1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月一日(火曜日)
午前十時三十九分開議
出席委員
委員長 中川 俊思君
理事 大石 武一君 理事 田口長治郎君
理事 舘林三喜男君 理事 本名 武君
理事 東海林 稔君 理事 芳賀 貢君
伊東 隆治君 池田 清志君
金子 岩三君 小枝 一雄君
小山 長規君 笹山茂太郎君
高見 三郎君 綱島 正興君
長谷川四郎君 藤田 義光君
松田 鐡藏君 森田重次郎君
兒玉 末男君 西宮 弘君
松井 誠君 松浦 定義君
森 義視君 湯山 勇君
林 百郎君
出席政府委員
農林政務次官 仮谷 忠男君
農林事務官
(農政局長) 和田 正明君
水産庁長官 丹羽雅次郎君
委員外の出席者
議 員 湯山 勇君
専 門 員 松任谷健太郎君
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二月二十五日
農業近代化資金助成法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九七号)
農業信用基金協会法の一部を改正する法律案
(内閣提出第九八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
漁船損害補償法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三九号)
北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法
の一部を改正する法律案(内閣提出第八六号)
農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する
法律案(湯山勇君外十三名提出、衆法第一二
号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00819660301/0
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001・中川俊思
○中川委員長 これより会議を開きます。
まず、内閣提出の漁船損害補償法の一部を改正する法律案及び北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案を一括議題として、趣旨説明を聴取いたします。仮谷農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00819660301/1
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002・仮谷忠男
○仮谷政府委員 ただいま議題となりました漁船損害補償法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
昭和二十七年に漁船損害補償法が漁船保険法にかわって制定されて以来、漁船保険の保険加入隻数は逐年伸長し、現在十三万隻、保険金額で千六百億円に達しております。これは漁船損害補償法制定当時に比較いたしますと。加入隻数で約二・五倍、保険金額で約十二倍にも達しているのでありまして、この漁船損害補償制度が漁業経営の安定に資するところまことに大なるものと確信いたしておる次第であります。しかしながら漁船損害補償法制定以来十数年を経過した現在、現行の漁船損害補償制度には、若干の問題点も出てきており、今回法律を改正することにより、このような点につきまして制度的改善をはかりたいと考えているのであります。
その第一は、満期保険制度の改正に関することであります。
満期保険につきましては、昭和二十八年に漁船の適期における更新のための資金の円滑なる調達をはかることを目的として設けられた制度でありまして、漁業者に十分利用されることを期待してきたのでありますが、普通損害保険に比較し保険料率において一部不利な点があったこと及び保険期間中途において全損した場合に積み立て保険料が掛け捨てになったこと等により、満期保険の加入隻数は毎年七百隻前後にとどまり、従来漁業者に十分利用されていないうらみがあったわけであります。このため、今回この点の是正をはかるべく満期保険に関する規定の一部を改正し、普通損害保険との均衡をはかる等の排置を講ずることといたしたいと考えております。
第二は、国の漁船再保険特別会計に生じた剰余金の活用についてであります。
過去数年来、漁船の大型化、保険加入隻数の増加による危険の分散、異常災併発生の減少等により危険率が低下したため、国の再保険特別会計におきまして毎年剰余が累秘し、過去二回にわたる町保険料率の引き下げにもかかわらず、現在その額は三十二億円余に達しております。このため、保険収支の均衡するように別途再保険料率の引き下げを明年度に行なうことといたしておりますが、すでに生じた剰余金につきましては、国の再保険経営上必要な準備金二十億円を留保した残額である十二億円を漁船保険組合の中央の指導団体である漁船保険中央会に交付金として交付し、農林大臣の監督のもとに漁船保険の振興に資する事業に対する指導、助成等を行なわせ、漁船保険事業の健全な発達をはかってまいりたいと考えているのであります。
今回の改正において、これに関しまして必要な規定を新たに設けることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
次に、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案につき、その提案理由を御説明申し上げます。
北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法は、北海道における寒冷のはなはだしい特定の畑作地域を寒冷地畑作振興地域として、指定いたしまして、この地域内の農業者で営農改善計画を立てて、これに基づいてその営農の改善をはかろうとする者に対し、農林漁業金融公庫が必要な資金を貸し付けることにより、当該農業者の経営の安定をはかることを目的とするものでありまして、昭和三十四年に制定されたものであります。
この法律に基づき農業者が資金の貸し付けを受けようとするときは、所要の資格認定を受けることとされており、その申請の期限は当初昭和三十九年三月三十一日とされておりましたが、なおその後認定を希望する農家が多数残っていたため、第四十六回国会において二カ年延長され、昭和四十一年三月三十一日までとなっているのであります。しかしながら、昭和三十九年度には、全道的な大冷害のため、農家が当面の経済再建に追われ、営農改善計画を樹立する余裕がなく、認定戸数は激減し、昭和四十年度末においても法改正当時予定した計画を相当程度下回る見込みであり、なお昭和四十一年度以降に認定を希望する有資格農家は約三千百戸見込まれている状況であります。
したがいまして、この資格認定の申請の期限をさらに二カ年延長することとし、もってこの制度に基づく北海道寒冷地畑作地帯の農業の振興を継続してまいることといたしますとともに、あわせて、貸し付け金の償還期間につきまして現行二十年を三十五年に延長し、据え置き期間につきまして現行の五年を六年以内に改めまして、当該地域の畑作農業者の経営の安定をはかることとした次第であります。
以上がこの法律案を提案する理由とその内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00819660301/2
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003・中川俊思
○中川委員長 次に、湯山勇君外十三名提出の農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00819660301/3
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004・中川俊思
○中川委員長 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。湯山勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00819660301/4
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005・湯山勇
○湯山議員 私は、提案者を代表して、ただいま議題となりました農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたしたいと存じます。
農林漁業団体職員共済組合法は、農林漁業団体役職員の年金制度を確立することによって、そこに働く人々が、将来に明るい希望を持ち、安心して業務に専念できるようにするため、去る昭和三十三年四月に制定されました。次いで昭和三十九年六月に第一次の改正が行なわれましたが、当時新法適用を期待していた組合員を失望させるなどのほか、法の内容に不備もあり、本委員会及び本院は附帯決議によって制度の早急な改善を要望いたしました。
したがいまして、本法の改正案は、当然政府から提案されるべきものと存じますが、いまだに改正案の提案がなされないことを遺憾に思う次第であります。
さらに、昨年厚生年金の給付水準も大幅に引き上げられたことでもありますので、この際三十九年改正当時の附帯決議の趣旨に基づき農林漁業団体職員共済組合法のすみやかな改正を行なわなければ、本制度設立の目的がそこなわれるおそれが強いといわなければなりません。農林漁業団体役職員が将来に希望を持って職務に専念し得るように、ここに改正案を提案する次第であります。
まず第一は、第一条目的の中に政令で指定する法人を加え、適用団体の範囲を拡大することにいたしました。
第二に、標準給与の引き上げを行なうこととし、標準給与の月額を最低六千円から八千円に引き上げるとともに、標準給与の等級を三十五等級から三十三等級に改めることにいたしました。
第三に、退職給付、障害給付、遺族給付の最低保障額の引き上げを行なうこととし、退職給付は年額八万四千円を九万六千円に、障害給付は、廃疾の程度が一級のものについては十万三千二百円を十二万円に、二級のものについては八万四千円を九万六千円に、三級のものについては六万円を七万二千円に、遺族給付は年額六万七千二百円を七万六千八百円に改めることにいたしました。
第四に、減額退職年金制度を設け、退職年金を受ける権利を有する者が五十五歳に達する前に年金給付を希望したときは、減額退職年金を支給するものとし、減額退職年金の年額は退職年金の年額から一年につき四%減額したものを支給することにいたしております。
第五に、農事組合法人等の特殊性を考慮に入れ、農事組合法人等の職員たる組合員にかかる退職年金の支給等に関する特例を設けました。これは、農事組合法人、漁業生産組合等においては高齢に達しても生産に従事する率が高いため、これらの組合員に限り六十五歳に達したとき在職支給を行なって、掛け捨てにする不合理を解消することといたしました。
第六に、国の補助は給付に要する費用の百分の二十に相当する額に引き上げるとともに、掛け金の負担は、組合員及びその組合員を使用する農林漁業団体等が、四十五と五十五の割合で掛け金を負担することといたしました。
第七に、信用事業を行なっている農業協同組合連合会及び漁業協同組合連合会に対し、その業務の一部を委託することができることといたしました。
第八に、年金額のスライドを設け、この法律の基礎となった当時の生計費または消費者物価の水準に比して百分の五以上上昇したときは、すみやかに年金額の改定の措置を講ずることといたしました。
第九に、昭和三十九年改正法の附則により、給付に関する経過措置の適用を受けている組合員を適用の対象から除外し、本改正案の規定による給付を適用することにいたしました。これによって、標準給与月額五万二千円頭打ちを解消し、退職年金の年額は標準給与月額の四カ月から、標準給与年額の四〇%となるなど、三十九年改正の際の不合理を解消することといたしました。
第十に、既成定年金の改定を行ない、すでにその額が計算された退職年金、障害年金または遺族年金を受ける権利を有する者に支給する給付については、昭和四十一年四月分以降、その額を新法第三章の規定により計算した額に改定することといたしました。
第十一に、以上の給付内容の改善にあわせて、従来不十分であった諸規定の整備を行なうことといたしました。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容の説明であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00819660301/5
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006・中川俊思
○中川委員長 以上で三案の趣旨説明は終わりました。
なお、質疑は後日に譲ります。
次回は明二日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00819660301/6
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