
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208・松井政吉
○松井(政)委員 そうすると、特定局を中心にして局舎建設に合計幾らの建設資金になっていますか。これから回る分は去年より二億ふえているけれども、全体として幾ら出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/208
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209・淺野賢澄
○淺野政府委員 ちょっとお尋ねいたしますが、土地はどうなっておりますか、土地を入れての局舎でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/209
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210・松井政吉
○松井(政)委員 全部です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/210
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211・淺野賢澄
○淺野政府委員 郵便局並びに地方貯金局等入れますと大半であります。百七十五億のうちの大半が局舎並びに地方貯金局その他であります。人件費等には七億ぐらいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/211
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212・松井政吉
○松井(政)委員 これは、大臣ちょっとお伺いしますが、特定局舎の問題と特定局制度の問題というのは、局舎の国営を原則とすることによって人事、制度の運営も根本的に違ってくるということはあなたも御承知ですね。そのために、要するに国営局舎をどんどんつくれというので、十年も前から当委員会与野党一致して議論して、それはおたくの従業員諸君が割り当てまで受けて末端で苦労しながら集めた簡易保険金等を使ってどんどんやれということで、これも与野党考え方は一致して、そして幾たびか決議をしておるのです。そしてその決議の趣旨に従いまして、附帯決議の原案がここにありますが、これは何べんもやりましたが、三十年の七月十九日の衆議院の当委員会においては、与野党満場一致で、百分の三は必ず局舎建設に使わなければならないという決議をしておるのです。そういうたてまえになっているのに、なぜ四十年度から本年度減らしたのか、それを減らして、そうして国会の決議まで曲げて料金値上げをしなければならないという考え方をどういうわけで持ったか、この点はひとつ明確に大臣として答えてほしい。これは野党だけの問題ではない。当委員会の満場一致の決議なんです。なぜ曲げたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/212
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213・郡祐一
○郡国務大臣 当委員会の御意見もあり、それから調査会の御答申もあり、私の承知しておりますところでは、この五カ年間の計画でも、まず手始めには大都市等で借り入れ困難なところに国営化というのを極力進めるということで計画を立てておりますことを承知いたしております。本年度も予算額においては私はふえておったのだと承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/213
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214・森本靖
○森本委員 これは先ほど松井さんが言われたとおり、わが党が委員長をやっておった当時、簡易保険の運用権の問題について非常にもめたわけであります。そのときに最終的に——当時はまだ自由党と民主党と左右両派の社会党、四つの政党でありました。四つの政党の理事が集まりましてこの附帯決議をつけて、この附帯決議については、百分の三のうちの半分は特定局舎に大体回しましょう、こういう了解のもとにこれを満場一致で通したわけです。これを大体五、六年は忠実に実行しておったわけだ。ところが委員会のほうで少し黙っておった。そのうちに、どこか知らぬうちにぽこぽこやっておる。かりにこの決議のとおりいったとすると、本年は、簡易保険局長、貸さなければならぬ率は何ぼになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/214
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215・武田功
○武田(功)政府委員 百分の三といたしますと約五十一億かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/215
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216・松井政吉
○松井(政)委員 それを承知して、大臣、どうして減らしたのですか。あなた知らなかったというなら知らなかったでいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/216
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217・郡祐一
○郡国務大臣 私はその御決議の趣旨そのもの、状況をよう存じませんが、とにかく百七十五億という総額をふやしましたこと、それから普通局で四百局、特定局で六百局という計画で進めておるということでありますから、あるいは率では御決議の趣旨そのままにいっておらぬかもしれませんけれども、局を建てるということではかなり推進をいたしておるというぐあいに私は考えております。しかし、御決議の趣旨といまの保険局長の話を聞きますと、まだもっと出すべきものであるかもしれません。この点はさらに将来考えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/217
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218・森本靖
○森本委員 これは考えさせていただくということよりも、こういう決議をしてずっとやるということになっておるわけでありますから、立法の趣旨を十分に尊重してやりますということを歴代の大臣が言っておるわけです。だから、かりに現在の予算の編成からいって本年はこの百分の三を必要がないとするならば、あらかじめやはり大臣が委員長なら委員長に、実は郵政省としては、こういう決議があるけれども、今年度は料金値上げをやって、こうこうこういうことになるから、ひとつ委員会のほうにも了承願うというようなことは、非公式ぐらいにやっても私は差しつかえないと思う。何にもそれを言わずに、国会の決議は十分に尊重いたしますということを言っておきながら、それをかってに料金の値上げによって踏み破る。今後そういうことであるとするならば、当委員会において何ぼ審議をしてもだめだ、こういうことになるわけですよ。大臣、この政治的な問題を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/218
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219・郡祐一
○郡国務大臣 郵便局舎を普通局、特定局、先ほど申し上げましたように合計して千局というのを五カ年の計画で盛り込んでおります。そうして総額においては相当大幅の予算を本年持つことができました。御決議の趣旨との関係につきましては、確かにその経過で、あるいは委員長なりに申し上げるべきことが落ちておりましたら、その点はおわびを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/219
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220・松井政吉
○松井(政)委員 それは大臣が率直に認めたからそれでいいと思いますが、この中で地方公共団体、これもいまの保険局長、当時の運用課長さん時代だったと思うのですが、直接立法に当たったのじゃないですか。——それではいまの局長さんの中にいらっしゃると思いますが、これも与野党一致して簡保の金は零細なる末端の積み立て金であるから積み立てをして、現地の郵便局の窓口で貸し出しの道を開こうじゃないか。無制限にやるわけにいかないから、地方公共団体が、たとえば自治体であるならば、議会等で議決をした場合に貸し出しをやろうというのでそれを実施しているわけですね。地方の自治体は非常に喜んでいるわけですね。その四十年度の総額と、本年度の見通し額とについてひとつ説明していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/220
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221・武田功
○武田(功)政府委員 地方公共団体への融資でございますが、長期の分といたしまして、昭和四十年度は四百二十億、それから四十一年度は六百八十億を予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/221
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222・森本靖
○森本委員 大臣の先ほどの答弁について、松井委員が一応了承せられたことは、本年の問題についてそういうことであるとするならば、まあ大臣が率直に言ったからやむを得ぬだろうということであって、来年度以降については、やはりこの決議は依然として生きておるということをわれわれは確認をしておるわけでありますから、その点ひとつ間違えないように……。この委員会において、いま、大臣が了承せられたから来年からはもうそれをやる必要がないということではありませんよ。大臣、その点はっきりしておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/222
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223・郡祐一
○郡国務大臣 当委員会の御決議というのはいつも十分尊重をいたすことは当然でございます。ただ、この附帯決議もいま拝見をいたしましたし、これの決議されましたときの模様等は十分私も読ましていただくことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/223
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224・松井政吉
○松井(政)委員 そういたしますと、これは政治論ですから大臣にお伺いいたしますが、要するに簡易保険金、郵便貯金でもそうですが、あとでまたお伺いいたしますけれども、要するに簡易保険金の積み立て金の額がきまって、それを全国の末端の郵便局でどういう形でこなしていくか、それにはきつい割り当てまで行なってこなしていくわけですね。それで加入者をふやすために、額をふやすために従業員を督励してやっていくわけですね。そうして集めた金を財投予算で運営する場合でも、そういう金でありますから、国民の福祉のために、末端の公共事業のために、あるいは郵政事業直接の局舎建設等に多く使いたいという気持ちは、あなた、郵政大臣として起きませんか。それともその金はもう集める努力だけで集めっぱなし、集めさしただけでいいと思いますか。要するに、地方公共団体に貸す道を開いたのも与野党一致して当然地方の事業に役に立たすべきだし、公共的な施設、それから百分の三の決議、こういう金は郵政事業の建設資金に極力回せという趣旨が国会全体の意思です。本年度の財投予算の編成にあたって、あなたはそういうことを考えられたことがありますか。これがあたりまえだと思っているのですか。いや、大臣に聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/224
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225・武田功
○武田(功)政府委員 ちょっと大臣のお答えの前に、私から融資の内容につきまして簡単に御説明申し上げます。
先ほど申し上げました財投の額の配分は、郵政事業特別会計、それから政府機関といたしまして国鉄その他公庫がございます。それから地方公共団体が六百八十億になっております。そしてまた公団が…… 、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/225
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226・松井政吉
○松井(政)委員 それはわかっておるのです。全部わかっておる。だからよけいなことを言わぬでほしい。私のほうは、国有鉄道に去年三十億、本年百億、ちゃんとわかっておる。農林公庫に幾ら、中小公庫に幾ら、国民公庫に幾らとわかっておる。だけれども、聞く必要のないところは聞かないのです。だから答弁要らぬのです。だから、郵政事業に使えということで特に百分の三の国会決議もあり、それから国会で満場一致地方公共団体に貸し出しの道を開いた。これは郵便局の窓口に開いた。世間からいろいろ抵抗があった。銀行協会からも抵抗があった。大蔵省からも意見が出た。しかし、これは国会として満場一致でやったのだ。この簡保の金等は郵政事業の建設資金、それから地方の公共団体等によけい使えという歴代の国会における与野党一致した意見できておるわけです。それを本年度は郵政事業に対しては逆に減らされておる。地方公共団体についてはふやそうという意思の一かけらも議論の中に出ておらない。それで簡保というものの性格からあなたよろしいと考えておられるのか。地方公共団体に貸し付けをふやしたい、あるいは郵政事業の百分の三以上も使いたいと思うが、できなかったというのか、その点の考え方を大臣に聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/226
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227・郡祐一
○郡国務大臣 簡保の金、もちろん申すまでもなく加入者の利益をはかりますこと、地方への還元、公共の利益に資しますよう、したがいまして、余裕金の直接運用と将来実現してまいりたい問題、たくさんございます。したがいまして、そういういまの松井さんのお気持ち、これは私も同じような気持ちでおります。ただ、局長が申しかけましたように、運用計画そのものは大体そうした地方還元等の趣旨を立てながらできておるように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/227
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228・松井政吉
○松井(政)委員 いや、そうなっておらないですよ。おそらくいま局長さんが答えかけたのも、住宅公団だとか国民公庫とかは直接社会福祉の関係であり、そういうことを答えたいのだろうと思うのです。あるいは簡保に加入しておる者に対するサービスも間接的にはその面からこたえたいのだろうと思う。そういうことが決議されて論議されてきておるのじゃないのです。国会の決議と考え方は直接なんです。これは与野党一致してきておるのです。だから、逓信委員会は仲よし委員会だといわれてきた。ところが本年はその逆をやっておるところに問題があるのです。
それからもう一つ、あなたのお考えではっきりしておきたいのは、要するに、簡易保険等の制限額引き上げの問題、これも与野党一致してきたのですよ。そうして加入者をふやし、額をふやすことに国会としては与野党一致して努力してきたのです。それは郵政事業の建設資金によけい回したい、あるいは加入者を含めた地方の公共企業体等に金の面におけるサービスを拡大したいという考え方で貫いておるのじゃないですか。そうすると電源開発——これを読みますと、九電力の民間独占企業に昨年度二十億、本年二十四億円を計画しておる。このことを鬼の首でも取ったように運用面でずいぶん慫慂していますよ。この考え方というのは、歴代簡易保険の運用に関して与野党一致で国会で論議し、すべてをやってきた考え方とは逆な考え方です。電源開発、それから、あるいは九電力、そういうものにこの金が回っていますが、東北電力の例を見ても、金が足りなくなれば、簡易保険金でも何でもいいから財政投融資の金をよこせ、しかし配当は一割する、それから、足らなくなれば電気料金を上げると言う。そういう事業にこの金を使うことが、あなたは妥当と考えるのか。それも郵政事業の末端における従業員が夜も寝ずに集めた金なんです。その金を郵政事業の局舎をよくしたり、新しくしたりするために使うのが妥当というのか。あるいはまた地方公共団体等でおそらく——あとで説明してもらいますけれども、借りていない市町村があったら説明してほしい。ほとんど全部が利用していると思うのです。大体東京の場合なんか、ものすごい額にのぼっているのじゃないですか。そういう形でずいぶん地方公共団体はいま財政窮迫のおりから喜んでおる。それにサービスしようというなら、その辺がサービスじゃないですか。その辺の考え方について大臣の見解をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/228
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229・郡祐一
○郡国務大臣 その点おっしゃいますように、余裕金の直接運用にいたしましても、最高制限額をさらに増加いたしましたら、こうした点もいたしてみたいことのように思います。御指摘のように、短期の電力債、これは利回り向上の考え方で一部扱っておるのでございますけれども、おっしゃるように、地方が短かい金を需要いたしますために、地方財政の役に立っております点などは、確かに御指摘のとおりでございまして、そういう点はこれからも当然もっと役に立つように十分考えなければいかぬことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/229
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230・松井政吉
○松井(政)委員 本年度は郵便料金の値上げをしなければならない状況になっておる。この都市においてその考え方は妥当だと思うから今後考えたいと大臣はおっしゃいますが、本年度どう考えられたのですか。それで大蔵省との財投の折衝のときに、あなたは国務大臣としてどういう態度をとられたのですか。その点だけを聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/230
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231・郡祐一
○郡国務大臣 確かにおっしゃるように財投の三十億という額は、決して満足すべき額じゃございませんが、ゼロに見えておりましたのを、とにかく財投を郵政の会計に持ち込みますのは最終に決定したような状況でございました。したがいまして、私も不十分だとは思います。不十分だとは思いますが、ここに落ち着くのが予算の大臣折衝の最終に決定したような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/231
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232・松井政吉
○松井(政)委員 法律にも、簡易保険、郵便貯金等のすべての管理は郵政大臣とあるのです。その管理しているあなたが、本年度の簡保の運用に関してなぜ管理者として、大蔵省との折衝はどういう形か知りませんけれども、主張しなかったのか。そのあなたの考え方と、あなたがとってきた折衝の過程について説明できる部分があったら説明してほしいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/232
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233・郡祐一
○郡国務大臣 ちょっと考え違いいたしました。直接運用については何とか法律を改正いたしたいと思って、ある程度大蔵大臣との話し合いもいたしておる状況でございます。ただ率直に申しまして、いろいろな法律を予定いたしましたために手が回りませんでした。この点は私自身遺憾でもありますし、また申しわけなく思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/233
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234・松井政吉
○松井(政)委員 資金運用に関する法律の中でも、郵便貯金は明確に条文にうたってありますが、簡保の運用についてはどの条文にどう書いてあるのですか。当然地方公共団体の額をふやしたり、または法律上の問題が出てまいりましょう。貸し出しの制限がありますから。けれども、郵政事業で使う部分の金は法律に関係ないのです。だから法律改正しなくてもいいのですが、要するに資金運用に関する法律の中のどの条文で——本年度一千七百億の財投予算のもろもろの公団、事業体に貸し付けるところの基本的な条文でやったか。そのときの折衝であなたは全然主張なさらなかったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/234
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235・武田功
○武田(功)政府委員 法律の根拠をお答え申し上げます。簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の第三条に列記してございまして、この十三項にわたります公社、公団とか政府機関とか、こういうものに対して、債券引き受けあるいは貸し付けをすることができます。今度は運用計画の策定でございますが、運用計画の策定にあたりましては、来年度見込まれますところの運用原資、これをきめまして、そしてこの配分につきましては、この第三条におきまして運用範囲が財投計画と財投の運用対象とほぼ同一になっておりますので、したがいまして大蔵省と協議いたしまして、資金運用部と簡保との負担分を協議決定いたします。決定いたしました上でこれをこの法律の第四条によりまして、資金運用審議会に諮問いたしまして、その答申を得て決定するという運びでございます。先ほどから御指摘のあります郵政事業特別会計への貸し付けも、この根拠によりまして、政府機関への貸し付けの中でできるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/235
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236・松井政吉
○松井(政)委員 ぼくの聞いておるのはその法律ではないのです。資金運用に関する法律というものはありましょうが、すでに基本法としての運用法、その中には郵便貯金というものは明確に条文化されておる。簡保の金はそこにはなくて、いまあなたのおっしゃった法律にだけしかないのです。よろしゅうございますか。それはお認めですか、違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/236
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237・武田功
○武田(功)政府委員 御指摘のように、簡保の資金は、ただいま私が申し上げました法律を根拠といたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/237
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238・松井政吉
○松井(政)委員 それでは資金運用部資金法に基づく関係で財投の予算は組まれるのじゃないですか、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/238
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239・郡祐一
○郡国務大臣 私、一口に財投、財投と申しておりまして、そこの法律関係をつまびらかにいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/239
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240・松井政吉
○松井(政)委員 大臣がその法律内容をつまびらかでない、これで時間をとりますとこれでおしまいになりますから、私はこれは後日に留保さしてもらいます。同時にまた、同僚議員もあとで質問しますから、そのときに譲りますが、あなたは法律上管理するのですよ。大臣、あなた勉強不足ですよ。お認めなさい。法律上はあなたが管理することになっておるのです。管理者が法律上の根拠と条文と扱いがわからない、それで財政投融資の予算管理をしておる。保険金の折衝はどうなさったのですか。知っておるけれどもものが言えないというのですか。はっきり答えてください。私はきのうも言ったように、イエスかノーでいいというのです。答えはきわめて簡単にしてくれ、長くやるつもりはないと言っておる。時間がかかって困るのだ。あなたは勉強足らずです。そんなばかな答弁はないんだ。ゆったり私に時間をくれるならば時間をとってあなたと論争をやりたいのです。法律上あなたは管理者じゃないですか。簡保のものすごい額の、あるいは郵便貯金のものすごい額のあなたは管理者ですよ。管理者としてのあなたがそんなことでいいのですか。これはいかぬと思いますよ。いまも申し上げたように、郵便貯金——関連をしますから、郵便貯金のほうの関係の質問に入りますけれども、いまの答弁は答弁になっておらないのですよ。だから留保さしてもらうか、さもなくば後日同僚議員に譲ってやってもらうか、いずれかしますけれども、それは郵便貯金の関係も含まれていますから、総合してあなたにまた答弁願います。
じゃ今度は、郵政事業の法律に基づく郵便貯金——局長いらっしゃいますか。郵便貯金の内容の分類は要りません。貯金と名前のつくもの全部、いま貯金額は総額で幾らになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/240
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241・稲増久義
○稲増政府委員 四十年度末におきまして、郵便貯金の現在高は二兆六千七百三十三億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/241
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242・松井政吉
○松井(政)委員 二兆六千七百七十三億円の金、そこで今度は内容に入りますが、俗にいう郵便貯金と称される貯金の制限額は百万円に引き上げられたのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/242
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243・稲増久義
○稲増政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/243
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244・松井政吉
○松井(政)委員 そうすると、あなたのほうからわれわれの手元に出していただきました資料に基づいても、郵便貯金会計は黒字になっているわけですね。その三十九年からでいいです。三十九年と、四十年度はまだ決算していませんから正確なところはわかりませんでしょうから、四十年度の決算見通しでいいです。それから四十一年度の予算における見通し、この三つについてお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/244
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245・稲増久義
○稲増政府委員 三十九年度は二百四億円、四十年度は、決算見込みにおきまして約三百億円、四十一年度は三百十七億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/245
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246・松井政吉
○松井(政)委員 これだけとにかく黒字が出ておるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/246
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247・稲増久義
○稲増政府委員 これだけ収支の利益が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/247
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248・松井政吉
○松井(政)委員 そういたしますと、大臣、郵政事業とはというやはり大臣の権限に属する事業の中に簡易保険がありますね。郵便貯金がありますね。それから直接郵便事業がありますね。それを総合して、郵政省が国営として行なっている事業の全体として赤字ないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/248
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249・郡祐一
○郡国務大臣 いま御指摘のように、郵便貯金の状態やなんか見ていきまして、それぞれの特別会計の中で余っておるものもあり、不足しておるものもあるという状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/249
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250・松井政吉
○松井(政)委員 いまの答弁、あなたに答えてもらわぬでもそれははっきりしている。だから赤字にはなってないのですよ。あなたお認めでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/250
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251・郡祐一
○郡国務大臣 私は赤字というのは各会計ごとにいうべきことであって、横に寄せてみて赤字であるとかないとかいうべきものじゃないという意味合いで個々に申し上げたのでありまして、寄せてみることは私は意味ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/251
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252・松井政吉
○松井(政)委員 これは驚きましたな。何で寄せてみることが必要ないのですか。あなたは法律に基づいての管理者ですよ。管理者が個々の会計を、黒字になっている事業、赤字になっている事業、それを全部会計ごとにきめて、それを総合して、あなたが経理している郵政事業全体として黒字になっているのか赤字になっているのか、連絡さして考えてみたり関連さして考えてみたりする必要がないとは一体どういうことですか。あなたそんなばかなことは言いなさんな。関連はあるけれども、個々の特別会計ごとに仕事をやるのだというなら話はわかりますが、考える必要はないとは何事ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/252
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253・郡祐一
○郡国務大臣 それはおっしゃるように関連がある。郵政事業の大きいワクの中でございます。そしてその特別会計ごとの状況というのはよく見てまいらなければなりません。そのような意味合いでは関連があり、またしたがって貯金では、四十一年度の見込み等で相当の剰余が出る。したがって、いまの貯金の状況を見ながら、そして私といたしましては、いまはいいけれども、だんだん利ざやが減ってくるなとか、それぞれの点について心配いたすべきものを心配し、それぞれについて配慮をいたすことは、責任を持っていることは当然でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/253
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254・松井政吉
○松井(政)委員 それでは考える必要はないということは訂正しますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/254
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255・郡祐一
○郡国務大臣 それを寄せて幾らになるか、差引幾らになるかということは、それほど意味がないということを申そうとしたのでありまして、したがいまして、私のことばが足りませんでしたから、そこは取り消させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/255
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256・松井政吉
○松井(政)委員 意味がないということでもたいへんな問題ですよ、あなた冗談じゃないですよ。法律上あなた管理者ですよ。関連させて考えていることに意味がないということでも同じことなんですよ。それは必要なんでしょう。関連させて考えてみて個々の会計別に値上げをする必要があるのかないのか、総合的に考えれば値上げをしなくてもいいのかということの判断をしなければならぬのでしょう。だからそこのところは明確にしてもらいたいな、私はそんなもの、あげ足をとる気持ちは何もないのだから。だけれども、やはり法律上管理者となった大臣が、関連させて考える必要はないとか、意味がないとかいうことでは納得できないですよね。意味は大いにあるが、個々の特別会計ごとに万全を期したいというなら、それはそれでいいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/256
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257・郡祐一
○郡国務大臣 意味は大いにございますが、せっかくこっちに金があるけれども、使えない金だなというようなことを感じながら見ておりまして、大いに関連させて検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/257
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258・松井政吉
○松井(政)委員 それじゃお伺いしますが、郵便貯金の四十一年度見通しでも三百十七億の黒字が出るというわけですね。剰余金は何に使いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/258
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259・郡祐一
○郡国務大臣 それは一つは郵便貯金の機械化というようなことが非常におくれております。それから窓口等の事務もおくれております。郵便貯金全体、利用者の利益をはかりますために、そうした部分は、全部じゃございませんけれども、とにかく利用者のためにはかっていかければならないということ、それから利ざやが、うかとすると逆ざやになりそうだというようなことで、郵便貯金の会計の将来というのは、考えていかなければならない部分が非常にあるのじゃないだろうか、とにかく貯金者の、利用してくださる方のためをはかりますのにどうも不十分であったという点はよほど考えなければいけない、こういうぐあいに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/259
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260・森本靖
○森本委員 大臣、いまの答弁は非常に大事な点ですがね。——ちょっと聞いてください。いまの答弁は非常に重要な答弁であります。それじゃその余裕金については、郵便貯金事業のサービスあるいは機械化あるいは郵便貯金事業の興隆、そういう面に大臣は使うつもりですか。利子の問題について、将来逆ざやが生じた場合の余裕金として置いておきたい、これは意味があるわけです。それはわかるが、いわゆる初めに言ったようなことについて使おうとするならば、すでに三百十何億というものが予算に出てこないはずなんですよ、はっきり言って。いいですか。これははっきり言って、五百五十億程度になるのを大蔵省は待っておるのだ。あなたは大臣ですから、もっともっと詳しく勉強してもらいたい。実は郵便貯金特別会計のこの三百十七億円というものは、はっきり言って六分五厘に預託金利が上がってからだんだんこれがふえてきたわけなんです。それまでは相当の赤字になっておった。逆に大蔵省の預金部の資金から五百何十億円というものを郵便貯金特別会計は借り入れておった。それをわれわれが努力して、法律改正によってその借金は棒引きにした。棒引きにして預託金利を上げたから、これだけの剰余金が毎年毎年出てきたわけです。せっかく出てきた剰余金であるから、われわれとしては郵便貯金の、いま大臣が言ったような方向に使えということを毎年やかましく言っておる。ところが大蔵省は予算査定においてなかなかそれを了承しない。これは、五百何十億になってくるのを待っておって、そして一ぺんごそっとそれを大蔵省がもらっておいて、それから先余った分については、いま大臣が言ったように使っていってもそう文句を言わぬというのが、いまの大蔵省の官僚の諸君の考え方です。いま大臣が言ったような考え方であるとするならば、すでに本年の予算編成のときにそういう趣旨でやれば、郵便貯金事業特別会計から郵政事業特別会計にもっと金を繰り入れることができたと思う。だからその辺の、この剰余金の出てきた歴史というものをよく御承知になって、さらにいかようにすれば郵便貯金事業が発展していくかということを考えていかなければならない。だから大臣、こういう非常に重要な問題はかなり慎重な態度をもって答弁を願うか、いまわからなかったら、とりあえず、これはあとで事務当局でよく聞いて的確な正規な御返事をいたしますということにならぬと、これは全く大臣、いいかげんに答弁しておりますと、食言をしたような形になりますよ。これは大臣はっきりしておいてください。いまあなたが言ったようなことであるとするならば、われわれはけっこうだ。そういう方向で大いにこの剰余金をとってきて国民のサービスに還元をしたい、われわれはそう考えておるわけです。ところがこれはいままでがんとして大蔵省が聞かぬ。だからその辺のことは大臣がよく御承知になっておっていまのようなことを言われたということであるならば、これはなかなかりっぱな大臣だ。ところが実際はそれはできない。そういうことになると、大臣は食言をしたということになるわけであって、この辺ひとつ明確にしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/260
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261・郡祐一
○郡国務大臣 私ちょっと詳しいことを忘れましたが、要求は相当いたして、そしてごくわずかのものだけが予算化をして、それでこれの経過では、先ほど申しましたように、いま森本さんおっしゃいましたように、とにかく皆さんのおかげで穴埋めをしていただいて、その後利ざやがかなりよく出てきておる。最近になりまして経営費と申しますか利ざやがだんだん減ってきております。この状況でいきますと、どうも逆ざやにもなりかねない。そうした心配があるなということを気にいたしております。ただ予算の点は確かに、持っていきますときはだいぶはでに持っていきまして、通りましたものはごくわずかだったということは御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/261
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262・松井政吉
○松井(政)委員 だから最初からそう言ってもらえば簡単なのに、機械化するために三百十七億を全部そのほうに使うような答弁をあなたはなさるから、それは間違いだろうというのです。大臣は何でもごまかそうとするからいけない。あなた、ごまかさぬでくださいよ。
そうなってきますと、これは安宅君の質問にもその前の質問者の質問にも出てくるように、郵政大臣として法律上与えられている権限の範囲内におけるそれぞれの事業を総合すれば、郵政省としては現在では事業はうまくいっている。だから、総合的な扱いを与えてもらえば郵便料金は上げなくていいということになるのじゃないですか。そういう理屈になりますね。そうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/262
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263・郡祐一
○郡国務大臣 金の面、全部つくろいますと、確かにそうでございます。ただ郵政省自身として考えてみましても、理屈の上でそれはやはり無理であろうということで、郵便、貯金、保険、それぞれ分けて考えておりますけれども、そういうぐあいにできればできるのじゃないかというおことばであれば、そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/263
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264・松井政吉
○松井(政)委員 だから、そこらがわれわれの基本的な考え方の相違になりますけれども、大体料金値上げしなくてもいいのですよ。大臣、あなたが社長の民間企業ならば値上げしなくてもいいわけでしょう。ところが、もろもろの法律があって郵便貯金の運用は郵政大臣の思うようにいかない。簡易保険の金も思うようにいかない。そうでございましょう。それで社会情勢やらあるいは物価の騰貴に基づく人件費の増やらで、郵便事業だけ拾えば値上げのやむなきに至った、こういう解釈じゃないのですか。それとも違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/264
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265・郡祐一
○郡国務大臣 すべてが郵政事業の中のことではございますけれども、郵便という事業をやっているのと、銀行のような仕事をやっているのと、保険のような仕事をやっておるのでございますから、おのずからその自分の持っております事業を分けて考えていくということは、方針として立てていかなければいかぬのじゃないかと思います。思いますけれども、いまのような窮屈な状態におかれていて満足かとおっしゃれば、そうじゃない。運用についてもっといろいろな努力をいたさなければいかぬということはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/265
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266・松井政吉
○松井(政)委員 やはりそこのところははっきりしてほしいと思う。いろいろな情勢からいきさつがあって、郵便料金値上げの法案を政府は出してきたのだろうし、政党政治ですから、与党は気にいらなくてもやはり値上げの法律案は通さなければならぬでしょう。これは常識からいったってわかります。しかしながら、与党の諸君といえども大臣といえども、大臣に与えられた権限内における管理事業全体を含めれば黒字になっているわけですから、にもかかわらず国民に負担をかける必要はない。この事業の中の窮屈さはいつの機会か脱却しなければならないという考え方であるということだけはっきりしてもらえばいい。その通りですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/266
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267・郡祐一
○郡国務大臣 私はそういう方向に一つ一つこれから進めていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/267
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268・松井政吉
○松井(政)委員 時間がなくなって申しわけありませんが、次に、これはこまかい話になりますが、僻地の配達はいまでも請負制度を続けておるかどうか。それから請負者の人件費と、請負人は何人おるか、これをちょっと説明してほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/268
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269・長田裕二
○長田政府委員 僻地の配達につきましては請負人によって配達しておるところも相当ございます。請負人の数は、昨年三月末で一千五百二十三人ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/269
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270・松井政吉
○松井(政)委員 これはその部分だけ計算したらどれだけの赤字になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/270
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271・長田裕二
○長田政府委員 ちょっとその部分の計算をしたことはございませんが、こういう地域につきましては、持ち出しの郵便物数も相当少のうございますから、かなりの赤字になるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/271
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272・松井政吉
○松井(政)委員 たとえばこれは考え方だけ聞きますけれども、開拓地あたりは隣に行く間に二里、三里のところはありますね。北海道に行っても東北に行っても方々にありますわな。それだけ郵便物は、たとえ一枚でも二枚でも配達しなければなりませんわな。あるいは分校へ置いてくるときもあるだろうし、あるいは役場の出先に頼んでくることもあるし、農業会に頼んでくることもあろうと思いますが、いずれにしても現地までは配達して持っていかなければなりませんな。赤字になっていることは当然ですよ。しかし、配達しないわけにはいかぬですね、これは事業のたてまえからいって……。そういう赤字をやはり郵政省だけがしょわなければならぬとお考えですか。当局に聞くより大臣に答えてもらったほうが、政治問題だからいいかもしれませんね。その赤字までしょわなければならぬとあなた思っておりますか。これは国としても配達しなければならぬのですよ。そうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/272
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273・長田裕二
○長田政府委員 実は郵便につきましては、これは外国のことをあえて申すわけじゃございませんが、いまのような郵便制度の創始以来、全国均一料金をとりまして、通常郵便物でありますれば近間は非常に安くし、遠くは高くするということでなしに、利用者全体が負担してお互いに持ち合っていく、そういうやり方をとっておりますし、現在の段階ではまだこういうやり方でいってよろしいのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/273
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274・松井政吉
○松井(政)委員 それはやはりなかなかうまい答弁をやっているようですが、腹の中は違うんじゃないですか。郵便事業だけがたった二枚のはがきでも、一日かかって配達しなければならぬところでも、配達しなければならぬのですよ。これは国家目的ですよ。国策ですよ。それまでやはり郵政省自体が郵政事業の中でまかなっていくわけです。これは国としても何とか考えてもらいたいくらいの考えはあるんじゃないですか。だから、あなたに答えてもらうのは気の毒だから、大臣は一体どう考えるかということにしたいと思って、さっき大臣に答えてくれ、こう言ったんですが、そうじゃないですか。大臣、これをどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/274
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275・郡祐一
○郡国務大臣 いかがでございましょう、郵便としてはやはり自分でむしろつくづく窮屈な会計であるということは全体に感じております。ただ、いまの例を、僻地だからということでそれはよそで持たせるということにはどうもすぐならないように私は思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/275
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276・森本靖
○森本委員 ちょっと関連しますが、この千五百二十三人という者について総経費がどの程度要っておるか、それからこの千五百二十三人の人が一日平均何通程度の郵便物を持っていっておるか。それからその郵便物の中に一種、二種、三種、四種、五種と比べて、一種が一体どの程度あるか。実際には三種が一番多いんじゃないのか、そういう具体的な数字をひとつあげてもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/276
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277・長田裕二
○長田政府委員 一人当たり一カ月の請負では二万八百円くらいでございます。年額にしまして二十五万ばかりです。したがいまして、千五百人の二十五万でございますから、約三億八千万くらいになります。郵便物の数は平均しまして百五十通ないし二百通一日に持ち出しているというふうに考えられますが、実はその内訳はよくわかりません。先ほどちょっとお話しございましたが、新聞なども多い面もありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/277
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278・森本靖
○森本委員 平均百五十通ないし二百通という統計は確かですか。駐在集配でそんなによけいなはずがない。駐在集配で一日百五十通ないし二百通というはずはない。そんなでたらめな答弁をするな。百五十通以上あったら、駐在集配は一気に廃止して、もう直配達になっていなければならぬはずだ。これは月百五十通ないし二百通ならわかるが、一日百五十通ないし二百通あるものを駐在集配するはずがない。——わからなければあとでけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/278
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279・長田裕二
○長田政府委員 もう少しよく調べまして、お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/279
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280・松井政吉
○松井(政)委員 これは大臣、私は僻地の問題だけ聞こうとしているのではないですよ。これは国の事業である限り、当然やはり国策として配達しなければならぬのですよ。それと同じように、先ほど安宅議員の質問にもありましたが、あなたの提案理由の説明の中に、第三種、第四種のものはあたかも社会的な公共性があるように強調しているわけですよ。そうすれば、いまの配達の問題も、これはいやがおうでも責任上配達しなければならぬ国家目的があるわけですよ。そうすれば、その公共性というものとそれからやらざるを得ないものとのすべての分を、国は黙っておって、郵政省に働いている連中だけが負担をしなければならぬという事業の経営と運営が、妥当であるかないか。妥当だとおっしゃるなら妥当だと答えてください。妥当でないがやむを得ないというなら、妥当でないということを答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/280
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281・郡祐一
○郡国務大臣 これはどうもアメリカのような立て方をしましたり、そうでない、全部独立採算でいってみたりするいろいろな立て方があると思いますが、何か収入のもっと増すようなくふうができれば、この部分は公共性がこうだからというようなことで分けずに、むしろ事業会計そのもので全部持つことのほうがすっきりするのじゃないだろうか、こんなぐあいに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/281
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282・松井政吉
○松井(政)委員 そういう理屈になりますと、今度の値上げが、三種、四種についてはきわめて内容が軽減だが、そこにまた理屈が来るのですよ。そうでしょう。あなたが公共性を強調するのは第三種、第四種、たとえば通信教育とかなんとかいうのは公共性があるとあなたはおっしゃっているわけでしょう。本会議の答弁でもそう言っていますね。そうすれば、国としてやはり公共性を高く評価しなければならぬものと、赤字を見越しても国民に対してやらなければならないものと、そういうものについては国が考えてもいいんじゃないですか、そう考えられませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/282
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283・郡祐一
○郡国務大臣 私も、考えてはいけないとは思いません。考えてもいいことだとは思います。ただし、私は、郵便事業をずっと見ておりまして、何とかして何か物をもっとふやしていく、今度は料金に手をつけましたが、何か物をもっとふやしていく方法はないだろうか、こんなことを考えております。収入のほうを多くするくふうをして、そうしてやっていかなければいかぬのじゃないだろうか。郵政審議会の御議論の経過をずっと聞いておりましても、よその国でも途中まで持っていって置いて、あとは自分たちにまかしておるようなことをやっているじゃないか。僻地のいまの扱い、一体それの流儀でたえるか、方々でそういう御意見の出た場合もございました。しかし私は収入、支出を見て、何かもっとふやしていく方向、そうしてこれでまかなえるような会計になれば——しかしそれじゃどうやったら収入がふえるかとおっしゃるだろうと思います。それで物をもっとふやせて、諸外国の一、二位あたりくらいに伸びていく傾向がこれからとれれば、私は、いまのような形でやっていける会計になるじゃないだろうか、そんなことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/283
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284・森本靖
○森本委員 大臣、そんなことをいってはいけない。物がふえる、物がふえるといいますけれども、郵便物はほかの商売と違うのだ。郵便がふえればふえるほどいなかのほうでは損なんですよ。なるほど東京、大阪等では大量に取り扱えばもうかる。しかし、高知県とか愛媛県とかいう山奥は物がふえればふえるほどこれは損なんですよ。だからだれが教えるか知らぬが、大臣、要するに、ただ郵便物がふえたらもうかると一がいに考えてはいかぬ。だから、都会といなかでは取り扱い方法が全然違うのだから、その辺、大臣、もうちょっとじょうずに、いわゆる幹部諸君の意見を聞いてもらいたい。そういうように大臣、頭の中に入れられて、今後の郵政事業というものをそういう方向でやられたんじゃ実際のところこれはかなわないですよ。東京とか大阪とか、たとえば東京中央郵便局の取り扱いは松山郵政局管内八百郵便局があるのとこれは同じなんですよ。向こうで一カ月取り扱うのはこっちは一日で四国全体を取り扱っておる。だから、そういうところはふえてきたら機械化すればもうかる。しかし松山管内のいなかの八百局がふえたらこれは損する。だから、そういうことをよく頭の中に入れてひとつ答弁をしてもらいたいと思うのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/284
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285・松井政吉
○松井委員 それはいま、あなたが森本君の質問に答弁なさらぬけれども、私も言おうと思っておったのだが、たとえば地方で二里も三里も配達しなければならぬところに、二日に一ぺんはがきが三枚しか来ない、新聞の郵送も二日に一ぺんしか来ないというのが、毎日二通ずつ来てごらんなさい。毎日配達しなければならぬから、これは当然赤字になりますよ。よろしゅうございますか。郵便事業というものはそういうものじゃないのですか。あなた、長いこと大臣をやっていらっしゃるのだから、よく研究なさったと思うのです。だから、物がふえればふえればと言ったって、民間の産業を経営しておって、製品がふえれば、よけい製品を売ってもうかる事業と違うのですよ。だから、大前提としては国策なんですね。国家目的なんですね。そうすれば独立採算の考え方を——あなたの管轄しておる事業の中には、年間三百十七億も黒字を出す郵便貯金事業もある。そういうことを考えたら、総括原価主義とかなんとか、あなたはどこのことばか知らぬが、先ほども安宅君に答弁をなさっていたようだが、全部これはでたらめなんです。全部でたらめになりますよ。国家目的でやらなければならぬ仕事じゃないですか。そうすれば、郵便貯金の三百十七億——郵政従業員が末端において貯金を奨励せい、あそこへも行って貯金をふやせ、この郵便局、この特定局の割当は郵便貯金何ぼ、簡易保険何ぼ、こういう割り当てをこなすために死にもの狂いであなたの管轄下における従業員は努力しておるのですよ。それで、国民の零細なる郵便貯金、簡易保険金を持ってきてせっかく三百億も黒字になったら、それは赤字補てんに使うことができない。これは国家目的に反しますよ。そう考えられませんか。もし、あなたが総括原価主義をとるならば、法律上あなたの管轄しておる、郵政大臣が管理をしておる郵政事業全体の総括原価主義でいきなさいよ。そうすれば値上げする必要はないですよ。そうでなかったら、公共性を持つもので国として保障しなければならぬもの、それから、赤字を見越してでも国策として配達しなければならぬ部分については、国がめんどうを見るのはあたりまえじゃありませんか。この考え方はあなた、お認めにならなければいけませんよ。そういう考え方でないから値上げするといったら、これはたいへんな議論になりますよ。その点の考え方をひとつ明確に答えてほしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/285
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286・郡祐一
○郡国務大臣 収入を増加する方法はいろいろとあらゆる方面から今後も考えてまいらにゃいかぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/286
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287・松井政吉
○松井(政)委員 答弁にならぬ。収入をふやす方法をいろいろ考えていかなければならぬ、事業である限りそのとおりだ。そのとおりだけれども、ふやそうといってもふやせない事業であることは、森本君が指摘したとおり、お認めですね。不便なところに郵便物がふえたら金がよけいかかるのですよ。赤字はふえるのです。それを御存じですね。しかし、国策としてやらなければならぬ。しかし郵便貯金は幾たびか満場一致で制限額を、三十万円から五十万円、いま百万円に上げた。それで郵便貯金はふえてきた。そのことによって黒字が出ているのですが、それもあなたの管轄する事業じゃないですか。ふえれば損する事業もあなたの管轄する事業だ。そうでしょう。あなたには総括原価主義でいくならば、あなたが管理しなければならない、法律上責任を持っている事業全体の原価主義を一ぺん考えなさいよ。できないならできない。いまの国家機構の中、政府の機構の中で、いろいろの法律上あるいは大蔵省の関係で、できないならできないと答えなさいよ。それを答えなさいよ。どっちでもいいからはっきりしてください。これは今度の問題で一番重要な問題なんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/287
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288・郡祐一
○郡国務大臣 そういうお尋ねならば、現行の法律上できないというぐあいに申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/288
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289・松井政吉
○松井(政)委員 できないけれども、あなたはどう考えている、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/289
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290・郡祐一
○郡国務大臣 私はおそらく、端的にものを考えれば、ある種のものについては一般会計の負担を考えるということだと思います。あるいは、その同じような意味合いで他の会計からの繰り入れということを考えるということかもしれません。どちらにしましても——ただ、私は、一般会計からの繰り入れば、全体の会計という筋論からして抵抗を感じるのでございますが、しかし方法としてはそういうことを考えるということだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/290
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291・松井政吉
○松井(政)委員 いずれにせよ、まだ質問の点は、七枚ほどメモしたのですが、三枚しか済んでいませんが、しかしやめますよ。やめますが、いま指摘をしましたように、実際郵政事業全体を考えれば、われわれは値上げの根拠はないと思う。同時に、国が責任を負わなければならぬものを郵政事業の従業員だけに責任を負わして、郵便事業に対する収入をふやそうということだけを考えれば、値上げはできる。これは間違いです。それは国鉄運賃の場合でもわれわれは議論しましたが、国鉄運賃とはまた全然郵政事業は違うのですよ。だから、理論的に検討してまいりますれば、値上げの根拠はないのです。どうしてもないのです。それでもし値上げの必要があるとするならば、現在国家目的遂行のために赤字にならざるを得ない部分、それから、原価を取れるまで値上げをしたいんだが公共的な郵便物のために値上げのできない部分、この分については、値上げの決定をしても、その決定分は国が補てんするという、国全体の公共的なたてまえを考えたら、値上げをする必要はない。どっちから考えても、今度の値上げは必要ないのです。国民に負担をかける必要はないんですよ。これはだれが議論してもそのとおりだと思う。だから、与党の諸君の中にも、実際は腹の中はそうだが、どうも政府が出してきたんだからしょうがないという気持ちは大半あるだろう。(「上林山榮吉君だ」と呼ぶ者あり)みんなそうだと思う。だから、そういう考え方で、まだ七枚のうち四枚残っています。だから、後ほど同僚議員の関連質問でも、それから、先ほどまだ答弁が明快になっていない部分がうんとあります。うんとありますが、その部分については全部調べてきてもらって、そうして局長の方々にもお願いしますが、何十年もずっと郵政事業で生活をしてきた方々ですから、その数字上の問題、従来の法律成立の問題、従来の国会で簡保とか貯金の制限額を上げるときの与野党一致のかまえ、それから簡保の金の使い方についての百分の三の決議の内容、そういうことはみんな経験している人たちなんだから、運用法の改正についてもみずから手がけられた方方がおるのですから、ひとつ大臣に今晩でもいいから、大臣中心にそばでもすすりながらよく説明して聞かしてください。大臣の答弁は、郵政事業全体からいったらみんなでたらめ、全部です。私はずっと一週間聞いておるのです。聞いておるのだが、でたらめもはなはだしい。それで、知らないで、あなたの頭のいい答弁だけでごまかそうと思っている部分が多い。答弁はへたでもいいと思うのです。あなたは三言言うのは一言でいいのです。一言でいいからやはりうそでない答弁、考え方の相違はやむを得ません。見解の相違はやむを得ません。しかしうそでない答弁、それから郵政事業に即した答弁、それだけをやってもらうことを私は希望しておきます。
以上で私の質問をきょうは終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/291
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292・安宅常彦
○安宅委員 関連して。
これは大臣、あなたが総括原価主義とか言ったことはみんなくずれたことになるのです。それで、これだけははっきりしておきたいと思う。郵務局長、あなたの最後の答弁は訂正してもらわなければいかぬ。郵便というものは何か利用者の相互負担で昔からやられておるような答弁をしたのであります。うそだというなら速記録を調べてみなさい。郵便法の第一条、第二条のどこからそういうふうに理解しているのですか。どこから見たって、役務を公平に提供するのは国でしょう。国費だといっておる。だから国営にしているのですよ。郵便利用者の負担において、相互扶助みたいな、保険みたいな答弁をしていますね、そう思っているのですか。これだけは間違いでしたと言ってください。それでなければ、とてもこんな審議はあと続けることはできない。郵務局長がそういう考え方だったらたいへんなことです。郵便法に違反する考え方で郵政事業の要職についてもらうわけにはいきませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/292
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293・長田裕二
○長田政府委員 郵便事業を国営で国がやっておりますことは、仰せのとおりでございます。私が先ほど答弁いたしましたのは、全国均一料金で、必ずしも経費に即応した料金を一々きめるということでなしに、全体として、たとえば近い人は若干経費は少ないけれども、遠いほうの人たちの分まで分担して料金がきめられている、そういう趣旨を申し上げたわけでございます。表現が適切でございませんでしたら訂正いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/293
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294・安宅常彦
○安宅委員 国家がそれをきめておるのであって、郵便を利用する人がそれをきめたのじゃない。そういうインチキな答弁をされたら困ります。言いわけをしないで、はっきり訂正しなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/294
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295・長田裕二
○長田政府委員 法律で料金がきめられておりますことは、仰せのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/295
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296・安宅常彦
○安宅委員 訂正するのかしないのか、どっちなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/296
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297・長田裕二
○長田政府委員 私は均一料金になっておるということをちょっと申し上げたわけでございまして、法律で全部きめられておりますことは、仰せのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/297
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298・安宅常彦
○安宅委員 それでは訂正しないということですね。私が答弁をはっきりしてもらいたいというのはこういうことなんです。あなたが相互扶助みたいな考え方でおられたら困る。そうではなくて、それは国家目的、国の発展のために国営でやっておる事業で、そして国民が平等に利用できるように国がきめておることであって、距離が短い人はどうの、距離が長い人はどうの、お互いに負担し合ってやっておるんだというような答弁は間違いだろうと言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/298
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299・森本靖
○森本委員 これは郵務局長、相当問題があったけれども、郵便法の第一条、この条文は読んで字のごとく、「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とする。」これが郵便の大原則でございます。そういうぐあいに考えております、こう言えば文句がないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/299
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300・長田裕二
○長田政府委員 仰せのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/300
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301・砂原格
○砂原委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後五時二十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104816X02019660407/301
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