1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年六月十日(金曜日)
午前十時三十八分開議
出席委員
委員長 木村 武雄君
理事 伊能繁次郎君 理事 辻 寛一君
理事 長谷川四郎君 理事 藤枝 泉介君
理事 松澤 雄藏君 理事 大出 俊君
理事 田口 誠治君 理事 山内 広君
岩動 道行君 臼井 莊一君
加藤 高藏君 纐纈 彌三君
保科善四郎君 堀内 一雄君
湊 徹郎君 村山 喜一君
楢崎弥之助君 伊藤卯四郎君
出席国務大臣
国 務 大 臣 福田 篤泰君
出席政府委員
総理府事務官
(行政管理庁行
政管理局長) 井原 敏之君
委員外の出席者
総理府事務官
(行政管理庁行
政管理局審議
官) 岡内 豊君
専 門 員 茨木 純一君
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六月十日
委員茜ケ久保重光君辞任につき、その補欠とし
て石田宥全君が議長の指名で委員に選任され
た。
同日
委員石田宥全君辞任につき、その補欠として茜
ケ久保重光君が議長の指名で委員に選任され
た。
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本日の会議に付した案件
審議会等の整理に関する法律案(内閣提出第一
五六号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/0
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001・木村武雄
○木村委員長 これより会議を開きます。
審議会等の整理に関する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、これを許します。村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/1
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002・村山喜一
○村山(喜)委員 今回この審議会等の整理に関する法律案が提案をされているわけでございますが、内容を検討してまいりますと、手続的に非常に簡素なものから手をつけていくというような、たとえば、任務が終了をした、あるいは審議会の会の運営が不活発、あるいは統合ができるもの、さらにまた、試験委員制に改めることによって別に審議会あるいは審査会というようなものを置く必要がないようなものが、三十四ほど整理統合されて提案されているわけでございます。しかしながら、臨時行政調査会のほうが答申をいたしました勧告の改革意見書によりますると、そればかりではないわけであります。そこで、今度提案をされましたこれらの内容は、やはり第二段階あるいは第三段階といいますか、将来の展望のもとに、その一環としてこれが提案をされているものだとわれわれは受け取るものであります。とするならば、それに対する行管あるいは佐藤内閣の審議会等に対する今後の処理の方向という一つの原則というものが、もう確立をされなければならない段階にあろうかと思うのであります。というのは、今回はこの程度にとどめたのでありますが、次の段階においては、さらにこういうような方向において考えていかなければならないという一つの基本的な問題のとらえ方というものを少なくともお持ちにならなければ、今回提案をされるはずがないと私は思うのでありますが、それに対する基本的な考え方については、大臣のほうから御説明を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/2
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003・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 審議会等の整理統合に対する基準でありますが、これは御指摘のとおり、臨調の答申では五つの基準を設けまして、これを指摘いたしておるわけであります。今回政府が明らかにいたしました整理統合の基準も、大体これに沿ったものでありますが、昨年八月の閣議決定で一応の基準をきめまして、さらに事務当局でいろいろと勘案いたしまして基準をしぼったわけであります。あるいは不活発になっているとか、あるいは必要性がなくなったとか、あるいは目的がすでに終了したとか、あるいは同種または類似の事項を審議しているものとか、いろいろ具体的な基準を設けたわけであります。それによりまして最初相当数の審議会等を対象としましたが、事務当局でも関係方面あるいは関係官庁との折衝に非常に努力をいたしまして、ようやく三十四整理その他の具体的なものを取り上げたわけであります。その間、与党におきましても小委員会もつくっていただきまして、非常な御協力をいただいたわけでありますが、これは私どもといたしましては、単なる第一歩である、第一段階であるということをはっきりと申し上げておきたいと存じます。これはぜひ御審議を願って御承認を得れば、とりあえず話し合いのつきました三十四を整理統合等をいたしまして、これを足がかりにして、さらに引き続き強力に整理統合の線でこの問題と取り組んでまいりたい、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/3
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004・村山喜一
○村山(喜)委員 第二段階における方向というものをお考えになっているということでありますが、それにはやはり政府として、こういうような態度で臨むのだという基本的なかまえというものがなければならないと思うのです。行政監理委員会としては、臨時行政調査会の答申というものを中心に踏まえて、その議長たる立場からあなたは処理されるおつもりであろうと思うのですが、しかしながら、それは行政監理委員会としての基本的な態度であり得たといたしましても、佐藤内閣としてはこういうふうにやるのだということはまだおきめになっていらっしゃらないものだ。それについては第二段階あるいは第三段階で、こういうような方向で取り組んでまいりますという基本方針がつくられておりますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/4
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005・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 すでに昨年の八月、閣議決定で基本方針は明らかにされておるわけであります。ただ、これは申し上げますとおり、第一段階の整理の段階でありますので、当面とりあえず具体的にどういうものが実施できるか、実現可能かという点を中心にして、閣議決定で一応基準をきめたわけであります。したがいまして、この法案が通りまして、三十四の整理統合等の実績をあげた場合には、当然第二段階以後の終局目的に向かっての基本方針を、さらに明確にされるものと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/5
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006・村山喜一
○村山(喜)委員 お伺いをいたしておりますと、まだコンクリートされたものはないようです。やはりそこには内閣の一つの哲学的な方針、審議会に対処する、取り組む基本的な姿勢というものは、簡素なものからやっていくのだというその程度のことである。たとえば問題になっておりますのは、国会議員のそういう各種審議会に参加する問題についてはどうするかというような問題等については、まだ結論をお考えになっていらっしゃらないわけでしょう。だから、やはり最も基本的なものとしては、こういうような一つの行政組織法の上でいうならば、独立行政機関というものに対処するところの政府の取り組みの方向というものが、まだ佐藤内閣としては確立をしていない。とりあえず臨調の答申もあったことだし、そういうような方向で足がかりをつくろうじゃないか、こういうような気持ちでお出しになったんだ、やはりばく然とした意味において整理統合をやるんだ、こういうふうに現在の段階では理解をしたほうが、私は無難だろうと思うのでありますが、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/6
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007・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 とりあえず三十四の、話がつきました整理統合等の具体的な法案を提出したわけであります。これは御指摘のとおり、行政簡素化あるいは行政運営の改善に私は大きく役立つのではないか、第一歩の段階ではありますが、臨調の指摘する基本線から申しましても、この意義は決して過小評価すべきではない、こう信じております。ただいまお尋ねの、いわゆる審議会等に対する基本構想、これは私も率直に申しまして、まだ結論が出ておらないと思います。たとえばいまの国会議員を委員にするかどうかという問題だけでも、実は二つの議論がまだありまして、立法府を構成する国会議員が、はたしてこういう行政機関のメンバーになるのに適当であるかどうか、こういう本質的な問題、さらにまた行政の責任の問題、その他のいわゆる本質的な審議会等の性格につきましても、相当議論する余地がまだ残っておると思います。しかし、とりあえず現実的な問題として、行政の簡素化、行政運営の改善ということによって整理統合するということは、私は大きな前進でもあるし、さらにまたこれによりまして、国のこの努力を通じて各地方自治団体その他も大体そういう空気が醸成されつつあるということも、看取されるわけであります。ただ、基本的な審議会等その他に対する明確な一つの意義づけ、さらにこれに対する基本的な対策、これは、たえず具体的な努力を重ねながら、理論的なはっきりした筋を出すべきだろうと思います。現在のところ、終局的な結論は、まだ相当検討する要素が残っておる、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/7
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008・村山喜一
○村山(喜)委員 提案をされた内容に関する限り、われわれはこれに反対をする理由は何にもないわけで、積極的に賛成をすべき立場にあると思うのでありますが、問題はやはり基本的な姿勢というものが明らかにされないままに、とりあえず臨調で出されたその部分的なものを第一段としてやる、第二の段階においては根本的なものを考えていくという、そういう政治の姿勢というものが、どうも第二段階に入ったときに腰がふらついてやれないというようなかっこうになるのじゃ、これは国民の期待に沿い得ないと思います。そこで私は、なぜその審議会やあるいは各種の委員会等に国会議員が参加しなければならないような結果になるのか、その問題をやはり行政管理という立場から、日本の行政制度、そして政治との接点という意味において、この行政をどういうふうに考えるべきかという基本的な問題が、議会の運営をはじめ、いろいろあるのではなかろうかと思うのであります。たとえばイギリスあたりにおきましては、国会がどういうふうに行政に介入していくかという問題をとらえてまいりますと、政令なり省令に対するところの審査権というものが国会にある。しかし、日本にはこれがないわけです。行政調査権というものはありますけれども、これはその委員会が行政調査権を持つ、こういうような意味において、多数を占める与党の委員長がそういうような席にすわっておりますと、どうしても運営の上から考えましても、実態の上から考えましても、その国政調査権というものが発動される機会というものはほとんどありません。したがいまして、各種の審議会に参加する中において民意を反映しなければならない、あるいは野党の意見を反映しなければならないというところに、私は国会議員が各種の審議会等に参加をする傾向が続発をしてきたものだと思うのです。イギリスの場合には、そういうような意味において、政令なり省令の審査権が国会に与えられておりますから、重要なものについては確認決議がなされる、あるいはイギリスの行政府自体も、国民の中から修正の声が出たら、政令なり省令というものは法律の部分的な細則をきめる内容でありますから、その声に従って修正をするという柔軟な態度に出ているわけです。ところが、日本の場合には、こういうようなのがきわめて少ないと私は思うのであります。したがって、そういうようないわゆる国会と行政府との関係というような問題にメスを加えない限り、この問題については抜本的な解決はできないと私は思うのであります。あるいはまた、その任命権の問題もそうであります。審議会ができた、政府が一方的に任命ができる、こういうような形をとっておるのが日本では多いわけであります。国会の議決を要するような審議会もありますけれども、そういうのはきわめてまれである。したがって、この国会が任命権を持つところの委員制度についても、これは考えていかなければならない。また、いまこの社会が、国民と政府という、国民が一人ずつ存在して政府をつくるというような考え方ではないわけでありまして、組織的な時代に入っている。そしてたとえば生産者の場合でも、労働者の場合でも、組織をつくって、それが一つの政治的な圧力要因にもなりますし、また推進要因にもなるし、あるいは民主化要因にもなっていくわけですが、そういうようないわゆる組織的な声が反映をするようなものに持っていかない限り、十分に国民各層の意見を審議会等に反映をするということができないのではないかと私は思うのであります。そういうような問題を解決をしなければ——国会議員だけは審議会の委員から除くほうが正しいということを臨時行政調査会でも指摘をしておりますし、また私たちも基本的には賛成でありますけれども、そういうような前提を整理をするということがなければ、これは一方的にやられましても、非常にむずかしいのではなかろうかと思うのであります。私はそういうような見解を持っておりますが、福田長官はそれに対応するどういうようなお考えをお持ちでありますか。この問題に対する個人的な見解でもよろしゅうございますが、お聞かせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/8
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009・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 国会議員の委員兼職の問題、これ自体を取り上げましても、いろいろな論議の余地が十分あるわけでございます。御案内のとおり、臨調でははっきりと不適当であるという結論を打ち出しております。しかし、審議事項の内容によっては、むしろ国会議員にも委員となっていただいて審議をしたほうが、現実的には相当の効果をあげるのではないかというものもございます。そういうわけで、単に理論的に割り切って兼職を不適当といま断定するのが正しいか、あるいは実際の現実の運用の面において、その利点をも考える必要があるのではないかという二つの考え方が、まだ整理されておらないというのが現状であろうと思います。最近におきましても、実は米価審議会においても、農林大臣と再三お打ち合わせをしまして、とりあえず今回は国会議員が国会の議決を経て委員になっていただくが、将来は国会議員は入らないほうが適当じゃないかという個人的な意見を、お互いに交換したこともあったわけであります。したがって、結論的にいまどちらが正しいか、臨調の答申のように理論的に割り切ってしまったほうがいいのか、あるいはそれにプラス現実的な面も取り入れて、何らかの中間的な結論を出すのが妥当であるか、まだ私どもは結論できないのが今日の段階でございます。これらも、審議会自体の任務、性格等の検討と合わせて解決してまいりたいと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/9
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010・村山喜一
○村山(喜)委員 まだその結論が出ておらないということに、結論的にはお伺いをいたすわけであります。これから検討を願うわけでありますが、しからば、さしあたりの問題といたしまして、今回整理統合する、あるいは廃止する——廃止の中には入っておりませんが、整理統合をする審議会の中に、わが党の国会議員が十七名ほど入っております。
〔委員長退席、辻委員長代理着席〕その内容は、飼料需給安定審議会委員、あるいは海岸砂地地帯農業振興対策審議会委員、畑地農業改良促進対策審議会委員、湿田単作地域農業改良促進対策審議会委員、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員、蚕糸業振興審議会委員、こういうような委員のメンバーを数えてみますと、社会党だけでも十七名入っておりますが、今度整理統合をされるということになってまいりますと、臨時行政調査会のほうの意見としては、一審議会の委員は二十名程度が望ましい、それ以下にすべきである、そうでなければ審議会という合議制の機関としての能率の上から見ましても、非常に問題があるのだという指摘をいたしております。私も内閣の一つの審議会の委員に入っておりますが、大体二十名程度が限界であろうと思うので、そういう立場からいたしますと、今回整理統合をされるその内容との関係において、この委員の任命の問題から、これをどういうふうに処理するのだという方針が当然なければならないかと思う。その場合に一体どういうふうにして機構の上では整理統合をされるのですか。人員の面ではどういうふうにされるのか。それの基本的な方針について承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/10
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011・井原敏之
○井原政府委員 国会議員の方々の政府審議会等の委員におなりになる問題が、今後の問題として非常に基本的な問題であるということであります。したがって、いま御審議の今回の統合の問題につきましても、現に議員の入っておられる審議会が七つばかりございます。その場合にその委員の処遇をどうするかという御質問であろうかと思いますが、実は一方で、御説のとおり、臨調の二十人を一応限度とするという線が出ております。五つの特殊地域農業振興対策審議会の統合にいたしましても、百何十人というような場面になると思います。ただ、それを一ぺんに臨調の言ったような線にはなかなかいたしかねるわけでございまして、方針としては漸減方針をとる、とらなければならないと考えますけれども、当面はすぐ二十人にしぼってしまうということは不可能であろうと思います。また一方では、先ほど申し上げましたように、国会議員の方がお入りになるべきか、そうであるべきでないかという議論が、まだ割り切ってありませんので、当面、いま入っておられる方がこの際おりられるとか、やめていただくとかいうような問題にまでいっておらぬわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/11
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012・村山喜一
○村山(喜)委員 当面やめてもらうということにはならない。やはりそれは統合された審議会の委員として参加するということになる。とするならば、今度はこの議員立法によります湿田、海岸、畑地、積雪、こういうようなものに急傾斜地帯農業振興対策審議会を加えまして、特殊地域農業振興対策審議会というものに一本化される。とすれば、メンバーが百名くらいの審議会になるであろうと思うので、とするならば、その審議会の運営は一体どういうふうにやっていったらよろしいか、これは行政監察という立場からも、行政の効率、能率化というものをあなた方は主張をしておられるわけですから、そういうような統合された審議会の運営等については、こうすべきであるという一つの方向というものを持っておられるであろうと思うのですが、その点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/12
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013・井原敏之
○井原政府委員 確かに非常に統合はなされますけれども、大部隊のメンバーということに一応なるわけでございます。ただ、この場合にも、国会議員の方で両方に兼ねて入っておられるという場合がかりにあれば、むろん落ちるわけでございます。その他、学識経験者等で両方に入っておるという場合等も、むろん減りますし、できることなら、臨調の二十人に一ぺんにはなりませんけれども、先ほど申しましたように漸減の方式、それから五つの特殊地域の問題を一つにしますと、やはり当面の運用は部会というような形式でやらざるを得ないと、一応かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/13
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014・村山喜一
○村山(喜)委員 漸減方式でいかれて、部会等の組織をつくってやられる構想でありますが、それは経過的な措置としてやむを得ないといたします。そこで私はお尋ねをしておきたいのは、この政府の審議会の政府の任命にかかる委員の顔ぶれを見てみますと、一人で非常にたくさんの委員会の委員になっておられる方が、従来もあったし、今日もなおそれはあろうかと思う。しかし、優秀な能力を持った人であることは間違いないと思うのでありますが、私もその委員会の委員としての経験を踏まえてみますと、どうもそこに集まる委員の人たちの発言内容を聞いておりますと、積極的に問題を研究をし、自分が持っている常識的な能力よりもさらに高度のものをそのために発言をし、努力をしていくという人が、きわめて少ない。というのは、過去のキャリアの上にそれだけの能力があると認められた人は、そこから前進をしない形で、過去に蓄積をしたものの中から、この問題についてはこうだこうだということをおっしゃる。これでは私は十分な機能を発揮することはできないと思う。そういうような意味において、一人の委員が幾つも兼ね備えていくという行き方は、これは邪道である、そういうのはやはり排除しなければならない、こういうふうに考えるのでありますが、いまそういうような人事について、総理府に人事局が設けられましたけれども、はたしてそれが統合調整の能力を発揮しているかどうかということについては、疑問があります。こういうような問題は、行政監理委員会が指摘をされますけれども、その改善については、一体どこが責任を持ち、どういうふうにして効果を確認をするかという問題が必要であろうと思うのでありますが、現況並びに今日までとられてまいりました対策、その成果、これらについて説明を願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/14
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015・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 委員の人選問題は、昭和三十八年の九月二十日の閣議の口頭了解がございますが、いま御指摘の弊害も十分認めておるわけであります。最近のあれは、最高十七お一人で兼職をされておる。これは物理的にいってもなかなかむずかしいわけでありまして、効果がきわめて疑わしい。また、これは私個人の感じでありますが、いろいろ今度の審議会その他を調査いたしました結果、あまり有名人と申しますか、ついイージーゴーイングに有名人をお願いするという傾向がなきにしもあらずであります。やはり審議会の任務から見ますと、むしろこれからは清新な人材で、しかも積極的な意欲のある人、そしてまた物理的にもそれに専門的、と言ってはあれですが、相当集中的に、精力的に仕事ができる方、たとえ無名でありましても、そういう方に依頼するのが正しいのじゃないかと思っております。各省の人事課長会議なども開きまして、いろいろ具体的に案を相談し合うようでありますが、私といたしましては、従来いわば有名人に片寄って、ただ名前だけ連ねていくという形は、むしろこの際やめまして、実質的な、たとえ無名でありましても、真剣に取っ組んでいただく方、そして時間的にも十分審議をお願いできる方に実質的に切りかえる、こういう方針で今後臨みたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/15
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016・井原敏之
○井原政府委員 若干補足いたしますと、いま長官がお答えいたしましたように、三十八年の閣議了解で、審議会等の委員の兼職は最高四つにするという申し合わせができております。それ以来、経年的な傾向を見ておりますが、大体兼職の発令は非常に減っておるのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/16
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017・村山喜一
○村山(喜)委員 そういたしますと、それを調整をするのはどこでやるのですか。総理府ですか。行管のほうでは、そういうふうに答申になっておるのですか。そういうようなものがないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/17
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018・岡内豊
○岡内説明員 私前に秘書課長をしておりまして、各省庁の人事課長会議というものが月に二回くらい開かれておるわけでございますが、そこで特に一番長い議論になったのが委員の兼職の問題でございまして、こういう人を委員にしたいという案がある省から出ますと、その方はこういう委員会にもこういう委員会にも出ておるので、少し多過ぎるとか、多過ぎないとか、今回はやむを得ないから認めようということで、各省庁の人事課長会議でもって、これは総理府の人事課長さんが内閣官房の人事課長さんを兼ねておりまして、実際の調整をいたしております。したがいまして、最近は兼職数の非常に多いものは、漸減の傾向にございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/18
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019・村山喜一
○村山(喜)委員 そうすると、総理府の人事局が中心になってやる。それとも総理府の官房か何かがやっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/19
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020・岡内豊
○岡内説明員 大体この調整は、現在は内閣官房の人事課長が主宰をしてやっておるというような形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/20
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021・村山喜一
○村山(喜)委員 この委員の報酬の問題でありますが、現在最高が四千九百円ですか、ということで人事院規則で定められておるかと思うのですが、予算の範囲内でやるということになりますると、漸次統一の方向に向かっているように聞くのでありますが、現在は実態としてはどういうふうになっておるのか、これについて御説明を願っておきたいと思います。
なお、それとあわせて常勤性の委員というものがあるんだということを臨調では指摘をしているのでありますが、そういうのがあるのかどうか、これも説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/21
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022・井原敏之
○井原政府委員 御指摘のように、給与法でこういう委員、顧問のたぐいにつきまして、最高限度一回の手当四千九百円ということになっております。大体予算上の相場は、現在のところ平均いたしまして三千円になっております。ただし、委員長というような立場の人は、五百円くらい手当を出しているようであります。
それから常勤が置かれるのが、御指摘のように幾つかございます。さしあたり私の頭にございますのは、行管に置かれております行政監理委員会がそうでございます。原子力委員会がそうでございます。地方制度調査会、そのほか幾つか常勤委員をかかえておる。一般には非常勤でございますが、若干の常勤委員をかかえておる審議会等がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/22
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023・村山喜一
○村山(喜)委員 議論がちょっとあと戻りして申しわけないのですけれども、さっき国会議員の中で審議委員のメンバーの選び方のその理由を私、二つほど申し上げました。それとやはり政府に考えてもらわなければならないのは、これは具体的な例として、私はいま在外財産の審議会の委員をいたしております。それが総理府設置法によりまして在外財産問題審議会を設けるということになりまして、委員の選任が第一次的に行なわれたわけです。そういたしてメンバーを見てみましたら、政府の息のかかった審議会の委員というのですか、これは私が言うんじゃなくて、その在外財産の補償獲得期成同盟会の人たちが言うわけなんです。メンバーをずらりと見てみると、この委員の顔ぶれがきまったとたんに、審議会の結論がもうはつきり出たようなものだ、そういうようなメンバーばかり選んでもらったんじゃ困るというので、まあ紆余曲折がありまして、国会の中からじゃ参加しようということになって、追加で承認をされた事実があるんですよ。そこで私は、この各種の審議会に一つの問題を提示してやります場合に、申しわけ的にその要求をする代表を団体の中から一人だけ入れて、そしてあとは政府側が考えているような審議会の委員を任命をする、そのことによってもう初めから結論が出るような形に持っていくような、そういうあり方というものは、やはり国会議員も入れなければならないという要求が政治運動として起こって、参加させられたという事実がある。とするならば、これはやはりその人事の任命について、よほど政府が、そういうような意図的なものを持たないでやらなければならない。公正な立場でやりますということをそのときも総理府総務長官は答えた。答えた結果は同じようなことになった。そしてそれを修正をしたという事実が過去においてあるのでありますが、その審議会のメンバーの選び方というものについて、どういう角度で今後はあなた方としては対処をしようとしているのか、具体的な事例がそこに出ておりますので、私はこの際、この審議会の廃止等に伴います今後の審議会の構成の問題等について、やはりお考えがあるのではなかろうかと思うのですが、そういうような構想をお持ちであるならば、発表願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/23
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024・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 先ほど来議論のありました国会議員の兼職問題、これは別といたしまして、委員の人選にあたっては公正を期さなければならぬ、これは当然と存じます。あくまで政治的な配慮は抜きにして、だれが見ても客観的に各方面の公正な意見を持っている方を起用するということは、当然守らねばならない原則と考えております。まあ委員が属します各官庁によりましていろいろな原案ができますが、行政管理庁といたしましては、あくまで公正な意見をお伺いするということは当然と思いますので、今後ともその方針で努力いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/24
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025・村山喜一
○村山(喜)委員 もし、審議会の委員がきめられまして、それがどうも、政府は公正妥当な人事をやったといっても、それについては疑問があるというようなことになりますと、この前のような形で、じゃ国会のほうから出してくださいということになって、それで政治的に妥協をせざるを得ないというかっこうになる。とするならば、そういうような国会議員が参加しなくてもいいような形におけるメンバーの追加なりあるいは修正なりというものが、制度として、あるいは運営の方向として、具体的に考えられるかどうかということを、やはりこの問題を提起しておかなければならないと思うのでありますが、そういうような民意を十分に反映をさせるところの方法というものを、あなた方としてはお考えになっておりますかどうですか。矯正の方法ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/25
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026・井原敏之
○井原政府委員 臨調でも、審議会等設置の理由として、一口に申し上げますれば行政の民主化ということでございますけれども、こまかく見ますと、やはり各種の専門的な知識、つまり職業的な公務員が持ち合わさないような専門的な知識を導入する必要があるとか、あるいは役人だけということでは公正の確保が必ずしも十分でないというような場合とか、あるいは利害の調整を要するというような場面とか、あるいは行政の総合調整という目的を達するためとか、諮問機関でもいろいろとそのねらいがあろうかと思うわけでございますが、そういうことでおのずとこの目的なりねらいによって人選というもののあり方もきまるのじゃなかろうかと考えておりますが、先ほど来申し上げておりますように、この審議会設置の基本哲学というものが、まだ政府部内で決定的にできておりませんので、非常に示唆に富んだ御意見だと思いますので、検討をいたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/26
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027・村山喜一
○村山(喜)委員 私は、やはりそこには、行政にどうして民意を反映をするか、階層間の利害の調節というような問題もありますし、それに対しては非常にたくさんの国民の意見を反映をしなければならぬ。その声が、階層間の意見の反映が十分になされなければ、これは御用機関の審議会になると思います。その場合に、どうも審議会というのは隠れみのじゃないか。当局の意図をオブラートで包む役割りしか果たしていないじゃないかというそしりを受けたときに、柔軟な姿勢でそれに取り組むような態勢というものがなければならない。と同時に、そういうような不平不満の声を、苦情としてそれを審議会の中で反映できるようなシステムをつくらない限り、これはいつまでもそういうような御用機関ではないかというようなそしりをまぬかれ得ないと思うのです。それには一方的に人事権は政府にあるのだから、政府が一方的にやるんだ、そうしてきまった審議会の委員から十分な意見を聞いたから、政府は民主的にやった。なるほど形の上では民主化されておるわけですが、実質はそうではない。こういうようなものが今日まであったがゆえに、国会議員の中から、公正な正義の立場からその審議委員になってもらいたいというようなことで、われわれが引っぱり出された。それで引っぱり出されて行ってみると、学識経験者というのは、過去の蓄積されたものを持ち込んできてそこでおやりにはなるけれども、さらに一方、自分が研究をしたものをその場において開陳をされる意見というものは、りょうりょうたるものである。こういうような形の中で一つの答申というものが生まれてきましても、はたしてそれで関係者が納得をするかということになると、非常に問題があると私は思うので、そういう自分の経験を踏まえながら、この審議会の柔軟な対応策というものについて、制度の上からもそれらの点をさらに掘り下げて検討を願いたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/27
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028・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 先ほど議題の一つとなりました審議会の性格、任務という本質的な問題、これに関連した大きな問題だと思いますので、前向きの形で十分検討をさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/28
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029・村山喜一
○村山(喜)委員 私は、一つの問題を提起してみたいと思います。というのは、日本の行政機構制度の上から見てまいりますると、独立行政機関といたしまして、行政委員会あるいは審査会、審議会、調査会、こういうようなものがあるわけでありますが、これらに対するいわゆる訓令等による指揮監督権というものは、もちろん政府にもありませんが、限定された統括権の中におけるこれらの委員会なりというものが存在をして、そして憲法上行政権は内閣にあるという形の中で、憲法、政治、制度、そして行政のシステムというものの、その日本の政治行政機構全体を大局的な立場でもう一回ながめてみなければならない事態が、今日あるのではなかろうかと思うものがあるのであります。具体的な例として申し上げてまいりますが、臨時行政調査会におきましても、中央省庁に関する改革意見の第五のところで問題を提起しております。その中にいわゆる消費者行政評議会なりあるいは中央教育審議会なりという問題が取り上げられていることは、福田長官も御承知のところでございます。この問題を私見てみますと、たとえば科学技術政策委員会というようなものが出ておりますが、決定は科学技術庁長官を拘束をする。あるいは首都圏評議会にいたしましても、議決し、その議決に実質上の拘束力を持たせる。こういうような発想があるわけであります。まあその問題については行政機構の制度の問題として別に譲りたいと思いますけれども、私が、憲法とそれから法律、政令という形における行政体系、政治体系の上で問題をとらえた一つの問題を申し上げてみたいと思いますのは、憲法第十条から四十条にわたりまして、国民の権利及び義務というのが規定されているわけであります。その中で、私いつも考えるのでありますが、二十七条は勤労の権利及び義務、労働条件等について規定されております。二十八条は勤労者の団結をする権利、団体交渉その他団体行動をする権利、これが保障をされているわけであります。そういうような憲法上の権利保障の条項を受けまして、法律によってこれをさらに具体化していく、そしてそれを行政制度の上においてやっていく場合には、三者構成というような処理機関も持っている。そして労働基本権というものについては、これを公共の福祉概念では一応押えてはおりますけれども、その労働権について国が保障をするという体制が生まれているわけであります。憲法といわゆる法律、行政、制度というものが、まあいろいろな申し分を私たちも持ってはおりますけれども、体制としてはそういう近代的な社会生存権というものを保障をいたしました一つの立法体系というものがあると思うのであります。しかしながら、これは一方、二十三条の学問の自由それから二十六条の「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」という条項等をながめてまいりますると、そしてこの憲法上規定をされた国民の教育を受ける権利、そしてまた子供たちが教育を受ける権利であると同時に、その父母の期待にこたえて国が整備をしなければならない教育条件、こういうようなもの等を対比しながら、今日の教育体系の、憲法と法律並びに政令、それ以下の行政の形において問題をとらえてまいりますと、この教育権というものにつきましては、父母に、国民に、その親権があるにもかかわらず、国家が教育権を総攬をするというような形が非常に強く出され過ぎておるのではないか。そしてその行政のシステムを見てみますと、現実の問題としては中央教育審議会というのがある、あるいは産業教育審議会というのもあります、あるいは教育課程審議会というようなのもありますし、あるいは教職員の免許関係の審議会もあります、一つの大ワクが中央教育審議会によってきめられて、それを受けてほかの審議会で討論をして、そうして教育職員免許法のようなものが国会に提案されるというシステムになっておるのであります。とするならば、実際の取り扱いの内容は、法律の上においては並列的に中央教育審議会も他の審議会も同じような地位にありますけれども、中央教育審議会が中心になって、その下に各審議会があって、その部分的なものを論議して、そして答申をするという形になっている。しからば、この中央教育審議会はどういうような階層からその委員が出されておるのかというのを見てまいりますと、いわゆる現場の代表として出されるのは、すべて全国的な組織を持つ校長協会等の代表であります。日教組のような代表は、今日までかつて審議会の代表として加えられた者はないのであります。国民の代表というものは一体どうか、こういうことを考えてまいりますると、教える側に立つ者、あるいは教えられる者——その教えられる者というのは、広い意味において、子弟のために公教育が無償の立場において期待されるのだという国民の側を代表する者と、学識経験者、これが、各層の意見を反映できるような審議会にしなければならないのに、一方交通にしかならないような審議会のメンバーが選ばれて、そこで大ワクがきめられて細則がその他の審議会、委員会にまかされるというかっこうになっている。これでは、憲法上定められたいわゆる教育基本権といいますか、この国民の権利が生かされないという形になっているのではないか。労働関係に比較をいたしましても、そういうような全体的な、大局的な立場からながめてみますと、そういうことになっている。そこに臨時行政調査会としても、中央教育委員会制度という行政委員会的な構想が生まれてくるのでありましょうし、それがかりに生まれなかったといたしましても、この四一ページに掲げてありまするように、中央教育審議会というものの格づけをもっと実態に合うようにすべきではないかという意見が生まれてくるのだろうと思います。とするならば、これらのいわゆる改革意見といいますか、今後新設をし、あるいは改組をすべき審議機関は、こういうようなものがありますぞということを提示しているわけであります。ところが、これについてはまだ基本的な方針がきまっていないからだろうと思いますが、今度の場合には出されていないのであります。今回は整理統合するという形だけで基本的なものが出されているとするならば、これを補強するなりあるいは新設するなりという形においてこれも同時に取り上げなければ、私は、今日の国民の行政に対するところの期待に沿い得ないのではないかと思うのであります。もう一つは、消費者行政評議会という構想が出されている。ところが、この消費者物価というものが今日において非常に重大な問題であるということで、内閣もそれに一生懸命取り組んでおいでである。しかし、いまのところ経済企画庁の中に懇談会——懇談会ですか、が生まれているにすぎないのであって、審議会というような法律上の形における審議会ではございません。そして、それには消費者の声が反映をするようにというその意図は、懇談会の中において各層の利害を調節をしながら消費者行政というものが行なわれるようにという取り組みはされてはおりますが、そのことを私は否定はいたしませんけれども、しかし、それよりもさらにもう少し国民の各階層の意見が行政の上に反映をするような、しかも答申が出されたものが行政で、政治の上で実現をされるような仕組みというものをつくらなければならないのではないか、そういうようなのにこたえることが、この政治と行政の接点の役割りであり、しかもやろうと思えばできないことではないのでありますから、審議会を削るだけが能ではないじゃないか。そういうような緊急性のあるものについてはすみやかに提出をして、そして国民の同意を得る中で物価対策を推進をしていく、あるいは教育の姿勢というものを一方交通にならないように、国民の教育としてこれが行なわれていくという政治姿勢というものをとるべきではないかと私は思うのでありますが、そういうようなものに対する大臣の御見解をお尋ねをしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/29
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030・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 文教政策ないし文教行政はきわめて重要な問題でありまして、御指摘をまつこともないと思います。したがいまして、いま御指摘のありました点については、十分私ども貴重な御意見として今後参考として、その線に沿った、実態に即した、また本来の任務に即した方向で検討さしていただきたいと思います。
なお、物価問題の懇談会の問題でありますが、これはいろいろ議論もございますが、一方におきまして、法律によらないああいう性格の懇談会というものも、一つの特徴がある。しかしながら、われわれといたしましては国民生活局を認めたという考えから申しましても、あくまで消費者の立場に立った消費者行政というものを重視していることは変わりはございませんので、御指摘の点については、広くその制度が生かされるように今後とも検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/30
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031・村山喜一
○村山(喜)委員 私はいま物価対策特別委員会の理事をしているわけですが、政府の施策を聞き、予算措置を聞き、そして今日取り組んでおられる行政上の措置を聞き、あるいはこの前物価担当官というものが設置をされたこと等も聞いております。しかしながら、くつの上から足のかゆいところをかくような感じがしてならないわけですね。これは私一人の感覚ではなくて、国民が佐藤内閣に対する物価対策の弱さ、そのきめのこまかなところまで手が及ばないという点を非常に懸念をしているのではなかろうかと思うのですよ。そういう点から言うならば、やはりこういうような審議会等については、原則を明らかにしてから後に取り組むということでなくても、当然みんなが賛成をするようなことなんですから、消費者評議会というようなものについて、これは前向きの姿勢で、その時点において、今日当面の問題として緊急性のある段階のときにお出しになるのが、私は内閣としても都合がいいし、国民としても期待するゆえんだと思うのでありますが、そういうようなのはどうしてお出しにならないのか、私たちにとりましてはまことに不可解な点だと思うのであります。今後検討されるそうでありますが、そういうようなのは、時期を失しますと何の役にも立たないということになります。そのことだけは福田長官も十分御承知でございますので、さらに閣議等で具体的な推進をされたほうがよろしかろうではなかろうかと思いますので、申し上げておきたいと思います。
それからやはりこの運営の問題といいますか、勧告の内容の制度の合理化の中にも出されておりますが、審議会等を設置する、法律上の機関として設置する、あるいは政令でやるべきものもあるのだというような意見もありますけれども、それは別にいたしまして、設置する基準といいますか、やたらに——これからどういうようなものがつくられるかわかりません。この前中部経済圏の問題等にいたしましても、議員提出法案でああいうような形になる。行政機構の上から考えてまいりますと、それも国務大臣が担当するというような形において、行政機構的にはふえていくわけですね。私は基本的にはああいうような形のものがはたしていいかどうかということについては疑問を持っておりますが、まあ満場一致できまったことでございますので、あえて異論は申し上げませんけれども、とにかく審議会というものが次から次に生まれる傾向は、これは避け得られないわけであります。とするならば、やはり行政管理庁としては、既存のものを整理統合をするという考え方も、これは必要でありますと同時に、新設をするものについても、これはやはり設置の基準というものを明らかにしておかれることが必要ではなかろうかと思うのであります。でき上がったものを整理統合をするのには、たいへんな難儀苦労をされるわけですから、その難儀苦労をする前に、こういうようなふうに一つの基準というものを定めるということで、生まれるものを制限をする、こういうような形をとらなければ、今日全部で八条機関の審議会が二百九十一ですか、もある。そういうような段階の中で、今度三十四だけ整理をされましても、まだあと二百五十以上残っているわけです。それにまた、今度一方においては整理しても、各委員会でそれぞれ法律に基づいて審議会が次から次にできてくる。こういうことでは、どうもざるから水が漏れるようなかっこうの実態になってくると思いますので、これはやはり早急に急がれなければならない問題だと思うのであります。特に来年度の予算要求等も当然近いうちに始まりましょうし。そうして定員の増加とか、あるいは審議会の増設とかというようなものが次から次にまた出てくる公算が、私は多いと思うのであります。とするならば、やはりそれまでの間に早急にこの基準の設定といいますか、そのほか議事運営の準則とかというような通則等についても、これは急がなければならないのではないか、こう考えますが、これらは特に緩急よろしきを得て、ここに出されている勧告の内容は、とりあえず今回はこういうふうに三十四を整理するということで取り上げられたのですから、その次の段階としては、こういうようなものもやられる必要が、私は大原則をきめられるまでの間に必要ではなかろうかと思いますが、いかがでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/31
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032・福田篤泰
○福田(篤)国務大臣 戦後、審議会等の整理の実績を数字の上から見ますと、四回行なっております。そのうち二回は、占領下における背景のもとにGHQの強い示唆がありましたので、これは問題外としましても、他の二回は五ないし六しか整理できなかったわけであります。今回幸い国会側の御協力もありまして、三十四という相当多数の整理する対象をつかみ得たわけでありますが、最初申し上げたとおり、これは第一段階でございます。引き続きこの努力をいたしまして、逐年これが努力を積み重ねて簡素化に持っていきたい、との基本方針は不変でございます。したがいまして、来年度予算の編成方針の問題につきましても、実はいまから行政監理委員会と話し合っておりまして、そのうちの一つとして、やはり審議会等の新設、乱設は絶対認めない、新設する場合にも、絶対に必要性のあるもの以外は認めないという基本方針を、近いうちに予算編成方針の一つの柱として織り込む考えでございます。今後とも厳重に乱設は押えていきたい、同時に、並行して整理も努力を続けていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/32
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033・村山喜一
○村山(喜)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/33
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034・辻寛一
○辻委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる十四日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
午前十一時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105104889X04519660610/34
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