1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十一年六月二十日(月曜日)
午後三時二十三分開議
出席委員
委員長 中川 俊思君
理事 大石 武一君 理事 倉成 正君
理事 田口長治郎君 理事 舘林三喜男君
理事 赤路 友藏君 理事 東海林 稔君
理事 芳賀 貢君
伊東 正義君 伊東 隆治君
池田 清志君 宇野 宗佑君
奥野 誠亮君 佐藤 孝行君
坂村 吉正君 笹山茂太郎君
綱島 正興君 中川 一郎君
野原 正勝君 長谷川四郎君
松田 鐵藏君 森田重次郎君
卜部 政巳君 江田 三郎君
兒玉 末男君 千葉 七郎君
西宮 弘君 松浦 定義君
森 義視君 湯山 勇君
玉置 一徳君 林 百郎君
出席政府委員
農林政務次官 仮谷 忠男君
農林事務官
(農林経済局
長) 森本 修君
農林事務官
(畜産局長) 檜垣徳太郎君
林野庁長官 田中 重五君
委員外の出席者
専 門 員 松任谷健太郎君
—————————————
六月二十日
委員田邉國男君、野呂恭一君及び藤田義光君辞
任につき、その補欠として伊東正義君、奥野誠
亮君及び佐藤孝行君が議長の指名で委員に選任
された。
同日
委員伊東正義君、奥野誠亮君及び佐藤孝行君辞
任につき、その補欠として田邉國男君、野呂恭
一君及び藤田義光君が議長の指名で委員に選任
された。
—————————————
本日の会議に付した案件
入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関
する法律案(内閣提出第一一一号)
農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一四五号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/0
-
001・中川俊思
○中川委員長 これより会議を開きます。
入会林野等に係る権利関係の近代化の助長に関する法律案及び農業災害補償法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許可いたします。倉成正君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/1
-
002・倉成正
○倉成委員 質疑を続けたいと思いますが、その前に、一言申し上げたいと思います。
先日の委員会において、私の質疑中途において、いかなる理由があったか知りませんけれども、委員長は休憩を宣せられました。これはまことに遺憾であります。二度とこういうことを繰り返さないよう、厳に注意いたします。
そこで、次の質問に入りたいと思いますが、肉用牛についての国庫負担は、当分の間四割と附則第九項になっておりますが、当分の間とはいつまでをさすか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/2
-
003・森本修
○森本政府委員 先日もお答えを申し上げましたように、肉用牛につきましては、現在の肉資源維持の政策といったような観点、あるいは乳牛のごとく多頭化がいまだ進んでいないといったような観点からいたしまして、当分四割ということに国庫負担をしたいと思っておるわけであります。したがいまして、当分の間とは、多頭飼育が一般的になるというふうな事態に至るまでの間、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/3
-
004・倉成正
○倉成委員 次の問題として、事故選択を特定のものについてしか認めない理由いかん。また、どういうものについて認める方針か、また、事故選択によって掛け金が安くなるのかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/4
-
005・森本修
○森本政府委員 事故選択を特定のものにしか認めないということは、御案内のように、乳牛につきましても、多頭化の過程におきまして、いまだ事故が相当発生をしつつあるというふうなことでございますので、一般的にまだ死廃病傷共済を一元化していく必要があるものと思っております。しかし、他面、あるいは地域によりまして、一定の事故については経営上リスクと見ないといったようなものも出ております。また、技術、経験によりまして、相当事故発生がみずから防げるというふうな経営もあらわれてきております。したがいまして、特別の場合、いま言いましたような経営に対しましては事故選択の道を開いていこう、こういうふうに思っておるわけでございます。したがいまして、事故選択を認めます農家は、いま言いましたような特定の資格を持った、条件を備えた農家に限るということにいたしたいと思います。
なお、掛け金につきましては、事故選択をいたしました場合には、その事故による分を分離いたしまして計算をして、それに見合うだけの掛け命を割り引いていきたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/5
-
006・倉成正
○倉成委員 前回の質問で、今度の制度改正によって支払いがおくれはしないかという質問をいたしましたが、今度の制度改正によって事務が少し複雑になるのではないかという懸念を抱いております。この点についてはどういうふうに考えておられるか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/6
-
007・森本修
○森本政府委員 今回の改正によりまして、事務が複雑になります面と、それから逆に簡素化されます面と、両面ございます。たとえば、国庫負担等の関係におきましては、頭数規模別に国庫負担をするという点が複雑になりますけれども、他面、従来加入奨励金を二種に分けて出しておりましたのが、そういう手続が今回はなくなるというふうな面で、複雑になる面と簡略になる面と両方ございます。相殺をいたしますと、ほぼ従来と似たような事務手続になるのではないかと思っております。
なお、事務手続がおくれまして共済金の支払いがおそいというようなことがいわれておりますが、私どもも、できるだけ今後簡素化して、共済金の支払いを早期に行なうようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/7
-
008・倉成正
○倉成委員 ただいまの点、十分留意して運営していただきたいと思います。
次に、異常事故の全額再保険はなぜ必要か、また、異常事故としてどういう事故を選んでおられるか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/8
-
009・森本修
○森本政府委員 現在、家畜共済関係では、連合会に相当な赤字が累積いたしております。その原因はいろいろございますが、一つは、いわゆる異常事故の発生が過去にありまして、その異常事故の赤字が現在まで大いに尾を引いておるというような関係になっております。したがいまして、ある地域に集中的に異常事故が発生いたしました場合に、それを全国的に分散をして、特別会計でもって今回のように全額再保険金として支払っていくというふうな措置を講じますれば、共済団体の収支が苦しくて家畜共済の運営が円滑を欠くというような事態は、相当改善を見るというふうに思っております。
なお、異常事故の具体的内容は、政令をもって指定をする予定でありますが、現在のところ考えておりますのは、ただいま家畜伝染病予防法によりまして輸出を禁止されるような場合の事故、あるいは天災融資法等が発動をされて、その中の激甚地帯で、特別被害地域に指定をされるといったような地帯に起こった事故というふうなものにしたい、そういう予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/9
-
010・倉成正
○倉成委員 損害防止事業の具体的な内容についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/10
-
011・森本修
○森本政府委員 損害防止事業の内容でございますが、まず第一に、どういう疾病について損害防止事業をやるかということでありますが、一口に言いますと、現在相当事故が多発しておるような疾病を指定して、それについて損害防止事業を重点的にやっていったらどうかというふうに思っております。実施の方法といたしましては、大綱を農林省から示しまして、それに沿ったような形で具体的な計画を各連合会から出していただいて、こちらのほうで承認をするというふうなことにしたらどうかと思っております。
なお、実施にあたりましては、もちろん共済団体の獣医師も担当されます。また、開業獣医師にも必要な部面を担当していただいて、相ともに損害防止事業の円滑な実施につとめていきたい、そういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/11
-
012・倉成正
○倉成委員 ただいままで若干の点につきまして質疑を申し上げましたが、今次の家畜共済の改正は、畜産事情の変化、特に多頭飼養の実態に即応をし、従来のいろいろな欠点を改めようとする点について、大幅に前進をしたものであり、意欲に満ちたものであることを認めたいと思います。したがいまして、ただいままでいろいろ質疑または要望を申し上げた諸点につきましては、十分配慮をして、今後の運営または改善の方途を講ぜられんことを要望いたしまして、私の質疑を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/12
-
013・中川俊思
○中川委員長 卜部政巳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/13
-
014・卜部政巳
○卜部委員 まず、本法案の内容につきまして質問なり意見を申し上げる前に、一言申し上げたいことがあります。
それは、本法案の提案理由の中にもありますけれども、家畜事情の著しい変化云々ということがいわれておりますが、この家畜事情の変化などというものは、何もきょうに始まった問題ではないと思うのであります。少なくともここ数年前からこのことが叫び続けられ、同時にまた、それがゆえに問題が累積し、さらに、その問題に対して今回当局が真剣になり、そして努力を払われたということについては、私は敬意を表したいと思うのでありますが、しかし、この法案をながめてみましても、いま有畜農家の方々が言われておることは、この法案自体は、むしろ血の通いを断つところの法案であるというきびしい批判さえ出てきているところであります。こういうような観点からいたしまして、その山積する問題に対していろいろと真剣に取り組まれたということについては、冒頭申し上げたように敬意を表しますけれども、なおかつ、この法案自体が不満足であるということについては、私はいささか不満の意を表せざるを符ないのであります。と同時に、この問題の山積するところ、そしてまた、当局が真剣に取り組もうとしておる中にあっても、どこかに隘路がある、どこかにこれを阻害する力がある、こういうことになりますと、私は、そこには自民党農政の、いわゆるあたたかい愛情のある農政が示されていないというところに、激しい憤りを感ずるのであります。こういう点から、これから具体的に質問に入りたい、同時にまた、山積する問題に対しまして、これが是正をされるべく、ひとつ善処の方向に向かっての皆さま方の御意見もお聞きしたいとともに、その方向について、政府のほうといたしましても十分なる配慮を私はしていただきたいと思うのであります。
そこで、まず第一点の問題でありますが、包括加入というのが取り上げられました。こういうような状態に対しまして、全頭加入ということが理想なのでありますが、はたしてこれが全頭加入できるであろうか、こういう問題が出てくるのではないだろうかと思います。先ほど倉成委員のほうからの質問もありましたが、事故選択、危険並びにそれに付随をいたしまして掛け金の徴収、さらには再保険、こういうことを考えたりいたしますならば、慎重な配慮が行なわれなければならないのでありますが、この問題について、一体どのように措置しようとしておるのかをお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/14
-
015・森本修
○森本政府委員 今回の改正を通じまして、従来加入率が停とんしておるのに対して、どの程度加入の実績があがるであろうかというふうな御質問であろうかと思うのですが、先般もお答えを申し上げたように、現在の加入率といたしましては、乳用牛から馬に至るまで加入率が若干違っておりますが、全体としては約五割から七割強といったような形になっております。必ずしも全頭加入といったような状態にはなっておりませんことは御承知のとおりであります。われわれといたしましては、そういった加入率の状態をできるだけ向上いたしたいというのが、加入についての今回の改正を通じての念願でございます。そういうふうなところから、たとえば掛け金につきましても、従来病傷については国庫負担がされていなかったのを、新しく今回病傷部分について国庫負担を拡大する、全体としても国庫負担率は従来よりもかなり改善をするように努力をいたしておるつもりでございます。また、従来加入についての一つの問題でございました農家の需要する事故と、共済のほうで給付をする事故との間にも、地帯なり経営によって若干ギャップがございました。そういう点を、今回は共済事故の選択制という思想を導入することによりまして、その間の調整をはかろうということで考えておるわけでございます。また、加入の方式につきましても、一頭加入方式のほかに、原則として包括加入方式といったようなものを採用いたしまして、加入についての従来の手続の繁雑あるいは給付面における不合理といったようなものを是正していこうということで、各種加入について従来問題とされておりました点について、改正案においては改善に努力をいたしておるわけであります。そういう点からいきますと、おそらく将来は改正案の施行の過程におきまして相当加入率が向上するもの、こういうふうにわれわれは期待をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/15
-
016・卜部政巳
○卜部委員 現在までの加入率は四九・四%ですね。同時に、共済価額及び共済金額のそれを見てもわかりますように、共済価額が一頭当たり資料に出ておりますように、十一万六千六百六円である。しかし、共済金額は一頭当たり四万七千百四円である。このような状態ではあまりはいれないということは、これは火を見るよりも明らかだと思うのです。同時に、国庫負担の問題、掛け金の問題、これはもちろん全頭加入になりますと、掛け金の問題も出てきますし、それが安くなるということや、さらにまたその問題から派生して国庫負担ということになりますと、その面の配慮も払われておるようで、一応形式的な面からしては成り立つと思うのでありますが、私はこの点に心配をいたす点は、ともかく事故選択というものが認められるという状態の中で、たとえばいまの共済組合のほうの赤字が累積をされておるならば、こういうものを入れるということになると、これは危険率が多い。したがって、事故選択でどんどん落としていく、こういうことも私は考えられると思うのです。そうしたならば、いま局長がおっしゃるように、そういうあたたかい配慮とは逆に、結果的には冒頭申し上げたように、何ら酪農農民の利益にはならない、こういうことであっては私はならないと思うのです。そういう配慮も行なった中の、ほんとうに農家の立場に立った一つの指導措置、こういうものも考え合わせなければならないと私は思うのですが、そういう点についての配慮はどうなのか、この点をひとつお知らせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/16
-
017・森本修
○森本政府委員 加入の頭数の率のほかに、共済金額の共済価格に対する割合といいますか、そういう点について、もう一つは、選択制が組合の恣意によって農家の不利になるように運用されるのではないかといったような御趣旨の、二つの御質問が含まれておるように思いますが、前半の問題は、今回国庫負担の率を増加いたしますと同時に、従来国庫負担対象共済金額というふうに呼ばれておりましたところの、共済掛け金の国庫負担をするベースになります共済金額、これが実情に比べてかなり低いといったような御指摘があったわけであります。その点につきましても、先ほどお答えをちょっと省略をいたしましたが、今回は国庫負担対象共済金額についても、実情に合うように引き上げを予定しておるわけでございます。そういう点からいきまして、頭数の加入率のほかに、共済金額の面におきましても、農家がかなり高い選択をなし得るような制度の方向に改正をしていこう、そういうふうに思っておるわけであります。
それから第二点の、共済事故の選択にあたりまして、組合が農家に不利なように運用するのではないかというふうな御懸念のようでございますが、その点につきましても、先ほと来申し上げておりますように、選択ができる農家の資格は、客観的に見ても選択をしてしかるべき農家に一応限定をして出発しようというふうな考え方をとっておりますことと、選択制をやりますにも、共済組合の定款を変更して、そこで決定をしていくというふうな形にいたしております。もちろん、定款の変更は県庁等の認可にもかかることでございますので、そういうふうな点からいきますれば、組合が収支上のみの考慮によって選択制を農家に不利にするような運営はチェックするように制度的にも仕組んでおりますし、運営にあたっても、そういうふうな点を十分指導監督していくつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/17
-
018・卜部政巳
○卜部委員 今度の法案に対しまして、四十二年度実施までの準備として、かなりきびしいスケジュールが農林当局のほうから発表されておるわけですね。たとえばいろいろの指導措置、さらにはこれに対するところの国庫負担の問題等の周知徹底、掛け金の問題等に対する問題、いま局長が指摘をされたような問題等に対するそういうスケジュールが決定をされておるわけでありますが、こういうようなスケジュールを大体どのように消化をされるのか、この点をお伺いをしたいと思います。ということは、先ほど局長が申されたように、なるほどりっぱなことが決定をされる、そうしてまた当局自体もそういうことは思っていなくても、現実にそういう方向というものがとられないというかっこうの中で、農民がまた痛めつけられるということであってはならないと私は思うのです。選択制の問題にしてもしかり。こういう問題について、そのスケジュールどおりこれを万全に行ない得るかどうか、この点をまずお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/18
-
019・森本修
○森本政府委員 今回の改正案を実施するまでに私のほうでやらなければならないと思っております手続の関係は、あるいは施行に必要な省政令を改正するというようなこと、先ほど御説明をしました定款なりあるいは条例を、これは組合内部の話でありますが、変更するというふうな手続、あるいは新しく料率を四十二年度から改正をするわけでありますが、そういった料率の改正の計数的な作業、あるいは給付の限度を設けるというふうな年間給付限度の設定に必要な事務といったような、いわば役所ベースあるいは組合ベースの仕事がございますが、そういうことはできれば年内くらいに手続を終わらしたいというふうなことで考えております。ただ、御質問の趣旨は、そういった制度の実施に必要な諸手続以外に、その制度の運営が真に農家のためになるような普及なりあるいは指導なりをどういうふうにするかという御質問であろうと思いますが、一面においてそういう諸手続を進めますと同時に、あるいは全国ベース、あるいはブロック別、組合単位、また最終的には地区別に種々の制度の普及の説明会あるいは協議会といったようなものをやりまして、制度の運営が真に組合員に徹底をされて、自主的な配慮のもとに適正に運営をされるというふうな点について、できるだけ趣旨その他の徹底をはかっていきたいということで、それに必要な諸経費の助成等につきましても、四十一年度予算に計上をいたしておる、そういう状況になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/19
-
020・卜部政巳
○卜部委員 趣旨徹底についての予算を云々という問題につきましては、後刻その問題に触れてまいりたいと思いますので、ここでは省略をいたしまして、次に、国庫負担の問題に入ってまいりますが、盛んに局長が国庫負担のそれを強調されますので、まず第一点に、乳牛の一戸当たりの平均飼養頭数は幾らになっておるかをお聞かせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/20
-
021・森本修
○森本政府委員 平均は三・四頭です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/21
-
022・卜部政巳
○卜部委員 そういたしますと、病傷事故でありますが、一頭から二頭、三頭から五頭、六頭から二十九頭、三十頭以上というような区分をされておりますが、このいずれが一番多くの傷病事故を出しておるのか、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/22
-
023・森本修
○森本政府委員 乳牛の階層別の事故の状況という御質問でございますが、三十八年度に調べました調査によりますと、加入頭数が、一番診療費で多くかかっておりますのは五頭の階層でございます。五頭の階層では、一年間の診療費が二千七百円ということになっております。それに次ぎまして、四頭、六頭あるいは三頭といったような形の分布になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/23
-
024・卜部政巳
○卜部委員 そうすると、局長、三頭から五頭が病傷事故は一番多い、こういうことでございますか。説明がそうなんですから、間違いがないわけです。それでいいわけであるはずなんですけれども、確認をしてよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/24
-
025・森本修
○森本政府委員 先ほど申し上げましたように、この調査によりますれば、五頭が一番診療費が高い。それに次ぎまして四頭、それから三頭、六頭といったようなものが階層別には診療費が高い、こういう実績になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/25
-
026・卜部政巳
○卜部委員 そうすると、今度の国庫負担率の区分によると、一頭から二頭まで、三頭から五頭まで、六頭から二十九頭までといううちの、三頭から五頭までが一番多い、こういうことでございますね。それで間違いないわけなんですから、話を進めていきたいと思いますが、そうすると、局長が胸を張って、いわゆる今度の国庫負担という点については、ずいぶん大幅なる改正を行なった云云とあるけれども、むしろ、六頭から二十九頭までは五割である。そして三頭から五頭は四割だというこの理由づけ、根拠をひとつお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/26
-
027・森本修
○森本政府委員 飼育階層別の国庫負担割合の説明ということでございますが、私どもが飼育頭数別の国庫負担の割合を考えました配慮事項といいますか、それは、一つは、飼育頭数の階層別の加入状況が一体どういうふうになっておるかということを考えました。それから全体といたしまして、農家経営上掛け金負担がどういう重みを持つか、そういう考え方が一つ。それからなお、酪農につきまして、経営上の育成目標といったような点が最近定められたので、政策的な観点との調整というふうなことで原案を考えたわけでございます。そこで、お尋ねの趣旨は、危険率の高さに応じて国庫負担がどうこうといったような御質問の趣旨でございますけれども、必ずしも危険率の高さと国席負担の割合をそれぞれパラレルにすべきであるというふうね考え方にはならないと思うのであります。現在の階層別の加入状況がどういうふうになっておるか、あるいはまた、結局農家が掛け金負担をどのように階層別に感じておるかといったようなこと、さらにまた政策的な点といたしましては、将来どういった経営農家の育成を考えていくか、政策上配慮していくかというふうな点とのかね合いで、階層別の国庫負担率を考えていくというふうなことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/27
-
028・卜部政巳
○卜部委員 私は、冒頭局長に、乳牛の一戸当たりの、平均飼養頭数は幾らかということをお尋ねをいたしました。そのときのお答えが、三十八年の統計によるところのものは、三頭−四頭が平均であるということのお答えがございました。同時に、病傷の事故発生数も、三頭から五頭の区分の農家が一番多いということも指摘をされております。私は、冒頭に申し上げたように、いままで現行法が血の通った法律でないなどという酷評をなぜ受けたかというところに、やはり思いをいたしていただきたいと思うのです。少なくとも三頭−四頭が平均だというのは、今日の畜産農家の実態を物語っておると思うのです。多頭化飼育という当局の理想と方針に従って、三頭から五頭という人たちが多頭化への過程を進んでおるわけです。そういうときに、いま説明をされております階層別だとか、全体としての掛け金だとか、いろいろな理由は述べられたけれども、私はこれは詭弁だと思うのです。それは局長の本意ではないと思う。こういう面について、少なくとも血の通ったところの政策をやるというのならば、むしろ平均にあるところの酪農農民の方々に重きを置いた政治的な配慮がなされなければならないと思うのです。ここに四割というような国庫負担でもって、四割をしてやったんだという不遜な——不遜と言ったらおかしいのですが、恩着せがましいような言い方はやめて、謙虚に、私が言うのは正しい、正しいのだけれども、いろいろの障害があるのだというふうにお答えをいただくならば、これは理解ができるのですよ。けれども、何かへ理屈をつけて、あたかもそのことが正しいようなことをおっしゃられる。これはだれが聞いても、さらにまた酪農農民が聞いても、私は納得できないものだと思う。こういう意味合いにおいて、これは常に農民のほうからも要求がありますような五割という線をぜひとも実施する、いわゆる二分の一国庫負担という問題については、政府は率直に耳を傾けるべきであると思う。その面において私の言っておることが正しいかどうか、ひとつ政務次官のほうから、将来に対する展望等について、今度はできないにしても、次の機会においてはこういうものができるというようなことも御答弁願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/28
-
029・仮谷忠男
○仮谷政府委員 確かに卜部先生のような御意見もあると思うのです。われわれもその点はよくわかりますが、しかし、今後の畜産の重点と申しますか、そういう面をやはり六頭以上に置いていく、多頭化の奨励というか、こういう点に特に重点を置いたというところに、ウエートが違っておるのじゃないかと考えます。御説はわれわれも確かに御理解できるのでありますが、ただ、今後の酪農行政の面から、六頭以上に重点を置いて政策を進めていくという観点から、こういう形になったことを御理解願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/29
-
030・卜部政巳
○卜部委員 私は、政務次官は農政の通だと思っておるわけです。ですから、そういうことばを聞こうとは思っていなかったわけです。ということは、先ほどから繰り返しておりますから省略をいたしますが、やはり零細な農民の方々が、一頭から二頭、三頭から五頭、それから六頭から二十九頭へと多頭化飼育の過程にあると思うのです。だから、そんなに一挙に六頭から二十九頭なんというかっこうにはならないのですよ。その面でやはり平均が示しておるように、そういう多数のいわゆる酪農農民がおるというのであれば、やはりそこに配慮すべきじゃないか、私はこう言っているのです。でありますから、掛け金のいわゆる国庫負担は今後の改正の問題じゃございません。これは政令事項でございますので、何ぼでも私は改正できると思うのです。その意味においては、ひとつ政務次官、私は政務次官の実力に期待をして、これは政令なんですから、やれるといったらやれるのですから、その点はどうですか、いかがなものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/30
-
031・仮谷忠男
○仮谷政府委員 冒頭に卜部先生からいろいろこの改正案についての御意見があって、私どもも確かに御意見のあるところは十分了承はできるわけでありますが、率直に申しまして、この家畜共済制度の改正は長い間の懸案でありましたけれども、相当思い切った改正なり、しかもそれに基づいて財政的にもかなり国の負担も要求しなければならぬといったような観点から、これは大蔵省ともずいぶん長い間真剣に私ども折衝を続けてまいったわけであります。したがって、現実の点から考えますと、まず可能な限りの努力をして、ようやく今日の改正案を得たという実情にあるわけであります。確かに、お説の点は一面異論はあると思います。その点はよくわかりますけれども、現実の問題としては、先ほどから局長もいろいろ申し上げておりますような次第でございまして、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思いますし、もちろん、将来においては検討しなければならぬと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/31
-
032・卜部政巳
○卜部委員 ですから、私はここでは政務次官なり当局を詰問しようとは思っていません。しかし、全国の酪農農民のそうした声——声というよりも、それが実態だということと、さらに本委員会におけるところのそういう声があるとするならば、政府はやはり耳を傾けるべきだと思うのです。それは、長い懸案であったものをいまここへ持ってきたという努力はよくわかります。だからといって、そういう声があるものを、それは次の機会にとか、次の機会というよりも、まあこれだけやったのだからという押しつけではなくて、率直に耳を傾けていただいて、ほんとうに皆さま方の努力が報いられ、血の通うような——従来がそういうつながりがないとかいわれておる法律だけに、私はそれだけのものがぜひほしかった。また、その点については、将来の問題——今度はむずかしいということであれば、次の機会にはぜひひとつこの点を実行してもらいたいことを要望しておきたいと思うのです。これは、私は、皆さま方の誠意がほんとうにあるかないかのバロメーターだと思うのです。どうかひとつその点は十分に御理解をいただいて、配慮していただくようにお願いをしておきたいと思います。
次に、今度の改正によるところの国庫負担は、最低三割から最高五割、こういうことになっておりまして、ならしてこれが三九・二%ということになっておるわけであります。そういうかっこうの中で、家畜加入推進奨励金というものの補助金を廃止するということになったわけでありますけれども、しからば、今度の国庫負担額の増減等の見込みをもちまして、現行に比してどのようになるのかをひとつ明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/32
-
033・森本修
○森本政府委員 国庫負担の割合が、現行と改正案でどういうふうになるかというお話でございますが、乳用牛につきましては、現在国庫負担割合は二〇・六%、改正後の見込みとしましては三九・二%、それから肉用牛は、現行は二二・三%、改正後は四〇%、馬は、現行が二一・二%、改正後は三三・三%になる見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/33
-
034・卜部政巳
○卜部委員 それはわかりました。
では、先ほど倉成委員のほうからも質問があったのですが、家畜共済にかかわるところの異常事故についての再保険責任等の問題をひとつ質問をいたしたいと思いますが、現在の家畜共済の保険責任割合は、国七割、それから農業共済団体が三割を持っておるわけでありますが、異常事故に基づく場合は、全額を国が再保険に付する、こういうことになっておるわけでありますけれども、この点については、いわゆるイの場合においては、伝染病だとか家畜伝染病予防法三十二条によるところの廃用または疾病という場合、二番目には、激甚法、天災融資法云々ということが出ておるわけでありますけれども、こういうような状態にない場合が想定されると私は思うのでありますが、こういう点は考えてみられたことがございますか。イ、ロにない場合においてそういうことが発生することがあり得るだろうと思う。たとえばイの場合には、伝染病とか法三十二条によるというのがありますね。異常事故の問題……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/34
-
035・森本修
○森本政府委員 御質問の御趣旨がちょっとわかりにくいのですが、私どものほうで考えておりますのは、異常事故につきましての今回の改正は、イの場合であろうとロの場合であろうとかかわりなく、全体について適用するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/35
-
036・卜部政巳
○卜部委員 イ、ロの場合は私はいいと言うのです。それは適用されるでありましょう。だけれども、それ以外の場合も、死傷の場合とか廃用という場合もあり得るのではないか、こういう場合は考えられていませんか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/36
-
037・森本修
○森本政府委員 国と共済団体との保険関係は、イかロかどちらかでありまして、それ以外のケースはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/37
-
038・卜部政巳
○卜部委員 そうすると、天災融資法並びに激甚法が適用をされていなければ、たとえば山くずれがあったなんという場合においても適用されない、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/38
-
039・森本修
○森本政府委員 異常事故についてのケースの判定の問題のようでございますが、いかなる事故に対しても全瀬田の特別会計で持つというわけにはまいりませんので、やはり一定の基準に従いまして異常事故と判定される場合に、今回の責任割合を適用せざるを得ないと思います。いま考えておりますのは、先ほど来お答えをいたしましたようなことで、家畜伝染病予防法の発動になるようなケース、あるいは激甚法、天災融資法が発動されるようなケースというようなことにしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/39
-
040・卜部政巳
○卜部委員 そうすると、これは私まだあれなんでございますが、松代の地震なんかは天災融資法並びに激甚法が適用されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/40
-
041・仮谷忠男
○仮谷政府委員 それは正式には法的には適用されておりませんけれども、それに準じて取り扱いをしょう、こういうことになっておると承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/41
-
042・卜部政巳
○卜部委員 そうすると、厳密に言うと、局長のことばでいうとだめだ、政務次官のおことばではこれはよろしい、こういうことになるわけですね。ここら辺、ちょっと私はむずかしいと思うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/42
-
043・仮谷忠男
○仮谷政府委員 私は、これが適用されるかされないかという問題でなくして、松代地震に関するいろいろな災害の取り扱いについて、大体激甚地の災害に準じて処理をしていこうということに取り扱いをしておるという意味でもって、家畜共済がどうかということは含んでおりませんから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/43
-
044・卜部政巳
○卜部委員 そうすると、準ずるということだけで、激甚法が適用されなければ、準ずるもくそもないわけでして、だから、その点が明らかにされればいいわけです。そういうかっこうですね。そうすると、たとえば島根県のような異質土壌がありますね。これは災害特別委員会等においても十分意見を申し上げて、政務次官はよく御存じだろうと思いますが、島根の場合は、雨が降ればすぐ山がくずれる。同時に牧舎なんかをばたっとつぶしていく。そうすると、和牛でも乳牛でも五、六頭一ぺんに死ぬという問題が出てきますね。そういう場合も、激甚法が適用されるかどうかということは別としましても、土壌の特殊的な問題だと思うのです。こういうものを準ずるということで理解してもいいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/44
-
045・仮谷忠男
○仮谷政府委員 異常事故というのは、御承知のとおり、どういうところで限界を定めるかということになりますと、やはり災害ということになれば、激甚指定を受ける、あるいは天災融資の適用を受けることによって、従来は異常と考えておったわけでありまして、松代地震の場合は、御承知のとおり、だれが考えても異常と考えられるわけです。そのことは、激甚地の指定の法律が適用されるということは別として、異常と考えられるので、それに準じて措置を講じておるということであります。そのことによって、いわゆる特殊な異常の状態が家畜の問題に起こっておるとすれば、私は、法の運用で適用してよろしいと思うわけであります。いまあなたが具体的におっしゃったことが、はたして異常と考えられるかどうかという問題については、やはり一つの問題のケースとして、現実にそういう問題が起こってから検討しなければいけない問題じゃないかと思いますので、いまそういうことを仮定して、いいとか悪いとかちょっと言えないと思います。そうすると、やはり激甚とかいうような一つの形式の問題は考えなきゃならないかと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/45
-
046・卜部政巳
○卜部委員 私は、地元のことですから、その面は固執はしたくはありませんが、ただ、松代地震の問題とは別に、少なくともこの島根の土壌の問題というのは、学界の中でもけんけんがくがくと論議をされて、この土壌問題についての結論が出ておるところなんです。そういう問題からするならば、そうした問題に対する配慮というものも当然出てもいいじゃないだろうか、この文の中に、そういう政務次官がおっしゃられたような項目を一文起こしておく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。こういう点について私は申し上げておるわけでありますが、繰り返し申し上げませんけれども、そういう問題もあるということを十分に配慮して、ひとつ進めていただきたい、こういうふうに考えるわけです。
次に、損害防止事業についてでありますが、先ほど倉成委員のほうから、どのような問題があるのか、どのような具体策があるのかなどという質問が行なわれておりましたけれども、私も聞いておって、若干わからぬ面もあるわけでありますから、繰り返し、ひとつ具体的に、損害防止事業の強化にはどのような措置をとるのか、この点をお伺いをしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/46
-
047・森本修
○森本政府委員 損害防止事業のことにつきましてお答えをいたします前に、簡単に先ほどの異常事故の問題についてお答えをいたしておきますが、異常事故についての考え方としましては、もちろん、災害の発生の原因について考えなければいけないと思いますけれども、それよりも、むしろ災害による被害の程度が異常であるかどうかということが、判定の大きな基準であろうと思います。そういう意味で、私どもが現在考えております事例といたしましては、さっき申し上げましたようなことを基準にして考えていったらどうか、そういうふうに思っておるわけでございます。
それから損害防止事業の具体的な内容でございますが、先ほどもお答えいたしましたように、牛あるいは馬につきまして、現在多発をいたしております疾病を予定いたしております。具体的には、乳牛につきまして繁殖障害とか代謝障害等の病気、肉用牛は金属異物性疾患、あるいは馬につきましても代謝障害といったような数種の病気を指定いたしまして、それを重点的に防止していきたい、そういう考えでおります。
それからやり方でありますが、やり方は、先ほど申し上げましたように農林省で大綱を示しまして、連合会が具体的な実施計画をつくるということになっております。なお、担当いたしますところの獣医師は、共済団体の獣医師のほか、広く開業獣医師の御協力を願う、こういうふうに考えております。なお、家畜の頭数その他につきましても、現在検討をいたしておりますが、少なくとも加入頭数の二割ないし三割程度のものについては、毎年損害防止をやっていったらどうか、こういう考え方でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/47
-
048・卜部政巳
○卜部委員 局長のほうからまた蒸し返して、異常事故の問題を申し述べられたので、私は特に申し上げておきたいのですけれども、三十九年、四十年と相次いだところの山陰の災害の問題、これはやはり特殊土壌からくるところの山津波、そうした問題で、ずいぶん乳牛とか和牛が死んでおるわけなのでありますから、そういう事情を的確に把握をされておる状態、同時にまた、そういう事例をとらえて話をしておるのです。でありますから、その災害が出たものによって判断しなければならない云々ということは、これは私もちょっと問題もあろうと思いますが、そういう場合はどうかということでひとつ念を押しておきたいと思います。山陰災害の場合のような山津波の場合はどうか。激甚法、天災融資法が適用されたところはいいですけれども、郡部なんかには適用されないところがあるのでありますが、そういう場合はどうかということです。
それから、いまの問題の損害防止事業についてでありますけれども、百五十条の二におきまして、国庫は、当分の間、共済組合連合会に対して損害防止事業の実施に関しまして費用の一部を交付することができる、こういっておるわけでありますけれども、この交付する金額は一体どのくらいのものか、ちょっと明らかにしていただきたいと思います。冒頭申し上げたようないろいろなスケジュールが組まれています。また、先ほど局長もこれには予算を流して云々ということを指摘をされています。したがって、それならばそれなりにその金額は明らかにされておらなければならないと思うのです。でありますから、その金はどのくらいあるのか、明らかにしてもらいたいと思います。各府県にはどれだけ落とすのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/48
-
049・森本修
○森本政府委員 具体的には四十二年度の予算折衝の過程におきまして交付金の額を決定することになっております。私どもが現在考えておりますのは、きわめて抽象的で恐縮でありますけれども、先ほど申し上げましたように、加入家畜の二割ないし三割程度の損害防止事業ができるに必要な額ということで、現在予算折衝をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/49
-
050・卜部政巳
○卜部委員 ちょっと聞こえなかったのですが、具体的にはわからないというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/50
-
051・森本修
○森本政府委員 具体的な計数は、先ほど申し上げましたように、四十二年度の予算の折衝の過程において決定をする予定でありますが、現在農林省として考えておりますことは、加入家畜について二割ないし三割の損害防止事業をするに必要な額ということで、予算折衝をいたしたい、こういうふうに存じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/51
-
052・卜部政巳
○卜部委員 そういたしますと、局長が冒頭言われたあのスケジュールによって予算を流していきたいということになりますと、二割ないし三割という予算折衝をしていきたいというけれども、現実にその金はどこにあるか。局長は冒頭、私がスケジュールの説明を聞きましたら、ブロック単位だとか、地域単位だとか、共済単位だとかいうようなかっこうで適正な指導をいたします、それには予算をつけます、こう言ったわけです。ところが、いまの時点では、二割ないし三割の予算を要求いたしますと、こういうわけです。ところが、実際その金はどこにあるかということですね。こういうことでは私は困ると思うのです。実際金はどれだけのものが用意されておるのかを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/52
-
053・森本修
○森本政府委員 先ほど予算措置を四十一年度において講じておると申し上げましたのは、全国ベースあるいは地区ベース、部落ベースの、今回の改正案の普及徹底に必要な普及費あるいは協議費といったものを予算で計上してある、そういうふうに申し上げたわけであります。損害防止事業につきましては、先ほど来お答えを申し上げましたようなことで、ひとつその準備をしていきたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/53
-
054・卜部政巳
○卜部委員 私は、いわゆる法改正の趣旨の徹底という問題も、そしてまたこの損害防止事業の問題も、不可分の関係にあると思うのです。ということは、先ほど来申し上げておりますように、三頭から五頭まで、それが多く事故が発生しておる。そして将来に向かってそれに措置をしようとするような状態の中において、私は、このようなものを二割ないし三割を要求するということから、四十二年度まで放置をしていいものなのかどうなのか、これはやはり率直に言って矛盾があると思います。そこで、その問題について適正なる措置を施しながら、そしてまた、全頭加入に向かっていく農民の意欲がそこに結集されなければならないと思うのです。こういう問題について私は指摘をいたしたいと思いますが、そのことは、局長は二つに分けて、法改正の問題損害防止事業のほうはこうだというふうに理解をされ、説明をされておりますから、それはそれなりに私はいいと思いますが、しかし、私は根本的には誤りだと思うのです。そういう措置もやはり適切に行なっていくべきだというふうに考えます。
そこで、いまこの法案を見ますと、説明等によりますと、交付金を出すというふうなことを言っておるわけですが、損害防止事業の場合は交付金として出すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/54
-
055・森本修
○森本政府委員 法律にもございますように、交付金という名目で交付をするつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/55
-
056・卜部政巳
○卜部委員 そうすると、農業災害補償法の九十五条におきましては、「組合等は、組合員等に、損害防止のため特に必要な処置をすべきことを指示することができる。」ということが書いてありますね。「この場合には、組合員等の負担した費用は、当該組合等の負担とする。」という、こういう書き足しが書いてありますね。そういうかっこうになりますと、私はこれは交付金じゃないと思うのですよ。私は、これは当然国が負担をする負担金だと思うのです。この点はどうですか。政務次官、どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/56
-
057・森本修
○森本政府委員 交付金の性格のお話でございますが、今回の交付金が、一面におきましては、お説のような損害防止事業をやりましたならば、特別会計にもメリットといいますか、効果があらわれるわけでありますから、費用負担的な性格も含まれておると思います。また他面におきましては、従来から連合会ないし組合において損害防止事業を自主的に実施しておる。それに対して国が金を出しまして——重点的あるいは統一的に損害防止事業をやっていくという意味で、国が金を出すわけでありますから、ある意味ではそういった損害防止事業に対する補助金的な性格も備えておるわけであります。きわめてあいまいな性格のようにも申し上げまして恐縮でありますが、そういった二面的な性格を持っておりますので、交付金ということにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/57
-
058・卜部政巳
○卜部委員 私はなぜ負担金ということを言いたいかというと、少なくとも今度の交付金の割合等についても、私は問題が出てくると思うんですよ。そういうときに交付金だなどと言っておったのでは私はだめだと思う。これはやはり国の負担金だ、こういう力強いものにしていかなければいけないと思うのです。その点では、私は、局長の姿勢が少し後退しておるのではないか、もう少し強くあってもいいと思うのですよ、大蔵当局に対するやり方といたしまして。
そこで、まず、この交付金の割合について、どういうふうになっているのか、ちょっと聞きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/58
-
059・森本修
○森本政府委員 お尋ねの趣旨は、損害防止事業に対して連合会と国とどういうふうな割合で持つように予算の折衝をするのかというお尋ねであろうと思います。私どもとしましては、もちろん完全な負担金ではございませんから、現在の共済関係の負担区分によるべきだといったようなことを画一的には言い切れないと思いますけれども、気持ちとしましては、できるだけ現在の負担区分の割合、つまり七割と三割といったようなことをめどにして予算要求をしていきたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/59
-
060・卜部政巳
○卜部委員 私も、いま局長の答弁があったように、やはり七割、三割というこの姿勢でなければならぬと思うのです。しかるがゆえに、やはりこれはあいまいな交付金というようなことばではなくて、私は負担金という方向でこれを裏づけるようなことでなければならないというふうに考えておるわけです。この点についてははっきりしていないわけでありまして、実際はまだ立てていないわけでしょう。七、三というのは、農林省としてはそういう方針でやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/60
-
061・森本修
○森本政府委員 しばしば申し上げておりますように、最終的には四十二年度予算折衝の過程において要求をし、決定をされるもの、こう思っておりますが、現在のところでは、先ほど申し上げましたように、現在の負担区分をめどにして予算要求をしていきたいというのが私ともの考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/61
-
062・卜部政巳
○卜部委員 舌足らずの面があったわけですが、局長が言うのは、その負担区分の国七、共済三という区分の方向は認めて、その方向で進めていく、こういうことですね。それでいいわけですね。——はい、わかりました。
そこで、私は、時間がありませんので、次に発展をさせていただきますが、この損害防止事業につきまして、実際問題としては、これを中心になって行なっていくところの家畜診療所の方々の現在の環境という問題にも触れてまいらなければならないと思うわけでありますが、この家畜診療所の現在置かれておる状態というものを局長はどのように把握をされておるか、畜産局長でも経済局長でもいいですが、お答え願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/62
-
063・森本修
○森本政府委員 家畜診療所の経営の状態はどうかということであろうと思いますが、現在、家畜診療所は全国に約千ございますが、黒字の診療所、赤字の診療所ほぼ半々、簡単に言いますと、そういうふうな状態になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/63
-
064・卜部政巳
○卜部委員 収支の状態はわかりました。
そこで、現在、診療所の職員ですね、こういう職員が、今度の損害防止事業の中心になって働かなければならぬと思うのですけれども、給与等の状態はどういうふうになっておるか、こういうことを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/64
-
065・森本修
○森本政府委員 従来から診療所に勤務をいたしておりますところの獣医師の給与水準は必ずしも高くはないということで、いろんな要望が出されております。たとえば四十年度一人当たり給与額は、年額にいたしまして七十一万円程度ということでございまして、県における同種職員に比べましても、給与は若干劣っているというようなことでございます。そういうことでございますので、従来からも私どもはできるだけ診療所職員の給与水準の向上について配慮をいたしておるわけでありますが、何といいましても、診療業務が主体の獣医師でございますから、根本的には、加入頭数を増加いたしまして、いわゆる技術料収入が向上するということが給与改善に連なる最も大きな道でございます。今回の改正案によりまして、先ほど来申し上げておりますように、かなり加入頭数の向上が見込まれるというふうなことでございますので、そういう方面からいたしますと、給与の最も大きなソースでありますところの技術料収入がかなり増加をしていくであろう、こういうふうに考えております。
それからなお、獣医師は損害防止事業にも従事をいたしております。そういう関係からいきますと、今回損防費について国から交付金を出すという点についても、診療所の獣医師に対する給与改善に大きく役立つであろう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/65
-
066・卜部政巳
○卜部委員 後段の局長の御答弁、ちょっと聞き取りにくかったのですが、損防事業の交付金の中からそれが補われるということなんですか。そういうことじゃないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/66
-
067・森本修
○森本政府委員 診療所の収入あるいは獣医師の給与に連なる収入といたしましては、一つは、診療に従事した際の報酬という点と、それから診療外、たとえば損害防止事業をすることによる収入、こういう二点があるわけであります。
第一の点は、先ほど申し上げましたように、加入頭数の増加によって技術料収入が相当向上するであろう。それから第二の損防事業についても、診療所としては、先ほど申し上げました交付金を収入として計上できるわけでありますから、その点も診療所収入、ひいては獣医師の待遇改善に相当寄与するものであろう、こういうふうに申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/67
-
068・卜部政巳
○卜部委員 そこで、私は、実は次の点が懸念をされるのです。ということは、いま局長が二点の問題を取り上げて、そうして診療所の待遇改善の問題もその面から向上するのではないかという指摘があったわけでございますが、現在の状態は、局長も御存じのように、本来の業務以外の仕事というものも一生懸命にやっておるような結果が出ておるわけです。でありますがゆえに、せっかくの技術も生かされないというような問題も出てきておるわけでありますが、ともかくそういうような問題の中で待遇を改善するという形になりますならば、農家も酸医師も含めてでありますが、両方が成り立つだけの点数を上げていく、これ以外にないのではないだろうかというふうに私は考えるわけです。それが第一点。
それから第二点は、損防事業の交付金などをかりそめにも使うようなことがあってはならないと思います。これは将来の展望などでありますが、ひとつ、これは局長もさることながら、政務次官も、この議事録の中にはっきりととどめておいていただきたいのは、かりそめにもそういう損害防止事業の交付金がその中に入るなどということがあることのないように、この点はひとつ配慮をしてもらいたい。この点を確認をしていただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/68
-
069・森本修
○森本政府委員 第一点の診療点数の問題でございますが、技術料につきましても、過去、最近二回ばかり引き上げをして、できるだけ実態に会うように努力してきたわけであります。将来におきましても、それぞれ実態を調査いたしまして検討をし、しかるべき措置を講じていきたい、こういうふうに思っております。
なお、損害防止事業について、他事業に流用されないようにというお話でございますが、もちろん、そのようなことのないように、できる限り監督を厳重にしていくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/69
-
070・卜部政巳
○卜部委員 できる限りとはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/70
-
071・森本修
○森本政府委員 ことばといたしましては、絶対にさようなことはないように監督をしていきたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/71
-
072・卜部政巳
○卜部委員 次は、これは若干畜産局長もおられて皮肉に聞こえるようで、まことに恐縮でございますが、損害防止の問題も含めてではございますが、このような制度そのものについても、私は、最も必要なのは省内の意見の統一でなければならないと思うのです。それは畜産のほうの担当であり、これは経済局のほうの担当であるというような形の中では、常に右往左往しなければならないのは診療所である。ひいてはまた、農民の方々がそのために困惑をするという問題も出てまいります。具体的な問題をあげろといえばあげますけれども、こういう委員会ですから省略をいたしますが、その点はひとつ十分な配慮のもとに、この法案の成果をあげるために御努力を願いたい。何かセクトが、率直に言うとにじみ出ている現行の状態である。この点は皮肉に聞こえてまことに恐縮ですが、しかし、私は、こういうことが一番先決を要する問題でもあろうかと思いますので、この点はひとつ特に要望をしておきたいというふうに考えます。
さらに、これは下部からの要請でございますけれども、これは畜産局長に申し上げたいのですが、いま畜産の官僚のOBでつくっているコンサルタントというものがありますね。こういう問題についても、ひとつ真剣に触れて指導していただきたい、こういう点が要望されております。実際問題としては、まだそういう機会に触れたというためしがないという声を聞くわけでありますが、その点もひとつ十分配慮をしていただきたい。
時間がございませんので、次へ進んでまいりますが、現在の制度の中で、犬やネコを除いて、日本では、家畜を対象としてはほとんど開業医の経営が成り立たないということがいわれております。この間、当局の説明によりますと、地域的には開業医が成り立っているけれども、またある半面、地域的においては成り立たないというアンバラがあるというふうにいわれておりますけれども、これをならして、この開業医というものがあまり生計が楽ではないということを私は指摘をしたいと思うのです。おそらく、局長の答弁によりますと、これは家畜の分布の変化によるところの需要と供給の地域的な不均衡から免じたものだ云々というお答えがあろうと思いますけれども、私は、将来の家畜診療体制のあり方という、この家畜保健行政の問題と、さらに獣医師対策という問題がやはり基本になくちゃならないと思いますが、この点についてひとつ御答弁を願いたいと思います。
〔発言する者多し〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/72
-
073・中川俊思
○中川委員長 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/73
-
074・檜垣徳太郎
○檜垣政府委員 御質問にもございましたように、現状におきまして、開業獣医師の所得の水準は、他の業種に比べて必ずしも高いものといえないのでございます。この点は、お話のありましたように、今後の家畜飼養の動向に即しまして、獣医師の配置と申しますか、その点についての指導をいたしますことと、共済診療関係におきます診療措置との調整をはかっていくということ、また、畜産全体の発展の中で獣医師の所得の向上という問題を、診療点数等の問題等も関連して配慮をしていくということが必要であろうというふうに思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/74
-
075・卜部政巳
○卜部委員 それから、これは事務手続の問題になるのでありますが、開業医が診察費の請求を行なう、診断を行なって、それの請求を行ないましても、私の地元の開業医なんかは、現実に手元に届くのは六カ月から一年かかる。それではとてもじゃありませんが、不渡り手形じゃありませんが、台風手形なり、さらにはお産手形を発行されるようなものでありまして、現状に私はマッチしないと思うのです。こういう点も、やはり人間のお医者さんと同じように、私は、この機構も変えてすみやかに現金が届くような姿にせなければならないと思うのでありますが、この点についてはそういう方向に改善をするかどうか、この点をひとつお伺いしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/75
-
076・森本修
○森本政府委員 獣医師に対する共済金の支払いがおそいというお話でございます。先ほどもお答えを申し上げましたけれども、現状においてはなお改善すべき点が多々残っておると思います。私どもとしましても、できるだけ早期に支払いができるように促進をしていきたい。たとえば今回の改正案の実施におきましても、従来事前に損害評価会にかけないと共済金の支払いができないというふうなかっこうになっておりましたけれども、家畜に関する限りは損害評価会の事前審査を省略するというふうなことで、できるだけ支払い事務の促進につとめていくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/76
-
077・卜部政巳
○卜部委員 もう二点ほどで終わります。
そこで、機構の改正の問題でありますが、ともかく現段階においては三段階の形がとられておるわけですね。これは二段階にせよという強い要望があるわけです。それはもちろん市町村の拡充強化というものがなされなければならないとは思うのでありますが、そうした面の考慮等も、いまの問題と織りなしてやはり当然考慮されるべきではないだろうか、こういう点もひとつ要望しておきたいと思います。
次に、これは将来の問題といたしまして、肉豚と鶏の共済の問題であります。今度の法改正の問題について、この問題が改正になってはいませんけれども、調査するというようなかっこうになっておるわけでありますが、御承知のように、逐年大規模化する豚コレだとか、いろいろなこういう伝染病が入ってくるということになれば、一ぺんにころっとなるような状態も出てくるわけであります。こういう問題についても、やはり早急に手を打たなければならない問題だと私は思うのでありますが、これも先ほど来申し上げておりますところの改正問題とあわせ、早急にこの問題をやはり法改正に結びつけるような別の方向を見出してもらいたいと思います。この点に対する当局の抱負なりそういうものをお聞かせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/77
-
078・森本修
○森本政府委員 新しい肉豚なりあるいは鶏についての共済制度の実施の問題でございますが、肉豚につきましては、私どもとしましても、できればということで、実は実施の一つの素案をつくったわけでございますが、御案内のように、地域によりまして経営形態が違う、そういったことからくる保険に対する需要もかなり違うというふうなことで、なお四十一年度実際上の調査をいたしましてからでないと、全国に統一した制度を発足させるというわけにはまいらないような状況でございますので、とりあえず、四十一年度はそういった点について重点的に調査をしたい。その調査の結果成案を得ますれば、なるべくすみやかに実施に移すように検討していきたい、こういうふうに思っております。
なお、鶏につきましては、若干豚等と様相が異なりますので、調査等あるいは設計をつくるという点については困難も伴いますけれども、これについても四十一年度から調査をすることにいたしておりますので、そういった調査の過程を通じて成案を得るようにできるだけやっていきたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/78
-
079・卜部政巳
○卜部委員 では最後に一点だけ。
いま局長のほうから、なるべく早い時期に成案を得るように努力したいという答弁があったわけでありますが、私は、やはりこういう問題については目標なりそうした展望というものが明らかにされなくちゃならぬと思うのです。だから、いずれの時点までにこの問題を提案をするかというような一つのめどがあれば、聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/79
-
080・森本修
○森本政府委員 先ほど来申し上げましたようなことで、四十一年度から鋭意調査をするということでございます。したがいまして、いま直ちに、いつから実施するというようなことは申し上げかねる段階でございますので、できるだけすみやかに調査の結果を検討して努力をしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/80
-
081・卜部政巳
○卜部委員 まだ問題がありますが、後続のわが党委員の質問があるそうでありますので、私の質問はこれをもって終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/81
-
082・中川俊思
○中川委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後四時四十六分休憩
————◇—————
〔休憩後は会議を開くに至らなかった。〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105007X04919660620/82
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。