1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月二日(水曜日)
午前十時四十三分開議
出席委員
委員長 中川 俊思君
理事 大石 武一君 理事 倉成 正君
理事 田口長治郎君 理事 舘林三喜男君
理事 本名 武君 理事 赤路 友藏君
理事 東海林 稔君 理事 芳賀 貢君
伊東 隆治君 池田 清志君
宇野 宗佑君 金子 岩三君
小枝 一雄君 小山 長規君
笹山茂太郎君 白浜 仁吉君
田邉 國男君 高見 三郎君
中川 一郎君 野原 正勝君
長谷川四郎君 松田 鐵藏君
森田重次郎君 亘 四郎君
卜部 政巳君 江田 三郎君
兒玉 末男君 千葉 七郎君
西宮 弘君 松井 誠君
松浦 定義君 森 義視君
湯山 勇君 玉置 一徳君
中村 時雄君 林 百郎君
出席国務大臣
農 林 大 臣 坂田 英一君
出席政府委員
農林政務次官 仮谷 忠男君
林野庁長官 田中 重五君
水産庁長官 丹羽雅次郎君
委員外の出席者
専 門 員 松任谷健太郎君
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本日の会議に付した案件
漁船損害補償法の一部を改正する法律案(内閣
提出第三九号)
農林水産業の振興に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/0
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001・中川俊思
○中川委員長 これより会議を開きます。
漁船損害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案について、政府委員より補足説明を聴取いたします。丹羽水産庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/1
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002・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 漁船損害補償法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明申し上げます。
この法律案を提案する理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、ここでは省略することといたし、以下この法律案の主要な内容を御説明申し上げます。
第一に、満期保険制度の充実をはかったことであります。
その第一点は、満期保険の損害保険料率を調整したことであります。
漁船損害補償法では、商法の規定を準用いたしまして、保険金額の保険価額に対する割合により、損害のてん補をいたしておりますが、満期保険は、保険期間中保険価額を不変更といたしておりますので、第二年目以降におきましては、全損以外の場合に、普通損害保険に比べ、損害てん補の上におきまして若干不利になる点がでてまいります。このため、第二年目以降におきましては、満期保険の損害保険料率に一定の割引率を乗じまして損害てん補上の不利な点を補うことといたしました。
第二点は、満期保険に加入している漁船が全損し、または委付された場合でも、積み立て保険料の払い戻しを行なうこととしたことであります。
現行の満期保険制度におきましては、保険期間中途において漁船が全損しまたは委付されたときは、それまでに積み立てた積み立て保険料がかけ捨てになり、これが漁業者の加入意欲を阻害している傾向がありましたので、このたび保険設計を改めることにより、新たに、全損し、または委付された場合でも、積み立て保険料の一部を払い戻すことができる規定を設けました。
第二に、国の漁船再保険特別会計に生じた剰余金の活用をはかったことであります。
さきに提案理由説明において申し述べましたように、政府は、昭和四十一年度におきまして、漁船再保険特別会計に生じた剰余金三十二億円のうち、再保険の経営に必要な準備金二十億円を留保した残額である十二億円を漁船保険中央会に交付し、漁船保険事業の健全な発達をはかってまいりたいと考えているのであります。
このため、現在の漁船保険中央会の事業に新たに漁船保険の振興に資する事業に対する助成事業を加え、漁船保険中央会の事業の強化をはかることといたしました。
また、交付金にかかる経理につきましては、特別の勘定を設け、他の経理と区分し、交付金にかかる収入、支出及び財産の状況を明らかにして整理しますとともに、その勘定にかかる事業につきましては、予算の認可、決算書の承認等の農林大臣の監督規定を設けることにより、交付金の適切な使途がはかられるようにいたしております。
なお、政府が漁船保険中央会に交付金を交付するにあたっては、漁船再保険特別会計法の改正を必要としますので、これに伴う所要の改正規定を附則に設けることといたしております。
以上をもってこの法律案の提案理由の補足説明といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/2
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003・中川俊思
○中川委員長 以上で補足説明を終わりました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/3
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004・中川俊思
○中川委員長 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。森義視君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/4
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005・森義視
○森(義)委員 昨日予算分科会の質問で、長官は、私に、外材の輸入はここしばらく漸増するけれども、五十年をピークとして横ばい、さらに減っていく、こういう答弁をしておられたわけです。これは参議院の予算委員会でも、北村委員の質問に対してそういう答弁をせられておるのは、何らかの根拠があると思うのですが、五十年をピークにして、外材輸入は減っていく、こういう答弁の根拠をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/5
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006・田中重五
○田中(重)政府委員 その根拠につきましては、かねがね申し上げておりますように、この三月中に公表したいと思っております基本法第十条に基づく、森林資源の基本計画と重要な林産物の需要と供給に関する長期の見通し、これに基づいて、そういうふうに申し上げているわけでございます。その数字については、その公表に待ちたいと思っておりますけれども、その根拠といたしましては、強力に推進いたしております造林の成果が、昭和五十年前後を一つのポイントといたしまして、自後増強されてまいり、増強されるに従いまして、相対的に外材の比率が減少する、こういうふうに申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/6
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007・森義視
○森(義)委員 三十七年の十月に林野庁が出しておられます林産物の需給等に関する長期見通し、これによりますと、昭和四十七年に外材が千七百万立米、これは御承知のように、すでに今日、三十九年で千九百十六万立米も入っておるわけですね。当時の計画によりますと、五十七年が大体外材輸入のピークだといわれておったわけです。これを今度五十年に下げておられるわけですね。その後、昭和三十九年十月三十一日に出されました経済審議会の農林漁業分科会の昭和四十三年度における林産物の需給見通し、これを見ますと、昭和四十三年度に外材輸入は、大体経済成長率を七%と見た場合に、千七百七十万立米である。ところが、これもまた、先ほど申しましたように、現在もう千九百十六万立米入っておる。この計画もまた全くくつがえっておるわけなんです。そこで、この林野庁が三十七年の十月に出した長期の需給見通し、あるいは経済審議会の答申の四十三年度における需給の見通し、これは両方とも完全にくつがえっているわけなんですが、今度は長官は、くつがえらないという自信ですね、そういう自信を持っておられるとするならば、前の計画の中にどういう点において大きな違いがあったのか。今日の実情と大きな違いがあるわけですね。その違いを生じた原因はどこにあったのか、その原因を排除するために、今度の需給見通しではこういう配慮をしておる、したがって三十七年の長期需給見通しのようなあやまちを繰り返さない、こういう自信があるならば、そのほどをちょっとお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/7
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008・田中重五
○田中(重)政府委員 自信と申しますと問題がございますが、要するに、全国森林計画で見通しました数字よりも、わが国の経済成長等によりまして木材需要が多いということが、今日の段階では言えるかと思います。いま先生、外材の数字を申されましたが、これは、その年度に入る外材輸入量の数字が現在もうすでに、将来の問題としてでなく、達成されているではないかというような意味でお尋ねのように私は思いますけれども、そういう意味では、確かにいま申し上げましたように、国全体の木材需要の伸びが、その当時に見通したものよりは多い、したがってまた、外材輸入量においても、その当時見通したものよりは多くなっているというふうに言えるかと思います。私が昭和五十年前後と申し上げておりますのは、外材輸入量の絶対量がその時期を機として減るというふうに言っているのではなくて、外材の占める比率がそのころから減っていくという意味のことを申し上げておるわけです。つまり、国内自給力の高まりとともに、外材の占める比率が、そのころから下がっていくというふうに今度の基本計画では考え得るということを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/8
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009・森義視
○森(義)委員 そうすると、昭和五十年の段階では、木材の需要はどのくらいで、それからわが国の自給力は幾らで、その差の外材は何ぼで、その時点における価格構成はどうなっておるのか、その点についてお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/9
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010・田中重五
○田中(重)政府委員 その点につきましては、かねがね申し上げておりますように、この三月中に公表する予定でございますから、そのときに具体的に申し上げたいということを何回も申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/10
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011・森義視
○森(義)委員 そうなりますと、どうせ需給計画が公表される段階でその細部について承りたいと思いますけれども、少なくとも長官のいまの答弁では、五十年ごろになると自給力が大きく上回る、それで需要は伸びていく、しかし、五十年段階から自給力が高まっていくために、外材の伸び率というものは横ばいになるのだ、こういう言い方をしておられるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/11
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012・田中重五
○田中(重)政府委員 外材の全供給力の中に占める比率が下がるということを申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/12
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013・森義視
○森(義)委員 そうすると、需要が大幅に拡大するわりに、外材の輸入量はそれに連なって上がっていかない、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/13
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014・田中重五
○田中(重)政府委員 そういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/14
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015・森義視
○森(義)委員 そういうわが国の木材の自給力が大きく高まる根拠は、私は、これは願望であって、実際問題としては、幾ら計画を机上でされても出てこないというのが現状じゃないかと思うのです。そういう見通しに先行き不安を感ずるわけなんです。その点について、特に昭和五十年段階におけるわが国の木材の需要に対して、民有林における協力度合いをどう考えておられるのか、民有林がその時点においてどのくらいの需要に対する供給力を持ってくるのか、こういう点について林野庁のほうで計画をつくっても、その計画を実施させるだけの武器を持っておらない。したがって、計画は国有林の不足分に対する乱伐という形にひっきょう走らざるを得なくなってくる。計画はつくったけれども、民有林は計画についていけない。したがって、外材の輸入か国有林の乱伐か、どちらかになる。いまのところは、外材の輸入と国有林の乱伐でいわゆる民有林の出てこない分を補っておるわけです。昭和五十年段階で民有林も国の計画に協力してくるように予想されるとするならば、民有林に対する何らかの新しい協力ができるような条件が出されなければならないと思う。そういう点について、今後日本の自給率を高めていく上についての民有林の果たす役割り、そういう役割りを強力に実行に移さすための民有林に対する協力条件、そういう問題について格段な考え方があるならば、この機会にお聞かせ願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/15
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016・田中重五
○田中(重)政府委員 林業基本法の十条関係で公表することになっておりますものは、これはあくまでも見通しでございます。見通しとしてそういうふうに考えられるということを申し上げているわけです。そこで、民有林の生産についての確保を考える場合には、昨日も先生に申し上げましたように、やはり民有林が計画的に伐採をし、計画的に造林をする、要するに、森林の経営を計画的に行なうということが必要でございまして、それにはそれぞれの林業従事者の個別経営計画を立てて、そしてその計画に即して仕事をするように勧奨をする必要がある。一方、そういうような計画的な仕事を進めていく林業従事者に対しては、税制上等においてできる限り恩典を与えるようにして指導をしたいということを昨日申し上げたわけでございますが、そういう方向で検討を進めてまいりたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/16
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017・森義視
○森(義)委員 民有林に協力さそうとすれば、価格さえ上げたら幾らでも切り出すわけですね。価格さえ上がってくれば、民有林は切るわけなんですよ。ところが、それを上げられると、全体の物価政策上困るわけですね。そこで、安い外材を入れて、木材価格というものを一定水準でいま安定を保っておるわけですね。だから民有林は、確かにいまおっしゃるように、税制の問題あるいは造林の問題、林道の問題、その他いろいろ労働者の福祉問題等で、民有林に対する施策を強化して、そして国の方針に協力さすような行政的な手の打ち方が一つはあると思うのです。あるいは個別経営計画をつくらして、それに対する行政指導を強化していく、こういう方法があると思う。しかし、それはあくまでも補完的なものであって、本来は、民有林が計画に乗ってくるか乗ってこないか、自分たちの山を切るか切らないかというのは、基本的には価格政策によってきまるのじゃないですか。そうなってまいりますと、価格政策を抜きにした民有林の協力体制というのは、将来にわたって期待できない。価格政策というものがはっきりしなかったら期待できないと思うのです。そういう外材のいまの入り方に対する先行き不安、そういうものからきておるところの林業経営者の経営に対する意欲の減退、さらに価格の問題を中心にしてその問題が出てきておると思う。それから造林し、育林し、先の価格の問題を考える場合に、外材が無制限に入ってくる、あるいは非常に安易な形で入ってくる、こういうことになれば、木材価格は現在の低迷から脱却できない。そういうことになれば、それに対して協力できない、こういう形が、今日民有林が一番国の計画に協力してない原因になっておると思う。だから、行政的な補完的な面は、私は強力にやっていただきたい。そのことによって民有林が国の森材計画に乗ってくるような、そういう行政的な指導を強力にやっていただくことは重要でございますけれども、これはあくまでも補完的なものであって、価格政策というものをはっきりと確立して、そういう不安感をなくすような、そういう政策が行なわれなくてはならないと思うのです。その点についてどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/17
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018・田中重五
○田中(重)政府委員 その点につきましては、お説ごもっともの面があるかと存じます。
価格の場合は、これは国民生活の面でもきわめて重要な課題でもありますし、したがいまして、生産者の立場だけでこの価格というものを考えることもいかがかと思われます。また、いまのお話しのように、価格というものは高くさえあれば、林業従事者は経営にいそしむというお話もございますけれども、木材の価格がいたずらに高くなりますことは、一方また木材にかわる代替品の進出が相当大幅に進んでまいることは、現在の実態におきましても十分に理解のできるところでございまして、そういう意味からいいましても、必ずしも価格の高騰だけが林業従事者のプラスであるとも言い切れない面があると思います。やはり木材の価格は、生産の面からいいましても、また消費の面からいいましても、安定した価格で維持されることが好ましい、そういう考え方からいきますと、現在の価格は、外材の輸入あるいは代替品の進出等もございますけれども、ほぼ安定的に推移しているのではなかろうかという考えでございます。
なお、木材に直接価格政策を考えていくこと、特に生産との関連において考えていくことは、なお多く検討すべき事項を含んでおると思いますので、この点につきましても検討を進めてまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/18
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019・森義視
○森(義)委員 一つ伺いますが、価格の問題はたいへんむずかしい問題があると思うのです。従来造林、育林、伐採、そういう点をいわゆる生産費・所得補償方式ですか、米価のような場合と匹敵するような形で、木材の価格がいかにあるべきかということを検討した場合に、木材価格決定について、標準価格をきめるについてどういう障害があったのか、その障害を克服するためにどういう努力をしたのか、こういう点について御意見があれば聞かしていただき、木材価格決定について従来検討した経緯、それと、それに対する日本の林業形態からくる障害、その障害について克服するにはどうしたらいいかということについてお考えがあれば、お聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/19
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020・田中重五
○田中(重)政府委員 日本の林業生産は、先生も御承知のとおりに育成林業、つまり、人工林から生産するという育成林業の分野がございます。それからもう一つは、採取林業といいますか、天然林からの生産、これもあるわけであります。そういうものが入りまじって、主として木材の需要と供給との関連で価格がきまっておるというのが実態でございます。その次は、木材というものは、樹種がきわめて多様であり、品質もきわめて多様であり、さらには地利、地位についてもきわめて多様である、そういうことがございますので、農産物の価格をきめる場合のようにしかく簡単ではないということと、かりにいま生産費・所得補償方式というものをこれを机上で算定することは、比較的たやすいことでございます。しかし、その算定されたところの資料は、その樹種、その材種、その場所に生産されたもの、その場合にのみ適合するというようなかっこうになるわけでございます。したがって、一般的に木材価格一般というものを規定することは、いまも申し上げました、ような、非常に複雑な因子を含んでおりますので、むずかしい面があるというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/20
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021・森義視
○森(義)委員 確かに長官がおっしゃるような点は私もわかるわけです。木材価格を規定することはたいへんむずかしいし、困難性があると思う。そこで、長官のおっしゃっておられるように、現在木材価格は需給関係できまっておる。そうすると、供給の不足分を外材で補うという形になる。したがって、今日の木材価格は、外材の供給価格によってきまるというふうに考えてもいいと思う。しかも需給関係によってきまるのですから、日本の供給力の不足分は外材でいま穴埋めして、木材価格は一定の安定状態にあるわけです。したがって、外材が減ったりふえたり、外材価格が上がったり下がったりすることによって、木材価格は常に変動する不安を持っておるわけです。そういうふうに考えてもいいと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/21
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022・田中重五
○田中(重)政府委員 外材が一般的に入っておるとはいいながら、確かに、外材が入っておるということでわが国の木材価格はある水準を保っておるということは言えるわけでございます。そういう意味では、外材がわが国の国内価格に影響しておる、そういう点は、そう言わざるを得ないというふうに思います。外材の価格は、たまたま現在におきましては、産地高の傾向にございます。いままでの産地における積み荷の経費あるいはフレート等では間に合わないというような状況にあるわけであります。ところが、そういう産地価格を生産性の向上で吸収するために、この滞船の日にちをできるだけ短縮する、あるいは集荷期間を短くするというような面で、コストをできるだけ下げるくふうをいたしまして、やっと産地高を吸収しておるというような状態でございますので、そこで、安い値段でわが国の取引価格が押えられておるというふうには言えない現在の状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/22
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023・森義視
○森(義)委員 現にわが国の国内産材と競合するいわゆる米ツガ価格の変動によって、杉小角の価格が上がったり下がったりしていますね。だから安定したものは別として、常に競合の度合いの高い木材の価格というものは、外材によってきまる、そういう状態にあるのではないですか。これは白書にも一部そういうことを触れていますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/23
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024・田中重五
○田中(重)政府委員 でございますから、そういう点は、南洋材等と違いまして、特に米材の中の米ツガは杉等と競合するということを昨日も申し上げてはいたわけでございます。そういう意味では、米ツガの価格がわが国の杉の価格に影響を与えているということは否定はできないと思います。ただ、影響は与えてはいるけれども、その与え方の程度は、これはいまも申し上げましたような産地価格の事情から、はなはだしく下押しするという形で影響を与えているとは考えられないのではないか、こういうふうに申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/24
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025・森義視
○森(義)委員 いま日本の民有林の特に外材と競合する立木を持っておる林業家の意見は、これは将来輸送の問題で、あるいは港湾の問題で、生産地における合理化の問題等で、米ツガの価格が産地においてぐんぐんと下がってくる。そうなってくると、いまですら採算が合わないのに、その競合材であるところの米ツガがぐんぐん下がってくることに対して、非常な不安感を持っておる。これはもうどこの民有林も、特に杉を持っておる林業家は同じような意見だと思うのです。そういうことに対して、私は、昨日、日本の林業と特に競合する特殊材については何らかの規制をしなければ、林野庁がいかに長期の需給計画をつくっても、それに民有林の皆さんを協力さす体制はとれない、こういうことを申し上げた。それに対して長官は、その点については検討する、こうおっしゃったわけです。ところが、私は、外材の輸入の問題について、実は私のほうでも外材専用工場もありますので、実地にいろいろと勉強してまいりました。いま日本の港湾は、外材の一万トン級以上の専用船が出入できるような港湾施設が公共投資でどんどんと改良されつつある。外材の専用船がさらに拡大されつつある傾向にある。現在商社全体を合わせますと、大体八十隻を持っておる。一隻で大体一万から一万三千立米積むわけですね。そういう状態がどんどんとこれから拡大をしていく、こういう傾向にある。そうなりますと、日本の現在の林業家は、外材の将来というものは、さらに輸入が拡大していく、しかもそれがどんどん輸送その他によって合理化されていく中で安くなる、しかも製品で入ってくる公算が非常に強くなると、林業家だけでなくて、製材工場にも影響を及ぼしてくる、そういう不安感が非常に叫びとしてあるわけです。アメリカのウエヤハウザーのように一日に三万石消化する、こういう工場に日本の製材工場が対抗しようとした場合に、これはたいへんなんです。設備を拡大しなければならぬ。外材工場で専用工場になろうとすれば、大体一億から一億五千万の設備費が要る。そういう形で今日すでに外材専用工場はどんどんふえてきておる。そうなりますと、港湾施設の問題、輸送力の問題、日本におけるところの製材工場の外材専用工場化の問題、こういう体制が整ってしまいますと、外材は補完的だとおっしゃいますけれども、あるいは外材が日本の価格に大きな影響を与えていないとおっしゃいますけれども、必然的に与えざるを得ない。外材がすでに日本の林業の中に、あるいは関連産業の中にどっかりと腰を据えてしまっている。その腰の据え方がどんどんと拡大していく傾向にある。こういうことに対する先行き不安感が林業家にあるわけです。だから私は、その問題を規制しない限り、何らかの方法でいわゆる先行き不安を解消しない限り、これからの長期需給見通しというものは、とうてい絵にかいたもちになってしまって、民有林業家の協力は得られない、こういうことを強く感じるわけです。したがって、きのう長官は検討されるとおっしゃったが、どういう角度からこの問題を検討されようとしておるのか、ひとつここでもう一回はっきりした御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/25
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026・田中重五
○田中(重)政府委員 いまお話しの点は、それなりに非常に重要な事項でございますし、十分に検討をいたしまして、その考え方を確立をしなければならないと思っております。それにいたしましても、まずやはり国内の生産体制といいますか、林業経営者が計画的な生産、計画的な伐採、これを行なうような習性を身につけないことには、やはり国内の需給体制というものは確立されない。またそうすることによって、はじめて適正な外材の輸入量、それもきまってくる問題だろうと思います。そういう意味合いにおきまして、外材問題をいま先生がお話しのような方向で検討すると同時に、国内の生産体制を計画生産に持っていくように整備する、そういう林業経営者の考え方の確立といいますか、それをまた指導していく必要があるかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/26
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027・森義視
○森(義)委員 これは長官も御存じだと思うのですけれども、最近の製材品で入ってくる伸び率を見ますと、三十五年を一〇〇として、丸太は三十八年二〇九、ところが、製材関係では六〇八になっておるわけです。日本の製材工場というのは、いわゆる丸太貿易率では四四%、日本がそれを受け入れておる。いわゆる丸太の世界貿易の四四%を日本が受け入れておる。日本はこういう丸太材を受け入れる工場施設があるということなんです。この工場施設に丸太材がなくて、製材が入ってくる率がどんどん高まってきておる。こうなってまいりますと、日本の製材工場に大きな影響を及ぼす。そのことが、最近の製材工場の倒産にあらわれてくるわけです。具体的にどんどんと倒産件数がふえていって、現に三十九年度では日本の全産業の倒産件数の一割近い数字が製材関係で、木材関係で倒産をしておる、こういう数字にあらわれてきておるわけなんです。そうなりますと、結局日本の林業の中に外材が及ぼしておる影響というのは、単に林業家の先行き不安によるところの造林や育林あるいは伐採に対する停滞、そういうものにとどまらず、日本の今日まであった製材工場に重大な影響を及ぼしてきているわけなんです。こういうことは長官のほうでも資料として持っておられるわけですから、そういう資料に基づいて、いまどの時点でどういうことを考えなくちゃならないのか、いまの時点で外材についてどう考えなくてはならないのか、基本的な態度が打ち出されていい時期だと私は思うのです。これはきのうも申し上げましたけれども、大正年間に、やはり外材の輸入で木材価格が一応停滞した。ところが、そのことによって日本の市場が大混乱をして、やはり関税引き上げをやってそれを操作した歴史があるわけです。戦前に、大正六年から大正末期にかけて、昭和の初めに、関税をかけてちゃんとした歴史があるわけなんです。だから、需要の拡大に国内供給が伸びていかない段階における補完的な立場として、価格の高騰を押える役割りとして一時的に外材を入れても、その量が無制限に拡大してきた段階では、やはり外材を規制するという歴史があるわけです。今日日本の全需要量の三割に近い外材の輸入がある。しかもそれが大正時代と違って、木材需要の拡大に見合っての三割ですから、量的にいえばずいぶん大きな量なんです。しかもそれに対する日本の産業構造全体が、港湾施設からあるいは製材工場施設から、あらゆる面において大きな変化を遂げている。こういう段階で、いまの時点で何らかの規制措置を考えなければ、先行きこれは規制できませんよ。だから、その点については、きのうも長官は検討するという御答弁をいただいたが、早急に根本的な検討をお考え願わないと、先ほど申しましたように、将来の需給計画の問題についても、その計画は前の計画と同じように、絵にかいたもちになってしまうおそれがあるということを強く忠告をしておきたい。
外材の問題についてはそのくらいにしておきまして、次に、林業の問題で、特に白書でも触れたわけだし、この間大臣の所信表明演説の中にも明らかにしておるわけでありますが、林業労働力の流出の問題です。これは、林業労働力が流出して、林業労務賃金が高くなってきておる、そのことが日本のいわゆる林業の発展を大きく阻害しておる、大体こういうふうな考え方なんです。林経協の一月の月報で見ますと、あの座談会の中で、林業労働力は流出していない、余っておる、いわゆる山村の労働力は流出しておるけれども、それは遊休労働力の流出であって、そのことが直ちに林業労働力の流出にならない、こういうことを石谷さんが言っています。その点について、山村労働力の流出というものが直ちに林業労働力の流出とお考えになっておるのかどうか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/27
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028・田中重五
○田中(重)政府委員 山村の労働力の流出は、林業白書にも示しておりますように、流出の程度が前に比べて高くなっておるということは、御承知のとおりだと思います。それからこれを林業労働力としてとらえる場合、これは必ずしもまだその資料は十分ではございません。それで、白書が言っておりますのは、山村の人口の流出、それについて数字を出しているわけでございます。しかし、そのことから、少なくとも林業労働力もそれと並行して流出しているであろうという推定は、そう間違ってはいない。したがって、林業労働力も減少しておることは、そのように推定をして差しつかえない、こう考えております。一方また、労働賃金の上昇があるわけでございますから、それはそういう流出との関連において上昇しておるというふうに考えていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/28
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029・森義視
○森(義)委員 現地では確かに若年労働力は流出しておりますけれども、既存の林業労働力というのは流出するところの職場がないわけです。だから、林業労働力が老齢化してきている、質的に低下をしてきている、こういう点は指摘できると思うのですが、いわゆる現状の林業労働力が都市へ流出できるような条件はないわけであります。だから、その点からいうならば、センサスであらわれておるような統計数字が、直ちに林業労働力それ自体の流出に結びつかないのではないか、いわゆる新規労働力の増加は見られないけれども、老齢化し、あるいは質的低下を来たしておる、こういうふうに考えていいのではないかと思います。
そこで、林業従事者の福祉の向上の問題でありますが、これは所信表明の中でも明らかにされておるわけでありますが、具体的にことしの予算の中で、林業労働者に対する福祉の向上についてどういう予算が組まれておるのか、その内容をひとつお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/29
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030・田中重五
○田中(重)政府委員 林業労働力対策事業は、昭和四十一年度の予算の一つの重要な柱でございます。そのために約千六百万円程度の予算を組んでおります。林業労働力の確保、それから林業労働者に対する福祉の向上等、なかなかむずかしい問題でございますから、画期的な仕事を新たに始めることはなかなかむずかしいかと思いますけれども、何といいましても、林業労働について通年的に雇用されるように仕事を配分いたしまして、そしてその確保をあわせてはかる、いま先生のお話にございましたような青壮年の労働力の確保をそういうことではかっていくということで、林業就労台帳あるいは林業就労動向統計表というようなものを、林業の盛んなそれぞれの県、市町村でつくりまして、そしてその資料を中心に、属人的に通年雇用の方向へ持っていくような行政指導をしてまいりたい。それからもう一つは、林業労働についての雇用者等の会議を開くことによりまして、そこで、雇用者としての労働者に対する社会福祉の必要性とその状況聴取のための会議、それから林業労働者に対しては、社会保障等についてできるだけその知識の涵養をはかるためのPR活動、そういうことをこの予算で強力に進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
〔委員長退席、東海林委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/30
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031・森義視
○森(義)委員 千六百万の予算で、いまおっしゃっているのは実態調査費と啓蒙費です。これでは社会福祉の向上のためにとられた予算ではないと思う。センサス数字の三十七万の労働力として、一人百円で三千七百万円要るわけです。林業従事者の福祉の向上ということを林業基本法でもうたっておるし、あるいは大臣の所信表明の中にも明らかにされておる。どこにどれだけの予算が組まれておるか、見たら、ない。いま長官のお話を聞きましてもそのとおりであって、実態調査費と啓蒙費です。少なくとも林業従事者の福祉の向上をはかろうとすれば、教育の問題、医療の問題、住宅の問題、もちろん社会保障の問題もありますが、そういう問題に対して、国として、特に林野庁として、どういう抜本的な対策を講じたかということを明らかにされないと、福祉の向上をはかっておりますとか、そんな大臣の所信表明は全くうそになる。いまのお話を聞いていましても、福祉の向上に対する施策じゃなくて、実態調査費と啓蒙費です。これは予算の中に組まれておらないのですか、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/31
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032・田中重五
○田中(重)政府委員 その点につきましては、決して私どももこれで十分だとは思っておりません。しかしながら、民間の民有林業の林業労働については、まだその実態が明らかでないというような段階でもございますので、そこで、まずその実態の把握につとめるとともに、林業の雇用者、労働者に対しまして、林業労働についての考え方を指導していくことから始める必要がある、こういうふうに考えまして、まずいま申し上げましたようなことから着手したい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/32
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033・森義視
○森(義)委員 そういうことは、福祉向上をはかるために実情を調査することに重点を置いておる、こういうことですね。それでは私は間に合わないと思います。林業基本法ができて、あの中ではっきりと林業従事者の他位の向上をはかるということをうたっておる以上、それが去年の段階では、とりあえず実態調査費を予算につける、その実態調査に基づいて、具体的にどういう福祉の向上のための予算をつけるか、ことしの予算書に当然出てこなければいかぬわけです。ところが、いまだにそういう形では、これはもういつまでたっても、林業従事者というものは、いわゆる山村僻地の中に追い込まれたままで、都会労働者との間の格差を縮めることはできない。そういうことに対する不安感が、若年労働力の固定化しない、定着化しない大きな原因になっているわけです。この問題は時間の関係もありますのであとにして、もう一つだけお伺いしておきたいと思うのです。
それは森林開発公団法の一部改正のときに、附帯決議をつけた、いわゆる公団林道の維持管理の問題なんですが、あのときも申し上げたのですが、市町村に維持管理の問題は移管してほしい、そうでないと、公団林道をつけられたことによって、直接利益をこうむっておらないものが、通行費でたいへん困っておるということを申し上げたのです。その点について附帯決議がついておるわけですが、長官のほうでどういうふうに検討されたか、お答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/33
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034・田中重五
○田中(重)政府委員 公団林道の維持管理の問題につきましては、御趣旨を体して検討を進めてまいっておりますけれども、この公団林道の開設費の償還の問題をどういうふうに片づけていくか、それで移管することと償還金を徴収するということとはどういう関係に立つのか、そういう点について、なお解明を必要とする面があるということが一つ。
それからもう一つは、林道によりまして、利用をされる頻度の多い林道と、それから比較的そうでない林道とがあるわけでございます。それを公団で利用料をプールすることによって、同じように維持管理をしておる。それがもし林道ごとに市町村に移管されました場合に、はたしてその維持管理がどの林道についても十分にできるのかどうか、できるとすれば、そうするためには財源をどういうふうに市町村の段階で考えたらいいのか、そういう点について、なお検討の面が残っておるということを申し上げたいと思います。
一方、市町村につきましては、移管を希望する傾向は確かに強いということも、十分に承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/34
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035・森義視
○森(義)委員 その問題は、さらに検討をしていただきまして、早急に結論を出していただきたい。現に、私のほうの地元の十津川あたりでは、やはりその問題が行くたびに言われる問題でございますので、いま長官が説明されました内容についても、私もわからぬことはありませんので、早急に検討して、何らかの結論を出していただきたい、こういうことを要望いたしまして、終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/35
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036・東海林稔
○東海林委員長代理 午後一時再開することとし、休憩いたします。
午後零時十四分休憩
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午後一時四十三分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/36
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037・中川俊思
○中川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
漁船損害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。松井誠君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/37
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038・松井誠
○松井(誠)委員 漁船損害補償法の改正案についてお尋ねをいたしたいと思います。
最初に、事務当局に、今度の改正案は、満期保険についての改正が主でありますので、満期保険の利用状況について、その現況を簡単にお知らせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/38
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039・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 満期保険の加入状況についての御質問でございますが、昭和三十九年末で三千七十隻でございます。その内訳は、無動力船が百五隻、動力船が二千九百六十五隻、こういう現状でございます。動力船のうちで、五トン未満が二千五百五十四隻、五トン以上二十トン未満が三百四十三隻、二十トン以上六十八隻ということでございまして、無動力船と二十トン未満合わせますと三千二隻になりまして、総数の九九%、つまり、無動力船と二十トン未満の動力船がこの加入の主体を占めておるわけであります。保険金額は十億二千万円、積み立ての再保険料が三億四千万円程度に相なっております。日本の漁船の状況から比べまして、三千隻という加入状況は、きわめて微々たる加入状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/39
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040・松井誠
○松井(誠)委員 その数字は千トン未満ですか。在籍船数から見てどのくらいの比率になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/40
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041・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 一%を割っておる現状でございます。ただし、先生のおっしゃいます千トン未満で計算しても、大体そういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/41
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042・松井誠
○松井(誠)委員 大臣にちょっとお伺いをしたいのですが、いまお聞きしましたように、この満期保険の加入状況というのは、一%未満という非常に低い加入率である。これにはいろいろな原因があると思いますけれども、今度の改正の二つの点は、そういう満期保険に伴う不利な点を何がしか改善をしたのではございましょうけれども、いままでの極端に低い加入率からいうと、これがどれほどの効果を生ずるか疑問なしとしないわけであります。そこで、大臣にお伺いしたいのは、この低い加入率というものの根本的な原因は一体どこにあったのだろうかということについて、ひとつ御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/42
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043・坂田英一
○坂田国務大臣 満期保険の伸びなかった理由でございますが、第一には、保険期間中途において全損した場合において、いわゆる積み立て保険料が掛け捨てになっていること、第二には、普通損害保険と比較いたしまして、全損以外の損害が生じたとき、同一の支払い保険金を受けようとする場合、保険料が高くなるという不利な点がある等の理由で、保険組合が積極的に満期保険を推進しなかったということ、また、組合員も、これらの理由によって満期保険に魅力を感じていないことが、おもな原因であったと思われます。今回の法律改正によりまして、これらの欠点が除かれますので、加入が相当増大するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/43
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044・松井誠
○松井(誠)委員 いまの大臣の御答弁ですと、加入率が低かった理由は、今度の改正によって一〇〇%除かれるというように伺ったわけでありますが、しかし、私は、この加入率を低目にとどめておった原因は、決してそれだけではないだろうと思う。一つは、保険組合の組合側にあるでありましょうし、もう一つは、この加入者の漁民の側にあるだろうと思うのです。これは事務当局から適宜お答えをいただきたいのでありますけれども、保険組合がこの満期保険にあまり熱意を持っていない、損害保険のように一生懸命に勧誘をしないということが原因の一つであるかのように伺っておるのですけれども、そういう事実があるのかどうか、あるいはあるとすれば、それは一体どこに原因があるのか、その辺をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/44
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045・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 御承知のとおり、人間でいえば養老保険でございまして、損害保険に関しまする部分の保険料と満期の際に受け取る部分の保険料が合わさってまいるわけでございますから、したがって、総体的にやはり保険料が高いという現実は否定できないと思います。そこで、いま大臣からお答えしましたとおり、どうもうまみがないという立場が、実際の漁民の立場から見ても、なかなか食いつきかねる。一方、元受け組合の立場からいたしますと、これは事務的に非常に複雑な仕組みになっております関係もございまして、損害保険よりも手続きが非常にむずかしいということで、元受け組合自身が積極的でなかった、こういう事情にあると私どもは見ておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/45
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046・松井誠
○松井(誠)委員 その組合側の原因ですけれども、いま言われたように、事務量が非常に多い。一見しますと、損害保険が年に一回やるのと比べて、三年なり六年という期間に一回やるだけだから、事務量はむしろ損害保険に比べて繁雑ではないというように常識的にはとられるけれども、しかし、実際は逆に事務量が非常に多い。そうであるのに、それを扱ったことによる手数料だとか、あるいは国の補助だとかいうものが、少ないかあるいは皆無なのか知りませんけれども、そういう事務量とのアンバランスがある。これは私は聞いたのでありますが、この事務量に応じてそれだけのものが保険組合に入ってこないということは、具体的にはどういう仕組みでそういうふうになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/46
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047・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 御承知のとおり、純保険料と付加保険料の仕組みになっております。事務量といいますか、保険をやっていきます上の経費は付加保険料で取る。付加保険料ということに相なりますと、純保険料との一定の割合ということが、どうしても多かれ少なかれ基準に相なってまいります。そこで、純保険料そのものも高いから、相対的には付加保険料も高いわけでございますが、あまりこれを高くするということにいたしますと、純保険料そのものが高い満期保険でございますから、よけい加入を阻止するということで、この保険について付加保険料を高くして事務に要する点を十二分にカバーするということもしにくい、こういう面がこの場合にはあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/47
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048・松井誠
○松井(誠)委員 この付加保険料を上げるということは、すぐに漁民の負担となってはね返ってきますから、そういう付加保険料の料率を上げるという形でこれを解決するわけにはもちろんいかないだろう。そこで、保険組合にとってもっとうまみのある満期保険であるためには、それ以外の配慮が必要なのではないか。そういうことについては何か御意見はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/48
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049・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 ごもっともなお話なのでございますが、考え方といたしまして、漁民が不慮の事故によりまして損害を受けたという場合に、できるだけその補てんを考えたい、こういう立場で、たとえば比較的零細な損害保険につきましては、国庫補助もいたしておるわけでございますし、満期保険の中に含まれております損害保険に見合う部分につきましては、同じ条件のものであれば、国庫補助の対象に相なっておるわけでございますが、問題は、積み立て部分に見合うものは、ある意味からいいますと、貯蓄でもあるわけです。したがって、それに対しまして、そのものずばり、そういう意味の部分に見合う事務費に対しまして、これを特別のめんどうを見るということは、実際問題として、非常に困難であります。したがいまして、私どもとして、満期保険の制度の悪い点といいますか、不満な点をできるだけ直しまして、加入を多くいたしまして、逆に付加保険料収入をトータルとしてふやしまして、組合によって事務がうまく進む、こういう方向で考えられないかということで、実は今回の無事戻しといいますか、無事故の際の戻しの制度、それから料率の調整という点について力を注いだわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/49
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050・松井誠
○松井(誠)委員 確かに数が多くなり、付加保険料を下げることができる状態になれば、それはそれで好ましい状態でありますけれども、しかし、逆にいまの状態では付加保険料はある程度高からざるを得ない。それがまた一つの加入者としての陸路にもなる。
そこで、私はお尋ねをしたいのですけれども、この積み立て保険料そのものをもっと下げるということができれば、多少付加保険料が高くても、総合的に上がらないという方法がとり得るわけでありますから、この積み立て保険料というものをもっと下げるという方法はないか。具体的にいえば、この積み立て保険料には、国庫の補助というものが全然ない。これは一体どういう理由で国庫補助がないのか。国庫補助は積み立て保険料にあり得ないのだという原則を打ち破らない限り、これは不可能でありますけれども、そういう原則は一体あるのか。あるとすれば、どういう理由でそういうことになっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/50
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051・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 原則があるというわけではないと存じます。ただ、ものの考え方でございますが、漁業を営みます一番基本の生産手段でございます漁船が、不慮の事故でやられた。これはたちまち漁業の経営なり再生産に支障を起こす。したがって、これを総合保険として、そういう人に対しては、すぐ新しく船がつくれるように保険として仕組み、負担能力の低い者については、国もその保険料負担を手助けする、ここまでは十分いけるわけであります。問題は、満期保険の中に含まれておりますところの、事故がなかった場合で、船の命数が尽きる時期におきまして、保険に入ったときの価額でその元金を受け取る、これは事故がない状態であります。で、それに対しまして国なり公のものが援助することが適当であるかどうか。いま一番極端な例でいえば、船の命数が尽きたとき——要するに貯蓄的な性格を持っておるのであります。いわば個々の人がそういう貯蓄的に——しかも保険でございますから、保険の因子が多少入ってまいりますが、本質的にはやはり船の命数が尽きたときのつくりかえのもので、その原因には事故というものが重なっておりませんので、これはやはり国庫なり公の機関が補助をするということは、ほかの制度との関係で、当然である、妥当であるというふうにはなかなか直ちにまいらないのではないかと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/51
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052・松井誠
○松井(誠)委員 私の言い方といまの長官の言い方とは逆で、私は、積み立て保険料は国庫補助がつかないという原則もあるのかということを聞いたわけですが、いまの長官の御答弁は、その積み立て保険料に国庫補助がつかないという原則は必ずしもないというような言い回しであったと思うのですが、私は、この積み立て保険料がいかに貯蓄的な性格を持っているとはいえ、保険料であることには間違いない。したがって、ほかの損害保険料と同じに国庫補助の対象にしても筋が通らないということにはならないので、ほかのものとのつり合いということを言われましたけれども、ほかのものとのつり合いというものは、たとえばどういうものとのつり合いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/52
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053・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 先ほどの原則があるわけではないということは、制度でございますから、積み立てといいますか、船の満期の時期がきたときに、保険料を毎年払っておいて、船の命数が尽きたときに、その見合いの金を受け取る、こういう保険について、国庫なり何なりの援助があり得ないということが、先に原則としてきまっておるという意味ではない、それが一点。
それから、しからばそれでは補助の余地があるかという問題については、先ほど申しましたとおり、要するに、だんだん保険料を払っていきまして、それが元受け組合でたまっていきまして、それを国が再保険をいたしておりますが、船の大体命数の尽きた満期の時期がきたときに、ごっそりその対価が入る。ここには事故もなければ、不慮の何ものかがあったということではないわけでございまして、そこで、これについては、いわば非常に将来をおもんばかった貯蓄をやっておった方が、その目的を達した、幸いその途中で不慮の事故はなかった、こういうケースでございます。したがって、これに補助をするのは適当でないと私としては思います。
それからほかとの関係のお話でありますが、現在ありますものは、農業にいたしましてもその他にいたしましても、制度的に国が手を伸べておりますのは、不慮の天候その他の災害があって不測の損害を受けたという方に対しては、確かにいろいろの制度がありますが、たとえば生命保険でも養老といいますか、それから農業関係におきましても、建物共済等におきましては同じような考え方をしておりますが、こういうものは任意事業として、あるいは農協プロパーの事業として、保険制度の外で行なわれているわけであります。したがって、全体を見まして、その満期の際に金を受け取る保険について、他に例はないということをはっきり申し上げるわけであります。国が援助しておる例はないということをはっきり申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/53
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054・松井誠
○松井(誠)委員 満期の場合には確かに貯金的な性格が非常に強い。しかし、満期まで無事故だという保証はないわけで、そこにやはり保険的な性格があるわけです。途中で全損するという可能性を持ちながら満期までいくわけですから、そういうことを考えると、貯蓄的な性格を持っていることは、私はもちろん否定はしませんけれども、しかし、それが保険料であることには間違いがない。経済的には貯金の役割りを確かに果たすでしょうけれども、そういうことを考えると、これは頭から国庫補助の対象としては不適当だといってきめてかかることはどうかと思うのです。私がこういうことを申し上げるのは、この加入率が低いということが原因の一つ。そしておそらくは非常に大きな原因の一つに、積み立て保険料が高過ぎるということがあるのではないか、それを下げるということでなければ、この低い加入率というものを破るわけにはいかないのではないか、こう思うわけでありますが、この積み立て保険料が最終的に満期になって返ってくる、そのときの積み立て保険料、さっき貯蓄的な性格と言われましたからお尋ねをしたいのですが、利回りは大体どのくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/54
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055・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 先生のいまの御質問の前に一言だけ申し上げさせていただきます。
満期保険の保険料は、損害保険に見合う部分の保険料と積み立てに見合う部分の保険料が二つ集まって保険料になっておりますが、その損害に見合う部分については国庫補助をいたしておる点は、十分御承知だと思いますが、念のために申し添えさしていただきたいと思います。
それから満期保険に保険をいたしている場合に、その金が最終的にどういう利回りになっているかという点でございますが、六分二厘程度に回っておる結果に相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/55
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056・松井誠
○松井(誠)委員 大臣にちょっとお伺いしたいのですけれども、いまお聞きしますと、積み立て保険料を積み立てて、満期になって金をもらう、それは貯金をして六分二厘くらいの利子がついたと同じ状況だ、こういうのです。六分二厘くらいの利子なら、何もそういうところへ積み立てなくても、ほかにもっといい運用の方法があるわけです。だから、なかなか満期保険の加入がふえないというのも、そういうところに問題があるのではないか、そう考えるのですけれども、先ほど大臣は、保険料が高いのだということを理由にあげなかったのですが、この利回りのことを聞いてみましても、なるほどそれでは何も好きこのんでそこへ持っていかなくて、どうせ積み立てる金があるのなら、もっとうまくやったらどうだというように漁民が考えるのも無理はないと思うのです。だから、この保険料をもっと低くする、あるいはもっと利回りがいいようにしなければ、なかなか加入率を高めるということはできないと思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/56
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057・坂田英一
○坂田国務大臣 先ほど申しました意味について、それを総合しますと、第二の理由として、普通の損害保険と比較した場合に、全損以外の損害が生じたときに、同一の支払い保険金を受けようとする場合に、保険料が高くなるという不利があるということを裏から申し上げたわけであります。いわゆる積み立て保険料のそういうことのほうへしわを寄せて計算すると、そういう計算にもなるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/57
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058・松井誠
○松井(誠)委員 そうじゃなくて、いまの満期保険の場合の損害保険に見合う保険料の問題ではなくて、積み立て保険料そのものが高いのではないか、積み立て保険料そのものが年六分何がしかの利回りにしかならぬような貯金だから、それをもっとよくすると同時に、積み立て保険料が高過ぎるという理由は一つも言わなかったのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/58
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059・坂田英一
○坂田国務大臣 結局そういうことは、第一の点で申し上げたことを裏から言うと、そうなりますかな——それでは長官から御答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/59
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060・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 先ほど申しましたとおり、満期保険の保険料は、分析いたしますと、損害に見合った保険料、それから積み立てに見合った保険料から構成されます。そして先生御指摘のとおり、今回損害に見合った部分は引き下げを考えております。積み立ての部分はそうではないのではないか、中に一歩踏み込んだ話としては、先生のお話のとおりでございます。ただ、私どもといたしましては、この積み立て保険料を下げる手段といたしましては、結局この積み立て保険料を元受け機関なり再保険機関が運用を有効にいたしまして、予定利率を高めることによっていく方法が一つ、それからあとは、いま先生がおっしゃったように、国が補助するか、こういう道だろうと思います。それで、国の補助の実態は、先ほど申したような意味において、非常に問題があります。できるだけ特別会計におきますところの予定利回りの検討等を通じまして、一つにはできるだけこれを下げてまいりたい。それからもう一つは、やはり母集団を広げるということが、やはり保険設計上、保険料を下げていく一番有効な手段でございますので、鶏か卵かという問題ではございますが、私どもとしては、そういう手段を通じて、母集団を広げることを通じて、満期保険のうちの積み立て保険料をできるだけ下げていくという方向に努力をしたい、こう思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/60
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061・松井誠
○松井(誠)委員 積み立て保険料を国庫補助という形でなしに、この保険料の利回り、運用益をふやすとか、そういうことでやるというお話でしたけれども、それの具体的な点、現在はどういうふうに運用しており、その運用の面が改善をされるということはどういうことなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/61
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062・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 十割再保でありますから、結局特別会計のほうに保険料が入ってまいります。特別会計にそれが最終的には積まれる形になっております。ところが、先生おっしゃるとおり、特別会計に入っております余裕金は、資金運用部に預金しなければならぬ、こういうことになっております。どこか有利なところにこれを使うということは許されないわけです。ところが、少しでも前進の余地はないかというようなことから、特別会計への預金金利は五分でございます。それで、私のほうは、たとえば三年ものと六年ものと九年ものにこれを分ける。
〔委員長退席、田口(長)委員長代理着席〕
九年もの等は六分でございます。芸をこまかくして、六分のつくような預金部への預託を考えるという手段を通じまして、極力、いまの許された制度内におきましても、保険設計上五分で積んでおったものを、片方で資金運用部への預け方、あるいは資金運用部と取りきめて、長期ものは御承知のとおり資金運用部でも高い金利でございますから、そういう手段を通じて、これは少しでも下げるという努力は続けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/62
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063・松井誠
○松井(誠)委員 長期のものについては、資金運用部の利率を上げてもらう、そのことによって、大体どれくらい保険料の料率なりそういうものに影響しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/63
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064・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 保険設計上、今日まで五分で計算しておりましたが、明年度の問題としては、いまのような操作をしまして、五分六厘ぐらいに予定利率を高めたい。先生の御質問は、その結果積み立て部分の料率がどういうふうに変わるか、どの程度の影響があるかという御質問でございますが、満期保険にいろいろの長さの保険期間がございますが、いまとりあえず、九年ものの満期保険について計算いたしますと、二%程度になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/64
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065・松井誠
○松井(誠)委員 そういう運用方法を改善することによって、何がしかの保険料の引き下げはできるわけでありますけれども、しかし、それにしましても、もちろん性格は違うにしても、損害保険に見合う保険から見れば、ずいぶん違うわけでありますから、したがって、それが漁民がやはり満期保険というものにあまり魅力がないという、その一番大きい原因だと私は考えるのですけれども、その原因は、国庫補助というものに踏み切らない限り、ちょっと除去する方法はないのではないか、これは、私は文字どおりわからなくて質問をするわけですが、この満期保険のいわば定額部分、積み立て保険料のこの定額保険というのですか、そういう部分はいっそのこと、たとえば漁船の建造資金をもっと長期低利な形に改善をすれば、この満期保険という、保険であるから貯蓄であるか、あいのこのような性格を持ったものを分離して、漁船建造資金の条件をもっとよくすることのほうが本来の筋ではないのかと考えるわけでありますけれども、この漁船の建造資金の融資の条件、系統金融、制度金融を含めて、大体いまどういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/65
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066・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 御質問は、保険のほうからはずれて、融資で船をつくるとすれば、どういう制度があって、どういう条件か、こういう御趣旨かと思いますが、漁船の建造に関しましては、制度金融としては農林漁業金融公庫から出ております。それで、一般の漁船では、これはあまり大きい漁業家は公庫の性格上対象にいたしておりませんで、三百人、総トン数千トン以下ということでありますが、これに対しましては、一般に七分五厘の金利で十五年の償還期限、ただし、災害がありますれば、それを六分五厘の率で貸す、こういうのが一般の形でございますが、沿岸漁業構造改善事業というのをやっておりまして、これは順番にやるわけでございますが、沿岸漁業構造改善事業の融単事業として、自分のところは船をつくりたいという場合の漁船建造に対しましては、三分五厘で三年据え置きの十五年償還、ただし、これは船は二十トン未満のものに限る。そのほか、沿岸漁業の漁船整備という制度から、これも一定の規模以下の船でございますが、一定の、十五メートル未満の船で五分五厘で三年、十年というような制度も別にございます。それから申し落としましたが、農林中金からも系統関係を通じあるいは漁業者自身直接に船の建造資金が出ますが、これは利率は大体八分七厘程度に相なって、償還期限は耐用年数等を勘案してケース・バイ・ケースで考える、こういう形、非常に大きなものになりますと、開銀等から金が出るという制度がございまして、これは八分四厘、三年、十年、こういうようなことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/66
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067・松井誠
○松井(誠)委員 漁民の立場からすると、いまの漁船建造の融資条件を前提としてそちらでまかなったほうが得か、あるいは年六分何がしかの貯金をするという形でやったほうが得か、あるいはもっといまの漁船建造資金の融資条件をさらに有利な条件にすることによって——いまこの建造資金の融資がどの程度の数があるかよくわかりませんけれども、いま漁民としては、いまの条件ならどちらを選ぶか。満期保険のほうが貯金としてもきわめて利率が低いということで、それならむしろ融資のほうにいったほうがいいということで、融資のほうに片寄っておるということになっておるのかどうか。その辺はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/67
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068・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 先ほど満期保険の実勢力が三十八万の船の中で〇・何%と申しましたことは、この間漁船の建造は相当行なわれているわけでございますから、とりもなおさず、金融を受けてか自己資本プロパーで、代船を建造するなり新船をやっておる、これが現状であると理解して間違いないと思います。ただ問題は、私ども自身の考えも、船の建造というものは、あらかじめ貯蓄的に保険なり何なりで耐用年数がくるまでの用意をしておけという制度の一色に推進することは考えておらないのです。ただ、金融のほうでございますれば、借金になって、その後の経営に当然負担になってくるわけでございますから、でき得べくんば自分の金でつくるほうが経営採算としては楽である。利子負担がないわけでございますから、ベターだとは存じますが、現勢力からいって、全部が全部そうであるべきだということには無理があろうと思う。したがって、漁船の建造融資制度の充実というものは大いに進めたいと思っております。しかし、それをやればもう満期は要らぬとも考えておらぬので、金を借りて、何年間か借金を払って経営するよりもいいとお考えの方は、なるべくこういう制度に乗れるようにしたい。いわば両方を考えて、漁業者御自身のお立場はいろいろとありましょうけれども、その道の両方を用意しておくという考え方で現在はおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/68
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069・松井誠
○松井(誠)委員 現在積み立て再保険料が三億何がしという数字を最初に言われましたけれども、いまは加入率が低いからその程度であるにしても、もしこれが政府の考えておるように大きな額になるとすると、その運用をどうするかという問題がまたあらためて出てくるだろうと思うのです。漁民としては、あとでお伺いしますけれども、この損害保険のほうで三十二億という膨大な数字になったことに数年前から割り切れない気持ちを持っておったわけですが、この積み立て保険料を運用方面を改善をして、何がしか料率を下げて、現在三億何がしというものがあるわけですけれども、これは将来同様な問題が出てきて、また漁民に何かの形で還元するというところへいくというような見通しがあるかどうか。どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/69
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070・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 現在再保険料といたしまして政府特別会計に入っているもののうち、積み立て部分に見合うものが三億四千万ほどでございます。これは先ほど申したとおりございます。ただ、これはいわゆる未経過保険で、この場合に保険事故でございますが、保険理論からいえば、満期になったものも保険事故でございますけれども、未経過でございまして、責任準備金でございますから、これを処分することは許されない。ただ運用上、それが発生するまでの間運用することは別問題でありますが、これを処分するというわけにはまいらないという性格の責任準備金であります。それからお話のございました普通保険全体の中におきます三十二億は、これは未経過等の関係を整理いたしまして、純粋の剰余として算定されたものが三十二億特別会計の中に出た。そこで、保険でございますから、それをみんな食ってしまっていいかというと、どういう事故があるかもわからないので、いろいろと数理的に、外部にもお願いをいたしまして、保険上の必要なアローアンスを検討いたしますと、それが二十億見当あれば足りるという結論が得られましたので、この場合には、三十二億マイナス二十億イコール十二億、これはどう処分してもかまわない、保険設計上不安はない、こういうわけで処分をいたしたわけでございます。三十二億中十二億の問題と、未経過保険責任を負っております再保険料の現在の特別会計の中にある見合いの三億とは、性格を異にいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/70
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071・松井誠
○松井(誠)委員 その点わかりました。それで、十二億の問題をちょっとお尋ねしたいのですが、二十億要るという根拠は、なかなかむずかしくて、私聞いてもわかりませんから、お尋ねしませんが、おそらく二十億要るというのは、保険数理上のいわば通説での計算だろうと私は信用をして、十二億しか回せないのだという前提でお尋ねをしたいわけですが、この十二億は、いただいた資料によりますと、どこで使うにしろ、その運用益でまかなうということが前提になっておるようでありますけれども、中央会ではやはりそういう前提でこれを運用するという、そういう方針で交付をするわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/71
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072・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 私どもといたしましては、十二億をぱっぱっと食ってしまうことは適当じゃない。したがって、十三億というものを基金的に考えて、これを運用機関に預けまして、その果実、大体八千数百万円になると思いますが、これを長きにわたって使っていくという考え方で指導をいたしておるわけでございますし、関係の方々もそういう考えがいいということに意見も一致いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/72
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073・松井誠
○松井(誠)委員 それは行政指導の問題であって、法制的にきちんとするという意思ではない。それはできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/73
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074・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 御審議願っております法律にございますように、中央会は漁船保険振興勘定の収支予算を作成しまして、農林大臣の認可を受けなければならない、ここがかんぬきに相なりまして、私どもは、ここを使っていまの思想を貫く考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/74
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075・松井誠
○松井(誠)委員 この助成事業というものの具体的な内容ですね、損害の発生の予防及び防止に関する助成事業というものが新しく入るわけでありますけれども、それはどういうものを具体的には予定をしておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/75
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076・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 法案が成立いたしまして、予算が成立いたしまして、交付の手続が進行いたしますと、これに基づいて交付するわけでございまして、その過程におきまして固めてまいるわけでございますが、考え方といたしましては、いま相談中でございまして、私どもが具体的に考えており、関係者もその線に沿って考えております問題としては、海難防止事業、それからいろいろ漁船の遭難がありましたときの救難作業に対しまして、——いまの制度では、船が沈んでしまった場合には、保険として手の打ちようがないわけであります。救助不成功な場合でも、やはりいろんな方に手伝ってもらって早く助け出すということが普通でございますので、救難作業の報償事業、それからやはり保険の関係でございますから、事故のないほうがいいわけでございますので、無事故漁船の報償の事業、その他加入漁船の調査を励行するための奨励金あるいは船員の海難防止、事故防止上のための教育指導、それから広く海難防止のための諸調査研究機関への委託、こういうようなことを中心に事業計画を立てて、この金はぜひ有効に使ってもらいたいという立場でおりまして、大体この線に沿って中央会も現在研究を進めておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/76
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077・松井誠
○松井(誠)委員 私、最後に、満期保険でない、普通損害保険のことでお尋ねをして終わりにしたいと思うのですが、それは国の補助の問題です。いまこの補助率について、付保率がある程度以上に上がった場合には、初めからその部分は補助の対象からはずす、ある限度までの付保率の場合にだけ補助対象になって、それの何十%という書き方になっておるわけです。これは付保率の現状からいうと、高い付保率でかけても、法律に書いてある超過の部分については国の補助がないんだから、だから付保率はこの辺にしておいたほうがいいんだということで、付保率をむしろ低目に押えるという作用を果たしているのではないか。付保率の現在の数字、補助の限度といいますか、ある程度の付保率以上については、その部分は補助しないというその限度との比較から見ると、そういう感がするわけですけれども、そういう作用を現実には果たしていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/77
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078・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 御承知のとおり、二十七年から始めておるわけでございますが、二十トン未満で申しますと、いま御指摘の対象付保率というのが五〇でございますが、それを四十年に六五に上げてきておるわけであります。それから付保率は、幸いといいますか、非常に理解が強くなってまいりまして、だんだん付保率は上がってきておるわけでございます。二十トン未満については特に上がってきておるわけであります。確かに当初は付保率向上を指導目標としてきたわけでありますが、現在はむしろ実勢がそれを追い越しつつある。そこで、むしろ、国庫の補助もその実勢に応ずべきであるという立場におきまして、四十年に、二十トン未満でございますが、五〇から六〇以上に上げておるわけでございます。考え方でございますが、必ずしも国庫負担のみによって漁船保険が動いておるというわけでもないようでございまして、やはり漁船保険あるいは災害そのものの関係から、付保率が高まっておる、こういう現状でございますので、私どもはそういうものに即応して、国のあり方については、今後とも努力をいたしていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/78
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079・松井誠
○松井(誠)委員 三十八年度の「漁船保険統計概要」というのを見ますと、付保率が平均をすると大体八〇%というようになっておる。そうしますと、いまのあれは、どういうことばを使うのか、その用語がわかりませんけれども、ともかく補助対象になる付保率よりもはるかに高いということになる。つまり、この補助対象になる付保率をこえて、現実に付保率が上がっておる。いまの国庫補助のやり方は、付保率を高めるという作用はとっくの昔に果たしてしまって、むしろ、それをもうその辺でとめておけよという足を引っぱる役目を果たしているんじゃないか。ですから、この際、国庫補助の対象になる付保率というものは、もっと思い切って上げるということをやらなければ、この矛盾というものは解決できない、そう思うのですけれども、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/79
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080・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 いまの御引例になりました漁船保険統計で、確かに三十八年度で合計で八〇になっております。ただ、私が先ほど来申しております比較的下層の部分、無動力六五、〇トン−四・九トン六三、五トン−十九トン七三、五十トン−九十九トン、百トン−九百九十九トン、こういうような形で、付保率が相対的に高い面もございます。
そこで、先生おっしゃいますとおり、国庫は結局——対象付保率と言っておりますが、対象付保率を高めることによって、実際の付保率を高めるというふうに考えるべきじゃないかという御意見でございますが、その前段のとめる方向に働いているかどうかという点は、若干疑問があるわけであります。しかし、付保率が上がっておるんだから、国としては当然国庫負担を見るべきである、ことに零細二十トン未満層については、私のほうは、強く今後ともこの実態に即応し、いま先生のおっしゃいました点あたりを強力に、最終的には国庫負担を高くする、漁民負担を軽減する、そういう方向で努力いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/80
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081・松井誠
○松井(誠)委員 それはこれからひとつぜひ御配慮をいただきたいと思います。
それからもう一つ、私がどうも割り切れない気持ちになるのは、いわゆる調整料率ですか、保険料率の調整、つまり、危険率の高い小さい漁船の保険料が高くなることを防ぐために、危険率の少ない大型漁船の保険料を高めることによって、小型漁船の保険料を多少下げる、これは相互扶助といえば相互扶助でありますけれども、しかし、いまの日本の、何トンくらいになりますか、どっちにしろ千トン未満の船が、沿岸漁民の保険料を事実上負担をしてやれるぐらい余裕があるなら別ですけれども、私は、これはやはりそういうものに負担をさせないで、危険率の高い沿岸の小型漁船の保険料は、やはり国がもっとめんどうを見ることによって、調整などという妙なことをする必要がないようなことを当然考慮すべきだと思います。これはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/81
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082・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 百十七条の再保険料率でございますが、この中にトン数区分間の調整を施すという規定があるわけであります。これがあるから、でかいものから下へ転嫁していいというふうにはもちろん考えておりません。これが置かれております思想は、いま先生もちょっとおっしゃいました、たとえば業態別あるいは地区別にそのまま設計をやると、非常にアンバランスも起こる。したがって、基本的に相互保険であるから、必要な調整をやるという精神だろう。したがいまして、問題は、その調整のやり方の問題でありまして、御指摘のとおり、小さいほうの危険率が高いわけでございます。大きいほうが危険率が低いわけでございます。現在のところは、その大きいほうの、特に二百トン層以上の小さい危険率と、百トン未満といいますか、さらにもっと小さいほうの高い危険率との間に、若干の調整をやっておるわけであります。これは日本の二百トン層がそんなに能力がないんだから、再検討を要するのではないかというお話でございまして、私といたしましても、この日本の最近の漁業の態様からいいまして、昔のように沿岸より沖合い、沖合いから遠洋というような形で、単純に大きいほうがいいのだというような考え方ではいけないので、この辺へやはりよく考えてみるべき問題だろう、日本漁業の現体制から見るべき問題だろうと思いまして、よく検討したいと思っておる点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/82
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083・松井誠
○松井(誠)委員 最後に、一点だけお尋ねをしたいのですが、漁業災害補償法との関係です。漁業災害補償法がまだ政府の再保険という形になっておりませんけれども、それができた場合に、この漁船損害補償法と漁業災害補償法と、似たような名前の法律が二つあって、似たような仕組みになっている。現に漁具については漁船損害補償法のほうにもあるし、漁業災害補償法のほうにもある。そういう意味ではダブる。これを一つの仕組みにするということはお考えになっておるかどうか。それの漁民にとっての利害得失を検討する力も私はございませんので、よくわかりませんから、文字どおり質問でありますけれども、そういうことについてお考えがあるかどうか、これだけお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/83
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084・丹羽雅次郎
○丹羽政府委員 御質問の御趣旨が、漁船保険の設計なりあるいは漁災の設計を内容的に統合して、一つの新しい保険制度をつくったらどうかという御趣旨でございますれば、きわめてむずかしい、根本的によく考えてみなければならない問題だと思います。それからそういうことではなくて、漁船保険という制度が片方にあり、片方に漁災という制度があり、あるいは特別会計なり組織というものを統合したらどうか、それはそれなりにその中でやるという御趣旨である場合と、二つあろうかと思います。
それで、後者の問題でございますが、実は漁業災害補償法のほうは、いま先生もいみじくも触れられましたように、政府の再保険の問題、それから、何しろ三十九年の十月から動き出したので、いろいろと問題がございます。いわば生まれたばかりの子供でございますので、いろいろと手を加え、制度として確立されなければならない制度でございます。後者の意味においてでございましても、きわめて早い機会にこれを総合するということは、まだいかがかと私どもは考えております。漁災制度がある程度安定し、制度的に整備をいたした段階におきまして、あらためて漁船保険制度と会計制度なり組織なりの問題については考えてみることも必要かと思うのです。いま漁災のほうにあまりにも問題が多いのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/84
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085・田口長治郎
○田口(長)委員長代理 次会は明三日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後二時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X00919660302/85
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