1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年十二月二十四日(金曜日)
午前十一時二十八分開議
出席委員
委員長 河本 敏夫君
理事 井原 岸高君 理事 伊能繁次郎君
理事 岩動 道行君 理事 辻 寛一君
理事 八田 貞義君 理事 田口 誠治君
理事 村山 喜一君 理事 山内 広君
臼井 莊一君 小笠 公韶君
岡崎 英城君 加藤 高藏君
塚田 徹君 野呂 恭一君
藤尾 正行君 保科善四郎君
前田 正男君 湊 徹郎君
茜ケ久保重光君 稻村 隆一君
大出 俊君 楢崎弥之助君
伊藤卯四郎君 受田 新吉君
出席国務大臣
国 務 大 臣 松野 頼三君
国 務 大 臣 安井 謙君
出席政府委員
人事院総裁 佐藤 達夫君
人事院事務官
(給与局長) 瀧本 忠男君
総理府総務副長
官 細田 吉藏君
総理府事務官
(人事局長) 増子 正宏君
防衛庁参事官
(長官官房長) 海原 治君
防衛庁参事官
(人事局長) 堀田 政孝君
大蔵政務次官 藤井 勝志君
大蔵事務次官
(主税局長) 塩崎 潤君
国税庁長官 泉 美之松君
自治政務次官 大西 正男君
委員外の出席者
総理府事務官
(人事局参事
官) 秋吉 良雄君
防衛庁部員 原中 祐光君
大蔵事務官
(主計局給与課
長) 辻 敬一君
自治事務官
(大臣官房参事
官) 降矢 敬義君
自治事務官
(大臣官房参事
官) 鎌田 要人君
専 門 員 茨木 純一君
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本日の会議に付した案件
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第一号)
特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出第二号)
防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
閣提出第三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/0
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001・河本敏夫
○河本委員長 これより会議を開きます。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題とし、審査を進めます。
質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/1
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002・大出俊
○大出委員 大蔵省の関係の方々がおられますから、総理に一昨日質問をいたしました件に関しまして、少し内容についてお聞きしたいのでございます。それは今回の給与改正をめぐりまして、通勤手当に関してこれを全額非課税にするかどうかという問題についてでありますが、経緯がございまして、二十一日の総理決裁を行なう前の十九日の日に、給与担当大臣を中心とする五人委員会で六項目の決定をいたしておりますが、その第二項で、通勤手当並びに看護婦手当については、実情を考慮してこれを慎重に取り扱う、つまり通勤手当については八月に遡及をするというニュアンスの決定をいたしているわけでありますが、これが総理決裁の段階で通勤手当が削られまして、看護婦さんの手当だけ取り上げられたわけなんであります。そのあとの官房長官談話並びに官房長官と公務員共闘の諸君との交渉の席上で、官房長官からの説明がありまして、通勤手当を五人委員会の決定を総理が決裁するにあたって削除した理由の一つとして、全額非課税という方針で進みたい、こういう言明があり、またそこに同席をしておられた増子人事局長からも同趣旨の説明が行なわれているわけでありますが、以後そのことが明確にならぬ前に今日に至っておるわけであります。その点はどうかという質問を総理にしたわけでありますが、総理からは、予算との関係もあり、筋を言われるとあなたの御質問のとおりだけれども、この際九月実施でがまんしていただきたい、それでいかがでしょうかという御答弁がありましたが、それにつきまして、もし非課税が無理だということになるとすれば、八月に遡及をするという五人委員会の結論に戻るはずだという私の質問に対しましては、結果的に与野党の理事間で相談をして、その結果について総理はこれに従うかという私の質問に、与野党の理事間で結論を得られるということになれば、その決定に従いますという総理の明確な御答弁がありました。そのあとにおきましての与野党の折衝の結果といたしまして、内容を明確にひとつこの席で承る、こういうふうになりましたから、そこで質問申し上げるという趣旨でございます。
ところで、今回の改正は最高限度九百円でありましたものを二百円上げて千百円、それを上回った場合に、千百円をこえるものについて五百円を限度として支給する、こうなっておるわけでありますから、最高限度千六百円、こういうことになるわけであります。そこで旧来は税法上の通達で行なわれていたと思うのでありますが、それが今回千六百円になったことについてまず承りたいのは、旧来の九百円を非課税にしておりました税法上の根拠、これをまず明確にしていただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/2
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003・泉美之松
○泉政府委員 お答えいたします。通勤手当につきましては、これは本来、戦後交通機関を利用して通勤する機会が非常にふえました関係からいたしまして、いわば給与所得者が通勤をするために必要な実費弁償的な性格のものであるということからいたしまして、現物給与として定期乗車券を支給する場合には、その定期乗車券の金額が小額の場合には課税しない、通勤に伴うことでございますので、そういう措置をとったわけでございます。ところが、その後交通費がだんだん値上がりしてまいりまして、その小額の範囲をだんだん広げてまいったわけであります。他方、国家公務員の給与、これは地方公務員にも及ぶわけでございますけれども、国家公務員につきましては通勤手当という制度ができまして、必ずしも現物給与の形で定期乗車券を支給するのでなくて、定額のその人の所要する、通勤に要する費用を手当として支給するという形に相なったわけであります。そこで通勤手当という現金支給の形をとるものではございますけれども、やはりそれが通勤のために使用される実費弁償的な性格を持っておるということからいたしまして、従来の現物給与の性格の延長として、国税庁におきまして通達をもって非課税の取り扱いにいたしておるわけでございます。それが先ほどお話がございましたように、昭和三十九年一月一日以降におきましては、月額九百円以下のものにつきましては、通勤手当を非課税にする、九百円をこえる部分につきましては、九百円をこえる部分のみを課税にする、こういう措置にいたしておるのでございます。お話のように、この性格からいたしますと、所得税法におきましては、旅費については非課税の規定がございます。したがって、それとのバランスからいたしますと、こういった通勤手当につきましても、法律上の規定を設けることが望ましいことかと思いますけれども、従来現物給与という性格から発足いたしましたために、現物給与の延長として非課税の取り扱いをいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/3
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004・大出俊
○大出委員 三十九年の一月六日の通勤手当の所得税法上の取り扱いについてというのがありますね。それから通勤手当の所得税法上の取り扱いについてという四十年一月八日の改正がございます。七百五十円が九百円という限度に変わりました。あわせて、この中では例の自転車その他のものも含まれておるわけでございます。そこで実は承りたいのでありますけれども、私が税法上の根拠と申しましたのは、たとえば所得税法の九条なら九条には、一、二とありますけれども、俸給その他の課税に対する計算の基礎のようなものがございます。つまりそういうところに通勤手当あるいは通勤費手当に課税せよというふうな基礎はないわけでありますから、裏から読めば、課税しなくても法律上抵触はしない。かといってまた、課税しないともなっていない。こういうことになるのだろうと私は思うのでありますけれども、その辺がきわめてあいまいなのでありまして、したがって私の承りたいのは、九百円あるいは千六百円という通勤費というものの性格、これをどういうふうにお考えになっているかという点をまずはっきりしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/4
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005・泉美之松
○泉政府委員 所得税法におきましては、第九条におきまして非課税所得の内容が規定されておるわけでございます。ところが、ここには先ほど申し上げましたように、旅費につきましては規定はございますけれども、通勤手当につきましては規定がございません。したがいまして、所得税法二十八条の給与所得についての規定で、俸給、給料その他これらの性質を有する給与に対して課税するという、そこの中に入っておるのでございます。ところが、通勤手当につきましては、先ほど申し上げましたように、戦後住宅難のために通勤の範囲がだんだん広がりまして、通勤費の負担が相当大きくなりましたことから、民間におきまして定期の乗車券を購入してこれを支給するという慣行が出てまいったわけであります。そこで、これにつきましては、一種の現物給与としまして、他に利用することができないわけでございますので、現物給与として小額のものは課税しない、こういう措置をとったわけであります。ところが、国家公務員及び地方公務員につきましては、現物給与の形でなしに現金支給という形で、一定額の通勤手当が支給されることになったわけであります。そこで現物給与の延長として、その通勤手当につきましては一定額以下の部分については課税しない、こういう取り扱いをいたしてまいっておったのでございます。ただ、法規的に申し上げますと、お話のように所得税法にしかるべき規定があったほうが望ましいということは言えるかと思います。ただ、所得の性質からいたしまして、それを受け取った人がその自分の通勤費以外に使用することのないものでございまして、したがいまして、そういう通勤手当の性格を考慮いたしまして、非課税の取り扱いにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/5
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006・大出俊
○大出委員 私はこの性格を云々したいと思っておりますのは、九百円だから小額であり、千六百円だから小額でないとか、あるいは二千円をこえるから小額でないとか、そういうものではなくて、性格上かくあるべきだということになるものだろうと私は考えているのであります。しかし、かといっても限度がないという意味ではないのであります。つまり、定期券を買って渡すというのではなくて、通勤費となりますと、あるいはそこに限度がある、そういうものの考え方があろうと思いますけれども、それにしても性格の規定づけというものをはっきりさせておく必要がある。将来、二月十五日からまた国鉄運賃が改定ですから、明らかにこれは次の人事院勧告で通勤費は上がらなきゃならぬ。そうなると、法律上の規定、性格上の規定が明確になっておれば、自動的にそれも非課税ということになり得るわけでありますけれども、そうでないと、そのつど小額か高額かなどという担当者なりあるいは徴税者の側の論議が蒸し返される可能性もあり、そういうかっこうになっておるということは、どうもこれだけ税法にこまかく規定しているにもかかわらず、感心したものではなかろうという気がするのであります。
そこで、一つあわせてかね合いになりますからお伺いするのでありますが、現物給与あるいはそれに類するものの中で、たとえば女中さんを雇っておって給与を何がしか払う。その場合に、夜食であるとか、何か物を買ってやる、これは現物給与の形だろうと思いますけれども、七百円というふうなひとつの限度がありますね。そうなってまいりますと、これも世の中の諸物価の高騰、運賃の値上げと同様に、となってまいりますと、つかみにくいものではあっても、はたしてその限度は正しいかということが出てくるわけでありまして、また通勤手当等の論議が進んでまいりますと、そういうものとのかね合いも出てこなきゃならぬ筋合いだろうと思うわけでありまして、したがって、私は、やはりこの点は性格規定づけ等を明確にしておいて、二月十五日から上がるんだということは明らかなんでありますから、そうなりますと、それにつれて自動的に上がっていって非課税だというかっこうのようなことにしておいていただかないと、どうも将来きわめて不安定なものになりかねない。どうも陰のほうから見ておりますと、いやどうも千六百円がはたして小額かとか、現にこれは民間の会社においては取っているわけであります、九百円以上はそうなりますと、そこらがきわめてあいまいだから、そうやっているという結果になる。よしんば公務員の側が四月の一日、あるいはそれから先に上がっても、なおかつ九百円限度ということになったままで進んでいったということになりますと、民間は相変わらずこれは取られていくということになるわけであります。そういう矛盾も出てまいるのでありますので、その辺のところは、はたして将来に向かって望ましいということだけではなしに、何とかしなきゃならんという、もうちょっと積極的な検討の結果などというものがほしいのでありますが、その辺はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/6
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007・泉美之松
○泉政府委員 お話のように、その点が法規的に整備されれば、なおけっこうであるということは言えるかと思います。ただ、通勤手当という場合におきましても、いろいろの形態があるわけでございます。特に会社の役員の方でございますと、まあ自分は風光明媚な所に住みたいから、そこから通勤するとおっしゃる。そして汽車の通勤パスは一等で御通勤になるという場合に、通勤手当はすべて非課税ということにするのが、はたしていいかどうかという問題がございます。したがって、まあ私どもといたしましては、国家公務員に支給される通勤手当は、民間の給与所得者等を考慮いたしますと、いわば最低の通勤手当であろう。したがって、そこまでは非課税にするのが望ましいのではないか。それをこえる部分につきましては、先ほど申し上げましたように、重役さんの場合であるとか、そのほか必ずしもその金額を非課税にするのが適当でない場合がございますので、このような取り扱いをきめておるわけでございます。したがいまして、国家公務員につきましての通勤手当の支給額が増額されるような場合におきましては、それにつきましての再検討を加えまして、限度額を引き上げるということを過去にもいたしておりますし、今後もそういうつもりでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/7
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008・大出俊
○大出委員 ところで、非課税でいく、全額非課税でいくという官房長官の言明があって今日に至っているのでありますけれども、皆さん方の考え方として、全額非課税は千六百円まででよろしい、こういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/8
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009・泉美之松
○泉政府委員 この点につきましては、この給与法が年内に成立いたしまして公布施行されます場合におきましては、明年一月一日以降支給すべき通勤手当から千六百円までは非課税の取り扱いをいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/9
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010・大出俊
○大出委員 与野党間話し合いの結果でありますから、私はたってこうしろというところまでは申し上げませんけれども、一月一日からという考え方ですね。おそらくそれは民間等の会社工場におきまして、すでに九月、十月、十一月、十二月分は徴税をしてしまっている。したがって、いま九月という給与法の実施時期、これに時期を合わせるということは、その間の技術的な問題を含めて困難だということだと思うのでありますが、しかし、その困難さも二つに分けられるわけでありまして、ここまでは与野党間の話し合いに出ていないようでありますけれども、分けられるという意味は、前回の三十九年の一月六日でしたか、このときもさかのぼっておる例があるわけであります。さかのぼってどうしたかというと、年末調整等で調整をしておるわけです。したがって、そうなると、技術的にはさかのぼったからといってやれないわけではない。ただ年末調整をやってしまっている事務所が山ほどあるとなると、そこでやりかえなんということはちょっと困難だという問題があります。そういうふうなところがおそらく困難だという理由になるんじゃないかと思うのでありますけれども、その辺の、まず技術的に九月なら九月に遡及は困難だという理由を明確にしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/10
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011・泉美之松
○泉政府委員 おことばでございますが、前回この通勤費手当の非課税の限度が引き上げられましたのは、昭和三十八年の年末に給与法が改正されて、この場合も給与法の改正自身は遡及したわけでありますが、しかし、通勤手当の非課税の措置につきましては、三十九年一月一日以降支給すべき通勤手当から非課税の限度額を引き上げる措置にいたしましたものですから、非課税の措置そのものは遡及をいたしておられないのであります。
それから九月にさかのぼって通勤手当が支給されるのであるから、その九月にさかのぼって引き上げられる分についても非課税にすべきではないかという御意見でございますが、これはお話にございましたように、すでに民間におきまして、九月から十二月分につきまして通勤費につきまして、先ほど申し上げましたような現物給与の形で支給いたしました場合、九百円以下の部分につきましては課税しないという取り扱いでやっておるわけであります。したがって、これを遡及適用ということにいたしますと、民間で多数の給与所得者につきまして年末調整のやり直しをしなければならないという問題がございまして、非常に手数であるということ。それからいま一つは、国家公務員についてそのような通勤手当が増額されるのであれば、民間についても増額されるべきではないかというような議論も誘発いたしまして、過去にさかのぼって民間の通勤費について金額を上げてもらいたいというような問題も出てこようかと思います。そういうふうになりますと、給与の支払い者である民間企業といたしましては、非常なわずらわしい手続を要することになります。したがいまして、こういう通勤手当に課税しないということは、先ほど申し上げましたように、公務員の給与として支給される通勤手当が一応最低のものであろう。したがって、そこまでは課税しない扱いが穏当であろうということから非課税の取り扱いといたすものでございますので、そういうことがきまったあとの支給すべきものから限度額を引き上げるのが望ましいという考えでございまして、この点につきましては従来からそういう考えでやってまいっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/11
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012・大出俊
○大出委員 そこに実は非常に大きな矛盾があるわけです。ということは、冒頭に性格の規定づけということを申しましたが、当然非課税にしていい。いま、徴税責任者であるあなたのほうも、そういう趣旨のことを言われたわけです。千六百円までですね、つまりそれはそういう性格のものだということになる。そうすると、九月から十二月に至る間も、性格上は非課税でいい性格なわけであります。それはお認めになると思います、あなたがそう答えておられますから。にもかかわらず、技術的に困難だからという理由をもって課税対象にしておるということは、一体どういうことですか、これをお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/12
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013・泉美之松
○泉政府委員 先ほども申し上げましたように、通勤費に使用されるということから非課税の措置をとるわけでございますが、今回増額されましても、現実に公務員としましては、すでに九月から十二月の今日までは、通勤の事跡がありまして、それで通勤いたしたわけであります。したがいまして、今回通勤手当が九月にさかのぼって増額されますと、これは通勤費に使用されるというよりも、一般の給与と同じように支給される形になるわけでございます。通勤の事実そのものはすでに終わっているわけであります。そういう点からいたしますと、さかのぼって非課税の措置を適用するということは好ましくない。それと、先ほど申し上げましたように、民間の場合に、すでに源泉徴収が終わっておりまして、これをくつがえすということは、はなはだ手続上繁雑に過ぎるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/13
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014・大出俊
○大出委員 人事院が勧告をするという制度が今日とられていて、ILO問題等私も多少専門家の一人でありますけれども、代償機関であるという厳然たる事実、政府部内の統一見解、これも明確になっているわけであります。そうすると、勧告が出されたその結果、五月から時期的には実施をしろ、こういう勧告でありまして、しかもその勧告の内容に、四月調査という時点において通勤費は千六百円を最高限度にするんだ、それで公務員の生活が成り立っていく、当時の物価上昇、生計費の実態の調査、標準生計費等から見てそれが正しいというのが、人事院の見解であります。これが法的な不備がありますから完全実施ができないということで、時期がおくれるということが続いている。度合いのほどはありますけれども、それだけ生活は困窮をする。してみると、人事院の見解をそのとおり考えていくとするならば、一カ月の給与所得の中から通勤費というものは別個に計算をされる。そうすると、食生活その他に使わなければならぬ部分からその月は通勤費を出して、現に通ったのでありますから通勤をしているわけであります。はたして必要経費ということばが成り立つかどうかは別といたしまして、そういう議論もあるのでありますから、そうなると、当然それは通勤費たるべきものを、それが改定実施がおくれているために、本人が苦しい思いをして生活を切り詰めるというふうな形の中で支払ってしまっている、こういうことになるわけであります。だから、さかのぼって九月から実施をするということになるのであります。本来そうでなければ、生活は終わっちゃっているのだから、さかのぼって実施する必要はないことになるのです。そこで、あなたのほうも、何か答弁せねばならぬのですから答弁をされるので、わかるのでありますけれども、筋からいけば、それは通らぬ理屈だと思うわけであります。だとすれば、親切にものを考えれば、法律上の措置が行なわれて通達を出す時期がずれる。さらに技術的な問題がからむ。橋本官房長官がきのうお話しになったことからすれば、九月から全額非課税でいいんだというお話なんですから。そうでしょう。ところが、さて具体的に当たってみると、私が心配したのは、年末調整が済んじゃっているから、それはできないだろう、だから相談をしてくれというふうに、これはむしろ私のほうから申し上げた。そこらあたりは、そう横のほうから御答弁をなさらぬで、すなおな御答弁をいただいて、だから私は、将来に向かっては、この種の論争を残さぬために法的な措置を明確にしておかれることがいいのではないか。そういたしませんと、その間のズレについては、少なくとも公務員の責任ではないのでありますから、公務員の責任でなくてずれてくるのでありますから、そうなりますと、その犠牲を、つまり幾らの金であっても、筋の問題でございまして、本人に負担をさせるということは好ましからぬことと思うので、冒頭に実は二、三回法的措置が必要ではないかという御質問を申し上げたつもりなのでありまして、その辺のところをあわせてひとつもう一ぺん御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/14
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015・泉美之松
○泉政府委員 お話の点はごもっともでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、この通勤手当につきましては、所得税法上は非課税の規定がなく、ただこの支給の内容からいたしまして実費弁償的な性格を持っておって、それによって公務員のみならず民間の給与所得者が通勤のために要するものであるというその性格からいたしまして、妥当な範囲以下のものにつきましては非課税、課税しないという措置をとっておるわけであります。その妥当のものかどうかということは、国家公務員の場合が一番最低額であろう、それの最低額を国会におかれまして引き上げるのが望ましいという決議といいますか、そういう御意思が決定されたときから、社会的に見てそれだけのものは課税しないのが妥当である、こういうふうな見解になるかと考えて、国会で、御意思を決定された後に、われわれとしては取り扱いで非課税の措置をとることにいたしたいと考えておるのでございます。ただ、法規的に申しますれば、法規がございまして——いまのような取り扱いでなしに、規定がございますれば、これは多少の困難さはございましょうとも、さかのぼって非課税の取り扱いをする——取り扱いというか、非課税の措置の適用を受けるということになり得ると思います。ただ、法規的にそういう規定を設けるにつきましては、従来、先ほど申し上げましたように、通勤手当となれば何でも非課税にしていいかというと、先ほどの重役さんの場合、特に最近は重役さんはお忙しいのだそうでございますから、東京——大阪間を飛行機で旅行される、これだって通勤手当じゃないかというような話になりますと、いろいろ問題もございますので、法規の上で通勤手当ということは一律に規定しにくい面がございます。しかし、この点につきましては、主税局長がお見えになっておられますので、法規的にどうすべきかにつきましては、主税局長のほうから御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/15
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016・塩崎潤
○塩崎政府委員 ただいま大出委員の御質問、私は非常に深い所得計算原理の問題だと思うのでございます。私は、単に通勤手当のみならず、たとえば薪炭手当、石炭手当、さらには先生方議員の種々の手当まで、どういうふうに見るかといった問題に関する問題だと思うのでございます。それで、先ほど来長官からるる御説明がありましたように、この通勤手当の処理の問題は、過去の沿革から、小額不追及、あるいは現物給与の、申しますれば選択性がないこと、あるいは評価がむずかしいこと、これらあたりからスタートしたものだとも思うのでございますけれども、同時に、よく考えてみますと、はたしてこれは所得であるかどうか、必要経費と考えられるかどうか、そのあたり、それは雇い主のためにあるのか、雇われた従業員のためにあるのか、そのあたりの、所得であるのかないのかという根本的な問題だと思のでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、この問題は、所得税の所得の定義がないだけに、また、課税所得の当然の常識の原理で取り扱われる面が多分にある。したがって、通達で規定されましても、そんなに不合理でない面がございます。しかしながら、先ほど来長官がるる申されておりますとおり、この通勤費をとりましても、何を通勤費というのか。私は、いろいろな考え方がございましょうけれども、何かといえば、平均的な通勤費と申しますか、多数の給与所得者が一定の事業所に通う場合の平均的な経費的なものであろう、こんなふうに考えてでき上がったのが、一つの考え方でございます。それをどこに求めるか。なかなかむずかしいのでございましょうが、一つのよりどころを恣意的に流れない国家公務員のベースに求めたのが、この九百円であり、今度変わる千六百円である、かように考えているのでございます。したがいまして、おっしゃるとおりに、通勤費全額非課税という考え方もございますが、同時に、それは一方、平均的なものだけでいいのではないか。それが現在の所得を得るための経費ではないかというふうな考え方のほうが、より妥当性があるんではないか、こんなような感じがいたしております。したがいまして、法律に書くか書かないかという問題だけではない。所得であるかどうか、皆さん議員の先生方の各種の手当もはたして所得であるかどうかといった問題に多分に関連する問題で、法律に書いたらいいかどうか、あるいは書かなければどうかといった問題だけでは済まない、むずかしい問題だと思うのでございます。こんなようなことで、私は通勤費の問題は、各種の手当の問題とあわせて関連して深く研究しなければいかぬと思っております。しかしながら、同時に一方給与所得者には給与所得控除という必要経費を見たものが別途にございますので、簡単にこれだけはずしていくということも適当ではない。会社のほうは相当給与の支給の形態によりまして不公平に流れるようなことを考えますと、簡単に全額非課税ということもできない。さらにまた平均的なものでいいという考え方もございます。このあたり非常にむずかしい問題で、どこまで書くか。やはり通勤手当だけの問題ではない。旅費も非課税になったし、これは所得でないことの一つのあらわれ——これは差額がありましても、全体といたしましては差額がない、全部旅費に使われてしまうという点で非課税にしているので、所得でないという節が鮮明だろうと思います。しかし、それが紙一重の問題がたくさんありますものですから、これは慎重に検討いたしまして処理したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/16
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017・大出俊
○大出委員 塩崎さん、泉さん両所のおっしゃることは、それなりに私はわかるのです。私も税制などということが専門ではございませんから、そういう点も考えているのですけれども、ただ、現行税法などというのは非常に非情なものでして、民間会社が安く土地を買っておいて、政府が持ち家制度なんと言ってもさっぱりやってくれぬものですから、一生懸命土地を職員にあっせんして、社宅制度もマイナスなんで、できれば会社の企業努力も含めて、つまり持ち家制度を会社がやってやろうというので、坪当たり一万五千円で社員に土地をあっせんをした。ところが、会社側がいろいろなことをして前に買っておいた土地でありますから安いのでありますが、たまたま国税庁のほうは、これは時価に直すと坪三万円だから、一万五千円分は現物給与だ、だから課税をするなどという見解をおとりになるわけです。やはりそれは政府の責任である、怠慢だからということになるのだけれども、理屈の上では。それは現行法上通らぬということになる。とすると、いま私が申し上げたのはささやかな矛盾なんだけれども、せっかく九月ということで、努力の結果、相互努力でしょう、実施時期がきめられて、やれ九百円が千六百円になるわいと思っている人がたくさんいるわけです。ところが、それは今日まで非課税なんだから非課税だと思っているところに、いや税金がかかる。九、十、十一、十二月までかかる。四カ月分はかかる、一月一日からはかからないということになりますと、つまり通勤をしているいわゆるつとめ人というのは、そこまでこまかく計算をしながら生活をしているわけですから、そうなりますと、性格的に非課税でいいものを、国会の場面あるいは技術的な面等々いろいろなことから、四カ月なら四カ月課税をされていくということになると、ずれてくる。ですから、将来そういう矛盾は取り除く必要がどうしてもあるのじゃないかという気がするわけです。そういう意味では、これは単なるズレなんですね。だから、そうなると、そういう理屈から言えば、所得税法上の取り扱いとして、非課税の対象に何がしかの理由でしておかなければならぬものであろうと思う。私も、何も新幹線ができたからといって、静岡から通っている重役さんまでも通勤費を現物給与とみなせと言っているわけじゃないのです。おおむね常識としまして……。そうなりますと、今日の住宅事情からやむなくいろいろな機関があっせんをしている職員住宅というものは、公務員の場合もそうでありますけれども、だんだん都会地から離れていく。私は横浜におりますから、横浜の出身ですからよくわかるのですが、ものすごいふえ方をし、だんだんだんだん遠くなる。それは世の中が近代化したから遠くなったのじゃない、そういう意味で遠くなったのじゃなくて、都市集中という形の都市現象の一つなんですね。そうだとすると、小額だから不追及という意味ではなしに、性格規定づけの面で、それは多少金が大きくなっても非課税なのだというふうにしていただかぬと、どうも将来筋が通らなくなるのじゃないかという気がするわけです。ですから、こまかい技術的な問題は私もよくわかりませんけれども、それらは専門的に御検討いただくとして、ぴちっととらえておきたい一点は、限度はあるかもしれない、新幹線で静岡からというのまで認めろというのじゃないわけでありますけれども、つまり今日の都市現象その他から見て、普通のサラリーマンあるいは公務員がやむを得ず居住が遠くなる、したがって通勤費がふえるという現象を、一つの現象としてながめていただいて、どの辺に線を引くかということをお考えいただきたいのですが、少なくとも非課税対象ということには将来していただいて、通達で行なうために出てくるようなズレというものをなくしていただきませんと、今日の人事院の給与勧告制度なんというものがあしたからなくなるとも思えませんから、毎年毎年——政府がもうちょっと誠意をもって完全にやってくれれば何でもないのだけれども、それも簡単にそういかないと思うので、皆さんもそういう対象になる公務員のはずなので、その辺のところは少し親切に、佐藤総理のおっしゃる人間尊重ではないけれども、手の届くような形の御考慮が望ましい、こういうふうに考えるわけなのです。そこを実ははっきりさしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/17
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018・塩崎潤
○塩崎政府委員 確かに御指摘のとおり、住宅事情は都市の集中化に伴いまして悪くなり、郊外へ郊外へ行くというような状況でございます。ただいま申し上げましたように、千六百円ということが国家公務員のベース、しかしはたしてそれが唯一の基準かと申すと、確かに唯一の基準ではございません。したがいまして、今後は通勤手当におきましては——これのみではない。各種の手当、しかも乱用のきわめて多い、また波及度のきわめて大きいものがありますけれども、私はいまおっしゃったような点を考慮いたしまして研究いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/18
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019・大出俊
○大出委員 こんなに長く質問をしなくてもいい内容なのでありますけれども、あえてこういう長い質問をいたしましたのは、二月十五日にやがてまた上がる。そこで、今回の千六百円をめぐっての大蔵省内のお話を多少漏れ承ると、九百円が千六百円になって、そこまでどうも非課税とはというような考え方があるようにちらほら耳に入ったのです。したがいまして、将来また二月十五日の運賃改定なんかで上がってきた場合、あるいは私鉄運賃その他で上がってきた場合に、どうも千六百円でも多過ぎると思ったのに、さらに上がったのではなどという意見が出てくるようになると、将来そのつど課税されぬように手ぐすね引いて待っておってむだなエネルギーを使って措置をしなければならぬということになっては、正直申し上げて困る。ですから、少し長くなりましたが、そこを実は考えて、この際ひとつ性格規定づけについて、いま塩崎さんがおっしゃったようなところのはっきりした御答弁を賜わっておきたい、こう思ったので念を押して申し上げておるので、そこはひとつ将来に向かってお含みをいただきたいと思うわけです。
それからもう一つ確認をしておきたいのですけれども、一月一日、これははっきりそれでよろしいわけですね。そういうお考えでよろしゅうございますか、もう一ぺん念を押しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/19
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020・泉美之松
○泉政府委員 お話のとおり、一月一日以降支給すべきものに適用したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/20
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021・大出俊
○大出委員 それでは将来の点を念を押しまして、以上で質問を終わります。
事務的な点のみの質問をしようと思ったわけではないので、お答えいただく皆さんに御迷惑かけてもと思って、大西さんに御出席をいただきたいと思ったのですが、冒頭に承っておきたいのは、大西さんの時間のあきぐあいと申しますか、ちょっと御予定を聞かしていただけないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/21
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022・河本敏夫
○河本委員長 政務次官は一時過ぎに来られるそうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/22
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023・大出俊
○大出委員 事務的な点を御質問申し上げまして、どうしてもちょっと先に進まぬようなことになりました場合には、そこだけ抜かしていただいて、後ほど受田さんの御質問でもおやりになったあとでもけっこうでございますから、責任ある方に御質問しなければならぬことになるかもしれませんので、先に委員長に御了承を賜わっておきたいと思います。
実は、私は佐藤総理に地方公営企業関係の給与財源について御質問申し上げたのでございますが、朝日新聞等に出ておりましたように、政府も協力する、こういう意味の御答弁をいただいたわけなんであります。まあ正確に申し上げておきますと、「公営企業は独立採算制が本来の建前だが、収入が少なければ放っては置けない。」というのが総理の答弁の一つでありまして、さらに「地方自治体と相談して借入金や起債について政府も協力していきたい。」こういうふうに答弁をされているのであります。この二点が実は総理答弁のポイントなんであります。それからもう一つ、念のために申し上げておきますが、二十日に、例の公務員賃金がきまる総理裁定の前日でございますが、成田社会党書記長並びに自民党の田中幹事長との間のやりとりがございまして、この中で田中幹事長のほうから提起をされております問題といたしまして、地方公営企業の職員についても、財源措置は政府は責任を持って行なう、こういうことを地方公務員及び地方公営企業職員、こういう表現で提起をされておるのであります。そこで問題になるのは、今回の財政措置に関する特例法、つまり財特にある三百億というのは、先般も申し上げましたけれども、三百億ではないのでありますけれども、残る六十数億は各自治体の努力による、こういうことで三百億の借り入れ金を考えておる、こういう内容でございます。しかも念のためにつけ加えますけれども、それは交付団体だけが対象であります。特に公営交通の大赤字などをかかえているところは大都市でありまして、一般会計との直接の関連はありませんけれども、やはり自治体財源が不足しているところというのは、あわせて公営企業関係も苦しいという事情にございますので、そういう点で実は自治省の皆さんに少し公営企業問題についての御答弁を賜わりたいと思っているのであります。かつまた、永山自治大臣に先般給与問題の御質疑を申し上げるときに、答申の出る前であった関係もございまして、公営企業については触れないでもらいたいというお話が非公式にございましたから、あえて触れずに地方公務員関係だけを申し上げたのでありまして、そういう面からひとつ御答弁を賜わりたいのであります。
第一番目に、昭和三十九年度の決算におきまして、交通事業の赤字がおおむね全国的に見て八割くらいあります。病院関係が四割、水道事業が三割、下水道が六割、簡易水道が四割、それぞれ赤字を出している計算になります。そこで、単年度の赤字が大体三百億円くらい、それから累積赤字が大体六百六十億くらいになっているはずであります。したがって、このままこれをほうっておきますと、これはえらいことになるわけでありますけれども、このちょうど中間に、かつて自治大臣提案に基づきこの委員会が昨年の七月六日にきめました地方公営企業制度調査会の答申が行なわれているわけであります。中間答申は昨年の十一月七日、それから最終答申が今年十月十二日、こういうわけなんであります。この答申の取り扱いについて事務的にお聞きしたいと思いますけれども、自治省としては何がしかの態度をおきめになっておるのかどうか、まずこの点を確かめておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/23
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024・鎌田要人
○鎌田説明員 地方公営企業制度調査会の答申に基づきまして、私ども現在二つのことを考えておるわけでございます。一つは法律上の措置でございます。一つは財政上の措置でございます。
法律上の措置といたしましては、制度調査会の答申に基づいて、公営企業の組織、給与、財務、それから広域経営の方式、こういったことを内容といたします地方公営企業法の一部改正を行ないたい。これは関係行政庁との調整も終わりまして、できますならば来年早々にも提案の運びにもってまいりたい、御審議をお願いいたしたいと考えておる次第でございます。
それから財政的な問題といたしましては、一つは公営企業の起債の問題でございます。現在、公営企業につきましては、かなりのものが市場債あるいは縁故債、こういったものによっておるわけでありますけれども、御案内のとおり設備投資が進んでまいるものでありますから、資金コストが非常に高くつく、こういった点からいたしまして、できるだけ政府資金あるいは公営企業金融公庫資金、こういった原資を多くいたしますことによって資金コストの負担というものを軽くいたしてまいりたい。
それから、これはかなり問題があると思いますので、私どもの考え方だけを申し上げますけれども、地下鉄等につきましては、非常に設備投資が大きゅうございます。御存じのとおり、公営企業については原価を料金に織り込む、こういうたてまえになるわけでございますけれども、地下鉄等の場合でございますと、あの膨大な建設投資をそのまま料金にはね返らすということになりますと、非常に過大になるものでありますから、こういったものについては、できるならば利子補給をいたしたい。それによって料金へのはね返りをできるだけ軽くとどめたい。ただ、これはかなり新しい考え方でございますので、私どものいわゆる予算要求という形で出しておるというふうに御承知いただきたいと思うわけでございます。
それから財政措置の大きな第二の問題といたしましては、ただいま御指摘になりました、すでに三十九年度末において六百六十億に近い累積赤字がございます。これをしょって公営企業が今度運転してまいるということになりますと、これはたいへんなことになるわけでございますので、これについては、すみやかに財政再建の措置をとらせたい。これはかつての一般会計においてとりました財政再建措置と同じように、再建計画を立てていただきまして、赤字部分をたな上げをいたしまして、そのたな上げ債に対して利子補給をいたしてまいりたい、こういうことで赤字再建をはかってまいりたい。これは今度の予算要求に関連をする問題ということに相なるわけであります。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/24
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025・大出俊
○大出委員 いまの御答弁の中で確かめておきたいのですが、法律上の措置の中で、組織、給与、財務というふうにお話しになりましたですかね。この中の給与というのは、一体どういうことを意味するのかという点が一つ。
それから、たしかいま組織、給与、財務の三つではなかったかと思いますが、もう少しつけ加えておられるとすれば、もう一ぺん、ここのところを御質問いたしたい。もう一つ、利子補給というふうに言われて、予算要求と、こうお話がありましたが、つまりこれは利子補給財源という意味の予算要求と理解していいのかどうかという点と、あわせて、これは答申にもありますけれども、赤字たな上げ、利子補給、財政再建措置ということとあわせての利子補給、つまりそういう形における監督権限というものを明確にしなければ利子補給はしない、これにつながっていくものの考え方と受け取れるのでありますが、そこのところはどういうことでありますか。きわめて事務的に聞いておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/25
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026・鎌田要人
○鎌田説明員 法律改正の内容といたしまして私どもが考えておりますのは、組織の問題といたしましては管理者でございます。管理者の職務権限をもっと強めまして、いわゆる経営的な手腕と申しますか、そういうものが発揮できるように地位、権限というものを高め広めてまいりたい。
それから給与の関係につきましては、これは地方公営企業制度調査会の答申にもございますけれども、いわゆる年功序列型の給与体系というものではなくて、業績の反映せられた能率給的なものに持っていくべきだ、こういう思想がございます。これを取り入れてまいりたいと考えておる次第でございます。
それから独立採算の点につきましては、御存じのとおり、一般会計で当然持つべきものが企業会計の負担になっておるという面で、企業会計と一般会計との負担区分が明確でないものがございます。これを明確にいたしますことによりまして、企業会計における一般会計で持つべきものは持たせる。その後において企業会計においては独立採算に徹してもらう、こういう考え方でございます。
それから広域経営といたしましては、最近特に水道なりあるいは交通なりというものにつきまして、市町村の区域を越えた経営というものが許されております。それに対しまして、現在の自治法にあります一部事務組合の組織で経営をするということになりますと、どうしてもからだが重い、こういうことになりまして、いわゆる機動的なと申しますか、能率的な経営に欠けるうらみがございますので、一部事務組合についての特例を設けたらいかがであろうか、まあ大要以上のようなことを法制の内容といたしておるわけでございます。
それから予算要求を出しておりますのは、利子補給に要する額で、初年度分を予算要求で出しておるわけでございます。
それから赤字債券につきましては、やはり前の一般会計の場合と同様に再建計画というものをそれぞれの企業で出していただく、その計画に基づいて誠実に再建を履行せられるものについて利子補給を行なってまいりたい、こういうことを考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/26
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027・大出俊
○大出委員 いまの点で承りたいのですが、管理者の職務権限というお話なんですが、これはどういうことかということが一つ。
それからもう一つ、年功序列型をやめて、能率給、職務給的なものを取り入れたい、これだけしか言わないのですけれども、その答申の中には定年制が入っているのです。そこらのところは、どうせここまでお触れになったから聞くのですけれども、どういうふうに御検討なさっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/27
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028・鎌田要人
○鎌田説明員 定年制の問題は、まあ現在私どもが起案をいたしております段階では検討はいたしておりますけれども、実は、公務員全体の定年制の検討の問題でございます。御存じのとおり、地方財政の中におきまする給与財政と申しますか、給与の占める割合というものは、非常に大きいものであります。かつ、年齢構成におきましてかなり高年齢の者が多いという形で、給与のいわゆる重みというものが非常に大きい、こういうことから、やはり地方公務員全体についての定年制の問題というものがございます。それとの一連の問題として検討するか、あるいは公営企業のほうが、そういう意味におきましては、これは財政的な面でも、何と申しますか、危急存亡のふちに立っておるというときでございますので、あるいはそれと切り離して行なうか、この点については、なお検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/28
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029・大出俊
○大出委員 一つ質問に対する答弁が抜けましたから、答えてください。管理者の職務権限……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/29
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030・鎌田要人
○鎌田説明員 管理者の職務権限と、非常にぼうばくたることを申し上げたわけでありますが、結局現在の制度でありますと、大きな、たとえば企業の経営の基本に関するような問題も、あるいは比較的そのときそのときのマネージメントに属するようなものも含めまして、いわゆる知事の権限になっておる、こういうところから、この知事なりあるいは議会なりの、いわゆる議決あるいは知事の決定といいますのは、業務運営の基本に関する事項にとどめまして、たとえば職員の任免でございますとか、あるいはまた、いわゆる具体的な業務の実施計画でございますとか、あるいは地方債の借り入れ手続でありますとか、そういう業務については、できるだけ管理者自身が自分の責任において行なえるように権限の委譲を行ないたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/30
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031・大出俊
○大出委員 いまの最初の答弁の中の、公営企業の起債、つまり財政上の措置と言われた中で、企業債、縁故債が多い、設備投資が進んでおる、したがって資金コストが負担が高くなっておる、ごもっともで、そのとおりなんであります。そこで法律改正、こう言われておるのでありますが、地方公営企業法の十七条、これは独立採算をきめておるところだと思いますが、これは前の何国会か私忘れましたが、附帯決議がついておりますね。一般会計が負担した場合に、これに対して政府は、その他地方公共団体に対して財政の援助措置を講ずるということで、つまり私の聞きたいのは、そういう意味等も含めて十七条をいじるのかどうかということ。それからもう一つ二十二条、これは起債の自由が企業債の場合に保障されておる形になっておりますね。ところが地方自治法の二百五十条——私ちょっと六法を持っておりませんから、失礼ですがそちらでお調べいただきたいのでありますが、二百五十条でこの監督権限が知事、国、二つに分かれておるはずであります。押えられておるわけでありますね。だから、企業債の起債の自由が法律的には保障されておるのだけれども、二百五十条でぴたっと押えられておる。死文化されておるわけです。用をなさない。ここらあたりはどう考えておるのかということ。それから二十三条の建設資金ですね。つまり公共団体の企業債の中で、償還期限を定めない規定がありますね。私どもが理解する限りでは、外国でも例がありますが、いわば永久債的なもの、英国の例のロンドンの港における九十九年債などというものがありますね。ああいう性格のものというふうに理解しておる条項なんでありますが、こういうふうなところに手をつけなければ、また永久債的な、法律条文をそのように運用するということ等が行なわれなければ、償還期限等の問題とからんで、それこそたいへんなコスト高になり、不良債権、不良債務がどんどんふえるという形の中で、さらに焦げつきがふえていく、雪だるま式に苦しさが増していくということになるわけですが、こういうふうなことをあなたがいま言われるのは、法改正ということを——間違っておれば御訂正願いたいのでありますが、関係行政官庁との打ち合わせを終えて、できるならば来年とおっしゃっておるわけでありますが、差し迫った問題でありますから、あわせてひとつ御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/31
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032・鎌田要人
○鎌田説明員 法律の改正案は来年早々にも出したい、こう申し上げておるわけであります。それから予算、財政措置はいつきまるかわかりませんが、明年度の予算あるいは財政投融資計画の策定の段階で、これは当然それぞれ片づけてまいらなければならない段階になっておるわけです。そこで、いまお尋ねになりました第十七条の規定は、これは特別会計の規定でございます。おっしゃいますのは、おそらく十七条の二の規定じゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/32
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033・大出俊
○大出委員 説明しましょう。つまり独立採算の規定を何とかしなければ、一般会計との関係、その他あなたのほうの御説明これは答申にもありますけれども、一般会計で持つべきものは持つとかいろいろありますけれども、そうなれば十七条の規定とからんでくる。そうすると、何かこれは手を加えなければならぬことになるはずだと私は理解するから聞いているわけですが、そこら辺はどうなるか、こういう意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/33
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034・鎌田要人
○鎌田説明員 独立採算、特別会計、あるいは私の理解がちょっと不正確でございまして、答弁の的を失しておるかもしれませんけれども、独立採算と申しますのは、私どもが考えておりましたのは、現在、たとえば看護婦の養成業務、こういったものを病院にやらしております。あるいは救急業務も病院にやらしております。病院で例をとって申し上げるわけですけれども、あるいは伝染病の予防、防疫、こういったものも病院にやらしております。こういったものは、本来一般会計が負担をすべきものじゃないか、そういうことで、現在特別会計で負担をさしているものについても、当然一般会計が持つべきものもある。そういったものについての負担区分というものを一応明確にして、一般会計が持つべきものは一般会計が出資という形で持ったらいいじゃないか、そういう前提のもとで独立採算の原則というものは貫いてもらう、そういった意味で、当然これは特別会計を設けなければ、独立採算の収支のバランスというものは出ないわけでありますから、そういうふうに理解をいたしておるわけであります。
それから二十二条の企業債の規定でございますけれども、これは率直に申しまして、地方債の許可というものについては、私どもは、大局的と申しますか、事柄の本質から見れば、ないことが望ましいと思います。いわんや現在の起債のように、私どもも地方において経験がございましたけれども、自治省で終わったと思いますと、今度は大蔵省からもう一ぺん説明を求められる、こういうような煩瑣な起債の手続というものは、私どもは非常に改善の余地があると思います。ただ、現在のわが国の資金の状況というものから見まして、やはり国全体の資金として政府資金をどれだけ与える、あるいは政府関係、いわゆる公庫資金というものをどのくらい与える、縁故債、市場債、こういったものについては、やはり現在の資金状況から見て、許可というものはなおはずすには、時期としては尚早ではないだろうかという感じがいたしておりますが、ただ、起債の現実といたしましては、企業債については、私どもは非常に弾力的な運用をいたしております。地方団体の要望というものは、お聞きになっていただいてもわかりますけれども、企業の希望せられるところというのは、おおむねそのまま認めておるという形に相なっておるわけでございます。
それから二十三条のこの規定については、なおこれの活用方については、御注意、御指摘のありました点を私ども体してまいりたいと思っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/34
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035・大出俊
○大出委員 いまのところだけにしぼって私これから質問をいたしますと、実は政治的な点がからんでまいりまして、大臣あるいは政務次官でもないとぐあいが悪いと思うのでありますが、その意味は、申し上げておくことはおきますけれども、起債そのものが償還年限との関係が出てくるわけです。これは前の早川さんが自治大臣のとき、赤澤さんのとき、私質問をいたしましたが、大臣は私の意見に同調しておられるわけです。というのは、バスは償還期限が五年ですね、横浜なんかの場合は、都市によって多少違いがありますけれども、据え置き期間は一年くらいありますか。電車が七年くらいですね。トロリーバスが十年で、車庫だ云々だというのが、十五年くらいになっていますね。地下鉄が三十年ですか、つまり償還期限というのは、耐用期間等と合わせるのが一つの原則だという意味のことを一面ではいわれているわけですね。ところで、よしんば耐用期間に合わせたにしても——現在では合ってないですよ。私どもに言わせると合ってないのだが、よしんば合わせる、つまり起債年限を長くする、償還期限を長くするということにしてみても、なおかつ問題の焦点は、自己資本がない公営企業、学問的に間接的社会資本などといわれるわけでありますが、という意味は巨大な資金投入が必要であり、かつ公共性が強い、つまり地域住民の公共性、公共の福祉という企業法の三条で規定されておりますが、その性格からいって、資金回転が非常にのろい、つまり多額な料金は取り得ない、もうけを前提としてできない、こうなりますから、そうなりますと、自己資本がなくてやっていくという勘定になります。そうなりますと、どうしてもいま言われる条文のうちの二百五十条で縛ってしまうということだけでは、しかもこの条文が死文化しているということであっては、資本獲得の方法は国がやる以外にはないんですね。なぜならば、これは国が縛ったんだから。そうでしょう。公営企業法の法律の性格づけからいけば、これはたいへんな条文なんですね、第二十二条というのは。その企業体の死命を制する条文なんです。つまり企業債の起債の自由が保障されているわけです。ところが、自治法の二百五十条できちっと押えてしまうということになると、率直にいって自己資本の求めようがない。ということになると、先ほどおっしゃっている再建方式等の問題がみんなからんできて、抜本的にここのところを一体どうするのだという——二百五十条というのは、このままで当分の間置くとおっしゃるけれども、当分の間置くというのは、二百五十条の条文に書いてある当分の間、国、県の許可を求めなければやれぬようになっているので、法律条文に書いてあるので新しいことではない。そうでしょう。法律条文にあるはずです。私はいま持ってないけれども、あるでしょう。つまり当分の間なんですから、当分の間といったら、これは公営企業法ができてから何年になるかということなんですね。二十七年でしょう、できたのは。二十七年で、当年四十年ですね。十三年たつわけです。それはまあ改正その他もありましたけれども、そういう点からいきますと、このあたりは一体どう考えるか、もし法改正に手をおつけになるなら。
もう一つの問題は、あとから順序立てて御答弁しやすいように聞きますけれども、いま出たところだけ片づけていきますと、つまり一般会計との関係等につきましても、独立採算制のワク、この関係につきましても、いま答申を頭に置いて皆さんいわれておりますが、性格は二つあるわけだ。ここに書いてあるのは、一つは欠損金が生じた場合に、租税を主たる原資とする地方公共団体の一般財源をもって補てんするだけの価値があるほど公共性の強い企業であるかどうか一これは答申の文章ですよ、ここで言うところの欠損金とは何かということです。これは本来一般会計で持つべきものであるとかなんとかいう問題ではない。企業体自体の本質的な問題の欠損金なんですね。そうすると、ここでいっているのは、ふざけた話ですけれども、一般財源をもって、つまり租税を主たる原資とする、地方公共団体の一般財源をもって補てんするだけの価値があるほど公共性の強い企業であるかどうかということ。これはあなたが言う趣旨の国が持つべきもの、一般会計が当然持つべきものという性格のものではないのです。これが一つ。それからもう一つは、民営企業の場合と異なり、地方公営企業は、その公共性を確保するという要請に基づき云々で一般会計に負担せしめるべき分も少なくない、こういうふうに分けてものを言っているわけでありますから、したがって、公共の福祉を増進するという地方公営企業法の第三条、これを基礎に考えていくと、この条文のある限りは、そう軽々しく先ほどの独立採算の問題とからむ答申の一方だけでものを言われても困るわけなんですね。ですから、それらの点はどうもいま二つだけ課題を出してみたわけなんでありますけれども、大臣、政務次官等お見えをいただかないと、非常によくおわかりになっているたんのうな担当の皆さんですけれども、わかっているだけにどうも少し政治的な点についてはものを言いにくい立場におありになると思いますから、そういう点で、そこらあたりから少し話していきませんと、以下山ほどあるのでありますけれども、問題の何といいますか、この場における決着がつけにくいですけれども……。
もう一ついま念を押しておきますが、先ほどのお話とからみますから提起しておくのでありますけれども、たとえばバスならバスを一台つくった場合に、昨年の私の調査ですから一年ずれましたけれども、大体三百七十万くらいかかる。もちろんバスの型もあります。ありますけれども、横浜市等が普通使っておるバスです。三百七十万円かかるバスが、償還期間が五年ですね。そうしますと、料金も二十円、二十五円、いろいろ考えられますけれども、幾ら取るにしても、三百七十万円のバスを借り入れ資本でこしらえて、五年間受益者負担の形の料金を取って、三百七十万円分つまり料金を取る。そのほかに人件費その他の一切の経費がかかるわけですから、それも含めて三百七十万円料金収入を得る。かりにそれが五年間で償還できたとする、そういう形で。できたときに一銭もなければ——つまり耐用年数に見合う償還期限だという理屈からするならば、そのバスは廃車ですよ。そうなると、そこでもう一台三百七十万のバスがなければ、第三条にいう公共性という面からの住民福祉の増進はできないわけですね。つまり皆さん方がその原理原則をどう考えてこの答申を受けるか、ここのところが前に出ないで、企業そのものの持つ賃金コストが上がったとか云々とかいうところからだけ、いま言われるような形の法律改正だということになると、私は非常に大きな間違いがあるのじゃないかという気がするので、いまあなたのほうで答弁をされた法律上の措置、財政上の措置という二つから出てきたものだけをとらえて言っているのですけれども、それについてもいま申し上げたような、たいへんどうも不納得な点が出てくるので、そこらあたりはどういうふうに——公共性という面、つまりいま言われている事業の採算という面を中心にものを言われるもう一つの面、そこのところあたりはどういうふうに受け取っておられるか。それが先ほどの法律条文とからんだりいたしまして、法律上の二点と答申の問題と、いま私が述べたことと三つ総合していただいて、膨大な答申ですから、あとから要点のみ承ってまいろうと思っておりますけれども、もし御答弁をいただければいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/35
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036・河本敏夫
○河本委員長 大西政務次官は間もなく出席します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/36
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037・鎌田要人
○鎌田説明員 ただいまバスの例をお引きになられたわけでございますが、いわゆる物それ自身の耐用年数というものと企業債の償還年限というものをできるだけ一致させるということは、基本的にはそのとおりでございまして、私どもも努力をいたしておるわけでございます。ただ、その場合におきまして、答申にもあるわけでございますけれども、やはり企業自身、公営企業であっても採算を全然度外視していいということはない。私は、いま例にとられましたような場合の形としては、基本的には料金で吸収をしていく、こういうことだろうと思います。また、その場合におきまして、企業自身の経営努力というものも当然あわせて考えてまいらなければいかぬのじゃないだろうか、こういうふうに思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/37
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038・大出俊
○大出委員 政務次官がお見えになりましたので、先ほど来御質問をいたしております中の中心になるべき点についてお答えをいただきたいのであります。
と申しますのは、さっきるるものを言ってしまいましたけれども、要約して申し上げれば、前段で申しましたようにたいへんな公営企業の赤字、単年度赤字、累積赤字が出てきている。かつ一方、この委員会が昨年の七月六日にきめました地方公営企業制度調査会の中間答申と最終答申が出ている。こういう前提で、公営企業問題をどうするかという差し迫った段階にあるわけでありますから、そこでこの答申に関する自治省の皆さん方の取り扱い、受け取り方、先行きどうされるかという点を先ほどきわめて事務的に御質問申し上げたのでありますが、法律上の措置、財政上の措置、二つに分けられまして、法律上の措置の面からは、組織、給与、財務などというふうな面からは法律の一部改正、それから関係行政機関との打ち合わせを行なって、できれば来年早々にも出したいということである。また財政上の措置等からは、公営企業の起債、市場債や縁故債等が非常に多い。したがって、それをできるだけ政府資金という形で不良債権的なものをなくしていく。それとあわせて財政再建の措置、一般会計との関連などを考え、利子補給というものをひとつ予算措置等も含めて考えて、赤字たな上げ、利子補給という形で、これは自治省が逆に言えば監督権限を強化して地方公営企業を握ってしまうことになる。私は反対なんですが、そういうふうにお進めになるというところまでの説明が出ているわけであります。
そこで、私が基本的に政務次官に承りたいのは、地方公営企業制度調査会の答申というのはずいぶんたくさん書いてありますけれども、早川自治大臣が提起したときの諮問に私は忠実でないと考えているわけです。諮問のときは私はここにおったのでありまして、以後柴田財政局長のどういう理由で諮問をするかという理由説明等も詳細に承りました。公官企業を取り巻く環境の変化ということが、たいへんに強調されていたわけなんです。そこに原因を求めて、今日の公営企業の危機というものをどういうふうに処理していくかという意味のことが非常に大きく述べられまして、これは自治省が制度調査会に出しておられる資料等の中にもあります。ところが、そのことをとくと論及、追及するのではなくて、企業それ自体の内部に赤字云々の原因を求めるがごとく答申というのは大筋として貫かれて書いているということに、私は非常に大きな不満を持っているわけです。ところで、へたにこれを自治省が取り扱ってそしゃくする段階になった場合に、この中で都合のいいところだけいただいてきてこうだということになると、これはやはり中央、地方の段階におけるたいへんな摩擦、あつれきを起こしていくということにしかならぬ、こういうふうに私は思っている。そこらあたりをどういうふうにこの答申を受け取っておられるか、そしてこれをどういうふうにそしゃくしていかれようとするかという、基本的なところをひとつ政務次官に承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/38
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039・大西正男
○大西政府委員 お答えいたします。自治省といたしましては、いまの調査会の答申の結果を尊重していくということは、当然だと思うのであります。いま御心配になっておる内部だけの問題だというふうには、一がいには解釈しておらないのでございます。そのことは答申の骨子の中にもございますように、その骨子は、一つにはいわゆる負担区分と申しますか、これを明確にするということがうたわれておるのであります。つまり地方公営企業は、御承知のように経済性といいますか、企業性と申しますか、そういう一本の柱と、もう一つは公共性ということが重大な問題であるわけでございます。そこで、この企業会計というものと、一般行政事務と申しますか、それを含んでいる部分についての一般会計との負担区分を明確にしていくということが、重大な骨子になると思うのであります。したがいまして、これを区分をして明確にしていきますならば、内部で処理すべきいわゆる企業性に関する問題については、内部で処理していかなくちゃならない。しかしながら、一般会計に本来属すべきものについては、その方面から考えていかなければならない。こういうことになりはしないかと思うのでございます。そういう趣旨におきまして、いま御指摘の点の御心配はございましょうが、そういう点が明確にされていきますならば、御心配もおのずから解消していくのではないか、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/39
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040・大出俊
○大出委員 確かにそれが一つのポイントではありますが、そこまではわかるのですが、いまの問題が一つのポイントになって、そこから先をどう考えるかが変わってくるところなのであります。具体的に申し上げますと、今日公営企業法ができまして、昭和二十七年でございますから十三年ばかりたったわけでありますけれども、一番苦しくなっている根本原因というのは何かというと、固有の自己資本がない企業であるところ、それが企業性、経済性を云々されるならば、一番ポイントとしてとらえなければならない大筋は、自己資本というものが全くない形で行なわれている公営企業であるということだと私は考えておるわけでありまして、ここをどうするかという点を考えなければ、分けてみたところでどうにもなるものではない。だから、このあたりをどういうふうにとらえておられるかをまず承りたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/40
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041・鎌田要人
○鎌田説明員 実は先ほどから自己資本の問題が出ておるわけでございますが、この公営企業の場合に、民間企業の場合と同じようないわゆる自己資本というものについてどう考えるか。御存じのとおり、一般の私企業の場合でございますと、これはまさに本来ならば自己資本というものが中心になって企業活動というものが行なわれなければならぬ。公営企業の場合は、自己資本とは何ぞやと、こういう議論になるわけでございますが、その場合には、当然いわゆる一般会計が企業活動を行なう場合に必要な資本というものを出資するが、この点につきましては、従来いろいろ議論がございます。公営企業の場合には自己資本がない、いわゆる出資がないということをもって特色とするのだという、こういう学説もあるわけでございます。たとえば病院でございますと、病院を病院会計でつくるということはまずない。一般会計で病院をつくりまして、その中身の運用を病院会計という形で行なわせる。結局、考え方といたしましては、一般会計が財政的に十分余裕があって、そういう形で、たとえば何十億といった出資が現在できるという状況だ、そこでびっしり分離できて、それ自身として企業は企業で回っていける、こういったような態勢であれば、それも一つの方法だと思います。ただ、公営企業調査会でもこの点は非常に議論になったわけでございますけれども、現実の問題といたしましては、財政の面からいっても、いま数十億というものを一般会計がそういう形で企業に出資するということは財政的にできがたいという理由もありますし、たとえば病院の場合でございますと、そういう病院の入れもの自身は一般会計でつくって、その中の運用というものをやっていく、こういう形でいくということのほうが適切じゃないだろうか、こういう感じを持っておるわけでございます。先生のおっしゃいますいわゆる自己資本というのは、むしろ私はそういう意味での自己資本ではなくて、企業自身がいまの二十二条の規定でおっしゃいましたような形での長期資金の借り入れというものが円滑にできる、そういった面でのことをおっしゃっているのではないか、こういう感じがいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/41
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042・大出俊
○大出委員 そのとおりでございまして、例をあげて申し上げますと、横浜市の交通などは、大正十二年の震災後、再建にあたりましてアメリカから外資が入ってきているわけです。二千三百万くらいの金がアメリカから入ってきている。東京の都市交通には、フランス債が入っているわけであります。そこで、一生懸命横浜市電は再建をし、市民の足になった、こういうことなんですね。ところが、今度の戦争のあとの戦災に基づく復興過程におきましては、何も入っていないわけです。焼けた電車一台から直し始めて、一般会計から無理々々負担しながら市民の足の確保をやったわけです。全くもってそういう意味の資本はないわけです。ですから、アメリカ債が入ってきた例をとれば、戦後のあの時点であっても、政府がまさに公営企業法の二十二条にいうところの永久債、償還年限をきめないものを本来財政金融措置の面で考えなければいけない筋合いです。だから、私先ほど念のために聞いたのでありますけれども、二十三条ですね。さっき申し上げたのは二十二条の面における、つまり企業体の起債の自由という保障、これに基づく自治法二百五十条のようないわば禁止規定というようなものでなくて、これを活用するという形における資金確保、長期における起債、こういうふうなものを考えなければならない筋合いだということになるわけなんですね。それは全くないわけでありまして、この公営企業法という独立採算、十七条などというものが出てきて、でき上がるまででも市電は走っていたのだし、バスも走っていたわけです。それは自治体全体の資金の運営の面でやってきて、プラスそれに料金収入というものを入れて運営をやってきた、こういう性格なんですね。してみると、この答申で述べているのは、そこをみな逃げてしまっているということです。何よりも優先して考えなければならぬことは、今日の政府の財政金融措置として、アメリカ債が入ってきたのにかわるような思い切った措置をやらなければ、六大都市における第三条にいう住民福祉という面、公共性の増進という面、これは確保できない筋合いだと思う。市電だけとらえてみても、三十五万人の足を運んでいるのですから、単に不採算路線だから廃止しろということでは済まないのです。だから、そういうことについて、この答申をどう受け取るかということについて論議をしなければならぬし、あるいは論議以上のことを一つの運動として起こさなければ解決しないことになりかねない性格を持っていると思う。先ほど、たまたま非常に手回しのよい法律改正まで御回答があった。となると、その根本を承っておかないと、今回の給与財源の確保という問題とからめて御質問申し上げるつもりで始めたわけでありますけれども、根本的な問題に触れざるを得ないので、いまのところを政務次官は先ほど公共性、企業性、経済性というようなことを言われましたけれども、抜本的にそこのところをどうつかまえるかというところがはずされていたのでは、当然答申の都合のよいところだけを自治省の皆さんがおとりになることになる、この心配があるから申し上げているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/42
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043・鎌田要人
○鎌田説明員 ただいま御指摘になりましたこの地方公営企業の建設改良資金としての企業債については、実は御案内のとおり、答申もるるなっているわけであります。ただ私は、やはりこの答申の趣旨というものにも即しながら、また現在のわが国の市中の保有状況、そういう状況から見まして、いまここで地方債の許可というものを全般的にフリーにするということが、はたして実情に即したことになるんだろうかどうだろうか。特に国債発行という問題も一方でございます。そうしますというと、国債と地方債との資金競合という問題も出てまいるわけでございまして、あるいは逆説的だとおしかりをいただくかもしれませんけれども、逆にこの企業債の許可をすることによって、少なくともこれだけの資金の手当というものは間接的にはできるというかっこうになるのではないだろうか。相対でやられるよりは、そういうことでこれだけのワクというものは少なくとも政府も認めておるじゃないか、こういうことで資金を確保せられる上に効果があるんじゃないだろうか、こういうような感じもいたします。公営企業についてだけ永久債的なものを多額に許可をするということが、ほかのたとえば国の公共企業体、三公社といったようなものとの関連もございましょうし、あるいはまた国全体の資金のいわゆる効率的な使用という面とのからみ合いで、これはちょっと私、一事務官の頭に余りある問題だと思いますけれども、現在のところはそういう感じがいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/43
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044・大出俊
○大出委員 私は、この論議の先で、横浜市あるいは東京都、広島、名古屋、大阪、神戸、京都などというところの市の自治体の中における税金、税収、それから税源配分というふうに考えられるもの、どのくらい起債が入ってどうなっているということに全部触れて申し上げてもいいのです。そのつもりでおりますけれども、つまりいまあなたがおっしゃるように、この二百五十条で縛ったということは、国が責任を負ったということなんでしょう。そうでしょう。法律は別なんですからね。地方公営企業法という法律は別にある。自治法で縛ったのです。そうすると、片一方公営企業のことを考えてつくられた法律の中心である企業債の、つまり起債の自由の保障という条項を国が縛ったわけですからね。そうなると、その意味において起債が自由に行なえない、資金確保ができないということになった場合には、当然国が責任を負わなければいかぬのですね。負ってないところに、わずか一年ばかり料金ストップをやった、ところが、三年ばかり前にやった料金なんだから、たいへんな騒ぎになって、四十億をどうするか、早川さんが赤澤さんにかわって、大蔵大臣を攻めあげて、私企業の経営者まで一緒になって、地方の自治体まで一緒になって、政党政派も何もなく、最終的にメリットシステムでやっと埋め合わせるところまで持ち込んだ。こういう事情がついこの間まであったわけでしょう。これはなぜかというと、こういうことが原因でもあれだけのことになるということは、国がそこまでの財政金融面における責任を、二百五十条で縛った反面における責任を果たしていない、こういうことでございます。だから、私はあなたにこのことを質問をしてみても、いまの御答弁にならざるを得ないだろうと思うから、そこで実は政務次官なり大臣なりに御足労をお願いしたわけだから、そこのところを答申にいまるるあるとおっしゃるけれども、あなたも担当ならば答申をよくお読みになっていると思うが、その中で書いてあるけれども、どうしろという根本的なことに触れていない。先ほど申し上げた一例をあげてもいいですが、欠損金を生じた場合に、租税を主たる原資とする地方公共団体の一般財源をもって補てんするだけの価値があるほど公共性の強い企業であるかどうかなんて、そうでしょう、こんなあいまいな、ふざけた表現はないわけです。ですから、私が申し上げたいのは、そこのところ、公営企業法に手をつけられるとおっしゃるのですが、してみると、この二十二条、二十三条というふうなところ、つまり起債の自由の保障という問題あるいは永久債というものの考え方、抜本的な自己資本たるべきものになるわけですから、そこらのところはどう考えておるのかということを先ほどから繰り返し聞いておるわけなんで、これをひとつ政務次官からお答えをいただけないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/44
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045・大西正男
○大西政府委員 お答えになるかどうかわかりませんけれども、答申の中にも、先ほど来御指摘のありました出資の面とか、あるいは企業債について、資金の拡充あるいは利子負担の軽減とか、償還条件の改善合理化措置というようなものも、指摘されておるわけであります。ところが、公営企業というものは、先ほど申しましたように、経済性とともに公共性を本来持っておるものでございまして、企業性といいながら、事業そのものは公共的な必要から行なわれておるものでございます。したがいまして、それが第一の原則だと思うわけであります。したがって、そういう面から申しまして、やはりその運営につきましては、いろいろな面におきまして公共性というものを勘案しつつ考えていかなければならない問題だと思います。そういう趣旨で、いま御指摘のような企業債について全く何の制限もない自由というものが許されるかどうかは、これは慎重に考えてみなければならない問題ではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/45
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046・大出俊
○大出委員 いま言われた公共性が第一の原則だ。私もそのとおり理解しておるのですが、それは先ほど来申し上げておりますように、公営企業法の第三条に明確に規定されておるわけですし、だからこそ二十三条のような永久債の規定まであるわけですね。そこで、私は答申について一番疑問に思っておる点は、さっき申し上げたポイントなんですが、どうもここのところはこれ以上皆さんに答弁をいただこうとしても無理があるように思うので、そこをはずして申し上げますけれども、先ほど御答弁になった内容からすると、答申を受けてすでにそれを具体化して実施に移す段階、したがって国会にかける準備がほぼできつつある、あるいはでき上がった、こう考えていいわけですか、ここのところは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/46
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047・鎌田要人
○鎌田説明員 そこまでいってくれれば非常にいいわけですが、まだ実は私どもの内部で調整と申しますか、そういう段階でございまして、まあ来年早々と申しましたので誤解を与えたのかと思うわけでございますが、早々というのはかなり幅の広い期間と考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/47
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048・大出俊
○大出委員 かなり幅の広いと言われるのですが、来年早々と言えば、来年の春というのは早々だろうけれども、夏になってしまえば早々じゃないですね。だから、そうなれば来春ということだと思うので、相当早いです。
そこで、どうも意見を申し上げることになると、なかなか答弁の側のほうが進まないようですから、質問をしていきますから、ひとつ事務的に答えていただきたいのですが、一つは、この答申の先ほど申しました根本的な原因、公営企業制度調査会をつくった原因、つまり自治大臣が提案された理由、柴田財政局長の説明等は、公営企業を取り巻く環境の変化だということが中心だと先ほど申しましたが、つまり都市交通その他が非常に複雑になってさっぱり路面電車が走れなくなったとか、一つ例をあげれば、そういう都市集中という形の中からくる企業性が失われてしまうというそういう原因、それから物価がやたら上がってしまって、それにつれてベースアップがどんどん行なわれてしまった。これは物価が上がるのだから、世の中の労働賃金水準に応じて上がることは当然のことで、さらに物価の値上がりからくる工事費その他の資金コストがどんどん上がるというような問題というようなことが七つばかりあげられまして、それで当面の問題と先行きの問題とに分けて、全部で三つあったのですが、制度調査会に諮問をする、こういうことになったわけなんですが、ところが出てきた答申のまず言っておることは、人件費、物件費の高騰と合理化の不徹底だというわけですね。それからもう一つは何かというと、料金抑制なんというのが非常に響いた。それから建設投資等の負担がふえてきたというふうな点、つまり企業内部に原因を求めるという求め方から、結果的に何を言っているかというと、料金の値上げをしろということですね。しかもおまけがついて、実際に料金の決定権をまかせようかなんて言う。運輸省がどう言っておるか知らぬけれども、そういうことまで触れてきているわけですね。だから、一口で言えば賃金、人件費という面を減らせ、もう一つは料金を上げろということなんですよ。そうなると、人件費を減らせということは、働いているほうにしわ寄せしろということだ。それから料金を上げるということは、先ほど政務次官がおっしゃっている公共性、第三条という性格からいって、受益者負担で料金で赤字を埋めろ、こういうことに大筋をとらえるとなる。それは横浜だって、電車、バスを三十円、三十五円にしてごらんなさい。単年度赤字は解消してしまう。そういうふうなことはできかねる。受益者負担はそこまではできかねるというところに、第三条が厳然として存在することになるわけです。だから、そうなりますと、こういうふうなところから出てくる意味における年功序列型をやめて、職務給、能率給を取り入れろということ、あなたのいまの御説明では、進めろというわけでありますが、たいへんこれは僣越きわまると私は思っている。この答申自体だって、こんなことまで答申する権限なんか何もない。というのは、少なくとも今日企業体と名がつけば、厳然とした労働組合があって、協定、協約によって、法律によって結ばれて賃金その他きまっているわけです。そうでしょう。そうなりますと、今日日本の労使間で一番根本的な問題になっている職務給だとか能率給だとかあるいは年功序列型をどうするかとかというふうなところを、しろうとの、そこらの地方公営企業調査会の委員になったくらいの諸君が、答申だなどといって出すこと自体私は間違いだと思っているんだけれども、そこへ持ってきて、またそれを受けて自治省あたりがそこまで触れてものを言うというのは、私はたいへんなことだと思って、そういう受け取り方を答申についてしてもらっては困る。私も戦後総評の副議長を六年もやってきておって、それでも職務給というもの、能率給というもの、年功序列型というものについては、たくさんの議論を私は持っておる。職務給のいいところもわかっている。能率給のいいところもわかっている。それを、ここで言っている職務給とは何であるか、能率給とは何であるか、年功序列型は——いまくずれてきているが、どういうものをさしているかというところまで何も触れない形で、しかもそれを自治省が、先ほどのように、定年制の問題は公務員全体とからむんだ、年功序列型云々はいけないから、職務給云々はいけないから、これだけ出すんだ、そういうとんでもないことを言われると私は困るので、抜本的な問題に帰って、この答申の受け取り方を聞かせてくれと申し上げているわけなんです。このあたりはどういうふうに受け取っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/48
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049・鎌田要人
○鎌田説明員 ちょっとその点につきましては私どもも意見があるわけでございますけれども、この公営企業制度というものは、やはりどの範囲の企業をやるか、どういう組織でやるか、どういういわゆる人的スタッフ、給与、料金、こういったものが全部含まったものが、公営企業制度だと考えているわけです。公営企業制度の改善について諾問をいたしまして、それについての答申の中に給与制度についての考え方があっても、公営企業制度の答申が行き過ぎだとかということにはならないんじゃないか、こういうふうに私どもは考える次第でございます。
それからこの公営企業制度調査会をつくるときには、まわりのことだけが理由であって、本体のことについては何も説明がなくて、出てきたのは今日本体のほうだけだ、こういう点もちょっと私その当時の事情を知りませんけれども、まわりの事情もあるし、やはり本体の事情もあるし、両方でこの赤字、いわゆる危急存亡のときになっている、それをどういうふうに改善していこうか、こういうことだろうと思うのでございますが、その辺のところの認識が、少し私違うように思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/49
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050・大出俊
○大出委員 永山自治大臣に前回、地方自治体、公営企業を含めて今日赤字でたいへんな危機になっているが、その根本原因は何かと聞いたら、自治大臣答えていわく、高度成長政策のひずみだという御答弁ですよ。ここでいうところの人件費、物件費の高騰というのは、高度成長政策がとられて今日まできた、いい面と悪い面とありましょう、その中でたいへんな物価の値上がりがあって、それが賃金の値上がりに結びついて、賃金がどんどん上がってきたことは御承知のとおり。さらに物件費という面もどんどん上がってきたこと、これまた御存じのとおり。そういうことですね。となると、答申であげておる理由、内部の理由の二つとも政策の問題ですね。何も公営企業が悪いわけでも何でもない。まして働いておる人間が悪いということでも何でもない。世の中が、高度成長政策ということで所得倍増、結果的には物価がこれだけ上がったということ、客観的に見ればそういうことですね。だから、職務給に切りかえる、能率給に切りかえるなどという、そういう結論になっておるわけです。私も何べんも読んでみたが、そういうもののとらえ方というものは、そこまでを答申してもらいたいという諮問の内容に含めてはいなかった、早川さんの言っておることも、柴田さんの言っておることも。だから、そういうところを私は申し上げたということなんです。それからもう一つ、さっき途中はんぱになっておりますが、つまり国が負担すべきもの、あるいは自治体が負担すべきもの、これを分けるということなんです。そこのところをもう少し例を上げて話していただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/50
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051・鎌田要人
○鎌田説明員 一番わかりやすい例といたしまして先ほど病院の例を申し上げたわけでございますけれども、現在病院に負担さしておる仕事の中に、看護婦の養成業務、あるいは伝染病の防疫業務、あるいは救急業務、こういったものがございます。あるいはまた僻地におきまする不採算地区での病院という問題は、一番医療政策と申しますか、広い意味での社会政策的な考え方からいたしまして、これをその病院に全部かぶせるということについては、やはり無理があるんじゃないだろうか。そういったものについては、一般会計で負担すべきだ。あるいは水道事業で申し上げますと、いわゆる消火せんの維持に要する経費でございます。これを水道会計で持つということについては、やはり問題があるんじゃないだろうか。一般会計で当然持つべきことだ。あるいは公共用の水でも同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/51
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052・大出俊
○大出委員 不採算地区の病院等については、答申にありますね。ですから、それはわかります。そこで、私あとしぼって五、六点に分けて申し上げますけれども、この答申が言っております中身に、原価主義というのがありますね。この原価主義という面で料金原価に含まれる範囲の問題ですね。これはひとつ非常に大きな問題がありますが、支払い利息、営業費など含めておりますね。この支払い利息というものは、はたしてここでいう原価主義云々ということと、さっき申し上げた資本となるべきものというものとの関連でおかしくなりはしないかという気がする。たとえば地下鉄料金なんかの例をとってもわかるとおり、東京だって地下鉄については一般会計から多少の補てんはしておりますね。実際に一キロ当たり三十億もかかるものを、少し掘れば一千億くらいかかってしまうでしょう。それを料金でやるといったってこれはできない。三十年の償還期限ではやっていけないことはおわかりでしょう。そうなると、そういうことについて何らかの形の利子補給でもないことには、それこそやれない。にもかかわらず、この中では支払い利息を単に一般的に含めてしまっておる。したがって、そういう意味の原価主義をどういうふうにおとりになっておりますか、これは非常に将来大きな問題でありますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/52
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053・鎌田要人
○鎌田説明員 理論的には、やはり原価に含まれると思います。ただ、いま御指摘になったような点があるものですから、冒頭に私申し上げましたように、地下鉄についての利子補給という問題を、新しい問題として現在予算要求をいたしておるということを申し上げましたのは、そういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/53
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054・大出俊
○大出委員 それからこれもひとつ確めておかなければならぬのですが、先ほど私例を申し上げましたが、償還期限についてこれを手直しをする、あるいはもう少し弾力性を持たせて、自治体と相談をしていく、こういうふうな考え方は、いま検討している中にございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/54
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055・鎌田要人
○鎌田説明員 ございます。これも当然今後の問題になってまいるわけでございますが、上水道につきまして、政府資金を二十五年を三十年に、それから公庫資金は二十三年にしたわけでございますが、公営企業につきましても、そこから漏れておりますところのたとえば工業用水とか下水道、こういったものも同じにいたしたい。そういう意味での公庫の別途出資も、予算要求に出しておるところでございます。
なお、全般的な償還年限の延長については、続けて努力をいたしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/55
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056・大出俊
○大出委員 先ほどのお話にありました職員の側、つまり年功序列云々に触れられましたね。そちらの側の、たとえば職務給にするとかいうのは、どういう形でお出しになるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/56
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057・鎌田要人
○鎌田説明員 現在、どういう表現にするか検討中でございます。思想としては、いままでるる申し上げてまいりましたように、年をとっていって能率というものが悪くなっても、なおまっすぐ伸びていく、こういう形の昇給曲線はおかしいのじゃないだろうか、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/57
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058・大出俊
○大出委員 そうすると、職務給なり能率給なりに切りかえるということをよく言われるのですが、管理者は労働組合相手にそういう俸給体系を変えるよう交渉をするのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/58
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059・鎌田要人
○鎌田説明員 給与の基準という考え方は、現在でも給与の規定はございますけれども、その給与の規定に所要の改正を加えたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/59
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060・大出俊
○大出委員 そうすると、当然これは労使関係の問題になる。そう御解釈ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/60
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061・鎌田要人
○鎌田説明員 現行法と同じ考え方を持っております。現行法と同じと申しますのは、規定のしかたということでございます。当然決定せられるのは労使間で決定せられるわけでございますけれども、その場合の基準というものは、現在でも公営企業法にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/61
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062・大出俊
○大出委員 そうすると、特に現行の基準でいくのならば、特に手を加える必要はない。そうすると、現行の基準をどう変えるというのですか。それとも変えないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/62
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063・鎌田要人
○鎌田説明員 現行の基準でございますと、生計費、それから国、地方公共団体の公務員給与、民間企業の給与その他と、こういう非常に不明確な規定になっております。これは、これから私どものほうで案をつくって御審議をいただく過程になるわけでございますので、現在どういう表現でこれをあらわすということは考えておりませんが、現行の規定は表現を少くとも変えたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/63
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064・大出俊
○大出委員 それはようやくわかりましたが、地方公営企業法の改正という形で国会へ出すということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/64
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065・鎌田要人
○鎌田説明員 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/65
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066・大出俊
○大出委員 これも、さっき途中になっておりますから聞いておきますけれども、利子補給とは、たとえばどういうふうに利子補給を提起されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/66
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067・鎌田要人
○鎌田説明員 企業再建債の場合でございますと、三分五厘をこえて八分までの分を利子補給をする、こういうやり方でございます。現在再建団体についてやっておりますね、あれと同じやり方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/67
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068・大出俊
○大出委員 そうすると、それは法律的な関係は出てこない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/68
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069・鎌田要人
○鎌田説明員 当然再建措置につきましては、再建措置の規定が、立法措置が要ります。先ほど、私、立法措置と財政措置と、ころいうふうに分けて申し上げました際に、ちょっと表現が不正確でございましたので訂正さしていただきますが、再建措置の関係は、当然立法措置を必要といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/69
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070・大出俊
○大出委員 ところで、この辺で時間がありませんから本題に入りますが、佐藤総理は、非常な赤字で、今回のベース改定にあたって——大体みな二月くらいに各地方議会の関係でなっていくのだろうと思うのでありますが、そこで独立採算制が本来のたてまえだが、収入が少なければほうっておかぬ、地方自治体と相談して借り入れ金や起債について政府も協力していきたい、こういうお話なんでありますが、片方では財特のほうにあるわけなんですが、公営企業のほうはないわけであります。その辺はもうちょっと皆さんの段階で、総理の言われることを引き継いでお考えいただくとして、そこいらはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/70
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071・大西正男
○大西政府委員 御承知のように、地方公営企業法には、例の人事委員会は給与の問題に関与しないことになっております。ということは、給与の問題は労使間といいますか、労使間の団体交渉できめられる。ただし、公共企業体等労働関係法ですか、それによりますと、予算上あるいは資金上できない問題をやっても、それはそのまま効力は発生しないという制限がある。こういうような法制になっておるわけでございます。そこで、地方公営企業の職員の給与費につきましては、総理とも言われましたように、独立採算制をとるたてまえの上に立って、そうして経営の合理化等、企業みずからの努力によって捻出すべきものであるということ、これが当然の原則だと思うのでございます。したがいまして、従来も、給与改定に際しまして国において財源措置を講じたことはございませんし、また今回も、国としてもこのための特別措置を講ずる考えはございませんことは、御承知のとおりでございます。
そこで、この総理が言われたことについての関連でございますけれども、現在、地方公営企業の経営は全般的に悪化しておりまして、政府としても早急にその対策を講ずる必要があると思われております。これは先ほど来論議の対象にもなっておる点でございます。さきに自治大臣に対してなされました地方公営企業制度調査会の答申の趣旨もございますので、制度の改正、あるいは企業体の量的拡大、あるいは質的な改善、そして赤字対策の再建措置、その他の措置を講ずることによりまして、地方公営企業の健全化をはかりたいと考えておるわけであります。このような措置が適切に講ぜられることによりまして、地方公営企業の健全化が実現をして、おのずから給与問題についても安定をすることが期待をされる、こういうふうな観点に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/71
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072・大出俊
○大出委員 だめ詰めをしてもしょうがないのですけれども、自治省と相談をして協力をする、借り入れ金云々というようなことまで触れられておりますけれども、総理の言われることはそういうことだと思います。
いま、東京はどうかわかりませんけれども、横浜にしても、大阪にしても、あるいはその他の都市にしても言えることは、多い少ないはあっても、ほとんど赤字をかかえて四苦八苦している。料金値上げをしたとたんにまた赤字だというところまであるわけですね。そうしますと、今度のベース改定にあたって、人事委員会その他の——これは準ずるということですから、簡単に言ってしまえば。ですから、これは旧来の慣行もありますから、現実の問題として、いまの状態の中では、じゃあ交通だけは上げないというわけにはいかないのですね。そうなった場合に、何とか上げなければならない。上げたらとたんに別の面での制約が出てくるというふうなことでは困まる。その辺のところがいま実は問題点なので、この間ああいう質問をしておいたわけですが、そこらあたり、今回の予測される地方自治体のベース改定について、どういうふうにお考えになっておりますか。よく通達などが流れてくるので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/72
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073・鎌田要人
○鎌田説明員 公営企業の給与という面につきましては、ただいま政務次官からも詳細にお答えがございましたように、やはり企業自身の努力によって給与改定というものは行なうべきものだという、これは鉄則といいますか、原則だろうと私は思うわけであります。それに対しまして、この給与改定の原資を用意する、世話するということは、いかがなものだろうか、こういう感じを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/73
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074・大出俊
○大出委員 あまりどうもそこから先をこまかく言わぬほうがいいと思って言わないでおりますが、しかし、いま自治体をながめてみると、一般会計との関係においても、東京なんかの場合には、地下鉄の分については多少見ておったり、川崎なんかにおきましても、たとえば水道が赤字になっても、交通が赤字になっても、それなりの措置は一般会計との関係でやってきているわけですね。そういうところが各所に見られるわけです。そこで、先ほど言われる一般会計とそれから独立採算のワクとの相関関係が方々で出てきているわけですね。企業努力の面については、横浜なんかでもやっておりますように、赤字路線の廃止を前回の議会できめてみたり、いろいろやっておりますね、さらにワンマン電車を走らせる計画をどんどん進めてみたり。しかし、それはそういう企業努力を幾らやっても、一ぺんに半分の人の首を切ってしまうわけにはまいらぬでしょう。そうでしょう。そうだとすれば、企業努力をやりながらも、なおかつ料金を思い切って値上げでもせぬ限りは、単年度赤字を黒字にしろという中間答申が出ても、現実にちょっとやりようがないわけですね。それを抜本的にさかのぼれば、さっきから申し上げたような固定資産の問題、自己資本の問題まで発展していってしまうという性格を持っている。ですから、そういう点について、つまり起債云々というワクについて、そういう事情で赤字だからといって、ベース改定をやったらとたんに、また自治省のほうは起債のワク云々について将来こうこういう計画を持ってこいというようなことをすぐ始めるわけですが、そういうところについて、各自治体が自主性を持ってやっておるわけですから、それがスムーズに行なわれていくように自治省の側が考えないと、せっかくあなたのほうが公営企業法の改正などということまでお考えになっているとすればなおのこと、こういう点について実は私はものを申し上げたい前提として総理に答弁を求めておいた、こういうわけですから、そこのところあたり、あなたのほうはどうお考えになっているかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/74
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075・鎌田要人
○鎌田説明員 繰り返しになるわけでございますけれども、やはり公営企業自身といたしまして、私は先ほどの総理の御答弁をうしろで拝聴いたしておったわけでありますが、あのときに料金の問題についてもお触れになられました。私は、公営企業というものが独立採算ということをたてまえとする以上は、原則として料金という問題は忘れることはできない。料金を上げるということについて、やはりもっと勇敢に取り組んで公営企業もまいるべきではないだろうかという感じもするわけです。あるいはまた、中での経営の合理化という点につきましても、合理化ということばには本来それだけで非常に嫌悪される向きもあるわけでございますが、そういう意味での合理化ではなくて、広い意味で、どういう方法でコストというものを、非常に抽象的なことで恐縮でございますが、軽減することができるか。何ももうける必要はないわけでありますから、その中でもしうまく余剰が出るようであれば、むしろ積極的に料金を下げるという方向に持っていってもいいのではないか、そういう意味での企業努力というものを、ことばは過ぎるかもしれませんが怠って、ただ給与改定をするのに金をよこせ、こういうのでは、ちょっと私どもとしても話し合いに応じかねる、こういう気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/75
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076・大出俊
○大出委員 二つ申し上げておきますが、一つは、さっき私がるる申し上げましたような原因、結果があるわけでして、ずいぶん長い期間にわたって電車が走っておりまして、しかもそれについては地域住民の、つまり受益者の側の負担もあってのことなんですから、してみると、やはり自治省の側も、自治体における公営企業が、病院にしろ水道にしろ交通にしろ、何とかこの赤字を切り抜けて動いていくような同じ立場に立っての努力をしていただかぬと、何か知らぬけれども、てっぺんで二百五十条でぽんと押えてあるような押え方をされると、自治体というのはうまく回っていかない。まして税源配分等の関係からいっても、たいへんな負担を負わされておるわけですから、そういう点、ひとつそういう方向でのものの考え方、それが私は出発点になっていただきたいという意味なんです。貸し付け限度額なんかの問題をめぐっても、各自治体はずいぶん苦労しながらやっておるわけですから……。ところが、そこのところを少し限度額を上げなければ改定ができませんから上げたりしていきますと、とたんに起債の面では制約が加わるといったような形のそういうとらえ方でなくて、なぜそうなったかというその自治体における原因、結果、現状を把握して、ともにこれはひとつ前向きで赤字を切り抜けていくという方向の努力が必要だろう、こういう気持ちなんです。
それからもう一つは、これは承りたいのでありますけれども、つまりいまここまでお話をいただいたのですから、要綱か何か皆さんの側になければならぬと思うわけなんです、この答申を受けてどういうふうに企業法の改正をやらなければならぬかという。したがいまして、それらの関係の書類ができているのかいないのか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/76
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077・鎌田要人
○鎌田説明員 いわゆる俗なことばで申しますたたき台というのがございます。ただ、これはとても外にお示してどうこうというのにたえられるようなものではありません。役所の内部手続の作業の段階だというふうに、御理解いただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/77
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078・大出俊
○大出委員 そうすると、先ほどお話しになっただいぶこまかい給与に触れたことまであるのでありますけれども、たたき台をお話しになったということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/78
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079・鎌田要人
○鎌田説明員 答申に即しながら、答申についてのお尋ねでございましたわけでありますし、私どもといたしましてもそういう考え方でおるということで御説明申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/79
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080・大出俊
○大出委員 くどいようですが、先ほどお話しになった点はほぼ固まっていると見ていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/80
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081・鎌田要人
○鎌田説明員 先ほど申しましたように、これから部内の調整を行ない、それから関係各省とも調整を行ないまして、法制局の審議を経て出す、こういう過程になるわけでございます。したがいまして、まだこれで確定をしたというものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/81
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082・大出俊
○大出委員 それでは、部内の予定はいつごろということにしてあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/82
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083・鎌田要人
○鎌田説明員 国会に出す提案の予定でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/83
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084・大出俊
○大出委員 これからこの案をまとめて法制局云云というところまでいまおっしゃっておるのですが、大体どのくらいのめどで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/84
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085・鎌田要人
○鎌田説明員 一月の下旬というところを一応の目安に置いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/85
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086・大出俊
○大出委員 わかりました。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/86
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087・河本敏夫
○河本委員長 この際、午後三時まで休憩いたします。
午後一時三十九分休憩
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午後三時四十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/87
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088・河本敏夫
○河本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/88
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089・受田新吉
○受田委員 今度の給与関係の改正法案で、御足労願っている地方公務員関係の給与の問題から先に質問をさしていただきます。地方公務員法の規定によると、地方公務員の給与というものは、国及び他の地方公共団体の給与あるいは民間賃金等その他の事情を勘案して、条例をもって決定するような規定が掲げられてあります。ところが実際問題として、国及び他の地方公共団体の給与を比較してきめられたにしては、著しくアンバランスである。もちろん地方の特殊性というものがこれに加味されていることは理解できるのでありますが、その比較の上にあらわれた数字は著しく不均衡であるということ、自治省としては、この不均衡をどう是正されようとしておるのか。この間、十月の初めにも私当委員会で各地方公共団体間の給与の不均衡是正に適切な措置を講ずべきじゃないかという質問をして、何とかの措置をしたいと永山先生言っておられたのですが、十一月十二日に自治事務次官通牒をもって、「地方公務員の給与改定に関する取扱いについて」という依命通知を出しておられます。これを一応拝見すると、ある程度の配慮をされていることがわかるのでありますが、現実に、長い戦後の給与改定史の上において、なぜかかる膨大な金額の差を各地方公共団体間で生ぜしめてきたか。最近の統計を見ますと、実態調査は三十八年の統計しかないようでございますが、これは俸給の面で比較しておるようですが、国を二万五千と置いた場合に、五大市が三万三千円をこえており、町村は二万円しかもらっておらぬ。五大市に比べると、半分ちょっと多いという程度の給与しかもらっておらぬわけです。私、ついでに言うておきますけれども、町村の場合などは、もうまことに不当な金額しかもらっていないのです。不法とはあえて申しませんけれども、不当に低い。特に町村合併促進前はその傾向が著しかったのですが、町村合併促進法の施行とともに、合併された町村はある程度それが是正される方向にあります。しかし、まだ三千とか四千とかいうふうな小さな村が残っているのですけれども、そういうところを私はこの前、再開前に行って聞いてみると、やはり一万円そこそこの給与をもらっている正規職員がおるわけですね。これはたいへんふかしぎなことであって、もちろん町村の財政の逼迫した実情、また人事管理権というものが町村長にあって、町村長の胸一つで給与をきめている、頼まれた者の情実採用、そういうようところから、あるいは事業費の中で給与に振り当てる余裕があまりないとか、いろいろ事情があって、町村の給与は不当に低いところに置かれておると思うのです。やはり公務に従事している公務員という立場になるならば、一応形のつけられた、生きるための最低の保障がされるかっこうが、地方公務員にも私はとられなければならないと思う。どんぶり勘定で、ある予算を融通性を持たせて適当な人員採用に振り当てるというような形の、旧時代的な給与体系が依然として末端町村に残されているというところには、自治省の指導のしかたが大きな欠陥を生んだと私は指摘せざるを得ないのでございますが、御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/89
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090・大西正男
○大西政府委員 地方公務員の給与の実態につきましては、御指摘のようにいろいろとアンバランスがあるのが実態でございます。御承知のように、昭和三十八年の地方公務員の給与実態調査の結果によりますと、国家公務員との給与の比較では、御承知のラスパイレス指数というものによりまして、国家公務員を一〇〇といたしまして比較をいたしますと、六大都市等におきましては約三割ぐらい高く、一三四・二という指数になっております。そしてまた、都道府県におきましては一〇七・九、それから市におきましては一〇八・三、これらはいずれも国家公務員よりも、指数におきましては高くなっておるわけでございます。その中で、特に六大都市におきましては著しく高くなっているということがいえるかと思うのでございます。ところが、御指摘のように、町村におきましては遺憾ながら八七・二という指数でございまして、国家公務員よりも低くなっておるということは、まことに遺憾な点でございます。しかしながら、この実態調査の結果は、三十八年の調査でございまして、その後こういった調査がなされておりませんけれども、推定におきましては、三十九年度におきましては九〇あるいはその近く、そしてまた改善していくということでございますので、漸次高くなってきておるのではないかというふうに推測をされるのでございます。これはかねがね自治省におきましても、国家公務員に準ずるような方向に進むように指導してまいったのでありまして、それに沿いつつ向上しておるということは幸いと存じておりますけれども、それにいたしましても国家公務員のそれにまだまだ及んでおらない点は、遺憾に存じておるわけでございます。さような実態でございまして、今後とも自治省におきましては、国家公務員のそれに準ずるように、向上さす方向に指導をし、かついたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/90
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091・受田新吉
○受田委員 それは形式的な行政指導を一そう強化をしていきたいという立場の御発言であって、中身に触れた、真に問題点の解決をはかろうとする具体的な案ではありません。形はそれで一応うなずけるのでございますが、どういう方法でそれを是正するのかということです。自治省としては、地方交付税率の調整をとることで給与費の改定について手心を加えるということは、本質的にはなし得ないことだと思います。単に注意するというだけでは、また従来のとおりじんぜん月日をけみするということになります。具体的にはどういう方法をおとりになるか、お答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/91
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092・大西正男
○大西政府委員 具体的な問題につきましては、技術的な問題もございますので、参事官に御答弁をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/92
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093・降矢敬義
○降矢説明員 給与の是正につきましては、ただいまのお話のありましたとおり、現在の法制のもとでは、地方団体が公務員法の原則に従って自主的に条例できめるたてまえになっておることは、御案内のとおりでございます。したがいまして、自治省としては適時行政指導を行なってきたわけでございますが、御指摘がありました町村の低給与の問題につきましては、三十五年と三十九年に特に通達を出しますとともに、三十九年におきましては、給与の諸制度に関する規則、規程等の整備がまだ十分にない市町村がございます。したがいまして、たとえば御指摘がありましたようなどんぶり勘定的なものを廃止をいたしまして、初任給基準をきっぱりきめるというような具体的な指示をいたしますとともに、特に低給与というふうに考えられるようなところにつきましては、県の地方課を通じまして是正の方途を具体的に指導していただくという措置をとってきたところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/93
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094・受田新吉
○受田委員 県の地方課を通じてというお話がいま出たのですけれども、初任給の基準はかくかくである、昇給昇格はかくかくであるというような、国家公務員の基準をもとに地方公務員の給与をその水準に近づけるというような指導ぶりになっておるのか。ばく然としたかっこうで地方課に指示をしたというのでは、これは実績をあげることはむずかしゅうございます。また、任用規定等も、試験採用でいくような方式をとるか、あるいは情実採用というものをどの程度許すか、そういう問題もひそんでおると思うのです。情実人事で、圧力団体の責任者あるいは個人に頼まれた履歴書を、何ら顧慮することなくして情実採用をしておる。これが実情は相当数に及んでおるわけです。おわかりいただけると思うのです。特に町村では、その町村長の息のかかった者を職員にして、町村長の勢力拡大の道具に使うという危険さえある。これは公務員制度の一つのガンでございます。ここを町村の職員に至るまですかっとした形で、任用の制度から給与の制度に至るまで国家公務員に準ずるという地方公務員法の規定をすなおに施行するための指導が、されておるかどうかです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/94
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095・降矢敬義
○降矢説明員 御指摘のとおり、任用、それから初任給基準等につきまして、かなり現在まで規則の整備が十分にない町村がございます。したがいまして、任用につきましても、たとえば県の人事委員会に委託をして試験採用をするとか、あるいは町村の連合組織を通じた試験の採用方式をとるとかいう、つまり原則的な試験採用の方途を講ずるという方向で具体的に指導しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/95
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096・受田新吉
○受田委員 実績が具体的にどのようにあらわれているかという御調査をされたことはないか。たとえば試験採用者が何人おるか。地方公務員の試験合格者、それはその市町村でやってもいいのです、どこでやってもいいが、そういう方法をとって採用された者が何人おるか、情実採用が何人おるか、こういうようなところまで掘り下げてやられたことは、おそらくないと思うのです。つまり一応形の上では指導をしておられるけれども、具体的な筋の通った調査はしておられない、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/96
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097・降矢敬義
○降矢説明員 調査の点につきましては、遺憾ながら私は十分承知しておりません。ただ、私が最近までおりました北海道におきましては、三十八年から全市町村が連合をして試験採用に踏み切っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/97
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098・受田新吉
○受田委員 実際の問題として試験採用をどうしておるかということを調べてみたらわかるのです。試験採用というのは、市の段階までは一応やっておると私は認めます。町村の段階でそういうことをやっておるところは、もうほんとうに模範的なところで、実際はいま私が指摘したようなかっこうでやられておるのです。これは政府としてはむずかしい御答弁になるわけですけれども、掘り下げた、中身のある指導をされないと、お忘れになるということです。だからこそ、今日これだけのアンバランスが給与の上にできてきた。安井先生、自治大臣をやられたことあったでしょう。だから、あなたに国務大臣としてこの問題を先にお尋ねしますからお含み願いたいのですが、この間の自治事務次官通牒の根底は、四十年十月二十二日の閣議決定、「公務員の給与改定に関する取扱いについて」、これはおそらく安井先生が柱になっておきめになられた問題だと思うのですが、この閣議決定、「一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員の給与については、」云々の「改定を行なう」。「特別職の国家公務員の給与については、」「人事院勧告の趣旨に沿って、」「改定を行なう」。三番目は「上記の改定は、」「九月一日から適用する」。「上記の給与改定に関連して、行政運営の簡素能率化、人員増加の抑制、配置転換等により極力人件費の増加を抑制するとともに、経費の節減の合理化を図り、公務能率の向上と国民負担の軽減に努める」、こういうことがあって、その次は「地方公務員については国家公務員に準じて、それぞれの地方公共団体が、それぞれの財政事情、給与事情等を考慮して給与改定を行なうものと考えるが、すでに国家公務員の給与水準を著しく上回っているような地方公共団体においては、給与費の合理化について格段の努力を行なう」と書いてあるのです。これは、大臣、あなたが主流になってやられたと私は解しますが、給与担当の国務大臣として。地方公務員は自治大臣、これはもうはっきりわかっておるのです。このことについて、「地方公務員については国家公務員に準じて」、こういうことがありますが、その中で「すでに国家公務員の給与水準を著しく上回っているような地方公共団体においては、給与費の合理化について格段の努力を」する、これはあなたはどういう努力をするのですか。実績をこわすという形で実施するのか、あるいは次の昇給の際には昇給延伸等の措置を講じて、現在のところは実収入を減らさないような方法をとっていくとか、何か具体的な方法、目標をどこに置いておられるわけですか。これは大臣としては、自治大臣の経験者であり、給与担当国務大臣として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/98
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099・安井謙
○安井国務大臣 地方公務員の給与につきましては、ただいま御指摘のように、地方団体それぞれにおいてそれぞれ自主的な決定をしておりますために、相当な格差があるわけであります。したがいまして、その格差というのは、たとえば今度は国の公務員に比べましても、それぞれの格差が生じてきておるというのが実情であろうと思うのです。しかし、おおよそ公務員の標準というものが、いまのところ、高いにこしたことはありませんが、あろうと思うのです。大体は国の公務員の標準を中心にしていろいろものを考えて地方もやっていただきたいというのが、趣旨でございます。したがいまして、地方公共団体の中にその水準を著しく逸脱したようなものがあるとすれば、そういうものについては、今後若干そういう手直しといいますか、なるべくなら近い水準に置くという目標のもとに今後作業してもらいたいという趣旨を織り込んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/99
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100・受田新吉
○受田委員 それでは、それが具体的にどういう方法でできるか。実際にはこれはかけ声だけでは意味をなさぬし、努力してほしいというのに、具体的にどういう方法があるか。私はいま一つ具体的例を出したのですが、いま次官から御指摘をされたような国家公務員の基準よりも三四%も高い五大市もある。それから八割とちょっとしかない町村もある。その三割半も高いようなところを押えるということにならなければ、いまの努力をすることにならぬわけですね。それはどういう形でそれを押えられるのか。地方の自主性も尊重しながら、この閣議決定の趣旨を実行する具体的な方法をお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/100
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101・安井謙
○安井国務大臣 ここでは内閣としての希望といいますか、期待を申し上げておるのであります。地方公共団体に給与をこうしろという命令をするわけにはまいりません。したがいまして、著しく高額なものについては、将来これを一般の国の公務員に近いような方向へ少しでも近づける方法を考えてもらいたい。その方法については、これは地方団体自体にお預けをしておくというつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/101
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102・受田新吉
○受田委員 方法を考えてもらいたいというのでは、地方自治団体はそう知恵が働かないわけです。また、組合との交渉もあるから、そこでかけ声は決して実践に移されることはできない。具体的にはこういう方法があるというようなことを、押しつけるわけじゃないのですからね、努力をする過程における知恵というものについて、やはり政府が地方公共団体に指導しなければならぬ。命令をするのではなくて、指導することは権限があるわけでございますからね。それを政府委員のほうから御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/102
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103・降矢敬義
○降矢説明員 閣議決定の趣旨は、いま大臣から御答弁があったような趣旨であるとわれわれも理解して出したわけでございますが、具体的にはこの次官通知の中でも、従来一斉昇給期間の短縮とかあるいは標準職務に必ずしも適合しないわたりというようなものが、これは実際の運営において行なわれておりますので、そういうことは国の給与制度に準ずるとは言いがたいので、そういう措置はとらないほうがいいという意味のことを書いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/103
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104・受田新吉
○受田委員 当たらずさわらずで、具体的な指導内容というものを指摘しない限りは、なかなか地方公共団体としてもいい知恵が出ないものです。いわんや全国的なバランスをとろうとする場合においておやです。市などは自覚症状というものがほとんどないわけですから、慣例で、惰性で、どんどんどんどん上がっていくのです。それから低い町村になってくると、今度は二年間も三年間も昇給ストップ、財政が困難だからというので、何年間も俸給を全然上げない。こういうようなかっこうをとるから、この差が何ぼでも出てくる。そういうことを具体的に示さないと、自治省としては常に概念的なものを示して努力せよと通牒を出したからといって、実効はあがり得ないと私は思う。給与の低いところは、それなら水準までどう上げるか。一般交付税率を高める。特別交付税のほうとは違いますから、一般交付税をどういうふうに税率を高めていくとか、こういう形が具体的に示されないと、これはなかなか実効はあがらぬですよ。こういう通牒は、単に一片の通牒にとどまるのが政府の従来のあり方でございます。特に自治省は、かかる通牒を出された以上は、具体的に実績があがるように指導をされないと、まあ市町村が条例をつくるだろうというのでは、つくる基準になる知恵がなかなか出ません。もっと親切に、政府がねらっているところがもっと早く効果があげられるような方法をおとりになられたい。知恵がないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/104
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105・降矢敬義
○降矢説明員 ただいま申し上げた内容がちょっと足らなかったと思いますが、この閣議決定を受けまして次官通達を出したわけでございますが、その中にいま申し上げましたような昇給の一斉——いわゆる三短、六短というようなこと、あるいは標準職務に適合しないかなり広範囲なわたりというようなものについては、これは行なわないようにすべきであるという趣旨のことをつけ加えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/105
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106・受田新吉
○受田委員 それから町村の段階では、俸給表の作成のしかたでも、職務の内容の問題でもはっきりしない。もうあなたの町村の俸給表を見せてくださいと言っても、俸給表のないような町村がある。そういうようなもうわずかしかおらぬところは、系統的な、国家公務員について人事院の勧告に基づき政府が出される法案のような方式のところになかなかいっていない。条例を制定するときにもっと知恵をめぐらして、町村段階にまで筋の通った体系を仕立てるという指導をされないというと、実績はあがり得ないと思うのです。それ以上申し上げてもしょうがないですが、自治省としてはそういうところを努力してもらいたいのですよ。よろしゅうございますか。いいかげんなものになってくるのです。一片の通牒にとどまる危険がある。
それから給与費の地方財政の中に占める比率、部位、これはどの程度ですか。全国平均でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/106
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107・降矢敬義
○降矢説明員 三十八年度の決算によりますと、総計が三〇・二%。県は三九・九%、市町村は二〇・八%になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/107
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108・受田新吉
○受田委員 それで見られるとおりです。町村は二〇%ばかりですね。それからまた他のところは三〇%をこえる、四〇%近いところもある。しかし、大体三分の一から四分の一というところにおるわけです。したがって、給与費というものは地方財政の上においては非常に高い部位を占めている。この給与費の上がることは、地方財政の上に実にせっぱ詰まった氣持ちを与えることになります。毎年何とかして地方公務員の給与の支給条例をつくっておるが、ことしが最後ことしが最後というところで、ぎりぎりのところをやっておるのです。ことしもまたその新しい苦悩を続けなければならぬというので、地方財政の担当者はもう実に言い知れぬ苦悩の色を示しておるのですね。自治省としてはやはりこの問題は、全国的なアンバランス是正の問題にあわせて、地方財政に占める給与費の部位、そこの苦悩を解消させるための何らかの中央からの財政的なお手伝いの方式をとるとか、あるいは制度的に人員の増加を停止して能率を高めるような方式に切りかえる指導をするとか、どこかでひとつりっぱな具体的な案をお示しになって、指導されることを私は希望するのです。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/108
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109・鎌田要人
○鎌田説明員 ただいま御指摘いただきました事項は、実は私ども自身の悲願でもあるわけでございます。給与費というものが地方財政に対して大きな重圧になってまいっておるわけでございまして、歳出全体に占めまする構成比はいま御説明申し上げたとおりでございますが、一般財源から見ますと、六割をこえる団体が出てきております。ここで何と申しましょうか、特に注意を喚起したいと思いますのは、地方の給与費の中で大体六割が警察、教育、消防関係でございます。いわゆる一般の行政管理といいますか、そういったものに従事しておりまする一般職員というのは四割でございます。この中で教員につきましては、法律あるいはまたそれに基づきまする政令で定数がきまっております。警察官においても政令がきまっております。これは地方団体の財政の実情とはかかわりなしに、法律あるいは政令によって人数がふえていく、こういう形にあるわけでございます。あるいはまた国自身のいわゆる補助職員——補助金を与えることによりまして設置を強制いたしておりますところの職員というものがふえておる。こういうところからいたしまして、地方団体自身、もちろんただいま申しましたような事務の簡素化による人員の節減でありますとか、あるいは高い給与については、いま積極的に切り下げることはできないわけでございますが、給与費がこれ以上伸びないような措置というものを、やはりそれなりにやってもらわなければならぬと同時に、国自身においてもそういったところに協力していただくといいますか、そういう点が必要であろうと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/109
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110・受田新吉
○受田委員 これはまた、富裕地方公共団体と貧弱地方公共団体との間の問題も起こってくるわけです。固定資産税等の収入の多い富裕市町村というものは、もうばかに恵まれておる。これはやはりそうした公共団体間のアンバランス是正という問題が、同時に考えられなければならぬと思うのです。隣同士で、一方は非常に富裕、一方は非常に貧弱というようなことが、山口県の私の郷里にも具体的に幾つも出ておるのです。それが相反目して、地方公共団体のあり方、政府の指導のしかた、政府のやり方に対する手きびしい批判が一方側に出ておる。こういう問題と一緒に地方行政上のガンをえぐり出して、正常化させるための努力がまた別のほうで要るわけなんですが、自治省としては、こういう富裕町村と貧弱町村との関係、特に貧弱農村対策などとあわせて、財政措置の面で何か根本的な名案を打ち出せませんか。税金の問題などで富裕町村との間のバランスをとる方法だってあるじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/110
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111・鎌田要人
○鎌田説明員 ただいま御指摘になりました点は、たとえば固定資産税でございますと、償却資産の額が非常に大きいものにつきましては、御存じの地方税法の規定によりまして、一定限度の額以上は県が固定資産税を課税することとして、その財源を施設や事業の形で他の市町村に潤してやるというような制度を設けておりますが、そういうところに仕事をしてやる、県の仕事としてそういう財源に恵まれない市町村を対象にした行政をする、こういう道を開いております。そのほかに、団体間のいわゆる財源の不均衡是正ということになりますと、やはり交付税の作用によらなければならない。先ほどからお話がございました町村といえども、交付税の基準財政需要におきましては、国家公務員並みの給与改定はできるだけの財源措置というものは、常にいたしておるということをあわせて申し上げておきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/111
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112・受田新吉
○受田委員 私もうこれ以上申し上げてもしかたがないのでございますが、これは国務大臣としての安井先生も、全般の問題として考えていただかなければならぬし、それから事務当局も、今度の地方公務員の給与アンバランス並びに地方財政上に占める公務員の給与の比率、そういうようなところからせっかくこういう通牒を出された以上は、この通牒の趣旨がどう生かされてきたかをさらに資料を提出せしめて、その資料に基づいて検討された上に、君のところはもう少し検討する必要があるとかいうような再通牒を出すとか、水準の低いところは、どういう方法でやったかを検討して新しい指導を加えるとか、一片の通牒にとどまらないようにひんぱんに当局の意思表示を地方公共団体に示して、困っている地方公共団体に希望を与えるような措置をしてもらいたい。よろしゅうございますか、これを御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/112
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113・安井謙
○安井国務大臣 これは私国務大臣として、何も地方財政だけじゃありませんが、受田さんの御指摘のように、政府の施策というのが、どちらかというと計画倒れになっておる、あるいは指示のしっ放しになっておるという傾向は、確かにあろうかと思います。できた計画あるいは指示がどう実行されたかを——たとえば予算につきましても、予算が実際どう実行されたかをチェックする決算の調べというのは、非常に時期がおくれてくるとか、そういう欠陥は確かにあると思います。そういう御趣旨につきましては、御意見をよく体しまして、全般的にも今後も善処するように努力をしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/113
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114・受田新吉
○受田委員 もう一つ地方公務員の問題点があるわけですが、それは地方公共団体の職員の中で最も高い数字を示しているのは教職員です。この教職員の給与というものは、教育職の俸給表(一)、(二)、(三)とあって、公立などでは一応教育職(一)を用いる大学もあるが、大体(二)と(三)ですが、これは超過勤務手当というものは教職員には原則としてないことになっているので、本俸の上で金額が一般の公務員よりはちょっと高い水準に置かれていることは、御存じのとおりなんです。その水準の高い部分が超過勤務手当に振り当てられる精神も加味していると判断するが、いかがですか。これは人事院の解釈をしていただいてもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/114
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115・瀧本忠男
○瀧本政府委員 ただいま御指摘のように、教育職員につきましては、教育職員の勤務の態様というものも一般職員に比べまして非常に特殊性があるというような事情も加味されまして、それで教育職員の給与水準が高くなっている、このように承知いたしております。そこで、教育職員におきましては、これは文部省の通達が出ておりまして、御存じのように、一般職と異なって、個々の教職員に対して勤務時間の割り振りをする、こういう形で事実上超勤があまり行なわれない、こういうことで行なわれている、このように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/115
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116・受田新吉
○受田委員 そうしますと、御存じのとおり、最近裁判事件が起こっている。教職員の超過勤務手当は支給しなければならないという判決がされている。この問題はどうお考えになるか、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/116
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117・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 地方公務員ではありますけれども、便宜私からお答え申し上げます。
判決についてとかくの批判をすることは、その立場ではございませんけれども、本来の筋の問題としては、いま給与局長も言いましたとおりに、実際上は超勤命令を出さないで済むような勤務体制になっているという原則できていると思いますけれども、しかし、超過勤務命令を出すことも、これは観念上は当然あり得ることで、超過勤務命令を正規の形で出されれば、それはそれに応じた手当の支給は当然なされなければならぬ。これは私どもが昨年の人事院の勧告につけました報告においても、そのことは言及していることであります。そういう根本の考え方は、当然あるべきものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/117
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118・受田新吉
○受田委員 だから、教職員には超過勤務制度がないんですね。ないのにこれを支払うというのは、どういう方法で支払えばいいのですか。たとえば学校長が超過勤務の命令を下したというときに、その財源はどこから出しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/118
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119・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 具体的な問題まで私がここで詳細にお答えする資格はございませんが、いま触れましたように、大体勤務時間の割り振り等で超勤命令を特段に出す必要がないたてまえになっておって、したがって、超勤命令は出さないというなら、出さない前提ですべての制度なり予算措置ができておってもそれはかまわない、出すなら出すというたてまえでまた別の考慮が必要であろう、そういうことではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/119
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120・受田新吉
○受田委員 国家公務員たる教職員の場合はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/120
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121・瀧本忠男
○瀧本政府委員 超勤制度が全然ないわけではございませんので、これは国の場合におきましては、たとえば入学試験でありますとかあるいは論文審査というような場合に、非常に長時間の勤務をいたすという場合に対しましては、超過勤務手当を支給するということになっておりまして、予算も組んであるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/121
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122・受田新吉
○受田委員 それ以外の場合でも、超過勤務をなし得る事例が一応示してありますか。入学試験のときとかいうような夜を徹してやるような場合のほかに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/122
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123・瀧本忠男
○瀧本政府委員 いま私が申し上げましたのは、入学試験の場合あるいは論文審査の場合等に対して超過勤務手当が支給できるように予算上の措置が講じてある、こういうことを申し上げたのであります。そこで、それでは教職員に超過勤務があるかどうかということにつきましては、先ほど私が申し上げましたが、さらに総裁からお話がございましたように、正規の命令がございまして、それでその命令に基づいて超過勤務が行なわれるということがありました場合、これはもう当然超過勤務手当は支払わるべきものである、このように人事院は考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/123
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124・受田新吉
○受田委員 国家公務員の場合は、超過勤務手当の額が明示されているわけですね。つまりそれよりもはみ出るようなことにならないような基準を一応示して、額が割り当てられておると思いますね。それ以上に超過勤務手当を命令によってどんどん支給するような形が野方図にされるというようなことになれば、むしろ超過勤務をやって一時間に百分の百二十五とかというようなことをやはり適用させるような方途を講ずることが筋が通るわけです。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/124
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125・瀧本忠男
○瀧本政府委員 予算の範囲内で超過勤務を命ずる、こういうたてまえに相なっておるわけであります。そこで、先ほど御指摘になりましたように、教職員の給与というものは、一般職とは非常に違っておる。場合によっては把握しにくい。あるいはその教育活動の多種多様性がありまして、濃度等もいろいろあるという事情もあると思いまするが、そういうことを一切勘案いたしまして、一般職に比べて水準の高い俸給表になっておるということでございます。一方、文部省が通達を出しまして、一般職とは違って、時間の割り振りをもう少し柔軟性を持って画一的でなしにやっていくのだ、そういうことでやるのだ、こういうたてまえになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/125
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126・受田新吉
○受田委員 そこで、今度は地方公務員の教職員の超過勤務のほうに入りますが、地方公務員の教職員に対する超過勤務手当というものの割り当てというのがしてあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/126
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127・鎌田要人
○鎌田説明員 財政措置としてはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/127
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128・受田新吉
○受田委員 国家公務員にはそういう割り当て制がしいてあるが、地方公務員にはないということは、安井長官いかようにお考えでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/128
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129・安井謙
○安井国務大臣 私も、地方公務員のほうへあまり立ち入ったことを申すのはどうかと思うのでありますが、まあ教員の特殊性で、いまもお話のありましたように、時間割り当て等によって弾力を持った給与制度をしいておるのでありまして、一般の地方公務員と多少それが違ったような形で給与自体が組まれておるんじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/129
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130・受田新吉
○受田委員 現実に高等学校などは、入学試験などということになれば、これはもう夜を徹して、しかも個人的な調査などは、国立の大学の試験などと違うほど非常に強大な超過勤務をやっているわけです。それから家庭訪問、また社会実態の調査、採点の問題、いろいろな問題、決して国家公務員よりも軽い仕事じゃないと思うのですが、国家公務員にそれが出されて、地方公務員に出されていない、これは片手落ちだと私は思うのですが、これはひとつ是正していただきたいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/130
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131・安井謙
○安井国務大臣 これは地方の教員につきましても、国の教員の例に大体は準じた扱いをしておると申して差しつかえなかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/131
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132・受田新吉
○受田委員 いま自治省当局のお話では、手当てをしていないとおっしゃるから、その超過勤務を払うネタがなければ、財源がなければ支払いができぬわけですから、どこでそれは払うのかちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/132
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133・安井謙
○安井国務大臣 少し技術的に間違っておる点があれば、ごかんべん願いたいと思うのです。
私ども考えておりますのは、地方の教員につきましても、時間割り当てといったような文部省の指示というのは、地方公務員に対してもときには指示されるわけでありまして、そういうもので超過勤務に当たるようなものを含んだ給与の体系が立てられておるというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/133
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134・受田新吉
○受田委員 それはさっき私が指摘をしたのです。つまりそれだけ俸給が高いのですから、その分は超過勤務を含んでおるというのは、原則はそうなっておるが、いまのような特別の超過勤務をやるような場合には、国家公務員では入学試験とかその他の特別のときに超過勤務手当を出す制度があるというのです。地方公務員のほうには、それがないというのです。全然財源がなくて支給ができぬじゃないかということで、判決が出たとしてもこれはどこからその金を出すかということを、地方自治のたてまえから、かつての自治大臣であり、現在の国務大臣の御意見を聞いたわけです。しかし、事務当局のほうにお聞きしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/134
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135・鎌田要人
○鎌田説明員 財政計画の上では、教員の超過勤務手当というものは組んで見ておらない、こういう形に相なっております。これは正直に申しまして、教員の超過勤務という問題については、いろいろ問題があることは御存じのとおりであります。最近静岡県の高教組の一部の人々の訴訟に対する判決があったわけでありますが、たまたま私もつい最近まで静岡県におりまして、あの訴訟の経過というものをわきから見ておったわけでありますが、実際問題といたしまして、あの判決が確定するということになりますと、この超過勤務制度あるいは超過勤務手当、それの財源措置というようなことについて、私どもも根本的に考え直さなければならない、こういう気持ちでおるわけであります。したがいまして、現在のところでは、財政計画においては考えておらない。それぞれの県におきましても、私ども勤務いたしました一、二の県の実情では、教員については、その勤務の特殊性というものからいたしまして、超過勤務手当というものは組んでおらないというのが、実情ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/135
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136・河本敏夫
○河本委員長 関連質問の申し出があります。村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/136
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137・村山喜一
○村山(喜)委員 この問題につきましては、この前に私人事院のほうに参りまして給与局長にお会いした席でもお話をいたしたのでありますが、超勤を命じて、だれが支払いをするのかということであります。支払いの義務者は一体だれなのか、この問題につきまして、御承知のように、この前の二十二日の争議をやるやらないという問題に関連をいたしまして、佐賀県の教育長と県の教職員組合との間において協定が結ばれた。その内容は、超過勤務手当の問題等についての協定が結ばれておるわけでありますが、それに対して文部省は、それは違法行為の協定であるということで、県の教育委員長も、教育長が妥結した協定については認めないという態度をとって非常に紛糾した。この中で、結局義務教育費国庫負担法という法律によれば、これこれについては国の負担とするということが掲げられております。しかしながら、超過勤務手当については、これがその条項の中にないわけであります。したがいまして、身分が市町村のいわゆる教育委員会に所属することになっておるというたてまえから、それに対しまして経費は国が半分持ち、都道府県が半分持つという形になった身分関係である。命令関係から言えば、これは校長が命令を下して超過勤務をさせる、そういうようなときに、予算項目がないのに校長が違法の命令を下した。命令を下して実際勤務がなされた場合には、これに対して支払いをするのが当然であるというのが人事院の解釈であり、今日まであらわれておる裁判の判決でも、そのような状況に相なっております。とするならば、当然その命令を下した市町村の教育委員会の所属する市町村の経費の中から超過勤務手当を支払うべきであるということに相なってくるのでありますが、そういうふうに自治省のほうとしても解釈をしておられるのかどうかということを、この際明らかに願いたいのであります。
それからもう一つは、これは人事院にお尋ねをいたしますが、管理職手当が校長、教頭にはあります。管理職手当があって超過勤務手当のない職場というものが、ほかにあるのかどうか。そもそも管理職手当というものは、管理職になれば一定の超勤もしなければならない、管理運営の機能を発揮しなければならないということで、管理職手当というものが創設されておる。それは従来超過勤務手当から発足しておることは、歴史的な事実であります。とするならば、それに対応するところの超過勤務手当というものが、教職員一般にはない。こういうような形に相なっているのは、私が知る限りでは、この教職員の職場だけしかないと思うのであります。勤務の実態という面についても、これは国家公務員である教職員の場合を人事院は対象にしているのでありますが、事実上は、国家公務員である教職員の数というものは、きわめて少ない数である。そうして大部分は地方公務員である教職員が主体であります。その主体であるところの地方公務員である教職員の職場実態について、人事院が十分な調査をしていないことは言うまでもない。そういうようなところから、この問題が——原則だけは人事院としては明らかにいたしました。超過勤務命令を出したら、確実にそれを実行した場合には支給すべきである、このたてまえは貫いておられるのでありますが、では、事実上そういうような方向に向けて勧告なりあるいは報告をやろうという意思があるのかどうか、この点についてもお答えを願っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/137
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138・降矢敬義
○降矢説明員 前段の御質問でございますが、義務教育職員につきまして超過勤務手当を支払うという場合において、この財政負担者は、現在の法のたてまえでは市町村であるというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/138
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139・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 いまの管理職手当と超勤との関係でございますが、一般に、われわれも時の環境によっては管理職手当は超勤のかわりだというようなことを言います。言いますけれども、本質的にはこれはもう全然違うものでございます。これは条文を申し上げるまでもなく、いわゆる管理職手当というものの本質は、管理または監督の地位にある人の仕事の特殊性から特別の勤務手当を出すということでございまして、したがって、そういう勤務手当をもらっておる人には超勤は出しませんよという意味での関連はございますけれども、これ自体が超勤の振りかえという意味は、法律的性格としては全然出てこないというふうにわれわれは本質的に考えておるわけであります。したがいまして、全然居残りのないような管理職でも、管理、監督の地位にあれば、やはりこれをもらい得るというふうに考えるわけです。
それからその次の問題は、例の教職員の超過勤務についての何か根本的な問題についてのお尋ねのように拝承しましたが、さっきも申しましたとおり、昨年の私どもの報告書に、これは相当の問題であるという認識のもとに触れたわけであります。それは前段においては、ただいま申しましたように、正規の超過勤務命令を出した以上は、超過勤務手当を出すことはこれは当然であるということと、かたがた教職員の勤務の態勢、勤務の実態というものは、普通の一般の行政職の人々の実態とはよほど違って、特殊の態勢にあるのではないかという点に着目して、もっと根本的にそういう勤務の態勢というものをきわめて、その上でさらにそれに対応する適切な給与関係の措置というものがあるべきではないかということで、一種のわれわれの決意を表明いたし、そうしてその根本の実態の調査に取りかかっておるわけであります。ことしの勧告の際においても、そういうことをもう一ぺん書こうかどうしようかという話がありました。また書いてくれという御要望もございましたけれども、しかし、去年の報告書に書いたことを、何も期限を切っていっておるわけではないので、これは今後も当然継続する性格のものである。しかしながら、念のために文部大臣とよくそのことをお打ち合わせしておいたほうがよかろうというわけで、勧告を出しますとすぐに私が文部大臣にお目にかかりまして、これは去年以来の根本問題としてお互いに検討することになっておるので、ことしもひとつ、少なくとも地方の教職員の関係の方々のことについてはわれわれの管轄の外でありますから、文部大臣のほうでも十分お力をいただきたいということを申し上げまして、よかろうというお話で今日にきておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/139
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140・村山喜一
○村山(喜)委員 管理職手当がつく職場であって、一般職員には超勤手当がついていないのは教職員だけだと思いますが、その点はいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/140
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141・瀧本忠男
○瀧本政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/141
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142・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで、そういうような特殊な状態の中に放置されてきた勤務の態様というものを調べてみれば、これは文部省自体においても、週五十六時間、こういう状態に置かれておるということも認識をしているわけです。しかし、命令をしたら超勤は支払わなければならないけれども、予算制度、いわゆる財政計画の中にはない。市町村が払わなければならないということも、法律解釈の上において明らかになっている。それを来年度の予算要求の中に、財政計画の中にそういうようなものを織り込む考え方は、自治省の中にあるのですか。ただいま人事院は、文部省とタイアップしてそういうような実態を調査をして、それに即応した方向で前向きの措置を講じたいという考え方を披瀝をされた。そこで、地方財政の中において市町村が支払うべき筋合いのものであるということになるならば、財政計画の中において少なくともそれは出てこなければならない、現実にそういうような事例があるのですから、そういうようなものを予測できないはずはないわけですから。その点はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/142
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143・鎌田要人
○鎌田説明員 私は、教員の超過勤務という問題はそう簡単に結論は出せないのじゃないかという感じが、実は個人的にはしておるわけです。といいますのは、われわれ一般職と違いまして、夏休み、冬休み、春休みというものがあるわけでございますし、そういったものとひっくるめて超過勤務という問題についてもっと詰めて議論をいたしまして、その結論に基づいて財政計画の上でどうするか、こういうことに相なるのじゃないかと思います。ちょっといまの段階でどうするのだと、こういう即答は私としてはいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/143
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144・村山喜一
○村山(喜)委員 関連で言いましたので、私はこれで終わりますが、いまの鎌田参事官のお話はおかしいのです。夏休み、冬休みというのは、教職員の休みじゃないのです。これは児童生徒、学生の休みであって、その間に教職員は研修の義務が課せられているわけです。ですから、夏休みであっても、学校に出校をしてやっておりますし、そのほか研修機関に行って、あるいは国内留学等でやっているわけです。しかも最近は管理体制が非常にやかましくて、昔われわれが教員をやっているころは、そういうような夏休み、冬休みというものが教職員にあるような実態であった。しかし、最近はそういうような実態は、全国どこを探してもありません。その点は認識を改めていただかなければ困る問題でありますので、その点だけはあなたに要望を申し上げておきます。
この問題については、きわめて重大な問題でありますし、給与担当大臣である安井長官のところでは、さらに法律的な問題、財政的な裏づけの問題そして教員というものの職務内容の問題、これは所管大臣は文部大臣でありますけれども、事給与に関しましてはこれはあなたのところの責任の分野でございますから、十分に前向きの姿勢で検討を願うように、私のほうからも要望申し上げておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/144
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145・受田新吉
○受田委員 これは事務当局でけっこうですが、いま村山委員の指摘された、超過勤務を支給しないで管理職手当を支給しておる、いわゆる俸給の特別調整額を支給しているところは、ほかにないのですか。特別職の自衛官は、これは夜昼かけ持ちで勤務している関係で、超過勤務分をやはり教職員と同じように本俸へ計算してある、こういう形で、しかし管理職手当は出ているというものではないですか、人事局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/145
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146・秋吉良雄
○秋吉説明員 事務的にお答えいたします。
御指摘のとおり、調整費と申しますか、超勤費と申しますか、昨日も御指摘のございましたように、本年は改正いたしまして一一・五%で御審議を願っておるように、超勤というかっこうで本俸へ振り入れられていることは、御指摘のとおりです。管理職手当がさらにあるかないかという御質問でございますが、これはございます。しかしながら、一般職の国家公務員と違いまして、非常に低率になっております。その点の調整はつけております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/146
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147・受田新吉
○受田委員 教職員の場合でも、校長、教頭の管理職手当は低率になっている。その点じゃ同じようなわけです。同じような職種がほかにあることを、やはり大所高所から答弁してもらわなければいかぬのです。それは、やはり給与を全般的に担当する給与担当国務大臣として責任がある。村山委員の御答弁にそのままに、人事院から見れば、一般職ではそのとおりだ。しかし類似のものが特別職にある。自衛官という職種は、管理職手当は低率である。教職員と同じです。超過勤務手当は本俸へ繰り入れた計算にしてある。同じようなものがあるのですから、十分にそこを含んで、給与担当大臣としての貫禄を示してもらいたい。
そこで質問を続けますが、この超過勤務手当制度そのものについては問題がある。人事院の答弁を求めたい。政府のお考えもただしておきたい。現業の職員のような場合には、これは作業量というものは一応きまって、一応うなずけます。しかし、一般事業量を持つ一般公務員というものは、現業とまた違った性格であって、超過勤務手当を出すことにおいて、どういう形で超過勤務を命ずるかという、仕事の量に対してどういう形で命ずるかという問題などには、なかなか判断に困るところがあるわけですね。それからもう一つ、いまごろはそれをやめましたけれども、数年前まで、毎年年末に期末手当の増額プラスアルファ措置というものをやるのに、超過勤務手当の前払い方式というのを何回かとったことがある。ところが、ある役所ではもう使い果たしている、ある役所では幾分残っているということで、各省庁ばらばらであるということです、この超過勤務手当の使い方が。したがって、この超過勤務手当制度というものは、本質的に見て、一般職の一般事務を担当する職場というものには、こういう形態をとることがいいのかどうかという基本問題が一つあると思うのでございますが、これはどうお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/147
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148・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 個人的には全くわが意を得た御指摘だと思います。局長が何時間居残りしてどのくらい超過勤務手当をもらうなんということは、これはほんとうはおかしいことじゃないかという気持ちを私は持っておるわけでございまして、これは根本問題としては十分検討していいことだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/148
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149・受田新吉
○受田委員 あわせて、管理職手当制度、いわゆる俸給の特別調整額、これは超過勤務手当といわゆる管理職手当というものは、職員から見たら、管理者とそれから一般職員とのそれぞれの勤務の余分の勤務、あるいは職務の非常に責任の重大であることに対する手当とかいう意味においては、ある程度共通した性格を持った手当制度だと私は思うのです。全然違うわけじゃない。したがって、事実超過勤務手当に当たる部分を、今度管理職になるというと、管理職手当で支給しておる。管理職手当を受けながらも、現実に超過勤務手当をもらっておらぬでしょう。その意味では、これは親分子分の関係ですよ、形態の上では。その管理職手当のほうは、甲地においては百分の二十五まで出しておる。これだけの膨大な手当を出している一方で、超過勤務で四苦八苦して徹夜して働く諸君のほうの手当というのは、まあせいぜい一〇%程度でとどまっているということでは、これは甲地における場合には非常に大きな差が出ているわけですが、これはひとつ管理職手当も十分検討して、余分の手当、責任の度合いとかなんとかいうことでこういう高率のものを出すことを少しやめる。その差を圧縮して超過勤務手当と管理職手当の手当額というものにバランスがとれるような方向へ持っていくような計画は、一度考えられたことはないですか、人事院として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/149
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150・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 さっき局長も超勤手当のことを申し上げて、これは言い違いでありますから撤回いたしますが、要するに超勤手当を支給してしかるべきグループと、それのなじまないグループというものが本質的にあるのではないかという点においては、全く受田委員のおっしゃるとおり、同感に存じます。ただし、それを今度は現実化していくというきわめて地道な当面の問題として考えてまいりますと、結局これはいままでたくさん超勤手当をもらっておった人が、今度は全然もらわなくなるというような場面が出てまいりますと、その間の手当をどうするか。これは従来でも管理職でなかった人を管理職にする場合には、同じような問題があったわけでありまして、そういう問題が全面的に出てまいります。いろいろ実行上の困難は、これは免れ得ないと思います。ただし、根本の考え方、根本の行き方としては、そういう方向で考慮してしかるべきものではないか、これは個人的考え方ですけれども、そう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/150
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151・受田新吉
○受田委員 超過勤務手当というものは、一般公務員の場合でいえば中央で十二時間、出先で六時間、運転手十八時間となっていますが、ところが、いまの管理職手当を一番いい条件で計算すると、三十一・何時間を働いたと同じような手当をもらっておるのですよ、特別調整額のほうでは。本俸はばかに高くなっておる。それにその二五%の管理職手当がつく。一部の特進階級の管理者には、本俸のばか高いものと、それからそれに伴う管理職手当とでばか優遇してあるのに、一般公務員はせっせと働いて、わずかに中央官庁で十二時間分しか手当をもらわぬということは、これは公務員に希望を失わせるというような原因になると思うのです。これはひとつはっきり申し上げますならば、こういう方法かあると思うのです。管理職手当をやはり中央官庁十二時間の超勤手当と同じ率にするとか、これが一つの方法ですね。本俸のほうがばかに高いのであるから、それに伴う十二時間分とすれば、これはやっぱり相当のものになるですね。そういう方法をとってこのアンバランスを是正して、公務員に一部特権、特進階級の優遇で上に厚く下に薄いやり方——本俸が上がるとか上からぬとかいう問題よりも別に、こういうところにもっと大きなわなが一つあって、そのわなで一部の管理者は非常な優遇を受けておるということ、これは早く是正しないと、本俸が同じであってその比率が多少違うというなら何ですが、本俸がずっと上で、昇給、昇格でぽんぽんとんとんでいって、おまけに管理職手当が出る。同じ勤務をしておりながら、まあ頭がそう違うわけじゃない、努力がそう違うわけじゃない、試験に合格したというだけで、要領のいい者がぽんぽん上がる、こういう形の官僚制度というものを是正する方式というものをおとりにならぬと、現在の公務員体制に非常に大きな反目が手伝い、失望が手伝って、公務能率の向上などというものは期して待つべきものがない。しかも、管理者は十時ごろにゆうゆうと自動車に乗って出る。一般公務員は一時間早く出てふき掃除をやるというような、この勤務関係のだらしなさというものに影響して、公務能率が著しく低下している。給与担当国務大臣、お疲れを私よく知っております。おやすみになることは適当でございます、お許しをいたしますけれども、ひとつこの問題は、給与担当国務大臣として、もう一度申し上げますが、ばかに管理者は優遇されており、しかも出勤時間は十時ごろか十一時ごろになって局長は御出勤あそばす、夜は接待等と称して早く御退庁あそばす、途中は交通地獄で車がおそかったと言いわけをなさるような形にならぬように、管理者みずからが陣頭に立って、このばか高い本俸とばか高い管理職手当をもらっている、国民の税金を給与としてもらっているその責任においても、下級の職員の数倍の働きをするという熱意があって、初めて官庁の機構がりっぱに能率があがってくると思うのです、職務能率があがってくると思うのです。これは大臣として、人事局をお握りになっておられる立場、給与を握っておられるのです。あなたの置かれておる責任は非常に重大ですから、総理府総務長官としての責任のある御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/151
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152・安井謙
○安井国務大臣 受田委員の、上に立つ者が非常に楽をしておるというような風潮はまことによろしくないというお話につきましては、私も全く同感だと思います。今後も私ども十分に戒心いたしまして、そういった点について少しでも間違いのないように、十分な努力をさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/152
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153・受田新吉
○受田委員 それでひとつ大臣、たまには各省庁に指令を発して、勤務時間の厳正なる順守、特に管理の地位にある者の勤務ぶりを厳正にするような通達をお出しになる、総理大臣の名で、あなたが総理大臣にかわられて通達をお出しになって各省に命令を下されるならば、総理大臣の命令であるならば各省ともみな言うことを聞きますから、こういうことで指示、通達をお出しになるということ、そしていつか私は調査をお願いしたところが、さすがにやはり勤務状況は悪かったですよ、あの数字を見たら。私、お願いしたので、各省庁で数字が出ました。各省庁で九時出勤者、九時半出勤者——時差出勤の場合はずらすわけですが、十時出勤者と、五時退庁の間における勤務時間というものは、非常に少なくなるような形のものが出ておるのです。これはひとつ勤務体制の確立という意味で、各省庁に、特に管理者を中心にした指導体制を、まず管理者が範を示すということをなにされてはどうか。それと通牒を出していただくことの御答弁があるかないかと、それから人事院総裁には、いまの責任の度合いとして管理職手当というものの、私がいま指摘したような形に対する御所見と——人事院は公正な給与の体制の責任官庁でございますから、ひとつその点の御所見とを伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/153
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154・安井謙
○安井国務大臣 各省庁に対してそういう通達を出してはどうかというおすすめでございまして、私どももこれは閣議等でもよくはかりまして、さらにいま私のところで人事官会議というものを持っておりますので、この御趣旨をそういう場所で十分に徹底をさしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/154
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155・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 いわゆる管理職手当の本質は、先ほど申しましたように、超勤に振りかわるというものではございませんので、したがいまして、いまのおことばにありましたその片言隻句をとらえてはなんでございますけれども、何時間分に当たるじゃないかというような御批判は、これはちょっと御容赦願いたい。われわれとしては、その職務の責任の強さ、重さという点に着目して、現在の制度は一応合理的にできていると思います。しかし、いまのような御批判もありますから、何のこだわりもなくさらにまた検討して、改めることがあれば改めますが、現在の制度はそういうたてまえでできておる、しかも一応合理的だという自信は持っておるということだけを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/155
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156・受田新吉
○受田委員 それは人事院がいま二五%、一八%、一二%という比率をお出しになっているが、地方は一二%というのは一体何が基準ですか。中央は二五、それからその次が一八、一二というような、そういう基準を設ける。校長は一〇、教頭は四とか、こういうような比率を設ける。この比率は人事院がかってにおきめになったのであって、それをそのまま政府がうのみにされておる。われわれもあなたのほうできめられるところをうのみにしようとしているのだから、人事院はもう少し——本俸がばかに高くなっている。それに二五%だなんて、その差を比較してみてください。ぐっと高くなって、十年も十五年もたったころには、とんとんでいった者といかない者では、半分じゃないですか。同じ人間でせっせと働いて、それだけの差をつけるという行き方を人事院がおきめになる。自信があるとおっしゃるけれども、二五%とおきめになるのは、あなた方のほうでおきめになった。これは政治の原則である人間尊重ということを考えた場合、同じ職場に働く人に差をつけるというような不合理というものは、十分人事院自身が考えていただかないと、机上の空論でぴしぴし、おれたちがやるとおりに政府もやるからとかいうことでは、これは許されないと思うのです。それは十分——私、片言隻句をとらえてという意味じゃないのです。私は一例を申し上げたのですが、超過勤務——昔は管理職手当というものはなかったのです。御存じのとおり一律だったのです。それを人事院がかってにこういう制度をおつくりになった。それは非常に自分が正しいとお考えになっておられるそうだが、管理職手当がなかった時代とある時代とで非常な差がついてきたことは——本俸の差でなくして別のほうでばか高い差があることを、あなたは総裁として人道主義に立って十分検討しなければいかぬと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/156
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157・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 自信があると、こう言い切ったのは、われながらちょっと言い過ぎであったと思いますが、ただし書きをつけさしていただきたいと思います。自信はございますけれども、しかし、ただいまの御批判は貴重な御批判として、やはり謙虚に考えてまいりたい、そういうただし書きをつけさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/157
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158・受田新吉
○受田委員 そういうところにいけばりっぱなものだと思います。ひとつ謙虚に検討していただきたいと思います。
次に、今度は中央の問題に入りますが、これは手当の問題が出たから、ひとつ本俸と手当の関係を申し上げます。アメリカという国の給与制度というものは、相当人事院も御採用になっております。しかし、アメリカの例でいうならば、本俸制度が中心であって、諸手当制度は非常に軽く見ております。期末手当というものも非常に軽い。その他の諸手当というのは軽く見て、本俸に重点が置いてあるのは、御存じのとおりです。日本の場合には、本俸よりも、いろんな複雑な手当が幾つもついて、防衛庁などは——このあとでお尋ねするのですけれども、また別の余分の手当が幾つもついて、非常に複雑多岐になっておる。勤勉手当という制度と期末手当というのがある。これはどこにどんな差があるのか、実質、実用の上においてはどれだけの差があるのか。実際は勤勉手当というようなことは、このあたりで——勤勉の度合いは一応その人の昇進、昇給、昇格等において手当てがされておるのである。年末の手当などは、勤勉手当というようなものもわずかに〇・五カ月分ずつというようなことでなくて、これは期末手当として年末に一括して出すような手当制度の簡略化、簡素化ということも考え、もうあまり勤勉手当というものは——事実、最近の勧告を見られても、勤勉手当分というのはほとんど——ついこの間〇・二か、ちょっと手直ししたですな、それだけで、ほとんど動かしていない。期末手当ばかりやるでしょう。このあたりで勤勉手当も整理されて、勤勉の度合いはほかのほうで、本流のほうでやるのがあるのですから、支流のほうでやらぬでもいいと思う。それで、どうですか。勤勉手当なるものの意義が現にはなはだ薄くなりつつある段階においては、期末手当一本の制度にこれを切りかえられることはどうかということを、ひとつお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/158
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159・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 これはなかなか重大な問題でございまして、逆に期末はやめて勤勉一本化せよという議論も、当然そこに出てくるわけです。したがいまして、そのいずれを選ぶかということになりましょうが、現在のところはその辺の組み合わせが実に巧妙といいますか、うまみを持った形でできておるという見方も私はできると思いますので、その辺のところは、検討にもう少し時をかしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/159
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160・受田新吉
○受田委員 まあ検討しておるわけですね。そういうことの了解のもとに、やはり私の指摘したところを考慮しながらやってもらいたい。これはアメリカのような形の制度というものを最初学んでおられる意味からも、この諸手当制度の複雑多岐を整理する、これを十分考慮に入れてもらいたい。それに関連してくるというと、今度は特殊勤務手当、寒冷地手当というようないろいろな問題も出てくるわけですが、きょうはあまりたくさんになるからもうこれでよしますが、手当制度というものは、ひとつ人事院では、これはほかのものにはわからぬ、人事院しか知らぬからというので、あまり込み入ってお考えにならぬように、もっと大衆化した手当というので、制度の簡素化ということを御考慮願いたい。申し添えておきます。
そこで、今度は基本的な問題にいまから触れていくのでございますが、人事院の勧告というものに私どもも全面的な支持をいままでやってきたわけです。いま幾つか問題の要素を含みながらも、原則としてこれに協力してきました。ところが、今度も実施期で四カ月のズレがきておるという現実の問題にぶつかってきたのですが、この四カ月分が実施がおくれることによって、公務員の給与の実質的な影響がどうあると人事院総裁は考えておられるかです、勧告どおりにいかなかった場合に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/160
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161・瀧本忠男
○瀧本政府委員 勧告どおりにいかなかった場合に比べまして、月二千六百円くらいでございますから、したがってまあ一万二、三千円、こういう差があるというわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/161
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162・受田新吉
○受田委員 その差はわかっておるのです。その差は承知しておるのですが、その差だけは、公務員は親からもらうか借金をするかして穴埋めしなさいということになるかどうか。そういう具体的な中身をちょっと示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/162
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163・瀧本忠男
○瀧本政府委員 人事院は、人事院の勧告どおりやっていただきたいというふうに思うわけです。しかし、これはもう釈迦に説法でございまするが、公務員法二十八条をごらんいただきますれば、これは国会の責任において、公務員の一般の勤務条件が社会一般の情勢に適応するかどうかを御判断になって、国会がおやりになる。国会が主体になるので、これは釈迦に説法ではなはだ恐縮でございますが、そのために人事院は勧告を怠ってはならない。そこで人事院は勧告をいたすわけでございます。もちろん勧告いたしました人事院といたしましては、これはもう勧告どおりになることが非常に希望なのでありますけれども、しかし、国会でおきめになりますれば、もうこれは国会の、最高機関の御意思でございますから、それが最終的なものであるというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/163
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164・受田新吉
○受田委員 瀧本先生は、総裁、お役人さんの中で非常に誠実なまじめな方です。私は長い政治生活を通じて、この局長さんの人柄、まじめさに非常に心打たれている。しかし、それだけの気持ちの瀧本さんが、いまこう言われたのです。人事院はこうだと信じていたが、きめることは国会——もちろん国会でわれわれが審議するのです。人事院の勧告どおりがそのまま命令となって出るのではないのですが、政府は四カ月のおくれをたいした問題じゃないとお考えになっておるかどうか。いま私が指摘したところについて政府の意見をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/164
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165・安井謙
○安井国務大臣 私どもも、人事院に劣らず、この人事院勧告につきましては全面実施をいたしたいという念願に変わりはないわけであります。したがいまして、四カ月おくれたということは、それだけ実収が減る。それはやはり今日の公務員の生活にとって相当なマイナスであることは、間違いないと思っております。ただ、御承知のように、ことしのような財政事情で九月に踏み切りましたことは、いままでの十月、九月に比べて格段の決意が要ったものであろうと私ども思っておりますので、そういう点については、ひとつ御了承をいただきたいものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/165
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166・受田新吉
○受田委員 人事院がこまかい数字を出してその実施期を五月にしたということには、みんな一つ一つの基礎があって、標準生計費も基準に置いておられると思います。民間の給与の実態も計算に入れておられる。いろいろなこまかい要素が集積して五月から実施しなければという答えが出たわけですね。したがって、人事院としては、その四カ月分がおくれることによって公務員の生活にその部分の非常な圧力がかかるということは、もうこれははっきりしておる。政府がそれを扱うかどうか、国会がそれを扱うかどうかが問題だということです。四カ月分はたいしたことはない、がまんをしてもらう。たばこを吸うのをやめるという意見もあったようでございますが、それだけではなくて、やはり人事院がこまかい数字できめたその案なるものをすなおに聞くという形を、このあたりでおとりになる必要が私はあると思うのです。四カ月分、一万二千円というお金は軽いように見えても、下級公務員の場合には非常に貴重な金です。これが今度出るか出ぬかで、年越しに幸、不幸がいずれかにあらわれてくるということにもなるわけなんです。そういう意味で人事院の勧告の実施期というものを財政上の理由だけで九月にしたのかどうかです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/166
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167・安井謙
○安井国務大臣 人事院の勧告の内容そのものにつきましては、しごくごもっともと思っておる次第であります。したがいまして、今日の財政上の都合でやむを得ずこういうふうに相なっておる、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/167
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168・受田新吉
○受田委員 そうすると、財政事情一本、こういうことで、問題の解決はしごく簡単にやろうと思えばできる問題だと私は思うのです。技術上の問題で五月にさかのぼって実施するのは、予算編成で困るというようなことはないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/168
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169・安井謙
○安井国務大臣 これも広い意味の財政上の事情ということに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/169
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170・受田新吉
○受田委員 いや、技術上困るというのと財政上の事情と、広い意味というのは違います。実施期を五月にする、この財政上の事情と、どういうところが違うのですか。五月から財政上の事情で四カ月分を払うことができないのでという事情は、一つありますよね。もう一つ、五月を起点にして公務員の給与の改定の完全実施をするということは、技術的に困るという別の意味があるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/170
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171・安井謙
○安井国務大臣 結局は財政問題にからんでくるのでありまして、金があれば五月に遡及できるということになろうかと思いますが、しかし、いまの御指摘のように、五月までさかのぼるというのは、技術的にも非常に困る点があるということは、これは確かでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/171
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172・受田新吉
○受田委員 問題が二つあるのですね。これは系統を別に分けていかなければならぬ。財政上の事情は、四カ月分の事情は別にある。五月に遡及するということは、技術的に非常に困難である。この二つの事情があるのですね。その二つのうちの一つが、つまり財政上の事由だけならば、これはごく簡単に財政事情が許せばということで片づくわけなんです。人事院がいつも五月という実施期を勧告するから困るんだという政府の答弁が、従来あったわけなんです。これをひとつ調節するために、去年も完全実施をやれという附帯決議を当委員会でつけた。それが実行されない。政府は国会を、この内閣委員会を無視しておる。それをどう解決するかということで、五人委員会というのがいまできておる。この五人委員会が一年間鳩首協議したけれど、一向名案が浮かばないということで、いまお手あげだということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/172
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173・安井謙
○安井国務大臣 残念ながら大体においてそういうことでありまするが、それかと申しまして、それじゃ投げておるかというと、そういうことじゃありません。いろいろあの手もあろうかこの手もあろうかということで、目下鋭意検討しておることは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/173
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174・受田新吉
○受田委員 私は、政府の知恵者の方々が鳩首協議する中で答えが出得ないということはないと思うのです。そのことについては、人事院総裁御自身にこの間もちょっとお尋ねしたのですが、このあたりでひとつもう一ぺん、政府が技術的に困難ということになれば、別の方法で五月実施という——ほんとうは春闘と同じように四月実施か筋が通るのですが、この勧告の実施時期というものを政府と調整をするための何か便法があるかないか、この機会にあらためてお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/174
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175・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 前回もお答え申しましたとおり、またいま安井国務大臣からもお答えしたのですけれども、実は安井国務大臣とも緊密な連携をとりながら、お互いに知恵を出し合っての結果が先ほど安井総務長官からのお答えのようなことでありまして、私どもとしてはもう手がないということもさることながら、きょう予算委員会でもちょっと触れたのでありますけれども、やっぱり三公社五現業がなぜ年度開始早々に裁定がくだされて、そしてそれがきれいに四月にさかのぼって、しかも補正予算もなしにスムーズにいっているかどうか。これは十年近くそれでいっておるというのが、何としても私どもにとっては、素朴な表現でありますけれども、うらやましくてしょうがないという立場におるわけであります。そういうことからだんだん考えてまいりますると、やはり来年の一般の賃金情勢はどうだろうという一応の見通しのもとに、一応の含みのある当初予算というものを編成される手があるのではないか、どうもそういう気持ちがしてしょうがありませんので、そのことも安井国務大臣にはかねがねお願いしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/175
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176・受田新吉
○受田委員 一案が出ておりますけれども、大臣これはどうお答えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/176
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177・安井謙
○安井国務大臣 これもごもっともなお話でございまして、私どもこれも案、そのほかにもいろいろな点についても考えてみたわけでありますけれども、いまの翌年度を見通して前年度で予算を組む際に織り込むということも、確かに財政を措置するという意味からは方法だと思います。しかし、これは御承知のとおり、いまの人事院の勧告のたてまえが、五月一日を時点にいたしまして、民間と公務員との給与を調べた上で、その結果に基づいて人事院の責任において、第三者機関として決定的な勧告をされるわけであります。したがいまして、見込みで組むということになりますと、政府自身の責任で、目安でものを組んでいくということになります。あるいはまた、それを組むことによって翌年度の、こう言うとおしかりをこうむるかもしれませんが、春闘相場を政府みずからがつくり上げるといったような弊害もないでもないというような懸念も正直なところありまして、そういう点でまだ踏み切りかねておる。したがって、これを直しますには、ただ時期を動かす、ずらすというだけでは、どうしても解決しません。一年見送っていただくつもりならば、十一月ごろに勧告をいただいて翌年度の予算から実施するというようなこと、またその間を何かの形で補てんをするというような一つの方法も、案の一つとしては考えられるわけであります。しかし、それにはそれなりのまた非常な欠陥があるわけであります。いろいろな点を検討しておりますが、いまのところこれならずばりといけるという名案がないということが、現実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/177
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178・受田新吉
○受田委員 大臣、給与だけがいつも補正予算からスタートしているわけですね。これは当初予算からスタートする本筋を逸脱しているかっこうになっておる。だから、当初予算の中でどういう形でこれを組み込んでいくかという行き方をじょうずに検討されていただけば、決して春闘相場をあおるような形にもならないし、また予備費の使い方についての疑義も起こらない道が、私はあると思うのです。当初予算でその年度内の予算編成を基本的に考える段階で給与をどうするかということでいくべきであって、今度の補正予算を見ても、これは場当たり的な追加修正が各所に出ております。あれは当初予算で十分検討して、当初予算へ組んで、多少の手直しが最後に残るならいいけれども、補正予算にばかり高い予算額を要求していくような形になってくるのは、本筋ではないのですから、予算編成の本筋をいくというたてまえに返っていただくために、やはり当初予算に給与費を予定した形で持っていく。人事院が勧告しなくても、政府は給与法案を出せるのですから。そうじゃないですか。そうでしょう。だから、人事院が勧告しようとすまいとやれる。人事院というのは民間給与のほうを基準におもにやっているけれども、民間給与と物価上昇は決して並行していません。やはりそのときの経済情勢などで、物価上昇とは変わった形で民間給与は引き上げられておる。人事院は物価上昇は基準にしておらないわけです。そして経済企画庁の経済の見通しの中にある物価上昇率は、大体五%から六%、七%いっておるから、五%くらいが人事院が勧告する基準になる。五%くらいのところを給与費に織り込んで、当初予算ですかっとやっておく、それであとから多少不足するところは補正で修正するという手があると思うのです。経済の見通しという中には、物価上昇を一応基準に考えても、おおよその給与費というものは計上ができるじゃないですか。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/178
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179・安井謙
○安井国務大臣 確かにおっしゃるお話も方法の一つだと思います。一つだけじゃありませんで、非常に有力な方法の一つだと思っております。ただ、御承知のように、次年度の予算にはすでに四%という定期の昇給も組んでやっておるわけであります。それとかね合いを見て何%組むかというようなことになりますと、これまたなかなか技術的には問題があることも事実でございます。そういうような点で、いまお話のような方法も、確かに有力な方法である。これをできるだけ支障のないように運営することができるかどうか、そういう点につきましても、実は関係方面と十分な打ち合わせをやりながら熱心にいま検討しておることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/179
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180・受田新吉
○受田委員 行政改革に関する意見書なるものが、臨時行政調査会から去年の九月に出されておりますね。これを大臣、どういうように公務員制度、給与の問題その他へ取り入れるという形をとっておられるか。これは具体的に一々挙例するまでもなく、このせっかくの意見書なるものが、現在のところ、機構の上においてもその他の公務員制度の上においても、さっぱり用いられていないのです。大きな問題においても、さっきから私は幾つか指摘しましたけれども、行政面における合理化、能率化の推進など、いま私が指摘した問題だけでも取り上げられておらない。公務員制度の運営の能率化という問題においても、取り上げられておらない。このあたりでせっかく苦心の作品を施設の上に具体化するという心がまえが、政府として非常に必要だと思うのです。大臣として、この行政改革に対する意見書なるものの扱い方についての見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/180
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181・安井謙
○安井国務大臣 その答申につきましては、御承知のとおり、行政改革本部でまず第一次的に扱いまして、そこで裏ごしにしたものを各省庁に回すというようなたてまえになっておりまして、いまそちらの本部のほうで検討中でございますので、もうしばらくその検討の結果を見て私どもは考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/181
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182・受田新吉
○受田委員 意見の中で、行政改革本部の結論を待つまでもなく、さっそくこれを採択する道が幾つも出てくると思うのです。これはやはり答申、意見書なるものの提出という重大な事態をすなおに受け入れる政府の責任だと思います。これをひとつ御検討願いたい。
そこで、いまの予算編成の問題に関連してさらに掘り下げてお尋ねしたいのでございますが、これは経済企画庁長官に来ていただくと非常に都合がいいのですが、政府は経済の見通しに立つところの物価の上昇、これをどのような形で給与の上に反映させようとされるか。これは生活給というものを中心に考えるならば、たとえば物価手当というようなものを臨時に出す手もあると思うのです。そういうような具体的な方法で、物価上昇に見合う、しかもそれは一般の込みの、本俸に幾らということでなくて、生活はみな同じですから、上の人も低い人も生きるためには同じものを食わなければならない、おかずの多少の差はあっても、米と麦の差はあっても、そういう物価上昇に対応するところの生活給——終戦直後から生活給というものがスタートしておりますが、そういうようなものを物価上昇に見合って臨時的に措置するという方法も、一つ方法としてあるわけであります。これは勧告を待つまでもなく、政府で手当てができるわけであります。たとえば四カ月分のマイナスを適当な時期に物価上昇手当のような意味で支給する、こういう臨時的な措置をとって物価上昇に見合う、そういうような政策をおとりになることはどうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/182
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183・安井謙
○安井国務大臣 これも妙手の一つとして十分検討に値するものだろうと、正直思っております。思っておりますが、給与といいますか、俸給のたてまえが、単なる生活給という性格から出てきまして、もう少し本来の俸給というものにだんだん変わりつつある時期でございます。すぐそういう生活給的思想を取り入れることが、これまたはたしてストレートでいいかどうか、こういう点にも慎重な考慮を要すると思います。しかし、いまの御提案も、一つの案として私どもは十分検討させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/183
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184・受田新吉
○受田委員 私は、諸手当制度というものを簡素化することをさっきから申し上げている。その考え方なんです。それは非常に大事なことだと思うから、私自身が複雑な諸手当制度を整理するということの提唱者です。ただ、この問題は職員に差別なく、物価対策として考慮する特別措置でございますから、長く期間が続くものではないのです。臨時措置です。これは差をつけるべきでなくして、一律支給という形式のものを一定期間だけ支給するというような臨時措置が、基本的な諸手当制度の簡素化とは別の問題として考慮さるべき問題だと私は思っておりますから、その点をひとつお含みおき願って、非常に妙手だとおっしゃったので、御検討願っておきます。
なお、諸手当制度の中でもう一つ問題なのは、暫定手当なるものがあります。この暫定手当なるものが三十四年から整理の段階に入っておるのでございますが、三分の一、三分の一が去年の十月から片づきましたかね、そういう形で一応暫定手当制度というものはある程度落ちついた方向にいっておりますけれども、これはもう暫定の文句を削除する時期がきておると思うのです。どういうふうにしてこれを整理されようとするか。人事院並びに政府の御所見——政府もこれは法案があるはずです。政府も人事院の勧告を待つまでもなく、暫定手当なるものはどういう方向で整理するか、またこれを整理するとすれば、これに伴ってどれだけの予算が必要であるかということを、あわせて御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/184
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185・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 暫定手当も、確かに凍結されたままであります。しこうして漸次これは本俸に繰り入れてまいってはおりますけれども、いよいよこれから先の問題が私は一番山場であるというふうに考えます。したがって、よほど根本的にこれを考えませんと、そう簡単に単純な繰り入れというような形ではおさまらない問題ではないか。あるいは別の地域給的なものも考えて、それに振りかえるというようなこともあり得るかもしれないということで、目下慎重にその検討を続けておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/185
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186・受田新吉
○受田委員 暫定手当を全部整理するとした場合に、現在において、これに伴ってどれだけの予算が要るか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/186
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187・瀧本忠男
○瀧本政府委員 ただいま的確な数字を持っておりませんが、おっしゃる趣旨は、あとのところを全部繰り上げをしたことを前提としてのお話だと思うのです。現在一人当たり九百円で、約半数の人が支給を受けていないということでございますから、一人当たりの原資としては四百五十円、そういう方法でやるとすればかかる。国家公務員について言いますと、こういうことになると思います。これは、地方公務員は地方に分布しておりますので、ちょっとその辺の感じが違ってまいります。ただ、いま総裁が申されましたように、繰り入れ繰り入れという方式でいくのがはたして妥当であるのかどうか、その辺にも問題がございまするので、どういうふうにこれを廃止するかということによりまして、その所要予算額はいろいろ違ってくるであろう、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/187
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188・受田新吉
○受田委員 それは繰り入れのしかたはいろいろあるが、いまの時点で暫定手当が支給されたものとして、全部合わせるとどれくらいかかるか。いま一人当たりの金額はわかっていますけれども、国家公務員の場合、それをかけてどれだけになるかですが、国家予算に非常な影響力を与えるほどの問題になるかどうか、あとから計算しておいてください。
もう一つ、手当の問題で私が人事院にも終始要請申し上げていることに、住宅手当があるのです。これは、前のときに、報告の中にちょっと御注意をいただいた問題が一つあったのです。しかし、その後これが無視されておる。公務員の生活は、まず衣食住の中の住居を要求する段階に来ておると思うのです。これはもう五年前のオリンピックを引き受けたイタリアなどが、選手村を開放することによって公務員宿舎が完全に解決しているという現状を顧みたときに、このあたりで、国家公務員宿舎法というような法律も一応あるけれども、それに公舎とか無料で利用する人を除いて、あとの人の問題は非常に冷遇されているということを考えたときに、公務員がどこへ異動しても自由に住まう家がきちんとあるような形に持っていくことは、公務員の勤務生活の基本であると私は思うのです。この住宅手当制度なるもの、本物の住宅の提供というような問題について、人事院はどうお考えになるか。また、政府はこれに対してどう対処されようとしておるか。今回の勧告の中にもないし、政府の案の中にもない。一番大切な住まいの問題が欠けているわけでありますが、ひとつ双方から御所見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/188
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189・佐藤達夫
○佐藤(達)政府委員 住宅手当の問題につきましては、前回のこの委員会でお尋ねがございまして、一応お答えいたしました。いま御指摘の住宅の施設の問題と手当の問題とは、両方二本立ての問題として、私どもは非常に深刻な、かつ重大な問題だと思います。手当の問題となりますと、これは民間との比較の関係、あるいは民間との給与の格差の中での配分の問題から申しまして二つのネックがございますので、なかなか住宅手当をおいそれとその手当らしい形でお出しすることはむずかしいと思いますけれども、しかしながら、一方住宅そのものの施設の不十分ということは、別途の措置によって十分まかなえることでもございますので、一昨年池田総理に給与勧告の際には申し上げましたし、昨年は特に要望書というあらたまった形で、これも総理、大蔵大臣にお願いいたしました。それからことしは、口頭で総理、大蔵大臣に公務員住宅の施設を一そう拡充していただきたいということを極力お願いしておりまして、予算を見ますと、その結果かどうか知りませんけれども、よほどふやしていただいております。その意味で、私どもは希望をつないでおりますが、今後一そうその面にもお力をいただきたいとお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/189
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190・安井謙
○安井国務大臣 公務員の住宅につきましては、いま人事院総裁のお話のとおりに私ども考えております。十分今後も留意してこれをふやしていく方法をやらなければなるまい。ただ、御承知のとおり、住宅の困難は公務員だけでございません。国民全般に通じる問題だけに、一朝一夕に片づかないという点も、非常にあるかと思います。
なお、住宅手当につきましては、今回の勧告につきまして、人事院からもいまここで出す時期じゃないという御判断だと思います。民間もまだ手当を出しておるという実績は非常に少ないように承っておりますので、今後住宅政策に大いに意を注いでいきたい、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/190
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191・受田新吉
○受田委員 政府側は、人事院の勧告という問題とは別途に住宅対策を、たとえば住宅手当なるものあるいは宿舎提供なるものを年次的に進めていくとかいうような案をお出しになっていいわけなんです。人事院の勧告を待つまでもなくおやりになっていいわけです。いませっかく大臣は幾つかの案を示しておられるし、総裁も二つの方法について非常に苦慮しておられることを御答弁になりました。現実に薄給に甘んずるところの低所得の公務員というものが、一番困るわけなんです。標準生計費なるものの保障も十分できていないようなかっこうでいきおるということになると、ここにやっぱり初任の諸君から、これはアパートでけっこうなんだ、アパートで、非常に狭い独身アパートでもよければ合宿でもいいから、そういうことで、どこへ勤務に行ってもまず住まいの心配は公務員はないのだということになれば、異動なども楽にできる。それを具体的に政府自身が用意されなければいかぬのだが、まだ用意されておらぬ。ほかの住宅政策などとの関連を考えられないで——公務員の宿舎を提供し、あるいは住宅手当を出したからといって、国民はおこりません。むしろ歓迎するはずです。これはもう総務長官のお手元で、せっかく人事局長のお力添えの願えるかっこうになっておるのですから、ひとつ今回の勧告及び提案の機会に、大急ぎで来年の提案のころにはこの問題に栄光が輝くような御措置を要望しておきます。一年間御猶予申し上げますから。(「賛成」と呼ぶ者あり)よろしゅうございますね。賛成の声が多数出ております。
それでは、皆さんのお指図に従おうと思って待っておったら、いまやっとそろそろ質問を切り上げろという指示がありましたので、もう一言、二言だけで終わります。
私お尋ねしようとした中に、公務員の給与法の中にも見られ、勧告の報告書の中にも出されているところの公務員の俸給別平均年齢及び平均経験年数というところから見出すことができるのでございますが、俸給の頭打ち、このワク外昇給というようなかっこうで片づけられてくるそういう数字は、全体で一体どのくらいのかっこうで出ておるのですか。その数字がこれに示されていないので、ちょっとその該当者を示していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/191
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192・瀧本忠男
○瀧本政府委員 報告書に書かれておるのでありまするが、行政(一)表につきまして三十人ぐらい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/192
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193・受田新吉
○受田委員 何ページですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/193
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194・瀧本忠男
○瀧本政府委員 これは十五ページでございます。カッコがございます。そこにありますのが数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/194
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195・受田新吉
○受田委員 私、ちょっと勘違いしておりました。これの中にあるものです。これが非常に大きな数字になっているわけですね。これを解消する方策というものに、この俸給表の改定というような問題が考えられるべきではないか。つまり頭打ち、ワク外昇給者をなるべく解消するような方策をおとりになる必要がないのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/195
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196・瀧本忠男
○瀧本政府委員 昨日も同趣旨のお尋ねがあったのでございまするが、今回も俸給表を各等級別に場合によりましては号俸延伸をやっておるのでございます。その延伸をいたしております個所が、必ずしも現在ごらんになっておりますワク外者の数が多いところと合致していないというようなことがあるのじゃなかろうかというようなお話があったのでございまするけれども、われわれといたしましては、国の俸給表が警察官あるいは教職員につきましては地方にも適用されるということがざいます。そこで、教育職員あたりにつきまして、このわれわれが国家公務員だけについてごらん願っております表だけで見ましたのでは必ずしも適切ではないということがございまして、別途いろいろな関係から資料を入手いたしまして、そうして真に必要のあるところの延伸をいたすということをいたしますし、またそうでないところにつきましては、これは個々の方々についてどういうわけでそれが延伸されておるのかというようなことを具体的に一人ずつ調べておりまして、あるいは病気をしてずっとそういうところにおられるというような方もおりますし、いろいろな事由がございますので、適切でない場合にはやはり適切な措置をとっていく。必ずしもそれを俸給表の延伸ということだけで片づけるということでなしに処置してまいりたい、このように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/196
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197・受田新吉
○受田委員 それではこれで終わります。
大臣、もう問題もあとありませんが、一昨日総理にもお尋ねした問題で、現職公務員の給与の上昇というものに見合って、退職後の恩給、共済組合のほうは共済年金、こういうものをできるだけスライド的に引き上げていかないと、現職の公務員そのものが失望する。やめたらああいうあわれなかっこうになるんだという懸念を与える。そこで、六十まででも七十まででもがんばっていくという人も出てくる。定年制というものの実施も、そういうものがきちっとできれば自然に生まれてくると思うのです。退職公務員の恩給、年金の現職にスライドする案と、それからこれに伴ってそれらができれば、自然に定年制というものが生まれてくるわけでございますが、そういうものの基準について、また定年制の施行というものについて、大臣としての御信念を吐露していただいて、私の質問を終わりとしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/197
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198・安井謙
○安井国務大臣 恩給、年金のスライド制という問題は、確かに理論として合理的なものであろうと思っております。ただ、これは御承知のように、また金額としても将来非常に影響の大きい問題でございます。また、どの程度に基準を置いていくかという点にもいろいろむずかしい問題もあろうと思いますので、今後もせっかくひとつ検討さしていただきたいと思います。
私ども、定年制はできればしいたほうがいいと思っております。まだ諸般の事情から簡単にいっておりませんが、将来はそういう方向で考えていきたいと思います。これはいますぐ右から左へどうするというわけにまいりませんが、いまの御示唆は十分含んで、今後も前向きの姿勢で検討を進めていきたいと思っております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/198
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199・河本敏夫
○河本委員長 この際、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を議題とし、ただいま議題となっています二案とあわせて質議を行ないます。村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/199
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200・村山喜一
○村山(喜)委員 私は、防衛庁長官に対しましては重点的な問題だけをただしておきたいと思うのでございますが、防衛全般にわたりまする問題は、年が明けましてから通常国会においてそれらの問題についての論争をいたしたいと思いますので、本日は給与に関する問題、これに限定をいたしまして質問をいたします。
そこで、一般職の給与なりあるいは特別職の給与、防衛庁職員の給与並びに裁判官の報酬、検察官の俸給等の取り扱いの原則というものは、やはり平等でなければならない、こういうふうに私は考えるわけでございますが、これに対しまして、安井長官、藤井大蔵政務次官並びに松野防衛庁長官の見解をお尋ねをしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/200
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201・松野頼三
○松野国務大臣 俸給は平等であるべきである、あるいはその地位、階級に応じて平等であるべしということは、原則でございます。ただ、そのほかに、職務内容、勤務状況によって違うということは、これは国家公務員の職務内容がおのずから違うならば、それに応ずる給与あるいは手当というものがそれに付随するということは、あり得ることである、またあることが今日の給与体系である、私はかく考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/201
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202・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 ただいま防衛庁長官から詳しく御答弁ございまして、私もそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/202
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203・村山喜一
○村山(喜)委員 この防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の中で、いわゆる給与改定に伴う問題は一般的な問題として論議するなにはないわけでありますが、問題はこの中にあります特殊な条件にある内容のもの、すなわち学生手当であるとかあるいは自衛官の営外手当、あるいはまた今回こういうような問題に関連の直接ないと私は見ておる退職手当の問題が、突如としてこの給与法の改正案の中で出されてきた。これは自衛官について特例をこの際認めなければならない理由、いわゆる緊急性といいますか、そういうようなものが何かあるのかどうか、この点について御説明を願っておきたいのであります。これは御承知のように、国家公務員等退職手当法という法律が一般の国家公務員につきましてはあるわけでありますが、もちろん自衛隊の中における自衛官の二年勤務の者について、あるいは三年勤務の者についての特別な事情によるものはあるといたしましても、その他いわゆる退職金の通算というような問題に対しては、これはそういう提案をされるに至りました事情がなければならないし、またそこには退職金という一つの制度をめぐる問題として基本的に検討を加えなければならない段階にある。そのさなかにおいて、ここに特例であるとしてこの自衛官の特例を認める措置をなぜこの機会にとらなければならなかったのか、これについて松野長官並びにそういうような要請を受けましてその特例を認めてまいりました財政上の責任者である大蔵省の見解をお聞かせ願っておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/203
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204・松野頼三
○松野国務大臣 確かにこれは村山委員の言われるように、自衛隊自衛官の俸給の一つの特別な事情であります。そのいきさつは、発足当時のいきさつから今日までこれが継承されておる。同時にこの退職金の改正案は、以前におきましても同様な俸給表の中において措置をされたといういままでのいきさつから、今回もそのような措置をとったわけで、厳格に考えるなら、あるいは将来においては自衛官退職給与法というものができることが妥当であるかもしれません。しかし、今日まではそういう経過を実はたどっておりましたので、それと同様な意味で今日も扱ってまいりました。なお、補足的に人事局長から説明いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/204
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205・堀田政孝
○堀田政府委員 大臣の御答弁を補足させていただきますと、いま村山委員がお尋ねになりました、たとえば営外手当あるいは学生手当の値上げ等をなぜ必要とするのかということでございましたが、これは元来自衛官は営内に居住をして、みんな外から通わないというのがたてまえでございますが、そのうち曹士につきましては、営外に居住する者がおるわけでございます。しかも、今回ベースアップになりましたもののうちから五百三十円を糧食費に振り向けておりますので、その分は営外から勤務しております者は外で食べることになりますので、これは本人の営外手当に加算をいたしまして本人にくれてやるというのがたてまえになっております。したがって、従来四千百十円支給いたしておりましたものにプラス五百三十円、四千六百四十円営外手当を支給する、かようなことに相なるわけでございます。
なお、学生手当でございますが、これは防衛大学校の学生の手当でございまして、防衛大学校の学生は、一般職の高校卒の生徒が採用になりますときの基準が八の二です。したがいまして、その引き上げに応じまして千八百十円を加える。しかし、先ほど申し上げましたように、やはり営内居住の生活をいたしておりますので、糧食費の引き上げに伴いまして千円だけ学生手当として引き上げ、八百十円が糧食手当のほうに繰り入れられる。したがいまして、従来支給しておりました八千二百円の手当にプラス千円、九千二百円の学生手当ということに相なるわけでございます。
なお、第三点の自衛官の退職手当につきまして、なぜ退職金給与法できめるのであるかというお尋ねだと思いますが、これは、すでに防衛庁の職員給与法の中に、任期制の隊員、それから定年退職者の退職金の規定がございます。したがいまして、今回のようにすでに軍人の身分を終戦の昭和二十年八月十五日において失って、その後昭和三十二年の六月三十日までに新たに身分を取得した者につきましての退職金の措置を規定をするということは、差しつかえないことではないだろうかというふうに考えるわけでございます。
なお、第四点のお尋ねでございました、なぜ自衛官だけをこの際考えなければならないか、少しおかしいではないかというお尋ねでございますが、これは御承知のように、警察予備隊が発足いたしましたのは、昭和二十五年の九月で、海上自衛隊の前身である海上警備隊が発足いたしましたのが、昭和二十七年の七月でございます。なお、航空自衛隊の発足いたしましたのは、昭和二十九年の七月一日でございます。したがいまして、形式的に申しますと、昭和二十九年の七月一日以降航空自衛隊に入った者は、これは現在の退職手当法のたてまえから申しますと、終戦時の昭和二十年八月十五日以前に十年勤務をいたしましても、あるいは十五年勤務をいたしましても、それは通算をされないということに相なるわけでございます。特に自衛隊の場合には、昭和二十五年の九月警察予備隊として発足いたしましてから、毎年逐次募集をいたしまして、昭和三十二年の六月ぐらいまでが大体志望者が集中をして集まったときである、かように私どもは判断ができるわけでございますので、その間に入ってきた者は、一応終戦時以前の軍歴とそれ以後の自衛官の経歴期間、勤務期間が通算されるものであるというふうに考えるのが、妥当ではないだろうかというふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/205
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206・辻敬一
○辻説明員 自衛官の退職手当につきましては、ただいま防衛庁から御答弁のございましたように、軍歴期間の通算を受けない者と受ける者との不均衡がある点にかんがみまして、制度の改正を前提といたしまして四十年度予算に一億円計上した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/206
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207・村山喜一
○村山(喜)委員 不均衡是正は、その自衛官内部における不均衡是正だけにとどまっていないと私は思う。この点については、大蔵省はどういうような態度をお考えになっておいでになるのですか。そうしてまた、人事局が発足をいたしましてから、この問題は総理府の安井長官のところの所管に移っているのでありますが、それについてどういうような検討をしておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/207
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208・増子正宏
○増子政府委員 一般の公務員の退職手当につきましては、所管が従前の大蔵省から総理府人事局に移りましたことは、御指摘のとおりでございます。それ以来、私どもこの退職手当の制度の運用あるいは今後の内容の改善等につきまして研究に着手いたしておるわけでございますが、ただいま問題になっております自衛官の退職手当の問題につきましては、私の承知しておりますところでは、かねてからの懸案でございまして、いろいろとこれにつきましてはいわゆる不均衡是正の要望も相当強く、何らかの措置を必要とするのではないかというふうに考えられてきたのでございまして、ただいま防衛庁の人事局長からお話しがありましたように、また大蔵省の給与課長の話がありましたような実情で、この際一般の退職手当の特例を認めることはやむを得ないのではないかというふうに判断をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/208
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209・村山喜一
○村山(喜)委員 この際その特例を認めるのはやむを得ないということは、今回は、われわれは人事院の勧告に基づいて一般職の公務員並びにそれに伴う特別職、それから防衛庁職員、さらに検察庁なりあるいは裁判官の給与、そういう改善を行なうために緊急性があるということでこの問題について処理をしようという考え方に立って法案がつくられたものだ、こういうように考えるわけであります。退職手当の問題については、不均衡是正であるならば、一体どういう立場からの不均衡是正をやらなきゃならないかという問題については、相当総合的にいろいろな場合を検討をしながらその問題について対処しなきゃならないと考えた。しかしながら、この給与法案の中において、なるほど自衛隊の場合にはその特殊な例があります。例があるがゆえにこれが一つだけ飛び離れて出されてくるということは、何らかの緊急性がなければ理由が成り立たないと思う。その緊急性を今日の事態において解決をするということにならなければ、問題の解決にならないと私は思います。九月一日からこれを施行する。これは給与ベースの改定に合わせて施行をするということですね。そうなりますと、一体それに合わせて解決をしなければならない緊急性というものがあったのかないのか。これについて、やはり防衛庁長官が説明をされてしかるべきである。また、これについて文武官の間における均衡という原則は、安井長官が調整の機能を持っておられるわけなんだから、そういう立場からそれについて妥当であるというふうに認められた理由を説明を願わなければならないし、また大蔵省はそういうようなものに一億円の財源措置を伴うというのであるならば、一体そのようなものを認めたあとにおける今後の文武官の均衡なり、あるいはその他の職種との間における問題点というものをいろいろ総合的に判断をしてそれを引き受ける、これに対するオーケーを出されたに違いない。そういうようなものは、それぞれ政治的な立場における責任者の方から答弁を願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/209
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210・松野頼三
○松野国務大臣 自衛官の退職金の問題については、かねがねこの不均衡というものについて是正をしたいという緊急性は認めておりまして、そうして給与改定及びこういう給与の問題のときに、いままでどうしても必要であるものについて、同じ給与法の中での問題でありますので、その改定を逐次やってまいりました。今回も給与改定の中において、特にいままでの多年の不均衡というものを、ことにこの自衛隊の発足以来、陸海空三自衛隊の発足はおのずから違っております、そうしてこの特殊な職務から言うならば、ある意味においては平等な立場、ある意味においては不均衡のない立場において、その自衛隊における待遇をいたしたい。それがたまたま期限が切れておりますために、一自衛隊から他に転出した者、あるいは一自衛隊の発足がおそかったためにその者が入隊ができなかった者という一つの経歴から、この際どうしてもこれを改正いたしたい。これが緊急と言えば緊急な、私たちが最も主張している退職金の問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/210
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211・安井謙
○安井国務大臣 松野防衛庁長官がおおむねお答えになったとおりのように、私ども考えております。これは退職金の通算といったようなものは、恩給やその他を通じましても御承知のとおり、いろいろまだ創立のいきさつ上不均衡があるわけであります。今回の場合にもそういう意味の不均衡是正をやるという意味において、私どもこれはやむを得ないものであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/211
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212・藤井勝志
○藤井(勝)政府委員 退職金制度の不均衡是正の問題につきましては、自衛官の問題はただいま所管大臣よりいろいろお話がございましたが、その緊急性、特殊性の度合いの違いは多少あっても、その他の領域におきましてもいろいろ検討をしなければならない問題があるように考えます。特に終戦前あるいは終戦後間もないときと、それから後において給与体系が相当大きな変化をもたらした。こういった同じ職場の中においてそういう大きな変化があったこの人たちが、この退職金の問題についてもいろいろ問題があることは十分承知いたしておりますので、これを契機に今後等しからざるを憂うるという政治のかまえで善処しなければならない、このように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/212
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213・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで、安井長官にお尋ねいたしますが、退職手当金というものの性格ですね、これは一体何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/213
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214・安井謙
○安井国務大臣 いま理論的に解明しろと申されますと、いろいろ私どもむずかしいところはあろうかと思いますが、民間におきましても退職手当というものが出ておるわけでありまして、大体いまの公務員にいたしましても、あるいは自衛官にいたしましても、そういった俸給生活者が一定の年限をつとめてやめる場合、これは民間のそういった例に準じて適当な手当を出すべきものであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/214
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215・秋吉良雄
○秋吉説明員 ただいまの大臣の御答弁に補足して説明させていただきますが、退職金の概念につきましては、定見というのはまだございません。いろいろ説はございます。あるいは賃金のあと払い説もございます。また功績報償説というのもございます。それから社会保障説という説もございます。いまのところ功績報償説が有力であるということを言っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/215
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216・村山喜一
○村山(喜)委員 昭和三十二年の十一月、ちょっと古いのですが、臨時恩給等調査会の報告書が出まして、その中の二項で、退職一時金はその本来の性格から考えるならば、退職時の条件に応じて支給されるべきであって、退職後の条件をこれに影響させるべき筋合いではない、こういう答申が出されておるわけですね。とするならば、退職金の性格論争は、これはあとでやりますが、先ほど総理府総務長官の安井さんも、あるいは大蔵政務次官の藤井さんもともに認めておられるように、やはりそこには不均衡というものがあるのだ、そうしてその他の領域の中でもあるのだ、特に大きな経済上の変化等に伴う問題等についても考えなければならない、こういうことを言われた。とするならば、これはなるほど自衛隊の中においては、陸海空の間におけるバランスがくずれておることは私もわかります。しかし、それと同時に、文武官、文官の中におけるバランスの問題も考えなければならない。これは後ほど安井長官に具体的な事例として私は一つの例をお示しいたしますが、そういうような問題を総合的に勘案をして、慎重に検討をした結果結論を出す。そういうようなアンバラを是正しなければならないところは、アンバランスをなくするという考え方に立つべきではないか。そこで給与のこの改定のときに、その退職金まで一緒くたにして出すというのには、さほどの緊急性がないじゃないか。必要性と緊急性とを松野長官は一緒にしておられる。この問題についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/216
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217・松野頼三
○松野国務大臣 なお、この問題の前提になりますものが、御承知のようにこれは限定されております。どちらかというと、将来にこれが影響するという問題ではありません。過去の経歴において影響するもの、したがって、自衛隊の中におきましても限定された三千二百七十四名が今回適用を受ける。なお、退職した者五百三十九名があるいは与党修正案に入るということで、一つの緊急性と言えば緊急性でありまして、この者はだんだん減っていくだけであります。あと十年たてばゼロになってしまう。そこにある意味において限定されたもの、これからだんだん減っていくもの、将来にこれらが残るものではないということにおいて、早期にやることのほうが、また、やらなければ、この問題は無になってしまうということが、私は時間的に緊急性と言えば緊急性であると思います。
なお、不均衡の問題は、どこに均衡をとるかというと、これはいろいろの場面がございます。ただ、今日自衛隊内においての不均衡だけは、村山委員もお認めいただけると思います。それから自衛隊と文官との問題、また文官の特別職と一般職の問題、これはいろいろおのずから議論が出てまいります。ただ、私がお願いいたしたいことは、今日自衛隊内において同じ経歴の者における不均衡があるので、これの是正をお願いいたしたいという意味が、ここが重点になりまして、その他においての議論もございましょうが、しかし、一般的に今日までその経歴をすでに実施した者もございます。今回その実施に漏れる者があるというなら、その漏れる者が少数であり限定されるならば、その者を救ってやりたい。しかも古い老年と言うとおかしいですが、年も相当な年齢を経過したものであるというならば、ある意味においては人情味を持って御理解いただければ、まことにありがたいものだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/217
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218・村山喜一
○村山(喜)委員 松野長官の防衛庁長官としてのお立場からはわかります。しかし、国務大臣として、また安井長官が退職金についての当面の責任者として、そういうような立場から考えるならば、私はさほどこのぎりぎりの年末の段階の中で提案をされなければならないほど緊急性があるとは思わない。これは意見になりますから、その点については省略をいたします。防衛庁長官予算委員会に行かれるそうでありますから、私は退席をしていただいてもけっこうであります。なお、藤井政務次官もけっこうでございます。
ここで安井長官にぜひただしておきたい点は、われわれが行政機構改革の跡を振り返って考えてみますると、昭和二十四年の五月十一日、総司令部からの覚え書きが出ましたですね。そうして、政府職員に対する退職手当に関する覚え書き、それは当時第三次吉田内閣の行政整理であります。この行政整理の事実上、実際上退職をせしめた数は十六万五千五百五十二人、これに対しましては二十四年の六月二十八日に閣議で退職手当の総金額を五十一億円以内に限定するということをきめた。一人当たり三万円です。そうして失業のちまたの中にそれが放置されたわけです。これらの人たちが一体その後どうなったのかという問題、これをさらに調べてまいりますると、就職の機会のなかった人は民間のそれぞれの生活の中に入っておるわけでありますが、やはりそういうような行政整理に伴って、当然退職金もうんとやらなければならないにもかかわらず、日本の財政状況というものがあったがゆえに、また、占領軍の指令によりまして、そういうような一人当たり三万円で放置したわけです。そしてその後は、長官も御承知のように、いわゆる一般職国家公務員の場合には、定員内職員、定員外職員というふうに振り分けをいたしました。その定員外職員の中に、常勤労務者と非常勤職員とを分けた。非常勤職員の中に非常勤職員と常勤的非常勤職員というのを分類した。そうして、いわゆる常勤労務者の定義なりあるいは常勤的非常勤職員という定義の問題は別にいたしまして、昭和二十四年六月の定員法によりまして、だんだんにこの人事院規則もそれに関連をしてくるわけでありますが、いわゆるパートタイムの職員からこれがフルタイムの職員にかわったものもあります。そういうようなかっこうの中でいわゆる国家公務員共済組合法の制定がありましたときには、御承知のように二十九年の四月一日に常勤労務者のみが救済をされたわけであります。その救済は、定員内常勤職員と同じような形に相なりました。しかしながら、依然としてこの非常勤の常勤的非常勤職員というものについては、これは何らの改正もされないで、身分的にもまた給与の上においても放置されたままなんです。そうしておいて、これが大体二十二特別国会の附帯決議等もございまして、同一勤務に対する同一処遇、同一労働、同一賃金というような立場から、この内閣委員会等におきましても決議もされた歴史があり、そうして三十三年ごろになりますと、一部定員外職員の定員化という問題が、公務員制度改正までの暫定措置として措置されてまいりました。こういうような中において、その人の退職手当という問題を一つ取り上げてみてください。一体これらの人は、御承知のように身分的にも不安定なままで二カ月更新のそういう切りかえ措置による常勤職員、あるいは日々雇用の形による労務職員、これは常勤的非常勤職員という形で処遇をされてきておる。そうすると、一部の者については、常勤的な職員につきましては、国家公務員共済組合法の年金の受給対象者にはなった。しかしながら、その常勤的非常勤職員はそれすらもなり得ないのです。そしてようやく三十三年ごろになりまして身分が確定をしてくる。とするならば、十年間の間のブランク、これは一体どうしてくれるのかという問題がある。だから、文武官のいわゆる均衡という原則の上に立つならば、本人がやめるという形で退職をした者はいざ知らず、これは問うところではございません。しかしながら、現在の国家公務員の退職手当法を見てみますと、昭和二十年八月十五日に海外の官庁におりました職員、それに軍人軍属で、結局それらの者で二十八年の七月三十一日現在在職をした者については、いわゆる通算の措置をする。そして二十八年の八月一日以降の就職者の中で海外から引き揚げて来た者については、政令によりまして——三年という限度はありますが、就職した者については通算をするという形はとっておる。しかし、この場合におきまして、引き揚げ者の場合は、これは退職金を、まあ終戦直後のことでありますが、わずか千円くらいのものをもらった人たちもおります。しかし、それは当時のべースに換算をいたしまして、その期間だけは控除しておるのであります。期間を控除して退職金を通算をする。もちろん軍人軍属の場合には退職金は出なかったわけでありますから、全期間を通算するという仕組みになるわけであります。そういうような形の中で、今回二十八年八月一日から三十二年六月三十日までに自衛官になった者は、同じように全額、全期間について通算をしようというのです。そうするならば、それもそのような措置を、いわゆる陸海空の自衛官の間における不均衡があるということならば、それを認めてもよろしいでしょう。しかしながら、それを認めるということになるならば、当然この問題は文官のほうにも及ぶべきである。しかも、それは引き揚げ者公務員だけにとどまらない。私がいま一つの事例として指摘をいたしましたこういうような国の行政整理によって、涙金のような退職金をもらって、そのあとにおいてそのような非常勤職員あるいは常勤的非常勤職員という形において勤務を余儀なくされて、ようやく身分的に救済をされて今日つとめておる人たち、これらについて政府として措置をしないということは、片手落ちな方法だと思う。そういうような問題があるんだということを御承知であるならば、これについて検討をされるべきであるし、もしそれが不幸にして長官の耳にまでまだ入っていないならば、こういうような問題こそ、人事局ができましたその段階の中において、あなたのところにおいて総合的な調整をされるべき問題ではないかと私は思う。そういうような点につきまして、長官の御見解をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/218
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219・安井謙
○安井国務大臣 いまお示しの具体的事例につきまして、まだ私詳しく承知をいたしておりません。参事官から答弁をさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/219
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220・秋吉良雄
○秋吉説明員 事務的な御説明を申し上げたいと思います。ただいま村山委員から非常に綿密なる御指摘がございました。おっしゃる趣旨は、終戦直後、あのときはたしか超均衡予算の制度のもとにおいて、相当の行政整理が行なわれたわけでございます。御指摘のように五十一億、あるいは一人当たり三万円ということにつきましては、残念ながらただいま的確な資料を持ち合わせございませんから、その点は後ほど調べまして御答弁いたしたいと思います。いずれにいたしましても、当時相当の行政整理が、二十四年あるいは二十六年あるいは二十七年あるいは三十年と数次にわたって行なわれたわけであります。そこで、行政整理を行ないます場合には、もちろんその退職の際の時点におきまして、あとう限りの退職金の割り増しをやってきております。昭和二十六年につきましても、八割増しの退職金を出しております。さらにまた、昭和二十六年七月のと同様でございますが、閣議決定で昭和二十九年でございますが、いわゆる特別待命制度といった制度を創設いたしました。あれは確か十カ年間だったと思いますが、ちょっと記憶ははっきりいたしておりませんが、そういう特別待命制度を設けまして、自然整理退職の円滑をはかったというような措置も講じておるわけでございます。この特別待命につきましては、閣議決定が非常に問題があるということからいたしまして、昭和三十年でございますか、特に法律化いたしまして、特別待命制度を創設したというように、過去の整理にいたしましても、その時点におきまして、政府としてはあとう限りの割り増し整理退職金を出したというように、私ども承知しておるわけでございます。
そこで、退職金につきましては、先ほど性格のお話がございましたが、正直申しまして、これは定見はございません。しかしながら、従来、政府といたしましては、勤続報償というたてまえで現在の退職手当はあるわけでございます。つまり勤続が長ければ長いほど退職金の率はいいわけでございます。さらにまた、一度やめまして、かりに一日でもブランクの者がございますと、つまり翌翌日採用になった場合には、これは通算いたしません。その日もしくは翌日採用になった者につきまして、退職金の通算措置を認めているわけです。そのように、現在の退職手当制度は、それがいいか悪いかということは別問題といたしまして、ともかく勤続報償というたてまえで貫かれておるわけでございます。そこで、この勤続報償のたてまえの現行制度の例外を認めることにつきましては、私ども政府といたしましては、従来の考え方といたしましては非常に消極的な立場に立っているわけでございます。そこで、従来勤続報償のたてまえを取りくずした例外としては、先ほど村山委員から御説明がございましたように、終戦に伴うどうしてもやむを得ない空白期間、これはやむを得ないということからいたしまして、先ほど二点の御指摘がございましたような点を特に法律で措置したわけでございます。これは二十八年の八月一日の暫定措置法がつくられる場合に、先ほど御指摘のございました政令でそういう道を開きました。さらにまた御議論がございまして、三十六年でございますか、引き揚げ者につきましては、内地帰還後三年以内に限って再就職した場合には、これを認めましょうということで、その時点その時点におきまして、いろいろな点を検討いたしまして、極力そういった不均衡の問題につきましては措置してまいったわけでございます。
そこで、先ほど常勤的非常勤、あるいは非常勤となったというような御指摘もありましたけれども、これにつきましては、常勤的職員につきましては、これは現在、御承知のように共済年金もそうでございますが、退職手当法上の扱いとしては、一般には定員内職員と同じような扱いにしておるわけでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/220
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221・村山喜一
○村山(喜)委員 昭和二十六年以降の問題につきましては、財政的な措置も講じておるようでございます。昭和二十四年の場合には、これは明らかに総司令部からの覚え書きが出ておる。この内容は、行政機構年報の第一巻の昭和二十五年行政管理庁の管理部が発行した文書の中に出ております。後ほどお調べのほどを願いたいのでありますが、そういうような形の中で行政整理十六万五千名をやったわけです。やった結果、退職金も限度一ぱいの形で、閣議決定で五十一億というような中で処理をされたんです。そういうような問題こそ、まさにこれは不均衡是正を、国に財政的なゆとりがあるならば、おやりになるべきじゃないか。その者が今度、いまおっしゃったように、なるほど非常勤職員として二カ月更新した者につきましては、共済年金の問題も退職金の問題も通算されるようになる。しかし、その職員になる前は、パートタイムの職員としてつとめておる。そういうような者が一体政府の職員の中に何名おるか。そうしてその間の期間が、年金の上に通算されない期間が、どういうふうになっておるか、これについては、この委員会で私は前に取り上げたことがあります。そうしてこれらの者についての実態調査をやりましょうということであったのです。いまから二年くらい前です。しかし、まだここには報告がなされておりません。特に全農林の農林省の職員等に、それが多いわけです。
こういうようなことを考えますると、現在の退職金の性格という問題が、今日の段階においては問題なんです。いわゆる恩給という問題にいたしましても、給与の後払いである、あるいは社会保障である、あるいは褒賞的なものであると、三つの説が同じようにあります。退職金も同じとすれば、一体退職金の性格というものは何かということになってくる。だから、これらの問題についてはやはり根本的な問題があるんです。
一体国家公務員の退職手当法という法律があるのに、なるほど、勤務期間が二年なり三年なりでやめる場合、あるいは先ほど説明がありましたように、定年退職をする場合、これは一つの特殊な事例として自衛隊法の中でおきめになってもよろしい。しかしながら、期間の通算というような問題等については、これは自衛隊の職員であっても国家公務員でありますから、そういうようなものについては、やはり国家公務員等退職手当法の中において解決をするという基本的な姿勢というものが政府になければならない、私はそういうふうに考えますが、安井長官、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/221
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222・安井謙
○安井国務大臣 少し専門的になりますので、参事官にもう一回答弁させまして、私からまた……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/222
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223・秋吉良雄
○秋吉説明員 退職手当につきましては、御懇篤な御指摘があったわけでございますが、この問題につきましては、通算の問題のみについていまいろいろ御指摘がございました。また共済年金につきましては、先ほど御指摘がございましたように、通算問題は、過去においても問題になりました。この通算は、一般的に処理すべき問題であって、自衛官の任期制とか定年制は特別であるから、国家公務員等退職手当法でやれというお話でございますけれども、この防衛庁職員給与法を特に御審議願うわけは、自衛隊の特殊事情——昭和二十九年七月に防衛庁ができたという特殊事情、しかも一般的には二十八年の八月一日が退職手当の適用日で限定している。その間において、自衛隊の場合は、むしろ二十八年の八月以降に相当の人数が公募して入っている。しかも、それを野放しに認めるということになりますと、勤続報償の体系を乱します。そこで、そういった公募の実態と採用計画と採用実績とを見まして、野放しでなく、三十二年六月三十日で打ち切っているという趣旨でございます。そういった自衛隊の自衛官の特殊な採用の実態ということに着目して、特例を認めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/223
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224・村山喜一
○村山(喜)委員 いま説明をお聞きいたします中で、三十二年の七月に入った者は一体どうなりますか。これは明らかにはずされるわけでしょう。そういたしますと、六月と七月の間に一カ月間しか差がない。それについての不均衡というものは、将来出てきませんか。当然出てくるはずですよ。だから、そういうような問題について、これらの問題を措置される場合においては、期間だけでなく内容的な問題にまで思いをいたして、総合的に検討する段階にあるのじゃないですか。その点を私は長官にお尋ねをしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/224
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225・安井謙
○安井国務大臣 いま期間を区切りましたので、それから一月たてばどうかというお話でございます。これは非常にごもっともだと思うのですが、そういった適用範囲を広げます場合に、一定の期間を区切る、四年なら四年と区切る場合に、どうしてもその一定の月日ができてくるのは、どうもやむを得ない措置じゃなかったかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/225
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226・村山喜一
○村山(喜)委員 その問題はこまかい問題になりますので、防衛庁の人事局長からお聞きいたしますけれども、安井長官に私が自分の意見を申し上げて、先ほどの具体的な例をあげながら問題を提起したわけです。そこで陸海空の三自衛隊の中におけるところの不均衡という問題については、これでカバーできるという形で提案がされたのだろうと思うのです。しかしながら、私が言うのは、もっと基本的な問題をお考えになるのが、安井長官の立場ではないか。というのは、現実に一つの事例としてマッカーサー司令によってやられた、しかも退職金はスズメの涙しかもらわなかった、国の財政上の理由によって。その占領軍の覚え書きによって削られたのです。しかもその後において身分的に不安定な状況の中で、なお今日公務員としてその期間を除かれたままでつとめておる方たちがおるのです。こういうものについては、やはり内容的に均衡というものの上から考えるならば、取り上げるべき筋合いのものではないか、こういうことを言っているのですが、そういうようなものについて検討される意思がありますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/226
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227・安井謙
○安井国務大臣 先ほど申し上げましたように、私その間の事情をよくまだ承知しておりません。いま御指摘によりまして、私どもも一度よく調べまして、それを検討してみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/227
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228・村山喜一
○村山(喜)委員 ただ検討されるだけではつまらないのであって、そういうような職員が一体何名おるのかということを調べてもらいたいということで、二年くらい前からこの問題を取り上げているのだけれども、大部分は解消されましたというような報告しかないので、しかもその間の待遇上の問題については、一体どのようなふうに是正されたのかということについても、具体的な問題がないのです。各省庁にまたがっておりますから、したがって、これについては人数の少ない総理府の中で、特に人事局というのは新設の機関で人員も少ないわけですね、その中でやろうということになりますと、よほど熱意を持ってやらなければ解決できない問題です。そういうようなことで前向きで検討願わなければならないわけですが、前向きで検討いただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/228
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229・安井謙
○安井国務大臣 お話しのとおり、私どものところ、人事局の人員はまだ非常に少ないわけでございますが、この問題はひとつ鋭意前向きの姿勢で十分検討をさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/229
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230・村山喜一
○村山(喜)委員 それで了承いたしますが、防衛庁の人事局長にお尋ねいたしますけれども、三十二年の六月までに集中募集が終わった、それ以降においては——それまで何かピークがあるだろうと思うのですが、そうすると、三千何ぼの人員が救済されるのだということです。それのデータはどういうような数字を基礎にして、そういうような意見を言われたものか、これを説明を願っておきたいのであります。
それと、この退職手当の問題ではございませんが、先ほどのいわゆる学生手当並びに自衛官の営外手当、この中で学生の分については八百円が糧食費であり、営外手当の分については五百三十円が糧食費である。糧食費は営外手当の場合と学生の手当の場合とはどういうふうにして額が違ってくるのか。これはカロリーとかその他の待遇が違うのか、そういうような点についても説明を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/230
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231・堀田政孝
○堀田政府委員 お答え申し上げます。お尋ねの第一点でございますが、なぜ昭和三十二年の六月三十日で線を引いたのか、そのあとおそらく採用されておる人間がおるであろうにもかかわらず、なぜこれを救わないのか、こういうお尋ねであると思うのでありますが、これは一応形式的に申しますと、昭和二十九年の七月一日に陸海空三自衛隊がそろいました。新しい自衛隊ができておるわけでございますから、それから三年の期間があれば、これはどうしても自衛官になりたいという気持ちを持って待っておった者も、三年くらいの間にはみんな入るのではなかろうか。なおその間何回かの募集をし、公募をやっておるわけでございます。その公募の機会に、三年もあれば漏れてしまうということはないのではなかろうかというふうに考えるのが一応常識的であろうということで、一応三年というのを形式的には大原則として掲げたわけであります。これは先ほど村山委員の御指摘がございましたが、一般公務員の場合にも、昭和三十六年の改正で外地からの引き揚げ者が引き揚げ後三年という原則をとっておられるのも、やはり三年ということでいくのが常識ではなかろうかという御判断であろうと思うのでございますが、一応形式的にそういう考え方に立っておるわけであります。また具体的に数字をあげてみますと、昭和二十九年が、採用された者の中で軍歴の保持者が一番多いのであります。二十九年、三十年、三十一年、三十二年と、大体三けた台、百台で保持者が入ってまいりまして、三十三年になりますと、二けたになるわけであります。したがいまして、これはやや理屈めくのでございますけれども、三十二年のとき入れば当然入れたであろう者が、やはり三十三年になって入ってきておる。当然入れたし、入る意思さえあれば十分に入れたのに、三十三年になって入ってきておる。したがって、ここまではいじらなくてもいいのではないか。もっと平俗なことばで申しますと、三十三年以降の採用は、おおむね欠員の補充というふうに解釈をしてもよろしいのではないかというふうに私どもは考えまして、一応三十二年の六月三十日に線を引いたわけでございます。
第二点のお尋ねでございます防衛大学校の学生の糧食費とそれから一般の隊員の糧食費の違いは何であるか、こういうお尋ねでございますけれども、学生手当の場合の糧食費は、食事代をまるまる引いておるというのがたてまえでございまして、自衛官につきましては食事代のうちの一部、七四%を引いて残余は国が負担をしておるというたてまえになっておりますので、同額でない、このように御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/231
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232・村山喜一
○村山(喜)委員 私これで終わりますが、この退職手当の問題につきましては、自衛隊が特殊なそういうような性格ということで、いろいろ新聞紙上等によりますと、欠員補充というようなことで二年間勤務をした場合には百日間分の退職手当を増額をする、さらに三年の場合には百五十日分を増額をするというような案があるやに聞くのであります。そういうような将来また退職手当の問題について募集難を解消しようというような動きがあるわけですが、そのようなことがどういうふうにかたまってくるかは、今後の防衛計画の問題にも関連がありますし、あるいはいろいろ自衛隊の充足の問題にも関係があるわけですが、そういうような問題はお出しにならないのですか。出されるとするならば、なぜそれらと一緒にこれらの問題を解決をするという方法をおとりにならないのか。どうもそこら辺が、もうこれについてはそういうような提案をする意思はないのだというのであるならば、ここでそういうような年をとった人たちの問題だけを解決をしておくのだというかまえで、緊急性を認めて提案をされたということを、われわれもわからないでもないのだが、将来そういうような退職手当を改正をしないという考え方をお持ちであるのかないのか、この点についての見解をただしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/232
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233・堀田政孝
○堀田政府委員 お答え申し上げます。
今回お願いをいたしました防衛庁職員給与法の附則の改正の問題は、将来の問題と申しますよりも、自衛隊に入ってきたその日にちが、昭和二十九年の八月一日以降三十二年の六月三十日までに入った人たちが、将来大体十年間で三千二百七十四名、毎年やめていくわけでございますが、その人たちの退職金の通算を考えた、将来発生をしていく問題ではなくて、すでにあるものがだんだん消えていくものについての措置を考えてやろうという考え方で法改正をお願いをいたしておるわけでございます。
また、いま御指摘のございました任期制の自衛官の退職金を考えておるのであるとするならば、それと一緒にしたらどうだという御議論でございますけれども、これは、本質的に性格の違うものではないかというふうに考えております。と申しますのは、いま第三次防衛力整備計画の検討をいたしておるのでございますけれども、その中で自衛官の充足率を向上させるためには、いろいろと考えていかなければならぬ問題がある。たとえば環境の整備、老朽しておる隊舎を建てかえてやりましたり、糧食について、もっと合理的な措置を考えてやりますとか、昇任の率をいろいろ考えてやりますとか、少なくとも任期制の隊員として二年なり三年なり勤務をして、入ってこようとする若い青年諸君に、魅力を与えるということを考えてやらないと、いつまでも充足率の向上ということは解決できないのではないかということが考えられますので、その中で現在任期制隊員が二年ないし三年たってやめていくときの退職金は幾らであるかというと、御指摘のように百日分、大体五万円前後でございます。警察予備隊が発足したときには、任期制隊員は退職するときに六万円もらっておった。それが現在では、むしろ五万円に下がっておる。そういうようなところも、やはり充足率の向上を阻害しているのではないだろうかというようなことを、私ども内々で勉強しておる間で議論が出た、それが外に伝わりまして、今度はこの退職金を幾ら幾らにするのである、あるいは幾ら幾らにすることにしたとかいうようなことが新聞等で伝えられておりますので、そういうことが提案されるのではないかという御指摘になったと思うのでございます。これは、全くまだ検討中というか研究中の問題でございまして、どういうふうにするかということは全然まだきめていないというふうに御理解いただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/233
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234・河本敏夫
○河本委員長 田口君から関連質問の申し出があります。田口誠治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/234
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235・田口誠治
○田口(誠)委員 要望になるとも思いますが、安井長官に一言。
三十六年だったか、公務員の退職金の改定のときに、三年以内に公務員になった場合には取り上げるということになっておりますので、先ほど一番の問題を堀田さんが説明されたのと、ちょうど同じ考え方です。だから、今度新しく出してこられるということになると、やはり全般のものを検討してもらわないと、年限的な面からやってみても、そういうことになる。だから、今後ともこの問題をよく検討していただかなければならぬ、こう思いますので、あらためて答弁は要らないと思いますが……。(「答弁させたらいい、大事なことだ」と呼ぶ者あり)それでは、答弁していただいてもいいですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/235
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236・安井謙
○安井国務大臣 お話のとおり、いまのような事態を取り上げるといたしますれば、ほかへ波及することも多々あろうと思います。他との関連においても、十分慎重に検討するようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/236
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237・村山喜一
○村山(喜)委員 私も、もうそろそろ質問を終わりますが、この不均衡是正、こういうような問題の中で、退職手当の問題が給与改定の問題と並んでここに出てきた。その提案のしかたは、いずれでも、それに付随して出されても、性格的にはかまわないわけであります。法律的にいっても、それは違法ではないわけでありますけれども、しかし、われわれが慎重に検討する上で考えていかなければならないのは、そういう抜本的な問題が背景にあるのだ、そうして、聞いてみると、その緊急性は、ことしじゅうに解決をしなければならないようにも受け取れない、年が明けてから、これらの問題について総合的に検討をする機会をつくってもいいのじゃないかというふうに思われる。
そういうような点からいたしまして、ややもしますと、今日自衛隊の士気を高揚する、こういうことだけで問題がすりかえられてしまうおそれがある。不均衡是正という問題から出発したものが、士気の高揚の問題にすりかえられてまいったのでは困るのです。やはりそこには自衛官は自衛官なりのつり合いの問題もありましょう。しかし文官とのつり合いの問題も同時に考えなければならない。
恩給の問題でもそうであります。仮定俸給の押え方の問題について、これはこの委員会においても決議をされておりますが、文官でいわゆる公務上の災害によりまして死亡した者についての仮定俸給の倍率は、最高が三十二・九割、そうして旧軍人については四十三・二割ということになっておる。そういうような問題を一つとらえてみましても、ややもすると、そのようなものは旧軍人が先行をしてしまう、そうして、そのあとそれとのバランスをとるという意味において文官を是正する、こういうかっこうの中で、やはり総合的な立場をとらなければならない総理府の安井長官としては、非常に気をつけてもらわなければならない点だと私は思うのであります。その趣旨とするものは、内容的にはわからないでもありませんけれども、しかしながら、そういうような全体的な立場においてこの問題をお出しになるということは、非常に問題があり過ぎるのだと私は考えるのであります。
そういうような立場から、この退職金の性格をめぐりまして、そうしてまた、あるべき退職金はどういうふうになければならないのか、恩給制度との関連性というような問題等も考えながら、次の機会までに十分な検討を要望として申し上げておきたいと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/237
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238・安井謙
○安井国務大臣 御指摘のとおりだと思っております。私ども給与の問題につきましても、一般公務員の場合、それから特別職の場合、あるいは特殊のこういった自衛官のような場合を扱いますにつきましても、やはり相互関連が十分ある。恩給にも同様の問題がございます。私どもはそういう点につきましては、今後ともつとめていまのお話のとおり、できるだけ総合的な関連のもとにこれをひとつ調整していきたいと考えております。
今度のこの法案につきましては、前国会にも出ておるというようないきさつもあり、いま人事局長から説明もあったような点もございますので、ひとつこの国会でお通しいただければ幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/238
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239・河本敏夫
○河本委員長 受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/239
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240・受田新吉
○受田委員 私、防衛庁職員給与法が提出された機会に、この法律に基づく質問とあわせて、一般職、特別職、その他の特殊法人等の給与に対して、給与の統一性、一貫性という立場から、二つの重点を置いて、お尋ねを短時間にさしていただきます。
さしあたりいま村山さんが指摘された防衛庁職員給与法の基本的問題点を指摘したいのでございますが、この参事官等の俸給表とそれから自衛官の俸給表、これについて参事官等の俸給表というものは一般職のどれを基準にされたのか、特に四等級に分けておられる、特例をしいておられるわけでございますが、その理由を御指摘願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/240
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241・堀田政孝
○堀田政府委員 お答え申し上げます。
参事官等の俸給表は一般職の行(一)の俸給表に相当しております。自衛官の場合は公安職の(一)を基準にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/241
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242・受田新吉
○受田委員 公安職の(一)だけじゃないでしょう。上のほうは何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/242
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243・堀田政孝
○堀田政府委員 これは私、よく承知いたしておりませんので、説明員が説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/243
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244・原中祐光
○原中説明員 参事官等の俸給表は行政職(一)をもとにしましてはじいております。そして四つに分けておりますのは、従来三つでございましたが、昨年度行政職俸給表の(一)に三等級ができました際に、この分を入れまして四つに分けたわけでございます。
自衛官の俸給表は、一佐以上を行政職俸給表(一)に基準をとりまして、二佐から以下を公安職(一)を基準にいたしております。なお、二士、三士は公安職俸給表(二)を基準にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/244
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245・受田新吉
○受田委員 大体その三つを基本にしておられることがわかるわけでございますが、そこで参事官等俸給表の四等級に分ける分け方でございますが、もちろん一階級ほど一般に入った関係でこれを加えたということでございますが、この行政職(一)と比べてみて、俸給が一等級と四等級の間で相当差があるわけですね。そのまますなおにこれを受け入れていないのです。これはどうしたことか。四等級の一般職の場合に一号俸は三万八千六百円を示しているのに、この四等級の下位は三万五千四百円である。それから一等級の最上は逆に十五号俸において十四万九百円であるのに、一般職のほうは十二万六千三百円、これは上に厚く下に薄いというようなかっこうになっている理由をひとつ御指摘願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/245
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246・原中祐光
○原中説明員 いま御指摘の点は四等級の初号俸の基準は行政職俸給表五等級二号俸を基準にしておりまして、その五等級の二号俸から始まっております関係から四等級一号俸を基準として四等級一号俸よりは低い額になっておるわけでございます。そういうことでございますので、一等級の俸給表は一般職の行政職俸給表(一)よりも高くなっておりますが、これは防衛庁の参事官等俸給表の適用を受けます者には超過勤務手当を出しておりませんし、あるいは休日給というようなものも一切支給しないというたてまえにしてございますので、あらかじめその分は織り込みまして、そうして俸給表を組むたてまえにしております関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/246
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247・受田新吉
○受田委員 すなわち自衛官と同様の措置をその俸給表では採用しておるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/247
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248・原中祐光
○原中説明員 御説のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/248
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249・受田新吉
○受田委員 そこで五等級の二号俸から始まる理由を御説明願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/249
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250・原中祐光
○原中説明員 防衛庁の制度といたしまして、部員、書記官、参事官というような制度をとっておりまして、おおむね長官の補佐役といたしまして部員以上がその任に当たるというたてまえにしております。したがいまして、一般職の俸給表を適用されるならば、一般職五等級の二号俸程度以上の経験または能力を持っている者がその任に当たる最低の線ではないかというようなことから、五等級二号俸を最低号俸の部員といたしまして参事官等俸給表の適用を受けるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/250
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251・受田新吉
○受田委員 そこで、五等級の二号俸から始まるなら、もう一つ五等級をつくらなくちゃいかぬわけですね。これは普通官庁で言うならば係長に当たるところ、部員としては係長くらいの力を持った人でなければ企画に参画できないという意味から、五等級をおつくりになって、気軽にこの俸給表を作成されたほうが筋が通ると思うのです。すなわち四等級には至らない、しかし部員としてはその知能を十分に動員しなければならないということになれば、別に五等級をつくったって威信に関する問題じゃないと思うのです。防衛庁の部員となれば、もう一応貫禄を持っているのですから、五等級二号俸の適用を受けるところを五等級にして、こういうふうにはみ出るような俸給表をつくらないで、一般職の五等級と同等のものを別におつくりになっていくほうが、体系としては筋が通る。これは私、一般職との関係で体系をできるだけ一般職に合わせるという方針をおとりになるほうが、防衛庁としては賢明ではないかと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/251
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252・堀田政孝
○堀田政府委員 政策的な問題でございますので、私からお答え申し上げますが、いま受田委員が御指摘になりましたような問題が防衛庁の中でも論議をされておりまして、部員制度というもの、それから防衛庁の現在議論の対象になっております参事官等俸給表の支給を受ける者の格づけと申しますか、一般職との比較考量の問題、これをやはり基本的に検討してみる必要があるのではないかということになりまして、昨年その調査に直接担当する者を指定いたしまして、現在検討に入っておる段階でございます。その勉強の過程におきまして、いろいろとお教えをいただきまして、いま受田委員が御指摘のような一つの案も検討の対象として使わしていただくようになるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/252
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253・受田新吉
○受田委員 かつて防衛庁は一般職にならうといいながら日額制を採用されておった。それは出勤等によって日額制を採用するほうが都合がいいという理由がおもなものであったわけです。私は最初から日額制変更を要求して、その後そのとおり採用してもらったわけですけれども、一般職とことさら違う形にしなくて、できるだけこれを合わせるようにして、そうして十分権威を保持する道は私はあると思うのです。その意味で四等級ばかりがこうして長い号俸が連なる形をやめさせる。これはやはり人事局ができた機会に防衛庁に対してそういう示唆を与えて、これをできるだけ一貫性を持たせるような形にする。それで防衛庁の部員たるの貫禄は決して失われません。そこへ集まる人は知能の高い有為の人材であることはみな知っているから、おまえは五等級だが、おれは四等級におるのだと言っていばるような者がおれば、それは処分すればよろしいのです。その権威を保つためにはやはりこうした体系をりっぱに守っていくという形をとってほしいと思うのです。
そうしてもう一つ、参事官はいま何人おられますか。参事官でこの一等と二等の該当の概数をちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/253
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254・堀田政孝
○堀田政府委員 参事官は十名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/254
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255・受田新吉
○受田委員 みな一等に入っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/255
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256・堀田政孝
○堀田政府委員 指定乙が三、それから一等級が七でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/256
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257・受田新吉
○受田委員 そこで今度指定職ですが、これもなかなか問題があって、統合幕僚長を特別抜き出しておったりして、事務次官と俸給を混合したような傾向があったわけです。これも昨年指摘した分が是正されてきたわけでございますが、この指定職の欄の甲を受ける者は、いまの外局の調達庁と防衛施設庁と技術研究所というものの長官、それからこれは事務次官はないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/257
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258・堀田政孝
○堀田政府委員 指定職甲の指定を受けます者は統幕議長、幕僚長、自衛艦隊司令官、航空総隊司令官であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/258
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259・受田新吉
○受田委員 そうすると、事務次官の場合はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/259
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260・堀田政孝
○堀田政府委員 お答え申し上げます。
指定職甲の官職は、仰せのとおり、事務次官、それからさっき申しました統幕議長、陸海空幕僚長並びに東部方面総監、北部方面総監、自衛艦隊司令官及び航空総隊司令官でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/260
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261・受田新吉
○受田委員 これは指定職の分とそれから陸将、海将、空将の号俸の甲、そういうものが、いま御説明のとおり、事務次官は参事官等俸給表の該当者でいいけれども、そうした統合幕僚会議の議長などという分は、この陸海空将のほうの俸給別表のほうを使う、自衛官等の俸給表を採用すべきもので、参事官の俸給表を採用すべきではないと思うのですけれども、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/261
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262・堀田政孝
○堀田政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/262
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263・受田新吉
○受田委員 そうしますと、別表第一の作成を、参事官等でなくて、事務次官、参事官等というふうなかっこうにしないと、事務次官ははずされてしまっておる。参事官の中へ事務次官が包含されておるという危険があるわけですね。この書きぶりがおかしい。それから私がさっき言った自衛官の俸給と一緒に御答弁になっているから、参事官の俸給表の中にそんなものが入っておるということではいけないので、それは別に説明をされなければいかぬわけです。これはそれぞれ自衛官と事務次官、参事官等というふうなかっこうではっきりしておかれる必要があると思います。いまの勤務地手当あるいは暫定手当とかその他の超勤とかいうものを含めて、こういう俸給表が一割以上高くなっているのですが、実際は、やめるときにはそれが今度共済年金の基礎になるわけです。したがって非常に優遇されているわけです。これはやはり他の官庁との問題が一つ起こってくるわけなんで、ほかの官庁ではそういうもののないところは、その分だけが基礎俸給の中から減らされて年金がつく、自衛官だけがその点が優遇される、こういう問題が起こってくるのです。これは根っこの俸給が高いのでございますから、そういうものがみな派生してくるということになってくるのですが、これはどうですか。やはりさっき村山委員の質問の中にあったが、年金の受給額にも影響する問題としてこれは一本にしてはどうですか。これは総理府人事局、大蔵省双方の………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/263
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264・秋吉良雄
○秋吉説明員 そういう問題があるのは御指摘のとおりです。超勤率が入っているから、したがって退職金の受給率が大きいじゃないかということは、かねて問題がございます。そこで、期末、勤勉手当と人事院勧告の率がふえるに従いまして、それに順応いたしまして超勤率は削減してまいっているという点は、御指摘のあった点でございます。それから俸給表の水準差、調整額というのもございます。それも実は退職手当の基礎俸給の算定基礎になっている。その分をどうするかという問題があるかということは、従来からそういう問題はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/264
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265・受田新吉
○受田委員 できるだけ同じ階級の者は同じ年金の算定基礎になるような処理は、私はしかたの上で方法はあると思うのです。法律を別にそこをつくり直せばいいのですから。そういうふうにしてできるだけ同一階級に属する者に同一にそういう派生的な処遇も考えていくというような形におまとめを願うような努力をされる必要はないか。
それとここに、三等陸海空士から二等、一等へいくときは、最後の二つは一号俸しかない。これは、この間は進級は同時という前提に立っておられると思うのですが、今度一等は四つなり、陸曹にはさらに多く出ておる。これはどうですか。この辺はこういうかっこうでなければいけないのですか。一等陸海空士というものは四つもなければいけないのですか。四つも差がつくような、四年間もかかるような人がおるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/265
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266・原中祐光
○原中説明員 実際にはやはり四号俸くらいの者もおりますが、おおむねの者は、いま御指摘のようにその号俸の前ぐらいから上にいくような実態になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/266
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267・受田新吉
○受田委員 だから実際に適用されないような号俸があるというのがおかしいので、そういうものは削除しておくべきだ。休職とかなんとかで特例があれば、今度ワク外昇給という手があるわけでございますから、昇給年限と号俸と終始一致させるような方式をとられるべきで、余分なものがひっついておるのは問題だと思う。
それから今度は、この法律の改正点ですが、学生手当というものは、一体なぜ来年一月一日にされて、九月一日にされなかったのですか。募集の関係か何かの関係ですか。実施期が違っている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/267
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268・堀田政孝
○堀田政府委員 九月一日に実施をすることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/268
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269・受田新吉
○受田委員 いまの法律の学生手当は一月一日からとなっている提案理由があったように思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/269
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270・原中祐光
○原中説明員 法律案は、学生手当の改正の分は第一条に書きましたものですから、一条は九月一日にさかのぼっておりまして、九月一日から学生手当も上がるものと承知しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/270
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271・受田新吉
○受田委員 この学生手当の性格というものはどういう意味があるのでしょうか。学生に手当を支給する理由です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/271
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272・堀田政孝
○堀田政府委員 学生手当の意味もいろいろございますのですが、学生は自衛隊員ではないけれども、しかしやはり勉強しながら自衛官たる切磋琢磨をいたしておりますので、全然支給しない、言うなれば小づかいもやらないというわけにも参りませんので、手当という形で支給しているということになるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/272
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273・受田新吉
○受田委員 この幹部候補生学校の生徒学生、防衛大学の卒業生とそれから一般大学の卒業生、両方を入れておるわけですね。このほうの手当もこれに入るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/273
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274・堀田政孝
○堀田政府委員 幹部候補生学校の生徒は学生手当を支給されるわけではございません。学生手当は防衛大学の学生だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/274
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275・受田新吉
○受田委員 もう一つ手当の問題でお伺いしておきたいのですが、ジェット機などで殉職される方、これは非常に危険な職務を担当しておる方々です。その方々に対する殉職の場合の手当額というものが途中で是正せられてきたのですけれども、現時点における最下級の殉職手当の額はどれだけになるか、その額をちょっとお示し願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/275
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276・堀田政孝
○堀田政府委員 これは国家公務員災害補償法によって計算いたすものでございまして、一般公務員の災害補償法による死亡一時金と変わりないわけでございます。ただ、きょう資料を持ってまいっておりませんので詳細にお答えできないのが残念でございますが、そのほかに賞じゅつ金という名目でジェット機のパイロット等につきましては、死亡した場合には一律に百万円遺族にお贈りするということにいたしましております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/276
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277・受田新吉
○受田委員 公務災害補償の関係と賞じゅつ金と二つ、それで大体ある程度報いることができるというお考えのようですが、階級差があるわけですね。これはやはり人命を失ったということになれば、賞じゅつ金の百万円というのは一律ですね、どのような階級でも全部同じ。これは私は一応筋が通ると思うのです。生命に対する価値判断というものが百万円に押えられている。だが一方で公務災害補償の関係で差がもちろんつく。これは俸給に準じてやる。これは私はその百万円をもう少し増額してやってもいいと思う。これは初めからわかった危険な任務についているわけです。これを増額する御意思があるかないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/277
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278・堀田政孝
○堀田政府委員 確かに受田委員の御指摘のとおり、パイロットになっております者の勤務の内容は危険でございますので、死亡いたしました場合には賞じゅつ金をふやしてやりたいというのは、もう私どもみんなそう思っておるわけでございますが、パイロットばかりでなく、やはり危険な勤務に従事をいたしておる者も実はおるわけでございまして、そればかりでなく、たとえば災害派遣等で民生協力をしておりながら抜群の働きをして、しかも自分の命を絶つというような人たちに対しても、やはり同じように考えていかなければいけない。これもやはり賞じゅつ金で、百万円以下、百万円で頭を押えましたが、賞じゅつ金を支給するようになっておるのでございますけれども、そういうようなものを含めて賞じゅつ金の額をふやすべきではないか、もう少し考えるべきではないだろうかということを実は検討いたしておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/278
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279・受田新吉
○受田委員 自衛官が災害等でなくなられたときに特別に勲六等以下をもらうことになつている。これはもう自衛官の特権のような形になっておると思うのですが、これは勲六等に限らなくて——私たちはいま勲章制度を問題にしておりますけれども、もう少し高級のものを支給するわけにいかないのですか。だれもかれも勲六等以下というのはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/279
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280・堀田政孝
○堀田政府委員 自衛隊の中には、自衛官にだけつけさせます功労章というのがございます。これは自衛官で、その勤務において抜群の功績があったと認められる者につきましては、第一級功労章、第二級功労章という二種類の功労章をつけさせて顕彰しておるということでございまして、勲六等以下の勲章に対しても自衛官は誇りに感じておると思いますけれども、それ以上にやはり功労章を持っておるということに強い誇りを抱いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/280
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281・受田新吉
○受田委員 それでは時間も迫ってきたので、安井長官にさっき指摘しました第二の問題点を簡単にお尋ねして、質問を終わります。
総務長官が国務大臣になられて、法律改正がされて、人事局ができた機会に、特別職の給与の提出者として総務長官が一役買っておるという形になっておりますね。たとえば防衛庁給与について、提出国務大臣としては大臣を含んでおりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/281
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282・安井謙
○安井国務大臣 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/282
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283・受田新吉
○受田委員 これはお聞きしなくても大臣は心得ておる、あなたが提出したんだから。提出者になっておられる以上は、提案理由の説明は総務長官が一括されて、そうしてその法案の説明は防衛庁の政府委員がやる、こういうことで私は筋が通ると思うのです。提出者に防衛庁がなる、また外務省がなるということはないはずです。提案理由の説明は総務長官で間に合うのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/283
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284・安井謙
○安井国務大臣 法案自身につきましては、その省の長官が提案理由の説明を申し上げるということで、防衛庁につきましては防衛庁長官、法務関係につきましては法務大臣というふうに分かれて提案理由の説明を委員会では申し上げております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/284
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285・受田新吉
○受田委員 それがやはり間違いなんだ。大蔵大臣も入りますね、特別職の提案者……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/285
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286・秋吉良雄
○秋吉説明員 提案者というのはわかりませんが、共同請議の担当にはなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/286
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287・受田新吉
○受田委員 三人ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/287
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288・秋吉良雄
○秋吉説明員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/288
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289・受田新吉
○受田委員 そうなれば、防衛庁長官の説明されることを総務長官がされても一向差しつかえないわけです。給与関係の提案理由は、一括して給与担当の総務長官がやる、こうびしっとやられてはどうですか。それは三人の権限は同じだと私は思うのです。秋吉さん、事務的に見てどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/289
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290・秋吉良雄
○秋吉説明員 総理府の根本的な姿勢の問題になると思います。総理府人事局と申しますのは、全体の各省庁の人事行政のいわば総合調整的なファンクションを営むというのが本来の姿であると思います。したがいまして、公務員給与につきましてはそれぞれいろいろの職務給を原則といたします関係上、あるいは裁判官の報酬あり、あるいは検察官俸給表あり、あるいは防衛庁職員給与表がありまして、それぞれの職員についての担当責任大臣は、それぞれの所管大臣でございます。ただそれを全体の給与制度のバランスからながめまして、われわれは総合調整の立場に立っておるということを御理解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/290
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291・受田新吉
○受田委員 それが問題なんです。総合調整の立場に立つ以上は、三人の権限は同じなんです。同じである以上は、総務長官が一括して給与関係の法律の提案理由を説明するのが筋が通る。各省の責任者が来て説明されるということでなく、もちろん質問には政府委員に担当省が出られていいですよ。しかしながら、この委員会で法案の審査の責任を持つのは総務長官であるということになれば、防衛庁の分でも総務長官がやるべきです。そういう原則をはっきりしておく必要がある。それで決して不当な、不法な行き方ではないんです。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/291
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292・安井謙
○安井国務大臣 御説は非常にごもっともなところがあると思います。思いますが、やはり別な面から言うと、それぞれの行政長官というものもその法律に対して責任を持つというような意味から、それぞれの長官が提案理由を説明なさるのも、これはやはり方法の一つじゃなかろうかと私は思う。しかし、いまの受田委員のお話のように、総括的に提案理由を総務長官が御説明申し上げるということも、これは一つの筋に立った方法であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/292
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293・受田新吉
○受田委員 もうすでにそこまで総務長官の権限が強化されている機会に、筋だけは通すという形を採用してもらいたい。
そこで、たびたび指摘して失礼ですけれども、一般職の検察官の俸給を裁判所と一緒にして法務省が握っておられる。しかしながら系統は違うのである。三権分立の機会に裁判所というものは独立官庁になった。検察庁は法務省の所管になっておる。はっきり分離しておる。検察官というのは一般行政官です。それが裁判官と同じ穴のムジナのような形になっている。そのこと自身が間違っておる。新憲法下ではっきり分離された。分離された以上は、これは一般公務員として当然その線で筋を立てるべきである。にもかかわらず最高検の検事総長は三十万という国務大臣と同額の給与をもらっている。これはアメリカの例をとっても議員が三万ドル、最高検の長は二万四千五百ドル、きちっと差がついておる。一般の公務員の給与よりも少なくない歳費を受けるという日本にも国会法がある。これが三十万というのは、検事総長だけぽかっと出ているために非常にあとに影響することが大きくなっているのです。大学の学長で東大、京大等の二十四万の線で検事総長の給与を押える。普通の庁の検事長は二十万になっているのですからね。だからこれはあまりにも差があり過ぎる。一般行政官に対して国務大臣と同額の給与を払うそのことが筋が違うと私は思うのです。違いますよ。ちょっと御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/293
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294・安井謙
○安井国務大臣 それもなかなかむずかしい問題でございまして、御承知のように、最高裁判所の判事、検事総長、そういう者が国務大臣と同じ金額になっておることは御説のとおりであります。私どもは逆に、相当な大学の総長でもそんなレベルへ上げるべきものではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/294
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295・受田新吉
○受田委員 そのこととは、私いま指摘しているのは違うのです。現実に、これは三十万にしているというのは差をつけることが適当かどうかということです、大学総長と。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/295
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296・秋吉良雄
○秋吉説明員 専門的な質問でございまして、私から事務的に御答弁いたしますが、検事総長三十万円、最高裁判事三十万円になっております。給与と申しますのは、確かに検察官は行政官でございまして、裁判官は特別職でございますものの、その職務内容から申しますとやはり職務給でございますから、一般職、特別職というか、身分地位から別の問題といたしまして、その職務の実態に対応いたしまして俸給が設定されているわけです。したがいまして、検察官につきましては、その内容が純司法的な機能を営みますと同時に、その任用面におきましても裁判官と非常に類似しているわけでございます。そこで、その純司法的な職務内容並びに任用的な面を考慮しまして特に検察官は一般職でありながら、その俸給体系は別な給与体系を設けまして、裁判官報酬法と類似した給与体系になっていることは御承知のとおりです。
そこで、検察官をどういう位置づけにするかという問題ですが、これは特別職の裁判官に類似した問題でありますから、検事総長の一番トップにつきましては、最高裁判事がやはり従来国務大臣と同額の三十万円でまいっておりまして、検事総長につきましてもこれは同額でまいっておりますが、そういったいろいろのバランスを総合いたしまして、また歴史的にもそうなっておることでございますが、それ以上ぴしゃりということはちょっと私思いつきがございませんが、なお過去の資料を調べまして御納得のいく説明をいたしますが、きょうはちょっと適確な資料の持ち合わせがございませんからごかんべん願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/296
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297・受田新吉
○受田委員 あなたは検事総長の俸給の歴史を御存じないからそういうことを言う。検事総長は国務大臣よりぐっと低かった。それが途中から一緒になってきた。裁判官とのバランスをはかろうとする法務関係のいろいろな圧力がかかってここにきている。過去にはぐっと差がついておった。それをここまで検事総長を引き上げた。それを大蔵省が容認してきた。検事総長の俸給の上昇率と国務大臣の俸給の歴史を調べていただきたい。はるかに低い位置にあった検事総長をして今日国務大臣と同額に引き上げるような空気をつくってしまった。したがって、三十万で国務大臣と同じだ。われわれはいまそういうことを要求はしておりません。筋としては要求する筋なんだけれども、これはやはり問題がある。大学総長と差があるということを、大蔵省という独特な考えでこういうものをきめる機関があったためにそういうことになった。今度は、一般職と特別職を総合的判断でぴしっと押える総務長官がおられる以上は、あなた方がしり込みしておられたらまとまりませんよ。せっかくいい地位におられるのですから。だから私が副総理にやってもらったらと言うのはそこなんですよ。そうでなければ各省ににらみがきかぬ。それは事実上の問題として非常に強大な権限を持ってやってもらわぬと、外務公務員、裁判官の報酬、検察官の俸給、名前が違う。国会議員は歳費、みんな違っている。こういうことをひとつ一本化していくということをおたくのほうでしっかり研究をしてもらって、今後一般職、特別職を通じて一貫的な給与体系をつくるということにお骨折りを願いたい。
おしまいにもう一つ、大蔵省がいままで非常にあやまちをおかしているのは特殊法人の俸給です。公社、公団、原子力公社とか、事業団とか、三公社ではないこういう公庫とか事業団とかいうものが、最近ばかにたくさんできてきた。大体好ましい姿ではないのですが、こういうものが、理事長など、ぼくたちより従来ばか高い給与をもらって——とぼけたような体系なんです。ずいぶん私おしかり申し上げたが、このほうをストップして一方を上げたら大体バランスがとれたようなかっこうになってきた。しかし、公団とか公庫とか事業団の一般職員の俸給というものは、団体交渉できまるわけでもなければ根拠のある法律があるわけでもない。御承知のとおり所管の省の大臣と大蔵大臣が協議してきめるということになっている。だから、そういうことで同じ事業団、公庫、公団の俸給表はばらばらです。一貫しておらない。根拠法がない。交渉権の立場でないから、その交渉できまる立場でもない。非常にばらばらになっている。もちろんこういう人は退職年金というものはないという形で、この特殊法人の給与というものに対しては大蔵省だけできめられて、これもやはり総務長官、そういうものはいわゆる国家機関でございますから、その給与もあなたのほうで大蔵省といわゆる三者会談のような形で、できれば根拠法をつくって給与基準をきめるような形に切りかえられてはどうですか。いままで大蔵大臣の胸三寸で、秋吉さんたちの手先できまってしまっている。これは驚くべきことです。これをひとつきちんとしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/297
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298・安井謙
○安井国務大臣 純理論として、受田さんのおっしゃることにわれわれ非常に共鳴をいたします。今後大いに検討さしていただきたいと思います。ただ、これは言うまでもございませんが、御承知でしょうが、いまの公団あるいは公社の一般職員、以下、組合加盟の連中は労働三法によって給与も保護されておるということは申すまでもないと思いますが、つけ加えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/298
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299・受田新吉
○受田委員 私は三公社を除くと言うたでしょう。あとに原子力公社という名前のある特殊法人、それと公社、公団、事業団と言っているのです。それで全く給与というものが思いつきできまっているのです。これでもって住宅公団でも給与を引き上げて大騒ぎをする。これはやはり交渉権を与える形で給与をきめるか、あるいは基本の法律をきめるかすれば、これはどっちかで片づくわけです。非常に不安定な大蔵省の権限がいままで強大であったということ、人事局でそれをひとつ調整できるようにしていただきたい。
それから最後にもう一つ、こういう三公社あるいは公庫、公団などの理事長とか総裁とかいうものは、さっきから問題になった退職金がばか高いのです。御存じですか。これは一応公務員として相当高級の事務次官くらいになっておって、そのほうで恩給年金をばかにもらっている。それがさらにそういうところで三年か四年勤務したら一千万円、こういうばかな退職金をもらっているということをひとつ是正してもらいたい。一般職で三十年もつとめてやめた人と、事務次官をつとめてやめて、それから一期間やってやめたような人と、むしろ長くつとめてやめたほうが少ないというような形の退職金制度は改めなければならぬ。こういう三公社とか特殊法人の責任者に対する退職金のばか高い基準を一体だれが考えられたか、これは大蔵省です。大蔵省として御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/299
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300・辻敬一
○辻説明員 公庫、公団の退職金手当につきましては、御指摘のような問題も確かにございますが、御承知のように公庫、公団の職員には広く一般の人材を求める必要もございまして、民間企業における役員の退職手当等との均衡を考慮してきめておる次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/300
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301・受田新吉
○受田委員 それが間違いです。とにかく一千万円とか二千万円とかいうような退職金が出るというようなものを国家機関が設けるというのは間違いですよ。そういうものを、民間のものと一緒にやっておる社長などと一緒に考えるという考え方の根底が誤っておる。少なくとも国家機関としての責任者に対する退職金というものは、その勤務年数と、それから基礎になる数字というものとを国家的な立場で考えていただかなければならぬのです。いま私が指摘じた数字はおそらく間違ってないと思う。一千万円とか二千万円とかいう退職金をもらう総裁がおるわけです。これは驚くべき事態でございますから、民間とのかね合いでやるというような——国家機関が筋を通して、民間の横暴を押えるような方向に持っていかなければいかぬわけだ。一般の公務員のわずかな退職金と比べたときに、一代をかけた人とちょっと腰かけでやった人とが、ちょっとの腰かけが驚くべき子孫末代に至るまでの産をなすようなことは許されない。これは大蔵省として十分心していただきたいと思う。
これで質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/301
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302・安井謙
○安井国務大臣 御意見の点、十分今後検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/302
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303・河本敏夫
○河本委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後七時二十二分休憩
————◇—————
午後八時五十四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/303
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304・河本敏夫
○河本委員長 これより再開いたします。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を議題といたします。
右三案に対する質疑を終局するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/304
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305・河本敏夫
○河本委員長 御異議なしと認めます。これにて質疑は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/305
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306・河本敏夫
○河本委員長 次に、三案を一括して討論に付します。討論の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/306
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307・大出俊
○大出委員 私は、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に関し、反対の討論を行ないます。
反対の第一は、ドライヤーが本年の一月に来日をいたしまして、使用者である政府並びに職員の間における相互信頼の回復という点を特に強調されまして、政府の最高レベルが必ずそのイニシアをとらなければならないということでありましたが、今日労使双方の努力にもかかわらず、公務員制度審議会はなお停滞を続けておりますが、今回の五月実施の給与勧告に関しまして九月という裁定をくだしましたことにつきましては、かつまた九月実施という法律案を提出をされましたことにつきましては、相互信頼の回復を政府の最高レベルのイニシアを持ってはからなければならぬという意味における責任と義務を放棄したものといわなければなりません。その意味におきまして第一の反対理由といたします。
反対理由の第二は、委員会決議の無視という点でございます。昨年の十二月七日、「公務員の給与については、政府は、人事院勧告尊重の趣旨を体し、今後これを完全に実施し得るよう予算措置を講ずることに最善を尽くすべきである。」と、本委員会は決議をいたしました。さらにまた、十二月十六日、参議院の内閣委員会におきましても、「公務員給与に関する人事院勧告の実施時期が今後完全に尊重せられるよう、政府は財政上の措置について最善を尽くすべきである。」と決議をいたしております。にもかかわらず、今回の政府原案によりますると、五月勧告にもかかわらず、相かわらず九月実施を決定したわけでありまして、この意味における労使双方の不信のみならず、政治的な信頼をも失わせる態度といわなければなりません。この点が反対の理由の第二でございます。
反対理由の第三についてでございますが、五人委員会がせっかく決定をいたしました交通費の実情に即しての慎重な配慮という点、総理決裁の段階におきまして、看護婦の手当についてのみ取り上げられましたが、交通費につきましては、その九月以前への遡及についてこれを拒否をしたわけでございまして、わずか一億四千万程度の予算でございますし、実際に交通の今日の事情を考えますときに、まさにどうも血も涙もない措置だといわざるを得ないので、反対の第三の理由といたします。
さらに勧告の内容でございますが、すでに本委員会において論議いたしましたように、きわめて物価の上昇等に比較をいたしまして低率でございまして、公務員の生活の困窮の度合いをあわせ考えますときに、この給与法の内容につきましては納得がいたしかねる次第でございます。
さらに最後に、特に防衛庁職員の給与法一部改正につきまして一言いたしますが、自衛官の退職手当の算定についての特例を設けることを規定いたしております。つまり、自衛官について、軍人であった期間を退職手当算定の基礎となる勤続期間に通算する特例を設けるということでありますが、一般公務員の場合は退職手当法によって規定をされております。自衛官なるがゆえに、特に給与法上の特例を設けて便宜的な措置を行なうということは、該当者が老齢であるとか、あるいは公務員の三十六年改正に右へならえするという意味における一応の理屈はわかるといたしましても、納得いたすことはできません。したがいまして、この点について明確に反対をいたします。
以上申し述べまして、反対の討論といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/307
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308・河本敏夫
○河本委員長 受田新吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/308
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309・受田新吉
○受田委員 私は、ただいま上程されております給与関係三法案に対して反対の意思表示を、民社党を代表していたしたいと思います。
繰り返し申し上げるまでもなく、人事院は団体交渉権のない公務員にかわって、その給与の適正なる擁護をすべき唯一の独立の機関でございます。したがって、その人事院が苦心をして提出したその勧告案の中には、私たちといたしましては、なお上に厚く、下に薄いという従来の考え方がやや是正されておるとはいいながら、不満足な個所が多々あり、さらに住宅対策という公務員の衣食住の基本問題の解決に何ら触れていないという欠陥を持っておりまするけれども、当面する公務員の生活の実態にかんがみるとき、この人事院勧告を当然擁護すべき立場を守ってきたのでございます。しかるに政府は、総理府に人事局を置き、基本的に公務員の身分並びに給与の適正公平な措置をするいわゆる機構上の出発をしたにかかわらず、この取り扱いにはなはだ冷淡であって、依然として毎年のごとく繰り返されておる五月完全実施という基本線を逸脱してしまいました。私は、この実施期を四カ月もずらしたという措置に対して、昨年この委員会において与党の皆さまを含んだ満場一致の決議を無視して、昨年同様の九月実施に踏み切ったというこのことに断じて賛成するわけにいかないのでございます。
われわれは、ここに超党派の決議というものの尊重を政府が当然順守すべき原則をなし得なかったかかる三法案に対しまして、ここに党を代表しあえて反対の意思表示をし、政府の猛省を促す理由を申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/309
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310・河本敏夫
○河本委員長 これにて討論は終局いたしました。
採決に入ります。
まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/310
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311・河本敏夫
○河本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/311
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312・河本敏夫
○河本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/312
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313・河本敏夫
○河本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/313
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314・河本敏夫
○河本委員長 この際、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、伊能繁次郎君外二名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
趣旨の説明を求めます。伊能繁次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/314
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315・伊能繁次郎
○伊能委員 自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党を代表いたしまして、ただいま提案の附帯決議案について御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
公務員の給与については、政府は、人事院勧告制度の趣旨にかんがみ、今度これを完全に実施し得るよう予算措置を講ずることに最善を尽すべきである。
右決議する。
趣旨は明確でありますので、御賛同くださるようお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/315
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316・河本敏夫
○河本委員長 採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/316
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317・河本敏夫
○河本委員長 起立総員。よって、本動議は可決いたしました。
この際、安井国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安井国務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/317
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318・安井謙
○安井国務大臣 ただいまの一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処いたしたいと存じております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/318
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319・河本敏夫
○河本委員長 なお、ただいま議決いたしました三案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/319
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320・河本敏夫
○河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
〔報告書は附録に掲載〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/320
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321・河本敏夫
○河本委員長 これにて散会いたします。
午後九時四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X00319651224/321
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