1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年五月十一日(水曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 中川 俊思君
理事 大石 武一君 理事 倉成 正君
理事 小枝 一雄君 理事 舘林三喜男君
理事 本名 武君 理事 赤路 友藏君
理事 東海林 稔君 理事 芳賀 貢君
伊東 隆治君 池田 清志君
宇野 宗佑君 金子 岩三君
坂村 吉正君 田口長治郎君
高見 三郎君 中川 一郎君
丹羽 兵助君 野原 正勝君
松田 鐵藏君 兒玉 末男君
千葉 七郎君 西宮 弘君
松浦 定義君 森 義視君
湯山 勇君 中村 時雄君
林 百郎君
出席国務大臣
農 林 大 臣 坂田 英一君
出席政府委員
農林政務次官 仮谷 忠男君
農林事務官
(農政局長) 和田 正明君
委員外の出席者
専 門 員 松任谷健太郎君
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五月十日
加工原料乳保証価格等に関する陳情書
(第三七七号)
農地管理事業団法案の成立促進に関する陳情書
(第
三七八号)
国有林野の活用に関する特別措置法の早期制定
に関する陳情書(第
三七九号)
国有林事業の公社化反対に関する陳情書
(第三八〇号)
農産業施策に関する陳情書
(第三八一号)
農林漁業の近代化促進に関する陳情書外一件
(第三八二号)
林業国有林労働者の労働条件改善等に関する陳
情書
(第三八九号)
農業災害補償法の改正に関する陳情書
(第四四〇号)
山村振興事業費国庫補助増額に関する陳情書
(第四四一号)
養ほう行政専門機関の設立に関する陳情書
(第四四二号)
国産ハチみつ価格安定対策に関する陳情書
(第四四三号)
養ほうのためのみつ源植物増殖に関する陳情書
(第四四四号)
養ほう試験場設立に関する陳情書
(第四四五号)
果樹農業振興特別措置法の一部を改正する法律
案の成立促進に関する陳情書
(第四四六号)
中央卸売市場に対する国庫補助増額に関する陳
情書(第四四七号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する
法律案(湯山勇君外十二名提出、衆法第一二号)
農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
る法律案(内閣提出第一二八号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/0
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001・中川俊思
○中川委員長 これより会議を開きます。
この際、暫時休憩いたします。
午前十時五十分休憩
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午後二時五十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/1
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002・中川俊思
○中川委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。
湯山勇君外十二名提出、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案、内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案の両案を一括議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許可いたします。湯山勇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/2
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003・湯山勇
○湯山委員 ただいま議題となっております農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、若干御質問を申し上げたいと思います。
今日まで農林漁業職員団体からこの共済組合法の改正についていろいろ要望が出ておりました。この制度発足以来、それらの要望の中の適切なものについては、当委員会においても、それを附帯決議の形あるいはその他の形で取り上げてまいりまして、政府へ善処方を要望してまいったわけですが、その中心になる幾つかの問題について、特にお尋ねをいたしたいと思います。
まず、これは局長のほうにお尋ねいたしたいと思うのですが、今日まで当委員会あるいは参議院の農林水産委員会等において、附帯決議がしばしば行なわれておりますが、今日までしばしば行なわれた中の共通な項目、それはどういうものとどういうものであるか、これは大臣にもよく知っておいていただいたほうがいいと思いますので、突然の質問でたいへん御迷惑かと思いますけれども、まずここから出発いたしたいと思いますので、局長からひとつ整理してお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/3
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004・和田正明
○和田(正)政府委員 ただいまお尋ねの、両院の農林水産委員会におきます附帯決議の共通点でございますが、第一点は、湯山先生も御承知のように、新法の給付と旧法の給付の期間等が違っておりますので、その給付につきまして新法の給付を旧法の給付にも適用するようにしたいということが第一点でございます。それから第二は、物価の変動等の事情に対応いたしまして、年金の額をスライドさせるような制度をつくるべきではないかということが第二点でございます。それから第三点は、最低保障額を実情に合わせて引き上げるようにするということ。それから第四には、組合の余裕金の運用につきまして、組合員の福祉向上のために活用をはかるようにする。それから第五は、現在加入を認められております団体は、法律で制限列挙になっていることは御承知のとおりでございますが、それ以外の公益法人で農林漁業の発展に資する事業を行なっているものについても、加入の道を開くように、大体おもな事項はその五点が共通であるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/4
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005・湯山勇
○湯山委員 これもとっさに計算ができなければ次の機会にお示し願いたいと思うのですが、いま局長のほうで集約していただいた項目を完全に実施するとすれば、現在の組合負担、掛け金はそのままにして、かりに政府の補助でそれを見るとすれば、どの程度政府が負担すればやれるかという点については、もしお手元に計算があれば、それをお示しいただく、なければ次の機会にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/5
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006・和田正明
○和田(正)政府委員 ただいま申し上げました五点のうち、組合の余裕金を組合員の福祉のために運用することという項目は、財源問題には関係がございません。それから公益法人などで、農林漁業の発展に資する事業を行なっている団体をこの法律の対象団体といたします場合にも、特にそのことに伴っての財源負担はございません。それからそれ以外の点につきましては、考え方によっていろいろなことが言えると思いますが、すでに御承知のように、第二点の共通性として申し上げました年金額のスライド制の原則につきましては、他の法律の例にならいまして、そういうシステムをとるようにするということを、御承知のように、旧令共済組合法の改正の一環として提案をいたしておりますので、そのことだけでは直ちに財源には影響がないわけでございます。それから最低保障額を実情に合わせて引き上げるという点につきましては、旧令共済組合あるいは恩給法、私学共済法等との関係をもとにいたしまして、すでに政府提案をいたしておりますように、退職金及び障害年金については最低六万円、遺族年金については三万円、ただし、いずれも二十年以上の勤務期間を要するということで、他の諸制度とのバランスをとって御提案を申し上げておるわけでございますが、この範囲につきましては、現在御提案を申し上げておりますように、ほかのものとも合わせまして、補助率を一六%という現在の予算でカバーができる範囲でございます。それから第一点として申し上げました、新法の給付を旧法の組合員期間に適用することということにつきましては、すでに芳賀委員の御質問の際にもお答えを申し上げましたように、他の制度との均衡から考えまして、政府としては、この方向は、附帯決議もございますので、いろいろ検討してまいりましたけれども、政府側としては、この附帯決議の御趣旨には沿いがたいものだというふうに考えておりますので、今回御提案をいたしております政府原案にも入っておらないのでございますが、かりに団体の要望でございます、給付率を四〇に改めるというようなことをいたすといたしますれば、掛け金率にして千分の三・七四ほどの財源を必要といたしますので、これは国庫補助に直しますれば大体三%前後ぐらいの数字になろうかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/6
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007・湯山勇
○湯山委員 ただいまの局長の御答弁の中で、非常に重大な御発言があったわけです。と申しますのは、従来これらの附帯決議がなされたときに、それぞれ大臣は政府を代表して、ごもっともな御決議でございますから、その御趣旨に沿って努力をいたしますという所見をお述べになっておるわけです。いまの局長の、政府としては趣旨に沿いがたいという御説明は、従来の大臣がいいかげんなことを言われたのか、あるいは局長が少しことばが足りなくてそういう発言になったのか、非常にこれは重大な点ですから、もう一度ひとつ御釈明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/7
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008・和田正明
○和田(正)政府委員 附帯決議が院議としてなされます場合に、政府として担当大臣から、院議を十分に尊重して慎重に検討いたしますというふうにお答えを申し上げてまいりましたことは、湯山委員常々御承知のとおりでございます。この問題に関する附帯決議につきましても、その当時の担当大臣あるいは政務次官から、ただいま申し上げましたように、院議を尊重して、附帯決議の事項については慎重に検討いたしますというお答えは申し上げてまいったと思います。私が先ほど申しましたのは、政府としては、そういう院議を尊重もし、また担当大臣からの答弁の趣旨にも沿って、今日まで関係各省との間で十分慎重に検討してまいりましたけれども、新法の給付を旧法組合員期間にも直接適用するということにつきましては、現段階においては、各種の共済制度と申しますか、各種の社会保障制度全体のバランスの中において、直ちに実現をいたすことは、なかなか困難な事情がございますので、少なくとも現段階においては附帯決議の趣旨には沿いかねる、決して無視をいたしたということではなくて、院議に基づきまして、私どもも慎重に十分に検討を今日までしてまいりましたわけでございますが、現在までの検討の過程においては、他とのバランスの関係もあって、御趣旨に沿えるような改正法案は政府案としては提出をいたしかねた、こういう実情を申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/8
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009・湯山勇
○湯山委員 いまの御答弁ならば若干了解できますが、政府としては趣旨に沿いがたいと、こう言いますと、それは問題だと思います。特に申し上げたいのは、前回の附帯決議、これは慎重に検討しますというような御答弁で済む段階ではなかったのです。少し申し上げますと、それぞれ最終三年をとるとか、あるいは給付率を改定する、最低保障額を設ける、いろいろな要望が出ておりました。そして、その要望を全部充足した新しい法律ができたわけです。ところが、経過措置が不備であったために、せっかく要望したことは実現したけれども、それが旧法期間には全く適用されない、こういうことから、それでは何のために改正されたのかわからないということが、新たな不満として出てまいりまして、それは確かにそうだ、そのためには、いま局長が言われたように、すみやかにそういう措置がとられるように政府として善処しますと、こういう答弁であって、一般的な検討しますという答弁ではなかったはずです。そこで、いまのようにあるいは御努力なさったと思います。そして若干その努力のあらわれが、趣旨に沿いがたいのではなくて、旧法期間の五万二千円の制限の撤廃とか、あるいは期間の上では新法と同じように五年を三年にしたというようなことが行なわれておるのですから、局長の言うように、趣旨に沿いがたいというようなことは毛頭ないわけで、これは非常に重要な点ですから、念のために申し添えておきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/9
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010・和田正明
○和田(正)政府委員 湯山委員から御指摘のように、私若干ことばが足りませんで、恐縮でございましたが、新法期間の給付内容を旧法期間にも適用するということについては、いろいろな内容がございまして、今回の政府の提案でも、平均標準給与が五万二千円で頭打ちになっておることをやめますことと、それから五年平均の給与をもとにして算定をいたしておりますことを新法と同様に三年平均に改めますことと、その二点については、附帯決議の御趣旨に沿いまして検討の結果、改正案に盛り込んだわけでございます。私が、現段階においては他とのバランスにおいて御趣旨に沿いかねております、こういうふうに申し上げましたのは、それとは別に、給付率が新法が四〇%になっており、旧法が三三・三%になっておりますが、その旧法期間も四〇%にするということについては、ほかの制度とのバランス上、今回の改正においては御趣旨に沿えるような結論を得られなかった、こういう趣旨でございましたので、訂正をさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/10
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011・湯山勇
○湯山委員 そこで、大臣にお尋ねいたしたいと思うのです。いまお聞きのように——もちろん、当時大臣もこの決議に参画されたわけですから……。旧法期間に新法を適用するということについては、大臣をはじめとしてずいぶん御努力をされたことはよく認められます。そしていま局長が答弁されたように、その中の二つの項目については、現実に実現を見た。残る一つの給付率の問題、これについても、附帯決議を尊重してその実現をはかるという趣旨からいえば、当然今回も御努力なさったことは存じておりますけれども、なお今後においても、その実現については、当然大臣としては一生懸命にお取り組みいただく、こういうことでなければ、国会の意思を尊重したということにならないと思いますが、大臣の御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/11
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012・坂田英一
○坂田国務大臣 先ほど農政局長からお答えしたようなことになるわけですが、この最後の一点につきましても、努力はもちろん続けるつもりでございますが、ほかとの均衡もありますので、実現ができない、実情にあるわけでございます。努力は続けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/12
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013・湯山勇
○湯山委員 ほかとの均衡の関係で、いまのところは困難だという御答弁だと思います。なお今後とも努力をされるということもお認めいただいたと思いますが、もう一度念のために伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/13
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014・坂田英一
○坂田国務大臣 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/14
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015・湯山勇
○湯山委員 局長にお尋ねいたします。そこで、他の制度との比較ということですが、農林年金には他の年金と違った面が非常に多いと思います。そういう点はどういうふうに御理解になっておられるか。なぜ特別な扱いをし、なぜこういう制度にしたかということについては、いろいろ理由があると思います。ばく然とお聞きしたのではわかるまいと思いますから、最初に他の制度とこれに関連して異なっている点——標準報酬の立て方が他の制度と違っておると思います。他の制度では、給与がまずそのままそれに近い標準報酬、公務員の場合は給与がそのまま基礎になる金額になっております。ところが、農林年金の場合は、それに手当が加算されている。それはどういう理由で、他の制度にはないけれども——つり合いはとれていませんね、制度の上からは。制度上つり合いがとれていないのに、なぜそういうことをしたか、それについてどう御理解になっておられるか、これを伺いたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/15
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016・和田正明
○和田(正)政府委員 いまお尋ねになりました標準給与の計算のしかたが、国家公務員については裸の本俸であり、農林年金の制度については、裸の本俸のほかに手当を込めたもので標準給与を計算をするようになっておりますことは、御指摘のとおりでございますが、同じ趣旨のことは、私学の共済年金についても同様に行なわれておるわけでございますが、必ずしもそういう差を設けられておりますことの理由について十分なお答えにならないかもしれませんが、国家公務員の場合には、給与体系が非常に明白に定められており、昇給基準等もはっきりいたしておるわけでございますが、私学の場合なり農業関係団体等の場合には、それぞれの団体によって給与の基準も統一明確を欠いており、平均的に見ます場合には、やや給与基準も農林年金の場合には実収入として下回っておるというような事情も考慮して、このような制度になっておるもの、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/16
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017・湯山勇
○湯山委員 いま二つに分けて御答弁になりましたが、あとの分はまたあとでお尋ねしますが、了解できます。しかし、初めのほうは、はたしてそうかどうか。これがもし局長の御答弁のようだとすれば、私はたいへん年金にとって有利な条件が出てきたと思うのですが、つまり、給与体系が整っていない、そういうことをカバーするために、手当も含めた煙準報酬を設定した、給与体系が整っていないということは、年金にとっては不利だ、年金にする場合に不利なので、それで手当を加えるようにしたんだ、つまり、給与体系が整っていないことが、この年金制度を優遇する一つの要素になっている、こういう御答弁にとれたわけです。それはそういう解釈でいいわけでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/17
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018・和田正明
○和田(正)政府委員 私申し上げましたのは、そういう趣旨ではございませんで、給与体系等が明確でないために、本俸と手当というようなものがそれほど区分しがたいような団体もある、こういう趣旨で申し上、げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/18
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019・湯山勇
○湯山委員 これは局長、少し調査が足りないと思います。手当というのは、それぞれ名前がついているわけです。超勤手当とか、通勤手当とか、家族手当とか、期末手当、勤勉手当。入る入らないにかかわらず、名目のつかない手当というものはないわけで、本法との区分は明瞭についているわけです。ですから、その御答弁はいただけない。局長は以前に芳賀委員の質問に対して、こういう答弁をしておられます。国家公務員、地方公務員に対しては最終年をとっておるのに、なぜ農林年金において最終年がとれないかというのに対して、給与体系が整っていないからとれないのだ、つまり、給与体系が整備されていないということのために、不利な扱いを受けるということもやむを得ないというような意味の答弁、きょうの御答弁は、今度は逆に、体系が整っていないから、少しでもよくするためにいまの手当も含める。これは矛盾した御見解で、どちらかが正しければ、どちらかが間違っている、こういうことになるわけですが、もう一度ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/19
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020・和田正明
○和田(正)政府委員 私のことばが足りませんために、あるいは誤解をされたのではないかというふうに懸念をいたすわけでございますが、私がただいまお答えを申し上げましたことは、非常に各種多様な団体を含んでおります関係で、給与体系が明確に区分けがされておりません結果、ある団体では、本来本俸として支給すべきものが臨時的な手当として支給をされておったり、またある団体では、湯山委員が御指摘になるように、本俸とか超勤手当とか、そういうような形で明確に整理がされておったり、いろいろな形があることで、統一した基準として裸の本俸というのがとりにくいという趣旨のことを申し上げたわけでございます。前会も芳賀委員の御質問にお答えをいたしました趣旨は、そういうふうに非常に各種の幅広い範囲の団体を含んでおります結果、給与の基準が明白でないので、そういう意味において、最終給与というものをつかまえることが、いろいろな面で逆選択の危険を生ずるとか、そういうような事情もあって、最終給与はとりにくいということも申し上げました。またそれとあわせて、最終給与をとりましたのは、なるほど旧恩給法においてそういう例があり、他にも一つあるわけでございますが、いずれにしても、最近の新しい段階における各種の年金制度と申しますか、そういうものでは、やはり最終俸給をとることがいろいろな面で弊害があることから、三年平均の給与をとるということを新しい体系としては考えておるわけでございますので、むしろ最終俸給をとるという形が、変なことばでございますが、時代的に見ればむしろ古い体系のものであり、それからきわめて例外的なものである。そういうバランスから考えて、最終俸給はなかなかとりがたい、こういう趣旨のことを申し上げましたわけで、組合員の有利不利とかいう問題だけを理由にして、最終俸給を標準給与としてとりがたいということを申し上げたつもりではなかったのでございますので、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/20
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021・湯山勇
○湯山委員 その問題は、またあとでお尋ねすることにして、それも若干問題があるのですけれども、一言予備質問として申し上げておきますと、逆に、給与体系の整っている公務員の場合のほうが、最終給与をとったときに逆選択があったわけです。そこで、やむを得ず一ヵ年ということに延ばしたわけで、一ころは最終給与月額が恩給の基準になっておったことは御存じのとおりです。むしろ逆選択はそこから出ておったわけで、給与体系が整っている、整っていないということと、それとはまた別個の問題だということは、次の機会にお尋ねします。
いまお尋ねしているのは、局長が第二番目にお答えになったように、そういうものを含めて全体的に考えた場合に、給与が非常に低いということを考慮して、いまのような手当を含めた標準報酬というものを私学の場合もこの場合もとった、こういうほうだけを私はいただいておくことにしたいと思うのです。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/21
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022・和田正明
○和田(正)政府委員 それだけいただいておくとおっしゃられますと、若干さらに補足して申し上げなければならないわけでございますが、御承知のように、私学の共済年金にしろ、この農林年金にしろ、厚生年金から分離をいたしましたいきさつがあることは御承知のとおりでございますが、厚生年金におきましても、たしか標準給与のとり方は手当を含めたもので処理をいたしておるはずでございます。母法と申しますか、もともとの制度がそういうことになっており、分化をし、発達した私学なり農林年金がそのようになっておりますことの趣旨は、やはり先ほど来申しておりますように、いろいろな幅広い会社なり団体を含んでおりますことから、給与基準が明白でなく、湯山先生のおっしゃるように、手当とかいうようなものが区分をされておるものもあり、そうでないものもあるということで、かえってアンバランスを生ずるおそれがあるというようなことも、やはり基本の原因であろうと思いますので、その点は捨ててしまう、こうおっしゃられると、ちょっと私どもの立場としても困るわけで、やはり二つのことをあわせてお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/22
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023・湯山勇
○湯山委員 局長、これは足し算です。別に割り算でも掛け算でもないのですから、有利な扱いをするか不利な扱いをするかというのは、そんなにむずかしくお考えにならなくていいわけです。だれが考えたって、それはいまのようにそういう扱いをしなければならないという状態にあった。厚生年金の問題は、これまたあとで議論しなければなりませんが、これはすなおに、先ほどおっしゃったように、非常に給付が低い、給与全体も低い、そこで特別な扱いでそうしたのだ、でなければ、いまの年末手当とか期末手当とか、そういうものを含めてもいいわけですけれども、そういうものは含めないで、かなり接近した期間に支給されるもの、三ヵ月なら三カ月という限度はありますけれども、それだけは認めてやろうというのがこの趣旨じゃないのでしょうか。端的にそうお考えになったほうがいいと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/23
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024・和田正明
○和田(正)政府委員 繰り返しお答えを申し上げるようでございますが、やはり制度のたてまえとしては、先ほど来申し上げておりますように、非常に広範な範囲での関係団体なり会社を含みますので、それらの給与体系がそれぞれ統一された思想では行なわれておりませんために、分離をいたしますことは、かえっていろいろなアンバランスを生ずるということで、裸の本俸にせずに処理をしてまいっておるということが本筋で、結果としては、先ほども私が申し上げましたように、また湯山先生がおっしゃいますように、特に農林年金の場合においては、やや給与の実質収入が低いということをカバーし得ているということになるのだと私は思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/24
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025・湯山勇
○湯山委員 あまり用心なさらないで、私は、これはあまりこだわる気持ちはないのです。しかし、そんなに言われると、やはりもう少し申し上げなければならないのは、それじゃ通勤手当とか家族手当とかいうものは、これは公務員にしてもその他のものにしても、そんなにアンバランスなものじゃありません。そして一番対象が明確なものです。それまで入れなくてもいいと思うのです、局長のようなお考えならば。別に給与の体系が不備なために家族手当を出すとかそういうものじゃないと思います。家族がない者にはどんなにさか立ちしても家族手当がつかないわけですから、そこまで含めるというのは、いま局長の言われたようなそういった問題ではなくて、もっとざっくばらんな、これじゃちょっと気の毒だ、どこかとるものはないかというので考慮した結果、そうしたのだ、そういう要素のほうが強い、そればかりじゃないかもしれませんけれども、そういう要素が強いのだということならいいのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/25
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026・和田正明
○和田(正)政府委員 どうも御意図に沿いかねますが、先ほど来申し上げますように、結果的には、そういう給与の実質的に低いのをカバーすることができておるということにはなっておるわけでございますが、できた制度そのものとしては、いまおっしゃるようないろいろな名目の手当にいたしましても、たとえば本俸が低いけれども、家族手当でカバーをするとか、いろいろなことで個別の団体なり会社などでは考えておるわけでございまして、そういうことを一つ一つ洗って区分をすることが、実際問題としてなかなか困難であるという事情を前提として、こういう制度になっているというふうに私としては理解をいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/26
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027・湯山勇
○湯山委員 当時の会議録は、局長の言われたような言い方をしている面もありますけれども、もう一度ひとつお読みいただけばよくおわかりになると思います。これは多少PRのところもあるかと思いますけれども、これはこれで一応おきます。
その次に、農林年金のいま一つの特徴は、先般の社会保障制度審議会の答申です。これにある程度あらわれておると思います。これも芳賀委員の質問でしたかに答えて、国の負担を二〇%にするということについては、社会保障制度審議会は否定している、むしろ独立したということを見るべきである、局長はそのときそういうニュアンスの答弁をしておられるのですが、私はこれをさらに読み返してみました。その答申は、国負担を二〇%にするということを否定してはいない。そういうことも考えなければならぬ、考える必要がないとは言ってないと思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/27
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028・和田正明
○和田(正)政府委員 給付に対する補助率というものを何%にするかということにつきましては、やはり政府の立場としては、各種の同種の年金制度の間の均衡とかバランスとかいうことを当然考慮いたさなければならないわけでございます。したがって、農林年金だけを二〇%にすべきであるというふうにはなかなか言いがたい立場が、政府全体としてはあることは御承知のとおりでございます。社会保障制度審議会の答申は、また、それについて私が芳賀委員の御質問に対してお答えを申し上げましたことは、補助率という問題をとらえて、それを二〇%に上げるとか上げないとかいう問題ではなくて、むしろ過去における制度改正に伴う財源調整の問題が農林年金については配慮されていないから、その点について国が補助するなど、そういう面での考慮を払うべきである、具体的にいえば、掛け金との間にバランスがとれていないのではないかということを指摘されて、答申されたものだと私は理解をしておるわけでございますから、具体的にもしその御答申の趣旨を今後実現するように検討をしていきます場合に、補助率を二〇に上げるということも一方法ではございましょうが、それは他の制度との間のバランスを失することにもなるので、農林年金の特殊事情を考えれば、その補助率のほかに、プラスアルファとして整理資源としてもらう方法もあり得るであろう、そういう趣旨のことをお答えをしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/28
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029・湯山勇
○湯山委員 私はいまそのことをお尋ねしようというのではなくて、その答申の中に、農林年金の特殊性というものがうたわれている。農林年金とはこういうものだ、だから、こういう農林年金の特殊性について触れている部分——実は私きょうは質問が急だったものですから、そのままの文書を持っていないのですが、その中に、農林年金はこういうものだ、だからという性格分析の部分があると思うのです。それはどうなっておるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/29
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030・和田正明
○和田(正)政府委員 性格分析とおっしゃられると困りますが、要点だけちょっと読んでみたいと思います。「厚生年金保険の給付に対する国庫負担率は、昨年の法改正によって百分の十五から二十に引上げられた。この制度は厚生年金保険制度から分れたものであるし、この点についても考慮を払う必要があるが、給付内容等の点において厚生年金保険とは異なるものがあることを忘れてはならない。」ということで、先ほどもお話がございましたように、二〇に直ちに上げることが適当だというふうにはいっておられるわけではないので、それにしても、この組合は標準給与が極端に低いこと等により、掛け金率が高いにもかかわらず、整理資源が十分でないので、そういうことを考えて、今後国庫の補助をふやしていく必要があるであろう、こういうことをいっておられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/30
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031・湯山勇
○湯山委員 いまお読みいただいた中で、厚生年金から分かれたものだ、しかもその厚生年金期間が一番長かった年金である、そういうことは考慮を払う必要があるといっておると思います。それは考慮の必要はないというのではなくて、そういう特殊性は当然考慮の対象になるものだという指摘だと思いますが、これはどうなんでしょうか。局長はその考慮の必要はないとお読みになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/31
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032・和田正明
○和田(正)政府委員 考慮を払う必要はあるが、給付内容で異なるものがあることも忘れてはならない、こういうふうに書いてありますわけで、補助率を一五から二〇に直ちに引き上げるという形でものごとを考えるよりは、掛け金率が高い、それは整理資源の問題がうまく解決してないからだ、そういう目から見て、国の負担をふやすことを考えたらどうかという趣旨であろうというふうに理解いたしておるわけでございます。結論としては、補助率を二八からたとえば二〇あるいは一八に上げるような形をとるにしても、あるいは補助率を一六のままにして、プラスアルファという形で国が別個に補助金を出すにしても、それはいずれにしても、結果的には掛け金の負担を軽減するとか、給付内容の改善ができるとかいうことになるわけでございますから、どっちから見ても同じことに実質的にはなるわけでございますが、答申の趣旨としては、私としては、補助率をすぐ上げるという形をとるのではなくて、整理資源をめんどう見るという考え方に立って、補助率、国庫補助をふやすことが必要であろう、こういっておられるというふうに理解をいたしておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/32
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033・湯山勇
○湯山委員 これは局長のおっしゃるとおり、どちらにしても落ちつくところは同じで、それは、私があとでそこをお尋ねして意見の一致を見ようとしておったところです。そこで、いずれにしても、厚生年金期間が長くて、それから分かれたものだということは、いまの給付率にしても、あるいはいま言われたように掛け金負担の軽減措置をはかるにしても、いずれにしても、考慮の必要があるということには間違いないと思いますが、いまの御答弁で、私の考えと局長も同じ御意見だと思いますが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/33
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034・和田正明
○和田(正)政府委員 厚生年金から分かれて発達をしてきたということ、厚生年金の期間が長かったということ、そういう点からは、厚生年金との関係を十分考慮しなければいけないということは、湯山委員の御指摘のとおりだと思います。ただ、その反面、御承知のように、たとえば退職年金の給付の開始の年齢が違いますとか、その他やや厚生年金から離れて、その後の発達過程の中で、条件が変わっておる部分もあるわけでございますから、そういうことを全く無視することはできないということは、もちろんありますけれども、おっしゃる点は別に異論はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/34
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035・湯山勇
○湯山委員 ただいまの御答弁はそのとおりだと思います。
そこで、そうなれば、たとえば公務員の年金等では考慮されていなくても、いまのような特殊性というものは、かりに公務員の共済年金等とバランスを失することがあっても、考慮して一向差しつかえないということになると思います。それはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/35
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036・和田正明
○和田(正)政府委員 まことに恐縮でございますが、ただいまのお尋ねの趣旨が必ずしも私に理解ができなかったのでございますけれども、先生のおっしゃっておられる意味は、厚生年金から分かれたものであり、厚生年金の期間が長いということについて、十分考慮を払うとするならば、厚生年金から分派をしない別なものとして本来発達してきた国家公務員の制度との間に、給付内容で必ずしもバランスがとれなくても、それはそれで一つの理屈として成り立つのではないか、こういう御趣旨であろうかと思います。そういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/36
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037・湯山勇
○湯山委員 一般的に言えば、そういうことなんですけれども、私の申し上げるのは国の負担です。それについて国家公務員、地方公務員の場合は百分の十五、そういう場合に、この農林年金については、十七なり十八なり二十なりということを給付の補助として見るか、あるいは掛け金の引き下げとして見るかは別として、そういう意味で、国が、ことばを少しよくして言えば、優遇しても一向差しつかえないという結論が出てくるのではないか、こういう質問です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/37
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038・和田正明
○和田(正)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、やはり共済制度としての全体のバランスということは、国の立場としては考えざるを得ないと思いますので、先生のおっしゃるように、直ちにその発生の過程も違うのだから違っていいんだというふうに割り切れないように私としては思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/38
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039・湯山勇
○湯山委員 育ってきた経過が違っておって、そしてそのことは、政府の諮問機関である社会保障制度審議会もそれを認めている。現に今日までの経過の中で見ても、手当を含めた標準給与というような特別な措置もとられている。そういうことは、現在の時点においては、そういう特別な配慮をすることが必ずしもバランスを失するということじゃなくて、制度の上のバランスはそれはあるかもしれません。しかし、先ほど標準給与でおっしゃったように、給付そのもの、それからそれに伴う負担、これは実は一体のものですから、一体と考えていいですから、そういう点においての配慮があっても、つまり、たてまえの上でそういうアンバランスがあったとしても、実態はむしろ、そうすることがバランスをとるということになるんじゃないかということをお尋ねしておるわけです。現にそうなっているわけですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/39
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040・和田正明
○和田(正)政府委員 芳賀委員の御質問のときでしたか、湯山委員の前回の御質問のときでしたかに、ちょっとお答え申しましたように、たとえば旧法期間の給付率は三三・三ということで、これは各共済制度共通でございますが、国家公務員の旧法期間、いわゆる恩給の時代には最終一年間の給与をとっておる。農林年金の場合には、今回の改正で三年平均に改めた。このところは実質的にアンバランスがあるわけであります。そのアンバランスを補助金額に換算し直せば、国家公務員は一五%の補助であるけれども、農林年金は一六%にすることによって掛け金負担を軽減すれば、対価が同一であるという共済制度の趣旨に沿うので、そこのところは、逆に国家公務員の一五を一六に引き上げることによってバランスをとったということを申し上げたわけでありますが、そういう全体の仕組みの中でのアンバランスとしては、当然おっしゃるように考慮をする余地はあるものというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/40
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041・湯山勇
○湯山委員 そこで、先ほどのに返るわけであります。最終年の給与をとるということがバランスをくずすというお話でしたが、実質のバランスがくずれるならば問題ですけれども、たてまえのバランスならば、たてまえのバランスはくずれても、実質はそれでバランスがとれるということかも、実質はそれでバランスがとれるということから、いまの一五%、一六%の問題も出ているし、標準給与の立て方も違っておる。そこで、そのバランスというのは、一体何をいうのか、それをひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/41
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042・和田正明
○和田(正)政府委員 最終年の給与を標準給与としてとりますことにつきましては、一つには、先ほどもちょっと申し上げましたが、新しい各種の共済制度では三年平均というものをとっておりまして、最終給与というのは、ごく限られた古い時代のものの中でちょっと残っておる、きわめて例外的なものだという筋論が一つあるわけでございます。それからもう一つは、いまも申しましたように、最終給与をとらないで、三年平均の給与をとったことから考えて、補助率を一六に上げてバランスをとるということを申し上げましたが、もし最終の給与をとるとすれば、補助率は一五というふうにいたしませんと、政府の立場としては全体の体系のバランスを失するという問題が出てくる。こういう二つの点がございますので、今回はいろいろ検討しましたけれども、政府原案には入れられなかったということを先ほども申し上げたわけでありますが、大臣も御答弁になっておられますように、いま申しましたような両面をにらみながら、今後も検討は続けてまいるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/42
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043・湯山勇
○湯山委員 いまの御答弁は、私も同感です。そのとおりだと思います。つまり、最終給与というのは前世紀の遺物だ、それなら新しい四〇%をとる。これは前世紀の遺物じゃないのです。いま生まれ変わったばかりの最も新しい生きているもの、これをとるべきです。やむを得ず前世紀の遺物を出したのは、これは財源その他のこともあったから、そういう配慮がなされたので、局長の言われるとおり言えば、当然、制度のバランスは若干無視しても、実質バランスをとるという点からいえば、そして現実にそういうことがとられている点からいえば、やはり新法適用の給付率をとる、これなら、いま局長の御答弁になった反論は生まれてこないわけで、当然そうすべきだ、こうお考えだと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/43
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044・和田正明
○和田(正)政府委員 給付率という面から見ますれば、先生御承知のように、現段階はすべて三年平均に対する四〇%ということになっておるわけでございますから、それが制度としては一番新しいものとして確立をしておる。そこで、旧法期間についても、給付率四〇をとったらいいではないかという御意見でございますが、それにつきましては、先ほどの理屈とはまた別な筋道でございますが、御承知のように、これは私学の年金にしろ、あるいは国家公務員の旧法期間、恩給にしろ、現在はなお三三・三をとっておりまして、農林年金だけが四〇ということになりますことについては、共済制度全体のバランスの問題として、政府として現段階においては決断いたしにくいという実情にあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/44
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045・湯山勇
○湯山委員 いまの御答弁は、おっしゃるとおり、さきの答弁とはたてまえが違う。さっきのはまた問題が別なことになるわけです。しかし、いまの御答弁からいえば、それなら国公、地公の最終給与をとっても同じじゃないか、こういうことになるので、どっちを押えてもだめなんです。古いのはだめだ、三年四〇というのが新しいので、いまとしてはこれが理想的なものだ。それなら国公、地公とは区別してもいいということをいまお認めになったわけですね。私は、これだけやれと言うのではなくて、私学とこれとを四〇にしてバランスをとる、これなら一番いいのです。私どももそういう案を出しておるわけですから、局長と完全に意見の一致を見ている。そこで、当然これは実現を見なければならない制度だと思います。そうすることによって実質のアンバランスは是正される、こういうことになるわけですから、当然おとりいただけるものと確信をいたしますが、それはそのとおりだと言わざるを得ぬでしょう。いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/45
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046・和田正明
○和田(正)政府委員 湯山先生が、最終俸給をとるということについてはおまえの表現どおりだ、しからば四〇はどうか、それについてのおまえの言うこともそのとおりだということで、どっちから突っついても四〇ということにするのが当然ではないかというふうにおっしゃるわけでございますが、立場を変えて政府の当局者の立場で申し上げれば、同じ理由で両方ともしにくいということが、現在政府案を決定いたしましたいきさつになるわけでございます。もちろん、私も、政府委員として農林省だけの立場でお答えをいたすわけにはまいりませんので、政府全体としての立場で考えますれば、いずれの場合にも、それぞれ申し上げました理由で、直ちに結論を出してそのとおりだというふうに申し上げ得る段階では現在はないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/46
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047・湯山勇
○湯山委員 御答弁の苦衷はお察しいたしますが、しかし、まあ局長も、何十万の人がうしろに控えている、しかもそれは和田局長の農政に協力している、そうお考えになれば、多少政府委員の立場でお苦しいこともあろうけれども、これはひとつぜひ前向きでお取り組み願わなければならぬ、このように思います。
そこで、大臣、いまお聞きのように、筋からいって、この要求というものは決して不当なことではないと思うのです。たてまえから申しましても、当然実現してしかるべきものだと思いますので、ひとつ特にいまの点について大臣の御所信を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/47
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048・坂田英一
○坂田国務大臣 先ほども私から御答弁申し上げたとおりに、いろいろその点についてのバランスの点もございますので、将来にわたってその点は前向きで十分検討いたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/48
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049・湯山勇
○湯山委員 そこで、大臣にもう一つお尋ねしたいのです。それはいつまで待つかということです。いまからあと十何年ですか、十六年もすればいまの問題は解消するわけです。そこで問題は、いつ実現するような努力をされるかということなんです。参議院段階がまだありますけれども、ぜひ来年度から実現するように努力するという御言明が大臣からはいただきたいのですが、いただけますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/49
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050・坂田英一
○坂田国務大臣 その点はちょっとごかんべん願いたいと思うのでございます。というのは、現在もいろいろそういう点についての検討を加えて今日まで至って、この点は非常にむずかしい結論になっておるのでございます。しかし、私としては前向きで努力はいたしたい。年数を来年までとかそういう点になりますと、ちょっとそれはむずかしいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/50
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051・湯山勇
○湯山委員 大臣にお聞き願いたいのは、私学の場合はもうあと七、八年ですが、十年もすれば、全部こういう問題はなくなるのです。いまのままほっておいてもなくなる問題です。しかし、農林年金の場合はまだ十五、六年、私学がなくなっても、なおあと五、六年も残ります。これはよくおわかりだと思います。局長、そうなりますね。そこで問題は、秒読みというわけじゃないけれども、この問題は年読みなんです。そこで、それは前向きに努力すると言いながら、十年もずるずる行ったんじゃ——年金ができてからすでに六年間以上ずるずるきたわけですから、あと十年もずるずる行かれたんじゃ、もうせっかくそういうことをやってもらっても何の意味もない。そこで、前向きに取り組まれるのなら、来年いけなければ再来年、少なくとも両三年のうちにとか、何かそういうものがなければ、当てにしてずるずる十五年たった、もうやってくれたときに何の役にも立たない、これであってはならないと思いますので、たいへん失礼ですけれども、いまのようなことをお尋ねしているわけですから、ひとつもうちょっとはっきりおっしゃっていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/51
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052・坂田英一
○坂田国務大臣 この点は、同じことを言うようで、たいへんなにでございますが、私としてもでき得る限り前向きで努力をいたしたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/52
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053・湯山勇
○湯山委員 できる限り努力されるということで、大臣の御答弁はそれで一応了承することにいたしまして、お尋ねしたい項目の半分くらい終わりました。まだ相当あるのですが、四時になるので、あと質問は保留して、次の機会に順次お尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/53
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054・中川俊思
○中川委員長 次会は明十二日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後四時散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X03519660511/54
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