1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年二月二十二日(火曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 大久保武雄君
理事 上村千一郎君 理事 大竹 太郎君
理事 小島 徹三君 理事 濱田 幸雄君
理事 坂本 泰良君 理事 細迫 兼光君
鍛冶 良作君 佐伯 宗義君
田中伊三次君 馬場 元治君
濱野 清吾君 森下 元晴君
山田 長司君 西村 榮一君
志賀 義雄君
出席国務大臣
法 務 大 臣 石井光次郎君
出席政府委員
検 事
(大臣官房司法
法制調査部長) 監野 宜慶君
委員外の出席者
判 事
(最高裁判所事
務総局総務局
長) 寺田 治郎君
判 事
(最高裁判所事
務総局人事局
長) 矢崎 憲正君
専 門 員 高橋 勝好君
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二月二十二日
委員賀屋興宣君辞任につき、その補欠として鍛
冶良作君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員鍛冶良作君辞任につき、その補欠として賀
屋興宣君が議長の指名で委員に選任された。
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二月十八日
裁判所法及び裁判所職員定員法の一部を改正す
る法律案(内閣提出第八一号)
最高裁判所裁判官退職手当特例法案(内閣提出
第八二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
裁判所法及び裁判所職員定員法の一部を改正す
る法律案(内閣提出第八一号)
最高裁判所裁判官退職手当特例法案(内閣提出
第八二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X00919660222/0
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001・大久保武雄
○大久保委員長 これより会議を開きます。
裁判所法及び裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び最高裁判所裁判官退職手当特例法案の両案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X00919660222/1
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002・大久保武雄
○大久保委員長 まず、政府より両案の提案理由の説明を求めます。石井法務大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X00919660222/2
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003・石井光次郎
○石井国務大臣 裁判所法及び裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を説明いたします。
まず、裁判所法の一部を改正しようとする点でありまするが、これは、新たに地方裁判所に、特殊の事件につきまして、裁判官の命を受けて事件の審理及び裁判に関して必要な調査をつかさどる裁判所調査官を置こうとするものでございます。
御承知のとおり、現行裁判所法上、裁判所調査官は、最高裁判所及び高等裁判所にのみ置かれ、地方裁判所には置かれておりません。ところで、地方裁判所におきましては、近年、工業所有権に関する事件及び租税に関する事件は、その受理件数も相当数にのぼっております上に、その審理期間も他の一般の事件に比し著しく長期化している実情にありまするので、もちろん、この種の事件の処理に当たりまする裁判官の努力には、なみなみならぬものがあるのでありまするが、何ぶんにも、これらの事件は、事柄の性質上、法律知識以外の特殊な専門的知識を必要とする複雑困難な問題を含んでいることが多いのでありまして、これが、これらの事件の審理期間を長期化せしめる最大の原因となっているものと考えられるのでございます。そこで、政府におきましては、この種の事件の審理及び裁判の適正迅速化をはかるために、先般臨時司法制度調査会が内閣に対して述べました意見を参酌いたしまして、今回、地方裁判所に、これらの特殊専門的な知識及び経験を活用して裁判官を補助する裁判所調査官を置くこととし、これに裁判官の命を受けて工業所有権または租税に関する事件の審理及び裁判に関して必要な調査をつかさどらせようとすることにした次第でございます。
次に、裁判所職員定員法の一部を改正しようとする点でありまするが、その要旨は、下級裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下簡単にその要点とするところを申し上げます。
まず、その第一点は、高等裁判所における訴訟の適正迅速な処理をはかるために、下級裁判所の裁判官の員数を増加することであります。高等裁判所における事件の処理状況を見ますると、近年未済事件が増加いたしまして、審理期間の長期化が目立つようになってまいりました。そこで、政府におきましては、この際、高等裁判所における訴訟の適正迅速な処理をはかるために、さしあたり、判事の員数を二十七人増加しようとすることにいたしたのでございます。
第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数を増加しようとする点であります。すでに述べましたとおり、新たに地方裁判所に裁判所調査官を置くために裁判所調査官の員数を増加し、また、さきに述べました高等裁判所の判事の員数を増加することとしたことに伴いまして、裁判所書記官の員数を増加するほか、近時少年の保護事件の数がますます増加の傾向にあること等に伴いまして、その調査の充実をはかる等のため、専門の学識及び経験により裁判官を補助する家庭裁判所調査官の員数を増加しようとするものであります。これら新たに増加しようとする裁判官以外の裁判所の職員の員数の総数は、五十八名であります。
以上が裁判所法及び裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいまするよう、お願いいたす次第でございます。
次に、最高裁判所裁判官退職手当特例法案につきまして、その趣旨を説明いたします。
日本国憲法のもとにおいて、最高裁判所のになう使命と責任の重大なことは申すまでもないところであり、この重責が全うされるためには、最高裁判所の裁判官に、広く各方面から、識見の高い人材を得なければならないのであります。
最高裁判所の裁判官にそのような人材を得、かつ、そのような人たが安んじてその職責を全うするためには、その在職中の処遇についてのみならず、その退職後の処遇についても特別の配慮が払われなければならないものと考えられるのでございます。
現在、最高裁判所の裁判官が退職した場合には、他の国家公務員等の場合と全く同様に、国家公務員等退職手当法によりまして退職手当が支給されるのでありまするが、同法は、広く一般の国家公務員等につき、主としてその勤続期間の長短及びその退職の理由に着目して退職手当の支給の基準等を定めている関係上、最高裁判所の裁判官が退職した場合に支給される退職手当の額は、最高裁判所の裁判官の地位の重要性にかんがみるとき、必ずしもこれにふさわしいものとはいえないうらみがあるのでございます。
ことに、最高裁判所の裁判官については、そのうち数人は、弁護士のように国家公務員としての長期勤務者でない者から任命されるのが最高裁判所発足以来の常例となっているのでありますが、現行法による退職手当は、永年勤続に対する報償という性格を強く有している結果、このような人人に対する退職手当の額は、その地位の重要性等に比べて、きわめてわずかなものとならざるを得ないのでありまして、この点につきましては、先般内閣に対して提出されました臨時司法制度調査会の意見においても、つとに指摘され、これについて何らかの措置を講ずべきものとされているところであります。
そこで、政府におきましては、最高裁判所の裁判官が退職した場合に支給する退職手当を増額する等の必要があるものと考え、ここに、この法律案を提出した次第でありまして、以下簡単にその要点を御説明申し上げます。
この法律案は、最高裁判所の裁判官が退職した場合に国家公務員等退職手当法に基づいて支給されることとなる退職手当の算定の基礎となる支給率、勤続期間の計算等について、同法の特例を設けようとするものでありまして、その内容は、おおむね次のとおりであります。
第一は、退職手当の支給率についての特例であります。
国家公務員等退職手当法におきましては、勤続期間一年についての退職手当の支給率は、勤続年数、退職の理由等に応じて、おおむね俸給月額の分の百ないし百分の百八十と定められているのでありますが、最高裁判所の裁判官の退職手当につきましては、勤続年数の長短及び退職の理由にかかわりなく、その支給率を、最高裁判所の裁判官としての勤続期間一年について報酬月額の百分の六百五十としようとするものでございます。
第二は、退職手当の算定の基礎となります勤続期間の計算についての特例でございます。
国家公務員等退職手当法の規定によりますと、一般の国家公務員等としての在職期間と最高裁判所の裁判官としての在職期間とが引き続いている場合等には、両在職期間を通算して退職手当の額を計算した上、これを支給することとなるのでありまするが、第一に述べた特例によりまして、最高裁判所の裁判官の退職手当が他の職員のそれとはややその性格を異にするものとなること等にかんがみまして、最高裁判所の裁判官としての在職期間については、他の職員としての在職期間と引き続いている場合であっても、その期間とは通算しないこととし、最高裁判所の裁判官の在職期間についてのみ、第一で述べた支給率の特例による退職手当を支給することとしようとするものでございます。
以上が最高裁判所裁判官退職手当特例法案の趣旨でございます。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますよう、お願いいたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X00919660222/3
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004・大久保武雄
○大久保委員長 以上で、両案に対する提案理由の説明は終わりました。
質疑は後日に譲ることといたします。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X00919660222/4
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