1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月二十一日(木曜日)
午前十一時五十二分開議
出席委員
委員長 木村 武雄君
理事 伊能繁次郎君 理事 岩動 道行君
理事 辻 寛一君 理事 長谷川四郎君
理事 藤枝 泉介君 理事 田口 誠治君
理事 山内 広君
臼井 莊一君 小川 半次君
加藤 高藏君 野呂 恭一君
藤尾 正行君 保科善四郎君
堀内 一雄君 前田 正男君
湊 徹郎君 茜ケ久保重光君
中村 高一君 村山 喜一君
米内山義一郎君
出席国務大臣
国 務 大 臣 松野 頼三君
出席政府委員
防衛庁参事官 鈴木 昇君
防衛施設庁長官 小幡 久男君
防衛庁事務官
(防衛施設庁総
務部長) 沼尻 元一君
防衛庁事務官
(防衛施設庁総
務部会計課長) 大浜 用正君
防衛庁事務官
(防衛施設庁施
設部長) 財満二三郎君
委員外の出席者
専 門 員 茨木 純一君
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本日の会議に付した案件
防衛施設周辺の整備等に関する法律案(内閣提
出第一二二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/0
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001・木村武雄
○木村委員長 これより会議を開きます。
防衛施設周辺の整備等に関する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、これを許します。米内山義一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/1
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002・米内山義一郎
○米内山委員 この法案の趣旨説明にあたりまして、政府は、この法律によりまして防衛施設周辺の整備を積極的に実施する、こういうことを言っておられるのでありますが、積極的という意味は、文字どおり解すれば、徹底的にとも解されるが、どの程度までのことを言われるのか。
〔委員長退席、辻委員長代理着席〕
それは基地周辺にありますもろもろの問題というもの、対策というものをこの法律によってことごとく解消して、そういう地域の住民の民生の安定をはかる、こういう意味にまで解していいのかどうかをまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/2
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003・松野頼三
○松野国務大臣 積極的という意味は、いままでも実はこの問題は、地元の関係者との打ち合わせで個々に予算措置でやっておりました。それを今回は法律事項にして、ある意味におきましては基地周辺の方が政府に対して申し出る、要求する、あるいはこういうものに対して補償の措置があるということを積極的に法律によって示すということが、積極的の意味の一番主たるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/3
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004・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、気分だけは積極的ということであって、仕事の分量とかそういうものについては消極的にやる、たとえばこの法案はどう見ても、何でもやりそうに見えて、消極的に形式的にやろうとすれば、何にもやらないで済むような法律だと実は思われるのであります。いわば大きなふろしき一ぱいの手みやげをもらってみたが、中身を開けてみたら紙くずと空気だけ入っておって、小さなあめ玉が一つあるということもあり得るわけであります。この間も本会議では、私は、そういう意味でこの法案は上げ底ではないかということを質問しましたら、佐藤総理は、今年度百六十億の予算を見積もっておる、したがって、積極的に前向きにやるというような意味をおっしゃっている、答弁しておる。全然欺瞞でないというのですが、一体本年度の百六十億の予算見積もりというものは、たとえばこの法案の中の三条に対する費用、特に今度の法律の中においていままでなかったものを法律化するものは第四条だろうと思いますが、特にいまここでお聞きしたいのは、数字的にはっきりしていただきたいのは、民生安定施設の助成として今年度予算の中でどのくらい見積もっておられるか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/4
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005・松野頼三
○松野国務大臣 御指摘のように、今回特に新たなものが加わったのは第四条です。この第四条が、いままでの予算措置の中でなかったものが特に加わった。これは積極的のことばに当てはまると私は思います。金額は五億を出しております。したがって、いままでの話はいわゆる口約束であった。これを今度は法律として権利義務的なものに制定するということは、上げ底じゃなしに、ほんとうの中身も入っております。したがって、いままでのものをさしあたり法律化したと言われればそのとおりです。今後追加する場合には、政令事項を実は活用しまして——今後どんな問題が出てくるかわかりません。その地域、場所によって変わってまいります。その意味においては、政令事項がある意味においては、運用上においては有利な案であるというのが——本会議で御指摘のように、政令事項が多いじゃないかということですが、しかし、かえって多いことのほうが、今後いろいろなもの、あるいは養老院、幼稚園が出たり、あるいは公民館が出たりすると思います。それを一々公民館、養老院と限定すると、その後の運用が非常に固定化されて、かえって上げ底になるというので、その意味で、政令事項がある意味において今後住民にとって便利な場合が多いのではなかろうか。第四条の予算は、本年は五億計上いたしました。総額は百十二億であります。百五十何億というのは、ほかの基地の予算が入っておりまして、この法律のみでは百十二億、第四条は五億であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/5
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006・米内山義一郎
○米内山委員 話を前に進めますが、そうしますと、この法律にうたってありますところの問題でありますが、この法案の第一条にいうところの「障害」という意味は、どういうことをさすのか、この点を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/6
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007・小幡久男
○小幡政府委員 障害と申しますのは、この法案の中の第二章に見えておりますように、たとえば第三条では一々列挙して「自衛隊等の機甲車両その他重車両のひん繁な使用、」云々と書いてありますが、これが障害の実態でございます。第四条におきましては、それによりやや広く、基地がいろいろありまして、その運用で地元に御迷惑をかけておるというふうな意味の障害を考えております。その他第五条では、滑走路延長上におきます騒音とか危険とかいったものを障害と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/7
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008・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、それによって生ずる損失とは、どういうことを意味しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/8
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009・小幡久男
○小幡政府委員 損失ということばを法律上で使っておりますのは第九条でございまして、「損失の補償」ということばで損失ということばを使っておるわけでございますが、これを具体的に明白にここに列挙いたしましたようなこと等によりまして、ある事業を営んでいた者が損失をこうむって、これが権利として国家に補償を要求するに足る根拠を有するような明白な被害、これを損失と称しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/9
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010・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、基地があることによって生ずるいろいろな障害あるいは損失というものには、有形の障害、有形の損失、無形の障害、無形の損失というものがあるわけでありますが、特に基地周辺において重大な問題は、基地があることによって生ずる精神的な損害、心理的な損失と申しますか、たとえばその一例を申し上げるならば、風紀の問題等があります。これは基地があることによって風紀が良好だという事態は、おそらくはありますまい。さらに、それによって性病等の問題も起きる、あるいは人間の肉体、生理的な影響、人体に直接及ぼす騒音等の障害というものがあるわけですが、こういうものについては見ないのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/10
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011・小幡久男
○小幡政府委員 お示しの中で、騒音につきましては非常な問題になっておりますので、従来ともやっておりますし、また今度も、騒音につきましては特に第三条の第二項で、わけても静穏を必要とする学校並びに病院その他これに類するものにつきましては、防音工事を積極的にやりたいというふうに考えております。あとのいろいろな性病とか風紀の問題でございますが、これはその態様にもよりますが、こういうものは、本法では具体的には取り上げておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/11
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012・米内山義一郎
○米内山委員 基地がありますと、いろいろな意味で間接的な障害等も多いわけであります。たとえば広大な土地を接収されております関係上、その分だけ生産基盤が圧縮されているという障害、影響をこうむっているのが、基地の周辺の実態であります。さらには直接的な危険が伴いますために、漁業の場合はそういう海域に出漁ができないという障害、あるいは騒音等のために魚族が寄りつかないという影響、こういうことから発生する水産関係の障害、あるいは鶏、牛等が卵や乳をよけい産まなくなるという損失等があるわけであります。さらには公害が発生しておる。いわゆる公害は、海上自衛隊の基地のような場合に、艦船等から油が出る。そういうものがその周辺に行なわれているカキの養殖、ノリの養殖等に非常な影響を及ぼしている損害がある。こういう問題は、具体的にどの条項でどういう取り扱いをするのか。さらには、基地があると、そこから汚水の排出がなされる。それが湖沼、河川に流入する。そのために水質の汚濁がなされる。そのために水産的な生産が低下する。こういうふうな障害等もあるわけでありますが、この法律は、そういう具体的な問題についてはどの条項で処理なさらんとしておるのですか、明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/12
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013・小幡久男
○小幡政府委員 たとえば基地のいろいろな運用によりまして、漁業に直接損害を与えたりあるいは水質を汚濁したりするようなことが非常に明確になっております場合には、これは第九条の損失補償でやるということになります。それから漁業の制限をしたり、そういうことによりまして一般の漁民の方に非常に御迷惑をかけておるというような場合には、漁業の制限に関する法律がありまして、それによってやるというふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/13
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014・米内山義一郎
○米内山委員 漁業の制限に関する法律によってやるというのは、それはどの法律でありますか私は承知しませんが、たとえば沿岸に共同漁業権があるわけであります。その地域内で射爆場が設置されておる。そのために漁業が制限される、あるいはある部分では不可能になる、こういうふうな場合の損害というものは、だれを相手にどういう趣旨でなされるか。たとえばそれは共同漁業権を持っている漁業協同組合になされるのか。現実にそこで漁業を営んでおって生活をしてきた人たちの収入の減った分に対して、その所得に対して補償するという趣旨によっているものかどうか。この法律によりましては、今後どういうふうな考え方でこの問題を処理するかをお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/14
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015・小幡久男
○小幡政府委員 そういう場合には、いずれも直接被害者に渡すのがたてまえになっております。しかし、たとえば三沢の飛行場なんかの例をとって恐縮でございますけれども、先生の地元でございますが、ここのたとえば小川原湖の漁業の被害につきましては、本法によらずに、先ほど申しましたように、漁船の操業制限に関する法律によりまして、関係業者に組合を通じて払っておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/15
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016・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、この法律によりましては、第五条になるわけですが、「自衛隊等が使用する飛行場で政令で定めるものの周辺における住民のこうむる障害の軽減に資するため、当該飛行場の周辺の一定の区域を、政令で定めるところにより、指定することができる。」こういうわけでありますが、この際の「一定の区域」というものは、どういう趣旨でいわれるのであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/16
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017・小幡久男
○小幡政府委員 これはやはり先ほど申しましたように、たとえばジェット飛行場というふうな高性能の飛行場の周辺でございまして、騒音とかあるいは危険感というものが非常に切迫して感ぜられる地域、もう少し具体的に申しますと、これは航空法第二条第七項に規定する進入表面、及び同条第九項に規定する転移表面のそれぞれの投影面と一致する区域内で、千メートルとか何百メートルとかいうふうに私のほうできめるということを意味しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/17
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018・米内山義一郎
○米内山委員 千メートルときめようが千五百メートルときめようが、それは危険との関係でありますか、それとも単なる距離の関係でありますか。危険があるから指定するというのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/18
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019・小幡久男
○小幡政府委員 これはやはり騒音とか危険感といいますか、そういうものを中心にしておるのでございますが、まあ将来は知りませんが、過去の実績をとってみますと、大体いま申し上げたような地域で事故が起こった例が、七割くらいあるわけであります。あとの三割は、それ以外のところであります。大体七割ぐらいある実績も踏まえまして、飛行場の滑走路からの距離あるいは転移表面の幅というものを考えて、妥当な結論を出したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/19
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020・米内山義一郎
○米内山委員 騒音とかごう音とかいうようなものは施設設備で防げますが、上から物体が落ちてくるようなことは、容易に防ぎかねると思います。たとえば三沢にある射爆場の問題なんですが、これは全くどこから考えても危険な地域に人家が密集してあると思います。実は私は、よその射爆場はどんな状態かと思って、先般水戸の射爆場をちょっと見に行ってきましたが、三沢の射爆場と平沼部落との距離の関係、あるいは天森部落との距離の関係というのは、水戸の射爆場よりもはるかに危険な実態にあるではないかと思われますが、この点は、図面等に照し合わせてみればどういうことになるでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/20
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021・財満二三郎
○財満政府委員 三沢の第一射爆場の進入路は、水戸に比べましてその数が少なくされております。すなわち陸上及び海上標的に対しまして、西から東へ入る。それから水上標的に対しましては東から入る。その他には北から南へ、それから南から北、こういう四つの進入路があるわけでございますが、おおむねの関係から申しますと、水戸の場合よりは、人家の稠密度その他が違っておりまして、三沢のほうがやや緩和された状況にある、と申しますと語弊があるかもわかりませんが、ちょっとゆるやかな状況にあるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/21
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022・米内山義一郎
○米内山委員 実は、これは三沢の射爆場で米軍の飛行機から落ちたものなんです。これは平沼部落の人家に密接したたんぼから、約一町歩程度のところから六発出ております。しかもこういうものは、上から落ちちゃうとかなり深く入るはずですが、低空で頭上すれすれに来て、こういうものが落下してくる状態を見ておりますと、ほとんど地上深く入ってきます。どういう時期に六発もその日に発見されたかというと、このたんぼを大型トラクターで深耕するためにやりましたところが、ほとんど二、三十センチ以内のところにこれがあったわけです。こういうふうなものは、これだけじゃないわけです。したがって、この際は危険を防ぐということは、射爆場を移転する以外にしょうがないじゃないかと思われますが、こういう極度に危険の伴う、人命に影響を及ぼすような危険な場合は、この法律で補償するなんという筋合いのものではなく、人間の命を保護する意味から、この問題は別途に考えなければならぬじゃないかと思います。これに対するお考えはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/22
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023・小幡久男
○小幡政府委員 現実に事故が起こりましたときは、それではもちろん人命の問題は足りませんが、事故補償という規定がございまして、補償をしておることは事実でございますが、まず事故を起こさない手段といたしまして、われわれも日夜米軍とも十分折衝を重ねておりますが、日米合同委員会におきましても、事故分科委員会がございまして、そこで相当大きな事故は徹底的に論議しております。また、それに至らざる事故につきましても、そのつど私も司令部にかけ合いまして、いろいろ米側とも折衝しておりまして、ことに事故なら事故がありますと、すぐに現地に係官を派遣しまして、その司令官に会わせて直談判をするというふうにやっております。最近、この点は米軍も非常にセンシティブになっておりまして、たとえばパイロットに事前にあるいは地形になれさせるために、最初は実弾を持たせないで試験的に飛ぶというようなことを、慎重な飛行方法として採用しております。また、侵入方向等についても、人家をつとめて避ける。多少あやまちがあっても人家に落ちないように進行方向を変えるとか、あるいは標的を移動するというような万般の措置を講じておりますが、そのような被害を今後は何とかして防ぎたいという努力をお互いにしているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/23
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024・米内山義一郎
○米内山委員 飛行機の事故を防ごうという努力をしているだろうが、旅客機のように安全度を重視するものでさえ連続して事故を起こしているのですから、これは単に折衝しているということだけでは片づかない。また、被害が出てから金銭で補償しようといっても、これは取り返しのつかない問題ですから、そういう場合には、別途に損害が出てから補償などということではなしに、根本的に考えるのが至当だと思いますが、長官、どのようにお考になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/24
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025・松野頼三
○松野国務大臣 なるべく人家のないところに演習場を求めているわけでありますので、最大限にその方向に努力はしております。しかし、日本国土のこの状況では、実は人家のないところといっても、かえ地を求めるといっても、なかなか容易なことではございません。したがって、そういうことを考えますと、現在の場所でなるべく危険のないように、また今回のこの法律にも、ある飛行場の周辺においては移転補償をするとか、あるいは二、三軒ならば移転をしていただくとか、そういうようなことと両々相まって、人家のなるべく少ないところ、やる以上は演習においての危険のないように、あらゆることを実はしているわけであります。いままでは無形なものでしたが、今度はこういうもので確定したものにして、そうして補償とその安全を期する、この意味で私ども最大限の努力をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/25
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026・米内山義一郎
○米内山委員 第三条の「爆撃その他火薬類の使用のひん繁な実施その他政令で定める行為」の、この「行為」というのは、どういうことを想定しておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/26
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027・小幡久男
○小幡政府委員 射撃、爆撃その他火薬類の使用のひんぱんな実施と、それから機甲車両その他重車両の使用のひんぱんな実施、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/27
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028・米内山義一郎
○米内山委員 いや、「ひん繁な実施その他政令で定める行為」というのは、どういうことを予想しておられるのか、そのことをお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/28
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029・小幡久男
○小幡政府委員 ちょっと聞き違えて失礼しました。土地の著しい形質の変更をやるような場合が第一、第二は艦船または舟艇のひんぱんな使用、第三は航空機の離陸、着陸等のひんぱんな実施、こういうものを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/29
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030・米内山義一郎
○米内山委員 飛行機が落ちて火災を生じたというようなものは、この中に含むのか。あるいは演習等によって壕などを掘って、たんぼや宅地というものに非常な損害を与えたのがこれに入るのか。また、重車両が道路等を非常に損壊する場合がある、あるいは橋梁等を全くめちゃくちゃにこわす場合もあり得る、そういうものをこの文句は意味しているのかどうかを承りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/30
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031・小幡久男
○小幡政府委員 飛行機が落ちて火災を生じた場合は、これは事故補償の別の規定であります。
それからざんごう等を掘って土地の形状を非常に変えるという場合は、いま申しました土地の形質の変更、こういうことであります。
それから、道路を損壊したりどうこうするというのは、第三条の道路の障害防止工事というもので補うつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/31
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032・米内山義一郎
○米内山委員 同じ条文のそのあとなんですが、「予算の範囲内において、その費用の全部又は一部を補助する」とありますが、これはなぜ損害の場合は全額補償できないのか。そうして補助するならばどういう率で、一万円の被害を与えたならば何%の割合、どういう比率の補助を考えておられるのか、承りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/32
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033・小幡久男
○小幡政府委員 「全部又は一部」と申しますと、自衛隊等の行為が全面的な原因になっている場合は、全部やりますが、しかしながら、自衛隊等の行為もあるが、他の原因と競合しておるという場合は、これは一部であると思っております。
補助率につきましては、財満施設部長から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/33
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034・財満二三郎
○財満政府委員 補助率に関しましては、ただいま関係の省庁と打ち合わせを詰めておる段階でございまして、最終的なものにはなっておりませんが、おおむねの考え方は、ただいま施設庁長官から申し上げましたとおりでございまして、原則は百分の百である。しかし、競合する部分があったり、あるいは障害の防止工事をすることによって原状回復以上に改良部分が加えられる場合があったりいたしますので、そういう場合には、地元の方に一部の負担をお願いするということが起きるわけでございまして、直接的なものではないかもしれませんが、道路に関しましては三分の二から八〇%までというふうな考え方、水道につきましては七五%という考え方ということをただいま打ち合わせ中でございまして、できる限り早くその結論を得たい、そして御報告申し上げたい、こういうふうに考えるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/34
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035・米内山義一郎
○米内山委員 次の一の農業用施設とはどういうものをさすか。たとえば個人の畜舎に防音装置をやろうとするのか、あるいは鶏が音の障害を受けて生産できない場合には、豚ならば爆音におそれないで、どうやら肉豚はできるから鶏から肉豚に転換する施設というようなものまで拡大して考えておられるのか、この点をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/35
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036・財満二三郎
○財満政府委員 農業用施設と申しましても内容がいろいろ多岐にわたるわけでありまして、最初に申し上げておきたいと思いますのは、政令の中に農業用施設として一括したようなかっこうで補助率をあげるという考え方がございます。なぜかならば、多岐にわたるものを全部網羅いたしまして政令の中に盛り込むことは、技術的にいかがであろうかというふうな点がございますので、いま申しましたように、大綱的なものだけでもあげておきたいというふうに考えておりますが、施設といたしましては用水路、排水路、揚排水用ポンプ、樋門、樋管というふうなもの、その他いろいろあるわけでございます。これらにつきましてそれぞれ補助率が違いますので、包括的なものを政令にあげるようにしたらどうであろうかということで考えております。たとえば農業用施設七五%以内というふうな表現、そういうふうなものを考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/36
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037・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、ポンプ揚水場とか水路、水門というような農業施設が、どういう場合に航空機やあるいは射撃等のために障害を受けることがあるでしょうか。
〔辻委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/37
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038・松野頼三
○松野国務大臣 大体農業用施設の一番大きなのは、演習場における土砂の流出、それによって用排水路が被害を受ける、あるいはため池が埋まるということが主であります。したがって、これは射撃によってではありません。これは機甲車両のひんぱんな使用等によって生ずるというのが、農業用施設に大体該当いたします。なお、農業用施設というものの規格、規定は、農林省において農業用施設とはということが、御承知のごとく規定されております。それが大体この用語に該当する農業用施設で、用排水、ため池、農道も入っております。したがって、畜舎、堆肥舎というものは農用施設であるけれども、いわゆる補助対象になる農業用施設というものは少ないのではないか。大体組合の共有的な農業用施設——井ぜき、こういうものが流出した砂によっていろいろ被害を受ける、これが今日まで一番多い例であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/38
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039・米内山義一郎
○米内山委員 しかし、基地の周辺で農民がどういうことで一番大きい損害を受けておるかというと、個々の農家が経営している農業の中で、牛が乳を出さなくなったり、鶏が卵を産まなくなるというようなことが一番重大な問題で、こういう一人一人の損害を全然無視して、基地周辺の振興をはかろう、整備をはかろうったって、これはちょっと的がはずれておるのじゃないかと思われる点があります。この点についてどうお考えなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/39
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040・財満二三郎
○財満政府委員 家畜に対します音の影響その他の問題は、私どもとしましても従前よりその補償の対象といたしておりました。そして現在もなお資料の整備につとめておりまして、引き続いてその種の補償はいたすつもりであります。四十年度におきましては、東京都畜産試験場に委託いたしまして、音が家畜に及ぼす影響等のデータを収集いたしております。その結果を待ちまして、具体的にどれだけの補償をしたらよろしいかというようなことを実施するつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/40
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041・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、この条項を拡大解釈しますと、共同で農業のやり方を転換しよう。たとえば養鶏地帯から養豚の地帯に転換していこう、そういう際に、種豚の生産の共同施設を持とう、こういう種類のものは、この条項による助成の対象になるとお考えなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/41
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042・小幡久男
○小幡政府委員 御趣旨のような問題につきましても、このことあるを予期いたしまして、第四条によりまして、市町村がそういう共同施設を進んでつくるというようなことになりました場合は、事案によりまして、障害の緩和に資するものであれば、これに対し補助をするというたてまえになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/42
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043・米内山義一郎
○米内山委員 そうすると、続けてお伺いしますが、この第一の中の林業用施設、さらには漁業用施設というのは、具体的にどういうことを言うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/43
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044・小幡久男
○小幡政府委員 たとえば林業用施設で言いますと、機甲車両その他重車両等がひんぱんに使用されまして、演習場内外の林業に関係いたします林道なんかを破壊するような場合は、一つの例かと思っております。それから漁業につきましては、射撃、爆撃その他火薬類の使用のひんぱんな実施によりまして、魚礁なんかの損壊等がございまして、魚類の生息が減退した、そういう場合を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/44
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045・米内山義一郎
○米内山委員 さっきもちょっとお話がありましたが、二の道路あるいは河川、海岸等は、どういう場合にこの法案の対象になるとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/45
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046・小幡久男
○小幡政府委員 たとえば道路につきましては、これも自衛隊の機甲車両とか重車両がひんぱんに使用をされまして、道路が損耗いたしましたり、あるいは道路がいろいろ交通に支障を来たしまして、一般の通行がその道路を回避しなくてはできないというふうな状態になったという場合に、つけかえ道路をつけるというような問題が一つの問題かと思っております。
それから河川につきましては、これも演習場でございますが、特にそういうようなところで、自衛隊の工事等によりまして流水が非常にふえたり、あるいは流水量の増加によりまして河川の護岸工事が決壊したり、川床が隆起したり、そういったことによって冠水というような事態が起こった場合を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/46
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047・米内山義一郎
○米内山委員 そういたしますと、いま青森県の三沢海岸でやっております高瀬川の放水路の工事等は、今後この条項によって継続事業としてなされるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/47
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048・小幡久男
○小幡政府委員 第三条でやりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/48
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049・米内山義一郎
○米内山委員 あの工事は何年ごろまでに完成して、あの仕事の効果を明瞭にしようといういまの計画でございましょうか。それまでには、どういう程度の経費がかかるといまのところお考えになっておられるかをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/49
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050・小幡久男
○小幡政府委員 高瀬川の水路工事は、総事業費三億六千五百万円の予定で昭和三十七年度から着工しておりまして、昭和四十年度までに約六〇%、金額にいたしまして二億二千万円を実施しておりますが、大体四十三年ごろまでに終わりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/50
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051・米内山義一郎
○米内山委員 これはあとでまたお聞きしますが、実はその高瀬川の放水路を掘さくするために、その隣にくっついている。すぐ隣に当たっている天ヶ森という部落が井戸水が出なくなった。そのために、いま自動車で水を運搬してその日の生活をやっておる。非常な被害を受けているわけですが、そういう場合などは、この四条に当てはまるのではないか。しかも、そういう水の不足が直接防衛施設周辺の工事からくる被害であるならば、これにかかわる助成率というものは、その他の場合とこれは違わなければならぬと思うのです。全額補償しなければならぬ筋合いのものじゃなかろうかと思いますが、いかがなものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/51
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052・財満二三郎
○財満政府委員 御質問は二つあるかと思います。そのような井戸水の渇水によるものを当面どうするか。これは工事費の中でそれを検討してまいりたいというふうに考えます。
それからいま先生がおっしゃいましたような関連におきましては、一〇〇%補助、これは当然であろうというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/52
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053・米内山義一郎
○米内山委員 学校施設その他に対する防音装置の問題ですが、これのために、基地周辺の市町村は財政的に非常に苦しむのであります。基地というもの、軍事施設というものは、どっちかというと未開に近い土地、土地は広いが、生産力が低く、人口の希薄な土地にできる。したがって、こういう地域は貧困な地帯であります。そういう土地において、たとえば防音校舎ができるとしますと、規則の上では全額国が持つことになっていますけれども、実情は必ずしもそうでない。三沢市の事態を見ますと、ある場合には一〇%、少ない場合でも七尾程度は自分の乏しい自己財源から持ち出しになるわけであります。こういうことが、そうでなくても苦しい基地市町村の財源の圧迫になっておりますし、さらに、いままで木造の校舎が、コンクリートの防音校舎になる。したがって、便所は水洗になるし、あるいは空気は電気ファン、扇風機によってかえられる。極端な話を申し上げますと、ある一つの町村の一校が防音校舎になったために、その一校のために必要とする消耗品あるいは電気等の経費というものは、他の全部に匹敵するような事態も起きるわけであります。したがいまして、少なくともこういう施設に対しては、その町村の財政状態というものを考慮しながら、国が手厚く取り扱う必要があると思います。この点は、今度法律ができますと、どういうふうに改善されるか、この点を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/53
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054・財満二三郎
○財満政府委員 学校防音工事に対する補助の問題でございますが、先生がおっしゃいました一〇%ないしは七%の負担があるという問題につきましては、こういう事情がございます。大体古い校舎を取りこわしましたときに出てまいります発生材、古材、それを地元のほうで御処分願いたい。そうしてそれをわれわれの補助一〇〇%の中から引いても、結局一〇〇%補助ということになり、目的を達するであろうということでやっておりました。今年度からは、大数観察的に発生材の評価を一〇%としまして、したがって百分の九十、九〇%補助で目的を達するのではなかろうか、こういうふうにいたしたわけでございます。さらに、消耗品の増あるいは維持費の増という問題があることも、私ども承知いたしておりますけれども、この分につきまして、これを学校防音工事の費用の中に入れて永久にこれを見ていくということは、不可能でございまして、これは別途——例をあげますならば、たとえば基地交付金の中でと申しますか、そういうふうなことで何とかまかなっていただきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/54
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055・米内山義一郎
○米内山委員 現在の小学校、中学校の学校配置というものは、およそ明治、大正時代の状態から配置されたものでありまして、いまになりますと、交通機関とか道路の発達によって統合することが可能なわけであります。統合することによって、あとの維持費あるいは消耗品費というものを逆にかえって節約可能なわけでありますが、いままでのやり方だと、現状をそのまま防音にするならば国の助成の対象にするが、その機会にそういう意味の改良、改善をやろうとすれば対象にならぬという話を聞いておるが、これは今後は理屈にならないことじゃなかろうか、こう思いますが、そういう将来の学校配置の改善というような根本的な節約をはかる、そういうことについては、どういうお考えを持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/55
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056・財満二三郎
○財満政府委員 その問題につきましては、ただいま結論を持っておりませんけれども、その方向で検討してみたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/56
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057・米内山義一郎
○米内山委員 この条章の第三条の「学校教育法」「医療法」その次の「前二号の施設に類する施設で政令で定めるもの」とは、これはどういうものを意味しますか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/57
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058・財満二三郎
○財満政府委員 ここで「前二号の施設に類する施設で政令で定めるもの」と申しておりますのは、医療法に規定いたします診療所、それから伝染病予防法に規定いたします病院に併設する隔離病舎、それから児童福祉法に規定いたしますところの保育所、それから老人福祉法に規定いたします特別養護老人ホーム、このようなものをこの政令で定めたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/58
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059・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、そういう法律に基づかない、部落が自主的にそういう養護施設のようなものをつくる、あるいは実際そういう射爆場の直下などでは、老人などはノイローゼぎみなんです、こういう人たちを一定の防音した装置の中に、常時置くというわけではないが、そういう施設などをやるとすれば、そういうものはこの際は入らないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/59
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060・財満二三郎
○財満政府委員 それはこの三条で読んでおりません。次の条にございます民生安定施設の助成の中に、生活環境施設の整備という事項がございまして、その中で考えてまいりたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/60
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061・米内山義一郎
○米内山委員 それでは第四条をお伺いしますが、この法律がもしかりに前向きのものだとすれば、この条章だと思うわけであります。以外のことはこれまでもやってきたことなんですが、そこで、基地周辺のあらゆる人々は、この四条に大きな期待をかけていると思います。私自身もまた、実は基地周辺の住民でありまして、大きな被害者の一人であります。戦後村長をしておりました場合は、市町村としましてもわれわれは相当な苦しい目にもあわされておりますので、したがって、市町村長もあるいは住民も、この条章にだけ一番大きな期待をかけていると思いますので、その点をお聞きしたいと思うのであります。
まず第一に、周辺地域ということですが、先ほどもちょっと御答弁がありましたが、この周辺地域というものは、機械的に基地の中心部から何キロという意味か。それとも、基地の施設の端っこから半径何キロの地域を周辺とするというような意味でお考えなのかを、もう一度明らかにお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/61
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062・財満二三郎
○財満政府委員 この周辺という概念は、施設から何キロ離れておる部分というふうな固定的な観念で表現いたしておりません。要するに、防衛施設の周辺ということでございまして、その中には防衛施設が所在する市町村もございます。それから防衛施設に隣接する市町村もあるわけでございます。そのような包括的な概念で用いておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/62
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063・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、念を押してお聞きしますが、滑走路の延長にあって、常に低い空を非常な激しい爆音で障害を受けている町村は、すべてこの周辺という意味に入るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/63
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064・財満二三郎
○財満政府委員 四条の本文にございますように、著しく阻害されていると認められる地域部分について、そのように考えてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/64
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065・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、その音響の程度なんです。たとえば飛行機がだんだんに大型化してきますと、騒音の度合いというものはだんだんに拡大してくる。音響の度合い、普通われわれが聞いていることばではホンといいますか、それによりますと、どの程度のところがどの程度の頻度でなされる場合をこの周辺とみなすか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/65
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066・小幡久男
○小幡政府委員 音響の問題につきまして、われわれが法律で規定しましたのは、第三条の第二項でございます。ここで音響の強度とか頻度を基準にいたしまして防音施策をやるというのが、第三条でございます。第四条は、もちろん音響度も若干入っていましょうけれども、そのほか、いろいろな広大な演習場を持っておって非常に迷惑しておるとか、いろいろ地方に一口で言えない、名状しがたいような御迷惑をかけているということに対して、第四条はその障害の緩和に資するという意味でありまして、これはストレートに音響に結びついてどうこうという条文ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/66
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067・米内山義一郎
○米内山委員 それでは返りまして、第三条による、その周辺の音響の度合いというものをお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/67
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068・財満二三郎
○財満政府委員 第三条の第二項にございます、学校教育法、医療法に規定する学校、病院その他というものに対します騒音の頻度及び強度は、九十五ホン以上、そして阻害率が二〇%程度のもの、病院につきましては三〇%程度のものというふうな一つのものさしを、私どもはつくっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/68
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069・田口誠治
○田口(誠)委員 関連。現在やっておるのは、七十ホン以上のものを防音装置をしておる。そうすると、この法案ができると、これを下げるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/69
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070・財満二三郎
○財満政府委員 いや、下げるという意味ではございません。それは私、ことばが足りませんでしたが、木造建物を鉄筋に改築いたします場合に、私がいま申し上げたような基準でいたします。そして、それ以下のものにつきましても、従来から持っておりました騒音の頻度及び強度に関する訓令、告示は、そのまま生きておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/70
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071・田口誠治
○田口(誠)委員 それは全額国庫ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/71
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072・財満二三郎
○財満政府委員 先ほどちょっと申し上げましたが、発生材を見込みまして、その発生材が、評価しますと大体一〇%程度に当たっておりますので、それは地元のほうで御処分いただく。そして国のほうからは九〇、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/72
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073・米内山義一郎
○米内山委員 第四条で「住民の生活又は事業活動が著しく阻害されていると認められる」場合、こうありますが、この際ここでいう住民の生活または事業活動というのは、どういうことをいうのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/73
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074・財満二三郎
○財満政府委員 あとのほうにございますが、「生活環境施設又は事業経営の安定に寄与する施設の整備について」とございまして、住民の生活または事業活動と申しますのは、普通の概念で申しますとたいへん広いものでございますけれども、ここで考えておりますのは、それほど広いものを考えておるわけではございません。通常の、日常の生活という程度にお考えいただきたい。事業活動のほうは、読んでそのとおりでございます。したがいまして、このような生活または事業活動が著しく阻害されておることに対しまして、それぞれに対応する施設の整備をいたしたい。それは例を申し上げますならば、いわゆる公民館であり、保育所であり、その他消防施設の整備、あるいは水道施設の整備、あるいは有線放送電話施設、そういうふうなものになるわけです。それから事業経営のほうは、先ほどちょっと出てまいりました農業、それから林業、漁業、そのようなものの施設を整備するのに助成をいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/74
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075・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、たとえば射爆場があるために、あるいは飛行場があるために、土地が接収されまして耕地が狭い。そのために経営が苦しいとか、あるいは伸びるべきものが伸びないというような場合に、積極的にたんぼをつくるという場合もありましょう、あるいはその他の天然資源を開発、活用して生産を上げるというようなこともあり得ると思いますが、こういうことも含むわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/75
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076・財満二三郎
○財満政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/76
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077・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、この中身は、具体的に申しますと、「生活環境施設」というものは、公民館からあるいは有線放送等までさまざまなものが含まれるわけですか。「事業経営の安定に寄与する施設」という場合は、例をあげますと、どういうものからどういう範囲までお考えになっているかをお聞きしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/77
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078・財満二三郎
○財満政府委員 ただいま検討いたしております方向を御承知願う意味で例をあげたいと思いますが、「農業用施設」と申しますと、農地整備事業に基づくもの、それから土地改良事業に基づくもの、農地造成にかかるもの、それから水田の経営の近代化に役立つもの、畑作経営の近代化に役立つもの、園芸近代化に役立つもの、というふうな種類があろうかと思います。これは例示でありますが、畜産につきましても、畜産近代化、いわゆる酪農振興法に伴います畜産の近代化というようなものがあげられると思います。それから水産用施設につきましては、漁船、漁具の保全施設のたぐい、あるいは養殖及びノリ養殖施設整備事業に対する助成というような例もあげられるかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/78
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079・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、これらの助成対象になるものは、農林省あるいは水産庁等が現在やっているものと同じ性質の仕事が行なわれるわけでありますが、これにつきまして農林省やあるいは水産庁等との行政とのからみ合いについては、独自の立場でそういうことをお考えになるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/79
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080・財満二三郎
○財満政府委員 ただいま申し上げましたようなものにつきまして、関係各省との話し合いを進めております。おおむねの結論といたしましては、各省でその種のものに補助いたしております補助率よりは、少し高い率で検討するという方向でやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/80
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081・米内山義一郎
○米内山委員 たとえば農業構造改善事業による基盤整備事業というものは、普通行なわれている補助率ではかなり高率なものでありますが、これを上回るというと、ほとんど全額近い助成をなさらんとしておるのでしょうか。さらに、予算の範囲内においてその費用の一部を補助するといいますが、大体において事業種別の補助率というものは、およそどの程度のことをお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/81
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082・財満二三郎
○財満政府委員 農業構造改善事業促進対策というふうなことでいまおっしゃいました部分につきましては、各省の補助率は二分の一に相なっておると心得ております。それに対しまして、多少なりともと申しますか、高い率を適用してまいりたいという方向を申し上げたわけでありまして、直ちにこれが一〇〇%になるということではなくて、私どもその上限を大体百分の八十程度ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/82
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083・米内山義一郎
○米内山委員 この第五条でありますが、ここの場合の「飛行場の周辺の一定の区域を、政令で定めるところにより、指定する」とありますが、この場合は、単なる飛行場の滑走路の周辺ということですか。それとも射爆場のように、滑走路の末端よりも、延長線よりももっと、危険を伴うような場所をもこれは考えるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/83
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084・小幡久男
○小幡政府委員 ここで考えておりますのは、単に滑走路の周辺ではございませず、滑走路の延長、場外に出ました延長、それから滑走路の両側、転移表面と申しますか、その両面を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/84
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085・米内山義一郎
○米内山委員 そうしますと、これは重ねてお聞きしますが、射爆場の周辺というものは、この法律では考えておらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/85
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086・小幡久男
○小幡政府委員 この第五条では考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/86
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087・米内山義一郎
○米内山委員 そこで、これを指定して所有者が移転した場合、あるいは買い受けを申し入れた場合には買うということでありますが、これは一体、買うとか、移転すれば金を出すというのは、どういう趣旨に基づくものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/87
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088・小幡久男
○小幡政府委員 この第五条の趣旨は、前に申しましたように、騒音とか危険感がありまして、しかし法律で立ちのきを強制するというほどのことはないというのが、基本でございます。しかしながら、そういう地区でございますので、当事者が引っ越したい、あるいは土地を売りたいと言われた場合に、それを断わることもいかがであろうかということでありまして、そういう場合には、政府は好意をもって建物を買うなり土地を購入する、こういうたてまえの法律でございます。
〔委員長退席、伊能委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/88
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089・米内山義一郎
○米内山委員 そういうふうに客観的に見て当然危険が伴うとするならば、本人の意思にかかわらず、当然他の安全な場所に移転補償すべきじゃなかろうかと思います。もしそうでなかったら、危険なものを他に移す、こうあるべきだと思うのですが、その点はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/89
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090・小幡久男
○小幡政府委員 飛行機の事故のごく一般的な統計では、離着陸時に事故が多いということはわかっておりますが、これは事故防止その他によって十分減殺し得るのでございまして、必ずその土地に危険があって、ここは絶対危険だという判定を法律的に下すほどのことではございません。しかしながら、そういったことを含めて、危険感はあるだろう、それと騒音等はこれは避けられぬだろう、この二つから見まして、やはり立ちのきを請求するというところまでいくのは行き過ぎであろうというふうに考えまして、御希望がある場合には、その御趣旨に沿うというふうに考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/90
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091・米内山義一郎
○米内山委員 第六条に、「第三条」ないしは「第四条の措置をとる市町村に対し、必要な資金の融通又はあっせんその他の援助に努めるものとする。」という、訓示規定と申しましょうか、やわらかな表現があるのですが、一体これはどういう金を、どういう責任において、どういう限度で貸そうと考えておるのかをはっきりさせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/91
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092・小幡久男
○小幡政府委員 これは単なる精神規定ではございませず、たとえば金の融通につきましては、資金部の資金を融通するとか、あるいはさらにあっせんにつきましては、いろいろな地方債等につきまして施設庁が中に立ちまして強力にあっせんするということでございまして、具体的な事例につきましては、施設部長から答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/92
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093・財満二三郎
○財満政府委員 「第三条」ないし第四条の措置をとる市町村に対し云々とございますが、たとえば、この例がよろしいかと思いますが、農林中金あたりに資金のあっせんをお願いして、そしてそれからうまく借りることができる場合には、個人に対しては補助率をたとえば五〇%にしたいとか、公共団体の場合には七〇%にしたいというふうな例がございまして、現に私どもはそのようなことについて包括的にその方面と連絡をとって、そういう事態が生じた際には協力いたしましょう、資金の融通をいたしましょうというふうに内諾を受けたものもあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/93
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094・米内山義一郎
○米内山委員 結局いろいろな仕事をするには、全額補助でない場合は一部分、八割補助の場合には二〇%自己負担しなければならぬ。その二〇%分を融資の対象として、きちんとその法律なり何かできめるのか、単なるあっせんによって金融機関の言いなりに、方針に従って資金調達をやろうということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/94
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095・松野頼三
○松野国務大臣 これは対象事業によって個々に違うということは、御承知のとおりです。道路の場合は公共事業の起債、住宅の場合は住宅金融公庫、したがって、その対象によって補助率が違うと同様に、対象によってその資金のもとが違う。したがって、大体今日の場合は、町村道路の場合は単独起債というワクがありますから、その単独起債に該当する。県の場合には県の起債に該当する。資金のルートのもとが違うのですから、一がいにこうする、ああするということは書けないという意味であって、基本としては、大体事業の内容においては補助率残額が融資額あるいは起債額になる、今日の行政ではその方向に進んでおります。ただ、その内容が非常に多種多様でございますから、ある場合には個人の住宅、これは住宅金融公庫なのか、あるいは住宅金融の金融だけなのか、あるいは公団、公社の問題なのか、いろいろ住宅だけでも対象が違ってまいります。個人の住宅もあれば会社の社宅もある、あるいは営団もある。それによって補助率の対象が違いますので、こういう文句を全部入れて書くと「融通又はあっせんその他の援助」ということばになりますので、大体今日の政府機関のすべての金融機関をこれに含めたつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/95
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096・米内山義一郎
○米内山委員 第七条の普通財産の譲渡、貨し付けとは、どういうことをさしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/96
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097・小幡久男
○小幡政府委員 これは会計法の特例を示したものでございまして、通常ですとこういう規定がございませんで、譲渡等につきましてたとえば公開競争入札というようなことになるわけでございますが、この規定によりまして、たとえば何らかの施設をしたい場合に、その用途の適地として国有地について申請がありました場合に、もしそれが非常に妥当なものであれば、いわゆる随契的に相談に応ずる、こういう規定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/97
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098・米内山義一郎
○米内山委員 第八条に「関係行政機関の長」とありますが、これは政府機関の農林大臣とか、厚生大臣、文部大臣をさすのですか。それとも、県知事や市町村長等をさすのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/98
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099・小幡久男
○小幡政府委員 これは各省大臣をさしまして、県知事等は含みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/99
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100・米内山義一郎
○米内山委員 第九条にいうところの「従来適法に農業、林業、漁業……を営んでいた者が」、こういう規定がありますが、従来適法に農業を営むというのは、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/100
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101・財満二三郎
○財満政府委員 この法律が施行になりました時点を考えますと、「従来適法に」と申しますのは、かりに漁業で例をとりますと、途中でどんどんその権利関係が変わっていく。そしてこの法律の適用につきまして、必ずしも資格のない方が入ってこられるという場合があります。「従来適法に」と申しますのは、別にむずかしい意味で使ったわけではございませんが、従来どおりいわば適法におやりになっている方でこの基準に該当しておればいいということでありまして、これはかりにあとから権利関係が変わったという方が、こういうことが起きるのだということを承知の上で、おれはやはりこういう農林漁業その他をやっておるのだから、おれのほうにも補償してくれという場合、この場合には「従来適法に」は当たらないと思いますが、まあ特段に大きな意味を持っておるものではないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/101
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102・米内山義一郎
○米内山委員 それは不適法な漁業なんていうのは、密漁なんていうものがあるのですが、不適法な農業、林業というものは、普通日本の常識ではぶつかったことがないわけなんです。これはどうもこういうことばを法律に——不適法な農業というのがあればこそ適法な農業というものもあるわけなんだが、そういう軽い意味で持ってくるのは、ちょっと重大な問題だと思うのですが、これこそ不適当なことばだと思います。そこで、これは損害をこうむったときというのは、主として自衛隊による損害の場合をさしますが、射爆場のように、あるいは飛行場のように、米軍と自衛隊が共用している場合、特に現在三沢では夜間の射爆撃演習をやっていて、爆弾が一発間違って落ちた場合に、米軍の爆弾だか自衛隊の爆弾だかわからない。飛行機そのものが落ちたら、これは塔乗員がおれば、アメリカだとか日本だとかいう境界がわかるわけでありますが、こういう境界不明の場合があり得るわけだが、これはどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/102
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103・小幡久男
○小幡政府委員 三沢のように、米軍が使用しております飛行場につきましては、御承知のように特別損失法がございまして、これで明確でございますが、いまおっしゃいましたようにどちらが落としたかわからぬ爆弾というものにつきましては、当事者にはわかりますので、もし日本側が落とした場合には日本側が責任を負う、米側が落とした場合には米側が責任を負うということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/103
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104・米内山義一郎
○米内山委員 この三項の「通常生ずべき損失」とはどういうことですか。たとえば漁業補償などは、昭和三十年ごろ一定の基準で補償の金額がきまっておるが、物価がどんどん高くなっていった場合には、当然その時点において通常生ずべき損害ということができると思うのですが、そういう意味をさすのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/104
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105・財満二三郎
○財満政府委員 これは普通用いられますところの民法上の用語でございまして、相当因果関係と申しますか、いわゆる原因に対してそういう相当因果関係を持つ損失、それを「通常生ずべき損失」、こういうふうに考えたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/105
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106・米内山義一郎
○米内山委員 一応上つらだけを御質問しましたが、この中で一番重要な問題は、市町村の財政に対してほとんどこの法律は考慮していないということです。結局基地があるということは、あらゆる意味において住民個々の障害にもなっていますが、非常な苦しみを受けているのは、市町村の財政上からくる困難であります。それがまたさらに拡大して、町村住民全部に、行政水準の低下になって迷惑を及ぼしているわけです。特に、射爆場とか試射場とかいうようなもののあるところは、先ほども申し上げましたとおり、財政的に非常に苦しいところであります。私の知っている限りは、そうなんです。したがって、こういうところでは、他では排撃する射爆場誘致のために、町村長や町村議会が議決をしておる動きもある。事実あったでしょう。青森県あたりにあったのです。どういうことを期待しているかというと、非常に長大な道路を持っているが、自分の力では人間が歩くようにもできない。せめて試射場などができたら、自衛隊の重車両が歩くようになる。重車両が歩くようになれば、人が歩けるような道路になるであろうという期待をかけているのが実態なんです。ところが、誘致されて射爆場ができるが、逆にかえって重車両のために道路が破壊される。一般住民の車は、少し道路が悪くなれば交通途絶ですが、片一方は軍隊の戦争する車だから、少しぐらい道路が悪くても歩けるのです。こういうことをほとんどやっていないのが、基地周辺の実態なんです。これじゃまるで人の善意、でもないでしょうが、地域の住民の期待を非常に裏切ったことになると思うのです。私は、こういう点から見ましても、事業は当然この法律によってなすべきでありますが、当然それに伴って、全額助成でないならば、市町村の負担すべきものを少なくし、市町村の負担があるならば、これに対してもっと積極的な対策を立てなければならぬのじゃないかと思います。この点が第一の問題です。
それからもう一つは、これはあまり多い例ではなかろうかと思いますが、駐留するアメリカ軍人並びにその家族のアメリカ人は、一つの治外法権的な特権を持っておると思うのです。基地の中に生活している場合は別だとしても、基地外にかなりの集団をなしている米軍家族の住宅地帯である。市は、これに対して相当な経費を投じて舗装道路などを通します。水道も敷設しなければならない。ところが、ここの住民は、一文の市民税も納めていない。ただ貸し家の貸し主が何がしかの固定資産税を納めているにすぎない。こういう点からくるそういう基地市町村の財政上の圧迫というものを、どう考えているか、これは大臣からお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/106
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107・松野頼三
○松野国務大臣 御趣旨のような問題がありましたので、それが今回この法案を提出した基本的な理由であります。今日市町村には自治省から基地交付金というものが、そこの固定資産税に見合って、あるいはそれに比例して配付をいたしております。これが基地周辺における財政的な裏づけで、本年は十五億たしか計上したと思います。そのほかに、おっしゃるようなことは全額当然国で施設すべきものであると思います。
それからもう一つは、米軍の場合におきましても、基地内及びその周辺における施設というのは、当然の施設ですから、全額国で補助すべきものである。しかし、それにしても水源が同じだというならば、水量においては住民の負担がかかるかもしれない、またかかることもあるであろうというので、いままでなかった第四条というのが、実は直接被害——特損法は過去にごさいました。第三条及び特損法に該当するものは、過去に現実にやっておりました。しかし、それでは間接的なものがないではないかというので、間接的なものが今回この第四条で特に入ったわけでございます。直接被害は、第三条あるいは第九条でやっております。これは過去においてやりましたが、間接的なものが第四条として今回入ったわけでございます。ただいま御質問のようなことが、民生安定施設として第四条に今後活用される道が開ける。これがこの法案の実は趣旨で、御趣旨のように私たちも考えて、地方住民のつながりのために、過去における任意的と申しますか、個々ばらばらなものではいけないというので、この法律が制定された。といって、個々ばらばらのものをこの法律に列挙することは、地方の実情に合わない場合も生ずるというので、政令事項が中に入っております。しかし思想は、第四条の中に書き足らないものがたくさんございます、したがって、書き足らないものは、「政令で定めるところにより、」ということばで、なるべく住民の意思に沿うように、最後に書いてあります「当該市町村に対し、政令で定めるところにより、」というので、今後はなるべく実情に合うような政令を定めまして、住民と基地、住民と米軍というものを今度一緒にこの法律で——いままでは米軍はある意味では相当ありましたが、自衛隊は法律事項として少なかったのであります。そこで、今回自衛隊のものを継ぎ足して、米軍以外のものを同様に改正いたしたいというので——いろいろ御意見はございます。この御意見は、大体第四条にほとんど該当するもの、その急所を本日御質問をいただいたわけであります。私どもの答弁も御趣旨のとおりですと言ってしまうくらい、私ども立法の提案者と質問者の内容は、実は同じであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/107
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108・米内山義一郎
○米内山委員 内容は同じだと言われると、こちらはちょっと迷惑しますが、たとえば基地交付金というものがございますが、これは三沢のような大きい基地がある市町村の場合は、実際に接収される土地や建物を固定資産のあれで評価したものを当然固定資産税として取るべきものから見ると、三分の一にも満たないのが現在の基地交付金の実態なんです。それはまず財政上市町村の財政に直接的な影響があるということなんですが、そのほかに、これらの広大な土地がかりに番生産性の低い農業に活用されたとしても、またあがるべき利益がある。言いかえるならば、そのために都市になったといえばそうなんだが、またアメリカのドルが落ちているといえばそれまでだが、いろいろな意味で財政上の圧迫が大きい。
さらにその次には、非常にひどいことではないかと思うのは、米軍基地の中に広大なゴルフ場等がある。日米の安保条約、行政協定というものは、米軍にゴルフ場まで提供するような内容じゃなかろうと私は思うのです。どこから考えても軍事施設じゃない。それでも金網を張った練習場ならともかく、数十ヘクタールの土地をこの狭い日本の国土の中で占用している。こういう事態はけしからぬと思う。しかも、その周辺の人たちは土地が窮屈で困っているというのに、ゴルフ場をつくる。しかも米軍の諸君は、これに対していわゆる日本の法律に基づく地方税を納めていない。しかもひどいのは、最近は——これは三沢の実態でありますが、聞くところによりますと、ドル防衛、節約政策以来、いろいろな経費を満たすために、日本人の会員を募集して、日本人からだけは安い会費を取っている。それでいろいろな経費をまかなっているということなんです。これは明らかに地方税法違反でもあるし、許しておかれないことだと思う。こういうことは、日本の基地の中に何カ所くらいあるものか。私は三沢のことしか知らぬが、聞くところによると、まだまだ何カ所もあるという話ですが、こういうことはあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/108
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109・松野頼三
○松野国務大臣 飛行場の中の空地、その空地を利用して厚生施設をつくる。その厚生施設の中に、ゴルフ場というものが設定をされておる。こういういきさつで、最初からゴルフ場というものではありません。これは米軍のほうの費用で、日本政府が負担しているものではございません。それは安保条約及び行政協定の中には、厚生施設というのがございます。日本の国民性に合った、日本ならさっそく実は体育館をつくったり、グラウンドをつくったりしましょうから、厚生施設の中の一部であります。なお、飛行場の周辺のゴルフ場というのは、飛行場にほとんど隣接しておって、そこは当然飛行場としては空間としてあけなければならないところであります。そこをゴルフ場として使う、あるいは運動場として使う、厚生施設という意味でありまして、その費用は日本が負担しているわけじゃありません。それは米軍自身が負担しております。いま日本にゴルフ場がありますのは、そのほかに二、三カ所、飛行場の周辺、ほんとうに隣接しております。飛行場の滑走路と隣接しているところにゴルフ場をつくっております。そんなに大きなものといいますか、そんなものではありません。
日本人を入れて料金を取っておるということは、私もちょっと存じません。これは米軍のおそらくPXか何かのクラブ員か何かの運営じゃないかと思います。二、三カ所、ほかにまだあるかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/109
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110・米内山義一郎
○米内山委員 そこで地方税の問題なんですが、それは米軍の飛行場であろうがどこであろうが、ああいう施設を使用した場合には、県の条例等によって税金を納めるべきだと思う。基地内でゴルフ場をやったときに限って税金を納めなくてもいいという根拠があるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/110
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111・松野頼三
○松野国務大臣 これは安保条約の規定によりまして、軍というものの——御承知のように、とこの国でも特別な税法というものが利用されております。したがって、提供基地の中においては、提供者、使用者というものがそこにおのずから制限があるわけで、基地内に日本の税法が及ぶというものではないと私は思います。これは安保条約がそう規定しております。したがって、基地内のゴルフ場だからゴルフ税を払えというものは、今日ないと私は思います。だから、そういうことはしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/111
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112・米内山義一郎
○米内山委員 その意味は、そこで常時行ってゴルフをやる日本人にも適用するという意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/112
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113・松野頼三
○松野国務大臣 基地外で行ないます一般のゴルフ場には、米軍といえどもこれは正当なものを支払っております。基地内においては、提供基地ですから、提供基地の目的がその軍事施設及び厚生施設ということになっておりますから、それが厚生施設であるならば、当然に日本の税法の適用は除外されるというので、そこにゴルフ場があれば、それは除外されるという中に入ると私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/113
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114・米内山義一郎
○米内山委員 空閑地にテニスコートがあるくらいならばまだ聞こえるが、この狭い日本の国土であの広大なゴルフ場を空閑地だということは、ちょっと私はおかしいと思う。ゴルフ場ならばゴルフ場として、それは日本人にもたくさんゴルフがいまは流行しておるから、日本人も使うべきゴルフ場ならば許されるが、米軍基地の中だということを理由に無税でゴルフをやって、それが厚生施設だというのは、あまりにも何といいますか、治外法権的なやり方だと考えられるが、そういう考えがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/114
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115・松野頼三
○松野国務大臣 一般に提供基地の中においては、そこの軍の管理下にある。したがって、日本の一般的な税法は適用除外になっております。したがって、ゴルフ場だけを指摘されますと非常に目立ちますけれども、厚生施設という意味でお考えいただけば、私の言う理由がおわかりいただけるのじゃなかろうか。日本人がそれを公に使用しておるというものでもないのじゃなかろうか。特に関係のある親善的な者を入れるという意味であって、年がら年じゅう日本人にそれを使わして、税金を取らぬ、そういう意図のあるものでないと私は存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/115
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116・米内山義一郎
○米内山委員 基地の中には、買収した土地もあるが、借り上げている土地がかなりあるわけです。その地域の住民が国有地を財務局から借りる場合には非常に高額でありますが、逆に自分たちの所有地を国が米軍に提供しておる場所で貸しておる場合には、驚くほど安い。こんなことは大臣は御承知かどうかわかりませんけれども、そこにいらっしゃる施設庁長官あるいは部長さんは御存じだと思いますが、三沢における米軍基地に提供している土地の民間からの借り上げ料はどのくらいで、同時に、そういう三沢地内で、これはもっとも宅地で、一般的な価値があると思いますが、財務局の土地もある、国有地がある、これを民間の人が借りている場合の一定面積当たりの格差というものは、驚くほどの違いがあるので、私は実はびっくりしておりますが、こういう実態について、どのような御調査を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/116
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117・財満二三郎
○財満政府委員 確かに、三沢の飛行場は二百二十三万坪でございますが、相当広大な面積を持っておりますから、その中に約数十万坪の民有地があるわけでございます。いま先生御指摘になりましたように、従来その借料が低かったということは、私どもも承知いたしております。したがいまして、これをできるだけ国が民間に貸し付ける場合のものと同様に持っていくように、ここ数年来努力してまいったところでありまして、少なくとも四十一年度あたりには、あるいは四十二年度におきましては、それと同じにしたい。さらに、その後におきまして、民間の実際の取引上の借料というものにもうんと近づけてまいりたいということで、年々努力してまいっておる実態でございます。
なお、土地のそれぞれの部分につきまして借料の違った部分もございますので、どの部分が坪幾らかというふうなことについては、取り調べてお答えさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/117
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118・米内山義一郎
○米内山委員 すでに接収されてから二十年以上になるわけですが、この問題が今日まで解決されないでいるということは、全く旧軍部みたいな、人の権利無視のやり方だとしか考えられません。しかも、施設庁は、その方向に向かって努力しているといいながら、同じ政府の中でそれが行なえないというのは、これはおそらくは大蔵省当局からの圧力じゃなかろうかとしか考えられませんが、少なくとも国が、大蔵省が、その周辺で国有地を国民に貸していると同等のものは払うのが、これはきわめてあたりまえの理屈だし、当然じゃなかろうかと思う。大臣はこれに対して努力するお考えですかどうか、御言明をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/118
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119・松野頼三
○松野国務大臣 ただいまお話を聞きますと、非常にごもっともなように私も考えますので、国の費用といまの賃貸借の問題は、ひとつ十分検討しまして、その差が著しくないように努力いたすつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/119
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120・財満二三郎
○財満政府委員 三沢の借料につきましては、ただいまのところ、年で坪五十四円程度に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/120
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121・米内山義一郎
○米内山委員 時間の都合もありますから、質問を残して、きょうはこれでやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/121
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122・伊能繁次郎
○伊能委員長代理 次会は、明二十二日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X02819660421/122
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